説明

フッ素系オリゴマー、複合色素材料、色素会合薄膜体、光情報記録媒体及びその製造方法

【課題】 色素の分子構造の設計の手法では困難な光学特性(屈折率、消衰係数、短波長化)を改善する新規な添加物、その複合色素材料、これを用いた光情報記録媒体の提供。
【解決手段】一般式RF −(M)n −RF ’(RF 、RF ’はフルオロアルキル基を表わし、同一でも異なってもよく、Mは親水基を有するモノマーを表わし、nは1以上を表わす。)のフルオロアルキル基含有オリゴマーで表わされるフッ素系オリゴマー。例えば、下記のフルオロアルキル基含有オリゴマー。


これとフェノール水酸基を有する色素との複合色素材料。これらを利用した光情報記録媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なフッ素系オリゴマー、その複合色素材料、これらを用いた光情報記録媒体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
文字、図形等の画像や映像あるいは音声等のデータを記録し、再生する手段としては、波長600〜830nmのレーザー光に対応した記録及び再生が可能な記録材料として例えばペンタメチン系シアニン色素やフタロシアニン色素を含有する記録層を有する光ディスクがCD−RやDVD−R、DVD+R等として知られている。さらに近年、青色光領域の半導体レーザーの実用化が実現可能となりつつあり、記録情報量を増加させることが可能となりつつある。青色光領域対応の半導体レーザーの発振波長はおよそ350〜500(nm)、とりわけ405±10(nm)程度となる見込みであり、光情報記録媒体においても記録材料をこれに合わせて短波長化する検討が行われている。
このように追記型光情報記録媒体の記録層として色素を使用することが一般的に行われているが、記録層に用いられる色素においては、光学位相差を十分に取るためにも出来る限り大きな屈折率を有することが求められている。屈折率を上げるには、色素について緻密な分子構造の設計を必要とする一方で、塗布液の塗布を簡便に行なえるスピンコート法により塗布して色素層を形成できるように、その塗布液の調製のための溶剤溶解性等の他の諸物性とのバランスを保つ必要もある。殊に、DVD−Rよりさらに高密度記録が可能になる青色光領域のレーザー(ブルーレーザー)対応の色素においては、色素の構造上、モル吸光係数が小さくなる傾向があり、分子構造設計だけでは十分に高い屈折率を得ることは困難である。
例えば特開平4−337538号公報には、シアニン系色素等をフッ素アルコールに溶解し、その色素溶液を基板にスピンコート法により塗布・乾燥して色素層を形成し、これを記録層として有する光記録媒体が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平4−337538号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この公報に記載されている色素はブルーレーザー対応の色素としては特に、良い光学特性(高屈折率)を持つ薄膜を簡便なスピンコート法により成膜させることは難しく、高速記録、高密度記録に対応する、高感度、短マーク記録能に優れた色素に対応しているとはいえない。また、従来知られている同様の用途の他の色素についても、このような性能を全て満足できる色素膜を形成できるものはまだ知られていない。
【0005】
本発明の第1の目的は、色素の分子構造の設計によっては光学特性の改善が困難な場合でも、色素に対する添加物の工夫によりその改善ができるようなその添加物としてのフッ素系オリゴマー、その複合色素材料、これらを用いた光情報記録媒体及びその製造方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、色素と会合を形成し易くして、屈折率を高く、消衰係数を小さくできるように光学特性を改善することができるフッ素系オリゴマー、その複合色素材料、これらを用いた光情報記録媒体及びその製造方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、良い光学特性(高屈折率)を持ち、記録前後での屈折率差が大きくなる薄膜として、色素薄膜の吸収スペクトルを先鋭化させ、記録感度がよく、高速記録ができるフッ素系オリゴマー、その複合色素材料、これらを用いた光情報記録媒体及びその製造方法を提供することにある。
本発明の第4の目的は、色素材料の吸収を短波長化させ、高密度記録を可能にさせることができるフッ素系オリゴマー、その複合色素材料、これらを用いた光情報記録媒体及びその製造方法を提供することにある。
本発明の第5の目的は、簡易的に薄膜を形成させる手法として、スピンコート法を用いることができるようなフッ素系オリゴマー、その複合色素材料、これらを用いた光情報記録媒体及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、フルオロアルキル基含有オリゴマーである新規なフッ素系オリゴマーは自己組織化により形成される分子集合体がメタノール中において特にフェノール水酸基を有する色素、例えばフルオレセインをゲスト分子として認識して相互作用をし(会合体を形成し)、その色素の吸収を消失させて新たに短波長のシャープな吸光度の極めて高い吸収を発生させることを見出し、本発明をするに至った。
したがって、本発明は、(1)、一般式RF −(M)n −RF ’(RF 、RF ’はフルオロアルキル基を表わし、同一でも異なってもよく、Mは親水基を有するモノマーを表わし、nは1以上を表わす。)のフルオロアルキル基含有オリゴマーで表わされるフッ素系オリゴマーを提供するものである。
また、本発明は、(2)、Mが親水基を有するビニルモノマーの重合体の繰り返しの単位である請求項1に記載のフッ素系オリゴマー、(3)、一般式RF −(M)n −RF ’は下記一般式〔化1〕で表される上記(1)又は(2)のフッ素系オリゴマー、
【化1】

