説明

フック体付きストラップ

【課題】フック体のフック部に、携帯電話や筆記具等の本体に容易に装着可能で、且つ装着した携帯電話や筆記具等が容易に脱落しないフック体付きストラップを簡単な構造で提供する。
【解決手段】紐部材を装着した筒状の合成樹脂製の保持具に、少なくとも2本の脚部とフック部を一体に形成した合成樹脂製からなるフック体を着脱自在に連結してなるストラップであって、前記脚部を内側に撓み可能に形成し、前記脚部に第1の係止部と、該第1の係止部より前記フック部側に、第2の係止部を形成するとともに、該脚部に設けた係止部が、前記保持具の内壁に形成した、内方に向かって延びる凸部に、前記脚部に形成した第1又は第2の係止部を乗り越し嵌合することにより、前記フック体を保持具に連結可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紐部材を装着した保持具の後端内部に、フック部を有するフック体の脚部を着脱自在に連結してなるフック体付きストラップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、紐部材等を装着した保持具の後端内部に、フック部を有するフック体の脚部を連結してなるフック体付きのストラップはよく知られている。こうしたフック体は、携帯電話や筆記具等の本体のリング部に着脱自在に嵌合するために、特開2001−304231号「合成樹脂製ナス環」等のように、蓋体によってフック体のフック部を開閉自在にする構造のものや実開昭62−13982号公報「フック」にフック体を昇降自在に嵌合し、使用時にフック部を開口し、非使用時にフック部を閉鎖する構造や、実開平4−88514号「フック付き連結具」に、フック体のフック部が開口した状態から弾発部材の弾発力によって閉鎖する構造が開示されている。
【特許文献1】「特開2001−304231号公報」
【特許文献2】「実開昭62−13982号公報」
【特許文献3】「実開平4−88514号公報」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1にように、蓋体によってフック体のフック部を開閉自在にするには、部品点数の増加するとともに、振動や衝撃によって、フック部が開口してしまい、携帯電話や筆記具等の本体から脱落し易いという問題あった。また、特許文献2、3は、コイルスプリング等の弾発部材を必要とするため、部品点数が増加するとともに、フック部を使用する場合には、フック部を開口するために、弾発部材の弾発力が加わった状態を維持する必要があるため、片手での装着が困難である等、使い勝手に問題があった。
【0004】
ところで、近年、鉛による環境問題やデザイン性による自由度を拡げるために、フック体を合成樹脂製にすることが望まれている。
【0005】
本発明の目的は、フック体のフック部に、携帯電話や筆記具等の本体に容易に装着可能で、且つ装着した携帯電話や筆記具等が容易に脱落しないフック体付きストラップを簡単な構造で提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、紐部材を装着した筒状の合成樹脂製の保持具に、少なくとも2本の脚部とフック部を一体に形成した合成樹脂製からなるフック体を着脱自在に連結してなるストラップであって、前記脚部を内側に撓み可能に形成し、前記脚部に第1の係止部と、該第1の係止部より前記フック部側に、第2の係止部を形成するとともに、該脚部に設けた係止部が、前記保持具の内壁に形成した、内方に向かって延びる凸部に、前記脚部に形成した第1又は第2の係止部を乗り越し嵌合することにより、前記フック体を保持具に連結可能とするとともに、前記第1の係止部を、前記凸部に係止した状態で、前記フック部の先端縁が、前記保持具の後端縁より外方に位置し、前記第2の係止部を前記突部に係止することにより、前記フック部の先端縁が、前記保持具の後端内部に没入することを特徴とする。
【0007】
また、前記保持具の側壁に開口窓部を形成するとともに、前記脚部に、該脚部の内側への撓み動作に連動するボタン部を連設するとともに、前記第1又は第2の係止部が前記凸部に係止した状態で、前記ボタン部が、前記開口窓部より外方に突出することを特徴とする。
【0008】
また、前記フック部の先端部に、凸部及び/又は凹部を一体に形成したことを特徴とする。
【0009】
また、前記保持具及び/又はフック体を、透明又は半透明で形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
フック体のフック部に、携帯電話や筆記具等の本体に容易に装着可能で、且つ装着した携帯電話や筆記具等が容易に脱落しないフック体付きストラップを簡単な構造で提供することができた。
【0011】
更に、保持具及びフック体を合成樹脂製とすることで、様々な形状にすることができ、デザインの幅を広げることができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に図面を参照しながら、本発明のフック体付きストラップの実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0013】
実施例1
図1から図3に示すフック体付きのストラップ1は、保持具2の先端開口部に紐部材5を装着するとともに、保持具2内に、合成樹脂製からなる軸部3a及びフック部3bを有するフック体3の脚部4を着脱自在に連結してフック体付きストラップ1を得ている。
【0014】
保持具2の内壁には、内方に向かって延びる凸部2cを形成してある。また、2本の脚部4は、内側に撓み可能(矢印G方向)に形成してあり、この脚部4に設けた第1の係止部4aと、第1の係止部4aよりフック部3b側に形成した第2の係止部4bが、凸部2cを乗り越して係止することにより、フック体3を保持具2に着脱自在に連結してある。
【0015】
フック体3は、第1の係止部4aを凸部2cに係止した状態では、フック体3の先端縁3cが保持具2の後端縁2aから外方に位置(距離M)して、フック部3bは開口している。さらに、フック体3の脚部4を内側に撓ませて、フック体3を保持具2の先端側に移動(矢印F方向)し、第2の係止部4bを凸部2cに係止することにより、保持具2の後端縁2aとフック体3の先端縁3cまでの距離Nだけ没入し、フック体3のフック部3bを閉鎖する。
【0016】
そのため、フック体3のフック部3bを使用する場合には、先ず、第1の係止部4aを凸部2cに係止させ、フック部3bを開口した状態とし、フック部3bに筆記具等に付設したリング体等(図示せず)を挿通させる。その後、フック体3を保持具2の先端側に移動させて、第2の係止部4bを凸部2cに係止することにより、フック部3bの先端縁3cを保持具2の後端内部に没入させる。その結果、リング体(図示せず)をフック体3から容易に取り外せないようにすることができる。
【0017】
また、保持具2の側壁に開口した窓部2bを形成してあり、脚部4の第1または第2係止部4a、4bが、保持具2の凸部2cに係止した状態で、脚部4に連設したボタン部4cを、窓部2bより外方に突出した状態にしてある。そのため、フック部3bの先端縁3cを保持具2の後端内部に没入した状態(図1)からフック部3bの先端縁が後端縁から離間し、フック部が開口した状態(図2)にする場合には、窓部2bから突出したボタン部4cを内側に押圧して、脚部4を内側に撓ませることで、フック体3を保持具2の後端縁2a側に容易に移動(矢印Fの反対方向)することができる。
【0018】
保持具2やフック体3の形状は特に限定されるものではなく、フック部3bがV字状やU字状等、適宜選択して使用することができるが、フック部3bの先端部に凸部3dを一体に形成することによって、フック部に、筆記具等(図示せず)に付設したリング体を挿通させ、その後、フック部の先端縁が、保持具の後端内に没入するまでの間や、外力等によって、不本意にフック部が開口したとしても、凸部3dにリング体が当接し、容易に外れることがないので好ましい。
【0019】
さらに、保持具及び/又はフック体を合成樹脂製にすることによって、透明や半透明でも形成可能であるので、デザインや外観等で差別化を図ることができる。
【0020】
尚、凸部2cの形状は特に限定されるものではないが、フック体3の脚部3aが、保持具2の後端縁2a側から進入(矢印F方向)してきた時に、容易に乗り越し嵌合を可能とするため、凸部2cの保持具2の後端縁2a側を傾斜面2dとすることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0021】
フック体付きのストラップとして、広く実施可能であり、フック体等、金属部品を用いることなく実施可能としてあるので、安全性が高く、幼児用や子供用として可能であるので、筆記具や文具に用いることが最も好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施例1のフック体付きストラップを示す保持具を縦断面とした図である。
【図2】図1における第2の係止部が凸部に係止した状態を示す図である。
【図3】図1におけるフック体を係止する前の状態を示す図である。
【符号の説明】
【0023】
1 フック体付きストラップ
2 保持具
2a 後端縁
2b 窓部
2c 凸部
2d 傾斜面
3 フック体
3a 軸部
3b フック部
3c 先端縁
4 脚部
4a 第1の係止部
4b 第2の係止部
4c ボタン部
5 紐部材
M 保持具の後端縁とフック部の先端縁までの離間距離
N 保持具の後端縁とフック部の先端縁までの没入距離


