説明

フルオロポリマーフィルムによる積層物およびフィルム形成用フルオロポリマー

好ましくはホスフェート官能基を有する官能化フルオロポリマーを金属酸化物含有ゴム基材上に被覆することが可能である。この被膜は、加熱後に、ゴムの劣化がなくてフルオロポリマーとゴムとの間の良好な粘着力を有するフルオロポリマー−ゴム基材積層物をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その耐熱性および非粘着性を維持しつつ柔軟性を有するフルオロポリマーフィルムによる積層物およびフィルム形成用フルオロポリマーに関する。より詳しくは、本発明は、複写機および印刷機などのロールのために適切なフルオロポリマーフィルムによる積層物およびフィルム形成用フルオロポリマーに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴム(エラストマー)ロールは、過去においてプリンターなどの融解システムのために主として用いられてきた。これらのゴムロールの表面は、シリコーンペイントまたはフルオロポリマーペイントで被覆されたが、耐久性が問題であった。
【0003】
場合によって、適切な粘着力を他において得なかったか、またはエラストマーはゴム基材上で従来のPFAなどのフルオロポリマーからフィルムを形成するために必要な温度(焼成温度)で劣化を受けた。シリコーン系接着剤を用いてPFAチューブでゴムロールを覆うことが試みられてきたが、高温での使用は、シリコーン接着剤の劣った耐熱性のゆえに問題を引き起こした。
【0004】
米国特許公報(特許文献1)では、リン含有フッ化ビニルエーテルから誘導された単位を有するフルオロポリマー、およびこのフルオロポリマーと非官能性フルオロポリマーとを含む組成物がフルオロポリマーに接着性を付与することによる満足なフィルムを形成する手段として提案された。
【0005】
米国特許公報(特許文献2)でも、官能性モノマーの共重合単位を含むフッ素置換コポリマーのシェルがフルオロポリマーコア上に形成されるコア/シェル構造を有する接着性フルオロポリマーが提案されている。
【0006】
しかし、これらのフルオロポリマーがゴムロールを被覆するために用いられるときに満足な接着強度を有することができなかったか、またはエラストマーが塗布中に必要な焼成温度に耐えることができなかったのでエラストマーが劣化したことが見出された。
【0007】
エラストマー基材に堅固に接着することができ、基材が耐えることができる温度に焼成温度を下げることを可能にするとともに、使用中に満足な耐熱性を示すフルオロポリマーフィルムが必要とされている。
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,177,196号明細書
【特許文献2】米国特許第5,780,552号明細書
【非特許文献1】「近代フルオロポリマー被覆処理技術(Modern Fluoropolymer Coating Processing Technology)」(東京の「エポテック(Epotech K.K.(Tokyo))刊行、1988」)の239頁、5.5.4節
【非特許文献2】「近代フルオロポリマー被覆処理技術(Modern Fluoropolymer Coating Processing Technology)」(東京の「エポテック(Epotech K.K.(Tokyo))刊行、1988」)の236頁、5.5.1節
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、金属酸化物を含有する基材と前記基材上に形成された官能基含有フルオロポリマー被膜層とを含む積層物を提供する。
【0010】
本発明は、ホスフェート基含有フルオロポリマーが、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)およびパーフルオロアルキルビニルからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーとテトラフルオロエチレンのコポリマー中に、前記コポリマーに対して約30〜80重量%の量において混合され、前記少なくとも1種のモノマーが、前記テトラフルオロエチレンのコポリマーの約3〜15モル%であることを特徴とするフィルム形成用フルオロポリマー組成物を更に提供する。
【0011】
本発明は、耐熱性および非粘着性を維持しつつ柔軟性を有するフルオロポリマーであって、複写機および印刷機などの定着機構ロール/ベルトおよび圧力ロール/ベルトなどの基材上にフィルムを形成させるために適するフルオロポリマーを提供する。
【0012】
本発明は、エラストマー基材の劣化をもたらさない温度で焼成されたときに基材に堅固に接着するフィルム形成用フルオロポリマーであって、使用中に満足な耐熱性を維持するフィルム形成用フルオロポリマーを提供する。
【0013】
本発明は、金属酸化物を含有する基材と前記基材上に形成された官能基含有フルオロポリマー被膜層とを含む積層物を提供する。
【0014】
本発明の好ましい実施形態は、官能基含有フルオロポリマーがホスフェート基含有フルオロポリマーである積層物である。
【0015】
