ブレーキキャリパの駐車装置
車両ディスクブレーキ用のブレーキキャリパの駐車装置は、主支持体と、少なくとも1つのパッドが車両の車輪に関連するディスクブレーキのブレーキディスクと係合することにより車輪を締め付けるように少なくとも1つのパッドにスラスト作用を及ぼすのに適したスラスト手段と、スラスト手段(7)がパッドにスラスト作用を及ぼすようにスラスト手段(7)を作動させるのに適した作動手段(8)であって、主支持体(6)に対して回転する及び/又は滑ることができる駆動軸(14)と、駆動軸(14)とは別個で駆動軸に旋回可能に一体的な方法で接続される又は接続可能である主板(15)とを有する作動手段(8)とを備えている。駆動軸(14)及び/又は主板(15)は、少なくとも1つの相対的な滑り方向(T)において主板(15)と駆動軸(14)との間の相対的な滑りを少なくとも部分的に防止するのに適した滑り制約(58)を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、車両ディスクブレーキ用のブレーキキャリパの駐車装置である。
【背景技術】
【0002】
駐車システムに設けられた周知のブレーキキャリパは、車両運転者によって手動で操作可能で、1つ若しくはそれ以上のケーブルによってハンドブレーキレバーに通常接続される作動レバーを有している。作動レバーは、少なくとも部分的にボールを収容し、ボールがその中で回転することができるのに適した形をした座部を備えた主板と関連する駆動軸に接続される。
【0003】
これらのブレーキキャリパは更に、ブレーキキャリパのキャリパ本体と一体的である反応板を備え、反応板は、主板と協働するのに適している。実際、反応板もまた、ボールを収容し、ボールがその中で回転することができるのに適した形をした座部を有している。主板と反応板とは、それぞれのボール座部が互いに反対に配置されてボールが両方のボール座部の内部で同時に回転し得るように位置付けられる。主板と反応板の座部は、第1の板の回転後に主板と反応板とが互いから離れて移動するような経路をたどるように形作られる。その結果、作動レバーが操作されるとき、駆動軸を用いて作動レバーに接続される第1の板は、回転し、反応板から離れて移動する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
主板は、主板の回転移動がピストンをキャリパ本体の内部で移動させるように、キャリパ本体に対して滑るのに適したピストンに動作可能に接続される。ピストンが移動するとき、ピストンは、ディスクブレーキのディスクに対してパッドを押し付け、それにより、ディスクを締め付けて駐車ブレーキ作用を付与する。
【0005】
主板と駆動軸とは、1つの部品として作ることが可能である。
【0006】
また、主板と駆動軸とは、例えば、駆動軸の接続部分の外形と主板の接続座部の外形との間の幾何学的な連結によって、互いに回転可能に一体的に接続することができる2つの別個の部品から作ることが可能である。ボールの押し作用によって引き起こされる駆動軸からの主板の取り外しは、主板とピストンに動作可能に接続されるネジ付きピンの頭部との間に介在されるアキシャルベアリングを設けることによって回避される。しかしながら、この建設的な解決法は、主板のための軸方向の制約として作用する更なる構成部品の存在のために大きい全体寸法、及び、主板に対してこれらの更なる構成部品を適切に位置付ける難しさ又は同様のものを適切に位置付けるための更なる処理の要求を有している。
【0007】
従って、本発明の目的は、全体寸法を低減し、組み立ての難しさを小さくするブレーキキャリパを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これら及びその他の目的は、請求項1に記載されるブレーキキャリパの駐車装置、請求項37に記載されるブレーキキャリパ、及び請求項39に記載されるディスクブレーキによって達せられる。それぞれの従属請求項は、駐車装置、ブレーキキャリパ、又はディスクブレーキの可能な実施形態を規定する。
【0009】
本発明をより良く理解するため、またその利点を理解するために、添付図面を参照しながら、いくつかの非制限的な例示的実施形態を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る駐車装置を備えたブレーキキャリパの分解概略斜視図である。
【図2】図1のブレーキキャリパの一部を断面で示した概略斜視図である。
【図3】図1のブレーキキャリパの断面図である。
【図4】図1のブレーキキャリパの構成部品の概略斜視図である。
【図5】図4のブレーキキャリパの構成部品の別の視点からの概略斜視図である。
【図6】図4のブレーキキャリパの構成部品の分解概略斜視図である。
【図7】図4のブレーキキャリパの構成部品の別の視点からの分解概略斜視図である。
【図8】図4のブレーキキャリパの構成部品の更なる概略図である。
【図9】図8のブレーキキャリパの構成部品の矢印Dに従った概略図である。
【図10】図8のブレーキキャリパの構成部品の矢印Eに従った概略図である。
【図11】図10のブレーキキャリパの構成部品のA−A線に従った概略断面図である。
【図12】図4のブレーキキャリパの構成部品の細部の概略斜視図である。
【図13】図12の細部の別の視点からの概略斜視図である。
【図14】図12の細部の概略図である。
【図15】図14の細部の矢印Fに従った概略図である。
【図16】図15の細部のC−C線に従った概略断面図である。
【図17】図4のブレーキキャリパの構成部品の更なる細部の概略斜視図である。
【図18】図17の細部の概略図である。
【図19】図18の細部のB−B線に従った概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1から図3に関して、車両ディスクブレーキ用のブレーキキャリパが概括的に1を用いて表されている。限定するものではないが、好ましくは浮動型のブレーキキャリパ1は、所謂ハンドブレーキに作用することによるなど車両運転者によって制御可能である車両の駐車ブレーキ作用を付与するのに適した駐車装置2を有している。好ましくは、ブレーキキャリパ1は、駐車ブレーキ作用に加えてまた、常用ブレーキ作用、すなわちブレーキペダルに作用することによるなど運転中に車両に適用されるブレーキ作用を実行することができるように形作られる。
【0012】
ブレーキキャリパ1は、車両の車輪と関連する(図示されていない)ブレーキディスクを少なくとも部分的に収容するのに適したディスク空間4を規定するキャリパ本体3を有している。ディスク空間4の少なくとも1つの側において、好ましくは両側において、キャリパ本体3は、ブレーキディスクを締め付けて(tighten)ブレーキ作用を付与することにより、ブレーキディスクに係合するのに適した(図示されていない)1つ若しくはそれ以上のパッドを収容するのに適したパッド座部5を規定する。
【0013】
駐車装置2は、好ましくはキャリパ本体3とともに1つの部品として作られる主支持体6を有しているが、主支持体は、代替的にはキャリパ本体3と別個でキャリパ本体3に接続することができるものであってもよい。
【0014】
駐車装置2は、パッドがブレーキディスクに係合するようにキャリパの少なくとも1つのパッド1にスラスト(thrust)作用を及ぼすのに適したスラスト手段7を有している。
【0015】
駐車装置2は更に、スラスト手段がパッドに前記スラスト作用を及ぼすようにスラスト手段7を作動するのに適した作動手段8と、好ましくは作動装置2の主支持体6にそれの支持部分10において接続される又は接続可能である反応要素9などの反応部分9とを有している。この反応要素9は、作動手段がスラスト手段7の作動を実行することができるように作動手段8と協働するのに適している。反応要素9とスラスト手段7との間の協働状態が、ここで以下に詳細に説明される。
【0016】
1つの実施形態によれば、駐車装置2の作動手段8は、(図示されていない)車両の内部で、例えばハンドブレーキレバーに接続され得る作動レバー11を有している。作動レバー11は、主支持体に対して回転、及び好ましくは小さい移動(translation)を行うことができるように主支持体6に接続される。作動レバー11は、(駐車ブレーキ作用のない)ハンドブレーキを下げた位置に対応する休止位置から、(駐車ブレーキ作用のある)ハンドブレーキを上げた位置に対応する作動位置に移動することができる。伸縮バネ12が、作動レバー11に接続することができ、伸縮バネ12は、休止位置に作動レバーを弾性的に付勢するのに適している。この伸縮バネ12は、作動レバー11と主支持体6又はそれと一体的である装置の部分、例えば主支持体6に取り外し可能に接続されたカウンタ要素との間で作動する。
