説明

フェルラ酸を原料とする新規な化合物及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子

【課題】天然由来のフェルラ酸を用いた新規な化合物、及び、この化合物を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること。
【解決手段】下記の一般式


[式中、Aは、フェニル、スチリル、スチリルフェニル、オキサジアゾール、ベンゾ[1,2−4,5]ビスオキサゾールからなる群より選択された基であり、Bは、シアノ、メトキシアルコキシスチリル、ベンゾオキサゾール誘導体、クマリン誘導体からなる群より選択された基であり、R1は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン置換アルキル基、炭素数1〜8のアシル基を示す]で表される化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェルラ酸を原料とした高溶解性を有する新規な蛍光性化合物、およびこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子に関するものであり、表示用照明、表示装置などに利用できる。また、本発明の化合物は紫外線吸収剤や蛍光材料に代表される機能性材料としても有用である。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子は低電圧で駆動可能な発光デバイスであり、さらに自発光型で視野角が広く、かつ薄型化や軽量化が可能であるという特徴を有する。
今日では携帯電話やデジタルカメラ等の小型ディスプレイとして実用化されており、将来的にはフレキシブルディスプレイ、照明用途への大きな期待が寄せられている。
このような有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層として、様々な材料の開発が行われてきたが、現在も発光効率や耐久性のさらなる向上を目指し開発が進められている。
有機エレクトロルミネッセンス素子は、一般に発光層および該層を挟んだ一対の対向電極から構成されており、電界を印加することで陽極より注入された正孔と陰極より注入された電子の再結合エネルギーにより発光層中の蛍光性物質が発光する。
このような発光層用材料には低分子材料から高分子材料まで様々な種類が存在するが、いずれも芳香環を持つという共通点がある。芳香環を有する材料は、一般的に紫外線を吸収することで蛍光を発する材料としても知られ、特に固体状態でも蛍光を発するような材料は、有機エレクトロルミネッセンスの発光層材料として有望である。
【0003】
一方、こうした先端技術産業においても地球温暖化ガスの削減は重要課題であり、日本が掲げる高い削減目標を達成するにはカーボンニュートラルであるバイオマスを、有効に活用することが将来的に必要不可欠な技術となっている。
バイオマスの1種であるフェルラ酸は、天然の米糠からサラダ油を抽出、製造する過程で排出される産業廃棄物(米糠ピッチ)からも製造されている。そして、その分子内に芳香環を有することから石油代替原料としても注目されている天然由来の化合物である。
【0004】
特許文献1には、ベンゾオキサジノン系化合物、該化合物からなる色素、および該化合物を用いて作製した有機電界発光素子に関する発明が記載され、特許文献2には、ベンゾチアジアゾール誘導体からなる有機エレクトロルミネッセンス素子用材料に関する発明が記載されている。
しかしながら、特許文献1および2に記載されている化合物は石油由来物を主原料としており、その製造過程で多くの地球温暖化ガスを排出する。また主原料である石油も将来は枯渇することが懸念されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−215443
【特許文献2】特開2006−45398
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、有機エレクトロルミネッセンス素子の構成成分として、天然由来であるフェルラ酸を原料とした新規な高溶解性化合物を提供し、この化合物を用いることにより、地球環境に優しい有機エレクトロルミネッセンス素子を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は一般式(I)
【化1】

