説明

フィブラートを含む固体投与形態

本発明は、活性成分の改善した生物学的利用能を確実にするために、非水性ビヒクル中に溶解したフィブラート、例えばフェノフィブラートを含む微粒子形態にある安定な固体投与形態、及び医薬組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィブラート、特にフェノフィブラートを含む新規固体投与形態及び医薬組成物に関する。特に、本発明は、増加した生物学的利用能を有する固体投与形態を開示する。本発明の固体投与形態は、適切なビヒクル又はビヒクルの混合物中に溶解したフィブラートを含む。当該投与形態は、特に経口使用を意図したものであり、且つ優れた貯蔵安定性、即ち安定であることを示す。当該発明は更に当該固体投与形態及び医薬組成物の調製方法、並びにそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
フィブラート系は脂質調節剤である。フィブラート系の例は、ジェミフィブロジル(gemifibrozil)、フェノフィブラート、ベザフィブラート、クロフィブラート及びシプロフィブラート(シプロフィブラート)を含む。当該化合物はプロドラッグとして見なされ、そしてin vivoでそれらの活性代謝物へ代謝される。説明目的のみのために、後述は特定の例のフィブラート、即ちフェノフィブラートに基づく。フェノフィブラートは化学的に2-[4-(4-クロロベンゾイル]-2-メチル-プロパン酸,1-メチルエチルエステルという名であり、そして以下の構造式を有する:
【化1】

