説明

フォーキャスト生産管理システム

【課題】部品取引先に対して必要部品情報を公開する情報公開手段を有するとともに、製品の仕様、その納期変更に対応する。
【解決手段】本発明のフォーキャスト生産管理システムSは、製品の受注前に将来に製作する製品とその数の製品情報を製作製品記憶部501に登録する受注前製品情報登録手段16と、製品情報を前記将来の期間より短期の製品情報に展開するとともに展開製品情報記憶部520、G10に登録する展開製品情報登録手段16と、展開した製品情報を修正する予告情報修正手段16と、製品情報の製品を部品レベルに展開した部品個々の必要期限を含む未発注の部品情報を提示する未発注情報提示手段14と、実注文手配済みの部品レベルに展開した部品の部品情報を提示する実注文情報提示手段14と、未発注・実注文情報提示手段14の部品情報を公開する公開手段60、81とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、量産する製品の生産に用いる必要部品の部品購入先への予告、発注に係わるフォーキャスト生産管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
量産する製品の生産活動は製品受注により立案した生産計画に基づき行われる。具体的には、製品の予想需要量から当該製品の生産に使用する必要物資の調達が行われるが、物資の調達からモノづくり(実際の生産)の段階において必要とされる生産L/T(Lead Time:生産の所要時間)によって、予想需要量の変化に対応できる期間が制限される。生産L/Tとは、製品の受注日から製品の出荷日までの期間を意味する。
【0003】
この問題に対応するため、特に部品の調達に必要な期間である発注リードタイムの短縮に寄与するフォーキャストシステム(特許文献1参照)が存在する。発注リードタイムとは、部品の発注日から部品の着荷日(納品日)までの期間である。
フォーキャストシステムとは、あらかじめ部品の購入先である部品取引先メーカに「何時」に、「どの部品」を、「どれだけの量」が必要であるかの情報を閉域のネットワークの情報システムで公開することにより、部品発注から部品納品(着荷)までのL/T(Lead Time)の短縮を図るものである。
【0004】
図43は、従来のフォーキャスト機能を用いた予告業務および手配業務(予告〜手配業務)までの業務フロー概略を示す図である。
従来、量産の製品を生産するには、購買部門は営業部等からの推定情報により年間の生産計画を立案する。そこから、担当者が顧客の希望納期、場内の作業能力等を勘案し、月単位〜週単位の工程計画立案を行っている(図43のS501〜S504)。
【0005】
具体的には、年間の生産計画から月割り生産計画の大日程計画を立案する(図43のS501)。そこから顧客の希望納期、場内の作業能力等を勘案し、担当者が月単位〜週単位の工程計画立案を行っている。
生産部門は、大日程の月割り生産計画から週割り生産計画である中日程計画を策定する(S502)。その後、生産部門は、顧客から製品を受注する(S503)。
【0006】
受注確定により、担当者は日単位の工程計画を立案し、必要部品の予告業務、手配業務を行っている。すなわち、生産部門は、受注に基づき日割り生産計画である小日程計画を作成する(S504)。
続いて、生産部門は、日割りの小日程計画に基づき、部品取引先メーカに対して購入する部品に関して、「何時」に、「どれだけの量」を必要であるかの情報を公開する予告業務を遂行する(S505)。
【0007】
そして、生産部門は、生産計画に修正がない場合には、部品取引先メーカとの契約に基づいた発注リードタイムを可能な限り遵守するようにして、部品の手配の業務を行う。
【0008】
図44は、従来のフォーキャストシステムを用いた部品予告による部品予告〜発注〜入荷までの関係図であり、従来の通常の業務における部品の購入予告〜部品着荷までのタイムチャートである。換言すれば、図44は、発注後部品予告情報を開示し、調達L/T(発注リードタイム)を確保し、部品発注を行った場合の関係図を示す。
図44では、部品調達L/T(発注リードタイム)が普通の部品の購入予告〜部品着荷までを示している。
【0009】
まず、部品購入元である製品製作メーカが製品を顧客から受注する(図44のt301)。製品を受注した製品製作メーカは、製品の生産に使用する部品を購入する部品取引先に対して、部品購入の予告(フォーキャストと称す)を実施する(t302)。
製品製作メーカは、部品入荷日(t304)から部品調達L/T(発注リードタイム)で遡った日に部品発注を行う(t303)。そして、部品入荷日(t304)に発注した部品が部品取引先から着荷する。そして、製品の生産のため、部品が払い出される(t305)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−134668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、従来のフォーキャストシステムでは、製品の受注が確定し、生産計画が立案されてからでなければ、部品の予告情報を公開することができない。
このため、量産品の生産に従来のフォーキャストシステムを適用する場合、以下の(1)〜(6)の問題がある。
【0012】
(1)部品調達L/T(発注リードタイム)が長い部品に対しては受注が確定してからではフォーキャストシステムを活用できない。
例えば、図45では、部品調達L/T(発注リードタイム)が長い場合の部品の購入予告〜部品着荷までを示している。
図45は、従来のフォーキャストシステムを用いた部品予告による部品予告〜発注〜入荷までの関係図であり、部品の予告期間がない業務における部品の購入予告〜部品着荷までのタイムチャートである。
【0013】
図45の業務では、まず、部品購入元である製品製作メーカが製品を顧客から受注する(図45のt401)。
製品を受注した製品製作メーカは、製品の生産に使用する部品を購入する部品取引先に対して、部品購入の予告を実施し(t402)、部品入荷日(t403)から発注リードタイムで遡った日に部品発注を行う(t402)。この場合、発注する部品の発注リードタイムが長いため、部品予告日と部品発注日が同日となっている。換言すれば、受注後に十分な予告情報開示期間を設けられないため、部品予告を行わずに部品発注を行うことになる。
そして、部品入荷日(t403)に至ると、発注した部品が部品取引先から着荷する。その後、製品の生産のため、部品が払い出される(t404)。
【0014】
(2)発注リードタイムが長い部品の場合、図45に示すように、実質的に部品の予告期間がなく、部品のフォーキャストは不可能となり、フォーキャストシステムを活用できない場合がある。
(3)製品の受注を起点にシステムが構築されているため、急な需要量の変化に生産計画が追従しきれない。
【0015】
(4)製品の仕様変更に対応できる期間が生産L/T(製品の受注から製品の出荷までの期間)と製品の納期により制限される。
(5)部品情報のメンテナンスを行う場合、システムのユーザに、部品予告情報のメンテナンスと部品発注情報のメンテナンスとで同等量の作業が発生する。
【0016】
(6)前記した部品調達L/T(部品の発注リードタイム)が受注後では十分確保できない問題や、予告業務と手配業務が別業務となっている。そのため、似た業務内容を二度行わなくてはならないといった点から、一部の部品種に対して、予告実施率が頭打ちになるという問題がある。
【0017】
本発明は上記実状に鑑み、部品のフォーキャストによって必要部品情報を部品取引先に対して公開する情報公開手段を有するとともに、製品の仕様及びその納期変更に対応できるフォーキャスト生産管理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するため、本発明のフォーキャスト生産管理システムは、製品の受注前に、将来の期間に製作する製品とその数量に関する製品情報を製作製品記憶部に登録する受注前製品情報登録手段と、前記製品情報を、前記将来の期間より短期の製品情報に展開するとともに展開製品情報記憶部に登録する展開製品情報登録手段と、前記展開した製品情報を修正する予告情報修正手段と、前記製品の要求納期等を基準に前記製品情報に係る製品を部品レベルに展開した部品個々の必要期限を含む未発注の部品情報を提示する未発注情報提示手段と、時間経過に伴って前記未発注から実注文に移行した実注文手配済みの前記部品レベルに展開した部品個々の必要期限を含む部品情報を提示する実注文情報提示手段と、前記未発注情報提示手段の部品情報および前記実注文情報提示手段の部品情報を公開する公開手段とを具備している。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、部品のフォーキャストによって必要部品情報を部品取引先に対して公開する情報公開手段を有するとともに、製品の仕様及びその納期変更に対応できるフォーキャスト生産管理システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明のフォーキャスト管理装置を含むフォーキャスト生産管理システムを示すブロック図である。
【図2】情報記録部を示す図である。
【図3】製品予告データファイルを示す図である。
【図4】製品部品表データファイルを示す図である。
【図5】製品製作情報データファイルを示す図である。
【図6】部品情報データファイルを示す図である。
【図7】予告部品データファイルを示す図である。
【図8】製品手配データファイルを示す図である。
【図9】手配部品データファイルを示す図である。
【図10】総必要部品データファイルを示す図である。
【図11】在庫データファイルを示す図である。
【図12】発注情報データファイルを示す図である。
【図13】部品不足数量データファイルを示す図である。
【図14】部品取引先情報データファイルを示す図である。
【図15】週割部品不足数量データファイルを示す図である。
【図16】発注ロット計算用データファイルを示す図である。
【図17】フォーキャスト詳細情報データファイルを示す図である。
【図18】フォーキャスト情報データファイルを示す図である。
【図19】フォーキャスト引取責任データファイルを示す図である。
【図20】コードマスタ情報データファイルを示す図である。
【図21】大日程計画データファイルを示す図である。
【図22】中日程計画データファイルを示す図である。
【図23】小日程計画データファイルを示す図である。
【図24】製作製品工程情報データファイルを示す図である。
【図25】製品製作情報の登録処理の処理手順を示す図である。
【図26】製品製作情報登録画面を示す図である。
【図27】部品情報の参照、登録(修正)処理に関する手順を示す図である。
【図28】部品情報登録画面を示す図である。
【図29】部品取引先情報の参照、登録(修正)処理に関する手順を示す図である。
【図30】部品取引先情報登録画面を示す図である。
【図31】手配情報管理部による製品予告関する処理手順を示す図である。
【図32】製品予告画面を示す図である。
【図33】製品手配に関する処理手順を示す図である。
【図34】製品手配画面を示す図である。
【図35】フォーキャスト公開画面を示す図である。
【図36】フォーキャスト公開詳細画面を示す図である。
【図37】期間別フォーキャスト公開画面を示す図である。
【図38】部品の予告期間がない業務における部品の購入予告〜部品着荷までのタイムチャートである。
【図39】生産計画シミュレーションとフォーキャスト機能との連携による予告業務、および手配業務を示す図である。