(但し、RF 、RF ’はフルオロアルキル基を表し、同一でも異なってもよく、AはNH2 、N(CH3 2 、COCH2 、OH、SO3 H、COOH、φ−OH(φはベンゼン環を表わす)、CHO、下記〔化2〕等の親水基又はこれらのそれぞれの置換親水基(それぞれの親水基を置換基で置換した置換親水基)を表わし、nは1以上を表わす。)
【化2】

(Meはメチル基を表す)
(4)、フェノール性水酸基を有する色素を含有する色素材料と、請求項1ないし3のいずれかに記載のフルオロアルキル基含有オリゴマーを含有する複合色素材料、(5)、フェノール性水酸基を有する色素と請求項1ないし3のいずれかに記載のフルオロアルキル基含有オリゴマーからなる色素会合薄膜体、(6)、基板上に色素層を有する光情報記録媒体において、該色素層が上記(4)の複合色素材料を用いて形成された光情報記録媒体、(7)、基板上に色素層を有する光情報記録媒体を製造する方法において、該色素層は該基板上に色素材料を含有する塗布液を塗布する工程を有することにより形成され、該色素材料が上記(4)の複合色素材料である光情報記録媒体の製造方法を提供するものである。
なお、基板上に色素層を有する光情報記録媒体において、該色素層がフェノール性水酸基を有する色素を含有する色素材料と、かつ上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のフッ素系オリゴマーを含有する光情報記録媒体、また、基板上に色素層を有する光情報記録媒体を製造する方法において、該色素層は該基板上に塗布液を塗布する工程を有することにより形成され、該塗布液が上記(1)ないし(3)のいずれかのフッ素系オリゴマーを添加した溶剤に色素材料を微分酸ないし溶解して得られる色素液である光情報記録媒体の製造方法、としてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、色素の分子構造の設計によっては光学特性の改善が困難な場合でも、色素に対する添加物の工夫によりその改善ができる、その添加物として新規なフッ素系オリゴマーを提供できる。また、これを色素に添加することがきるので、両者は会合を形成し易く、その結果屈折率を高く、消衰係数を小さくできるように光学特性を改善することができる。これにより、良い光学特性(高屈折率)を持ち、記録前後での屈折率差が大きくなる薄膜として、色素薄膜の吸収スペクトルを先鋭化させ、記録感度がよく、高速記録ができるのみならず、色素材料の吸収を短波長化させ、ブルーレーザーへの対応もできるように高密度記録を可能にさせることができ、しかも簡易的に薄膜を形成させる手法として、スピンコート法を用いることができる光情報記録媒体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明において、フルオロアルキル基含有オリゴマーである新規なフッ素系オリゴマーは、一般式RF −(M)n −RF ’のフルオロアルキル基含有オリゴマーである。RF 、RF ’はフルオロアルキル基を表わし、同一でも異なってもよいが、フルオロアルキル基としては低級アルキル基その他のアルキル基において単数又は複数の水素原子をフッ素原子や、例えばCF3 のようなフッ素置換アルキル基で置換したものが挙げられる。Mは親水基を有するモノルーを表わし、nは1以上を表わすが、上記一般式に属するものとしてはMが親水基を有するビニルモノマーの重合体の繰り返しの単位であり、例えば上記一般式〔化1〕のフルオロアルキル基含有オリゴマーで表されるフッ素系オリゴマーが挙げられる。この一般式〔化1〕の場合はMはアクリルアミドのN置換誘導体(AがN(CH3 2 のときはジメチルアクリルアミド、AがNHCMe2 CH2 COCH3 (Aは親水基を有する置換基)のときはN−1,1−ジメチル−3−オキソブチルアクリルアミド)、アクリル酸(AがOHのとき)、その他Aが上記の各基である化合物を用いているが、これに準じたメタクリルアミドのN置換誘導体、メタクリル酸、これらの複数の共重合体、さらには他の例えば(メタ)アクリル酸エステル等のビニルモノマーを含めて任意の複数の共重合体も挙げられる。親水基としては水と馴染みやすい基であり、水と混ざる化合物、水に微分散する化合物を有する基が挙げられ、上記の基はこれに該当するが一般に極性基といわれるものも挙げられる。
