説明

フルフェナジン及びイロプロスト類縁体を含んで成る発毛及び/又は養毛を促進するための組成物

【課題】従来の発毛及び/又は養毛を促進するための組成物又は方法と比較して、安全かつ優れた発毛・養毛効果を有する発毛及び/又は養毛を促進するための組成物及び方法を提供する。
【解決手段】フルフェナジン又はその薬学的に許容される塩、及びイロプロスト若しくはその類縁体又はそれらの薬学的に許容される塩を含んで成る、発毛及び/又は養毛を促進するための組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フルフェナジン又はその薬学的に許容される塩及びイロプロスト若しくはその類縁体又はそれらの薬学的に許容される塩を含んで成る発毛及び/又は養毛を促進するための組成物、フルフェナジン又はその薬学的に許容される塩を含有する第1剤及びイロプロスト若しくはその類縁体又はそれらの薬学的に許容される塩を含有する第2剤を含んで成る発毛及び/又は養毛を促進するための2剤式組成物、ならびにフルフェナジン又はその薬学的に許容される塩及びイロプロスト若しくはその類縁体又はそれらの薬学的に許容される塩を段階的に適用することを特徴とする発毛及び/又は養毛を促進するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、薄毛の悩みをもつ多くの人の要望にさらに答えるため、より有効な発毛剤及び/又は養毛剤の開発が化粧品又は医薬品業界をはじめとする各産業界において精力的に進められている。高齢化社会、ストレス社会といわれる現代社会では、頭部毛髪が様々な原因により、脱毛の危機にさらされる機会がますます多くなってきている。これに対応して、より優れた発毛剤及び/又は養毛剤を提供すべく、様々な試みがなされている。
【0003】
例えば、特許公報第2818028号には、従来から養毛効果を有することが知られていたアミンオキシドと、カルモジュリン阻害作用を有する化合物を組み合わせることによって、養毛の効果が増強されることが開示されている。カルモジュリン阻害作用を有する化合物は、カルモジュリンと結合し、カルシウムイン・カルモジュリンによって活性化される酵素を選択的に阻害し、哺乳動物の養毛を促進する。特許公報第2818028号には、カルモジュリン阻害作用を有する化合物としてフルフェナジン、及びその類縁体であるトリフルオペラジン、クロルプロマジン等が挙げられているが、これらの化合物のうちトリフルオペラジン以外の発毛増強作用については具体的に実証されておらず、またイロプロスト又はその類縁体によって、フルフェナジンの発毛効果が選択的に増強されることについても何ら記載されていない。
【0004】
また、特表2005−529886号には、毛髪の成長に重要な媒介物であるプロスタグランジンの不活性化に重要な役割を果たし、プロスタグランジン類の劣化に特異的に関与する酵素として知られる、15−ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼ(15−PGDH)の阻害剤が、毛髪密度及び/又は成長に有益な効果を有することが記載されている。さらに、15−PGDH阻害剤と、15−PGDHにより代謝可能なプロスタグランジン類であるイロプロスト又はその類縁体を組合せることにより、養毛効果が増強されることが示唆されている。しかしながら、フルフェナジンとイロプロスト又はその類縁体の組み合わせが、発毛及び/又は養毛を相乗的に促進することについては何ら記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許公報第2818028号
【特許文献2】特表2005−529886号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、剃毛したマウスの背部に、フルフェナジン又はその薬学的に許容される塩、及びイロプロスト若しくはその類縁体又はそれらの薬学的に許容される塩を段階的に塗布した場合、発毛及び養毛が相乗的に促進されるという驚くべき知見を得た。
【0007】
本発明の課題は、従来の発毛及び/又は養毛を促進するための組成物又は方法と比較して、人体に対して安全でありかつ優れた効果を有する、発毛及び/又は養毛を促進するための組成物及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願は以下の発明を包含する。
