説明

フィッシャー−トロプシュ反応からの水流の精製方法

本発明は、以下の工程を含む、フィッシャー−トロプシュ反応からの水流の精製方法に関する;
−フィッシャー−トロプシュ反応の有機副生成物を含む水流を、パーシャルコンデンサー及びトータルコンデンサーを備えた蒸留カラムからなる系に供給する工程、
−前記カラムの頭部を離れた蒸発した流れを部分濃縮して、次いでより重い副生成物を富化した第一の蒸留物を回収する工程、
−パーシャルコンデンサーを離れた蒸発した流れを完全濃縮して、液体流を回収して、還流として部分的に蒸留カラムに送り返す一方で、残りの部分を蒸留物として回収する工程、
−蒸留カラムの底部から精製した水流を抜き出す工程。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、フィッシャー−トロプシュ反応からの水流の浄化方法に関する。
具体的には、本発明は、蒸留カラム中での処理、次いで蒸留カラムを離れた蒸気の部分的な濃縮処理、次いで完全な濃縮に基づく、フィッシャー−トロプシュ反応からの水流の精製方法に関する。
【0002】
フィッシャー−トロプシュ反応を用いた液体炭化水素の製造方法は、炭化水素に転換されたCOの各モル数に対するモル数の水の生成に付随して、製造された炭化水素の合計量よりも多い、大量の水を発生させる。
二つの相が、この反応により実質的に製造される。即ち、1〜25の炭素原子の数及び大気圧でのC5-C25画分に対する150℃以下の沸点を有する炭化水素の混合物から実質的に成るより軽い蒸気相と、反応副生成物、例えば水蒸気、エーテル又はアルコールである。
【0003】
未反応の反応ガスと共に、この流れを冷却して、濃縮し次いで反応により発生した水及び他の副生成物から炭化水素を分離する。
この操作は、液体に対する普通の相分離器中で達成され、この操作の後は水中に分散された痕跡量の有機相が存在し得る。これらは、下流の適用において泡を発生し得、その結果として、分散された有機生成物の完全な除去は、凝集フィルター(coalescence filter)により達成される(米国特許2004/0262199A1、サゾール(Sasol))。
製造地における降水又は他の用水は、化学用水に添加できる。
しかしながら、得られる水流は、水に対する有機化合物の溶解性に起因して、種々の汚染物質、更に腐食物を含み、及びさらなる精製を行うことなくその工程において完全に排出され及び/又は再利用することができない。
【0004】
この汚染物質は、変化する量において、アルコール、酸、ケトン、アルデヒド及び炭化水素から成り得る。アルコールの濃度は、0.5〜5質量%で、酸の濃度は0.05〜1.5%で、炭化水素は0.001〜0.1%で変動し得る。
各グループ内で存在する化合物の量は、分子量の増加に伴って減少し、及び化合物は合計25以下の炭素原子を有する。
この水の処理系は、通常、ストリッピングカラム内でさらなるガス流、例えば天然ガス、水蒸気又は空気を用いて達成され(米国1991/5,004,862、エクソン)、又は、リボイラを備え(米国2001/6.225.358B1、シントロレウム(Syntroleum)、米国2004/0262199A1、サゾール)及び還流を備えた又は備えていない蒸留装置の内部で達成される、一部の水の蒸発操作を含む。
【0005】
2つの方法の組み合わせを考慮する系も使用される(米国2001/6.225.358B1、シントロレウム)。この方法において、非酸有機化合物に富む流れが得られ、まだかなりの水及び前もって除去されていない、多少の酸及び可能な塩又は懸濁された固形分が残る水流を含む。
他の可能性のある水処理は、米国特許2002/6.462.097B1 IFP-Agip Petroli-ENIで記載されているような、場合により蒸留物中のアルコール、アルデヒド、炭化水素及びケトンを濃縮する蒸留が先行する、活性炭又は他の吸収性の固形物、例えばクレイ又はゼオライトを用いた、水に含まれる有機生成物の除去のための処理である。
ストリッピング及び蒸留操作は、アルコール、炭化水素、ケトン及びアルデヒドが、水の中に少量存在する場合に、かなり理想的でない挙動を有するという事実に基づいており、これらの物質は、水自身よりもより蒸発しやすく、ストリッピング及び蒸留装置の頭部で濃縮される。この方法において、これらの物質は実質的に有機酸だけが残った主要な水流から分離される。
【0006】
米国特許2004/0262199A1サゾールは、蒸留カラムの使用を考慮しており、一旦、長鎖を有する酸ではない化合物がより軽い化合物と共に濃縮されると、これらの化合物は、これらのほとんどの非理想性を失い、従って蒸発しにくくなる傾向があることを指摘している。
