説明

フイルム剥離装置

【課題】 フイルム付シートのシートに損傷や変形を加えることなくフイルムを確実に剥離してフイルムを回収できるようにしたフイルム剥離装置を提供する。
【解決手段】 接着ステーションAと剥離回収ステーションBとに移動可能な剥離ヘッド14のヘッド本体22に同方向へ移動可能な移動体24を設け、移動体24に粘着テープ4の一端側に繋がる粘着テープ巻付体29を巻戻し回転可能なテープ支持装置30を設け、ヘッド本体22に粘着テープ4の他端側に繋がる粘着テープ巻取体35を巻取り回転可能な巻取り装置36を設け、剥離ヘッドの移動によってシートから剥がされたフイルム3を保持可能なフイルム保持手段18と、フイルム保持手段18をフイルム回収容器16の上方へ移動可能な移動手段20を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、積層チップコンデンサー等の積層電子部品を製造するセラミックグリーンシート等のフイルム付シートからフイルムを剥離するフイルム剥離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のフイルム剥離装置には、特許文献1〜4に記載のものが提案されている。
特許文献1には、グリーンセラミックス基板を保持する保持台の上方位置に水平方向に移動できる台車を設け、その台車にフイルムの耳を剥離する粘着ローラを備えたアームと、粘着ローラにより剥離されたフイルムの耳を開閉爪で把持して斜め上方へ引き上げる引上げ機構とを設け、粘着ローラをフイルム付基板の端部に接触させた状態で台車を移動させ、粘着ローラが回転することで基板端部のフイルムの耳を剥離し、そのフイルムの耳を引上げ機構の開閉爪で把持して引上げると共に台車を移動させてフイルムを剥離し、開閉爪がフイルムの把持を開放するようにしたフイルム剥離装置が記載されている。
特許文献2には、ドラムを回転させる回転駆動機構と、ドラムを周速と等速度で径方向に移動させるリニア駆動機構と、ドラムを上下させる上下動機構とを備え、ドラムの円周面の一部に設けた平坦な吸着面をセラミックグリーンシートの端縁部に当ててその端縁部を吸着し、その状態でドラムを他方の端縁部に向かって移動させると共に転がり回転させ、キャリアフイルムをドラムの周面で押えた状態でそのキャリアフイルムを剥離し、吸着面での吸着を解除してキャリアフイルムを廃棄するようにしたキャリアフイルム剥離装置が記載されている。
【0003】
特許文献3には、フイルム付シート体を固定支持する支持手段と、粘着部を有し、シート体のフイルム端部に接着した状態で振動しながら回転してフイルムを巻き取る剥しローラと、剥しローラをシート体に沿って移動させる走査スライダと、剥しローラを上下動させる上下スライダと、剥しローラからフイルムを回収する回収ローラを備え、シート体端部のフイルムに接着させた剥しローラを回転させてフイルムを巻き取り、剥しローラを逆転させてフイルムを巻戻して回収ローラに挟持させ、回収ローラの回転によってフイルムを剥しローラの粘着部から剥離して回収するようにしたフイルム剥離装置が記載されている。
特許文献4には、シートを固定するための保持部材と、粘着性の外周面を有してキャリアフイルムの一部をセラミックグリーンシートから剥離する剥がし代形成用粘着ロールと、粘着性の外周面を有してキャリアフイルムをセラミックグリーンシートから除去するための除去用粘着ロールから成るロール部と、ロール部のシートに対する相対的な位置を調整する位置調整機構とを備え、キャリアフイルムに押し当てた粘着ロールを転動させることでキャリアフイルムの一部を巻取って剥離する部分剥離工程と、粘着ロールを転動の逆向きに回転させてキャリアフイルムから離す工程とを含む剥がし代形成工程と、剥がし代の領域のうち端部を避けた位置に粘着ロールを押し当てて回転させてキャリアフイルムを引き剥がすキャリアフイルム除去工程と、セパレータにより粘着ロールの外周面からキャリアフイルムを剥ぎ取って回収筒に回収する工程を行うキャリアフイルム剥離装置が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開平5−16220号公報
【特許文献2】特開平6−255880号公報
【特許文献3】特開平9−267423号公報
【特許文献4】特開平2004−17623号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のものでは、粘着ローラをグリーンセラミックス基板の端部に接触させた状態で台車を移動させることで粘着ローラを回転させてフイルムの耳を剥離しようとしているので、基板の粘着ローラ接着部に台車移動方向の力が作用して基板を損傷させたり変形させる問題がある上に、フイルムの耳を開閉爪で把持して引上げるので、装置の構造が複雑になったり誤作動を起こし易く、しかも、粘着ローラの粘着力の低下により誤作動を起こし易い問題がある。
特許文献2に記載のものでは、ドラムの吸着面でセラミックグリーンシートの端縁部を吸着した状態でドラムを他方の端縁部に向かって移動させると共に転がり回転させてキャリアフイルムを剥離するようにしているので、ドラムの移動と回転によってセラミックグリーンシートを損傷させ易い問題がある上に、ドラムの移動と回転を同期させるための装置が複雑になってコスト高になり、しかも、吸着面の当接具合で誤作動を生じ易い問題がある。