【図40】担当者が月単位の工程計画を登録するための月単位生産計画登録画面を示す図である。
【図41】担当者が週単位の生産計画を登録するための週単位生産計画登録画面を示す図である。
【図42】担当者が日単位の生産計画を登録するための日単位生産計画登録画面を示す図である。
【図43】従来のフォーキャスト機能を用いた予告業務および手配業務(予告〜手配業務)までの業務フロー概略を示す図である。
【図44】従来のフォーキャスト機能を用いた予告業務および手配業務(予告〜手配業務)までの業務フロー概略を示す図である。
【図45】従来の通常の業務における部品の購入予告〜部品着荷までのタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る実施形態のフォーキャスト生産管理システムSを、添付図面を参照し詳細に説明する。
図1は本発明に係る実施形態のフォーキャスト管理装置を含むフォーキャスト生産管理システムを示すブロック図である。
【0022】
フォーキャスト生産管理システムSは、顧客からプリント基板等の製品の受注を受ける製品を製作する製品製作メーカが、自ら立案する大日程計画のシミュレーションによる製品製作予定数の予告に基づき、製品に含まれる部品(IC、コンデンサ等)の購入予定数量を当該部品の購入先である部品取引先に対して、部品のフォーキャストとして公開する。
なお、部品のフォーキャスト情報は実際の受注状況により適宜メンテナンス(修正)がなされる。
【0023】
製品製作メーカが、フォーキャスト生産管理システムSにて、部品の購入先である部品取引先に対して購入部品をフォーキャストとして公開することで、部品の発注リードタイムおよび製品の製作リードタイムの短縮が図れ、製品製作メーカの製品製作がスピードアップされる。前記したように、発注リードタイムとは、製品製作メーカが部品を部品取引先に対して発注してから、当該部品が製品製作メーカに着荷するまでの期間をいう。また、製作リードタイムとは、製品製作メーカが顧客から製品の受注を受けてから、当該製品を顧客に対して出荷するまでの期間をいう。
【0024】
図1に示すフォーキャスト生産管理システムSは、その処理を遂行するハードウエアとして、フォーキャスト管理装置10を備えている。
フォーキャスト管理装置10は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク70を介して、部品展開装置20、在庫管理装置30、購入品管理装置40、情報記録部50、および製品製作メーカに配置される入出力端末60に接続されている。
また、フォーキャスト管理装置10はインターネット等の通信ネットワーク80を介して部品取引先に配置される入出力端末81とデータ通信が実現される構成とされている。
なお、入出力端末60、入出力端末81は1つの端末の場合を例示しているが、事情に応じて複数であってもよいのは勿論である。
【0025】
フォーキャスト管理装置10の構成について詳述する。
フォーキャスト管理装置10は、例えばサーバであり、実装したフォーキャスト管理プログラムを実行することにより、マスタ情報管理部11、手配情報管理部12、フォーキャスト数量管理部13およびフォーキャスト提示部14、およびシミュレーション計画部15が具現化される。
【0026】
フォーキャスト管理装置10を構成するフォーキャスト管理プログラムは、マスタ情報管理部11、手配情報管理部12、フォーキャスト数量管理部13、フォーキャスト提示部14、およびシミュレーション計画部15の各部ごとにあってもよいし、複数の部をまとめてもよい。また、フォーキャスト管理装置10を実現するサーバは、1つで構成してもよいし、複数のサーバとしてもよい。すなわち、フォーキャスト管理プログラムを1つサーバに格納してもよいし、複数のサーバに格納してもよい。
なお、図1では、マスタ情報管理部11、手配情報管理部12、フォーキャスト数量管理部13、フォーキャスト提示部14、およびシミュレーション計画部15を1つのサーバであるフォーキャスト管理装置10で実現した場合を例示している。
【0027】
情報記録部50について詳述する。情報記録部50は、メモリ、ハードディスク等の記憶装置で構成される。
【0028】
図2に示す情報記録部50には、製品予告データファイル501、製品部品表データファイル502、製品製作情報データファイル503、部品情報データファイル504、予告部品データファイル505、製品手配データファイル506、手配部品データファイル507、総必要部品データファイル508、在庫データファイル509、発注情報データファイル510、部品不足数量データファイル511、部品取引先情報データファイル512、週割部品不足数量データファイル513、発注ロット計算用データファイル514、フォーキャスト詳細情報データファイル515、フォーキャスト情報データファイル516、フォーキャスト引取責任データファイル517、コードマスタ情報データファイル518、大日程計画データファイル519、中日程計画データファイル520、小日程計画データファイル521、および製作製品工程情報データファイル522が保存されている。
【0029】
以下、これらファイル501〜522について順を追って説明する。
図3に示す製品予告データファイル501には、予告番号、製品コード、製品予告数量、製品予告要期の各情報が関連付けられている。
予告番号は製品の予告データを識別するためのものであり、ここでは、「Y001」等のコードが用いられている。製品コードは製作する製品を識別するためのものであり、ここでは「S001」等のコードが用いられている。製品予告数量は、前記予告番号により予告された製品コードの製品の数量である。製品予告要期は、前記予告数量の要求納期である。
【0030】
例えば、図3の予告番号「Y001」は製品コード「S001」の製品を2007年6月1日に10個予告し、製品コード「S002」の製品を2007年6月1日に20個予告していることを示している。換言すれば、製品コード「S001」の製品が10個、2007年6月1日に納期があり、製品コード「S002」の製品が20個、2007年6月1日に納期があることを示す。
【0031】
図4に示す製品部品表データファイル502には、前記した製品コード、部品コード、数量の各情報が関連付けられている。部品コードは製品を製作するのに必要な部品を識別するためのものであり、ここでは「B001」等のコードが用いられている。数量は前記製品コードの製品を製作するのに必要な前記部品コードの部品の数量である。
【0032】
例えば、図4の製品コード「S001」の製品は、部品コード「B001」の部品を1個、部品コード「B002」の部品を1個、部品コード「B003」の部品を2個必要とすることを示している。
但し、ここで例に挙げた関係は、製品コードと部品コードの関係が1階層の簡単な事例であり、一般的なn階層の展開は周知の技術で定義されるデータファイルを備えることで、製品コードからn階層の部品コードへの展開が実現できる。
【0033】
図5に示す製品製作情報データファイル503には、前記した製品コード、製作リードタイムの各情報が関連付けられている。製品リードタイムは、製品を製作するのに必要な部品が揃っている状態で、製品の製作作業着手から完成までに要する期間である。図5の例では、日数を表す数字が用いられている。
【0034】
図6に示す部品情報データファイル504には、前記した部品コード、部品名、発注ロット、発注リードタイム、物量確定リードタイム、引取延期可能期間、発注周期、受入試験日数、部品取引先コード、フォーキャスト対象部品フラグの各情報が関連付けられている。発注ロットは、部品取引先への部品発注数量の単位である。すなわち、発注ロット10とは、部品取引先への最低発注単位は、10ロットであることを示す。
発注リードタイム、物量確定リードタイムおよび引取延期可能期間は、フォーキャスト運用における部品取引先との契約であり、ここでは日数で表している。
【0035】
要求納期により山積みされたフォーキャスト数量(要求納期日毎に表示された部品の数量)がフォーキャストを公開した日から物量確定リードタイムの間にあると、期間内に公開したフォーキャスト数量は、製品製作メーカに引取責任が発生する。引取責任発生時点で、前記部品の要求納期から発注リードタイムを引いた日付を発注予定日と定義し、フォーキャスト数量および要求納期に変動がなければ、発注予定日に部品取引先へ発注(注文書発行)する。フォーキャスト数量が減少し発注の必要が無くなった場合でも、引取責任が発生した場合には、発注予定日から起算して引取延期可能期間が経過する日までに発注を行わなければならない。
【0036】
例えば、発注リードタイム「5日」、物量確定リードタイム「10日」、引取延期可能期間「15日」、の部品を1月1日にフォーキャスト公開したとした場合、当日の1月1日に物量確定リードタイム「10日」を加算すると1月11日であるので、部品の要求納期が1月11日までの期間にあるフォーキャスト数量については、製品製作メーカに引取責任が発生する。仮に要求納期が1月10日とすれば、引取責任が発生したフォーキャスト数量は、発注リードタイムが「5日」であるので10日から「5日」を減算して1月5日を発注予定日と定義し、引取延期可能期間「15日」を加算した遅くとも1月20日までに発注しなければならない。
【0037】
発注周期は、部品取引先へ部品発注を行う間隔である。例えば、週に1度の発注とすれば、発注間隔である発注周期は「7日」となる。発注周期の利用目的は、発注予定日の何日前に発注するかを決めるためである。毎日発注する運用の場合は、発注予定日通りに発注できるため不要な項目であるが、仮に「7日」発注周期だとすれば、発注予定日が発注日から6日以内のものを発注する必要がある。そうしなければ、7日後の発注は、発注予定日を過ぎたものとなってしまう。
【0038】
受入試験日数は部品が部品発注元の製品製作メーカに着荷してから受入れ検査等の工程を経て製作に使用できるまでの日数である。部品取引先コードは、購入する部品の部品コードごとに定義した部品取引先を示すコードであり、部品取引先は、部品を購入するとともにフォーキャスト公開先の部品取引先である。フォーキャスト対象部品フラグは、引取責任を前提とするフォーキャスト運用を実施するかどうかを定義するフラグで「Yes」の場合は、前記した契約に従い製品製作メーカに引取責任が発生するが、「No」の場合は、部品の要求納期の山積み(部品数)を公開するだけで、引取責任は発生しない。
【0039】
例えば、部品コード「B001」は部品名「AAA」であり、発注ロットは「10」、発注リードタイムは「30日」、物量確定リードタイムは「60日」、引取延期可能期間は「30日」、発注周期は「7日」、受入試験日数は「0日」、部品取引先コードは「M001」、フォーキャスト対象部品であることを示している。
【0040】
図7に示す予告部品データファイル505には、前記した予告番号、前記した製品コード、予告枝番、前記した部品コード、部品予告数量、部品予告要期の各情報が関連付けられている。
予告枝番は、予告された製品コードごとに割振られる一貫NOであり、ここでは「01」、「02」等のコードが用いられている。例えば、予告番号「Y001」で予告した製品コード「S001」には予告枝番「01」が割振られており、予告番号「Y002」で予告した製品コード「S001」には予告枝番「02」が割振られている。
【0041】
部品予告数量は、前記予告番号で予告した前記製品コードを製作するのに必要な部品数量であり、図3の製品予告数量と図4の数量を用いて部品表展開した計算値である。前記した製品部品表データファイル502(図4参照)の説明でも述べたが、一般的なn階層の展開は周知の技術で部品展開を行い予告部品データファイル505を作成するものとする。