本発明の好ましい実施形態は、官能基含有フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレン/トリフルオロビニルエーテル基含有二水素リン酸エステル化合物/フッ素含有コモノマーのコポリマー樹脂である積層物である。
【0016】
本発明の好ましい実施形態は、ホスフェート官能基含有フルオロポリマーが以下の式(1)によって表されるトリフルオロビニルエーテル基含有二水素リン酸エステル化合物コポリマー樹脂である積層物である。
【0017】
本発明の好ましい実施形態は、フッ素含有コモノマーがパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)またはパーフルオロアルキルビニルである積層物である。
【0018】
本発明の好ましい実施形態は、官能基含有フルオロポリマーが官能基含有フルオロポリマーおよび官能基のないフルオロポリマーの組成物である積層物である。
【0019】
本発明の好ましい実施形態は、官能基のないフルオロポリマーがテトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー樹脂またはパーフルオロアルキルビニルコポリマー樹脂である積層物である。
【0020】
本発明は、フルオロポリマー層が前述した積層物の外面上に形成される積層物も提供する。
【0021】
本発明は、ホスフェート基含有フルオロポリマーが、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)またはパーフルオロアルキルビニルとテトラフルオロエチレンのコポリマー樹脂に混合され、前記テトラフルオロエチレンが前記コポリマー樹脂に対して30〜80重量%の量において、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)成分またはパーフルオロアルキルビニル成分3〜15モル%を含むことを特徴とするフィルム形成用フルオロポリマー組成物も提供する。
【0022】
本発明のフィルム形成用フルオロポリマー組成物の好ましい実施形態は、ホスフェート基含有フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)またはパーフルオロアルキルビニルと以下の式(1)によって表される二水素リン酸エステル化合物のコポリマー樹脂であり、前記コポリマー樹脂が3〜15モル%の量において、前記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)成分またはパーフルオロアルキルビニル成分を含むことを特徴とするフルオロポリマー組成物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明によるフルオロポリマーは、その少なくとも1つがフルオロモノマーである1つまたは複数のモノマーを重合することにより製造されたポリマーである。本発明によるフルオロモノマーは、炭素原子に結合された少なくとも1個のフッ素原子を含むビニルエーテルを含むオレフィンである。好ましくは、フッ素はオレフィン二重結合の一部である炭素原子に結合される。より好ましくは、フルオロモノマー中の炭素に結合された1価原子の少なくとも半分はフッ素原子であり、なおより好ましくは、フルオロモノマー中の炭素に結合された1価原子の少なくとも75%はフッ素原子であり、最も好ましくは、フルオロモノマー中の炭素に結合された1価原子のすべてはフッ素原子である。本発明によりフルオロポリマーを製造する際に用いられるすべてのモノマーがフルオロモノマーであることが好ましい。官能性モノマーを過フッ素化する必要がないことを条件として、すべてのモノマーがパーフルオロモノマーであることが更に好ましい。
【0024】
本発明は、基材に堅固に接着し、基材が耐え得る温度で被覆することを可能にするとともに、使用中に満足な耐熱性を維持するフィルム形成用フルオロポリマーを提供する。フィルム形成用は、粉末状のフルオロポリマーまたは粒子状のフルオロポリマーあるいは分散液、例えば水性分散液の形態を取ったフルオロポリマーを基材に被着させることが可能であり、十分に加熱すると合着してフィルムを形成することを意味する。
【0025】
本発明は、被膜として被着させたときに基材が耐え得る温度でフィルムを形成させることが可能であり、基材に堅固に接着するとともに、使用中に満足な耐熱性を維持するフルオロポリマーも提供する。
【0026】
本発明は、エラストマーなどの軟質基材の表面上にフルオロポリマーフィルムを形成させることを可能にし、フルオロポリマーの柔軟性と耐薬品性と低い摩擦特性を付与された原材料を提供する。
【0027】
本発明は、フィルムが基材上で形成される積層物を提供し、複写機および印刷機などの定着機構ロール/ベルトおよび圧力ロール/ベルトのために適切に用いられ得るフィルム形成用フルオロポリマーも提供する。
【0028】
本発明は、基材と前記基材上に形成された官能基含有フルオロポリマー被膜層とを含む積層物の外面にフルオロポリマーを更に被着させることにより得られる積層物を提供する。こうした積層物を高温で用いることが可能であり、従って、こうした積層物は複写機などのためのローラとして適する。
【0029】
