説明

フェムトセル識別子および場所を用いる、フェムトセルがサーブする無線機器の測位

測位をサポートするための技術が説明される。ある態様では、フェムトセルがサーブする移動局の測位は、フェムトセルを無線ネットワーク中の別のセル/セクタと区別するために用いられる少なくとも1つの識別要素を、フェムトセルに送信させることによって、サポートされる。少なくとも1つの識別要素は、フェムトセルのためのある情報を搬送することもでき、その情報は移動局の測位と関連があり得る。ある設計では、フェムトセルは、フェムトセルに割り当てられた少なくとも1つの識別要素およびフェムトセルの場所を、測位の助けとして移動局に送信することができる。移動局は、少なくとも1つの識別要素およびフェムトセルの場所を、受信およびロケーションサーバに転送することができる。そして、移動局およびロケーションサーバは、少なくとも1つの識別要素およびフェムトセルの場所に基づき、測位を実行することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本特許出願は、本明細書の出願人に譲渡され、参照によって本明細書に明示的に組み込まれる、2009年5月22日に出願の「Positioning of a Wireless Device served by a Femto Cell」という表題の米国特許仮出願第61/180511号の優先権を主張する。
【0002】
本開示は、全般的に通信に関し、より具体的には、移動局と呼ばれ得る無線機器の測位をサポートするための技術に関する。
【背景技術】
【0003】
移動局(MS)、例えば携帯電話の場所を知ることが望ましいことが多くあり、場合によっては必要になることがある。用語「場所(location)」および「位置(position)」は、本明細書では同義であり交換可能に用いられる。例えば、ユーザーは移動局を利用してウェブサイトを閲覧し、場所に依存するコンテンツをクリックすることがある。そして、移動局の場所が決定され、移動局の場所を用いてユーザーに適切なコンテンツを提供することができる。移動局の場所を知っていることが有用であり、または必要である多くの別の状況が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
移動局は、マクロセル、フェムトセルなどのような、様々な種類のセルと通信することができる。用語「セル」は、その用語が使用される文脈に応じて、無線通信をサポートする局、またはその局のカバレッジエリアを指すことがある。マクロセルは、通常、既知の場所に設置されている固定基地局によってサポートされる。それに対して、フェムトセルは、通常、あらゆる場所に配置することができる、移動可能な屋内基地局またはアクセスポイントによってサポートされる。フェムトセルと通信するときに、移動局の測位をサポートすることが望ましいことがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
フェムトセルと通信する移動局の測位をサポートするための技術が、本明細書で説明される。ある態様では、フェムトセルがサーブする移動局の測位は、フェムトセルを無線ネットワーク中の別のセル/セクタと区別するために用いられる少なくとも1つの識別要素を、フェムトセルに送信させることによって、サポートされる。少なくとも1つの識別要素は、フェムトセルのために特定の情報を搬送することもでき、この情報は移動局の測位と関連があり得る。
【0006】
ある設計では、フェムトセルは、例えば衛星からの信号に基づいて、その場所を確定することができる。フェムトセルは、フェムトセルに割り当てられ、フェムトセルを無線ネットワーク内のセル/セクタと区別するために用いられる、少なくとも1つの識別要素を決定することもできる。少なくとも1つの識別要素は、(i)フェムトセルのために用意されたある値の範囲内にある値、または(ii)複数の値の範囲のうちの1つの範囲内にある値であって、それぞれの値の範囲が異なる種類のフェムトセルのために用意される、値を有する識別要素を含んでもよい。フェムトセルは、少なくとも1つの識別要素および自身の場所を(例えばオーバーヘッドメッセージ内で)、測位の助けとして少なくとも1つの移動局に送信することができる。
【0007】
ある設計では、移動局は少なくとも1つの識別要素およびフェムトセルの場所を、(例えばオーバーヘッドメッセージから)得ることができる。移動局は、少なくとも1つの識別要素およびフェムトセルの場所を、ロケーションサーバに送信することができる。その後で、移動局は、ロケーションサーバにより測位を実行し、移動局の場所の推定を得る。例えば、移動局は、場所の推定または支援データを受信することができ、これらは、フェムトセルの場所、フェムトセルについての知識、および場合によってはフェムトセルの種類に基づいて、ロケーションサーバによって決定され得る。
【0008】
ある設計では、ロケーションサーバは、少なくとも1つの識別要素およびフェムトセルの場所を移動局から受信することができる。ロケーションサーバは、フェムトセルの少なくとも1つの識別要素に基づいて、フェムトセルを無線ネットワーク内のセル/セクタと区別することができる。ロケーションサーバは、以下で説明されるように、フェムトセルについての知識、および場合によってはフェムトセルの種類を用いて、かつさらにフェムトセルの場所に基づいて、移動局の測位を実行することができる。
【0009】
本開示の様々な態様および特徴が、以下でさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】例示的な無線ネットワークを示す図である。
【図2】フェムトセルがサーブする移動局の測位の呼び出しの流れを示す図である。
【図3】ロケーションサーバによって実行される、測位をサポートするための処理を示す図である。
【図4】移動局が発信し、支援する測位の呼び出しの流れを示す図である。
【図5】移動局が発信し、移動局に基づく測位の呼び出しの流れを示す図である。
【図6】移動局による測位を実行するための処理を示す図である。
【図7】フェムトセルによる測位をサポートするための処理を示す図である。
【図8】ロケーションサーバによる測位をサポートするための処理を示す図である。
【図9】移動局、フェムトセル、およびロケーションサーバのブロック図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で説明される技術は、符号分割多重アクセス(CDMA)ネットワーク、時分割多重アクセス(TDMA)ネットワーク、周波数分割多重アクセス(FDMA)ネットワーク、直交FDMA(OFDMA)ネットワーク、単一搬送波FDMA(SC-FDMA)ネットワーク、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク、WiMAX(IEEE802.16)ネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)などのような、様々な無線通信ネットワークで使用され得る。用語「ネットワーク」および「システム」は、交換可能に使用されることが多い。CDMAネットワークは、cdma2000、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)などのような無線技術を実装することができ、cdma2000は、CDMA 1XおよびHRPD(High Rate Packet Data)を包含する。UTRAは、広帯域CDMA(WCDMA)および別のCDMAの変形を含む。TDMAネットワークは、GSM(Global System for Mobile Communications)、GPRS(General Packet Radio Service)などのような無線技術を実装することができる。OFDMAネットワークは、E-UTRA(Evolved UTRA)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、Flash-OFDM(登録商標)などのような、無線技術を実装することができる。WLANは、IEEE802.11(Wi-fi)、Hiperlanなどのような無線技術を実装することができる。UTRAおよびE-UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)の一部である。3GPPロングタームエボリューション(LTE)およびLTE-Advanced(LTE-A)は、E-UTRAを使用するUMTSの新しいリリースである。UTRA、E-UTRA、UMTS、LTE、LTE-A、GSMおよびGPRSは、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)という名称の組織からの文書で説明されている。cdma2000およびUMBは、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)という名称の組織からの文書で説明されている。明確にするために、技術のある態様が、3GPP2ネットワークについて以下で説明される。
【0012】
図1は、測位および場所に基づくサービス(LBS)をサポートする、例示的な3GPP2ネットワーク100を示す。移動局(MS)110は、フェムトセル120と通信して通信サービスを得ることができる。移動局110は、固定されていても移動してもよく、ユーザー装置(UE)、端末、アクセス端末(AT)、加入者局、局(STA)などとも呼ばれ得る。移動局110は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、携帯型機器、無線機器、ラップトップコンピュータ、無線モデム、コードレス電話、遠隔測定装置、追跡装置などであってよい。
【0013】