【0042】
部品予告要期は、前記図3の予告番号で予告した前記製品コードを製作するのに必要な部品の要求納期である。前記部品予告要期は、製品予告データファイル501(図3参照)の製品予告要期から製品製作情報データファイル503(図5参照)の製作リードタイムを工場稼働日で遡り、さらに部品情報データファイル504(図6参照)の受入試験日数を遡った日付である。ここで、データファイル間の関係は、製品予告データファイル501の製品コードで製品製作情報データファイル503の製品コードを参照し、予告部品データファイル505の部品コードで部品情報データファイル504の部品コードを参照するものとする。
例えば、図7の例では、予告番号「Y001」の製品コード「S001」を製作するためには部品コード「B001」が2007年5月25日に10個必要であることを示している。
【0043】
図8に示す製品手配データファイル506には、手配番号(受注手配識別情報)、前記した製品コード、製品手配数量、製品手配要期の各情報が関連付けられている。手配番号は製品製作メーカで手配した製品の手配データを識別するためのものであり、ここでは、「T001」等のコードが用いられている。製品手配数量は、前記手配番号により手配された前記製品コードの数量である。製品手配要期は、当該製品手配数量の製品の要求納期である。
例えば、図8の手配番号「T001」は製品コード「S001」を2007年5月21日に10個手配していることを示している。
【0044】
図9に示す手配部品データファイル507には、前記した手配番号、前記した製品コード、手配枝番、前記した部品コード、部品手配数量、部品手配要期の各情報が関連付けられている。手配枝番は、手配された製品コードごとに割振られる一貫NOであり、ここでは「A1」、「A2」等のコードが用いられている。例えば、手配番号「T002」で手配した製品コード「S002」には手配枝番「A1」が割振られており、手配番号「T003」で手配した製品コード「S002」には手配枝番「A2」が割振られていることを示している。
【0045】
部品手配数量は、前記手配番号で手配した前記製品コードの製品を製作するのに必要な部品数量であり、図8の製品手配数量と図4の各製品に使用される部品の数量を用いて部品表展開した計算値である。部品手配要期は、前記手配番号で手配した前記製品コードの製品を製作するのに必要な部品の要求納期である。
【0046】
前記部品手配要期は、図8の製品手配要期から図5の製作リードタイムを工場稼働日で遡り、さらに図6の受入試験日数を遡った日付である。ここで、データファイル間の関係は、図8の製品コードで図5の製品コードを参照し製作リードタイムを求め、図9の部品コードで図6の部品コードを参照し受入試験日数を求める。
例えば、手配番号「T001」の製品コード「S001」を製作するためには部品コード「B001」が2007年5月14日に10個必要であることを示している。
【0047】
図10に示す総必要部品データファイル508には、前記した手配・予告番号、前記した製品コード、枝番、前記した部品コード、部品数量、部品要期の各情報が関連付けられている。総必要部品データファイル508は予告部品データファイル505(図7参照)および手配部品データファイル507(図9参照)をマージしたものである。手配・予告番号は予告部品データファイル505の予告番号または手配部品データファイル507の手配番号である。枝番は予告部品データファイル505の予告枝番または手配部品データファイル507の手配枝番である。部品数量は予告部品データファイル505の部品予告数量または手配部品データファイル507の部品手配数量である。部品要期は予告部品データファイル505の部品予告要期または手配部品データファイル507の部品手配要期である。
【0048】
総必要部品データファイル508は部品コード、部品要期単位にフォーキャスト情報を管理する。また、図9の手配部品データファイル507のデータは、製品製作メーカの自社製作のデータとして総必要部品データファイル508に登録する。
【0049】
図11に示す在庫データファイル509には、前記した部品コード、在庫数量の各情報が関連付けられている。在庫数量は、前記した在庫管理装置30により、周知の技術により部品の入出庫が管理され最新の在庫数量が登録されているものとする。例えば、部品コード「B001」の在庫数量は12個であることを示している。
また、製品の製作を外注する場合、外注先である製作メーカの在庫についても、製作メーカの在庫情報を、通信ネットワーク80等を通じて受信し、在庫データファイル509に登録するものとする。
【0050】
図12に示す発注情報データファイル510には、発注番号、前記した部品コード、発注数量、発注残数量、発注日、前記した発注リードタイム、要求納期、要期年週、発注期間、回答納期の各情報が関連付けられている。
発注番号は、部品取引先に部品を発注する際の注文を識別する番号である。
発注数量は、部品を発注したときの発注数量である。発注残数量は発注数量から部品が着荷した数量を減じた数量である。発注日は、製品製作メーカである工場から部品取引先へ発注を行った日である。発注リードタイムは図6の部品情報データファイル504を部品コードで参照した発注リードタイムである。
【0051】
要求納期は部品取引先への要求した部品の納品期限である。要期年週は毎年1月1日を含む週を第1週とし、翌年の1月1日を含む週の前週まで年ごとに一貫NOで定義する。例えば、2007年1月1日は07年1週であり、2007年1月8日は07年2週である。
発注期間は要求納期と発注日の差日数であり、後述の処理にて発注リードタイムを確保した発注か発注リードタイムを確保していない短納期発注かを区別するデータ項目である。つまり、発注期間が発注リードタイムより小さいときは短納期発注である。
【0052】
回答納期は、発注番号に対して部品取引先が回答した納入可能な日付である。
発注情報データファイル510は、後記する図13の部品不足数量データファイル511の発注予定数量から作成する場合と、任意のタイミングで製品製作メーカの発注担当者が部品コード、発注数量、要求納期を指定し作成する場合がある。
また、製品の製作を製作メーカに外注する場合、製作メーカの発注情報についても、製作メーカの情報を、通信ネットワーク80等を通じて受信し、発注情報データファイル510に登録するものとする。
【0053】
図13に示す部品不足数量データファイル511は、前記した部品コード、前記した発注リードタイム、前記した発注周期、前記した受入試験日数、前記した発注ロット、前記した部品要期、要期までの日数、前記した部品数量、在庫引当数量、在庫引当後残数量、発注残引当数量、発注残引当後残数量、不足数量(ロット計算前)発注予定数量、不足数量(ロット計算前)フォーキャスト予定数量の各情報が関連付けられている。
【0054】
部品コード、部品要期および部品数量は、図10の総必要部品データファイル508を参照したものである。発注リードタイム、発注周期、受入試験日数および発注ロットは、図6の部品情報データファイル504を部品コードで参照したものである。「要期までの日数」は部品要期と「部品不足数量データファイル511」作成日(フォーキャストデータ作成日)との差日数である。
【0055】
在庫引当数量は、図11の在庫データファイル509を部品コードで参照した在庫数量が0になるまで、図13の部品要期の早い順に部品数量へ引当てた結果の数量である。
在庫引当後残数量は、部品数量から在庫引当数量を減算した数量である。
発注残引当数量は、図12の発注情報データファイル510を部品コードで参照し、発注残数量の合計値を算出し、図13の部品要期の早い順に在庫引当後残数量へ引当てた結果の数量である。
【0056】
発注残引当後残数量は、在庫引当後残数量から発注残引当数量を減算した数量である。
不足数量(ロット計算前)発注予定数量は、「要期までの日数」と「発注リードタイム+発注周期+受入試験日数」を比較し、「要期までの日数」が「発注リードタイム+発注周期+受入試験日数」と同じか、「発注リードタイム+発注周期+受入試験日数」よりも小さい場合に、「発注残引当後残数量」を設定する。
不足数量(ロット計算前)フォーキャストは、「要期までの日数」と「発注リードタイム+発注周期+受入試験日数」を比較し、「要期までの日数」が「発注リードタイム+発注周期+受入試験日数」より大きい場合に、「発注残引当後残数量」を設定する。
【0057】
図14に示す部品取引先情報データファイル512には、前記した部品取引先コード、部品取引先名、フォーキャスト契約締結日の各情報が関連付けられている。
部品取引先名は、部品取引先コードが示す部品取引先の名称である。
フォーキャスト契約締結日は、部品取引先に対して引取責任を前提とするフォーキャスト公開を開始した日である。なお、ここではフォーキャスト契約締結日とフォーキャスト公開を開始した日とが同日の場合を例示している。
例えば、部品取引先コード「M001」の部品取引先名は「A社」であり、フォーキャスト契約締結日は2007年2月22日である。
【0058】
図15に示す週割部品不足数量データファイル513には、前記した部品コード、前記した部品要期、フォーキャスト公開年週、フォーキャスト公開週、前記したフォーキャスト予定数量の各情報が関連付けられている。
フォーキャスト公開年週は、フォーキャスト公開した年週を、毎年1月1日を含む週を第1週とし、翌年の1月1日を含む週の前週まで年ごとに一貫NOで定義したものである。
【0059】
フォーキャスト公開週は、フォーキャスト公開期間を週ごとに(図15の例では、日曜日から始まり土曜日で終わり)区切り、フォーキャスト公開日を+1週として以降週ごとに一貫NOを設定したものである。
図15の週割部品不足数量データファイル513は、図13の部品不足数量データファイル511データのうちフォーキャスト予定数量が1以上のデータを抽出したものである。
【0060】
図16に示す発注ロット計算用データファイル514には、前記した部品コードおよび前記したフォーキャスト公開週ごとに、発注ロット、前記したフォーキャスト予定数量、前回提示物量確定数量、今回発注数考慮数量、ロット数考慮前数量、フォーキャスト数量の各情報が関連付けられている。
発注ロットは、図6の部品情報データファイル504を部品コードで参照したものである。
【0061】
フォーキャスト予定数量は、図15の週割部品不足数量データファイル514を部品コードで参照しフォーキャスト公開週ごとにフォーキャスト予定数量を集計した合計数量である。
前回提示物量確定数量は、前回の更新時に作成した、発注ロット計算用データファイル514のフォーキャスト数量のうち物量確定していた数量である。
【0062】
今回発注数量考慮数量は、前回提示物量確定数量を日付の古い順に前回フォーキャスト更新日以降の発注数量合計数量で減算した数量である。発注数量合計数量は図12の発注情報データファイル510を部品コードおよび発注日(前回フォーキャスト更新日以降)で参照した発注数量の合計値である。
ロット数考慮前数量の算出は、まず、第n週までのフォーキャスト予定数量累計数をΣA(n)、第n週までの今回発注数量考慮数量をΣB(n)、第n週までのロット数考慮前数量をΣC(n)と定義する。第n週のロット数考慮前数量C(n)はΣA(n)とΣB(n)の大きい方の数量からΣC(n−1)を減算した数量である。
【0063】
フォーキャスト数量の算出は、第n週までのロット数考慮前数量をΣC(n)とした場合、第n週のフォーキャスト数量D(n)は、発注ロットの倍数で、かつ、ΣC(n)−ΣC(n−1)以上の数量で最小の数である。
