フィルム継ぎ装置、及び、PTPシート製造装置
【課題】包装用フィルムを継ぐ際に、包装用フィルムの端部における変形をより確実に防止することができ、ひいては包装用フィルムをより確実に接続する。
【解決手段】フィルム継ぎ装置30は、保持機構80を備える。保持機構80は、フィルムF1,F2の下端面を支持する第1、第2支持面S1,S2を有する第1、第2ケーシング83,84と、空気を吸引可能な吸引装置VAとを備える。ケーシング83,84には、第1支持面S1及び第2支持面S2に開口するとともに吸引装置VAに連通可能な第1,第2吸引孔が設けられる。テープ接着機構60による接着テープ61の貼付に際し、第1、第2吸引孔のうち、吸引装置VAに連通される開口部は、少なくともフィルムF1,F2の端部の幅方向両端部下面に位置する一方で、フィルムF1の端部の幅方向両端よりも外側にはみ出さないよう構成される。
【解決手段】フィルム継ぎ装置30は、保持機構80を備える。保持機構80は、フィルムF1,F2の下端面を支持する第1、第2支持面S1,S2を有する第1、第2ケーシング83,84と、空気を吸引可能な吸引装置VAとを備える。ケーシング83,84には、第1支持面S1及び第2支持面S2に開口するとともに吸引装置VAに連通可能な第1,第2吸引孔が設けられる。テープ接着機構60による接着テープ61の貼付に際し、第1、第2吸引孔のうち、吸引装置VAに連通される開口部は、少なくともフィルムF1,F2の端部の幅方向両端部下面に位置する一方で、フィルムF1の端部の幅方向両端よりも外側にはみ出さないよう構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を包装するための包装機に向けて供給状態にあるフィルムの終端と、待機状態にあるフィルムの始端とを接続するためのフィルム継ぎ装置、及び、フィルム継ぎ装置を備えたPTPシート製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、PTPシート(ブリスターシート)は、例えば、複数のポケット部を備える包装用フィルムと、前記ポケット部を塞ぐようにして包装用フィルムに取着されるカバーフィルムとを有する。また、前記ポケット部には、錠剤等の被充填物が収容される。
【0003】
ところで、このようなPTPシートは、専用の製造装置によって、当該製造装置の最上流側から送り出された包装用フィルムに対して、ポケット部の形成、被充填物の収容、カバーフィルムの取着等の各種工程が順次なされることにより製造される。従って、生産性の低下を防止するためには、前記包装用フィルムを途切れることなく、連続的に供給することが必要である。
【0004】
そこで、供給中の包装用フィルムの終端部分と、新たな包装用フィルムの始端部分とを接続し、包装用フィルムを連続的に供給するためのフィルム継ぎ装置が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。当該技術について詳述すると、まず、供給中の包装用フィルム(「第1包装用フィルム」と称す)の終端付近を、相互に接離移動可能な一対の可動台のうちの一方の可動台と、上下移動可能な可動プッシャとによって挟み込んで保持する。併せて、新たな包装用フィルム(「第2包装用フィルム」と称す)の始端付近を、他方の可動台及び可動プッシャによって挟み込んで保持する。次いで、第1包装用フィルムの終端部分、及び、第2包装用フィルムの始端部分を切断し、端部同士が平行となるように整えた上で、前記両可動台を接近移動させ、第1包装用フィルムの終端と第2包装用フィルムの始端とを付き合わせる。この状態で、接着テープを両包装用フィルムの両端部に跨るように貼付けることにより、包装用フィルムが継がれることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−67375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、接着テープの貼付に際しては、包装用フィルムの端部を押さえ付けたまま貼付することはできない。このため、包装用フィルムの終端部或いは始端部のうち、幅方向端部において反り上がりや丸まり等の変形が生じてしまうことが懸念される。そして、幅方向端部において反り上がり等の変形が生じたまま接着テープが貼付けられてしまうと、両包装用フィルムの確実な接続に支障が生じてしまうおそれがあり、ひいてはその後の工程に悪影響が及んでしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、包装用フィルムを継ぐ際に、包装用フィルムの端部における変形をより確実に防止することができ、ひいては包装用フィルムのより確実な接続を可能とするフィルム継ぎ装置、及び、フィルム継ぎ装置を備えたPTPシート製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0009】
手段1.PTPシートの製造過程において用いられ、帯状の第1包装用フィルムの終端と、帯状の第2包装用フィルムの始端とを接続するフィルム継ぎ装置であって、
前記両包装用フィルムの端縁同士を突き合わせた状態で、両包装用フィルムの端縁部分に跨るように接着テープを貼付けるテープ貼付手段と、
前記テープ貼付手段による接着テープの貼付に際し、前記第1包装用フィルムの終端部、及び、前記第2包装用フィルムの始端部を吸着・保持する吸着手段とを備え、
前記吸着手段は、
前記第1包装用フィルムの下端面を支持する第1支持面、及び、前記第2包装用フィルムの下端面を支持する第2支持面を有する支持手段と、
空気を吸引可能な吸引手段とを備え、
前記支持手段には、前記第1支持面及び第2支持面に開口するとともに前記吸引手段に連通可能な第1吸引孔及び第2吸引孔を設け、
前記テープ貼付手段による接着テープの貼付に際し、
前記第1吸引孔のうち、前記吸引手段に連通される開口部が、少なくとも前記第1包装用フィルムの終端部の幅方向両端部下面に位置する一方で、当該第1包装用フィルムの終端部の幅方向両端よりも外側にはみ出さず、かつ、
前記第2吸引孔のうち、前記吸引手段に連通される開口部が、少なくとも前記第2包装用フィルムの始端部の幅方向両端部下面に位置する一方で、当該第2包装用フィルムの始端部の幅方向両端よりも外側にはみ出さないよう構成したことを特徴とするフィルム継ぎ装置。
【0010】
尚、前記吸引孔を、包装用フィルムの幅方向に沿って延びる1の孔部によって構成することとしてもよいし、前記幅方向に沿って間欠的に形成された複数の孔部によって構成することとしてもよい。
【0011】
上記手段1によれば、接着テープを貼付する際に、吸着手段により、第1包装用フィルムの終端部及び第2包装用フィルムの始端部のそれぞれ幅方向両端部が吸着・保持される。このため、反りや丸まり等の変形が特に発生しやすい包装用フィルム端部の幅方向両端(角部)における変形をより確実に防止することができ、両包装用フィルムをより確実に接続することができる。
【0012】
さらに、接着テープを貼付する際に、前記第1、第2吸引孔のうち、前記吸引手段に連通される開口部は、少なくとも包装用フィルムの端部の幅方向両端部下面に位置する一方で、包装用フィルムの端部の幅方向両端よりも外側にはみ出さないように構成される。従って、包装用フィルムの幅方向両端よりも外側に位置する吸引孔より空気が引かれてしまうことに伴って、包装用フィルムの幅方向両端よりも内側に位置する吸引孔(すなわち、包装用フィルムを吸着・保持すべき吸引孔)において吸引力が低下してしまうことをより確実に防止できる。その結果、包装用フィルムの変形をより効果的に抑制することができ、両包装用フィルムを一層確実に接続することができる。
【0013】
尚、「包装用フィルムの幅方向端部」とは、フィルムの幅方向に沿って包装用フィルムの幅方向端縁から包装用フィルムの幅の20%だけ内側に入った位置と、前記包装用フィルムの幅方向端縁との間の範囲内の部位を意味する。
【0014】
手段2.PTPシートの製造過程において用いられ、帯状の第1包装用フィルムの終端と、帯状の第2包装用フィルムの始端とを接続するフィルム継ぎ装置であって、
前記両包装用フィルムの端縁同士を突き合わせた状態で、両包装用フィルムの端縁部分に跨るように接着テープを貼付けるテープ貼付手段と、
前記テープ貼付手段による接着テープの貼付に際し、前記第1包装用フィルムの終端部、及び、前記第2包装用フィルムの始端部を吸着・保持する吸着手段とを備え、
前記吸着手段は、
前記第1包装用フィルムの下端面を支持する第1支持面、及び、前記第2包装用フィルムの下端面を支持する第2支持面を有する支持手段と、
空気を吸引可能な吸引手段とを備え、
前記支持手段には、前記第1支持面及び第2支持面に開口するとともに前記吸引手段に連通可能な第1吸引孔及び第2吸引孔を設け、
前記第1吸引孔のうち、前記吸引手段により吸引される前記包装用フィルムの幅方向に沿った範囲を調節する第1吸着範囲調節手段と、
前記第2吸引孔のうち、前記吸引手段により吸引される前記包装用フィルムの幅方向に沿った範囲を調節する第2吸着範囲調節手段とを設けたことを特徴とするフィルム継ぎ装置。
【0015】
上記手段2によれば、第1、第2吸着範囲調節手段によって、吸引手段により吸引される包装用フィルムの幅方向に沿った範囲を調節することができる。従って、サイズの異なる包装用フィルムに対応して、包装用フィルム端部の幅方向両端をより確実に吸着・保持することができる。その結果、包装用フィルム端部の幅方向両端における変形をより確実に防止することができ、両包装用フィルムをより確実に接続することができる。
【0016】
また、吸着範囲調節手段により、吸引孔のうち吸引手段に連通される開口部を、包装用フィルムの端部の幅方向両端よりも外側にはみ出さないように構成することもできる。この場合、包装用フィルムの幅方向両端よりも外側に位置する吸引孔より空気が引かれてしまうことに伴って、包装用フィルムの幅方向両端よりも内側に位置する吸引孔(すなわち、包装用フィルムを吸着・保持すべき吸引孔)において吸引力が低下してしまうことをより確実に防止できる。その結果、包装用フィルムの変形をより効果的に抑制することができ、両包装用フィルムを一層確実に接続することができる。
【0017】
手段3.前記第1吸着範囲調節手段は、
前記テープ貼付手段による接着テープの貼付に際し、
前記第1吸引孔のうち、前記吸引手段に連通される開口部が、少なくとも前記第1包装用フィルムの終端部の幅方向両端部下面に位置する一方で、当該第1包装用フィルムの終端部の幅方向両端よりも外側にはみ出さないよう吸着範囲を調節するものであり、
前記第2吸着範囲調節手段は、
前記テープ貼付手段による接着テープの貼付に際し、
前記第2吸引孔のうち、前記吸引手段に連通される開口部が、少なくとも前記第2包装用フィルムの終端部の幅方向両端部下面に位置する一方で、当該第2包装用フィルムの終端部の幅方向両端よりも外側にはみ出さないよう吸着範囲を調節するものであることを特徴とする手段2に記載のフィルム継ぎ装置。
【0018】
上記手段3によれば、上記手段2による作用効果と併せて、上記手段1と同様の作用効果が奏されることとなる。
【0019】
手段4.前記支持手段には、前記第1吸引孔に連通し、前記包装用フィルムの幅方向に沿って延びる第1軸孔を設けるとともに、前記第2吸引孔に連通し、前記包装用フィルムの幅方向に沿って延びる第2軸孔を設け、
前記第1軸孔には、該第1軸孔内において回転可能に挿通された第1シャフトを設けるとともに、前記第2軸孔には、該第2軸孔内において回転可能に挿通された第2シャフトを設け、
前記第1シャフトは、前記第1包装用フィルムの幅方向に沿って延びる第1内孔と、自身の外周から前記第1内孔へと連通し、前記包装用フィルムの幅方向に沿った長さが周方向によって異なる第1貫通孔を具備するとともに、
前記第2シャフトは、前記第2包装用フィルムの幅方向に沿って延びる第2内孔と、自身の外周から前記第2内孔へと連通し、前記包装用フィルムの幅方向に沿った長さが周方向によって異なる第2貫通孔を具備し、
前記第1内孔及び第2内孔に前記吸引手段を連通させたことを特徴とする手段2又は3に記載のフィルム継ぎ装置。
【0020】
尚、前記第1、第2貫通孔については、周方向によってフィルム幅方向に沿った長さの異なる(例えば、徐変する)1の孔部によって構成することとしてもよいし、周方向に沿って間欠的に形成されたフィルム幅方向に沿った長さの異なる複数の孔部によって構成することとしてもよい。また、孔部は、シャフトの長手方向に沿って間欠的に形成されていてもよい。すなわち、前記第1、第2貫通孔は、シャフトの周方向や長手方向に沿って連続的、又は、間欠的に形成された1又は複数の孔部によって構成することができる。尚、シャフトの長手方向に沿って間欠的に形成された複数の孔部によって貫通孔を構成した場合、「包装用フィルムの幅方向に沿った貫通孔の長さ」とは、複数の孔部のうち最も両端に位置する孔部同士のシャフトの長手方向に沿った距離をいう。
【0021】
