説明

フィルターバッグ、ひいてはプリーツ付け可能な濾過材、そしてその製造方法

プリーツのあるフィルターバッグは、バッグハウスタイプの集塵機に用いることができるものであるが、細長く、また開口端のある長手方向の中空の中心をもっており、そしてプリーツのあるフィルター壁が中空の中心を囲む。プリーツのあるフィルター壁は、PTFE繊維のようなフェルトをもち、このフェルトが、金属で作ることができる、複数のすき間を備えプリーツ付け可能なスクリムの上にフェルト化され、またスクリムの透過性より低い透過性をもつものである。低い透過性の材料の膜、例えばE−PTFE膜などは、フィルターバッグの外側の支持フェルトを覆う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、プリーツ付け可能な材料あるいは布帛に関するものであって、それらは濾過用であり、またより特定的には、例えばバッグハウスタイプの集塵機の中のプリーツのある「フィルターバッグ」として用いられるものである。
【背景技術】
【0002】
集塵機は、工場排ガス中の粒子を取り除くための装置である。典型的には、集塵機は、フィルターバッグと呼ばれる筒状または円筒状のエレメントを数百個から数千個含む。各フィルターバッグは、多孔質の濾過用布帛で作られている。工場排ガスが通過して流れる際に、多孔質の濾過用布帛が粒子を捕集する。それら粒子は、数分稼動の後に表面にケーキ状の固まりを形成することとなり、そうなるとフィルターバッグは逆噴流によって洗浄されるのが通常である。
【0003】
濾過用布帛の重要なパラメータのうちの一つは、濾過効率である。フィルターバッグの濾過の効率は、全体の表面積に関係する。このとき表面積が増すと、布帛を通り抜ける気体と粒子の速度は弱まることとなり、このことにより、望ましくない粒子が布帛を通り抜ける確率は減り、よってその結果として粒子の放出を減らすことができるという性質である。さらに、表面積を大きくすればするほど、粒子が布帛の中に入り込む確率を減らして粒子が洗浄用逆噴流に抵抗するようになる確率を減らすことができ、その結果フィルターの寿命は増すことになる。また、表面積を増すことにより、集塵機の能力を増すことも可能である。このように、集塵機内のフィルターバッグの表面積を増すことが求められるのが通常で、それが可能であれば望まれる。
【0004】
典型的に、プリーツのあるフィルターバッグは、プリーツのないフィルターバッグ(すなわち単に筒状のフィルターバッグ)に比べて、表面積がより大きい。プリーツのないフィルターバッグの代わりにプリーツのあるフィルターバッグを利用することは、このように、表面積を増す一つの方法であって、必ずしも集塵機システムの全体のサイズを増大させることはないのである。プリーツのないフィルターバッグをプリーツのあるフィルターバッグに取り替えることにより、多くの場合、表面積を二倍から三倍に増やすことができる。
【0005】
プリーツのあるフィルターバッグは、プリーツ付け可能な材料を使って作ることができるが、この材料は、プリーツ加工の後にその形状を保持するものである。プリーツ加工は、プリーツ加工機を用いて行うことができる。一部のプリーツ加工機は、室温で稼動する。
【0006】
あるいは、プリーツを保持するために熱硬化を必要とする一部の材料については、加熱ブレードをもつプリーツ加工機を利用して、布帛を折り畳みそして布帛が室温に冷めるまでプリーツへ圧力をかけ続ける。従来、そのような方法は、熱的に成形することができまた比較的低い密度をもつポリマーを用いて利用されている。
【0007】
それ自体が熱的に成形可能でない一部の材料は、熱硬化性樹脂を付加することによってそのようにすることができる。この一例は、フェノール樹脂を含浸させたガラス繊維フェルトである。ブレードの温度によって、フェノール樹脂は硬化するが、このフェノール樹脂の硬化は、その後にプリーツの形状を保持するために作用するものである。その反応は不可逆的なので、プリーツは、その後たとえ高い温度においてもプリーツの形状を保持する。
【0008】