【0006】
特許文献3に記載のものでは、特許文献2と同様に、フイルム付シート体の端部に接着させた剥しローラを回転させると共にシート体に沿って移動させてフイルムを巻き取るようにしているので、剥しローラの回転と移動によってシート体を損傷させ易い問題がある上に、剥しローラの移動と回転を同期させるための装置が複雑になってコスト高になり、しかも、剥しローラの粘着力の低下により誤作動を起こし易い問題がある。
特許文献4に記載のものでは、キャリアフイルムに押し当てた粘着ロールをセラミックグリーンシートの移動により転動させることでキャリアフイルムを巻取って剥離するようにしているので、特許文献1と同様に、セラミックグリーンシートの粘着ロール接着部にシート移動方向の力が作用してシートを損傷させたり変形させる問題があり、また、剥がし代形成用粘着ロールと除去用粘着ロールとでキャリアフイルムを剥離するようにしているので、工程が複雑になって処理時間が長くなったり機構が複雑になる問題があり、しかも、セパレータによって粘着ロールの外周面からキャリアフイルムを剥ぎ取るようにしているので、粘着ロールからのキャリアフイルムの剥ぎ取りが不安定で誤作動を起こし易く、また、粘着ロールの粘着力の低下により誤作動を起こし易い問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、前記各特許文献の課題に鑑み、フイルム付シートのシートに損傷や変形を加えることなくフイルムを確実に接着してシートの剥離始端側隅角部から剥離終端側隅角部へ円滑に剥離できるようにした簡易な構成のフイルム剥離装置を提供することを課題とする。また、本発明は、シートから剥離したフイルムのみを確実に回収できるようにしたフイルム剥離装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の請求項1の発明は、前記課題を達成するため、載置台上に保持したフイルム付シートの上側のフイルムを粘着テープを用いてシートから剥離するようにしたフイルム剥離装置において、フイルム付シートの剥離始端側隅角部に対応する接着ステーションとフイルム付シートの相対向する剥離終端側隅角部に対応する剥離回収ステーションとに往復移動可能な剥離ヘッドを備え、その剥離ヘッドに接着ステーションにおいてフイルム付シートの剥離始端側隅角部の上方を剥離ヘッド移動方向へ延びる粘着テープを粘着部が下側になるように備えると共にその粘着テープの一部を押下げ可能に設け、フイルム付シートの剥離始端側隅角部の上方に位置する粘着テープの一部を押下げてフイルム付シートの剥離始端側隅角部上に接着可能な押圧手段を備えて成ることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、剥離ヘッドに接着ステーションと剥離回収ステーションとに往復移動可能なヘッド本体とそのヘッド本体に対して同方向へ所定量往復移動可能な移動体を備え、ヘッド本体に粘着テープの剥離終端側隅角部側の端部を保持させ、移動体に粘着テープの剥離始端側隅角部側の端部を保持させ、接着ステーションにおいて移動体を剥離終端側隅角部方向へ移動させて粘着テープの剥離始端側隅角部側の端部のみを剥離終端側隅角部方向へ移動可能にしたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3の発明は、剥離ヘッドに、粘着部が下側の片面粘着テープの一端側に繋がる粘着テープ巻付体を回転可能に支持するテープ支持装置と、粘着テープの他端側に繋がる粘着テープ巻取体を巻取り回転可能な巻取り装置を備え、粘着テープ巻取体を巻取り回転させて粘着テープ巻付体の粘着テープを引き出し、フイルム付シートの剥離始端側隅角部上に接着させる粘着テープの接着部を新しくできるようにしたことを特徴とする。
また、請求項4の発明は、剥離ヘッドの剥離回収ステーション付近に剥離後のフイルムを収容可能なフイルム回収容器を備え、剥離ヘッドの剥離回収ステーションへの移動によってシートから剥がされたフイルムを保持可能なフイルム保持手段と、そのフイルム保持手段をフイルム回収容器の上方へ移動可能な移動手段を備え、剥離したフイルムを粘着テープから剥がすとともにフイルム回収容器に回収可能にしたことを特徴とする。
また、請求項5の発明は、剥離ヘッドに、剥離ヘッド移動方向へ延びる粘着テープの押圧手段による押下げ位置より剥離終端側部分が下側へ弛むのを防止する弛み防止手段を備えていることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、押圧手段による押下げ位置より剥離始端側の粘着テープを剥離終端側方向へ移動させることでフイルム付シートの隅角部がシートから剥がれて折り返されたことを検出可能な検出器を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本願の請求項1の発明は、フイルム付シートの剥離始端側隅角部に対応する接着ステーションとフイルム付シートの相対向する剥離終端側隅角部に対応する剥離回収ステーションとに往復移動可能な剥離ヘッドを備え、その剥離ヘッドに接着ステーションにおいてフイルム付シートの剥離始端側隅角部の上方を剥離ヘッド移動方向へ延びる粘着テープを粘着部が下側になるように備えると共にその粘着テープの中間部を押下げ可能に設け、フイルム付シートの剥離始端側隅角部の上方に位置する粘着テープの一部を押下げてフイルム付シートの剥離始端側隅角部上に接着可能な押圧手段を備え、接着ステーションにおいて粘着テープの一部を押下げてフイルム付シートの剥離始端側隅角部上に接着した状態で粘着テープを剥離終端側方向へ移動させてフイルムを折り返して剥離できるようにしたので、粘着テープがフイルム付シートに無理な力を加えることなくフイルムを確実に剥離でき、シートの品質を高く維持できる。