説明

フルカラー発光ダイオード装置

【課題】 フルカラー発光ダイオード装置において、サイドビュー、トップビュー何れの方向にも回路基板に対し実装可能であり、かつ振動や衝撃に対して非常に壊れ難く、また回路基板に対して安定して実装することができるフルカラー発光ダイオード装置を提供することを課題とする。
【解決手段】 パッケージ20内にR、G、B色のLEDチップを備え、パッケージ20の上面20a側から光を発するフルカラー発光ダイオード装置10において、チップR、G、Bを発光させるために必要なフレーム端子31、32、33、34が、パッケージ20の側面20bから外部へ露出すると共に、側面20bと底面20fの一部とに沿って折り曲げられており、側面20cには、フレーム端子31、34と対応する位置に、側面20cと底面20fの一部とに沿って折り曲げられたフレーム端子35、36が形成されることにより、サイドビュー、トップビュー何れの方向にも実装可能であり、かつ振動、衝撃に対して非常に壊れ難く、また安定した実装が可能なフルカラー発光ダイオード装置を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、R、G、BのLEDチップを備えフルカラー発光が可能な発光ダイオード装置に関し、特に実装基板に対して水平方向または垂直方向の何れの方向にも実装可能なフルカラー発光ダイオード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に記載されているような、R、G、Bの何れかの発光を行うLEDチップをそれぞれ同一パッケージ内に搭載し、フルカラー発光を可能とする発光ダイオード装置が知られている。
【0003】
このような発光ダイオード装置は回路基板に半田付けされ、例えば携帯電話等に用いられる液晶表示装置の白色光源として利用されるなど、今後もますますその用途が広がりを見せている。
【0004】
そして、通常は所謂サイドビュータイプと呼ばれる回路基板に対し水平方向に発光するもの、または所謂トップビュータイプと呼ばれる回路基板に対して垂直方向に発光するものがその用途に合わせて各々製造されている。
【0005】
しかしながら、このようなサイドビュータイプ或はトップビュータイプのものでは回路基板に対する発光方向が限定されるため、用途に合わせ2種類のタイプを用意しておく必要があり、コストの増加など問題もある。
【0006】
そこで、例えば特許文献2に記載されているようにサイドビュー、トップビュー何れの方向にも対応可能な発光ダイオード装置が知られている。
【特許文献1】特開平11−177136号公報
【特許文献2】特開平5−218507号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図6はこの特許文献2に記載されている発光ダイオード装置を示している。特許文献2に記載されたものは、絶縁基台1に第1のフレーム2、第2のフレーム3が設けられており、LEDチップである光半導体素子7が第1のフレーム2に一つ搭載されるとともに、第2のフレーム3に金属細線8で配線されている。
【0008】
第1のフレーム2と第2のフレーム3は絶縁基台1の側面4、側面5に沿って曲げられており、また絶縁基台1の裏面6に沿っても曲げられている。このようすることで回路基板に対して側面の方で実装することも、また裏面の側で実装することもでき、サイドビュー、トップビュー何れの方向にも対応可能な発光ダイオード装置として提供されている。
【0009】
しかしながら、上述したR、G、BそれぞれのLEDチップを同一パッケージ内に搭載したフルカラー発光ダイオード装置においては、特許文献2のようなLEDチップが一つしか搭載されていない発光ダイオード装置と同様な構成により、サイドビュー、トップビュー何れの方向にも対応可能な発光ダイオード装置を提供するには問題がある。
【0010】
一つは、R、G、Bの少なくとも3つのLEDチップが同一パッケージ内に搭載されるためフレーム端子の数がより多く必要となる。
【0011】
またLEDチップを搭載するパッケージは、通常板金を切り抜いたフレームをベースとして、フレームの上下方向から金型で挟み、その中に樹脂を流し込んで、成形することによって製造されている。この様な構造において、特許文献2のようにパッケージの両側から総てのフレーム端子を延在させておくと、フレーム端子の位置を境にして上下の樹脂が一体となっているパッケージの場合、フレーム端子の存在により、上下の樹脂が一体となっている領域が減少せざるをおえない。そしてこのようなパッケージを用いると、パッケージから出るフレーム端子の部分から樹脂の破壊が生じる恐れが高くなる。特にフルカラー発光ダイオード装置は小型であることがその大きな特徴の一つであり、小型のフルカラー発光ダイオード装置は携帯型の製品に組み込まれることも非常に多い。その場合には当然大きな振動も加わり易くなり、フレーム端子の部分から樹脂の破壊が生じる恐れも極めて高くなる。