しかしながら、先行技術をかんがみても、一部の濾過材は、既知の手段によってプリーツを付けることはできなかったので、それゆえ依然としてプリーツ付け不可能なものとして周知であった。それにもかかわらず、これらの「プリーツ付け不可能な」濾過材のうちの少なくとも一つは、いくつかの望ましい特性を考慮すると、プリーツ形態では利用できないという事実にもかかわらず、依然としてある特定の応用例のための人気のある選択肢のままであった。このように、濾過におけるプリーツの多くの利点から、そのような「プリーツ付け不可能な」材料の同等物であってプリーツ形態のものに対する強いニーズが依然としてあった。このことにより、改善が求められた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以下の説明から明らかになるものであるが、E−PTFE膜によって覆われるPTFEフェルトのような濾過材は、従来プリーツ付け不可能なものとして周知であったものであるが、今では、プリーツ付け可能なスクリム、より特定にはプリーツ付け可能な金属製スクリムと一緒にフェルト化することによって、プリーツ付け可能にすることができる。すき間を備えたシートの状態で供給されるとプリーツ付け可能である金属は多く存在し、また金属製スクリムのプリーツ加工性は、フェルト化されるPTFEとE−PTFE膜の両方のプリーツ加工性に勝ることができる。金属製スクリムを利用するとき、水流絡合によるフェルト化(スパンレース法)は、ニードルフェルティングよりも、適していることがある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のある態様の一つによると、プリーツ付け可能な濾過材が提供されるが、該濾過材は、フェルトを具備し、該フェルトは、水位計の12mmのレベルで少なくとも20(l/dm2/分)(この単位lはエルの小文字、以下同様)の透過性と、100〜1000g/m2の重さの、プリーツ付け可能な金属製スクリムの上にフェルト化されたPTFE繊維をもつもので、該フェルトは、150〜1000g/m2の密度と、スクリムの透過性より高く、また水位計の12mmのレベルで20〜250(l/dm2/分)の透過性とをもつものであり;また該濾過材は膜を具備し、該膜は、フェルトの上にラミネート加工され、E−PTFEで作られ、そして水位計の12mmのレベルで3〜75(l/dm2/分)の透過性、好ましくは水位計の12mmのレベルで12〜50(l/dm2/分)の透過性をもつものであり;該濾過材は、室温で従来のプリーツ加工機を使ってプリーツ付けされることができ、またそれ以後そのプリーツを保持することができる。
【0011】
本発明のある態様の一つによると、プリーツ付け可能な濾過材を作る製造方法が提供されるものであり、その製造方法は、PTFE繊維の耐久性の特性に少なくとも匹敵する耐久特性と、水位計の12mmのレベルで少なくとも20(l/dm2/分)の透過性と、そして100〜1000g/m2の重さとを有する、プリーツ付け可能な金属製スクリムの上にPTFE繊維をフェルト化することを含み、該フェルト化は、スクリムの密度に加えて150〜1000g/m2のフェルト密度と、スクリムの透過性より高くまた水位計の12mmのレベルで20〜250(l/dm2/分)の透過性とが達成されるまで行われるものであり;また該方法は、E−PTFE膜の、フェルト化されたPTFE繊維の一面へのラミネート加工を含み、該膜は、水位計の12mmのレベルで3〜75(l/dm2/分)の透過性、好ましくは水位計の12mmのレベルで12〜50(l/dm2/分)の透過性をもつものである。
【0012】
本発明のある態様の一つによると、バッグハウス集塵機用の、プリーツのあるフィルターバッグが提供されるが、該フィルターバッグは、細長いもので、また開口端のある長手方向の中空の中心を含むものであり、またプリーツのあるフィルター壁が中空の中心を横方向に囲むが、該プリーツのあるフィルター壁には、フェルトがあり、該フェルトは、すき間を備えプリーツ付け可能なスクリムの上にフェルト化されたもので、またスクリムの透過性よりも低くかつ濾過応用例に適した透過性をもつものであり、また膜が、フェルトの透過性よりも大幅に低い透過性を有して、フェルトの外側であって中空の中心の方を向く部分を覆うものであり、ここで、スクリム、フェルト、そして膜のすべては、集塵機の厳しい濾過環境に対して耐性がある。
【0013】
本発明の別の態様の一つによると、フィルター用布帛の構成が提供されるが、その布帛の構成は、プリーツ付け可能なスクリムを、ベースとなるフェルトに合体させるものである。スクリムのプリーツ加工性は、フィルター用布帛の残りの構成材のプリーツ加工性に勝り、その結果フィルター用布帛をプリーツ付け可能なものにする。この作成技術、あるいは関連した製造方法は、従来プリーツ付け不可能なものとして周知であった、PTFEのような材料を、プリーツ付け可能なものにすることができる。
【0014】