本発明は、金属酸化物を含有する基材と前記基材上に形成された官能基含有フルオロポリマー被膜層とを含む積層物を提供する。
【0030】
本発明による官能基含有フルオロポリマーを最初に記載する。
【0031】
官能基の例には、エステル、アルコール、酸、塩およびそれらのハロゲン化物、シアネート、カルバメートおよびニトリルが挙げられる。酸の例には、カルボン酸、リンから誘導された酸および硫黄から誘導された酸が挙げられる。
【0032】
官能基含有フルオロポリマーは、例えば、官能基含有フッ素化モノマーを共重合することにより得ることが可能である。官能基含有フッ素化モノマーの例には、米国特許公報(特許文献1)および米国特許公報(特許文献2)において引用された官能基含有フッ素化モノマーが挙げられる。官能基含有フルオロポリマーは、こうした官能基含有フッ素化モノマーをフルオロポリマーにグラフトさせるなどの反応により得ることも可能である。
【0033】
リンベース酸は、好ましくはホスフェート基は、こうした官能基の好ましい例である。
【0034】
以下の式(1)によって示した二水素リン酸エステル官能基を含むトリフルオロビニルエーテル
CF=CF(OR)(CH)OP(O)(OH) (1)
(式中、RはC〜C20フッ素化炭化水素基であり、mは1〜10の整数であり、mが2以上であるときにRは同じかまたは異なってもよい)は、官能基としてホスフェート基を有するフッ素化モノマーの好ましい例である。
【0035】
上の式(1)において、RはC〜C20フッ素化炭化水素基、好ましくはフッ素化アルキレン基である。
【0036】
上の式(1)において、(OR)が基(OCFCF(CF))(O(CFCF(CHである化合物は、本発明のトリフルオロビニルエーテル基含有二水素リン酸エステル化合物の好ましい例である。
【0037】
式中、xは1〜3の整数であり、yは0〜3の整数であり、nは0〜3の整数であり、rは0〜3の整数であり、yが2以上であるときにnおよびrは同じかまたは異なってもよい。
【0038】
式(1)によって示した化合物の特定の例には、2,2,3,3,5,6,6,8,9,9−デカフルオロ−5−トリフルオロメチル−4,7−ジオキサノナ−8−エン−1−イル二水素ホスフェート(EVE−P)および2,2,3,3,4,4,6,7,7−ノナフルオロ−5−オキサヘプタ−6−エン−1−イル二水素ホスフェートが挙げられる。
【0039】
フルオロポリマーがテトラフルオロエチレン(TFE)と少なくとも1つのタイプのフッ素置換コモノマーのコポリマーであることが本発明において好ましく、前記コポリマーは、水性乳化重合またはフッ素化溶媒などの溶媒中での重合などの従来の方法による共重合によって得られる。こうしたフッ素置換コモノマーの例には、パーフルオロアルキルビニルと本明細書で呼ばれる3〜8個の炭素原子を有するパーフルオロオレフィンおよび1つまたは複数のエーテル酸素を含んでもよい1〜5個の炭素原子を有するパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)が挙げられる。TFEとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)のコポリマー樹脂(PFA樹脂)およびTFEとパーフルオロアルキルビニルのコポリマー樹脂は好ましいフルオロポリマーである。
【0040】
ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)およびパーフルオロ(プロピルビニルエーテル(PPVE)は、フッ素置換コモノマーとして適する。パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)およびパーフルオロ(プロピルビニルエーテル(PPVE)は、より好ましい。
【0041】
本発明の官能基含有フルオロポリマーは、好ましくは、重合によってフルオロポリマーを製造するときに前述した官能基単位を含むフッ素化モノマーを共重合することにより得られる。本発明の官能基含有フルオロポリマーは、好ましくは、従来の方法に従い前述した官能基含有フッ素化モノマーとTFEと少なくとも1つのタイプのフッ素置換コモノマーを共重合することにより得られるコポリマーである。
【0042】
重合は当該技術分野で知られている手順により行うことが可能である。これらには、溶媒がフルオロカーボンまたはフルオロクロロカーボンである溶液重合が挙げられる。実施例において記載されているような水性分散重合は好ましい。水性媒体中のポリマーの濃度は、約10〜50重量%、好ましくは約20〜40重量%、より好ましくは約25〜35重量%である。
【0043】
上で引用した化合物をフッ素置換コモノマーの例として与えることが可能である。パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)およびパーフルオロアルキルビニルは特に好ましい。
【0044】
本発明の官能基含有フルオロポリマーの融点は、好ましくは約200〜300℃、より好ましくは約220〜280℃である。
【0045】
