説明

フェキソフェナジンを含む口内分散性タブレット

【課題】フェキソフェナジンの被覆された顆粒を含む口内分散性タブレットに関する。
【解決手段】被覆された顆粒形態の、フェキソフェナジンまたは少なくとも一つのその薬学的に許容できる塩、および少なくとも一つの崩壊剤、可溶性希釈剤、潤沢剤を含む賦形剤の混合物を含有する、唾液と接触して60秒未満、好ましくは40秒未満で飲みやすい懸濁液を形成することにより口腔内で崩壊することができる口内分散性タブレットに関する。また、前記フェキソフェナジンの被覆された顆粒、その調製方法、および前記口内分散性タブレットの使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェキソフェナジンの被覆された顆粒を含む口内分散性タブレットに関する。また、前記フェキソフェナジンの被覆された顆粒、その調製方法、および前記口内分散性タブレットの使用にも関する。
【0002】
本願発明では、用語“口内分散性タブレット”とは、唾液と接触して60秒未満、好ましくは40秒未満で飲みやすい懸濁液を形成することにより口腔内で崩壊することができるタブレットを意味する。
【0003】
崩壊時間とは、タブレットが口腔内に入れられて唾液と接触した時点と、懸濁液(タブレットを噛まずに崩壊させて生じたもの)が飲み込まれた時点との間の時間に対応する。
【背景技術】
【0004】
フェキソフェナジンは、化学名(±)-4-[1-ヒドロキシ-4-[4(ヒドロキシジフェニルメチル)-1-ピペリジニル]ブチル]-α,α-ジメチルベンゼン酢酸を有する周知の合成抗アレルギー性物質である。
【0005】
フェキソフェナジン、すなわちテルフェナジンの代謝物は、選択的抹消H1-レセプターアンタゴニスト活性を有する抗ヒスタミン剤である。
【0006】
フェキソフェナジンは、米国特許第4254129号明細書から周知である。これは、当該技術分野で承認されており、かつ、Allegra(登録商標)の商品名で、特に経口用タブレットまたはカプセルとして商業的に入手可能である。
【0007】
Allegra(登録商標)の商品名で商業的に入手可能なタブレットは、30、60または180mgの塩酸フェキソフェナジン(用量による)と、賦形剤として、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、マイクロクリスタリンセルロース、およびアルファ化デンプンとを含む。前記タブレットは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酸化鉄、ポリエチレングリコール、ポビドン、二酸化シリコーン、および二酸化チタンの混合物をベースとする皮膜コーティングで被覆されている。
【0008】
フェキソフェナジンは、経口投与で高度に活性である。経口投与用の多数の製薬学的組成物が提案されているが、特に子供や老齢者にとって、良好な患者利便性および許容性を有する経口投与用の商業的に容認できるフェキソフェナジン製剤が依然として必要とされている。
【0009】
経口用の製薬学的組成物におけるフェキソフェナジンの調合における特別な困難性の一つは、その不快で、苦みの強い味および後味である。
【0010】
経口用の製薬学的組成物におけるフェキソフェナジンの調合における別の困難性は、特に胃の条件においてフェキソフェナジンの可溶性が低いことである(pH1.2の水性バッファー溶液1ml当たり0.2mgのフェキソフェナジンHClの可溶性)。
【0011】
それゆえ、顆粒から活性物質を素早く放出しかつ経口投与後に体に素早く吸収される一方で、味覚マスク特性を有する、フェキソフェナジンを含有する被覆された顆粒を開発することが高度に望まれている。
【0012】
さらに、一部の患者、特に子供や老齢者は、液体を用いてさえも、タブレットを飲み込むことに困難を感じている。
【0013】
50%の人がタブレットを飲み込むことに問題を有していると推定される。これは、治療に対して、低いコンプライアンス、あるいは全く従わないという結果を生じ、かくして治療効率に否定的な印象を与えてしまう(H. Seager,1998,J.Pharm.Pharmacol.50,375-382)。
【0014】
経口崩壊性多重粒子状タブレットについては、米国特許第5464632号明細書、米国特許第6106861号明細書、国際公開第00/27357号、および国際公開第00/51568号に既に記載されており、これらの内容を参照としてここに含める。活性成分は被覆された微結晶または被覆された微粒の形態である。
【0015】
これまでに、飲み込む際に困難を感じる患者や、液体無しで薬剤を服用する患者に特別に適したフェキソフェナジンの経口製剤は存在しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第4254129号明細書
【特許文献2】米国特許第5464632号明細書
【特許文献3】米国特許第6106861号明細書
【特許文献4】国際公開第00/27357号
【特許文献5】国際公開第00/51568号
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】H. Seager,1998,J.Pharm.Pharmacol.50,375-382
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
かくして、この状況を改善すること、および、味マスキング特性を有し、タブレットの投与が患者にとって不快でないような快適な嗜好性を示し、かつ、通常のフェキソフェナジンの経口製剤、例えばAllegra(登録商標)の商品名で入手可能なタブレットを用いて得られるのと少なくとも生物学的に等価性の薬学的パラメーターを得ることを可能にする、フェキソフェナジンを含有する口内分散性タブレットを開発することが強く望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
出願人は、これらの特性が、活性成分としての被覆された顆粒の形態のフェキソフェナジンと、少なくとも一つの崩壊剤、可溶性希釈剤および潤沢剤を含む賦形剤の混合物と、任意に膨潤剤、帯電防止剤、浸透剤、甘味料、香料、または着色料とを含むタブレットを製剤化することにより得られることを、驚くべきことに見出した。
【0020】
本発明は、唾液と接触して60秒未満、好ましくは40秒未満で、飲みやすい懸濁液を形成することにより口腔内で崩壊することができる口内分散性タブレットに関するものであり、係るタブレットは、活性成分として被覆された顆粒の形態のフェキソフェナジン、および少なくとも一つの崩壊剤、可溶性希釈剤および潤沢剤を含む賦形剤の混合物、並びに任意に膨潤剤、帯電防止剤、浸透剤、甘味料、香料、または着色料を含む。
【0021】
驚くべきことに、本発明に係るタブレットは口腔内で崩壊し、通常の製剤と同等の活性成分の放出を示すが、それにもかかわらず快適な味を有する。
【0022】
さらに、本発明に係る口内分散性タブレットは、高い安定性、および物理的完全性、例えば貯蔵性、取り扱い性、収容性などを示すことが見出されている一方で、非常に良好な崩壊特性を維持する。
【0023】
フェキソフェナジンは、そのラセミ体または単一エナンチオマーの形態、遊離塩基形態、またはラセミ体または単一エナンチオマーの一つの酸付加塩形態で用いられてもよい。酸付加塩形態は、通常の方法で遊離塩基形態から調製することが可能であり、またその逆も可能である。適切な酸付加塩形態の例は、塩酸塩、乳酸塩、およびアスコルビン酸塩を含み、好ましくは塩酸塩を含む。塩酸塩形態のフェキソフェナジンが好ましい。
【0024】