(1) フルフェナジン又はその薬学的に許容される塩、及びイロプロスト若しくはその類縁体又はそれらの薬学的に許容される塩を含んで成る、発毛及び/又は養毛を促進するための組成物。
(2) フルフェナジン又はその薬学的に許容される塩が0.001〜20質量%の濃度で存在する、(1)に記載の組成物。
(3) イロプロスト若しくはその類縁体又はそれらの薬学的に許容される塩が0.001〜20質量%の濃度で存在する、(1)又は(2)に記載の組成物。
(4) 前記イロプロスト類縁体がベラプロストである、(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物。
(5) フルフェナジン又はその薬学的に許容される塩を含有する第1剤、及びイロプロスト若しくはその類縁体又はそれらの薬学的に許容される塩を含有する第2剤を含んで成る、発毛及び/又は養毛を促進するための2剤式組成物。
(6) フルフェナジン又はその薬学的に許容される塩、及びイロプロスト若しくはその類縁体又はそれらの薬学的に許容される塩を段階的に適用することを特徴とする、発毛及び/又は養毛を促進するための方法。
(7) フルフェナジン又はその薬学的に許容される塩が毛周期の休止期から成長期において適用され、そしてイロプロスト若しくはその類縁体又はそれらの薬学的に許容される塩が毛周期の成長期において適用されることを特徴とする、(6)に記載の方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明において、フルフェナジン又はその薬学的に許容される塩とイロプロスト若しくはその類縁体又はそれらの薬学的に許容される塩を併用することにより、発毛及び/又は養毛を顕著に促進することが可能となる。また、フルフェナジンは人体に対して毒性を示すことから、フルフェナジンを含有する発毛剤及び/又は養毛剤は、人体に対する影響において課題を有するが、本発明の組成物においては、イロプロスト又はその類縁体によってフルフェナジンの発毛及び/又は養毛効果が有意に改善されるため、イロプロスト又はその類縁体を併用することによって、組成物中のフルフェナジンの相対的な用量を減らすことが可能である。したがって、本発明により、フルフェナジンのみを活性成分として含有する発毛剤及び/又は養毛剤と比較して、人体に対して安全かつ優れた発毛及び/又は養毛効果を示す組成物及び発毛方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】フルフェナジンの発毛効果における濃度依存性を示すグラフである。
【図2】発毛におけるフルフェナジンとイロプロスト又はその類縁体の併用効果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
毛周期における発毛機構において、毛包は皮膚の付属器官の一つで一定の周期をもって常に生え変わり、自己再生を繰り返す能力をもつ器官として特徴付けられ、毛包は皮膚外部に露出したいわゆる毛髪と、皮膚真皮に埋没した毛幹を生み出す元になる毛根鞘や毛母細胞、毛乳頭細胞などから形成されている。発生学的には皮膚−真皮の相互作用により毛包原基が形成され、下部方向に皮膚が伸長することで毛包は形成される(成長期)。発生の最終段階として毛幹の伸長は一定期間継続するが、やがて停止し、アポトーシスによって毛根鞘、毛母細胞の部分が退縮に向かう(退行期)。この一連の過程で、真皮奥深くまで伸長していた毛包は皮膚近くまで短くなり、毛乳頭のサイズも小さくなる。やがて休止期を経て、再び毛母細胞は活性化され新しい周期の成長期へと向かう。この周期がほぼ一生を通じて繰り返される(毛周期)。このような毛周期の発毛機構などには多数の因子が複雑に関与、機能しているものと考えられる。
【0012】
かかる知見に基づき、本発明者は、背部を剃毛したマウスに対して、フルフェナジンを毛周期の休止期から成長期にかけて、そしてイロプロスト又はその類縁体を毛周期の成長期において段階的に適用したところ、発毛及び/又は養毛が相乗的に促進されるという驚くべき結果を得た。
【0013】
