説明

フレキシブル太陽電池搭載充電器

【課題】太陽光の受光効率をアップさせることができる小型のフレキシブル太陽電池搭載充電器を提供することにある。
【解決手段】長手方向軸を有する長い筒状のケース本体11を備え、このケース本体11の内部にシート状のフレキシブル太陽電池41,42を巻き付けて収納する巻き胴22を設け、充電時にはフレキシブル太陽電池41,42をケース本体11から外へ引き出して展開し、受光面を外部に露出させ、このフレキシブル太陽電池41,42で発生した電気エネルギーをケース本体11に内蔵したバッテリー28に蓄電するようにした携帯可能なフレキシブル太陽電池搭載充電器である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換するフレキシブル太陽電池を備えて電気エネルギーを内蔵バッテリーに蓄電して携帯電話機等の携帯機器のバッテリーに充電できるようにした携帯型のフレキシブル太陽電池搭載充電器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯機器としての例えば携帯電話機は本体内にバッテリーを備えており、充電が必要になった時は専用のAC充電器を使用してバッテリーに充電することが行なわれる。しかし、専用のAC充電器は嵩張るため、旅行や出張等の外出時にAC充電器を持ち運ぶことには適さない。
【0003】
また、乾電池を内蔵した充電器も市販されているが、乾電池自体に重量があるため、この充電器を持ち運ぶ上では不便である。
【0004】
最近では、太陽電池パネルを搭載した携帯電話機用充電器が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
特許文献1に示す携帯電話機用充電器は、直方体形状のボディの内部にバッテリーを備え、ボディの外表面に太陽電池パネルを装備し、さらにボディの端部に充電コネクタを設けたものである。太陽電池パネルが太陽光エネルギーを受けると、その太陽光エネルギーが電気エネルギーに変換され、ボディ内に装填したバッテリーに蓄電される。この充電コネクタを携帯電話機の充電端子に接続することにより携帯電話機のバッテリーに充電することができる。
【0006】
また、充電器本体の周側縁部にヒンジ機構を介して枢支した複数枚のパネルを設け、このパネルに充電用電池に電気的に接続される太陽電池を設けた携帯電話機用充電器も知られている(例えば、特許文献2参照。)。この特許文献2に示す携帯電話機用充電器にあってはパネルがヒンジ機構を支点として回動することにより充電器本体の表面にパネルを重ねて格納される第1の使用形態と、充電器本体の側縁部から外側に展開される第2の使用形態に切り換え可能であり、複数枚のパネルを展開することにより太陽電池の受光面を拡大できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3580806号公報
【特許文献2】特許第3974920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に示す携帯電話機用充電器では、太陽電池パネルが外部に露出しているために、落下等の衝撃を受けたときに太陽電池パネルが破損しやすいとともに太陽電池パネルの受光面に傷が付き易い。したがって、太陽光の受光効率が悪くなり、電気エネルギーへの変換効率が低下するという問題があった。また、ボディのサイズが、幅50mm×長さ170mm×厚さ20mm前後であり、大型なものとなり、携帯に不便である。
【0009】
特許文献2に示す携帯電話機用充電器は、複数枚のパネルを展開することにより太陽電池の受光面を拡大できるという効果を奏するが、パネル及び太陽電池を充電器本体の平面に重ねて格納したときに嵩張る。また、より広い面積を確保しようとすると、携帯電話機用充電器が一層嵩張り大型化して携帯に不便である。
【0010】
本発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、太陽光の受光効率をアップさせることができるとともにコンパクト化が図れるようにしたフレキシブル太陽電池搭載充電器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するために、請求項1の発明は、径より長い筒状の携帯可能なケース本体と、前記ケース本体の内部に回転可能に設けられ、前記ケース本体の長手軸方向に沿わせて回転軸を配置した巻き胴と、前記ケース本体の内部において前記巻き胴に巻取り収納され、充電時に前記ケース本体から外へ引き出して受光面を外部に露出可能なシート状のフレキシブル太陽電池と、前記ケース本体に設けられ、前記巻き胴に巻取り収納されたフレキシブル太陽電池を外部に引き出す開口部と、前記ケース本体に内蔵され、前記フレキシブル太陽電池で発生した電気エネルギーを蓄電する内蔵バッテリーと、前記ケース本体に内蔵された電子部品基板ユニットと、前記電子部品基板ユニットを介して前記バッテリーと電気的に接続された状態で前記ケース本体に設けられ、携帯機器の充電端子と接続可能な充電コネクタと、を備え、前記フレキシブル太陽電池は、前記ケース本体から引き出してフラット状に展開して前記受光面を広げて外部に露出するようにした携帯可能なフレキシブル太陽電池搭載充電器である。