【0017】
作動手段8は、主支持体6に対して回転する及び/又は滑るのに適した駆動軸14と、駆動軸14とは別個であり、旋回可能に一体的な方法で駆動軸14に接続される又は接続可能である主板15とを有している。
【0018】
駆動軸14は、作動レバー11と回転可能に一体的に有利に接続される。この作動レバー11との回転可能な一体的な接続を付与するために、駆動軸14は、作動レバー11の対応する接続座部52’との外形連結(shape-coupling)を付与するのに適した、例えばギザギザのある部分52を有する接続部分51と、例えば、作動レバー11と駆動軸14との間の相対的な滑りを回避するのに適したナット54とのネジ接続に適したネジ部分53とを有し得る。
【0019】
1つの実施形態によれば、主板15は、少なくとも部分的に回転体、好ましくはボール17を収容し、その中で回転体を回転させるのに適した回転座部16を有利に備えた協働側面55と、協働側面55とは反対の、好ましくはスラスト手段7に面する保持側面56とを有している。
【0020】
1つの実施形態によれば、反応要素9は、主板15に面する反応板18を有している。有利には、反応板18は、協働面19を有し、該協働面はまた、ボール17を少なくとも部分的に収容し、ボール17が回転座部20の内部で回転できるのに適した回転座部20を有している。このようにして、ボール17は、主板15と反応板18との間に介在され、それぞれの回転座部16及び20の内部に同時に収容される。更に有利には、主板15の回転座部16と反応板18の回転座部20とは、主板15と反応板18との間に介在される複数のボール17が、これらの回転座部16及び20の内部で同時に回転するときに、主板15と反応板18とが互いから離れて付勢されるように形作られる。この回転運動は、主板15の回転によって引き起こされ、それはまた、駆動軸14を用いて作動レバー11により作動される。その結果として、駆動軸14と主板15のアセンブリは、主支持体6に接続される反応要素9に対して回転移動される。
【0021】
1つの実施形態によれば、反応要素9の反応板18は、スラスト手段7を支持するのに適した支持装置21に接続するための手段を形成する。例えば、反応板18は、例えば反応板18とスナップ式に接続可能であるケージ(cage)24の弾性脚部25を用いて、反応要素9を支持装置21に接続するために、それらの間に接続座部23を規定する半径方向に突出する部分22を形成することができる。それによって、ケージ24と反応要素9とは、回転可能に且つ移動可能に互いに一体的に接続されることとなる。
【0022】
有利には、ケージ24は、主板15に動作可能に接続されるスラスト軸26を支持する。このスラスト軸26は、ケージ24に対して自由に滑り、好ましくはそれと回転可能に一体的にされる。その目的のために、ケージ24は、スラスト軸26の外形と実質的に補完する外形、例えばスラスト軸26とケージ24との間の外形連結を付与するのに適した複数の丸い突出部を備えた外形を有する軸座部27を規定する。ケージ24とスラスト軸26との間にカウンタバネ28を作用することができ、それは、スラスト軸26を主板15に弾性的に付勢するように配置される。
【0023】
当業者によって理解されるように、作動レバー11の回転によって前述したような方法で引き起こされる主板15の回転移動は、反応要素9から離れて、すなわちディスク空間4の方へ移動するスラスト軸26の移動を引き起こす。
【0024】
主板15とスラスト軸26との間の相対的な回転に起因する摩擦トルクを低減するために、減摩手段、例えばテフロン加工されたフィフスホイール(fifth wheel)29が、主板15とスラスト軸26との間に配置され得る。
【0025】
1つの可能な実施形態によれば、スラスト軸26は、ネジ付きピン31を収容するのに適したネジ付き座部30を規定する。ディスク空間4に面するネジ付きピン31の端部に、スラストヘッド32、好ましくは、主支持体6によって規定されるピストン座部35の内部で自由に滑るピストン34の対応するヘッド座部33に接触するのに適した円錐台形状のものを設けることができる。スラストヘッド32は、有利にはスラストヘッド32とピストンとの間で作動するスラストバネ36によってヘッド座部33の内部に押し付けられて保持される。この形態によって、スラスト軸26の移動が、前記のパッドの少なくとも1つが動作可能に接続されるピストン34の移動を引き起こし、それによって、パッドはディスク空間4の内部に収容されるブレーキディスクに対して付勢される。
【0026】
ネジ付きピン31は、パッドの摩耗に起因する隙間を回復する有利な機能を有しており、それは、スラスト軸26のネジ付き座部30の内部においてそれの回転によって補正される。その結果、スラストヘッド32は、スラストバネ36とピストン34に対して回転することができる。
【0027】
1つの可能な実施形態によれば、スラストバネ36とスラストヘッド32との間の相対的な回転に起因する摩擦トルクを制限するために、減摩手段、例えば板37及び/又はベアリング37’が、スラストバネ36とスラストヘッド32との間に配置される。
【0028】
駐車装置2の全体寸法を低減するために、駆動軸は、有利にはネジ付きピン31を少なくとも部分的に収容するのに適した穴57を有している。
【0029】
有利には、ピストン34は、その中に空洞部38を規定する。この空洞部38は、スラスト手段7を少なくとも部分的に収容することに加えて、加圧流体で充填されるのに適しており、そのようにしてピストン34はまた、例えばブレーキペダルを押し付けることにより作動することができる常用ブレーキのために液圧作動することができる。
【0030】
有利には、駆動軸14及び/又は主板15は、少なくとも相対的な滑り方向Tにおいて、主板15と駆動軸14との間の相対的な滑りを少なくとも部分的に防止するのに適した滑り制約(sliding constraint)58を形成する。
【0031】
滑り制約58の存在によって、駆動軸14と主板15とは、それらが相対的に滑ることを防止するのに適したアキシャルベアリング(axial bearing)などの更なる構成部品を必要とすることなく、2つの別個の部品として作ることができる。それにより、駐車装置2の全体寸法を低減することができ、また、駆動軸14と主板15のアセンブリのために必要とされる作業を簡素化することができる。
【0032】
滑り制約58は、主板15及び駆動軸を、少なくとも部分的に互いに一体的に移動可能にさせる。例えば作動レバー11によって引き起こされる駆動軸14の回転が主板15の回転を生じさせるために、主板15と駆動軸14は互いに回転可能に一体的に有利に接続される。好ましくは、主板15と駆動軸14との間の接続は、駆動軸を少なくとも部分的に収容するのに適した主板の貫通開口部59の内部に駆動軸を適合させることにより達せられる(図4−11)。1つの実施形態によれば、駆動軸14は、回転に対して、またさらに移動に対して主板15と駆動軸14とを抑制するように、干渉して貫通開口部59の内部に適合させられる。その干渉した接続に代え、あるいはそれに加えて、主板15と駆動軸14との間の回転可能な一体的な接続は、主板15の貫通開口部59の外形と、この貫通開口部59内に適合させられるそれの部分における駆動軸14の外側の外形との間の幾何学的な連結によって達成することができる。1つの更なる実施形態によれば、駆動軸14と主板15の接続は、主板15の貫通開口部59の内部に駆動軸14を緩く適合させることにより達成することができる。
【0033】
駆動軸14と主板15はそれぞれ、好ましくは軸U(図12−図16)と軸V(図17−図19)を通して展開する。1つの可能な実施形態によれば、駆動軸14と主板15とは、組立状態において、互いに実質的に同軸にあり(すなわち、言い換えれば、軸Uと軸Vとが実質的に一致し)、制約が設けられない場合に駆動軸14と主板15とが互いに対して滑る傾向を有する相対的な滑り方向Tが、それぞれの軸Uと軸Vと一致するように形作られて互いに接続される(図11)。
【0034】