本発明の別の態様の一つによると、プリーツ付け可能な濾過用布帛が提供されるが、その濾過用布帛は、E−PTFEがラミネート加工されたPTFEフェルトをもつものである。この濾過用布帛は、プリーツ付け可能で、耐熱性かつ耐化学性のスクリムを用いてPTFEフェルトを作ることによって、PTFEの耐熱性および耐化学性の特性を少なくとも十分に維持しながら、プリーツ付け可能となっている。金属製スクリムのプリーツ加工性は、各材料の組合せの中において上位にあり、したがって、材料全体をプリーツ付け可能にする。
【0015】
本明細書において、「プリーツ付け可能な」という表現は、濾過における稼動作用性との関連で解釈されるべきものであることが、理解されることとなる。プリーツ付け可能な濾過エレメントは、標準的なあるいは推奨される利用状況で、そのプリーツを十分に長い期間保持することができる。例えば、ポリエステルスクリムを用いたポリエステルのフェルトは、プリーツ付け不可能な布帛としてみなすことができるが、スパンボンドポリエステルは、より密度が高くより堅いものであり、プリーツ付け可能とみなすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、斜視図であり、断片的なものであるが、プリーツ付け可能なスクリムをもつフェルトの一例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
プリーツのない形態で依然として使われていた材料の一例は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であるが、これは少なくとも一つには、一部の厳しい環境について唯一の実行可能な選択を成した、その非常に優れた耐熱性および耐化学性が理由である。プリーツのないPTFEベースのフィルターバッグがまだ使われていた応用例は、廃棄物焼却施設の集塵機である。焼却される廃棄物は、典型的にプラスチックを含むが、プラスチックは、燃焼の間にHCl、H2SO4、そしてHFのような攻撃的な化学物質を放出するものである。PTFEは、高温度(150℃〜260℃)と、そのような廃棄物焼却の気体の副生成物の中に存在する攻撃的な化学物質とのさまざまな組合せに対する耐性があると評価されていた。許容される放出水準がかなり低い廃棄物焼却のような応用例においては、より効率的な濾過のレベルを得るために、PTFEの布帛を膜によって覆うことができる。この目的を達成するために、延伸多孔質PTFE膜(E−PTFE)を利用することができ、この膜はPTFEフェルトの上にラミネート加工される。
【0018】
PTFEスクリムを用いてPTFEフェルトにプリーツを付けようと試みる試験(触媒有りまたはなし)は失敗に終わった。プリーツ加工の後、形状は、満足のいく仕方で保たれなかった。さらに、PTFEへの樹脂の付加は、効果がないことが分かったが、これは少なくとも一つには、PTFE繊維で試験された樹脂の多くによる付着力とぬれの欠如が原因であった。
【0019】
筒状フィルターバッグの代わりにプリーツのあるフィルターバッグを利用することに対する強い動機を思えば、廃棄物焼却施設のような応用例の集塵機においてプリーツのないPTFE濾過バッグを使い続けているということだけで、それ自体、先述のように、この材料をプリーツ形態で利用することができないことを証明しているのである。
【0020】
以下で詳しく述べられるように、そのような材料および他の材料が、プリーツ付け可能なスクリムの上に布帛をフェルト化することによっていかにしてプリーツ付け可能になるのかが、理解されることとなる。PTFEフェルトをプリーツ付け可能にするときに使うことができる、プリーツ付け可能なスクリムの一つのタイプは、金属製スクリムである。
【0021】
図1は、金属製スクリムの上に絡み合わされたPTFEフェルトの例となるサンプルを示している。この例において、金属製スクリムは、四角い鋼製のふるいである。サンプルの下部の左手側角の切り取り部分において示されるように、金属製スクリムは、PTFEフェルトの二つの層の間に挟まれている。実際には、PTFE繊維の水流絡合の間、繊維はスクリムの一方の面に置かれ、そして一部分はスクリムを通り抜けて、もう一方の面に行く。サンプルの右手側は、プリーツが付いた状態で示されている。E−PTFE膜(図示されていない)を、後で、金属製スクリムのついたPTFEフェルトの一つの面にラミネート加工することができる。PTFEフェルトは、該フェルトの透過性よりも大幅に低い透過性をもつE−PTFE膜のための、支持層の役割を果たすことができる。使用するとき、E−PTFE膜は、濾過バッグの外側に面し、そして濾過材の比較的低い透過性を決定する。このように、フェルトは、クッション性のある支えを膜に提供するために使用することができ、また、金属製スクリムと共に膜に機械的耐久性を与えるが、この膜は、使用中実際の「フィルター」の役割を果たすがしかし単独では実質的に使用できないものである。実際、多くの応用例において、E−PTFE膜がフェルトを介して支えられる代わりにスクリムに直接付着されると仮定すると、使用中にスクリムによってE−PTFE膜に与えられるであろう力は、耐用年数が非常に短いE−PTFE膜をもたらすことになるであろう。金属製スクリムは、その高いプリーツ加工性がこの組立体の中で上位にあるため、濾過材にさらに加えて、プリーツ加工性を提供する。