本発明の官能基含有フルオロポリマーがTFEとフッ素置換コモノマーと官能基含有フッ素化モノマーのコポリマーであるとき、フッ素置換コモノマーとしてのパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)およびパーフルオロアルキルビニルの量は、前記コポリマーに対して好ましくは約3〜15モル%、より好ましくは約5〜12モル%である。前述した範囲内でパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)およびパーフルオロアルキルビニルの量を有するのは本発明の好ましい実施形態である。官能基含有フルオロポリマーの融点を約200〜300℃の範囲内に維持することができるからである。
【0046】
官能基を有するフッ素化モノマー単位の量は、前記コポリマーに対して好ましくは約0.02〜5モル%、より好ましくは約0.1〜2.5モル%である。
【0047】
本発明の官能基含有フルオロポリマーは、官能基含有フルオロポリマーと上述した官能基のないフルオロポリマーとを含む組成物であってもよい。
【0048】
官能基含有フルオロポリマーと官能基のないフルオロポリマーとを含む組成物は、本発明の官能基含有フルオロポリマーの好ましい実施形態である。こうした組成物が官能基の含有率を容易且つ任意に調節することを可能にするからである。
【0049】
「本発明の官能基含有フルオロポリマー」という用語は、本明細書において、官能基含有フルオロポリマーと官能基のないフルオロポリマーとを含む組成物の意味において用いられることもある。
【0050】
本発明の官能基含有フルオロポリマーが官能基含有フルオロポリマーと上述した官能基のないフルオロポリマーの混合物であるとき、その融点は、フルオロポリマーフィルムが基材上に形成されるときに焼成温度が基材を損なうほどに高くないように、好ましくは約200〜300℃、より好ましくは約220〜280℃である。
【0051】
官能基のないフルオロポリマーは、前述したフルオロポリマーの中から適切であるように選択することが可能である。それらの中でTFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー樹脂およびTFE/パーフルオロアルキルビニルコポリマー樹脂は好ましい。
【0052】
所望の融点を達成するために、フルオロポリマーがTFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー樹脂またはTFE/パーフルオロアルキルビニルコポリマー樹脂であり、且つアルキルビニルエーテル成分またはアルキルビニル成分の割合が、フルオロポリマーフィルムを基材上に形成するときにコポリマー樹脂に対して3〜15モル%、好ましくはフルオロポリマーフィルムを基材上に形成するときにコポリマー樹脂に対して5〜12モル%であるコポリマーを用いることが好ましい。従って、フルオロポリマーフィルムを基材上に形成するときに3〜15モル%のアルキルビニルエーテル成分またはアルキルビニル成分を含むTFEとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)またはパーフルオロアルキルビニルのコポリマー樹脂は、本発明のフルオロポリマーの好ましい実施形態である。
【0053】
本発明の官能基含有フルオロポリマーが官能基含有フルオロポリマーと前述した官能基のないフルオロポリマーとを含む組成物であるとき、官能基含有フルオロポリマーは、好ましくは、組成物の全重量に対して10〜100重量%、好ましくは30〜80重量%の割合で混合される。フルオロポリマーと官能基含有フルオロポリマーは、混練機、押出機またはロールミルを用いて溶融混合するなどの従来のいずれかの方法によって混合することが可能である。ポリマーを水性乳化重合または水性分散重合によって製造する場合、ポリマーを水性媒体から分離する前に水性分散液を混合してもよい。
【0054】
噴霧およびロール被覆のような被覆方法によってポリマーを基材に被着させることが望ましい場合、ポリマーの分離は必要ない場合がある。こうした場合、ポリマー分散液(またはポリマーが溶媒に完全に溶解しない場合があることを認識して、溶媒重合の場合、溶液)を直接用いることが可能であるか、または被覆を容易にするために濃度の調節および増粘剤および他の薬剤の添加と合わせて用いることが可能である。
【0055】
フルオロポリマーと官能基含有フルオロポリマーの混合は、米国特許公報(特許文献2)で引用されたように、コア/シェル構造を有する粒子を形成することにより実行することも可能である。こうしたコア/シェル構造を有する粒子を形成するとき、シェルは官能基含有フルオロポリマーを含み、コアはフルオロポリマーである。
【0056】
フルオロポリマーを製造する重合プロセスを通して、こうしたコア/シェル構造を有する粒子を製造することが可能である。更に詳しくは、フルオロポリマーは、テトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、パーフルオロアルキルビニルまたはもう1種のフッ素置換コモノマーを共重合することによりコアとして製造され、官能基を有するフッ素化モノマーを含むシェルを有するポリマー粒子は、共重合の終わりに近い段階で前述した官能基を有するフッ素化モノマーを添加し更に共重合することにより製造することが可能である。こうした共重合を分散重合、乳化重合または懸濁重合によって行うことが可能である。