好ましい実施態様では、フェキソフェナジン粒子は、100%の粒子が20μm未満の平均粒径となるような粒径を有する。
【0025】
本発明に係るタブレットでは、前記のいずれかの形態のフェキソフェナジンが、被覆された顆粒として存在する。
【0026】
本特許出願では、用語“フェキソフェナジン”は、その特定の形態のいずれかを示すために用いられる。
【0027】
有利な実施態様によれば、本発明に係るタブレットは、ヨーロッパ薬局方(2.9.8)の試験方法を用いて測定した場合に、15N以上の硬度を有する。
【0028】
有利な実施態様によれば、本発明に係るタブレットは、フェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つの被覆された顆粒、および賦形剤の混合物を含み、被覆された顆粒に対する賦形剤の混合物の比率が0.4から9、好ましくは1.5から5、さらに好ましくは2から3重量部であり、賦形剤の混合物は、
−少なくとも一つの崩壊剤、
−可溶性希釈剤、
−潤沢剤
−および、任意に、浸透剤、膨潤剤、帯電防止剤、甘味料、香料、または着色料
を含む。
【0029】
崩壊剤は、例えばAc-di-sol(登録商標)として入手可能なクロスカルメロース、例えばKollidon CL(登録商標)として入手可能なクロスポビドン、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0030】
本発明の有利な実施態様によれば、タブレットに用いられている可溶性希釈剤は結合特性を示す。結合特性を有する可溶性希釈剤は、13炭素原子未満のポリオールからなり、100から500μmの平均粒径を有する直接圧縮可能な製品の形態か、若しくは100μm未満の平均粒径を有する粉末の形態のいずれかであり、前記ポリオールは好ましくはマンニトール、キシリトール、ソルビトール、およびマルチトールを含む群から選択され、ソルビトールは単独で用いることができないと解し、かつ、結合特性を有する可溶性希釈剤がただ一つ存在する場合には、直接圧縮可能な製品の形態で用いられるが、結合特性を有する可溶性希釈剤が少なくとも二つ存在する場合には、一方が直接圧縮可能な形態で存在し、かつ、他方が粉末形態で存在し、ここで前記ポリオールは同一であってもよく、直接圧縮可能なポリオールと粉末ポリオールとの比率が99/1から20/80、好ましくは80/20から20/80であると解する。
【0031】
タブレットの重量に基づいて、崩壊剤の比率は、3から15重量%、好ましくは5から15重量%であり、混合物の場合、各崩壊剤は1から10重量%、好ましくは5から10重量%の間で含まれ、かつ、可溶性希釈剤の比率は、30から90重量%、好ましくは40から60重量%である。
【0032】
潤沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、微粉化ポリオキシエチレングリコール(微粉化Macrogol 6000)、リューカイン(leukine)、安息香酸ナトリウム、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0033】
潤沢剤の量は、タブレットの重量に基づいて、0から3重量%、好ましくは1から2重量%である。
【0034】
潤沢剤は、賦形剤の混合物内に分散させることができ、有利な実施態様によれば、タブレットの外側表面にスプレーすることができる。かくして、本発明に係るタブレットの有利な実施態様によれば、潤沢剤は、粉末形態であり、少なくとも部分的に、タブレットの表面に処理される。
【0035】
浸透剤は、唾液の浸透を容易にし、かくしてタブレットの崩壊を助ける親水性ネットワークを形成する。
【0036】
浸透剤は、特に水性溶媒に高親和性のシリカ、例えばコロイドシリカ(Aerosil(登録商標))、沈降シリカ(Syloid(登録商標) FP 244)、マルトデキストリン、β-シクロデキストリン、およびこれらの混合物を含む群から選択される。
【0037】
浸透剤の量は、タブレットの重量に基づいて、0から5重量%、好ましくは0.5から2重量%である。
【0038】
膨潤剤は、賦形剤の混合物中に含めることができる。係る膨潤剤は、デンプン、変性デンプン、またはマイクロクリスタリンセルロースからなる群から選択される。
【0039】
帯電防止剤は、流動補助剤として含めることができ、微粉化または非微粉化タルク、ヒュームドシリカ(Aerosil(登録商標) R972)、コロイドシリカ(Aerosil(登録商標)200)、沈降シリカ(Syloid(登録商標)FP244)およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0040】
前記賦形剤の混合物中に含めることができる甘味料は、特に、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリン酸ナトリウム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、スクラロース、グリチルリチン酸モノアンモニウム、およびこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0041】
香料および着色料は、タブレットの調製のための薬学で通常用いられるものである。
【0042】
本発明は、フェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つの被覆された顆粒にも関する。
【0043】
フェキソフェナジンの味マスキングは、フェキソフェナジンの微粒化微結晶を一以上のポリマーで被覆することにより達成される。
【0044】
本発明の有利な実施態様によれば、フェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つの顆粒は、前記顆粒が被覆されていること、および
−フェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つの微結晶、
−少なくとも一つのバインダー、
−任意に、希釈剤、帯電防止剤、甘味料および/または着色料
を含むことを特徴とする。
【0045】
さらに、顆粒化賦形剤は、崩壊剤および/または界面活性剤も含むことができる。
【0046】
バインダーは、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロースポリマー、不溶性アクリラートアンモニオメタクリラートコポリマー、ポリアクリラート、またはポリメタクリルコポリマーのようなアクリルポリマー、ポビドン、コポビドン、ポリビニルアルコール、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、デンプン、アルファ化デンプン、スクロースおよびその誘導体、グアガム、ポリエチレングリコール、好ましくはアクリルポリマー、最も好ましくはEudragit(登録商標)E100、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0047】
任意に、フェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つの顆粒化を増進するために、希釈剤が用いられる。
【0048】
希釈剤は、マイクロクリスタリンセルロース、スクロース、リン酸二カルシウム、デンプン、ラクトース、および例えばマンニトール、キシリトール、ソルビトール、マルチトールのような13炭素原子未満のポリオール、グリシンのような薬学的に許容できるアミノ酸、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0049】