また、粘着テープの中間部をフイルム付シートの剥離始端側隅角部上に接着した状態で粘着テープを移動させてフイルムを折り返すようにしたので、フイルム剥離の接着部として粘着テープを有効に利用でき、粘着テープの粘着力を長時間に亘って維持でき、フイルム剥離の誤作動を防止できる。また、往復移動可能な剥離ヘッドに設けた粘着テープの一部を押下げてフイルム付シートの剥離始端側隅角部上に接着し、剥離ヘッドの移動によってフイルム付シートのフイルムを折り返して剥離するようにしたので、フイルム剥離の駆動装置や機構を簡易な構成にでき、安定作動の装置を安価に提供できる。
【0011】
本願の請求項2の発明は、剥離ヘッドに接着ステーションと剥離回収ステーションとに往復移動可能なヘッド本体とそのヘッド本体に対して同方向へ所定量往復移動可能な移動体を備え、ヘッド本体に粘着テープの剥離終端側隅角部側の端部を保持させ、移動体に粘着テープの剥離始端側隅角部側の端部を保持させ、接着ステーションにおいて移動体を剥離終端側隅角部方向へ移動させて粘着テープの剥離始端側隅角部側の端部のみを剥離終端側隅角部方向へ移動可能にしたので、接着ステーションにおいて移動体を剥離終端側隅角部方向へ第1剥離移動させることで剥離始端側隅角部のフイルムを確実に初期剥離した後、ヘッド本体を剥離終端側隅角部方向へ第2剥離移動させることでフイルムを全体剥離することができ、簡易な機構でフイルムの剥離を確実にできる。
本願の請求項3の発明は、剥離ヘッドの剥離始端側部分に、粘着部が下側の片面粘着テープの一端側に繋がる新しい未使用の粘着テープ巻付体を回転可能に支持するテープ支持装置と、粘着テープの他端側に繋がる粘着テープ巻取体を巻取り回転可能な巻取り装置を備え、粘着テープ巻取体を巻取り回転させて粘着テープ巻付体の粘着テープを引き出し、フイルム付シートの剥離始端側隅角部上に接着させる粘着テープの接着部を新しくできるようにしたので、粘着テープの巻取りにより粘着テープの中間部の接着部を新たな粘着部に変更でき、フイルム剥離に市販の巻付け粘着テープを長期間使用でき、また、粘着テープの消費量を必要最小限に少なくでき、粘着テープの交換時間を少なくして装置の稼働率を良くできる。
【0012】
本願の請求項4の発明は、剥離ヘッドの剥離回収ステーション付近に剥離後のフイルムを収容可能なフイルム回収容器を備え、剥離ヘッドの剥離回収ステーションへの移動によってシートから剥がされたフイルムを保持可能なフイルム保持手段と、そのフイルム保持手段をフイルム回収容器の上方へ移動可能な移動手段を備え、剥離したフイルムを粘着テープから剥がすとともにフイルム回収容器に回収可能にしたので、剥離ヘッドの移動を利用して粘着テープとフイルムの接着を確実に剥離することができると共に剥離したフイルムのみをフイルム回収容器に回収でき、フイルムの後処理を容易にできる。
本願の請求項5の発明は、剥離ヘッドに、剥離ヘッド移動方向へ延びる粘着テープの押圧手段による押下げ位置より剥離終端側部分が下側へ弛むのを防止する弛み防止手段を備えているので、接着部より剥離始端側の粘着テープを剥離終端側方向へ大きく移動させる場合でも粘着テープの剥離終端側がフイルム付シートに接着するトラブルを防止でき、剥離ヘッドの移動のみで粘着テープを移動させてフイルムを剥離でき、簡易な構成にできる。
本願の請求項6の発明は、押圧手段による押下げ位置より剥離始端側の粘着テープを剥離終端側方向へ移動させることでフイルム付シートの隅角部がシートから剥がれて折り返されたことを検出可能な検出器を備えているので、フイルム付シートのフイルム剥離の誤作動を未然に防止でき、フイルム付シートの損傷を阻止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の最良の実施形態について、図に基づいて詳細に説明する。
図1は、フイルム付シートであるセラミックグリーンシート2(シート2とも記す)の上側のフイルム3を粘着面が下側になっている粘着部が片面の粘着テープ4を用いてシート2から剥離するようにしてあるフイルム剥離装置1の正面図、図2は、図1のフイルム剥離装置1の平面図、図3は、図1のフイルム剥離装置1の作動状態を示す正面図である。