【0057】
このようにして得られたコア/シェル構造を有する粒子も本発明の官能基含有フルオロポリマーの好ましい実施形態である。製造されたフルオロポリマーおよび官能基含有フルオロポリマーの量は、コア/シェル構造を有する粒子を重合によって製造したときに重合したモノマーの量から計算することが可能である。
【0058】
コア/シェル構造を有する粒子の全体的な組成および含有率は19F−NMRによって決定することが可能であり、融点は示差走査熱分析(DSC)によって測定することが可能である。
【0059】
本発明の官能基含有フルオロポリマーをフィルム形成用フルオロポリマーとして用いることが可能である。
【0060】
本発明の好ましいフィルム形成用フルオロポリマーは、コポリマー樹脂に対して約30〜80重量%の量において、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)成分またはパーフルオロアルキルビニル成分約3〜15モル%を含むパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)またはパーフルオロアルキルビニルとTFEのコポリマー樹脂にホスフェート基含有フルオロポリマーを混合することにより得られる官能基含有フルオロポリマー組成物である。
【0061】
本発明のフィルム形成用フルオロポリマーのより好ましい実施形態は、前述したフィルム形成用フルオロポリマー中のホスフェート基含有フルオロポリマーがTFEとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)またはパーフルオロアルキルビニルと式(1)によって表される二水素リン酸エステル化合物のコポリマー樹脂であって、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)化合物またはパーフルオロアルキルビニル化合物約3〜15モル%を含むコポリマー樹脂であるフルオロポリマー組成物である。
【0062】
本発明のフィルム形成用フルオロポリマーを用いると、過熱による基材の損傷なしに前記フルオロポリマーでエラストマーなどの基材を被覆することを可能にし、使用中に適切な耐熱性を有するフィルムを形成させることを可能にする。
【0063】
プライマ被膜を被着させようとしている場合(実施例1〜4および比較例1参照)、それは薄く、厚さ約1〜10μmである(約25〜35重量%の官能基含有フルオロポリマー水性分散液または溶液からの)。それは、約100〜150℃で約10〜30分にわたり乾燥させる。その後、官能基のないことを除き官能基含有フルオロポリマーに似ている組成物のフルオロポリマーの第2の被膜を約5〜100μm、好ましくは約5〜50μmの厚さで約25〜35重量%の水性分散液または水溶液から被着させる。これを約100〜150℃で約10〜30分にわたり乾燥させる。その後、約300℃で約30分にわたり加熱することによりフィルムを得る。
【0064】
その基材の表面上で本発明の官能基含有フルオロポリマーによってフィルムが形成される金属酸化物を含有する基材の特性は特に限定されないが、普通のポリマーは基材のために好ましく、エラストマーは特に好ましい。エラストマーは、その使用温度より低い、好ましくは室温(約20〜25℃)より低いガラス転移温度を有する非晶質ポリマー、すなわち非結晶質ポリマーを意味する。軟質基材により、本発明のフィルム形成用フルオロポリマーは軟質基材上に薄いフルオロポリマー被膜を形成させることが可能であり、よって基材の柔軟性に悪影響を及ぼさずにこうしたフルオロポリマー被膜を形成することを可能にする。
【0065】
本発明は、軟質基材、好ましくは軟質エラストマー基材上で適切に用いることが可能である。耐熱性および非粘着性を与えられつつ柔軟性を付与されたフルオロポリマーフィルムを前記基材上に形成させることが可能であるからである。こうしたエラストマーの例には、シリコーンゴムが挙げられる。
【0066】
基材の形状に関しては特定の制限もない。基材がロールを構成する材料であるとき、基材は柱体形状を有してもよいか、またはロールの一部として造形された柱体であってもよい。基材がシートであるとき、シートは特定の形状に成形された成形品であってもよい。
【0067】
本発明の官能基含有フルオロポリマーは、金属酸化物を含有するゴム(エラストマー)ロール造形基材上で特に適切に用いることが可能である。
【0068】
周期律表の第III〜VIII族の金属の酸化物は金属酸化物のために好ましい。こうした金属酸化物の例には、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化錫、酸化マンガン、酸化ビスマス、酸化モリブデン、酸化鉄および酸化ニッケルが挙げられる。それらの中で酸化チタンおよび酸化鉄は好ましい。酸化鉄は特に好ましい金属酸化物の例である。赤色酸化鉄(Fe)は酸化鉄の中で好ましい。
【0069】
本発明による金属酸化物の粒度範囲は、約0.01〜50μm、好ましくは約0.1〜10μmである。
【0070】