【0012】
請求項2の発明は、前記巻き胴に巻き取られるフレキシブル太陽電池は、受光面を互いに向き合わせて重ねられる2枚のフレキシブル太陽電池を有し、一方のフレキシブル太陽電池を前記ケース本体から引き出し動作に伴って他方のフレキシブル太陽電池も同時に前記ケース本体から引き出されるようにしたことを特徴とする請求項1記載のフレキシブル太陽電池搭載充電器である。
【0013】
請求項3の発明は、前記ケース本体に前記充電コネクタが露出して設けられ、前記ケース本体には前記充電コネクタを覆うキャップが着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項1または請求項2記載のフレキシブル太陽電池搭載充電器である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ケース本体内の巻き胴にフレキシブル太陽電池を巻取り収納し、充電時にはケース本体からフレキシブル太陽電池を引き出して受光面を広げて太陽電池の受光面を大幅に拡大することができる。したがって、太陽光の受光効率を大幅にアップさせることができる。また、フレキシブル太陽電池をケース本体に巻取り収納できるため、携帯時に嵩張ることはない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るフレキシブル太陽電池搭載充電器を示す斜視図。
【図2】図1中A−A線に沿う同実施形態に係るフレキシブル太陽電池搭載充電器の横断面図。
【図3】同実施形態に係るフレキシブル太陽電池搭載充電器をケース本体の長手方向の中心軸に沿って縦断した断面図。
【図4】同実施形態に係るフレキシブル太陽電池搭載充電器の電気エネルギー蓄電中の使用状態を示す斜視図。
【図5】同実施形態に係るフレキシブル太陽電池搭載充電器に蓄電した電気エネルギーを携帯電話機のバッテリーに充電しようにした状態の斜視図。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るフレキシブル太陽電池搭載充電器の蓄電中の状態を示す斜視図。
【図7】本発明の第3の実施形態に係るフレキシブル太陽電池搭載充電器の蓄電中の使用状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図5は本発明の第1の実施形態を示している。図1中1は、フレキシブル太陽電池搭載充電器を示し、このフレキシブル太陽電池搭載充電器1の全体形状はペンシルまたは万年筆などの筆記具様の携帯可能な形態を備える。
【0017】
フレキシブル太陽電池搭載充電器1は合成樹脂材料によって比較的細長い略等しい経の円筒状に形成されたケース本体11を有しており、このケース本体11の長手軸方向の先端(一端)部分にはキャップ12を着脱自在に装着するための装着部13が形成されている。ここでの装着部13にはキャップ12をねじ込む雄ネジ14を形成している。装着部13はキャップ12を着脱自在に係着できればよいので例えばキャップ12を嵌合することによる係着する形式などでもよい。キャップ12にはクリップ15を設け、このクリップ15を背広のポケットの縁や手帳等に挟み込むことにより、それらのものにフレキシブル太陽電池搭載充電器1を装着可能である。ここではケース本体11を略等しい径の円筒状に形成したが、筆記具様の携帯可能な形態であれば等径でなくともよい。また、円筒でない楕円や多角形の筒状のものであってもよい。
【0018】
ケース本体11の、装着部13側先端には図5に示す携帯電話機16の充電端子17と接続可能な充電コネクタ18が突き出して設けられている。ケース本体11の外部に突き出して露出した充電コネクタ18は充電器1を携帯中等、充電コネクタ18を使用しないとき、装着部13に装着したキャップ12により覆われ、保護される状態になる。また、ケース本体11の長手軸方向の基端(他端)には図1に示すAC充電コネクタ19を接続可能なACコンセント20が設けられている。ACコンセント20にはAC充電コネクタ19と接続可能なAC充電結合部20aが設けられている。ACコンセント20の開口は図示しない開閉可能なACキャップやカバーによって覆われるようになっていて、AC充電結合部20aを保護できるようになっている。また、AC充電コネクタ19はACアダプタ21を備える。
【0019】
