説明

フルカラー発光材料およびその調製方法

フルカラー発光材料およびその調製方法である。発光材料は化学式(Y1−x−y−zGeOの化合物であり、式中、x、y、zの値はそれぞれ0<x≦0.05、0<y≦0.15、0<z≦0.15であり、かつx:y:z=1:1〜10:1〜10、AはTm、Ceのうちの1種類であり、BはTb、Ho、Er、Dyのうちの1種類であり、CはEu、Pr、Smのうちの1種類である。調製方法は、原料を均一に粉砕した後1300〜1500℃にて6〜24h焼結して、得られた生成物を室温にまで冷却することで、生成物が得られる。
その他物質をドーピングせずとも赤色−緑色−青色のフルカラーの直接出射を実現でき、しかも紫外線領域の発光素子で励起するに適したフルカラー発光材料を提供するとともに、調製工程が簡単で、製品の品質が安定したフルカラー発光材料の調製方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフォトエレクトロニクス・ディスプレイおよび照明技術の分野に属し、蛍光材料に関するものであり、とりわけフルカラー発光材料およびその調製方法に関し、当該発光材料は赤色−緑色−青色(R−G−B)のフルカラーの直接出射を実現可能である。
【背景技術】
【0002】
半導体照明技術(LED)の発展に伴って、このような革新的で新たな光源は徐々に私たちの日常生活に入り込んできている。第3世代の半導体材料である窒化ガリウムを半導体照明の光源とすることで、同レベルの明るさでも消費電力はわずかに通常の白熱電球の1/10となり、寿命は10万時間以上に達することができる。新たな照明技術として、LEDは省エネ、環境にやさしい、柔軟に応用できるなど数多くの長所を備えていることから、各種インジケータ、ディスプレイ、デコレーション、バックライトおよび普通の照明などの分野に広く応用できるため、照明分野における一革命をもたらしている。よって、LEDを内蔵する発光素子が出射する青紫色光を可視光に効果的に転換することで、白色光系および多色系発光装置を実現できる効率の高い蛍光材料が早急に必要となっている。
【0003】
現時点の従来技術において、青色LEDチップにセリウム励起の希土類ガーネット黄色蛍光粉体(例えばYAG:Ce3+またはTAG:Ce3+)を組み合わせるものがLED白色発光を実現する主流の方式であるが、このような方式で実現された白色光のスペクトルでは緑色および赤色成分が不足しているため、演色性が低く、色温度が高くなってしまう2つの大きな欠点が顕著となっていた。以上の欠点を解決するために、青色LEDチップが励起する黄色蛍光粉体中に緑色蛍光粉体または赤色蛍光粉体をドーピングする方式と、そして紫外線LEDチップで赤色、緑色、青色の三原色の蛍光粉体を励起することで演色性を高めるとともに色温度を調節する別の方式とがある。確かに上記した二種類の方式では光源の演色性および色温度の問題を比較的良好に解決できるものの、複数種類の蛍光粉体と樹脂とを混合してLEDチップを封止しなければならず、この工程においては種類の異なる蛍光粉体の混合が不均一となる問題が存在し、発生する白色光の色が不均一となってしまい、実用化への影響は深刻であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決すべき技術的課題は、従来技術における青色LEDチップにセリウム励起の希土類ガーネット黄色蛍光粉体を組み合わせるものでは緑色蛍光粉体または赤色蛍光粉体を添加するが、複数種類の蛍光粉体の混合が不均一となったときに発生する白色光の色が不均一となってしまい、実用化への影響が深刻となる欠点に対して、その他物質をドーピングせずとも赤色−緑色−青色(R−G−B)のフルカラーの直接出射を実現でき、発光性能に優れ、しかも紫外線領域(240〜410nm)の発光素子で励起するに適したフルカラー発光材料を提供するところにある。
【0005】
本発明がさらに解決すべき技術的課題は、調製工程が簡単で、製品の品質が安定したフルカラー発光材料の調製方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明がその技術的課題を解決するために採用する技術的思想は以下の通りである。化学式(Y1−x−y−zGeOの化合物であるフルカラー発光材料であり、式中、x、y、zの値はそれぞれ0<x≦0.05、0<y≦0.15、0<z≦0.15であり、かつx:y:z=1:1〜10:1〜10、AはTm、Ceのうちの1種類であり、BはTb、Ho、Er、Dyのうちの1種類であり、CはEu、Pr、Smのうちの1種類である。