【0009】
上記一般式〔化1〕で表されるフルオロアルキル基含有オリゴマーは、AがNHCMe2 CH2 COCH3 のときは親水基として2つのケトン基とその中間に2級アミノ基を有する置換基を分岐して有するエチレンの重合体としてのオリゴマー(比較的高分子量のポリマーも含む、以下同様)であるが、Aがその他の場合もこれに準じたオリゴマーの両端に置換基RF 、RF ’を有し、置換基RF 、RF ’はそれぞれ上記したフルオロアルキル基であり、RF 、RF ’は同一でも異なってもよく、例えば以下の官能基が挙げられるが、これらに限られない。
F 、RF ’=−(CF2 n CF3 (n=0〜9) (1)
=−CF(CF3 )O〔CF2 CF(CF3 )O〕m 3 7 (2)
(m=0、1、2、3、4、5)
このフッ素系化合物はその分子量(測定法はGPC法(ゲルパーミネーションクロマトグラフイー)法)が20000以下のオリゴマーであることが好ましい。分子量が大き過ぎると成膜に影響を与えることがある。
このように、フルオロアルキル基が末端に導入された化合物は、フルオロアルキル基セグメント同士の凝集効果が効率良く作用し、有機溶媒中でナノレベルの自己組織化された分子集合体を形成することを見出した。この分子集合体が特にフェノール性水酸基を有する色素をゲスト分子として認識し、両者の会合によりその色素独自の吸収を消失させ、新たに短波長のシャープな吸光度の極めて高い吸収を発生させる。
具体的には次のようなことが分かっている。
【0010】
(以下は予稿集の記載の引用)
フルオロアルキル基含有N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミドオリゴマー〔RF −(DOBAA)n −RF 〕の自己組織化により形成される分子集合体はメタノール中においてフルオレセンと相互作用し、フルオレッセンの吸収〔λmax :452nm、480nm〕が完全に消失し、新たに440nmにシャープな吸光度の極めて高い吸収が観測されることがUV−visスペクトル(紫外可視線吸収スペクトル)の測定により明らかにさせてきた。
2,3フルオレセインおよびその誘導体としてウラニン(uranine)、フルオレセインアミン、カルボキシフルオレセイン、フルオレセインジアセテート、フルオレセインイソチオシアネートのそれぞれについても、メタノール中におけるRF −(DOBAA)n −RF オリゴマーとの相互作用をUV−visスペクトルにより検討した結果、フルオレセインアミン、フルオレセインイソチオシアネート、カルボキシフルオレセインにおいては、それぞれの場合においてフルオレセインと同様、フルオレセイン誘導体に起因した吸収が消失し、新たに440nm付近にシャープな吸光度の高い吸収が観測された。一方、興味深いことにウラニン、フルオレセインジアセテートのようにフルオレセイン骨格におけるフェノール水酸基の水素原子をナトリウム塩もしくはアセチル基で置換させたフルオレセイン誘導体においては、440nmの吸収における吸光度は極端に低下した。フルオレセイン誘導体以外の色素として、ローズベンガル、ルシゲニン、エチジウムブロミド、ローダミンB等の色素に注目し、同様な条件下でUV−visスペクトルの測定を行った。しかし、これら色素においては、RF −(DOBAA)n −RF オリゴマーを添加させてもスペクトルの変化は全く見られなかった。
このような結果から、RF −(DOBAA)n −RF オリゴマーが形成する分子集合体はフルオレセインおよびフルオレセイン誘導体をゲスト分子として認識し、特にフルオレセイン骨格におけるフェノール水酸基がフッ素系分子集合体内における認識部位として作用することが示唆される。(以上この段落の記載は平成16年3月11日、日本化学会発行の予稿集、1H2−40欄より引用)。
【0011】
