説明

フッ素化アルコキシカルボン酸及びその前駆体の製造方法

化合物:
−O−(CF−CF=CF(II)
(式中、Rは、1つ以上の酸素原子で中断されるフッ素化直鎖又は分枝鎖アルキル残基を表し、nは0又は1である)を、水及び有機溶媒を含む反応媒体中でZ−アニオン(Z−アニオンは、CN、SCN及びOCN又はこれらの組み合わせから選択される)と処理する工程による飽和部分フッ素化アルコキシカルボン酸又はその塩の調製方法。
一般式:
−O−(CF−CFH−CF−Z(I)
(式中、Rは上記のように定義したものであり、nは0又は1であり、Zはニトリル(−CN)基、アジド(−N)基、チオシアネート(−SCN)基又はシアネート(−OCN)基である)の部分フッ素化エーテルの製造方法であって、前記方法が、一般式(II)(式中、Z−アニオンがCN、OCN、SCN又はNである)のフッ素化オレフィンを処理する工程を含む、方法。ZがSCN、OCN及びNから選択される、上述の一般式(I)の化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部分フッ素化アルコキシカルボン酸の製造方法に関する。本発明の別の態様は、末端ニトリル(−CN)基、チオシアネート(−SCN)基、シアネート(−OCN)基又はアジド(−N)基を含有する部分フッ素化アルキルエーテル、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1つ以上の末端窒素含有官能基、特にニトリル、チオシアネート、シアネート及びアジドから選択されるものを含有するフッ素化飽和アルキル及びアルコキシエーテルは、フルオロポリマー業界で有用な材料である。
【0003】
末端アジド基を含有するフッ素化飽和アルキル及びアルコキシエーテルは、フルオロエラストマーの調製における架橋剤として用いることができる。したがって、末端アジド基を含有する飽和フッ素化アルキル又はアルコキシエーテルをもたらす、簡便で効果的な方法を提供する必要性がある。
【0004】
末端シアネート基、チオシアネート基、及び特にニトリル基を含有するフッ素化アルキル及びアルコキシエーテルは、ニトリル基、シアネート基又はチオシアネート基の加水分解により、末端カルボン酸に変換することができる。部分フッ素化アルコキシカルボン酸(carboxylic aid)は、水性乳化重合によるフルオロポリマーの調製に乳化剤としてよく使用されているペルフルオロオクタン酸(CF(CFCOOH)及びその塩類の、別の選択肢及びより環境にやさしい(より生分解性の)乳化剤代替品として提唱されてきた。部分フッ素化アルコキシカルボン酸の様々な調製方法が述べられているが、それは複雑かつ煩雑な方法を伴う。例えば、米国特許出願第2006/0281946号(Moritaら)は、一般式:Rf1(OCHCFCFn1OCXCF(Rf2)n2COOM(式中、Rf1は1〜20個の炭素原子を含む線状又は分枝状フルオロアルキル基を表し、Rf2は1〜25個の炭素原子を含む線状又は分枝状フルオロアルキレン基を表し、n1は0〜3の整数を表し、n2は0又は1の整数を表し、X及びXは同じ又は異なっており、それぞれH又はFを表し、MはNH又は一価の金属元素を表す)の部分フッ素化カルボン酸乳化剤について述べている。これらの酸は、テトラフルオロオキセタンのフッ素含有酸フッ化物への開環付加と、それに続く酸フッ化物のカルボン酸への変換により得られると報告された。このような反応順序は様々な反応工程を伴い、したがって技術的に難しくコストが高い。別の公表(米国特許出願第2007/0025902号(Hintzerら))では、いくつかのフッ素化アルコキシカルボン酸乳化剤及びこれらのいくつかの調製法が述べられる。例えば、一般式:Rfa−(O)−CHF−(CF)−COOH(式中、Rfaは直鎖完全又は部分フッ素化脂肪族基を表し、任意に1つ以上の酸素原子で中断されており、tは1又は0を表す)のフッ素化カルボン酸は、式:Rfa−(O)t−CF=CFであるフッ素化オレフィンのメタノールとのフリーラジカル反応と、それに続く好適な酸化剤を用いる反応生成物を酸化して得られると述べられた。酸化金属酸化物として、例えばKMnO、RuO、OsO、又は酸化クロム(VI)が提案された。これらの剤を用いる工業規模でのカルボン酸調製は、酸化剤の残留物を除去するための、コストの大きい廃棄物処理の原因となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記方法を部分フッ素化アルコキシカルボン酸の調製に用いることができるものの、特に酸の大量製造において、代替方法の必要性が存在する。望ましくは、このような方法は、平易で及び/又は費用効率が高いプロセスでの、これらの酸の調製を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一般式:
−O−(CF−CFH−CF−Z (I)
(式中、Rは、1つ以上の酸素原子で中断されてよいフッ素化直鎖又は分枝鎖アルキル残基を表し、nは0又は1のいずれかを表し、Zはニトリル(−CN)基、アジド(−N)基、チオシアネート(−SCN)基又はシアネート(−OCN)基を表す)の部分フッ素化アルキルエーテルが、1工程反応で調製できることが見出された。
【0007】
一般式(I)のエーテルは、中間体として単離又は使用することができ、加水分解により対応するカルボン酸に直接変換することができる。
【0008】
したがって、以下では、一般式:
−O−(CF−CFH−CF−Z (I)
(式中、Rは、1つ以上の酸素原子で中断されてよいフッ素化直鎖又は分枝鎖アルキル残基を表し、nは0又は1のいずれかを表し、Zはニトリル(−CN)基、アジド(−N)基、チオシアネート(−SCN)基又はシアネート(−OCN)基を表す)の部分フッ素化アルキルエーテルの製造法であって、一般式:
−O−(CF−CF=CF (II)
(式中、R及びnは上記のように定義される)のフッ素化オレフィンを、Z−アニオン(ここで、Z−アニオンは、CN、OCN、SCN又はNから選択される)と処理する工程を含む、方法が提供される。
【0009】
Zがニトリル、シアネート又はチオシアネート基の場合、式(I)のエーテルを水の存在下でカルボン酸に加水分解することができる。したがって、飽和部分フッ素化アルキル若しくはアルコキシカルボン酸又はその塩を調製するプロセスであって、一般式:
−O−(CF−CF=CF (II)
(式中、R及びnは上記のように定義される)のフッ素化オレフィンを、水及び有機溶媒を含む反応媒体中でZ−アニオン(ここで、Z−アニオンは、CN、SCN及びOCN又はこれらの組み合わせから選択される)と処理する工程を含む、プロセスが提供される。
【0010】
更なる態様では、一般式:
−O−(CF−CFH−CF−COO (III)
(式中、Rf及びnは上記のように定義され、Mは一価のカチオンを表す)の部分フッ素化飽和カルボン酸を調製する方法であって、一般式:
−O−(CF−CF=CF (II)
(式中、R及びnは上記のように定義される)のフッ素化オレフィンを、水及び有機溶媒を含む反応媒体中で、CNアニオンと処理する工程を含む、方法が提供される。
更に別の態様では、一般式:
−O−(CF−CHF−CF−Z (I)
(式中、n及びRは上記のように定義され、ZはSCN、OCN及びNから選択される)の化合物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施形態を詳細に説明するのに先立ち、本開示はその用途において以下の説明文に記載される構成の細部及び要素の配列に限定されない点は理解されるべきである。本発明には他の実施形態が可能であり、本発明は様々な方法で実施又は実行することが可能である。また、本明細書で使用される専門語及び専門用語は、説明目的のためであり、限定するものとみなされるべきではないことが理解されるべきである。「からなる」の使用とは対照的に、本願における「含む」、「備える」、又は「有する」及びその変化形の使用は、これらの語の後に列記される要素及びその均等物以外に更なる要素を包含することを意味する。「a」又は「an」の使用は、「1つ以上」を包含することを意味する。本明細書で列挙する任意の数値範囲は、下方値から上方値の全ての値を包含する。例えば、濃度範囲が1%〜50%であると記載される場合、これは2%〜40%、10%〜30%、又は1.5%〜3.9%などの値が明確に列挙されることを意図する。これらは何が具体的に意図されているのかの例に過ぎず、列挙された最も低位の値と最も高位の値との間、並びに最も低位の値及び最も高位の値を含む、数値の全ての可能性のある組み合わせが、本明細書において明確に記載されていると考慮される。
【0012】
本明細書で使用するとき、用語「フッ素化」は1つ以上のF原子を含有する化合物を意味する。用語「部分フッ素化」は、少なくとも1つの−CHF−基及び/又は1つ以上の以下の組み合わせ、すなわち、少なくとも1つの−CF−及び/又は少なくとも1つの−CF基、並びに1つ以上の−CH−、−CH、=CH、及び/又は=CH−基からなる基、を含有する化合物を意味する。
【0013】
