説明

フォトセンサーアレイ基板

【課題】 X線撮像表示装置等に用いられるフォトセンサーは下地電極上に形成されるが、下地電極の表面状況によっては、フォトセンサーを構成するアモルファスシリコン膜が剥れることがある。特に、絶縁膜にコンタクトホールを開口する際のドライエッチングによる汚染等の影響は大きい。
【解決手段】 ドレイン電極7を下層7aと上層7bから構成しておき、コンタクトホールCH1の開口後に上層7bを除去する。すなわち、フォトダイオード100は、下層7a上に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可視光を電荷へ変換するフォトダイオードとスイッチング素子に用いる薄膜トランジスタ(以後、TFTとも呼ぶ)をマトリクス状に配置したフォトセンサーアレイ基板(以後、FPDアレイ基板とも呼ぶ)に関するものであり、当該FPDアレイ基板は主にフォトセンサーに用いられる。
【背景技術】
【0002】
可視光を光電変換するフォトダイオードとTFTとを配置したFPDアレイ基板を備えたフラットパネルであるフォトセンサーは、密着イメージセンサーやX線撮像表示装置などに適用され広く用いられている。特に、FPDアレイ基板上にX線を可視光に変換するシンチレーターを設けることにより構成されるフラットパネルX線撮像表示装置(以後、FPDとも呼ぶ)は医療産業等への適用が有望な装置である。
【0003】
X線画像診断の分野では精密画像(静止画)とリアルタイム画像観察(動画)が使い分けられている。静止画の撮影には主にX線フィルムが今尚使用されている。一方、動画の撮影には光電子増倍管とCCDを組み合わせた撮像管(イメージインテンシファイア)が使用されている。X線フィルムは空間分解能が高い反面、感度が低く静止画しか撮影できない、撮影後に現像処理を必要とし、即時性に欠けるといった欠点がある。一方、撮像管は感度が高く動画の撮影が可能である反面、空間分解能が低い、真空デバイスであるため大型化に限界があるといった欠点がある。
【0004】
FPDにはCsIなどのシンチレーターによってX線を光に変換後、フォトダイオードにより電荷へ変換する間接変換方式と、Seを代表とするX線検出素子によりX線を直接電荷へ変換する直接変換方式がある。間接変換方式の方が量子効率が高く、シグナル/ノイズ比に優れ、少ない被爆線量で透視、撮影が可能である。間接変換方式のFPDアレイ基板に関する構造や製造方法については従来から開示がなされている。(例えば、特許文献1〜3参照)
【0005】
FPDアレイ基板においては、フォトセンサーの感度やノイズ等に影響を与えるフォトダイオードの形成は重要である。フォトダイオードの形成は、下部電極上にアモルファスシリコン層を成膜した後にパターニングすることによりなされる。このフォトダイオードのアモルファスシリコン層の厚みは1.5μm程度あり、パターニング時のエッチングには長時間を要する。薄膜トランジスタにもアモルファスシリコン層が形成されるが、バックチャネル型の場合、その厚みは0.1〜0.3μm程度しかない。したがって、フォトダイオードの形成は、薄膜トランジスタの形成工程とは分離して行われることが多い。すなわち、薄膜トランジスタのチャネルとなるアモルファスシリコン層やドレイン電極やソース電極を形成した後に、薄膜トランジスタを覆うための絶縁膜を成膜した後に、フォトダイオードを形成することが多い。(例えば、特許文献4参照)
【0006】
ここで、フォトダイオードの下部電極は電気的に薄膜トランジスタのドレイン電極かソース電極と電気的に接続させる必要があるので、薄膜トランジスタを覆う絶縁膜には接続用のコンタクトホールを開口させておく必要がある。コンタクトホールの開口は、薄膜トランジスタを覆うための絶縁膜を成膜した後であって、フォトダイオードのアモルファスシリコン層を成膜する前に行う。さらに、この開口の際には薄膜トランジスタを覆う絶縁膜に適したエッチング法を用いる。通常、絶縁膜にはSiO2やSiNが用いられ、そのエッチング方法としてはドライエッチング法が用いられることが多い。
【0007】
【特許文献1】特開2004−63660号公報(図9)
【特許文献2】特開2004−48000号公報(図4)
【特許文献3】特開2003−158253号公報(図1)
【特許文献4】特開2005−129892号公報(図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
コンタクトホールを形成する際にドライエッチング法を用いた場合、エッチング条件によってはエッチングガスの成分がポリマーを形成し、コンタクトホールを開口した後の下部電極上に再付着する場合がある。このような状態下で下部電極上にフォトダイオードを構成するアモルファスシリコン層を成膜すると、フォトダイオードの下部電極との密着性が悪く、アモルファスシリコン膜の膜はがれが発生することがある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明にかかるフォトセンサーアレイ基板は、フォトダイオードの下部電極の形成に2層以上の異種の層からなる積層膜が用いられ、コンタクトホール開口部において前記積層膜の少なくとも最上の1層が除去されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