1つの実施形態によれば、滑り制約58は、ただ1つの滑りの向き(sense)に従う相対的な滑り方向Tに沿った主板15と駆動軸14との間の相対的な滑りを回避するように構成されている。好ましくは、この1つの滑りの向きは、主板15がスラスト手段7を、特にピストン34に近づく方向と一致する。有利には、滑り制約58によって防止されるそれらの向きとは反対の向き、すなわち、好ましくは主板15がスラスト手段7から離れて移動する向きにおける主板15と駆動軸14との間の相対的な滑りは、ボール17によって防止される。これらのボール7は、実際には、例えばフィフスホイール29によって及ぼされるスラストとは反対である軸Vの方向に、主板15にスラストを及ぼすことにより、スラスト手段7に近づく(その移動が滑り制約58によって防止される)と同時に板を駆動軸14から取り除く傾向を有するだけでなく、それらはまた、駆動軸14に対してこれらのスラスト手段7から離れる板の移動を妨げるという有利な機構を有している。
【0035】
有利には、滑り制約58は、1つ若しくはそれ以上の肩部60を有し、さらに有利には、1つ若しくはそれ以上の肩部座部61を有し、肩部座部61のそれぞれは、肩部が肩部座部に接触することによって相対的な滑り方向Tにおける主板15と駆動軸14との間の相対的な滑りを抑制するように、これらの肩部60の少なくとも1つ、好ましくはただ1つを収容するのに適している。好ましくは、肩部60は、駆動軸14と関連し、肩部座部61は、主板15と関連する(図4−図11)。
【0036】
1つの実施形態によれば、肩部60は、好ましくはスラスト手段7に面する駆動軸14の保持端部62に形成される。さらに一層好ましくは、肩部座部61は、主板15の保持側面56に形成される(この保持側面56は、前記のように、好ましくはスラスト手段7に面する)。それにより、肩部60は、スラスト手段7に近づくと同時に、駆動軸14に対して主板15が相対的な滑り方向Tに滑ることを防止することができる。
【0037】
有利には、肩部60は、駆動軸14から半径方向に突出し、好ましくはそれに対して接線方向に展開する。さらに有利には、肩部座部61は、主板15の貫通開口部59の半径方向に引っ込んだ部分である。それにより、半径方向に突出する肩部60が、半径方向に引っ込んだ肩部座部61の内部に適合させられるので、組立状態において駆動軸14と主板15のアセンブリの全体寸法を低減することができる。
【0038】
さらに有利には、好ましくは主板15の貫通開口部59の軸方向の延長部よりも低い軸方向の(すなわち、それぞれ軸Uと軸Vとに沿った)延長部を有する肩部60と肩部座部61とは、互いに実質的に等しい軸方向の延長部を有している。それにより、駆動軸14と主板15のアセンブリが組み立てられるときに、肩部座部61の内部に適合させられる肩部60と主板15とはともに、例えばフィフスホイール29と協働するのに適した実質的に平面的な表面63を有利に規定する(この目的のために、例えば図4及び図11を参照)。
【0039】
さらに一層有利には、肩部60と肩部座部61とは、外形連結を付与するように形作られる。それにより、前記のように、好ましくは相対的な滑り軸Tと一致するそれぞれの軸U及び軸Vについて、主板15と駆動軸14との間の相対的な回転が防止される。
【0040】
1つの実施形態によれば、肩部60は、それらの半径方向の外側の外形がともに肩部の外周Zを規定するように形作られる(図15)。更なる実施形態によれば、肩部座部61は、半径方向に肩部座部を規定する形状(すなわち、肩部座部の半径方向に最も外側の部分、すなわち、言い換えれば、半径方向に最も引っ込んだ外形)が、肩部座部の外周Qを規定する(図18)。有利には、これらの肩部座部61の外周Qと肩部60の外周Zとは、互いに対して同心であり、さらに有利には、肩部座部の外周Qは、肩部の外周Zの半径方向の外側にある(図10)。それにより、肩部座部61と肩部座部の中に収容される肩部60との間に、主板15を駆動軸14に組み付けることを容易にする半径方向の隙間が設けられる。
【0041】
有利には、肩部60と肩部座部61とは、それぞれ等間隔角度で配置され相互に対応している、すなわち肩部座部61がそれぞれの肩部60に対応するような角距離に配置される。それにより、主板15と駆動軸14との適切な組み立てのために、それぞれの肩部60が肩部座部61の1つに対応する角度位置にあるときまで、駆動軸は、相対的な回転を実行することができる。適切な相対的な角度位置が、駆動軸14と主板15との間で達せられた後に、肩部60は、相対的な滑り方向Tにおいて、対応する肩部座部61の内部に適合され得る。1つの可能な実施形態によれば、肩部60と肩部座部61とは、3つの数である。
【0042】
主板15は、好ましくはシンタードスチール(synthered steel)から作られる。
【0043】
駆動軸14は、好ましくはモールデッドスチール(moulded steel)から作られる。
【0044】
前記に与えられた記載から、当業者は、本発明に係る駐車装置が、従来技術に関連して言及された問題を少なくとも部分的にどのように解決するかを理解することができる。
【0045】
特に、当業者は、駆動軸及び/又は板に関連する滑り制約の存在によって、どのようにして、装置の寸法や組み立ての過大な問題に直面することなく、駆動軸と主板とが互いに別個であることによる建設的な解決法を採用することができるかを理解することができる。実際に、駆動軸及び/又は板に関連する滑り制約を付与することにより、例えば適切な位置に主板を保持するためのアキシャルベアリングなどの更なる構成部品を取り除くことができる。更なる構成部品が取り除かれるので、結果として全体寸法が低減される。さらに、肩部と肩部座部との相互の連結が容易になり、それにより、駐車装置の組み立ては、これらの更なる構成部品が組み付けられる場合と比べて難しさが少なくなる。
【0046】
前記に記載されたものに対する変形例及び/又は追加例が提供されることが理解されるべきである。
【0047】
例えば、肩部が、主板と肩部座部とを駆動軸に関連させるようにしてもよい。
【0048】
別の変形実施形態によれば、軸肩部は、好適な肩部座部におけるよりも主板の表面に接触するようにしてもよい。
【0049】
別の変形例によれば、スラスト手段に面する主板の側面が、肩部のための肩部座部を備えた保持するものよりもボールのための回転座部を備えた協働側面であってもよい。この場合、主板は、主支持体に接続されるよりもスラスト手段に動作可能に接続される装置の反応部分に作用することができる。
【0050】
本発明に係る駐車装置、ブレーキキャリパ及びディスクブレーキの前記実施形態に対して、当業者は、以下の請求項の範囲から逸脱することなく、特定の起こり得る要求に対処することを目的として、多数の変形、変更、あるいは機能的に等しい要素との置換を行うことができる。
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、車両ディスクブレーキ用のブレーキキャリパの駐車装置である。
【背景技術】
【0002】
駐車システムに設けられた周知のブレーキキャリパは、車両運転者によって手動で操作可能で、1つ若しくはそれ以上のケーブルによってハンドブレーキレバーに通常接続される作動レバーを有している。作動レバーは、少なくとも部分的にボールを収容し、ボールがその中で回転することができるのに適した形をした座部を備えた主板と関連する駆動軸に接続される。
【0003】
これらのブレーキキャリパは更に、ブレーキキャリパのキャリパ本体と一体的である反応板を備え、反応板は、主板と協働するのに適している。実際、反応板もまた、ボールを収容し、ボールがその中で回転することができるのに適した形をした座部を有している。主板と反応板とは、それぞれのボール座部が互いに反対に配置されてボールが両方のボール座部の内部で同時に回転し得るように位置付けられる。主板と反応板の座部は、第1の板の回転後に主板と反応板とが互いから離れて移動するような経路をたどるように形作られる。その結果、作動レバーが操作されるとき、駆動軸を用いて作動レバーに接続される第1の板は、回転し、反応板から離れて移動する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
主板は、主板の回転移動がピストンをキャリパ本体の内部で移動させるように、キャリパ本体に対して滑るのに適したピストンに動作可能に接続される。ピストンが移動するとき、ピストンは、ディスクブレーキのディスクに対してパッドを押し付け、それにより、ディスクを締め付けて駐車ブレーキ作用を付与する。
【0005】
主板と駆動軸とは、1つの部品として作ることが可能である。