この方法において、これらが出口を見つけることなく、カラムの下部の上に向かって押し上げられ、上部の下に向かって押し下げられることが起こり得る。
米国特許2004/0262199A1サゾールによって提案された解決策は、分離(demixing)を伴って、供給及びカラムの最も高いプレートの間に、液相のサイドコレクション(side collection)を挿入して、水相を同じカラムに送り直して有機層を回収することからなる。この操作は、カラムの一貫した構造の改良及び分離する(demix)ことが難しいエマルションの可能な形態に関係する問題のための操作手順も考慮する。
【0007】
より重い化合物を除去する他の方法は、リボイラの近くに設置されたプレートからの蒸気相中の流れを除去する工程、これを濃縮する工程、有機相から水性相を分離する工程及び供給中に前記水性相を再利用する工程からなる。
フィッシャー−トロプシュ反応からの水の精製系のさらなる目的は、流れの中の水含量を低下させ、酸ではない重い有機副生成物を富化させて、よりよい燃焼及び/又は存在する化合物の改良を許容することにある。
【0008】
蒸留カラムを離れた蒸気の単純な部分的な濃縮操作、次いで全体の濃縮により、重い非酸の有機化合物が、カラムに供給される水から有意に分離され、同時に蒸留物中に存在する水含量を最小限にするある方法が発見された。重い有機化合物を富化した流れは、結果として、サイドコレクションの導入によることなく、痕跡量のみを含む精製された流れと共に得られる。
【0009】
この方法に従って、本発明の対象は、以下の工程を含む、フィッシャー−トロプシュ反応からの水流を精製する方法に関し;
−フィッシャー−トロプシュ反応の有機副生成物を含んだ水流を、パーシャルコンデンサー及びトータルコンデンサーを備えた蒸留カラムからなる系に供給する工程、
−前記カラムの頭部を離れた気化した流れを部分濃縮して、次いでより重い副生成物に富む第一の蒸留物を回収する工程、
−パーシャルコンデンサーを離れた気化流を全体に濃縮して、液体流を回収して、還流として部分的に蒸留カラムに送り返す一方で、残りの部分を蒸留物として回収する工程、
−蒸留カラムの底部から精製した水流を抜き出す工程。
【0010】
より具体的には、本発明の方法は、図1に示すスキームに従って、以下の工程を含む;
(a)0.5〜7質量%の量でフィッシャー−トロプシュ反応の有機副生成物を含む水流(1)を、パーシャルコンデンサー(30)及びトータルコンデンサー(40)を備えた蒸留カラム(20)からなる系に供給する工程、
(b)カラム(20)の内部で、5〜40質量%の範囲で供給流れの一部を気化させる工程、
(c)20〜80質量%の範囲の濃度でフィッシャー−トロプシュ反応の副生成物、及び供給の組成及び操作条件の関係で得ることができる最小量の水を含んだ供給流れ(2)の5〜40質量%の量で、カラム(20)の頭部から蒸発した流れを回収する工程、
(d)カラムの頭部を離れた蒸発した流れ(2)の0.5〜15質量%の量をコンデンサー(30)中で濃縮して、10〜50質量%で変動する濃度で水、及び30〜60質量%の範囲で変動する濃度で重い有機副生成物を含んだ蒸留物として除去される、液体流れ(4)を得る工程、
(e)コンデンサー(30)を離れた蒸発した流れ(3)を第二のコンデンサー(40)中で完全に濃縮して、20〜50質量%の範囲の濃度でより低い分子量の副生成物及び水を含んだ液体流れを得る工程、
(f)コンデンサー(40)を離れた液体流れの75〜98質量%に対応する流れ(6)を、還流としてカラム(20)に戻し、コンデンサーを離れた流れの2〜25質量%に相当する流れ(5)を蒸留物として回収する工程、
(g)1,000ppmより低い、酸ではない有機化合物の残存量を含む、精製された水流(8)をカラムの底部から抜き出す工程。
【0011】
蒸留カラムに供給される流れは、1以上の相分離器を用いて、ガス相及び炭化水素が豊富な液体相から分離された後に、フィッシャートロプシュ反応からの水性相からなる。
カラムに入る前に、供給流れは部分的に蒸発して、プラント中に存在する他の流れから熱を回収することができる。
【0012】
供給流れ中の有機化合物の濃度は、一般的には0.5〜7%である。特に、この流れは、以下の範囲の値で変動する組成を有する:
・水 93〜99.5質量%
・アルコール 0.5〜5質量%
・酸 0.05〜1.5質量%
・炭化水素 10〜1,000ppm
・金属 <10ppm
・COD 10,000〜140,000mg/l
【0013】