【0003】
フェノフブラートは白色固体である。当該化合物は水に不溶性である。融点は79-82℃である。フェノフィブラートは活性物質フェノフィブリン酸へ代謝される。フェノフィブリン酸は約20時間の排出半減期を有す。検出される患者の血中のフェノフィブリン酸の量は、フェノフィブラート取込みの効果に反映させることができる。フェノフィブリン酸は、処置患者における総コレステロール(総-C)、LDL-C、アポ-リポタンパク質B、総トリグリセライド、及びトリグリセライドに富むリポタンパク質(VLDL)の減少を生じさせる。更にフェノフィブラートによる処置は、高密度リポタンパク質(HDL)及びアポ-リポタンパク質apoAl及びapo Allの増加をもたらす。フェノフィブラートは潜在的な脂質調節剤として作用し、薬物物質であるフィブラートファミリー中に存在する製品の中で、独特且つ臨床的利点を提供する。フェノフィブラートは、高トリグリセライド血症患者中の血漿中のトリグリセライドレベルにおいて、並びに高コレステロール血症及び異常脂質血症患者中の血漿中コレステロール及びLDL-Cを実質的に減少させる。
【0004】
更にフェノフィブラートは、高尿酸血症患者及び正常対象における血清尿酸レベルを、尿酸の尿排泄を増加させることにより減少させる。
【0005】
臨床試験では上昇したレベルの総コレステロール、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)、及びアポ-リポタンパク質B(apo B)がヒトアテローム性動脈硬化症と関連することが実証された。高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)の減少したレベル及びその輸送複合体、アポリポタンパク質A(apo Al及びapo All)の減少したレベルは、アテローム性動脈硬化症の発達と関連する。
【0006】
フェノフィブラートは糖尿病タイプII及び代謝症候群の治療においても有効である。
【0007】
フェノフィブラートは更に高トリグリセライド血症を有する成人患者の治療のための規定食に対する補助療法としても提示される(Fredrickson Types IV and V hyperlipedemia)。
【0008】
空腹時乳び血症を示す糖尿病患者において血糖コントロールを改善することは、通常空腹時トリグリセライドを減少させ、そして乳び血症を排除するであろう。それによって薬理的な介入の必要性が未然に取り除かれる。
【0009】
フィブラート系は、経口投与後、不十分且つ可変的に吸収されるものとして知られる薬物物質である。正常には、それらは生物学的利用能を高めるために食物と共に摂取するように処方される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
当該薬物の生物学的利用能を増加させることによりその効能を増加させるために現在最も使用されるフィブラートである、フェノフィブラートの投与形態について多くの改善がなされている。しかしながら、現在利用され得る組成物及び投与形態に対して、マイクロ化形態にある結晶性フェノフィブラートを提供する改善した投与形態がなお必要とされる。特に、絶食させた患者における薬物の生物学的利用能、対、食事を与えた患者における薬物の生物学的利用能の間の差異を実質的に減少又は克服でき、並びに/或いは入手可能な市販製品での現行の処置で観察される個体内及び/又は個体間のばらつきを実質的に減少又は克服できる、適切な生物学的利用能を示す組成物及び投与形態の必要性が残存している。更に、観察される副作用を減少し得る新規投与形態及び/又は組成物の必要性もある。
【0011】
特に、要求が満たされていない固体組成物、詳細には固体形態を開発する必要性があり、ここでのフィブラートは溶解した状態にある、且つ微粒子材料のためのパウダー、顆粒、粒状、粒子、ビーズ、ペレット、又は他の剤型の形態である、且つ液体媒体を含むソフト投与形態でない組成物として公にされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明の概要
本発明はフィブラート、例えばフェノフィブラートを適切なビヒクルに溶解させること、及び固体投与形態(即ち、液体形態にある材料を除く投与形態)を調製するために得られる組成物を使用することにより、生物学的利用能を有意に増強させることができることをここに見出した。フィブラート、特にフェノフィブラートは、水に不溶性であることは公知であるが、本発明はそれらを必要とする患者におけるin vivoでの有意に増加した生物学的利用能を有すことを意図する速放プロファイルを示す医薬組成物及び医薬製剤を提供する。特に、発明者等は、溶解した形態においてフィブラートを含む固体投与形態、錠剤等、を調製することを成し遂げた。経口投与のために有用である固体及び安定な投与形態の利点は周知である。
【0013】
従って、第一の観点では、本発明は疎水性、親水性又は水-混和性のビヒクル中に溶解したフィブラートを含む固体投与形態に関する。有用な固体投与形態は、錠剤、ビーズ、カプセル、粒(grains)、丸剤、粒状、顆粒、パウダー、ペレット、小袋又はトローチの形態にあり、及び有用なフィブラート系は、フェノフィブラート、ベザフィブラート、クロフィブラート、シプロフィブラート及び活性代謝産物及びそれらのアナログであり、任意に関連するフィブリン酸、例えばフェノフィブリン酸を含む。
【0014】
第二の観点では、本発明は疎水性、親水性、又は水-混和性のビヒクル中に溶解したフィブラートを含む医薬組成物に関し;そして更なる観点では、本発明は固体医薬組成物、特にフィブラート、疎水性もしくは親水性、又は水-混和性ビヒクル、及びオイル吸着材料を含む固体医薬組成物に関連し、当該組成物は少なくとも10%のオイル閾値を示す。
【0015】
更なる観点では、本発明は本発明の固体経口投与形態又は医薬組成物を製造するための方法に関連する。
【0016】
本発明の更なる観点は、以下の説明により明白である。イヌでのin vivo試験の比較は(本明細書における実施例を参照)、同一の活性成分を含む商業的に入手可能な固体投与形態(即ちTricor(商標)錠及びLipanthyl(商標)カプセル)と比較して、フェノフィブラートの生物学的利用能を有意に増強させることを示す本発明の固体投与形態及び組成物を示した。
【0017】
更に、本発明は経口投与後に通常観察される個体内及び/又は個体間のばらつきを有意に減少させることができるフィブラートの固体投与形態及び/又は組成物を提供すると強く信じられている。更に、本発明に係る組成物及び/又は投与形態は、食物の影響を有意に減少させるために提供される(即ち、当該吸収は患者が任意の食事と一緒に、又は任意の食事をとらずに、当該組成物又は投与形態を取り込むかどうかにあまり関係しない)。消化管に関連した副作用の数を減少させ得るフィブラートの改善した放出が意図される。更に、有意に大量の吸収されるフィブラートが意図されるので、同等以下の量は未変化で便を経由して排泄される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
定義の詳細な説明
本明細書で使用される用語”活性成分”又は”活性医薬成分”とは、薬理活性又は疾患の診断、緩和、処置、又は予防に他に直接影響を与えること、或いは人又は他の動物の体の構造または任意の機能に影響を与えることを意図する任意の成分を意味する。当該用語は、薬物製品の製造において化学変化し得るそれらの構成要素を含み、そして特化された活性又は効果を提供するために意図された改良形態にある薬物製品中に存在する。
【0019】
本明細書における用語"親水性"とは、'水のような'もの、即ち、親水性分子又は分子の部分の一つであり、それは典型的に電気的に分極し、そして水分子と水素結合を形成することができ、オイル中又は他の"非-極性"溶媒よりもより容易に水に溶解されることを可能にするものであると発表される。
【0020】
本明細書における用語"両親媒性"とは、水-不溶性炭化水素鎖へ結合した極性水溶性基を有する分子(界面活性剤として)を発表する。従って、分子の一つの末端は親水性(極性)であり、そしてその他は疎水性(非極性)である。
【0021】
本明細書における用語"疎水性"とは、電気的に中性且つ非極性である傾向にある化合物を意味し、故に他の中性且つ非極性溶媒又は分子環境に好適である。
【0022】
本明細書で使用される用語"水-混和性"とは、水に完全又は部分的に混和性である化合物を意味する。例えば、特定の極性脂質は部分的に水-混和性である。
【0023】
本明細書で使用される用語"ビヒクル"とは、医薬製品中の任意の溶媒、又は担体を意味し、それは薬理的役割を有さない。例えば、水はキシロカインのビヒクルであり、プロピレングリコールは、多くの抗生物質のビヒクルである。
【0024】
本明細書における用語"固体分散"とは、固体状態にある不活性ビヒクル、担体、希釈剤又はマトリックス中で、微粒子レベルで分散した薬物又は活性成分もしくは物質を意味する(即ち、通常、微粒子分散)。
【0025】
本明細書における用語"固体溶液"とは、固体状態にある不活性ビヒクル、担体、希釈剤又はマトリックス中で、分子レベルで溶解した薬物又は活性成分もしくは物質を意味する。
【0026】
本明細書において使用される用語"アナログ"とは、他と構造的に似ている化合物を意味する。
【0027】
用語"薬物"とは、人又は他の動物の疾患の診断、治療、緩和、処置、又は予防における使用のために意図された化合物を意味する。
【0028】
本明細書における用語"投与形態"とは、当該薬物が患者に送達される形態を意味する。これは非経口、局所、錠剤、経口(液体又は溶解したパウダー)、坐剤、吸入剤、経皮、等にされ得る。
【0029】
本明細書で使用される用語"生物学的利用能"とは、投与後、標的組織で利用され得るに至る薬物又は他の物質の程度(the degree means)を意味する。
【0030】
本明細書で使用される用語"生物学的同等性"とは、一般名及び商品名薬物が他の薬物と比較される科学的根拠を意味する。例えば、同様の投与量を、同様の条件下で与えた時に、同一の速度で循環に入る場合に生物学的に同等である。生物学的同等性試験でしばしば使用されるパラメーターは、tmax、Cmax、AUCo-∞、AUCo-tである。他の同等パラメーターは、W50、W75及び/又はMRTであってよい。従って、少なくとも1つのそれらのパラメーターは、生物学的同等性が存在するか否かを決定する場合に適用され得る。更に、本明細書における2つの組成物は、使用されるパラメーターが試験で使用されるプログラフ(商標)、又は類似の商業的に入手可能なタクロリムス含有製品の80-125%の範囲内にある場合、生物学的同等としてみなされる。
【0031】
本明細書で使用される用語"tmax"とは、投与後、最大血漿の濃度(Cmax)に到達するまでの時間を意味し;AUCo-∞又はAUCとは、時間0から無限に対する血漿中濃度下面積を意味し;AUCo-tとは、時間0から時間tに対する血漿中濃度下面積を意味し;;W50とは、血漿中濃度が50%以上のCmaxである場合の時間を意味し;W75とは、血漿中濃度が75%以上のCmaxである場合の時間を意味し;そしてMRTとは、例えばフェノフィブラート(及び/又はそれらのアナログ)等のフィブラートの平均滞留時間を意味する。
【0032】
本明細書における用語"医薬"とは、疾患、傷害、又は疼痛を処置するために用いられる化合物を意味する。医薬は"予防的"、即ち健康保全の技術、及び"治療的"、即ち健康回復の技術へ正確に頒布されている。
【0033】
本発明における用語"制御した放出"及び"修飾した放出"は、対象への投与後に特別な治療的又は予防的応答を得るに適切である、本発明の組成物からのタクロリムスの任意の放出のタイプをカバーする同義語であることが意図される。当業者は、制御した放出/修飾した放出が普通の錠剤又はカプセル剤の放出とどのように異なるかを知っている。用語"制御した方法における放出"又は"修飾した方法における放出"とは、上記と同一の意味を有する。当該用語は徐放(より低いCmax及びより遅いtmaxをもたらすが、t1/2は未変化である)、拡張した放出(より低いCmax、より遅いtmaxをもたらすが、明白なt1/2は長い);遅延した放出(Cmaxは未変化であるが時間を遅延させ、それによりtmaxは遅延し、そしてt1/2は未変化である)及び周期的放出(pulsatile release)、集中放出(burst release)、徐放出、延長した放出、時間最適化放出(chrono-optimized release)、迅速な放出(増強した作用の発現を獲得する)等を含む。例えば、体内における特別な条件の利用、例えば、薬物物質の制御した放出のための酵素又はpH変化の相違する条件の利用もまた当該用語中に含まれる。
【0034】
本明細書における用語"侵食(erosion)"又は"侵食している(eroding)"とは、材料又は構造、例えば錠剤、又はコーティング錠剤の表面の段階的な崩壊を意味する。
【0035】
活性薬物物質
本発明の投与形態及び医薬組成物の薬物又は活性物質は、フィブラートである。有用なフィブラートの例は、ベザフィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、エトフィリン(etofylline)、クロフィブラート、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、ピリフィブラート(pirifibrate)、シムフィブレート(simfibrate)及びトコフィブラート(tocofibrate);特に有用なものはゲムフィブロジル、フェノフィブラート、ベザフィブラート、クロフィブラート、シプロフィブラート及び活性代謝産物及び任意の関連のあるフィブリン酸(例えばフェノフィブリン酸)を含むそれらのアナログである。好適な態様では、当該フィブラートはフェノフィブラート又はそれらのアナログである。しかしながら、本発明の投与形態及び組成物は、2つ、3つ又は4つでさえ、相違するフィブラート及び/又はフィブリン酸の混合物も含み得る。
【0036】
ビヒクル中のフィブラートの濃度は、フィブラート及びビヒクルの総重量の少なくとも10重量%であり;フィブラート及びビヒクルの総重量の好適には少なくとも15重量%、又は少なくとも16重量%、又は少なくとも17重量%、又は少なくとも20重量%、又は少なくとも25重量%、又は少なくとも30重量%、特に少なくとも35重量%であり;そしてビヒクル中のフィブラートの濃度は、フィブラート及びビヒクルの総重量の最高で90重量%、或いはフィブラート及びビヒクルの総重量の最高で80重量%、又は最高で75重量%、又は最高で70重量%、又は最高で60重量%、又は最高で50重量%、又は最高で40重量%、又は35重量%超でない。好適には当該フィブラートは非-水性ビヒクルに十分に溶解する。しかしながら、結晶性又は微晶性活性薬物の少量の発生は、本発明の固体投与形態及び医薬組成物の増強した生物学的利用能に影響を及ぼさないであろう。従って、当該投与形態又は医薬組成物中に存在する少なくとも90重量%のフェノフィブラートはビヒクル中に溶解し、好適には少なくとも93重量%、又は少なくとも95重量%、又は少なくとも97重量%、又は少なくとも98重量%、又は少なくとも99重量%、又は少なくとも99.5重量%、又は少なくとも99.9重量%のフェノフィブラートは、ビヒクル又はビヒクル系に十分に溶解する。
【0037】
フィブラートの含有量に加えて、本発明の投与形態及び医薬組成物は、更に活性薬物物質、好適には1つの追加の薬物物質を含み得る。好適には、かかる追加の薬物物質は、通常フィブラートと同一の適応症を採用するタイプのものである。特定の例は、エゼチマイブである。しかしながら、異なる適応症又は治療のために2つ、3つ又は4つの活性成分を含む組合せ製品と同様に、同一の適応症に使用される3つ又は4つもの薬物物質を有する組合せ製品が予期される。
【0038】
更なる薬物物質の例は、スタチン系等の他の抗高脂血症剤;脂質調節剤等:アスピモックス(acipimox)、ビニフィブラート(binifibrate)、エトフィブラート(etofibrate)、ニセリトロール、ニコフィブラート(nicofibrate)、ピロザジル(pirozadil)、ロニフィブラート(ronifibrate)、トコフェリルニコチネート(tocoferil nicotinate);ace阻害剤等の心血管薬物との組合せ:アラセプリル、ベナゼプリル、カプトプリル、シラザプリル、デラプリル、エナラプリル、エナラプリラート、フォシノプリル、イミダプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、スピラプリル、テモカプリル、テプロチド、トランドラプリル、ゾフェノプリル;カルシウムチャネルブロッカー等:アムロジピン、アラニジピン、アゼルニジピン、バルニジピン、ベニジピン、ベプリジル、シルニジピン、ジルチアゼム、エホニジピン、フェロジピン、ガロパミル、イスラヂピン、ラシジピン、レルカニジピン、マニジピン、ミベフラジル、ニカルジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ベラパミル;α-ブロッカー等:アルフゾシン、ブナゾシン、ドキサゾシン、インドラミン、ナフトピジル、フェノキシベンズアミン、フェントラミン、プラゾシン、タムスロシン、テラゾシン、チモキサミン、トラゾリン、ウラピジル;β-ブロッカー等:アセブトロール、アルプレノロール、アモスラロール、アロチノロール、アテノロール、ベフノロール、ベタキソロール、ベバントロール、ビソプロロール、ボピンドロール、ブシンドロール、ブニトロロール、ブプラノロール、カラゾロール、カルテオロール、カルベジロール、セリプロロール、エスモロール、インデノロール、ラベタロール、ランジオロール、レボベタキソロール、レボブノロール、メピンドロール、メチプラノロール、メトプロロール、ナドロール、ネビボロール、ニプラジロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロプラノロール、ソタロール、タリノロール、テルタトロール(tertatolol)、チモロール;アンジオテンシンII遮断剤等:カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、タソサルタン、テルミサルタン参照、バルサルタン;血管拡張剤等:カドララジン、ジアゾキサイド、ジヒドラジン、エンドララジン(endralazine)、ヒドララジン、ミノキシジル、トドララジン、トラゾリン、カルボクロメン、シネパゼット(cinepazet)、クロリダロール(cloridarol)参照、ジラゼプ、エタフェノン、フェンジリン(fendiline)、ヘキソベンジン(hexobendine)、オキシフェドリン、トラピジル、トリメタジジン、アザペチン(azapetine)、バメタン、ベンシクラン、ブフロメジル、ブタルアミン(butalamine)、カルシトニン遺伝子-関連ペプチド、セチエジル(cetiedil)、シネパジド、シクランデラート、ジ-イソプロピルアンモニウムiクロロアセテート、ファスジル、イフェンプロジル、イノシトールニコチネート、ナフチドロフリル(naftidrofuryl)、ニコチニルアルコール、オキシペンチフィリン(oxpentifylline)[ペントキシフィリン]、ペンチフィリン、ピプラテコール(pipratecol)、プロペントフィリン、ラウバシン、キサンチノールニコチネート;高血圧への中枢作用:アプラクロニジン、ブリモニジン、クロニジン、グアナベンズ、グアンファシン、メチルドパ、モキソニジン、リルメニジン、チアメニジン(tiamenidine);抗不整脈剤等:アジマリン、シベンゾリン、ジソピラミド、ヒドロキニジン(hydroquinidine)、ピルメノール、プロカインアミド、キニジン、アプリンジン、メキシレチン、トカイニド、ジプラフェノン(diprafenone)、エンカイニド、フレカイニド、ロルカイニド(lorcainide)、ピルジカイニド、プロパフェノン、ブレチリウム、アセカイニド(acecainide)、アミオダロン、アジミリド、ブレチリウム、シベンゾリン、ドフェチリド、イブチリド、ニフェカラント、ソタロール、シベンゾリン、ベラパミル;抗血小板剤等:アブシキシマブ、アスピリン、シロスタゾール、クロピドグレル、クロリクロメン(cloricromen)、ジピリダモール、ジタゾール(ditazole)、エプチフィバチド、インドブフェン(indobufen)、ラミフィバン、オルボフィバン、ピコタミド、サルポグラレート、シブラフィバン、チクロピジン、チロフィバン、トラピジル、トリフルサル(triflusal)、キセミロフィバン;利尿剤等:アセタゾールアミド、ブリンゾラミド、ジクロフェナミド、ドルゾラマイド、メタゾラミド、アゾセミド、ブメタニド、エタクリン酸、エトゾリン(etozolin)、フルセミド、ピレタニド、トラセミド、イソソルビド、マンニトール、アミロライド、カンレノン、カンレノ酸カリウム、スピロノラクトン、トリアムテレン、アルチジド(altizide)、ベメチジド(bemetizide)、ベンドロフルアジド、ベンズチアジド、ブチジド(butizide)、クロロチアジド、クロルタリドン、クロパミド、シクロペンチアジド、チクロチアジド、エピチジド(epitizide)、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、インダパミド、メブチザイド(mebutizide)、メフルシド、メチクロチアジド、メチクラン、メトラゾン、ポリチアジド、キネタゾン、テクロチアジド(teclothiazide)、トリクロルメチアジド、トリパミド、キシパミド(xipamide);抗糖尿病剤等:アカルボース、アセトヘキサミド、ビグアニド、抗糖尿病ブホルミン、カルブタミド、クロルプロパミド、エパルレスタット、グリベンクラミド、グリボルヌリド(glibornuride)、グリクラジド、グリメピリド、グリピジド、グリキドン、グリセンチド(glisentide)、グリソールアミド(glisolamide)、グリソキセピド(glisoxepide)、グリブゾール(glybuzole)、グリクロピラミド(glyclopyramide)、グリシクラミド(glycyclamide)、グリミジンナトリウム、塩酸メトホルミン、ミダグリゾール、ミグリトール、ナテグリニド、塩酸フェンホルミン、ピマゲジン、塩酸ピオグリタゾン、プラムリンタイド、レパグリニド、ロシグリタゾン、ソルビニル、トラザミド、トルブタミド、トログリタゾン、ボグリボース物質等:q10、ビタミン類(ニコチンアミド、ピリドキシンhcl、b12、トコフェロール、アスコルビン酸等)、及び更に一般的に有用な組合せにおいて含有される抗酸化物質である。
【0039】
追加の薬物物質又は物質は、所望されないレベルのトリグリセライド及び/又はコレステロールへ導き得る薬物との組合せに含まれ、又は組合せにおいて使用してもよい。従って、本発明に係る組成物は、薬物(例えばイソトレチノインのような)又はレトロウィルスプロテアーゼインヒビター(HIVプロテアーゼインヒビターのような)と抗精神病薬(オランザピン等のような)との組合に含まれ、又は組合せにおいて使用してよい。
【0040】
上記の、フィブラートとの組合せ製品は、2つの活性物質の組合せに制限されず、3重又は4重の治療が特に重要でもあり得る。
【0041】
ビヒクル
本明細書において有用なビヒクルは、水-混和性、親水性又は疎水性のビヒクルである。有用なビヒクルは非水性物質である。
【0042】
本発明において有用である疎水性ビヒクルの例は、直鎖飽和炭化水素、パラフィン;脂肪及びオイル(例えばカカオバター、牛脂、ラード);高級脂肪酸(例えばステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸);水素化獣脂、置換された及び/又は非置換のトリグリセライド、ミツロウ、白ろう、カルナウバワックス、カスターワックス、和とう、及びそれらの混合物である。
【0043】
本発明において有用である水-混和性ビヒクルの例は、水-混和性極性脂質(例えば、ソルビタンエステル、ポリエーテルグリコールエステル);高級アルコール(例えば、セタノール、ステアリルアルコール);グリセリルモノオレエート、置換された及び/又は非置換のモノグリセライド、置換された及び/又は非置換のジグリセライド、及びそれらの混合物である。