フイルム剥離装置1は、床に設置されているフレーム6と、フレーム6上に設置されている載置台8と、フレーム6上に設置されている支持体10によって載置台上のフイルム3付のシート2(フイルム付シート2と記す)の剥離始端側隅角部2a上方からフイルム付シート2の相対向する剥離終端側隅角部2b上方の方向へほぼ水平に支持されている移動手段12と、移動手段12によって載置台上のフイルム付シート2の剥離始端側隅角部2aに対応する接着ステーションAとフイルム付シート2の相対向する剥離終端側隅角部2bに対応する剥離回収ステーションBとに往復移動可能にしてある剥離ヘッド14を備えている。また、フイルム剥離装置1は、剥離ヘッド14の剥離回収ステーションB付近のフレーム6上に載置されて剥離後のフイルムを収容可能なフイルム回収容器16と、剥離ヘッド14の剥離回収ステーションBへの移動によってシート2から剥がされたフイルム3を保持可能なフイルム保持手段18と、そのフイルム保持手段18をフイルム回収容器16の上方へ移動可能な移動手段20とを備えている。
【0014】
載置台8は、フレーム6上に固着されている支持台8aと、支持台8a上に固着されてフイルム3付シート2を水平に支持すると共に吸着保持可能なシート保持板8bと、図示しない空気吸引装置を備え、シート保持板8bの上面の全面にまたは剥離始端側隅角部2aに対応する部分を含む適当な部分に小さな多数の吸引孔が形成されている。なお、シート保持板8bは、全体を多孔質材料で構成してシート2を載置する面の全面でシート2を吸着保持するようにしても良い。また、図では、載置台8がフレーム6上に固定的に設置されている例を示しているが、載置台8またはシート保持板8bが図示しない搬送手段によって搬送されてきて位置決め停止され、その停止位置でシート剥離された後、再び搬送手段によって図示しないシート処理ステーションに搬送されるようにしても良い。
移動手段12は、モータ駆動の長いアクチュエータ13によって構成されている。アクチュエータ13は、長いアクチュエータ本体13aと、アクチュエータ本体13a内に回転自在に支承されているねじ軸13bと、アクチュエータ本体13aの端部に固着されてねじ軸13bを回転駆動するサーボモータ13cと、アクチュエータ本体13aに固着された図示しない案内レールに案内されてねじ軸13bの回転によって長手方向へ移動されるスライダ13dを備えている。なお、移動手段12は、モータによって移動されるベルトによってスライダ13dを移動させるように構成した他の手段でも良い。
【0015】
剥離ヘッド14は、図4〜6に示すように、移動手段12のスライダ13dに固着されて接着ステーションAと剥離回収ステーションBとに往復移動可能なヘッド本体22と,ヘッド本体22に固着されたエアシリンダ23によってヘッド本体22に対してヘッド本体22の移動方向と同方向へ所定量往復移動可能な移動体24を備えている。エアシリンダ23は、ヘッド本体22に軸線がヘッド本体22の移動方向へ向くように固着されているシリンダ本体23aと、シリンダ本体23aに設けた案内レール23bに案内されて図示しないピストンロッドによってヘッド本体22の移動方向へ移動可能な摺動体23cを備え、その摺動体23cに移動体24が固着されている。シリンダ本体23aには、摺動体23cに設けられた当接片27を受け止めるストッパ26aと摺動体23cの端面を受け止めるストッパ26bが装着され、摺動体23cに設けた移動体24を図4に示す初期剥離開始位置と図8に示す初期剥離終了位置とに移動させて保持するようになっている。
【0016】
移動体24には、粘着部が下側の片面粘着テープ4の一端側に繋がる粘着テープ巻付体29を回転可能に支持するテープ支持装置30と、粘着テープ4の中間部を案内するガイドローラ31と、粘着テープ巻付体29の巻戻し回転を阻止する為の回転阻止装置32と、粘着テープ4の一部を押下げてフイルム付シート2の剥離始端側隅角部2a上のフイルム3に接着可能な押圧手段33と、移動体24が剥離終端側へ移動する際に粘着テープ4をガイドローラ31の下端部近くに保持可能なテープ保持片34とが装着されている。また、ヘッド本体22には、粘着テープ4の他端側に繋がる粘着テープ巻取体35を巻取り回転可能な巻取り装置36と、粘着テープ4の中間部を案内するガイドローラ37と、粘着テープ4の中間部の押圧手段33による押下げ位置より剥離終端側部分が下側へ弛むのを防止する弛み防止手段38が装着されている。弛み防止手段38は、粘着テープ4の中間部が弛んで粘着テープ4のフイルム4に接着するのを防止するためのもので、粘着テープ4のフイルム4への接着の恐れがないときは省略しても良い。ガイドローラ31とガイドローラ37は、載置台8のシート保持板8bの上方に僅かな間隔をあけてほぼ同じ高さに配置され、ガイドローラ31とガイドローラ37間の粘着テープ4をシート保持板8bの上方でほぼ水平に支持するようになっている。ガイドローラ31は回転自在でも固定的でも何れでも良い。
【0017】
テープ支持装置30は、図5に示すように、移動体24に一端部が枢軸40により揺動自在に枢着されている揺動アーム41と、その揺動アーム41の他端部に図示しない支軸を介して回転自在に支承されている回転体42を備えている。回転体42には、粘着テープ巻付体29の側面を受け止める側板42aと粘着テープ巻付体29の中心孔を着脱自在に嵌着可能な嵌合体42bが回転中心と同芯になるように設けられ、嵌合体42bに粘着テープ4の一端側に繋がる粘着テープ巻付体29が嵌着され、その粘着テープ巻付体29がガイドローラ31に自重で当接されている。回転阻止装置32は、粘着テープ巻付体29をガイドローラ31に押付け可能なエアシリンダ44によって構成され、エアシリンダ44のシリンダ本体44aが移動体24に固着された支持プレート45に固着され、エアシリンダ44のピストンロッド44bに弾性部材から成る押当具44cが固着されている。
