フラットパネル面照明システム
a)基材と、この基材上に形成された1つ以上の非ピクセル化光放出領域とを有するフラットパネルランプであって、当該ランプの少なくとも一つの光放出側からあらゆる方向に光を放出するフラットパネルランプと、b)このフラットパネルランプの光放出領域にわたって当該少なくとも一つの光放出側に配置された導光光学フィルムであって、光をそのフラットパネルランプの光放出側の表面に対して垂直な方向から離れる方向に優先的に導く導光光学フィルムとを含むフラットパネル面照明システムについて述べる。本発明のフラットパネルランプは、薄い形状を維持したまま、フラットパネルOLEDに導光機能を与える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットパネルランプによって提供される照明に関し、具体的にはフラットパネルランプからの光を導くための手段に関する。
【背景技術】
【0002】
フラットパネル光源は新しい照明技術であり、それらの形状因子および面発光は注目に値する。かかるランプは一般に比較的薄く、例えば厚さ数ミリメートルであり、かつランプの表面の大部分にわたって光を発する。この光は、一般にランプの表面からあらゆる方向に発せられる。しかし多くの用途では光が、例えば壁、天井、または床に優先的に向けられることが好ましい。
【0003】
白熱灯および蛍光灯など既存の市販の照明源は、一般にはその光を導くために用いられる照明器具に頼っている。このようなフィラメント、円筒電球、または固体発光ダイオード(LED)などのランプは一般に限られた面域から光を発し、十分な照明を得るには非常に明るくなければならない。したがってグレアのない快い環境を実現するには導光シェードが必要である。例えば白熱デスクまたはフロアスタンドは、通常その光を天井に向けて上方へ、また床に向けて下方へ導くシェードを有する。壁の装飾付ランプは、一般に壁に沿ってそれらの光を導く。天井灯は、目指す場所または作業の照明を提供する場合が多く、そうでなければ光を壁の方へ水平に導くレフレクターを含む。このようなランプは、特にシェードまたはレフレクターと組み合わされた場合、嵩だかである。光の方向の選択は、ランプの用途および場所、ならびにその照明を得るために用いられる技術に左右される。
【0004】
普及してはいないがフラットパネルランプは当産業界で知られており、光を得るために有機発光ダイオードを使用することができる。例えば、2004年4月1日公告の「OLED Lamp」という題のCokによる米国特許第20040061439A1号明細書はOLEDランプについて記載しており、このOLEDランプは、基材と;その基材上に形成された非ピクセル化OLEDであって、基材の第一縁部から基材の第二の反対側縁部に向かって延在する第一電極と、基材の第一縁部の近くの第一電極の部分を露出したまま残して第一電極の上に形成されたOLED発光構造体と、このOLED発光構造体にわたって形成され、基材の第二縁部に向かって延在する第二電極とを含む非ピクセルOLEDと;ランプに対する電気的接触を生じさせるために第一電極および第二電極の露出した部分を残して非ピクセルOLEDにわたって配置された封入カバーを含む。このようなOLEDランプは、剛性または可撓性の基材を有する器具を含むことができ、また、例えば同じ作者による「Lighting apparatus with flexible OLED area illumination light source and fixture」という題の、2003年12月4日に公告された米国特許第20030222559A1号明細書に教示されているようなランプシェードを含むこともできる。
【0005】
このような従来技術のOLEDフラットパネルランプの単純化した実例を図20に示す。図20を参照すると、フラットパネルランプ12は、第一電極102がその上に置かれている基材100、1または複数層の有機層104、および第二電極106を含む。このフラットパネルランプ12は、カバー110で包まれている。電極102および106の両端間に電圧を印加すると有機層104を通って電流が流れ、そのデバイスの設計に応じて基材100またはカバー110のどちらかを通って放出される光を生成する。この光放出領域は、電極と、基材100上の有機層102、104、および106の広がりとによって定められる。図2を参照すると、放出された光30は、ランプ12の全光放出表面からあらゆる方向へほぼ均等に放出される。図2中の光線を表す矢印の長さはほぼ等しく、矢印の方向に放出された光の量はほぼ等しいことを図式的に示している。これらのランプは、従来のランプよりもずっと広い面域にわたって光を放出するが、それらはまだ非常に明るい場合があり、シェーディングを必要とする場合がある。さらに照明設計によっては放出された光を特定の方向に導くことを必要とする場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
輝度向上フィルムおよび光転向フィルム(light turning film)などの光学フィルムが、例えば米国特許第6,707,611号明細書、第6,752,505号明細書、および第6,760,157号明細書中に記載されている。このようなフィルムは様々な用途、例えば蛍光または点光源LED発光体による側面または背面照明を有するLCDデバイスのバックライトにおいて光をコリメートまたは拡散するために一般に使用される。
【0007】
従来技術で述べられているようにフラットパネルランプは導光素子、例えばシェードまたは他の器具と連結した場合、平坦で薄い構成を維持しない。したがって方向性照明を提供しながらこの問題を克服する改良されたフラットパネル面照明システムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この必要性は、a)基材、この基材上に形成された1つ以上の非ピクセル化光放出領域とを有するフラットパネルランプであって、当該ランプの少なくとも一つの光放出側からあらゆる方向に光を放出するフラットパネルランプと、b)このフラットパネルランプの光放出領域にわたって当該少なくとも一つの光放出側上に配置された導光光学フィルム(light-directing optical film)であって、光をそのフラットパネルランプの光放出側の表面に対して垂直な方向から離れる方向に優先的に導く導光光学フィルムとを含むフラットパネル面照明システムを提供することによる本発明の一実施形態により満たされる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のフラットパネルランプシステムは、薄い形状を維持したままフラットパネルOLEDランプに導光機能を与える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1aを参照すると、フラットパネル面照明システム10は、基材とその基材上に形成された1つ以上の非ピクセル化光放出領域13とを有するフラットパネルランプ12であって、当該ランプ12の少なくとも片側からあらゆる方向に光30を放出するフラットパネルランプ12と、このフラットパネルランプの光放出領域13にわたって配置された導光光学フィルム14とを含む。この図1の導光光学フィルム14を図3において斜視図で示す。図3を参照すると、導光光学フィルム14は、その導光光学フィルム14の片側に平面40と、反対側に構造化表面42を含む。