【0007】
前記x、y、zの値はそれぞれ0<x≦0.03、0<y≦0.10、0<z≦0.10であるのが好ましい。
【0008】
前記x:y:zの比率値は1:1〜6:1〜6であるのが好ましい。
【0009】
フルカラー発光材料の調製方法は、Y、Geの酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、硝酸塩またはハロゲン化物に、A、B、Cの3種類の元素の酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、硝酸塩またはハロゲン化物を加えて原料とするものであり、このうちAはTm、Ceのうちから選ばれる1種類であり、BはTb、Ho、Er、Dyのうちから選ばれる1種類であり、CはEu、Pr、Smのうちから選ばれる1種類であり、原料を均一に粉砕した後1300〜1500℃にて6〜24h焼結して、得られた生成物を室温にまで冷却することで、フルカラー発光材料が得られる。
【0010】
フルカラー発光材料の調製方法は、前記原料を乳鉢の中に投入して均一に粉砕し、均一に粉砕された原料を1350〜1450℃で8〜15h焼結して、得られた生成物を室温にまで冷却することで、フルカラー発光材料が得られるのが好ましい。
【0011】
フルカラー発光材料の調製方法において、原料は化学式(Y1−x−y−zGeOのうちの各元素の間の化学量論比により計量される、つまり化学式のうちの各元素の間のモル比により原料を計量するものであって、式中、x、y、zの値はそれぞれ0<x≦0.05、0<y≦0.15、0<z≦0.15であり、かつx:y:z=1:1〜10:1〜10である。
【0012】
フルカラー発光材料の調製方法において、前記x、y、zの値がそれぞれ0<x≦0.03、0<y≦0.10、0<z≦0.10である。
【0013】
フルカラー発光材料の調製方法において、前記x:y:zの比率値が1:1〜6:1〜6である。
【0014】
前記原料において、酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、硝酸塩またはハロゲン化物の純度が分析試薬未満ではない。
【発明の効果】
【0015】
本発明の装置の発光材料では希土類元素をドーピングしたゲルマニウム塩酸を用いるものであって、希土類元素を添加していることから、本発明の発光材料は紫色光領域(240〜410nm)の励起にてフルカラー発光を実現できるものであり、その発光性能は優れるうえ、その中における希土類ドーピング元素の間の比率を調整することで、理想的な白色発光が得られる。
【0016】
本発明の調製工程は簡単で、製品の品質が安定し、実用性が高く、応用範囲は広い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施例1で調製されたフルカラー発光材料(Y0.97Tm0.01Tb0.01Eu0.01GeOの発光スペクトル。
【図2】実施例9で調製されたフルカラー発光材料(Y0.945Tm0.01Tb0.01Eu0.025GeOの発光スペクトル。
【図3】実施例11で調製されたフルカラー発光材料(Y0.915Tm0.01Tb0.04Eu0.035GeOの発光スペクトル。このうち、発光スペクトルの励起波長は360nmである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のフルカラー発光材料は化学式(Y1−x−y−zGeOの化合物であり、式中、x、y、zの値はそれぞれ0<x≦0.05、0<y≦0.15、0<z≦0.15であり、かつx:y:z=1:1〜10:1〜10、AはTm、Ceのうちの1種類であり、BはTb、Ho、Er、Dyのうちの1種類であり、CはEu、Pr、Smのうちの1種類であるのが好ましい。x:y:zの比率値は1:1〜6:1〜6であるのが好ましい。
【0019】