【0064】
また、部品コード、発注年週ごとに「発注」、「物量確定」および「公開のみ」の範囲を定義する。「発注」と「物量確定」の範囲は、部品情報データファイル504(図6参照)を部品コードで参照し、フォーキャスト対象フラグが「Yes」のとき、かつ、フォーキャスト契約データファイル512のフォキャスト契約締結日が設定済のときのみ定義される。フォーキャスト対象フラグおよびフォーキャスト契約締結日の条件を満たさない部品コードは、全ての公開範囲が「公開のみ」と定義される。
【0065】
フォーキャスト対象フラグおよびフォーキャスト契約締結日の条件を満たしている場合、「発注」は、まず、日単位で「発注」の範囲を求め、日単位の「発注」の範囲より週単位の「発注」の範囲を求める。日単位の「発注」の範囲は、フォーキャスト公開日から図6の部品情報データファイル504を部品コードで参照した発注リードタイムを加算した日までである。週単位の「発注」の範囲は、各フォーキャスト公開週に含まれる全ての日付が日単位の「発注」の範囲に含まれている場合、そのフォーキャスト公開週は「発注」の範囲とみなす。
【0066】
例えば、日曜日始まり土曜日終わりの週割で、前週の水曜日が日単位の「発注」の範囲とすれば、前週までが週単位の「発注」の範囲である。また、例えば、日曜日始まり土曜日終わりの週割で、当週の土曜日が日単位の「発注」の範囲とすれば、当週までが週単位の「発注」の範囲である。
【0067】
「物量確定」は、まず、日単位で「物量確定」の範囲を求め、日単位の「物量確定」の範囲より週単位の「物量確定」の範囲を求める。日単位の「物量確定」の範囲は、フォーキャスト公開日から図6の部品情報データファイル504を部品コードで参照した物量確定リードタイムを加算した日までである。週単位の「物量確定」の範囲は、各フォーキャスト公開週に含まれる全ての日付が日単位の「物量確定」の範囲に含まれている場合、そのフォーキャスト公開週は「物量確定」の範囲とみなす。
「公開のみ」は、「発注」および「物量確定」の範囲以外の範囲である。
【0068】
最後に、物量確定の範囲が存在する部品コードについては、「発注」の範囲にあるフォーキャスト数量の合計を、物量確定エリアの最左にある週のフォーキャスト数量に加算し、「発注」の範囲のフォーキャスト数量を0にする。
これは、引取責任が発生した数量の、引取延期可能期間による発注延期は、「発注」の範囲ではなく「物量確定」の範囲で表示することを示している。
【0069】
図17に示すフォーキャスト詳細情報データファイル515には、前記した部品コードおよび前記したフォーキャスト公開週ごとに、前回着荷済、前回注残(通常発注)、前回注残(リードタイム割れ)、前回発注予定、今回着荷済、今回注残(通常発注)、今回注残(リードタイム割れ)、今回発注予定の各情報が関連付けられている。
前回着荷済は、前回更新時のフォーキャスト詳細情報データファイル515の同一要期年週の今回着荷済を設定する。
【0070】
前回注残(通常発注)は、前回更新時のフォーキャスト詳細情報データファイル515の同一要期年週の今回注残(通常発注)を設定する。
前回注残(リードタイム割れ)は、前回更新時のフォーキャスト詳細情報データファイル515の同一要期年週の今回注残(リードタイム割れ)を設定する。
前回発注予定は、前回更新時のフォーキャスト詳細情報データファイル515の同一要期年週の今回発注予定を設定する。
【0071】
今回着荷済は、発注済みの部品が着荷した数量を要期年週ごとに示す。
今回注残(通常発注)は、図12の発注情報データファイル510を部品コードで参照し、要期年週ごとに発注期間が発注リードタイム以上のデータの発注残数量を合計した数量である。
【0072】
今回注残(リードタイム割れ)は、図12の発注情報データファイル510を部品コードで参照し、要期年週ごとに発注期間が発注リードタイム未満の発注残数量を合計した数量である。
今回発注予定は、図16の発注ロット計算用データファイル514のフォーキャスト数量を参照した、同一部品コードおよび同一要期年週の数量である。
【0073】
図18に示すフォーキャスト情報データファイル516は、前記した部品取引先コード、当該部品取引先コードの部品取引先が納品する部品の前記した部品コード、当該部品に係わる前記した発注リードタイム、前記した物量確定リードタイム、前記した引取延期可能期間の各情報が関連付けられている。そして、フォーキャスト情報データファイル516は、部品コードおよび公開週単位に、図17のフォーキャスト詳細情報データファイル515の注残(通常発注)、注残(リードタイム割れ)、発注予定の各数量を合計した数量が示される。
【0074】
フォーキャスト情報データファイル516の部品取引先コード、発注リードタイム、物量確定リードタイムおよび引取延期可能期間は図6の部品情報データファイル504を部品コードで参照した値である。
【0075】
図19に示すフォーキャスト引取責任データファイル517には、前記した部品コード、引取責任発生日、前記した物量確定リードタイム、前記した引取延期可能期間、引取責任発生数量、発注期限の各情報が関連付けられている。
引取責任発生日は、当該部品コードの部品が、引取責任が発生した日を登録したフォーキャスト引取責任データファイル517への登録日である。
【0076】
物量確定リードタイム、引取延期可能期間は、それぞれ図6の部品情報データファイル504を部品コードで参照した値である。
引取責任発生数量は、図17のフォーキャスト詳細情報データファイル515を部品コードで参照し、物量確定の範囲にある発注予定(今回)の合計数量を算出し、算出した数量から、前回のフォーキャスト引取責任データファイル517の引取責任発生数量の合計数量を減算した数量である。
発注期限は、引取責任発生日に物量確定リードタイムと引取延期期間を加算した日付である。
【0077】
図19のフォーキャスト引取責任データファイル517には、部品コードごとに引取責任発生数量を計算し、0より大きい場合に登録される。さらに、図12の発注情報データファイル510を部品コードごとに発注日が前回更新日より大きいという条件で参照し、発注数量合計を算出し、図19のフォーキャスト引取責任データファイル517を部品コードで参照した引取責任発生数量を引取責任発生日が小さい順に算出した発注数量合計で相殺する。引取責任発生数量が0になるか発注数量合計が0になるまで相殺する。
【0078】
次に、製品の受注前に製品製作メーカが、将来の製品製作予定をシミュレーションして、部品取引先に購入予定の部品のフォーキャストを提供するために、情報記録部50に追加するデータファイルに関して説明する。
追加されるデータファイルは、製品の機種毎に製作数量単位を示すコードマスタ情報データファイル518、月単位の生産計画を登録する大日程計画データファイル519、週単位の生産計画を登録する中日程計画データファイル520、日単位の製品の機種毎の工程計画を登録する小日程計画データファイル521、製品の機種毎の工程の日割りスケジュールパターンを示す製作製品工程情報データファイル522である。
【0079】
図20に示すコードマスタ情報データファイル518には、機種コード、図面コード、製品製作数量の各情報が関連付けられている。
機種コードは製品製作メーカにより製作される製品を識別するためのコードであり、ここでは「E001」等のコードが用いられている。なお、機種コードは、製品コードと同義であり、図3の製品予告データファイル501、図4の製品部品表データファイル502、図5の製品製作情報データファイル503等の製品コードに相当する。
図面コードは関連付けられた機種コードに対して、発行される各種ドキュメントを指定するコードであり、ここでは「LA001」等のコードが用いられている。製品製作数量は、機種コードに対する図面コードにより製作される製品の生産台数を表している。
【0080】
例えば、図20の機種コード「E001」は図面コード「LA001」に関連づけられた製品を1セットで1台、製作することを示している。また、機種コード「E003」は図面コード「LA003」に関連づけられた製品を1セットで2台、製作することを示している。
【0081】
図21に示す大日程計画データファイル519には、申請NO、年月、機種コード、生産台数の各情報が関連付けられている。
申請NOは月単位に登録される機種コードの製品の生産台数の履歴を昇順で表している。年月は関連付けられた機種コードの製品が「いつ」製作されるかを表しており、ここでは「1101」等の西暦の下2桁の年と月を指定した値を用いている。
【0082】
機種コードは製作される製品を識別するためのコードであり、ここでは「E001」等のコードが用いられている。生産台数は関連付けられた機種コードの製品を何台製作するかを表している。
【0083】
例えば、図21の機種コード(製品コード)「E001」の製品は当初、「2011年1月」に「50台」を生産する予定だったが、その後、申請NOの“2”の履歴で表されるように、「100台」に変更となったことを示している。
【0084】
図22に示す中日程計画データファイル520には、機種コード、年月、生産年間週、予告番号、予告台数の各情報が関連付けられている。
機種コードは、前記したように、製作される製品を識別するためのコード(製品コード)であり、ここでは「E001」等のコードが用いられている。年月は関連付けられた機種コードが「いつ」製作されるかを西暦の下2桁の年と月で表しており、ここでは「1101」等の年と月を指定した値を用いている。
【0085】
生産年間週は関連づけられた機種コード、製作される年月に対し、第何週の生産分かを表しており、西暦の下2桁の年と通算週を指定した「1101」等の値を用いている。予告番号は製品の予告データを識別するためのものであり、ここでは、「Y001」等のコードが用いられている。予告台数は図21の大日程計画データファイル519の月単位生産計画に基づいた週単位の予告台数を表している。
【0086】
例えば、図22の1行目のデータは、機種コード「E001」が、「2011年1月」の「第1週」に予告番号「Y001」で「10台」の週単位台数を予告していることを示している。
【0087】
図23に示す小日程計画データファイル521には、機種コード、枝番、手配番号、生産台数、各工程予定の各情報が関連付けられている。
機種コードは製作される製品を識別するためのコードであり、ここでは「E001」等のコードが用いられている。枝番は機種コードの製作単位ごとに割り振られる一貫NOとして用いられている。手配番号(受注手配識別情報)は製作される製品の手配データを識別するためのものであり、ここでは、「T001」等のコードが用いられている。
【0088】
なお、手配番号とは製作メーカ側で部品購入の最小単位の製品数を対応させたものであり、一顧客の製品の注文に対して1以上の手配番号をもつことになる。
生産台数は機種コード、枝番単位の製品の生産数を表している。各工程予定は機種コード、枝番単位の製品を製作するための工程予定日付を西暦年月日の8桁の数字で表している。
【0089】
例えば、図23の1行目のデータの機種コード「E001」枝番「001」は、生産台数1台、手配番号「T001」で手配が行われており、工程A、B、Cの計画値(予定値)はそれぞれ「2011年1月10日」、「2011年1月11日」、「2011年1月12日」であることを表している。
【0090】