したがって、本発明の第1の実施態様においては、フルフェナジン又はその薬学的に許容される塩、及びイロプロスト若しくはその類縁体又はそれらの薬学的に許容される塩を含んで成る、発毛及び/又は養毛を促進するための組成物、が供される。
【0014】
かかる態様においては、本発明の組成物中に、フルフェナジン又はその薬学的に許容される塩、及びイロプロスト若しくはその類縁体又はそれらの薬学的に許容される塩が一緒に含有されるため、これらが互いの発毛及び/又は養毛を促進する効果を阻害しない限り、毛周期の休止期から成長期にかけては、組成物中のフルフェナジン成分が作用し、そして毛周期の成長期にかけては、組成物中のイロプロスト成分が作用することによって、発毛及び/又は養毛を相乗的に促進することが可能となる。
【0015】
フルフェナジンは、フェノチアジン誘導体であり、フェノチアジン系抗精神病薬等のドーパミンD2受容体遮断薬として知られている。このように、フルフェナジンは医薬としても使用されているが、重篤な副作用として、悪性症候群、角膜・水晶体の混濁、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群、再生不良性貧血、心電図異常、全身性エリテマトーデス様症状、遅発性ジスキネジア、突然死、麻痺性イレウス等を伴う恐れがあることも知られており、その適用量については十分に注意する必要がある。
【0016】
イロプロスト及びその類縁体は、プロスタグランジンI誘導体であり、肺高血圧症治療薬、閉塞性動脈硬化症治療薬及び/又は抹消血管拡張薬等の様々な医薬として知られている。本明細書におけるイロプロスト類縁体とは、イロプロストと化学構造が近似する全ての化合物を意味し、例えば、ベラプロスト、トレプロスティニル、エポプロステノール、プロスタグランジンI、ジクロロヒドロキシフェニラミドイロプロスト、イロプロストフェニルエステル、ジヒドロプロスタサイクリン、5-メチレンイソカルバサイクリン等が含まれる。特に、ベラプロストが好ましい。
【0017】
本明細書において使用される「薬学的に許容される塩」とは、活性成分の効能を維持し、かつ人体に対して悪影響を与えない限り特に限定されないが、例えば、無機塩として塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。有機塩としては、デカン酸塩、エナント酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、トリエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、アミノ酸塩等が挙げられる。
【0018】
フルフェナジン又はその薬学的に許容される塩の本発明の組成物における配合量は、組成物全体に対して、好ましくは0.001〜20質量%、より好ましくは0.01〜10質量%、更に好ましくは0.1〜5.0質量%である。
【0019】
イロプロスト若しくはその類縁体又はそれらの薬学的に許容される塩の本発明の組成物における配合量は、組成物全体に対して、好ましくは0.001〜20質量%、より好ましくは0.01〜10質量%、更に好ましくは0.1〜5.0質量%である。
【0020】
本発明の組成物が採り得る剤型は、好ましくは外皮に適用可能な外用剤の剤型、例えば、液状、乳液状、クリーム状、エアゾール状等の剤型を選択することができる。また、本発明の組成物の形態も任意であり、例えば、トニック、ヘアークリーム、ムース、シャンプー、リンス、乳液、化粧水、パック、エアゾール剤等の形態を採ることができる。本発明の組成物は外皮に塗布して使用するのが特に好ましい。塗布方法は特に限定されるものではないが、例えば頭皮に1日1回以上、例えば1日1回から3回、塗布する皮膚面積に応じて適量、例えば1〜5ml塗布するのが好ましい。
【0021】
本発明の組成物においては、必須成分であるフルフェナジン又はその塩及びイロプロスト若しくはその類縁体又はそれらの薬学的に許容される塩に加えて、必要に応じて、かつ本発明の所期の効果を損なわない限り、化粧品、医薬部外品、医薬品等において一般的に用いられる、各種の油性又は水性成分、保湿剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、香料、色剤、各種の薬剤等を配合することができる。
【0022】
