フライホイールモジュール
フライホイールモジュール(9)は、入力軸(15)と出力軸(17)とを有するカップリングユニット(11)を有する。このカップリングユニット(11)は第1カップリング(23)を有し、第1カップリング(23)の第1カップリング半部(25)は燃焼機関(3)に接続され得るとともに第2カップリング半部(27)は無段変速機(7)に接続され得る。フライホイールモジュール(9)は、入/出力(28)を有するとともに、フライホイール(29)およびフライホイール(29)に接続された減速ギヤユニット(31)により形成されるフライホイールユニット(13)を有する。フライホイールユニット(13)はカップリングユニット(11)を介して入/出力(28)にのみ接続される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
駆動源と変速機を備える車両に使用されるフライホイールモジュールに関し、フライホイールモジュールは、
カップリングユニットであって、
駆動源に接続され得る入力軸と、
変速機に接続され得る出力軸と、を有し、
入力軸と出力軸との間にあるとともに
入力軸に接続された第1カップリング半部と、
出力軸に接続された第2カップリング半部と、を有する
第1カップリングと、
を有する、カップリングユニット、
および、
入/出力を有するフライホイールユニットであって、
i) フライホイールと、
ii) 減速ギヤユニットであって、
フライホイールに接続された入力と、フライホイールユニットの入/出力に接続された出力とを有するとともに、
a)減速伝動装置、および、
b)減速伝動装置に接続された接続装置、を有する、
減速ギヤユニット、
を含むフライホイールユニット、を有する。
【背景技術】
【0002】
このタイプのフライホイールモジュールを有する動力伝達装置は特許文献1から知られている。既知の動力伝達装置では、フライホイールユニットがその入/出力に接続されるとともに、さらなる入/出力を介してカップリングユニットにも接続され、一方でこのさらなる入/出力は第1カップリングの第1カップリング半部に接続される。この既知のフライホイールモジュールの減速伝動装置は、3つの回転部材を有する遊星歯車装置により形成され、その第1回転部材はフライホイールに接続され、第2回転部材はブレーキを介して第2カップリング半部と出力軸との間に位置する結合点(node)に接続され、第3回転部材はブレーキを介してさらなる入/出力に接続される。この既知のフライホイールモジュールは比較的複雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,569,108号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、既知のフライホイールモジュールより単純な、冒頭の段落に定義されたタイプのフライホイールモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のために、本発明によるフライホイールモジュールは、フライホイールユニットがその入/出力を介してカップリングユニットに接続され、この入/出力は結合点を介して第1カップリングの第2カップリング半部および/または出力軸に接続される、ことを特徴とする。フライホイールユニットは、カップリングユニットに入/出力を介してのみ接続されることが好ましい。さらに、好ましくは、第1カップリングは非作動状態(non−energized state)において閉じられる。
【0006】
変速機は、無段変速機であることが好ましく、機械的(プッシュベルトまたはチェーンを用いるプーリ)、機械的パワースプリット式、電気的、または電気的パワースプリット式の無段変速機であってもよい。駆動源は燃焼機関または電気モータであってもよい。
【0007】
フライホイールモジュールはさらに、結合点に接続された液圧ポンプを有することが好ましい。無段変速機が、入力軸および出力軸、そしてまた、それぞれの軸にプーリ、およびプーリの周りに無端可撓性伝達要素を有する場合、一方のプーリの少なくとも一方のプーリディスクは、そのプーリの他方のプーリディスクからおよびそのプーリの他方のプーリディスクに移動される位置にあり、ポンプはこのプーリに接続されたピストンによりピストン変位を与えることができ、このピストンは液圧シリンダにより変位可能である。ポンプは結合点に直接接続されることができ、結合点は自動的に駆動源と一緒に回転する。
【0008】
この欠点は、駆動源の低速において、ポンプの出力(流量)が低いことである。例えば緊急停止あるいはティップシフト(tip shift)の場合など、時々素早い切り替えが実行されるとともに高流量が必要とされる。これは、ポンプが低速において高流量に設計されることを要求する。高速においてポンプはしばしば過剰な流量を生み出すとともにポンプは結果として実際は過剰な寸法になるので、必要以上により多くの損失を生み出す。低い、正常以下の速度(高流量でない)において、ポンプはこの状態においても、結果として過剰な寸法になるとともに必要以上により多くの損失を生み出す。
【0009】
このさらなる欠点は、例えばハイブリッドへの適用(アイドルストップ、スタートストップ)などにおいて、駆動源が切られると、車両の発進を可能にする圧力が利用できないことである。
【0010】
本発明によるフライホイールモジュールの実施形態は、前述の欠点が生じず、フライホイールモジュールが、ポンプに接続された液圧バッファを有することを特徴とする。結果として、ポンプを小型化する(より少ない流量を供給させる)ことができ、一方、正常な動作状態では流量は実行されるその機能の全てに対して依然として十分であり、エネルギーは浪費されない。多くの流量が必要な場合には、アキュムレータが援助することができる。加えて、アキュムレータは駆動源がオフモードの場合に圧力を発生させることができる。
【0011】
フライホイールモジュールはさらに、ポンプを駆動することができる電気モータ、および、一方において電機モータを加えたポンプと他方において結合点との間に配置されるフリーホイールベアリングを有する。ポンプはその結果結合点に直接の接続を有していない。その結果、ポンプは電気的にCVTの入力軸より高速にされることができるので、ポンプはさらに小型化され得る。電気モータは、液圧アキュムレータがチャージされるスタート−ストップモードで動かされる。
【0012】
ポンプとアキュムレータ、またはポンプとアキュムレータと電気モータとフリーホイールベアリングはまた、フライホイールユニットの無いモジュールに有利に適用することもできることが分かる。
【0013】
フライホイールモジュールは、車両の既存の駆動装置に単純な方法で組み込むことができる独立したモジュールにすることができる。この目的を達成するために、本発明によるフライホイールモジュールの実施形態は、フライホイールモジュールがさらに、
入力軸を駆動源に接続するための第1カップリング手段、および、
出力軸を変速機に接続するための第2カップリング手段を含み、第1および第2カップリング手段は入力軸および出力軸の上または中にあるスプラインとして構成される、ことを特徴とする。
【0014】
本発明によるフライホイールモジュールのさらなる実施形態は、減速伝動装置が歯車変速機により形成されることを特徴とする。
【0015】
1つの実施形態において、接続装置が減速伝動装置に接続された第2カップリングにより形成され、減速伝動装置は第2カップリングとフライホイールとの間に配置される。好ましくは、第2カップリングは非作動状態(non−energized state)において開く。
【0016】