図24に示す製作製品工程情報データファイル522には、1日の機種コード毎の手配番号毎に製作される製品の工程の作業情報(作業パターン)が記録される。つまり、基準工程開始時間とは、一つの手配番号の単数または複数の製品が製作される開始時間を意味する。そして、製作製品工程情報データファイル522には、1日で行われる単数また複数の手配番号の製作工程のパターンが時刻とともに記録されている。図24では、「E001」の機種コードの製品は、基準工程開始時間が「08:40」と「13:00」との2つの手配番号の製品が製作される工程を示している。
【0091】
製作製品工程情報データファイル522には、機種コード、基準工程開始時間、工程A着手時間、工程A作業時間、工程B着手時間、工程B作業時間、・・・の各情報が関連付けられている。機種コードは製作される製品を識別するためのコード(製品コード)であり、ここでは「E001」等のコードが用いられている。基準工程開始時間とは製作開始時の部品払出時刻を表し、「分」単位の値が用いられる。部品払出時刻とは、製品を製作するための部品が全て揃う時刻をいう。
【0092】
工程A着手時間とは基準工程開始時間と比較し、どのタイミングで着手を開始するかを表し、「分」単位の値が用いられる。工程A作業時間とは工程Aの着手から完了までの所要時間を表し、「分」単位の値が用いられる。以下、工程着手時間と工程作業時間に関しては必要とされる工程の数だけカラムが設けられている。
【0093】
例えば、機種コード「E001」は基準工程開始時間が「08:40」となっており「08:40」に部品が全て揃い、工程Aは基準工程開始時間の「600分」前に着手し、工程A開始の「600」分後に完了する。工程Bは基準工程開始時間の「120分」後に着手し、工程B開始の「65分」後に完了することを表している。
以上が、図2に示す情報記録部50に格納されるデータファイルである。
【0094】
次に、各管理部の各種動作について説明していくが、ここでは、まず、図1のマスタ情報管理部11における処理に関して説明する。
[マスタ情報管理部11における製品製作情報登録処理]
図1のマスタ情報管理部11で製品製作情報データファイル503(図5参照)に製品製作情報を登録する処理について説明する。
図25は、入出力端末60、フォーキャスト管理装置10および情報管理部50の処理手順であって製品製作情報の登録処理に関する手順を示す図である。
【0095】
登録者が入出力端末60を用いて、フォーキャスト管理装置10のマスタ情報管理部11にログインすると、図26に示す入力画面の製品製作情報登録画面G1が入出力端末60のディスプレイに表示される。
製品製作情報登録画面G1には、製品コードG1a、製作リードタイムG1bの入力欄(入力フィールド)がある。
【0096】
まず、登録者は入出力端末60を用いて、製品製作情報登録画面G1の製品コードG1aの欄に製作する製品の製品コード「S001」等を入力した後、検索ボタンG1cを押下する(図25のS11)。
そうすると、製品コード「S001」が送信(S12)されたフォーキャスト管理装置10は、登録者によって入力された製品コード「S001」で情報記録部50の製品製作情報データファイル503(図5参照)を参照し(S13)、製作リードタイムを取得し(S14)、入出力端末60に送信し(S15)、入出力端末60のディスプレイへ表示する(S16)。図26では、製作リードタイムG1bの入力欄(入力フィールド)に「5」が表示された場合を示している。
【0097】
S13で、製品製作情報データファイル503を入力された製品コード「S001」で参照した結果、該当する製品コードが存在しない場合は、図26の製品製作情報登録画面G1の製作リードタイムG1bの入力欄は空白のままで非表示とする。
次に、登録者は、入出力端末60を用いて製作リードタイム(ここでは、「5」)を入力し、登録ボタンG1dを押下する(図25のS21)。
製作リードタイム「5」が送信(S22)されたフォーキャスト管理装置10は、登録者によって入力された製品製作情報の製作リードタイム「5」を情報記録部50の製品製作情報データファイル503に登録する(S23)。
【0098】
[マスタ情報管理部11における部品情報登録処理]
マスタ情報管理部11で、図6の部品情報データファイル504の部品情報を検索、または、部品情報データファイル504に製品の製作に用いる部品の情報を登録(修正)する処理について説明する。
図27は、入出力端末60、フォーキャスト管理装置10および情報管理部50の処理手順であって部品情報の参照、登録(修正)処理に関する手順を示す図である。
【0099】
登録者が入出力端末60を用いて、フォーキャスト管理装置10のマスタ情報管理部11にログインすると、図28に示す入力画面の部品情報登録画面G2が入出力端末60のディスプレイに表示される。部品情報登録画面G2には、部品コード、部品名、発注ロット、発注リードタイム、物量確定リードタイム、引取延期可能期間、発注周期、受入試験日数、部品取引先コード、フォーキャスト対象部品フラグの各入力欄(入力フィールド)G2a〜G2jがある。
【0100】
まず、登録者は入出力端末60を用いて、部品情報登録画面G2の部品コードの入力欄G2aに、部品を示す部品コード「B001」等を入力した後、検索ボタンG2kを押下する(図27のS31)。
部品コード「B001」が送信(S32)されたフォーキャスト管理装置10は、登録者によって入力された部品コード「B001」で情報記録部50の部品情報データファイル504(図6参照)を参照(検索)し(S33)、部品名、発注ロット、発注リードタイム、物量確定リードタイム、引取延期可能期間、発注周期、受入試験日数、部品取引先コード、フォーキャスト対象部品フラグの各情報を取得し(S34)、入出力端末60に送信し(S35)、入出力端末60に表示された部品情報登録画面G2の各入力欄G2b〜G2jへ表示する(S36)。
【0101】
図27のS33で、部品情報データファイル504を参照した結果、該当する部品コードが存在しない場合は、図28の部品情報登録画面G2の各入力欄G2b〜G2jは空白のままで非表示とする。
【0102】
次に、登録者は、部品情報登録画面G2の各入力欄G2b〜G2jに、部品名、発注ロット、発注リードタイム、物量確定リードタイム、引取延期可能期間、発注周期、受入試験日数、部品取引先コード、フォーキャスト対象部品フラグを入力し、登録ボタンG2lを押下する(図27のS41)。
【0103】
入力結果が送信(S42)されたフォーキャスト管理装置10は、登録者によって入力された部品情報を部品情報データファイル504に登録する(S43)。
なお、図27のS41で、入力欄G2b〜G2jに表示されたデータを修正し、S43で、部品情報データファイル504の情報を更新することも可能である。
【0104】
[マスタ情報管理部11における部品取引先情報登録処理]
マスタ情報管理部11で、部品取引先情報データファイル512(図14)の部品取引先情報を検索、または、部品取引先情報データファイル512に部品取引先情報を登録(修正)する処理について説明する。
図29は、入出力端末60、フォーキャスト管理装置10および情報管理部50の処理手順であって部品取引先情報の参照、登録(修正)処理に関する手順を示す図である。
【0105】
登録者が入出力端末60を用いて、フォーキャスト管理装置10のマスタ情報管理部11にログインすると、図30に示す部品取引先情報登録画面G3が入出力端末60のディスプレイに表示される。部品取引先情報登録画面G3には、部品取引先コード、部品取引先名、フォーキャスト契約締結日の各入力欄G3a〜G3cがある。
まず、登録者は入出力端末60を用いて、部品取引先情報登録画面G3の部品取引先コードの入力欄G3aに検索する部品取引先コード「M001」等を入力した後、検索ボタンG3dを押下する(図29のS51)。
【0106】
部品取引先コード「M001」が送信(S52)されたフォーキャスト管理装置10は、登録者によって入力された部品取引先コードで情報記録部50の部品取引先情報データファイル512を参照し(S53)、部品取引先名、フォーキャスト契約締結日を取得し(S54)、入出力端末60に送信し(S55)、入出力端末60のディスプレイに表示する(S56)。
【0107】
図29のS53で、部品取引先情報データファイル512を参照した結果、該当する部品取引先コードが存在しない場合は、部品取引先情報登録画面G3の入力欄G3b、G3cは空白のまま非表示とする。
【0108】
次に、登録者が、部品取引先情報登録画面G3において、部品取引先名の入力欄G3b、フォーキャスト契約締結日の入力欄G3cに、それぞれ部品取引先名、フォーキャスト契約締結日を入力し、登録ボタンG3eを押下する(図29のS61)。
入力結果が送信(S62)されたフォーキャスト管理装置10は、登録者によって入力された部品取引先情報を情報記録部50の部品取引先情報データファイル512に登録する(S63)。
【0109】
なお、図29のS61で、部品取引先情報登録画面G3に表示された情報を修正入力し、S63で、部品取引先情報データファイル512の情報を更新(修正)することも可能である。
【0110】
次に、図1に示す手配情報管理部12における処理に関して説明する。
[手配情報管理部12における予告手配処理]
ここでは、予告者が今後の生産計画に基づく製品の予告情報を算出したことを前提にして説明する。
図31は、入出力端末60、フォーキャスト管理装置10および情報管理部50の処理手順であって手配情報管理部12による製品予告に関する処理手順を示す図である。
【0111】
例えば、予告者が、入出力端末60を用いて、フォーキャスト管理装置10の手配情報管理部12にログインすると、図32に示す入力画面の製品予告画面G4が入出力端末60のディスプレイに表示される。製品予告画面G4には、予告番号、製品コード、製品予告数量、製品予告要期の各入力欄G4a〜G4dがある。
まず、登録者は入出力端末60のディスプレイに表示された製品予告画面G4の予告番号の入力欄G4aに所望の番号「Y001」等を入力した後、検索ボタンG4eを押下する(図31のS71)。
【0112】
入力された予告番号が送信(S72)されたフォーキャスト管理装置10は、登録者によって入力された予告番号で、図3の製品予告データファイル501を参照し(S73)、製品コード、製品予告数量、製品予告要期を取得し(S74)、入出力端末60に送信し(S75)、入出力端末60に表示された製品予告画面G4の入力欄G4b〜G4dに表示する。
【0113】
一方、製品予告データファイル501を参照した結果、該当する予告番号が存在しない場合は、図32の製品予告画面G4の入力欄G4b〜G4dは空白のまま非表示とする。
次に、予告者は、図32の製品予告画面G4の入力欄G4b〜G4dに、製品コード、製品予告数量、製品予告要期を入力し、登録ボタンG4fを押下する(図31のS81)。
入力結果が送信(S82)されたフォーキャスト管理装置10は、予告者によって製品予告画面G4に入力された製品予告情報を情報記録部50の製品予告データファイル501に登録する。
【0114】
図3の製品予告データファイル501への登録は、登録しようとしている予告番号が既に存在しているかどうかをチェックし(S83)、登録済みの場合は(S83でYes)、製品予告データファイル501、予告部品データファイル505(図7参照)および総必要部品データファイル508(図10参照)を予告番号で参照し、該当するレコードを削除した(S84)後に、製品予告画面G4から入力した製品予告情報を登録する(S85)。
【0115】
具体的には、図3の製品予告データファイル501に登録されたレコードは、部品展開装置20による部品表展開結果を利用し、予告部品データファイル505に登録される。
さらに、予告部品データファイル505に登録されたレコードは、後述する処理にて製品手配時に作成される手配部品データファイル507と結合され、総必要部品データファイル508に登録される。