[式中、Aは、
【化2】

からなる群より選択された基であり、
【化3】

からなる群より選択された基であり、
R1、R2は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン置換アルキル基、炭素数1〜8のアシル基を示し、R3、R4は水素原子、ハロゲン、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン置換アルキル基、炭素数1〜8のアシル基を示し、R5は水素原子、ハロゲン、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン置換アルキル基、水酸基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基または炭素数1〜4のアルキル基を持つアルキルアミノ基もしくはジアルキルアミノ基を示し、Xは酸素原子、硫黄原子、イミノ基、炭素数1〜4のアルキル基を持つアルキルイミノ基を示す]で表される化合物に関する。
【0008】
また、本発明は、上記一般式において、Aがフェニル基、Bがベンゾオキサゾールもしくはクマリンであることを特徴とする化合物に関する発明である。
また、本発明は、2−(4−ヘキシルオキシ−3−メトキシスチルベン−4’−イル)ベンゾオキサゾール、または、2,6−ビス(3,4−ジメトキシスチリル)ベンゾ[1,2−4,5]ビスオキサゾール、または、4−シアノスチリル−4’−ヘキシルオキシ−3’−メトキシスチルベン、または、3−(4−ヘキシルオキシ−3−メトキシスチルベン−4’−イル)−7−メトキシクマリン、または、2,5−ビス(3,4−ジメトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾールで示される化合物に関する発明である。
さらに、本発明は、フェルラ酸を原料として合成することを特徴とする上記の化合物に関する発明である。
また、本発明は、有機エレクトロルミネッセンス用色素である上記の化合物に関する発明である。
さらに、本発明は、対向する陽極と陰極の間に有機層を有する有機エレクトロルミネッ
センス素子において、該有機層が上記の化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子に関する発明である。
【発明の効果】
【0009】
以下に示す実施例等から明らかなように、天然由来原料であるフェルラ酸を用いた本発明の化合物は、青色から黄色に発光(蛍光)し、従来にはないカーボンニュートラルであるバイオマスを有効に活用した発光化合物、及び、有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することができる。更に堅牢性、溶解性、昇華性などに優れており、本発明の化合物は溶媒に溶解し易いので、スピンコートなどによって容易に薄膜を形成することができる。
本発明の化合物は高分子材料からなるホスト(ポリビニルカルバゾールなど)に分散することができ、化合物が低濃度でも高発光である。また、本発明の化合物は有機エレクトロルミネッセンス素子用の材料としても優れた性能を有する。そして、本発明の化合物は機能性材料、特に蛍光材料としても有用である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明における一般式(I)の式中、R1、R2は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン置換アルキル基、炭素数1〜8のアシル基を示し、R3、R4は水素原子、ハロゲン、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン置換アルキル基、炭素数1〜8のアシル基を示し、R5は水素原子、ハロゲン、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン置換アルキル基、水酸基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基または炭素数1〜4のアルキル基を持つアルキルアミノ基もしくはジアルキルアミノ基を示し、Xは酸素原子、硫黄原子、イミノ基、炭素数1〜4のアルキル基を持つアルキルイミノ基を示す。
本発明の置換基のハロゲン原子としては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素が上げられる。
アシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、シクロヘキシルカルボニル基、ベンゾイル基、フェニルアセチル基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ヘキシルオキシ基などが上げられる。また、アルキルアミノ基もしくはジアルキルアミノ基としては、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基などが上げられる。
【0011】
[本発明の化合物の製造方法]
本発明の化合物は、フェルラ酸を原料として製造することができ、実施例1に記載するように、−A−Bからなる中間体のジアゾニウム塩を、マーベイン反応によりフェルラ酸と縮合し、光延反応によるヒドロキシル基のアルコキシル化により製造することができる。
また、実施例2及び5に示すように、フェルラ酸のヒドロキシル基をアルコキシル化後、カルボン酸をクロライド化してアミノ基と縮合、これを閉環することで製造可能である。
【0012】
本発明の化合物の代表例としては下記のものをあげることができる。
4−シアノスチリル−4’−ヘキシルオキシ−3’−メトキシスチルベン、
2−(4−ヘキシルオキシ−3−メトキシスチルベン−4’−イル)ベンゾオキサゾール、
1,4−ビス(4−ブトキシ−3−メトキシスチリル)ベンゼン、
2−(4−(4−オクチルオキシ−3−メトキシスチリル)スチリル)ベンズイミダゾール、
4−(3,4−ジメトキシスチリル)−4’−シアノスチルベン、
2−(4−ヘキシルオキシ−3−メトキシスチリル)−5−(4−イソプロピルオキシ−3−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、
3−(4−エトキシ−3−メトキシスチルベン−4’−イル)−7−ジエチルアミノクマリン、
2,6−ビス(3,4−ジメトキシスチリル)ベンゾ[1,2−4,5]ビスオキサゾール、
2,6−ビス(4−イソアミルオキシ−3−メトキシスチリル)ベンゾ[1,2−4,5]ビスオキサゾール、
2−(4−(4−デシルオキシ−3−メトキシスチリル)スチルベン−4’−イル)ベンゾチアゾール、
2−(4−tert−ブトキシ−3−メトキシスチルベン−4’−イル)−5−tert−オクチルベンゾオキサゾール、
2,5−ビス(4−ヘキサデシルオキシ−3−メトキシスチリル)−1,3,4−チアジアゾール、
3−(4−ヘキシルオキシ−3−メトキシスチルベン−4’−イル)−7−メトキシクマリン、
3−(4−(4−ヘキシルオキシ−3−メトキシスチリル)スチルベン−4’−イル)−7−メトキシクマリン、
2,5−ビス(3,4−ジメトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、
2―(3,4−ジメトキシスチリル)―6−(4−tert−ブトキシ−3−メトキシスチリル)ベンゾ[1,2−4,5]ビスオキサゾール及び
