説明

フッ素樹脂薄肉チューブの内面処理方法

【課題】複写機の加熱定着ローラの外層材であるフッ素樹脂薄肉チューブ内面の接着性を高める内面処理を、チューブに折り目が付けることなく行う。
【解決手段】2つの挟み部材2、20による押圧で、チューブ1に折り目が付かない程度にチューブ1を扁平体とし、チューブ1内に処理液を流下させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フッ素樹脂薄肉チューブ内面の接着性、ぬれ性等の物性を改質するための、フッ素樹脂チューブ内面の表面処理方法及び該方法で内面処理したフッ素樹脂薄肉チューブに関する。
【背景技術】
【0002】
フッ素樹脂、特に四フッ化エチレン樹脂(以下、「PTFE」)、 四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(以下、「PFA」)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)は、耐熱性、耐薬品性、非粘着性に優れているために、例えば電子複写機の加熱定着ローラの外層材として用いられている。
【0003】
フッ素樹脂は、上記のように、耐熱性、耐薬品性、非粘着性に優れている反面、その表面エネルギーが極めて小さく、ぬれ性に乏しいため、接着剤を使用して他材料と接着することは極めて困難である。
従って、上記定着ローラのロールコア外周面をフッ素樹脂チューブ(以下、単に「チューブ)」と呼ぶ)で被覆して外装する際し、チューブの内面を表面処理して接着性を付与してから、接着剤を介して、ロールコアとチューブとを接着している。
【0004】
フッ素樹脂を表面処理する方法としては、下記イおよびロに示すような方法が知られている。
イ.ナトリウム−液体アンモニア法:ナトリウム等のアルカリ金属を液体アンモニアに溶解させた処理液にフッ素樹脂表面を接触させる方法。
ロ.ナトリウム−ナフタレン法:ナフタレンにナトリウムを分散させたナフタレン媒体の、比較的沸点の高いナトリウム分散体の処理液にフッ素樹脂表面を接触させる方法。
イの方がロよりも優れた高接着性(表面処理)効果が得られる。
【0005】
処理液をチューブ内面に接触させる具体例として、例えば図11、図12に示す方法がある。図11に示す方法は、移動可能な閉塞部(6)を設けたチューブ(1)に、チューブ(1)の開口上端から処理液を注入して閉塞部(6)より上部に貯溜させ、この閉塞部(6)をチューブ上端又は下端の何れか一方の開口端から他方の開口端方向に移動させることにより、チューブ(1)内面と処理液Lとの接触部位を移動させてチューブ(1)の内面を処理する(特許文献1)。
又、図12に示す方法は、ロール(30)に巻回されたチューブ(1)をガイドローラR1から張架単ローラR2→同ローラR3と順次通す。ローラR3を通って出た時点で、チューブ(1)の一端開口部から所定量の処理液を注入する。該注入が終わったら引き続き引き出してニッピングローラR4を介して張架単ローラR5→同ローラR6へと受け渡す。そしてローラR6を通って出た時点で、今度は所定量の洗浄液Wを注入する。洗浄液Wの注入が終わったらガイドローラR7を通して巻き取りローラ40で巻き取る。
チューブ(1)を所定速度で連続供給し、張架単ローラR2と同ローラR3間で、ケミカルエッチングし、次に張架単ローラR5と同ローラR6間で内面洗浄を行って巻き上げローラ4にて巻き取って終了する(特許文献2)。
【0006】
【特許文献1】特公平7−68381号公報
【特許文献2】特開2003−122164号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記加熱定着ローラの外層材として使用されるチューブ(1)は、通常、20μm〜200μm程度と薄いため、チューブ(1)が折れたり、皺が発生し易い。
前記特許文献1のチューブ(1)の内面処理方法では、チューブ(1)に対する閉塞部(6)の形成は、一対のピンチロール(7)(7)でチューブ(1)を挟持しチューブ(1)の内面を部分的に密着させて行っている。