フェムトセル120は、そのカバレッジの範囲内で、移動局の無線通信をサポートすることができる。フェムトセル120は、屋内アクセスポイントまたはフェムトアクセスポイント、屋内基地局またはフェムト基地局、ホームNode BまたはフェムトNode B、ホーム進化型Node B(eNB)またはフェムト進化型Node B(eNB)などの一部であってよく、かつ/またはそのように呼ばれ得る。フェムトセル120は、3GPP2におけるCDMA 1Xおよび/またはHRPDのような、1つまたは複数の無線技術をサポートすることができる。あるいは、または加えて、フェムトセル120は、WCDMA、GSM、GPRS、LTE、Wi-fi、WiMAXなどをサポートすることができる。フェムトセル120は、移動局110のためのサービングセル/セクタであってもよい。
【0014】
移動局110およびフェムトセル120は、それぞれ衛星150からの信号を受信および測定し、衛星の擬似距離を得ることができる。衛星は、米国全地球測位システム(GPS)、欧州のガリレオシステム、ロシアのGLONASSシステム、日本の準天頂衛星システム(QZSS)、中国のコンパス/北斗システム、インドの地域航法衛星システム(IRNSS)、何らかの別の衛星測位システム(SPS)、またはこれらのシステムの組合せの一部であってよい。擬似距離および衛星の既知の場所が、移動局110またはフェムトセル120の場所の推定を導くために使用され得る。場所の推定は、位置の推定、位置の特定などとも呼ばれ得る。移動局110は、フェムトセル120および/または無線ネットワーク内の別の基地局からの信号を受信および測定し、タイミングおよび/または信号強度の測定結果を得ることができる。タイミングおよび/または信号強度の測定結果および基地局の既知の場所は、移動局110の場所の推定を導くために使用され得る。一般に、場所の推定は、衛星、基地局、擬似衛星、および/または別の送信機に基づき、かつ測位方法の1つまたは組合せを用いて、導かれ得る。
【0015】
データネットワーク122は、3GPP2ネットワーク100における、フェムトセル120と別のネットワーク要素との間の通信をサポートすることができる。データネットワーク122は、3GPP2ネットワーク100のための基幹ネットワークの一部を含んでもよい。データネットワーク122はまた、電話網、DSLネットワーク、ケーブルネットワーク、インターネットなどであり得る有線ネットワークの一部を含んでもよい。
【0016】
位置確定要素(PDE)130は、移動局の測位をサポートすることができる。測位とは、例えば対象機器の地理的な場所または住所の推定を確定するための、処理を指す。測位によって、(i)地理的な場所の推定では、緯度、経度、および場合によっては高度の座標ならびに不確実性、または(ii)住所の推定では、所在地住所が提供され得る。測位はまた、速度および/または別の情報も提供してもよい。PDE130は、移動局とメッセージを交換して、測位をサポートし、場所の推定を計算し、支援データを移動局へ送達するのをサポートし、安全のための機能を実行することなどが可能である。データベース132は、3GPP2ネットワーク100において、セル/セクタおよび基地局のための情報を含む基地局のアルマナック(BSA)を保存していてもよい。BSAは、移動局の測位を支援するのに用いられ得る。以下で説明されるように、データベース(DB)134は、フェムトセルについての情報を保存してもよい。
【0017】
モバイル測位センター(MPC)140は、場所に関するサービスのための様々な機能を実行することができる。例えば、MPC140は、加入者の個人情報、承認、認証、ローミングのサポート、課金/請求、サービスの管理、位置の計算などをサポートすることができる。
【0018】
図1は、3GPP2ネットワーク100におけるいくつかのネットワーク要素を示し、3GPP2ネットワーク100は図1に示されない別のネットワーク要素も含み得る。図1のネットワーク要素は、3GPPネットワークまたはいくつかの別のネットワークにおいて、同等のネットワーク要素を有していてもよい。例えば、PDE130は、3GPPネットワークにおけるSMLC(Serving Mobile Location Center)、または、OMA(Open Mobile Alliance)によって定義されるSPC(SUPL(Secure User Plane Location) Positioning Center)と同等であり得る。MPC140は、3GPPネットワークにおけるGMLC(Gateway Mobile Location Center)、または、OMAにおけるSLC(SUPL Location Center)と同等であり得る。PDE130はまた、ロケーションサーバと呼ばれることもあり、MPC140はまた、ロケーションセンターと呼ばれることもある。
【0019】
3GPP2ネットワーク100はいくつかの基地局を含んでもよいが、単純にするために図1では示されていない。3GPP2では、基地局の全体のカバレッジエリアはマクロセル(または単にセル)と呼ばれることがあり、複数の(例えば3つの)セクタに分けることができる。それぞれのセクタは、基地局の最も小さいカバレッジエリアであり得る。3GPPでは、基地局のカバレッジエリアは複数の(例えば3つ)のセルに分けることができ、それぞれのセルは基地局の最も小さいカバレッジエリアであり得る。したがって、3GPP2のセクタは、3GPPにおけるセルと同等であり得る。明確にするために、用語「セクタ」が以下の説明の多くで使用される。
【0020】
3GPP2では、セクタはシステムID(SID)、ネットワークID(NID)、および基地局ID(BASE_ID)の組合せで識別され得る。SIDは、特定の領域での通信事業者のセルラシステムを識別する。NIDは、セルラシステム内のより小さなネットワークを識別する。BASE_IDは、CELL_IDおよびセクタに割り当てられたSECTOR_IDから構成され得る。GSMでは、セルは、MCC(Mobile Country Code)、MNC(Mobile Network Code)、LAC(Location Area Code)、およびセルID(CID)によって識別され得る。WCDMAでは、セルは、MCC、MNC、無線ネットワークコントローラID(RNC-ID)、およびCIDによって識別され得る。一般に、本明細書で説明される技術は、識別要素のあらゆる組とともに用いられ、セクタまたはセルを識別することができる。用語「識別要素」および「識別子」は、本明細書では交換可能に用いられる。明確にするために、以下の説明の多くは、3GPP2において使用されるSID、NID、BASE_IDに対するものである。
【0021】
3GPP2ネットワーク100内の各セクタは、System Parameter MessageまたはExtended System Parameter Messageを、セクタのカバレッジ内にある移動局に送信することができる。明確にするために、以下の説明では、System Parameter Messageの使用を仮定する。所与のセクタからのSystem Parameter Messageは、セクタに割り当てられたSID、NID、およびBASE_ID、セクタの基地局の緯度および経度などのような、関連する情報を含んでもよい。SIDおよびNIDは、(i)現在移動局をサーブしているより小さなネットワークの識別、および(ii)移動局がローミングしているかどうかの判定に使用され得る。SID、NID、およびBASE_IDは、現在移動局をサーブしているセクタを識別するために使用され得る。
【0022】
3GPP2ネットワーク100は、ネットワーク内のセクタおよび/または基地局のために、BSAを保持することができる。BSAはいくつかの記録を含んでもよく、各記録は、ネットワーク内のセクタまたは基地局を表す。各記録は、測位に関連し得る情報を含むことがある。例えば、セクタの記録は、セクタのSID、NIDおよびBASE_ID、セクタのアンテナの場所(緯度、経度、および高度)、セクタセンター、最大のアンテナの範囲(MAR)、アンテナのパラメータ、地形情報、周波数などについての情報を含んでもよい。セクタのSID、NID、およびBASE_IDは、セクタのBSA中の記録を検索して取り出すために使用され得る。記録の中の情報は、セクタと通信する移動局の測位をサポートするために使用され得る。
【0023】
BSAは、A-FLT(Advanced Forward Link Trilateration)、E-OTD(Enhanced Observed Time Difference)、OTDOA(Observed Time Difference Of Arrival)、拡張セルID(ID)、セルIDなどのような、ネットワークに基づく測位方法をサポートするのに使用され得る。例えば、セクタアンテナの場所が、A-FLT、E-OTD、およびOTDOA法を用いて、移動局の場所を確定するための三角測量に用いられ得る。セクタセンターは、拡張セルIDおよびセルIDによる方法で、移動局の粗い場所の推定に用いられ得る。BSAはまた、GPS、A-GPS(assisted GPS)などのような衛星に基づく測位方法をサポートするためにも用いられ得る。本明細書の説明では、一般に、用語「GPS」はあらゆるSPSを指す。例えば、移動局のサービングセクタについての情報を用いて粗い場所の推定を得ることができ、次いでこの推定を用いて移動局に適切なGPS支援データを与えることができる。
【0024】
3GPP2ネットワーク100はまた、ユーザーが選択した様々な場所に配置され得る多数のフェムトセルをサポートしてもよい。フェムトセルは、移動局の無線カバレッジを提供することができる、完全に機能的な基地局であってもよい。フェムトセルは、通常は50メートル以下の小さな領域内での、局所的な無線カバレッジを提供するために配置され得る。ユーザーは、フェムトセルによってサーブされている間、LBSアプリケーションの使用を試みることがある。しかし、フェムトセルはBSAには登録されていないことがある。フェムトセルのBSA記録がないことで、ネットワークが基地局の場所について事前に知識を有するという、LBSアーキテクチャの基本的な仮定が崩れる。基地局の場所についてのこの事前の知識は、説明されたように、測位のための複数の目的の役に立ち得る。例えば、基地局の場所は、最初の場所の推定およびA-GPSの元になる情報となり得る。