【0116】
一方、図31のS83で登録済みでないと判定された場合(S83でNo)、S85に移行し、製品予告データファイル501、予告部品データファイル505(図7参照)および総必要部品データファイル508(図10参照)に、予告番号のレコードに製品予告画面G4から入力した製品予告情報を登録する。
【0117】
[手配情報管理部12における製品手配処理]
製品製作メーカが、手配情報管理部12による製作する製品を手配するための製品手配処理について説明する。
図33は、入出力端末60、フォーキャスト管理装置10および情報管理部50の処理手順であって製品手配に関する処理手順を示す図である。
【0118】
例えば、手配者が入出力端末60を用いて、フォーキャスト管理装置10の手配情報管理部12にログインすると、図34に示す入力画面の製品手配画面G5が入出力端末60のディスプレイに表示される。製品手配画面G5には、予告番号、手配番号、製品コード、製品手配数量、製品手配要期の各入力欄G5a〜G5eがある。
【0119】
まず、手配者は入出力端末60を用いて、製品手配画面G5の予告番号の入力欄G5aに、前もって予告していた予告番号「Y001」等を入力した後、検索ボタンG5fを押下する(図33のS91)。
入力された予告番号が送信(S92a)されたフォーキャスト管理装置10は、登録者によって入力された予告番号で情報記録部50の製品予告データファイル501(図3参照)を参照し(S92b)、製品コード、製品予告数量、製品予告要期を取得し(S93a)入出力端末60に送信し(S93b)、入出力端末60の製品手配画面G5の製品コード、製品手配数量、製品手配要期の入力欄G5c〜G5eへそれぞれ表示する(S94)。
【0120】
一方、図33のS92bで、製品予告データファイル501を参照した結果、該当する製品コードが存在しない場合は、図34の製品手配画面G5の入力欄G5c〜G5eは空白のまま非表示とする。
【0121】
次に、手配者は製品手配画面G5の入力欄G5c〜G5eに表示された製品コード、製品手配数量、製品手配要期を確認し、変更がある場合、各項目、すなわち製品予告情報を修正する。さらに、製品手配画面G5の手配番号の入力欄G5bに所望の手配番号「T001」等を入力した後、検索ボタンG5fを押下する(S95)。
【0122】
入力された製品予告情報が送信(S96a)されたフォーキャスト管理装置10は、手配者によって入力された製品手配情報を情報記録部50の製品手配データファイル506(図8参照)に登録する(S96b)。
【0123】
さらに、製品予告データファイル501を入力された予告番号で参照し既に登録済みか否かチェックし(S97)、入力された予告番号(作番)が既に存在していれば(S97でYes)、製品予告データファイル501、予告部品データファイル505および総必要部品データファイル508を予告番号で参照し、該当するレコードを削除する(S98)。
【0124】
そして、製品予告データファイル501に入力された予告番号のデータを登録する。製品手配データファイル506に登録されたレコードは、部品展開装置20の部品表展開結果を利用し、手配部品データファイル507に登録される。
さらに、手配部品データファイル507に登録されたレコードは、前記した予告部品データファイル505と結合され、総必要部品データファイル508に登録される(S99)。
【0125】
一方、図33のS97で、製品予告データファイル501に、入力された予告番号が存在していなければ(S97でNo)、S99に移行し、製品予告データファイル501に入力された予告番号のデータを登録するとともに、手配部品データファイル507に登録し、さらに、手配部品データファイル507に登録されたレコードが前記した予告部品データファイル505と結合され、総必要部品データファイル508に登録される。
【0126】
[フォーキャスト数量管理部13における発注処理]
次に、発注必要数の算出が行われる。
発注処理は、例えば、毎日、スケジュールにより定めた時間に行うものとする。
発注必要数は、前記した部品不足数量データファイル511(図13参照)を作成し、部品不足数量データファイル511の不足数量(ロット計算前)発注予定数量が設定されたレコードを抽出することにより求めることができる。
【0127】
抽出したレコードに記録された数の部品は、部品情報データファイル504(図6参照)で定義した発注周期に基づき、周知の技術により部品取引先へ発注し、発注したレコードは前記した発注情報データファイル510(図12参照)へ登録する。
また、発注した部品コードでフォーキャスト引取責任データファイル517(図19参照)を参照し、引取責任があるレコードが存在する場合は、引取責任発生数量から発注した部品コードの部品数量を減算する相殺処理を行う。
【0128】
[フォーキャスト数量管理部13におけるフォーキャスト数算出処理]
次に、フォーキャスト数量算出を行う。フォーキャスト数量算出は、例えば、毎週、スケジュールにより定めた曜日の時間に行うものとする。
【0129】
フォーキャスト数算出処理は、まず、前記した部品不足数量データファイル511(図13参照)を作成する。次に、前記した週割部品不足数量データファイル513(図15参照)、前記した発注ロット計算用データファイル514(図16参照)、前記したフォーキャスト詳細情報データファイル515(図17参照)および前記したフォーキャスト情報データファイル516(図18参照)を作成する。
また、フォーキャスト引取責任ファイル517へのデータの登録を行う。
【0130】
[フォーキャスト提示部14における部品取引先向けフォーキャスト提示]
部品のフォーキャストは、部品を購入する部品取引先に限り行う。なお、必要に応じて、その他の部品取引先にフォーキャストしてもよい。
例えば、部品取引先が図1の入出力端末81を用いて、フォーキャスト管理装置10のフォーキャスト提示部14にログインすると、図35に示すフォーキャスト公開画面G6Aが入出力端末81に表示される。
【0131】
フォーキャスト公開画面G6Aには、部品取引先コード、部品コード、発注リードタイム、物量確定リードタイム、引取延期可能期間、公開週ごとに、フォーキャストされる部品の数量を表示する表示項目がある。
前記したように、公開するデータは、図18のフォーキャスト情報データファイル516のうちログインしたユーザの所属する取引先メーカコードのみとする。
【0132】
また、フォーキャスト公開画面G6Aに表示されているフォーキャスト数量(フォーキャストされる部品の数量)を選択することで、図36のフォーキャスト公開詳細画面G6Bが表示される。
公開するデータは、ユーザが選択したフォーキャスト数量の部品コードで、図17のフォーキャスト詳細情報データファイル515を参照したものとする。
【0133】
また、図35のフォーキャスト公開画面G6A、図36のフォーキャスト公開詳細画面G6B以外のフォーキャスト公開画面としては、図37に示すように、8週先、16週先、24週先までの3通りの表示機能を持つ期間別フォーキャスト公開画面G7を有することとする。公開するデータは、ユーザが選択したフォーキャスト数量の部品コードで、図17のフォーキャスト詳細情報データファイル515を参照し、単週の情報を取得し、単週の情報を集計した複数の週の情報とし、期間別フォーキャスト公開画面G7に表示する。
【0134】
図38は、本フォーキャスト生産管理システムSを用いた部品予告による部品予告〜発注〜入荷までの関係図であり、部品の予告期間がない業務における部品の購入予告〜部品着荷までのタイムチャートである。
図38の日t01において、製品製作メーカが製品製作の計画をシミュレーションするとともに、部品を購入する部品取引先に対して部品購入の予告(フォーキャスト)を実施する。その後、日t02において、製品製作メーカが顧客から製品の製作を受注する。
【0135】
そこで、日t05の部品払い出し日(製品を製作するために製作に用いる部品が全て揃い、製作のために使用OKとなる日)から逆算して部品入荷日(日t04)を決定し、部品入荷日から部品調達L/T(発注リードタイム)で遡り、日t03に部品を部品取引先に対して発注する。
すると、部品取引先は契約で定めた部品調達L/Tの発注リードタイム後の日t04に部品を納める(部品入荷)。このような経過を辿って、製品を製作するための部品が集結し、製品製作に必要な部品が使用可能となる部品払い出し日(日t05)に揃う。
【0136】
従来の図45と同様、顧客からの製品依頼が遅く規定の部品調達L/T(発注リードタイム)がとれない場合、或いは、部品調達L/T(発注リードタイム)が長期に渡る場合においても、本実施形態では、製品の受注より充分前に製品の受注を予測して計画のシミュレーションを行い製品の受注(日t02)より前(日t01)に部品のフォーキャスト予告を実施するので、予告情報開示期間を十分に確保できることになる。
【0137】
以下、本実施形態(本発明)で構成した生産計画シミュレーション機能による前記したフォーキャスト機能のフォーキャスト公開画面G6A(図35)、フォーキャスト公開詳細画面G6B(図36)、期間別フォーキャスト公開画面G7(図37)との連携について説明する。
【0138】
[生産計画シミュレーションを用いた予告業務の簡略化]
図39に本実施形態における生産計画シミュレーションとフォーキャスト機能とが連携する予告業務、および手配業務を示す。
製品製作メーカでは、営業部等からの推定情報等により年間の大日程生産計画を立案する(図39のS101)。
【0139】
そこから、担当者が、製品を依頼する顧客の希望納期、工場内の作業能力等を勘案し、月単位〜週単位の工程計画立案までの業務を行う。具体的には、週単位の工程計画を自動作成し(S102)、日単位の工程計画を自動作成する(S103)。
このとき、S102で、自動作成された週単位の工程計画を元にして、同時に、各必要部品の予告情報を作成し、部品取引先に購入する予定の部品のフォーキャストが自動的に行われる(S102A)。
【0140】
これにより、担当者は予告業務を意識することなく部品予告情報の公開を自動的に行うことができる。また、受注前であっても予告情報を公開することにより、部品払出までに十分な予告情報公開期間を確保することが可能となる。
担当者は、S103で自動作成された日単位の工程計画(後記の図42の日単位生産計画登録画面G10)を、適宜メンテナンスすることにより、受注前の情報についても工程計画のシミュレーションを行うことができる。
【0141】
そして、S104の受注確定により、担当者は日単位の工程計画を立案し、必要部品のS102Aで公開した予告情報を受注確定により修正した予告業務(修正したフォーキャスト)を行い(S105)、その後、部品入荷予定日から部品の発注リードタイムを遡り、部品取引先に対する部品の手配業務を行う(S106)。
【0142】
S104〜S106により、S101〜S103のシミュレーション上の工程計画を、実際の工程計画のデータへと反映することができる。
なお、受注後の変更、例えば製品を依頼した顧客のキャンセル等は、先に設定した部品の引取延期可能期間や、手配番号を新たな顧客に紐付けることにより吸収することができる。
【0143】
[生産計画シミュレーションを用いた生産計画立案]
以降では、図39で示したS101〜S103の生産計画シミュレーションの実現手段である計画シミュレーション部16について説明する。
図40は、担当者が月単位の工程計画を登録するための月単位生産計画登録画面G8である。
まず、担当者は、作成された生産計画シミュレーションをフォーキャスト生産管理システムSに登録する。
