フレキソ印刷用刷版および製版方法
【課題】資源が有効に利用でき、容易に製版を行うことが可能である、フレキソ印刷用刷版およびその製版方法を提供する。
【解決手段】ＵＶ感光乳剤層上に保護フィルムを有するフレキソ印刷用刷版であって、ポジ画像あるいはネガ画像を該保護フィルム上に印刷することを特徴としてなる。さらに、前記保護フィルム上に、インクジェットプリンタによりポジ画像あるいはネガ画像を印刷することを特徴とする。さらに、前記保護フィルム上に、インク受容層を有することを特徴とする。
【解決手段】ＵＶ感光乳剤層上に保護フィルムを有するフレキソ印刷用刷版であって、ポジ画像あるいはネガ画像を該保護フィルム上に印刷することを特徴としてなる。さらに、前記保護フィルム上に、インクジェットプリンタによりポジ画像あるいはネガ画像を印刷することを特徴とする。さらに、前記保護フィルム上に、インク受容層を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ＵＶ感光乳剤層上に保護フィルムを有するフレキソ印刷用刷版及び製版方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
ＵＶ感光乳剤層上に保護フィルムを有するフレキソ印刷用刷版において、該保護フィルムの用途はＵＶ感光乳剤層の保護のみに用いられているのが一般的であり、該保護フィルムを剥がしゴミとして処分しているのが現状である。そして、剥がした該保護フィルムに替わり、別に用意したネガ画像またはポジ画像を印刷済みである製版用フィルムをＵＶ感光乳剤層上に貼り合わせた後、露光および現像を行い、可溶部分を除去する製版方法が主流である。しかしながらこの製版方法では、保護フィルムはＵＶ感光乳剤層の保護のみに用いられていることから、限りある資源が有効に使われていない。さらには、ＵＶ感光乳剤層と製版用フィルムの貼りあわせを個々ユーザーが行う必要があることから、位置合わせがずれてしまうと品質低下が起き、また貼り合わせの際に空気が混入しまうと製版用フィルムとUV感光乳剤層との間に隙間が生じるため、露光時にエッジが滲んでしまう。したがって貼り合わせに特別な装置が必要であったり、さらには作業に熟練を要する、といった問題があった。
【０００３】
特開平１０−２５００２８では、製版用フィルムにインクジェット方式でネガ画像印刷を行った後に、該製版用フィルムと感光乳剤層とを貼りあわせ、その後露光の工程を行う方法が示されている。しかしながら、この製版方法では、前記位置合わせの困難や空気の混入の問題について解決に至っていない。特開２００２−３６１８２０では、感光乳剤層上に製版フィルムを介さず、直接ネガ画像をインクジェットで形成した後、露光を行う製版方法が述べられている。しかしながら、この製版方法では、感光乳剤層上にインクジェットインクを塗布した際、インクジェットインクを感光乳剤層表面に留めておくのは困難であり、感光乳剤層内部への浸透により露光が不十分になる、あるいは感光乳剤層上でのインクジェットインク滲みが発生することにより細線が表現できない、などの不具合が生じる可能性がある。
【特許文献１】特開平１０−２５００２８
【特許文献２】特開２００２−３６１８２０
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明の目的は、資源が有効に利用でき、容易に製版を行うことが可能である、フレキソ印刷用刷版およびその製版方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
ＵＶ感光乳剤層上に保護フィルムを有するフレキソ印刷用刷版であって、ポジ画像あるいはネガ画像を該保護フィルム上に印刷することを特徴としてなる。また、前記保護フィルム上に、インクジェットプリンタによりポジ画像あるいはネガ画像を印刷するとよい。また、前記保護フィルム上に、インク受容層を有するとよい。
【発明の効果】
【０００６】
資源が有効に利用でき、容易に製版を行うことが可能である、フレキソ印刷用刷版およびその製版方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００７】
本発明者らは鋭意検討の結果、ＵＶ感光乳剤層上に保護フィルムを有するフレキソ印刷用刷版であって、ポジ画像あるいはネガ画像を該保護フィルム上に印刷することによって、資源が有効に利用でき、容易に製版を行うことが可能である、フレキソ印刷用刷版およびその製版方法を提供するに至った。
【０００８】
ポジ画像あるいはネガ画像を保護フィルム上に印刷することによって、製版用フィルムを新たに用意する必要が無くなることから、省資源化が期待される。さらには熟練の技術や専用の装置が必要である製版用フィルムをＵＶ感光乳剤層上に貼り合わせる工程が不要になるため、高品質のものを安価でかつ安定して作成することが可能となる。