【0025】
ある態様では、フェムトセルがサーブする移動局の測位は、フェムトセルを無線ネットワーク内のセクタと区別するために用いられる少なくとも1つの識別要素を、フェムトセルに送らせる(例えば送信させる)ことによって、サポートされ得る。少なくとも1つの識別要素のそれぞれについて、フェムトセルに割り当てるための値の範囲が用意されていてもよい。そして、フェムトセルは、用意された値の範囲内にある、フェムトセル識別のための値によって、識別され得る。少なくとも1つの識別要素はまた、移動局の測位と関連し得る、フェムトセルのための特定の情報を搬送することもできる。
【0026】
3GPP2に適用可能なある設計では、フェムトセルはNIDによって識別され得る。フェムトセルのSIDは、同じ領域のセクタのSIDと同一であり得る。フェムトセルは、同じ領域のセクタに割り当てられたNIDの値とは異なり得る、NIDの値の範囲を割り当てられ得る。したがって、フェムトセルは、フェムトセルに割り当てられたNIDの値に基づいて、セクタとは区別され得る。測位の処理はフェムトセルとセクタでは異なっていてよいが、適切な測位の処理は、NIDの値に基づいてフェムトセルをセクタと区別する能力によって決まってもよい。
【0027】
フェムトセルにはいくつかの種類または階級があり、これらは異なる有効範囲、異なる送信出力レベルなどを有し得る。ある設計では、異なるフェムトセルの種類は、NIDの値の異なる範囲を使用することによって、例えば、フェムトセルの各種類に対して1つの範囲を使用することによって、識別され得る。フェムトセルは、そのフェムトセルの種類のための範囲内にあるNIDの値を割り当てられ得る。そして、フェムトセルの種類は、フェムトセルに割り当てられたNIDの値を含む範囲に基づいて、決定され得る。指定された団体(例えば通信事業者)が、近くにある複数のフェムトセルに固有の(SID、NID、およびBASE_ID)値が割り当てられるように、フェムトセルに適切なSID、NID、およびBASE_IDの値を割り当てることができる。
【0028】
図1のフェムトNIDデータベース134は、フェムトセルのために用意されたNIDの値に対するエントリー/記録のセット、例えばフェムトセルの各種類に対して1つのエントリーを保存することができる。ある設計では、各エントリーはTable 1(表1)に記載された3つのパラメータを含んでもよい。フェムトセルの各種類に対するエントリーは、NID_min、NID_max、およびMARを含み得る。NID_minは、特定の種類のフェムトセルに対して許容される最小のNIDの値であり、Q〜65535の範囲にあり得る。ここで、Qは通信事業者が定義することができ、65535は16ビットのNIDに対して可能な最大の値である。NID_maxは、特定の種類のフェムトセルに対して許容される最大のNIDの値であり、NID_min〜65535の範囲にあり得る。MARは特定の種類のフェムトセルの最大のアンテナの範囲であり、以下で説明されるように、移動局の測位に使用され得る。
【0029】
【表1】

【0030】
Table 2(表2)は、フェムトNIDデータベース134のK個のエントリーのセットを示す。一般に、フェムトNIDデータベース134は、任意の数のフェムトセルの種類に対して、任意の数のエントリーを含み得る。ある設計では、フェムトNIDデータベース134は50個ものエントリーを含み得るが、より少ないエントリー、またはより多くのエントリーもサポートされ得る。K個のエントリーに対するK個のNIDの範囲は、各NIDの値が多くとも1つのエントリーでカバーされるように、重複しないようにされ得る。ある設計では、フェムトNIDデータベース134のエントリーは、例えば、NIDの範囲がデータベース中で昇順となるように、並べ替えられ得る。NIDの範囲を並べ替えることによって、所与のNIDの値がフェムトNIDデータベース134に存在するかどうかを判定するための検索(例えば二分探索)が、効率的になり得る。
【0031】
【表2】

【0032】
Table 1(表1)で示された設計では、NIDはフェムトセルのMARを搬送することができる。NIDはまた、フェムトセルの別のパラメータも搬送することができる。
【0033】
ある設計では、図1で示されるように、フェムトNIDデータベース134は、BSAデータベース132とは別々に保持され得る。別の設計では、フェムトNIDデータベース134は、BSAデータベース132の一部であってよい。いずれの場合でも、フェムトセルNIDデータベース134は、例えば動的に、更新され得る。
【0034】
図2は、フェムトセル120がサーブする移動局110の測位のための、呼び出しの流れの設計200を示す。フェムトセル120は、(例えば通常の基地局のように)GPS受信機を含んでもよく、例えばGPSまたはA-GPSを用いて、フェムトセルの場所を確定することができてもよい(ステップ1)。フェムトセル120が現在の場所で送信できることを確認するために、フェムトセル120は、最初に電源を入れられたときに自身の場所を確定することができる。また、フェムトセル120が送信を継続できることを確認するために、フェムトセル120は周期的に自身の場所を確定することもできる。フェムトセル120は、フェムトセルに割り当てられたSID、NIDおよびBASE_IDも決定することができる(ステップ2)。フェムトセル120に割り当てられたNIDは、フェムトセル120のフェムトセルの種類に用意されたNIDの値の範囲にあり得る。
【0035】
フェムトセル120は、System Parameter Messageを、フェムトセル120のカバレッジ内にある移動局に、周期的に送信することができる(ステップ3)。このメッセージは、フェムトセル120に割り当てられたSID、NIDおよびBASE_ID、フェムトセルの緯度(lat)および経度(long)、ならびに場合によっては別の情報を含み得る。移動局110は、フェムトセル120からSystem Parameter Messageを受信することができ、フェムトセル120からの識別情報および場所情報を抽出することができる。移動局110はフェムトセル120と通信して、例えば音声、データ、放送などの様々な通信サービスを得ることができる。
【0036】
移動局110は、自身の場所の推定を得るために、測位の実行を決定してもよい。移動局110は、測位のためにフェムトセル120を介してPDE130と通信してもよい。簡単にするために、説明の中では、移動局110とPDE130との間の通信において、フェムトセル120は省略される。移動局110は、IS-801のProvide MS InformationメッセージをPDE130に送信することができる(ステップ4)。このメッセージは、移動局110の測位能力および、1に設定されたSession Startフラグを含み、場所についてのセッションを開始する。移動局110は、IS-801のProvide Advanced System Parameters Informationメッセージも、PDE130に送信することができる(ステップ5)。このメッセージは、フェムトセル120のSID、NIDおよびBASE_ID、フェムトセル120の緯度および経度などを含み得る。
【0037】
管理しなければならないフェムトセルが多すぎることがあるため、フェムトセルはBSAデータベース132に登録されていないことがある。代わりに、Provide Advanced System Parameters Informationメッセージの中の情報を用いて、フェムトセルの場所を確定することができる。このメッセージは、フェムトセル120の緯度および経度のみを与えてもよい。フェムトセル120のMARは、通常の測位処理を可能にするために必要とされ得る。例えばTable 1(表1)で示されるように、MARの値は、フェムトセルおよびフェムトセルの種類を示すNIDの値の範囲と関連し得る。
【0038】
PDE130は、移動局110が報告するNIDの値を用いてフェムトNIDデータベース134にアクセスすることができ、データベースからフェムトセル120についての情報(例えばMAR)を得ることができる(ステップ6)。次いで、PDE130および移動局110は、測位のためのメッセージを交換することができる(ステップ7)。ステップ7において、メッセージの異なるセットが、移動局によって支援される測位、および移動局に基づく測位のために交換され得る。移動局によって支援される場合と移動局に基づく場合の両方について、Provide Advanced System Parameters Informationメッセージから得られるフェムトセル120の緯度および経度、ならびに、フェムトNIDデータベース134から得られるMARに基づき、測位が実行され得る。測位が完了した後に、移動局110は、Provide MS InformationメッセージをPDE130に送信する(ステップ8)。このメッセージは、1に設定されたSession Endフラグを有し、場所についてのセッションを終了することができる。
【0039】
図3は、フェムトセルがサーブする移動局の測位をサポートするための、PDE130が実行する処理300の設計を示す。PDE130は、移動局110からProvide Advanced System Parameters Informationメッセージを受信することができ、移動局110のサービングセクタのSID、NIDおよびBASE_ID、さらにはサービングセクタの緯度および経度を、受信したメッセージから抽出することができる(ブロック312)。PDE130は、SID、NIDおよびBASE_IDを用いて、BSAデータベース132の通常の検索を実行することができる(ブロック314)。ブロック316で判定されるように、BSAの検索が成功し、サービングセクタがBSAデータベース132で発見された場合は、PDE130は通常の測位処理を実行することができる(ブロック318)。SID、NIDおよびBASE_IDが準備されたセクタまたはセル向けである場合は、サービングセクタはBSAデータベース132で発見され得る。
