説明

フラットワイパーブレード

【課題】
【解決手段】ウインドシールドワイパーモジュール用フラットワイパーブレードであって、該フラットワイパーブレードはワイパーブレードボディを有し、該ワイパーブレードボディには、少なくとも1つの保持薄板の他に、少なくとも1つのワイパーブレード先端部を形成する少なくとも1つのワイパーブレードゴムと、少なくとも1つのばねレールと、が設けられ、前記少なくとも1つの保持薄板の上に、前記ワイパーブレードゴムが保持され、かつ前記保持薄板は、中空成形体として形成されている少なくとも1つの成形部を有し、前記中空成形体に、前記ばねレールの長さ部分の少なくとも一部が収容されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求項1の上位概念によるフラットワイパーブレードに関する。
【背景技術】
【0002】
それぞれのフラットワイパーブレードを着脱自在にワイパーアームに、かつワイパーアーム側のこの位置のアダプターに取り付けることができる場合に用いるワイパーブレードアダプターに加えて、基本的に、少なくとも1つのばねレール、このばねレールに接続され、かつ少なくとも1つのワイパーブレード先端部を形成するワイパーブレードゴムから成るフラットワイパーブレードは、具体的には、道路走行車両のウインドシールドワイパーモジュール群に対応する種々の異なる実施形態としても知られている。
【0003】
この場合、同じように知られているのが、電気加熱可能なフラットワイパーブレード(特許文献1:ドイツ特許第DE 102 34 267 A1号)であり、この特許文献には、加熱線条または加熱帯状物から成る少なくとも1つの電気加熱素子が記載されている。この電気加熱素子は、例えばワイパーブレードの上側に係止されることにより保持されるスポイラー成形体によって、外側に向かってほぼ全体が被覆されているか、またはワイパーブレードゴムの窪みに、ばねレールをワイパーブレードゴムに接続することにより収容されている。種々ある態様の中でも、特に、これらの公知のワイパーブレードは、設計及び製造加工の面で大きな労力を要し、かつ、それぞれの加熱素子から、加熱対象のワイパーブレードの種々の領域への熱伝達が非効率的であり、特に熱伝達がワイパーブレードゴムを介して行なわれるときに、極めて効率が低くなるという問題がある。
【0004】
更に、フラットワイパーブレード(特許文献2:ドイツ特許第DE 100 39 290 A1号)も知られており、これは、各加熱素子が加熱帯状物から成る構成の電気加熱素子群のうちの2つの加熱素子が、ワイパーブレードの下側に配置され、この下側が傾斜ウェブ部分の両側で露出しているので、加熱素子は、環境の影響に対して保護されない。更に、熱が、この場合も同じように、それぞれのワイパーブレードゴムを介して非効率的に伝達される。
【0005】
同じように知られているのが、ワイパーブレードゴムの長手方向溝に収容される1つのワイパーブレードゴム、及び2つのばねレールをそれぞれ有し、かつ電気加熱可能な湾曲ワイパーブレード群である(特許文献3:米国特許第6,591,443B1号)。加熱帯状物が、加熱素子として機能し、同じようにして、ワイパーブレードゴムの長手方向溝に収容されている。種々ある態様の中でも、特に、外部電源リード線との加熱帯状物の電気接続が、プラグ接続及びダブルプラグコネクタを介して行なわれ、これらのプラグ接続及びダブルプラグコネクタの接点は、ワイパーブレードゴムに埋め込まれたソケットに、きつく挿入される。この公知のワイパーブレードは、フラットワイパーブレードを含んでいないという事実、及び電気接続の性質に起因して、この公知のワイパーブレードが、現在の品質要求を満たさず、かつ更に、故障の影響を非常に受け易いという事実を別にしても、更に、加熱素子及び加熱帯状物が、最大限に保護されない構成になっているという欠点がある。また、これらの加熱素子の電気接続の性質から、ワイパーブレードゴムを多大な労力を費やして製造する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】ドイツ国特許第DE 102 34 267 A1号
【特許文献2】ドイツ国特許第DE 100 39 290 A1号