装置の下流で泡を形成し得る水性相中に分散された有機化合物の完全な除去は、凝集フィルターを使用して最大限にすることができるであろう。
泡の形成は、例えば、一般に知られる消泡剤、(アニオン性、シリコン界面活性剤、ポリエチレングリコール等)から選択される適切な消泡剤の添加により避けることもできる。
供給流れは、蒸留カラム内部で部分的に蒸発する。
前記蒸留カラムは、供給の上に備えられた理論精留工程(theoretical rectification step)及び供給の下に備えられた理論排気工程(theoretical exhaustion step)から成り、前記理論工程は、プレート又は構造化された若しくは構造化されていないタイプの充填物を用いて製造できる。
蒸発は、リボイラ、蒸気の直接注入又はストリッピングガスを用いて、又はプラント中に存在する他の流れとの熱交換を通して達成できる。
【0014】
供給の組成及び操作条件と関係して得られる最小限の量の水を含んだ蒸発した流れは、カラムの頭部を離れる。
カラムの頭部を離れた蒸発した流れ(2)の、0.5〜15%、好ましくは1〜5%の範囲の量がコンデンサー(30)中で濃縮され、結果得られた液体相(4)は、カラムを離れた蒸気相との関係で、重いアルコール(重い生成物)がより豊富で、かつ軽いアルコール(軽い生成物)及び水がより少ない。
この流れの中の水の濃度は、典型的には、10〜50%、好ましくは18〜35%の範囲であり、有機副生成物の濃度は、30〜60%、より具体的には38〜55%である。
第一の濃縮物は、完全に回収される。残りの蒸気相は、第二のコンデンサー中で完全に濃縮され、20〜50%、より具体的には30〜40%の水を含んだ液体流れを得、この一部である75〜98%、典型的には85〜95%が、還流としてカラムに戻され、残りの部分が蒸留物として回収される。
【0015】
この方法において、唯一のトータルコンデンサーを有するカラムに関して、全部の蒸留物が得ることができ、蒸留物中の水の量は、5〜10質量%の範囲の量まで削減され、副生成物、例えばアルコール、アルデヒド、ケトン及び炭化水素が濃縮され、1000質量ppmよりも少ない、具体的には100質量ppmよりもすくない、酸ではない有機副生成物の残存量を含む水性相が底部で濃縮される。
二つの濃縮物中に含まれる副生成物は、水含量の全体的な削減に起因する利点を伴って
燃料として改良され、この方法の炭素に対する全体の収率を最大限にするための合成ガスの製造に再利用し、又は化学生成物として存在する化合物を改良するためのさらなる精製に送ることができる。
残存する酸の含有量が、法定の制限を遵守する場合、カラムの底部を離れた水は、表面水として排出でき、他には、公知の方法(生物学的処理、炭素及び他の固形物支持体上への吸着)により更に精製することもできる。
【0016】
本発明の態様(図1)において、消泡剤が添加された供給1は、カラムの底部を離れた流れから熱を回収する交換機(10)中でプレヒートされ、もう一つの方法として、プラント中で利用可能な他の熱源を用いてプレヒートできる。
次いで、これは、2よりも多い、典型的には3〜15の、供給の上に配置された理論精留工程の数、及び5より多い、典型的には6〜30、より具体的には8〜14の、供給の下に配置された理論排気工程の数からなる、蒸留カラム20に供給される。
必要な理論工程は、蒸留カラムに対するプレート又は構造化された若しくは構造化されていないタイプの充填物をもちいて達成できる。
供給中に存在する有機生成物の量及びカラム(20)の操作条件に関係した量の水を含む蒸気相(2)の流れは、蒸留カラムの頭部を離れる。酸化合物は、主に、アルコール及び不揮発性の炭化水素の少ない画分を有する、カラムの底部を離れた流れ(8)中に残る。
【0017】
蒸気(2)は、コンデンサー(30)中で部分的に濃縮される。結果得られる液体相(4)は、さらに蒸気相(2)と関係して、より高い分子量を有する有機化合物が富化され、これは結果として分離される。
パーシャルコンデンサーを離れた蒸気相(3)は、コンデンサー(40)中で完全に濃縮され、流れ(5)と共に部分的に回収され、及び部分的に蒸留カラムの流れ(6)で還流として使用される。
カラム中に存在する蒸気相は、リボイラ(50)中の、供給のプレヒーティング交換器(10)中で部分的に発生でき、又はこれは、水蒸気又は他のガスの外部供給により発生し得る。
酸ではない全ての有機化合物が完全に精製された水は、流れ(8)でカラムの底部を離れ、続く使用である流れ(9)のために交換器(10)中で冷却できる。