チューブ(1)を挟んだままピンチロール(7)(7)を回転させながら上方又は下方に移動させて、閉塞部(6)の位置をずらしている。このため、ピンチロール(7)(7)で挟まれたチューブ(1)の密着幅の両端の延長上に、二点鎖線で示す折り目(12)が生じることは避けられない。
折り目部分を顕微鏡観察したところ深さ10μm程度のクレバス状凹み部が生じることを確認した。
折り目(12)の生じているチューブを外装した加熱定着ローラを用いると、インクトナーが該折り目のクレバス状凹み部に詰まって、折り目跡が転写されてしまう問題が生じる。
特許文献2のチューブ(1)の内面処理方法は、チューブ(1)をローラで反転させるため、チューブ(1)に折り目が生じる。
【0008】
又、上記特許文献1のチューブ内面処理方法では、チューブ(1)の閉塞部(6)の移動は一定の速度で行い、特許文献2のチューブ内面処理方法では、チューブ(1)の走行速度は一定であるから、何れの場合もチューブ(1)の内面処理済み区間が長くなるに従って処理液の処理能力が低下し、最初の処理部分と最後の処理部分とでは、処理面に斑が生じて処理面に対する均質性を失う問題がある。
【0009】
本発明は、上記問題を解決できるチューブの内面処理方法を明らかにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のチューブ内面処理方法は、チューブ(1)を2枚の挟み部材(2)(20)の間に挟んで折り目が付かない程度に押圧して扁平状に弾性変形させることにより、処理液の流れ方向と直交するチューブ内側の断面積を小さくした状態で、チューブ(1)に処理液を注入する。
【0011】
少なくとも一方の挟み部材(2)(20)の内面に、チューブ(1)を部分的に押圧する凸部(3)を略均一分布で突設していることが望ましい。
【0012】
更に2枚の挟み部材(2)(20)を縦向きにして、両挟み部材(2)(20)の間隔を上方から下方へ徐々に狭まる様に配置することが望ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明のチューブ内面処理方法では、2枚の挟み部材(2)(20)は、チューブ(1)を折り目が付かない程度に押圧しているから、チューブ(1)に折り目が生じることはない。
チューブ(1)を扁平体とすることにより、チューブ(1)の長さ方向と直交するチューブ内部の断面積が小さくなるため、処理液の量が少なくて済む。
【0014】
少なくとも一方の挟み部材(2)(20)に凸部(3)を略均一分布に突設することにより、該凸部(3)によって、チューブ内面の複数箇所が部分的に押されて扁平状チューブ(1)は更に内側に凹む様に弾性変形してチューブ内面と処理液の接触面積が大きくなる。これによって、更に、処理液の量を少なくすることに寄与できる。然も、チューブ(1)の壁面の凹み部は、チューブ内面に突部として表れてチューブ(1)内の処理液の流れを分散し、或いは流れの方向を変える。又、チューブの湾曲弾性変形によって処理液が蛇行して流れる等、チューブ(1)内の処理液の流れがランダムとなって、チューブ内面に対する処理斑を可及的に少なくできる。
【0015】
2枚の挟み部材(2)(20)を縦向きにして、両挟み部材(2)(20)の間隔を上方から下方へ徐々に狭まる様に配置すれば、挟み部材(2)(20)で挟まれて扁平状となったチューブ(1)の処理液の流れ方向と直交するチューブ(1)内部の断面積は、徐々に小さくなる。このため、処理液がチューブの下方ほど通過時間が長くかかる様に調整できる。従って、チューブ(1)上端から投入した処理液が、処理済み区間が長くなるに従って処理能力が低下しても、チューブ(1)内面と接触する時間を長くすることで、処能力の低下を補うことができ、チューブ(1)の処理区間全域の内面処理の均質化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
内面処理すべきチューブ(1)は、電子複写機に用いられる加熱定着ローラの外層材として用いられるものであって、耐熱性、耐薬品性、非粘着性などの性質に優れているフッ素樹脂製である。