【0044】
より好適な態様では、ビヒクルは親水性又は水-混和性である。好適には、ビヒクルはポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンオキシド、ポロキサマー、ステアリン酸ポリオキシエチレン、ポリ-εカプロラクトン及びそれらの混合物から成る群から選定される。しかしながら、当該ビヒクルは、都合よくポリグリコール化グリセライド(多くの製品のうちの一つがGelucire(商標)として販売されている、例えばGelucire 44/14等)であってもよい。
【0045】
有用な親水性又は水混和性ビヒクルの例は、ポリビニルピロリドン、ポリビニル-ポリビニルアセテートコポリマー(PVP-PVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、PVPポリマー、アクリル系ポリマー、ポリメタクリル系ポリマー(Eudragit RS;Eudragit RL、Eudragit NE、Eudragit E)、ミリスチルアルコール、セルロース誘導体であって、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ペクチン、シクロデキストリン、ガラクトマンナン、アルギン酸塩、carragenates、キサンタンガム及びそれらの混合物を含む。
【0046】
ビヒクルは好適には2つ以上の物質の混合物である。
【0047】
当該ビヒクルは定義したような油性材料であってもよく、後述する。
【0048】
好適なビヒクルの融点は、好適には10℃から250℃の範囲内、好適には30℃から100℃の範囲内、より好適には40℃から75℃の範囲内、特に40℃から70℃の範囲内である。
【0049】
本発明の好適な態様では、当該ビヒクルは、任意にポロキサマー(例えばポロキサマー188)との混合にあるポリエチレングリコール(PEG)、好適には少なくとも3000、より好適には少なくとも4000の平均分子量を、好適な分子量率である1:3から10:1、好適には1:1から5:1の間、より好適には3:2から4:1の間、特に2:1から3:1の間、特に約7:3で有す。
【0050】
生物学的利用能
一般的に、治療活性物質の吸収及び生物学的利用能は、経口投与した時の多様な要因によって影響され得ることが知られている。かかる要因は消化管中での食物の存在を含み、そして一般的に、薬物物質の消化管滞留時間は、絶食状態よりも食物の存在する場合に有意に長い。薬物物質の生物学的利用能が消化管中での食物の存在のために一定ポイントを超えて影響されるならば、当該薬物物質は食物影響を示すと言われる。食物影響は、薬物物質が食事を済ませたばかりの患者へ投与されることに関連するリスクが存在するために重要である。当該リスクは血流への吸収が、当該ポイント(患者が不十分な吸収の危険を受け、投与された薬物の条件を改善する)へ悪影響を与えうる可能性に由来する。例えばフェノフィブラートの場合、状況は異なり、ここでは食物は薬物取り込みを増加させる。従って、薬物物質と同時に摂取する食物の不足は、不十分な吸収を導き得る。フェノフィブラート(Abbott製)を含む商業的に入手可能な製品Tricor(商標)の吸収の範囲は、絶食条件と比較して食物を摂取した場合、およそ35%増加する。
【0051】
上記の通り、活性化合物の適切な生物学的利用能、及び/又は食物の影響を減少もしくは排除することを示す1つ以上のフィブラート系を含む新規の医薬組成物の必要性が残っている。本明細書における用語"適切な生物学的利用能"とは、本発明に係る組成物の投与が、普通の錠剤中の活性物質の投与後に得られた生物学的利用能と比較して改善した生物学的利用能をもたらすこと;又は生物学的利用能が同一の活性物質を同量で含む商業的に入手できる製品の投与後に得られた生物学的利用能と比較して、少なくとも同等又は改善した生物学的利用能をもたらすこと、を意味することを意図する。特に活性化合物のより完全な取り込みを獲得することが所望され、それにより投与される投与量の減少の可能性を提供する。更に、フィブラートを含む医薬組成物及び投与形態は、投与剤と同時に摂取する食物の必要性を減少させ又は否定することもでき、それによって服薬時に患者をより自由にすることができる。更に、改善した又は増強した生物学的利用能は、改善した処置を導くだろう。なぜなら、減少した投与量及び/又はより少ない頻度での投与で同一の治療応答、そしてより少ない血漿中レベルのバラツキ、そして食事制限が無いことを獲得することを可能にするからである。改善した処置条件を得るための他の方法は、例えばフェノフィブラートの場合、消化管に対するフェノフィブラートの放出を、フェノフィブラートの増強した血漿中濃度が最初に得られた方法、又は投与時間に関して遅延した方法(即ち、修飾した放出、又は遅延化した放出の1つ以上のフィブラートを含む組成物に適用することによる)によりバランス化することにより示される。
【0052】
1つの態様では、本発明は医薬組成物、特に1つ以上のフィブラートを含む形態又は固体投与形態に関し、ここでそれを必要とする哺乳動物への経口投与の組成物は、少なくとも約1.0のAUC/AUCコントロール値を示し、AUCコントロールは、同一のフィブラートを含む商業的に入手し得る製品を用いて測定され、そしてAUC値は同様の条件下で測定される。
【0053】
注入可能な組成物に基づく絶対的な生物学的利用能の入手できるデータ、例えばフェノフィブラートの入手できるデータはない(おそらく水性媒体中での溶解性の問題による)。
【0054】
フェノフィブラートを含む商業的に入手可能な組成物は、界面活性剤及び/又は例えば脂溶性媒体を含む。界面活性剤は、改善した生物学的利用能を与えることができ、従って、かかる組成物の生物学的利用能は既に十分なものであり得る。しかしながら、多様な投与形態の調製を可能にする適応性のある製剤技術を開発するための必要性がなお存在する。従って、かかる改良した及び/又はより適応性のある組成物への要求は、商業的に入手できる製品で既に確認されたものと同一又はよりよい生物学的利用能を得ることができる。
【0055】
従って、本発明の更なる態様では、本発明の固体投与形態又は医薬組成物を投与することにより得られたAUC/AUCコントロール値は、少なくとも約1.1、例えば少なくとも約1.2、少なくとも約1.3、少なくとも約1.4、少なくとも約1.5、約1.75以上、約1.8以上、約1.9以上、約2.0以上、約2.5以上、約2.75以上、約3.0以上、約3.25以上、約3.5以上、約3.75以上、約4.0以上、約4.25以上、約4.5以上、約4.75以上又は約5.0以上であり、当該AUC値は同一条件下で決定される。
【0056】
同様に、商業的に入手できるTricor(商標)錠のCmax値に対する本発明の固体投与形態又は医薬組成物を投与することにより得られるCmax値は、少なくとも約1.1、又は少なくとも約1.2、又は少なくとも約1.3、又は少なくとも約1.4、又は少なくとも約1.5、又は少なくとも約1.6以上、又は少なくとも約2.0、又は少なくとも約2.5、又は少なくとも約3.0であり、Cmax値は同様の条件下で決定される。
【0057】
本発明の他の目的は食物の影響を減少又は排除することである。従って他の観点では、本発明は1つ以上のフィブラートを含む微粒子形態又は固体投与形態にある医薬組成物に関し、ここでのそれらの投与を必要とする哺乳動物に対する経口投与又は固体投与形態の組成物は、90%より低い少なくとも0.75の信頼限界を有する、少なくとも約0.85の(AUC食物摂取/AUC絶食)値によって証明されるように、有意な不利な食物効果を示さない。
【0058】
特定の態様では、本発明の医薬組成物又は固体投与形態は、約0.9以上、例えば約0.95以上、約0.97以上、又は約1以上の(AUC食物摂取/AUC絶食)の値を有す。
【0059】
即ち、食物を摂取した、又は食物を摂取しない哺乳動物への経口投与後に測定される、生物学的同等性パラメーターの差異は、それぞれ、25%未満、例えば、20%未満、15%未満、10%未満、又は5%未満である。
【0060】
他の観点では、本発明はフィブラートを含む微粒子形態又は固体投与形態にある医薬組成物に関し、ここでのそれらを必要とする哺乳動物への経口投与は、同一のフィブラートを含む市販品を同量又はより低い量で投与した場合、同一のフィブラートを含む市販品と本質的に同一の生物学的同等性である。
【0061】
当該投与量の特定の態様では、同一のフィブラートを含む市販品の形態で投与されるフィブラートの最大で約98重量%、例えば最大で約95重量%、最大で約90重量%、最大で約85重量%、最大で約80重量%、最大で約75重量%、最大で約70重量%、最大で約65重量%、最大で約60重量%、最大で約55重量%又は最大で約50重量%の投与量である。
【0062】
通常、当該生物学的同等性は、少なくとも1つの以下のパラメーターによって決定される:tmax(最大血漿中濃度に到達するまでの時間)、Cmax(最大血漿中濃度)、AUCo-t(時間0から時間の曲線下面積)、AUCo-∞(時間0から時間無限大の曲線下面積)、W50(血漿中濃度が50%以上のCmaxである場合の時間)、W75(血漿中濃度が75%以上のCmaxである場合の時間を)及び/又はMRT(平均滞留時間)。
【0063】
フィブラートによる処置の主な問題は、大きな個体内又は個体間のバラツキである。従って、本発明の他の観点は、1つ以上のフィブラート系を含む微粒子形態にある医薬組成物に関し、ここで、それらを必要とする哺乳動物へ経口投与される組成物は、同一の条件下で、且つ同等の治療効果をもたらす用量で、同一のフィブラートを含むそれらの市販品と比較して個体内及び/又は個体間のバラツキを減少させる。
【0064】
上記比較試験では、当該フィブラートがフェノフィブラートである場合、市販品は錠剤の形態にあるTricor(商標)、又はカプセル剤の形態にあるTricor(商標)である。フィブラートがゲムフィブロジルである場合は、適した市販品はLopid(商標)であり;フィブラートがベザフィブラートである場合、適した市販品はBezalip(商標)であり;フィブラートがクロフィブラートである場合、適した市販品はAtromid(商標)であり;そしてフィブラートがシプロフィブラートである場合、適した市販品はLipanon(商標)である。
【0065】
吸収されるフィブラートが適切な量であるか否かを決定するための慣用方法は、便を通して排泄される未変化のフィブラートの量を測定することである。従って1つの態様では、本発明は固体の医薬組成物又は固体投与形態に関し、ここで経口投与後に便を通して排泄される組成物中に含まれるフィブラートは、最大で約25重量%、例えば、最大で約20重量%、最大で約15重量%、最大で約10重量%、最大で約5重量%である。
【0066】
製造方法
本発明の微粒子組成物は、水混和性の乏しい活性物質を導入するために適した任意の方法によって調製され得る。当該医薬組成物は任意の慣用方法、例えば造粒、ミキシング、スプレー乾燥等によって調製され得る。特に有用な方法は国際特許出願WO 03/004001に公開された中で開示された方法であり、制御した凝集作用方法、即ち粒子径中での制御した成長を可能にする方法により、微粒子材料を調製するための方法を発表する。当該方法は、固体担体上で液体形態にある活性物質及びビヒクルを含む最初の組成物をスプレーすることに関与する。通常、当該ビヒクルは少なくとも5℃の融点を有するが、この融点は実際に活性成分の融点を下回らなければならない。本発明における当該ビヒクルの融点は 250℃を超えるべきではない。
【0067】
医薬的に許容され得る、分散可能な、又は完全もしくは少なくとも部分的に活性物質を溶かし、且つ所望される範囲内の融点を有す、適したビヒクルを選定することは、一般知識と通常の実験方法を用いる平均の当業者の技術の範囲内である。適した担体の候補は、参照により本明細書に組入れられたWO 03/004001に発表されている。
【0068】
本明細書における適したビヒクルは、例えばビヒクルとして又は油性材料として発表されたもの、及びWO 03/004001中に開示されたものである。WO 03/004001で発表された制御した凝集作用方法を使用することの利点は、微粒子径における所望されない成長がなく、比較的大量の液体系を微粒子材料に適用することが可能であることである。従って、本発明の一つの態様では、医薬組成物の微粒子材料は≧10 μm、例えば≧20μm、約20から約2000、約30から約2000、約50から約2000、約60から約2000、約75から約2000、例えば約100から約1500 μm、約100から約1000 μm又は約100から約700μm、或いは最大で約400μm又は最大で300 μm 、例えば約50から約400μm、例えば約50から約350μm、約50から約300μm、約50から約250μm又は約100から約300μmの幾何学的重量平均径dgwを有する。
【0069】
本発明の組成物及び投与形態は、好適にはスプレー乾燥技術、制御した凝集作用、凍結乾燥もしくは担体粒子上のコーティング、又は任意の他の溶媒除去方法により形成される。乾燥させた製品は、分子分散及び固体溶液を含む、固体溶液として完全に溶解して、又は固体分散として部分的に溶解して好適に存在している活性物質を含む。
【0070】
しかしながら、本発明の組成物及び投与形態は、好適には以下のステップを含んで成る方法によって製造される:i)室温で固体ならば液体形態中にビヒクルをもたらし、即ち、ビヒクルを融解させ、ii)当該液体のビヒクルをフィブラートの融点未満の温度に維持し、iii)所望される量のフィブラートを当該ビヒクル中に溶かし、iv)得られた溶液をビヒクルの融点未満の温度を有す固体担体上へスプレーし、v)得られた組成物を機械的に処理し、粒子、即ち微粒子材料を得て、そしてvi)固体投与形態を調製するために、任意に当該微粒子材料を慣用的な方法にかける。
【0071】
固体分散又は溶液の形態において、少なくとも部分的に活性物質を含む医薬組成物は、原理的には当業界において公知の医薬組成物を調製するための任意の適した手順を用いて調製され得る。
【0072】
固体分散は、多様な方法、例えば有機溶媒を使用することにより、又は他の適切な媒体(例えば、室温又は上昇した温度で液体形態にある油性材料)中で当該活性物質を分散もしくは溶解させることにより、獲得し得る。固体分散(溶媒方法)は、通常の有機溶媒中に活性物質(例えば薬物物質)と担体の物質的混合物を溶かし、その後当該溶媒の蒸発によって調製される。担体は、しばしば親水性ポリマーである。適した有機溶媒は、医薬的に許容され得る溶媒を含み、ここでの活性物質は可溶性、例えばメタノール、エタノール、メチレンクロライド、クロロホルム、酢酸エチル、アセトン又はそれらの混合物である。
【0073】
適した水-可溶性担体は、ポリマー、例えばポリエチレングリコール、ポロキサマー、ステアリン酸ポリオキシエチレン、ポリ-εカプロラクトン、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルピロリドン-ポリビニルアセテートコポリマーPVP-PVA(Kollidon VA64)、ポリ-メタクリルポリマー(Eudragit RS, Eudragit RL, Eudragit NE, Eudragit E)及びポリビニルアルコール(PVA)、ヒドロキシプロピルセルロース (HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、及びポリ(エチレンオキシド)(PEO)を含む。
【0074】
酸性官能基を含むポリマーは、腸の中で許容され得る吸収を提供する、好適なpHの範囲で活性物質を放出する固体分散に適し得る。かかるポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロールフタレート(HMPCP)、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、アルギネート、カルボマー、カルボキシメチルセルロース、メタクリル酸コポリマー(Eudragit L, Eudragit S)、セラック(shellac)、セルロースアセテートフタレート(CAP)、スターチグリコレート、 ポラクリリン(polacrylin)、メチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートテレスタレート、セルロースアセテートイソフタレート及びセルロースアセテートトリメリタートを含んで成る群から選定される1つ以上であってよい。
【0075】
活性製物質、対、ポリマーの重量比率は、約3:1から約1:20の範囲であってよい。しかしながら、約3:1から約1:5のより狭い範囲、例えば、約1:1から約1:3もまた使用され得る。
【0076】
有機溶媒の使用に基づく方法とは別に、1つ以上のフィブラートの固体分散又は固体溶液は、制御した凝集作用方法において使用される担体組成物中に活性化合物を分散させること、及び/又は溶かすことによって得ることもできる。
【0077】
安定化剤等は、固体分散/溶液の安定性を確保するために付加され得る。
【0078】
医薬賦型剤及び添加剤
本明細書における用語"医薬的に許容され得る賦型剤"とは、任意の材料を意味することを意図し、実質的にそれ自体は任意の治療的及び/又は予防的効果を有さないという意味で不活性である。かかる賦型剤は許容され得る技術特質を有する医薬、化粧及び/又は食料品を得ることを可能にすることを目的に付加してよい。
【0079】
本発明に係る組成物又は固体投与形態において使用するために適した賦型剤の例は、充填剤、希釈剤、流動促進剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤等、又はそれらの混合物を含む。多様な目的のために使用され得る本発明に係る組成物又は固体投与形態として、賦型剤の選定は、通常かかる多様な使用を考慮に入れて成される。適する使用のための他の医薬的に許容され得る賦型剤は、例えば酸性化剤、アルキル化剤、保存剤、抗酸化剤、緩衝剤、キレート剤、着色剤、錯化剤(complexing agents)、乳化剤及び/又は可溶化剤、香味剤、及び香料、保湿剤、甘味剤、湿潤剤等である。
【0080】
適した充填剤、希釈剤及び/又は結合剤の例は、ラクトース(例えばフプレー乾燥ラクトース、α-ラクトース、β-ラクトース、Tabletose(商標)、多様な等級のPharmatose(商標)、Microtose(商標)又はFast-Floc(商標))、微晶性セルロース(多様な等級のAvicel(商標)、Elcema(商標)、Vivacel(商標)、Ming Tai(商標)又はSolka-Floc(商標)、ヒドロキシプロピルセルロース、L-ヒドロキシプロピルセルロース(低く置換された)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(例えば、Methocel E, F and K, Metolose SH of Shin-Etsu, Ltd, 例えば4,000 cps等級のMethocel E及びMetolose 60 SH、4,000 cps等級のMethocel F及びMetolose 65 SH、4,000, 15,000及び100,000 cps等級のMethocel K;並びに4,000, 15,000, 39,000 及び100,000等級のMetolose 90 SH)、メチルセルロースポリマー(例えば、Methocel A, Methocel A4C, MethocelA15C, Methocel A4M)、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチレン、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース及び他のセルロース誘導体、スクロース、アガロース、ソルビトール、マンニトール、デキストリン、マルトデキストリン、スターチ又は修飾したスターチ(ポテトスターチ、トウモロコシスターチ及びライススターチを含む)、リン酸カルシウム(例えば、第一リン酸カルシウム(basic calcium phosphate)、リン酸水素カルシウム、2カルシウムリン酸塩水和物)、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、コラーゲン等を含む。
【0081】
希釈剤の特定の例は、例えば炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウム(dibasic calcium phosphate)、第三リン酸カルシウム(tribasic calcium phosphate)、硫酸カルシウム、微晶性セルロース、パウダー化セルロース、デキストラン、デキストリン、デキストロース、フルクトース、カオリン、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、スターチ、α化スターチ、スクロース、糖等である。
【0082】
崩壊剤の特定の例は、例えばアルギン酸、又はアルギン酸塩、微晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及び他のセルロース誘導体、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリン(polacrillin)カリウム、グリコール酸ナトリウムスターチ、スターチ、α化スターチ、カルボキシメチルスターチ(例えば、Primogel(商標)及びExplotab(商標))等である。
【0083】
結合剤の特定の例は、例えばアカシア、アルギン酸、アガー、カルシウムカラギナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微晶性セルロース、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、液体グルコース、グアーガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ペクチン、PEG、ポビドン、α化スターチ等である。
【0084】
流動促進剤及び 潤滑剤は、第二の組成物中に更に含まれ得る。
【0085】
例では、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、又は他の金属性ステアリン酸、タルク、ワックス、及びグリセライド、軽油、PEG、グリセリルベヘネート、コロイド状シリカ、水素化ベジタブルオイル、コーンスターチ、ナトリウムステアリルフマレート、ポリエチレングリコール、アルキル硫酸塩、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等を含む。
【0086】
本発明の組成物又は固体投与形態中に含まれ得る他の賦型剤は、例えば香味剤、着色剤、風味隠し剤、pH調整剤、緩衝剤、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、湿潤剤、湿式調整剤、界面活性剤、懸濁剤、吸収増強剤、修飾した放出のための試薬等である。
【0087】
本発明に係る組成物又は固体投与形態における他の添加剤は、抗酸化剤等、例えばアルコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソ−ル、ブチル化ヒドロキシトルエン、次亜リン酸、モノチオグリセロール、ピロ亜硫酸カリウム、プロピルガラート、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、トコフェロール、酢酸トコフェロール、半コハク酸トコフェロール、TPGS又は他のトコフェロール誘導体等であってよい。担体組成物は、更に例えば安定化剤を含み得る。担体組成物中の抗酸化剤及び/又は安定化剤の濃度は、通常約0.1重量%から約5重量%である。
【0088】
本発明に係る組成物又は固体投与形態は、1つ以上の界面活性剤又は界面活性の性質を有す物質を更に含み得る。かかる物質は、軽度に溶ける活性物質の湿式に関与するため、活性物質の溶解性特質を改善することに貢献すると考えられている。本発明に係る組成物又は固体投与形態における使用のために適した界面活性剤は、例えば、疎水性及び/又は親水性界面活性剤、例えばWO 00/50007中でLipocine,Inc.により開示されたような界面活性剤である。