フルカラー発光材料の調製方法は、Y、Geの酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、硝酸塩またはハロゲン化物に、A、B、Cの3種類の元素の酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、硝酸塩またはハロゲン化物を加えて原料とするものであり、このうちAはTm、Ceのうちから選ばれる1種類であり、BはTb、Ho、Er、Dyのうちから選ばれる1種類であり、CはEu、Pr、Smのうちから選ばれる1種類であり、原料を均一に粉砕した後1300〜1500℃にて6〜24h焼結して、得られた生成物を室温にまで冷却することで、フルカラー発光材料が得られる。
【0020】
フルカラー発光材料の調製方法は、Y、Geの酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、硝酸塩またはハロゲン化物に、A、B、Cの3種類の元素の酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、硝酸塩またはハロゲン化物を加えて原料とするものであり、このうちAはTm、Ceのうちから選ばれる1種類であり、BはTb、Ho、Er、Dyのうちから選ばれる1種類であり、CはEu、Pr、Smのうちから選ばれる1種類であり、原料を均一に粉砕した後1300〜1500℃にて6〜24h焼結して、得られた生成物を室温にまで冷却することで、フルカラー発光材料が得られる。
【0021】
フルカラー発光材料の調製方法は、前記原料を乳鉢の中に投入して均一に粉砕し、均一に粉砕された原料を1350〜1450℃で8〜15h焼結して、得られた生成物を室温にまで冷却することで、フルカラー発光材料が得られる。
【0022】
フルカラー発光材料の調製方法において、原料は化学式(Y1−x−y−zGeOのうちの各元素の間の化学量論比により計量される、つまり化学式のうちの各元素の間のモル比により原料を計量するものであって、式中、x、y、zの値はそれぞれ0<x≦0.05、0<y≦0.15、0<z≦0.15であり、0<x≦0.03、0<y≦0.10、0<z≦0.10であるのが好ましく、x:y:z=1:1〜10:1〜10であり、x:y:zの比率値が1:1〜6:1〜6であるのが好ましい。
【0023】
前記原料において、酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、硝酸塩またはハロゲン化物の純度が分析試薬未満ではないことが好ましい。
【0024】
以下、具体的な実施例により本発明を詳細に説明する。
【0025】
実施例1:高温固相法で(Y0.97Tm0.01Tb0.01Eu0.01GeOを調製した。
室温にて、Yを0.97mmol量り取り、Tmを0.01mmol量り取り、Tbを0.005mmol量り取り、Euを0.01mmol量り取り、GeOを1mmol量り取って、メノウ製の乳鉢中に投入して均一に混ざるまで充分に粉砕した後、粉末をコランダムるつぼに移し、さらに高温箱型炉中に入れて1350℃で15h焼結し、得られた生成物を室温にまで冷却した後に乳鉢に投入して粉砕することで、フルカラー発光材料(Y0.97Tm0.01Tb0.01Eu0.01GeOが得られた。図1に示すように、本実施例により調製されたフルカラー発光材料(Y0.97Tm0.01Tb0.01Eu0.01GeOの発光スペクトルは、図中にて、本実施例により調製されたフルカラー発光材料は360nmの励起にて455、460、487nmの青色光、544、548、580、587nmの黄緑色光および594、611、618、622nmの橙赤色光を出射するので、フルカラーの合成発光を実現することが示されている。以上の調製方法の工程は簡単で、しかも調製される製品の品質は安定する。
【0026】
実施例2:高温固相法で(Y0.97Tm0.01Tb0.01Eu0.01GeOを調製した。
室温にて、Y(NOを1.94mmol量り取り、Tm(NOを0.02mmol量り取り、Tb(NOを0.02mmol量り取り、Eu(NOを0.02mmol量り取り、GeOを1mmol量り取って、メノウ製の乳鉢中に投入して均一に混ざるまで充分に粉砕した後、粉末をコランダムるつぼに移し、さらに高温箱型炉中に入れて1300℃で24h焼結し、得られた生成物を室温にまで冷却した後に乳鉢に投入して粉砕することで、フルカラー発光材料(Y0.97Tm0.01Tb0.01Eu0.01GeOが得られた。