フルオロアルキル基含有オリゴマーとして、RF −(DOBAA)n −RF オリゴマー、フルオロアルキル基含有アクリル酸オリゴマー〔RF −(ACA)n −RF 〕、フルオロアルキル基含有N,N−ジメチルアクリルアミドオリゴマー〔RF −(DMAA)n −RF 〕に注目し、これらオリゴマーのメタノール中におけるフルオレセインとの相互作用についてUV−visスペクトルにより検討を行った。その結果、RF −(DOBAA)−RF オリゴマー以外に、RF −(ACA)n −RF オリゴマー、RF −(DMAA)n −RF オリゴマーが形成する集合体もフルオレセインと同様に相互作用し、フルオレセインの吸収〔λmax :452nm、480nm〕が完全に消失し、新たに440nmにシャープな吸光度の高い吸収がそれぞれ観測された。440nmの吸収における吸光度はRF −(ACA)n −RF オリゴマーにおいて低下する傾向が得られ、逆にRF −(DMAA)n −RF オリゴマーにおいて高まる傾向が得られた。これは、RF −(ACA)n −RF オリゴマーが形成する分子集合体はゲスト分子としてフルオレセインと相互作用し難いためと思われる。なお、対応するフルオロアルキル基を含まないアクリル酸オリゴマー〔−(ACA)n −〕、N,N−ジメチルアクリルアミドオリゴマー〔−(DMAA)n −〕および−(DOBAA)n −オリゴマーにおいては、440nmに新たな吸収は観測されなかった。これは、フルオロアルキル基を含まないオリゴマー類は分子集合体を同様な条件下で形成しないためである。
F −(DOBAA)n −RF オリゴマーとフルオレセインとの相互作用により440nmに新たな吸収を示すメタノール溶液の走査型電子顕微鏡観測を行った。その結果、対応するフッ素を含まないオリゴマーがフルオレセインのナノ粒子を形成しないのに対し、RF −(DOBAA)n −RF オリゴマーにおいては、フルオレセインのナノ粒子(平均粒子径:46nm)が形成することがわかった。このような結果から、現在、440nmに起因した吸収は、フルオレセインにおけるketo−enol型互変異性のenol型のナノ粒子が集合体と強い相互作用することによりenol型(λmax :452nm)に起因した吸収がブルーシフトし、440nmにシャープな吸収を与えるものと推定している。(以上この段落の記載は平成16年3月11日、日本化学会発行の予稿集、1H2−41欄より引用)。
【0012】
このように、本発明のフッ素系オリゴマーを用いて、フルオレセインのようなフェノール水酸基を有する色素と会合体薄膜を形成すると、350〜500nm付近の波長領域で優れた記録再生特性を持つ光情報記録媒体を得ることができ、また、この会合体薄膜はフッ素オリゴマーによる分子配向制御による効果をもたらす特異な会合であり、高屈折率化が可能となり、記録層の薄膜の低膜厚化が容易になり、高変調を確保できる。さらに記録時に会合体を壊す事で記録前後の屈折率差(Δn)や吸収差(Δk)の確保が可能となり、十分な変調度がとれる良好な記録が可能となる。
上記一般式〔化1〕で表される化合物は、上記(1)の置換基(RF 、RF ’は同一)を有する化合物は、後述の実施例に記載した方法により製造することができるが、その他の置換基を有する化合物もこれに準じて製造することができる。
【0013】
本発明において、上記のフルオロアルキル基含有オリゴマーと併用される色素材料としては、フェノール水酸基を有する色素が好ましく、このような色素としては、フルオレセイン、フルオレセインアミン、フルオレセインイソチオシアネート、カルボキシフルオレセイン等のフルオレセイン及びその誘導体を挙げることができるが、ウラニン、フルオレセインジアセテートのようなフルオレセイン骨格におけるフェノール水酸基の水素原子をナトリウム塩もしくはアセチル基で置換させたフルオレセイン誘導体を除き、フェノール水酸基を有するその他のフルオレセイン誘導体も挙げられる。
また、フェノール水酸基を有する色素として、例えば下記〔化3〕のスクアリリウム色素、下記〔化4〕のポルフィリン色素を挙げることができる。
【0014】
【化3】