実施例のチューブ(1)は、四フッ化エチレン樹脂(以下、「PTFE」)又は、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(以下、「PFA」)にて形成されていが、これに限定されるものではなく、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)は、耐熱性、耐薬品性、非粘着性に優れており、接着性を付与する内面処理が必要なものであれば材質は問わない。
チューブ(1)は外径10〜200mm、肉厚は10〜500μmである。
【0017】
上記チューブ(1)に対する処理液は、ナトリウム等のアルカリ金属を液体アンモニア溶液に溶解させてなる溶液、又は、ナフタレンにナトリウムを分散させたナフタレン媒体の、比較的沸点の高いナトリウム分散体の溶液である。
前者は、特に、フッ素樹脂との反応速度が速い特徴がある。
【0018】
図1は、チューブ(1)内に処理液を流し込む際に、チューブ(1)を保持するための板状挟み部材(2)の正面図、図2は左側面図、図3は、2枚の挟み部材(2)(20)でチューブ(1)を挟んだ状態を示している。
両挟み部材(2)(20)の幅a、長さbは、チューブ(1)の太さ、及び内面の処理長さに対応させることで特に制限はない。
両挟み部材(2)(20)には、互いに規則的に凸部(3)が、略均一分布に突設されている。
実施例の凸部(3)は、略円柱状の突起(31)であって、隣り合う突起(31)が挟み部材(2)(20)上の仮想正三角形の角部に位置する様に並んでいる。
隣り合う突起(31)が挟み部材(2)(20)上の仮想正四角形、仮想正六角形の角部に位置する様に並んでいてもよい。
突起(31)の直径は1〜20mm、突出高さは0.1〜10mm、配列横間隔cは円柱径のチューブ(1)径の1.05〜10倍程度、配列縦間隔dは1.05〜10倍程度である。
対向する2つの挟み部材(2)(20)の突起(31)(31)どうしは位置ズレしている。この場合、一方の挟み部材(2)の突起(31)に対して、他方の挟み部材(20)の突起(31)(31)間は凹部(21)となる。
上記突起群は、後記の如く、2枚の挟み部材(2)(20)によって、チューブ(1)を扁平体となる様に挟んだ際に、チューブ(1)の多数箇所を内側に膨らませて、チューブ(1)内を流下する処理液に乱流を起こさせ、チューブ内面を斑なく処理する役割をなす。
尚、突起(31)のエッジは、チューブ(1)を傷つけない様に、面取りされている。
【0019】
2枚の挟み部材(2)(20)の一方の挟み部材、或いは両方の挟み部材に冷却装置(図示せず)が連繋される。
冷却装置は、挟み部材(2)及び/又は(20)を中空体とし、冷凍機と挟み部材(2)(20)との間で冷媒を循環させて、挟み部材(2)及び/又は(20)を−50℃程度に冷却する。
挟み部材を冷却するのは、前記処理液を用いてチューブ(1)を常温で内面処理すると、処理液が沸騰してアンモニアガスが発生し、チューブ(1)が膨らんでしまい、チューブ(1)が折れる、皺が生じることを防止するためである。
【0020】
然して、両端が開口した縦向きのチューブ(1)を、2枚の挟み部材(2)(20)の間に挟んで扁平状に弾性変形させる。チューブ(1)の上端は挟み部材(2)(20)の上端から突出させておく。
挟み部材(2)(20)間の間隔は、チューブ(1)の外径、チューブ(1)の厚み等によっても異なるが、要は、チューブ(1)が扁平状に弾性変形し、且つ、扁平状チューブ(1)の長手方向に沿う両側縁に折り目が付かない間隔とする。
【0021】
挟み部材(2)(20)に略均一に分布した突起(31)が、扁平状チューブ(1)を更に部分的に押し、扁平状チューブ(1)は、押された部分が凹んで流路が狭まり、或いは押されることにより流路が湾曲する。
【0022】
チューブ(1)の上端内側に口金(図示せず)を挿入して、処理液の投入を容易にするためにチューブ(1)上端を拡大する。
【0023】
チューブ(1)の上端から処理液を流し込む。
処理液はチューブ(1)内を流下する。前記の如く、挟み部材(2)(20)でチューブ(1)を扁平体とすることにより、チューブ(1)の長さ方向と直交するチューブ(1)内部の断面積が小さくなるため、処理液の量が少なくて済む。