【0006】
また、主板と駆動軸とは、例えば、駆動軸の接続部分の外形と主板の接続座部の外形との間の幾何学的な連結によって、互いに回転可能に一体的に接続することができる2つの別個の部品から作ることが可能である。ボールの押し作用によって引き起こされる駆動軸からの主板の取り外しは、主板とピストンに動作可能に接続されるネジ付きピンの頭部との間に介在されるアキシャルベアリングを設けることによって回避される。しかしながら、この建設的な解決法は、主板のための軸方向の制約として作用する更なる構成部品の存在のために大きい全体寸法、及び、主板に対してこれらの更なる構成部品を適切に位置付ける難しさ又は同様のものを適切に位置付けるための更なる処理の要求を有している。
【0007】
従って、本発明の目的は、全体寸法を低減し、組み立ての難しさを小さくするブレーキキャリパを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これら及びその他の目的は、請求項1に記載されるブレーキキャリパの駐車装置、請求項37に記載されるブレーキキャリパ、及び請求項39に記載されるディスクブレーキによって達せられる。それぞれの従属請求項は、駐車装置、ブレーキキャリパ、又はディスクブレーキの可能な実施形態を規定する。
【0009】
本発明をより良く理解するため、またその利点を理解するために、添付図面を参照しながら、いくつかの非制限的な例示的実施形態を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る駐車装置を備えたブレーキキャリパの分解概略斜視図である。
【図2】図1のブレーキキャリパの一部を断面で示した概略斜視図である。
【図3】図1のブレーキキャリパの断面図である。
【図4】図1のブレーキキャリパの構成部品の概略斜視図である。
【図5】図4のブレーキキャリパの構成部品の別の視点からの概略斜視図である。
【図6】図4のブレーキキャリパの構成部品の分解概略斜視図である。
【図7】図4のブレーキキャリパの構成部品の別の視点からの分解概略斜視図である。
【図8】図4のブレーキキャリパの構成部品の更なる概略図である。
【図9】図8のブレーキキャリパの構成部品の矢印Dに従った概略図である。
【図10】図8のブレーキキャリパの構成部品の矢印Eに従った概略図である。
【図11】図10のブレーキキャリパの構成部品のA−A線に従った概略断面図である。
【図12】図4のブレーキキャリパの構成部品の細部の概略斜視図である。
【図13】図12の細部の別の視点からの概略斜視図である。
【図14】図12の細部の概略図である。
【図15】図14の細部の矢印Fに従った概略図である。
【図16】図15の細部のC−C線に従った概略断面図である。
【図17】図4のブレーキキャリパの構成部品の更なる細部の概略斜視図である。
【図18】図17の細部の概略図である。
【図19】図18の細部のB−B線に従った概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1から図3に関して、車両ディスクブレーキ用のブレーキキャリパが概括的に1を用いて表されている。限定するものではないが、好ましくは浮動型のブレーキキャリパ1は、所謂ハンドブレーキに作用することによるなど車両運転者によって制御可能である車両の駐車ブレーキ作用を付与するのに適した駐車装置2を有している。好ましくは、ブレーキキャリパ1は、駐車ブレーキ作用に加えてまた、常用ブレーキ作用、すなわちブレーキペダルに作用することによるなど運転中に車両に適用されるブレーキ作用を実行することができるように形作られる。
【0012】
ブレーキキャリパ1は、車両の車輪と関連する(図示されていない)ブレーキディスクを少なくとも部分的に収容するのに適したディスク空間4を規定するキャリパ本体3を有している。ディスク空間4の少なくとも1つの側において、好ましくは両側において、キャリパ本体3は、ブレーキディスクを締め付けて(tighten)ブレーキ作用を付与することにより、ブレーキディスクに係合するのに適した(図示されていない)1つ若しくはそれ以上のパッドを収容するのに適したパッド座部5を規定する。
【0013】
駐車装置2は、好ましくはキャリパ本体3とともに1つの部品として作られる主支持体6を有しているが、主支持体は、代替的にはキャリパ本体3と別個でキャリパ本体3に接続することができるものであってもよい。
【0014】
駐車装置2は、パッドがブレーキディスクに係合するようにキャリパの少なくとも1つのパッド1にスラスト(thrust)作用を及ぼすのに適したスラスト手段7を有している。
【0015】
駐車装置2は更に、スラスト手段がパッドに前記スラスト作用を及ぼすようにスラスト手段7を作動するのに適した作動手段8と、好ましくは作動装置2の主支持体6にそれの支持部分10において接続される又は接続可能である反応要素9などの反応部分9とを有している。この反応要素9は、作動手段がスラスト手段7の作動を実行することができるように作動手段8と協働するのに適している。反応要素9とスラスト手段7との間の協働状態が、ここで以下に詳細に説明される。
【0016】
1つの実施形態によれば、駐車装置2の作動手段8は、(図示されていない)車両の内部で、例えばハンドブレーキレバーに接続され得る作動レバー11を有している。作動レバー11は、主支持体に対して回転、及び好ましくは小さい移動(translation)を行うことができるように主支持体6に接続される。作動レバー11は、(駐車ブレーキ作用のない)ハンドブレーキを下げた位置に対応する休止位置から、(駐車ブレーキ作用のある)ハンドブレーキを上げた位置に対応する作動位置に移動することができる。伸縮バネ12が、作動レバー11に接続することができ、伸縮バネ12は、休止位置に作動レバーを弾性的に付勢するのに適している。この伸縮バネ12は、作動レバー11と主支持体6又はそれと一体的である装置の部分、例えば主支持体6に取り外し可能に接続されたカウンタ要素との間で作動する。
【0017】
作動手段8は、主支持体6に対して回転する及び/又は滑るのに適した駆動軸14と、駆動軸14とは別個であり、旋回可能に一体的な方法で駆動軸14に接続される又は接続可能である主板15とを有している。
【0018】
駆動軸14は、作動レバー11と回転可能に一体的に有利に接続される。この作動レバー11との回転可能な一体的な接続を付与するために、駆動軸14は、作動レバー11の対応する接続座部52’との外形連結(shape-coupling)を付与するのに適した、例えばギザギザのある部分52を有する接続部分51と、例えば、作動レバー11と駆動軸14との間の相対的な滑りを回避するのに適したナット54とのネジ接続に適したネジ部分53とを有し得る。
【0019】
1つの実施形態によれば、主板15は、少なくとも部分的に回転体、好ましくはボール17を収容し、その中で回転体を回転させるのに適した回転座部16を有利に備えた協働側面55と、協働側面55とは反対の、好ましくはスラスト手段7に面する保持側面56とを有している。
【0020】
1つの実施形態によれば、反応要素9は、主板15に面する反応板18を有している。有利には、反応板18は、協働面19を有し、該協働面はまた、ボール17を少なくとも部分的に収容し、ボール17が回転座部20の内部で回転できるのに適した回転座部20を有している。このようにして、ボール17は、主板15と反応板18との間に介在され、それぞれの回転座部16及び20の内部に同時に収容される。更に有利には、主板15の回転座部16と反応板18の回転座部20とは、主板15と反応板18との間に介在される複数のボール17が、これらの回転座部16及び20の内部で同時に回転するときに、主板15と反応板18とが互いから離れて付勢されるように形作られる。この回転運動は、主板15の回転によって引き起こされ、それはまた、駆動軸14を用いて作動レバー11により作動される。その結果として、駆動軸14と主板15のアセンブリは、主支持体6に接続される反応要素9に対して回転移動される。
【0021】
1つの実施形態によれば、反応要素9の反応板18は、スラスト手段7を支持するのに適した支持装置21に接続するための手段を形成する。例えば、反応板18は、例えば反応板18とスナップ式に接続可能であるケージ(cage)24の弾性脚部25を用いて、反応要素9を支持装置21に接続するために、それらの間に接続座部23を規定する半径方向に突出する部分22を形成することができる。それによって、ケージ24と反応要素9とは、回転可能に且つ移動可能に互いに一体的に接続されることとなる。