押圧手段33は、粘着テープ4の一部を押下げ可能なエアシリンダ46によって構成され、エアシリンダ46のシリンダ本体46aが移動体24に固着された支持プレート44に固着され、エアシリンダ46のピストンロッド46bに弾性部材から成る押圧具46cがフイルム付シート2の剥離始端側隅角部2aに対向するように固着されている。ピストンロッド46bは移動体24に固着された案内具47によって摺動自在に案内されている。
【0018】
巻取り装置36は、図6に示すように、ヘッド本体22に固着されている支承体50の支軸50aに回転自在に支承されている回転体51と、回転体51を巻取り方向へ所定量ずつ間欠回転可能な回転駆動装置53を備えている。回転体51には、ラチェット歯車51aと、粘着テープ巻取体35の側面を受け止める一対の側板51b、51cと、粘着テープ巻取体35の中心孔を着脱自在に嵌着可能な嵌合体51dが回転中心と同芯になるように設けられている。回転体51の自由端側の側板51cは、嵌合体51dに取付ねじ55によって着脱可能に取着され、側板51cを取外した状態で粘着テープ巻取体35の中心孔を嵌合体51dに着脱できるようになっている。ラチェット歯車51aは、ヘッド本体22に枢着されて自重によって垂下している逆止爪58に係合され、巻取り方向と逆方向への回転を阻止し、巻取り方向への回転を許すようになっている。回転駆動装置53は、ラチェット歯車51aに係合する可動逆止爪60を所定量往復移動可能なエアシリンダ62によって構成され、エアシリンダ62のシリンダ本体62aがヘッド本体22に固着されている取付板63に固着され、エアシリンダ62のピストンロッド62bに可動逆止爪60が枢着されている。可動逆止爪60は、自重によってラチェット歯車51aに当接し、往復移動されることでラチェット歯車51aを爪ピッチ分回動させて回転体51を巻取り方向へ所定量回転させるようになっている。回転体51が巻取り方向へ所定量回転すると、嵌合体51dに嵌着された粘着テープ巻取体35が粘着テープ4を所定長さ分巻取ると共に、テープ支持装置30の粘着テープ巻付体29を巻戻し回転させて粘着テープ4を引き出し、その結果、押圧手段33によって押下げる粘着テープ4の中間部の接着部が新しい部分に変更されるようになっている。
【0019】
弛み防止手段38は、ヘッド本体22に固着されている枢軸66に回動自在に装着されて図示しない付勢ばねまたはウエイトによって図4において時計回り方向へ付勢されている引張りレバー70によって構成され、引張りレバー70の先端部が押圧手段33による押下げ位置より剥離終端側部分の粘着テープ4を引っ掛けて側方へ引っ張り移動させるようになっている。なお、弛み防止手段38は、エアシリンダ等の弱いエア圧によって移動する移動部材によって粘着テープ4を引っ張り移動させるように構成しても良い。
【0020】
フイルム保持手段18は、図1〜3に示すように、フレーム6上に設置されている支柱73に固着された取付板74に回転シリンダ75が装着され、回転シリンダ75の回転軸75aに固着された支持体76に吸引管77が固着され、その吸引管77の先端部に吸引パッド78が装着され、吸引管77に吸引力を作用させて吸引パッド78で吸着するように構成されている。吸引パッド78は、剥離ヘッド14の剥離回収ステーションBの下方で接着ステーションAの方向に向けられた位置に移動可能になっており、剥離ヘッド14の剥離回収ステーションBへの移動によってシート2から剥がされて垂れ下がるフイルム3の前面に対向させてフイルム3を確実に吸着保持できるようになっている。また、フイルム保持手段18は、次に示すフイルム回収容器16の上方の保持開放位置Dに移動可能になっており、この保持開放位置Dで吸引パッド78からの空気吸引を停止、または、空気吐出してフイルム3の吸着保持を開放できるようになっている。フイルム保持手段18の吸引パッド78を移動させる移動手段20は、前記取付板74に装着された回転シリンダ75によって構成され、回転シリンダ75の回転軸75aを回転させることで吸引管76を介して吸引パッド78を図2に実線で示す吸着保持位置Cとフイルム回収容器16の上方の仮想線で示す保持開放位置Dに移動させるようになっている。
【0021】
移動手段12のアクチュエータ本体13aの端部には、取付部材80が固着され、その取付部材80に図8に示すようにシート2のフイルム3の隅角部3aがシート2から剥がれて折り返されたことを検出可能な検出器84が取着されている。検出器82は、例えば押圧手段33による押下げ位置より剥離始端側の粘着テープ4を剥離終端側方向へ所定量移動させた時点におけるフイルム3迄の距離を光学的または電波的に測定することでシート2の隅角部2aの剥離を検出できるようになっている。
【0022】
次に、前記装置1の作動について説明すると共に前記装置を用いたフイルム剥離方法について説明する。