【0022】
フェルトは、延伸多孔質あるいは無延伸のPTFE繊維で作ることができる。フェルトは、繊維を水流によって金属製スクリムの上に絡み合わせることによって作ることができるが、これは一般に水流絡合と呼ばれる方法である。水流絡合は、代わりに従来のニードルフェルティングを利用する場合に生じる可能性のある金属製スクリムへの損傷を、回避したり減らしたりすることを可能にすることができる。フェルトは、例えば、150〜1000g/m2、好ましくは250〜700g/m2の密度と、水位計の12mmのレベルで20〜250(l/dm2/分)、好ましくは100(l/dm2/分)を超える透過性とをもつことができる。
【0023】
金属製スクリムは、亜鉛めっき鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、青銅、真ちゅう、銅、銅ベースの合金、ニッケル、ニッケルベースの合金、あるいはいかなる適切な金属あるいは合金からも作ることができるが、これは金属あるいは合金が適切なプリーツ加工性と耐性をもち、また破断することなくプリーツが付けられるのに十分な延性があるという条件におけるものである。金属は、織網、穿孔した金属シート、あるいは、適切なすき間が複数ついている金属シートを作り出すこととなる、いかなる方法であることもできる。材料の透過性は、フェルトの望まれる透過性より大きくなければならず、好ましくは水位計の12mmのレベルで少なくとも20(l/dm2/分)である。金属製スクリムの重さは、例えば、100〜1000g/m2、好ましくは300〜700g/m2であることができる。さまざまな既知の金属タイプの金属製スクリムは、厳しい応用例に適した耐化学性および温度耐性の特性をもつことができる。
【0024】
フェルト化された支持層は、膜のラミネート加工に先立って結合剤を用いて処理することもできるし、もしくは結合剤は省略することもできる。フェルトの繊維は、特定の応用例では、結合する仕方で作用することができる。結合剤は、使用される場合、例えば、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)すなわちテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、あるいは他のいかなる適切な結合剤であることもできる。結合剤は、液体懸濁液において25〜50重量%の濃度で提供することができ、また支持層の選択された面に噴霧するか、そこにローラーを使って移すかすることができる。その後、材料は、溶媒を蒸発させるために、120〜240℃の炉内で加熱することができる。蒸発の後、移された固体の結合剤の重さは、1〜10%の相対的重さを示す(布帛の重さに相対的)。
【0025】
膜は、市販のE−PTFEで作ることができるものであって、好ましくは水位計の12mmのレベルで3〜75(l/dm2/分)の透過性、さらに好ましくは水位計の12mmのレベルで12〜50(l/dm2/分)の透過性をもつ。膜は、結合剤のある面に270℃の温度でラミネート加工されることができる。
【0026】
一部の例において、焼却炉のような応用例で用いられるPTFEフェルトが、PTFE繊維の表面に置かれるかあるいはPTFE繊維の中にはめ込まれる、触媒の粒子をもつことができることに、注目すべきである。このことが、プリーツ付け可能な布帛において望ましい場合もあり、また通常はプリーツ加工性に影響を及ぼすことはない。例えば、一部の触媒は、廃棄物焼却からのダイオキシン、フラン、あるいは亜酸化窒素の放出を減らすのに役立つ。触媒は、通常は、PTFE繊維の体積の20%未満の体積が提供される。触媒の例としては、二酸化チタン(TiO2)、鉄およびコバルト(酸化物の形で提供される)、ニッケル、白金、およびパラジウムが挙げられる。触媒の他の例としては、ゼオライト、酸化銅、酸化タングステン、酸化アルミニウム、酸化クロム、金、銀、ロジウムなどが挙げられる。触媒は、使用される場合、10ミクロン未満の粒子サイズで提供されなければならないが、その形はどんな適切な形でもよく、例えば球体、ホイスカー、平板、薄片などである。
【0027】