エラストマーおよび金属酸化物の合計重量の重量%としての金属酸化物含有率は、約1〜50、好ましくは約3〜45、より好ましくは約5〜40、最も好ましくは約10〜30である。
【0071】
基材上に本発明の官能基含有フルオロポリマーからフィルムを形成させるために、従来の様々な既知の方法を用いてもよい。例えば、フルオロポリマーは、スプレー、分散液またはスラリーの形態を取った粒子または粒子凝集物として表面上の所望の位置に被着させてもよい。フルオロポリマーは、この場合に他の目的のために結合剤または他の粉末あるいは液体に混合することも可能である。静電スプレーまたは流動層被覆などの粉末被覆技術を用いることも可能である。フルオロポリマーフィルムは、フルオロポリマー粒子の融点より高い温度に加熱することにより通常は基材に密に接触して形成される(圧力は通常加えられる)。
【0072】
フルオロポリマーと基材との間の適切な接着強度は、金属酸化物と相互作用する官能基含有フルオロポリマーの結果として本発明において発現することが考えられる。
【0073】
本発明のフルオロポリマーは、印刷機および複写機などの定着機構ロール/ベルト、圧力ロール/ベルトおよび他の部品に適切に被着させることが可能である。こうした塗布が耐熱性および非粘着性を維持しつつ柔軟性を有するフルオロポリマー被膜を形成させることを可能にするからである。
【0074】
フルオロポリマーの第2の層は、金属酸化物が本発明により添加された基材上にフィルムとして形成された官能基含有フルオロポリマーを有する積層物の外面上に形成させることが可能である。この場合、基材上の官能基含有フルオロポリマーはプライマとして機能する。このようにして形成された積層物は良好な層間粘着力を有する。官能基含有フルオロポリマーが基材に堅固に接着し、フルオロポリマーの第2の層が官能基含有フルオロポリマーに接着するからである。間に挿入された官能基含有フルオロポリマーフィルム層と共にフルオロポリマー層が基材上に形成される積層物は本発明の好ましい実施形態である。
【0075】
基材がロールであるとき、間に挿入された官能基含有フルオロポリマーフィルム層と共にフルオロポリマー層がロール上に形成される積層物は、複写機などの中で適切に用いることが可能である。こうしたロールが高温に耐えることが可能であるからである。
【0076】
間に挿入された官能基含有フルオロポリマーフィルム層と共にフルオロポリマー層をロール上に形成させる方法の例には、ロール上に官能基含有フルオロポリマーフィルムを形成させ、フルオロポリマーチューブでロールを覆う方法、フルオロポリマーチューブの内面上に官能基含有フルオロポリマーフィルムを形成させ、フルオロポリマーチューブでロールを覆う方法、共押出によってチューブの内面上に官能基含有フルオロポリマー層を形成させ、フルオロポリマーチューブを押出成形によって製造するときに前記チューブでロールを覆う方法が挙げられる。
【0077】
上述したように、官能基含有フルオロポリマーは、フルオロポリマー被膜のためのプライマの役割を果たす。官能基含有フルオロポリマーがフルオロポリマーとの親和性を有し、金属酸化物との相互作用の結果としてフルオロポリマーと基材との間で適切な接着強度を提供するからである。
【0078】
前述した開示から、金属酸化物含有ゴム基材への適切な粘着力を示し、基材が耐えられる温度で被着させることが可能であるとともに使用中に適切な耐熱性を維持するフィルム形成用フルオロポリマーを本発明が提供することが分かる。
【0079】
更に、本発明は、基材が耐えられる温度で被着させることが可能であり、基材との適切な接着強度を示すとともに使用中に適切な耐熱性を維持するフルオロポリマーフィルムを形成させることを可能にする。
【0080】
更に、本発明は、フルオロポリマーの柔軟性と耐薬品性と低い摩擦特性を付与されたフルオロポリマーフィルムがエラストマーなどの軟質基材の表面上に形成されるベース材料を提供することを可能にする。
【0081】
本発明は、フルオロポリマーの柔軟性と耐薬品性と低い摩擦特性を付与されたフルオロポリマーフィルムが基材上に形成される積層物を提供することも可能にする。
【0082】
本発明は、耐熱性および非粘着性を維持しつつ柔軟性を有するフルオロポリマーで被覆された、複写機、印刷機および他の機器のために優れたゴムロールを提供する。
【0083】
本発明は、金属酸化物を含有する基材と前記基材上に形成された官能基含有フルオロポリマー被膜層と外面上に提供されたフルオロポリマーとを含む積層物を提供する。
【実施例】
【0084】
実施例と比較例を通して本発明を以下で詳しく説明する。しかし、本発明は、これらの実施例によって決して限定されない。
【0085】
(実施例1〜4および比較例1)
(官能基含有フルオロポリマーの水性分散液の製造)