【0015】
【化4】

【0016】
上記のフルオロアルキル基含有オリゴマーと上記色素材料とは別々に同じ溶剤に溶解し、あるいは別の溶剤に溶解した各溶液を混合して塗布液を調製してもよい。いずれの場合も、その混合比率(重量比)は、溶剤1Lに対して色素0.01〜2mmol、オリゴマー0.01〜20g、好ましくは色素0.06〜1mmol、オリゴマー0.05〜5gである。フルオロアルキル基含有オリゴマーが少な過ぎると吸収の増大が不十分であり、多過ぎると成膜性に影響を与える。
【0017】
本発明の光情報記録媒体において、色素層は640nm〜約680nmの範囲のレーザー光に対してはDVD−R用、DVD+R用、約770nm〜830nmの範囲のレーザー光に対してはCD−R用に使用可能にすることができるが、350〜500nm、特に400〜450nmの波長領域から選ばれたレーザー光により記録及び再生が可能になるように形成されてもよい。
光干渉層として設けてもよく、光干渉層とは色素材料からなる色素層その他の有機材料あるいは無機材料からなる層から構成され、光照射でピット形成可能な単一層又は複数層の色素層を含む記録層や、この記録層以外に光情報記録媒体の光学的物性を調整する目的で屈折率、膜厚を調整した例えば樹脂材料からなるエンハンス層、さらには基板と色素層、色素層が複数の場合にはその間に設ける中間層等も含まれ、これらを総称したものである。
【0018】
本発明における光干渉層、特に色素層には、上記したフェノール性水酸基を有する色素及びフルオロアルキル基含有オリゴマーを溶剤に溶解した塗布液を用いる。
上記複合色素材料及び上記色素層には、フェノール水酸基を有する色素とともに他の色素を前者が少なくとも50重量%(50重量%以上)となるように併用してもよい。その併用できる色素としては、CD−R用、DVD−R用、DVD+R用、さらにはブルーレーザー用のそれぞれに対応して用いる色素が異なるが、後者の3者の比較的短波長レーザー対応のものとしては、フタロシアニン系色素が挙げられ、これには金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンや、これらに置換基を導入したフタロシアニン誘導体も使用できる。
上記のフタロシアニン系色素以外のその他の色素としては、シアニン色素、アゾ色素(含金属色素を含む)、ポリフィリン系色素など光記録媒体に用いられる公知の色素を用いることができる。これらのその他の色素は各単独でも使用でき、また、複数併用もできる。例えばシアニン色素についていえば、メチン鎖がモノメチン、トリメチンのものではプルーレーザー対応や、DVD−R等の短波長用に、トリメチンより大きいペンタメチン等のものはCD−R用の光情報記録媒体に用いることができる。
【0019】
上記色素層には上記の色素からなる色素材料及び本発明のフッ素系オリゴマーのみを用いてもよいが、目的に応じてその色素層を形成する塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤などの各種の添加剤を添加してもよい。耐光性を向上させるために、フタロシアニン系色素以外の色素を併用する場合は特に、光安定化剤を色素層に含有させ、あるいは他の層に含有させてもよい。
このような光安定化剤としては金属錯体が挙げられ、この金属錯体としては、下記一般式〔化5〕で表わされる化合物を挙げることができる。
【0020】
【化5】

〔ただし、R1 、R2 はそれぞれハロゲン原子、フェニル基、アルキル基、シアノ基、チオアルキル基、アルキルスルホニル基、r、sは1〜4の整数を表わし、R4 はアルキル基、YはN又はP、MはCu、Co又はNi等の金属を表わす。〕
【0021】
上記一般式〔化5〕に属する具体的化合物としては、下記〔化6〕、〔化7〕の化合物を挙げることができる。
【0022】
【化6】

【0023】
【化7】

【0024】
また、光安定化剤としてはアミニウム系及びジイモニウム系安定化剤を挙げることができる。具体的化合物としては、下記〔化8〕、〔化9〕で表される化合物を挙げることができる。
これらの光安定化剤は少なくとも1種、すなわち単独又は複数併用することができる。
【0025】
【化8】