結果として生じるプリーツ付け可能な濾過材すなわち布帛は、鋼製のスクリムに絡み合わされ、膜によって覆われる、PTFE繊維を含むことができる。そのような布帛は、室温で稼動する従来のプリーツ加工機を利用してプリーツを付けることができる。プリーツ付け可能な金属製スクリムの使用により、加熱されるプリーツ加工機ブレードを不必要とすることができる。その例となる実施態様が、以下に示される。
【実施例1】
【0028】
PTFE繊維は、水流絡合によって400g/m2のステンレス鋼製スクリムの上に絡み合わされる。絡合の後、全重量は800g/m2である。この段階における材料の透過性は、およそ200(l/dm2/分)である。結果として生じるフェルト化された支持材料は、それからFEP粒子の懸濁液を噴霧されて、150℃での乾燥の後におよそ25g/m2のFEP粒子が加えられることになる。それから、FEP粒子の温度が270℃に上げられ、その上にE−PTFE膜がラミネート加工される。結果として生じる濾過材は、825g/m2の重さと、水位計の12mmのレベルで15〜30(l/dm2/分)の透過性とをもち、そして室温でプリーツ付け可能である。
【実施例2】
【0029】
サイズが10ミクロン未満の二酸化チタン粒子は、PTFEディスパージョンと混ぜられる。二酸化チタンは、例えば1〜90体積%、好ましくは25〜85体積%に相当することができる。ペーストは、押し出され、光沢をつけられて、テープを形成する。テープは、長さに沿って切り込みが入れられ、延伸され、そして回転風車で処理されて、繊維を形成する。表面に触媒のついたこれらの繊維は、水流絡合によって500g/m2の316ステンレス鋼製のスクリムの上に絡み合わされる。絡合の後、全重量は900g/m2である。E−PTFE膜は、触媒のついたフェルトの表面に直接ラミネート加工され、繊維は結合剤の機能を果たす。結果として生じる材料は、900g/m2の重さと、水位計の12mmのレベルで15〜30(l/dm2/分)の透過性とを有し、そして室温でプリーツ付け可能である。
【0030】
上記の実施例が、単に本発明の説明に役立つ目的のために示されたものであるということが、理解されるべきである。これに替わる実施態様などを実現することもできる。例えば、より多くまたはより少なく絡み合わされるPTFE、またさまざまなE−PTFE膜を用いて、より厚いあるいはより薄い布帛を実現することもできる。プリーツ付け可能な金属製のスクリムは、PTFE以外の材料に適用されることもできる。さらに、金属以外のスクリム材料が、同様のプリーツ加工性および耐久特性をもつこともできる。触媒の使用は、選択自由である。上記のことを所与として、特許請求の範囲は、添付の各請求項によって示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリーツ付け可能な濾過材であって、フェルトを具備し、該フェルトが、水位計の12mmのレベルで少なくとも20(l/dm2/分)の透過性と、100〜1000g/m2の重さの、プリーツ付け可能な金属製スクリムの上にフェルト化されたPTFE繊維をもつもので、該フェルトが、150〜1000g/m2の密度と、スクリムの透過性より充分高くまた水位計の12mmのレベルで20〜250(l/dm2/分)の透過性とをもつものであり;また膜を具備し、該膜が、フェルトの上にラミネート加工され、E−PTFEで作られ、そして水位計の12mmのレベルで3〜75(l/dm2/分)の透過性をもつ濾過材であって;該濾過材が、室温でプリーツ付けされることができ、またそれ以後そのプリーツを使用可能に保持することができる、プリーツ付け可能な濾過材。
【請求項2】
前記PTFE繊維が、金属製スクリムの上に絡み合わされる、請求項1に記載のプリーツ付け可能な濾過材。
【請求項3】
10ミクロン未満のサイズをもつ触媒の粒子をさらに具備し、該触媒の粒子が、PTFE繊維の表面にあるかPTFE繊維の中にはめ込まれるか、少なくともそれらのいずれか一つである、請求項1に記載のプリーツ付け可能な濾過材。
【請求項4】
前記触媒の粒子が、二酸化チタン、酸化鉄、ゼオライト、酸化銅、酸化タングステン、酸化アルミニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化クロム、パラジウム、ニッケル、金、白金、銀、そしてロジウムから成る群から選択される、請求項3に記載のプリーツ付け可能な濾過材。
【請求項5】
前記膜が、水位計の12mmのレベルで12〜50(l/dm2/分)の透過性をもつ、請求項1に記載のプリーツ付け可能な濾過材。
【請求項6】
前記膜が、フェルトの上に直接ラミネート加工される、請求項1に記載のプリーツ付け可能な濾過材。