コンタクトホールの開口部において、フォトダイオードの下部電極の少なくとも最上の1層が除去されているので、フォトダイオードを構成するアモルファスシリコン層の剥れを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。図1は、本実施の形態にかかるフォトセンサーアレイ基板の平面図を示したものである。図2は、図1においてA−Aで示された個所における断面図である。
【0012】
絶縁性基板であるガラス基板1上に、アルミを主成分とする金属を含むゲート電極2が形成されている。アルミを主成分とする金属としてはAlNiNd、AlNiSi、AlNiMg等のNiを含むAl合金、すなわちAl−Ni合金を用いたが他のアルミ合金でもよい。また、Al以外にも低抵抗金属材料としては、Cuを用いてもよい。さらにゲート電極2は金属膜を積層されて構成されてもよい。ゲート電極2を覆うように形成されるゲート絶縁膜3上に、ゲート電極2と対向するように半導体層4が形成されている。この半導体層は、例えばアモルファスシリコンからなるが、IGZO(Indium Gallium Zinc Oxide)等の透明導電材料であってもよい。この半導体層4上に形成されるn+a−Si:Hのオーミックコンタクト層5を介して半導体層4と接続するソース電極6とドレイン電極7とがある。
【0013】
ソース電極6は下層6aと上層6bとの積層構造からなる。また、ドレイン電極7は下層7aと上層7bとの積層構造からなる。これらを覆うようにして第一のパッシベーション膜8が形成されている。そして、第一のパッシベーション膜8には、ドレイン電極7に達するようにコンタクトホールCH1が形成されている。ここで、コンタクトホールCH1の底部においては、ドレイン電極7の上層7bは除去されている。なお、本実施の形態におけるドレイン電極は2層だが、それ以上の多層構造でもよく、さらに、コンタクトホールCH1の底部においては、少なくとも最上の1層が除去されていればよい。
【0014】
第一のパッシベーション膜8に開口したコンタクトホールCH1を介してドレイン電極7の下層7aと接続するように、Pドープしたアモルファスシリコン膜9とその上層のイントリンシックのアモルファスシリコン膜10とBドープしたアモルファスシリコン膜11との3層積層構造からなるフォトダイオード100が形成されており、さらにその上層にはITO、IZO、ITZO、ITSO、IGZO等からなる透明電極12が形成されている。本発明においては、フォトダイオード100の下部電極に相当するのはドレイン電極7の下層7aということになる。つまり、積層からなるドレイン電極7の少なくとも1層を除去した後の層である下層7a上に、フォトダイオードが形成されていることを特徴としている。また、フォトダイオード100の下部電極としては、図2のようにドレイン電極7を延在させたものでもよいし、ドレイン電極7と接続する導電層でもよい。ドレイン電極7と電気的に一体の導電層であればよい。
【0015】
コンタクトホールCH1はフォトダイオード100のエッジを内包するような形状に開口されている。言い換えれば、コンタクトホールCH1の開口エッヂの内部にフォトダイオード100が形成されていることになり、フォトダイオード100はコンタクトホールCH1の開口エッヂをまたがないようにして配置されている。さらに、フォトダイオード100はドレイン電極7のパターン内にも内包されている。したがって、フォトダイオード100を構成するアモルファスシリコン積層膜には、コンタクトホールCH1の開口エッヂ部やドレイン電極7における段差を乗り越える領域が無いため、リーク電流の少ない良好なフォトダイオードを形成することができる。なお、ここで開口エッヂとは図1でほぼ四角形で表示されているコンタクトホールCH1の開口周囲における線状の領域であり、コンタクトホールCH1がテーパー形状をなしている場合は特にそのボトム部を指す。
【0016】
これらを覆うように形成される第二のパッシベーション膜13はコンタクトホールCH2、CH3を有し、第二のパッシベーション膜13上のデータ線14はコンタクトホールCH2を介してソース電極6と接続され、第二のパッシベーション膜13上のバイアス線15はコンタクトホールCH3を介して透明電極12と接続するように形成されている。なお、ここでデータ線14とバイアス線15は、少なくともその最上層もしくは最下層にAl−Ni合金膜を有している。Al−Ni合金膜の単層でもよい。最上層にAl−Ni合金膜がある場合、さらに表面を窒化層としてもよい。また、図示しないが、データ線14は3層積層構造からなるフォトダイオード100において変換された電荷を読み出すための配線であり、バイアス線15は光が当たらないときにoff状態を作るために3層積層構造からなるフォトダイオードに逆バイアスをかけるための配線である。