【0040】
しかし、BSA検索が不成功の場合は、PDE130はフェムトNIDデータベース134中のサービングセクタのNIDを検索することができる(ブロック322)。ブロック322について、PDE130は、移動局110が報告するNIDを、フェムトNIDデータベース134中に保存されたNIDの範囲と比較し、NIDがフェムトセルに用意されたNIDの範囲のうちの1つの中にあるものかどうかを判定することができる。
【0041】
ブロック324で判定されるように、報告されたNIDがNIDの範囲のうちの1つの中にあるものであれば、PDE130は、移動局110がフェムトセルによってサーブされていると確認することができる(ブロック326)。そして、PDE130は、フェムトセルのアンテナの場所について、移動局110が報告する緯度および経度を使用することができる。PDE130は、フェムトNIDデータベース134から報告されたNIDと関連するMARを得ることができる(ブロック328)。PDE130はまた、報告されたフェムトセルの場所について、地形標高データベースの検索を実行することによって、フェムトセルの高度(例えば楕円体上の高さ)を確定することもできる(ブロック330)。そして、PDE130は、(i)フェムトセルの緯度、経度、および高度によって与えられるアンテナの場所、ならびに(ii)MARを用いて、移動局110を用いて測位を実行することができる(ブロック332)。例えば、アンテナの場所およびMARは、最初の場所の推定として与えられ得る。捕捉可能なGPS衛星のためのサーチウィンドウを決定するために、および/または別の目的で、この最初の場所の推定を用いてGPS支援データを移動局110に提供することができる。最大限のGPSまたはA-FLT処理を実行することができ、結果として得られる場所の推定および水平方向の場所の誤差推定(HEPE)を、フェムトセルのMARと比較し、報告すべき最も正確な最終的な場所の推定を確定することができる。
【0042】
ブロック324に戻り、報告されたNIDがフェムトNIDデータベース134で発見されなかった場合は、PDE130は代替の機構を起動して、この状況に対処する(ブロック342)。この処理は、ブロック318、332または342の後で終了し得る。
【0043】
図4は、移動局が発信し、支援する測位の呼び出しの流れ400の設計を示す。最初に、移動局110はフェムトセル120の識別情報(例えばSID、NID、およびBASE_ID)および場所(例えば緯度および経度)を、例えばフェムトセル120が送信するSystem Parameters Messageを介して、得ることができる(ステップa)。移動局110は、移動局110の測位能力を含み、Session Startフラグが1に設定されたProvide MS Informationメッセージを、PDE130に送信することができる(ステップb)。また、移動局110は、フェムトセル120の識別情報および場所を含む、Provide Advanced System Parameters Informationメッセージを、PDE130に送信することもできる(ステップc)。
【0044】
PDE130は、移動局110からメッセージを受信することができる。PDE130は、フェムトNIDデータベース134にステップcで移動局110から受信したNIDが存在すると、判定することができる(ステップd)。ステップdは、図3で示されるように実行することができる。図3について上述したように、PDE130は、NIDに基づきフェムトセル120のMARを確定することができる。PDE130はまた、フェムトセル120の緯度および経度に基づき、フェムトセル120の高度も確定することができる。PDE130は、最初の場所の推定として、フェムトセル120の場所(例えば緯度、経度、および場合によっては高度)を用いることができる。
【0045】
移動局110は、近くの捕捉可能な基地局のパイロット位相を測定することができ、パイロット位相の測定データを含むProvide Pilot Phase MeasurementメッセージをPDE130に送信することができる(ステップe)。移動局110はまた、捕捉支援データを要求するために、Request GPS Acquisition Assistanceメッセージを送信することもできる(同様にステップe)。PDE130は、フェムトセル120のこの最初の場所の推定およびMARに基づき、捕捉可能なGPS衛星のためのサーチウィンドウを計算することができる。PDE130は、サーチウィンドウおよび/または別の捕捉支援データを含むProvide GPS Acquisition Assistanceメッセージを、移動局110に送信することができる(ステップf)。
【0046】
移動局110は、弱い衛星の検出について支援を求めるために、Request GPS Sensitivity Assistanceメッセージを送信することができる(ステップg)。次いで、PDE130は、感度支援データを含むProvide GPS Sensitivity Assistanceメッセージを、移動局110に返すことができる(ステップh)。移動局110は、感度支援データを使用して擬似距離の測定を続けることができ、捕捉可能な基地局のパイロット位相を再測定することもできる。
【0047】
移動局110は、擬似距離の測定データを含むProvide Pseudorange MeasurementメッセージをPDE130に送信することができる(ステップi)。また、移動局110は、(i)パイロット位相の測定データを含むProvide Pilot Phase Measurementメッセージ、(ii)場所の推定を要求するためのRequest Location Responseメッセージ、および/または(iii)別のメッセージも、PDE130に送信することができる(同様にステップi)。
【0048】
PDE130は、PDE130によって確定される最初の場所の推定および移動局110から受信される測定データに基づき、移動局110の最終的な場所の推定を計算することができる。移動局110からの測定結果が、より良い場所の推定を確定するのに十分なものでない場合、PDE130は最初の場所の推定を最終的な場所の推定として用いることができる。いずれの場合でも、PDE130は、最終的な場所の推定を含むProvide Location Responseメッセージを、移動局110に送信することができる(ステップj)。移動局110は、1に設定されたSession Endフラグを含むProvide MS InformationメッセージをPDE130に送信して、場所についてのセッションを終了することができる(ステップk)。
【0049】
図5は、移動局が発信し、移動局に基づく測位の呼び出しの流れ500の設計を示す。最初に、移動局110は、フェムトセル120の識別情報(例えばSID、NID、およびBASE_ID)および場所(例えば緯度および経度)を得ることができる(ステップa)。移動局110は、移動局110の測位能力を含みSession Startフラグが1に設定されたProvide MS Informationメッセージを、PDE130に送信することができる(ステップb)。また、移動局110は、フェムトセル120の識別情報および場所を含む、Provide Advanced System Parameters Informationメッセージを、PDE130に送信することもできる(ステップc)。
【0050】
PDE130は、移動局110からメッセージを受信することができる。PDE130は、フェムトNIDデータベース134にステップcで移動局110から受信したNIDが存在すると、判定することができる(ステップd)。上述のように、PDE130は、NIDに基づきフェムトセル120のMARを確定することができる。PDE130はまた、フェムトセル120の緯度および経度に基づき、フェムトセル120の高度も確定することができる。PDE130は、最初の場所の推定として、フェムトセル120の場所(例えば緯度、経度、および場合によっては高度)を用いることができる。
【0051】
移動局110は、近くの捕捉可能な基地局のパイロット位相を測定することができ、パイロット位相の測定データを含むProvide Pilot Phase MeasurementメッセージをPDE130に送信することができる(ステップe)。あるいは、移動局110は、参照擬似乱数(PN)をPDE130に送信することができ、そして参照擬似乱数はセクタセンターの場所の推定を与える。また、移動局110は、(i)最初の場所の推定を要求するためのRequest Location Responseメッセージ、(ii)GPSのエフェメリスのデータを要求するためのRequest GPS Ephemerisメッセージ、(iii)GPSのアルマナックのデータを要求するためのRequest GPS Almanacメッセージ、および/または(iv)別のメッセージも、PDE130に送信することができる(同様にステップe)。PDE130は、最初の場所の推定に基づき、適切なエフェメリスのデータおよびアルマナックのデータを確定することができる。次いで、PDE130は、(i)最初の場所の推定を含むProvide Location Responseメッセージ、(ii)エフェメリスのデータを含むProvide GPS Ephemerisメッセージ、および(iii)アルマナックのデータを含むProvide GPS Almanacメッセージを、移動局110に送信することができる(ステップf)。移動局110は、1に設定されたSession Endフラグを含むProvide MS InformationメッセージをPDE130に送信して、場所についてのセッションを終了させることができる(ステップg)。
【0052】
図4の呼び出しの流れ400は、移動局110の場所の推定を得るために使用され得る。図5の呼び出しの流れ500は、移動局110が移動局110のエフェメリスのデータおよび/またはアルマナックのデータを更新しなければならないときには、いつでも使用され得る。また、別の呼び出しの流れも、フェムトセルと通信する移動局の測位をサポートするように定義され得る。