【特許文献3】米国特許第6,591,443B1号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、上述の不具合を解消したワイパーブレードを提供することであり、このワイパーブレードによって、合理的な製造が可能である場合に、外部からの影響から保護される加熱帯状物を設ける他に、少なくとも1つの加熱帯状物からワイパーブレードへの、そして加熱対象のワイパーブレードの領域への最適な熱伝達を確実に行なうことができる。この問題を解決するために、特許請求項1に記載のワイパーブレードが開発されている。
【0008】
本発明の別の形態、利点、及び適用可能性も、実施形態例に関する以下の説明から、及び添付の図から明らかになると思う。この場合、記載され、および/または例示されている特徴の全てが、これらの特徴の要約がこれらの請求項に、またはこれらの請求項の下位概念に記載されているのではあるが、これらの特徴自体として、またはこれらの特徴のいずれかの所望の組み合わせとして、基本的に本発明の主題である。これらの請求項の内容が更に、本明細書の不可欠な部分を構成する。
【0009】
以下本発明の実施形態を、図面に基づいて、詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ワイパーアームと、このワイパーアームに設けられ、車両のウインドシールドに接触しているワイパーブレードの簡略図である。
【図2】アダプターをワイパーブレードに最終的に装着する直前のワイパーブレードアダプターと合体されている図1のワイパーブレードの斜視図である。
【図3】加熱帯状物、ばねレール、及びワイパーブレードゴム、並びに図1及び図2のワイパーブレードの保持帯板を示す斜視図である。
【図4】図3のI−I面における拡大断面図である。
【図5】図3のII−II面における拡大断面図である。
【図6】ワイパーブレードの中心部における図3の構成体の一部の拡大斜視図である。
【図7】ワイパーブレードアダプターが装着された状態の図3の構成体の一部の長手方向断面図である。
【図8】加熱帯状物を取り付けた状態のばねレールの略平面図である。
【図9】図8のIII−III面における拡大断面図である。
【図10】異なる例を示す図6と同様の斜視図である。
【図11】図10の構成体の長手方向の一部縦断面である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、ワイパーアーム1と、このワイパーアーム1に着脱自在に取り付けられ、かつ車両用ウインドシールド2と当接するワイパーブレード3を示している。ワイパーブレード3は、フラットワイパーブレードであり、以下に詳細に説明する要領で取付けられている。
【0012】
ワイパーアーム1は、通常の態様のものである。すなわち、車両用ウインドシールドワイパーモジュールのおける図示しないワイパーシャフトに取り付けるための支持部4と、支持部4に、ワイパーアーム1における関節部6を介して接続されている関節部材5と、支持部4に接続されているワイパーロッド7であって、自由端でワイパーアーム側アダプター8を支持しているワイパーロッド7とから成っている。このワイパーアーム側アダプター8を利用して、ワイパーブレード3は、以下に説明する要領で、ワイパーブレード側アダプター9を介して、ワイパーアーム1に着脱自在に機械的に、かつ油圧的に接続されている。
【0013】
ワイパーブレード3は、電気加熱されるようになっており、かつこの実施形態においては、湿式ワイパーブレードである。この湿式ワイパーブレードを利用して、車両用ウインドシールド2へ洗浄液またはクリーニング液(必要に応じて、クリーニング添加剤及び/又は凍結防止添加剤を含む水)を高精度で噴射しうるようになっている。
【0014】
特に、図3〜図7から分かるように、ワイパーブレード3は、種々の態様の中でも、プラスチックから形成することが特に好ましい成形体である保持帯片10を備え、この保持帯片10は、ワイパーブレード3の全長、またはほぼ全長に亘って延在し、かつ成形体である中空部10.1に、ばね銅からなるフラットなばねレール11を収容してある。このフラットなばねレール11は、同じくワイパーブレード3の全長に亘って延在し、かつワイパーブレード3の両端の保持帯片10から突出する突出部11.1を有する。ワイパーブレード3に必要な弾性が、保持帯片10によって損なわれるのを回避するために、保持帯片10におけるばねレール11を収容する中空部には、側方向を向く多数の切込み10.2を設けてある。ばねレール11へワイパーブレード側アダプター9を取り付けるために、保持帯片10の側方、すなわちばねレールを収容している保持帯片10の中空部10.1の側方に開口を設けて、ばねレール11がこの位置で露出するようにし、外周面11.2をワイパーブレード側アダプター9の取り付け面とする。