前記装置1を作動させてフイルム付シート2のフイルム3を剥離する場合、先ず、載置台8のシート保持板8b上にフイルム付シート2を載せて吸着保持させる。剥離ヘッド14においては、エアシリンダ23を作動させて摺動体23cを図4に示す剥離始端側の移動端に移動させ、移動体24を初期剥離開始位置に停止保持させる。また、押圧手段33のエアシリンダ46を作動させて押圧具46cを図4に示すように上昇位置に保持させると共に、回転阻止装置32のエアシリンダ44を作動させて押当具44cを上昇位置に保持させ、この状態で、揺動アーム41を上側へ揺動させて嵌合体42bに片面粘着テープ4を巻付けて成る例えば市販のセロテープ(登録商標)等の粘着テープ巻付体29をガイドローラ31に案内させる片面粘着テープ4の下側が粘着部になるように嵌着させる。また、粘着テープ巻付体29の粘着テープ4を巻戻して引き出し、ガイドローラ31とガイドローラ37の下側に案内させ、その粘着テープ4の先端部を巻取り装置36の嵌合体51dに嵌着されている粘着テープ巻取体35に接着させ、ガイドローラ31とガイドローラ37間に粘着面が下側となっている粘着テープ4をほぼ水平に配置する。この場合、弛み防止手段38の引張りレバー70が粘着テープ4を引っ掛けて側方へ引っ張り移動させ、ガイドローラ31とガイドローラ37間の粘着テープ4が弛まないようにする。なお、粘着テープ4の弛み量が大きいときは、巻取り装置36の回転体51を巻取り方向へ回転させて粘着テープ4を巻取ったり、テープ支持装置30の回転体42を巻取り方向へ回転させて粘着テープ4を巻取ることで粘着テープ4の弛みを無くする。
なお、巻取り装置36の嵌合体51dに粘着テープ巻取体35を着脱する場合は、取付ねじ55を操作して側板51cを取外し、その状態で粘着テープ巻取体35の中心孔を嵌合体51dに着脱する。
【0023】
一方、剥離ヘッド14を図1、2に示す接着ステーションAに移動させる。この状態では、図2、4に示すように、ガイドローラ31とガイドローラ37間の粘着テープ4がシート保持板8b上に吸着保持されているシート2の上方において剥離始端側隅角部2a側から剥離終端側隅角部2b側へ延びるように位置され、また、押圧手段33の押圧具46cがシート2の剥離始端側隅角部2aの上方に粘着テープ4を挟んで位置される。
次に、剥離ヘッド14が接着ステーションAに位置されている状態で、押圧手段33のエアシリンダ46が作動されて押圧具46cが下降され、この押圧具46cがガイドローラ31とガイドローラ37間に延びている粘着テープ4の中間部を図7に示すように押下げ、粘着テープ4の接着部をシート2のフイルム3の離始端側隅角部2a上に接着させる。押圧具46cがガイドローラ31とガイドローラ37間の粘着テープ4を押下げるとき、ガイドローラ31とガイドローラ37間の粘着テープ4が僅かに引き延ばされることになるが、この粘着テープ4の延び分は、弛み防止手段38の引張りレバー70が引き戻されることで与えられる。粘着テープ4の接着部をフイルム3の剥離始端側隅角部3aに接着させた後は、押圧手段33のエアシリンダ46を作動させて押圧具46cを上昇位置に保持させる。その後、粘着テープ巻付体29をガイドローラ31上に当てた後、回転阻止装置32のエアシリンダ44を作動させて押当具44cを粘着テープ巻付体29に当接させ、粘着テープ巻付体29をガイドローラ31に押圧させて粘着テープ巻付体29の自由回転を阻止する。なお、回転阻止装置32による粘着テープ巻付体29の押圧は、押圧手段33による粘着テープ4の押下げより前に行っても良い。
【0024】
次に、図8に示すように、エアシリンダ23を作動させて摺動体23cを剥離終端側の移動端に移動させ、摺動体23cに固着されている移動体24を初期剥離終了位置に移動させる。この移動体24の剥離終端側方向への移動により、テープ支持装置30やガイドローラ31やテープ保持片34が図8に示すように同方向へ移動され、フイルム3の剥離始端側隅角部3aに接着された粘着テープ4の接着部より剥離始端側の粘着テープ4の端部がテープ保持片34によってシート2に近い位置に保持されたまま剥離終端側方向へ引張り移動(第1剥離移動)され、その結果、フイルム3の剥離始端側隅角部3aが急激に折り返されてフイルム3の剥離始端側隅角部3aがシート2から剥離され、折り返されたフイルム3の隅角部3aを剥離終端側方向へ引張り移動させてフイルム3をシート2から剥がしていく。この場合、ヘッド本体22は剥離終端側方向へ移動されることなく位置保持されているので、フイルム3の剥離始端側隅角部3aに接着された粘着テープ4の接着部より剥離終端側の粘着テープ4の端部が剥離終端側方向へ移動することがなく、フイルム3の剥離始端側隅角部3aに接着されている粘着テープ4の接着部に剥離終端側方向への引張力が作用することがない。従って、フイルム3がシート2を変形させたり破損させるトラブルが防止される。
【0025】