例えば、高級脂肪酸、固形パラフィン、流動パラフィン、シリコーン油、スクワラン、モノオレイン酸グリセリル、オリーブ油、イソプロピルミリステート、高級アルコール等の油分;グリセリン、ヒアルロン酸、プロピレングリコール、マルチトール、アテロコラーゲン、乳酸ナトリウム等の保湿剤;マルメロ粘質物、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム等の増粘剤;ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、ビタミンEアセテート、センブリ抽出物、塩化カルプロニウム、アセチルコリン誘導体等の血管拡張剤;セリン、メチオニン、アルギニン等のアミノ酸類;ビタミンB6、ビタミンE類、ビオチン、パントテン酸類等のビタミン類;ニコチン酸、ニコチン酸メチル、ニコチン酸トコフェロール等のニコチン酸エステル類;セファランチン等の皮膚機能亢進剤;エストラジオール等の女性ホルモン剤;グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、アズレン等の消炎剤;ヒノキチオール等の抗菌剤;メントール等の清涼剤;サリチル酸、亜鉛類、乳酸類等;クエン酸等の有機酸類を配合することができる。
【0023】
第2の実施態様において、フルフェナジン又はその薬学的に許容される塩を含有する第1剤、及びイロプロスト若しくはその類縁体又はそれらの薬学的に許容される塩を含有する第2剤を含んで成る、発毛及び/又は養毛を促進するための2剤式組成物、が供される。
【0024】
フルフェナジン又はその薬学的に許容される塩を含有する第1剤は、頭皮に1日1回以上、毛周期の休止期から成長期にかけて、特には休止期において適用することが好ましい。第1剤は、発毛を所望する頭皮に対して、例えば1日〜6ヶ月間、好ましくは3日間〜3ヶ月間、より好ましくは1週間〜2ヶ月間適用される。
【0025】
上記第1剤を適用した後、イロプロスト若しくはその類縁体又はそれらの薬学的に許容される塩を含有する第2剤は、頭皮に1日1回以上、例えば1日1回から3回、毛周期の成長期において適用することが好ましい。第2剤は、第1剤の適用期間の経過後、例えば1日〜6ヶ月間、好ましくは3日間〜3ヶ月間、より好ましくは1週間〜2ヶ月間適用される。あるいは、一般に毛髪には様々な毛周期の状態となっているものが混在しているため、第1剤及び第2剤を併用して利用することも考えられる。この場合であっても、例えば、第1剤を塗布してからある程度の時間、例えば1〜2時間、あるいは1〜2日間隔をおいて第2剤を適用することが好ましい。
【0026】
上記第1剤及び第2剤は、共に、適用部分に塗布するために取り扱いが容易な剤形にすることができ、例えば、ローション製剤、乳液剤、クリーム剤、軟膏剤、硬膏剤等に処方することができる。
【0027】
上記第1剤及び/又は第2剤の調製において、本発明の効能を阻害しない範囲において、当業界において常用されている適当な賦形剤、香料、油脂類、界面活性剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、水溶性高分子、増粘剤、粉末成分、紫外線防御剤、保湿剤、薬効成分、酸化防止剤、pH調整剤、洗浄剤、乾燥剤、乳化剤等を配合することができる。
【0028】
また、本発明の2剤式組成物は、好ましくは上記第1剤及び第2剤を含むキットとして供され、該キット中には、第1剤及び第2剤の取り扱いを明示した説明書含むことが好ましい。
【0029】
第3の実施態様において、フルフェナジン又はその薬学的に許容される塩、及びイロプロスト若しくはその類縁体又はそれらの薬学的に許容される塩を段階的に適用することを特徴とする、発毛及び/又は養毛を促進するための美容的な方法、が供される。
【0030】