【0089】
適した界面活性剤の例は、ポリエトキシ化脂肪酸(例えばポリエチレングリコールの脂肪酸モノ-又はジエステル)、又はそれらの混合物(例えばポリエチレングリコールとラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、リシノール酸とのモノ-又はジエステル、及びPEG 4, PEG 5, PEG 6, PEG 7, PEG 8, PEG 9, PEG 10, PEG 12, PEG 15, PEG 20, PEG 25, PEG 30, PEG 32, PEG 40, PEG 45, PEG 50, PEG 55, PEG 100, PEG 200, PEG 400, PEG 600, PEG 800, PEG 1000, PEG 2000, PEG 3000, PEG 4000, PEG 5000, PEG 6000, PEG 7000, PEG 8000, PEG 9000, PEG 1000, PEG 10,000, PEG 15,000, PEG 20,000, PEG 35,000, ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、即ち、個々の脂肪酸のグリセリルエステルの形態にない上記のエステル等から選定され得るポリエチレングリコールとの混合物);グリセロール、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、PEG又は例えばベジタブルオイル等とのソルビトールエステル(例えば、水素化ヒマシ油、アーモンドオイル、パーム核油、ヒマシ油、杏仁油、オリーブ油、ピーナッツ油、水素化パーム核油等)、ポリグリセライド化脂肪酸(例えばポリグリセロールステアリン酸塩、ポリグリセロールオレイン酸塩、ポリグリセロールリシノール酸塩、ポリグリセロールリノール酸塩)、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えばポリエチレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールリシノール酸塩等)、モノ-及びジグリセライド等(グリセリルモノオレイン酸塩、グリセリルジオレエート、グリセリルモノ-及び/又はジオレエート、グリセリルカプロン酸塩、グリセリルカプリン酸塩等);ステロール及びステロール誘導体;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル(PEG-ソルビタン脂肪酸エステル)(例えば上記多様な分子量のPEGとのエステル)、及び多様な一連のTween(商標);ポリエチレングリコールアルキルエーテル(例えばPEGオレイルエーテル及びPEGラウリルエーテル);糖エステル等(例えばスクロースモノパルミテート及びスクロースモノラウレート);ポリエチレングリコールアルキルフェノール等(例えば、Triton(商標)一連のX又はN);ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー(例えば一連のPluronic(商標)、一連のSynperonic(商標)、Emkalyx(商標)、Lutrol(商標)、Supronic(商標)等である。これらのポリマーの総称は、"ポロキサマー"であり、そして本明細書の適切な例は、ポロキサマー105, 108,122, 123,124,181, 182,183, 184,185, 188,212, 215,217, 231, 234,235, 237,238, 282,284, 288,331, 333,334, 335,338, 401,402, 403 及び407;一連のSpan(商標)又は一連のAriacel(商標)等のであるソルビタン脂肪酸エステル等(例えばソルビタンモノラウリン酸塩、ソルビタンモノパルミチン酸塩、ソルビタンモノオレイン酸塩、ソルビタンモノステアリン酸塩等;低級アルコール脂肪酸脂肪酸エステル(例えばオレイン酸塩、イソプロピルミリスチン酸塩、イソプロピルパルミチン酸塩等);陽イオン性、陰イオン性、及び両イオン性界面活性剤を含むイオン性界面活性剤(例えば脂肪酸塩、胆汁塩、リン脂質、リン酸エステル、カルボン酸塩、硫酸塩及びスルホン酸塩等)である。
【0090】
界面活性剤又は界面活性剤の混合物が本発明の組成物中又は固体投与形態中に存在する場合、当該界面活性剤の濃度は、通常約0.1-80重量%の範囲、例えば、約 0.1から約20重量%、約0.1から約15重量%、約0.5から約10重量%、或いは約0.10から約80重量%、例えば約10から約70重量%、約20から約60重量%又は約30から約50重量%といった範囲内にある。
【0091】
本発明の特定の観点では、少なくとも1つ以上の医薬的に許容され得る賦形剤は、シリカ酸或いはケイ酸塩、二酸化ケイ素、及びそれらのポリマーを含むそれらの誘導体又は塩;アルミノケイ酸マグネシウム及び/又はアルミノメタケイ酸マグネシウム、ベントナイト、カオリン、三ケイ酸マグネシウム、モンモリロナイト及び/又はサポナイト、Nuesellin(商標)から成る群から選定される。
【0092】
吸着(Sorption)材料
上述したような材料は、特に医薬品、化粧品及び/又は食料品中の油性材料の吸着材料として有用である。特定の態様では、当該材料は医薬品中の油性材料のための吸着材料として使用される。油性材料のための吸着材料として機能する能力を有する当該材料は、更に"オイル吸着材料"を意味する。
【0093】
更に本明細書における用語"吸着(sorption)"は"吸収(absorption)"及び"吸着(adsorption)"を意味するために使用される。これらの単語の一つが使用される時はいつでも、吸着と同様に吸収現象もカバーされることを意図して使用されると理解されるべきである。用語"吸着材料"及び"オイル吸着材料"は同一の意味を有することが意図される。
【0094】
本発明に係る使用のために適した吸着材料は、本明細書i)で発表されるように試験した場合、医薬的に許容され得る固体の材料であり、本明細書で開示された閾値試験に従い試験した場合、10%以上のオイル閾値を有し、そしてi)及びii)の一方又は両方を更に実現する本発明の組成物中で使用される:
i)放出試験に従い試験した場合、少なくとも30%の疎水性もしくは親水性、或いは水混和性ビヒクルを放出する組成物;
ii)少なくとも約90重量%のオイル吸着材料を含み、且つPh. Eur.崩壊試験に従い試験した場合、最大で60分の崩壊時間を示す錠剤の形態にある組成物。
【0095】
当該材料は医薬品、化粧品及び/又は食料品、特に医薬品における油性材料のための吸着材料として特に有用である。
【0096】
オイル吸着材料は少なくとも2つの試験を実現することが重要である。一つの試験は必須であり、即ち閾値試験が必要である。当該試験は、オイル吸着材料が適切な流動特質を保持している間にどのくらいの量の油性材料を吸収できるのかを測定する。本発明に係る使用のためのオイル吸着材料(オイル吸着の有無を問わず)は、他の賦形剤と容易に混合することができるようにするために、及び/又は例えば、関与する器具への粘着性に関連した重要な問題がない組成物へ更に進行させるために、適した流動性を有することが重要である。当該試験がどのように実行されるかを後述の材料及び方法並びにガイダンスに発表した。当該閾値試験は、多様な量のオイルを添加した固体材料の流動性を決定することに関与する。
【0097】
上記からオイル閾値は通常10%を超える必要があり、そしてしばしば当該オイル吸着材料は少なくとも約15%、例えば少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、又は少なくとも約45%のオイル閾値を有すように見られる。
【0098】
本発明に係る使用のために特に適した材料であるAeropearl 300は、約60%の非常に高いオイル閾値を有する。従って少なくとも約50%、例えば少なくとも約55%又は少なくとも約60%のオイル閾値を有する材料は、本発明の特定の態様において使用される。
【0099】
更に本発明に係る使用のためのオイル吸着材料は、少なくとも1つの更なる試験、即ち、放出試験及び/又は崩壊試験を実施する必要がある。
【0100】
放出試験は、オイル吸着材料のオイル(水と接触した時、当該材料へ吸着される)放出のための能力を測定する。当該能力は、特に活性物質が油性材料中で接触する場合に非常に重要である。当該オイル吸着材料が当該材料からオイルを放出できない場合、その結果、活性物質の少量のみが当該材料から放出されるという重大なリスクが存在する。従って、例えば、弱い吸収等に関連する生物学的利用能の問題が、かかる状況において発生することが想定される。
【0101】
放出試験のための要求は、当該医薬的に許容され得る固体の材料が本明細書で発表されるように試験される場合、少なくとも約30%、例えば少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、又は少なくとも約60%でオイルを放出することである。本明細書における実施例から明らかなようにAeroperl 300のような適切なオイル吸着材料はより高い放出を有する。従って、本発明の特定の態様において、当該医薬的に許容され得る固体の材料は、本明細書において発表されるように試験される場合、少なくとも約65%、例えば少なくとも約70%、少なくとも約75%又は少なくとも約80%のオイルを放出する。
【0102】
崩壊試験は微粒子形態にある固体材料では実施されないが、当該固体材料から作られた錠剤で実施される。崩壊に関する要求は、当該固体材料が固体投与形態において含まれる場合、当該投与形態に所望されない性質(例えば、投与形態に含まれる活性物質の溶解性及び生物学的利用能に関して所望されない性質を導く性質)を与えないことを確実にするために重要である。本発明に係る使用に適するいくつかの材料に関して、100重量%の固体材料自体を含む錠剤に圧縮することが可能である。この場合、当該試験は、かかる錠剤で実施される。しかしながら当該固体材料単独から錠剤を調製することがより困難である場合に想定される状況である。かかる場合において、10重量%未満の濃度まで錠剤を圧縮する調製の中で、通常使用される医薬的に許容され得る賦形剤を付加することが可能である。適した医薬的に許容され得る賦形剤の例は、充填剤、希釈剤、結合剤及び潤滑剤を含む。しかしながら通常崩壊剤として分類される賦形剤は、回避されるべきである。
【0103】
従って、本発明に係る医薬的に許容され得る固体の材料は、錠剤の形態において本明細書において発表されるように試験される場合、最大で1時間の崩壊時間を有すべきであり、Ph. Eur.崩壊試験に従い試験される場合、当該錠剤は約90重量%以上、例えば約92.5重量%以上、約95重量%以上、約97.5重量%以上、又は約100重量%の医薬的に許容され得る材料を含む。
【0104】
更なる態様では、錠剤の形態にある医薬的に許容され得る固体の材料は、本明細書に発表されたように試験される場合、最大で約50分、例えば最大で約40分、最大で約30分、最大で約20分、最大で約10分又は最大で約5分の崩壊時間を有し、Ph. Eur.崩壊試験に従い試験される場合、当該錠剤は約90重量%以上、例えば約92.5重量%以上、約95重量%以上、約97.5重量%以上又は約100%の医薬的に許容され得る材料を含む。
【0105】
特定の態様では、吸着材料として使用される固体材料は、全て3つの試験が実施される。従って当該医薬的に許容され得る固体の材料は、本明細書において発表された通りに試験される場合
i)少なくとも約10%、例えば少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%又は少なくとも約60%のオイル閾値を有し、
ii)少なくとも約30%、例えば少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%又は少なくとも約80%のオイルを放出し、及び
iii)錠剤形態では、最大で1時間、例えば最大で約50分、最大で約40分、最大で約30分、最大で約20分、最大で約10分又は最大で約5分の崩壊時間を有し、Ph. Eur.崩壊試験の従って試験した場合、当該錠剤は約90重量%以上、例えば約92.5重量%以上、約95重量%以上、約97.5重量%以上又は約100%の医薬的に許容され得る材料を含む。
【0106】
本発明の他の特定の態様では、本発明に係る組成物中の吸着材料として使用される固体の医薬材料が、本明細書において発表されたように試験された場合、
i)少なくとも約55%のオイル閾値を有し;
当該固体の医薬材料が、本明細書において発表されるように試験される場合、
ii)少なくとも約75%のオイルを放出し;及び/又は
当該固体の医薬材料が、本明細書において発表されるように試験される場合、
iii)錠剤の形態では、最大で約10分の崩壊時間を有し、Ph. Eur.崩壊試験によって試験される場合、当該錠剤は約97.5重量%の医薬的に許容され得る材料を含む。
【0107】
本発明に係る組成物中の吸着材料として使用される医薬的に許容され得る固体の材料は、通常、例えばパウダー、粒子、顆粒、粒状等の形態にある微粒子材料である。
【0108】
かかるオイル吸着材料として使用するために適する粒子材料は、通常約0.15g/cm3以上、例えば少なくとも約0.20g/cm3又は少なくとも約0.25g/cm3のバルク密度を有する。
【0109】
更に、少なくとも約100 gオイル/100 g、例えば少なくとも約150 gオイル/100 g、少なくとも約200 gオイル/100g、少なくとも約250 g オイル/100 g、少なくとも約300 gオイル/100 g又は少なくとも約400 gオイル/100 gの医薬的に許容され得る材料のオイル吸収値を有する。当該オイル吸収値は本明細書中の実験欄で発表するように測定される。
【0110】
本発明者等は、比較的大きな表面積を有するオイル吸着材料として使用するために適したいくつかの材料の一般的な特徴を見出した。従って、本発明に係るオイル吸着材料として使用するための医薬的に許容され得る材料は、少なくとも5m2/g、例えば少なくとも約25m2/g、少なくとも約50 m2/g、少なくとも約100 m2/g、少なくとも約150 m2/g、少なくとも約200 m2/g、少なくとも約250 m2/g又は少なくとも約275m2/gのBET表面積を有し得る。
【0111】
上記の通り、本発明に係るオイル吸着材料として使用するための医薬的に許容され得る材料の特性の一つは、油性材料に添加されても良好な流動性を保持するものである。従って、医薬的に許容され得る材料の流動性は25重量%以上、例えば30重量%以上、40重量%以上、45重量%以上、50重量%以上、55重量%以上、60重量%以上、65重量%以上又は約70重量%にされ、粘性物質(viscoleo)は通常Ph.Eur.の要求に合致するであろう。
【0112】
特に、当該オイル吸着材料はシリカ酸又はそれらの誘導体もしくは塩(例えば、医薬的に許容され得る賦形剤として、二酸化ケイ素、又はそれらのポリマー)を含んでよい。しかしかしながら採用される品質に依存して二酸化ケイ素は、潤滑剤であってよく、又はオイル吸着材料であってよい。後者の機能を実現させる品質は、最も重要であると思われる。
【0113】
特定の態様では、本発明にかかる組成物又は固体投与形態は、Aeroperl(商標)300に対応する特性を有する二酸化ケイ素産物の医薬的に許容され得る賦形剤を含む。
【0114】
本発明に係る組成物又は投与形態におけるオイル吸着物質の使用は、医薬品、化粧品、栄養及び/又は食料品組成物の調製のために非常に好都合であり、ここでの組成物は油性材料を含む。比較的大量且つ油性材料を導入することが可能であり、そして固体である材料を更に有すことは利点の一つである。従って、本発明に係るオイル吸着材料の使用によってオイル材料を比較的多く付加することにより固体組成物を調製することが可能である。医薬分野において、比較的大量の油性材料を固体組成物中に導入することができることは好都合であり、特に活性物質が水溶性の観点で適した特質を有しない場合(例えば少ない水溶解性、水性媒体中での安定性(即ち水性媒体中で起こる分解)、経口生物学的利用能(例えば低い生物学的利用能等))の状況にあること、或いは活性物質の制御した、遅延した、徐放化した及び/又は周期化した送達を獲得するために組成物からの活性物質の放出を修飾することが所望される場合の状況にあることが好都合である。従って、特定の態様ではそれは医薬組成物の調製において使用される。
【0115】
固体組成物中での処理において使用するためのオイル吸着材料は、通常約5重量%以上、例えば約10重量%以上、約15重量%以上、約20重量%以上、約25重量%以上、約30重量%以上、約35重量%以上、約40重量%以上、約45重量%以上、約50重量%以上、約55重量%以上、約60重量%以上、約65重量%以上、約70重量%以上、約75重量%以上、約80重量%以上、約85重量%以上、約90重量%以上、又は約95重量%以上のオイル或いは油性材料を吸収し、そしてなお固体材料である。
【0116】
油性材料
本発明の重要な観点では、油性材料を含む組成物又は固体投与形態である。
【0117】
本明細書における用語"油性材料"とは、医薬産業においてオイル、ワックス、半固体材料及び通常溶媒として使用される材料(例えば有機溶媒)又は共溶媒を含み、非常に広い意味で使用され、そして更に当該用語は、周囲温度で液体である治療的及び/又は予防的に活性な物質を含み;更に当該用語は、例えばマイクロエマルション及びナノエマルション及び懸濁物のようなエマルションを含む。吸収され得るオイル及びオイル様物質は、通常周囲温度又は上昇した温度(実際上の理由から、最大温度は約250℃である)で液体であろう。それらは親水性、脂溶性、疎水性及び/又は両親媒性材料であってよい。
【0118】
本発明において使用するために適した油性材料は、少なくとも約10℃及び最大で約250℃の融点を有す物質又は材料である。
【0119】
本発明の特定の態様では、当該油性材料は約5℃以上、例えば約10℃以上、約15℃以上、約20℃以上又は約25℃以上の融点を有す。
【0120】
本発明の更なる態様では、油性材料は少なくとも約25℃、例えば少なくとも約30℃、少なくとも約35℃又は少なくとも約40℃の融点を有す。実際上の理由から、当該融点は、通常非常に高くなくてもよく、故に油性材料は、通常最大で約300℃、例えば最大で約250℃、最大で約200℃、最大で約150℃又は最大で約100℃の融点を有す。融点が比較的高い温度よりも高い場合、それらのケースにおいて、例えば、治療的及び/又は予防的活性物質が含まれる場合、例えば活性物質の酸化又は他の種類の分解を促進し得る。
【0121】
本明細書における融点はDSC(示差走査熱量測定法)によって決定される。融点は温度軸が交差するDSC曲線の線形が増加する温度として決定される(更なる詳細は図1を参照)。
【0122】
注目の油性材料は医薬の製造において、メルトバインダー(melt binders)又は固体溶媒(固体投与形態にある)と呼ばれる、或いは 共溶媒又は局所使用のための医薬における成分として使用される一般的な物質である。それは親水性、疎水性及び/又は界面活性特質を有し得る。一般的に親水性及び/又は疎水性油性材料は、治療的及び/又は予防的に活性な物質を含む医薬組成物の製造において使用するために適し、比較的低い水溶性を有し、及び/又は当該医薬組成物からの活性物質の放出の際、迅速に又は修飾されないようにデザインされる。一方、疎水性油性材料は、修飾した放出の医薬組成物の製造において通常使用される。上記検討では、一般原理を説明するために簡略化されているが、油性材料と他の用途の他の組合せが関連している多くの場合が存在しているので、上記例示は本発明の任意の方法を制限するべきでない。
【0123】
典型的に、適した親水性油性材料は:ポリエーテルグリコール、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール;ポリオキシエチレン;ポリオキシプロピレン;ポロキサマー及びそれらの混合物から成る群から選定され、或いは:キシリトール、ソルビトール、酒石酸カリウムナトリウム、スクローストリベヘネート、グルコース、ラムノース、ラクチトール(lactitol)、ベヘン酸、ヒドロキノンモノメチルエーテル、酢酸ナトリウム、フマル酸エチル、ミリスチン酸、クエン酸、Gelucire 50/13、他のGelucireタイプ(例えば、Gelucire 44/14等)、Gelucire 50/10、Gelucire 62/05、スクロ-エステル7、スクロ-エステル11、スクロ-エステル15、マルトース、マンニトール及びそれらの混合物から成る群から選定され得る。
【0124】
適した疎水性油性材料は:直鎖飽和炭化水素、ソルビタンエステル、パラフィン;脂肪及びオイル(例えば、カカオバター、牛脂、ラード、ポリエーテルグリコールエステル);高級脂肪酸(例えばステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸)、高級アルコール(例えばセタノール(cetanol)、ステアリルアルコール)、低融点ワックス、例えばモノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリン、水素化した獣脂、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、置換された及び/又は非置換のモノグリセライド、置換された及び/又は非置換のジグリセライド、置換された及び/又は非置換のトリグリセライド、ミツロウ、白ろう、カルナウバワックス、ヒマシワックス、和ろう、アセテートモノグリセライド;NVPポリマー、PVPポリマー、アクリル系ポリマー、又はそれらの混合物から成る群から選定され得る。
【0125】
注目の態様では、当該油性材料は、約400から約35,000、例えば約800から約35,000、約1,000から約35,000の範囲内の平均分子量を有すポリエチレングリコールであり、例えばポリエチレングリコール1,000、ポリエチレングリコール2,000、ポリエチレングリコール3,000、ポリエチレングリコール4,000、ポリエチレングリコール5,000、ポリエチレングリコール6000、ポリエチレングリコール7,000、ポリエチレングリコール8,000、ポリエチレングリコール9,000、ポリエチレングリコール10,000、ポリエチレングリコール15,000、ポリエチレングリコール20,000、又はポリエチレングリコール35,000である。特定の状況では、ポリエチレングリコールは約35,000から約100,000の分子量を有すようにできる。
【0126】
他の注目の態様では、油性材料は約2,000から約7,000,000、例えば約2,000から約100,000、約5,000から約75,000、約10,000から約60,000、約15,000から約50,000、約20,000から約40,000、約100,000から約7,000,000、例えば約100,000から約1,000,000、約100,000から約600,000、約100,000から約400,000、又は約100,000から約300,000の分子量を有するポリエチレンオキシドである。
【0127】
他の態様では、油性材料はポロキサマー(例えばポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338又はポロキサマー407又はエチレンオキシド及びプロピレンオキシドの他のブロックコポリマー、例えば一連のPluronic(商標)及び/又はTetronic(商標)である。一連のPluronic(商標)の適したブロックコポリマーは、約3,000以上、例えば約4,000から約20,000の分子量を有し、及び/又は約200から約4,000 cps、例えば約250から約3,000 cpsの粘性(Brookfield)を有すポリマーを含む。適切な例は、Pluronic(商標)F38, P65, P68LF, P75, F77, P84, P85, F87, F88, F98, P103, P104, P105, F108, P123, F123, F127, 10R8, 17R8, 25R5, 25R8等を含む。一連のTetronic(商標)の適切なブロックコポリマーは;約8,000以上、例えば約9,000から約35,000の分子量を有し、及び/又は約500から約45,000 cps、例えば約600から約40,000の粘性(Brookfield)を有するポリマーを含む。室温でペースト状である物質に対する上記粘性は60℃で測定され、及び室温で固体である物質に対する上記粘性は77℃で測定される。