【0026】
【化9】

【0027】
本発明の光情報記録媒体を製造するには、上記複合色素材料を用いた塗布液や、上記フェノール水酸基を有する色素を少なくとも50重量%有する色素材料とともに上記フルオロアルキル基含有オリゴマーを溶解した塗布液を調製し(フェノール水酸基を有する色素とフルオロアルキル基含有オリゴマーの比率は前述したが、その他の色素を併用する場合にはその分色素が多くなる)、その際必要に応じて上記一般式〔化3〕で示される金属錯体その他の光安定化剤を溶解した塗布液を調製し、透光性の基板に塗布する。
【0028】
本発明のフッ素系オリゴマー及び上記色素材料を溶解する溶剤としては、フッ素系溶剤も使用でき、これにはフッ素化アルコール、フッ素置換ケトン、フッ素置換エステル、フッ素置換アミド、フッ素置換ベンゼン、フッ素化アルカン、フッ素化エーテル等を挙げることができ、これらの1種又は複数種を使用でき、色素材料の溶解性の点では好ましい。これらは高価であるので、メチルアルコール、エチルアルコール等の低級アルコール類、ジメチルシクロヘキサン等の脂環状化合物の溶剤、クロロホルム、ジクロロエタン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、トルエン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、メチルセロソルブ等のセロソルブ類、ジオキサン等のフッ素成分を有しない非フッ素系溶剤が1種又は複数種用いられ、これらは汎用溶剤といえるものが多く、コストの点も含めて好ましい。この非フッ素系溶剤は上記フッ素系溶剤と混合して使用し、溶剤そのものとしても色素材料に対する溶解性を向上させるようにしてもよい。
溶剤1Lに対して本発明のフッ素系オリゴマー、特に上記一般式〔化1〕で表される化合物は、0.01〜20g、好ましくは0.05〜5g添加する。0.05gより少ないと、色素材料の溶解又は分散効果が低下し易い傾向があり、5gより多いとコスト高になる。この混合溶液に対する全色素材料の混合割合は1重量%〜10重量%が好ましい。
【0029】
このように、本発明のフッ素系オリゴマー、特に上記一般式〔化1〕で表される化合物を汎用溶剤に微量添加するだけで、例えばフッ素アルコールを溶剤として使用する場合に比べても、溶剤のコストを低減できるのみならず、色素材料に対する微分散性ないし溶解性を著しく向上することができる。これは、例えば汎用溶剤としてアルコール(R−OH)を使用した場合、これに上記一般式〔化1〕で表される化合物を添加して例えばフルオレセインやフタロシアニン系色素を加えると、フルオロアルキル基が末端に導入されたこの化合物は、フルオロアルキル基セグメント同士の凝集効果が効率良く作用し、アルコール中でナノレベルの自己組織化された分子集合体を形成することが見出されることから、この分子集合体が色素をゲスト分子として認識しアルコールへの可溶化が促進するものと考えられる。その結果、フルオレセインやフタロシアニン系色素をアルコールに微分散ないし溶解させることができると考えられる。なお、この際フッ素系溶剤を使用あるいは併用すれば溶解性の点ではさらに好ましい。なお、アルコール以外の溶剤においてもこれに準じて考えられる。
このように、本発明のフッ素系オリゴマー、特に上記一般式〔化1〕で表される化合物及び色素材料を微分散ないし溶解して得られる色素溶液の塗布液を基板に塗布・乾燥し色素層を形成すると、上述したようにフルオロアルキル基セグメント同士の凝集効果が効率良く作用し、アルコール中でナノレベルの自己組織化された分子集合体を形成し、この分子集合体が色素をゲスト分子として認識し、その状態の薄膜が形成されてシャープな吸光度の高い吸収を発生させ、その際吸収を短波長側にシフトさせることもできるものと考えられる。これを応用すればブルーレーザー対応の色素層も形成させることができる。また、フルオロアルキル基含有オリゴマーはフッ素成分を有するので、いわゆるフッ素樹脂膜のように水をはじく性質があり、耐湿性、耐水性を向上させることができるが、これは色素材料の粒子がこの化合物に全面又は部分的に被覆されることによってその粒子を外界から保護できるからであると考えられるが、同様の原理で耐光性その他の耐性も向上させることができる。
【0030】
本発明の光情報記録媒体に用いられる基板には、ガラスや、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂等のプラスチックスが例示される。この基板にはトラック溝あるいはピットが形成されていてもよく、また、アドレス信号に必要な信号を有するものでもよい。
また、上記色素溶液の塗布液を基板に塗布するにはスピンコート法を用いることが好ましい。
また、本発明における光干渉層には上記の金属錯体以外の一重項酸素クエンチャー、光吸収剤、ラジカルスカベンジャー(捕捉剤)等の他の化合物を含んでもよい。
【0031】
上記の光干渉層のほかに反射層を設けてもよく、また、必要に応じて保護層を設けてもよい。
反射層としては、蒸着、スパッタリング等により形成したAu、Al、Ag、Cu、Pt、これらの各々その他の合金、さらにはこれら以外の微量成分が添加された合金等の金属膜等の高反射率材料膜が挙げられ、保護層としては光情報記録媒体の保護と耐候性の向上等の目的で紫外線硬化型樹脂等の放射線硬化型樹脂の溶液をスピンコート法等により塗布し、放射線硬化させた塗布層が挙げられる。
【0032】
このようにして基板の上に色素層を含む光干渉層、反射層を設け、さらには保護層などが設けられた光ディスクが得られる。その光干渉層を少なくとも有した他の同様な構成あるいは別の構成の光ディスクを貼り合わせたり、あるいは基板そのものを対向させて貼り合わせたりしてもよい。
この貼り合わせのための材料、方法としては、紫外線硬化樹脂、カチオン性硬化樹脂、両面粘着シート、ホットメルト法、スピンコート法、ディスペンス法(押し出し法)、スクリーン印刷法、ロールコート方式等が用いられる。
次に本発明の実施例を説明するが、これに限定されるものではない。
【実施例1】
【0033】
(下記〔化10〕のフルオロアルキル基含有オリゴマーの製造)
【化10】

