説明

フラットガスケット

ストッパ部材(144)の実効ストッパ高さを簡単な方法で、ストッパ部材(144)の厚み(d)とは異なる値に調節することができる、少なくとも1つのガスケットプレート(102)を有し、前記ガスケットプレートが少なくとも1つの貫通孔(116)と少なくとも1つのシールビード(124)とを有し、前記シールビードが貫通孔(116)の周りに延びており、かつ貫通孔(116)へ向いた側においては内側のビード基部(130)によって、貫通孔(116)とは逆の側においては外側のビード基部(132)によって画成されており、かつ内側のビード基部(130)と外側のビード基部(132)との間に延びるビード円頂部(134)を有しており、かつシールビード(124)の変形を制限する少なくとも1つの変形制限装置(142)を有し、前記変形制限装置が、ガスケットプレート(102)のストッパ支持面(146)上に配置された少なくとも1つのストッパ部材(144)を有しているフラットガスケット、特にシリンダヘッドガスケット(100)を提供するために、ストッパ支持面(146)が、外側のビード基部(132)に隣接し、シールビード(124)の外部に位置し、ガスケットプレート(102)のストッパ支持面(146)と同じ側に配置されているガスケットプレートの表面における部分に対して、ストッパ支持面(146)に対して垂直に延びる方向(160)にオフセット(Δ)だけ変位していることが提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのガスケットプレートであって、そのガスケットプレートが少なくとも1つの貫通孔と少なくとも1つのシールビードとを有し、そのシールビードが貫通孔の周りに延びており、かつ貫通孔へ向いた側において内側のビード基部によって、貫通孔とは逆の側において外側のビード基部によって画成されており、かつ内側のビード基部と外側のビード基部との間に延びるビード円頂部を有している前記ガスケットプレートと、シールビードの変形を制限する少なくとも1つの変形制御装置とを有し、その変形制限装置が、ガスケットプレートのストッパ支持面上に配置された少なくとも1つのストッパ部材を有しているフラットガスケット、特にシリンダヘッドガスケットに関する。
【背景技術】
【0002】
その場合に、シールビードは、シールを取り付ける場合に、シールすべき構成部品とガスケットとを互いに対して締め付けるボルトの力が、ビード円頂部に沿ったラインプレスへ集中することをもたらす。
【0003】
変形制限装置(ストッパとも称される)は、高さ方向に変形可能なシールビードを、許されないほどの大きな変形に対して保護する。この種の変形制限装置が、同時にフラットガスケットの部分的な肥厚部を表し、その肥厚部によって、フラットガスケットに隣接する構成部品が付勢されて、動的なシール間隙振動が減少される。
【0004】
この種の変形制限装置は、たとえば、リング形状のストッパ部材がガスケットプレート上に溶接されることによって、あるいはガスケットプレートの、貫通孔を包囲するリング形状の端縁領域が折り曲げられて、ガスケットプレートのストッパ支持面上にストッパ部材として折り返されることによって形成することができる。
【0005】
その場合に、実効ストッパ高さは、それぞれストッパ部材の厚みに相当する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、ストッパ部材の実効ストッパ高さを、簡単な方法でストッパ部材の厚みとは異なる値に調節することができる冒頭で挙げた種類のフラットガスケットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1の前文の特徴を有するフラットガスケットにおいて、本発明によれば、ストッパ支持面が、ガスケットプレートの表面の外側のビード基部に隣接し、シールビードの外部に位置する部分(ガスケットプレートの、ストッパ支持面と同じ側に配置されている)に対して、ストッパ支持面に対して垂直の方向にオフセットだけ変位していることによって解決される。
【0008】
従って本発明に基づく解決は、ストッパ部材の厚みの変化によってではなく、ストッパ支持面の高さ水準の変化によって実効ストッパ高さを変化させるというコンセプトに基づいている。
【0009】
その場合に、実効ストッパ高さは、原則的にストッパ部材の厚みに対して増大させ、あるいは減少させることができる。
【0010】
好ましくは、実効ストッパ高さは、ストッパ支持面を変位させることによって、ストッパ部材の厚みに対して減少される。
【0011】
本発明の好ましい形態において、オフセットは、ストッパ部材の厚みの少なくとも約10%、好ましくは約20%である。
【0012】
さらに、オフセットが、約20μm、好ましくは約40μmであると効果的である。
【0013】
さらに、本発明の好ましい実施形態において、オフセットは、ストッパ部材の厚みよりも小さい。
【0014】
特に、オフセットが、0.3mmよりも小さいと効果的である。
【0015】
ストッパ部材は、ガスケットプレートにおけるシールビードのビード円頂部が膨出する側に配置することができる。
【0016】
その代わりに、ストッパ部材を、ガスケットプレートにおけるシールビードのビード円頂部が膨出する側とは逆の側に配置することもできる。
【0017】
本発明に基づくフラットガスケットは、1層または複数層で形成することができる。
【0018】
特に、フラットガスケットは、シールビードとストッパ部材とを備えたガスケットプレートの他に、さらに、貫通孔の周りに延びる少なくとも1つのシールビードを備えた、少なくとも1つの他のガスケットプレートを有することができる。
【0019】
この場合において、特に、ストッパ部材が直接、あるいは他のガスケットプレート部分の支持によって間接的に、複数のシールビードのための変形制限部材として作用することができる。
【0020】