【0144】
具体的には、担当者は、図1の入出力端末60を用いて、計画シミュレーション部16にログインし、月単位生産計画登録画面G8(図40参照)を表示する。
ここで、月単位生産計画登録画面G8は、年月入力欄G8aに入力される“生産年月”、履歴入力欄G8bに入力される“登録履歴”、機種コード入力欄G8cに入力される“機種コード”をキーとして情報を検索し、表示する機能を有している。
【0145】
なお、履歴入力欄G8bに入力または表示されたデータは、承認された日付けで履歴をもたしたものである。履歴のもち方は、日付け以外の更新の都度、時間単位、数日毎でもよく、適宜選択可能である。しかし、日付けで履歴をもたせると、実務に即しているので最も好ましい。
【0146】
担当者は、月単位生産計画登録画面G8において、検索ボタンG8dを押下して表示した機種コードごとに月単位の製品の台数およびこれらの合計台数を入力する。そして、登録ボタンG8eを押下して登録を行い、さらに、承認ボタンG8fを押下して管理者に承認依頼を実行する。この場合、管理者の入力端末60への電子メール、FAX等の電子連絡でその旨、連絡するように構成するとよい。
【0147】
管理者は、図1の入出力端末60を用いて、自らの承認の権限が付与されたID、パスワード(承認識別情報)で計画シミュレーション部16にログインし、月単位生産計画登録画面G8(図40参照)を表示する。
そして、例えば、年月入力欄G8aに“1101”と入力し、履歴入力欄G8bに“1101”と入力し、検索ボタンG8dを押下する。
【0148】
すると、月単位生産計画登録画面G8に、機種コード別の月単位の数量、合計の数量のデータが表示される。なお、図40では、機種コード別の月単位の数量、合計の数量のデータが入力または表示された場合を示している。
管理者は、月単位生産計画登録画面G8で機種コード別の月単位の数量、合計の数量のデータを確認し、承認する場合には承認ボタンG8fを押下して承認依頼の出た生産計画を承認する。これにより、月単位の生産計画が決定され、図21の大日程計画データファイル519に登録され、計画シミュレーション部16により、週単位の生産計画および予告情報が自動作成される。
【0149】
すなわち、図21の大日程計画データファイル519の情報から図22の中日程計画データファイル520に週単位の生産計画が登録され、また、図18のフォーキャスト情報データファイル516、図19のフォーキャスト引取責任データファイル517等のその他のデータファイルに予告情報が登録される。
【0150】
図41は、担当者が週単位の生産計画を登録するための週単位生産計画登録画面G9である。
担当者は、図1の入力端末60を用いて、計画シミュレーション部16にログインし、週単位の生産計画を登録するための週単位生産計画登録画面G9を表示する。
週単位生産計画登録画面G9(図41参照)は、生産年月、機種コードをキーとして、図22の中日程計画データファイル520、図3の製品予告データファイル501を、検索、表示する機能を有する。
【0151】
担当者は、月単位生産計画登録画面G9において、年月入力欄G9aおよび機種コード入力欄G9bと少なくとも何れかに、所望の年月または/および機種コードを入力して、検索ボタンG9cを押下して、所望の情報を表示する。なお、図41(43)では、年月入力欄G9aに“1101”と入力し、機種コード入力欄G9bに“E001”と入力し、週、予告番号、予告要期、予告台数を表示した場合を示している。
【0152】
担当者は、月単位生産計画登録画面G9より、月単位の生産計画から自動作成された週単位の生産計画の予告台数と予告要期を確認し、変更が必要な場合には、表示されたデータを変更し、登録ボタンG9dを押下して変更を行う。この場合、図22の中日程計画データファイル520に変更が反映され、予告番号により、図3の製品予告データファイル501やその他のデータファイルにも反映される。
【0153】
図42は、担当者が日単位の生産計画を登録するための日単位生産計画登録画面G10である。
担当者は、日単位の生産計画を参照、登録するに際しては、入力端末60を用いて、計画シミュレーション部16にログインし、日生産計画登録画面G10を表示させる。
【0154】
そして、担当者は、年月入力欄G10aおよび/または機種コード入力欄G10bに所望の年月および/または機種コードの情報を入力し、検索ボタンG10cを押下して、機種コードごとの日単位の生産計画の情報を表示する。
なお、図42に示す日生産計画登録画面G10では、年月入力欄G10aに“1101”を入力して、機種コードごとの生産台数(製作数)を表示した場合を示している。
【0155】
すると、セルcに“取込”ボタンが表示される行には、中日程生産計画データファイル520(図22参照)の機種コードごとの生産年間週の予告台数を、当該生産年間週内の製品製作メーカの工場の稼働日に均等に割り振るように自動計算され、何日に何台生産するかの生産日当りの生産台数が表示される。つまり、日生産計画登録画面G10に表示される機種コードごとの情報が、未だ日単位の生産計画の情報として展開されておらず、図23の小日程計画データファイル521に登録されていない場合には、図42に示すセルc2のように、“取込”ボタンが表示される。
【0156】
つまり、セルcに“取込”ボタンが表示される行(セルc2が属する行)の機種コードの生産情報は未だ日単位の生産計画が作成されていない。すなわち、図23の小日程計画データファイル521に登録されていない情報であることを意味する。
そこで、担当者は、セルc2に“取込”ボタンが表示された機種コードごとに日単位の生産台数を目視して確認し必要があれば変更し、セルc2の“取込”ボタンを押下する。
【0157】
これにより、図22の中日程計画データファイル520の週単位の生産計画の情報より、手配番号単位の作業工程情報が記録された図24の製作製品工程情報データファイル522のデータに基づき、日単位の生産計画の各工程の予定日が自動作成され、図23の小日程計画データファイル521に登録される。
【0158】
一方、日生産計画登録画面G10に表示される機種コードごとの情報が、既に日単位の生産計画の情報として展開され、図23の小日程計画データファイル521に登録されている場合には、図42に示すセルc1、c3のように、“削除”ボタンが表示され、その行には、機種コードごとの日単位の生産計画の生産台数が表示される。
【0159】
担当者は、予告情報に変更がなく、表示された機種コードごとの日単位の生産計画に変更がないときは何も行わない。一方、予告情報に変更がないが、表示された機種コードごとの日単位の生産計画を変更したいときは、日単位の生産計画数を変更し、登録ボタンG10dを押下する。
すると、変更された日単位の生産計画数の情報から、手配番号単位の作業工程情報が記録された図24の製作製品工程情報データファイル522に基づき、日単位の生産計画の各工程の予定日が新たに自動作成され、図23の小日程計画データファイル521の該当レコードが更新される。
【0160】
つまり、図23の小日程計画データファイル521の現情報が削除され、新たに自動作成された日単位の生産計画の各工程の予定日の情報が図23の小日程計画データファイル521に登録される。
これに対して、予告情報そのものに変更がある場合は、セルcの列に示される“削除”ボタンを押下し、図23の小日程計画データファイル521の日単位の生産計画のレコードを削除する。
【0161】
こうして、担当者が日々の生産台数を変更、登録する都度、上述の作業を行い、各工程の予定を自動作成し、生産計画のシミュレーションを行うことができる。
そして、最終的に情報が確定した場合には、担当者は、日生産計画登録画面G10(図42参照)から日単位の生産計画シミュレーションの結果を承認ボタンG10eを押下することにより管理者に承認依頼を実行する。この場合、管理者の入力端末60への電子メール、FAX等の電子連絡でその旨、連絡するように構成するとよい。
【0162】
そこで、管理者は、自らの承認の権限が付与されたID、パスワード(承認識別情報)で計画シミュレーション部16にログインし、日生産計画登録画面G10を表示する。
そして、年月入力欄G10aおよび/または機種コード入力欄G10bにログインが承認依頼の出た年月および/または機種コードの情報を入力し、検索ボタンG10cを押下して当該日単位の情報を表示する。そして、表示された日単位の生産計画を承認する場合には、承認ボタンG10eを押下して、承認を実行する。これにより、日単位の生産計画シミュレーションの結果が実際の生産計画値として登録され、発注情報の作成が行われる。
【0163】
具体的には、図23の小日程計画データファイル521に手配番号が採番され、図8の製品手配データファイル506、図9の手配部品データファイル507、その他のデータファイルの情報として登録され、発注が行われる。なお、前記したように、手配番号は各製品に対して部品発注の単位となる識別情報であり、顧客の製品の一注文に対して一つ以上採番されることになる。
【0164】
[生産計画シミュレーションと予告業務、手配業務連動]
以下では、製品の受注前の生産計画シミュレーション、予告業務、手配業務連動の一連の流れについて詳述する。
前記したように、図40の月単位生産計画登録画面G8、図41の週単位生産計画登録画面G9、図42の日単位生産計画登録画面G10を用いて行われる生産計画シミュレーションから予告業務、手配業務に連携する処理は、計画シミュレーション部16により行われる。
【0165】
まず、担当者は、図1の入力端末60を用いて表示した図40の月単位生産計画登録画面G8に、策定した生産計画シミュレーションに基づく機種毎の各月の生産台数を入力し、登録ボタンG8eを押下して月単位の生産計画を登録する。これにより、機種コードごとに各月の月単位生産台数が登録される。
【0166】
そして、図40の月単位生産計画登録画面G8で、月単位の生産計画を承認ボタンG8fを押下し、承認することにより、図21の大日程計画データファイル519に予告情報が登録される。
【0167】
また、月単位生産計画登録画面G8に入力された機種コードごとに各月の生産台数を製品製作メーカの工場の稼働日ごとに均等に割り振るよう自動計算を行い、算出された稼働日ごとの生産台数より週単位の生産台数および、製品予告要期を求め、予告番号を自動採番する。
【0168】
そして、承認された機種コード(製品コード)の情報として、それぞれ、製品予告データファイル501(図3参照)に製品予告数量、製品予告要期、予告番号、製品コードとして登録を行う。同時に登録された週単位の情報のうち、機種コード、年月、生産年間週、予告番号、予告台数を中日程データファイル520(図22参照)に登録する。そして、その他の必要なデータファイルにも、予告番号をキーとして、登録が行われる。
【0169】
また、自動計算された週単位の製品予告数量、予告要期に関しては、図41の週単位生産計画登録画面G9により、修正を適宜行うことで、予告情報の変更を随時実施する。この際、予告番号をキーとして、必要なデータファイルにも修正が反映される。
これにより、担当者は月単位の生産計画を登録するのみで、自動的に予告情報が作成され、同時に予告業務を行うことができる。予告情報の取り扱いに関しては、担当者は、前記の如く、図41の週単位生産計画登録画面G9を用いて適宜行うことができるので、柔軟な対応が可能である。
【0170】
次に、実際の生産計画への移行、製品製作、製品に使用する部品の手配に繋げる業務について説明する。