4−(4−オクチルオキシ−3−メトキシスチリル)シンナモニトリル
等が挙げられる。
【0013】
これらの化合物は、単独で用いても良いし、二種以上を適宜組み合わせても良い。
【実施例】
【0014】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
【0015】
実施例1
2−(4−ヘキシルオキシ−3−メトキシスチルベン−4’−イル)ベンゾオキサゾールの製造
2−(4−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール21.0gを希塩酸に懸濁し、亜硝酸ナトリウム水溶液を滴下してジアゾ化、酢酸ナトリウムを加えたフェルラ酸のアセトン溶液中にゆっくりと滴下、種々精製して2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシスチルベン−4’−イル)ベンゾオキサゾール1.2gを得た。
この中間体1.0gにn−ヘキサノール0.3g、アゾジカルボン酸ジイソプロピルエステル0.7g及びTHF30mlを加え、室温下で撹拌してトリフェニルホスフィン0.9gをTHF10mlに溶解してゆっくり滴下し、室温下で撹拌・熟成した。反応液を濃縮後、残渣をエタノールで再結晶してλmax367nm、融点123〜125℃の目的物を得た。
【0016】
実施例2
2,6−ビス(3,4−ジメトキシスチリル)ベンゾ[1,2−4,5]ビスオキサゾールの製造
フェルラ酸5.2gを硫酸ジメチル17.8gでメチル化して3,4−ジメトキシ桂皮酸4.3gを調製し、これをピリジン存在化、塩化チオニルで酸クロライド化して3,4−ジメトキシ桂皮酸クロライドとした。
これに2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンジアミン1.7g及びモノクロロベンゼン100mlを加え、12時間還流した。放冷後、析出物を濾別、洗浄して黄色固体1.8gを回収した。
上記中間体1.8gに酢酸銅2.0g、ピリジン6ml及びDMF20mlを量り取り、12時間還流、放冷後、析出物を濾別し、カラム精製してλmax404nm、融点300℃以上の目的物を得た。
【0017】
実施例3
4−シアノスチリル−4’−ヘキシルオキシ−3’−メトキシスチルベンの製造
4−アミノベンズアルデヒドノポリマー体12.1gを希塩酸に懸濁し、亜硝酸ナトリウム水溶液を滴下してジアゾ化、フェルラ酸25.0gをアセトン350mlに溶解して添加後、塩化第二銅・2水和物4.0gを加えて撹拌・熟成した。析出物を濾過、水洗して4−ヒドロキシ―3−メトキシスチルベン−4’−アルデヒドを調製した。
これをTHF250mlに溶解してアゾジカルボン酸ジイソプロピルエステル12.1g、n−ヘキサノール6.1gを加えた後、トリフェニルホスフィン15.7gをTHF60mlに溶解してゆっくり滴下した。暫く撹拌・熟成した後、THFを減圧留去し、残渣を洗浄して4−ヘキシルオキシ−3−メトキシスチルベン−4’−アルデヒドを回収した。
この中間体にエタノール150ml及び4−シアノトルイルホスフォニウムクロライド16.1gを加え、撹拌しながら28%ナトリウムメチラート6.0gをゆっくり滴下後、撹拌・熟成した。析出物を濾別、洗浄して再結晶し、λmax379nm、融点142〜152℃の目的物を得た。
【0018】
実施例4
3−(4−ヘキシルオキシ−3−メトキシスチルベン−4’−イル)−7−メトキシクマリンの製造
4−アミノフェニル酢酸15.1gを希塩酸に懸濁し、亜硝酸ナトリウム水溶液を滴下してジアゾ化、フェルラ酸19.4gをアセトン250mlに溶解して添加後、塩化第二銅・2水和物4.0gを加えて撹拌・熟成した。析出物を濾過、水洗して4−ヒドロキシ−3−メトキシスチルベン−4’−酢酸を調整した。
これと4−メトキシサリチルアルデヒド2.1g、トリエチルアミン30ml、無水酢酸20mlを13時間還流した。放冷後、析出物を濾別、洗浄。エタノールとDMFの混合溶媒で再結晶して、黄色粉末0.9gを得た。
この中間体にトリフェニルホスフィン0.6g、n−ヘキサノール0.3g、THF100mlを加え、室温下で撹拌してアゾジカルボン酸イソプロピルエステル0.5g、THF20mlの溶液をゆっくり滴下し、撹拌・熟成した。反応液を濃縮後、残渣をエタノールとDMFの混合溶媒で再結晶し、λmax=364nm、融点180〜182℃の目的物を得た。
【0019】
実施例5
2,5−ビス(3,4−ジメトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾールの製造
フェルラ酸5.2gを硫酸ジメチル17.8gでメチル化して3,4−ジメトキシ桂皮酸4.3gを調製し、これをピリジン存在化、塩化チオニルで酸クロライド化して3,4−ジメトキシ桂皮酸クロライドとした。
これをジエチルエーテル400mlに懸濁してヒドラジン・1水和物0.8gを加え、2時間撹拌した後、析出物を濾別、洗浄して淡黄色の中間体4.6gを得た。
中間体4.4gにオキシ塩化リン88gを加えて100℃に8時間保持し、冷却後、氷水中に注ぎ入れて析出物を濾別し、DMFで再結晶してλmax377nm、融点の300℃以上の目的物を得た。
【0020】
実施例6
ITO基板(三容真空社製、10Ω/□、1500A)をアセトン、エタノールで洗浄した後、窒素をブローして乾燥、これをUV洗浄した。スピンコーター(アクティブ社製、ACT−300D)にてPEDOT:PSS(H.C.Starck社製)をスピンコートし、13
0℃で4分間乾燥、ここに実施例1の化合物を1%含有するクロロホルム溶液をスピンコート、乾燥して発光層を製膜した。これを真空蒸着装置(エイコー社製、EO−5)でLiF、Alの順に蒸着し、エレクトロルミネッセンス素子を調製した。
このエレクトロルミネッセンス素子を電極につないで徐々に電圧を上げ、輝度(トプコン社製、Bm−9)及び色度(大塚電子社製、MCPD−7000)を測定したところ、23Vで500cd/m2、色度x=0.19、y=0.20の青色発光を確認した。
【0021】
実施例7
実施例6の実施例1の化合物を実施例3の化合物に代替した以外は同様にエレクトロルミネッセンス素子を作製し、輝度及び色度を測定した結果、23Vで700cd/m2、色度x=0.40、y=0.54の黄色発光が確認できた。
【0022】
実施例8
実施例6の実施例1の化合物を実施例4の化合物に代替した以外は同様にエレクトロルミネッセンス素子を作製し、輝度及び色度を測定した結果、15Vで1500cd/m2、色度x=0.24、y=0.39の水色発光が確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明の化合物は、天然由来原料のフェルラ酸を用いた、青色から黄色で発光(蛍光)するバイオマスを有効に活用した発光化合物、及び、有機エレクトロルミネッセンス素子である。そして堅牢性、溶解性、昇華性などに優れており、本発明の化合物は溶媒に溶解し易いので、スピンコートなどによって容易に薄膜を形成することができる。
本発明の化合物は、高分子材料からなるバインダー(ポリビニルカルバゾールなど)に分散することができ、化合物が低濃度であっても高発光である。
また、本発明の化合物は、有機エレクトロルミネッセンス素子用の材料としても優れた性能を有し、機能性材料、特に蛍光材料としても有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で表される化合物。
【化1】