本明細書で使用するとき、用語「全部フッ素化」又は「完全フッ素化」は、化合物又は残基が炭化水素由来であり、全ての水素原子がF原子で置換されていることを意味する。例えば、完全フッ素化化合物は、−CF基及び/又は−CF−基を含有することがあるが、−CHF基、−CH基、=CH−基、=CH基又は−CH基を含まない。完全フッ素化化合物は、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子から選択されるカテナリーヘテロ原子、例えば、以下に限定されないが、CF−O−又はCF−CF−O−などを含有することがある。好ましくは、完全フッ素化化合物又は残基は、カテナリーヘテロ原子を含まないか、又は酸素のみのカテナリーヘテロ原子を含む。
【0014】
本明細書で提供されるプロセスは、Z−含有アニオン(ここで、Z−含有アニオンは、CN、SCN、OCN及びN)の、一般式:
−O−(CF−CF=CF (II)のフッ素化アルコキシオレフィンとの反応により、広範囲の官能化飽和フッ素化エーテルを入手できるようにする。
式(II)のビニル及びアリルエーテルが、そのオレフィン部分に近接して、求核攻撃により容易にアルコラート(Rf−O)として切断されると推測できるRf−O残基を含有し、続いて更に分解することがあるにもかかわらず、比較的小さいZ−アニオン(CN、SCN、OCN及びN)が求核剤として使用されるとき、このような切断を回避又は抑制できることが判明した。
【0015】
Z−アニオンを含有するアンモニウム又は金属塩などのZ−アニオン源、及び対応するプロトン酸は典型的には水溶性であり、一方フッ素化アルコキシエーテルは典型的には水溶性でない。更に、プロトン(H)を放出するプロトン源は、以下の一般構造式(I):
−O−(CF−CFH−CF−Z (I)
(式中、Rは1つ以上の酸素原子で中断されてよいフッ素化直鎖又は分枝鎖アルキル残基を表し、nは0又は1のいずれかを表し、Zはニトリル(−CN)基、アジド(−N)基、チオシアネート(−SCN)基又はシアネート(−OCN)基を表す)の化合物を与える反応を完了しなくてはならない。
【0016】
驚くべきことに、反応が水の存在下で行われる場合、この水は、プロトン源として同時に働きながらも、アニオン源の溶解に用いることができ、所望の反応生成物について良好な収率を得ることができる。Z−含有アニオン、特にシアン化物は、容易に入手でき、化学業界において反応材料として広く使用されている(例えばメタクリル酸、及びそこから製造されるプラスチックなどの調製)。確立され、費用効率が高い廃棄物処理方法が整っている。
【0017】
更に、末端位置にニトリル基、シアネート基及びチオシアネート基を含有する式(I)のフッ素化エーテルは、式(II)のエーテルから出発する1工程反応において、水存在下の加水分解によりカルボン酸に酸化され得る。この変換は、例えば、過酸化金属及び同種のもののような強酸化剤を必要としない。
【0018】
本明細書で提供されるプロセスは、CN、SCN、OCN及びNアニオンを与える容易に入手できる水溶性材料を使用し、付加生成物及び/又はカルボン酸を製造できるようにする。多くのフッ素化オレフィンビニル及びアリルエーテルも市販されており、出発原料又は中間体のコストのかかる合成を回避する。
【0019】
式(II)のエーテルから出発する1工程反応で、反応を行うことができる。反応を行い、良好な収率を与えることができる(例えば、30%超、又は50%超、又は更には70%超の収率を得ることができる)。
【0020】
フッ素化オレフィンエーテル
本明細書で提供されるプロセスにおいて、フッ素化オレフィンエーテルを出発原料として使用する。
【0021】
好適なフッ素化エーテルは、一般式:
−O−(CF−CF=CF (II)
(式中、nは式(II)がアリルエーテルを表す場合に1、又はnは式(II)がビニルエーテルを表す場合に0のいずれかである)に相当する。
【0022】
は、1つ以上の酸素原子で中断されてよいフッ素化又は完全フッ素化直鎖又は分枝鎖脂肪族残基を表す。
【0023】
Rfは、1〜10個の炭素原子を含有してよく、0、1、2又は3個のカテナリー酸素原子を含有してよい。
【0024】
一実施形態では、RfはRf1’に相当し、ここで、Rf1’は一般式:
Rf1−[ORf2]−[ORf3]− (Rf1’)
(式中、Rf1は、1〜10個の炭素原子の直鎖状、環状又は分枝状の部分フッ素化又は全部フッ素化脂肪族基であり(例えば、1、2又は3個、好ましくは−CF)、Rf2及びRf3はそれぞれ独立して1、2、3又は4個の炭素原子の直鎖状完全フッ素化アルキレンを表し、p及びqはそれぞれ独立して1、2、3又は4を表し、ここで、Rf1’中の炭素原子の総数は10以下である)を有する。
【0025】
別の実施形態では、RfはRf2’に相当し、ここでRf2’は一般式:
Rf4−O−(CF− (Rf2’)