【0022】
有利には、ケージ24は、主板15に動作可能に接続されるスラスト軸26を支持する。このスラスト軸26は、ケージ24に対して自由に滑り、好ましくはそれと回転可能に一体的にされる。その目的のために、ケージ24は、スラスト軸26の外形と実質的に補完する外形、例えばスラスト軸26とケージ24との間の外形連結を付与するのに適した複数の丸い突出部を備えた外形を有する軸座部27を規定する。ケージ24とスラスト軸26との間にカウンタバネ28を作用することができ、それは、スラスト軸26を主板15に弾性的に付勢するように配置される。
【0023】
当業者によって理解されるように、作動レバー11の回転によって前述したような方法で引き起こされる主板15の回転移動は、反応要素9から離れて、すなわちディスク空間4の方へ移動するスラスト軸26の移動を引き起こす。
【0024】
主板15とスラスト軸26との間の相対的な回転に起因する摩擦トルクを低減するために、減摩手段、例えばテフロン加工されたフィフスホイール(fifth wheel)29が、主板15とスラスト軸26との間に配置され得る。
【0025】
1つの可能な実施形態によれば、スラスト軸26は、ネジ付きピン31を収容するのに適したネジ付き座部30を規定する。ディスク空間4に面するネジ付きピン31の端部に、スラストヘッド32、好ましくは、主支持体6によって規定されるピストン座部35の内部で自由に滑るピストン34の対応するヘッド座部33に接触するのに適した円錐台形状のものを設けることができる。スラストヘッド32は、有利にはスラストヘッド32とピストンとの間で作動するスラストバネ36によってヘッド座部33の内部に押し付けられて保持される。この形態によって、スラスト軸26の移動が、前記のパッドの少なくとも1つが動作可能に接続されるピストン34の移動を引き起こし、それによって、パッドはディスク空間4の内部に収容されるブレーキディスクに対して付勢される。
【0026】
ネジ付きピン31は、パッドの摩耗に起因する隙間を回復する有利な機能を有しており、それは、スラスト軸26のネジ付き座部30の内部においてそれの回転によって補正される。その結果、スラストヘッド32は、スラストバネ36とピストン34に対して回転することができる。
【0027】
1つの可能な実施形態によれば、スラストバネ36とスラストヘッド32との間の相対的な回転に起因する摩擦トルクを制限するために、減摩手段、例えば板37及び/又はベアリング37’が、スラストバネ36とスラストヘッド32との間に配置される。
【0028】
駐車装置2の全体寸法を低減するために、駆動軸は、有利にはネジ付きピン31を少なくとも部分的に収容するのに適した穴57を有している。
【0029】
有利には、ピストン34は、その中に空洞部38を規定する。この空洞部38は、スラスト手段7を少なくとも部分的に収容することに加えて、加圧流体で充填されるのに適しており、そのようにしてピストン34はまた、例えばブレーキペダルを押し付けることにより作動することができる常用ブレーキのために液圧作動することができる。
【0030】
有利には、駆動軸14及び/又は主板15は、少なくとも相対的な滑り方向Tにおいて、主板15と駆動軸14との間の相対的な滑りを少なくとも部分的に防止するのに適した滑り制約(sliding constraint)58を形成する。
【0031】
滑り制約58の存在によって、駆動軸14と主板15とは、それらが相対的に滑ることを防止するのに適したアキシャルベアリング(axial bearing)などの更なる構成部品を必要とすることなく、2つの別個の部品として作ることができる。それにより、駐車装置2の全体寸法を低減することができ、また、駆動軸14と主板15のアセンブリのために必要とされる作業を簡素化することができる。
【0032】
滑り制約58は、主板15及び駆動軸を、少なくとも部分的に互いに一体的に移動可能にさせる。例えば作動レバー11によって引き起こされる駆動軸14の回転が主板15の回転を生じさせるために、主板15と駆動軸14は互いに回転可能に一体的に有利に接続される。好ましくは、主板15と駆動軸14との間の接続は、駆動軸を少なくとも部分的に収容するのに適した主板の貫通開口部59の内部に駆動軸を適合させることにより達せられる(図4−11)。1つの実施形態によれば、駆動軸14は、回転に対して、またさらに移動に対して主板15と駆動軸14とを抑制するように、干渉して貫通開口部59の内部に適合させられる。その干渉した接続に代え、あるいはそれに加えて、主板15と駆動軸14との間の回転可能な一体的な接続は、主板15の貫通開口部59の外形と、この貫通開口部59内に適合させられるそれの部分における駆動軸14の外側の外形との間の幾何学的な連結によって達成することができる。1つの更なる実施形態によれば、駆動軸14と主板15の接続は、主板15の貫通開口部59の内部に駆動軸14を緩く適合させることにより達成することができる。
【0033】
駆動軸14と主板15はそれぞれ、好ましくは軸U(図12−図16)と軸V(図17−図19)を通して展開する。1つの可能な実施形態によれば、駆動軸14と主板15とは、組立状態において、互いに実質的に同軸にあり(すなわち、言い換えれば、軸Uと軸Vとが実質的に一致し)、制約が設けられない場合に駆動軸14と主板15とが互いに対して滑る傾向を有する相対的な滑り方向Tが、それぞれの軸Uと軸Vと一致するように形作られて互いに接続される(図11)。
【0034】
1つの実施形態によれば、滑り制約58は、ただ1つの滑りの向き(sense)に従う相対的な滑り方向Tに沿った主板15と駆動軸14との間の相対的な滑りを回避するように構成されている。好ましくは、この1つの滑りの向きは、主板15がスラスト手段7を、特にピストン34に近づく方向と一致する。有利には、滑り制約58によって防止されるそれらの向きとは反対の向き、すなわち、好ましくは主板15がスラスト手段7から離れて移動する向きにおける主板15と駆動軸14との間の相対的な滑りは、ボール17によって防止される。これらのボール7は、実際には、例えばフィフスホイール29によって及ぼされるスラストとは反対である軸Vの方向に、主板15にスラストを及ぼすことにより、スラスト手段7に近づく(その移動が滑り制約58によって防止される)と同時に板を駆動軸14から取り除く傾向を有するだけでなく、それらはまた、駆動軸14に対してこれらのスラスト手段7から離れる板の移動を妨げるという有利な機構を有している。
【0035】
有利には、滑り制約58は、1つ若しくはそれ以上の肩部60を有し、さらに有利には、1つ若しくはそれ以上の肩部座部61を有し、肩部座部61のそれぞれは、肩部が肩部座部に接触することによって相対的な滑り方向Tにおける主板15と駆動軸14との間の相対的な滑りを抑制するように、これらの肩部60の少なくとも1つ、好ましくはただ1つを収容するのに適している。好ましくは、肩部60は、駆動軸14と関連し、肩部座部61は、主板15と関連する(図4−図11)。
【0036】
1つの実施形態によれば、肩部60は、好ましくはスラスト手段7に面する駆動軸14の保持端部62に形成される。さらに一層好ましくは、肩部座部61は、主板15の保持側面56に形成される(この保持側面56は、前記のように、好ましくはスラスト手段7に面する)。それにより、肩部60は、スラスト手段7に近づくと同時に、駆動軸14に対して主板15が相対的な滑り方向Tに滑ることを防止することができる。
【0037】
有利には、肩部60は、駆動軸14から半径方向に突出し、好ましくはそれに対して接線方向に展開する。さらに有利には、肩部座部61は、主板15の貫通開口部59の半径方向に引っ込んだ部分である。それにより、半径方向に突出する肩部60が、半径方向に引っ込んだ肩部座部61の内部に適合させられるので、組立状態において駆動軸14と主板15のアセンブリの全体寸法を低減することができる。
【0038】
さらに有利には、好ましくは主板15の貫通開口部59の軸方向の延長部よりも低い軸方向の(すなわち、それぞれ軸Uと軸Vとに沿った)延長部を有する肩部60と肩部座部61とは、互いに実質的に等しい軸方向の延長部を有している。それにより、駆動軸14と主板15のアセンブリが組み立てられるときに、肩部座部61の内部に適合させられる肩部60と主板15とはともに、例えばフィフスホイール29と協働するのに適した実質的に平面的な表面63を有利に規定する(この目的のために、例えば図4及び図11を参照)。