流動補助剤として用いることができる帯電防止剤は、微粉化または非微粉化タルク、ヒュームドシリカ(Aerosil(登録商標) R972)、コロイドシリカ(Aerosil(登録商標)200)、沈降シリカ(Syloid(登録商標)FP244)およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0050】
通常の薬学的に許容できる甘味料および/または着色料を、フェキソフェナジンの顆粒に含めることができる。
【0051】
特定の実施態様では、フェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つの顆粒は、フェキソフェナジンを含む少なくとも一つの層で被覆された、フェキソフェナジンの顆粒化された微結晶のコアの形態である。
【0052】
前記被覆されたコアは、前記コアと前記層とがそれぞれ70から95重量%、好ましくは80から95重量%のフェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つを含み、100%までのバランスが少なくとも一つのバインダーで形成されること、および前記被覆されたコアが有利に球形であることを特徴とする。係る特異的な構造は、以前に、本出願人により、仏国特許出願FR0014803号において記載されている。
【0053】
本発明の別の実施態様によれば、前記顆粒は、
−10から95%、好ましくは50から70%のフェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つ、
−フェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つの重量に対して、多くても20重量%、好ましくは多くても10重量%のバインダー、
−前記顆粒の全重量に対して多くても5重量%、好ましくは2重量%の帯電防止剤、
−任意に100%までのバランスとしての希釈剤
を含む。
【0054】
効率的な味マスキング、および70%より多くの活性物質が30分以内に放出される、好ましくは90%より多くの活性物質が30分以内に放出されるような活性物質の溶解プロフィールを確実にするために、前記顆粒は、セルロースポリマー、アクリルポリマー、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの被覆ポリマーを含む被覆組成物で被覆される。
【0055】
セルロースポリマーの中では、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を有利に用いることができる。
【0056】
アクリルポリマーの中では、不溶性アクリラートアンモニオメタクリラートコポリマー(Eudragit(登録商標)RL100またはRS100もしくはEudragit(登録商標)RL30DまたはRS30D)、ポリアクリラート(Eudragit(登録商標)NE30D)、またはメタクリルコポリマー(Eudragit(登録商標)L100-55またはEudragit(登録商標)L30D、Eudragit(登録商標)E100、Eudragit(登録商標)EPO...)を、単独で、またはpH依存ポリマーと混合して有利に用いることができる。Eudragit(登録商標)E100またはEudragit(登録商標)EPOおよびEudragit(登録商標)NE30Dの混合物が好ましい。
【0057】
好ましい実施態様では、バインダーと被覆ポリマーとが同一のポリマーである。
【0058】
好ましい被覆液は、水をベースとするもの、または有機溶媒を用いて調製されるものである。有利な実施態様によれば、この被覆液は、例えば上部挿入(top insert)または下部(wurster)挿入(bottom (wurster) insert)を備えた流動層のような通常のスプレーレイヤーリング装置を用いてスプレーされるのに適したものである。
【0059】
任意に、浸透剤、可塑剤、可溶性剤、崩壊剤、および界面活性剤が、被覆添加剤として添加される。
【0060】
可塑剤は、トリアセチン(triacetine)、トリエチルアセタート、トリエチルシトラート(Eudraflex(登録商標))、エチルフタラート、またはそれらの混合物からなる群から選択される。可塑剤は、被覆ポリマーの多くても約30重量%、好ましくは10重量%の比率で用いられる。
【0061】
可溶性剤は、特に13炭素原子未満のポリオールから選択される。
【0062】
顆粒化および被覆工程に加えることができる崩壊剤または界面活性剤は、溶解を改善することができる。
【0063】
界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、または両性界面活性剤であってもよい。
【0064】
崩壊剤は、例えばAc-di-sol(登録商標)として入手できるクロスカルメロース、例えばKollidon CL(登録商標)として入手できるクロスポビドン、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0065】
フェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つを含む被覆された顆粒の粒径範囲は、許容可能な被覆ファクタおよび良好な口当たりを有する有効な味マスキングを得るのに適したものである。
【0066】
有利には、本発明に係る被覆された顆粒は、150から500μm、好ましくは150から425μmの範囲の粒径分布を有し、少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%の顆粒が150から425μmの範囲の粒径を有し、かつ15%未満の顆粒が150μm未満の粒径を有する。粒径は、通常の方法、好ましくは篩い分けにより測定される。
【0067】
顆粒化工程は、前記の粒径分布を得るために必要とされる。
【0068】
特定の実施態様では、本発明に係る被覆された顆粒は、
−10から95%、好ましくは40から75%のフェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つ、好ましくはフェキソフェナジンHCl、の顆粒、
−フェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つの顆粒の重量に対して、重量で表したパーセントで、5から90%、好ましくは10から70%、さらに好ましくは25から55%の被覆ポリマー、好ましくはEudragit(登録商標)E100、
−被覆ポリマーの重量に対する重量で表したパーセントで、0から10%の浸透剤、好ましくはコロイドシリカ
を含む。
【0069】
特定の場合において、実施できる比率の決定は、一般に当業者の能力の範囲である。記載された全ての比率および上記の相対的な重量範囲は、好ましいまたは個々の発明を教示するにすぎず、発明を制限するのではないと理解されるべきである。
【0070】
本発明に係る賦形剤の詳細は、Fiedler,H.P.“Lexikon der Hilfsstoffe fur Pharmazie, Kosmetik und angrenzende Gebiete”, Editio Cantor Verlag Aulendorf, Aulendorf, 4th revised and expanded edition (1996);“Handbook of Pharmaceutical Excipients”, 2nd Edition, Editors A.Wade and P.J.Weller (1994), Joint publication of American Pharmaceutical Association, Washington, USA and The Pharmaceutical Press, London, Englandに見出され;または関連する製造業者から入手可能であり、前記文献の内容を参照としてここに含める。