【0015】
ワイパーブレードは更に、弾性成形材から成るワイパーブレードゴム12を備えている。このゴムの弾性成形材は、車両用ウインドシールド2に接触し、かつ成形部分12.2を収容している保持帯片10に嵌合して保持されている。保持帯片10に、そしてばねレール11に、ワイパーブレード3の中心、またはほぼ中心が取り付けられ、かつばねレール11に加えて、保持帯片10の上に、ワイパーブレード先端部12.1とは反対の保持帯片10の上面側に摺動可能に跨っているワイパーブレード側アダプター9の両側には、それぞれスポイラー成形体13が、保持帯板に固定されている。ワイパーブレード側アダプター9を始点として、ほぼワイパーブレード3の一方の端部まで延在するスポイラー成形体13は、この当業者に公知の方法で、2つの注入ダクト14を有し、これらの注入ダクト14のうち、ワイパーブレードの一方の長手方向側に位置する注入ダクト14が、図2に模式的に示されている。これらの注入ダクト14には、それぞれ、この技術分野の当業者に公知の方法で、図2の符号15で示すように、多数の噴射口を設けてあり、各注入ダクト14に供給される洗浄液及びクリーニング液を、車両用ウインドシールドに噴射するようになっている。これらの注入ダクト14は、それぞれ、ノズル16に接続され、このノズル16は、例えばプラスチック成形品として形成されているワイパーブレード側アダプター9と一体部材となっている。ワイパーブレード側アダプター9及びワイパーブレード3の長手方向側に位置するノズル16は、それぞれ、共通接続ダクトを形成し、この共通接続ダクトは、流体接続部17に連結されている。更に正確に表現すると、流体接続部17に連結されて、ワイパーアームに沿って延在する不図示の可撓性供給管またはホース管を、それぞれ接続することにより、洗浄液及びクリーニング液を、これらの注入ダクト14に供給するようになっている。
【0016】
ワイパーブレード3の両端は、プラスチック成形品であるエンドキャップ18によってそれぞれ閉止されている。このエンドキャップ18は、ばねレール11の突出部11.1に、スナップ嵌合させることにより、所定の位置に保持されている。
【0017】
電気加熱片19が、ワイパーブレードの頂部と対向するばねレール11の上面に配置されている。図8及び図9に示すように、保持帯片10の中央部10.1に収容されているばねレール11の全長の全体に亘って、またはほぼ全体に亘って延在する電気加熱片19は、例えば電気絶縁材料、例えばプラスチックから形成される支持層または絶縁層20、及びこの絶縁層20に設けた金属配線21により形成されている単層箔状体、または多層箔状体からなり、この金属配線21は、ばねレール11に背を向けている絶縁層20の表面側に位置し、この金属配線21が、電気加熱片19の全長に亘って、またはほぼ全長に亘って延在する少なくとも1つの加熱用導体21.1を形成するようになっている。金属配線21が形成されていない電気加熱片19の表面側では、電気加熱片19は、ばねレール11の頂部側と接触している。すなわち、ワイパーブレード先端部12.1に背を向けているばねレール11の上面と接触している。金属配線21は、絶縁層20に適切な方法により、例えば接着により固定されているか、または別の適切な方法により固定され、例えば、金属配線に合った形状の金属箔、および/または電気加熱線条などから成っている。図示の実施形態では、金属配線21は、単一の加熱用導体21.1を形成しており、この加熱用導体21.1は、ばねレール11及び電気加熱片19の中心部分を始点とし、この点から一方の端部に達し、そして電気加熱片19の他方の端部に戻り、次に、加熱膜の中心領域に戻るように延在している。加熱用導体21.1の両端部では、加熱用導体21.1及び金属配線21は、可撓性電気リード線の導体のそれぞれの接続先の箇所で、電気接続部または接点領域22になっている。ワイパーブレード3の中心またはほぼ中心に位置する2つの接点領域22により構成されている加熱片19の電気接続部24は、図示の実施形態では絶縁体25によって被覆され、この絶縁体25は、例えば成形により形成され、かつこの電気絶縁体25から、2つの可撓性電気リード線23が引き出されている。