本発明の好ましい形態において、フラットガスケットは、シールビードとストッパ部材とを備えたガスケットプレートの他に、さらに、少なくとも2つの他のガスケットプレートを有し、それらの間に、シールビードとストッパ部材とを有するガスケットプレートが配置されている。
【0021】
さらに、フラットガスケットが、シールビードとストッパ部材とを備えたガスケットプレートの他に、さらに、屈曲部を備えた少なくとも1つの支持体プレートを有することができる。
【0022】
支持体プレートのこの屈曲部の高さは、ストッパ支持面のオフセットに実質的に相当するようにすることができる。
【0023】
この場合において、支持体プレートの変位されない領域を越えて張り出す変位された領域(好ましくはストッパ部材によって、あるいはストッパ部材を備えたガスケットプレートの、ストッパ支持面を形成する部分によって支持される)を、フラットガスケットの他のガスケットプレートにおけるシールビードのための変形制限装置として用いられるようにすることができる。
【0024】
この種の変形制限装置の実効ストッパ高さを、ストッパ支持面のオフセットの高さに対して減少させることができるようにするために、貫通孔の周りに延びる支持体プレートの変位された領域が、支持体プレートの変位された領域の外部に位置する領域よりも小さな厚みを有することができる。
【0025】
支持体プレートの変位された領域の厚みをこのように減少させることは、たとえば、刻印プロセスによって得ることができる。
【0026】
本発明の好ましい形態において、屈曲部を有する支持体プレートが、シールビードとストッパ部材とを備えたガスケットプレートに直接隣接する。
【0027】
この場合において、ストッパ部材を備えたガスケットプレートの異なる高さ水準にある領域が、支持体プレートの変位されない領域に、あるいは支持体プレートの変位された領域に、従って異なる高さ水準において支持体プレートに支持されることが可能である。
【0028】
支持体プレートの変位された領域は、特に、シールビードとストッパ部材とを備えたガスケットプレートとは逆の側へ向かって屈曲することができる。
【0029】
さらに、フラットガスケットは、少なくとも1つの他のガスケットプレートを有することができ、それは、貫通孔の周りに延びる少なくとも1つのシールビードを有し、かつ支持体プレートのシールビードとストッパ部材とを備えたガスケットプレートとは逆の側に配置されている。この場合において、支持体プレートの変位された領域は、上記の他のガスケットプレートのシールビードのための変形制限部材として用いることができる。
【0030】
ストッパ部材と、ガスケットプレートの表面におけるシールビードの外側のビード基部に隣接する部分との間のオフセットは、たとえば、シールビードとストッパ部材とを有するガスケットプレートが、シールビードの内側のビード基部とストッパ部材との間に延びる屈曲部を有することによって形成することができる。
【0031】
その場合に、特に、ガスケットプレートの変位された領域が、ガスケットプレートのシールビードのビード円頂部が膨出する側へ向かって屈曲されるようにすることができる。
【0032】
その代わりに、ガスケットプレートの変位された領域が、シールビードのビード円頂部が膨出する側とは異なる側へ向かって屈曲されるようにすることもできる。
【0033】
ストッパ支持面と、ガスケットプレートの表面における外側のビード基部に隣接する部分との間のオフセットが、屈曲によって形成される場合に、シールビードは、そのビード円頂部を通ってストッパ支持面に対して垂直に延びる平面に関して、実質的に対称に形成することができる。
【0034】
ガスケットプレートの屈曲によって、ストッパ支持面とガスケットプレートの表面における外側のビード基部に隣接する部分との間のオフセットを形成することに加えて、あるいはその代わりに、シールビードが、そのビード円頂部を通ってストッパ支持面に対して垂直に延びる平面に関して非対称に形成されており、内側のビード基部が、外側のビード基部とは異なる高さ水準に延びるようにすることもできる。
【0035】
その場合に、外側のビード基部は、内側のビード基部に対して、ガスケットプレートにおけるシールビードのビード円頂部が膨出する側へ向かって変位することができる。
【0036】
その代わりに、外側のビード基部が、内側のビード基部に対して、ガスケットプレートにおけるシールビードのビード円頂部が膨出する側とは逆の側へ向かって変位することもできる。
【0037】
フルビードが対称に形成されている場合に、内側のビード基部は、ビード円頂部から径方向の距離bを有しており、それは、ビード円頂部からの外側のビード基部の径方向の距離bと同じ大きさである。
【0038】
内側のビード基部が外側のビード基部とは異なる高さ水準に延びるように、シールビードが、そのビード円頂部を通ってストッパ支持面に対して垂直に延びる平面に関して非対称に形成されている場合に、それにもかかわらず、ビード円頂部からの内側のビード基部の径方向の距離bが、ビード円頂部からの外側のビード基部の径方向の距離bと実質的に等しい大きさであることができる。
【0039】
しかし、この場合において、対称に形成されているフルビードと比較し得るシールビードの力−変形の特性曲線を得るために、ビード円頂部から内側のビード基部までの径方向の距離bを、ビード円頂部からの外側のビード基部までの径方向の距離bと異なるようにすることもできる。
【0040】
特に、ビード円頂部に対してより大きい高さ差を有するビード基部におけるビード円頂部からの径方向の距離を、ビード円頂部に対してより小さい高さ差を有するビード基部における場合よりも大きくすることができる。
【0041】
ストッパ部材は、原則的に、任意の方法でガスケットプレートに形成することができる。
【0042】
ストッパ部材は、たとえば、ガスケットプレートとは別に形成されて、次に、たとえば溶接、半田付けまたは接着によって、ガスケットプレートのストッパ支持面に固定される部材として形成することができる。
【0043】
さらに、ストッパ部材は、ストッパ支持面上に設けられたコーティングとして形成することができる。
【0044】