【0027】
実施例3:高温固相法で(Y0.945Tm0.01Dy0.02Eu0.025GeOを調製した。
室温にて、Yを0.945mmol量り取り、Tmを0.01mmol量り取り、Dyを0.02mmol量り取り、Euを0.025mmol量り取り、GeOを1mmol量り取って、メノウ製の乳鉢中に投入して均一に混ざるまで充分に粉砕した後、粉末をコランダムるつぼに移し、さらに高温箱型炉中に入れて1450℃で8h焼結し、得られた生成物を室温にまで冷却した後に乳鉢に投入して粉砕することで、フルカラー発光材料(Y0.945Tm0.01Dy0.02Eu0.025GeOが得られた。
【0028】
実施例4:高温固相法で(Y0.945Tm0.01Ho0.015Eu0.03GeOを調製した。
室温にて、Yを0.945mmol量り取り、Tmを0.01mmol量り取り、Hoを0.015mmol量り取り、Euを0.03mmol量り取り、GeOを1mmol量り取って、メノウ製の乳鉢中に投入して均一に混ざるまで充分に粉砕した後、粉末をコランダムるつぼに移し、さらに高温箱型炉中に入れて1500℃で6h焼結し、得られた生成物を室温にまで冷却した後に乳鉢に投入して粉砕することで、フルカラー発光材料(Y0.945Tm0.01Ho0.015Eu0.03GeOが得られた。
【0029】
実施例5:高温固相法で(Y0.94Tm0.01Er0.025Eu0.025GeOを調製した。
室温にて、Yを0.94mmol量り取り、Tmを0.01mmol量り取り、Erを0.025mmol量り取り、Euを0.025mmol量り取り、GeOを1mmol量り取って、メノウ製の乳鉢中に投入して均一に混ざるまで充分に粉砕した後、粉末をコランダムるつぼに移し、さらに高温箱型炉中に入れて1400℃で11h焼結し、得られた生成物を室温にまで冷却した後に乳鉢に投入して粉砕することで、フルカラー発光材料(Y0.94Tm0.01Er0.025Eu0.025GeOが得られた。
【0030】
実施例6:高温固相法で(Y0.95Tm0.01Tb0.02Sm0.02GeOを調製した。
室温にて、Yを0.95mmol量り取り、Tmを0.01mmol量り取り、Tbを0.01mmol量り取り、Smを0.02mmol量り取り、GeOを1mmol量り取って、メノウ製の乳鉢中に投入して均一に混ざるまで充分に粉砕した。残りの工程は実施例1と同じである。フルカラー発光材料(Y0.95Tm0.01Tb0.02Sm0.02GeOが得られた。
【0031】
実施例7:高温固相法で(Y0.915Tm0.015Tb0.04Pr0.03GeOを調製した。
室温にて、Yを0.915mmol量り取り、Tmを0.015mmol量り取り、Tbを0.02mmol量り取り、Pr11を0.01mmol量り取り、GeOを1mmol量り取って、メノウ製の乳鉢中に投入して均一に混ざるまで充分に粉砕した。残りの工程は実施例1と同じである。フルカラー発光材料(Y0.915Tm0.015Tb0.04Pr0.03GeOが得られた。
【0032】
実施例8:高温固相法で(Y0.93Ce0.01Tb0.03Eu0.03GeOを調製した。
室温にて、Yを0.93mmol量り取り、CeOを0.02mmol量り取り、Tbを0.015mmol量り取り、Euを0.03mmol量り取り、GeOを1mmol量り取って、メノウ製の乳鉢中に投入して均一に混ざるまで充分に粉砕した。残りの工程は実施例1と同じである。フルカラー発光材料(Y0.93Ce0.01Tb0.03Eu0.03GeOが得られた。
【0033】
実施例9:高温固相法で(Y0.945Tm0.01Tb0.02Eu0.025GeOを調製した。
室温にて、Yを0.945mmol量り取り、Tmを0.01mmol量り取り、Tbを0.01mmol量り取り、Euを0.025mmol量り取り、GeOを1mmol量り取って、メノウ製の乳鉢中に投入して均一に混ざるまで充分に粉砕した。残りの工程は実施例1と同じである。フルカラー発光材料(Y0.945Tm0.01Tb0.02Eu0.025GeOが得られた。図2に示すように、本実施例により調製されたフルカラー発光材料(Y0.945Tm0.01Tb0.02Eu0.025GeOの発光スペクトルは、図中にて、本実施例により調製されたフルカラー発光材料は360nmの励起にて455、460、487nmの青色光、544、548、580、587nmの黄緑色光および594、611、618、622nmの橙赤色光を出射することで、本実施例の合成光の色座標が(0.3346、0.3282)となり、理想的な白色光の色座標(0.33、0.33)に近くなり、白色光発光が実現することが示されている。