【0039】
さらに一層有利には、肩部60と肩部座部61とは、外形連結を付与するように形作られる。それにより、前記のように、好ましくは相対的な滑り軸Tと一致するそれぞれの軸U及び軸Vについて、主板15と駆動軸14との間の相対的な回転が防止される。
【0040】
1つの実施形態によれば、肩部60は、それらの半径方向の外側の外形がともに肩部の外周Zを規定するように形作られる(図15)。更なる実施形態によれば、肩部座部61は、半径方向に肩部座部を規定する形状(すなわち、肩部座部の半径方向に最も外側の部分、すなわち、言い換えれば、半径方向に最も引っ込んだ外形)が、肩部座部の外周Qを規定する(図18)。有利には、これらの肩部座部61の外周Qと肩部60の外周Zとは、互いに対して同心であり、さらに有利には、肩部座部の外周Qは、肩部の外周Zの半径方向の外側にある(図10)。それにより、肩部座部61と肩部座部の中に収容される肩部60との間に、主板15を駆動軸14に組み付けることを容易にする半径方向の隙間が設けられる。
【0041】
有利には、肩部60と肩部座部61とは、それぞれ等間隔角度で配置され相互に対応している、すなわち肩部座部61がそれぞれの肩部60に対応するような角距離に配置される。それにより、主板15と駆動軸14との適切な組み立てのために、それぞれの肩部60が肩部座部61の1つに対応する角度位置にあるときまで、駆動軸は、相対的な回転を実行することができる。適切な相対的な角度位置が、駆動軸14と主板15との間で達せられた後に、肩部60は、相対的な滑り方向Tにおいて、対応する肩部座部61の内部に適合され得る。1つの可能な実施形態によれば、肩部60と肩部座部61とは、3つの数である。
【0042】
主板15は、好ましくはシンタードスチール(synthered steel)から作られる。
【0043】
駆動軸14は、好ましくはモールデッドスチール(moulded steel)から作られる。
【0044】
前記に与えられた記載から、当業者は、本発明に係る駐車装置が、従来技術に関連して言及された問題を少なくとも部分的にどのように解決するかを理解することができる。
【0045】
特に、当業者は、駆動軸及び/又は板に関連する滑り制約の存在によって、どのようにして、装置の寸法や組み立ての過大な問題に直面することなく、駆動軸と主板とが互いに別個であることによる建設的な解決法を採用することができるかを理解することができる。実際に、駆動軸及び/又は板に関連する滑り制約を付与することにより、例えば適切な位置に主板を保持するためのアキシャルベアリングなどの更なる構成部品を取り除くことができる。更なる構成部品が取り除かれるので、結果として全体寸法が低減される。さらに、肩部と肩部座部との相互の連結が容易になり、それにより、駐車装置の組み立ては、これらの更なる構成部品が組み付けられる場合と比べて難しさが少なくなる。
【0046】
前記に記載されたものに対する変形例及び/又は追加例が提供されることが理解されるべきである。
【0047】
例えば、肩部が、主板と肩部座部とを駆動軸に関連させるようにしてもよい。
【0048】
別の変形実施形態によれば、軸肩部は、好適な肩部座部におけるよりも主板の表面に接触するようにしてもよい。
【0049】
別の変形例によれば、スラスト手段に面する主板の側面が、肩部のための肩部座部を備えた保持するものよりもボールのための回転座部を備えた協働側面であってもよい。この場合、主板は、主支持体に接続されるよりもスラスト手段に動作可能に接続される装置の反応部分に作用することができる。
【0050】
本発明に係る駐車装置、ブレーキキャリパ及びディスクブレーキの前記実施形態に対して、当業者は、以下の請求項の範囲から逸脱することなく、特定の起こり得る要求に対処することを目的として、多数の変形、変更、あるいは機能的に等しい要素との置換を行うことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主支持体(6)と、少なくとも1つのパッドが車両の車輪に関連するディスクブレーキのブレーキディスクと係合することにより前記車輪を締め付けるように少なくとも1つのパッドにスラスト作用を及ぼすのに適したスラスト手段(7)と、前記スラスト手段(7)が前記パッドに前記スラスト作用を及ぼすように前記スラスト手段(7)を作動させるのに適した作動手段(8)であって、前記主支持体(6)に対して回転する及び/又は滑ることができる駆動軸(14)と、前記駆動軸(14)とは別個で前記駆動軸に旋回可能に一体的な方法で接続される又は接続可能である主板(15)とを有する作動手段(8)と、を備えた車両ディスクブレーキ用のブレーキキャリパ(1)の駐車装置(2)であって、
前記駆動軸(14)及び/又は前記主板(15)は、少なくとも1つの相対的な滑り方向(T)において前記主板(15)と前記駆動軸(14)との間の相対的な滑りを少なくとも部分的に防止するのに適した滑り制約(58)を形成する、ことを特徴とする装置(2)。
【請求項2】
前記主板(15)は、前記駆動軸(14)を少なくとも部分的に収容するのに適した貫通開口部(59)を規定する、ことを特徴とする前記請求項に記載の装置(2)。
【請求項3】
前記駆動軸(14)は、前記主板(15)の前記貫通開口部(59)の内部に干渉して適合させられる、ことを特徴とする前記請求項に記載の装置(2)。
【請求項4】
前記駆動軸(14)は、前記主板(15)の前記貫通開口部(59)の内部に緩く適合させられる、ことを特徴とする請求項2に記載の装置(2)。
【請求項5】
前記駆動軸(14)と前記主板(15)とは、互いに実質的に同軸にあり、前記駆動軸(14)と前記主板(15)の軸(U、V)は、前記少なくとも1つの相対的な滑り方向(T)と実質的に一致する、ことを特徴とする前記請求項の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項6】
前記滑り制約(58)は、それぞれの滑りの向きに従って前記相対的な滑り方向(T)における前記主板(15)と前記駆動軸(14)との相対的な滑りを回避するように構成されている、ことを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の装置(2)。
【請求項7】
前記滑り制約(58)は、前記1つの防止された滑りの向きが、前記主板(15)が前記スラスト手段(7)に近づく向きと一致するように構成されている、ことを特徴とする前記請求項に記載の装置(2)。
【請求項8】
前記滑り制約(58)は、1つ若しくはそれ以上の肩部(60)を有している、ことを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の装置(2)。
【請求項9】
前記滑り制約(58)は、前記肩部(60)が肩部座部(61)に接触するように前記肩部(60)の少なくとも1つを収容するのに適した1つ若しくはそれ以上の肩部座部(61)を有している、ことを特徴とする前記請求項に記載の装置(2)。
【請求項10】
前記肩部(60)は、前記駆動軸(14)に関連し、前記肩部座部(61)は、前記主板(15)に関連している、ことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の装置(2)。
【請求項11】
前記肩部座部(61)のそれぞれは、前記肩部(60)のただ1つを収容するのに適している、ことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の装置(2)。
【請求項12】
前記肩部(60)は、前記駆動軸(14)の保持端部(62)に形成される、ことを特徴とする請求項8から請求項11の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項13】
前記保持端部(62)は、前記スラスト手段(7)に面する、ことを特徴とする前記請求項に記載の装置(2)。
【請求項14】
前記肩部(60)は、前記駆動軸(14)から半径方向に突出する、ことを特徴とする請求項8から請求項13の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項15】
前記肩部(60)は、前記駆動軸(14)に対して接線方向に展開する、ことを特徴とする請求項8から請求項14の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項16】