【0128】
油性材料は、更にソルビタンエステル、例えばソルビタンジ-イソステアレート、ソルビタンジオレアート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノオレアート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキ-イソステアレート、ソルビタンセスキオレアート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタントリ-イソステアレート、ソルビタントリオレアート、ソルビタントリステアレート又はそれらの混合物であってよい。
【0129】
油性材料は、多様な油性材料の混合物、例えば親水性及び/又は疎水性材料の混合物を当然に含み得る。
【0130】
他の適した油性材料は、溶媒又は半-固体賦形剤等、例えばポリエチレングリコール、ポリグルコール化(polyglycolised)グリセライド(Gelucire 44/14を含む)、植物由来複合脂肪材料(テオブロマオイルを含む)、カルナウバワックス、ベジタブルオイル等、例えばアーモンド油、ココナッツ油、コーン油、綿実油、ゴマ油、大豆油、オリーブ油、ヒマシ油、パーム核油、ピーナツ油、菜種油、ブドウの種から採った油等、水素化したベジタブル油、例えば水素化したピーナツ油、水素化したパーム核油、水素化した綿実油、水素化した大豆油、水素化したヒマシ油、水素化したココナツ油を含む);ミツロウ、ラノリン、脂肪アルコール(セチル、ステアリル、ラウリン、ミリスチン、パルミチン、ステアリンアルコールを含む)を含む動物起源の天然脂肪材料;グリセロールステアリン酸塩、グリコールステアリン酸塩、エチルオレイン酸塩、イソプロピルミリスチン酸塩を含むエステル;液体の内エステル化(interesterified)半-合成グリセライド(Miglycol 810/812を含む);アミド又は脂肪酸アルコールアミド(ステアロマイドエタノール、脂肪ココナッツ酸のジエタノールアミド、モノ及びジ-グリセライドの酢酸エステル、モノ及びジ-グリセライドのクエン酸エステル、モノ及びジグリセライドの乳酸エステル、脂肪酸のポリ-グリセロールエステル、ポリ-グリセロール、ポリ-リシノール酸塩、脂肪酸のプロピレングリコールエステル、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ステアリルラクチレート(lactylates)ナトリウム、ステアロイルラクチレートカルシウム、モノ及びジ-グリセライドのジアセチル酒石酸エステル等を含む)を含むエステルであってよい。
【0131】
本発明にかかる医薬組成物又は固体投与形態は、当該組成物又は投与形態の約5重量%以上、例えば約10重量%以上、約15重量%以上、約20重量%以上、約25重量%以上、約30重量%以上、約35重量%以上、約40重量%以上、約45重量%以上、約50重量%以上、約55重量%以上、約60重量%以上、約65重量%以上、約70重量%以上、約75重量%以上、約80重量%以上、約85重量%以上、約90重量%以上、又は約95重量%以上の油性材料の濃度を有し得る。
【0132】
特定の態様では、本発明の組成物又は固体投与形態中の油性材料の濃度は、約20重量%から約80重要%、例えば約25重量%から約75重量%の範囲にある。
【0133】
本発明の利点の一つは、比較的大量の油性材料を導入し、そして更に固体材料を有すことを可能にすることである。従って、本発明に係るオイル吸着材料の使用により、比較的多く添加された油性材料を有す固体組成物を調製することが可能である。医薬分野では、固体組成物中に比較的大量の油性材料を導入することができることが一つの利点である。特に活性物質が水溶性(例えば低い水溶性)、水性媒体中での安定性(即ち水性媒体中で発生する崩壊)、経口の生物学的利用能(例えば低い生物学的利用能)等に関する適切な特質を有しない状況において、或いは活性物質の制御した、遅延した、徐放化した及び/又は周期化した送達を獲得するために組成物からの活性成分の放出を修飾することが所望される状況において利点がある。
【0134】
更なる利点は、得られた微粒子材料が遊離-流動パウダーであり、そのために容易に、例えば固体投与形態(例えば、錠剤、カプセル剤又は小袋)へと加工できることである。通常、微粒子材料は更なる添加剤を大量に添加せずに直接圧縮することによって、錠剤を製造するために適している特質を有する。当該微粒子材料の流動性を試験するために適した試験は、Ph. Eur.に発表された方法であり、そして10.0 mmの直径のノズル(開口部)を有するファンネルから抜け出した材料の流動速度を測定する。
【0135】
本発明の態様では、少なくとも一部分のフィブラートは分子分散及び固体溶液を含む固体分散の形態にある組成物中に存在し得る。通常、10重量%以上、例えば20重量%以上、30重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、90重量%以上、例えば95重量%以上、又は約100重量%のフィブラート活性物質が溶解した形態にある組成物中に存在する。
【0136】
固体投与形態
本発明にかかる医薬組成物は微粒子形態にあり、そしてそのような形態を採り得る。しかしながら多くの場合、顆粒、ペレット、マイクロスフェア、ナノ粒子等の形態、又は固体投与形態(錠剤、ビーズ、カプセル、粒(grains)、丸剤、粒状、顆粒、パウダー、ペレット、小袋、ロゼンジ、トローチ等を含む)にある組成物中に存在することがより好都合である。
【0137】
本発明にかかる固体投与形態は単一単位投与形態であってよく、又は多様な個々の単位(例えば、ペレット、ビーズ及び/又は顆粒)を含むポリデポー(polydepot)投与形態にあってよい。
【0138】
通常、本発明の医薬組成物又は固体投与形態は、経口、バッカル又は舌下投与経路を経た投与が意図される。
【0139】
本発明は更に上記形態にも関する。本発明の範囲内では、迅速な放出、遅延した放出、又は修飾した放出手段にある活性物質を放出することを意図する組成物/固体投与形態である。
【0140】
本発明に係る固体投与形態は、上記のような微粒子形態にある医薬組成物を含む。本発明の主な観点の下で開示された詳説及び細目は、本発明の他の観点へ準用して適用される。従って、生物学的利用能の増加、生物学的利用能パラメーターの変化、不利な食物影響の減少、及び1つ以上のフィブラート等の放出に関する特質が本明細書中で発表され、及び/又は本発明にかかる固体投与形態のアナログである微粒子形態にある医薬組成物がここで特許請求される。
【0141】
通常、微粒子形態にある医薬組成物の濃度は、投与形態の約5から100重量%、例えば約10重量%から約90重量%、約15重量%から約85重量%、約20重量%から約80重量%、約25重量%から約80重量%、約30重量%から約80重量%、約35重量%から約80重量%、約40重量%から約75重量%、約45重量%から約75重量%、又は約50重量%から約70重量%の範囲にある。微粒子形態にある本発明の態様では、医薬組成物の濃度は、投与形態の50重量%以上である。
【0142】
本発明の固体投与形態は非常に安定である。例えばフィブラートは、約40℃の温度、且つ約75%の相対湿度で3ヶ月保存した後にアッセイした場合、貯蔵前の量と比較して、少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は少なくとも100%の量で存在する。更に当該物理的安定性は、以下の実施例で見ることができるように非常に高い。
【0143】
本発明に係る固体投与形態は、当業者に周知の技術により、本発明に従い微粒子材料を処理することにより得られる。これは通常、本明細書で述べた1つ以上の医薬的に許容され得る賦形剤の更なる付加に関与する。
【0144】
本発明に係る組成物又は固体投与形態は、任意の適した方法において、生物学的利用能の増加が維持されることを条件に、1つ以上のフィブラートを放出するようにデザインされ得る。従って、当該活性物質は増強した作用の発現を得るために比較的迅速に放出され得る。それはゼロ又は初期オーダー速度に従うように放出されてよく、或いはそれは放出の予め決められたパターンを得るために制御した、又は修飾した方法で放出されてよい。未調整の製剤もまた本発明の範囲内にある。
【0145】
本発明に係る組成物又は固体投与形態は、フィルムコーティング、腸溶コーティング、修飾した放出のためのコーティング、保護的コーティング、抗-粘着性コーティング等によってもコーティングされ得る。
【0146】
本発明に係る固体投与形態は、適した特質(例えば活性物質の放出に関する特質)を得るために更にコーティングされ得る。当該コーティングは単一単位投与形態(例えば、錠剤、カプセル)に適用させてよく、又はポリデポー投与形態もしくはその個々の単位に適用させてよい。
【0147】
適したコーティング材料は、例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アクリル系ポリマー、エチルセルロース、セルロースアセテートフタル酸塩、ポリビニルアセテートフタル酸塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタル酸塩、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セルロースアセテート、セルロースアセテートフタル酸塩、ゼラチン、メタクリル酸コポリマー、ポリエチレングリコール、シェラック、スクロース、二酸化チタン、カルナウバワックス、微晶性ワックス、ゼインである。
【0148】
可塑剤及び他の成分をコーティング材料中に添加させてよい。同一又は異なる活性物質をコーティング材料中に添加させてもよい。
【0149】
本発明に係る医薬組成物又は固体投与形態は、適切な方法でフィブラートを放出するようにデザインされる。特異的な放出パターンは、添付の特許請求の範囲において開示され、ここで参考文献にされた。本明細書は、特別に関連のある吸収パターンも提供する。
【0150】
本発明の他の態様
更に他の観点では、本発明は1つ以上のフィブラート及び1つ以上の油性材料を含む微粒子形態にある固体医薬組成物に関し、10.0 mmの直径のノズルを有するファンネルから抜け出した組成物の流動速度を測定するPh. Eur.に発表された方法に従い決定されたような、適した流動性を有する。製造設備及び/又は充填設備へのいかなる粘着も回避するために、微粒子材料が自由に流動することが重要である。この特徴は、更なる他の種類の製剤(例えば固体投与形態)へ微粒子材料を処理することが所望されるような場合にも重要である。
【0151】
また本発明の他の観点は、1つ以上のフィブラート系、1つ以上の油性材料、及び1つ以上のオイル吸着材料を含む微粒子形態にある固体の医薬組成物に関し、当該医薬組成物は、
i)本明細書における閾値試験に従って試験した場合、10%以上のオイル閾値を有し、そして少なくとも1つが実施され、
ii)本明細書における放出試験に従って試験した場合、少なくとも30%のオイルを放出し、及び
iii) Ph. Eur.の崩壊試験に従って試験した場合、錠剤の形態では、最大で1時間の崩壊時間を有す。所定の状況では、当該組成物中に吸着材料を導入することは、高濃度の油性材料を可能にするために、好都合であることが見出された。これらの場合において、油性材料が最大で約250℃の融点を有す場合、吸着材料を導入するために本質的に適しているだろう。油性材料及び吸着材料の適した例は本明細書に開示されている。
【0152】
更なる特異的な態様では、フィブラートは、固体溶液を含み、少なくとも部分的に固体分散の形態において存在する。
【0153】
更なる態様では、本発明は、1つ以上の油性材料中に溶解した1つ以上のフィブラートを含む、微粒子形態又は固体投与形態にある固体の医薬組成物に関する。当該観点では、フィブラートは、微粒子組成物中で、固体溶液の形態で存在し、そして固体溶液の存在は、本明細書で述べたDSC試験により試験され得る。この観点では、当該微粒子組成物は、任意に上昇した温度で油性材料にフィブラートを溶解させることにより調製され、そして(任意に更なる活性物質及び/又は1つ以上の医薬的に許容され得る賦形剤の付加後)当該混合物を本明細書で発表したような担体上にスプレーする。好適には、油性材料の濃度は少なくとも約10重量%である。
【0154】
材料及び方法
材料
フェノフィブラート(Sigmaから購入)
ラクトース1水和物200メッシュ(DMV製)
粒状化酸化シリシウム(silicium oxide)、Aeroperl(商標)300、(Degussa)
ポリエチレングリコール6000、Pluracol(商標) E6000 (BASF製)
ポロキサマー188、Pluronic(商標)F-68 (BASF製)
モノステアリン酸グリセリン、Rylo(商標)MD50、(Danisco Cultor製)、Ph. Eur.
Avicel PH200 (微晶性セルロース)(FMC製)
ステアリン酸マグネシウム
【0155】
錠剤、カプセル又は顆粒は、多様なタイプのポリマー(例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(Aqoat)、セルロースアセテートフタレートCAP、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートHPMCP又はメタクリル酸コポリマー(例えば、Eudragit L30D、Eudragit100/S、Eudragit100/L))で腸溶にコーティングされてよい。
【0156】
Tricor(商標)錠製剤
TRICOR(商標)錠は、経口投与で使用できるフェノフィブラート含有錠であり、錠剤当り、54 mg又は160 mgのマイクロ化フェノフィブラートを含む。
【0157】
当該錠剤は以下の不活性成分を含む:コロイド状二酸化ケイ素、クロスポビドン、ラクトース1水和物、レクチン、微晶性セルロース、ポリビニルアルコール、ポビドン、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、タルク、二酸化チタン、キサンタンガム、着色剤。Tricor(商標)は脂質調節剤として適応される。Tricor(商標)の推奨用量は、54-160 mg/日であり、食事と共に摂取される。Tricor(商標)錠は54及び160 mgの強度で提供され、他方Tricor(商標)カプセルは67及び200 mgの強度で提供される。錠剤はカプセルよりも高い生物学的利用能を有す。他の商品名はLipanthyl(商標)、Lipantil(商標)又はCatalip(商標)である。
【0158】
Lipanthyl(商標)製剤
Lipanthyl(商標)67Mは、フェノフィブラートが固体界面活性成分と共マイクロ化され、2つの活性成分の混合物を密にし、細かく分離させる工程からもたらされる。
【0159】
設備
研究室スケール流動層設備:Strea-1.
溶融補給単位は噴霧器、圧力タンク及び補給チューブに供給される加熱する空気の個々の単位から構成されるプロトタイプである。粒状物は手動でふるいにかけ、そして撹拌ミキサー中の余分の粒状の賦形剤と共に混合した。
【0160】
錠剤圧縮は、単一パンチプレス、DiafTM20で実行した。
【0161】
方法
本発明の方法に従い、フェノフィブラート薬物を溶融したビヒクル中に溶解し、そして以下のような微粒子担体に適用した:
ビヒクルをマイクロウェーブオーブン中に設置したビーカー中に溶かした。当該ビーカーを、磁気撹拌器を備えた、温度を制御して加熱したプレートへ移動させた。フェノフィブラートを75℃の温度で、磁気撹拌しながら当該溶融物中にゆっくり溶かした。当該加熱した溶液を、流動層中の担体上の溶融スプレー適用のための圧力タンクへ移動させた。当該粒状生産物を流動層から放出し、そして手動で0.7 mm又は1.0 mmのふるいにかけた。当該ふるいにかけた生産物を0.5分間、撹拌ミキサー中でステアリン酸マグネシウムと共に混合した。過剰な粒状相を組み入れる必要がある場合、過剰な粒状相を3分間、撹拌ミキサー中で当該粒状物と予め混合した。
【0162】
錠剤圧縮は、単一パンチマシーンDiaf TM20で実施した。
【0163】
閾値試験
当該試験は、10.0 mmの直径のノズルを有するファンネルから抜け出した材料の流動速度を測定するPh. Eur.に発表された方法により流動能を決定することに関与する。
【0164】
粘性物質(中鎖トリグリセライドMCT;Miglyol 812 N Condea製)を、本発明に係る使用のために試験される100 gの固体の医薬的に許容され得る材料へ付加し、そして手動で混合した。得られた混合物を0.3 mmのふるいにかけて、均質の混合物を保証した。100 gの当該混合物の流動がノズルを通して流動できなくなるまで、オイルを連続的に付加した。試験される材料が高バルク容量(例えばAeroperl 300の場合のような)を有す場合、それらのブレンドを試験する際、50 gの混合物のみが使用される。材料の流動を得ることができた場合のオイルの最大濃度は、閾値と呼ばれる(重量%として与えられる)。
【0165】
放出試験
BDH VWR Internationalから入手した脂肪可溶性着色剤、SudanII(BDH Gur(商標))14.3 mgを50.0 gの粘性物質(フラクション化された中鎖トリグリセライド)中に溶解させた。
【0166】
10 gのオイルを本発明に係る使用のために試験される10.0 gの固体の医薬的に許容され得る材料へ付加し、そしてオイルが固体材料中に完全に吸収されるまで混合した。引き続き当該混合物を0.3 mmのふるいにかけて、均質の混合物を獲得した。
【0167】
1.00 gの混合物を遠心分離チューブに移し、そして3.00 mlの水を付加した。懸濁物を1時間血液サンプルターナー中で混合し、引き続き10分間、5000 rpmで遠心分離にかけた。オイル及び水の上相を注意深くビーカーに移し、そして水を80℃のオーブンで恒量まで蒸発させた。固体材料から放出されたオイルの量は、水相の蒸発後の残存量に基づき算出された。
【0168】
崩壊試験
崩壊時間はPh. Eur.に発表された方法に従って決定された。
【0169】
溶解試験
当該試験はパドル機器を用いて、Ph.Eur 2.9.3に従って実施した。定量化はUV-検出によるHPLCを用いて実施した。
媒体:0.75%のラウリル硫酸ナトリウム(SLS) を有する900 mlの水
回転速度:50 rpm
温度:37℃
サンプリング時間:10、20、30、45及び60分
採用基準:>75%、45分でのバルク密度の決定
【0170】
バルク密度は250 mlのメスシリンダー中へ問題の100 gのパウダーを注ぐことにより測定した。当該バルク密度はg/mlのタップ(tapped)バルク密度として得られる。当該決定は、Ph. Eur.に従って実施された(見かけ容積)。
【0171】
オイル吸収値の決定
オイル吸収値は綿密に規定した量(10 g)の粘性物質を綿密に規定した量の医薬的に許容され得る試験物質(100 g)に付加することにより決定される。オイル吸収値(g粘性物質/100 g材料、として表現される)は、10 gのオイルの更なる付加が流動性に関する適した性質を有さない材料をもたらした時、即ち当該材料がPh. Eur.(流動性試験;本明細書上記の閾値試験を参照)に従って試験された際の要求に合致しない時、に到達する。
【0172】
BET表面積の決定
適用した器具はMicromertics Gemini 2375である。適用した方法はマルチポイント決定に基づくUSP容積測定法に従った。
【0173】
流動能の決定
流動能は、10.0 mmの直径のノズルを有するファンネルから抜け出した材料の流動速度を測定するPh. Eur.に発表された方法によって決定された。
【0174】
重量のバラツキの決定
本明細書中の実施例において調製した錠剤は、Ph. Eur.に従い実施される重量のバラツキのための試験にかけられた。
【0175】
平均錠剤硬度の決定
本明細書の実施例中で調製された錠剤は、Schleuniger Model 6D器具を用いて錠剤硬度のための試験にかけられ、そして器具のための一般的指導に従い実施された。
【0176】
固体溶液の決定
本発明に従い、フィブラートをビヒクル中に溶解させる。これを実証するために、示差走査カロリー測定法(calometry)を含む試験が実施される。当該試験は、ビヒクルとフィブラートの微粒子組成物、固体投与形態又は混合物で実施される(固体溶液が仮定された後、形成される)。PCに連結した標準DSC装置を使用する。
サンプルサイズ:alu pans中10 mg
加熱速度:5℃/分、27℃から110℃
評価:フィブラートendoterm ピークが観察されない場合、そして溶解する間隔がビヒクル単独と比較して有意にシフトしない場合、フィブラートは溶解した状態、又は非結晶構造にあるとみなされる。
【0177】
幾何学的重量平均径の決定
幾何的重量平均径は、空気中で得られた微粒子材料(又は出発原料)をレーザー回折分散剤の方法の採用により決定した。当該測定は同等の球径の分布を記録するSympatec Helos 装置中で、1 barの分散圧で実施した。この分布はlog標準容積-サイズ分布に適合する。本明細書で使用される場合、"幾何学的重量平均径"は、log標準容積-サイズ分布の平均径を意味する。
【0178】
ビーグル犬でのIn vivo試験
市販のフェノフィブラート錠製剤、即ち、Tricor(商標)の生物学的利用能に関する本発明の組成物の生物学的利用能を決定する目的を有するvivo試験は、ビーグル犬を使用して実施された。
【0179】
実験作業は、デンマークでそれぞれ12-18 kg(開始時の体重)の体重を有する、4匹の雄のビーグル犬を用いて実施した。当該試験はオープン、非-無作為化、クロスオーバー試験として行われた。個々の動物は、自身が自己のコントロールであった。経口投与量のフェノフィブラートが後述のデータに従って投与された。
【0180】
犬は投与前に一晩絶食させて(水は自由に飲める)、そして投与後5時間餌を与えた(水は自由に飲める)。犬の体重を考慮に入れずに、個々の犬に、フェノフィブラートの特化した量を投与した。
【0181】
血液サンプルを、頸静脈外で:投与前、投与後1、1.5、2、3、4、6、8、12及び24時間の時点で採取した。4 mlの血液を採取し、EDTAと混合し、そして当該サンプルを冷凍した(-80℃)。当該血液サンプルをオンライン抽出LC/MSを用いて解析し、そして結果はmg/mLで得た。決定されたフェノフィブラートの全血液濃度プロファイルは、薬物動態ソフトウェアWinNonlin(商標)、(Pharsight, California;USA)を用いて処理し、薬物動態パラメーターを算出した。全てのデータは必要に応じて用量を調整する。
【0182】
以下の実施例は本発明を説明する目的で提供され、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。本発明の医薬組成物及び投与形態は、実施例1-7で説明される。本発明の投与形態の溶解試験の結果は実施例8に見出される。本発明の投与形態の安定性試験の結果は実施例9に見出される。ビーグル犬のin vivo比較試験の結果(血漿中濃度)は実施例10-12に見出される。
【実施例1】
【0183】
改善した生物学的利用能を有する速放錠
フェノフィブラートをポリエチレングリコール6000及びポロキサマー188(70:30の重量比)中に、75℃で、17%の濃度で溶解させた。75℃で、244 gの溶融した溶液を、流動層Strea-1中の200 gのラクトースにスプレーした。粒状産物を0.7 mmのふるいにかけ、そして撹拌ミキサー中でステアリン酸マグネシウムと0.5分間ブレンドした。当該混合物を10 mmで、50 mgの強度を有する(カップ型の化合物を有する540 mg錠)の錠剤へ圧縮した。
【表1】