その代りに、ストッパ部材が、シールビードとストッパ部材とを有するガスケットプレートの折り曲げられた領域として形成されるようにすることもできる。
【0045】
従ってこの場合においては、ストッパ部材は、ガスケットプレートと一体的に形成され、そのガスケットプレートのストッパ支持面にストッパ部材が配置されている。
【0046】
ガスケットプレートのために使用される金属材料が、小さい破断伸びを有する場合でも、ガスケットプレートの端縁領域を折り返すことによって、任意の幅のストッパ部材を形成することができるようにするために、ストッパ部材が複数の切込みを有しており、その切込みが、ストッパ部材の貫通孔とは逆の端縁から貫通孔の方向に延びていると効果的である。
【0047】
ガスケットプレートの端縁領域を折り返す場合に、これらの切込みは、ストッパ部材の貫通孔とは逆の端縁において広がるので、周囲の応力が全く、あるいはわずかしか発生せず、それによって任意の幅のストッパ部材を形成することができる。
【0048】
その場合に、フラットガスケットの好ましい形態において、ストッパ部材の長手方向に互いに連続する切込みの間におけるストッパ部材の端縁の切込みのない領域の平均的な長さは、ストッパ部材の端縁におけるストッパ部材の長手方向の切込みの平均的な長さよりも大きい。
【0049】
ストッパ部材は、ガスケットプレートの貫通孔の端縁領域に切込みを形成し、次に端縁領域を折り返すことによって、形成することができる。
【0050】
切込みは、たとえば、機械的な切断によって、打抜きによって、あるいはレーザーカットによって形成することができる。
【0051】
本発明の好ましい形態において、切込みは、ガスケットプレートへ実質的に材料損失なしで切り込むことによって形成されている。その場合に、切込みの側方の端縁は、折り返す前は実質的に互いに平行に延びている。
【0052】
本発明の他の特徴と利点が、実施例の以下の説明および図面表示の対象である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】シリンダヘッドガスケットの金属のガスケットプレートを図式的に示す上面図であって、ガスケットプレートが燃焼室貫通孔を有しており、その燃焼室貫通孔がシールビードによって包囲されており、かつその燃焼室貫通孔の端縁に、折り畳みフランジとして形成されたストッパ部材が配置されている。
【図2】図1に符号Iで示される領域を拡大して表示している。
【図3】フラットガスケットの図式的な横断面を示しており、そのフラットガスケットは、燃焼室貫通孔の端縁領域内に、図1と2に基づくビードを備えたガスケットプレートと、ビードを備えた他の2つのガスケットプレートおよび屈曲された支持体プレートを有し、ストッパ部材を有するガスケットプレートに、シールビードの内側のビード基部とストッパ部材との間に屈曲部が設けられており、かつストッパ部材がガスケットプレートにおけるシールビードのビード円頂部が膨出する側に配置されている。
【図4】フラットガスケットの第2の実施形態を、図3と同様に図式的に示す断面図であって、ストッパ部材は、シールビードを有するガスケットプレートの、シールビードのビード円頂部が膨出する側とは逆の側に配置されている。
【図5】フラットガスケットの第3の実施形態を、図3と同様に図式的に示す断面図であって、ストッパ部材を備えたガスケットプレートのシールビードが、ビード円頂部を通ってフラットガスケットの主要面に対して垂直に延びる平面に関して非対称に形成されており、支持体プレートにおけるストッパ部材を有するガスケットプレートへ向いた側に屈曲部が設けられており、ストッパ部材を有するガスケットプレートとは逆の側に段部が設けられている。
【図6】フラットガスケットの第4の実施形態を、図5と同様に図式的に示す断面図であって、シールビードの内側のビード基部が、外側のビード基部よりも大きいビード円頂部からの径方向の距離を有し、支持体プレートが、屈曲部を有しており、かつ燃焼室貫通孔の変位された端縁領域内で変位された領域の外部における支持体プレートの厚みよりも小さい厚みに減少されている。
【図7】フラットガスケットの第5の実施形態を、図4と同様に図式的に示す断面図であって、別に形成されたリング形状のストッパ部材が、シールビードを有するガスケットプレートにおけるシールビードのビード円頂部が膨出する側とは逆の側に溶接されている。
【発明を実施するための形態】
【0054】
同一または機能的に等価の部材は、すべての図において同一の参照符号で示されている。
【0055】
全体を符号100で示すシリンダヘッドガスケットの、図1から3に示す第1の実施形態は、第1の金属のガスケットプレート102、第1の金属のガスケットプレート102に隣接する第1のカバー層106の形式の第2のガスケットプレート104、第1の金属のガスケットプレート102における第1のカバー層106とは逆の側に配置されている第2のカバー層110の形式の第3の金属のガスケットプレート108および第1の金属のガスケットプレート102と第2のカバー層110との間に配置されている支持体プレート114の形式の第4の金属のガスケットプレート112を有している。
【0056】
シリンダヘッドガスケット100のすべてのプレートまたは層には、それぞれ互いに整合する燃焼室貫通孔116、オイル通路貫通孔または水通路貫通孔118、固定ボルト貫通孔120および、この例においては、チェーンボックス貫通孔122が設けられている。
【0057】
第1の金属のガスケットプレート102と2つのカバー層106と110は、弾性的なばね鋼薄板から、たとえば材料番号1.4310(DIN17440またはEN10088−3)を有するばね鋼の薄板から形成されている。
【0058】
材料番号1.4310を有するばね鋼は、以下の化学的組成を有している:0.05から0.15重量パーセントのC;最大で2.00重量パーセントのSi;最大で2.00重量パーセントのMn;最大で0.045重量パーセントのP;最大で0.015重量パーセントのS;16.00から19.00重量パーセントのCr;最大で0.80重量パーセントのMo;6.00から9.50重量パーセントのNi;最大で0.11重量パーセントのN;残りがFe。