カラムの操作圧力は、好ましくは環境圧力であり、カラムは、より高い圧力又はより低い圧力、例えば、50662.5Pa・s(0.5atm)〜303975Pa・s(3atm)の範囲内で等しく良好に機能することができ、操作制限は、実質的に、リボイラの加熱及びコンデンサーの冷却のための熱源の利用可能性により決定される。
【0018】
温度は、圧力及び混合物の組成により決定される。50662.5Pa・s(0.5atm)〜303975Pa・s(3atm)の範囲内での操作圧力で、カラムの頭部の温度は、60〜120℃の範囲で維持され、底部の濃度は、75〜130℃で維持される一方、第一のコンデンサーの温度は、所望の濃縮の程度及び圧力との関係で、55〜110℃の範囲である。
環境圧力で操作することが好ましく、カラムの頭部の温度は、80〜98℃の範囲内、カラムの底部は95〜105℃の範囲で維持される一方、第一のコンデンサーの温度は、75〜90℃の範囲である。
【0019】
実施例1
実施例として、以下の組成を有する混合物100kg/hを、7の理論精留工程及び12の理論排気工程を有するカラム中に供給する:
化合物 質量%
水 98.67
メタノール 0.2500
エタノール 0.2400
プロパノール 0.2300
ブタノール 0.1700
ペンタノール 0.1000
ヘキサノール 0.0500
ヘプタノール 0.0200
C8+アルコール 0.012
アセトン 0.0050
酢酸 0.1000
プロピオン酸 0.0691
ブタン酸 0.0344
ペンタン酸 0.0099
ヘキサン酸 0.0024
炭化水素 0.0400
【0020】
2,000の平均分子量を有するポリプロピレングリコール消泡剤を2ppm、供給に添加する。
カラム及び濃縮系を管理して、22.8kg/hのカラム頭部を離れる蒸気の流速、0.23kg/hの第一の濃縮物の流速、及び22.56kg/hの第二の濃縮物の流速の状態にし、そこから21.14kg/hが還流として、及び1.42kg/hが蒸留物として回収される。
装置を、頭部が87℃及び底部が99.8℃の温度で、絶対1000Pa(1bar)で維持する。
水は、頭部で蒸気中の34%の濃度及び第一の濃縮物中で18.9%の濃度を有する。C4+アルコールは、第一の濃縮物中で53.2%、及び第二の濃縮物中で12.13%の濃度で存在し、C1-C3アルコールは、第一の濃縮物及び第二の濃縮物中で、それぞれ24.7%及び46.45%の濃度を有する。
【0021】
二つの回収物中の水の平均濃度は、32質量%である。
酸は、第一の濃縮物中で2.71%及び第二の濃縮物中で0.23%の濃度を有する。
底部での流れにおいて、水は、99.79%の濃度を有し、残存アルコールの量は40ppm、酸は0.22%である。精製された水中の酸の全体量は、供給と比べて約10%まで削減される。
この方法において、重いアルコールが豊富な流れ、軽いアルコールが豊富な流れ及び精製された水流が得られる。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィッシャー−トロプシュ反応からの水流を精製する方法であって、以下の工程、
(1)前記反応の有機副生成物を含んだ前記水流を、パーシャルコンデンサー及びトータルコンデンサーを備えた蒸留カラムからなる系に供給する工程、
(2)前記カラムの頭部を離れた気化流を部分濃縮し、及びより重い副生成物に富む第一の蒸留物を回収する工程、
(3)前記パーシャルコンデンサーを離れた気化流を全体濃縮し、液体流を回収し、前記液体流が還流として部分的に蒸留カラムに送り返される一方で、残りの部分が蒸留物として回収される工程、
−蒸留カラムの底部から精製した水流を抜き出す工程、
を含む方法。
【請求項2】
図1に示されるスキームに従って、以下の工程、
(a)0.5〜7質量%の量で前記フィッシャー−トロプシュ反応の前記有機副生成物を含む水流(1)を、パーシャルコンデンサー(30)及びトータルコンデンサー(40)を備えた蒸留カラム(20)からなる系に供給する工程、
(b)前記カラム(20)の内部で、5〜40質量%の供給流れの一部を気化させる工程、
(c)20〜80質量%の濃度で、フィッシャー−トロプシュ反応の副生成物、及び供給の組成及び操作条件の関係で得ることができる最小量の水を含む流れ(2)の5〜40質量%の量で、カラム(20)の頭部から蒸発した流れを回収する工程、
(d)カラムの頭部を離れた蒸発した流れ(2)の0.5〜15質量%の量をコンデンサー(30)中で濃縮して、10〜50質量%で変動する濃度で水、及び30〜60質量%の範囲で変動する濃度で重い有機副生成物を含む蒸留物として回収される、液体流れ(4)を得る工程、
(e)コンデンサー(30)を離れた気化流(3)を第二のコンデンサー(40)中で全体濃縮して、20〜50質量%の範囲の濃度でより低い分子量の副生成物及び水を含んだ液体流れを得る工程、