平均崩壊時間:26分、硬度:45 N
【実施例2】
【0184】
改善した生物学的利用能を有する速放錠
50 mgの強度の10 mm錠(カップ型の化合物を有する540 mg錠)、且つ実施例1で発表したように調製される以下の組成物を有す:
【表2】

平均崩壊時間:21分、硬度:55 N
【実施例3】
【0185】
改良した生物学的利用能を有する速放錠
50 mgの強度の10 mm錠(カップ型の化合物を有する540 mg錠)、且つ実施例1で発表したように調製される以下の組成物を有す:
【表3】

平均崩壊時間:22分、硬度:48 N
【実施例4】
【0186】
改良した生物学的利用能を有する速放錠
フェノフィブラートを17%の濃度で、75℃で、ポリエチレングリコール4000中に溶解させた。244 gの溶融した溶液を流動層Strea-1中の200 gのラクトースに、75℃でスプレーした。粒状の産物を0.7 mmのふるいにかけ、そしてステアリン酸マグネシウムと0.5分間、撹拌ミキサー中でブレンドした。当該混合物を50 mgの強度の10 mm錠(カップ型の化合物を有する540 mg錠)に圧縮した。
【表4】

平均崩壊時間:21分、硬度:55 N
【実施例5】
【0187】
改良した生物学的利用能を有する速放錠
フェノフィブラートをポリエチレングリコール4000中に17%の濃度で、75℃で溶解させた。244 gの溶融した溶液を、流動層Strea-1中で、75℃で、10 gのラウリル硫酸ナトリウム(SDS)との混合にある190 gのラクトースにスプレーした。粒状産物を0.7 mmのふるいに通して、そして撹拌ミキサー中で0.5時間、ステアリン酸マグネシウムとブレンドした。当該混合物を50 mgの強度の10 mm錠(カップ型の化合物を有する540 mg錠)に圧縮した。
【表5】