他の実施形態において、接続装置は、接続補助装置および3つの回転部材を有する遊星歯車装置を有し、その第1回転部材は接続補助装置に接続され、第2回転部材は歯車変速機に接続され、第3回転部材はフライホイールホイールユニットの入/出力に接続される。接続補助装置は電気モータまたはブレーキを有することが好ましい。
【0017】
本発明によるフライホイールモジュールのさらなる実施形態は、フライホイールユニットが、歯車変速機に接続されたさらなるフライホイールをさらに有することを特徴とする。
【0018】
本発明によるフライホイールモジュールの他の実施形態は、減速伝動装置が遊星歯車装置により形成されるとともに接続装置が摩擦ブレーキにより形成され、その歯車装置は3つの回転部材を有し、その第1回転部材はフライホイールに接続され、第2回転部材は減速ギヤユニットの出力に接続され、第3回転部材は摩擦ブレーキに接続される、ことを特徴とする。
【0019】
本発明によるフライホイールモジュールのさらなる実施形態は、第3カップリングがフライホイールと減速ギヤユニットとの間に配置されることを特徴とする。
【0020】
本発明によるフライホイールモジュールのさらに別の実施形態は、フライホイールが、内部が負圧(under pressure)である気密ハウジング内に設置され、第3カップリングは、一方のカップリング半部がハウジングの内部に設置されてフライホイールに接続されるとともに他方のカップリング半部がハウジングの外部に設置される磁気カップリングとして構成される、ことを特徴とする。
【0021】
追加的な機能を得るために、本発明による動力伝達装置のさらなる実施形態は、フライホイールユニットの入/出力がさらに、第1カップリングの第1カップリング半部に接続され、第4カップリングがフライホイールモジュールの入/出力と第1カップリング半部との間に配置される、ことを特徴とする。
【0022】
さらなる減速伝動装置が、フライホイールモジュールの入/出力と結合点との間に配置されることが好ましい。
【0023】
再び、本発明によるフライホイールモジュールのさらなる実施形態は、フライホイールモジュールが、結合点に、または、フライホイールモジュールの入/出力と結合点との間に配置されるさらなる減速伝動装置がある場合のさらなる減速伝動装置に接続される、電気機械をさらに含む、ことを特徴とする。
【0024】
本発明はさらにまた、燃焼機関として構成される駆動源と被駆動車輪とを有する車両用動力伝達装置に関するもので、動力伝達装置は第1の入/出力軸と被駆動車輪に接続され得る第2の入/出力軸とを有する変速機、および本発明によるフライホイールモジュールを有し、フライホイールモジュールの入力軸は燃焼機関に接続されることができるとともに出力軸が変速機の第1の入/出力軸に接続されることができ、結合点と変速機の第1または第2の入/出力軸との間に第5カップリングが配置される。第5カップリングは、非作動状態(non−energized state)において開くことが好ましい。
【0025】
好ましくは、全ての構成部品は、フライホイールを除いて、変速機のハウジングに開放して接続される(in open connection to)または変速機のハウジングと一体であるさらなるハウジング内にある。
【0026】
本発明はさらに、運転中の車両の燃焼機関の始動方法に関するもので、車両は、燃焼機関に加えて被駆動車輪と、それらの間に配置される本発明による動力伝達装置を有し、運転中、第1カップリングは開いているとともに第2および第5カップリングは閉じられる。この方法に関して、本発明は、第5カップリングが滑る方法で作動し、この場合に第1カップリングが閉じられるとともに燃焼機関が始動され、その後第5カップリングは完全に閉じられる、ことを特徴とする。
【0027】
さらに、本発明は、発進中の車両の燃焼機関の始動方法に関するもので、車両は、燃焼機関に加えて被駆動車輪、およびそれらの間に配置される本発明による動力伝達装置を有し、車両の発進時において、第1カップリングは開いており、第2カップリングは閉じられるとともに第5カップリングはスリップモードにある。この方法に関して、本発明は、第5カップリングが完全に閉じられる前に、第1カップリングが閉じられ、この場合に燃焼機関が始動され、その後第5カップリングは完全に閉じられる、ことを特徴とする。
【0028】
本発明は、本発明によるフライホイールモジュールおよび動力伝達装置の実施形態の例を参照してより詳細に以下にさらに説明されるとともに図面に示される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、減速ギヤユニットが遊星歯車装置および摩擦ブレーキとして構成される、本発明によるフライホイールモジュールの第1実施形態を示す。
【図2】図2は、減速ギヤユニットが歯車変速機およびカップリングとして構成される、本発明によるフライホイールモジュールの第2実施形態を示す。
【図3】図3は、フライホイールユニットがさらに第1カップリングの第1カップリング半部に接続される、本発明によるフライホイールモジュールの第3実施形態を示す。
【図4】図4は、第5カップリングが結合点と変速機との間に存在する、本発明によるフライホイールモジュールの第4実施形態を示す。
【図5】図5は、接続装置が遊星歯車装置および電気モータにより形成される、本発明によるフライホイールモジュールの第5実施形態を示す。
【図6】図6は、油圧システムを有する、本発明によるフライホイールモジュールの第6実施形態を示す。
【図7】図7は、フライホイールモジュールがカップリング手段を備える、本発明によるフライホイールモジュールの第7実施形態を示す。
【図8】図8は、図7に示されたフライホイールモジュールの変形を示す。
【図9】図9は、図7に示されたフライホイールモジュールの変形を示す。
【図10】図10は、図7に示されたフライホイールモジュールの変形を示す。
【図11】図11は、図8に示されたフライホイールモジュールの具体的な実施形態を示す。
【図12】図12は、図9に示されたフライホイールモジュールの具体的な実施形態を示す。
【図13】図13は、図10に示されたフライホイールモジュールの具体的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本発明によるフライホイールモジュールの第1実施形態の動力伝達装置を有する車両のレイアウトを示す。車両1は、動力伝達装置を介して被駆動車輪5に接続された駆動源3を有する。動力伝達装置は、変速機7および駆動源と変速機との間に配置されたフライホイールモジュール9を有する。
【0031】
フライホイールモジュール9は、カップリングユニット11およびフライホイールユニット13を有する。カップリングユニットは、駆動源に接続された入力軸15、および変速機7の第1の入/出力19に接続された出力軸17を有する。変速機の第2の入/出力21は被駆動車輪5に接続される。カップリングユニットはさらに、入力軸に接続された第1カップリング半部25、および出力軸に接続された第2カップリング半部27を有する。
【0032】
フライホイールユニットは、入/出力28、フライホイール29、および、フライホイールに接続された入力33とフライホイールユニットの入/出力に接続された出力35とを有する減速ギヤユニット31を有する。減速ギヤユニットは、減速伝動装置および減速伝動装置に接続された接続装置を有する。減速ギヤユニットは、減速伝動装置および接続装置からなる。減速伝動装置はこの場合遊星歯車装置37により形成されるとともに、接続装置は摩擦ブレーキ39により形成される。遊星歯車装置37は、3つの回転部材を有し、その第1回転部材はフライホイール29に接続され、第2回転部材は結合点41を介して接続装置11に接続され、第3回転部材は摩擦ブレーキ39に接続される。
【0033】