【0011】
構造化表面42上に形成される構造体22は様々な形状、例えば、米国特許第6,707,611号、第6,752,505号および6,760,157号明細書中に記載されているような、隣接する複数の列の状態に形成された規則的な三角形プリズムまたは円柱形レンズの形状(図3および4に示す)を取ることができる。構造体22はその光放出領域13よりもずっと小さく、複数の構造体が各光放出領域と関連付けて設けられる。導光光学フィルム14は剛性または可撓性のどちらでもよく、また例えばPETなどのプラスチックまたはガラスから作られてもよく、当業界で知られている様々な方法、例えば射出ロール成形および型押を用いて構築することができる。様々な形状と構造的関係とが可能であり、例えばその構造体の形状は相異なっていてもよく、相異なるサイズを有しても相異なる角度で交わる部分を有してもよく、また尖ったまたは丸みのある頂部または空洞を有してもよい。
【0012】
図5aを参照すると、代替実施形態では構造体はくさび形で長軸26を有することができ、またその場合に、これらくさび形構造体の軸は共通の方向に並んでいる。このくさび形部分は湾曲した外側の縁部を有することもでき、また端部に湾曲部を有する長い一直線の部分を有することもできる。図5bを参照すると、これらくさび形部分は向かい合った対を形成することもできる。図6aおよび6bを参照すると、例えば本出願人が実施した代替実施形態の顕微鏡写真では、このくさび形部分の対は、軸が平行線を形成した列の状態に並んでいる。図6cおよび6dを参照すると、別の代替実施形態の顕微鏡写真では、これらくさび形部分は平行な軸を有するが、列を形成せず、一方向ではランダムに配置され、もう1つの方向では整列している。
【0013】
導光光学フィルム14の構造化表面42に形成されるこれら構造体22は、フラットパネルランプ12の光放出領域13よりもずっと小さく、これら構造体は光を像様に収束させるというよりもむしろフラットパネルランプ12からの光の向きを変える役目を果たす。これら構造体の実際の形状が、その光の向きを変える性質を定める。導光光学フィルム14および構造体22は、それら構造体間に形成されるギャップ24と比べて比較的高い屈折率の材料から形成される。ギャップ24は、例えば空気またはより低屈折率の材料であることができる。
【0014】
フラットパネル面照明システム10は基材を通して光を放出することができ、この光学フィルムをその基材上に配置する(図1aに示すように)ことができる。本発明の代替実施形態(図1bに示す)では、フラットパネル面照明システム10は、その光放出領域を覆い、基材に固定された封入カバーをさらに備えることができ、そのカバーを通して光を放出することができる。この実施形態では、光学フィルムは、カバー上に配置されるか、またはカバーに形成される(図1bの場合のように)。
【0015】
フラットパネルランプ12はOLEDランプであることができる。このようなランプは、当業界で知られているように片面または両面から光を放出することができ、可撓性でも剛性でもよく、また底部または頂部放出デバイスであることができる。図1aは底部放出の実施形態を示し、一方、図1bは頂部放出の実施形態を示す。
【0016】
本発明によれば導光光学フィルムは、光を優先的にそのフラットパネルランプの光放出側の表面に対して垂直な方向から離れる方向に導く。図7を参照すると、本発明の一実施形態で、このような効果は、導光光学フィルム14の構造化表面42がフラットパネルランプ12により放出された光を受けるように、フラットパネルランプの発光側に隣接して導光光学フィルムの構造化表面を使用することによって実現することができる。この構成では導光光学フィルム14は、光30の多くの量をそのフラットパネルランプおよびフィルムの表面に対して垂直な方向から離れる方向に向けることになる。各光30の光線の長さは、その光線の方向に放出された光の量を表す。より短い光線ほどより少量の光がその方向に放出されることを表し、より長い光線ほどより多量の光がその方向に放出されることを表す。これは、例えば米国特許第6,707,611号、第6,752,505号、および第6,760,157号明細書中に記載されているような、一般に構造体が様々な用途で光をコリメートまたは拡散させるために使用され、かつフィルムの光の出口側で使用される輝度向上フィルムおよび導光フィルムの従来技術の使用方法とは対照的である。本発明は、例えば壁の方へ天井に沿って光を導くことによってランプからのグレアを減らし、部屋または玄関の方に拡散反射させることができることが望ましいフラットパネル天井照明システムには特に役立つ可能性がある。この導光光学フィルムは、その構造体の頂部か、そのランプの縁部周辺か、またはそのランプの光放出領域内の特定の場所に塗布される接着剤によってフラットパネルランプに貼り付けることができる。
【0017】
図8に示す代替実施形態ではフラットパネルランプは、そのフラットパネルランプの両面およびその両面上に設けられた導光光学フィルムから光を放出することができる。この配置は、天井から吊り下げられた電灯に、また本質的にその両面に向けられた光を効率的に供給するのに役立つ。別法では各面上に設けられたフィルムは相異なることもでき、例えば片方の面上のフィルムは光を法線から離れる方向に向けることができ、一方もう片方の面上のフィルムは光を法線の方へ導くことができる。
【0018】
単一の導光光学フィルムは、その光を導く能力が限られる。様々な方向を向いたフィルムを組み合わせたものを使用することによって、より広範な導光の様式を得ることができる。例えば図9を参照すると、フラットパネルランプ12は、導光光学フィルム14aを覆って配置され、この導光光学フィルム14aに平行な第二の導光光学フィルム14bをさらに含むことができる。この第二の導光光学フィルム14bの構造体は導光光学フィルム14aの構造体に対して或る角度、例えば90度である。様々な角度、例えば60、45、または30度の倍数に配向された構造体を備えた追加の導光光学フィルムを積み重ねて、より広範な光方向の様相を得ることもできる。
【0019】
この設計は役に立つが、互いに積み重ねられた複数枚のフィルムを必要とするという制約を有し、コストを上昇させ、厚さを増す。さらに光学フィルムは完全には透明でなく、そのため光の一部がフィルム中で吸収されることになり、その照明システムの効率を低下させる。図10を参照すると、本発明の代替実施形態では、単一の導光光学フィルム14を複数の領域18に分割し、ある領域中の構造体を第二の領域中の構造体と異なる角度で配向させる。図10に示すようにこれら領域18は2つの型からなり、それぞれの型はもう一方の型に対して垂直方向に配向した類似の構造を有する。導光光学フィルム14の各領域18が、その好ましい方向に光を導くことになる。全体的にこれら領域18が光放出領域13と比べて相対的に小さい場合、それら領域18の導光特性は混ざり合う。図10に示すようにこれら構造体は、その光学フィルムの縁部に平行または直角である。図11に示す代替の配置では、それら構造体は導光光学フィルムの縁部に対して別の角度であり、ある特定の用途に適合するように構築することができる。領域18の型の数は2種類に限定されない。図12を参照すると4種類の相異なる導光領域18では、各領域18からの光を一緒にする放出プロファイルを与えるように、それらの構造体が相対的に0、45、90、および135度に配向されている。それら相異なる領域により導かれる光を知覚できる状態を低減させることが望ましい場合、それら領域をそのフラットパネルランプの大きさと比べて小さくしてもよく、またそれら異なる領域18をフラットパネルランプ12の光放出領域30の広がり全体にわたって交互してもよい。