前記肩部(60)と前記肩部座部(61)とは、前記相対的な滑り方向(T)のまわりの前記主板(15)と前記駆動軸(14)との間における相対的な回転を防止するのに適した外形連結を付与するように形作られる、ことを特徴とする請求項9から請求項15の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項17】
前記肩部座部(61)は、前記主板(15)の前記貫通開口部の半径方向に引っ込んだ部分である、ことを特徴とする請求項9から請求項16の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項18】
前記肩部(60)は、前記相対的な滑り方向(T)において前記肩部座部の内部に適合可能である、ことを特徴とする請求項9から請求項17の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項19】
前記肩部座部(61)は、前記主板(15)の前記貫通開口部(59)の軸方向の延長部よりも低い軸方向の延長部を有している、ことを特徴とする請求項9から請求項18の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項20】
前記肩部座部(61)は、前記肩部(60)の軸方向の延長部に実質的に等しい軸方向の延長部を有している、ことを特徴とする請求項9から請求項19の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項21】
駆動軸(14)と主板(15)とが組み立てられた状態において、前記肩部座部(61)の内部に適合させられた肩部(60)と主板(15)とはともに、実質的に平面的な表面(63)を規定する、ことを特徴とする請求項9から請求項20の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項22】
前記肩部(60)は、該肩部の半径方向の外側の外形がともに肩部の外周(Z)を規定するように形づくられる、ことを特徴とする請求項8から請求項21の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項23】
前記肩部座部(61)は、該肩部座部の半径方向の最も引っ込んだ外形がともに、前記肩部座部の外周(Q)を規定するように形づくられる、ことを特徴とする請求項9から請求項22の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項24】
前記肩部の外周(Z)と前記肩部座部の外周(Q)は、実質的に同心である、ことを特徴とする請求項22又は請求項23に記載の装置(2)。
【請求項25】
前記肩部座部の外周(Q)は、前記肩部(60)と前記肩部座部(61)との間に半径方向の隙間を残すように、前記肩部の外周(Z)の半径方向の外側にある、ことを特徴とする請求項22、請求項23又は請求項24に記載の装置(2)。
【請求項26】
前記肩部(60)と前記肩部座部(61)とは、互いに対してそれぞれ等間隔に配置され、相互に対応している、ことを特徴とする請求項9から請求項25の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項27】
前記肩部(60)と前記肩部座部(61)とは、3個の数である、ことを特徴とする請求項9から請求項26の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項28】
前記主板(15)は、前記肩部座部(61)を有する保持側面(56)と、前記保持側面(56)の反対側の協働側面(55)とを有し、前記協働側面(55)は、回転体(17)によって前記駐車装置(2)の反応部分(9)と協働するのに適している、ことを特徴とする請求項9から請求項27の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項29】
前記主板(15)の前記協働側面(55)は、回転体(17)が回転座部(16)の内部において回転することができることにより前記反応部分(9)との前記協働を付与するように、少なくとも部分的に前記回転体(17)を収容するのに適した1つ若しくはそれ以上の回転座部(16)を有している、ことを特徴とする前記請求項に記載の装置(2)。
【請求項30】
前記回転体(17)は更に、前記主板(15)と前記反応部分(9)との間における前記協働を付与するように、前記主板(15)の前記回転座部(16)に対応する前記反応部分(9)の回転座部(20)の内部に少なくとも部分的に収容されて回転するのに適している、ことを特徴とする前記請求項に記載の装置(2)。
【請求項31】
前記主板(15)と反応部分(9)との前記回転座部(16、20)は、前記主板と前記反応部分との中で回転する前記回転体(17)によって、前記主板(15)と前記反応部分(9)とが互いから離れて移動するように形作られる、ことを特徴とする前記請求項に記載の装置(2)。
【請求項32】
前記回転体(17)の前記回転は、前記主支持体(6)に対する前記主板(15)の回転によって引き起こされ得る、ことを特徴とする請求項29から請求項31の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項33】
前記回転体(17)は、前記滑り制約(58)によって抑制された向きと反対の向きに従って前記相対的な滑り方向(T)に沿った前記主板(15)と前記駆動軸(14)との相対的な滑りを防止する、ことを特徴とする請求項29から請求項32の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項34】
前記主板(15)の前記保持側面(56)は、前記スラスト手段(7)に面する、ことを特徴とする請求項28から請求項33の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項35】
前記主板(15)は、シンタードスチールから作られる、ことを特徴とする前記請求項の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項36】
前記駆動軸(14)は、モールデッドスチールから作られる、ことを特徴とする前記請求項の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項37】
前記請求項の何れか1項に記載の駐車装置(2)を有するブレーキキャリパ(1)。
【請求項38】
浮動型の前記請求項に記載のブレーキキャリパ(1)。
【請求項39】
請求項37又は請求項38に記載のブレーキキャリパ(1)を有するディスクブレーキ。
【請求項1】
主支持体(6)と、少なくとも1つのパッドが車両の車輪に関連するディスクブレーキのブレーキディスクと係合することにより前記車輪を締め付けるように少なくとも1つのパッドにスラスト作用を及ぼすのに適したスラスト手段(7)と、前記スラスト手段(7)が前記パッドに前記スラスト作用を及ぼすように前記スラスト手段(7)を作動させるのに適した作動手段(8)であって、前記主支持体(6)に対して回転する及び/又は滑ることができる駆動軸(14)と、前記駆動軸(14)とは別個で前記駆動軸に旋回可能に一体的な方法で接続される又は接続可能である主板(15)とを有する作動手段(8)と、を備えた車両ディスクブレーキ用のブレーキキャリパ(1)の駐車装置(2)であって、
前記駆動軸(14)及び/又は前記主板(15)は、少なくとも1つの相対的な滑り方向(T)において前記主板(15)と前記駆動軸(14)との間の相対的な滑りを少なくとも部分的に防止するのに適した滑り制約(58)を形成する、ことを特徴とする装置(2)。
【請求項2】
前記主板(15)は、前記駆動軸(14)を少なくとも部分的に収容するのに適した貫通開口部(59)を規定する、ことを特徴とする前記請求項に記載の装置(2)。
【請求項3】
前記駆動軸(14)は、前記主板(15)の前記貫通開口部(59)の内部に干渉して適合させられる、ことを特徴とする前記請求項に記載の装置(2)。
【請求項4】
前記駆動軸(14)は、前記主板(15)の前記貫通開口部(59)の内部に緩く適合させられる、ことを特徴とする請求項2に記載の装置(2)。
【請求項5】