上記手段4によれば、第1、第2吸着範囲調節手段は、周方向によって幅の異なる第1、第2貫通孔と、当該第1、第2貫通孔に連通する第1、第2内孔とを備え、前記支持手段の第1、第2軸孔に挿通される円筒状の第1、第2シャフトにより構成されている。そして、当該第1、第2シャフトを支持手段に対して相対回転させることで、吸引孔のうち、吸着手段に連通される開口部を変更することができ、ひいては包装用フィルムの幅方向に沿った吸着範囲を調節可能とされている。従って、例えば、フィルムの幅方向に沿って支持手段に対して相対移動可能であり、吸引孔を開閉可能な部材により第1、第2吸着範囲調節手段を構成するような場合と比較して、フィルムの幅方向に沿った吸着範囲調節手段の移動スペースを確保する必要がなくなり、装置の小型化を図ることができる。
【0022】
手段5.前記支持手段は、
前記第1支持面を有する第1支持手段と、
前記第2支持面を有する第2支持手段とを備え、
前記第1支持手段及び第2支持手段は、前記第1支持面及び第2支持面が同一高さを維持した状態で接離方向に移動可能に設けられていることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載のフィルム継ぎ装置。
【0023】
上記手段5によれば、例えば、第1包装用フィルムの終端や第2包装用フィルムの始端を平行に整えるべく、両包装用フィルムの端部に切断処理を施すとき等、両包装用フィルムを接続する前の処理を比較的容易に行うことができる。また、包装用フィルムを吸着する際に、第1、第2支持手段を離間した状態としておけば、誤って第1吸引孔によって第2包装用フィルムが吸着されてしまう等の不具合をより確実に防止することができる。
【0024】
手段6.前記テープ貼付手段による接着テープの貼付に際し、
前記第1支持面及び第2支持面がほぼ連続するよう第1支持手段及び第2支持手段が近接状態とされることを特徴とする手段5に記載のフィルム継ぎ装置。
【0025】
上記手段6によれば、第1支持面及び第2支持面が同一高さに維持されることと相俟って、接着テープを両包装用フィルムの端部に跨ってより確実に貼付けることができ、包装用フィルムのより一層確実な接合を図ることができる。
【0026】
手段7.前記第1支持手段は、前記テープ貼付手段による接着テープの貼付の前段階において前記第1包装用フィルムの終端部分を切断する際の支持台となる第1カット台を有するとともに、
前記第2支持手段は、前記テープ貼付手段による接着テープの貼付の前段階において前記第2包装用フィルムの始端部分を切断する際の支持台となる第2カット台を有し、
前記第1カット台及び第2カット台のうち少なくとも一方には、前記第1支持手段及び第2支持手段の近接移動に際し、前記両カット台の衝突を防止又は衝突時の応力を緩和するストッパ部材を設けたことを特徴とする手段6に記載のフィルム継ぎ装置。
【0027】
上記手段7によれば、ストッパ部材によって、第1支持手段及び第2支持手段の接近時に、第1カット台及び第2カット台が大きな力で衝突してしまうことをより確実に防止することができる。その結果、第1、第2カット台の損傷をより確実に防止することができ、事前に包装用フィルムの切断処理を行う場合の不具合を抑制することができる。
【0028】
手段8.前記第1及び第2包装用フィルムは、アルミラミネートフィルムであることを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載のフィルム継ぎ装置。
【0029】
アルミラミネートフィルムは、アルミ箔の表面に樹脂フィルムが取着されることで、すなわち、すなわち、材質(性質)の異なる2種以上の薄膜材が積層されることで構成されるものである。また特に、アルミラミネートフィルムは、プラスチック製の包装用フィルムと比べ、その厚みが著しく小さい。このため、フィルム端部においては反り等の変形が比較的生じやすい。
【0030】
このため、上記手段8のように、包装用フィルムとしてアルミラミネートフィルムが用いられる場合には、フィルム端部における変形がより一層懸念されるところである。しかしながらこの点、上記各手段を採用することで、フィルム端部における変形をより確実に防止することができる。換言すれば、上記各手段は、包装用フィルムとしてアルミラミネートフィルムを用いる場合において、特に有意であるといえる。
【0031】
手段9.上記手段1乃至8のいずれかに記載のフィルム継ぎ装置を備えることを特徴とするPTPシート製造装置。
【0032】
上記手段9によれば、上記各手段のフィルム継ぎ装置を有するPTPシート製造装置において、上記各手段による作用効果が奏されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】(a)は、PTPシートを示す斜視図であり、(b)は、PTPフィルムを示す拡大斜視図である。
【図2】PTPシートを示す部分拡大断面図である。
【図3】PTPシート製造装置を説明するための模式図である。
【図4】フィルム供給装置を説明するための模式図である。
【図5】フィルム継ぎ装置の概略構成を説明するための斜視図である。
【図6】第1、第2吸着バーを示す斜視図である。
【図7】(a)は、第1、第2シャフトを示す正面図であり、(b)は、第1、第2シャフトの部分拡大正面図である。
【図8】(a)〜(h)は、周方向に沿って異なる方向から見たときの第1、第2シャフトを示す部分拡大図である。
【図9】(a)〜(c)は、第1、第2シャフトの第1、第2貫通孔の個数を説明するための長手方向に沿って異なる位置におけるシャフトの断面図である。
【図10】(a)は、フィルム端部の切断処理を説明するための正面模式図であり、(b)は、フィルム端部の接着を説明するための正面模式図である。
【図11】(a)は、別の実施形態におけるシャフトの斜視図であり、(b)は、別の実施形態におけるシャフトの正面図である。
【図12】別の実施形態における吸着バーの構成を示す部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1及び図2に示すように、PTPシート(ブリスターシート)1は、例えば、アルミラミネートフィルムからなり、複数のポケット部2を備えた包装用フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして包装用フィルム3に取着されたアルミニウム製のカバーフィルム4とを有している。また、各ポケット部2には、錠剤5が1つずつ収容されている。尚、前記包装用フィルム3としては、例えば、所定厚さ(例えば、40μm程度)のアルミ箔を芯材として、その裏表両面に、所定厚さ(例えば、25μm程度)のポリアミドフィルムと、所定厚さ(例えば、60μm程度)のポリ塩化ビニル(PVC)とをそれぞれ接着剤層を介して接着した、厚さの比較的薄い(例えば、250μm以下の)ものが用いられる。
【0035】
ところで、このようなPTPシート1は、専用のPTPシート製造装置10により製造される。そこで次に、図3を参照して、PTPシート1を製造するためのPTPシート製造装置10の概略について説明する。
【0036】
PTPシート製造装置10は、包装用フィルム3の移送経路の上流側において、前記ポケット部2を形成するためのポケット部成形装置11を備えている。また、当該ポケット部成形装置11の上流側(すなわち、PTPシート製造装置10の最上流側)には、前記包装用フィルム3がロール状に巻回されている。当該包装用フィルム3は、下流側へと間欠的に移送されるとともに、前記ポケット部成形装置11によるポケット部2の成形は、包装用フィルム3の移送動作間のインターバルに行われるようになっている。
【0037】
さらに、ポケット部成形装置11の下流側には、包装用フィルム3の移送経路に沿って、ポケット部2に錠剤5を自動的に充填する錠剤投入装置12と、ポケット部2への異物混入の有無等を検査する検査装置13と、加熱ロール14による加熱・押圧によってカバーフィルム4を包装用フィルム3に貼着するフィルム受けロール15とが配設されている。尚、カバーフィルム4が包装用フィルム3に貼着されることにより、錠剤5が包装用フィルム3及びカバーフィルム4で包まれてなる帯状のPTPフィルム6が形成される。
【0038】
加えて、前記フィルム受けロール15の下流側には、前記PTPフィルム6の移送経路に沿って、スリット(ミシン目)を形成するためのスリット形成装置16、ロットナンバー等の識別情報を示す刻印を付すための刻印装置17、及び、PTPフィルム6をPTPシート1単位に打抜くためのシート打抜装置18が配設されている。尚、シート打抜装置18の下側には、落下するPTPシート1を貯留するための完成品用ホッパ19が設けられている。
【0039】
PTPシート製造装置10の概略は以上のとおりであるが、上述した各種工程が連続的に行われるように、PTPシート製造装置10の最上流側には、包装用フィルム3を連続的に供給可能な機構が要求される。そこで、本実施形態のPTPシート製造装置10は、包装用フィルム3の移送経路の最上流側にフィルム供給装置20を備えている。
【0040】
フィルム供給装置20は、図4に示すように、ロールフィルム21,22と、フィルム継ぎ装置30と、繰出ローラ23と、収納ボックス24と、制御装置25とを備えている。
【0041】
前記ロールフィルム21,22は、前記包装用フィルム3がロール状に巻回されて構成されている。尚、本実施形態においては、2つのロールフィルム21,22を備えることとしているが、3つ以上のロールフィルムを備えることとしてもよい。また、説明の便宜上、一方のロールフィルム21から繰り出される包装用フィルム3をフィルムF1(「第1包装用フィルム」に相当する)と称し、他方のロールフィルム22から繰り出される包装用フィルム3をフィルムF2(「第2包装用フィルム」に相当する)と称する。
【0042】
フィルム継ぎ装置30は、一方のロールフィルム21が消費されたときに、フィルムF1の終端と、他方のロールフィルム22のフィルムF2の始端とを接続する機能を有するものである(フィルム継ぎ装置30の構成及び動作については、後に詳述する)。
【0043】
前記繰出ローラ23は、フィルム継ぎ装置30の下流側において、押圧ローラ26との間でフィルムF1(F2)を挟み込むように配置されている。そして、繰出ローラ23が、図示しない繰出モータによって駆動されることで、ロールフィルム21(22)からフィルムF1(F2)が繰出されるようになっている。
【0044】
また、繰出ローラ23の下流側においては、フィルムF1(F2)が撓むようになっており、前記収容ボックス24内に、フィルムF1(F2)の撓み部分が収容されるようになっている。尚、フィルムF1(F2)を撓ませておくことで、フィルム継ぎ装置30によるフィルム接続時にフィルムF1(F2)の繰り出しを停止したとしても、下流側へとフィルムF1(F2)を連続的に供給できるようになっている。
【0045】
さらに、前記制御装置25は、前記繰出モータの回転量や回転速度を制御することで、繰出ローラ23によるフィルムF1(F2)の繰出量や繰出速度を制御するようになっている。
【0046】
次いで、前記フィルム継ぎ装置30の構成について説明する。
【0047】
図5に示すように、フィルム継ぎ装置30は、突合せ機構40と、カッタ機構50と、テープ貼付手段としてのテープ接着機構60と、消費検出機構70と、吸着手段としての保持機構80とを備えている。
【0048】
前記突合せ機構40は、包装用フィルム3の移送経路の下方に設けられたガイドレール(図示せず)により、フィルム移送方向に往復移動可能に支持された一対の可動台41,42を備えている。加えて、当該一対の可動台41,42には、フィルム移送方向に沿って延び、フィルム幅方向において対向する一対のラック43,44が設けられている。さらに、当該一対のラック43,44の間には、両者に噛み合うようにしてピニオンPIが配置されている。当該ピニオンPIの回転によって前記一対の可動台41,42が相互に接離移動可能とされている。
【0049】
また、前記カッタ機構50は、フィルム幅方向に沿って移動可能に支持され、略コの字状をなす可動フレームMFを備えている。さらに、当該可動フレームMFの両端内側には、一対のロータリーカッタ53,54が回転可能に支持されている。加えて、ロータリーカッタ53,54は、その外側面を後述する第1カット台51及び第2カット台52の内側端縁と接触させた状態で、可動フレームMFとともにフィルム幅方向に移動可能とされている。
【0050】
また、前記カッタ機構50は、前記包装用フィルム3の移送経路の上方において、弾性体(図示略)によって上下移動可能に吊るされた一対の押さえ板55,56(図5において図示略;図10参照)を有している。当該押さえ板55,56は、フィルム幅方向に沿って延びる長板状をなし、前記可動フレームMFの移動に従って、前記ロータリーカッタ53,54の付根部分に押されて、下方へと下がるようになっている。このため、可動フレームMFの移動時(ロータリーカッタ53,54によるフィルムF1,F2のカット時)には、フィルムF1,F2は、押さえ板55,56と前記カット台51,52等との間で挟み込まれるようになっている。
【0051】
前記テープ接着機構60は、接着テープ61と、チャック62と、カッタ63とを備えている。接着テープ61は、前記チャック62に対してフィルム幅方向において対向するように配置されている。また、前記チャック62は、フィルム幅方向に沿って移動可能とされており、前記接着テープ61を引き出せる構成となっている。さらに、前記カッタ63は、上下移動可能とされており、チャック62によって引き出された接着テープ61を切断できるようになっている。尚、テープ接着機構60は、図示しない押圧手段を有しており、フィルムF1,F2を接続する際に、当該押圧手段によってチャック62によって引き出された接着テープ61を上方側から下方側へと押圧可能とされている。