【0020】
本発明の照明システムを構成するフラットパネルランプ12および導光光学フィルム14は、別々に製造することができる。いったん製造されたらこのフラットパネルランプ12および導光光学フィルム14を一般にはこのフィルムをランプに接着することによって組み合わせ、単一のフラットパネルデバイスを形成することができる。いったん組み込まれたらそのフラットパネルランプを点灯して、好ましい方向に光を放出するフラットパネル面照明システム提供することができる。この照明システムが望み通りに特定の照明空間内で機能することを確実にするために取付け時にこのシステムの向きを定めるように注意が払われなければならないことに留意されたい。ある好適な製造工程では、そのフラットパネルランプおよび導光光学フィルムを連続したロール状態のウェブから形成することができる。
【0021】
図13〜15を参照すると、図1aに示した導光光学フィルムおよびフラットパネルランプの性能が測定されている。これらの円形グラフは半球全体にわたる照明システムの相対的輝度を示しており、例えば円の中心点はランプの表面に対して直角に放出された光の量を示し、また円の縁部はランプの表面に対して水平に、中心点から表示した相対的方向に放出された光の量を示す。その点の明るさは光の輝度を表し、グラフの暗い領域は相対的に少ない光がその対応する方向に放出されたことを表す。
【0022】
図13は、導光光学フィルムのないOLEDフラットパネルランプの出力を示す。このグラフから分かるようにランプから放出される光は比較的等方性であり、好ましい方向を持たない、すなわち放出される光は実質的にランバーティアン(Lambertian)であり、かつほぼ等しい量の光が発光表面域のあらゆる点からあらゆる方向に放出される。この実験では、例えば基材に直角に放出される光の量は、他のどの方向に放出される光の量の2倍に満たない。図14を参照すると、図3に示したような三角形プリズムを有するフィルムを使用した図1aおよび7の構成からの光の出力を図示する。図14から知ることができるように光は優先的にその両側に向けられる。比較的少ない光がまっすぐ下方へ、または構造体の方向に放出される。この実験では、その優先方向に放出される光の量は、その最も優先的でない方向に放出される光の量の10倍を超える。図15を参照すると、図9の構成の性能が示されており、別個のフィルムの組合せが光を効率的に好ましい方向に導くことができ、複数の方向で異なる性能を有することを実証する。
【0023】
図16〜18は、図6a〜6dに示したくさび形構造を有する導光光学フィルムの効果を示す。図16は、フィルムを持たない第二のOLEDフラットパネルランプの性能を示す。図13の場合と同様に基材に直角に放出される光の量は、他のどの方向に放出される光の量の2倍に満たない。図17は、図6aおよび6bに示したくさび形構造体を有するフィルムを備えた同じランプの性能を示す。図6cおよび6dに示したくさび形構造体を有するフィルムの性能を同様に図18に示す。図17および図18から判るように、光は、それぞれの例においてその両側に優先的に向けられる。比較的少ない光がまっすぐ下方へ、またはくさび形構造の長軸方向に放出される。これらの実験ではその優先方向に放出される光の量は、その最も優先的でない方向に放射される光の量の5倍を超える。
【0024】
本発明のフラットパネル面照明システムはまた、その導光光学フィルムとフラットパネルランプの間に配置されるディフューザーを含むこともできる(図19)。このようなディフューザーは、そのフラットパネルランプの色度によって発せられる光中で見出すことができる色のいかなる角度依存性も低減させる点で有用であろうし、また、そのランプから放出される光の不均一性の出現を低減することができ、また、そのフラットパネルランプから放出される光の量を改善することができる。
【0025】
本発明は、これには限定されないがOLEDランプを含めた任意のフラットパネルランプと一緒に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1a】本発明の一実施形態によるフラットパネル面照明システムを示す概略図である。
【図1b】本発明の別の実施形態によるフラットパネル面照明システムを示す概略図である。
【図2】フラットパネルランプの従来技術の概略図である。
【図3】本発明の一実施形態による導光光学フィルムの斜視図である。
【図4】本発明の代替実施形態によるフラットパネル面照明システムを示す概略図である。
【図5a】導光構造体の斜視図である。
【図5b】導光構造体の斜視図である。
【図6a】導光構造体の顕微鏡写真図である。
【図6b】導光構造体の斜視図である。
【図6c】導光構造体の斜視図である。
【図6d】導光構造体の斜視図である。
【図7】図1aの実施形態からの光出力を示す概略図である。
【図8】本発明の別の代替実施形態によるフラットパネル面照明システムおよび光出力を示す概略図である。
【図9】本発明の別の代替実施形態による複数の導光光学フィルムを有するフラットパネル面照明システムを示す概略図である。
【図10】本発明の実施形態による導光光学フィルムの上面図である。
【図11】本発明の別の代替実施形態による導光光学フィルムの上面図である。
【図12】本発明のさらに別の代替実施形態による導光光学フィルムの上面図である。
【図13】OLEDフラットパネルランプの光出力を示すグラフである。
【図14】図1aの実施形態によるフラットパネル面照明システムの光出力を示すグラフである。
【図15】図9の実施形態によるフラットパネル面照明システムの光出力を示すグラフである。
【図16】別のOLEDフラットパネルランプの光出力を示すグラフである。
【図17】図6a〜bの代替実施形態によるフラットパネル面照明システムを示す概略図である。
【図18】図6c〜dの代替実施形態によるフラットパネル面照明システムを示す概略図である。
【図19】本発明の代替実施形態によるディフューザーを含むフラットパネル面照明システムを示す概略図である。
【図20】従来技術のOLEDフラットパネルランプの概略図である。
【符号の説明】
【0027】
10 フラットパネル照明システム
12 フラットパネルランプ
13 光放出領域
14 導光光学フィルム
14a 導光光学フィルム
14b 導光光学フィルム
18 導光光学フィルムの領域
20 ディフューザー
22 高複屈折材料構造体
24 低複屈折材料ギャップ
26 軸
30 光
40 平面
42 構造化表面
100 基材
102 電極
104 有機層
106 電極
110 封入カバー
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットパネルランプによって提供される照明に関し、具体的にはフラットパネルランプからの光を導くための手段に関する。
【背景技術】
【0002】
フラットパネル光源は新しい照明技術であり、それらの形状因子および面発光は注目に値する。かかるランプは一般に比較的薄く、例えば厚さ数ミリメートルであり、かつランプの表面の大部分にわたって光を発する。この光は、一般にランプの表面からあらゆる方向に発せられる。しかし多くの用途では光が、例えば壁、天井、または床に優先的に向けられることが好ましい。