平均崩壊時間:18分、硬度:65 N
【実施例6】
【0188】
改良した生物学的利用能を有する速放錠
フェノフィブラートをポリエチレングリコール4000とポロキサマー188(70:30重量比)中で、75℃で30%の濃度に溶解させた。466 gの溶融溶液を、75℃で、流動層Strea-1中の200 gのAeroperl 300にスプレーした。粒状産物を0.7 mmのふるいにかけ、そして撹拌ミキサー中で0.5分間、ステアリン酸マグネシウムとブレンドした。当該混合物を150 mgの強度の13.5 mm錠(カップ型の化合物を有する720 mg錠)に圧縮した。
【表6】

平均崩壊時間:35分、硬度:35 N
【実施例7】
【0189】
本発明の製剤
それぞれ以下の組成物を有する50 mg及び160 mg強度の錠剤は、実施例1、4及び6に発表したように調製した:
【表7】

【実施例8】
【0190】
溶解試験
実施例7の本発明の錠剤製剤Aは、以下の結果を有する方法において発表されたような溶解試験にかけられた:
【表8】

【実施例9】
【0191】
安定性試験
実施例7の本発明の錠剤製剤Aのサンプルは、それぞれ以下の条件下で保存され、そして保存の1ヶ月及び3ヶ月後に当該方法において発表されたような溶解(安定性)試験にかけられ;溶解した%が45分後に溶解したフェノフィブラートのパーセンテージである:
【表9】

実施例7の本発明の錠剤製剤Aのサンプルは、それぞれ以下の条件下で保存され、そして以下の結果を有するフィブラートアッセイにかけられた:
【表10】

実施例7の本発明の錠剤製剤Aのサンプルは、それぞれ以下の条件下で保存され、そしてPh.Eur.(崩壊産物A、B、G及び総崩壊産物中へ蓄積された未知の物質;HPLC法)に従い以下の結果を有する崩壊産物試験にかけた。
【表11】

【実施例10】
【0192】
犬でのin vivo試験
実施例7の製剤Aのin vivo試験は、160 mgでビーグル犬において、Tricor(商標)に関して上記発表したような方法下で実施し、160 mg(バッチno.:098212E21)は以下の結果を与えた:
製剤投与後の血中濃度(mg/mL)(4匹の犬の平均):
【表12】

AUC (発明、A/Tricor(商標))に基づく相対的な生物学的利用能:306%。
相対的Cmax(発明,A/Tricor(商標)):356%。
【実施例11】
【0193】
犬でのIn vivo試験
160 mgでビーグル犬において、Tricor(商標)、160 mg(バッチno.:098212E21)に関する上記発表した方法のように実施される、実施例7の製剤Aの第二のin vivo試験は、以下の結果を与えた:
製剤投与後の血中濃度(mg/mL)(4匹の犬の平均):
【表13】

AUC(発明,A/Tricor(商標))に基づく相対的な生物学的利用能:198%。
相対的なCmax(発明,A/Tricor(商標)):238%。
【実施例12】
【0194】
犬でのIn vivo試験
実施例7の製剤B、C及びDのin vivo試験では、2x50 mgのビーグル犬において、Lipanthyl(商標)67M、2x67 mg(バッチno.:75641)に関して、上記発表されたような方法下で実施し以下の結果を得た:
製剤投与後の血中濃度(mg/mL)(4匹の犬の平均):
【表14】