(式中、Rf4は、1、2、3又は4個の炭素原子を有する直鎖状、環状又は分枝状の部分フッ素化又は全部フッ素化アルキレン、好ましくは−CFであり、bは1、2、3、4、5又は6を表し、ここで、Rf2’中の炭素原子の総数は10以下である)を有する。
【0026】
更に別の実施形態では、Rfは、式:
Rf5−(CF− (Rf3’)
(式中、Rf5は、1、2、3若しくは4個、又は9個までの炭素原子を有する直鎖状、環状又は分枝状の部分フッ素化又は全部フッ素化アルキレン、好ましくは−CF、−O−CF、−CF−CF、又は(of)O−CF−CFであり、cは1、2、3、4、5又は6を表し、ここで、Rf3’中の炭素原子の総数は10以下である)を有するRf3’に相当する。いくつかの実施形態では、Rf5は、−CF、−O−CF、−CF−CF又は(of)O−CF−CFであり、cは1、2、3、4又は5である。
【0027】
更なる実施形態では、Rfは、式:
Rf6−O−(CF−O−(CF− (Rf4’)
(式中、Rf6は、1、2、3又は4個の炭素原子を有する直鎖状、環状又は分枝状の部分フッ素化又は全部フッ素化アルキレン、好ましくは−CFであり、d及びeはそれぞれ独立して1、2、3又は4を表し、ここで、Rf4’中の炭素原子の総数は10以下である)を有するRf4’に相当する。
【0028】
一実施形態では、上記実施形態の残基Rf1、Rf4、Rf5及びRf6は直鎖状である。別の実施形態では、残基Rf1、Rf4、Rf5及びRf6は直鎖状かつ完全フッ素化であり、好ましくは0又は1個のカテナリーヘテロ原子を含有するのみであり、ここで、ヘテロ原子は酸素から選択される。
【0029】
フッ素化オレフィンアルキルエーテルは、液状、又は溶媒中に溶解若しくは分散した状態、又はガス状の形態で反応内に送られてよい。例えば、エーテルをガス状の形態で用いる場合、又は液状の形態でエーテルを維持するのが望まれるとき、周囲気圧を超える圧力で反応を行うことができる。典型的には、1バール(100kPa)から20バール(2000kPa)までの圧力、好ましくは周囲気圧付近で反応を行う。
【0030】
Z−アニオン及びその源
本明細書で提供されるプロセスにおいて、式(II)のオレフィンをZ−アニオン(本明細書ではZとも表される)と処理する。本明細書で使用するとき、Z−アニオン(Z)として、CN、OCN、SCN、Nが挙げられる。
【0031】
好適なZ−アニオン含有源によりZ−アニオンを与えてよい。好適なアニオン源として、金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩などが挙げられる。好適なZ−アニオン含有源として、例えば、HCN、HOCN、HSCN及びHNなどのプロトン酸に相当するものも挙げられる。
【0032】
好ましくは、Z−アニオン含有源は水溶性である。典型的には、少なくとも0.1モル、好ましくは少なくとも1.0モルの塩が、周囲条件(25℃、1バール(100kPa))で1Lの蒸留水に溶解する場合、塩は水溶性とみなされる。
【0033】
好適な塩としては、M、M2+(Zの種類の塩、又はHの種類のプロトン酸(式中、Zは、CN、OCN、SCN又はNを表し、Mは、例えば、Na、K、Li又はアンモニウム(NH)又はアルキルアンモニウムカチオンなどを含む一価の金属カチオンを表し、M2+は、例えば、Ca2+、Mg2+などを含む二価の金属カチオンを表す)が挙げられるが、これらに限定されず、最も好ましくは塩は水溶性である。
【0034】
1つ以上の末端Z−基を含有する部分フッ素化エーテルへの変換
上述のオレフィンエーテルは、一般式Zの窒素含有アニオンと共にプロトン源の存在下で処理され、一般式:
−O−(CF−CHF−CF−Z (I)
(式中、nは0又は1を表し、Z及びRは上記のように定義したものである)の部分フッ素化飽和エーテルを形成することができ、これにはRが上述のRf1’〜Rf4’の構造を有する実施形態を含む。
【0035】
プロトン(H)源は水であってよく、又はプロトン酸HZのプロトンであってよい。反応は、典型的には、H源を提供する水を含有する溶媒中で行う。しかし、反応は水の非存在下でも行うことができ、この場合、Hを別の源から、例えば、窒素含有アニオン(Z)をそのプロトン酸(HZ)の形態で提供することにより、もたらしてもよいと想到される。この場合、触媒を用いてよい。
【0036】
反応を行う溶媒として水が用いられるとき、相間移動触媒が用いられるか、又は水が共溶媒として存在する、つまり少なくとも1つの有機溶媒との混合物で存在するかのいずれかである。好ましくは、水と1つ以上の有機溶媒の混合物を用い、反応を行う。有機溶媒は、水への混和性を有しても有さなくてもよく、反応を1相又は2相反応で実施してよい。有機溶媒は、好ましくは、フッ素化オレフィンエーテルを少なくとも部分的に溶解することができる。好ましくは、有機溶媒は、Z源を少なくとも部分的に溶解することができる。好ましくは、有機溶媒は、少なくとも0.1モルのZ源を、周囲条件(25℃、1バール(100kPa))で1Lの溶媒中に溶解することができる。