【0052】
消費検出機構70は、終端探知センサ71を備えており、最初に使用されるローラフィルム21より繰り出されるフィルムF1の終端の通過を検知できるようになっている。
【0053】
前記保持機構80は、フィルム幅方向に沿って延びる一対の第1吸着バー81及び第2吸着バー82と、フィルム幅方向に延びる一対の第1カット台51及び第2カット台52とを備えている。
【0054】
前記第1吸着バー81は、前記可動台41の上流側端面に固定されており、前記第2吸着バー82は、可動台42の下流側端面に固定されている。また、第1、第2吸着バー81,82は、それぞれ可動台41,42の移動に従って移動可能とされている。加えて、図6に示すように、第1吸着バー81は、それぞれフィルム幅方向に沿って延びる第1ケーシング83(「第1支持手段」に相当する)と、当該第1ケーシング83内に挿通される第1シャフト85(「第1吸着範囲調節手段」に相当する)とを備えている。また、第2吸着バー82は、それぞれフィルム幅方向に沿って延びる第2ケーシング84(「第2支持手段」に相当する)と、第2ケーシング84内に挿通される第2シャフト86(「第2吸着範囲調節手段」に相当する)とを備えている。
【0055】
前記第1、第2ケーシング83,84は、断面矩形状の外形を有し、第1ケーシング83の内部には、フィルム幅方向に沿って延びる円柱状の第1軸孔87が設けられるとともに、第2ケーシング84の内部には、第1軸孔87と同一形状をなす第2軸孔88が設けられている。また、第1ケーシング83の上面(包装用フィルム3側の面)は、包装用フィルム3を支持するための第1支持面S1を構成し、当該第1支持面S1には、その外表面から前記第1軸孔87に対して連通する複数の第1吸引孔91が、フィルム幅方向に沿って所定間隔毎に等間隔で設けられている。また、第2ケーシング84の上面(包装用フィルム3側の面)は、包装用フィルム3を支持するための第2支持面S2を構成し、当該第2支持面S2には、その外表面から第2軸孔88に連通する複数の第2吸引孔92が、上記第1吸引孔91と同様に所定間隔毎に等間隔で設けられている(尚、図5においては、便宜上、第1、第2吸引孔91,92の個数を減じて示している)。また、前記両支持面S1,S2は、それぞれ同一高さで水平とされており、前記可動台41,42(吸着バー81,82)が相互に接離移動する際であっても、同一高さ及び水平状態を維持できるようになっている。
【0056】
前記第1シャフト85は、自身の外表面が前記第1軸孔87の内周面と密着するように前記第1軸孔87に挿通されており、また、前記第2シャフト86は、自身の外表面が第2軸孔88の内周面と密着するように第2軸孔88に挿通されている。さらに、図7に示すように、第1シャフト85は、自身の内部に、フィルム幅方向に沿って延び、一端部が閉塞した第1中孔93を備え、第2シャフト86は、前記第1中孔93同様に一端部が閉塞した第2中孔94を有している。さらに、第1シャフト85の外周面には、前記第1中孔93に連通する複数の第1貫通孔95が設けられ、第2シャフトの外表面には、第2中孔94に連通する複数の第2貫通孔96が設けられている。
【0057】
前記貫通孔95,96について詳述すると、図8及び図9(a)に示すように、前記シャフト85(86)のうち長手方向ほぼ中央に位置する範囲(「第1範囲」と称す)においては、周方向に沿って等間隔に計n個(本実施形態では、8個)の貫通孔95A(96A),95B(96B),95C(96C),95D(96D),95E(96E),95F(96F),95G(96G),95H(96H)が設けられている。一方で、シャフト85,86の長手方向中央から幅方向外側へと進むにつれて、段階的に周方向に沿った貫通孔95,96の個数が減ぜられている。
【0058】
より詳しくは、前記第1範囲の幅方向外側に隣接する範囲(「第2範囲」と称す)においては、図9(b)に示すように、前記第1範囲において前記貫通孔95H(96H)が形成された部位に貫通孔が形成されることなく、計n−1個(本実施形態では、7個)の貫通孔95A(96A),95B(96B),95C(95C),95D(96D),95E(96E),95F(96F),95G(96G)が周方向に沿って形成されている。また、前記第2範囲の幅方向外側に位置する範囲においては、図9(c)に示すように、前記第1範囲において貫通孔95G(96G),95H(96H)が形成された部位に貫通孔が形成されることなく、計n−2個(本実施形態では、6個)の貫通孔95A(96A),95B(96B),95C(96C),95D(96D),95E(96E),95F(96F)が周方向に沿って形成されている。このように長手方向中央から幅方向外側に進むにつれて、周方向に沿って存在する前記貫通孔95,96の個数が段階的に減ぜられていき、最終的に、シャフト84,85の両端側部位には、周方向に沿って1の貫通孔95A,96Aが形成されている。すなわち、貫通孔95,96は、周方向によってフィルム幅方向に沿った長さ(当該長さは、「複数の貫通孔95,96のうち最も両端側に位置する貫通孔95,96同士のシャフト85,86の長手方向に沿った間隔」を意味する)が異なるように構成されている。
【0059】
尚、図7,9等に示すように、前記シャフト85,56の外周面には、その長手方向に沿って延びる溝105が周方向に沿って等間隔ごとに形成されている。そして、当該溝105に連通するようにして前記貫通孔95,96が直線上に形成されている。そのため、ケーシング83,84に対してシャフト85,86を相対回転させて、両者の位置合わせを行うことで、溝105を介して吸引孔91,92に連通される貫通孔95,96を決定できるようになっている。
【0060】
前記第1、第2カット台51,52は、第1、第2ケーシング83,84の対向面に設けられており、両者の対向部分のうち包装用フィルム3の移送経路側の部位が、互いに突出して形成されている。また、第1カット台51のうち、第2カット台52に対向する面には、第1ストッパ部材45が設けられており、第2カット台のうち、前記第1ストッパ部材45に対向する部位には、第2ストッパ部材46(図5において第1、第2ストッパ部材45,46は不図示;図10参照)が設けられている。当該第1、第2ストッパ部材45,46により、可動台41,42を接近移動させたときに、第1、第2カット台51,52同士が接触しないように構成されている。
【0061】
さらに、図5、図7(a)等に示すように、前記第1、第2ケーシング83,84の外側であって、前記第1、第2シャフト85,86の他端側外周部分には、外歯を有するギア97,98が設けられている。加えて、第1、第2シャフト85,86の他端部には、第1、第2中孔93,94内の空間と連通するようにして、第1バキュームホース99及び第2バキュームホース100の一端部がそれぞれ接続されている。尚、前記第1シャフト85及び第1バキュームホース99,並びに、第2シャフト86及び第2バキュームホース100は、それぞれロータリージョイント(図示せず)を介することにより、相互に相対回転移動な状態で接続されている。
【0062】
加えて、前記バキュームホース99,100の他端部には、前記第1、第2中孔93,94内の空気を吸引可能な吸引装置VA(図5参照;「吸引手段」に相当する)が接続されている。これにより、前記第1、第2吸引孔91,92のうち、前記第1、第2貫通孔95,96に連通した開口部が、フィルムF1,F2を吸着・保持するための吸引口として機能できるようになっている。
【0063】
さらに、前記ギア97,98に対しては、ギア101,102が噛合されており、当該ギア101,102には、ギア101,102の回転軸と同一の中心軸を有する操作用のノブ103,104が固定されている。当該ノブ103,104は、前記可動台41,42の往復移動に伴って移動可能に構成されるとともに、自身の中心軸を回転軸として回転可能に支持されている。尚、前記ノブ103,104を回動させることにより、第1、第2ケーシング83,84に対して前記第1、第2シャフト85,86を相対回動させることができ、ひいては前記吸引孔91,92のうち、貫通孔95,96を介して中孔93,94に連通される吸引孔91,92を決定することができる。つまり、前記ノブ103,104の回動量を調節することにより、フィルム幅方向に沿った第1、第2吸着バー81,82による吸着範囲を調節できるようになっている。
【0064】
次に、上記のように構成されてなるフィルム継ぎ装置30の動作について説明する。
【0065】
まず、前記第1、第2吸着バー81,82によるフィルム幅方向に沿った吸着範囲を予め設定しておく。すなわち、前記ノブ103,104を回動させることにより、前記貫通孔95,96を介して前記中孔93,94に連通される前記吸引孔91,92を決定する。
【0066】
尚、本実施形態において、吸着バー81,82によるフィルム幅方向に沿った吸着範囲は、前記包装用フィルム3(フィルムF1,F2)の幅と略等しくなるように設定される。すなわち、前記フィルムF1の終端部の幅方向両端部、及び、前記フィルムF2の始端部の幅方向両端部を吸着・保持する一方で、前記フィルムF1の終端部の幅方向両端よりも外側、及び、前記フィルムF2の始端部の幅方向両端よりも外側の範囲を吸着しないように吸着範囲が設定される。従って、少なくともフィルムF1,F2の端部の幅方向両端部下面に位置する(本実施形態では、フィルムF1,F2端部の幅方向両端の内側に位置する)部位の吸引孔91,92を、前記貫通孔95,96を介して中孔93,94(吸引装置VA)に連通させる一方で、フィルムF1,F2端部の幅方向両端から外側に位置する部位の吸引孔91,92に対しては、前記中孔83,84に連通させない(閉塞させる)ように、ケーシング83,84に対するシャフト85,86の相対位置が決定される。
【0067】
さらに、本実施形態における吸着バー81,82による幅方向に沿った吸着範囲は、所定の一端側領域から所定の他端側領域までの間とされている(つまり、吸着バー81,82による吸着範囲のうち幅方向一端は、前記一端側領域内に位置し、前記吸着範囲のうち幅方向他端は、前記他端側領域内に位置している)。尚、「一端側領域」とは、フィルムF1,F2の幅方向一端縁と、当該幅方向一端縁よりフィルムF1,F2の幅の20%以内だけ内側に入った位置との間の領域をいう。また、「他端側領域」とは、フィルムF1,F2の幅方向他端縁と、当該幅方向他端縁よりフィルムF1,F2の幅の20%以内だけ内側に入った位置との間の領域をいう。
【0068】
吸着バー81,82による吸着範囲の設定に続いて(または、併せて)、一方のロールフィルム21から繰り出されたフィルムF1の使用中に、他方のロールフィルム22からフィルムF2を繰り出しておく。そして、フィルムF2の始端が第2カット台52よりも下流側に僅かに突出した状態で、吸着バー82によりフィルムF2の始端部を幅方向略全域に亘って吸着・保持する。併せて、前記テープ接着機構60のチャック62によって、接着テープ61を引き出した状態で保持しておく。
【0069】
そして、消費検出機構70の終端検知センサ71によって、使用中のロールフィルム21から繰り出されたフィルムF1の終端が検知されると、上述した制御装置25は、前記繰出モータを制御して、フィルムF1の終端が第1カット台51よりも上流側に僅かに突出した状態となるまでフィルムF1を移送した上で、繰出モータを停止させる。次いで、前記吸着バー81により、フィルムF1の終端部を幅方向略全域に亘って吸着・保持する。尚、繰出モータを停止し、フィルムF1の終端を保持したとしても、フィルム継ぎ装置30の上流側に位置する収容ボックス24内には撓み状態にあるフィルムF1が存在しているため、フィルムF1(包装用フィルム3)をポケット部成形装置11などの下流側の装置へと移送し続けることができる。
【0070】
続いて、カッタ機構50の可動フレームMFを、フィルム幅方向に沿って移動させる。このとき、図10(a)に示すように、可動フレームMFの移動に伴って、ロータリーカッタ53,54の根元部分により前記押さえ板55,56が下方へと押さえ付けられる。このため、ロータリーカッタ53,54によってフィルムF1の終端、及び、フィルムF2の始端を平行に切断する際には、フィルムF1,F2は、吸着バー81,82による吸着と併せて、押さえ板55,56及びカット台51,52により挟まれて保持されることとなる。
【0071】
前記フィルムF1,F2の端部を切断した後、前記可動フレームMFを当初の配置位置に戻すとともに、前記ピニオンPIを回転させることで、ラック43、44を介して前記可動台41,42を相互に接近させる。そして、フィルムF1の終端縁とフィルムF2の始端縁とを突き合わせた状態で配置する。尚、前記ストッパ45,46によって、第1、第2カット台51,52は接触することなく、両カット台51,52の間に若干の隙間が形成された状態でフィルムF1,F2が最接近する。
【0072】
続いて、図10(b)(カッタ機構50等を省略して示す)に示すように、前記チャック62により引き出された接着テープ61が、フィルムF1の終端からフィルムF2の始端に跨って貼付けられる。そして、接着テープ61の貼付後、前記カッタ63により、接着テープ61を切断することにより、フィルムF1の終端とフィルムF2の始端とが接続される。尚、接着テープ61の貼付時には、前記押圧手段により接着テープ61を上方から押圧することによって、両フィルムF1,F2に対して接着テープ61がより確実に接着されるようになっている。