次に、移動手段12のアクチュエータ13を作動させてスライダ13dを剥離終端側方向へ移動させ、スライダ13dに固着された剥離ヘッド14を図3に示す剥離回収ステーションBへ移動させる。この剥離ヘッド14の剥離終端側方向への移動により、図8に示す状態の剥離ヘッド14のテープ支持装置30やガイドローラ31や巻取り装置36やガイドローラ37が剥離終端側方向へ移動され、その結果、フイルム3の剥離始端側隅角部3aに接着された粘着テープ4の接着部より剥離始端側の粘着テープ4の端部がテープ保持片34によってシート2に近い位置に保持されたまま剥離終端側方向へ引き続き引張り移動され、シート2から剥離されて折り返されたフイルム3の剥離始端側隅角部3aが更に剥離終端側方向へ移動されてフイルム3をシート2から剥離していく。即ち、図8において、剥離ヘッド14とシート2の位置関係を相対的に考えれば、図8のシート2を右に移動させてフイルム3をシート2から剥離する状態となり、剥離ヘッド14とフイルム3の剥離始端側隅角部3aに接着された粘着テープ4との関係はほぼ図8に示す状態が維持される。なお、この場合、粘着テープ4は、フイルム3の剥離始端側隅角部3aに接着された粘着テープ4の接着部より剥離終端側の粘着テープ4が弛みそうな状態になっても、弛み防止手段38の引張りレバー70が粘着テープ4を引っ掛けて側方へ引っ張っているので、ガイドローラ31とガイドローラ37間の粘着テープ4が弛むことがなく、粘着テープ4の下側の粘着面がシート2のフイルム3に接着してフイルム3を引っ張り移動させるトラブルを防止できる。
【0026】
前記のように、接着部より剥離始端側と剥離終端側の粘着テープ4の両端部が剥離終端側方向へ移動(第2剥離移動)され、剥離ヘッド14が剥離回収ステーションBへ移動されると、図3に示すようにフイルム3の全面がシート2から剥がされ、剥離されたフイルム3の剥離始端側隅角部3aが粘着テープ4に接着された状態で垂れ下がる。この場合、フイルム接着部より剥離終端側の粘着テープ4は、弛み防止手段38の引張りレバー70が粘着テープ4を引っ掛けて側方へ引っ張り移動することで弛みが吸収され、ガイドローラ31とガイドローラ37間の粘着テープ4は略水平に維持される。次に、剥離ヘッド14のエアシリンダ23を作動させて移動体24を剥離始端側へ移動させる。その結果、ガイドローラ31、37間の粘着テープ4を剥離始端側へ引張って弛み防止手段38の引張りレバー70を引き戻し、図4に示す初期の状態になり、粘着テープ4に接着されて垂れ下がっているフイルム3が図3に示すように剥離始端側へ移動される。
次に、フイルム保持手段18を移動させる移動手段20の回転シリンダ75が作動し、フイルム保持手段18の吸引パッド78をフイルム回収容器16上方の保持開放位置Dから剥離ヘッド14の剥離回収ステーションB下方の吸着保持位置Cに移動させる。その結果、フイルム保持手段18の吸引パッド78は、粘着テープ4から垂れ下がっているフイルム3の後面に対向し、この状態で吸引を開始して剥離ヘッド14から垂れ下がっている剥離後のフイルム4を吸着保持する。即ち、粘着テープ4の移動によりシート2から剥がされて略水平状態の粘着テープ4の中間部分から垂れ下がっているフイルム3をフイルム保持手段18によって保持する。
【0027】
その後、移動手段12のアクチュエータ13を再び作動させてスライダ13dを剥離終端側方向と同方向へ更に僅かに移動させ、スライダ13dに固着された剥離ヘッド14を図9に示すフイルム分離位置へ移動させる。剥離ヘッド14のフイルム分離位置への移動により、粘着テープ4の剥離終端側の端部が第2剥離移動と同方向(フイルム4から遠去かる方向)へ移動され、その結果、粘着テープ4がフイルム4を折り返した状態で引き離され、粘着テープ4の接着部がフイルム4からスムーズに剥離され、フイルム4が粘着テープ4から分離される。この場合、粘着テープ4の剥離始端側の端部はフイルム保持手段18の吸引パッド78に対して接近する関係になるので、フイルム4を引っ張ることがなく、前記粘着テープ4の移動によるフイルム4の分離を確実にできる。
なお、前記説明では、シート2から剥がされたフイルム3をフイルム保持手段18によって保持させた状態で、剥離ヘッド14を第2剥離移動と同方向へ移動させて接着部より剥離終端側の粘着テープ4をフイルム3から遠去けることで粘着テープ4とフイルム3の接着を剥がしているが、フイルム保持手段18を図示しない移動手段により剥離始端側方向または下方へ移動させてフイルム3を粘着テープ4から剥がすようにしても良い。
【0028】
次に、フイルム保持手段18の吸引パッド78が移動手段20によって図2に実線で示す吸着保持位置Cからフイルム回収容器16上方の仮想線で示す保持開放位置Dに移動される。吸引パッド78がフイルム回収容器16の上方に移動されると、吸引パッド78の吸引力が解除され、吸引パッド78が吸着保持していたフイルム4はフイルム回収容器16内に落下されて回収される。この場合、吸引パッド78から空気を吐出して吸引パッド78からフイルム4を積極的に分離するようにすると、フイルム4の回収動作を速くすることができる。吸引パッド78は、フイルム4の吸着保持を解除した後、移動手段20によって再び吸着保持位置Cに移動され、次に剥離されてくるフイルム4の保持に備える。また、剥離ヘッド14は、移動手段12によって再び接着ステーションAへ移動され、次のシート2のフイルム剥離に備える。
【0029】