図2は、本発明による第2実施形態のフライホイールモジュールを有する車両のレイアウトを示す。図1に示された第1実施形態のものと等しい全ての要素は同様の参照番号により示される。このフライホイールモジュールは、減速ギヤユニット31が歯車変速機45および摩擦カップリングとして構成された第2カップリング47を備えるという点で第1実施形態とは異なる。フライホイール29と減速ギヤユニット31との間に第3カップリング(図示せず)までもが配置されていてもよい。
【0034】
図3は、本発明による第3実施形態のフライホイールモジュールを有する車両のレイアウトを示す。図1に示された第1実施形態のものと等しい全ての要素は同様の参照番号により示される。このフライホイールモジュール49は、フライホイールユニット13の入/出力28と結合点41との間にさらなる減速伝動装置51を有する。この減速伝動装置51は、3つの回転部材を有するさらなる遊星歯車装置により形成され、その第1回転部材は入/出力28に接続され、第2回転部材は結合点41に接続され、第3回転部材は、例えば動力伝達装置のハウジングなど、固定物53に接続される。
【0035】
このフライホイールモジュール49では、フライホイールユニット13の入/出力28はさらに、第1カップリング23の第1カップリング半部25に第4カップリング55を介して接続される。第1カップリング23および第4カップリング55はいずれも摩擦カップリングとして構成される。
【0036】
図4は、本発明による第4実施形態のフライホイールモジュールを有する車両のレイアウトを示す。図3に示された第3実施形態のものと等しい全ての要素は同様の参照番号により示される。このフライホイールモジュール57は、さらに第5カップリング57が結合点41と無段変速機7との間に配置されるという点で第3実施形態とは異なる。その上、第1カップリング23および第4カップリング55はいずれも噛合いクラッチ(claw coupling)またはシンクロメッシュとして構成される。
【0037】
図5は、本発明による第5実施形態のフライホイールモジュールを有する車両のレイアウトを示す。図2に示された第2実施形態のものと等しい全ての要素は同様の参照番号により示される。このフライホイールモジュール59では、第3カップリング61が歯車変速機45とフライホイール29との間に配置される。さらに、この場合、接続装置が遊星歯車装置63および接続補助装置65により形成され、この接続補助装置65はこの実施形態において電気モータにより形成されるとともに遊星歯車装置の回転部材の一つに接続される。この実施形態では、(破線で示される)さらなるカップリング67が遊星歯車装置63の3つの回転部材のうちの2つの間に配置されてもよい。加えて、さらなるフライホイール69が、さらにもう1つのカップリング71(同様に破線で示される)を介して減速伝動装置45に接続され得る。
【0038】
図6は、本発明による第6実施形態のフライホイールモジュールを有する車両のレイアウトを示す。図2に示された第2実施形態のものと等しい全ての要素は同様の参照番号により示される。このフライホイールモジュール73では、電気モータ/ジェネレータ75の形態の電気機械および油圧(液圧)ポンプ77が結合点44に接続されるとともに、その上、油圧(液圧)アキュムレータ79がポンプ77に接続される。ここでも、結合点と変速機7の第1の入/出力軸19との間に第5カップリング81がある。しかし、第5カップリング81は変速機7の第2の軸に設置されてもよい(81‘により示される)。第1カップリング23は、通常は閉じられるカップリング、つまりこのカップリングが操作/作動されていない場合に閉じられるカップリングであることが好ましい。
【0039】
このフライホイールモジュール73では、電気モータ75はポンプ77の近くに設置され、そのうえ、フリーホイールベアリング80が一方におけるポンプ77および電気モータ75と他方における結合点41との間に設置される。ポンプとアキュムレータとの間には、2つの間の接続を閉めるまたは解放するためのバルブ78がある。電気モータ75は、ポンプ77を変速機7の入力軸19より高い速度にすることに役立つことができるので、ポンプはさらに小型化され得る。電気モータ75は、その間に油圧アキュムレータがチャージされるスタート−ストップモードで作動する。
【0040】
車両の発進の前に、カップリング81が最初に閉じられるとともにカップリング23が解放される。今や車両は電気モータ75で発進され得る一方、カップリング23、81および変速機7を操作するための圧力は油圧アキュムレータ79により供給される。
【0041】
運転中(カップリング81が閉じられるとともにカップリング23が開く)に車両の駆動源3を始動するために、カップリング23が開いている間にカップリング81が滑る方法で作動する。続いて、燃焼機関として具体化された駆動源3が始動される間にカップリング23が閉じられ、その後カップリング81が完全に閉じられる。
【0042】
図7は、本発明による第7実施形態のフライホイールモジュールを示す。このフライホイールモジュール83は、入力軸15を駆動源3に接続するための第1カップリング手段85、および、出力軸17を変速機7に接続するための第2カップリング手段87を有する。第1および第2カップリング手段は、入力軸および出力軸15、17の上または中にあるスプラインとして構成される。
【0043】
図8、9および10は、図7に示すフライホイールモジュールの3つの変形を示す。図8に示すフライホイールモジュール89では、さらなる減速伝動装置91が減速ギヤユニット31とカップリングユニット11との間に存在する。そして、第2カップリング47はまた、2つの減速伝動装置45と49の間の代わりに減速伝動装置45とフライホイール29との間(47‘で示す)、またはさらなる減速伝動装置49と結合点41との間(47“で示す)に設置されてもよい。図9に示すフライホイールモジュール93では、第3カップリング95が、減速ギヤユニット31とフライホイール29との間にさらに設置される。図10に示すフライホイールモジュール97では、電気モータ99がさらなる減速伝動装置91に接続される。
【0044】
図11、12、および13には、図8、9、および10に示されたフライホイールモジュール89、93、および97の具体的な実施形態が示される。図11に示すフライホイールモジュール89では、入力軸15が外歯スプライン85を有し、出力軸17が中空であるとともに内歯スプライン87を有する。図12に示すフライホイールモジュール93では、フライホイール29は内部が負圧である気密ハウジング101内に設置される。第3カップリング95が、一方のカップリング半部がハウジング101の内部に設置されるとともに他方のカップリング半部がハウジングの外部に設置される磁気カップリングとして構成される。図13に示すフライホイールモジュール97では、電気モータ99がさらなる減速伝動装置91の歯車を有する軸上の歯車に噛合う。
【0045】
本発明は図面を参照して上述のように説明されたが、本発明が決して図面に示された実施形態に限定されないことを留意すべきである。本発明はまた、クレームにより定義される精神および範囲内で、図面に示された実施形態から外れる如何なる実施形態にも及ぶ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、
駆動源と変速機を備える車両に使用されるフライホイールモジュールに関し、フライホイールモジュールは、
カップリングユニットであって、
駆動源に接続され得る入力軸と、
変速機に接続され得る出力軸と、を有し、
入力軸と出力軸との間にあるとともに
入力軸に接続された第1カップリング半部と、
出力軸に接続された第2カップリング半部と、を有する
第1カップリングと、
を有する、カップリングユニット、
および、