【0073】
フィルムF1,F2の接続完了後、前記制御装置25により前記繰出しモータの停止が解除され、フィルムF2が下流側への供給が開始される。
【0074】
以上詳述したように、本実施形態によれば、接着テープ61を貼付する際に、吸着バー81,82により、フィルムF1の終端部及びフィルムF2の始端部の幅方向両端部が吸着・保持される。このため、反りや丸まり等の変形が特に発生しやすい包装用フィルム3端部の幅方向両端(角部)における変形をより確実に防止することができ、フィルムF1,F2をより確実に接続することができる。
【0075】
さらに、接着テープ61を貼付する際に、前記第1、第2吸引孔91,92のうち、前記吸引装置VAに連通される開口部は、少なくともフィルムF1,F2の端部の幅方向両端部下面に位置する一方で、フィルムF1,F2の端部の幅方向両端よりも外側にはみ出さないように構成される。従って、フィルムF1,F2の幅方向両端よりも外側に位置する吸引孔から空気が引かれることに伴って、フィルムF1,F2の幅方向両端よりも内側に位置する吸引孔91,92(すなわち、フィルムF1,F2を吸着するべき吸引孔91,92)において吸引力が低下してしまうことをより確実に防止できる。その結果、フィルムF1,F2の変形をより効果的に抑制することができ、両フィルムF1,F2を一層確実に接続することができる。
【0076】
さらに、第1、第2吸着範囲調節手段としての第1、第2シャフト85,86によって、吸引装置VAにより吸引される包装用フィルム3の幅方向に沿った範囲を調節することができる。従って、サイズの異なる包装用フィルム3に対応して、包装用フィルム3端部の幅方向両端をより確実に吸着・保持することができる。
【0077】
加えて、本実施形態においては、第1、第2シャフト85,86をケーシング83,84に対して相対回転させることで、第1、第2吸着バー81,82によるフィルムF1,F2の幅方向における吸着範囲を調節可能とされている。従って、例えば、フィルム幅方向に沿ってケーシング83,84に対して相対移動可能であり、吸引孔91,92を開閉可能な部材により第1、第2吸着範囲調節手段を構成する場合と比較して、フィルム幅方向に沿った吸着範囲調節手段の移動スペースを確保する必要がなくなり、装置の小型化を図ることができる。
【0078】
併せて、第1支持面S1及び第2支持面S2が同一高さを維持した状態で接離方向に移動可能とされているため、フィルムF1,F2の端部に切断処理を施すときなど、フィルムF1,F2を接続する前の前処理を比較的容易に行うことができる。さらに、包装用フィルムを吸着する際に、吸着バー81,82同士は離間した状態とされているため、誤って第1吸引孔によって第2包装用フィルムが吸着されてしまう等の不具合をより確実に防止することができる。
【0079】
また、第1支持面S1及び第2支持面S2が同一高さとされており、接着テープ61の貼付に際しては、第1支持面S1及び第2支持面S2がほぼ連続するようケーシング83,84が近接状態とされる。そのため、接着テープ61を両フィルムF1,F2の端部に跨ってより確実に貼付けることができ、フィルムF1,F2の一層確実な接合を図ることができる。
【0080】
さらに、第1、第2ストッパ部材45,46によって、第1、第2ケーシング83,84の接近時に、第1カット台51及び第2カット台52が大きな力で衝突してしまうことをより確実に防止することができる。そのため、第1、第2カット台51,52の損傷をより確実に防止することができる。
【0081】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0082】
(a)上記実施形態では、吸着バー81,82による吸着範囲の幅方向端部が、包装用フィルム3の幅方向両端縁と、フィルム幅方向に沿って前記幅方向両端縁から包装用フィルム3の幅の20%だけ内側に入った位置との間の領域内に位置するように調節されている。これに対して、フィルムF1,F2の変形をより確実に防止するという観点から、吸着バー81,82による吸着範囲を幅方向外側により拡大させることとしてもよい。従って、吸着バー81,82による吸着範囲の幅方向両端部が、包装用フィルム3の幅方向両端縁と、当該幅方向両端縁より包装用フィルム3の幅の10%だけ内側に入った位置との間の領域内に位置するようにすることがより好ましく、包装用フィルム3の幅方向両端縁と、当該幅方向両端縁より包装用フィルム3の幅の5%だけ内側に入った位置との間の領域内に位置するようにすることがより一層好ましい。
【0083】
(b)上記実施形態において、シャフト85,86は、長手方向に沿って周方向における貫通孔95,96の個数を増減させた構成とされているが、シャフト85,86の構成はこれに限定されるものではない。従って、例えば、長手方向に沿って延びる貫通孔を周方向に沿って間欠的に複数形成するとともに、各貫通孔のフィルム幅方向に沿った長さをそれぞれ段階的に異ならせるようにしてもよい。また、図11(a),(b)に示すように、平面状に展開した際に三角形状をなす(すなわち、周方向に沿ってフィルム幅方向に沿った長さが徐変する)貫通孔111を備えたシャフト112を用いることとしてもよい。この場合には、吸着バーによる幅方向に沿った吸着範囲を連続的に調節することができ、より柔軟な吸着範囲の設定を図ることができる。
【0084】
(c)上記実施形態では、貫通孔95,96を有するシャフト85,86によって、吸着バー81,82の幅方向における吸着範囲を調節するための吸着範囲調節手段が構成されているが、吸着範囲調節手段の構成はこれに限定されるものではない。従って、例えば、図12に示すように、ケーシング120の長手方向に沿ってケーシング120に対して相対移動可能に構成され、当該ケーシング120の吸引孔122を開閉可能な蓋板123,124によって吸着範囲調節手段を構成することとしてもよい。尚、この場合には、ケーシング120の軸孔121に吸引装置VAが接続され、軸孔121内の空気が引かれることとなる。
【0085】
(d)上記実施形態では、フィルムF1,F2を離間させた状態で両者の端部を切断することとしているが、フィルムF1,F2を接近させ、両者の端部を重ね合わせた状態で両者の端部を切断することとしてもよい。
【0086】
(e)上記実施形態では、包装用フィルム3としてアルミラミネートフィルムを用いることとしているが、本発明の技術思想を適用可能な包装用フィルムはアルミラミネートフィルムに限定されるものではない。従って、包装用フィルム3としては、例えば、樹脂(例えば、PP)製のフィルムを用いることとしてもよい。
【符号の説明】
【0087】
1…PTPシート、3…包装用フィルム、10…PTPシート製造装置、30…フィルム継ぎ装置、45…ストッパ部材としての第1ストッパ部材、46…ストッパ部材としての第2ストッパ部材、51…第1カット台、52…第2カット台、60…テープ貼付手段としてのテープ接着機構、80…吸着手段としての保持機構、83…第1支持手段としての第1ケーシング、84…第2支持手段としての第2ケーシング、85…第1吸着範囲変更手段としての第1シャフト、86…第2吸着範囲変更手段としての第2シャフト、87…第1軸孔、88…第2軸孔、91…第1吸引孔、92…第2吸引孔、93…第1中孔、94…第2中孔、95…第1貫通孔、96…第2貫通孔、F1…フィルム(第1包装用フィルム)、F2…フィルム(第2包装用フィルム)、S1…第1支持面、S2…第2支持面、VA…吸引装置(吸引手段)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を包装するための包装機に向けて供給状態にあるフィルムの終端と、待機状態にあるフィルムの始端とを接続するためのフィルム継ぎ装置、及び、フィルム継ぎ装置を備えたPTPシート製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、PTPシート(ブリスターシート)は、例えば、複数のポケット部を備える包装用フィルムと、前記ポケット部を塞ぐようにして包装用フィルムに取着されるカバーフィルムとを有する。また、前記ポケット部には、錠剤等の被充填物が収容される。
【0003】
ところで、このようなPTPシートは、専用の製造装置によって、当該製造装置の最上流側から送り出された包装用フィルムに対して、ポケット部の形成、被充填物の収容、カバーフィルムの取着等の各種工程が順次なされることにより製造される。従って、生産性の低下を防止するためには、前記包装用フィルムを途切れることなく、連続的に供給することが必要である。
【0004】
そこで、供給中の包装用フィルムの終端部分と、新たな包装用フィルムの始端部分とを接続し、包装用フィルムを連続的に供給するためのフィルム継ぎ装置が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。当該技術について詳述すると、まず、供給中の包装用フィルム(「第1包装用フィルム」と称す)の終端付近を、相互に接離移動可能な一対の可動台のうちの一方の可動台と、上下移動可能な可動プッシャとによって挟み込んで保持する。併せて、新たな包装用フィルム(「第2包装用フィルム」と称す)の始端付近を、他方の可動台及び可動プッシャによって挟み込んで保持する。次いで、第1包装用フィルムの終端部分、及び、第2包装用フィルムの始端部分を切断し、端部同士が平行となるように整えた上で、前記両可動台を接近移動させ、第1包装用フィルムの終端と第2包装用フィルムの始端とを付き合わせる。この状態で、接着テープを両包装用フィルムの両端部に跨るように貼付けることにより、包装用フィルムが継がれることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−67375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、接着テープの貼付に際しては、包装用フィルムの端部を押さえ付けたまま貼付することはできない。このため、包装用フィルムの終端部或いは始端部のうち、幅方向端部において反り上がりや丸まり等の変形が生じてしまうことが懸念される。そして、幅方向端部において反り上がり等の変形が生じたまま接着テープが貼付けられてしまうと、両包装用フィルムの確実な接続に支障が生じてしまうおそれがあり、ひいてはその後の工程に悪影響が及んでしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、包装用フィルムを継ぐ際に、包装用フィルムの端部における変形をより確実に防止することができ、ひいては包装用フィルムのより確実な接続を可能とするフィルム継ぎ装置、及び、フィルム継ぎ装置を備えたPTPシート製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0009】
手段1.PTPシートの製造過程において用いられ、帯状の第1包装用フィルムの終端と、帯状の第2包装用フィルムの始端とを接続するフィルム継ぎ装置であって、
前記両包装用フィルムの端縁同士を突き合わせた状態で、両包装用フィルムの端縁部分に跨るように接着テープを貼付けるテープ貼付手段と、
前記テープ貼付手段による接着テープの貼付に際し、前記第1包装用フィルムの終端部、及び、前記第2包装用フィルムの始端部を吸着・保持する吸着手段とを備え、
前記吸着手段は、
前記第1包装用フィルムの下端面を支持する第1支持面、及び、前記第2包装用フィルムの下端面を支持する第2支持面を有する支持手段と、
空気を吸引可能な吸引手段とを備え、
前記支持手段には、前記第1支持面及び第2支持面に開口するとともに前記吸引手段に連通可能な第1吸引孔及び第2吸引孔を設け、
前記テープ貼付手段による接着テープの貼付に際し、
前記第1吸引孔のうち、前記吸引手段に連通される開口部が、少なくとも前記第1包装用フィルムの終端部の幅方向両端部下面に位置する一方で、当該第1包装用フィルムの終端部の幅方向両端よりも外側にはみ出さず、かつ、
前記第2吸引孔のうち、前記吸引手段に連通される開口部が、少なくとも前記第2包装用フィルムの始端部の幅方向両端部下面に位置する一方で、当該第2包装用フィルムの始端部の幅方向両端よりも外側にはみ出さないよう構成したことを特徴とするフィルム継ぎ装置。
【0010】
尚、前記吸引孔を、包装用フィルムの幅方向に沿って延びる1の孔部によって構成することとしてもよいし、前記幅方向に沿って間欠的に形成された複数の孔部によって構成することとしてもよい。
【0011】
上記手段1によれば、接着テープを貼付する際に、吸着手段により、第1包装用フィルムの終端部及び第2包装用フィルムの始端部のそれぞれ幅方向両端部が吸着・保持される。このため、反りや丸まり等の変形が特に発生しやすい包装用フィルム端部の幅方向両端(角部)における変形をより確実に防止することができ、両包装用フィルムをより確実に接続することができる。
【0012】