【0018】
このリード線23の他方の端部において、これらのリード線23には、それぞれ、不図示のプラグコネクタが装着されている。更に正確に表現すると、これらのリード線23は、電源リード線に接続され、この電源リード線の一部は、種々の態様で、ワイパーアーム1に沿って延在し、例えば、アダプター8内に配設されている電源リード線の接続部(嵌合コネクタ)に達している。
【0019】
図3〜図7から分かるように、電気加熱片19の一部19.1は、ワイパーブレード3の中心領域におけるアダプター9に設けられ、ワイパーブレード先端部12.1の反対側である保持帯片10の上面は、中空部10.1の外側の箇所を延在しているのに対し、それ以外の箇所では、電気加熱片19は、ばねレール11にじかに接触しながら、保持帯片10の中空部10.1内に収容されている。電気加熱片19は、この目的のために、2つの切り欠き部を通って延在している。
【0020】
電気接続部24は、電気加熱片19の一部19.1に設けられている。ワイパーブレード側アダプター9を装着した後、電気接続部24をワイパーブレード側アダプターの下に位置させて、電気接続部及び加熱片の一部19.1が、装着ワイパーブレード側アダプター9によって被覆されるようにする。
【0021】
電気接続リード線23は、ワイパーブレード側アダプター9の下の電気接続部24を始点として延在し、ワイパーブレード側アダプター9及び長さ部分の一部を通過し、すなわち、ワイパーブレード側アダプター9と長さ部分の一部との間を通過し、2つの流体接続部17が設けられているワイパーブレード側アダプター9の前面9.1に引き出されている。
【0022】
ワイパーブレード3の装着は、例えば電気加熱片19をまず、保持帯片10内に挿入することにより行なわれる、正確に表現すると、電気加熱片19をまず、保持帯片10内に挿入して、電気加熱片19の両端部が、保持帯片10の中心線の延長方向に位置するようにする。この操作を行なう際には、電気加熱片19に、電気リード線23及び絶縁体25を設けることが好ましい。続いて、ばねレール11を保持帯片10内に押し込む。この押し込みを行なっている間、電気加熱片の位置合わせは、長手方向にずらすことにより行いうる。位置合わせ後に、電気接続部24をワイパーブレード側アダプター9が、次に装着される箇所に位置させるようにすることによっても行いうる。電気加熱片19の一部19.1の上では、保持帯片10の外側で特殊な経路を辿り、それ以外の箇所では、この保持帯片10の内部に位置しているので、電気加熱片19を位置合わせして、軸方向にずらす作業が、明らかに一層難しくなるが、位置合わせされた電気加熱片19のずれ、または過剰なずれが、ばねレール11の挿入時に生じることはない。上記したワイパーブレード3の実施形態には、幾つかの利点がある。
電気加熱片を金属材料からなるばねレール11の上に配置するので、ワイパーブレードの全長に亘って、少なくとも最大限に、電気加熱が均一に分布され、その結果、ワイパーブレードに対する、ワイパーブレードゴム12及び注入ダクト14に対する均一な加熱が行われる。
構成が簡単で、製造が簡単な電気加熱片19が、保持帯片10に収容されているので、外部の影響、特に外部の機械的影響から保護される。
電気加熱片19は、保持帯片の一部19.1の上を辿るので、ワイパーブレードアダプター、及びこのアダプター内に設けられている流体ダクトに対する加熱効率は向上する。
好適な加熱入力が、ばねレール11を介して得られる。
絡み合って密着して単一の少なくとも2本撚りの可撓性リード線を形成する可能性もあるリード線23を利用して、ワイパーブレードを交換する際のいずれの時点でも、高信頼性であり、かつ着脱自在であるワイパーアーム1に沿って延在する電源リード線を用いた電気接続が可能である。
【0023】