入/出力を有するフライホイールユニットであって、
i) フライホイールと、
ii) 減速ギヤユニットであって、
フライホイールに接続された入力と、フライホイールユニットの入/出力に接続された出力とを有するとともに、
a)減速伝動装置、および、
b)減速伝動装置に接続された接続装置、を有する、
減速ギヤユニット、
を含むフライホイールユニット、を有する。
【背景技術】
【0002】
このタイプのフライホイールモジュールを有する動力伝達装置は特許文献1から知られている。既知の動力伝達装置では、フライホイールユニットがその入/出力に接続されるとともに、さらなる入/出力を介してカップリングユニットにも接続され、一方でこのさらなる入/出力は第1カップリングの第1カップリング半部に接続される。この既知のフライホイールモジュールの減速伝動装置は、3つの回転部材を有する遊星歯車装置により形成され、その第1回転部材はフライホイールに接続され、第2回転部材はブレーキを介して第2カップリング半部と出力軸との間に位置する結合点(node)に接続され、第3回転部材はブレーキを介してさらなる入/出力に接続される。この既知のフライホイールモジュールは比較的複雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,569,108号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、既知のフライホイールモジュールより単純な、冒頭の段落に定義されたタイプのフライホイールモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のために、本発明によるフライホイールモジュールは、フライホイールユニットがその入/出力を介してカップリングユニットに接続され、この入/出力は結合点を介して第1カップリングの第2カップリング半部および/または出力軸に接続される、ことを特徴とする。フライホイールユニットは、カップリングユニットに入/出力を介してのみ接続されることが好ましい。さらに、好ましくは、第1カップリングは非作動状態(non−energized state)において閉じられる。
【0006】
変速機は、無段変速機であることが好ましく、機械的(プッシュベルトまたはチェーンを用いるプーリ)、機械的パワースプリット式、電気的、または電気的パワースプリット式の無段変速機であってもよい。駆動源は燃焼機関または電気モータであってもよい。
【0007】
フライホイールモジュールはさらに、結合点に接続された液圧ポンプを有することが好ましい。無段変速機が、入力軸および出力軸、そしてまた、それぞれの軸にプーリ、およびプーリの周りに無端可撓性伝達要素を有する場合、一方のプーリの少なくとも一方のプーリディスクは、そのプーリの他方のプーリディスクからおよびそのプーリの他方のプーリディスクに移動される位置にあり、ポンプはこのプーリに接続されたピストンによりピストン変位を与えることができ、このピストンは液圧シリンダにより変位可能である。ポンプは結合点に直接接続されることができ、結合点は自動的に駆動源と一緒に回転する。
【0008】
この欠点は、駆動源の低速において、ポンプの出力(流量)が低いことである。例えば緊急停止あるいはティップシフト(tip shift)の場合など、時々素早い切り替えが実行されるとともに高流量が必要とされる。これは、ポンプが低速において高流量に設計されることを要求する。高速においてポンプはしばしば過剰な流量を生み出すとともにポンプは結果として実際は過剰な寸法になるので、必要以上により多くの損失を生み出す。低い、正常以下の速度(高流量でない)において、ポンプはこの状態においても、結果として過剰な寸法になるとともに必要以上により多くの損失を生み出す。
【0009】
このさらなる欠点は、例えばハイブリッドへの適用(アイドルストップ、スタートストップ)などにおいて、駆動源が切られると、車両の発進を可能にする圧力が利用できないことである。
【0010】
本発明によるフライホイールモジュールの実施形態は、前述の欠点が生じず、フライホイールモジュールが、ポンプに接続された液圧バッファを有することを特徴とする。結果として、ポンプを小型化する(より少ない流量を供給させる)ことができ、一方、正常な動作状態では流量は実行されるその機能の全てに対して依然として十分であり、エネルギーは浪費されない。多くの流量が必要な場合には、アキュムレータが援助することができる。加えて、アキュムレータは駆動源がオフモードの場合に圧力を発生させることができる。
【0011】
フライホイールモジュールはさらに、ポンプを駆動することができる電気モータ、および、一方において電機モータを加えたポンプと他方において結合点との間に配置されるフリーホイールベアリングを有する。ポンプはその結果結合点に直接の接続を有していない。その結果、ポンプは電気的にCVTの入力軸より高速にされることができるので、ポンプはさらに小型化され得る。電気モータは、液圧アキュムレータがチャージされるスタート−ストップモードで動かされる。
【0012】
ポンプとアキュムレータ、またはポンプとアキュムレータと電気モータとフリーホイールベアリングはまた、フライホイールユニットの無いモジュールに有利に適用することもできることが分かる。
【0013】
フライホイールモジュールは、車両の既存の駆動装置に単純な方法で組み込むことができる独立したモジュールにすることができる。この目的を達成するために、本発明によるフライホイールモジュールの実施形態は、フライホイールモジュールがさらに、
入力軸を駆動源に接続するための第1カップリング手段、および、
出力軸を変速機に接続するための第2カップリング手段を含み、第1および第2カップリング手段は入力軸および出力軸の上または中にあるスプラインとして構成される、ことを特徴とする。
【0014】
本発明によるフライホイールモジュールのさらなる実施形態は、減速伝動装置が歯車変速機により形成されることを特徴とする。
【0015】
1つの実施形態において、接続装置が減速伝動装置に接続された第2カップリングにより形成され、減速伝動装置は第2カップリングとフライホイールとの間に配置される。好ましくは、第2カップリングは非作動状態(non−energized state)において開く。
【0016】
他の実施形態において、接続装置は、接続補助装置および3つの回転部材を有する遊星歯車装置を有し、その第1回転部材は接続補助装置に接続され、第2回転部材は歯車変速機に接続され、第3回転部材はフライホイールホイールユニットの入/出力に接続される。接続補助装置は電気モータまたはブレーキを有することが好ましい。
【0017】
本発明によるフライホイールモジュールのさらなる実施形態は、フライホイールユニットが、歯車変速機に接続されたさらなるフライホイールをさらに有することを特徴とする。
【0018】
本発明によるフライホイールモジュールの他の実施形態は、減速伝動装置が遊星歯車装置により形成されるとともに接続装置が摩擦ブレーキにより形成され、その歯車装置は3つの回転部材を有し、その第1回転部材はフライホイールに接続され、第2回転部材は減速ギヤユニットの出力に接続され、第3回転部材は摩擦ブレーキに接続される、ことを特徴とする。
【0019】
本発明によるフライホイールモジュールのさらなる実施形態は、第3カップリングがフライホイールと減速ギヤユニットとの間に配置されることを特徴とする。
【0020】
本発明によるフライホイールモジュールのさらに別の実施形態は、フライホイールが、内部が負圧(under pressure)である気密ハウジング内に設置され、第3カップリングは、一方のカップリング半部がハウジングの内部に設置されてフライホイールに接続されるとともに他方のカップリング半部がハウジングの外部に設置される磁気カップリングとして構成される、ことを特徴とする。