【請求項7】
前記膜が、PTFE繊維の耐久特性に少なくとも匹敵する耐久特性をもつ結合剤を用いて、フェルトの上にラミネート加工される、請求項1に記載のプリーツ付け可能な濾過材。
【請求項8】
前記結合剤が、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)すなわちテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体である、請求項7に記載のプリーツ付け可能な濾過材。
【請求項9】
前記金属製スクリムが、PTFE繊維に少なくとも匹敵する耐化学性および耐熱性の特性をもつ、請求項1に記載のプリーツ付け可能な濾過材。
【請求項10】
プリーツ付け可能な濾過材を作る製造方法であって、水位計の12mmのレベルで少なくとも20(l/dm2/分)の透過性と、100〜1000g/m2の重さの、プリーツ付け可能な金属製スクリムの上にPTFE繊維をフェルト化する過程を具備し、該フェルト化する過程が、スクリムの密度に加えて150〜1000g/m2のフェルト密度と、スクリムの透過性より高くまた水位計の12mmのレベルで20〜250(l/dm2/分)の透過性とが達成されるまで行われるものであり;またE−PTFE膜の、フェルト化されたPTFE繊維の一面へのラミネート加工過程を具備し、該膜が、水位計の12mmのレベルで3〜75(l/dm2/分)の透過性をもつものである、プリーツ付け可能な濾過材を作る製造方法。
【請求項11】
前記フェルト化する過程が、水流絡合によってなされる、請求項10に記載のプリーツ付け可能な濾過材を作る製造方法。
【請求項12】
前記ラミネート加工が、さらに、溶媒における液体懸濁液での結合剤を、フェルト化されたPTFE繊維の面の上に塗布すること、そしてその後に溶媒を蒸発させる過程を具備し、移された固体の結合剤の相対的重さが、およそ1〜10%である、請求項10に記載のプリーツ付け可能な濾過材を作る製造方法。
【請求項13】
前記ラミネート加工が、フェルト化されたPTFE繊維の面の上に直接行われる、請求項10に記載のプリーツ付け可能な濾過材を作る製造方法。
【請求項14】
前記濾過材を室温でプリーツ加工することをさらに具備する、請求項10に記載のプリーツ付け可能な濾過材を作る製造方法。
【請求項15】
バッグハウス集塵機用の、プリーツのあるフィルターバッグであって、該フィルターバッグが、細長いもので、また開口端のある長手方向の中空の中心を具備し、またプリーツのあるフィルター壁が、中空の中心を囲むが、該プリーツのあるフィルター壁には、フェルトがあり、該フェルトは、すき間を備えプリーツ付け可能なスクリムの上にフェルト化されたもので、またスクリムの透過性よりも低くかつ濾過に適した透過性をもつものであり、さらに膜を具備し、該膜が、該フェルトの透過性よりも大幅に低い透過性を有して、該フェルトの外側であって中空の中心の方を向く部分を覆い、該フィルターバッグにおいて、該スクリム、該フェルト、そして該膜のすべてが、集塵機の厳しい濾過環境に対して耐性がある、バッグハウス集塵機用の、プリーツのあるフィルターバッグ。
【請求項16】
前記スクリムが金属で作られる、請求項15に記載のフィルターバッグ。
【請求項17】
前記フェルトがPTFE繊維をもち、また膜がE−PTFEで作られる、請求項15または請求項16に記載のフィルターバッグ。
【請求項18】
前記触媒の粒子が、PTFE繊維の表面にあるかPTFE繊維の中にはめ込まれるか、少なくともそれらのいずれか一つである、請求項17に記載のプリーツ付け可能な濾過材。
【請求項19】
前記フェルトが、水流によってスクリムの上に絡み合わされる、請求項15〜18のいずれか一つに記載のフィルターバッグ。

【図1】
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【公表番号】特表2012−506764(P2012−506764A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532472(P2011−532472)
【出願日】平成21年10月26日(2009.10.26)
【国際出願番号】PCT/CA2009/001539
【国際公開番号】WO2010/048709
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(511103580)セファール ビィーディーエイチ インコーポレイティッド (1)
【氏名又は名称原語表記】SEFAR BDH INC.
【Fターム(参考)】