【0037】
有機溶媒は好ましくは極性である。極性溶媒としては、室温で液体であり、少なくとも1つの酸素又は窒素原子を含有する炭化水素が挙げられる。更に、有機溶媒は不活性でなくてはならず、これは、フッ素化オレフィンエーテルと競合する求核剤として作用せず、Zアニオンと反応しないことを意味する。好適な溶媒としては、アセトニトリル(CHCN)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、例えば、モノグリム、ジグリムなどのような、エチレングリコール(HO−CHCH−OH)又はその誘導体から誘導できる直鎖状、環状又は分枝状のモノ又はポリエーテル、例えば、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、エチルブチルエーテル、テトラヒドロフラン、クラウンエーテルなどのような直鎖状、分枝状又は環状アルキルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
典型的には、溶媒混合物は、水の量が、所望のモル量のHをもたらすのに少なくとも十分な量となるように選択される。典型的には、溶媒混合物は、少なくとも(体積で)等量の有機溶媒及び水を含有し、好ましくは、有機溶媒を超過して、例えば、水:有機溶媒体積比が1:1から約1:10、約1:20又は約1:100で使用する。
【0039】
溶媒混合物のpHは、おおよそ中性、典型的にはpH 5〜9、好ましくはpH 6〜8、又は約pH 6.5〜7.5に維持される。
【0040】
水のみで、有機溶媒を用いずに反応を行う場合、反応を行うのに相間移動触媒が必要であろう。溶媒混合物中の有機溶媒の体積が用いた水の体積以下である場合、相間移動触媒の使用が必要となり得る。当該技術分野において既知の相間移動触媒を用いてよい。
プロトン源としての水に加え、又は代替として、例えば、HCN、HOCN、HSCN又はHNなどのZ−アニオンのプロトン酸を用いてよい。
【0041】
Zがニトリル、シアネート又はチオシアネート基である式(I)の化合物を調製及び単離するには、かかる化合物が水の存在下で不安定で、カルボン酸に加水分解し得ることから、プロトン酸の使用が推奨される。式(II)のフッ素化オレフィンエーテルをプロトン酸と処理するとき、水は溶媒又はプロトン源として存在する必要はない。しかし、有機溶媒及び/又は触媒を用いて反応を促進してよい。
【0042】
0℃〜約150℃、又は約20℃〜約100℃、例えば、30℃〜70℃、又は40℃〜60℃の温度で反応を行ってよく、用いられる溶媒及び出発原料に対応してよい。
【0043】
好ましくは、溶媒又は溶媒混合物(水及び有機溶媒など)の少なくとも1つの成分が液状の形態であるか、又は溶媒混合物の少なくとも1つの成分の溶媒が還流される温度及び圧力で、反応を行う。
【0044】
周囲圧、減圧、又は加圧下で反応を行うが、典型的には、約1バール(100kPa)、最大約20バール(2000kPa)の圧力で行う。例えば、フッ素化オレフィンが揮発性であるか、若しくは液状の形態にオレフィンを保つのに低い沸点を有する場合、又はZ−アニオン源がプロトン酸の場合に加圧を用いてよい。
【0045】
Z−アニオン源を、連続的に又は非連続的に、一部ずつ又は一度にフッ素化オレフィンに追加してよい。Z−アニオン源を、オレフィンと等モル量で、又は超過して追加してよい。あるいは、オレフィンをZ−アニオン源、例えば、Z−アニオン源溶液又は分散液に追加してよい。
【0046】
一実施形態では、一般式:
−O−(CF−CHF−CF−Z (I)
(式中、nは0又は1を表し、Rは上記のように定義したものである)の部分フッ素化飽和エーテルが提供され、これには、Rが上述のRf1’〜Rf4’の構造を有する実施形態を含み、ここで、ZはSCN、OCN及びNから選択される。
【0047】
ある実施形態では、RfがRf1’〜Rf4’の構造を有し、nが0であり、ここで、Rfは好ましくは直鎖状、より好ましくは直鎖状かつ完全フッ素化である。
【0048】
別の実施形態では、RfがRf1’〜Rf4’の構造を有し、nが1であり、ここで、好ましくはRfは直鎖状、より好ましくは直鎖状かつ完全フッ素化である。
【0049】
部分フッ素化アルコキシカルボン酸への変換