【0021】
追加的な機能を得るために、本発明による動力伝達装置のさらなる実施形態は、フライホイールユニットの入/出力がさらに、第1カップリングの第1カップリング半部に接続され、第4カップリングがフライホイールモジュールの入/出力と第1カップリング半部との間に配置される、ことを特徴とする。
【0022】
さらなる減速伝動装置が、フライホイールモジュールの入/出力と結合点との間に配置されることが好ましい。
【0023】
再び、本発明によるフライホイールモジュールのさらなる実施形態は、フライホイールモジュールが、結合点に、または、フライホイールモジュールの入/出力と結合点との間に配置されるさらなる減速伝動装置がある場合のさらなる減速伝動装置に接続される、電気機械をさらに含む、ことを特徴とする。
【0024】
本発明はさらにまた、燃焼機関として構成される駆動源と被駆動車輪とを有する車両用動力伝達装置に関するもので、動力伝達装置は第1の入/出力軸と被駆動車輪に接続され得る第2の入/出力軸とを有する変速機、および本発明によるフライホイールモジュールを有し、フライホイールモジュールの入力軸は燃焼機関に接続されることができるとともに出力軸が変速機の第1の入/出力軸に接続されることができ、結合点と変速機の第1または第2の入/出力軸との間に第5カップリングが配置される。第5カップリングは、非作動状態(non−energized state)において開くことが好ましい。
【0025】
好ましくは、全ての構成部品は、フライホイールを除いて、変速機のハウジングに開放して接続される(in open connection to)または変速機のハウジングと一体であるさらなるハウジング内にある。
【0026】
本発明はさらに、運転中の車両の燃焼機関の始動方法に関するもので、車両は、燃焼機関に加えて被駆動車輪と、それらの間に配置される本発明による動力伝達装置を有し、運転中、第1カップリングは開いているとともに第2および第5カップリングは閉じられる。この方法に関して、本発明は、第5カップリングが滑る方法で作動し、この場合に第1カップリングが閉じられるとともに燃焼機関が始動され、その後第5カップリングは完全に閉じられる、ことを特徴とする。
【0027】
さらに、本発明は、発進中の車両の燃焼機関の始動方法に関するもので、車両は、燃焼機関に加えて被駆動車輪、およびそれらの間に配置される本発明による動力伝達装置を有し、車両の発進時において、第1カップリングは開いており、第2カップリングは閉じられるとともに第5カップリングはスリップモードにある。この方法に関して、本発明は、第5カップリングが完全に閉じられる前に、第1カップリングが閉じられ、この場合に燃焼機関が始動され、その後第5カップリングは完全に閉じられる、ことを特徴とする。
【0028】
本発明は、本発明によるフライホイールモジュールおよび動力伝達装置の実施形態の例を参照してより詳細に以下にさらに説明されるとともに図面に示される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、減速ギヤユニットが遊星歯車装置および摩擦ブレーキとして構成される、本発明によるフライホイールモジュールの第1実施形態を示す。
【図2】図2は、減速ギヤユニットが歯車変速機およびカップリングとして構成される、本発明によるフライホイールモジュールの第2実施形態を示す。
【図3】図3は、フライホイールユニットがさらに第1カップリングの第1カップリング半部に接続される、本発明によるフライホイールモジュールの第3実施形態を示す。
【図4】図4は、第5カップリングが結合点と変速機との間に存在する、本発明によるフライホイールモジュールの第4実施形態を示す。
【図5】図5は、接続装置が遊星歯車装置および電気モータにより形成される、本発明によるフライホイールモジュールの第5実施形態を示す。
【図6】図6は、油圧システムを有する、本発明によるフライホイールモジュールの第6実施形態を示す。
【図7】図7は、フライホイールモジュールがカップリング手段を備える、本発明によるフライホイールモジュールの第7実施形態を示す。
【図8】図8は、図7に示されたフライホイールモジュールの変形を示す。
【図9】図9は、図7に示されたフライホイールモジュールの変形を示す。
【図10】図10は、図7に示されたフライホイールモジュールの変形を示す。
【図11】図11は、図8に示されたフライホイールモジュールの具体的な実施形態を示す。
【図12】図12は、図9に示されたフライホイールモジュールの具体的な実施形態を示す。
【図13】図13は、図10に示されたフライホイールモジュールの具体的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本発明によるフライホイールモジュールの第1実施形態の動力伝達装置を有する車両のレイアウトを示す。車両1は、動力伝達装置を介して被駆動車輪5に接続された駆動源3を有する。動力伝達装置は、変速機7および駆動源と変速機との間に配置されたフライホイールモジュール9を有する。
【0031】
フライホイールモジュール9は、カップリングユニット11およびフライホイールユニット13を有する。カップリングユニットは、駆動源に接続された入力軸15、および変速機7の第1の入/出力19に接続された出力軸17を有する。変速機の第2の入/出力21は被駆動車輪5に接続される。カップリングユニットはさらに、入力軸に接続された第1カップリング半部25、および出力軸に接続された第2カップリング半部27を有する。
【0032】
フライホイールユニットは、入/出力28、フライホイール29、および、フライホイールに接続された入力33とフライホイールユニットの入/出力に接続された出力35とを有する減速ギヤユニット31を有する。減速ギヤユニットは、減速伝動装置および減速伝動装置に接続された接続装置を有する。減速ギヤユニットは、減速伝動装置および接続装置からなる。減速伝動装置はこの場合遊星歯車装置37により形成されるとともに、接続装置は摩擦ブレーキ39により形成される。遊星歯車装置37は、3つの回転部材を有し、その第1回転部材はフライホイール29に接続され、第2回転部材は結合点41を介して接続装置11に接続され、第3回転部材は摩擦ブレーキ39に接続される。
【0033】
図2は、本発明による第2実施形態のフライホイールモジュールを有する車両のレイアウトを示す。図1に示された第1実施形態のものと等しい全ての要素は同様の参照番号により示される。このフライホイールモジュールは、減速ギヤユニット31が歯車変速機45および摩擦カップリングとして構成された第2カップリング47を備えるという点で第1実施形態とは異なる。フライホイール29と減速ギヤユニット31との間に第3カップリング(図示せず)までもが配置されていてもよい。
【0034】
図3は、本発明による第3実施形態のフライホイールモジュールを有する車両のレイアウトを示す。図1に示された第1実施形態のものと等しい全ての要素は同様の参照番号により示される。このフライホイールモジュール49は、フライホイールユニット13の入/出力28と結合点41との間にさらなる減速伝動装置51を有する。この減速伝動装置51は、3つの回転部材を有するさらなる遊星歯車装置により形成され、その第1回転部材は入/出力28に接続され、第2回転部材は結合点41に接続され、第3回転部材は、例えば動力伝達装置のハウジングなど、固定物53に接続される。
【0035】
このフライホイールモジュール49では、フライホイールユニット13の入/出力28はさらに、第1カップリング23の第1カップリング半部25に第4カップリング55を介して接続される。第1カップリング23および第4カップリング55はいずれも摩擦カップリングとして構成される。