【0053】
上記の説明は、3GPP2でサポートされるように、フェムトセル120が自身の場所を決定することができ、かつ、自身の緯度および経度を移動局に送ることができるということを仮定している。そして、移動局110は、フェムトセル120の緯度および経度をPDE130に送信することができる。フェムトセル120は、例えば3GPPネットワークでの適切なメッセージフィールドの不足のために、自身の緯度および経度を移動局に送ることができないことがある。この制限は、様々な方法で対処され得る。ある設計では、PDE130はフェムトセル120に関する場所についてのセッションに関わり、フェムトセルの場所を確定することができる。別の設計では、フェムトセル120の識別情報に基づき、フェムトセル120の粗い場所の推定が得られる。さらに別の設計では、移動局110に支援データを提供するために、フェムトセル120に対してデフォルトの場所が使用されてもよい。
【0054】
移動局110は、フェムトセル120の特別に割り当てられた識別要素をPDE130に送信して、PDE130がフェムトセルとしてセルを検出できるようにすることができる。また、特別に割り当てられた識別要素は、フェムトセル120についての別の情報、例えばMARなどを搬送するのに使用することもできる。
【0055】
本明細書で説明される技術によって、移動局の測位のためのフェムトセルの場所の事前の知識の不足を克服することができる。フェムトセルは、移動局で使用するために、自身の場所を移動局に送ることができ(無線技術または無線インターフェイスがそのような機能に対応する場合)、それには移動局がフェムトセルの場所をロケーションサーバに転送できるようにすることも含まれる。無線技術がそのような機能に対応していない場合、ロケーションサーバはフェムトセルに関する場所についてのセッションに関わり、フェムトセルの場所を確定することができる。また、ロケーションサーバは、移動局がフェムトセルの場所を提供しない場合、フェムトセルの場所のデータベースに検索要求することもできる。
【0056】
フェムトセルは、選択された識別要素について、特別な値を割り当てられてもよい。選択された識別要素は、無線技術がサポートするあらゆる好適な識別要素であってよい。異なる識別要素は、異なる無線技術で用いるために選択されてもよく、例えばNIDがCDMA 1Xで使用されてもよい。特別な値は用意された値の範囲にあってもよく、カバレッジエリア、場所の不確実性、送信出力レベル、および/またはフェムトセルの別のパラメータのような知識を、暗黙に送信することができる。選択された識別要素は、フェムトセルによって移動局に送信されてもよく、移動局は識別要素を用い、かつ/または識別要素をロケーションサーバに転送してもよい。ロケーションサーバは、フェムトセルの場所および選択された識別要素を受信することができる。ロケーションサーバはこの情報を用いて、移動局の測位をサポートすることができ、例えば、支援データを提供することができ、または移動局の場所の推定を計算することができる。
【0057】
本明細書で説明された技術は、説明されたように、フェムトセルがサーブする移動局の測位をサポートするために使用され得る。また、この技術は、基地局、アクセスポイント、および/またはその場所が事前には分からない別の局がサーブする、移動局の測位をサポートするために使用され得る。
【0058】
本明細書で説明される技術は、ユーザーレベルの方法および制御レベルの方法によって、測位をサポートするために使用され得る。ユーザーレベルの方法または制御レベルの方法は、測位および場所のサービスをサポートするために、様々なネットワーク要素、インターフェイス、プロトコル、手順、およびメッセージを含んでもよい。ユーザーレベルの方法では、測位および場所のサービスをサポートするメッセージは、通常は伝送制御プロトコル(TCP)およびインターネットプロトコル(IC)のような標準的なデータプロトコルを用いて、ネットワーク要素と移動局との間で伝送されるデータの一部として搬送され得る。制御レベルの方法では、測位および場所のサービスをサポートするメッセージは、通常はネットワークに特定のプロトコル、インターフェイス、および信号メッセージを用いて、ネットワーク要素同士の間、およびネットワーク要素と移動局との間で伝送される信号の一部として搬送され得る。いくつかの例示的なユーザーレベルの方法には、OMAからのSUPL、3GPP2からのX.S0024、ならびにCDG(CDMA Development Group)からのV1およびV2が含まれる。いくつかの例示的な制御レベルの方法には、3GPP2からのIS-881およびX.S0002、ならびに3GPPからのTS23.271、TS43.059、およびTS25.305が含まれる。
【0059】
図6は、測位を実行するための処理600の設計を示す。処理600は、(以下で説明されるように)移動局または何らかの別の要素によって実行され得る。移動局は、フェムトセルの場所を得ることができる(ブロック612)。また、移動局は、フェムトセルに割り当てられ、フェムトセルを無線ネットワーク内のセクタと区別するために使用される、少なくとも1つの識別要素(例えばNID)を得ることもできる(ブロック614)。セクタは、セルとも呼ばれ得る。ある設計では、移動局は、フェムトセルによって送信されるオーバーヘッドメッセージ(例えばSystem Parameters Message)を受信することができ、オーバーヘッドメッセージから少なくとも1つの識別要素およびフェムトセルの場所を得ることができる。また、移動局は、少なくとも1つの識別要素およびフェムトセルの場所を、別の方法で得ることもできる。
【0060】
移動局は、少なくとも1つの識別要素およびフェムトセルの場所を、ロケーションサーバに送信することができる(ブロック616)。移動局は、その後、ロケーションサーバを用いて測位を実行し、移動局の場所の推定を得ることができる(ブロック618)。ロケーションサーバは、少なくとも1つの識別要素に基づき、フェムトセルを無線ネットワーク内のセクタと区別することができる。フェムトセルの場所および、少なくとも1つのフェムトセルの識別情報に基づき得られる別の情報(例えばMAR)に基づいて、測位が実行され得る。ブロック618のある設計では、移動局は支援データを受信することができ、支援データは、フェムトセルの場所に基づき、ロケーションサーバによって決定され得る。別の設計では、移動局は擬似距離の測定結果をロケーションサーバに送信することができ、場所の推定を受信することができる。場所の推定は、フェムトセルの場所および擬似距離の測定結果に基づき、ロケーションサーバによって確定され得る。また、移動局は、測位のための別のタスクも実行してもよい。
【0061】
図7は、測位をサポートするための処理700の設計を示す。処理700は、(以下で説明されるように)フェムトセルまたは何らかの別の要素によって実行され得る。フェムトセルは、例えばSPSにおける衛星からの信号に基づいて、自身の場所を確定することができる(ブロック712)。また、フェムトセルは、フェムトセルに割り当てられ、フェムトセルを無線ネットワーク内のセクタと区別するために使用される、少なくとも1つの識別要素も決定することができる(ブロック714)。フェムトセルは、少なくとも1つの識別要素および自身の場所を、(例えばSystem Parameters Messageのようなオーバーヘッドメッセージで)少なくとも1つの移動局に、測位の助けとして送信することができる(ブロック716)。
【0062】
ある設計では、少なくとも1つの識別要素は、フェムトセルに用意された値の範囲内にある値を有する識別要素(例えばNID)を含んでもよい。フェムトセルは、識別要素の値に基づき、無線ネットワーク内のセクタと区別され得る。別の設計では、少なくとも1つの識別要素は、複数の値の範囲のうちの1つの範囲内にある値を有する識別要素を含んでもよく、それぞれの値の範囲は、異なる種類のフェムトセルに用意される。フェムトセルは、無線ネットワーク内のセクタと区別することができ、フェムトセルの種類は、識別要素の値に基づいて決定され得る。ある設計では、それぞれの値の範囲は、範囲の中にある値を割り当てられたフェムトセルの特定のMARと関連していてもよい。また、識別要素は、フェムトセルの別の情報も搬送することができる。
【0063】
ある設計では、少なくとも1つの識別要素は、(i)3GPP2で使用されるNIDを含んでもよい。別の設計では、少なくとも1つの識別要素は、3GPP2で使用されるSIDおよび/またはBASE_ID、(ii)GSMで使用されるMCC、MNC、LAC、および/またはCID、(iii)WCDMAで使用されるMCC、MNC、RNC-ID、および/またはCID、または(iv)何らかの別の識別要素を含んでもよい。
【0064】
図8は、測位をサポートするための処理800の設計を示す。処理800は、ロケーションサーバ(例えばPDE)または何らかの別の要素によって実行され得る。ロケーションサーバは、移動局からフェムトセルの少なくとも1つの識別要素を受信することができる(ブロック812)。また、ロケーションサーバは、例えば移動局から、フェムトセルの場所を得ることもできる(ブロック814)。また、ロケーションサーバは、フェムトセルを用いて測位を実行することによって、または少なくとも1つの識別要素に基づいてデータベースを検索することによって、フェムトセルの場所を得ることもできる。ロケーションサーバは、フェムトセルの少なくとも1つの識別要素に基づき、フェムトセルを無線ネットワーク内のセクタと区別することができる(ブロック816)。そして、ロケーションサーバは、フェムトセルについての情報(例えばフェムトセルの場所)に基づき、移動局の測位を実行することができる(ブロック818)。
【0065】