(式中、Meはメチル基、nは1以上を表わす。)
上記〔化10〕のオリゴマーは、フルオロアルキル基含有N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミドオリゴマーであり、次のようにして製造される。
過酸化ペルフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル(5mmol)を含んだAK225(1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンおよび1,3−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパンの1:1(質量比)混合溶媒:50g)溶液中に、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミド(DOBAA:15mmol)及びAK−225(100g)を加え、窒素気流下、45℃で5時間反応を行った。反応後、得られた組成物をAK−225−ヘキサン系で再沈殿を行ったところ、上記〔化10〕のフッ素系化合物が3.01gの収率で得られた。得られたオリゴマーの分子量をGPC(展開溶媒:THF)により算出したところ、Mn(数平均分子量)=6900であった。
【0034】
(複合色素材料の製造)
上記製造の〔化10〕のフルオロアルキル基含有オリゴマーと下記〔化11〕のフルオレセインとの混合物である複合色素材料については、下記に示すこれらオリゴマーとフルオレセインを溶解した溶液が挙げられる。
【0035】
【化11】

【0036】
(会合体薄膜の形成とその吸収スペクトル及び光学特性)
(1) 上記製造の〔化10〕のフルオロアルキル基含有オリゴマー2gとメタノール 1dm3 (1L)を混合することで、まずオリゴマー濃度2g/Lのオリゴマーメタノール溶液を調製し、これに上記〔化11〕のフルオレセイン色素0.1mmol(15g)を少しづつ添加し、24時間攪拌を行って、色素濃度15g/Lの塗布液を調製した。
(2)(1)で調製した溶液を厚さ0.6mm、4cm四方のガラスの単板に1mL滴下した後、3000rpm(毎分当たりの回転数)で30秒間スピンコートした。このようにして色素会合体薄膜(b)を得た。また、比較のために上記の〔化10〕のフルオロアルキル基含有オリゴマーを添加しない色素溶液についても(1)で得た塗布液と同様にスピンコート法を用いて会合体薄膜(a)を得た。
(3) その後、それぞれの単板について、分光吸収スペクトル測定を行った。なお、上記製造の〔化10〕のフルオロアルキル基含有オリゴマーにおいて両端のRF 、RF ’がアルキル基であるこれに準ずるオリゴマーを調製し、これについてもフルオロアルキル基含有オリゴマーの代わりにこのオリゴマーを用いたこと以外は(1)で得た塗布液と同様に塗布液にし、スピンコート法を用いて色素薄膜(c)を得た。
上記(a)、(b)、(c)について紫外線分光吸収スペクトル測定(日立分光光度計U−4000(商標名))を行った。その結果を図1に示す。図1中、グラフa、b、cはそれぞれ上記(a)、(b)、(c)に対応するスペクトル線図である。また、屈折率、消衰係数を測定(日立分光光度計U−4000)した結果を表1に示す。
(4) 図1から、グラフa、b、cについて、cはaに比べ、色素がオリゴマーにより薄められている分、吸光度が減少しているが、aとcは吸収位置がλmax :452nm、480nmで同じであるのに対し、bは吸収位置がλmax :440nmで短波長側にシフトしており、しかもシャープな吸光度の極めて高い吸収になっている。これは、高密度記録化、高速記録化に寄与できることを示唆している。また、表1からbは他のものに比べて屈折率が高く、消衰係数が小さいことが分かる。
なお、上記(b)の塗布液は上記(a)の塗布液より透明度が高く、上記(c)の塗布液よりさらに透明度が高いことが観察され、これはアルコール中においてフルオロアルキル基含有オリゴマーと色素とが相互作用により会合し、色素の溶解性が高まったものと考えられる。このように、会合した色素はフルオロアルキル基含有オリゴマーで包設され保護されるので、耐光性、耐湿性に優れるということができる。
【0037】
【表1】

【0038】
(5) bがこのような特性を示すのは、会合体膜を形成するからにほかならないが、その機構については、下記〔化12〕に示すように、フルオレセインはketo−enol型互変異性を示すが、そのenol型がフッ素系集合体内において選択的にナノ粒子を構築し、このenol型のナノ粒子が集合体と強い相互作用することによりenol型(λmax :452nm)に起因した吸収がブルーシフトし、440nmにシャープな吸収を与えるものと推定される。
【0039】
【化12】