【0036】
図4は、本発明による第4実施形態のフライホイールモジュールを有する車両のレイアウトを示す。図3に示された第3実施形態のものと等しい全ての要素は同様の参照番号により示される。このフライホイールモジュール57は、さらに第5カップリング57が結合点41と無段変速機7との間に配置されるという点で第3実施形態とは異なる。その上、第1カップリング23および第4カップリング55はいずれも噛合いクラッチ(claw coupling)またはシンクロメッシュとして構成される。
【0037】
図5は、本発明による第5実施形態のフライホイールモジュールを有する車両のレイアウトを示す。図2に示された第2実施形態のものと等しい全ての要素は同様の参照番号により示される。このフライホイールモジュール59では、第3カップリング61が歯車変速機45とフライホイール29との間に配置される。さらに、この場合、接続装置が遊星歯車装置63および接続補助装置65により形成され、この接続補助装置65はこの実施形態において電気モータにより形成されるとともに遊星歯車装置の回転部材の一つに接続される。この実施形態では、(破線で示される)さらなるカップリング67が遊星歯車装置63の3つの回転部材のうちの2つの間に配置されてもよい。加えて、さらなるフライホイール69が、さらにもう1つのカップリング71(同様に破線で示される)を介して減速伝動装置45に接続され得る。
【0038】
図6は、本発明による第6実施形態のフライホイールモジュールを有する車両のレイアウトを示す。図2に示された第2実施形態のものと等しい全ての要素は同様の参照番号により示される。このフライホイールモジュール73では、電気モータ/ジェネレータ75の形態の電気機械および油圧(液圧)ポンプ77が結合点44に接続されるとともに、その上、油圧(液圧)アキュムレータ79がポンプ77に接続される。ここでも、結合点と変速機7の第1の入/出力軸19との間に第5カップリング81がある。しかし、第5カップリング81は変速機7の第2の軸に設置されてもよい(81‘により示される)。第1カップリング23は、通常は閉じられるカップリング、つまりこのカップリングが操作/作動されていない場合に閉じられるカップリングであることが好ましい。
【0039】
このフライホイールモジュール73では、電気モータ75はポンプ77の近くに設置され、そのうえ、フリーホイールベアリング80が一方におけるポンプ77および電気モータ75と他方における結合点41との間に設置される。ポンプとアキュムレータとの間には、2つの間の接続を閉めるまたは解放するためのバルブ78がある。電気モータ75は、ポンプ77を変速機7の入力軸19より高い速度にすることに役立つことができるので、ポンプはさらに小型化され得る。電気モータ75は、その間に油圧アキュムレータがチャージされるスタート−ストップモードで作動する。
【0040】
車両の発進の前に、カップリング81が最初に閉じられるとともにカップリング23が解放される。今や車両は電気モータ75で発進され得る一方、カップリング23、81および変速機7を操作するための圧力は油圧アキュムレータ79により供給される。
【0041】
運転中(カップリング81が閉じられるとともにカップリング23が開く)に車両の駆動源3を始動するために、カップリング23が開いている間にカップリング81が滑る方法で作動する。続いて、燃焼機関として具体化された駆動源3が始動される間にカップリング23が閉じられ、その後カップリング81が完全に閉じられる。
【0042】
図7は、本発明による第7実施形態のフライホイールモジュールを示す。このフライホイールモジュール83は、入力軸15を駆動源3に接続するための第1カップリング手段85、および、出力軸17を変速機7に接続するための第2カップリング手段87を有する。第1および第2カップリング手段は、入力軸および出力軸15、17の上または中にあるスプラインとして構成される。
【0043】
図8、9および10は、図7に示すフライホイールモジュールの3つの変形を示す。図8に示すフライホイールモジュール89では、さらなる減速伝動装置91が減速ギヤユニット31とカップリングユニット11との間に存在する。そして、第2カップリング47はまた、2つの減速伝動装置45と49の間の代わりに減速伝動装置45とフライホイール29との間(47‘で示す)、またはさらなる減速伝動装置49と結合点41との間(47“で示す)に設置されてもよい。図9に示すフライホイールモジュール93では、第3カップリング95が、減速ギヤユニット31とフライホイール29との間にさらに設置される。図10に示すフライホイールモジュール97では、電気モータ99がさらなる減速伝動装置91に接続される。
【0044】
図11、12、および13には、図8、9、および10に示されたフライホイールモジュール89、93、および97の具体的な実施形態が示される。図11に示すフライホイールモジュール89では、入力軸15が外歯スプライン85を有し、出力軸17が中空であるとともに内歯スプライン87を有する。図12に示すフライホイールモジュール93では、フライホイール29は内部が負圧である気密ハウジング101内に設置される。第3カップリング95が、一方のカップリング半部がハウジング101の内部に設置されるとともに他方のカップリング半部がハウジングの外部に設置される磁気カップリングとして構成される。図13に示すフライホイールモジュール97では、電気モータ99がさらなる減速伝動装置91の歯車を有する軸上の歯車に噛合う。
【0045】
本発明は図面を参照して上述のように説明されたが、本発明が決して図面に示された実施形態に限定されないことを留意すべきである。本発明はまた、クレームにより定義される精神および範囲内で、図面に示された実施形態から外れる如何なる実施形態にも及ぶ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源と変速機を備える車両に使用されるフライホイールモジュールは:
−カップリングユニットであって:
−前記駆動源に接続され得る入力軸と、
−前記変速機に接続され得る出力軸と、を有し、
前記入力軸と前記出力軸との間にある第1カップリングであって、
−前記入力軸に接続された第1カップリング半部と、
−前記出力軸に接続された第2カップリング半部と、を有する第1カップリングと、
を有する、カップリングユニット、
および、
−入/出力を有するフライホイールユニットであって:
iii) フライホイールと、
iv) 減速ギヤユニットであって、
前記フライホイールに接続された入力と、前記フライホイールユニットの前記入/出力に接続された出力とを有するとともに、
a)減速伝動装置、および、
b)前記減速伝動装置に接続された接続装置、を有する、
減速ギヤユニットと、
を含むフライホイールユニットと、を有し、
前記フライホイールユニットは前記入/出力を介して前記カップリングユニットに接続され、前記入/出力は結合点を介して前記第1カップリングの前記第2カップリング半部および/または前記出力軸に接続される、ことを特徴とする、
フライホイールモジュール。
【請求項2】
前記第1カップリングは、作動されていない場合に閉じられるように構成される、
請求項1に記載のフライホイールモジュール。
【請求項3】
前記フライホイールモジュールは、前記結合点に接続された液圧ポンプをさらに含む、
請求項1または2に記載のフライホイールモジュール。
【請求項4】
前記フライホイールモジュールは、前記ポンプに接続された液圧バッファをさらに含む、
請求項3に記載のフライホイールモジュール。
【請求項5】
前記フライホイールモジュールは、前記ポンプを駆動することができる電気モータ、および、一方において前記電機モータを加えた前記ポンプと他方において前記結合点との間に配置されるフリーホイールベアリングをさらに有する、