又、図4、図5に示す如く、挟み部材(2)(20)の突起(31)によって、チューブ(1)内面の多数箇所が部分的に押されて凹み、又、扁平状チューブ(1)は更に突起(31)(31)間の凹部(21)(21)に侵入する様に弾性変形してチューブ(1)内面と処理液の接触面積が大きくなる。これによって、処理液の量を少なくすることに更に寄与できる。
然も、チューブ(1)の壁面の凹み部は、チューブ内面に突部として表れてチューブ(1)内の処理液の流れを分散し、或いは流れの方向を変え、又、チューブの湾曲弾性変形によって処理液が蛇行して流れる等、チューブ(1)内の処理液の流れがランダムとなって、チューブ内面に対する処理斑を可及的に少なくできる。
チューブ(1)の内向きの弾性変形、或いは湾曲弾性変形により、チューブ(1)の処理液の流れがランダムとなって、処理斑を可及的に少なくできる。
【0024】
図6は、挟み部材(2)(20)の第2実施例を示しており、一方の挟み部材(2)は、上記の場合と同様にして、突起(31)が規則的に形成され、他方の挟み部材(20)は、平板状である。
挟み部材(2)(20)でチューブ(1)を挟んで扁平体とすることにより、チューブ(1)の長さ方向と直交するチューブ(1)内部の断面積を小さくして処理液の量が少なくて済む効果を有する。又、一方の挟み部材(2)(20)の突起群でチューブ(1)に均一分布の弾性変形凹み部を形成することにより、チューブ(1)の処理液の流れがランダムとなって、処理斑を可及的に少なくできる。
【0025】
図7は、挟み部材(2)(20)の第3実施例を示しており、2枚の挟み部材(2)(20)の対向面に平面であって、凸部(3)は存在していない。
挟み部材(2)(20)でチューブ(1)を挟んで扁平体とすることにより、チューブ(1)の長さ方向と直交するチューブ(1)内部の断面積を小さくして、処理液の量が少なくて済む効果を奏する。
【0026】
図8は、挟み部材(2)(20)の第4実施例を示している。
2枚の挟み部材(2)(20)は縦向きに配置され、両挟み部材(2)(20)の間隔は上方から下方へ徐々に狭まっている。
挟み部材(2)(20)で挟まれて扁平状となったチューブ(1)の処理液の流れ方向と直交するチューブ(1)内部の断面積は、下方ほど徐々に小さくなる。このため、処理液がチューブの下方ほど通過時間が長くかかる様に調整できる。従って、チューブ(1)上端から投入した処理液が、処理済み区間が長くなるに従って処理能力が低下しても、チューブ(1)内面と接触する時間を長くすることで、処能力の低下を補うことができ、チューブ(1)の処理区間全域の内面処理の均質化を図ることができる。
単位長さ区間を処理液が落下するのに要する時間が長くなる様に調整できる。このため、チューブ(1)上端から投入した処理液が、該液の落下と共にその処理能力が低下化しても、チューブ(1)内面と接触する時間を長くすることで、性能劣化を補うことができ、チューブ(1)の処理区間全域の内面処理の均質化を図ることができる。
【0027】
図9、図10は、挟み部材(2)(20)の第5実施例を示している。
両挟み部材(2)(20)の対向面に形成して凸部(3)は、チューブ(1)の向きに対して直交する方向に延びる断面円弧状の突条(32)を上下方向に等間隔に突設し、一方の挟み部材(2)(20)の突条(32)を、相手挟み部材(2)(20)の突条(32)に対してずらし、両挟み部材(2)(20)によってチューブ(1)を挟んで扁平状に弾性変形させている。
扁平チューブ(1)が湾曲弾性変形することにより、チューブ(1)内の処理液の流れがランダムとなって、処理斑を可及的に少なくできる。
図9に示す挟み部材(2)(20)の対向面に、前記突起(31)を均一分布に設けることにより、チューブ(1)内面処理の均質を実現できる。
【0028】
上記各実施例は、チューブ(1)が縦向きとなる様に挟み部材(2)(20)で挟んだが、これに限定されることはなく、チューブ(1)が斜め或いは横向きとなる様に挟み部材(2)(20)で挟んでもよい。
但し、チューブ(1)の姿勢によって、処理液がチューブ(1)内を流れ難い場合は、処理液に対して不活性なガスを、チューブ(1)の処理液投入側端部から供給して、処理液の流れを生じさせて、チューブ内面処理を行うことができる。