【0071】
本発明は、フェキソフェナジンの被覆された顆粒の調製方法にも関し、当該方法は、連続する以下の工程:
−フェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つの微結晶を、任意に帯電防止剤および/または希釈剤と乾燥混合する工程;
−少なくとも一つのバインダーの溶液または懸濁液をスプレーすることにより上記工程で得られた混合物を顆粒化する工程;
−任意に、かくして得られた顆粒に、フェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つと少なくとも一つのバインダーとを含む懸濁液または溶液をスプレーすることにより層を適用する工程;
−かくして得られた顆粒を、被覆組成物の懸濁液で被覆する工程;
−かくして得られた被覆された顆粒を乾燥させる工程
を含む。
【0072】
本発明は、フェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つの被覆された顆粒を含む口内分散性タブレットを調製する方法にも関する。
【0073】
この方法は、連続する以下の工程:
−フェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つの微結晶を、任意に帯電防止剤、希釈剤、浸透剤、甘味料および/または着色料と共に乾燥混合する工程;
−少なくとも一つのバインダーの溶液または懸濁液をスプレーすることにより上記工程で得られた混合物を顆粒化する工程;
−任意に、かくして得られた顆粒に、フェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つと少なくとも一つのバインダーとを含む懸濁液または溶液をスプレーすることにより層を適用する工程;
−被覆組成物の懸濁液、分散物、または溶液をスプレーすることにより、かくして得られた顆粒を被覆する工程;
−かくして得られた被覆された顆粒を乾燥させる工程;
−被覆された顆粒と、少なくとも一つの崩壊剤、可溶性希釈剤、および任意に潤沢剤、浸透剤、膨潤剤、甘味料、帯電防止剤、香料および着色料からなる賦形剤の混合物とを乾燥混合する工程;
−被覆された顆粒と賦形剤の混合物をタブレットに圧縮する工程
を含む。
【0074】
潤沢剤は、タブレットの賦形剤と混合することができるが、有利には、タブレット化の前にパンチの表面にスプレーすることができる。
【0075】
この方法では、混合、顆粒化、および被覆工程は、異なるまたは同一の装置で行うことができ、各工程は同一または異なる賦形剤の混合物の存在下で行われる。
【0076】
顆粒化には、ボトムスプレー顆粒化、接線スプレー(tangential spray)顆粒化、トップスプレー顆粒化に用いられる挿入部を有する高剪断ミキサー、遊星形ミキサー、または流動層が用いられ、ボトムスプレー顆粒化が好ましい。
【0077】
有利な実施態様では、各工程は流動空気層、以下に限定されるわけではないが例えばGlatt GPCG-1、GPCG-3、GPCG-5またはGPCG120で行われる。
【0078】
被覆に関しては、ボトム、トップ、および接線スプレー法、並びにレイヤーリング法が用いられるが、被覆のボトムスプレー法が好ましい。
【0079】
被覆された顆粒と賦形剤との混合物をタブレットに圧縮することに関しては、タブレットの用量に応じて、8から17mmの間の直径を有する種々のパンチを用いることができる。
【0080】
種々の形状、例えば、有利には面取りされた端部を有する平らな形状またはポロパンチ(polo punches)のような形状を用いることができる。
【0081】
本発明の口内分散性タブレットは、噛まずに唾液と接触して60秒未満、好ましくは40秒未満で、口腔内で急速に崩壊し、快適な味と嗜好性を有し、かくして投与および摂取の容易性が増したことにより特に良好な患者利便性および許容性を有する。
【0082】
さらに、本発明のタブレットは、驚くほど高い物理安定性を示し、取り扱いおよび収容が容易である。
【0083】
好ましい実施態様では、本発明のタブレットは、以下の組成を示す:
−Eudragit(登録商標)E100で被覆したフェキソフェナジンHClの顆粒、
−Eudragit(登録商標)E100、マンニトール粉末、マンニトール顆粒、クロスポビドン、沈降シリカ、甘味料、および香料からなる賦形剤の混合物。
【0084】
前記タブレットの調製に関して、イソプロパノールが溶媒として用いられ、被覆および顆粒化方法の際に除去される。
【0085】
有利な実施態様では、本発明に係るタブレットは以下の組成を有する:
フェキソフェナジン被覆顆粒
−フェキソフェナジンHCl: 40〜80%
−Eudragit(登録商標)E100: 20〜60%
−沈降シリカ: 0〜5%
パーセントは被覆された顆粒の重量に基づいて計算されたものである。
【0086】
タブレットの調合のための賦形剤
−フェキソフェナジン被覆顆粒 10〜45%
−マンニトール粉末および/または顆粒 50〜90%
−クロスポビドン 2〜15%
−沈降シリカ 0〜5%
−ステアリン酸マグネシウム 0〜5%
−スクラロース 0〜5%
−香料 0〜2%
パーセントはタブレットの重量に基づいて計算されたものである。
【0087】
前記タブレットの調製に関しては、イソプロパノールが溶媒として用いられ、被覆および顆粒化方法の際に除去される。
【0088】
タブレットは、成人および6歳以上の子供において、季節性アレルギー性鼻炎を治療する場合に特に有効である。
【0089】
本発明は、上述したように、季節性アレルギー性鼻炎に関連する症状を治療するための医薬の製造のための、フェキソフェナジンの被覆された顆粒と賦形剤との混合物の使用に関する。
【0090】
本発明は、本発明に関するフェキソフェナジンのタブレットを経口投与する、季節性アレルギー性鼻炎に関する症状の治療のための方法にも関する。
【0091】
有効に治療される症状は、くしゃみ、鼻漏、鼻/口蓋/のどのかゆみ、かゆみ/液分泌過多(watery)、鼻炎を含む。
【0092】
本発明に係るタブレットの有用性は、例えばタブレットのような公知のフェキソフェナジン経口投与形態の投与における治療効果を有する血液レベルに等しい塩酸フェキソフェナジンの血液レベルを与える本発明のタブレットの投与量を確かめるような、標準的なバイオアベイラビリティ試験または標準的な動物モデルで観察される。
【0093】
適切な投与量は、当然に、例えば患者、並びに治療される症状の性質および深刻さに依存して変化する。ヒトでは、望ましい一日の投与量は、一日当たり約10mgから約500mg、好ましくは30mgから180mgの範囲であり、都合よく、例えば一日当たり4回までに分けて、または一日一回で投与される。6から11歳までの子供にはフェキソフェナジンHClで表した好ましい投与量は、約30mgを一日に二回であり、大人および12歳以上の子供には、約60mgを一日に二回、または180mgを一日に一回である。
【0094】
本発明を以下の実施例により詳細に記載する。
【発明を実施するための形態】
【0095】
実施例1から4の顆粒の製造に用いたフェキソフェナジンHClの粒径は、通常のレーザー装置で測定した。
【0096】
粒径分布は以下の特徴を有する:
【0097】
【表A】