(f)コンデンサー(40)を離れた液体流れの75〜98質量%に対応する流れ(6)を、還流としてカラム(20)に戻し、コンデンサーを離れた流れの2〜25質量%に相当する流れ(5)を蒸留物として回収する工程、
(g)1,000ppmより低い、酸ではない有機化合物の残存量を含む、精製された水流(8)をカラムの底部から抜き出す工程、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
供給水流が、以下の質量組成、
・水 93〜99.5質量%
・アルコール 0.5〜5質量%
・酸 0.05〜1.5質量%
・炭化水素 10〜1,000ppm
・金属 <10ppm
・COD 10,000〜140,000mg/l
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
(d)において、カラムの頭部を離れた蒸発した流れ(2)の1〜5質量%の範囲の量が、コンデンサー(30)中で濃縮される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
(d)において、蒸留物として回収される液体流れ(4)が、18〜35質量%の濃度で水を、及び38〜55質量%の濃度で重い有機副生成物を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
(e)において、コンデンサー(40)から回収される液体流れが、30〜40質量%の濃度で、より低い分子量を有する副生成物及び水を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
(f)において、流れ(6)が、コンデンサー(40)からの液体流れの85〜95質量%に対応し、蒸留物として回収される流れ(5)が、同じ流れの5〜15%に対応する、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
(g)において、カラムの底部から抜き出される精製された水流(8)が、100質量ppmよりも少ない、酸ではない有機化合物の残存量を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
蒸留カラム(20)が、2より多い、供給の上に配置された理論精留工程の数、及び5より多い、供給の下に配置された理論排気工程の数からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
理論精留工程が3〜15の範囲であり、理論排気工程が6〜30の範囲である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
蒸留カラムの操作圧力が50662.5Pa・s(0.5atm)〜303975Pa・s(3atm)の範囲であり、カラムの頭部の温度が60〜120℃で維持され、底部の温度が75〜130℃で維持される一方で、第一のコンデンサーの温度が、所望の濃縮の程度及び圧力との関係で55〜110℃の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
蒸留カラムの操作圧力が環境圧力であり、カラムの頭部の温度が80〜98℃で維持され、底部の温度が95〜105℃で維持される一方、第一のコンデンサーの温度が75〜90℃の範囲である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
供給流れが、カラムの底部を離れた流れ又はプラント中で利用可能な他の熱源でプレヒートされる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
一般に知られる消泡剤から選択される消泡剤を、供給流れに添加する、請求項1に記載の方法。

【公表番号】特表2010−530798(P2010−530798A)
【公表日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511524(P2010−511524)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【国際出願番号】PCT/EP2008/004397
【国際公開番号】WO2008/151742
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(599068430)エニ、ソシエタ、ペル、アチオニ (16)
【氏名又は名称原語表記】ENI S.P.A.
【Fターム(参考)】