【０００９】
また、保護フィルム上に印刷するパターンは、従来の製版フィルムで用いているものと同様、ポジ画像あるいはネガ画像を印刷するとよい。マスクパターンの印刷方法は、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、熱転写印刷、レーザー印刷、インクジェット印刷などがありいずれのものでも使用可能であるが、コストパフォーマンスの点において、インクジェットプリンタによるインクジェット印刷が好ましい。
【００１０】
また、保護フィルム上に直接印刷してもよいが、インク受容層があらかじめコーティングされているものがより好ましい。
【実施例１】
【００１１】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明がこれによって限定されるものではない。
【００１２】
ＵＶ感光乳剤層上にポリエチレンテレフタレートの保護フィルムを設け、溶剤系黒色インクを用い、保護フィルム上にインクジェットプリンタにてポジ画像を出力した後、ＵＶランプによる露光を１０cmの距離から７０００ルクスにて１５時間行った。その後未硬化部分の洗浄を行い、フレキソ印刷用刷版を得た。
【実施例２】
【００１３】
実施例１で用いた保護フィルムの替わりに、インク受容層を塗布したポリエチレンテレフタレートの保護フィルムを用いた以外は、実施例１と同様にしてフレキソ印刷用刷版を得た。
【００１４】
従って、ＵＶ感光乳剤層上に保護フィルムを有するフレキソ印刷用刷版であって、ポジ画像あるいはネガ画像を該保護フィルム上にインクジェットプリンタにて印刷することにより、本発明を提供することが可能となった。保護フィルム上に、インク受容層を有することにより、より効果が得られた。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ＵＶ感光乳剤層上に保護フィルムを有するフレキソ印刷用刷版及び製版方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
ＵＶ感光乳剤層上に保護フィルムを有するフレキソ印刷用刷版において、該保護フィルムの用途はＵＶ感光乳剤層の保護のみに用いられているのが一般的であり、該保護フィルムを剥がしゴミとして処分しているのが現状である。そして、剥がした該保護フィルムに替わり、別に用意したネガ画像またはポジ画像を印刷済みである製版用フィルムをＵＶ感光乳剤層上に貼り合わせた後、露光および現像を行い、可溶部分を除去する製版方法が主流である。しかしながらこの製版方法では、保護フィルムはＵＶ感光乳剤層の保護のみに用いられていることから、限りある資源が有効に使われていない。さらには、ＵＶ感光乳剤層と製版用フィルムの貼りあわせを個々ユーザーが行う必要があることから、位置合わせがずれてしまうと品質低下が起き、また貼り合わせの際に空気が混入しまうと製版用フィルムとUV感光乳剤層との間に隙間が生じるため、露光時にエッジが滲んでしまう。したがって貼り合わせに特別な装置が必要であったり、さらには作業に熟練を要する、といった問題があった。
【０００３】
特開平１０−２５００２８では、製版用フィルムにインクジェット方式でネガ画像印刷を行った後に、該製版用フィルムと感光乳剤層とを貼りあわせ、その後露光の工程を行う方法が示されている。しかしながら、この製版方法では、前記位置合わせの困難や空気の混入の問題について解決に至っていない。特開２００２−３６１８２０では、感光乳剤層上に製版フィルムを介さず、直接ネガ画像をインクジェットで形成した後、露光を行う製版方法が述べられている。しかしながら、この製版方法では、感光乳剤層上にインクジェットインクを塗布した際、インクジェットインクを感光乳剤層表面に留めておくのは困難であり、感光乳剤層内部への浸透により露光が不十分になる、あるいは感光乳剤層上でのインクジェットインク滲みが発生することにより細線が表現できない、などの不具合が生じる可能性がある。
【特許文献１】特開平１０−２５００２８
【特許文献２】特開２００２−３６１８２０
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明の目的は、資源が有効に利用でき、容易に製版を行うことが可能である、フレキソ印刷用刷版およびその製版方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
ＵＶ感光乳剤層上に保護フィルムを有するフレキソ印刷用刷版であって、ポジ画像あるいはネガ画像を該保護フィルム上に印刷することを特徴としてなる。また、前記保護フィルム上に、インクジェットプリンタによりポジ画像あるいはネガ画像を印刷するとよい。また、前記保護フィルム上に、インク受容層を有するとよい。