【0017】
さらに、第二のパッシベーション膜13上には遮光層16も形成されている。そして、これらを覆うようにして第三のパッシベーション膜17、第四のパッシベーション膜18が形成されている。ここで、第四のパッシベーション膜18は表面が平坦な膜であり、例えば有機樹脂などからなる。
【0018】
次に、図3、図4を参照して端子部に関する説明を以下に行う。図3は、ゲート電極2から延在してなるゲート配線の端部に形成される端子部の断面図である。図4は、データ線14もしくはバイアス線15から延在されてなる配線の端部に形成される端子部の断面図である。
【0019】
図3において、ガラス基板1上にゲート電極2と同時に形成されるゲート配線の端部20が形成されている。その上層には、ゲート絶縁膜3と第一のパッシベーション膜8と第二のパッシベーション膜13とが積層されており、さらにその上層には、データ線14と同時に形成された導電パターン21が形成されている。導電パターン21はコンタクトホールCH4を介してゲート配線の端部20と接続されている。ここで、CH4はCH2やCH3と同じエッチング工程において形成してもよい。また、CH4をテーパー形状とすることにより導電パターン21の被覆性が向上するので断線を防止できる。
【0020】
また、導電パターン21の上層には第三のパッシベーション膜17、第四のパッシベーション膜18が形成されている。第三のパッシベーション膜17、第四のパッシベーション膜18上に形成される端子引き出し電極22と、導電パターン21とは第三のパッシベーション膜17、第四のパッシベーション膜18に開口されたコンタクトホールCH5を介して接続されている。なお、端子引き出し電極22は透明な導電性酸化物からなるが、下層に高融点金属膜が形成された積層膜でもよい。
【0021】
図4において、ガラス基板1上にゲート電極2と同時に形成されるショートリング配線23が形成されている。その上層には、ゲート絶縁膜3と第一のパッシベーション膜8と第二のパッシベーション膜13とが積層されており、さらにその上層には、データ線14もしくはバイアス線15から延在されてなる配線の端部24が形成されている。配線の端部24はコンタクトホールCH6を介してショートリング配線23と接続されている。ここで、CH6はCH2やCH3と同じエッチング工程において形成してもよい。また、CH6をテーパー形状とすることにより配線の端部24の被覆性が向上するので断線を防止できる。
【0022】
また、配線の端部24の上層には第三のパッシベーション膜17、第四のパッシベーション膜18が形成されている。第三のパッシベーション膜17、第四のパッシベーション膜18上に形成される端子引き出し電極22と、配線の端部24とは第三のパッシベーション膜17、第四のパッシベーション膜18に開口されたコンタクトホールCH7を介して接続されている。なお、端子引き出し電極22は例えば透明な導電性酸化物からなる上層と高融点金属からなる下層との積層であってもよい。
【0023】
図1、図2に示すフォトセンサーアレイ基板を用いて、公知の方法によりX線撮像装置などのようなフォトセンサーを製造することも可能である。図示しないが、図1に示す第四のパッシベーション膜18の上に例えばCsIからなるX線を可視光に変換するシンチレーターを蒸着し、低ノイズアンプとA/Dコンバーターなどを有するデジタルボード、TFTを駆動するドライバーボード、および電荷を読み出す読み出しボードを接続することにより、X線撮像装置を作成することが出来る。
【0024】
本実施の形態にかかるフォトセンサーアレイ基板では、コンタクトホールCH1を介してドレイン電極7の下層7aと接続するようにフォトダイオード100が形成されている。すなわち、コンタクトホールCH1を開口する際にエッチングの汚染やダメージを受けた上層7bが除去されている。したがって、フォトダイオード100を構成するアモルファスシリコン膜との密着力の低下という問題は生じないという効果を奏する。なお、上層7bの表面の汚染層さえ除去できれば、同様の効果を奏するので、たとえば、コンタクトホールCH1内の上層7bの表面層のみを除去してもいい。すなわち、コンタクトホールCH1内における上層7bの厚みが、第一のパッシベーション膜8で覆われた上層7bの厚みより少なくても同様の効果を奏することができる。
【0025】
次に、図5(a)〜(c)、図6(a)(b)を用いて本実施の形態にかかるフォトセンサーアレイ基板の製造方法について説明する。なお、図5、図6とも、図2に対応する個所における工程ごとの断面図である。
【0026】