【0029】
尚、挟み部材(2)(20)の内面に突起(31)を施す場合、突起(31)は円柱に限らず、多角形柱、楕円柱等、突起(31)の軸心に対する断面形状は問わない。
又、突起(31)の先端部全体を丸く形成してもよい。
【0030】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】挟み部材の正面図である。
【図2】挟み部材の側面図である。
【図3】チューブを2つの挟み部材で挟んだ状態の側面図である。
【図4】図3A−A線に沿う断面図である。
【図5】図4B−B線に沿う断面図である。
【図6】第2実施例の挟み部材によってチューブを挟んだ状態の側面図である。
【図7】第3実施例の挟み部材によってチューブを挟んだ状態の側面図である。
【図8】第4実施例の挟み部材によってチューブを挟んだ状態の側面図である。
【図9】第5実施例の挟み部材の斜面図である。
【図10】第5実施例の挟み部材によってチューブを挟んだ状態の側面図である。
【図11】従来例のチューブ内面処理方法の説明図である。
【図12】他の従来例のチューブ内面処理方法の説明図である。
【符号の説明】
【0032】
1.チューブ
2.挟み部材
20.挟み部材
3.凸部
31.突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端が開口したフッ素樹脂薄肉チューブ(1)の一端から表面処理液を注入して他端から排出することにより、チューブ内面を処理するチューブ内面の処理方法において、チューブ(1)を2枚の挟み部材(2)(20)の間に挟んで、折り目が付かない程度に押圧して扁平状に弾性変形させることにより、処理液の流れ方向と直交するチューブ内側の断面積を小さくした状態で、チューブ(1)に処理液を注入する、フッ素樹脂薄肉チューブの内面処理方法。
【請求項2】
少なくとも一方の板の内面に規則的に形成された突起(31)、突条(32)等による多数の凸部(3)によって、扁平チューブ(1)を部分的に押圧して流路が狭まり及び/或いは流路が湾曲した箇所をチューブ(1)の処理長さの全長に亘って略均一分布に生じさせた状態で、チューブ(1)に処理液を注入する、請求項1に記載のフッ素樹脂薄肉チューブの内面処理方法。
【請求項3】
凸部(3)を具えた挟み部材(2)(20)の相手挟み部材(2)(20)の該凸部(3)との対向部分は凹部(4)が形成されている、請求項1に記載のフッ素樹脂薄肉チューブの内面処理方法。
【請求項4】
凸部(3)を具えた挟み部材(2)(20)の相手挟み部材(2)(20)の内面は平坦面である、請求項1又は2に記載のフッ素樹脂薄肉チューブの内面処理方法。
【請求項5】
2枚の挟み部材(2)(20)は縦向きに配置され、両挟み部材(2)(20)の間隔は上部から下部へ徐々に狭まっている、請求項1乃至3の何れかに記載のフッ素樹脂薄肉チューブの内面処理方法。
【請求項6】
少なくとも一方の挟み部材(2)(20)は処理液内のアンモニアの蒸発を可及的に防止するために冷却されている請求項5に記載のフッ素樹脂薄肉チューブの内面処理方法。
【請求項7】
表面処理液が、ナトリウム等のアルカリ金属を液体アンモニア溶液に溶解してなる溶液である、請求項1乃至6の何れかに記載のフッ素樹脂薄肉チューブの内面処理方法。
【請求項8】
表面処理液が、ナフタレンにナトリウムを分散させた溶液である、請求項1乃至6の何れかに記載のフッ素樹脂薄肉チューブの内面処理方法。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかの方法で製造され、折り目の存在しないフッ素樹脂薄肉チューブ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2006−291083(P2006−291083A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−115359(P2005−115359)
【出願日】平成17年4月13日(2005.4.13)
【出願人】(591056097)淀川ヒューテック株式会社 (25)
【Fターム(参考)】