ある設計では、少なくとも1つの識別要素は、フェムトセルに用意された値の範囲内にある値を有する識別要素(例えばNID)を含んでもよい。ロケーションサーバは、フェムトセルを、値の範囲内にある識別要素の値に基づくフェムトセルとして識別することができる。別の設計では、少なくとも1つの識別要素は、複数の値の範囲の1つの範囲内にある値を有する識別要素を含んでもよく、それぞれの値の範囲は、異なる種類のフェムトセルに用意される。ロケーションサーバは、フェムトセルを、識別要素の値に基づく特定の種類のフェムトセルとして識別することができる。
【0066】
ある設計では、フェムトセルの場所は、緯度および経度を含んでもよい。ロケーションサーバは、フェムトセルの緯度および経度に基づいて、フェムトセルの高度を確定してもよい。そして、ロケーションサーバは、フェムトセルの高度にさらに基づいて、測位を実行してもよい。ある設計では、ロケーションサーバは、フェムトセルの少なくとも1つの識別要素に基づいて、フェムトセルのMARを決定してもよい。ロケーションサーバは、さらにMARに基づいて測位を実行してもよい。
【0067】
ブロック818のある設計では、ロケーションサーバは、フェムトセルの場所に基づき、移動局の支援データを決定することができ、支援データを移動局に送信することができる。別の設計では、ロケーションサーバは、移動局からの擬似距離の測定結果を受信することができ、フェムトセルの場所および擬似距離の測定結果に基づき、移動局の場所の推定を確定することができる。そして、ロケーションサーバは、移動局に場所の推定を送信することができる。また、ロケーションサーバは、測位のための別のタスクも実行してもよい。
【0068】
図9は、図1の移動局110、フェムトセル120、およびPDE/ロケーションサーバ130の設計のブロック図を示す。簡単にするために、図9は、移動局110に対し、1つまたは複数のコントローラ/プロセッサ910、1つのメモリ912、および1つの送信機/受信機914を示し、フェムトセル120に対し、1つまたは複数のコントローラ/プロセッサ920、1つのメモリ(Mem)922、1つの送信機/受信機924、および1つの通信ユニット(Comm)926を示し、PDE130に対し、1つまたは複数のコントローラ/プロセッサ930、1つのメモリ932、および1つの通信ユニット(Comm)934を示す。一般に、それぞれの要素は、任意の数の処理ユニット(例えばコントローラ、プロセッサなど)、メモリ、送信機、受信機、通信ユニットなどを含んでもよい。
【0069】
ダウンリンクでは、フェムトセル120は、トラフィックデータ、信号(例えばSystem Parameters Messageのようなオーバーヘッドメッセージ)、およびパイロット信号を、フェムトセル120のカバレッジエリア内の移動局に送信することができる。これらの様々な種類の情報は処理ユニット920によって処理することができ、送信機924によって調整することができ、ダウンリンクで送信することができる。移動局110では、フェムトセル120からのダウンリンク信号は、受信機914によって受信および調整することができ、さらに処理ユニット910によって処理して様々な種類の情報を得ることができる。また、処理ユニット910は、図6の処理600および/または本明細書で説明される技術の別の処理を実行または指示することもできる。また、処理ユニット910は、図2、4、および5の移動局110の処理を実行することもできる。メモリ912は、移動局110のためにプログラムコードまたはデータを保存することができる。アップリンクでは、移動局110は、トラフィックデータ、信号、およびパイロット信号をフェムトセル120に送信することができる。これらの様々な種類の情報は処理ユニット910によって処理することができ、送信機914によって調整することができ、アップリンクで送信することができる。フェムトセル120では、移動局110からのアップリンク信号は、受信機924によって受信および調整することができ、さらに処理ユニット920によって処理して様々な種類の情報を移動局110から得ることができる。また、処理ユニット920は、図7の処理700および/または本明細書で説明される技術の別の処理を実行または指示することもできる。また、処理ユニット920は、図2のフェムトセル120のために処理を実行することもできる。メモリ922は、フェムトセル120のためにプログラムコードおよびデータを保存することができる。フェムトセル120は、例えばデータネットワーク122内の別の要素と、通信ユニット926を介して通信することができる。
【0070】
また、移動局110は、衛星からの信号を受信および処理することもできる。衛星の信号は、受信機914で受信することができ、処理ユニット910で処理して衛星の擬似距離を得ることができる。処理ユニット910は、擬似距離に基づき、移動局110の場所の推定を計算することができる。処理ユニット910は、擬似距離および/または衛星の測定結果をPDE130に提供することもでき、PDE130は、移動局110の場所の推定を計算することができる。
【0071】
PDE130内で、処理ユニット930は処理を実行し、移動局のための測位および場所のサービスをサポートすることができる。例えば、処理ユニット930は、図3の処理300、図8の処理800、および/または本明細書で説明される技術のための別の処理を実行または指示することができる。処理ユニット930は、図2、4、および5のPDE130のために処理を実行することもできる。処理ユニット930は、移動局110の場所の推定を計算することもでき、LBSクライアントなどに支援データを提供することもでき、場所の情報を提供することもできる。メモリ932は、PDE130のためにプログラムコードおよびデータを保存することもできる。通信ユニット934は、PDE130が移動局110および/または、例えばデータネットワーク122内の別の要素と通信できるようにすることができる。
【0072】
通常、衛星測位システム(SPS)は、少なくとも一部送信機から受信した信号に基づき、地球上または地球の上空での要素の場所を、要素が確定できるように配置された、送信機のシステムを含む。通常、そのような送信機は、一定の数のチップの反復擬似ランダム雑音(PN)コードでマークされた信号を送信し、地上の制御局、ユーザー装置および/または宇宙船に配置されていてもよい。特定の例では、そのような送信機は地球周回衛星(SV)に配置されていてもよい。例えば、全地球測位システム(GPS)、Galileo、GlonassまたはCompassのような全地球的航法衛星システム(GNSS)の衛星群の中のSVは、衛星群の中の別のSVが送信するPNコードと区別可能なPNコードでマークされた信号を、(例えば、GPSのように各衛星で異なるPNコードを用いることによって、またはGlonassのように同じコードを異なる周波数で用いることによって)送信することができる。ある態様によれば、本明細書で提示された技術は、SPSのための地球規模のシステム(例えばGNSS)に限定されない。例えば、本明細書で提供される技術は、日本における準天頂衛星システム(QZSS)、インドにおける地域航法衛星システム(IRNSS)、中国における北斗などの様々な地域的なシステム、ならびに/または、1つまたは複数の地球規模のおよび/もしくは地域的な航法衛星システムと関連し得る、あるいはそれらのために利用可能であり得る、様々な補強システム(例えば、静止衛星型衛星航法補強システム(SBAS))において適用されてもよく、あるいはそれらのために利用可能であってもよい。限定ではなく例として、SBASは、広域補強システム(WAAS)、欧州静止衛星航法オーバーレイサービス(EGNOS)、多目的衛星用航法補強システム(MSAS)、GPS支援Geo補強航法システムまたはGPSおよびGeo補強航法(GAGAN)、および/または類似のもののような、インテグリティ情報、ディファレンシャル補正などを提供する補強システム(1つまたは複数)を含んでもよい。したがって、本明細書で使用される場合、SPSは1つまたは複数の地球規模のならびに/または地域的な航法衛星システムおよび/もしくは補強システムのあらゆる組合せを含んでもよく、SPS信号は、1つまたは複数のそのようなSPSと関連する、SPS信号、SPS信号のような信号、および/または別の信号を含んでもよい。
【0073】
移動局(MS)は、セルラ式または別の無線通信機器、パーソナルコミュニケーションシステム(PCS)機器、パーソナルナビゲーション機器(PND)、PIM(Personal Information Manager)、携帯情報端末(PDA)、無線通信および/もしくはナビゲーション信号を受信できるラップトップ機器または別の適切なモバイル機器のような機器を指す。衛星信号の受信、支援データの受信、および/または位置に関係する処理が機器で行われるか、またはPNDで行われるかに関わらず、用語「移動局」は、短距離無線、赤外線、有線接続、または別の接続などによって、パーソナルナビゲーション機器(PND)と通信する機器を含むことも意図している。また、衛星信号の受信、支援データの受信、および/または位置に関係する処理が機器で行われるか、サーバで行われるか、またはネットワークと関連する別の機器で行われるかに関わらず、「移動局」は、インターネット、Wi-Fi、または別のネットワークを介するなどしてサーバと通信することができる、無線通信機器、コンピュータ、ラップトップコンピュータなどを含むすべての機器を含むことを意図している。上記のあらゆる動作可能な組合せも、「移動局」であると考えられる。
【0074】
情報および信号は、様々な異なる技術および技法のいずれを用いても表すことができることを、当業者は理解するだろう。例えば、上記の説明を通して言及されたデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁性粒子、光場または光粒子、またはこれらの任意の組合せによって表すことができる。
【0075】