本発明の発毛及び/又は養毛を促進するための方法において、フルフェナジン又はその薬学的に許容される塩は、頭皮に1日1回以上、例えば1日1回から3回、毛周期の休止期から成長期、特には休止期において適用されることが好ましく、発毛を所望する頭皮に対して、例えば1日〜6ヶ月間、好ましくは3日間〜3ヶ月間、より好ましくは1週間〜2ヶ月間適用される。さらに、イロプロスト若しくはその類縁体又はそれらの薬学的に許容される塩は、頭皮に1日1回以上、例えば1日1回から3回、毛周期の成長期において適用することが好ましく、フルフェナジン又はその薬学的に許容される塩の適用期間の経過後、例えば1日〜6ヶ月間、好ましくは3日間〜3ヶ月間、より好ましくは1週間〜2ヶ月間適用される。あるいは、一般に毛髪には様々な毛周期の状態となっているものが混在しているため、フルフェナジン又はその薬学的に許容される塩及びイロプロスト若しくはその類縁体又はそれらの薬学的に許容される塩を併用して利用することも考えられる。この場合であっても、例えば、フルフェナジン又はその薬学的に許容される塩を塗布してからある程度の時間、例えば1〜2時間、あるいは1〜2日間隔をおいてイロプロスト若しくはその類縁体又はそれらの薬学的に許容される塩を適用することが好ましい。
【0031】
以下、実施例によって本発明の発毛効果を具体的に説明する。
【実施例】
【0032】
例1.フルフェナジンによる発毛試験
本発明の養毛効果を調べるためにマウスによる発毛試験を行った。すなわち、休止期にあるC3H/He系雌性マウスの背部を剃毛し、フルフェナジン2塩酸塩(SIGMA-Aldrich)を表1に示す濃度及び日数において、1日1回0.1mlずつ塗布した。塗布開始から30日後に写真撮影を行って発毛面積比を算出し、発毛面積比が70%未満である場合を部分発毛、70%以上である場合を全発毛として定義し、部分発毛または全発毛マウスの匹数の全試験マウス匹数に対する割合(発毛率%)を算出することにより評価を行った。その結果を図1に示す。
【表1】

【0033】
例2.フルフェナジンとイロプロスト又はその類縁体の組み合わせによる発毛試験
休止期にあるC3H/He系雌性マウスの背部を剃毛し、フルフェナジン2塩酸塩または溶媒(エタノール)を表2に示す濃度で1日1回0.1mlずつ3日間塗布した(第1塗布)後、表2に示す4種類のプロスタグランジンIの類縁体(5mM)または溶媒を1日1回0.1mlずつ、2日間塗布した(第2塗布)。塗布開始から30日後に写真撮影を行って発毛面積比を算出し、発毛面積比が70%未満である場合を部分発毛、70%以上である場合を全発毛と定義し、部分発毛または全発毛マウスの匹数の全試験マウス匹数に対する割合(発毛率%)を算出することにより評価を行った。その結果を図2に示す。
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フルフェナジン又はその薬学的に許容される塩、及びイロプロスト若しくはその類縁体又はそれらの薬学的に許容される塩を含んで成る、発毛及び/又は養毛を促進するための組成物。
【請求項2】
フルフェナジン又はその薬学的に許容される塩が0.001〜20質量%の濃度で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
イロプロスト若しくはその類縁体又はそれらの薬学的に許容される塩が0.001〜20質量%の濃度で存在する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記イロプロスト類縁体がベラプロストである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
フルフェナジン又はその薬学的に許容される塩を含有する第1剤、及びイロプロスト若しくはその類縁体又はそれらの薬学的に許容される塩を含有する第2剤を含んで成る、発毛及び/又は養毛を促進するための2剤式組成物。
【請求項6】
フルフェナジン又はその薬学的に許容される塩、及びイロプロスト若しくはその類縁体又はそれらの薬学的に許容される塩を段階的に適用することを特徴とする、発毛及び/又は養毛を促進するための方法。
【請求項7】
フルフェナジン又はその薬学的に許容される塩が毛周期の休止期から成長期において適用され、そしてイロプロスト若しくはその類縁体又はそれらの薬学的に許容される塩が毛周期の成長期において適用されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−12025(P2011−12025A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−158200(P2009−158200)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】