【0059】
第1のガスケットプレート102の材料は、好ましくは、少なくとも1350N/mm2の抗張力と80mmの初期測定長さにおいて約5%から約22%の破断伸び(A80mm)を有している。
【0060】
ガスケットプレート102とカバー層106および110の厚みdは、たとえば、約0.2mmから約0.25mmである。
【0061】
支持体プレート114は、柔らかい、可塑変形可能な鋼薄板から、たとえば材料番号1.0338(EN10027−2)から形成されている。
【0062】
材料番号1.0338を有する鋼は、以下の化学的組成を有している:最大0.08重量パーセントのC;最大で0.4重量パーセントのMn;最大で0.03重量パーセントのP;最大で0.03重量パーセントのS;残りがFe。
【0063】
その代りに、支持体プレート114は、たとえば、材料番号1.0330(EN10027−2)を有する鋼の薄板から形成することができる。
【0064】
材料番号1.0330を有する鋼は、以下の化学的組成を有している;最大で0.0120重量パーセントのC;最大で0.045重量パーセントのP;最大で0.045重量パーセントのS;最大で0.600重量パーセントのMn;残りがFe。
【0065】
支持体プレート114は、好ましくは、比較的小さい抗張力(好ましくは最大で約400N/mm2の抗張力)とビードを備えた弾性的なガスケットプレート102、104および108の金属の材料よりも高い80mmの初期測定長さにおける破断伸び(A80mm)を有する金属の材料(好ましくは少なくとも24%)から形成されている。
【0066】
ガスケットプレート102、104および108の各々には、それぞれ少なくとも1つのビード124、126および128が形成されており、そのビードは、それぞれ燃焼室貫通孔116の1つの周りに延びている。また、ガスケットプレート102、104および108の各々に、それぞれのガスケットプレートのすべての燃焼室貫通孔116の周りに延びる、それぞれ1つのビードのみを設けることもできる。
【0067】
ビード124、126および128の各々は、フルビードとして形成されており、その、燃焼室貫通孔116へ向いた側においては内側のビード基部130によって、その燃焼室貫通孔116とは逆の側においては外側のビード基部132によって画成されている。各ビード124、126および128の内側のビード基部130と外側のビード基部132との間に、ビード円頂部134が延びており、ビード124のビード円頂部134aとビード126のビード円頂部134bは、互いに向き合っており、ビード128のビード円頂部134cは、第1のガスケットプレート102へ向かって膨出している。
【0068】
ビード124、126および128は、それらのそれぞれのビード円頂部134を通り、ガスケットプレートの主要面に対して垂直に延びる平面136に関して、実質的に鏡対称に形成されているので、ビード円頂部134と内側のビード基部130の間の径方向の距離bは、ビード円頂部134と外側のビード基部132との間の径方向の距離bと実質的に等しい大きさである。
【0069】
さらに、外側のビード基部に隣接し、ビード124の外部に位置し、ガスケットプレート102のビード円頂部134aが膨出する側に配置されているガスケットプレート102の表面における部分138は、ガスケットプレート102の主要面に対して垂直の方向160に関して、内側のビード基部130に隣接し、同様にビード124の外部に位置するガスケットプレート102の表面における部分140(高さ水準h)と、同一の高さ水準(h)にある。
【0070】
燃焼室貫通孔116を包囲するビード124、126および128は、弾性的に高さ方向に変形可能である。
【0071】
内燃機関の駆動中に生じるシール間隙変化に基づく、ビード124、126および128の損傷を回避するために、シリンダヘッドガスケット100は、変形制限装置142を有しており、その変形制限装置が、第1のガスケットプレート102に配置されたストッパ部材144を有しており、そのストッパ部材は、燃焼室貫通孔116の端縁に沿って折り曲げられて、第1のガスケットプレート102のストッパ支持面146上へ折り返された、第1のガスケットプレート102の端縁領域として形成されている。
【0072】
従って、ストッパ部材144が、燃焼室貫通孔116の端縁領域内で、第1のガスケットプレート102の厚みを増大させるので、ビード124と126は、もはや許容されない程に変形されず、従って損傷されることがない。
【0073】
このようにして、任意の幅のストッパ部材144を形成することができるようにするために、第1のガスケットプレート102の、燃焼室貫通孔116に隣接する端縁領域内に、ストッパ部材144を折り返す前に、多数の切込み148が形成され、その切込みは、ストッパ部材144をストッパ支持面146上に折り返した後に、ストッパ部材144の自由な外側の端縁150から径方向内側へ向かって、すなわち燃焼室貫通孔116へ向かって延びており、ストッパ部材144と燃焼室貫通孔116の周方向に沿って実質的に等距離で互いに連続して配置されている(特に図2を参照)。
【0074】
燃焼室貫通孔116の周方向に沿って互いに連続する切込み148の角距離は、好ましくは約1°と約20°の間にある。
【0075】
切込み148は、たとえば、機械的な切断工具による切込みによって、機械的な打抜き工具による打抜きによって、あるいはレーザービームによるレーザーカットによって形成される。
【0076】
好ましくは、切込み148は、実質的に材料損失なしで、折り返す前にストッパ部材144に形成される。
【0077】
ストッパ部材144を折り返した後に、切込み148の側方の端縁152は、図2に示すように、互いに対してくさび状に延びている。
【0078】