図10及び図11は、別の構成の実施形態におけるばねレール11及び電気加熱片19を収容する保持帯片10を示す。この構成の実施形態は、これまでに説明してきた構成の実施形態とは、電気加熱片19が、ばねレール11の上面と、ワイパーブレード側アダプター9の領域で、かつこの位置の電気接続部24の領域で接触しており、電気加熱片19が、保持帯片の上面を延在する電気加熱片の一部19.1には設けられない点のみが異なっている。保持帯片10の開口部26は、ワイパーブレードの中心領域に、すなわち電気接続部24を設ける領域に設けられ、この開口部26には、電気接続部24及び絶縁体25が、少なくとも部分的に収容され、かつこの開口部26から、リード線23が引き出される。開口部26は、ワイパーブレードの長手方向に十分長い直径を有するので、この場合も同じように、電気加熱片19を長手方向にずらすことにより、位置合わせすることができる。ワイパーブレード3の装着は、同様にして、電気加熱片19をまず、保持帯片10の成形部分内に挿入し、次に、保持帯片10の長手方向に位置合わせし、そして次に、ばねレール11を装着するように行なうことが好ましい。しかし、ばねレール11を装着した後でも、電気加熱片19を長手方向にずらすことにより位置合わせすることができる。
【0024】
以上、本発明を、種々の実施形態に基づいて説明してきた。多くの変形及び変更が、本発明が依拠する概念に鑑みて逸脱しない範囲で可能である。
【0025】
これまでの説明では、ワイパーブレードには、保持帯片10内に収容されるばねレール11を1つしか設けていないという前提であった。しかし、基本的には、複数のばねレール及び/又は複数の加熱片を設けることも可能であり、この場合、少なくとも1つのばねレールを、保持帯片における中空成形体に収容する。より正確に言えば、少なくとも1つのばねレールを、保持帯片の中空成形体に、少なくとも1つの電気加熱片と一緒に収容する。
【0026】
図10及び図11に関連して説明した構成の実施形態に関して、少なくとも1つの電気加熱片をばねレール11上に、例えば熱伝導性接着剤で接着することにより予め取り付けておき、そして次に、電気加熱片をばねレール11と一緒に、保持帯片10内に挿入するという構成も可能である。次に、リード線23との電気接続は、ばねレール11及び電気加熱片19を挿入した後に行なう。
【0027】
上記の説明では、金属配線21が、単一の連続した加熱用導体21.1、または加熱回路を形成しているという前提であった。他の実施形態も勿論可能であり、例えば金属配線21が、接点領域22に電気的に並列に、かつそれぞれ接続される2つ、または3つ以上の加熱用導体21.1、または加熱回路を形成するようにすることができる。
【0028】
更に、これまでの説明では、金属配線21、及びこの金属配線21から成る少なくとも1つの加熱用導体21.1が、接着により、または別の手段により、絶縁層20の上に設けられるという前提であった。金属配線は、勿論、別の方法で形成してもよく、例えば導電材料、例えば金属を蒸着により堆積させることにより、および/または電解析出法、および/または化学堆積法により、および/またはスパッタリング法などにより形成してもよい。
【0029】
上記の説明では、電気加熱片19が、絶縁層20、及びこの絶縁層の表面に設けた金属配線21から成るという前提であった。金属配線21を設ける方の絶縁層20の表面側に、金属配線21を遮蔽し、かつ保護する被覆層を、図9の破線27で示すように形成する構成も、基本的に可能である。
【符号の説明】
【0030】
1 ワイパーアーム
2 車両用ウインドシールド
3 ワイパーブレード
4 支持部
5 関節部材
6 ワイパーアームの関節部
7 ワイパーロッド
8 ワイパーアーム側アダプター
9 ワイパーブレード側アダプター
9.1 ワイパーブレードアダプターの前面
10 保持帯片
10.1 中空部
10.2 切込み
11 ばねレール
11.1 突出部
11.2 外周面
12 ワイパーブレードゴム
12.1 ワイパーブレード先端部
12.2 成形部分
13 スポイラー成形体
14 注入ダクト
15 噴射開口
16 ノズル
17 流体接続部
18 エンドキャップ
19 電気加熱片
19.1 電気加熱片の一部
20 絶縁層
21 金属配線
21.1 加熱用導体
22 接点領域
23 リード線
24 電気接続部
25 絶縁体
26 開口部
27 被覆層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウインドシールドワイパーモジュール用フラットワイパーブレードであって、このフラットワイパーブレードはワイパーブレードボディを有し、該ワイパーブレードボディには、少なくとも1つの保持帯片(10)の他に、ワイパーブレード先端部(12.1)を形成する少なくとも1つのワイパーブレードゴム(12)と、少なくとも1つのばねレール(11)とが設けられ、前記少なくとも1つの保持帯片(10)の上に、前記ワイパーブレードゴム(12)が保持され、かつ前記少なくとも1つの保持帯片(10)が、中空成形体として形成されている少なくとも1つの成形部を有し、前記中空成形体に、前記ばねレール(11)の少なくとも長さ部分の一部が収容され、前記ワイパーブレード(3)が、被加熱ワイパーブレードである場合に、少なくとも1つの加熱片(19)が、少なくとも長さ方向の一部に亘って、前記少なくとも1つのばねレール(11)と一緒に、前記保持帯片(10)の前記成形部内に配置されることを特徴とする、ウインドシールドワイパーモジュール用フラットワイパーブレード。