式(II)のフッ素化アルコキシオレフィンを、Z−アニオンと処理することにより、式(I)の中間体の加水分解を介し、カルボン酸に変換してよく、ここで、式(I)中、Zはニトリル基、シアネート基又はチオシアネート基を表すが、Rf及びnは、Rf1’〜Rf4’の意味を含む、上記の意味を有する。水の存在下で反応を実施することにより、1工程反応としてこの反応を実施することができる。水を溶媒として用いてよく(この場合、相間移動触媒が要求される)、又は水は、少なくとも1つの有機溶媒を更に含む溶媒混合物中に存在してよい。好ましくは、水と1つ以上の有機溶媒の混合物を用い、反応を行う。水及び有機溶媒の混合、並びにプロセス条件は、末端Z−基を含有する部分フッ素化エーテルへの変換について上述したように使用されてよい。
【0050】
水のみで、有機溶媒を用いずに反応を行う場合、反応を行うのに相間移動が必要であろう。溶媒混合物中の有機溶媒の体積が用いた水の体積以下である場合、相間移動触媒の使用がまた必要となり得る。
【0051】
プロトン源としての水に加え、又は代替として、例えば、HCN、HOCN又はHSCNなどのZ−アニオンのプロトン酸を用いてよく、式(I)の反応生成物を調製して単離し、続いて別の工程で酸に加水分解される。
【0052】
Z−アニオン源を、連続的に又は非連続的にフッ素化オレフィンに追加してよい。Z−アニオン源を、オレフィンと等モル量で、又は超過して追加してよい。あるいは、オレフィンをZ−アニオン源、例えば、Z−アニオン源溶液又は分散液に追加してよい。
【0053】
カルボン酸を、その遊離酸形態に変換することにより、例えば、酸の添加によりpHを調製し、続いて反応混合物から遊離酸を蒸留することにより、反応混合物から単離できる。まずエステルに変換し(例えば、アルコール、好ましくはメタノール又はエタノール、好ましくは酸存在下で添加することにより)、反応混合物よりエステルを蒸留することにより、カルボン酸を単離してもよい。次に、例えば、当該技術分野において既知のように、エステルを塩基と処理することにより、集めたエステルを酸に変換できる。
【0054】
特定の実施形態では、本明細書に記載されるプロセスを用いて、一般式:
−O−(CF−CFH−CF−COO (III)のフッ素化カルボン酸を調製することができる。
【0055】
式(III)において、nは1又は0を表す。
【0056】
M+は、カチオン、特に一価のカチオンを表す。一価のカチオンとして、例えば、H(この場合(III)は遊離酸を表す)又は金属カチオン(K、Naなどを非限定的に含む)が挙げられるがこれらに限定されず、アンモニウム又はアルキルアンモニウムカチオン(例えば、NH、テトラアルキルアンモニウムなど)を含み、この場合、式(I)はカルボン酸塩を表す。
【0057】
は、一般式(I)の化合物について上述したように、1つ以上の酸素原子で中断されてよいフッ素化直鎖又は分枝鎖脂肪族残基を表し、上述の残基Rf1〜Rf4を含む。好ましくは、Rfは直鎖状であり、より好ましくは直鎖状かつ完全フッ素化である。
【0058】
この実施形態において、上述した式(II)のエーテルは、水及び有機溶媒を含有する溶媒混合物の存在下でCN含有塩、又はHCNと処理される。カルボン酸の調製に関する溶媒混合物及び反応条件を、ここに適応することもできる。
【0059】
本明細書に記載されるプロセスの実施形態を、ここで実施例として更に記載するが、これは、本明細書に記載されるプロセスを更に説明することを意図し、任意の方法に限定することを意図しない。
【0060】
本明細書に記載されるプロセスは、
Z−CF−HFC−(CFn’−O−Rfz−O−(CF−CFH−CF−Z (IV)
(式中、Rfzは、フッ素化又は完全フッ素化、直鎖又は分枝鎖アルキレン基(好ましくは1〜6個の炭素原子を含有し、1つ以上の酸素原子で中断されてよい)を表し、n及びn’は互いに独立して0又は1を表し、Zはニトリル(−CN)基、アジド(−N)基、チオシアネート(−SCN)基又はシアネート(−OCN)基を表す)の種の二官能性末端化合物の調製にも使用できることが理解され、該方法は、一般式:
CF=CF−(CF−O−Rfz−O−(CF−CF=CF (V)
(式中、Rfz、n’及びnは上記のように定義される)のフッ素化オレフィンを、Z−アニオン(ここで、Z−アニオンは、上述の条件において、CN、OCN、SCN又はNから選択される)と処理する工程を含む。
【0061】
したがって、ZがOOCN、SCN又はCNの場合、上述の条件下で、二官能性カルボン酸も化合物(IV)を加水分解することにより調製することができる。特に、水及び有機溶媒を含有する反応媒体中で、上述と同じように(V)のビスオレフィンがシアン化物イオンと反応するとき、Zがカルボン酸基を表す(IV)の二官能性カルボン酸を調製することができる。
【実施例】
【0062】
(実施例1)