なお、ケース本体11またはキャップ12にストラップ孔(図示せず)を設け、ストラップ孔にボールチェーン式ストラップもしくはカニカンリング付きストラップを挿通して携帯電話機16等に吊り下げて装着しておけるようにしてもよい。
【0020】
図2及び図3に示すように、ケース本体11の内部には後述するフレキシブル太陽電池を巻き付けるための円筒状の巻き胴(巻軸)22がケース本体11の長手方向中心軸と同軸的に配置されている。図3に示すように巻き胴22の両端部分は軸受23a,23bによってケース本体11に軸支されている。これにより、巻き胴22はケース本体11の長手方向に沿う中心軸周りに回転可能な状態でケース本体11に取り付けられる。
【0021】
図3に示すようにケース本体11内には巻き胴22の内部にわたり支持アーム25が配置されており、この支持アーム25の少なくとも一端側部分は巻き胴22の一端開口から突き出してケース本体11の内壁に取り付けられた支持台26に支持されている。巻き胴22の内部における支持アーム25の部分には電子部品基板ユニット27およびバッテリー28が搭載されている。電子部品基板ユニット27の上面すなわちバッテリー28側とは反対側の面には複数個の電子部品29が搭載されている。電子部品基板ユニット27およびバッテリー28はケース本体11に固定されている支持アーム25の部分に取り付けられるので巻き胴22の回転に影響されない状態でケース本体11と一体化している。電子部品基板ユニット27における上面には充電状態(充電時に点灯)を表示するための表示素子としてのLED30が設けられ、このLED30の点灯表示をケース本体11に設けた透光性表示窓31から確認できるようになっている。電子部品基板ユニット27とバッテリー28は図示しないリード線等の電気配線により充電コネクタ18に接続されている。
【0022】
図2及び図3に示すように巻き胴(巻軸)22の外周には2枚のフレキシブル太陽電池41,42がロール状に巻取られてケース本体11内に収納されるようになっている。2枚のフレキシブル太陽電池41,42はリード線(図示しない)を介して電子部品基板ユニット27およびバッテリー28に接続されていて、太陽光エネルギーを受けると、その光エネルギーを電気エネルギーに変換し、バッテリー28に蓄電するようになっている。
【0023】
図4に示すように2枚のフレキシブル太陽電池41,42はシート状またはフイルム状のフレキシブルシート41a,42aの表面に太陽電池モジュール41b,42bを積層してなる。フレキシブル太陽電池41,42の幅はケース本体11の長さよりも狭い。また、フレキシブル太陽電池41,42の長さはケース本体11の外周の数倍以上に長い。フレキシブル太陽電池41,42は受光面としての太陽電池モジュール41b,42bを互いに対向させた状態に重ね合わせられる。2枚のフレキシブル太陽電池41,42の基端は巻き胴22に固定され、巻き胴22を回転することによりその巻き胴22の外周に巻き付けられるようになっている。
【0024】
図2及び図4に示すように、ケース本体11の反対側に位置する左右部位にはケース本体11の長手軸方向に沿ってスリット状の開口部43a,43bがそれぞれ形成されており、これらの開口部43a,43bはフレキシブルシート41a,42aの幅より僅かに長い。そして、図4に示すように、巻き胴22に巻き付けられている重ね合わせた2枚のフレキシブル太陽電池41,42を引き剥がすようにして各々のフレキシブル太陽電池41,42を異なる開口部43a,43bから別々にケース本体11の外へ引き出し、各フレキシブル太陽電池41,42を異なる左右に向けて展開させるようになっている。
【0025】
図4に示すように、フレキシブルシート41a,42aの繰出し端にはフレキシブルシート41a,42aの幅より長いロッド44,45が設けられている。このロッド44,45はフレキシブル太陽電池41,42の繰出し側端がケース本体11内に引き込まれてしまわないように開口部43a,43bの縁に係止する長さを持たしている。したがって、フレキシブル太陽電池41,42がケース本体11内に引き込まれてもロッド44,45の部分まではケース本体11内奥まで引き込まれない。ロッド44,45は開口部43a,43b付近に係止すると同時にその開口部43a,43bを閉じる蓋を兼ねる。また、ロッド44,45は開口部43a,43bから大きく露出せずにその開口部43a,43b内に入り込んで係止できる形態となっている。このため、ロッド44,45にはフレキシブル太陽電池41,42を引き出すときに使用する摘み46,47を設ける。
【0026】