水平攪拌羽根を有する4リットルのきれいなステンレススチール重合反応器を用いる。添加されたパーフルオロオクタン酸アンモニウム4.9gを含む2.2Lの量の純水を反応器に導入し、系の内部から酸素を除去した後に合成器内部の温度を85℃で安定化させる。エタンにより系内で0.03MPaの差圧をもうける。次に、104gのパーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)をプレチャージ部分として添加し、圧力をテトラフルオロエチレン(TFE)により2.06MPaに上げる。水に溶解させた69ミリグラムの過硫酸アンモニウム(APS)開始剤をこの時点で添加する。圧力が0.03MPaに低下したとき、重合反応器にAPSおよびPEVEを連続的に注入し、TFEにより2.06MPaの圧力を維持しつつ重合を行う。重合を85℃の均一温度および2.06MPaの圧力で行う。2,2,3,3,5,6,6,8,9,9−デカフルオロ−5−トリフルオロメチル−4,7−ジオキサノナ−8−エン−1−イル二水素ホスフェート(EVE−P)の5重量%水溶液を110分が経過した後に26mL/分の速度で10分にわたり添加する。EVE−P水溶液の添加が完了し、反応を終えるときに攪拌を止める。反応中に添加された量はAPS100mgおよびPEVE84gである。真空により重合反応器から残留TFEを除去した後、反応器を開放し、約30重量%固形分の曇った分散液を得る。
【0086】
この曇った分散液の中に含まれた固形分は、凍結によって凝集し、水とアセトンで洗浄し、乾燥させ、よって白色固形分をもたらす。19F−NMR分析の結果によると、この固形分は12重量%のPEVEおよび0.6重量%のEVE−Pを含んでいる。DSCによると、一次融点は269℃であり、二次融点は257℃である。
【0087】
(エラストマー(ゴム)基材片の製造)
原材料:
A:東レ・ダウ・コーニング(Toray Dow−Corning)によって製造されたSE1700クリア、
B:東レ・ダウ・コーニング(Toray Dow−Corning)によって製造されたSE1700、
C:東京の大日精化工業株式会社(Dainichiseika Color and Chemicals Mfg CO.(Tokyo)によって製造された赤色酸化鉄、100ED、粒度0.1〜1μm。
【0088】
最初に、原材料Cを表1に示した割合でAに均一に混合する。その後、Bを表1に示した割合で混合する。製造された混合物をFEP(フッ素化エチレンプロピレン、TFE/HFPコポリマーとしても知られている)の2つのシート間に置く。それを次に2つの金属板の間に置く。120℃で30分にわたり加熱し、約0.5kg/cm(50kPa)の圧力を加えた後、ゴム基材片を得る。
【0089】
(プライマの製造)
本発明の前述したフルオロポリマー水性分散液、界面活性剤(「トリトン(Triton)」(登録商標)X−100)およびメチルセルロース増粘剤を以下の表で示した割合で均一に混合し、混合物を300メッシュSUSスクリーンに通して、ゴムのためのフルオロポリマー水性プライマを製造する。
重量比率
本発明のフルオロポリマー水性分散液:90.4部、
界面活性剤:「トリトン(Triton)」(X−100):1.6部、
メチルセルロース水溶液(メチルセルロース4.8重量%):8.0部
【0090】
(試験プレートの製造)
上述したように調製されたプライマを上述したように製造されたゴム基材片の表面上に普通の塗布方法(噴霧被覆または浸漬)によって厚さ3〜5μmに被着させ、乾燥させた(125℃で20分間)。フルオロポリマートップコート(固形分40重量%、以下で示した組成)を次に被着させ、125℃で20分にわたり乾燥させて、厚さ25μmの被膜をもたらす。その後、300℃で30分にわたり被覆基材を加熱することによりフィルムを得る。
【0091】
【表1】

【0092】
(粘着力試験)
上述したように得られたフィルムの各々を、(非特許文献1)に記載された剥離試験方法に準拠した10mmの試験幅および約50mm/分の剥離速度での90度剥離試験に付した。ゴム層とプライマの分離は「不合格」と判定される。ゴム基材内の分離または裂けは「合格」と判定される。結果を剥離強度および分離の位置(剥離位置)と合わせて表1にまとめている。
【0093】
【表2】

【0094】
(実施例5)
サンプルを上の実施例1に記載されたように調製する。このフィルムを(非特許文献2)(上掲)に記載されたテープ粘着力−チェックボード(クロスハッチ)試験方法に基づいて評価する。剥離なし、すなわち、被膜の剥離がみられない。
【0095】
(実施例6)
実施例1において上で記載されたように調製されたプライマを上で試験プレートを製造するために与えられた一般処方に従って製造された赤色酸化鉄を含有するシリコーンゴムロール上に被着させ乾燥させる。実施例1のPFAポリマーに似たPFAポリマーから製造されたチューブの壁が厚さ50μmである熱収縮性チューブでロールを覆う。熱を加えて(330℃で10分間)チューブを収縮させて、チューブをゴムロールに密に接触するようにするとともに、ゴム中の金属酸化物と官能基の相互作用によって良好な粘着力を確立することにより、熱融解された被膜を形成する。この被膜の中で10mmカットを作り、手でゆっくり被膜を引っ張ることにより単純な剥離試験を行ったとき、ゴム層は破壊し、よって良好な粘着力を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属酸化物を含有する基材と前記基材上に形成された官能基含有フルオロポリマー被膜層とを含むことを特徴とする積層物。
【請求項2】
前記官能基含有フルオロポリマーがホスフェート基含有フルオロポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の積層物。