【請求項2】
前記少なくとも1つの電気加熱片(19)の表面側が、前記ばねレール(11)の表面側に接触しているか、および/または前記ばねレール(11)に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のフラットワイパーブレード。
【請求項3】
前記少なくとも1つの電気加熱片(19)は、少なくともその全長に亘って、前記保持帯片(10)の中空部(10.1)内に収容されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のフラットワイパーブレード。
【請求項4】
前記少なくとも1つの電気加熱片(19)の一部(19.1)は、前記ワイパーブレード(3)の中心領域内で、前記保持帯片(10)の中空部(10.1)から外に引き出されるか、または前記ワイパーブレードの先端部に背を向ける前記保持帯片(10)の上面を延在するようになっていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のフラットワイパーブレード。
【請求項5】
前記ワイパーブレードの中心領域内で、前記少なくとも1つの電気加熱片(19)に対応する電気接続部(24)が、ワイパーブレードアダプター(9)により被覆されるようになっていることを特徴とする、請求項の1〜4のいずれか1項に記載のフラットワイパーブレード。
【請求項6】
前記電気接続部(24)は、少なくとも1つのリード線(23)に接続されている前記少なくとも1つの加熱片(19)の少なくとも2つの接点領域(22)により構成され、かつ絶縁体(25)により被覆されていることを特徴とする、請求項5に記載のフラットワイパーブレード。
【請求項7】
前記電気加熱片(19)には、少なくとも1つの加熱用導体(21.1)を支持する少なくとも1つの絶縁層(20)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1つに記載のフラットワイパーブレード。
【請求項8】
前記絶縁層(20)は、前記少なくとも1つの加熱用導体(21.1)に背を向ける表面側で接触するようにして、前記ばねレール(11)に対向接触しているか、および/または前記ばねレール(11)に、少なくとも一部の長さに亘って接続されていることを特徴とする、請求項7に記載のフラットワイパーブレード。
【請求項9】
前記少なくとも1つの加熱用導体(21.1)は、前記絶縁層(20)上の少なくとも1つの金属配線(21)により、層構造金属箔、および/または電気加熱線条により構成されていることを特徴とする、請求項7又は8に記載のフラットワイパーブレード。
【請求項10】
単一のばねレール(11)が、前記保持帯片(10)の中空部(10.1)内に収容され、前記単一のばねレール(11)の上に、前記少なくとも1つの加熱片(19)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のフラットワイパーブレード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−532063(P2012−532063A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518827(P2012−518827)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際出願番号】PCT/EP2010/004172
【国際公開番号】WO2011/003613
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(590003744)ヴァレオ システム デシュヤージュ (74)
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
【Fターム(参考)】