図3に示すように、ケース本体11の壁部には巻き胴22を回転操作するための操作部としての操作ローラ(操作体)48が回動自在に設けられ、この操作ローラ48の外周にはローレット加工が施されている。操作ローラ48の内周には内歯49aが設けられ、巻き胴22の外周には外歯49bが設けられている。操作ローラ48の内歯49aと巻き胴22の外歯49bとは小歯車49cを介して連結されている。そしてケース本体11の外へ突き出した操作ローラ48の外周部を手指で操作することにより巻き胴22を繰り出し方向または巻込み方向へ回転する操作が可能である。つまり、操作ローラ48によって巻き胴22を回転操作することにより、2枚のフレキシブル太陽電池41,42を同時に巻取り、または繰出す操作が可能である。
【0027】
図3に示すように、巻き胴22とケース本体11との間にはいわゆるぜんまいバネなどの巻バネ50を配置し、この巻バネ50の一端を巻き胴22に固定し、巻バネ50の他端をケース本体11に固定して、巻バネ50により巻き胴22を巻き取り方向へ回動するように付勢して巻取りを補助するようにしてもよい。また、ラチェット機構によってフレキシブル太陽電池41,42を所望位置まで引き出した状態でロックさせるようにしてもよい。ラチェット機構による係止状態を解除することにより、2枚のフレキシブル太陽電池41,42を、巻バネ50の付勢力で自動的に巻き取るようにしてもよい。また、ラチェット機構等のロック状態を、操作ボタン等の操作体(図示せず)で作動させるようにしてもよい。フレキシブル太陽電池41,42に巻き胴22への巻き癖を付け、摘み46,47を手指で摘んでフレキシブル太陽電池41,42をケース本体11方向に軽く押し戻すと、フレキシブル太陽電池41,42が巻き胴22に自動的に巻き取られるようにしてもよい。
【0028】
次に、ケース本体11に巻き込み状態で収納されている2枚のフレキシブル太陽電池41,42を繰り出す際には一方の例えばフレキシブル太陽電池41の摘み46を指で摘み、ケース本体11からそのフレキシブル太陽電池41を引き出す。すると、巻き胴22が回転するため、他方のフレキシブル太陽電池42も同時にケース本体11から繰り出す。また、2枚のフレキシブル太陽電池41,42の両方の摘み46,47を使用して2枚のフレキシブル太陽電池41,42を同時に繰り出すように操作してもよい。また、操作ローラ48を手指で操作して巻き胴22を繰り出し方向へ回転することにより2枚のフレキシブル太陽電池41,42を繰り出すこともできる。
【0029】
また、ケース本体11に2枚のフレキシブル太陽電池41,42を収納する場合は操作ローラ48を手指で操作して巻き胴22を巻込み方向へ回転することにより2枚のフレキシブル太陽電池41,42を同時に巻取ることができる。巻取り終端においてロッド46,47は開口部43a,43bの縁に係止し、それ以上、フレキシブル太陽電池41,42が巻き込まれることを防止し、2枚のフレキシブル太陽電池41,42が巻取り完了したことが分かる。また、巻取りが完了した状態で開口部43a,43bはロッド44,45で閉塞される。
【0030】
ところで、2枚のフレキシブル太陽電池41,42は巻き胴22に巻き付けられるが、ケース本体11から引き出すことにより、自ら略フラット状に延伸する癖が付けられていることが望ましい。例えば、フレキシブル太陽電池41,42を引き出す方向に直交する横断面形状が緩やかに湾曲する癖を付けるようにする。すると、フレキシブル太陽電池41,42をケース本体11から引き出したとき、フレキシブル太陽電池41,42は自ら広く展開し易くなる。このようにすれば、フレキシブル太陽電池41,42をケース本体11から外へ引き出されると、太陽電池モジュール41b,42bの受光面を広く露出させた状態に自ら拡がり、その状態を維持する。この場合、一方のフレキシブル太陽電池41は、ケース本体11の一側方へ延伸し、他方のフレキシブル太陽電池42はケース本体11の他方へ延伸して両太陽電池モジュール41b,42bの受光面が同じ向きの太陽光などの外光に向かって露出する状態となるようにする。
【0031】
図4に示すように、ケース本体11の外へ繰り出した2枚のフレキシブル太陽電池41,42は太陽光エネルギーを受け、そのエネルギーが電気エネルギーに変換され、バッテリー28に蓄電される。2枚のフレキシブル太陽電池41,42はケース本体11の左右に拡がり、太陽電池モジュール41b,42bの受光面積を増加させているため、太陽光の受光効率を大幅にアップさせることができる。
【0032】
また、図1に示すようにACコンセント19にAC充電コネクタ18を接続し、AC充電結合部20からバッテリー28に蓄電するようにしてもよい。
【0033】
図6は本発明の第2の実施形態を示している。この実施形態は上記第1の実施形態と基本的な構成を同じくする。第1の実施形態と同一構成部分には同一番号を付して説明を省略する。
【0034】
上述した第1の実施形態では2枚のフレキシブル太陽電池41,42を重ね合わせて用いたが、この第2の実施形態では1枚のフレキシブル太陽電池41を用い、巻き胴22の外周にその1枚のフレキシブル太陽電池41をロール状に巻き付けるようにしたものである。したがって、1枚のフレキシブル太陽電池41の長さを長くできる。また、フレキシブル太陽電池を繰り出す開口部も一つでよい。ケース本体11に設ける開口部が一つで済むのでシンプルな外観となる。