【0040】
(光ディスクの製造と評価)
(製造)
(1) 上記製造の〔化10〕のフルオロアルキル基含有オリゴマー0.2gを2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール100mLに溶解し、その溶液に上記〔化11〕のフルオレセインを1.5g溶解させ、色素濃度15g/Lの溶液からなる塗布液を調製した。
なお、上記製造の複合色素材料を上記と同様の溶剤に溶解し、必要に応じて上記オリゴマー、色素を追加溶解して上記のオリゴマー濃度、色素濃度にした同様の塗布液を調整してもよい。
(2) その塗布液を厚さ0.6mm、グルーブ溝が0.40μmの間隔で刻んである直径120mmのポリカーボネートからなる透明基板に1mL滴下し、3000rpmの回転数でスピンコートして、均一な薄膜を得た。
(3) この薄膜を形成した透明基板を80℃、30分間熱処理し、残留している余分な溶剤を揮発させて除去した。
(4) ついで、薄膜の表面に銀(Ag)をスパッタリングして、100nmの厚さの反射膜を形成した。
(5) さらに反射面側に紫外線硬化型の接着剤(大日本インキ化学工業社製SD−318)をスピンコートした後、その塗布面に厚さ0.6mmの直径120mmのポリカーボネート基板を載せて、貼り合わせを行い、基板を通して紫外線を照射して接着剤を硬化させた。
(6) このようにして、均一な色素会合体薄膜を記録層に持つHD DVD−R(高密度記録)用光ディスクを得た。
(7) 比較例として、上記製造の〔化10〕のフルオロアルキル基含有オリゴマーを用いないこと以外は上記(1)〜(6)に準じて、HD DVD−R用光ディスクを得た。
【0041】
(評価)
このようにして得られた実施例と比較例の光ディスクについて、405nmの半導体レーザー(NA(開口率)=0.45)を搭載したパルステック工業社製光ディスク評価装置(DDU−1000)を用いて、EMF信号を、線速5.25m/s(秒)で記録を行った。そのときの記録感度(1倍速でのパワー(mW))、8T C/N(dB)(最長マーク長(最長ピット)の信号/ノイズ比)、2T C/N(dB)(最短マーク長(最長ピット)の信号/ノイズ比)の測定結果を表2に示す。なお、実施例のものについて記録後、再生し、反射率、変調度、エラーレート及びジッターを測定したところ、いずれも良好な値を示したが、比較例のものは全く吸収がなく、記録が不可能であった。
【0042】
【表2】

【0043】
表2から、実施例のものは均一な色素会合体薄膜を記録層に用いたので、最短マーク長(2T C/N(dB))のC/Nレベルが改善し、記録速度の向上を可能にし、また、記録感度が向上し、ランダム記録信号記録時のシンメトリも低パワーで達成できる。
上記一般式〔化1〕においてAがN(CH3 2 の場合のフルオロアルキル基含有N,N−ジメチルアクリルアミドオリゴマーも、上記フルオロアルキル基含有N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミドオリゴマーに準じて製造でき、これに準じた上記性能を発揮することができるが、上記のように色素としてフルオレセインを使用した場合には440nmの吸収の吸光度はむしろ高まる傾向がある。また、上記一般式〔化1〕においてAがOHの場合のフルオロアルキル基含有アクリル酸オリゴマーも同様に製造できるが、前二者に比べれば、上記の色素としてフルオレセインを使用した場合には440nmの吸収の吸光度は低下する傾向があるが、これに準じた上記性能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施例及び比較例による色素会合体の紫外線吸収分光スペクトル線図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式RF −(M)n −RF ’(RF 、RF ’はフルオロアルキル基を表わし、同一でも異なってもよく、Mは親水基を有するモノマーを表わし、nは1以上を表わす。)のフルオロアルキル基含有オリゴマーで表わされるフッ素系オリゴマー。
【請求項2】
Mが親水基を有するビニルモノマーの重合体の繰り返しの単位である請求項1に記載のフッ素系オリゴマー。
【請求項3】
一般式RF −(M)n −RF ’は下記一般式〔化1〕で表される請求項1又は2に記載のフッ素系オリゴマー。
【化1】

(但し、RF 、RF ’はフルオロアルキル基を表し、同一でも異なってもよく、AはNH2 、N(CH3 2 、COCH2 、OH、SO3 H、COOH、φ−OH(φはベンゼン環を表わす)、CHO、下記〔化2〕等の親水基又はこれらのそれぞれの置換親水基を表わし、nは1以上を表わす。)
【化2】

(Meはメチル基を表す)
【請求項4】
フェノール性水酸基を有する色素を含有する色素材料と、請求項1ないし3のいずれかに記載のフルオロアルキル基含有オリゴマーを含有する複合色素材料。
【請求項5】
フェノール性水酸基を有する色素と請求項1ないし3のいずれかに記載のフルオロアルキル基含有オリゴマーからなる色素会合薄膜体。
【請求項6】
基板上に色素層を有する光情報記録媒体において、該色素層が請求項4に記載の複合色素材料を用いて形成された光情報記録媒体。
【請求項7】
基板上に色素層を有する光情報記録媒体を製造する方法において、該色素層は該基板上に色素材料を含有する塗布液を塗布する工程を有することにより形成され、該色素材料が請求項4記載の複合色素材料である光情報記録媒体の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2006−76952(P2006−76952A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−264096(P2004−264096)
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成16年3月11日 社団法人日本化学会発行の「日本化学会第84春季年会 講演予稿集1」に発表
【出願人】(000204284)太陽誘電株式会社 (964)
【Fターム(参考)】