担当者は、入力端末60を用いて図42の日単位生産計画登録画面G10から、年月単位の機種コードごとの情報に対して、取込ボタンを押下することにより、週単位の生産計画を取り込み、日単位の生産計画を自動作成する。
【0171】
具体的な演算に関しては、週単位の生産計画の情報を記録した図22の中日程生産計画データファイル520より日単位生産計画登録画面G10の検索キーである機種コード、年月に該当する生産年間週、予告台数(生産台数)を取得し行う。日単位生産計画登録画面G10に表示される日単位の生産台数に関しては、中日程生産計画データファイル520(図22)より取得した生産台数(予告台数)を同生産年間週内の工場の稼働日に均等に割り振るよう(何日に何台生産するか)生産日を算出する。これにより、日単位生産計画登録画面G10に、日単位の生産台数の情報が表示される。
【0172】
生産数ごとの工程に係る生産計画に関しては、算出された生産日と製作製品工程情報データファイル522の手配番号毎の作業工程時間情報より、工程の作業日を決定する。すなわち、図42の日単位生産計画登録画面G10で入力された生産日を基準工程開始日時とし、製作製品工程情報データファイル522に登録された機種コードに関連付けられた手配番号ごとの各工程の作業時間、作業着手時間から小日程生産計画データファイル521(図23)の各工程の工程計画値である工程の作業日を算出する。
【0173】
担当者は、前記の如く自動計算された日単位の生産計画を、図42の日単位生産計画登録画面G10から確認、見直しを行い、取込ボタンを押下して登録することにより、機種コード、自動採番された枝番、生産台数、各工程計画値が小日程生産計画データファイル521(図23)に登録される。
【0174】
そして、図42の日単位生産計画登録画面G10で、日単位の生産計画を承認することにより、手配番号が自動採番され、図23の小日程生産計画データファイル521に手配番号が登録される。また、図8の製品手配データファイル506に、手配番号、機種コードが製品コードに、日単位の生産台数が製品手配数量に、各工程の自動計算時に算出した製品手配要期が登録される。
これにより、担当者は日単位の生産計画を登録するのみで、同時に手配業務を行うことができる。
【0175】
上記構成によれば、フォーキャスト生産管理システムSを使用することにより、以下の効果が得られる。
(1)製作する製品の受注確定前の情報であっても部品予告を行える手段を提供することにより、従来フォーキャストシステムを活用できなかった部品に対してもフォーキャストの実施を実現できる。フォーキャストを適用する部品率を向上させることによる更なる生産L/T (製品の生産開始から生産完了までの期間)の短縮が図れ、部品の需要量の変化、製品の仕様変更対応期間の延長を実現できる。
(2)部品予告情報→生産計画、生産計画→部品発注情報の自動連携を実現できる。そのため、システムユーザの部品予告および部品の発注における作業負担の軽減を図れる。
【0176】
(3)手配番号(受注手配識別情報)で部品購入情報を紐つけることで、製品を依頼した顧客にキャンセル等の変更があった際にも、新たな顧客に単数または複数の手配番号で部品購入を紐付けることが可能であり、経時的な状況の変化にも柔軟に対応し、新たな状況に適応することができる。つまり、製品の仕様および納期変更に柔軟に対応できる。
従って、部品予告システムによって必要部品情報を部品取引先にフォーキャスト公開する情報公開手段を有するとともに、製品の仕様及びその納期変更に対応できるフォーキャスト生産管理システムSを実現できる。
【0177】
<<その他の実施形態>>
なお、前記実施形態では、図40の月単位生産計画登録画面G8および図42の日単位生産計画登録画面G10で承認を行って登録する場合を例示したが、加えて、図41の週単位生産計画登録画面G9で承認を行って登録するように構成してもよく、或いはこれらのうちに少なくとも何れかで承認を行って登録するよう構成してもよい。
また、前記実施形態の情報記録部50の各データファイルのうちの少なくとも何れかを一時記憶領域に記憶する構成としてもよい。
【0178】
なお、前記実施形態では、長期計画、中期計画、短期計画を月、週、日で設定した場合を例示したが、月、週、日以外の例えば、長期として数月、中期として数週や10日単位、短期として数日、半日等としてもよく、長期計画、中期計画、短期計画の各期間は適宜任意に設定してもよい。しかし、本実施形態で例示したように、月、週、日で設定すると暦に沿い、慣用的であるのでより好ましい。
また、前記実施形態では、管理者の承認識別情報として、ID、パスワードを例示したが、管理者権限を認証できれば指紋等の生体認証情報でもよく、ID、パスワード以外の識別情報を適宜任意に選択して用いてもよい。
【0179】
なお、前記実施形態においては、フォーキャスト管理装置10にアプリケーションプログラムを格納する場合を例示したが、閉域のネットワークを構成できれば、ネットワーク上にソフトウェア、データをおくクラウドコンピューティングでシステムを構築してもよい。すなわち、説明した情報システムを構築できれば、その実施態様は限定されない。
【符号の説明】
【0180】
10 フォーキャスト管理装置(未発注情報提示手段、実注文情報提示手段、公開手段)
11 マスタ情報管理部(未発注情報提示手段、実注文情報提示手段)
12 手配情報管理部(実注文情報提示手段)
13 フォーキャスト数量管理部(未発注情報提示手段、実注文情報提示手段)
14 フォーキャスト提示部(未発注情報提示手段、実注文情報提示手段)
16 計画シミュレーション部(受注前製品情報登録手段、展開製品情報登録手段、予告情報修正手段、工程計画作成登録手段、工程計画修正登録手段、承認登録手段)
20 部品展開装置(未発注情報提示手段)
30 在庫管理装置(未発注情報提示手段、実注文情報提示手段)
40 購入品管理装置(実注文情報提示手段)
50 情報記録部(未発注情報提示手段、実注文情報提示手段)
60 入出力端末(公開手段)
70 通信ネットワーク(公開手段)
80 通信ネットワーク(公開手段)
81 入出力端末(公開手段)
501 製品予告データファイル(製作製品記憶部)
504 部品情報データファイル(未発注情報提示手段、実注文情報提示手段)
505 予告部品データファイル(未発注情報提示手段、実注文情報提示手段)
506 製品手配データファイル(未発注情報提示手段、実注文情報提示手段)
507 手配部品データファイル(未発注情報提示手段、実注文情報提示手段)
508 総必要部品データファイル(未発注情報提示手段、実注文情報提示手段)
509 在庫データファイル(未発注情報提示手段、実注文情報提示手段)
510 発注情報データファイル(未発注情報提示手段、実注文情報提示手段)
511 部品不足数量データファイル(未発注情報提示手段、実注文情報提示手段)
513 週割部品不足数量データファイル(未発注情報提示手段、実注文情報提示手段)
514 発注ロット計算用データファイル(未発注情報提示手段、実注文情報提示手段)
515 フォーキャスト詳細情報データファイル(未発注情報提示手段、実注文情報提示手段)
516 フォーキャスト情報データファイル(未発注情報提示手段、実注文情報提示手段)
517 フォーキャスト引取責任データファイル(実注文情報提示手段)
519 大日程計画データファイル(製作製品記憶部)
520 中日程計画データファイル(展開製品情報記憶部)
521 小日程計画データファイル(工程計画登録部)
522 製作製品工程情報データファイル(工程計画作成登録手段)
G8 月単位生産計画登録画面(承認登録手段)
G9 週単位生産計画登録画面(予告情報修正手段、承認登録手段)
G10 日単位生産計画登録画面(工程計画修正登録手段、承認登録手段、展開製品情報記憶部)
S フォーキャスト生産管理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の受注前に、将来の期間に製作する製品とその数量に関する製品情報を製作製品記憶部に登録する受注前製品情報登録手段と、
前記製品情報を、前記将来の期間より短期の製品情報に展開するとともに展開製品情報記憶部に登録する展開製品情報登録手段と、
前記展開した製品情報を修正する予告情報修正手段と、
前記製品の要求納期等を基準に前記製品情報に係る製品を部品レベルに展開した部品個々の必要期限を含む未発注の部品情報を提示する未発注情報提示手段と、
時間経過に伴って前記未発注から実注文に移行した実注文手配済みの前記部品レベルに展開した部品個々の必要期限を含む部品情報を提示する実注文情報提示手段と、
前記未発注情報提示手段の部品情報および前記実注文情報提示手段の部品情報を公開する公開手段とを
具備することを特徴とするフォーキャスト生産管理システム。
【請求項2】
前記展開製品情報登録手段は、
前記将来の期間の製品情報である長期間の受注予測計画を前記長期間より短い中期間の中期受注予測計画の製品情報に展開して前記展開製品情報記憶部に登録するとともに、前記中期受注予測計画を前記中期間より短い短期間の短期生産予測計画の製品情報に展開して前記展開製品情報記憶部に登録する
ことを特徴とする請求項1に記載のフォーキャスト生産管理システム。
【請求項3】
前記長期間とは月であり、前記中期間とは週であり、前記短期間とは日である
ことを特徴とする請求項2に記載のフォーキャスト生産管理システム。
【請求項4】
前記未発注の部品情報に係る製品情報の製品の受注が確定した場合、当該製品の製作に用いる部品の購入手配がなされる単位の受注手配識別情報で、前記実注文手配済みの部品情報が識別される
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちの何れか一項に記載のフォーキャスト生産管理システム。
【請求項5】
前記短期生産予測計画の製品情報に基づき当該製品情報の製品の日毎の製作の工程計画を作成し、工程計画登録部に登録する工程計画作成登録手段と、
前記製品の日毎の製作の工程計画を修正し、前記工程計画登録部に更新登録する工程計画修正登録手段とを
具備することを特徴とする請求項2から請求項4のうちの何れか一項に記載のフォーキャスト生産管理システム。
【請求項6】
前記製作製品記憶部および展開製品情報記憶部および前記工程計画登録部への少なくとも何れかの登録を、承認識別情報によるアクセスの承認入力により行う承認登録手段を具備する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちの何れか一項に記載のフォーキャスト生産管理システム。
【請求項7】
前記公開手段は、前記未発注情報提示手段の部品情報および前記実注文情報提示手段の部品情報を、当該部品を購入する部品取扱先毎に公開する
ことを特徴とする請求項1から請求項6のうちの何れか一項に記載のフォーキャスト管理システム。
【請求項8】
発注日から部品の納品日までの期間である発注リードタイム、および、部品の引取責任が発生する期間である当該部品の納品日から遡った当該部品がフォーキャストを開始された日までの期間の物量確定リードタイム、および、発注が確定した部品の引取猶予期間である引取延期可能期間を有し、前記未発注情報提示手段および前記実注文情報提示手段は、これらの3つの期間を識別し、前記公開手段によって公開する
ことを特徴とする請求項1から請求項7のうちの何れか一項に記載のフォーキャスト管理システム。












































【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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