折り返した後に、ストッパ部材144の長手方向に互いに連続する切込み148の間の、ストッパ部材144の自由な外側の端縁150の切込みのない領域の平均の長さLは、ストッパ部材144の長手方向におけるそれの自由な外側の端縁150における切込み148の平均の長さIよりも大きい。
【0079】
ストッパ部材144は、第1のガスケットプレート102の燃焼室貫通孔116に隣接する端縁領域を折り返すことによって形成されるので、ストッパ部材144の厚みdは、第1のガスケットプレート102の厚みdに相当する。
【0080】
ビード124の変形を制限するために有効なストッパ部材144の実効高さd’は、ストッパ部材144におけるストッパ支持面146とは逆の外側面154が、ガスケットプレート102の表面における外側のビード基部132に隣接する部分138を越えて張り出す張出しに相当する。
【0081】
この張出しd’を、ガスケットプレート102の厚みdに対して減少させるために、内側のビード基部130とストッパ部材144の自由な外側の端縁150との間において、ガスケットプレート102に屈曲部156が設けられている。
【0082】
この屈曲部156は、屈曲部156と燃焼室貫通孔116との間に位置するガスケットプレート102の変位された領域158が、境界156の径方向外側に位置するガスケットプレート102の部分に対して、ガスケットプレート102におけるストッパ部材144とは逆の側へ向かって、高さΔだけ屈曲されるように形成されている。
【0083】
この屈曲部156によって、高さ水準hにあるストッパ支持面146が、外側のビード基部132に隣接し、ビード124の外部に位置する第1のガスケットプレート102の表面における部分138(ガスケットプレート102におけるストッパ支持面146と同じ側に配置されている)に対して、ストッパ支持面146に対して垂直に延びる方向160にオフセットΔだけ変位されている。
【0084】
このオフセットΔによって、ストッパ部材144の実効ストッパ高さd’が、第1のガスケットプレート102の厚みdに対して、値(d−Δ)に減少される。
【0085】
オフセットΔは、たとえば約20μmから約40μmとすることができる。
【0086】
シリンダヘッドガスケット100の圧縮された駆動状態において、ビード124のビード基部130および132と、第1のガスケットプレート102の変位された領域158とが、支持体プレート114上に載置されて、それに支持されることができるようにするために、支持体プレート114にも屈曲部162が設けられており、その屈曲部は、第1のガスケットプレート102の屈曲部156と同一の高さΔを有し、かつ径方向において第1のガスケットプレート102の屈曲部156と第1のガスケットプレート102のビード124との間に配置されている。
【0087】
屈曲部162は、燃焼室貫通孔116に隣接する支持体プレート114の変位された領域164が、第3のガスケットプレート108へ向かって屈曲されるように形成されている。
【0088】
それによって、第1のガスケットプレート102の変位された領域158とストッパ部材144とによって支持される支持体プレート114の変位された領域164が、屈曲部162の高さΔに相当する実効ストッパ高さを有する第3のガスケットプレート108のビード128のための変形制限装置として作用する。
【0089】
支持体プレート114の厚みDは、ビードを有するガスケットプレート102、104および108の厚みよりも好ましくは大きく、たとえば約0.3mmから約0.8mmであることができる。
【0090】
ビードを有するガスケットプレート102、104および108の厚みdは、好ましくは約0.1mmから約0.3mmである。
【0091】
ビード124、126および128の全体幅(b+b)は、好ましくは約2mmから約3mmの領域にある。
【0092】
図4に示す、シリンダヘッドガスケット100の第2の実施形態は、この第2の実施形態においてはストッパ部材144が、第1のガスケットプレート102における第1のカバー層106へ向いた側にではなく、その代わりに第1のガスケットプレート102における支持体プレート114へ向いた側に配置されていることによって、上述した第1の実施形態と区別され、それは、ストッパ部材144を形成する第1のガスケットプレート102の端縁領域が、上方ではなく、下方に折り曲げられて、第1のガスケットプレート102上へ折り返されていることによって得られる。
【0093】
その結果、この場合において、第1のガスケットプレート102の屈曲部156は、ストッパ部材144の実効ストッパ高さを減少させるために、第1のガスケットプレート102の変位された領域158が、支持体プレート114へ向かってではなく、その代わりに第1のカバー層106へ向かって高さΔだけ屈曲されるように形成される。
【0094】
シリンダヘッドガスケット100のこの実施形態において、この屈曲部に基づいて、ここでは支持体プレート114へ向いたストッパ支持面146が、外側のビード基部132に隣接し、ビード124の外部に位置する第1のガスケットプレート102の表面における部分138(ガスケットプレート102の、ストッパ支持面146と同じ側に配置されている)に対して、ストッパ支持面146に対して垂直に延びる方向160にオフセットΔだけ変位している。
【0095】
このオフセットΔによって、第1のガスケットプレート102における支持体プレート114に向いた側で、ビード基部130、132を越えて張り出すストッパ部材144の張出しが値(d−Δ)に減少される。
【0096】
その他において、図4に示すシリンダヘッドガスケット100の第2の実施形態は、構造と機能に関して図1から3に示す実施形態と一致し、その限りにおいて上述したその説明が参照される。
【0097】
図5に示す、シリンダヘッドガスケット100の第3の実施形態は、ストッパ支持面146と、第1のガスケットプレート102における外側のビード基部132に隣接する部分138との間のオフセットΔが、ストッパ部材144と第1のガスケットプレート102のビード124の間の屈曲部によってではなく、ビード124の非対称の形態によって形成されることによって、図1から3に示す第1の実施形態と区別される。