【0012】
そこで、本発明はフルカラー発光ダイオード装置において、サイドビュー、トップビュー何れの方向にも回路基板に対し実装可能であり、かつ振動や衝撃に対して非常に壊れ難く、また回路基板に対して安定して実装することができるフルカラー発光ダイオード装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の本発明は、略箱状のパッケージ内に少なくともR、G、B色のLEDチップを備え、前記パッケージの上面側から光を発するフルカラー発光ダイオード装置において、前記LEDチップを発光させるために必要なフレーム端子が、前記パッケージの一つの側面から外部へ露出すると共に、該側面と前記パッケージ底面の一部とに沿って折り曲げられており、前記フレーム端子が露出する側面と対向する側の前記パッケージの対向側面には、該対向側面の両端近傍に、該対向側面と前記パッケージ底面の一部とに沿って折り曲げられたダミーフレーム端子が形成されていることを特徴とする。
【0014】
また請求項2に記載の本発明は、略箱状のパッケージ内に少なくともR、G、B色のLEDチップを備え、前記パッケージの上面側から光を発するフルカラー発光ダイオード装置において、前記LEDチップを発光させるために必要なフレーム端子が、前記パッケージの一つの側面から外部へ露出すると共に、該側面と前記パッケージ底面の一部とに沿って折り曲げられており、前記フレーム端子が露出する側面と対向する側の前記パッケージの対向側面には、前記フレーム端子より少ない数のダミーフレーム端子が形成されており、前記ダミーフレーム端子は、該対向側面と前記パッケージ底面の一部とに沿って折り曲げられたダミーフレーム端子が形成されていることを特徴とする。
【0015】
また請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2記載のフルカラー発光ダイオード装置において、前記ダミーフレーム端子は、前記フレーム端子の内両端に位置するフレーム端子に対応して形成されていることを特徴とする。
【0016】
また請求項4に記載の本発明は、請求項1から3の何れかに記載のフルカラー発光ダイオード装置において、前記フレーム端子が露出する側面と前記ダミーフレーム端子が露出する対向側面は前記パッケージの長手方向に位置する両側面であり、前記パッケージの高さと短手方向の長さとが略同じであることを特徴とする。
【0017】
また請求項5に記載の本発明は、請求項1から4の何れかに記載のフルカラー発光ダイオード装置において、前記パッケージは、上面を開放した箱状に形成された上部と、箱状に形成された下部とからなり、前記上部と前記下部との接合部には若干の段差ができていることを特徴とする。
【0018】
また請求項6に記載の本発明は、請求項5に記載のフルカラー発光ダイオード装置において、前記上部と前記下部との接合部にできている段差の高さは、前記フレーム端子の厚さと同じであることを特徴とする。
【0019】
また請求項7に記載の本発明は、請求項5又は6に記載のフルカラー発光ダイオード装置において、前記パッケージの下部の側面は、底面に向かってテーパーが付与されていることを特徴とする。
【0020】
また請求項8に記載の本発明は、請求項1から7の何れかに記載のフルカラー発光ダイオード装置において、前記フレーム端子と前記ダミーフレーム端子とは電気的に接続していることを特徴とする。
【0021】
また請求項9に記載の本発明は、請求項1から8の何れかに記載のフルカラー発光ダイオード装置において、前記フレーム端子と前記ダミーフレーム端子とは、何れも同一幅であることを特徴とする。
【0022】
また請求項10に記載の本発明は、請求項1から9の何れかに記載のフルカラー発光ダイオード装置において、前記両端に位置するフレーム端子の内の一方には、前記LEDチップのアノード側が総て電気的に接続していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
上記構成におけるフルカラー発光ダイオード装置においては、回路基板に対しサイドビュー、トップビュー何れの方向にも実装可能であり、かつ振動、衝撃に対して非常に壊れ難く、また安定した実装が可能なフルカラー発光ダイオード装置を提供することができる。
【0024】