120mLのHO、250mLのエチレングリコールジメチルエーテル、及び26.3gのKCNからなる混合物を50℃まで加熱した。110gのMV31(CF=CF−O−(CF−O−CF)を35分かけて、この混合物に添加した。MV31の添加中、反応混合物の温度は57℃に上昇した。反応混合物を25℃まで冷却し、55mLの濃HSOを加えた。下相を集め水で洗浄した。その後、有機相を同量の濃HSOと混合し、室温で1時間撹拌した。反応混合物から蒸留し、HOOC−CF−CHF−O−(CF−O−CFを得た(全収率89%)。
【0063】
(実施例2)
360mLのHO、650mLのエチレングリコールジメチルエーテル、及び78gのKCNからなる混合物を50℃まで加熱した。440gのMV 31を60分かけて添加した。反応混合物を、約50℃で1.5時間、更に撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、460mLの濃HSO及び600mLのHOで酸性化した。下相を500mLの濃HSOで洗浄した。GC及びNMR測定により、MV31からCF−O−(CF−O−CHF−CF−COOへの全変換率が71%であることが明らかとなった。
【0064】
(実施例3)
実施例2に記載したように、120mLのHO、250mLのCHCN、及び26gのKCNを、147gのMV31と45℃で反応させた。水の連続添加下で、CHCNを蒸留させた。100gの濃HSO及び130gのCHOHをこの溶液に添加し、混合物を3時間還流させた。メチルエステルの全収率は80%であった。
【0065】
(実施例4)(比較)
370gのHO、26gのKCN、及び147gのMV31を、激しく撹拌しながら50℃まで加熱した。24時間後でも、反応混合物は2相を示した。MV31の変換率は2%未満であり、CF−O−CF−CF−COO/CF−O−CF−CF−CF−O−CHF−CF−COOの比率は2:1であった(酸をそのメチルエステルへ予め変換することによりGC−MSで決定)。
【0066】
(実施例5)
100mLのHO、200mLのCHCN、及び13gのNaNの混合物を45℃まで加熱した。56gのMV 31を45℃で30分間添加した。反応混合物を50℃で更に1.5時間撹拌した。19F−NMRは、CF−O−(CF−O−CHF−CFが、>90%の収率であったことを示した。
【0067】
(実施例6)
100mLのHO、200mLのCHCN、12gのNaN、及び62gのMA 31(CF=CF−CF−O−(CF−O−CF)を45〜50℃で反応させた。19F−NMRによると、CF−O−(CF−O−CF−CFH−CF−Nが、ほぼ定量的に形成された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式:
−O−(CF−CFH−CF−Z (I)
(式中、Rは、1つ以上の酸素原子で中断されてよいフッ素化直鎖又は分枝鎖アルキル残基を表し、nは0又は1のいずれかを表し、Zはニトリル(−CN)基、アジド(−N)基、チオシアネート(−SCN)基又はシアネート(−OCN)基を表す)
の部分フッ素化エーテルの製造方法であって、
一般式:
−O−(CF−CF=CF (II)
(式中、R及びnは上記のように定義される)のフッ素化オレフィンを、Z−アニオン(ここで、Z−アニオンは、CN、OCN、SCN又はNから選択される)と処理する工程を含む、方法。
【請求項2】
RfがRf1’、Rf4’、Rf5’又はRf6’から選択され、
Rf1’は、一般式:
Rf1−[ORf2]−[ORf3]
(式中、Rf1は、1〜10個の炭素原子の直鎖状、環状又は分枝状の部分フッ素化又は全部フッ素化脂肪族基であり(例えば、1、2又は3個、好ましくは−CF)、Rf2及びRf3はそれぞれ独立して1、2、3又は4個の炭素原子の直鎖状完全フッ素化アルキレンを表し、p及びqはそれぞれ独立して1、2、3又は4を表し、Rf1’中の炭素原子の総数は10以下である)に相当し、
Rf2’は、一般式:
Rf4−O−(CF
(式中、Rf4は、1、2、3又は4個の炭素原子を有する直鎖状、環状又は分枝状の部分フッ素化又は全部フッ素化アルキレン、好ましくは−CFであり、bは1、2、3、4、5又は6を表し、Rf2’中の炭素原子の総数は10以下である)に相当し、
Rf3’は、一般式:
Rf5−(CF
(式中、Rf5は、1、2、3又は4個又は9個までの炭素原子を有する直鎖状、環状又は分枝状の部分フッ素化又は全部フッ素化アルキレン、好ましくは−CFであり、cは1、2、3、4、5又は6を表し、Rf3’中の炭素原子の総数は10以下である)に相当し、
Rf4’は、一般式:
Rf6−O−(CF−O−(CF