【0034】
実施例10:高温固相法で(Y0.92Tm0.01Tb0.04Eu0.03GeOを調製した。
室温にて、Yを0.92mmol量り取り、Tmを0.01mmol量り取り、Tbを0.02mmol量り取り、Euを0.03mmol量り取り、GeOを1mmol量り取って、メノウ製の乳鉢中に投入して均一に混ざるまで充分に粉砕した。残りの工程は実施例1と同じである。フルカラー発光材料(Y0.92Tm0.01Tb0.04Eu0.03GeOが得られた。
【0035】
実施例11:高温固相法で(Y0.915Tm0.01Tb0.04Eu0.035GeOを調製した。
室温にて、Yを0.915mmol量り取り、Tmを0.01mmol量り取り、Tbを0.02mmol量り取り、Euを0.035mmol量り取り、GeOを1mmol量り取って、メノウ製の乳鉢中に投入して均一に混ざるまで充分に粉砕した。残りの工程は実施例1と同じである。フルカラー発光材料(Y0.915Tm0.01Tb0.04Eu0.035GeOが得られた。図3に示すように、実施例11により調製されたフルカラー発光材料(Y0.915Tm0.01Tb0.04Eu0.035GeOの発光スペクトルは、図中にて、本実施例により調製されたフルカラー発光材料は360nmの励起にて455、460、487nmの青色光、544、548、580、587nmの黄緑色光および594、611、618、622nmの橙赤色光を出射することで、本実施例の合成光の色座標が(0.3387、0.3355)となり、理想的な白色光の色座標(0.33、0.33)に近くなるので、フルカラーの合成発光を実現することが示されている。
【0036】
実施例12:高温固相法で(Y0.88Tm0.01Tb0.05Eu0.06GeOを調製した。
室温にて、Yを0.88mmol量り取り、Tmを0.01mmol量り取り、Tbを0.025mmol量り取り、Euを0.06mmol量り取り、Ge(NOを1mmol量り取って、メノウ製の乳鉢中に投入して均一に混ざるまで充分に粉砕した。残りの工程は実施例1と同じである。フルカラー発光材料(Y0.88Tm0.01Tb0.06Eu0.05GeOが得られた。
【0037】
実施例13:高温固相法で(Y0.79Ce0.01Tb0.1Eu0.1GeOを調製した。
室温にて、Y(CHCOO)を1.58mmol量り取り、Ce(CHCOO)を0.02mmol量り取り、Tb(CHCOO)を0.2mmol量り取り、Eu(CHCOO)を0.2mmol量り取り、Ge(NOを1mmol量り取って、メノウ製の乳鉢中に投入して均一に混ざるまで充分に粉砕した。残りの工程は実施例1と同じである。フルカラー発光材料(Y0.79Ce0.01Tb0.1Eu0.1GeOが得られた。
【0038】
実施例14:高温固相法で(Y0.815Tm0.015Er0.02Pr0.15GeOを調製した。
室温にて、Y(COを0.815mmol量り取り、Tm(Cを0.015mmol量り取り、Er(COを0.02mmol量り取り、Pr(CHCOO)を0.3mmol量り取り、Ge(Cを1mmol量り取って、メノウ製の乳鉢中に投入して均一に混ざるまで充分に粉砕した。残りの工程は実施例1と同じである。フルカラー発光材料(Y0.815Tm0.015Er0.02Pr0.15GeOが得られた。
【0039】
実施例15:高温固相法で(Y0.82Tm0.05Ho0.01Eu0.12GeOを調製した。
室温にて、Y(Cを0.82mmol量り取り、Tm(COを0.05mmol量り取り、Ho(Cを0.01mmol量り取り、Eu(CHCOO)を0.24mmol量り取り、Ge(CHCOO)を1mmol量り取って、メノウ製の乳鉢中に投入して均一に混ざるまで充分に粉砕した。残りの工程は実施例1と同じである。フルカラー発光材料(Y0.82Tm0.05Ho0.01Eu0.12GeOが得られた。
【0040】