【0098】
以下の例では、以下の賦形剤を用いた:
・Eudragit(登録商標)EPOまたはEudragit(登録商標)E100の商品名で市販されているメタクリルポリマー。
・Eudragit(登録商標)NE30Dの商品名で市販されているポリアクリラート。
・マンニトール粉末
・マンニトール顆粒(Mannitol granular)300
・スクラロース
・アスパルテーム
・香料としてのペパーミント、ワイルドベリー
・SyloidFP244の商品名で市販されている沈降シリカ
・PVP K90の商品名で市販されているポリビニルピロリドン
【0099】
実施例1から4は、フェキソフェナジンの被覆された顆粒の調製に関する。
【実施例】
【0100】
実施例1
顆粒化工程
15gのSyloid FP244と混合された500gのフェキソフェナジンHClを、水中に16%(重量/重量)のEudragit EPO/Eufragit NE30D(50/50)の混合物465gを用いて、流動層で顆粒化した。
【0101】
被覆工程
かくして得られた顆粒を、水中に16%(重量/重量)のEudragit EPO/Eufragit NE30D(50/50)の混合物465gの分散物をスプレーすることにより、上部挿入を有する流動層で被覆した。
【0102】
被覆の量は、フェキソフェナジンHClの顆粒の重量に対して12.5重量%であった。
【0103】
かくして得られた被覆された顆粒の溶解速度を、以下の方法を用いて測定した。
−装置:USP装置II(パドル法)
−速さ:50rpm
−量:900mLのHCl 0.001N pH3.0
−温度:37.0℃±0.5℃
−サンプリング(5mL):2.5、7.5、15、30および60分
−HPLC検出:220nmのUV
−HPLCカラム:Zorbax SB-Pheny、5μm、4.6x250mm
−注入量:20μL
−移動相:アセトニトリル:トリエチルアミンを含有する0.03M 酢酸 pH5.25(36:64)
−溶解媒体:(必要に応じて)o-リン酸でpH3.0±0.05に調節したHCl 0.001N。
【0104】
結果を以下の表1に記載する。
【0105】
【表1】