(式中、Rf6は、1、2、3又は4個の炭素原子を有する直鎖状、環状又は分枝状の部分フッ素化又は全部フッ素化アルキレン、好ましくは−CFであり、b及びcはそれぞれ独立して1、2、3又は4を表し、R42’中の炭素原子の総数は10以下である)に相当する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Rfが直鎖状である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
飽和部分フッ素化アルコキシカルボン酸又はその塩の調製方法であって、
一般式:
−O−(CF−CF=CF (II)
(式中、R及びnは請求項1で定義されたものである)のフッ素化オレフィンを、水及び有機溶媒を含む反応媒体中で、Z−アニオン(ここで、Z−アニオンは、CN、SCN及びOCN又はこれらの組み合わせから選択される)と処理する工程を含む、方法。
【請求項5】
一般式:
−O−(CF−CFH−CF−COO (III)
(式中、Rf及びnは請求項1で定義されたものであり、Mは一価のカチオンを表す)の部分フッ素化飽和カルボン酸を調製する方法であって、
一般式:
−O−(CF−CF=CF (II)
(式中、R及びnは請求項1で定義されたものである)のフッ素化オレフィンを、水及び有機溶媒を含む反応媒体中でCNアニオンと処理する工程を含む、方法。
【請求項6】
Rfが請求項2で定義されたものである、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
Rfが直鎖状である、請求項4〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記反応媒体が、(体積で)水と同量又は水より多い量の有機溶媒を含む、請求項4〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
一般式:
−O−(CF−CHF−CF−Z (I)
(式中、n及びRは請求項1で定義されたものであり、ZはSCN、OCN及びNから選択される)の化合物。
【請求項10】
Rfが請求項2で定義されたものである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
Rfが直鎖状である、請求項9又は10に記載の化合物。
【請求項12】
Z−CF−HFC−(CFn’−O−Rfz−O−(CF−CFH−CF−Z (IV)
(式中、Rfzは、1つ以上の酸素原子で中断されてよいフッ素化又は完全フッ素化された、直鎖又は分枝鎖アルキレン基を表し、n及びn’は互いに独立して0又は1を表し、Zはニトリル(−CN)基、アジド(−N)基、チオシアネート(−SCN)基又はシアネート(−OCN)基を表す)
の種の化合物の調製方法であって、
一般式:
CF=CF−(CFn’−O−Rfz−O−(CF−CF=CF (V)
(式中、Rfz、n’及びnは上記のように定義されたものである)のフッ素化ビスオレフィンを、Z−アニオン(ここで、Z−アニオンは、上述の条件において、CN、OCN、SCN又はNから選択される)と処理する工程を含む、方法。
【請求項13】
Z−CF−HFC−(CFn’−O−Rfz−O−(CF−CFH−CF−Z (IV)
(式中、Rfzは、1つ以上の酸素原子で中断されてよいフッ素化又は完全フッ素化された、直鎖又は分枝鎖アルキレン基を表し、n及びn’は互いに独立して0又は1を表し、Zはカルボン酸又はその塩を表す)の種の化合物の調製方法であって、
一般式:
CF=CF−(CFn’−O−Rfz−O−(CF−CF=CF (V)
(式中、Rfz、n’及びnは上記のように定義されたものである)のフッ素化ビスオレフィンを、水及び有機溶媒を含む反応媒体中でCNアニオンと処理する工程を含む、方法。
【請求項14】
一般構造式:
Z−CF−HFC−(CFn’−O−Rfz−O−(CF−CFH−CF−Z (IV)
(式中、Rfzは、1つ以上の酸素原子で中断されてよいフッ素化又は完全フッ素化された、直鎖又は分枝鎖アルキレン基を表し、n及びn’は互いに独立して0又は1を表し、Zはニトリル、シアネート、チオシアネート又はカルボキシレート基を表す)の化合物。

【公表番号】特表2012−512870(P2012−512870A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542199(P2011−542199)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【国際出願番号】PCT/US2009/065677
【国際公開番号】WO2010/071730
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】