本明細書の開示と関連して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムのステップは、電子的ハードウェア、コンピュータプログラムコード、またはこれら両方の組合せとして実装され得ることを、当業者はさらに理解するだろう。ハードウェアとプログラムコードのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、一般にそれらの機能の点で説明されてきた。そのような機能がハードウェアとして実装されるか、またはソフトウェア/ファームウェアとして実装されるかは、システム全体に課される特定の用途および設計制約に依存する。当業者は、それぞれの特定の用途のために、説明された機能を様々な方法で実装することができるが、そのような実装方法についての判断は、本開示の範囲からの逸脱を引き起こすものと解釈されるべきではない。
【0076】
本明細書で説明される方法は、用途に応じて様々な手段で実装され得る。例えば、これらの方法は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはこれらの任意の組合せで実装され得る。ハードウェアが関係する実装では、処理ユニットは、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子機器、本明細書で説明される機能を実行するように設計された別の電子ユニット、またはこれらの組合せで実装され得る。
【0077】
ファームウェアおよび/またはソフトウェアが関係する実装では、これらの方法は、本明細書で説明される機能を実行するモジュール(例えば手順、機能など)を用いて実装され得る。命令を有形に具体化する任意の機械可読媒体が、本明細書で説明される方法を実装するのに使用され得る。例えば、ソフトウェアコードはメモリに保存することができ、処理ユニットによって実行することができる。メモリは、処理ユニットの内部に実装されてよく、または処理ユニットの外部に実装されてもよい。本明細書で使用する場合、用語「メモリ」は、あらゆる種類の長期メモリ、短期メモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、または別のメモリを指し、特定のタイプのメモリ、特定の数のメモリ、または記憶が保存される媒体の特定の種類に限定されるべきではない。
【0078】
ファームウェアおよび/またはソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つまたは複数の命令またはコードとして保存され得る。例としては、データ構造で符号化されたコンピュータ可読媒体およびコンピュータプログラムで符号化されたコンピュータ可読媒体が含まれる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラム製品の形態を取り得る。コンピュータ可読媒体は、物理的なコンピュータ記憶媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であってよい。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMまたは別の光学ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置、半導体記憶装置、または別の記憶機器、または、命令またはデータ構造の形で所望のプログラムコードを保存するのに使用することができ、コンピュータによってアクセスされ得る、任意の別の媒体を含み得る。またコンピュータ可読媒体はディスク(disk)およびディスク(disc)を含んでもよく、これらは本明細書で使用する場合には、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク、光学ディスク、デジタル多目的ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスクおよびブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は通常データを磁気的に再生するのに対し、ディスク(disc)はレーザーによって光学的にデータを再生する。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲に含まれ得る。
【0079】
コンピュータ可読媒体への保存に加えて、命令および/またはデータが、通信装置に含まれる伝送媒体上の信号として供給され得る。例えば、通信装置は、命令およびデータを示す信号を有する送受信機を含んでもよい。命令およびデータは、1つまたは複数の処理ユニットに、特許請求の範囲で概説される機能を実施させるように構成される。つまり、開示される機能を実行するために、通信装置は、情報を示す信号を有する伝送媒体を含む。最初は、通信装置に含まれる伝送媒体は、開示される機能を実行するために情報の第1の部分を含み得るが、2回目には、通信装置に含まれる伝送媒体は、開示される機能を実行するために情報の第2の部分を含み得る。
【0080】
本開示の上記の説明は、当業者が本開示を実行または使用できるようにするために提供される。本開示の様々な修正が、当業者には容易に明らかとなるだろう。本明細書で定義される全体的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく、別の変形形態にも適用され得る。したがって、本開示は本明細書で説明される例および設計に限定されることを意図しておらず、本明細書で開示される原理および新規の特徴と一致する、最も広い範囲で認められるべきである。
【符号の説明】
【0081】
100 3GPP2ネットワーク
110 移動局
120 フェムトセル
122 データネットワーク
130 位置確定要素
132 データベース
134 フェムトNIDデータベース
140 モバイル測位センター
150 衛星
910 コントローラ/プロセッサ
912 メモリ
914 送信機/受信機
926 通信ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェムトセルに割り当てられ、前記フェムトセルを無線ネットワーク内のセクタと区別するために使用される、少なくとも1つの識別要素を得るステップと、
前記フェムトセルの前記少なくとも1つの識別要素をロケーションサーバに送信するステップと、
前記ロケーションサーバを用いて測位を実行し、移動局の場所の推定を得るステップであって、前記ロケーションサーバが、前記少なくとも1つの識別要素に基づき、前記フェムトセルを前記無線ネットワーク内の前記セクタと区別する、ステップと
を含む、測位を実行する方法。
【請求項2】
前記フェムトセルの場所を得るステップと、
前記フェムトセルの前記場所を前記ロケーションサーバに送信するステップと
をさらに含み、測位が前記フェムトセルの前記場所に基づき実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フェムトセルによって伝送されるオーバーヘッドメッセージを受信するステップをさらに含み、前記フェムトセルの前記少なくとも1つの識別要素と前記フェムトセルの前記場所が、前記オーバーヘッドメッセージから得られる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記測位を実行するステップが、前記フェムトセルの前記場所に基づき、前記ロケーションサーバによって決定される支援データを受信するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記測位を実行するステップが、
擬似距離の測定結果を前記ロケーションサーバに送信するステップと、
前記フェムトセルの前記場所および前記擬似距離の測定結果に基づき、前記ロケーションサーバによって決定される場所の推定を受信するステップと
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
フェムトセルに割り当てられ、前記フェムトセルを無線ネットワーク内のセクタと区別するために使用される、少なくとも1つの識別要素を得るための手段と、
前記フェムトセルの前記少なくとも1つの識別要素をロケーションサーバに送信するための手段と、
前記ロケーションサーバを用いて測位を実行し、移動局の場所の推定を得るための手段であって、前記ロケーションサーバが、前記少なくとも1つの識別要素に基づき、前記フェムトセルを前記無線ネットワーク内の前記セクタと区別する、手段と
を含む、測位を実行するための装置。
【請求項7】
前記フェムトセルの場所を得るための手段と、
前記フェムトセルの前記場所を前記ロケーションサーバに送信するための手段と
をさらに含み、測位が前記フェムトセルの前記場所に基づき実行される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記フェムトセルによって伝送されるオーバーヘッドメッセージを受信するための手段をさらに含み、前記フェムトセルの前記少なくとも1つの識別要素および前記フェムトセルの前記場所が、前記オーバーヘッドメッセージから得られる、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
フェムトセルに割り当てられ、前記フェムトセルを無線ネットワーク内のセクタと区別するために使用される、少なくとも1つの識別要素を得るように、前記フェムトセルの前記少なくとも1つの識別要素をロケーションサーバに送信するように、かつ前記ロケーションサーバを用いて測位を実行し、移動局の場所の推定を得るように構成される、少なくとも1つの処理ユニットを含み、前記ロケーションサーバが、前記少なくとも1つの識別要素に基づき、前記フェムトセルを前記無線ネットワーク内の前記セクタと区別する、測位を実行するための装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの処理ユニットが、前記フェムトセルの場所を得るように、かつ前記フェムトセルの前記場所を前記ロケーションサーバに送信するようにさらに構成され、測位が前記フェムトセルの前記場所に基づき実行される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの処理ユニットが、前記フェムトセルによって伝送されるオーバーヘッドメッセージを受信し、前記フェムトセルの前記少なくとも1つの識別要素および前記フェムトセルの前記場所を、前記オーバーヘッドメッセージから得るようにさらに構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
コンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータ可読媒体が、
少なくとも1つの処理ユニットに、フェムトセルに割り当てられ、前記フェムトセルを無線ネットワーク内のセクタと区別するために使用される、少なくとも1つの識別要素を取得させるためのコードと、
前記少なくとも1つの処理ユニットに、前記フェムトセルの前記少なくとも1つの識別要素をロケーションサーバに送信させるためのコードと、
前記少なくとも1つの処理ユニットに、前記ロケーションサーバを用いて測位を実行させ、移動局の場所の推定を取得させるためのコードであって、前記ロケーションサーバが、前記少なくとも1つの識別要素に基づき、前記フェムトセルを前記無線ネットワーク内の前記セクタと区別する、コードと
を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項13】
フェムトセルに割り当てられ、前記フェムトセルを無線ネットワーク内のセクタと区別するために使用される、少なくとも1つの識別要素を決定するステップと、
前記フェムトセルの前記少なくとも1つの識別要素を少なくとも1つの移動局に送信するステップと
を含む、測位をサポートする方法。
【請求項14】
前記フェムトセルの場所を確定するステップと、
前記フェムトセルの前記場所を、測位の助けとして前記少なくとも1つの移動局に送信するステップと
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの識別要素が、フェムトセルに用意された値の範囲内にある値を有する識別要素を含み、前記フェムトセルが、前記識別要素の前記値に基づき、前記無線ネットワーク内の前記セクタと区別される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの識別要素が、複数の値の範囲のうちの1つの範囲内にある値を有する識別要素を含み、それぞれの値の範囲が、異なる種類のフェムトセルのために用意され、前記フェムトセルが、前記無線ネットワーク内の前記セクタと区別され、前記フェムトセルの種類が、前記識別要素の前記値に基づいて決定される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
それぞれの値の範囲が、特定の最大のアンテナの範囲(MAR)と関連する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの識別要素が、3GPP2ネットワークで使用されるネットワークID(NID)を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
フェムトセルに割り当てられ、前記フェムトセルを無線ネットワーク内のセクタと区別するために使用される、少なくとも1つの識別要素を決定するための手段と、
前記フェムトセルの前記少なくとも1つの識別要素を少なくとも1つの移動局に送信するための手段と
を含む、測位をサポートするための装置。
【請求項20】
前記フェムトセルの場所を確定するための手段と、
前記フェムトセルの前記場所を、測位の助けとして前記少なくとも1つの移動局に送信するための手段と
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つの識別要素が、複数の値の範囲のうちの1つの範囲内にある値を有する識別要素を含み、それぞれの値の範囲が、異なる種類のフェムトセルのために用意され、前記フェムトセルが、前記無線ネットワークの前記セクタと区別され、前記フェムトセルの種類が、前記識別要素の前記値に基づいて決定される、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
それぞれの値の範囲が、特定の最大のアンテナの範囲(MAR)と関連する、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
フェムトセルの少なくとも1つの識別要素を移動局から受信するステップと、
前記フェムトセルの前記少なくとも1つの識別要素に基づき、前記フェムトセルを無線ネットワークのセクタと区別するステップと、
前記フェムトセルについての情報に基づき、前記移動局のために測位を実行するステップと
を含む、測位をサポートする方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つの識別要素が、フェムトセルのために用意された値の範囲内にある値を有する識別要素を含み、前記フェムトセルを前記区別するステップが、前記フェムトセルを、前記値の範囲内にある前記識別要素の前記値に基づくフェムトセルの種類として、識別するステップを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの識別要素が、複数の値の範囲のうちの1つの範囲内にある値を有する識別要素を含み、それぞれの値の範囲が、異なるフェムトセルの種類のフェムトセルために用意され、前記フェムトセルを前記区別するステップが、前記フェムトセルを、前記識別要素の前記値に基づく特定のフェムトセルの種類として、識別するステップを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記フェムトセルの場所を得るステップをさらに含み、測位が前記フェムトセルの前記場所にさらに基づき実行される、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記フェムトセルの前記場所が、前記移動局から、または前記フェムトセルを用いて測位を実行することによって、または前記少なくとも1つの識別要素に基づきデータベースを検索することによって得られる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記フェムトセルの前記少なくとも1つの識別要素に基づき、前記フェムトセルの最大のアンテナの範囲(MAR)を決定するステップをさらに含み、測位が前記フェムトセルの前記MARにさらに基づいて実行される、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記フェムトセルの前記場所が緯度および経度を含む、請求項26に記載の方法であって、
前記フェムトセルの前記緯度および経度に基づき、前記フェムトセルの高度を決定するステップをさらに含み、測位が前記フェムトセルの前記高度にさらに基づいて実行される、方法。
【請求項30】
前記測位を実行するステップが、
前記フェムトセルの前記場所に基づき、前記移動局のために支援データを決定するステップと、
前記移動局に前記支援データを送信するステップと
を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記測位を実行するステップが、
前記移動局から擬似距離の測定結果を受信するステップと、
前記フェムトセルの前記場所および前記擬似距離の測定結果に基づき、前記移動局のための場所の推定を確定するステップと、
前記場所の推定を前記移動局に送信するステップと
を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
フェムトセルの少なくとも1つの識別要素を移動局から受信するための手段と、
前記フェムトセルの前記少なくとも1つの識別要素に基づき、前記フェムトセルを無線ネットワーク内のセクタと区別するための手段と、
前記フェムトセルについての情報に基づき、前記移動局のために測位を実行するための手段と
を含む、測位をサポートするための装置。
【請求項33】
前記少なくとも1つの識別要素が、複数の値の範囲のうちの1つの範囲内にある値を有する識別要素を含み、それぞれの値の範囲が、異なる種類のフェムトセルの種類のフェムトセルのために用意され、前記フェムトセルを区別するための前記手段が、
前記フェムトセルを、前記識別要素の前記値に基づく特定の種類のフェムトセルとして、識別するための手段を含む、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記フェムトセルの場所を得るための手段をさらに含み、測位が前記フェムトセルの前記場所にさらに基づき実行される、請求項32に記載の装置。
【請求項35】
前記フェムトセルの最大のアンテナの範囲(MAR)を、前記フェムトセルの前記少なくとも1つの識別要素に基づき確定するための手段をさらに含み、
測位が、前記フェムトセルの前記MARにさらに基づいて実行される、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記フェムトセルの前記場所が緯度および経度を含む、請求項34に記載の装置であって、
前記フェムトセルの前記緯度および経度に基づき、前記フェムトセルの高度を確定するための手段をさらに含み、測位が前記フェムトセルの前記高度にさらに基づき実行される、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−527849(P2012−527849A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512061(P2012−512061)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/035794
【国際公開番号】WO2010/135657
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.レーザーディスク
3.WCDMA
【出願人】(507364838)クアルコム,インコーポレイテッド (446)
【Fターム(参考)】