最初にガラス基板1上に第一の導電性薄膜として、アルミを主成分とする金属、たとえばNiを含むAl合金、例えばAlNiNdをスパッタリング法により形成する。成膜条件は、圧力0.2〜0.5Pa、DCパワー1.0〜2.5kW パワー密度で言うなれば0.17〜0.43W/cm、成膜温度は室温〜180℃ぐらいまでの範囲を適用する。膜厚は150〜300nm形成する。現像液との反応を抑えるためにAlNiNdの上に、AlNiNdを窒化したAlNiNdN層を形成しても良い。AlNiNdの代わりにAlNiSiやAlNiMgなどを使用しても良い。さらに、データ線14やバイアス線15に同じ材料を用いてもよく、その場合は生産効率が向上する。また、Al以外にも低抵抗金属材料としてCuもしくはCu合金を用いることができ、この場合もAlと同様にスパッタリング法で成膜することができる。さらに、金属膜は積層を形成してもよい。
【0027】
次に第一のフォトリソ工程でゲート電極形状のレジストを形成し、エッチング工程で例えば燐酸・硝酸・酢酸の混酸を用いて第一の導電性薄膜をパターニングしてゲート電極2を形成する。尚、ゲート電極の断面形状をテーパー形状にすると、後続の膜形成における断線などの不良を低減できる。さらに、エッチングは燐酸と硝酸と酢酸との混酸を挙げたがエッチング液の種類はこの限りではない。また、ドライエッチを用いても良い。本実施の形態においては、フォトダイオードの形成の際にゲート電極2が露出しない構造となっているので、ゲート電極2としてダメージにそれほど強くないアルミや銅を主成分とする金属を用いることができる。そのため、低抵抗な配線を形成できるので、大型のフォトセンサーを形成することが可能となる。
【0028】
次にゲート絶縁膜3を200〜400nm、a−Si:H(水素原子が添加されたアモルファスシリコン)半導体層4を100〜200nm、n+a−Si:Hのオーミックコンタクト層5を20〜50nmの膜厚でプラズマCVD法で積層する。なお、フォトセンサーは高い電荷読み出し効率が求められ駆動能力の高いトランジスタが求められる為、a−Si:H半導体層4を2ステップに分割して成膜してトランジスタの高性能化を図っても良い。その場合の成膜条件として、1層目はデポレート(成膜速度)が5〜20nm/分の低速のデポレートで良質な膜を形成し、その後の残りを30nm/分以上のデポレートで成膜する。また、ゲート絶縁膜3、a−Si:H(水素原子が添加されたアモルファスシリコン)半導体層4、n+a−Si:Hのオーミックコンタクト層5を成膜温度が250〜350℃で成膜する。
【0029】
次に第二のフォトリソ工程でチャネル形状のレジストを形成しエッチング工程で半導体層4とオーミックコンタクト層5を、チャネルを形成する部分を残すようにアイランド状にパターニングする。エッチングでは例えばSFとHClの混合ガスを用いたプラズマを用いて行う。尚、チャネルの断面形状をテーパー形状にすると、後続の膜形成における断線などの不良を低減できる。さらに、エッチングガスとしてSFとHClの混合ガスを挙げたがガス種はこの限りではない。
【0030】
次に第二の導電性薄膜を成膜する。第二の導電性薄膜は、例えばスパッタリング法を用いて、異種の導電膜が積層するように連続して成膜を行うことにより形成される。たとえば、Crなどの高融点金属膜である下層と、Mo膜、あるいはMo合金膜たとえばMo−Nb膜である上層とを連続で成膜することにより行う。膜厚はおのおの50〜300nm形成する。Mo合金膜としては、Mo−Cr膜等でもよい。
【0031】
次に第三のフォトリソ工程でソース電極とドレイン電極に対応するレジスト(図示せず)を形成し、エッチング工程にて第二の導電性薄膜をパターニングしてソース電極6、ドレイン電極7を形成する。ここで、ドレイン電極7は、下層7aと上層7bとからなる。エッチング工程は第二の導電性薄膜の材料に適した公知のエッチング方法を用いる。例えば、下層7aがCr膜で上層7bがMo膜の場合を説明すると、まず硝酸、燐酸、酢酸の混酸を用いて、上層7bのMo膜を除去し、その後、硝酸セリウムアンモニウムと硝酸の混酸を用いて下層7aのCr膜を除去する。その後、形成した電極をマスクにして、例えばSFとHClの混合ガスを用いたプラズマを用いてオーミックコンタクト層5をエッチングして薄膜トランジスタを形成する。この状態の断面図を図5(a)に示す。
【0032】
ここまでの工程で3枚のマスクを使用しているが、シリコンアイランド化とソース電極6、ドレイン電極7およびオーミックコンタクト層5の形成という第二、第三のフォトリソ工程における形成には、グレートーンマスク等を利用した処理工程を行う1枚のマスク工程で形成する方法を用いても良い。また、ソース電極6とドレイン電極7の形成のエッチング液として燐酸と硝酸と酢酸の混酸や、硝酸セリウムアンモニウムと硝酸の混酸を挙げ、オーミックコンタクト層5のエッチングガスとしてSFとHClの混合ガスを挙げたがこの限りではない。さらに、本実施の形態においては下層7aにMoを用いる形態について説明したが、Moの他にもSiとのオーミックコンタクトが取れる金属であってもよい。Mo−Cr等のMo合金を用いてもよい。また、下層7aと上層7とは互いにエッチング選択性を有することが望ましい。
【0033】