更には、回路基板への実装作業性が非常に向上し、またコストの増加を抑えたフルカラー発光ダイオード装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明のフルカラー発光ダイオード発光装置は、上面側が開放する略箱状のパッケージの内に、赤色の発光をするLEDチップと、緑色の発光をするLEDチップと、青色の発光をするLEDチップとを備えており、3色のLEDチップを発光させるために必要なフレーム端子は、パッケージの一つの側面から外部へ露出すると共に、この側面とパッケージ底面の一部とに沿って折り曲げられている。またこれらのフレーム端子が露出する側面と対向する側のパッケージ側面には、この対向側面の両端近傍に対向側面とパッケージ底面の一部とに沿って折り曲げられた所謂ダミーのフレーム端子が形成され、或はフレーム端子より少ない数のダミーのフレーム端子が対向側面とパッケージ底面の一部とに沿って折り曲げられて形成されたものである。
【0026】
以下図面を用いてその実施例を説明して行く。
【実施例1】
【0027】
図1は、本発明におけるフルカラー発光ダイオード装置10の上からみた平面図を中心に、4つの側面からみた平面図と、下からみた平面図を示している。また図2はフルカラー発光ダイオード装置10の回路構成を示した回路図を示している。なお図1(a)がフルカラー発光ダイオード装置10を上からみた上面図であり、(b)が後述するフレーム端子が4本存在する側の長手方向の側面図であり、(c)がフレーム端子が2本存在する側の長手方向の側面図であり、(d)、(e)が短手方向の側面図であり、(f)がフルカラー発光ダイオード装置10を下からみた下面図である。
【0028】
フルカラー発光ダイオード装置10は、パッケージ20と、パッケージ20の外部に露出した6つのフレーム端子31、32、33、34、35、36と、パッケージ20の内部においてフレーム端子31とフレーム端子35に接続する第一電極41、フレーム端子32と接続する第二電極42、フレーム端子33と接続する第三電極43、フレーム端子34とフレーム端子36に接続する第四電極44を備えている。そして第二電極42上には緑色の発光素子であるLEDのチップG、第三電極43上には青色の発光素子であるLEDのチップB、第四電極44上には赤色の発光素子であるLEDのチップRがそれぞれ搭載されている。なお、フレーム端子31、32、33、34、35、36や、第一電極41、第二電極42、第三電極43、第四電極44は、金属板を打ち抜いて形成したフレーム50を当初構成するものであり、フレーム50の形状を図3に示す。
【0029】
パッケージ20は、フレーム50を上下から金型(図示せず)で挟み込み、ポリフェニレンサルファイド、ポリフタルアミドや液晶ポリマー等の高耐熱性白色樹脂材を流し込んで樹脂成形により形成している。そして上面側を開放した箱状に形成し、内部に第一電極41、第二電極42、第三電極43、第四電極44を露出させたパッケージ20の上部21と、箱状に形成されたパッケージ20の下部22で構成されている。なお図示のように上部21と下部22の接合部では若干段差ができている。これは上下の金型を接合した際に側面が面一となっていると、接合部から樹脂が漏れ、そのまま固まり所謂バリが発生する恐れがあり、バリの発生防止のために接合部に段差ができる構成としている。またフレーム端子を下部22の側面に沿って折り曲げた際に、フレーム端子と上部21の側面とが面一となるようにするためである。したがって段差はフレーム端子の厚さと同じ高さであるのが好ましい。
【0030】
フレーム50は、上述したようにフレーム端子31、32、33、34、35、36や、第一電極41、第二電極42、第三電極43、第四電極44で構成されており、通常金属板を打ち抜いた後メッキ等の表面処理が施されて製造されている。そして回路図に示すように、第一電極41はチップR、チップG、チップBのアノード側が、第二電極42にはチップGのカソード側、第三電極43にはチップBのカソード側、第四電極44にチップRのカソード側がそれぞれ接続され、フルカラー発光ダイオード装置10の外部からフレーム端子を介して駆動電圧を印加することにより、チップR、チップG、チップBがそれぞれ発光する。このとき実施例1において、チップR、チップG、チップBのカソード側はそれぞれ別々の電極に接続されているので、フルカラー発光ダイオード装置10の外部において制御された駆動電圧を加えることで、簡単な構成によりチップR、チップG、チップBの発光状態を任意に変えることができる。したがってフルカラー発光ダイオード装置10自体に駆動電圧を制御する構造を設ける必要はなく、簡単な構造のフルカラー発光ダイオード装置10を提供できるため、小型化により適したものとなる。
【0031】