【0106】
80%より多くのフェキソフェナジンが30分後には溶解し、味マスキングが効率的であった。
【0107】
実施例2
顆粒化工程
15gのSyloid FP244と混合された500gのフェキソフェナジンHClを、8%(重量/重量)のPVP K90水溶液30gを用いて、流動層で顆粒化した。
【0108】
被覆工程:
かくして得られた顆粒を、水中に16%(重量/重量)のEudragit EPO/Eufragit NE30D(60/40)の混合物をスプレーすることにより、上部挿入を有する流動層で被覆した。
【0109】
被覆の量は、フェキソフェナジンHClの顆粒の重量に対して40重量%であった。
【0110】
粒径分布(篩い分け法)を以下の表に示す。
【0111】
【表2】

【0112】
前記顆粒の溶解速度を、上記実施例1に記載したように測定した。
【0113】
結果を以下の表3に示す。
【0114】
【表3】

【0115】
80%より多くのフェキソフェナジンが30分後には溶解し、味マスキングが効率的であった。
【0116】
実施例3
顆粒化工程
30gのSyloid FP244と混合された1000gのフェキソフェナジンHClを、12%(重量/重量)のイソプロパノール中のEudragit E100の溶液1500gを用いて、Wurster挿入部を有する流動層において顆粒化した。
【0117】
被覆工程:
かくして得られた顆粒を、1%のSyloid FP244を含有するイソプロパノール中に12%(重量/重量)のEudragit E100の3900gのポリマー分散物をスプレーすることにより、上部挿入を有する流動層で被覆した。
【0118】
被覆の量は、フェキソフェナジンHClの顆粒の重量に対して38重量%であった。
【0119】
粒径分布(篩い分け法)を以下の表に示す。
【0120】
【表4】

【0121】
前記顆粒の溶解速度を、上記実施例1に記載したように測定した。
【0122】
結果を以下の表5に示す。
【0123】
【表5】

【0124】
80%より多くのフェキソフェナジンが30分後には溶解し、味マスキングが効率的であった。
【0125】
実施例4
顆粒化工程
30gのSyloid FP244と混合された1000gのフェキソフェナジンHClを、12%(重量/重量)のイソプロパノール中のEudragit E100の溶液400gを用いて、遊星形ミキサーにおいて顆粒化した。
【0126】
被覆工程:
かくして得られた顆粒を、1%のSyloid FP244を含有するイソプロパノール中に12%(重量/重量)のEudragit E100の溶液をスプレーすることにより、Wurster挿入を有する流動層で被覆した。
【0127】
被覆の量は、フェキソフェナジンHClの顆粒の重量に対して30重量%であった。
【0128】
前記顆粒の溶解速度を、上記実施例1に記載したように測定した。
【0129】
結果を以下の表6に示す。
【0130】
【表6】

【0131】
100%のフェキソフェナジンが30分後には溶解し、味マスキングが効率的であった。
【0132】
以下の実施例5−8は、タブレットの調製に関する。
【0133】
実施例5
3つのタイプのタブレットT1、T2、T3を、異なる被覆比率を示すフェキソフェナジンの被覆された顆粒を用いて調製した。フェキソフェナジンの被覆された顆粒を、3つの異なる被覆比率30、35、および40を用いたこと以外は、上記実施例3に記載されているようにして得た。次いで、180mgのフェキソフェナジンHClに対応する一定量の各タイプの被覆された顆粒を、以下のタブレット賦形剤と共に15分間徹底的に混合した。
クロスポビドン 10%
シリカ 0.5%
ステアリン酸マグネシウム 0.5%
アスパルテーム 2%
香料 1%
マンニトール粉末(60μm)/顆粒(330μm)(2/1)
全体を100%とする量
パーセントはタブレットの全重量のパーセントとして表されている。
【0134】
得られた均質な混合物を、14mm径のポロ型パンチを有するタブレット化装置に導入した。
【0135】
これらのタブレットT1、T2およびT3を得た。
かくして得られた各タブレットについて、重量、硬度、口内での崩壊時間、口当たり、および味を調べた。
結果を以下の表7に示す。
【0136】
【表7】

【0137】
T1、T2、T3は、許容可能な溶解速度を示し、良好な味、快適な口当たりを有し、かつ、30秒未満で口腔内で崩壊した。
【0138】
実施例6
被覆比率30、35、40を有するフェキソフェナジンの被覆された顆粒を示す3つのタイプのタブレット(T4、T5、T6)を、タブレットあたり30mgのフェキソフェナジンHClとなる量を用いたこと以外は、実施例5と同様にして調製した。
【0139】
得られた均質な混合物を、以下の表に記載されているように、ポロ型パンチを有するタブレット化装置に導入した。
【0140】
結果を表8に示す。
【0141】
【表8】

【0142】
タブレットT4、T5およびT6は、許容可能な味、快適な口当たりを有し、かつ、30秒未満で口腔内で崩壊した。
【0143】
実施例7
マンニトール粉末/マンニトール顆粒比1/1を用いて、タブレット当たり180mgのフェキソフェナジンHCl量を含む、実施例5のT2の調合法によるタブレットT7を製造した。
【0144】
得られた均質な混合物を、14mm径のポロ型パンチを有するタブレット化装置に導入した。
口内での崩壊時間、口当たり、および味を評価した。
結果を以下の表9に示す。
【0145】
【表9】