次にプラズマCVD等の方法で第一のパッシベーション膜8を形成する。なお、この形成の前に、薄膜トランジスタの特性を向上させるために、水素ガスを用いたプラズマ処理を行い、バックチャネル側、すなわち半導体層4の表面を荒らしてもよい。さらに、第四のフォトリソ工程において、ドレイン電極7とPドープしたアモルファスシリコン膜9とのコンタクトをとるためのコンタクトホールCH1をレジスト(図示せず)にて形成する。その後、例えばCFとOの混合ガスのプラズマを用いて第一のパッシベーション膜8をエッチングすることによりコンタクトホールCH1を開口する。この状態の断面図を図5(b)に示す。
【0034】
第一のパッシベーション膜8としては、誘電率の低い酸化珪素(SiO)膜を膜厚200〜400nmで形成する。酸化珪素膜の成膜条件はSiH流量が10〜50sccm、NO流量が200〜500sccm、成膜圧力は50Pa、RFパワーが50〜200W、パワー密度で言うなれば0.015〜0.67W/cm、成膜温度は200〜300℃とした。尚、エッチングガスにCFとOの混合ガスを挙げたがこの限りでは無い。さらには、第一のパッシベーション膜8として酸化珪素を挙げたがこの限りでは無い。SiNやSiONでもよく、この場合は、上記ガスに水素、窒素、NHを加えて形成する。また、第四のフォトリソ工程において、コンタクトホールCH1の開口エッジは、ドレイン電極7とフォトダイオード100とが接続する領域のエッジより外側に配置されるマスクにより形成する。
【0035】
コンタクトホールCH1を開口した後に、露出するドレイン電極7の上層7bのエッチングを行う。この状態の断面図を図5(c)に示す。ここでのエッチングには、プラズマにより強固なポリマーが生じ得るドライエッチングよりも、ウエットエッチングを用いるほうがよい。また、コンタクトホールCH1を開口した後に引き続いて、コンタクトホールCH1を開口する際のエッチングよりも低い電力でドライエッチングを行った後に、薬液を用いたウエットエッチングを行ってもよい。これは、コンタクトホールCH1を開口した際に生じたポリマーの除去が、ウエットエッチングのみによっては困難な場合に有効な製造方法である。さらに、ドレイン電極7は2層以上の多層構造でもよく、この場合、コンタクトホールCH1内部においては、ドレイン電極7は少なくとも最上の1層が除去されていればよい。また、ドレイン電極の下層7aは電気的に接続するのに十分な50nm以上の膜厚が残存していれば、一部除去されてもよい。さらに、上層7bの表面の汚染層を除去するために、コンタクトホールCH1内部における上層7bの膜厚を減じて上層7bを残してもよい。
【0036】
次にプラズマCVD法でフォトダイオード100を形成する為のPドープしたアモルファスシリコン膜9、イントリンシックのアモルファスシリコン膜10、Bドープしたアモルファスシリコン膜11を一度も真空を破らずに同一成膜室で順番に成膜する。この時に得られるシリコン積層膜の各膜厚はPドープしたアモルファスシリコン膜9の膜厚が30〜80nm、イントリンシックのアモルファスシリコン膜10の膜厚が0.5〜2.0μm、Bドープしたアモルファスシリコン膜11の膜厚が10〜80nmである。イントリンシックのアモルファスシリコン膜10は例えばSiH流量が100〜200sccm、H流量が100〜300sccm、成膜圧力は100〜300Pa、RFパワーが30〜150W、パワー密度で言うなれば0.01〜0.05W/cm、成膜温度は200〜300℃で成膜する。PあるいはBのドープトシリコンはそれぞれ0.2〜1.0%のPHあるいはBを上記成膜条件のガスに混合した成膜ガスで成膜する。
【0037】
Bドープしたアモルファスシリコン膜11は、イオンシャワードーピング方法またはイオン注入方法により、イントリンシックのアモルファスシリコン膜10の上層部にBを注入して形成しても良い。尚、イオン注入を用いてBドープしたアモルファスシリコン膜11を形成する場合、それに先立ってイントリンシックのアモルファスシリコン膜10の表面に膜厚5〜40nmのSiO膜を形成してもよい。これは、Bを注入する際のダメージを軽減させるためである。その場合、イオン注入後にSiO膜をBHF等により除去してもよい。
【0038】
次に例えばITO、IZO、ITZO、ITSO、IGZOのいずれかのターゲットを用いたスパッタ法により非結晶透明導電膜を成膜する。成膜条件は0.3〜0.6Pa、DCパワーは3〜10kW、パワー密度で言うなれば0.65〜2.3W/cm、Ar流量50〜150sccm、酸素流量1〜2sccm、成膜温度は室温から180℃くらいまでで成膜する。非結晶透明導電膜の成膜後、第五のフォトリソ工程でレジスト(図示せず)を形成し例えばシュウ酸を用いてエッチングを行い、パターニングし、透明電極12を形成する。この状態の断面図を図5(d)に示す。
【0039】
尚、エッチング液としてシュウ酸を挙げたがこの限りではない。本実施の形態においては、透明電極12としてIZO、ITZO、ITSOのいずれかを含む膜を用いたので、下層のBドープシリコンしたアモルファスシリコン膜11上に微小な結晶粒をほとんど含まない非結晶状態で成膜を行うことができる。したがってエッチング残渣を生じないという効果を奏する。さらに、透明電極12は上記材料を混合した膜を用いてもよいし、それぞれの材料からなる膜を積層させた構造でもよいし、混合させた膜を積層させてもよい。