さらに、接着テープを貼付する際に、前記第1、第2吸引孔のうち、前記吸引手段に連通される開口部は、少なくとも包装用フィルムの端部の幅方向両端部下面に位置する一方で、包装用フィルムの端部の幅方向両端よりも外側にはみ出さないように構成される。従って、包装用フィルムの幅方向両端よりも外側に位置する吸引孔より空気が引かれてしまうことに伴って、包装用フィルムの幅方向両端よりも内側に位置する吸引孔(すなわち、包装用フィルムを吸着・保持すべき吸引孔)において吸引力が低下してしまうことをより確実に防止できる。その結果、包装用フィルムの変形をより効果的に抑制することができ、両包装用フィルムを一層確実に接続することができる。
【0013】
尚、「包装用フィルムの幅方向端部」とは、フィルムの幅方向に沿って包装用フィルムの幅方向端縁から包装用フィルムの幅の20%だけ内側に入った位置と、前記包装用フィルムの幅方向端縁との間の範囲内の部位を意味する。
【0014】
手段2.PTPシートの製造過程において用いられ、帯状の第1包装用フィルムの終端と、帯状の第2包装用フィルムの始端とを接続するフィルム継ぎ装置であって、
前記両包装用フィルムの端縁同士を突き合わせた状態で、両包装用フィルムの端縁部分に跨るように接着テープを貼付けるテープ貼付手段と、
前記テープ貼付手段による接着テープの貼付に際し、前記第1包装用フィルムの終端部、及び、前記第2包装用フィルムの始端部を吸着・保持する吸着手段とを備え、
前記吸着手段は、
前記第1包装用フィルムの下端面を支持する第1支持面、及び、前記第2包装用フィルムの下端面を支持する第2支持面を有する支持手段と、
空気を吸引可能な吸引手段とを備え、
前記支持手段には、前記第1支持面及び第2支持面に開口するとともに前記吸引手段に連通可能な第1吸引孔及び第2吸引孔を設け、
前記第1吸引孔のうち、前記吸引手段により吸引される前記包装用フィルムの幅方向に沿った範囲を調節する第1吸着範囲調節手段と、
前記第2吸引孔のうち、前記吸引手段により吸引される前記包装用フィルムの幅方向に沿った範囲を調節する第2吸着範囲調節手段とを設けたことを特徴とするフィルム継ぎ装置。
【0015】
上記手段2によれば、第1、第2吸着範囲調節手段によって、吸引手段により吸引される包装用フィルムの幅方向に沿った範囲を調節することができる。従って、サイズの異なる包装用フィルムに対応して、包装用フィルム端部の幅方向両端をより確実に吸着・保持することができる。その結果、包装用フィルム端部の幅方向両端における変形をより確実に防止することができ、両包装用フィルムをより確実に接続することができる。
【0016】
また、吸着範囲調節手段により、吸引孔のうち吸引手段に連通される開口部を、包装用フィルムの端部の幅方向両端よりも外側にはみ出さないように構成することもできる。この場合、包装用フィルムの幅方向両端よりも外側に位置する吸引孔より空気が引かれてしまうことに伴って、包装用フィルムの幅方向両端よりも内側に位置する吸引孔(すなわち、包装用フィルムを吸着・保持すべき吸引孔)において吸引力が低下してしまうことをより確実に防止できる。その結果、包装用フィルムの変形をより効果的に抑制することができ、両包装用フィルムを一層確実に接続することができる。
【0017】
手段3.前記第1吸着範囲調節手段は、
前記テープ貼付手段による接着テープの貼付に際し、
前記第1吸引孔のうち、前記吸引手段に連通される開口部が、少なくとも前記第1包装用フィルムの終端部の幅方向両端部下面に位置する一方で、当該第1包装用フィルムの終端部の幅方向両端よりも外側にはみ出さないよう吸着範囲を調節するものであり、
前記第2吸着範囲調節手段は、
前記テープ貼付手段による接着テープの貼付に際し、
前記第2吸引孔のうち、前記吸引手段に連通される開口部が、少なくとも前記第2包装用フィルムの終端部の幅方向両端部下面に位置する一方で、当該第2包装用フィルムの終端部の幅方向両端よりも外側にはみ出さないよう吸着範囲を調節するものであることを特徴とする手段2に記載のフィルム継ぎ装置。
【0018】
上記手段3によれば、上記手段2による作用効果と併せて、上記手段1と同様の作用効果が奏されることとなる。
【0019】
手段4.前記支持手段には、前記第1吸引孔に連通し、前記包装用フィルムの幅方向に沿って延びる第1軸孔を設けるとともに、前記第2吸引孔に連通し、前記包装用フィルムの幅方向に沿って延びる第2軸孔を設け、
前記第1軸孔には、該第1軸孔内において回転可能に挿通された第1シャフトを設けるとともに、前記第2軸孔には、該第2軸孔内において回転可能に挿通された第2シャフトを設け、
前記第1シャフトは、前記第1包装用フィルムの幅方向に沿って延びる第1内孔と、自身の外周から前記第1内孔へと連通し、前記包装用フィルムの幅方向に沿った長さが周方向によって異なる第1貫通孔を具備するとともに、
前記第2シャフトは、前記第2包装用フィルムの幅方向に沿って延びる第2内孔と、自身の外周から前記第2内孔へと連通し、前記包装用フィルムの幅方向に沿った長さが周方向によって異なる第2貫通孔を具備し、
前記第1内孔及び第2内孔に前記吸引手段を連通させたことを特徴とする手段2又は3に記載のフィルム継ぎ装置。
【0020】
尚、前記第1、第2貫通孔については、周方向によってフィルム幅方向に沿った長さの異なる(例えば、徐変する)1の孔部によって構成することとしてもよいし、周方向に沿って間欠的に形成されたフィルム幅方向に沿った長さの異なる複数の孔部によって構成することとしてもよい。また、孔部は、シャフトの長手方向に沿って間欠的に形成されていてもよい。すなわち、前記第1、第2貫通孔は、シャフトの周方向や長手方向に沿って連続的、又は、間欠的に形成された1又は複数の孔部によって構成することができる。尚、シャフトの長手方向に沿って間欠的に形成された複数の孔部によって貫通孔を構成した場合、「包装用フィルムの幅方向に沿った貫通孔の長さ」とは、複数の孔部のうち最も両端に位置する孔部同士のシャフトの長手方向に沿った距離をいう。
【0021】
上記手段4によれば、第1、第2吸着範囲調節手段は、周方向によって幅の異なる第1、第2貫通孔と、当該第1、第2貫通孔に連通する第1、第2内孔とを備え、前記支持手段の第1、第2軸孔に挿通される円筒状の第1、第2シャフトにより構成されている。そして、当該第1、第2シャフトを支持手段に対して相対回転させることで、吸引孔のうち、吸着手段に連通される開口部を変更することができ、ひいては包装用フィルムの幅方向に沿った吸着範囲を調節可能とされている。従って、例えば、フィルムの幅方向に沿って支持手段に対して相対移動可能であり、吸引孔を開閉可能な部材により第1、第2吸着範囲調節手段を構成するような場合と比較して、フィルムの幅方向に沿った吸着範囲調節手段の移動スペースを確保する必要がなくなり、装置の小型化を図ることができる。
【0022】
手段5.前記支持手段は、
前記第1支持面を有する第1支持手段と、
前記第2支持面を有する第2支持手段とを備え、
前記第1支持手段及び第2支持手段は、前記第1支持面及び第2支持面が同一高さを維持した状態で接離方向に移動可能に設けられていることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載のフィルム継ぎ装置。
【0023】
上記手段5によれば、例えば、第1包装用フィルムの終端や第2包装用フィルムの始端を平行に整えるべく、両包装用フィルムの端部に切断処理を施すとき等、両包装用フィルムを接続する前の処理を比較的容易に行うことができる。また、包装用フィルムを吸着する際に、第1、第2支持手段を離間した状態としておけば、誤って第1吸引孔によって第2包装用フィルムが吸着されてしまう等の不具合をより確実に防止することができる。
【0024】
手段6.前記テープ貼付手段による接着テープの貼付に際し、
前記第1支持面及び第2支持面がほぼ連続するよう第1支持手段及び第2支持手段が近接状態とされることを特徴とする手段5に記載のフィルム継ぎ装置。
【0025】
上記手段6によれば、第1支持面及び第2支持面が同一高さに維持されることと相俟って、接着テープを両包装用フィルムの端部に跨ってより確実に貼付けることができ、包装用フィルムのより一層確実な接合を図ることができる。
【0026】
手段7.前記第1支持手段は、前記テープ貼付手段による接着テープの貼付の前段階において前記第1包装用フィルムの終端部分を切断する際の支持台となる第1カット台を有するとともに、
前記第2支持手段は、前記テープ貼付手段による接着テープの貼付の前段階において前記第2包装用フィルムの始端部分を切断する際の支持台となる第2カット台を有し、
前記第1カット台及び第2カット台のうち少なくとも一方には、前記第1支持手段及び第2支持手段の近接移動に際し、前記両カット台の衝突を防止又は衝突時の応力を緩和するストッパ部材を設けたことを特徴とする手段6に記載のフィルム継ぎ装置。
【0027】
上記手段7によれば、ストッパ部材によって、第1支持手段及び第2支持手段の接近時に、第1カット台及び第2カット台が大きな力で衝突してしまうことをより確実に防止することができる。その結果、第1、第2カット台の損傷をより確実に防止することができ、事前に包装用フィルムの切断処理を行う場合の不具合を抑制することができる。
【0028】
手段8.前記第1及び第2包装用フィルムは、アルミラミネートフィルムであることを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載のフィルム継ぎ装置。
【0029】
アルミラミネートフィルムは、アルミ箔の表面に樹脂フィルムが取着されることで、すなわち、すなわち、材質(性質)の異なる2種以上の薄膜材が積層されることで構成されるものである。また特に、アルミラミネートフィルムは、プラスチック製の包装用フィルムと比べ、その厚みが著しく小さい。このため、フィルム端部においては反り等の変形が比較的生じやすい。
【0030】
このため、上記手段8のように、包装用フィルムとしてアルミラミネートフィルムが用いられる場合には、フィルム端部における変形がより一層懸念されるところである。しかしながらこの点、上記各手段を採用することで、フィルム端部における変形をより確実に防止することができる。換言すれば、上記各手段は、包装用フィルムとしてアルミラミネートフィルムを用いる場合において、特に有意であるといえる。
【0031】
手段9.上記手段1乃至8のいずれかに記載のフィルム継ぎ装置を備えることを特徴とするPTPシート製造装置。
【0032】
上記手段9によれば、上記各手段のフィルム継ぎ装置を有するPTPシート製造装置において、上記各手段による作用効果が奏されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】(a)は、PTPシートを示す斜視図であり、(b)は、PTPフィルムを示す拡大斜視図である。
【図2】PTPシートを示す部分拡大断面図である。
【図3】PTPシート製造装置を説明するための模式図である。
【図4】フィルム供給装置を説明するための模式図である。
【図5】フィルム継ぎ装置の概略構成を説明するための斜視図である。
【図6】第1、第2吸着バーを示す斜視図である。
【図7】(a)は、第1、第2シャフトを示す正面図であり、(b)は、第1、第2シャフトの部分拡大正面図である。
【図8】(a)〜(h)は、周方向に沿って異なる方向から見たときの第1、第2シャフトを示す部分拡大図である。
【図9】(a)〜(c)は、第1、第2シャフトの第1、第2貫通孔の個数を説明するための長手方向に沿って異なる位置におけるシャフトの断面図である。
【図10】(a)は、フィルム端部の切断処理を説明するための正面模式図であり、(b)は、フィルム端部の接着を説明するための正面模式図である。
【図11】(a)は、別の実施形態におけるシャフトの斜視図であり、(b)は、別の実施形態におけるシャフトの正面図である。
【図12】別の実施形態における吸着バーの構成を示す部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1及び図2に示すように、PTPシート(ブリスターシート)1は、例えば、アルミラミネートフィルムからなり、複数のポケット部2を備えた包装用フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして包装用フィルム3に取着されたアルミニウム製のカバーフィルム4とを有している。また、各ポケット部2には、錠剤5が1つずつ収容されている。尚、前記包装用フィルム3としては、例えば、所定厚さ(例えば、40μm程度)のアルミ箔を芯材として、その裏表両面に、所定厚さ(例えば、25μm程度)のポリアミドフィルムと、所定厚さ(例えば、60μm程度)のポリ塩化ビニル(PVC)とをそれぞれ接着剤層を介して接着した、厚さの比較的薄い(例えば、250μm以下の)ものが用いられる。
【0035】
ところで、このようなPTPシート1は、専用のPTPシート製造装置10により製造される。そこで次に、図3を参照して、PTPシート1を製造するためのPTPシート製造装置10の概略について説明する。
【0036】
PTPシート製造装置10は、包装用フィルム3の移送経路の上流側において、前記ポケット部2を形成するためのポケット部成形装置11を備えている。また、当該ポケット部成形装置11の上流側(すなわち、PTPシート製造装置10の最上流側)には、前記包装用フィルム3がロール状に巻回されている。当該包装用フィルム3は、下流側へと間欠的に移送されるとともに、前記ポケット部成形装置11によるポケット部2の成形は、包装用フィルム3の移送動作間のインターバルに行われるようになっている。