【発明の効果】
【０００６】
資源が有効に利用でき、容易に製版を行うことが可能である、フレキソ印刷用刷版およびその製版方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００７】
本発明者らは鋭意検討の結果、ＵＶ感光乳剤層上に保護フィルムを有するフレキソ印刷用刷版であって、ポジ画像あるいはネガ画像を該保護フィルム上に印刷することによって、資源が有効に利用でき、容易に製版を行うことが可能である、フレキソ印刷用刷版およびその製版方法を提供するに至った。
【０００８】
ポジ画像あるいはネガ画像を保護フィルム上に印刷することによって、製版用フィルムを新たに用意する必要が無くなることから、省資源化が期待される。さらには熟練の技術や専用の装置が必要である製版用フィルムをＵＶ感光乳剤層上に貼り合わせる工程が不要になるため、高品質のものを安価でかつ安定して作成することが可能となる。
【０００９】
また、保護フィルム上に印刷するパターンは、従来の製版フィルムで用いているものと同様、ポジ画像あるいはネガ画像を印刷するとよい。マスクパターンの印刷方法は、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、熱転写印刷、レーザー印刷、インクジェット印刷などがありいずれのものでも使用可能であるが、コストパフォーマンスの点において、インクジェットプリンタによるインクジェット印刷が好ましい。
【００１０】
また、保護フィルム上に直接印刷してもよいが、インク受容層があらかじめコーティングされているものがより好ましい。
【実施例１】
【００１１】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明がこれによって限定されるものではない。
【００１２】
ＵＶ感光乳剤層上にポリエチレンテレフタレートの保護フィルムを設け、溶剤系黒色インクを用い、保護フィルム上にインクジェットプリンタにてポジ画像を出力した後、ＵＶランプによる露光を１０cmの距離から７０００ルクスにて１５時間行った。その後未硬化部分の洗浄を行い、フレキソ印刷用刷版を得た。
【実施例２】
【００１３】
実施例１で用いた保護フィルムの替わりに、インク受容層を塗布したポリエチレンテレフタレートの保護フィルムを用いた以外は、実施例１と同様にしてフレキソ印刷用刷版を得た。
【００１４】
従って、ＵＶ感光乳剤層上に保護フィルムを有するフレキソ印刷用刷版であって、ポジ画像あるいはネガ画像を該保護フィルム上にインクジェットプリンタにて印刷することにより、本発明を提供することが可能となった。保護フィルム上に、インク受容層を有することにより、より効果が得られた。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ＵＶ感光乳剤層上に保護フィルムを有するフレキソ印刷用刷版であって、ポジ画像あるいはネガ画像を該保護フィルム上に印刷する製版方法。
【請求項２】
請求項１記載の保護フィルム上に、インクジェットプリンタによりポジ画像あるいはネガ画像を印刷する製版方法。
【請求項３】
請求項１または請求項２記載の保護フィルム上に、インク受容層を有することを特徴とするフレキソ印刷用刷版。
【請求項１】
ＵＶ感光乳剤層上に保護フィルムを有するフレキソ印刷用刷版であって、ポジ画像あるいはネガ画像を該保護フィルム上に印刷する製版方法。
【請求項２】
請求項１記載の保護フィルム上に、インクジェットプリンタによりポジ画像あるいはネガ画像を印刷する製版方法。
【請求項３】
請求項１または請求項２記載の保護フィルム上に、インク受容層を有することを特徴とするフレキソ印刷用刷版。
【公開番号】特開２００６−１１３３１０（Ｐ２００６−１１３３１０Ａ）
【公開日】平成１８年４月２７日（２００６．４．２７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−３００８４７（Ｐ２００４−３００８４７）
【出願日】平成１６年１０月１５日（２００４．１０．１５）
【出願人】（０００１１５１１９）ユニオンケミカー株式会社 (67)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年４月２７日（２００６．４．２７）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年１０月１５日（２００４．１０．１５）
【出願人】（０００１１５１１９）ユニオンケミカー株式会社 (67)
【Ｆターム（参考）】
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