【0003】
白熱灯および蛍光灯など既存の市販の照明源は、一般にはその光を導くために用いられる照明器具に頼っている。このようなフィラメント、円筒電球、または固体発光ダイオード(LED)などのランプは一般に限られた面域から光を発し、十分な照明を得るには非常に明るくなければならない。したがってグレアのない快い環境を実現するには導光シェードが必要である。例えば白熱デスクまたはフロアスタンドは、通常その光を天井に向けて上方へ、また床に向けて下方へ導くシェードを有する。壁の装飾付ランプは、一般に壁に沿ってそれらの光を導く。天井灯は、目指す場所または作業の照明を提供する場合が多く、そうでなければ光を壁の方へ水平に導くレフレクターを含む。このようなランプは、特にシェードまたはレフレクターと組み合わされた場合、嵩だかである。光の方向の選択は、ランプの用途および場所、ならびにその照明を得るために用いられる技術に左右される。
【0004】
普及してはいないがフラットパネルランプは当産業界で知られており、光を得るために有機発光ダイオードを使用することができる。例えば、2004年4月1日公告の「OLED Lamp」という題のCokによる米国特許第20040061439A1号明細書はOLEDランプについて記載しており、このOLEDランプは、基材と;その基材上に形成された非ピクセル化OLEDであって、基材の第一縁部から基材の第二の反対側縁部に向かって延在する第一電極と、基材の第一縁部の近くの第一電極の部分を露出したまま残して第一電極の上に形成されたOLED発光構造体と、このOLED発光構造体にわたって形成され、基材の第二縁部に向かって延在する第二電極とを含む非ピクセルOLEDと;ランプに対する電気的接触を生じさせるために第一電極および第二電極の露出した部分を残して非ピクセルOLEDにわたって配置された封入カバーを含む。このようなOLEDランプは、剛性または可撓性の基材を有する器具を含むことができ、また、例えば同じ作者による「Lighting apparatus with flexible OLED area illumination light source and fixture」という題の、2003年12月4日に公告された米国特許第20030222559A1号明細書に教示されているようなランプシェードを含むこともできる。
【0005】
このような従来技術のOLEDフラットパネルランプの単純化した実例を図20に示す。図20を参照すると、フラットパネルランプ12は、第一電極102がその上に置かれている基材100、1または複数層の有機層104、および第二電極106を含む。このフラットパネルランプ12は、カバー110で包まれている。電極102および106の両端間に電圧を印加すると有機層104を通って電流が流れ、そのデバイスの設計に応じて基材100またはカバー110のどちらかを通って放出される光を生成する。この光放出領域は、電極と、基材100上の有機層102、104、および106の広がりとによって定められる。図2を参照すると、放出された光30は、ランプ12の全光放出表面からあらゆる方向へほぼ均等に放出される。図2中の光線を表す矢印の長さはほぼ等しく、矢印の方向に放出された光の量はほぼ等しいことを図式的に示している。これらのランプは、従来のランプよりもずっと広い面域にわたって光を放出するが、それらはまだ非常に明るい場合があり、シェーディングを必要とする場合がある。さらに照明設計によっては放出された光を特定の方向に導くことを必要とする場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
輝度向上フィルムおよび光転向フィルム(light turning film)などの光学フィルムが、例えば米国特許第6,707,611号明細書、第6,752,505号明細書、および第6,760,157号明細書中に記載されている。このようなフィルムは様々な用途、例えば蛍光または点光源LED発光体による側面または背面照明を有するLCDデバイスのバックライトにおいて光をコリメートまたは拡散するために一般に使用される。
【0007】
従来技術で述べられているようにフラットパネルランプは導光素子、例えばシェードまたは他の器具と連結した場合、平坦で薄い構成を維持しない。したがって方向性照明を提供しながらこの問題を克服する改良されたフラットパネル面照明システムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この必要性は、a)基材、この基材上に形成された1つ以上の非ピクセル化光放出領域とを有するフラットパネルランプであって、当該ランプの少なくとも一つの光放出側からあらゆる方向に光を放出するフラットパネルランプと、b)このフラットパネルランプの光放出領域にわたって当該少なくとも一つの光放出側上に配置された導光光学フィルム(light-directing optical film)であって、光をそのフラットパネルランプの光放出側の表面に対して垂直な方向から離れる方向に優先的に導く導光光学フィルムとを含むフラットパネル面照明システムを提供することによる本発明の一実施形態により満たされる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のフラットパネルランプシステムは、薄い形状を維持したままフラットパネルOLEDランプに導光機能を与える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1aを参照すると、フラットパネル面照明システム10は、基材とその基材上に形成された1つ以上の非ピクセル化光放出領域13とを有するフラットパネルランプ12であって、当該ランプ12の少なくとも片側からあらゆる方向に光30を放出するフラットパネルランプ12と、このフラットパネルランプの光放出領域13にわたって配置された導光光学フィルム14とを含む。この図1の導光光学フィルム14を図3において斜視図で示す。図3を参照すると、導光光学フィルム14は、その導光光学フィルム14の片側に平面40と、反対側に構造化表面42を含む。
【0011】
構造化表面42上に形成される構造体22は様々な形状、例えば、米国特許第6,707,611号、第6,752,505号および6,760,157号明細書中に記載されているような、隣接する複数の列の状態に形成された規則的な三角形プリズムまたは円柱形レンズの形状(図3および4に示す)を取ることができる。構造体22はその光放出領域13よりもずっと小さく、複数の構造体が各光放出領域と関連付けて設けられる。導光光学フィルム14は剛性または可撓性のどちらでもよく、また例えばPETなどのプラスチックまたはガラスから作られてもよく、当業界で知られている様々な方法、例えば射出ロール成形および型押を用いて構築することができる。様々な形状と構造的関係とが可能であり、例えばその構造体の形状は相異なっていてもよく、相異なるサイズを有しても相異なる角度で交わる部分を有してもよく、また尖ったまたは丸みのある頂部または空洞を有してもよい。
【0012】