[式中、Aは、
【化2】

からなる群より選択された基であり、
【化3】

からなる群より選択された基であり、
R1、R2は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン置換アルキル基、炭素数1〜8のアシル基を示し、R3、R4は水素原子、ハロゲン、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン置換アルキル基、炭素数1〜8のアシル基を示し、R5は水素原子、ハロゲン、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン置換アルキル基、水酸基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基または炭素数1〜4のアルキル基を持つアルキルアミノ基もしくはジアルキルアミノ基を示し、Xは酸素原子、硫黄原子、イミノ基、炭素数1〜4のアルキル基を持つアルキルイミノ基を示す]
【請求項2】
Aがフェニル基、Bがベンゾオキサゾールもしくはクマリンである請求項1記載の化合物。
【請求項3】
2−(4−ヘキシルオキシ−3−メトキシスチルベン−4’−イル)ベンゾオキサゾール、または、2,6−ビス(3,4−ジメトキシスチリル)ベンゾ[1,2−4,5]ビスオキサゾール、または、4−シアノスチリル−4’−ヘキシルオキシ−3’−メトキシスチルベン、または、3−(4−ヘキシルオキシ−3−メトキシスチルベン−4’−イル)−7−メトキシクマリン、または、2,5−ビス(3,4−ジメトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、で示される請求項1記載の化合物。
【請求項4】
フェルラ酸を原料として合成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
有機エレクトロルミネッセンス用色素である請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
対向する陽極と陰極の間に有機層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該有機層が請求項1〜4のいずれかに記載の化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。

【公開番号】特開2013−14525(P2013−14525A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147128(P2011−147128)
【出願日】平成23年7月1日(2011.7.1)
【出願人】(391025659)株式会社日本化学工業所 (8)
【出願人】(591023594)和歌山県 (62)
【Fターム(参考)】