請求項4に記載のフライホイールモジュール。
【請求項6】
前記フライホイールモジュールは、
前記入力軸を前記駆動源に接続するための第1カップリング手段、および、
前記出力軸を前記変速機に接続するための第2カップリング手段を、さらに含み、
前記第1および前記第2カップリング手段は前記入力軸および前記出力軸の上にまたは中にあるスプラインとして構成される、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のフライホイールモジュール。
【請求項7】
前記減速伝動装置が歯車変速機により形成される、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のフライホイールモジュール。
【請求項8】
前記接続装置が前記減速伝動装置に接続された第2カップリングにより形成され、前記減速伝動装置は前記第2カップリングと前記フライホイールとの間に配置される、
請求項7に記載のフライホイールモジュール。
【請求項9】
前記第1カップリングは、作動されていない場合に閉じられるように構成される、
請求項8に記載のフライホイールモジュール。
【請求項10】
前記接続装置は、接続補助装置および3つの回転部材を有する遊星歯車装置を有し、前記遊星歯車装置の第1回転部材は前記接続補助装置に接続され、第2回転部材は前記歯車変速機に接続され、第3回転部材は前記フライホイールホイールユニットの前記入/出力に接続される
請求項7に記載のフライホイールモジュール。
【請求項11】
前記接続補助装置は電気モータを有する、
請求項10に記載のフライホイールモジュール。
【請求項12】
前記接続補助装置はブレーキを有する、
請求項10に記載のフライホイールモジュール。
【請求項13】
前記フライホイールユニットは、前記歯車変速機に接続されたさらなるフライホイールをさらに含む、
請求項7乃至12のいずれか1項に記載のフライホイールモジュール。
【請求項14】
前記減速伝動装置が遊星歯車装置により形成されるとともに前記接続装置が摩擦ブレーキにより形成され、前記遊星歯車装置は3つの回転部材を有し、前記遊星歯車装置の第1回転部材は前記フライホイールに接続され、第2回転部材は前記減速ギヤユニットの前記出力に接続され、第3回転部材は前記摩擦ブレーキに接続される、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のフライホイールモジュール。
【請求項15】
第3カップリングが前記フライホイールと前記減速ギヤユニットとの間に配置される、
請求項1乃至14のいずれか1項に記載のフライホイールモジュール。
【請求項16】
前記フライホイールは、内部が負圧である気密ハウジング内に設置され、前記第3カップリングは、一方のカップリング半部が前記ハウジングの内部に設置されて前記フライホイールに接続されるとともに他方のカップリング半部が前記ハウジングの外部に設置される磁気カップリングとして構成される、
請求項15に記載のフライホイールモジュール。
【請求項17】
前記フライホイールユニットの前記入/出力はさらに、前記第1カップリングの前記第1カップリング半部に接続され、第4カップリングが前記フライホイールモジュールの前記入/出力と前記第1カップリング半部との間に配置される、
請求項1乃至16のいずれか1項に記載のフライホイールモジュール。
【請求項18】
さらなる減速伝動装置が、前記フライホイールモジュールの前記入/出力と前記結合点との間に配置される、
請求項1乃至17のいずれか1項に記載のフライホイールモジュール。
【請求項19】
前記フライホイールモジュールは、前記結合点に、または、前記フライホイールモジュールの前記入/出力と前記結合点との間に配置されるさらなる減速伝動装置がある場合の前記さらなる減速伝動装置に接続される、電気機械をさらに含む、
請求項1乃至18のいずれか1項に記載のフライホイールモジュール。
【請求項20】
燃焼機関として構成される駆動源と被駆動車輪とを有する車両用動力伝達装置であって、前記動力伝達装置は、第1の入/出力軸と前記被駆動車輪に接続され得る第2の入/出力軸とを有する変速機、および、請求項1乃至19のいずれか1項に記載のフライホイールモジュールを有し、前記フライホイールモジュールの前記入力軸は前記燃焼機関に接続されることができるとともに前記出力軸が前記変速機の前記第1の入/出力軸に接続されることができ、前記結合点と前記変速機の前記第1または前記第2の入/出力軸との間に第5カップリングが配置される。
【請求項21】
前記第1カップリングは、作動されていない場合に閉じられるように構成される、
請求項20に記載の動力伝達装置。
【請求項22】
全ての構成部品は、前記フライホイールを除いて、前記変速機の前記ハウジングに開放して接続されるまたは前記変速機の前記ハウジングと一体であるさらなるハウジング内にある、
請求項20または21に記載の動力伝達装置。
【請求項23】
運転中の車両の燃焼機関の始動方法であって、前記車両は、前記燃焼機関に加えて被駆動車輪と、それらの間に配置される請求項20乃至22のいずれか1項に記載の動力伝達装置を有し、運転中、前記第1カップリングは開いているとともに前記第2および前記第5カップリングは閉じられる、前記始動方法は、
前記第5カップリングは滑る方法で作動し、この場合に前記第1カップリングが閉じられて前記燃焼機関が始動され、その後前記第5カップリングは完全に閉じられる、ことを特徴とする。
【請求項24】
発進中の車両の燃焼機関の始動方法に関するもので、前記車両は、前記燃焼機関に加えて被駆動車輪、およびそれらの間に配置される請求項20乃至22のいずれか1項に記載の動力伝達装置を有し、前記車両の発進時において、前記第1カップリングは開いており、前記第2カップリングは閉じられるとともに前記第5カップリングはスリップモードにある、前記始動方法であって、
前記第5カップリングが完全に閉じられる前に、前記第1カップリングが閉じられ、この場合に前記燃焼機関が始動され、その後前記第5カップリングは完全に閉じられる、ことを特徴とする。
【請求項1】
駆動源と変速機を備える車両に使用されるフライホイールモジュールは:
−カップリングユニットであって:
−前記駆動源に接続され得る入力軸と、
−前記変速機に接続され得る出力軸と、を有し、
前記入力軸と前記出力軸との間にある第1カップリングであって、
−前記入力軸に接続された第1カップリング半部と、
−前記出力軸に接続された第2カップリング半部と、を有する第1カップリングと、
を有する、カップリングユニット、
および、
−入/出力を有するフライホイールユニットであって:
iii) フライホイールと、
iv) 減速ギヤユニットであって、
前記フライホイールに接続された入力と、前記フライホイールユニットの前記入/出力に接続された出力とを有するとともに、
a)減速伝動装置、および、
b)前記減速伝動装置に接続された接続装置、を有する、
減速ギヤユニットと、
を含むフライホイールユニットと、を有し、
前記フライホイールユニットは前記入/出力を介して前記カップリングユニットに接続され、前記入/出力は結合点を介して前記第1カップリングの前記第2カップリング半部および/または前記出力軸に接続される、ことを特徴とする、
フライホイールモジュール。
【請求項2】
前記第1カップリングは、作動されていない場合に閉じられるように構成される、
請求項1に記載のフライホイールモジュール。
【請求項3】
前記フライホイールモジュールは、前記結合点に接続された液圧ポンプをさらに含む、
請求項1または2に記載のフライホイールモジュール。
【請求項4】
前記フライホイールモジュールは、前記ポンプに接続された液圧バッファをさらに含む、