図5aを参照すると、代替実施形態では構造体はくさび形で長軸26を有することができ、またその場合に、これらくさび形構造体の軸は共通の方向に並んでいる。このくさび形部分は湾曲した外側の縁部を有することもでき、また端部に湾曲部を有する長い一直線の部分を有することもできる。図5bを参照すると、これらくさび形部分は向かい合った対を形成することもできる。図6aおよび6bを参照すると、例えば本出願人が実施した代替実施形態の顕微鏡写真では、このくさび形部分の対は、軸が平行線を形成した列の状態に並んでいる。図6cおよび6dを参照すると、別の代替実施形態の顕微鏡写真では、これらくさび形部分は平行な軸を有するが、列を形成せず、一方向ではランダムに配置され、もう1つの方向では整列している。
【0013】
導光光学フィルム14の構造化表面42に形成されるこれら構造体22は、フラットパネルランプ12の光放出領域13よりもずっと小さく、これら構造体は光を像様に収束させるというよりもむしろフラットパネルランプ12からの光の向きを変える役目を果たす。これら構造体の実際の形状が、その光の向きを変える性質を定める。導光光学フィルム14および構造体22は、それら構造体間に形成されるギャップ24と比べて比較的高い屈折率の材料から形成される。ギャップ24は、例えば空気またはより低屈折率の材料であることができる。
【0014】
フラットパネル面照明システム10は基材を通して光を放出することができ、この光学フィルムをその基材上に配置する(図1aに示すように)ことができる。本発明の代替実施形態(図1bに示す)では、フラットパネル面照明システム10は、その光放出領域を覆い、基材に固定された封入カバーをさらに備えることができ、そのカバーを通して光を放出することができる。この実施形態では、光学フィルムは、カバー上に配置されるか、またはカバーに形成される(図1bの場合のように)。
【0015】
フラットパネルランプ12はOLEDランプであることができる。このようなランプは、当業界で知られているように片面または両面から光を放出することができ、可撓性でも剛性でもよく、また底部または頂部放出デバイスであることができる。図1aは底部放出の実施形態を示し、一方、図1bは頂部放出の実施形態を示す。
【0016】
本発明によれば導光光学フィルムは、光を優先的にそのフラットパネルランプの光放出側の表面に対して垂直な方向から離れる方向に導く。図7を参照すると、本発明の一実施形態で、このような効果は、導光光学フィルム14の構造化表面42がフラットパネルランプ12により放出された光を受けるように、フラットパネルランプの発光側に隣接して導光光学フィルムの構造化表面を使用することによって実現することができる。この構成では導光光学フィルム14は、光30の多くの量をそのフラットパネルランプおよびフィルムの表面に対して垂直な方向から離れる方向に向けることになる。各光30の光線の長さは、その光線の方向に放出された光の量を表す。より短い光線ほどより少量の光がその方向に放出されることを表し、より長い光線ほどより多量の光がその方向に放出されることを表す。これは、例えば米国特許第6,707,611号、第6,752,505号、および第6,760,157号明細書中に記載されているような、一般に構造体が様々な用途で光をコリメートまたは拡散させるために使用され、かつフィルムの光の出口側で使用される輝度向上フィルムおよび導光フィルムの従来技術の使用方法とは対照的である。本発明は、例えば壁の方へ天井に沿って光を導くことによってランプからのグレアを減らし、部屋または玄関の方に拡散反射させることができることが望ましいフラットパネル天井照明システムには特に役立つ可能性がある。この導光光学フィルムは、その構造体の頂部か、そのランプの縁部周辺か、またはそのランプの光放出領域内の特定の場所に塗布される接着剤によってフラットパネルランプに貼り付けることができる。
【0017】
図8に示す代替実施形態ではフラットパネルランプは、そのフラットパネルランプの両面およびその両面上に設けられた導光光学フィルムから光を放出することができる。この配置は、天井から吊り下げられた電灯に、また本質的にその両面に向けられた光を効率的に供給するのに役立つ。別法では各面上に設けられたフィルムは相異なることもでき、例えば片方の面上のフィルムは光を法線から離れる方向に向けることができ、一方もう片方の面上のフィルムは光を法線の方へ導くことができる。
【0018】
単一の導光光学フィルムは、その光を導く能力が限られる。様々な方向を向いたフィルムを組み合わせたものを使用することによって、より広範な導光の様式を得ることができる。例えば図9を参照すると、フラットパネルランプ12は、導光光学フィルム14aを覆って配置され、この導光光学フィルム14aに平行な第二の導光光学フィルム14bをさらに含むことができる。この第二の導光光学フィルム14bの構造体は導光光学フィルム14aの構造体に対して或る角度、例えば90度である。様々な角度、例えば60、45、または30度の倍数に配向された構造体を備えた追加の導光光学フィルムを積み重ねて、より広範な光方向の様相を得ることもできる。
【0019】
この設計は役に立つが、互いに積み重ねられた複数枚のフィルムを必要とするという制約を有し、コストを上昇させ、厚さを増す。さらに光学フィルムは完全には透明でなく、そのため光の一部がフィルム中で吸収されることになり、その照明システムの効率を低下させる。図10を参照すると、本発明の代替実施形態では、単一の導光光学フィルム14を複数の領域18に分割し、ある領域中の構造体を第二の領域中の構造体と異なる角度で配向させる。図10に示すようにこれら領域18は2つの型からなり、それぞれの型はもう一方の型に対して垂直方向に配向した類似の構造を有する。導光光学フィルム14の各領域18が、その好ましい方向に光を導くことになる。全体的にこれら領域18が光放出領域13と比べて相対的に小さい場合、それら領域18の導光特性は混ざり合う。図10に示すようにこれら構造体は、その光学フィルムの縁部に平行または直角である。図11に示す代替の配置では、それら構造体は導光光学フィルムの縁部に対して別の角度であり、ある特定の用途に適合するように構築することができる。領域18の型の数は2種類に限定されない。図12を参照すると4種類の相異なる導光領域18では、各領域18からの光を一緒にする放出プロファイルを与えるように、それらの構造体が相対的に0、45、90、および135度に配向されている。それら相異なる領域により導かれる光を知覚できる状態を低減させることが望ましい場合、それら領域をそのフラットパネルランプの大きさと比べて小さくしてもよく、またそれら異なる領域18をフラットパネルランプ12の光放出領域30の広がり全体にわたって交互してもよい。
【0020】
本発明の照明システムを構成するフラットパネルランプ12および導光光学フィルム14は、別々に製造することができる。いったん製造されたらこのフラットパネルランプ12および導光光学フィルム14を一般にはこのフィルムをランプに接着することによって組み合わせ、単一のフラットパネルデバイスを形成することができる。いったん組み込まれたらそのフラットパネルランプを点灯して、好ましい方向に光を放出するフラットパネル面照明システム提供することができる。この照明システムが望み通りに特定の照明空間内で機能することを確実にするために取付け時にこのシステムの向きを定めるように注意が払われなければならないことに留意されたい。ある好適な製造工程では、そのフラットパネルランプおよび導光光学フィルムを連続したロール状態のウェブから形成することができる。
【0021】