【0098】
そのために、ビード124は、内側のビード基部130が、外側のビード基部132よりオフセットΔだけ低い位置にあるように形成される。
【0099】
この実施形態において、ビード円頂部134からの内側のビード基部130の径方向の距離bは、ビード円頂部134からの外側のビード基部132の径方向の距離bと、実質的に等しい大きさである。
【0100】
この実施形態においては、支持体プレート114の屈曲部162は、第1のガスケットプレート102の内側のビード基部130の径方向外側に配置されているので、ビード124の内側のビード基部130は、支持体プレート114における高さΔだけ変位された領域164上に載置され、外側のビード基部132は、支持体プレート114の変位されない領域上に載置される。
【0101】
シリンダヘッドガスケット100のこの実施形態において、内側のビード基部130が外側のビード基部132に対して高さΔだけ支持体プレート114へ向かって変位していることによって、この実施形態においては支持体プレート114とは逆の側を向いているストッパ支持面146も、外側のビード基部132に隣接し、ビード124の外部に配置されている第1のガスケットプレート102の表面における部分138(ガスケットプレート102におけるストッパ支持面146と同じ側に配置されている)に対して、ストッパ支持面146に対して垂直に延びる方向160にオフセットΔだけ変位している。
【0102】
それによって、ストッパ部材144の実効ストッパ高さが、値(d−Δ)に減少される。
【0103】
最初の2つの実施形態においては、ストッパ部材144と第1のガスケットプレート102のビード124との間に設けられている屈曲部156は、この実施形態においては省かれている。しかし、原則的に、所望のオフセットΔを得るために、ビード124の非対称の形状をビード124とストッパ部材144との間に設けられる屈曲部と組み合わせることも可能である。
【0104】
さらに、図5に示す、シリンダヘッドガスケット100の第3の実施形態において、支持体プレート114の変位された領域164の厚みD’は、支持体プレート114の変位されない領域170の厚みDに対して、刻印プロセスによって減少されている。この刻印プロセスによって、支持体プレート114の屈曲部もその第1のガスケットプレート102とは逆の側において、高さΔ’の段部166に減少されており、その場合にΔ’=Δ+D’−Dが成り立つ。
【0105】
さらに、支持体プレート114の刻印プロセスは、段部166が、第2のカバー層110のビード128の径方向内側に配置されるように実施される。
【0106】
このようにして、支持体プレート114における段部166の径方向内側に位置する領域は、第2のカバー層110のビード128のための変形制限装置として作用し、この変形制限装置の実効ストッパ高さΔ’は、支持体プレート114の変位された領域164の厚みの減少によって、屈曲部162の高さΔに対して減少されている。
【0107】
その他において、図5に示す、シリンダヘッドガスケット100の第3の実施形態は、構造と機能に関して図1から3に示す第1の実施形態と一致し、その限りにおいて上述したその説明が参照される。
【0108】
図6に示す、シリンダヘッドガスケット100の第4の実施形態は、第1のガスケットプレート102のビード124が、ビード基部130と132の高さ水準に関してだけでなく、ビード円頂部134からのビード基部130と132の径方向の距離に関しても非対称に形成されていることによって、図5に示す第3の実施形態と区別される。
【0109】
すなわち、ビード124は、ビード円頂部134に対して、より大きい高さ差を有する内側のビード基部130が、ビード円頂部134を通って延びる平面136から、より大きい距離bで延びており、ビード円頂部134に対して、より小さい高さ差を有する外側のビード基部132が、平面136から、より小さい距離bで延びるように形成されている。
【0110】
燃焼室貫通孔116へ向いた側(b)と燃焼室貫通孔116とは逆の側(b)におけるビード124の幅がこのように異なることによって、非対称に形成されたビード124が、対称に形成されたフルビードに匹敵する力−変形の特性曲線を有することができる。
【0111】
たとえば、ビード円頂部134からの内側のビード基部130の径方向の距離bは、約1.4mmから約1.5mmの領域にあることができ、ビード円頂部134からの外側のビード基部132の径方向の距離bは、約1.1mmから約1.3mmの領域にあることができる。
【0112】
図6に示す第4の実施形態においても、支持体プレート114の変位された領域164の厚みD’は、変位されない領域170における支持体プレート114の厚みDに比較して、刻印プロセスによって減少されている。
【0113】
もちろん、この刻印プロセスは、図5に示す第3の実施形態におけるものとは異なり、支持体プレート114の主要面に対して垂直に延びる段部166は形成されず、その代りに支持体プレート114の主要面に対して鋭角で傾斜された領域168が生じるように形成されている。
【0114】
この実施形態においても、支持体プレート114の下方の主要面を越えて大きさΔ’=Δ+D’−Dだけ突出する支持体プレート114の変位された領域164が、オフセットΔに対して減少された実効ストッパ高さΔ’を有する第3のガスケットプレート108のビード128のための変形制限装置を形成している。
【0115】
その他において、図6に示す、シリンダヘッドガスケット100の第4の実施形態は、構造と機能に関して図5に示す第3の実施形態と一致し、その限りにおいて上述したその説明が参照される。
【0116】
図7に示されるシリンダヘッドガスケット100の第5の実施形態は、ストッパ部材144が第1のガスケットプレート102の折り曲げられた端縁領域としてではなく、その代わりにガスケットプレート102とは別に製造されたリング形状の部材として形成されており、それがストッパ支持面146上に載置されて、それと溶接されていることによって、図4に示す第2の実施形態と区別される。