【0040】
次に第六のフォトリソ工程で透明電極12のパターンより一回り大きく、かつ、コンタクトホールCH1の開口エッヂより内側になるようなレジストパターンを形成し、次に例えばSFとHClの混合ガスのプラズマを用いてアモルファスシリコン層すなわち、Pドープしたアモルファスシリコン膜9、イントリンシックのアモルファスシリコン膜10、Bドープしたアモルファスシリコン膜11の3層をパターニングする。尚、エッチングガスとしてSFとHClの混合ガスを挙げたがこの限りではない。これにより、3層積層構造からなるフォトダイオードが形成される。この状態の断面図を図6(a)に示す。
【0041】
Pドープしたアモルファスシリコン膜9、イントリンシックのアモルファスシリコン膜10、Bドープしたアモルファスシリコン膜11の3層から構成されるフォトダイオードは、コンタクトホールCH1の開口エッヂよりも内側に形成されている。したがってドレイン電極7のパターン端よりも内側にも形成されていることになる。このため、フォトダイオードがコンタクトホールCH1の開口エッヂやドレイン電極7のパターン端をまたがることは無いので、段差に起因するリーク電流の増大を抑制できる。すなわち、段差部でのSi成膜の不均一な成長を無くすと共に、段差による膜応力の発生を防止でき、フォトダイオードを構成するSi層は均質な膜質となり、開口エッヂの段差に起因するリーク電流の増大を抑制することができる。なお、本発明の実施例においては、フォトダイオード100の下部電極として、ドレイン電極7の下層7aを用いたので、アモルファスシリコン膜の剥れを抑制することができることを特徴としている。
【0042】
次に、フォトダイオードを保護する為の第二のパッシベーション膜13を成膜した後、第七のフォトリソ工程でソース電極6とデータ配線14とを接続するコンタクトホールCH2、およびフォトダイオードの透明電極12とバイアス線15とを接続するコンタクトホールCH3に対応するレジストパターン(図示せず)を形成し、CFとArの混合ガスを用いたプラズマを用いてコンタクトホールをパターニングする。この時、ゲート配線の端部20と導電パターン21とを接続するコンタクトホールCH4やコンタクトホールCH6を開口してもよい。
【0043】
第二のパッシベーション膜13はデータ配線14とバイアス線15にかかる付加容量を小さくする為に誘電率の低い酸化珪素膜を0.5〜1.5μmの厚膜で成膜する。酸化珪素膜の成膜条件はSiH流量が10〜50sccm、NO流量が200〜500sccm、成膜圧力は50Pa、RFパワーが50〜200W、パワー密度で言うなれば0.015〜0.67W/cm、成膜温度は200〜300℃とした。尚、第二のパッシベーション膜13の材料として酸化珪素膜を挙げたがこの限りではない。SiN等でもよい。また、コンタクトホールの開口の際には、その断面がテーパー形状となるように加工すると上層の被覆性が向上し、断線等を低減できる。
【0044】
また、本実施の形態では、第二のパッシベーション膜13を成膜した後にコンタクトホールCH2、CH3を開口する製造方法について記載したが、必ずしもこれに限定されるものではない。たとえば、あらかじめコンタクトホールCH1を開口する際に同時に、コンタクトホールCH2やコンタクトホールCH4、CH6に相当する個所に開口しておいてもよい。この場合、第一のパッシベーション膜8が除去できるので、第二のパッシベーション膜13を成膜した後の開口のエッチング時間を短縮できる効果を奏する。
【0045】
次に、データ線14、バイアス線15、および遮光層16を形成する為に、第三の導電性薄膜を成膜する。第三の導電性薄膜としては、抵抗が低く、かつ耐熱性に優れ、かつ透明導電膜とのコンタクト特性に優れたNiを含むAl合金で例えばAlNiNdを膜厚0.5〜1.5μmで成膜する。データ線14、およびバイアス線15はAlNiNd単層でも良く、AlNiNdとMoやMo合金、あるいはCrなどの高融点金属との積層でも良く、また、現像液との反応を抑えるためにAlNiNdの上に窒化したAlNiNdNを形成しても良い。例えばスパッタリング法により下地をMo合金、その上にAlNiNdを連続成膜する。成膜条件は圧力0.2〜0.5Pa、DCパワー1.0〜2.5kW、パワー密度で言うなれば0.17〜0.43W/cm、成膜温度は室温から180℃ぐらいまでの範囲で行う。
【0046】
次に、第八のフォトリソ工程でデータ線14、バイアス線15、および遮光層16に対応するレジストを形成し、AlNiNdとMoの積層膜の場合は例えば燐酸、硝酸、酢酸の混酸を用いてパターニングする。この状態の断面図を図6(b)に示す。なお、エッチング液としては燐酸と硝酸と酢酸の混酸を挙げたがエッチング液の種類はこの限りではない。ここで、データ線14はCH2を介してソース電極6と接続し、バイアス線15はCH3を介して透明電極12と接続している。バイアス線15としては先の通り、Niを含むAl合金、もしくは高融点金属を最下層に用いているので下層の透明電極12との間のコンタクト抵抗は低く、良好な接続を得ることができる。