【特許請求の範囲】
【請求項1】
紐部材を装着した両端を開口した筒状の合成樹脂製の保持具に、少なくとも2本の脚部とフック部を一体に形成した合成樹脂製からなるフック体を着脱自在に連結してなるストラップであって、前記脚部を内側に撓み可能に形成し、前記脚部に第1の係止部と、該第1の係止部より前記フック部側に、第2の係止部を形成するとともに、該脚部に設けた係止部が、前記保持具の内壁に形成した、内方に向かって延びる凸部に、前記脚部に形成した第1又は第2の係止部を乗り越し嵌合することにより、前記フック体を保持具に連結可能とするとともに、前記第1の係止部を、前記凸部に係止した状態で、前記フック部の先端縁が、前記保持具の後端縁より外方に位置し、前記第2の係止部を前記突部に係止することにより、前記フック部の先端縁が、前記保持具の後端内部に没入することを特徴とするフック体付きストラップ
【請求項2】
前記保持具の側壁に開口窓部を形成するとともに、前記脚部に、該脚部の内側への撓み動作に連動するボタン部を連設するとともに、前記第1又は第2の係止部が前記凸部に係止した状態で、前記ボタン部が、前記開口窓部より外方に突出することを特徴とする請求項1に記載のフック体付きストラップ
【請求項3】
前記フック部の先端部に、凸部及び/又は凹部を一体に形成したことを特徴とする請求項1または2に記載のフック体付きストラップ
【請求項4】
前記保持具及び/又はフック体を、透明又は半透明で形成したことを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載のフック体付きストラップ


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−5866(P2008−5866A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−176087(P2006−176087)
【出願日】平成18年6月27日(2006.6.27)
【出願人】(303022891)株式会社パイロットコーポレーション (647)
【Fターム(参考)】