また、フレーム端子31、32、33、34は、図1(b)に示すように、パッケージ20の長手側の側面の一方側である側面20bから、フレーム端子35、36は他方側の側面20cから、上部21と下部22の接合部において外部へ露出している。各フレーム端子は下部22の側面に沿って曲げられると共に、底面20fにも一部架かるように曲げられている。
【0032】
なお、フレーム端子が曲げられて接する下部22の側面及び底面には図示しているように若干テーパーが付与されている。このようにテーパーを付与しておくと、パッケージ20を形成する際に金型が抜きやすくなるだけでなく、フレーム端子を曲げる際に一旦希望の位置よりも大きく曲げることができ、それによりフレーム端子をパッケージ20の上部21の側面と平行な状態に保持しやすくなる。なぜならもしテーパーを付与しておかなければフレーム端子を曲げても上部21の側面と平行となる位置までしか曲げることができず、このような場合フレーム端子自身の弾性力により、上部21の側面と平行な位置でその状態を保持することができず、上部21の側面の位置よりも開いた状態にフレーム端子がなりやすくなってしまうからである。また各フレーム端子は何れも同一の幅となっている。このように同一の幅にしておくことで各フレーム端子を同一の力で同一の状態に曲げることができ、均一なフレーム端子構造のフルカラー発光ダイオード装置10を提供することができる。
【0033】
フレーム端子31は第一電極41と、フレーム端子32は第二電極42と、フレーム端子33は第三電極43と、フレーム端子34は第三電極44と、それぞれ接続している。したがってフルカラー発光ダイオード装置10はフレーム端子31、32、33、34が露出、存在している面を回路基板と対向させ、各フレーム端子を回路基板の対応する回路に接続すれば発光することができる。つまりパッケージ20の側面20bを回路基板と対向させて用いれば、サイドビュータイプのフルカラー発光ダイオード装置10として用いることができる。一方パッケージ20の底面20fを回路基板と対向させて用いれば、トップビュータイプのフルカラー発光ダイオード装置10として用いることができる。
【0034】
図4の(a)はサイドビュータイプとして使用した際のパッケージ20の短手方向の側面20dからみた実装図を示しており、図4の(b)はトップビュータイプとして使用した際の側面20dからみた実装図を示している。図4(a)においては、側面20bを回路基板60と対向させ、フレーム端子31は、回路基板60に形成されたフレーム端子31と対応する回路61に、手半田やリフロー半田等、既知の方法により接続される。フルカラー発光ダイオード装置10の発光に必要なフレーム端子31、32、33、34は何れも側面20bに存在していため、図示していないがフレーム端子32、33、34も回路基板60に形成された対応する回路に接続されている。
【0035】
図4(b)においては、底面20fを回路基板60と対向させ、既知の方法によりフレーム端子31を回路基板60に形成された回路61に接続する。何れのフレーム端子もパッケージ20の底面20fに一部架かるまで曲げられている。したがって、トップビュータイプにおいてフルカラー発光ダイオード装置10を平面の上に平行にかつ安定して置くことができる。一方フレーム端子35は回路基板60と電気的に接続していなくても、フレーム端子31が回路基板60と電気的に接続していれば発光する上で問題ない。そこでフレーム端子35は回路基板60に形成されたダミー回路62に接続されている。同様にフレーム端子36も回路基板と電気的に接続していなくても、フレーム端子34が回路基板60と電気的に接続していれば発光する上で問題ないため、フレーム端子36もダミー回路(図示せず)に接続されている。
【0036】
このようにフレーム端子35、36は、発光する上で必ずしも必要ではないが、トップビュータイプとして使用する上でフルカラー発光ダイオード装置10を回路基板60の上に安定して置くために必要となる。またフレーム端子35、36はパッケージ20の側面20cにおいて、側面20bの両端に位置するフレーム端子31、34と対応する位置に設けている。これはトップビュータイプで使用したときにフレーム端子32、33と対応する位置に設けるよりも、フレーム端子31、34と対応する位置に設けた方がフルカラー発光ダイオード装置10を回路基板60の上に一番安定して置くことができるからである。
【0037】
更にはフレーム端子32、33と対応するフレーム端子を、フレーム端子35、36が設けられている側面20cにおいて設けていない。つまりフレーム端子は35、36は、側面20cにおいて、側面20bに形成されているフレーム端子のうち両端に位置するフレーム端子31、34に対応する位置にだけ設けられている。これはフレーム端子の位置を境にしてパッケージ20の上部21と下部22とが一体となっているため、余計なフレーム端子を設けないことにより、上部21と下部22とが一体となっている領域を大きくするためであり、パッケージ20から露出するフレーム端子の部分からパッケージ20等の破壊が生じる恐れを減らすためである。