【0117】
この溶接は、燃焼室貫通孔116の周りを連続的に一周する1つまたは複数の溶接線を用いて、あるいは燃焼室貫通孔116に沿って一周する1列または複数列の溶接点を用いて行うことができ、その溶接点において、互いに連続する溶接点は互いに重なり合い、あるいは互いから分離して配置することができる。
【0118】
図7に示す実施例において、溶接されたリング形状のストッパ部材144の厚みd’は、第1のガスケットプレート102の厚みdと、実質的に等しい大きさである。
【0119】
しかしまた、原則的に、ストッパ部材144の厚みd’を、第1のガスケットプレート102の厚みdより小さく、あるいは大きく選択することも可能である。
【0120】
その他において、図7に示すシリンダヘッドガスケット100の第5の実施形態は、構造と機能に関して図4に示す第2の実施形態と一致し、その限りにおいて上述したその説明が参照される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのガスケットプレート(102)を有し、前記ガスケットプレートは、少なくとも1つの貫通孔(116)と、少なくとも1つのシールビード(124)とを有し、前記シールビードが貫通孔(116)の周りに延びており、かつ貫通孔(116)へ向いた側においては内側のビード基部(130)によって、貫通孔(116)とは逆の側においては外側のビード基部(132)によって画成されており、かつ内側のビード基部(130)と外側のビード基部(132)との間に延びるビード円頂部(134)を有しており、かつ、シールビード(124)の変形を制限する少なくとも1つの変形制限装置(142)を有し、前記変形制限装置が、ガスケットプレート(102)のストッパ支持面(146)上に配置された少なくとも1つのストッパ部材(144)を有しているフラットガスケット、特にシリンダヘッドガスケット(100)において、
ストッパ支持面(146)が、外側のビード基部(132)に隣接し、シールビード(124)の外部に位置し、ガスケットプレート(102)のストッパ支持面(146)と同じ側に配置されているガスケットプレート(102)の表面における部分(138)に対して、ストッパ支持面(146)に対して垂直に延びる方向(160)にオフセット(Δ)だけ変位していることを特徴とするフラットガスケット。
【請求項2】
オフセット(Δ)が、ストッパ部材(144)の厚み(d)の少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約20%であることを特徴とする請求項1に記載のフラットガスケット。
【請求項3】
オフセット(Δ)が、少なくとも約20μm、好ましくは約40μmであることを特徴とする請求項1または2に記載のフラットガスケット。
【請求項4】
オフセット(Δ)が、ストッパ部材(144)の厚み(d)よりも小さいことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のフラットガスケット。
【請求項5】
オフセット(Δ)が、約0.3mmより小さいことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のフラットガスケット。
【請求項6】
ストッパ部材(144)が、ガスケットプレート(102)におけるシールビード(124)のビード円頂部(134)が膨出する側に配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のフラットガスケット。
【請求項7】
ストッパ部材(144)が、ガスケットプレート(102)におけるシールビード(124)のビード円頂部(134)が膨出する側とは逆の側に配置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のフラットガスケット。
【請求項8】
フラットガスケットが、多層で形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のフラットガスケット。
【請求項9】
フラットガスケットが、シールビード(124)とストッパ部材(144)とを備えたガスケットプレート(102)の他に、さらに、貫通孔(116)の周りに延びる少なくとも1つのシールビード(126、128)を備えた少なくとも1つの他のガスケットプレート(104、108)を有していることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のフラットガスケット。
【請求項10】
フラットガスケットが、シールビード(124)とストッパ部材(144)とを備えたガスケットプレート(102)の他に、さらに、少なくとも2つの他のガスケットプレート(104、108)を有しており、前記他のガスケットプレートの間にシールビード(124)とストッパ部材(144)とを備えたガスケットプレート(102)が配置されていることを特徴とする請求項8または9に記載のフラットガスケット。
【請求項11】
フラットガスケットが、シールビード(124)とストッパ部材(144)とを備えたガスケットプレート(102)の他に、さらに、屈曲部(162)を備えた少なくとも1つの支持体プレート(114)を有していることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のフラットガスケット。
【請求項12】
屈曲部(162)の高さが、ストッパ支持面(146)のオフセット(Δ)に実質的に相当することを特徴とする請求項11に記載のフラットガスケット。
【請求項13】
支持体プレート(114)における貫通孔(116)の周りに延びる変位された領域(164)が、支持体プレート(114)の変位された領域(164)の外部に位置する領域(170)よりも小さい厚み(D’)を有していることを特徴とする請求項11または12に記載のフラットガスケット。
【請求項14】