【0037】
さらに、ポケット部成形装置11の下流側には、包装用フィルム3の移送経路に沿って、ポケット部2に錠剤5を自動的に充填する錠剤投入装置12と、ポケット部2への異物混入の有無等を検査する検査装置13と、加熱ロール14による加熱・押圧によってカバーフィルム4を包装用フィルム3に貼着するフィルム受けロール15とが配設されている。尚、カバーフィルム4が包装用フィルム3に貼着されることにより、錠剤5が包装用フィルム3及びカバーフィルム4で包まれてなる帯状のPTPフィルム6が形成される。
【0038】
加えて、前記フィルム受けロール15の下流側には、前記PTPフィルム6の移送経路に沿って、スリット(ミシン目)を形成するためのスリット形成装置16、ロットナンバー等の識別情報を示す刻印を付すための刻印装置17、及び、PTPフィルム6をPTPシート1単位に打抜くためのシート打抜装置18が配設されている。尚、シート打抜装置18の下側には、落下するPTPシート1を貯留するための完成品用ホッパ19が設けられている。
【0039】
PTPシート製造装置10の概略は以上のとおりであるが、上述した各種工程が連続的に行われるように、PTPシート製造装置10の最上流側には、包装用フィルム3を連続的に供給可能な機構が要求される。そこで、本実施形態のPTPシート製造装置10は、包装用フィルム3の移送経路の最上流側にフィルム供給装置20を備えている。
【0040】
フィルム供給装置20は、図4に示すように、ロールフィルム21,22と、フィルム継ぎ装置30と、繰出ローラ23と、収納ボックス24と、制御装置25とを備えている。
【0041】
前記ロールフィルム21,22は、前記包装用フィルム3がロール状に巻回されて構成されている。尚、本実施形態においては、2つのロールフィルム21,22を備えることとしているが、3つ以上のロールフィルムを備えることとしてもよい。また、説明の便宜上、一方のロールフィルム21から繰り出される包装用フィルム3をフィルムF1(「第1包装用フィルム」に相当する)と称し、他方のロールフィルム22から繰り出される包装用フィルム3をフィルムF2(「第2包装用フィルム」に相当する)と称する。
【0042】
フィルム継ぎ装置30は、一方のロールフィルム21が消費されたときに、フィルムF1の終端と、他方のロールフィルム22のフィルムF2の始端とを接続する機能を有するものである(フィルム継ぎ装置30の構成及び動作については、後に詳述する)。
【0043】
前記繰出ローラ23は、フィルム継ぎ装置30の下流側において、押圧ローラ26との間でフィルムF1(F2)を挟み込むように配置されている。そして、繰出ローラ23が、図示しない繰出モータによって駆動されることで、ロールフィルム21(22)からフィルムF1(F2)が繰出されるようになっている。
【0044】
また、繰出ローラ23の下流側においては、フィルムF1(F2)が撓むようになっており、前記収容ボックス24内に、フィルムF1(F2)の撓み部分が収容されるようになっている。尚、フィルムF1(F2)を撓ませておくことで、フィルム継ぎ装置30によるフィルム接続時にフィルムF1(F2)の繰り出しを停止したとしても、下流側へとフィルムF1(F2)を連続的に供給できるようになっている。
【0045】
さらに、前記制御装置25は、前記繰出モータの回転量や回転速度を制御することで、繰出ローラ23によるフィルムF1(F2)の繰出量や繰出速度を制御するようになっている。
【0046】
次いで、前記フィルム継ぎ装置30の構成について説明する。
【0047】
図5に示すように、フィルム継ぎ装置30は、突合せ機構40と、カッタ機構50と、テープ貼付手段としてのテープ接着機構60と、消費検出機構70と、吸着手段としての保持機構80とを備えている。
【0048】
前記突合せ機構40は、包装用フィルム3の移送経路の下方に設けられたガイドレール(図示せず)により、フィルム移送方向に往復移動可能に支持された一対の可動台41,42を備えている。加えて、当該一対の可動台41,42には、フィルム移送方向に沿って延び、フィルム幅方向において対向する一対のラック43,44が設けられている。さらに、当該一対のラック43,44の間には、両者に噛み合うようにしてピニオンPIが配置されている。当該ピニオンPIの回転によって前記一対の可動台41,42が相互に接離移動可能とされている。
【0049】
また、前記カッタ機構50は、フィルム幅方向に沿って移動可能に支持され、略コの字状をなす可動フレームMFを備えている。さらに、当該可動フレームMFの両端内側には、一対のロータリーカッタ53,54が回転可能に支持されている。加えて、ロータリーカッタ53,54は、その外側面を後述する第1カット台51及び第2カット台52の内側端縁と接触させた状態で、可動フレームMFとともにフィルム幅方向に移動可能とされている。
【0050】
また、前記カッタ機構50は、前記包装用フィルム3の移送経路の上方において、弾性体(図示略)によって上下移動可能に吊るされた一対の押さえ板55,56(図5において図示略;図10参照)を有している。当該押さえ板55,56は、フィルム幅方向に沿って延びる長板状をなし、前記可動フレームMFの移動に従って、前記ロータリーカッタ53,54の付根部分に押されて、下方へと下がるようになっている。このため、可動フレームMFの移動時(ロータリーカッタ53,54によるフィルムF1,F2のカット時)には、フィルムF1,F2は、押さえ板55,56と前記カット台51,52等との間で挟み込まれるようになっている。
【0051】
前記テープ接着機構60は、接着テープ61と、チャック62と、カッタ63とを備えている。接着テープ61は、前記チャック62に対してフィルム幅方向において対向するように配置されている。また、前記チャック62は、フィルム幅方向に沿って移動可能とされており、前記接着テープ61を引き出せる構成となっている。さらに、前記カッタ63は、上下移動可能とされており、チャック62によって引き出された接着テープ61を切断できるようになっている。尚、テープ接着機構60は、図示しない押圧手段を有しており、フィルムF1,F2を接続する際に、当該押圧手段によってチャック62によって引き出された接着テープ61を上方側から下方側へと押圧可能とされている。
【0052】
消費検出機構70は、終端探知センサ71を備えており、最初に使用されるローラフィルム21より繰り出されるフィルムF1の終端の通過を検知できるようになっている。
【0053】
前記保持機構80は、フィルム幅方向に沿って延びる一対の第1吸着バー81及び第2吸着バー82と、フィルム幅方向に延びる一対の第1カット台51及び第2カット台52とを備えている。
【0054】
前記第1吸着バー81は、前記可動台41の上流側端面に固定されており、前記第2吸着バー82は、可動台42の下流側端面に固定されている。また、第1、第2吸着バー81,82は、それぞれ可動台41,42の移動に従って移動可能とされている。加えて、図6に示すように、第1吸着バー81は、それぞれフィルム幅方向に沿って延びる第1ケーシング83(「第1支持手段」に相当する)と、当該第1ケーシング83内に挿通される第1シャフト85(「第1吸着範囲調節手段」に相当する)とを備えている。また、第2吸着バー82は、それぞれフィルム幅方向に沿って延びる第2ケーシング84(「第2支持手段」に相当する)と、第2ケーシング84内に挿通される第2シャフト86(「第2吸着範囲調節手段」に相当する)とを備えている。
【0055】
前記第1、第2ケーシング83,84は、断面矩形状の外形を有し、第1ケーシング83の内部には、フィルム幅方向に沿って延びる円柱状の第1軸孔87が設けられるとともに、第2ケーシング84の内部には、第1軸孔87と同一形状をなす第2軸孔88が設けられている。また、第1ケーシング83の上面(包装用フィルム3側の面)は、包装用フィルム3を支持するための第1支持面S1を構成し、当該第1支持面S1には、その外表面から前記第1軸孔87に対して連通する複数の第1吸引孔91が、フィルム幅方向に沿って所定間隔毎に等間隔で設けられている。また、第2ケーシング84の上面(包装用フィルム3側の面)は、包装用フィルム3を支持するための第2支持面S2を構成し、当該第2支持面S2には、その外表面から第2軸孔88に連通する複数の第2吸引孔92が、上記第1吸引孔91と同様に所定間隔毎に等間隔で設けられている(尚、図5においては、便宜上、第1、第2吸引孔91,92の個数を減じて示している)。また、前記両支持面S1,S2は、それぞれ同一高さで水平とされており、前記可動台41,42(吸着バー81,82)が相互に接離移動する際であっても、同一高さ及び水平状態を維持できるようになっている。
【0056】
前記第1シャフト85は、自身の外表面が前記第1軸孔87の内周面と密着するように前記第1軸孔87に挿通されており、また、前記第2シャフト86は、自身の外表面が第2軸孔88の内周面と密着するように第2軸孔88に挿通されている。さらに、図7に示すように、第1シャフト85は、自身の内部に、フィルム幅方向に沿って延び、一端部が閉塞した第1中孔93を備え、第2シャフト86は、前記第1中孔93同様に一端部が閉塞した第2中孔94を有している。さらに、第1シャフト85の外周面には、前記第1中孔93に連通する複数の第1貫通孔95が設けられ、第2シャフトの外表面には、第2中孔94に連通する複数の第2貫通孔96が設けられている。
【0057】
前記貫通孔95,96について詳述すると、図8及び図9(a)に示すように、前記シャフト85(86)のうち長手方向ほぼ中央に位置する範囲(「第1範囲」と称す)においては、周方向に沿って等間隔に計n個(本実施形態では、8個)の貫通孔95A(96A),95B(96B),95C(96C),95D(96D),95E(96E),95F(96F),95G(96G),95H(96H)が設けられている。一方で、シャフト85,86の長手方向中央から幅方向外側へと進むにつれて、段階的に周方向に沿った貫通孔95,96の個数が減ぜられている。
【0058】
より詳しくは、前記第1範囲の幅方向外側に隣接する範囲(「第2範囲」と称す)においては、図9(b)に示すように、前記第1範囲において前記貫通孔95H(96H)が形成された部位に貫通孔が形成されることなく、計n−1個(本実施形態では、7個)の貫通孔95A(96A),95B(96B),95C(95C),95D(96D),95E(96E),95F(96F),95G(96G)が周方向に沿って形成されている。また、前記第2範囲の幅方向外側に位置する範囲においては、図9(c)に示すように、前記第1範囲において貫通孔95G(96G),95H(96H)が形成された部位に貫通孔が形成されることなく、計n−2個(本実施形態では、6個)の貫通孔95A(96A),95B(96B),95C(96C),95D(96D),95E(96E),95F(96F)が周方向に沿って形成されている。このように長手方向中央から幅方向外側に進むにつれて、周方向に沿って存在する前記貫通孔95,96の個数が段階的に減ぜられていき、最終的に、シャフト84,85の両端側部位には、周方向に沿って1の貫通孔95A,96Aが形成されている。すなわち、貫通孔95,96は、周方向によってフィルム幅方向に沿った長さ(当該長さは、「複数の貫通孔95,96のうち最も両端側に位置する貫通孔95,96同士のシャフト85,86の長手方向に沿った間隔」を意味する)が異なるように構成されている。
【0059】
尚、図7,9等に示すように、前記シャフト85,56の外周面には、その長手方向に沿って延びる溝105が周方向に沿って等間隔ごとに形成されている。そして、当該溝105に連通するようにして前記貫通孔95,96が直線上に形成されている。そのため、ケーシング83,84に対してシャフト85,86を相対回転させて、両者の位置合わせを行うことで、溝105を介して吸引孔91,92に連通される貫通孔95,96を決定できるようになっている。
【0060】
前記第1、第2カット台51,52は、第1、第2ケーシング83,84の対向面に設けられており、両者の対向部分のうち包装用フィルム3の移送経路側の部位が、互いに突出して形成されている。また、第1カット台51のうち、第2カット台52に対向する面には、第1ストッパ部材45が設けられており、第2カット台のうち、前記第1ストッパ部材45に対向する部位には、第2ストッパ部材46(図5において第1、第2ストッパ部材45,46は不図示;図10参照)が設けられている。当該第1、第2ストッパ部材45,46により、可動台41,42を接近移動させたときに、第1、第2カット台51,52同士が接触しないように構成されている。
【0061】
さらに、図5、図7(a)等に示すように、前記第1、第2ケーシング83,84の外側であって、前記第1、第2シャフト85,86の他端側外周部分には、外歯を有するギア97,98が設けられている。加えて、第1、第2シャフト85,86の他端部には、第1、第2中孔93,94内の空間と連通するようにして、第1バキュームホース99及び第2バキュームホース100の一端部がそれぞれ接続されている。尚、前記第1シャフト85及び第1バキュームホース99,並びに、第2シャフト86及び第2バキュームホース100は、それぞれロータリージョイント(図示せず)を介することにより、相互に相対回転移動な状態で接続されている。