【0146】
1/1のマンニトール粉末/顆粒比を有するタブレットT7は、良好な味と快適な口当たりを有し、口腔内で30秒未満で崩壊した。
【0147】
実施例8
5、7.5、および10重量%という3つの異なる比率のクロスポビドンを用いたこと以外は、実施例5の調剤T2と同様に3つのタイプのタブレット(T8、T9、T10)を製造した。
【0148】
得られた均質な混合物を、14mm径のポロ型を有するタブレット化装置に導入した。
かくしてT8、T9およびT10を得た。口内での崩壊時間、硬度、口当たり、および味を評価し、結果を以下の表10に示した。
【0149】
【表10】

【0150】
タブレットT8、T9およびT10は、許容可能な味と快適な口当たりを有し、口腔内で30秒未満で崩壊した。
【0151】
実施例9:薬物動力学試験
生物学的等価性試験を、本発明に係る二つのタブレット(T11とT12)とAllegra(登録商標)180mg(対照)とを用いて、実施した。
15人の被験者がT11と対照を服用し、13人の患者がT12と対照を服用した。
【0152】
T11とT12の各々の組成は以下の通りである:
T11 T12
フェキソフェナジンHCl被覆顆粒
フェキソフェナジンHCl 48.4% 58.2%
Eudragit E100 47.4% 37.7%
シリカ 4.2% 4.1%
【0153】
タブレット
180mgのフェキソフェナジンHCl
に対応する被覆された顆粒 30%
クロスポビドン 5%
シリカ 0.5%
ステアリン酸マグネシウム 1%
スクラロース 2%
香料 0.2%
マンニトール粉末(60μm)/顆粒(330μm)(1/1)
全体を100%とする量
【0154】
前記タブレットを、上記実施例5の方法に従って調製した。タブレット(試作と対照)を空腹時の被験者に投与した。試作AおよびBと対照について得られた薬物動力学的パラメータを以下の表11および12に記載する。
【0155】
【表11】