AUC(発明,B/Lipanthyl(商標)67M)に基づく相対的な生物学的利用能:532%。
相対的なCmax(発明,BA/Lipanthyl(商標)67M):548%。
AUC(発明,C/Lipanthyl(商標)67M)に基づく相対的な生物学的利用能:228%。
相対的なCmax(発明,C/Lipathyl(商標)67M):161%。
AUC(発明,D/Lipanthyl(商標)67M)に基づく相対的な生物学的利用能:424%。
相対的なCmax(発明,D/Lipanthyl(商標)67M):329%。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
疎水性、親水性又は水混和性であるビヒクル中に溶解したフィブラートを含む固体経口投与形態。
【請求項2】
錠剤、ビーズ、カプセル、粒、丸剤、粒状、顆粒、パウダー、ペレット、小袋又はトローチの形状にある請求項1に記載の固体投与形態。
【請求項3】
錠剤である、請求項1に記載の固体投与形態。
【請求項4】
前記フィブラートがジェミフィブロジル、フェノフィブラート、ベザフィブラート、クロフィブラート、シプロフィブラート、及び任意に関連のあるフェノフィブリン酸といったフィブリン酸を含むそれらの活性代謝産物及びアナログから成る群から選定される、請求項1に記載の固体投与形態。
【請求項5】
前記フィブラートがフェノフィブラート又はそれらのアナログである、請求項1に記載の固体投与形態。
【請求項6】
前記ビヒクルが最大で約250℃の融点を有する、請求項1に記載の固体投与形態。
【請求項7】
前記ビヒクルが疎水性であり、そして直鎖飽和炭化水素、パラフィン; カカオバター、牛脂、ラードといった脂肪及びオイル;ステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸といった高級脂肪酸;水素化獣脂、置換された及び/又は非置換のトリグリセライド、ミツロウ、白ろう、カルナウバワックス、カスターワックス、和ろう、及びそれらの混合物から成る群から選定され得る、請求項1に記載の固体投与形態。
【請求項8】
前記ビヒクルが水混和性極性脂質、好適にはソルビタンエステル、 ポリエーテルグリコールエステル;セタノール、ステアリルアルコールといった高級アルコール; グリセリルモノオレエート、置換された及び/又は非置換のモノグリセライド、置換された及び/又は非置換のジグリセライド、及びそれらの混合物から成る群から選定される、請求項7に記載の固体投与形態。
【請求項9】
前記ビヒクルが親水性又は水混和性である、請求項1に記載の固体投与形態。
【請求項10】
前記親水性又は水混和性のビヒクルがポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンオキシド、ポロキサマー、ステアリン酸ポリオキシエチレン、ポリ-εカプロラクトン及びそれらの混合物から成る群から選定される、請求項9に記載の固体投与形態。
【請求項11】
前記親水性又は水混和性のビヒクルが、Gelucire(商標)といったポリグリコール化グリセライドから選定される、請求項9に記載の固体投与形態。
【請求項12】
前記親水性又は水混和性のビヒクルが、ポリビニルピロリドン、ポリビニルポリビニルアセテートコポリマー(PVP-PVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、PVPポリマー、アクリル系ポリマー、ポリメタクリル系ポリマー(Eudragit RS;Eudragit RL、Eudragit NE、Eudragit E)、ミリスチルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロースを含むセルロース誘導体、ペクチン、シクロデキストリン、ガラクトマンナン、アルギン酸塩、carragenates、キサンタンガム及びそれらの混合物から成る群から選定される、請求項9に記載の固体投与形態。
【請求項13】
前記ビヒクルがポリエチレングリコール(PEG)である、請求項10に記載の固体投与形態。
【請求項14】
前記ポリエチレングリコールが少なくとも3000の平均分子量を有する、請求項13に記載の固体投与形態。
【請求項15】
2つ以上の親水性又は水混和性のビヒクルの混合物を含んで成る、請求項9に記載の固体投与形態。
【請求項16】
前記混合物がポリエチレングリコールとポロキサマーを重量比で1:3から10:1、好適には1:1から5:1、より好適には3:2から4:1、特に2:1から3:1、詳細には約7:3を含む、請求項15に記載の固体投与形態。
【請求項17】
前記ポロキサマーがポロキサマー188である、請求項16に記載の固体投与形態。
【請求項18】
前記ポリエチレングリコールが約6000(PEG6000)の平均分子量を有する、請求項16に記載の固体投与形態。
【請求項19】
前記ビヒクルが非水性である、請求項1に記載の固体投与形態。
【請求項20】
前記ビヒクル中のフィブラートの濃度が、フィブラートとビヒクルの総重量の少なくとも10重量%である、請求項1に記載の固体投与形態。
【請求項21】
前記ビヒクル中のフィブラートの濃度が、フィブラートとビヒクルの総重量の少なくとも15重量%、又は少なくとも16重量%、又は少なくとも17重量%、又は少なくとも20重量%、好適には少なくとも25重量%、より好適には少なくとも30重量%、特に約35重量%である、請求項1に記載の固体投与形態。
【請求項22】
前記ビヒクル中のフィブラートの濃度が、 フィブラートとビヒクルの総重量の最大で90重量%である、請求項1に記載の固体投与形態。
【請求項23】
前記ビヒクル中のフィブラートの濃度が、フィブラートとビヒクルの総重量の最大で80重量%、又は最大で75重量%、又は最大で70重量%、又は最大で60重量%、好適には最大で50重量%、より好適には最大で40重量%、特に最大で35重量%である、請求項1に記載の固体投与形態。
【請求項24】
前記少なくとも90重量%のフェノフィブラートがビヒクル中に溶解している、請求項1に記載の固体投与形態。
【請求項25】
前記フェノフィブラートの少なくとも93重量%、又は少なくとも95重量%、又は少なくとも97重量%、又は少なくとも98重量%、又は少なくとも99重量%、又は少なくとも99.5重量%、又は少なくとも99.9重量%が前記ビヒクル中に溶解する 、請求項1に記載の固体投与形態。
【請求項26】
Ph.Eur.溶解試験(パドル)に従うin vitro溶解試験において、溶解媒体として0.75%のラウリル硫酸ナトリウムを有す水を用いて、50 rpm且つ 約37℃の温度で試験を行った場合、前記少なくとも75%のフィブラートが約45分以内で放出される、請求項1に記載の固体投与形態。
【請求項27】
前記溶解試験が、約40℃且つ約75%の相対湿度で3ヶ月貯蔵した後に実施される、請求項26に記載の固体投与形態。
【請求項28】
1つ以上の医薬的に許容され得る賦型剤を更に含む、請求項1に記載の固体投与形態。
【請求項29】
前記医薬的に許容され得る賦型剤が充填剤、希釈剤、崩壊剤、結合剤、流動促進剤及び潤滑剤から成る群から選定される、請求項28に記載の固体投与形態。
【請求項30】
前記少なくとも1つの医薬的に許容され得る賦型剤が、シリカ酸或いはケイ酸塩、二酸化ケイ素、及びそれらのポリマーを含むそれらの誘導体又は塩;アルミノケイ酸マグネシウム及び/又はアルミノメタケイ酸マグネシウム、ベントナイト、カオリン、三ケイ酸マグネシウム、モンモリロナイト及び/又はサポナイトから成る群から選定される、請求項28に記載の固体投与形態。
【請求項31】
前記少なくとも1つの医薬的に許容され得る賦型剤が、シリカ酸又はそれらの誘導体もしくは塩である、請求項28に記載の固体投与形態。
【請求項32】
前記少なくとも1つの医薬的に許容され得る賦型剤が、二酸化ケイ素又はそれらのポリマーである、請求項28に記載の固体投与形態。
【請求項33】
前記二酸化ケイ素の製品がAeroperl(商標)300、(Degussa、フランクフルト、ドイツ、から入手可能)に相当する特質を有す、請求項28に記載の固体投与形態。
【請求項34】
香味剤、着色剤、風味隠し剤、pH調整剤、緩衝剤、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、湿潤剤、湿式調整剤、界面活性剤、懸濁剤、及び吸収増強剤から成る群から選定される医薬的に許容され得る添加剤を更に含んで成る、請求項1に記載の固体投与形態。
【請求項35】
医薬的に許容され得るオイル吸着材料を更に含んで成る、請求項1に記載の固体投与形態。
【請求項36】
単位投与形態にある、請求項1に記載の固体投与形態。
【請求項37】
前記個々の固体投与形態の単位はフィルムコーティング、修飾した放出のコーティング、腸溶コーティング、保護的コーティング及び抗-粘着性コーティングから成る群から選定されるコーティングにより覆われる、請求項1に記載の固体投与形態。
【請求項38】
前記フィブラートが分散によりフィブラートを放出するマトリックス中に埋め込まれる、請求項1に記載の固体投与形態。
【請求項39】
前記マトリックスが薬物の放出の間に実質的に損なわれていないままである、請求項38に記載の固体投与形態。
【請求項40】
前記フィブラートが侵食によりフィブラートを放出するマトリックス中に埋め込まれる、請求項1に記載の固体投与形態。
【請求項41】
前記フィブラートが実質的に水不溶性コーティングを通す分散により投与形態から放出される、請求項1に記載の固体投与形態。
【請求項42】
フィブラートを必要とする哺乳動物へ投与する場合、現存する市販のフィブラートの投与形態と比較してフィブラートの増加した生物学的利用能をもたらす、請求項1に記載の固体投与形態。
【請求項43】
同様の条件下で測定した市販の Tricor(商標)錠のAUC値に対するAUC値が、少なくとも約1.1、又は少なくとも約1.2、又は少なくとも約1.3、又は少なくとも約1.4、又は少なくとも約1.5、又は少なくとも約1.75以上、又は少なくとも約2.0、又は少なくとも約2.5、又は少なくとも約3.0を提供する、請求項42に記載の固体投与形態。
【請求項44】
同様の条件下で測定した市販のTricor(商標)錠のCmax値に対するCmax値が、少なくとも約1.1、又は少なくとも約1.2、又は少なくとも約1.3、又は少なくとも約1.4、又は少なくとも約1.5、又は少なくとも約1.6以上、又は少なくとも約2.0、又は少なくとも約2.5、又は少なくとも約3.0を提供する、請求項42に記載の固体投与形態。
【請求項45】
前記フィブラートが安定である、請求項1に記載の固体投与形態。
【請求項46】
保存の3ヶ月後、約40℃の温度且つ約75%の相対湿度でアッセイした場合、前記フィブラートが保存前の量と比較して、少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は少なくとも100%の量で存在する、請求項45に記載の固体投与形態。
【請求項47】
疎水性、親水性又は水混和性であるビヒクル中に溶解したフィブラートを含んで成る医薬組成物。
【請求項48】
前記ビヒクルが最大で約250℃の融点を有す、請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
前記ビヒクルが、直鎖飽和炭化水素、ソルビタンエステル、パラフィン;カカオバター、牛脂、ラード、ポリエーテルグリコールエステルといった脂肪及びオイル;ステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸といった高級脂肪酸、セタノール、ステアリルアルコールといった高級アルコール;モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリン、水素化した獣脂、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、置換された及び/又は非置換のモノグリセライド、置換された及び/又は非置換のジグリセライド、置換された及び/又は非置換のトリグリセライド、ミツロウ、白ろう、カルナウバワックス、カスターワックス、和ろう、アセチレートモノグリセライドといった低融点のワックス;PVPポリマー、アクリル系ポリマー;ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンオキシド、ポロキサマー、ステアリン酸ポリオキシエチレン、ポリ-εカプロラクトン、Gelucire(商標)といったポリグリコール化グリセライド;ポリビニルピロリドン、ポリビニル-ポリビニルアセテートコポリマー(PVP-PVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリル系ポリマー(Eudragit RS;Eudragit RL、Eudragit NE、Eudragit E)、ヒドロキシプロピルメチルセルロール(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロースを含むセルロース誘導体、 ペクチン、シクロデキストリン、ガラクトマンナン、アルギン酸塩、carragenates、キサンタンガム;及びそれらの混合物から成る群から選定される、請求項47に記載の組成物。
【請求項50】
前記混合物がポリエチレンクリコールとポロキサマーを1:3から10:1、好適には1:1から5:1、より好適には3:2から4:1、特に2:1から3:1、詳細には約7:3の重量比で含む、請求項47に記載の組成物。
【請求項51】
前記ビヒクル中のフィブラートの濃度が、フィブラートとビヒクルの総重量の少なくとも10重量%、又は少なくとも15重量%、又は少なくとも16重量%、又は少なくとも17重量%、又は少なくとも20重量%、好適には少なくとも25重量%、より好適には少なくとも30重量%、特に少なくとも35重量%である、請求項47に記載の組成物。
【請求項52】
前記フェノフィブラートの少なくとも90重量%、又は少なくとも93重量%、又は少なくとも95重量%、又は少なくとも97重量%、又は少なくとも98重量%、又は少なくとも99重量%が前記ビヒクル中に溶解する、請求項47に記載の組成物。
【請求項53】
充填剤、希釈剤、崩壊剤、結合剤、流動促進剤及び潤滑剤から成る群から選定される1つ以上の医薬的に許容され得る賦型剤を更に含んで成る、請求項47に記載の組成物。
【請求項54】
医薬的に許容され得るオイル吸着材料を更に含んで成る、請求項47に記載の組成物。
【請求項55】
同様の条件下で測定した市販の Tricor(商標)錠のAUC値に対するAUC値が、少なくとも約1.1、又は少なくとも約1.2、又は少なくとも約1.3、又は少なくとも約1.4、又は少なくとも約1.5、又は少なくとも約1.75以上、又は少なくとも約2.0、又は少なくとも約2.5、又は少なくとも約3.0を提供する、請求項47に記載の組成物。
【請求項56】
同様の条件下で測定した市販のTricor(商標)錠のCmax値に対するCmax値が、少なくとも約1.1、又は少なくとも約1.2、又は少なくとも約1.3、又は少なくとも約1.4、又は少なくとも約1.5、又は少なくとも約1.6以上、又は少なくとも約2.0、又は少なくとも約2.5、又は少なくとも約3.0を提供する、請求項47に記載の組成物。
【請求項57】
粒子、即ち、微粒子の形態にある、請求項47に記載の組成物。
【請求項58】
10.0 mmの直径のノズルを有するファンネルから抜け出した組成物の流動速度を測定する、Ph. Eur.に発表された方法に従って測定した場合に適した流動能を示す、請求項47に記載の組成物。
【請求項59】
フィブラート、疎水性もしくは親水性又は水混和性ビヒクル及びオイル吸着材料を含む微粒子形態にある固体医薬組成物であって、閾値試験に従い試験した場合、少なくとも10%のオイル閾値を示す組成物であって、そして以下のi)及びii)の1つ又は両方:
i)放出試験に従い試験した場合、少なくとも30%の疎水性もしくは親水性又は水混和性ビヒクルを放出する組成物;
ii)Ph.Eur.崩壊試験に従って試験した場合、少なくとも約90重量%のオイル吸着材料を含み、且つ最大で60分の崩壊時間を示す錠剤の形態にある組成物
を更に実現する組成物。
【請求項60】
以下の工程:
i)妥当な場合は、液体形態中にビヒクルをもたらし、
ii)フィブラートの融点未満の温度で液体ビヒクルを保持し、
iii)ビヒクル中に所望される量のフィブラートを溶解させ、
iv)ビヒクルの融点未満の温度を有す固体担体上に得られた溶液をスプレーし、
v)得られた組成物を機械的に処理して粒子、即ち微粒子材料を獲得し、そして
vi)任意に固体投与形態を調製するために、当該微粒子材料を慣用方法にかけること、
を含んで成る請求項1の固体経口投与形態を製造するための方法。
【請求項61】
フィブラート系、特にフェノフィブラートの経口の生物学的利用能を増強させるための請求項47に記載の組成物の使用。
【請求項62】
経口の固形投与形態、好適には錠剤又は小袋の調製のための、請求項47に記載の組成物の使用。

【公表番号】特表2007−508248(P2007−508248A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529648(P2006−529648)
【出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【国際出願番号】PCT/DK2004/000667
【国際公開番号】WO2005/034920
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(506068276)ライフサイクル ファーマ アクティーゼルスカブ (5)
【Fターム(参考)】