【0062】
加えて、前記バキュームホース99,100の他端部には、前記第1、第2中孔93,94内の空気を吸引可能な吸引装置VA(図5参照;「吸引手段」に相当する)が接続されている。これにより、前記第1、第2吸引孔91,92のうち、前記第1、第2貫通孔95,96に連通した開口部が、フィルムF1,F2を吸着・保持するための吸引口として機能できるようになっている。
【0063】
さらに、前記ギア97,98に対しては、ギア101,102が噛合されており、当該ギア101,102には、ギア101,102の回転軸と同一の中心軸を有する操作用のノブ103,104が固定されている。当該ノブ103,104は、前記可動台41,42の往復移動に伴って移動可能に構成されるとともに、自身の中心軸を回転軸として回転可能に支持されている。尚、前記ノブ103,104を回動させることにより、第1、第2ケーシング83,84に対して前記第1、第2シャフト85,86を相対回動させることができ、ひいては前記吸引孔91,92のうち、貫通孔95,96を介して中孔93,94に連通される吸引孔91,92を決定することができる。つまり、前記ノブ103,104の回動量を調節することにより、フィルム幅方向に沿った第1、第2吸着バー81,82による吸着範囲を調節できるようになっている。
【0064】
次に、上記のように構成されてなるフィルム継ぎ装置30の動作について説明する。
【0065】
まず、前記第1、第2吸着バー81,82によるフィルム幅方向に沿った吸着範囲を予め設定しておく。すなわち、前記ノブ103,104を回動させることにより、前記貫通孔95,96を介して前記中孔93,94に連通される前記吸引孔91,92を決定する。
【0066】
尚、本実施形態において、吸着バー81,82によるフィルム幅方向に沿った吸着範囲は、前記包装用フィルム3(フィルムF1,F2)の幅と略等しくなるように設定される。すなわち、前記フィルムF1の終端部の幅方向両端部、及び、前記フィルムF2の始端部の幅方向両端部を吸着・保持する一方で、前記フィルムF1の終端部の幅方向両端よりも外側、及び、前記フィルムF2の始端部の幅方向両端よりも外側の範囲を吸着しないように吸着範囲が設定される。従って、少なくともフィルムF1,F2の端部の幅方向両端部下面に位置する(本実施形態では、フィルムF1,F2端部の幅方向両端の内側に位置する)部位の吸引孔91,92を、前記貫通孔95,96を介して中孔93,94(吸引装置VA)に連通させる一方で、フィルムF1,F2端部の幅方向両端から外側に位置する部位の吸引孔91,92に対しては、前記中孔83,84に連通させない(閉塞させる)ように、ケーシング83,84に対するシャフト85,86の相対位置が決定される。
【0067】
さらに、本実施形態における吸着バー81,82による幅方向に沿った吸着範囲は、所定の一端側領域から所定の他端側領域までの間とされている(つまり、吸着バー81,82による吸着範囲のうち幅方向一端は、前記一端側領域内に位置し、前記吸着範囲のうち幅方向他端は、前記他端側領域内に位置している)。尚、「一端側領域」とは、フィルムF1,F2の幅方向一端縁と、当該幅方向一端縁よりフィルムF1,F2の幅の20%以内だけ内側に入った位置との間の領域をいう。また、「他端側領域」とは、フィルムF1,F2の幅方向他端縁と、当該幅方向他端縁よりフィルムF1,F2の幅の20%以内だけ内側に入った位置との間の領域をいう。
【0068】
吸着バー81,82による吸着範囲の設定に続いて(または、併せて)、一方のロールフィルム21から繰り出されたフィルムF1の使用中に、他方のロールフィルム22からフィルムF2を繰り出しておく。そして、フィルムF2の始端が第2カット台52よりも下流側に僅かに突出した状態で、吸着バー82によりフィルムF2の始端部を幅方向略全域に亘って吸着・保持する。併せて、前記テープ接着機構60のチャック62によって、接着テープ61を引き出した状態で保持しておく。
【0069】
そして、消費検出機構70の終端検知センサ71によって、使用中のロールフィルム21から繰り出されたフィルムF1の終端が検知されると、上述した制御装置25は、前記繰出モータを制御して、フィルムF1の終端が第1カット台51よりも上流側に僅かに突出した状態となるまでフィルムF1を移送した上で、繰出モータを停止させる。次いで、前記吸着バー81により、フィルムF1の終端部を幅方向略全域に亘って吸着・保持する。尚、繰出モータを停止し、フィルムF1の終端を保持したとしても、フィルム継ぎ装置30の上流側に位置する収容ボックス24内には撓み状態にあるフィルムF1が存在しているため、フィルムF1(包装用フィルム3)をポケット部成形装置11などの下流側の装置へと移送し続けることができる。
【0070】
続いて、カッタ機構50の可動フレームMFを、フィルム幅方向に沿って移動させる。このとき、図10(a)に示すように、可動フレームMFの移動に伴って、ロータリーカッタ53,54の根元部分により前記押さえ板55,56が下方へと押さえ付けられる。このため、ロータリーカッタ53,54によってフィルムF1の終端、及び、フィルムF2の始端を平行に切断する際には、フィルムF1,F2は、吸着バー81,82による吸着と併せて、押さえ板55,56及びカット台51,52により挟まれて保持されることとなる。
【0071】
前記フィルムF1,F2の端部を切断した後、前記可動フレームMFを当初の配置位置に戻すとともに、前記ピニオンPIを回転させることで、ラック43、44を介して前記可動台41,42を相互に接近させる。そして、フィルムF1の終端縁とフィルムF2の始端縁とを突き合わせた状態で配置する。尚、前記ストッパ45,46によって、第1、第2カット台51,52は接触することなく、両カット台51,52の間に若干の隙間が形成された状態でフィルムF1,F2が最接近する。
【0072】
続いて、図10(b)(カッタ機構50等を省略して示す)に示すように、前記チャック62により引き出された接着テープ61が、フィルムF1の終端からフィルムF2の始端に跨って貼付けられる。そして、接着テープ61の貼付後、前記カッタ63により、接着テープ61を切断することにより、フィルムF1の終端とフィルムF2の始端とが接続される。尚、接着テープ61の貼付時には、前記押圧手段により接着テープ61を上方から押圧することによって、両フィルムF1,F2に対して接着テープ61がより確実に接着されるようになっている。
【0073】
フィルムF1,F2の接続完了後、前記制御装置25により前記繰出しモータの停止が解除され、フィルムF2が下流側への供給が開始される。
【0074】
以上詳述したように、本実施形態によれば、接着テープ61を貼付する際に、吸着バー81,82により、フィルムF1の終端部及びフィルムF2の始端部の幅方向両端部が吸着・保持される。このため、反りや丸まり等の変形が特に発生しやすい包装用フィルム3端部の幅方向両端(角部)における変形をより確実に防止することができ、フィルムF1,F2をより確実に接続することができる。
【0075】
さらに、接着テープ61を貼付する際に、前記第1、第2吸引孔91,92のうち、前記吸引装置VAに連通される開口部は、少なくともフィルムF1,F2の端部の幅方向両端部下面に位置する一方で、フィルムF1,F2の端部の幅方向両端よりも外側にはみ出さないように構成される。従って、フィルムF1,F2の幅方向両端よりも外側に位置する吸引孔から空気が引かれることに伴って、フィルムF1,F2の幅方向両端よりも内側に位置する吸引孔91,92(すなわち、フィルムF1,F2を吸着するべき吸引孔91,92)において吸引力が低下してしまうことをより確実に防止できる。その結果、フィルムF1,F2の変形をより効果的に抑制することができ、両フィルムF1,F2を一層確実に接続することができる。
【0076】
さらに、第1、第2吸着範囲調節手段としての第1、第2シャフト85,86によって、吸引装置VAにより吸引される包装用フィルム3の幅方向に沿った範囲を調節することができる。従って、サイズの異なる包装用フィルム3に対応して、包装用フィルム3端部の幅方向両端をより確実に吸着・保持することができる。
【0077】
加えて、本実施形態においては、第1、第2シャフト85,86をケーシング83,84に対して相対回転させることで、第1、第2吸着バー81,82によるフィルムF1,F2の幅方向における吸着範囲を調節可能とされている。従って、例えば、フィルム幅方向に沿ってケーシング83,84に対して相対移動可能であり、吸引孔91,92を開閉可能な部材により第1、第2吸着範囲調節手段を構成する場合と比較して、フィルム幅方向に沿った吸着範囲調節手段の移動スペースを確保する必要がなくなり、装置の小型化を図ることができる。
【0078】
併せて、第1支持面S1及び第2支持面S2が同一高さを維持した状態で接離方向に移動可能とされているため、フィルムF1,F2の端部に切断処理を施すときなど、フィルムF1,F2を接続する前の前処理を比較的容易に行うことができる。さらに、包装用フィルムを吸着する際に、吸着バー81,82同士は離間した状態とされているため、誤って第1吸引孔によって第2包装用フィルムが吸着されてしまう等の不具合をより確実に防止することができる。
【0079】
また、第1支持面S1及び第2支持面S2が同一高さとされており、接着テープ61の貼付に際しては、第1支持面S1及び第2支持面S2がほぼ連続するようケーシング83,84が近接状態とされる。そのため、接着テープ61を両フィルムF1,F2の端部に跨ってより確実に貼付けることができ、フィルムF1,F2の一層確実な接合を図ることができる。
【0080】
さらに、第1、第2ストッパ部材45,46によって、第1、第2ケーシング83,84の接近時に、第1カット台51及び第2カット台52が大きな力で衝突してしまうことをより確実に防止することができる。そのため、第1、第2カット台51,52の損傷をより確実に防止することができる。
【0081】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0082】
(a)上記実施形態では、吸着バー81,82による吸着範囲の幅方向端部が、包装用フィルム3の幅方向両端縁と、フィルム幅方向に沿って前記幅方向両端縁から包装用フィルム3の幅の20%だけ内側に入った位置との間の領域内に位置するように調節されている。これに対して、フィルムF1,F2の変形をより確実に防止するという観点から、吸着バー81,82による吸着範囲を幅方向外側により拡大させることとしてもよい。従って、吸着バー81,82による吸着範囲の幅方向両端部が、包装用フィルム3の幅方向両端縁と、当該幅方向両端縁より包装用フィルム3の幅の10%だけ内側に入った位置との間の領域内に位置するようにすることがより好ましく、包装用フィルム3の幅方向両端縁と、当該幅方向両端縁より包装用フィルム3の幅の5%だけ内側に入った位置との間の領域内に位置するようにすることがより一層好ましい。
【0083】
(b)上記実施形態において、シャフト85,86は、長手方向に沿って周方向における貫通孔95,96の個数を増減させた構成とされているが、シャフト85,86の構成はこれに限定されるものではない。従って、例えば、長手方向に沿って延びる貫通孔を周方向に沿って間欠的に複数形成するとともに、各貫通孔のフィルム幅方向に沿った長さをそれぞれ段階的に異ならせるようにしてもよい。また、図11(a),(b)に示すように、平面状に展開した際に三角形状をなす(すなわち、周方向に沿ってフィルム幅方向に沿った長さが徐変する)貫通孔111を備えたシャフト112を用いることとしてもよい。この場合には、吸着バーによる幅方向に沿った吸着範囲を連続的に調節することができ、より柔軟な吸着範囲の設定を図ることができる。
【0084】
(c)上記実施形態では、貫通孔95,96を有するシャフト85,86によって、吸着バー81,82の幅方向における吸着範囲を調節するための吸着範囲調節手段が構成されているが、吸着範囲調節手段の構成はこれに限定されるものではない。従って、例えば、図12に示すように、ケーシング120の長手方向に沿ってケーシング120に対して相対移動可能に構成され、当該ケーシング120の吸引孔122を開閉可能な蓋板123,124によって吸着範囲調節手段を構成することとしてもよい。尚、この場合には、ケーシング120の軸孔121に吸引装置VAが接続され、軸孔121内の空気が引かれることとなる。
【0085】
(d)上記実施形態では、フィルムF1,F2を離間させた状態で両者の端部を切断することとしているが、フィルムF1,F2を接近させ、両者の端部を重ね合わせた状態で両者の端部を切断することとしてもよい。
【0086】
(e)上記実施形態では、包装用フィルム3としてアルミラミネートフィルムを用いることとしているが、本発明の技術思想を適用可能な包装用フィルムはアルミラミネートフィルムに限定されるものではない。従って、包装用フィルム3としては、例えば、樹脂(例えば、PP)製のフィルムを用いることとしてもよい。
【符号の説明】
【0087】