図13〜15を参照すると、図1aに示した導光光学フィルムおよびフラットパネルランプの性能が測定されている。これらの円形グラフは半球全体にわたる照明システムの相対的輝度を示しており、例えば円の中心点はランプの表面に対して直角に放出された光の量を示し、また円の縁部はランプの表面に対して水平に、中心点から表示した相対的方向に放出された光の量を示す。その点の明るさは光の輝度を表し、グラフの暗い領域は相対的に少ない光がその対応する方向に放出されたことを表す。
【0022】
図13は、導光光学フィルムのないOLEDフラットパネルランプの出力を示す。このグラフから分かるようにランプから放出される光は比較的等方性であり、好ましい方向を持たない、すなわち放出される光は実質的にランバーティアン(Lambertian)であり、かつほぼ等しい量の光が発光表面域のあらゆる点からあらゆる方向に放出される。この実験では、例えば基材に直角に放出される光の量は、他のどの方向に放出される光の量の2倍に満たない。図14を参照すると、図3に示したような三角形プリズムを有するフィルムを使用した図1aおよび7の構成からの光の出力を図示する。図14から知ることができるように光は優先的にその両側に向けられる。比較的少ない光がまっすぐ下方へ、または構造体の方向に放出される。この実験では、その優先方向に放出される光の量は、その最も優先的でない方向に放出される光の量の10倍を超える。図15を参照すると、図9の構成の性能が示されており、別個のフィルムの組合せが光を効率的に好ましい方向に導くことができ、複数の方向で異なる性能を有することを実証する。
【0023】
図16〜18は、図6a〜6dに示したくさび形構造を有する導光光学フィルムの効果を示す。図16は、フィルムを持たない第二のOLEDフラットパネルランプの性能を示す。図13の場合と同様に基材に直角に放出される光の量は、他のどの方向に放出される光の量の2倍に満たない。図17は、図6aおよび6bに示したくさび形構造体を有するフィルムを備えた同じランプの性能を示す。図6cおよび6dに示したくさび形構造体を有するフィルムの性能を同様に図18に示す。図17および図18から判るように、光は、それぞれの例においてその両側に優先的に向けられる。比較的少ない光がまっすぐ下方へ、またはくさび形構造の長軸方向に放出される。これらの実験ではその優先方向に放出される光の量は、その最も優先的でない方向に放射される光の量の5倍を超える。
【0024】
本発明のフラットパネル面照明システムはまた、その導光光学フィルムとフラットパネルランプの間に配置されるディフューザーを含むこともできる(図19)。このようなディフューザーは、そのフラットパネルランプの色度によって発せられる光中で見出すことができる色のいかなる角度依存性も低減させる点で有用であろうし、また、そのランプから放出される光の不均一性の出現を低減することができ、また、そのフラットパネルランプから放出される光の量を改善することができる。
【0025】
本発明は、これには限定されないがOLEDランプを含めた任意のフラットパネルランプと一緒に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1a】本発明の一実施形態によるフラットパネル面照明システムを示す概略図である。
【図1b】本発明の別の実施形態によるフラットパネル面照明システムを示す概略図である。
【図2】フラットパネルランプの従来技術の概略図である。
【図3】本発明の一実施形態による導光光学フィルムの斜視図である。
【図4】本発明の代替実施形態によるフラットパネル面照明システムを示す概略図である。
【図5a】導光構造体の斜視図である。
【図5b】導光構造体の斜視図である。
【図6a】導光構造体の顕微鏡写真図である。
【図6b】導光構造体の斜視図である。
【図6c】導光構造体の斜視図である。
【図6d】導光構造体の斜視図である。
【図7】図1aの実施形態からの光出力を示す概略図である。
【図8】本発明の別の代替実施形態によるフラットパネル面照明システムおよび光出力を示す概略図である。
【図9】本発明の別の代替実施形態による複数の導光光学フィルムを有するフラットパネル面照明システムを示す概略図である。
【図10】本発明の実施形態による導光光学フィルムの上面図である。
【図11】本発明の別の代替実施形態による導光光学フィルムの上面図である。
【図12】本発明のさらに別の代替実施形態による導光光学フィルムの上面図である。
【図13】OLEDフラットパネルランプの光出力を示すグラフである。
【図14】図1aの実施形態によるフラットパネル面照明システムの光出力を示すグラフである。
【図15】図9の実施形態によるフラットパネル面照明システムの光出力を示すグラフである。
【図16】別のOLEDフラットパネルランプの光出力を示すグラフである。
【図17】図6a〜bの代替実施形態によるフラットパネル面照明システムを示す概略図である。
【図18】図6c〜dの代替実施形態によるフラットパネル面照明システムを示す概略図である。
【図19】本発明の代替実施形態によるディフューザーを含むフラットパネル面照明システムを示す概略図である。
【図20】従来技術のOLEDフラットパネルランプの概略図である。
【符号の説明】
【0027】
10 フラットパネル照明システム
12 フラットパネルランプ
13 光放出領域
14 導光光学フィルム
14a 導光光学フィルム
14b 導光光学フィルム
18 導光光学フィルムの領域
20 ディフューザー
22 高複屈折材料構造体
24 低複屈折材料ギャップ
26 軸
30 光
40 平面
42 構造化表面
100 基材
102 電極
104 有機層
106 電極
110 封入カバー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)基材と、この基材上に形成された1つ以上の非ピクセル化光放出領域とを有するフラットパネルランプであって、当該ランプの少なくとも一つの光放出側からあらゆる方向に光を放出するフラットパネルランプと、
b)前記フラットパネルランプの光放出領域にわたって前記少なくとも一つの光放出側に配置された導光光学フィルムであって、光を前記フラットパネルランプの光放出側の表面に対して垂直な方向から離れる方向に優先的に導く導光光学フィルムと、
を含むフラットパネル面照明システム。
【請求項2】
前記導光光学フィルムが、前記フラットパネルランプの前記光放出側に隣接して配置された構造化表面を含む、請求項1に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項3】
前記導光光学フィルムが、前記フラットパネルランプの前記光放出側と反対側に位置する平面を含む、請求項2に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項4】
複数個の構造体が各光放出領域と関連付けて設けられている、請求項3に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項5】
前記構造化表面が三角形プリズムを含む、請求項3に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項6】
前記構造化表面が円柱形レンズを含む、請求項3に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項7】
前記構造化表面が長軸を有する複数個のくさび形構造体を含み、前記くさび形構造体が共通の方向に並べられている、請求項3に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項8】