【0047】
次に、データ線14、およびバイアス線15を保護する為に第三のパッシベーション膜17、第四のパッシベーション膜18を形成する。例えば、第三のパッシベーション膜17にSiNを用い、第四のパッシベーション膜18に平坦化膜を用いる。
【0048】
第九のフォトリソ工程で、端子との接続を取る為のコンタクトホールCH5やCH7をレジストにて形成し、CFとOの混合ガスのプラズマを用いてパターニングする。エッチングガスとしてCFとOの混合ガスを挙げたがこの限りでは無い。なお、第四のパッシベーション膜18として感光性を持つ平坦化膜を用いることにより、第九のフォトリソ工程における第四のパッシベーション膜18のパターニングは、露光と現像処理によって行ってもよい。
【0049】
次に端子引き出し電極22となる導電膜を成膜する。電極材料は信頼性を確保する為に例えばアモルファスITOなどの透明導電膜を成膜する。次に第10のフォトリソ工程にて端子形状のレジストを形成し、例えばシュウ酸を用いてエッチングして端子引き出し電極22を形成する。その後、アニールによりITOを結晶化する。ここで、端子引き出し電極22は、図3、4に示すように、コンタクトホールCH5やCH7を介して、導電パターン21や配線の端部24と接続される。
【0050】
実施の形態2
本実施の形態1に示したように、バイアス線15はフォトダイオード100上を横断するが、この構造においては、ドレイン電極7のパターン端部でバイアス線15の被覆性が低下するという問題がある。被覆性の低下に起因して、バイアス線15が断線する可能性もある。以下、この理由について図7を用いて説明する。図7は、図1においてB−Bで示した箇所の断面図である。
【0051】
図7において示すように、コンタクトホールCH1の開口後にドレイン上層7bをウエットエッチングによって除去する際に、サイドエッチングが入ってしまい、第一のパッシベーション膜8がドレイン電極7の上層7bよりも庇状に突き出してしまうことがある。そのため、この庇の上層を横切る配線であるバイアス配線15の被覆性が劣化する可能性がある。ここで、バイアス線15は、この庇の上層に形成された第二のパッシベーション膜13の上層に形成されている。そのため、第二のパッシベーション膜13の膜厚やカバレッヂによっては、バイアス線15の被覆性低下は緩和されることもあるが、完全に解消されるわけではない。
【0052】
本実施の形態2においては以下、上記のような被覆性の劣化を改善するための構造を図8、図9に基づき説明する。図8は、本実施の形態2にかかるフォトセンサーアレイ基板の平面図を示したものである。図9は、図8においてA−Aで示された個所における断面図である。また、後述するように本実施の形態2は、コンタクトホールCH1とドレイン電極7のパターン形状以外は実施の形態1と同様であり、対応する付番も同様であるので、それらの点についての詳細な説明や、製造方法についての説明は省略する。
【0053】
本実施の形態2においては、コンタクトホールCH1の開口エッヂは、フォトダイオード100が形成される領域近辺のドレイン電極7を内包することを特徴としている。本実施の形態2に係る構造により、図7で示した課題がいかに改善されるかについて、図10(a)を用いて説明する。図10(a)は、図8において、B−Bで示した箇所の断面図である。
【0054】
図10(a)においては、図7にあるような第一のパッシベーション膜8の庇は生じない。これは、本実施の形態2の場合、コンタクトホールCH1を開口した後においてはドレイン電極7の上層7b、下層7aともコンタクトホールCH1の開口部近辺で露出していないため、引き続き行われるウエットエッチングによってもサイドエッチングが生じないことによる。そして、これが実施の形態1との相違点による効果である。
【0055】
本実施の形態2において、コンタクトホールCH1を開口する際には、ドレイン電極7が形成されていない領域も開口することになるため、ゲート絶縁膜3との選択性を持ったエッチング条件で行うと、ゲート絶縁膜3が削れない点で良い。エッチングの選択比が低いと、コンタクトホールCH1内において、下地であるゲート絶縁膜3も若干エッチング除去されてしまうこともある。しかし、バイアス線15の被覆性の観点からみると、実施の形態1で生じ得る庇よりは、はるかに影響が少ない。
【0056】
また、コンタクトホールCH1内のゲート絶縁膜3は完全に除去されて、ガラス基板1が露出してもよい。このように、ゲート絶縁膜3を完全に除去した場合の断面図を図10(b)に示す。特に、ゲート絶縁膜3が窒化シリコンからなる場合、コンタクトホールCH1内にゲート絶縁膜3を残存させないように除去しておくと、後のフォトダイオード100のアモルファスシリコン膜を成膜する際に、ドレイン電極7の上層7bとの密着性が向上するため、アモルファスシリコン膜の剥離をさらに抑制できる。
【0057】