【請求項3】
前記官能基含有フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレン/トリフルオロビニルエーテル基含有二水素リン酸エステル化合物/フッ素含有コモノマーのコポリマー樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の積層物。
【請求項4】
前記フッ素含有コモノマーがパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)またはパーフルオロアルキルビニルであることを特徴とする請求項3に記載の積層物。
【請求項5】
前記トリフルオロビニル基含有二水素リン酸エステル化合物(1)が二水素リン酸エステル
CH=CH(OR)(CH)OP(O)(OH) (1)
(式中、RはC〜C20フッ素化アルキレン基であり、mは1〜10の整数であり、mが2以上であるときにRは同じかまたは異なってもよい)であることを特徴とする請求項3に記載の積層物。
【請求項6】
前記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)成分またはパーフルオロアルキルビニル成分約3〜約15モル%を含むことを特徴とする請求項4に記載の積層物。
【請求項7】
前記官能基含有フルオロポリマーが官能基含有フルオロポリマーと官能基のないフルオロポリマーとを含む組成物であることを特徴とする請求項1に記載の積層物。
【請求項8】
前記組成物がコア/シェルポリマーであり、前記コアが官能基のないフルオロポリマーであり、前記シェルが官能基含有フルオロポリマーであることを特徴とする請求項7に記載の積層物。
【請求項9】
前記官能基含有フルオロポリマーが全ポリマーに対して約30〜80重量%の量で含まれることを特徴とする請求項7に記載の積層物。
【請求項10】
前記官能基のないフルオロポリマーがパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)およびパーフルオロアルキルビニルからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーとテトラフルオロエチレンのコポリマーであることを特徴とする請求項7に記載の積層物。
【請求項11】
前記官能基のないフルオロポリマーが前記少なくとも1種のモノマー3〜15モル%を含有することを特徴とする請求項9に記載の積層物。
【請求項12】
前記官能基含有フルオロポリマーの融点が約200〜300℃であることを特徴とする請求項10に記載の積層物。
【請求項13】
前記基材がエラストマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の積層物。
【請求項14】
前記エラストマーがシリコーンゴムであることを特徴とする請求項13に記載の積層物。
【請求項15】
請求項1に記載の金属酸化物が酸化鉄であることを特徴とする請求項1に記載の積層物。
【請求項16】
前記酸化鉄が赤色酸化鉄であることを特徴とする請求項15に記載の積層物。
【請求項17】
前記基材がローラであることを特徴とする請求項1に記載の積層物。
【請求項18】
前記積層物の外面上にフルオロポリマーを与えられることを特徴とする請求項1に記載の積層物。
【請求項19】
ホスフェート基含有フルオロポリマーが、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)およびパーフルオロアルキルビニルからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーとテトラフルオロエチレンのコポリマー中に、前記コポリマーに対して約30〜80重量%の量において混合され、前記少なくとも1種のモノマーが、前記テトラフルオロエチレンのコポリマーの約3〜15モル%であることを特徴とするフィルム形成用フルオロポリマー組成物。
【請求項20】
前記ホスフェート基含有フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)およびパーフルオロアルキルビニルからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと二水素リン酸エステルモノマーのコポリマーであり、前記コポリマーが前記少なくとも1種のモノマー約3〜15モル%を含むことを特徴とする請求項18に記載のフィルム形成用フルオロポリマー組成物。

【公表番号】特表2009−502568(P2009−502568A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523854(P2008−523854)
【出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/026964
【国際公開番号】WO2007/018515
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(000174851)三井・デュポンフロロケミカル株式会社 (59)
【Fターム(参考)】