前記くさび形構造体が平行な列に形成されている、請求項7に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項9】
前記くさび形構造体が平行な列に形成されていない、請求項7に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項10】
前記くさび形構造体が向かい合ったくさび形構造体の対に形成されている、請求項7に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項11】
前記導光光学フィルムがプラスチックまたはガラスを含む、請求項1に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項12】
前記フラットパネルランプがOLEDランプである、請求項1に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項13】
前記導光光学フィルムと前記フラットパネルランプとの間に配置されたディフューザーをさらに含む、請求項1に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項14】
前記導光光学フィルムにわたって、かつ前記導光光学フィルムに平行に配置された第二の導光光学フィルムをさらに含む、請求項1に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項15】
前記第二の導光光学フィルムの導光構造体が前記導光光学フィルムの導光構造体に対して異なる角度をなしている、請求項14に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項16】
前記第二の導光光学フィルムの前記構造体が、前記導光光学フィルムの前記構造体に対して90度である、請求項15に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項17】
前記導光光学フィルムが複数の領域に分割され、ある領域における導光構造体が第二の領域における導光構造体と異なる角度で配向された、請求項1に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項18】
前記領域内の前記構造体の向きが交互する、請求項17に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項19】
ある領域内の前記構造体が、別の領域中の前記構造体に対して90度に配向している、請求項17に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項20】
少なくとも4つの領域を有し、かつある領域内の前記構造体が別の領域中の前記構造体に対して45度の倍数の角度に配向している、請求項17に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項21】
前記導光光学フィルムが可撓性である、請求項1に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項22】
前記フラットパネルランプが可撓性である、請求項1に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項23】
前記光放出領域が、前記光放出面からあらゆる方向にほぼ同じ量の光を発する、請求項1に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項24】
前記フラットパネルランプが2つ以上の面から光を発し、かつ導光光学フィルムが各光放出面を覆って配置された、請求項1に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項25】
前記フラットパネルランプが前記基材を通して光を放出する、請求項1に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項26】
前記フラットパネルランプが、前記基材および前記光放出領域にわたって配置された封入カバーをさらに含む、請求項1に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項27】
放出光が前記カバーを通して放出される、請求項26に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項28】
前記光学フィルムが前記カバーの内部に形成される、請求項27に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項29】
前記光学フィルムが前記カバーの内面に配置される、請求項27に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項30】
a)基材と、この基材上に形成された1つ以上の非ピクセル化光放出領域とを有するフラットパネルランプであって、当該ランプの少なくとも一つの光放出側からあらゆる方向に光を放出するフラットパネルランプを用意するステップと、
b)光を前記フラットパネルランプの前記光放出側の表面に対して垂直な方向から離れる方向に優先的に導く導光光学フィルムを用意するステップと、
c)前記フラットパネルランプの前記少なくとも一つの光放出側に前記光放出領域にわたって前記光学フィルムを配置するステップ、
を含む、フラットパネル面照明システムの製造方法。
【請求項31】
前記フラットパネルランプおよび前記導光光学フィルムが連続したロール状態のウェブから形成される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記導光光学フィルムが射出ロール成形によって形成される、請求項31に記載の方法。
【請求項1】
a)基材と、この基材上に形成された1つ以上の非ピクセル化光放出領域とを有するフラットパネルランプであって、当該ランプの少なくとも一つの光放出側からあらゆる方向に光を放出するフラットパネルランプと、
b)前記フラットパネルランプの光放出領域にわたって前記少なくとも一つの光放出側に配置された導光光学フィルムであって、光を前記フラットパネルランプの光放出側の表面に対して垂直な方向から離れる方向に優先的に導く導光光学フィルムと、
を含むフラットパネル面照明システム。
【請求項2】
前記導光光学フィルムが、前記フラットパネルランプの前記光放出側に隣接して配置された構造化表面を含む、請求項1に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項3】
前記導光光学フィルムが、前記フラットパネルランプの前記光放出側と反対側に位置する平面を含む、請求項2に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項4】
複数個の構造体が各光放出領域と関連付けて設けられている、請求項3に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項5】
前記構造化表面が三角形プリズムを含む、請求項3に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項6】