さらに、本実施の形態2においては、コンタクトホールCH1はドレイン電極7をほぼ内包する形態につき説明したが、必ずしもそれに限定される必要はない。たとえば、バイアス線15がコンタクトホールCH1を横切る箇所、すなわち、バイアス線15とコンタクトホールCH1の開口部とが交叉する箇所さえ、コンタクトホールCH1がドレイン電極7を内包していてもよい。このような形態でも、バイアス線15の被覆を改善し、歩留まりが向上するという本発明の効果を得ることができる。
【0058】
尚、本実施例のTFTはアモルファスシリコンを用いた逆スタガ型のチャネルエッチタイプについて記述したが、ポリシリコンTFTやクリスタルシリコンを用いたMOSを用いても良く、さらにはスイッチング機能をもつ素子とフォトダイオードを組み合わせても良い。
【0059】
上記の様に得られるフォトセンサーアレイ基板を用いて、公知の方法によりX線撮像装置などのようなフォトセンサーを製造することも可能である。図示しないが、図2に示す第四のパッシベーション膜18上、もしくはそれよりも上層に例えばCsIからなるX線を可視光に変換するシンチレーターを蒸着により形成し、低ノイズアンプとA/Dコンバーターなどを有するデジタルボード、TFTを駆動するドライバーボード、および電荷を読み出す読み出しボードを接続し、X線撮像装置を作成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】実施の形態1に係るフォトセンサーアレイ基板の平面図
【図2】実施の形態1に係るフォトセンサーアレイ基板の断面図
【図3】実施の形態1に係る端子部の断面図
【図4】実施の形態1に係る端子部の断面図
【図5】実施の形態1に係るフォトセンサーアレイ基板の断面図
【図6】実施の形態1に係るフォトセンサーアレイ基板の断面図
【図7】実施の形態1における被覆状態の断面図
【図8】実施の形態2に係るフォトセンサーアレイ基板の平面図
【図9】実施の形態2に係るフォトセンサーアレイ基板の断面図
【図10】実施の形態2における被覆状態の断面図
【符号の説明】
【0061】
1 ガラス基板
2 ゲート電極
3 ゲート絶縁膜
4 半導体層
5 オーミックコンタクト層
6 ソース電極
7 ドレイン電極
7a 上層、7b 下層
7a 接続部分
8 第一のパッシベーション膜
9 Pドープしたアモルファスシリコン膜
10 アモルファスシリコン膜
11 Bドープしたアモルファスシリコン膜
12 透明電極
13 第二のパッシベーション膜
14 データ線
15 バイアス線
16 遮光層
17 第三のパッシベーション膜
18 第四のパッシベーション膜
20 配線の端部、21 導電パターン
22 端子引き出し電極、23 ショートリング配線
24 配線の端部
26、27 領域
CH1〜CH7 コンタクトホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトダイオードと薄膜トランジスタをマトリクス状に配置したアクティブマトリクス型のTFTアレイ基板を備えたフォトセンサーアレイ基板であって、前記薄膜トランジスタは、ゲート電極を有する複数本のゲート配線、前記ゲート電極にゲート絶縁膜を介して設けられた半導体層、前記半導体層に接続するソース電極およびドレイン電極、を備えており、さらに、前記TFTアレイ基板は、前記ドレイン電極と電気的に一体の下部電極と、前記薄膜トランジスタと前記下部電極との上部に設けられたパッシベーション膜と、前記パッシベーション膜に開口されたコンタクトホールと、前記コンタクトホールを介して前記下部電極と接続するアモルファスシリコンからなるフォトダイオードと、を備えており、前記下部電極は2層以上の異種の層からなり、前記コンタクトホール内では少なくとも最上の1層が除去されていることを特徴とするフォトセンサーアレイ基板。
【請求項2】
前記コンタクトホール上を横切るバイアス線をさらに備え、前記バイアス線が前記コンタクトホールを横切る領域においては、前記コンタクトホールが前記下部電極を内包することを特徴とする請求項1に記載のフォトセンサーアレイ基板。
【請求項3】
前記パッシベーション膜よりも上層にシンチレーターが形成されており、少なくとも低ノイズアンプとA/Dコンバーターを有するデジタルボード、前記薄膜トランジスタを駆動するドライバーボード、および電荷を読み出す読み出しボードが接続されていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のフォトセンサーアレイ基板。
【請求項4】
X線を前記シンチレーターにより可視光に変換することによりX線撮像表示を行う機能を有することを特徴とする請求項3に記載のフォトセンサーアレイ基板。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−231399(P2009−231399A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−72664(P2008−72664)
【出願日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】