【0038】
なお、実施例1においてフレーム端子35、34を第一電極41、第四電極44と各々接続しているが、必ずしも接続する必要はなく、パッケージ20内においてフレーム端子35、34を第一電極41、第四電極44と接続させず独立させておいてもよい。しかしフレーム端子35、34を第一電極41、第四電極44と接続させている方が、板金からフレーム50から打ち抜く際にフレームの曲がりの発生を抑える等、フルカラー発光ダイオード装置10の製造においてより効果的である。
【0039】
パッケージ20の内部において第二電極42上に載置されるチップGは、例えば、緑色系の光を発光するGaN(窒化ガリウム)系の半導体からなり、下面側の第1の電極を第二電極42と接続し、上面側の第2の電極を金属細線72を介し共通電極である第一電極41と接続させている。
【0040】
第三電極43上に載置されるチップBは、青色系の光を発光するGaN(窒化ガリウム)系の半導体からなり、下面側の第1の電極を第三電極43と接続し、上面側の第2の電極を金属細線73を介し第一電極41と接続させている。
【0041】
第四電極44上に載置されるチップRは、赤色系の光を発光するInGaAlP(インジウム・ガリウム・アルミ・リン)系の半導体からなり、下面側の第1の電極を第四電極44と接続し、上面側の第2の電極を金属細線74を介し第一電極41と接続させている。
【0042】
パッケージ20内にチップG、B、Rを載置した後、パッケージ20内部を透光性のエポキシ樹脂(図示せず)等で埋めることで、フルカラー発光ダイオード装置10は製造される。
【実施例2】
【0043】
図5は、本発明によるフルカラー発光ダイオード装置10´を収納した状態の平面図及び断面図を示している。なお一般的にフルカラー発光ダイオード装置は、プラスチックテープ等にプレス成形又は真空成形を施した収納スペースの中に一つ一つ収納し、開口した部分をカバーテープで塞いで取り扱われている。
【0044】
実施例2のフルカラー発光ダイオード装置10´は、基本的な構造は実施例1のものと同様であり、実施例1と同様の符号を用いて示している。このフルカラー発光ダイオード装置10´の外形寸法は、長手方向の長さが大体2.5mmなの対して、短手方向の長さが大体1.8mmとなっており、高さも大体1.8mmとなっている。つまりパッケージ20の短手方向側面20dからみると、フルカラー発光ダイオード装置10´は略正方形の形状となっている。
【0045】
図5(a)は、このようなフルカラー発光ダイオード装置10´を、プラスチックテープ80にプレス成形等を施した収納スペース81内に、パッケージ20の上面20aを上に向けて収納した状態を示している。フルカラー発光ダイオード装置10´をトップビュータイプとして使用する際には、事前にこのように収納しておけば、そのまま取り出して回路基板へ実装すればよいので、作業性が非常に向上する。
【0046】
また図5(b)は、フルカラー発光ダイオード装置10´を収納スペース81内に、パッケージ20の側面20cを上に向けて収納した状態を示している。フルカラー発光ダイオード装置10´をサイドビュータイプとして使用する際には、事前にこのように収納しておけば、そのまま取り出して回路基板へ実装すればよいので、作業性が非常に向上する。
【0047】
そして、フルカラー発光ダイオード装置10´は高さと短手方向の長さとが略同じなので、どちらのタイプで使用する場合にも、プレス成形等を施した一つのプラスチックテープ80を用意しておくことで対応でき、収納スペースのサイズの異なる二種類のプラスチックテープをわざわざ用意する必要がないので、余計なコストの増加を防ぐことができる。
【0048】
なお実施例1、2においては、第一電極41にチップR、チップG、チップBのアノード側を総て接続して、フレーム端子の数の削減及びフルカラー発光ダイオード装置の小型化を図っているが、チップR、チップG、チップBのアノード側をそれぞれ形成した電極に接続する構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1実施例であるフルカラー発光ダイオード装置を上からみた平面図と、4つの側面からみた平面図と、下からみた平面図である。
【図2】本発明の第1実施例であるフルカラー発光ダイオード装置の回路構成を示した回路図である。
【図3】本発明の第1実施例に用いるフレーム形状の平面図である。