前記構造化表面が円柱形レンズを含む、請求項3に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項7】
前記構造化表面が長軸を有する複数個のくさび形構造体を含み、前記くさび形構造体が共通の方向に並べられている、請求項3に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項8】
前記くさび形構造体が平行な列に形成されている、請求項7に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項9】
前記くさび形構造体が平行な列に形成されていない、請求項7に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項10】
前記くさび形構造体が向かい合ったくさび形構造体の対に形成されている、請求項7に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項11】
前記導光光学フィルムがプラスチックまたはガラスを含む、請求項1に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項12】
前記フラットパネルランプがOLEDランプである、請求項1に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項13】
前記導光光学フィルムと前記フラットパネルランプとの間に配置されたディフューザーをさらに含む、請求項1に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項14】
前記導光光学フィルムにわたって、かつ前記導光光学フィルムに平行に配置された第二の導光光学フィルムをさらに含む、請求項1に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項15】
前記第二の導光光学フィルムの導光構造体が前記導光光学フィルムの導光構造体に対して異なる角度をなしている、請求項14に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項16】
前記第二の導光光学フィルムの前記構造体が、前記導光光学フィルムの前記構造体に対して90度である、請求項15に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項17】
前記導光光学フィルムが複数の領域に分割され、ある領域における導光構造体が第二の領域における導光構造体と異なる角度で配向された、請求項1に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項18】
前記領域内の前記構造体の向きが交互する、請求項17に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項19】
ある領域内の前記構造体が、別の領域中の前記構造体に対して90度に配向している、請求項17に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項20】
少なくとも4つの領域を有し、かつある領域内の前記構造体が別の領域中の前記構造体に対して45度の倍数の角度に配向している、請求項17に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項21】
前記導光光学フィルムが可撓性である、請求項1に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項22】
前記フラットパネルランプが可撓性である、請求項1に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項23】
前記光放出領域が、前記光放出面からあらゆる方向にほぼ同じ量の光を発する、請求項1に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項24】
前記フラットパネルランプが2つ以上の面から光を発し、かつ導光光学フィルムが各光放出面を覆って配置された、請求項1に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項25】
前記フラットパネルランプが前記基材を通して光を放出する、請求項1に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項26】
前記フラットパネルランプが、前記基材および前記光放出領域にわたって配置された封入カバーをさらに含む、請求項1に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項27】
放出光が前記カバーを通して放出される、請求項26に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項28】
前記光学フィルムが前記カバーの内部に形成される、請求項27に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項29】
前記光学フィルムが前記カバーの内面に配置される、請求項27に記載のフラットパネル面照明システム。
【請求項30】
a)基材と、この基材上に形成された1つ以上の非ピクセル化光放出領域とを有するフラットパネルランプであって、当該ランプの少なくとも一つの光放出側からあらゆる方向に光を放出するフラットパネルランプを用意するステップと、
b)光を前記フラットパネルランプの前記光放出側の表面に対して垂直な方向から離れる方向に優先的に導く導光光学フィルムを用意するステップと、
c)前記フラットパネルランプの前記少なくとも一つの光放出側に前記光放出領域にわたって前記光学フィルムを配置するステップ、
を含む、フラットパネル面照明システムの製造方法。
【請求項31】
前記フラットパネルランプおよび前記導光光学フィルムが連続したロール状態のウェブから形成される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記導光光学フィルムが射出ロール成形によって形成される、請求項31に記載の方法。
【図1a】
【図1b】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図1b】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公表番号】特表2008−517431(P2008−517431A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537008(P2007−537008)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/037289
【国際公開番号】WO2006/044818
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/037289
【国際公開番号】WO2006/044818
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】
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