1…PTPシート、3…包装用フィルム、10…PTPシート製造装置、30…フィルム継ぎ装置、45…ストッパ部材としての第1ストッパ部材、46…ストッパ部材としての第2ストッパ部材、51…第1カット台、52…第2カット台、60…テープ貼付手段としてのテープ接着機構、80…吸着手段としての保持機構、83…第1支持手段としての第1ケーシング、84…第2支持手段としての第2ケーシング、85…第1吸着範囲変更手段としての第1シャフト、86…第2吸着範囲変更手段としての第2シャフト、87…第1軸孔、88…第2軸孔、91…第1吸引孔、92…第2吸引孔、93…第1中孔、94…第2中孔、95…第1貫通孔、96…第2貫通孔、F1…フィルム(第1包装用フィルム)、F2…フィルム(第2包装用フィルム)、S1…第1支持面、S2…第2支持面、VA…吸引装置(吸引手段)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PTPシートの製造過程において用いられ、帯状の第1包装用フィルムの終端と、帯状の第2包装用フィルムの始端とを接続するフィルム継ぎ装置であって、
前記両包装用フィルムの端縁同士を突き合わせた状態で、両包装用フィルムの端縁部分に跨るように接着テープを貼付けるテープ貼付手段と、
前記テープ貼付手段による接着テープの貼付に際し、前記第1包装用フィルムの終端部、及び、前記第2包装用フィルムの始端部を吸着・保持する吸着手段とを備え、
前記吸着手段は、
前記第1包装用フィルムの下端面を支持する第1支持面、及び、前記第2包装用フィルムの下端面を支持する第2支持面を有する支持手段と、
空気を吸引可能な吸引手段とを備え、
前記支持手段には、前記第1支持面及び第2支持面に開口するとともに前記吸引手段に連通可能な第1吸引孔及び第2吸引孔を設け、
前記テープ貼付手段による接着テープの貼付に際し、
前記第1吸引孔のうち、前記吸引手段に連通される開口部が、少なくとも前記第1包装用フィルムの終端部の幅方向両端部下面に位置する一方で、当該第1包装用フィルムの終端部の幅方向両端よりも外側にはみ出さず、かつ、
前記第2吸引孔のうち、前記吸引手段に連通される開口部が、少なくとも前記第2包装用フィルムの始端部の幅方向両端部下面に位置する一方で、当該第2包装用フィルムの始端部の幅方向両端よりも外側にはみ出さないよう構成したことを特徴とするフィルム継ぎ装置。
【請求項2】
PTPシートの製造過程において用いられ、帯状の第1包装用フィルムの終端と、帯状の第2包装用フィルムの始端とを接続するフィルム継ぎ装置であって、
前記両包装用フィルムの端縁同士を突き合わせた状態で、両包装用フィルムの端縁部分に跨るように接着テープを貼付けるテープ貼付手段と、
前記テープ貼付手段による接着テープの貼付に際し、前記第1包装用フィルムの終端部、及び、前記第2包装用フィルムの始端部を吸着・保持する吸着手段とを備え、
前記吸着手段は、
前記第1包装用フィルムの下端面を支持する第1支持面、及び、前記第2包装用フィルムの下端面を支持する第2支持面を有する支持手段と、
空気を吸引可能な吸引手段とを備え、
前記支持手段には、前記第1支持面及び第2支持面に開口するとともに前記吸引手段に連通可能な第1吸引孔及び第2吸引孔を設け、
前記第1吸引孔のうち、前記吸引手段により吸引される前記包装用フィルムの幅方向に沿った範囲を調節する第1吸着範囲調節手段と、
前記第2吸引孔のうち、前記吸引手段により吸引される前記包装用フィルムの幅方向に沿った範囲を調節する第2吸着範囲調節手段とを設けたことを特徴とするフィルム継ぎ装置。
【請求項3】
前記第1吸着範囲調節手段は、
前記テープ貼付手段による接着テープの貼付に際し、
前記第1吸引孔のうち、前記吸引手段に連通される開口部が、少なくとも前記第1包装用フィルムの終端部の幅方向両端部下面に位置する一方で、当該第1包装用フィルムの終端部の幅方向両端よりも外側にはみ出さないよう吸着範囲を調節するものであり、
前記第2吸着範囲調節手段は、
前記テープ貼付手段による接着テープの貼付に際し、
前記第2吸引孔のうち、前記吸引手段に連通される開口部が、少なくとも前記第2包装用フィルムの終端部の幅方向両端部下面に位置する一方で、当該第2包装用フィルムの終端部の幅方向両端よりも外側にはみ出さないよう吸着範囲を調節するものであることを特徴とする請求項2に記載のフィルム継ぎ装置。
【請求項4】
前記支持手段には、前記第1吸引孔に連通し、前記包装用フィルムの幅方向に沿って延びる第1軸孔を設けるとともに、前記第2吸引孔に連通し、前記包装用フィルムの幅方向に沿って延びる第2軸孔を設け、
前記第1軸孔には、該第1軸孔内において回転可能に挿通された第1シャフトを設けるとともに、前記第2軸孔には、該第2軸孔内において回転可能に挿通された第2シャフトを設け、
前記第1シャフトは、前記第1包装用フィルムの幅方向に沿って延びる第1内孔と、自身の外周から前記第1内孔へと連通し、前記包装用フィルムの幅方向に沿った長さが周方向によって異なる第1貫通孔を具備するとともに、
前記第2シャフトは、前記第2包装用フィルムの幅方向に沿って延びる第2内孔と、自身の外周から前記第2内孔へと連通し、前記包装用フィルムの幅方向に沿った長さが周方向によって異なる第2貫通孔を具備し、
前記第1内孔及び第2内孔に前記吸引手段を連通させたことを特徴とする請求項2又は3に記載のフィルム継ぎ装置。
【請求項5】
前記支持手段は、
前記第1支持面を有する第1支持手段と、
前記第2支持面を有する第2支持手段とを備え、
前記第1支持手段及び第2支持手段は、前記第1支持面及び第2支持面が同一高さを維持した状態で接離方向に移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフィルム継ぎ装置。
【請求項6】
前記テープ貼付手段による接着テープの貼付に際し、
前記第1支持面及び第2支持面がほぼ連続するよう第1支持手段及び第2支持手段が近接状態とされることを特徴とする請求項5に記載のフィルム継ぎ装置。
【請求項7】
前記第1支持手段は、前記テープ貼付手段による接着テープの貼付の前段階において前記第1包装用フィルムの終端部分を切断する際の支持台となる第1カット台を有するとともに、
前記第2支持手段は、前記テープ貼付手段による接着テープの貼付の前段階において前記第2包装用フィルムの始端部分を切断する際の支持台となる第2カット台を有し、
前記第1カット台及び第2カット台のうち少なくとも一方には、前記第1支持手段及び第2支持手段の近接移動に際し、前記両カット台の衝突を防止又は衝突時の応力を緩和するストッパ部材を設けたことを特徴とする請求項6に記載のフィルム継ぎ装置。
【請求項8】
前記第1及び第2包装用フィルムは、アルミラミネートフィルムであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のフィルム継ぎ装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のフィルム継ぎ装置を備えることを特徴とするPTPシート製造装置。
【請求項1】
PTPシートの製造過程において用いられ、帯状の第1包装用フィルムの終端と、帯状の第2包装用フィルムの始端とを接続するフィルム継ぎ装置であって、
前記両包装用フィルムの端縁同士を突き合わせた状態で、両包装用フィルムの端縁部分に跨るように接着テープを貼付けるテープ貼付手段と、
前記テープ貼付手段による接着テープの貼付に際し、前記第1包装用フィルムの終端部、及び、前記第2包装用フィルムの始端部を吸着・保持する吸着手段とを備え、
前記吸着手段は、
前記第1包装用フィルムの下端面を支持する第1支持面、及び、前記第2包装用フィルムの下端面を支持する第2支持面を有する支持手段と、
空気を吸引可能な吸引手段とを備え、
前記支持手段には、前記第1支持面及び第2支持面に開口するとともに前記吸引手段に連通可能な第1吸引孔及び第2吸引孔を設け、
前記テープ貼付手段による接着テープの貼付に際し、
前記第1吸引孔のうち、前記吸引手段に連通される開口部が、少なくとも前記第1包装用フィルムの終端部の幅方向両端部下面に位置する一方で、当該第1包装用フィルムの終端部の幅方向両端よりも外側にはみ出さず、かつ、
前記第2吸引孔のうち、前記吸引手段に連通される開口部が、少なくとも前記第2包装用フィルムの始端部の幅方向両端部下面に位置する一方で、当該第2包装用フィルムの始端部の幅方向両端よりも外側にはみ出さないよう構成したことを特徴とするフィルム継ぎ装置。
【請求項2】
PTPシートの製造過程において用いられ、帯状の第1包装用フィルムの終端と、帯状の第2包装用フィルムの始端とを接続するフィルム継ぎ装置であって、
前記両包装用フィルムの端縁同士を突き合わせた状態で、両包装用フィルムの端縁部分に跨るように接着テープを貼付けるテープ貼付手段と、
前記テープ貼付手段による接着テープの貼付に際し、前記第1包装用フィルムの終端部、及び、前記第2包装用フィルムの始端部を吸着・保持する吸着手段とを備え、
前記吸着手段は、
前記第1包装用フィルムの下端面を支持する第1支持面、及び、前記第2包装用フィルムの下端面を支持する第2支持面を有する支持手段と、
空気を吸引可能な吸引手段とを備え、
前記支持手段には、前記第1支持面及び第2支持面に開口するとともに前記吸引手段に連通可能な第1吸引孔及び第2吸引孔を設け、
前記第1吸引孔のうち、前記吸引手段により吸引される前記包装用フィルムの幅方向に沿った範囲を調節する第1吸着範囲調節手段と、
前記第2吸引孔のうち、前記吸引手段により吸引される前記包装用フィルムの幅方向に沿った範囲を調節する第2吸着範囲調節手段とを設けたことを特徴とするフィルム継ぎ装置。
【請求項3】
前記第1吸着範囲調節手段は、
前記テープ貼付手段による接着テープの貼付に際し、
前記第1吸引孔のうち、前記吸引手段に連通される開口部が、少なくとも前記第1包装用フィルムの終端部の幅方向両端部下面に位置する一方で、当該第1包装用フィルムの終端部の幅方向両端よりも外側にはみ出さないよう吸着範囲を調節するものであり、
前記第2吸着範囲調節手段は、
前記テープ貼付手段による接着テープの貼付に際し、
前記第2吸引孔のうち、前記吸引手段に連通される開口部が、少なくとも前記第2包装用フィルムの終端部の幅方向両端部下面に位置する一方で、当該第2包装用フィルムの終端部の幅方向両端よりも外側にはみ出さないよう吸着範囲を調節するものであることを特徴とする請求項2に記載のフィルム継ぎ装置。
【請求項4】
前記支持手段には、前記第1吸引孔に連通し、前記包装用フィルムの幅方向に沿って延びる第1軸孔を設けるとともに、前記第2吸引孔に連通し、前記包装用フィルムの幅方向に沿って延びる第2軸孔を設け、
前記第1軸孔には、該第1軸孔内において回転可能に挿通された第1シャフトを設けるとともに、前記第2軸孔には、該第2軸孔内において回転可能に挿通された第2シャフトを設け、
前記第1シャフトは、前記第1包装用フィルムの幅方向に沿って延びる第1内孔と、自身の外周から前記第1内孔へと連通し、前記包装用フィルムの幅方向に沿った長さが周方向によって異なる第1貫通孔を具備するとともに、
前記第2シャフトは、前記第2包装用フィルムの幅方向に沿って延びる第2内孔と、自身の外周から前記第2内孔へと連通し、前記包装用フィルムの幅方向に沿った長さが周方向によって異なる第2貫通孔を具備し、
前記第1内孔及び第2内孔に前記吸引手段を連通させたことを特徴とする請求項2又は3に記載のフィルム継ぎ装置。
【請求項5】
前記支持手段は、
前記第1支持面を有する第1支持手段と、
前記第2支持面を有する第2支持手段とを備え、
前記第1支持手段及び第2支持手段は、前記第1支持面及び第2支持面が同一高さを維持した状態で接離方向に移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフィルム継ぎ装置。
【請求項6】
前記テープ貼付手段による接着テープの貼付に際し、
前記第1支持面及び第2支持面がほぼ連続するよう第1支持手段及び第2支持手段が近接状態とされることを特徴とする請求項5に記載のフィルム継ぎ装置。
【請求項7】
前記第1支持手段は、前記テープ貼付手段による接着テープの貼付の前段階において前記第1包装用フィルムの終端部分を切断する際の支持台となる第1カット台を有するとともに、
前記第2支持手段は、前記テープ貼付手段による接着テープの貼付の前段階において前記第2包装用フィルムの始端部分を切断する際の支持台となる第2カット台を有し、
前記第1カット台及び第2カット台のうち少なくとも一方には、前記第1支持手段及び第2支持手段の近接移動に際し、前記両カット台の衝突を防止又は衝突時の応力を緩和するストッパ部材を設けたことを特徴とする請求項6に記載のフィルム継ぎ装置。
【請求項8】
前記第1及び第2包装用フィルムは、アルミラミネートフィルムであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のフィルム継ぎ装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のフィルム継ぎ装置を備えることを特徴とするPTPシート製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−275024(P2010−275024A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−126018(P2009−126018)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【Fターム(参考)】
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