次に、必要に応じて、回転阻止装置32のエアシリンダ44を作動させて押当具44cを上昇位置に保持させ、この状態で、巻取り装置36のエアシリンダ62を作動させて可動逆止爪60を一時的に所定量突出させ、その結果、可動逆止爪60がラチェット歯車51aを次の爪が逆止爪58に係合される位置まで爪の1ピッチ分以上回動させて回転体51を巻取り方向へ所定量回転させる。回転体51の巻取り方向への回転によって、嵌合体51dに嵌着された粘着テープ巻取体35が粘着テープ4を所定長さ分巻き取り、テープ支持装置30の粘着テープ巻付体29を巻戻し回転させ、押圧手段33によって押下げる粘着テープ4の接着部が新しい部分に変更される。従って、粘着テープ4を各シート2のフイルム3の剥離始端側隅角部3a上に確実に接着させることができる。粘着テープ4の巻取りは各シート2のフイルム4を剥離する度に行なっても良いし、所定枚数のシート2のフイルム3を剥離したときや任意枚数のシート2のフイルム4を剥離したときに行なうようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態を示すフイルム剥離装置の正面図である。
【図2】図1のフイルム剥離装置の平面図である。
【図3】図1のフイルム剥離装置の作動状態を示す正面図である。
【図4】図1の剥離ヘッドを拡大して示す剥離ヘッドの正面図である。
【図5】図4の剥離ヘッドの右側面図である。
【図6】図4の剥離ヘッドの左側面図である。
【図7】図4の剥離ヘッドの作動状態を示す剥離ヘッドの部分図である。
【図8】図4の剥離ヘッドの作動状態を示す剥離ヘッドの正面図である。
【図9】図1のフイルム剥離装置の作動状態を拡大して示す部分正面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 :フイルム剥離装置
2 :フイルム付シート
3 :フイルム
4 :粘着テープ
8 :載置台
A :接着ステーション
B :剥離回収ステーション
14:剥離ヘッド
16:フイルム回収容器
18:フイルム保持手段
20:移動手段
22:ヘッド本体
24:移動体
29:粘着テープ巻付体
30:テープ支持装置
33:押圧手段
35:粘着テープ巻取体
36:巻取り装置
38:弛み防止手段
84:検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置台上に保持したフイルム付シートの上側のフイルムを粘着テープを用いてシートから剥離するようにしたフイルム剥離装置において、フイルム付シートの剥離始端側隅角部に対応する接着ステーションとフイルム付シートの相対向する剥離終端側隅角部に対応する剥離回収ステーションとに往復移動可能な剥離ヘッドを備え、その剥離ヘッドに接着ステーションにおいてフイルム付シートの剥離始端側隅角部の上方を剥離ヘッド移動方向へ延びる粘着テープを粘着部が下側になるように備えると共にその粘着テープの一部を押下げ可能に設け、フイルム付シートの剥離始端側隅角部の上方に位置する粘着テープの一部を押下げてフイルム付シートの剥離始端側隅角部上に接着可能な押圧手段を備えて成るフイルム剥離装置。
【請求項2】
剥離ヘッドに接着ステーションと剥離回収ステーションとに往復移動可能なヘッド本体とそのヘッド本体に対して同方向へ所定量往復移動可能な移動体を備え、ヘッド本体に粘着テープの剥離終端側隅角部側の端部を保持させ、移動体に粘着テープの剥離始端側隅角部側の端部を保持させ、接着ステーションにおいて移動体を剥離終端側隅角部方向へ移動させて粘着テープの剥離始端側隅角部側の端部のみを剥離終端側隅角部方向へ移動可能にした請求項1記載のフイルム剥離装置。
【請求項3】
剥離ヘッドに、粘着部が下側の片面粘着テープの一端側に繋がる粘着テープ巻付体を回転可能に支持するテープ支持装置と、粘着テープの他端側に繋がる粘着テープ巻取体を巻取り回転可能な巻取り装置を備え、粘着テープ巻取体を巻取り回転させて粘着テープ巻付体の粘着テープを引き出し、フイルム付シートの剥離始端側隅角部上に接着させる粘着テープの接着部を新しくできるようにした請求項1または2記載のフイルム剥離装置。
【請求項4】
剥離ヘッドの剥離回収ステーション付近に剥離後のフイルムを収容可能なフイルム回収容器を備え、剥離ヘッドの剥離回収ステーションへの移動によってシートから剥がされたフイルムを保持可能なフイルム保持手段と、そのフイルム保持手段をフイルム回収容器の上方へ移動可能な移動手段を備え、剥離したフイルムを粘着テープから剥がすとともにフイルム回収容器に回収可能にした請求項1または2記載のフイルム剥離装置。
【請求項5】
剥離ヘッドに、剥離ヘッド移動方向へ延びる粘着テープの押圧手段による押下げ位置より剥離終端側部分が下側へ弛むのを防止する弛み防止手段を備えている請求項1乃至4の何れかに記載のフイルム剥離装置。
【請求項6】
押圧手段による押下げ位置より剥離始端側の粘着テープを剥離終端側方向へ移動させることでフイルム付シートの隅角部がシートから剥がれて折り返されたことを検出可能な検出器を備えている請求項1乃至3の何れかに記載のフイルム剥離装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−7310(P2008−7310A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−181735(P2006−181735)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(000241588)豊和工業株式会社 (230)
【Fターム(参考)】