【0156】
空腹状態でT11は、対照と比較して僅かに高いバイオアベイラビリティを有する。
【0157】
【表12】

【0158】
空腹状態でT12は、対照のタブレットと比較して生物学的等価性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
唾液と接触して60秒未満で飲みやすい懸濁液を形成することにより口腔内で崩壊することができる口内分散性タブレットであって、前記口内分散性タブレットは、
(i)被覆された顆粒形態の、フェキソフェナジンまたは少なくとも一つのその薬学的に許容できる塩と、
(ii)少なくとも一つの崩壊剤、可溶性希釈剤、潤沢剤を含む賦形剤の混合物と
を含有し、前記被覆されたフェキソフェナジンの顆粒は、セルロースポリマー、アクリルポリマー、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの被覆ポリマーと、浸透剤と、任意に、可塑剤、可溶剤、崩壊剤、及び界面活性剤とを含む被覆組成物で被覆される、口内分散性タブレット。
【請求項2】
40秒未満で崩壊することができる、請求項1に記載の口内分散性タブレット。
【請求項3】
前記賦形剤の混合物が、膨潤剤、帯電防止剤、浸透剤、甘味料、香料、または着色料をさらに含む、請求項1に記載の口内分散性タブレット。
【請求項4】
前記被覆された顆粒に対する前記賦形剤の混合物の重量比が0.4から9である、請求項1に記載の口内分散性タブレット。
【請求項5】
前記被覆された顆粒に対する前記賦形剤の混合物の重量比が1.5から5である、請求項4に記載の口内分散性タブレット。
【請求項6】
前記被覆された顆粒に対する前記賦形剤の混合物の重量比が2から3である、請求項5に記載の口内分散性タブレット。
【請求項7】
前記崩壊剤が、クロスカルメロース、クロスポビドン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の口内分散性タブレット。
【請求項8】
前記可溶性希釈剤が、結合特性を有し、13炭素原子未満のポリオールからなり、100から500μmの平均粒径を有する直接圧縮可能な製品の形態、若しくは100μm未満の平均粒径を有する粉末の形態のいずれかであり、前記ポリオールは好ましくはマンニトール、キシリトール、ソルビトール、およびマルチトールを含む群から選択され、ソルビトールは単独で用いることができないと解し、かつ、結合特性を有する可溶性希釈剤がただ一つ存在する場合には、直接圧縮可能な製品の形態で用いられるが、結合特性を有する可溶性希釈剤が少なくとも二つ存在する場合には、一方が直接圧縮可能な形態で存在し、かつ、他方が粉末形態で存在し、ここで前記ポリオールは同一であってもよく、直接圧縮可能なポリオールと粉末ポリオールとの比率が99/1から20/80、好ましくは80/20から20/80であると解する、請求項1に記載の口内分散性タブレット。
【請求項9】
タブレットの重量に基づいたパーセントで、前記崩壊剤の比率が3から15重量%であり、前記可溶性希釈剤の比率が30から90重量%である、請求項1に記載の口内分散性タブレット。
【請求項10】
タブレットの重量に基づいたパーセントで、前記崩壊剤の比率が5から15重量%であり、前記可溶性希釈剤の比率が40から60重量%である、請求項9に記載の口内分散性タブレット。
【請求項11】
前記潤沢剤が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、微粉化ポリオキシエチレングリコール、リューカイン、安息香酸ナトリウム、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の口内分散性タブレット。
【請求項12】
前記甘味料が、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリン酸ナトリウム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、スクラロース、グリチルリチン酸モノアンモニウム、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項3に記載の口内分散性タブレット。
【請求項13】
前記潤沢剤が、粉末形態であり、少なくとも部分的にタブレットの表面に処理されている、請求項11に記載の口内分散性タブレット。
【請求項14】
フェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つの顆粒であって、前記顆粒は、セルロースポリマー、アクリルポリマー、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの被覆ポリマーと、浸透剤と、任意に、可塑剤、可溶剤、崩壊剤、及び界面活性剤とを含む被覆組成物で被覆され、かつ、前記顆粒は、
- フェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つの微結晶、
- エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロースポリマー、不溶性アクリラートアンモニオメタクリラートコポリマー、ポリアクリラート、またはポリメタクリルコポリマーのようなアクリルポリマー、ポビドン、コポビドン、ポリビニルアルコール、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、デンプン、アルファ化デンプン、スクロースおよびその誘導体、グアガム、ポリエチレングリコール、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つのバインダー
を含む、顆粒。
【請求項15】
マイクロクリスタリンセルロース、スクロース、リン酸二カルシウム、デンプン、ラクトース、例えばマンニトール、キシリトール、ソルビトール、マルチトールのような13炭素原子未満のポリオール、グリシンのような薬学的に許容できるアミノ酸、およびこれらの混合物からなる群から選択される希釈剤、
微粉化または非微粉化タルク、ヒュームドシリカ、沈降およびコロイドシリカからなる群から選択される帯電防止剤、
甘味料、または
着色料
をさらに含む、請求項14に記載の顆粒。
【請求項16】
クロスカルメロース、クロスポビドン、およびこれらの混合物からなる群から選択される崩壊剤、またはアニオン性、非イオン性、カチオン性、または両性界面活性剤とすることができる界面活性剤をさらに含む、請求項14に記載の顆粒。
【請求項17】
- 10%から95%のフェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つ、
- フェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つの重量に対して20重量%までのバインダー、
- 顆粒の重量に対して5%までの帯電防止剤
を含む、請求項15に記載の顆粒。
【請求項18】
- 50%から70%のフェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つ、
- フェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つの重量に対して10重量%までのバインダー、
- 顆粒の重量に対して2%までの帯電防止剤
を含む、請求項17に記載の顆粒。
【請求項19】
100%までのバランスとして希釈剤をさらに含む、請求項17に記載の顆粒。
【請求項20】
100%までのバランスとして希釈剤をさらに含む、請求項18に記載の顆粒。
【請求項21】
- 10%から95%のフェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つの顆粒、
- 前記フェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つの顆粒の重量に対して5から90%の被覆ポリマー、
- 前記被覆ポリマーの重量に対して0から10%の浸透剤
を含む、請求項14に記載の顆粒。
【請求項22】
- 40%から75%のフェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つの顆粒、
- 前記フェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つの顆粒の重量に対して10から70%の被覆ポリマー、
- 前記被覆ポリマーの重量に対して0から10%の浸透剤としてのコロイドシリカ
を含む、請求項21に記載の顆粒。
【請求項23】
25から55%の被覆ポリマーを含む、請求項22に記載の顆粒。
【請求項24】
塩酸フェキソフェナジンを含む、請求項21または22に記載の顆粒。
【請求項25】
連続する以下の工程:
- フェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つの微結晶を乾燥混合する工程;
- 少なくとも一つのバインダーの溶液または懸濁液をスプレーすることにより上記工程で得られた混合物を顆粒化する工程;
- かくして得られた顆粒を被覆組成物の懸濁液で被覆する工程;
- かくして得られた被覆された顆粒を乾燥させる工程
を含む、請求項14に記載の顆粒の調製方法。
【請求項26】
連続する以下の工程:
- フェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つの微結晶を、帯電防止剤または希釈剤と共に乾燥混合する工程;
- 少なくとも一つのバインダーの溶液または懸濁液をスプレーすることにより上記工程で得られた混合物を顆粒化する工程;
- かくして得られた顆粒を被覆組成物の懸濁液で被覆する工程;
- かくして得られた被覆された顆粒を乾燥させる工程
を含む、請求項15に記載の顆粒の調製方法。
【請求項27】
前記被覆組成物が、セルロースポリマー、アクリルポリマー、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの被覆ポリマーと、浸透剤と、任意に、可塑剤、可溶剤、崩壊剤、及び界面活性剤とを含む、請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
連続する以下の工程:
- フェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つの被覆された顆粒を調製する工程;
- 前記被覆された顆粒と、少なくとも一つの崩壊剤および可溶性希釈剤からなる賦形剤の混合物とを乾燥混合する工程;
- 前記被覆された顆粒と賦形剤の混合物をタブレットに圧縮する工程
を含む、請求項1に記載のタブレットの調製方法。
【請求項29】
賦形剤の混合物が、潤沢剤、浸透剤、膨潤剤、甘味料、帯電防止剤、香料、および着色料をさらに含む、請求項3に記載のタブレットの調製方法。
【請求項30】
請求項1に記載の口内分散性タブレットを患者に経口投与する、季節性アレルギー性鼻炎に関する症状の治療法。
【請求項31】
ヒトにおけるバイオアベイラビリティ試験において、Allegra(登録商標)タブレットと生物学的等価性である、請求項1に記載のフェキソフェナジンまたはその薬学的に許容できる塩の一つの口内分散性タブレット。

【公開番号】特開2010−184938(P2010−184938A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125743(P2010−125743)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【分割の表示】特願2003−543570(P2003−543570)の分割
【原出願日】平成14年11月14日(2002.11.14)
【出願人】(501435026)
【Fターム(参考)】