実施例16:高温固相法で(Y0.805Tm0.015Dy0.15Sm0.03GeOを調製した。
室温にて、YClを1.61mmol量り取り、TmClを0.03mmol量り取り、DyClを0.3mmol量り取り、Sm(CHCOO)を0.06mmol量り取り、GeClを1mmol量り取って、メノウ製の乳鉢中に投入して均一に混ざるまで充分に粉砕した。残りの工程は実施例1と同じである。フルカラー発光材料(Y0.805Tm0.015Dy0.15Sm0.03GeOが得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式(Y1−x−y−zGeOの化合物であることを特徴とするフルカラー発光材料。
(式中、x、y、zの値はそれぞれ0<x≦0.05、0<y≦0.15、0<z≦0.15であり、かつx:y:z=1:1〜10:1〜10、AはTm、Ceのうちの1種類であり、BはTb、Ho、Er、Dyのうちの1種類であり、CはEu、Pr、Smのうちの1種類である。)
【請求項2】
前記x、y、zの値がそれぞれ0<x≦0.03、0<y≦0.10、0<z≦0.10である、ことを特徴とする請求項1に記載のフルカラー発光材料。
【請求項3】
前記x:y:zの比率値が1:1〜6:1〜6である、ことを特徴とする請求項1に記載のフルカラー発光材料。
【請求項4】
Y、Geの酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、硝酸塩またはハロゲン化物に、A、B、Cの3種類の元素の酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、硝酸塩またはハロゲン化物を加えて原料とするものであり、このうちAはTm、Ceのうちから選ばれる1種類であり、BはTb、Ho、Er、Dyのうちから選ばれる1種類であり、CはEu、Pr、Smのうちから選ばれる1種類であり、前記原料を均一に粉砕した後1300〜1500℃にて6〜24h焼結して、得られた生成物を室温にまで冷却することで、フルカラー発光材料が得られる、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のフルカラー発光材料を調製する方法。
【請求項5】
前記原料を乳鉢の中に投入して均一に粉砕し、均一に粉砕された原料を1350〜1450℃で8〜15h焼結して、得られた生成物を室温にまで冷却することで、フルカラー発光材料が得られる、ことを特徴とする請求項4に記載のフルカラー発光材料の調製方法。
【請求項6】
原料が化学式(Y1−x−y−zGeOのうちの各元素の間の化学量論比により計量されるものであり、式中、x、y、zの値はそれぞれ0<x≦0.05、0<y≦0.15、0<z≦0.15であり、かつx:y:z=1:1〜10:1〜10である、ことを特徴とする請求項4に記載のフルカラー発光材料の調製方法。
【請求項7】
前記x、y、zの値がそれぞれ0<x≦0.03、0<y≦0.10、0<z≦0.10である、ことを特徴とする請求項6に記載のフルカラー発光材料の調製方法。
【請求項8】
前記x:y:zの比率値が1:1〜6:1〜6である、ことを特徴とする請求項6に記載のフルカラー発光材料の調製方法。
【請求項9】
前記原料において、酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、硝酸塩またはハロゲン化物の純度が分析試薬未満ではない、ことを特徴とする請求項6に記載のフルカラー発光材料の調製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−526184(P2012−526184A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510087(P2012−510087)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【国際出願番号】PCT/CN2009/071719
【国際公開番号】WO2010/130075
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(511210109)海洋王照明科技股▲ふん▼有限公司 (21)
【Fターム(参考)】