屈曲部(162)を有する支持体プレート(114)が、シールビード(124)とストッパ部材(144)とを備えたガスケットプレート(102)に直接隣接していることを特徴とする請求項11から13のいずれか1項に記載のフラットガスケット。
【請求項15】
支持体プレート(114)の変位された領域(164)が、シールビード(124)とストッパ部材(144)とを備えたガスケットプレート(102)とは逆の側へ向かって屈曲されていることを特徴とする請求項11から14のいずれか1項に記載のフラットガスケット。
【請求項16】
フラットガスケットが、少なくとも1つの他のガスケットプレート(108)を有しており、前記他のガスケットプレートが、貫通孔(116)の周りに延びるシールビード(128)を有し、かつ支持体プレート(114)におけるシールビード(124)とストッパ部材(144)とを備えたガスケットプレート(102)とは逆の側に配置されていることを特徴とする請求項11から15のいずれか1項に記載のフラットガスケット。
【請求項17】
シールビード(124)とストッパ部材(144)とを備えたガスケットプレート(102)が、内側のビード基部(130)とストッパ部材(144)との間に延びる屈曲部(156)を有していることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載のフラットガスケット。
【請求項18】
ガスケットプレート(102)の変位された領域(158)が、ガスケットプレート(102)におけるシールビード(124)のビード円頂部(134)が膨出する側へ向かって屈曲されていることを特徴とする請求項17に記載のフラットガスケット。
【請求項19】
ガスケットプレート(102)の変位された領域(158)が、ガスケットプレート(102)におけるシールビード(124)のビード円頂部(134)が膨出する側とは逆の側へ向かって屈曲されていることを特徴とする請求項17に記載のフラットガスケット。
【請求項20】
シールビード(124)が、そのビード円頂部(134)を通ってストッパ支持面(146)に対して垂直に延びる平面(136)に関して実質的に対称に形成されていることを特徴とする請求項17から19のいずれか1項に記載のフラットガスケット。
【請求項21】
シールビード(124)が、そのビード円頂部(134)を通ってストッパ支持面(146)に対して垂直に延びる平面(136)に関して非対称に形成されており、内側のビード基部(130)が、外側のビード基部(132)とは異なる高さ水準に延びていることを特徴とする請求項1から20のいずれか1項に記載のフラットガスケット。
【請求項22】
外側のビード基部(132)が、内側のビード基部(130)に対して、ガスケットプレート(102)におけるシールビード(124)のビード円頂部が膨出する側へ向かって変位していることを特徴とする請求項21に記載のフラットガスケット。
【請求項23】
外側のビード基部(132)が、内側のビード基部(130)に対して、ガスケットプレート(102)におけるシールビード(124)のビード円頂部が膨出する側とは逆の側へ向かって変位していることを特徴とする請求項21に記載のフラットガスケット。
【請求項24】
ビード円頂部(134)から内側のビード基部(130)までの径方向の距離(b)が、ビード円頂部(134)から外側のビード基部(132)までの径方向の距離(b)とは異なっていることを特徴とする請求項21から23のいずれか1項に記載のフラットガスケット。
【請求項25】
ビード円頂部(134)に対してより大きい高さの差を有するビード基部(130)におけるビード円頂部(134)からの径方向の距離(b、b)が、ビード円頂部(134)に対してより小さい高さの差を有するビード基部(132)の場合よりも大きいことを特徴とする請求項24に記載のフラットガスケット。
【請求項26】
ストッパ部材(144)が、シールビード(124)とストッパ部材(144)とを備えたガスケットプレート(102)の折り曲げられた領域として形成されていることを特徴とする請求項1から25のいずれか1項に記載のフラットガスケット。
【請求項27】
ストッパ部材(144)が、複数の切込み(148)を有しており、前記切込みが、ストッパ部材(144)の貫通孔(116)とは逆の端縁(150)から貫通孔(116)の方向へ延びていることを特徴とする請求項26に記載のフラットガスケット。
【請求項28】
ストッパ部材(144)の長手方向に連続する切込み(148)の間のストッパ部材(144)の端縁(150)の切込みのない領域の平均の長さ(L)が、ストッパ部材(144)の端縁(150)におけるストッパ部材(144)の長手方向の切込み(148)の平均の長さ(I)より大きいことを特徴とする請求項27に記載のフラットガスケット。
【請求項29】
切込み(148)が、機械的な切断によって、打抜きによって、あるいはレーザーカットによって形成されていることを特徴とする請求項27または28に記載のフラットガスケット。
【請求項30】
切込み(148)が、ガスケットプレート(102)へ実質的に材料損失なしで切り込むことによって形成されていることを特徴とする請求項27から29のいずれか1項に記載のフラットガスケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−543987(P2009−543987A)
【公表日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519805(P2009−519805)
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【国際出願番号】PCT/EP2007/003287
【国際公開番号】WO2008/009318
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(503103316)エルリンククリンガー アクチェンゲゼルシャフト (13)
【Fターム(参考)】