【図4】本発明の第1実施例であるフルカラー発光ダイオード装置を、サイドビュータイプとして使用した際の実装図(a)と、トップビュータイプとして使用した際の実装図(b)である。
【図5】本発明の第2実施例であるフルカラー発光ダイオード装置を、トップビュータイプとして使用する際の収納状態の平面図及び断面図を示す(a)と、サイドビュータイプとして使用する際の収納状態の平面図及び断面図を示す(b)である。
【図6】従来の技術を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
10 フルカラー発光ダイオード装置
20 パッケージ
31、32、33、34、35、36 フレーム端子
41 第一電極
42 第二電極
43 第三電極
44 第四電極
50 フレーム
60 回路基板
61 回路
62 ダミー回路
R、G、B チップ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
略箱状のパッケージ内に少なくともR、G、B色のLEDチップを備え、前記パッケージの上面側から光を発するフルカラー発光ダイオード装置において、
前記LEDチップを発光させるために必要なフレーム端子が、前記パッケージの一つの側面から外部へ露出すると共に、該側面と前記パッケージ底面の一部とに沿って折り曲げられており、
前記フレーム端子が露出する側面と対向する側の前記パッケージの対向側面には、該対向側面の両端近傍に、該対向側面と前記パッケージ底面の一部とに沿って折り曲げられたダミーフレーム端子が形成されていることを特徴とするフルカラー発光ダイオード装置。
【請求項2】
略箱状のパッケージ内に少なくともR、G、B色のLEDチップを備え、前記パッケージの上面側から光を発するフルカラー発光ダイオード装置において、
前記LEDチップを発光させるために必要なフレーム端子が、前記パッケージの一つの側面から外部へ露出すると共に、該側面と前記パッケージ底面の一部とに沿って折り曲げられており、
前記フレーム端子が露出する側面と対向する側の前記パッケージの対向側面には、前記フレーム端子より少ない数のダミーフレーム端子が形成されており、
前記ダミーフレーム端子は、該対向側面と前記パッケージ底面の一部とに沿って折り曲げられたダミーフレーム端子が形成されていることを特徴とするフルカラー発光ダイオード装置。
【請求項3】
前記ダミーフレーム端子は、前記フレーム端子の内両端に位置するフレーム端子に対応して形成されていることを特徴とする前記請求項1又は2に記載のフルカラー発光ダイオード装置。
【請求項4】
前記フレーム端子が露出する側面と前記ダミーフレーム端子が露出する対向側面は前記パッケージの長手方向に位置する両側面であり、
前記パッケージの高さと短手方向の長さとが略同じであることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のフルカラー発光ダイオード装置。
【請求項5】
前記パッケージは、上面を開放した箱状に形成された上部と、箱状に形成された下部とからなり、前記上部と前記下部との接合部には若干の段差ができていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のフルカラー発光ダイオード装置。
【請求項6】
前記上部と前記下部との接合部にできている段差の高さは、前記フレーム端子の厚さと同じであることを特徴とする請求項5に記載のフルカラー発光ダイオード装置。
【請求項7】
前記パッケージの下部の側面は、底面に向かってテーパーが付与されていることを特徴とする請求項5又は6に記載のフルカラー発光ダイオード装置。
【請求項8】
前記フレーム端子と前記ダミーフレーム端子とは電気的に接続していることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載のフルカラー発光ダイオード装置。
【請求項9】
前記フレーム端子と前記ダミーフレーム端子とは、何れも同一幅であることを特徴とする請求項1から8の何れかに記載のフルカラー発光ダイオード装置。
【請求項10】
前記両端に位置するフレーム端子の内の一方には、前記LEDチップのアノード側が総て電気的に接続していることを特徴とする請求項1から9の何れかに記載のフルカラー発光ダイオード装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−24794(P2006−24794A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−202297(P2004−202297)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】