【0035】
図7は本発明の第3の実施形態を示している。この実施形態は上記第1の実施形態と基本的な構成を同じくする。第1の実施形態と同一構成部分には同一番号を付して説明を省略する。
【0036】
本実施形態では、ケース本体11の内部に巻取り収納される2枚のフレキシブル太陽電池41,42の太陽電池モジュール41b,42bを、フレキシブル太陽電池41,42の繰り出し方向に沿って連続する受光主体部51,52とすると、この受光主体部51,52の一側縁に該受光主体部51,52に対して折畳み、展開可能なヒンジ51a,52aを介して受光補助部53,54を連接したものである。受光補助部53,54はシート状またはフイルム状のフレキシブルシート53a,54aの表面に受光面としての太陽電池モジュール53b,54bを積層したものである。このように受光補助部53,54を追加することにより、受光面積を拡大して太陽光の受光効率を大幅にアップさせることができる。なお、受光補助部53,54を受光主体部51,52の両側縁に更に設けるようにしてもよい。
【0037】
また、本発明は、ケース本体11の左右部位に2つの開口部43a,43bを設けて2枚のフレキシブル太陽電池41,42をそれぞれの開口部43a,43bから別々に引き出すように構成したが、ケース本体11に1つの開口部を設けてその1つの開口部から2枚のフレキシブル太陽電池41,42を一緒に引き出し、引き出した2枚のフレキシブル太陽電池41,42を左右に広げるようにしてもよい。フレキシブル太陽電池の巻取り形態は一例を示すものであり、適宜変更可能である。
【0038】
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明のフレキシブル太陽電池搭載充電器は、携帯電話機、携帯ゲーム機器、携帯パソコン等のバッテリーに容易に充電することができる有用なものである。
【符号の説明】
【0040】
11…ケース本体、18…充電コネクタ、22…巻き胴、27…電子部品基板ユニット、28…バッテリー、41…フレキシブル太陽電池、42…フレキシブル太陽電池、43a…開口部、43b…開口部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
径より長い筒状の携帯可能なケース本体と、
前記ケース本体の内部に回転可能に設けられ、前記ケース本体の長手軸方向に沿わせて回転軸を配置した巻き胴と、
前記ケース本体の内部において前記巻き胴に巻取り収納され、充電時に前記ケース本体から外へ引き出して受光面を外部に露出可能なシート状のフレキシブル太陽電池と、
前記ケース本体に設けられ、前記巻き胴に巻取り収納されたフレキシブル太陽電池を外部に引き出す開口部と、
前記ケース本体に内蔵され、前記フレキシブル太陽電池で発生した電気エネルギーを蓄電する内蔵バッテリーと、
前記ケース本体に内蔵された電子部品基板ユニットと、
前記電子部品基板ユニットを介して前記バッテリーと電気的に接続された状態で前記ケース本体に設けられ、携帯機器の充電端子と接続可能な充電コネクタと、
を備え、
前記フレキシブル太陽電池は、前記ケース本体から引き出してフラット状に展開して前記受光面を広げて外部に露出するようにした携帯可能なフレキシブル太陽電池搭載充電器。
【請求項2】
前記巻き胴に巻き取られるフレキシブル太陽電池は、受光面を互いに向き合わせて重ねられる2枚のフレキシブル太陽電池を有し、一方のフレキシブル太陽電池を前記ケース本体から引き出し動作に伴って他方のフレキシブル太陽電池も同時に前記ケース本体から引き出されるようにしたことを特徴とする請求項1記載のフレキシブル太陽電池搭載充電器。
【請求項3】
前記ケース本体に前記充電コネクタが露出して設けられ、前記ケース本体には前記充電コネクタを覆うキャップが着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項1または請求項2記載のフレキシブル太陽電池搭載充電器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−259301(P2010−259301A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−110095(P2009−110095)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(592074441)東京コイルエンジニアリング株式会社 (62)
【出願人】(507161891)株式会社StrapyaNext (9)
【Fターム(参考)】