請求項3に記載のフライホイールモジュール。
【請求項5】
前記フライホイールモジュールは、前記ポンプを駆動することができる電気モータ、および、一方において前記電機モータを加えた前記ポンプと他方において前記結合点との間に配置されるフリーホイールベアリングをさらに有する、
請求項4に記載のフライホイールモジュール。
【請求項6】
前記フライホイールモジュールは、
前記入力軸を前記駆動源に接続するための第1カップリング手段、および、
前記出力軸を前記変速機に接続するための第2カップリング手段を、さらに含み、
前記第1および前記第2カップリング手段は前記入力軸および前記出力軸の上にまたは中にあるスプラインとして構成される、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のフライホイールモジュール。
【請求項7】
前記減速伝動装置が歯車変速機により形成される、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のフライホイールモジュール。
【請求項8】
前記接続装置が前記減速伝動装置に接続された第2カップリングにより形成され、前記減速伝動装置は前記第2カップリングと前記フライホイールとの間に配置される、
請求項7に記載のフライホイールモジュール。
【請求項9】
前記第1カップリングは、作動されていない場合に閉じられるように構成される、
請求項8に記載のフライホイールモジュール。
【請求項10】
前記接続装置は、接続補助装置および3つの回転部材を有する遊星歯車装置を有し、前記遊星歯車装置の第1回転部材は前記接続補助装置に接続され、第2回転部材は前記歯車変速機に接続され、第3回転部材は前記フライホイールホイールユニットの前記入/出力に接続される
請求項7に記載のフライホイールモジュール。
【請求項11】
前記接続補助装置は電気モータを有する、
請求項10に記載のフライホイールモジュール。
【請求項12】
前記接続補助装置はブレーキを有する、
請求項10に記載のフライホイールモジュール。
【請求項13】
前記フライホイールユニットは、前記歯車変速機に接続されたさらなるフライホイールをさらに含む、
請求項7乃至12のいずれか1項に記載のフライホイールモジュール。
【請求項14】
前記減速伝動装置が遊星歯車装置により形成されるとともに前記接続装置が摩擦ブレーキにより形成され、前記遊星歯車装置は3つの回転部材を有し、前記遊星歯車装置の第1回転部材は前記フライホイールに接続され、第2回転部材は前記減速ギヤユニットの前記出力に接続され、第3回転部材は前記摩擦ブレーキに接続される、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のフライホイールモジュール。
【請求項15】
第3カップリングが前記フライホイールと前記減速ギヤユニットとの間に配置される、
請求項1乃至14のいずれか1項に記載のフライホイールモジュール。
【請求項16】
前記フライホイールは、内部が負圧である気密ハウジング内に設置され、前記第3カップリングは、一方のカップリング半部が前記ハウジングの内部に設置されて前記フライホイールに接続されるとともに他方のカップリング半部が前記ハウジングの外部に設置される磁気カップリングとして構成される、
請求項15に記載のフライホイールモジュール。
【請求項17】
前記フライホイールユニットの前記入/出力はさらに、前記第1カップリングの前記第1カップリング半部に接続され、第4カップリングが前記フライホイールモジュールの前記入/出力と前記第1カップリング半部との間に配置される、
請求項1乃至16のいずれか1項に記載のフライホイールモジュール。
【請求項18】
さらなる減速伝動装置が、前記フライホイールモジュールの前記入/出力と前記結合点との間に配置される、
請求項1乃至17のいずれか1項に記載のフライホイールモジュール。
【請求項19】
前記フライホイールモジュールは、前記結合点に、または、前記フライホイールモジュールの前記入/出力と前記結合点との間に配置されるさらなる減速伝動装置がある場合の前記さらなる減速伝動装置に接続される、電気機械をさらに含む、
請求項1乃至18のいずれか1項に記載のフライホイールモジュール。
【請求項20】
燃焼機関として構成される駆動源と被駆動車輪とを有する車両用動力伝達装置であって、前記動力伝達装置は、第1の入/出力軸と前記被駆動車輪に接続され得る第2の入/出力軸とを有する変速機、および、請求項1乃至19のいずれか1項に記載のフライホイールモジュールを有し、前記フライホイールモジュールの前記入力軸は前記燃焼機関に接続されることができるとともに前記出力軸が前記変速機の前記第1の入/出力軸に接続されることができ、前記結合点と前記変速機の前記第1または前記第2の入/出力軸との間に第5カップリングが配置される。
【請求項21】
前記第1カップリングは、作動されていない場合に閉じられるように構成される、
請求項20に記載の動力伝達装置。
【請求項22】
全ての構成部品は、前記フライホイールを除いて、前記変速機の前記ハウジングに開放して接続されるまたは前記変速機の前記ハウジングと一体であるさらなるハウジング内にある、
請求項20または21に記載の動力伝達装置。
【請求項23】
運転中の車両の燃焼機関の始動方法であって、前記車両は、前記燃焼機関に加えて被駆動車輪と、それらの間に配置される請求項20乃至22のいずれか1項に記載の動力伝達装置を有し、運転中、前記第1カップリングは開いているとともに前記第2および前記第5カップリングは閉じられる、前記始動方法は、
前記第5カップリングは滑る方法で作動し、この場合に前記第1カップリングが閉じられて前記燃焼機関が始動され、その後前記第5カップリングは完全に閉じられる、ことを特徴とする。
【請求項24】
発進中の車両の燃焼機関の始動方法に関するもので、前記車両は、前記燃焼機関に加えて被駆動車輪、およびそれらの間に配置される請求項20乃至22のいずれか1項に記載の動力伝達装置を有し、前記車両の発進時において、前記第1カップリングは開いており、前記第2カップリングは閉じられるとともに前記第5カップリングはスリップモードにある、前記始動方法であって、
前記第5カップリングが完全に閉じられる前に、前記第1カップリングが閉じられ、この場合に前記燃焼機関が始動され、その後前記第5カップリングは完全に閉じられる、ことを特徴とする。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2012−516417(P2012−516417A)
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−547841(P2011−547841)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【国際出願番号】PCT/NL2010/050039
【国際公開番号】WO2010/087705
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(507130624)ディーティーアイ グループ ビー.ブイ. (11)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【国際出願番号】PCT/NL2010/050039
【国際公開番号】WO2010/087705
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(507130624)ディーティーアイ グループ ビー.ブイ. (11)
【Fターム(参考)】
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