前記駆動軸(14)と前記主板(15)とは、互いに実質的に同軸にあり、前記駆動軸(14)と前記主板(15)の軸(U、V)は、前記少なくとも1つの相対的な滑り方向(T)と実質的に一致する、ことを特徴とする前記請求項の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項6】
前記滑り制約(58)は、それぞれの滑りの向きに従って前記相対的な滑り方向(T)における前記主板(15)と前記駆動軸(14)との相対的な滑りを回避するように構成されている、ことを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の装置(2)。
【請求項7】
前記滑り制約(58)は、前記1つの防止された滑りの向きが、前記主板(15)が前記スラスト手段(7)に近づく向きと一致するように構成されている、ことを特徴とする前記請求項に記載の装置(2)。
【請求項8】
前記滑り制約(58)は、1つ若しくはそれ以上の肩部(60)を有している、ことを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の装置(2)。
【請求項9】
前記滑り制約(58)は、前記肩部(60)が肩部座部(61)に接触するように前記肩部(60)の少なくとも1つを収容するのに適した1つ若しくはそれ以上の肩部座部(61)を有している、ことを特徴とする前記請求項に記載の装置(2)。
【請求項10】
前記肩部(60)は、前記駆動軸(14)に関連し、前記肩部座部(61)は、前記主板(15)に関連している、ことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の装置(2)。
【請求項11】
前記肩部座部(61)のそれぞれは、前記肩部(60)のただ1つを収容するのに適している、ことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の装置(2)。
【請求項12】
前記肩部(60)は、前記駆動軸(14)の保持端部(62)に形成される、ことを特徴とする請求項8から請求項11の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項13】
前記保持端部(62)は、前記スラスト手段(7)に面する、ことを特徴とする前記請求項に記載の装置(2)。
【請求項14】
前記肩部(60)は、前記駆動軸(14)から半径方向に突出する、ことを特徴とする請求項8から請求項13の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項15】
前記肩部(60)は、前記駆動軸(14)に対して接線方向に展開する、ことを特徴とする請求項8から請求項14の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項16】
前記肩部(60)と前記肩部座部(61)とは、前記相対的な滑り方向(T)のまわりの前記主板(15)と前記駆動軸(14)との間における相対的な回転を防止するのに適した外形連結を付与するように形作られる、ことを特徴とする請求項9から請求項15の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項17】
前記肩部座部(61)は、前記主板(15)の前記貫通開口部の半径方向に引っ込んだ部分である、ことを特徴とする請求項9から請求項16の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項18】
前記肩部(60)は、前記相対的な滑り方向(T)において前記肩部座部の内部に適合可能である、ことを特徴とする請求項9から請求項17の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項19】
前記肩部座部(61)は、前記主板(15)の前記貫通開口部(59)の軸方向の延長部よりも低い軸方向の延長部を有している、ことを特徴とする請求項9から請求項18の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項20】
前記肩部座部(61)は、前記肩部(60)の軸方向の延長部に実質的に等しい軸方向の延長部を有している、ことを特徴とする請求項9から請求項19の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項21】
駆動軸(14)と主板(15)とが組み立てられた状態において、前記肩部座部(61)の内部に適合させられた肩部(60)と主板(15)とはともに、実質的に平面的な表面(63)を規定する、ことを特徴とする請求項9から請求項20の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項22】
前記肩部(60)は、該肩部の半径方向の外側の外形がともに肩部の外周(Z)を規定するように形づくられる、ことを特徴とする請求項8から請求項21の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項23】
前記肩部座部(61)は、該肩部座部の半径方向の最も引っ込んだ外形がともに、前記肩部座部の外周(Q)を規定するように形づくられる、ことを特徴とする請求項9から請求項22の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項24】
前記肩部の外周(Z)と前記肩部座部の外周(Q)は、実質的に同心である、ことを特徴とする請求項22又は請求項23に記載の装置(2)。
【請求項25】
前記肩部座部の外周(Q)は、前記肩部(60)と前記肩部座部(61)との間に半径方向の隙間を残すように、前記肩部の外周(Z)の半径方向の外側にある、ことを特徴とする請求項22、請求項23又は請求項24に記載の装置(2)。
【請求項26】
前記肩部(60)と前記肩部座部(61)とは、互いに対してそれぞれ等間隔に配置され、相互に対応している、ことを特徴とする請求項9から請求項25の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項27】
前記肩部(60)と前記肩部座部(61)とは、3個の数である、ことを特徴とする請求項9から請求項26の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項28】
前記主板(15)は、前記肩部座部(61)を有する保持側面(56)と、前記保持側面(56)の反対側の協働側面(55)とを有し、前記協働側面(55)は、回転体(17)によって前記駐車装置(2)の反応部分(9)と協働するのに適している、ことを特徴とする請求項9から請求項27の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項29】
前記主板(15)の前記協働側面(55)は、回転体(17)が回転座部(16)の内部において回転することができることにより前記反応部分(9)との前記協働を付与するように、少なくとも部分的に前記回転体(17)を収容するのに適した1つ若しくはそれ以上の回転座部(16)を有している、ことを特徴とする前記請求項に記載の装置(2)。
【請求項30】
前記回転体(17)は更に、前記主板(15)と前記反応部分(9)との間における前記協働を付与するように、前記主板(15)の前記回転座部(16)に対応する前記反応部分(9)の回転座部(20)の内部に少なくとも部分的に収容されて回転するのに適している、ことを特徴とする前記請求項に記載の装置(2)。
【請求項31】
前記主板(15)と反応部分(9)との前記回転座部(16、20)は、前記主板と前記反応部分との中で回転する前記回転体(17)によって、前記主板(15)と前記反応部分(9)とが互いから離れて移動するように形作られる、ことを特徴とする前記請求項に記載の装置(2)。
【請求項32】
前記回転体(17)の前記回転は、前記主支持体(6)に対する前記主板(15)の回転によって引き起こされ得る、ことを特徴とする請求項29から請求項31の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項33】
前記回転体(17)は、前記滑り制約(58)によって抑制された向きと反対の向きに従って前記相対的な滑り方向(T)に沿った前記主板(15)と前記駆動軸(14)との相対的な滑りを防止する、ことを特徴とする請求項29から請求項32の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項34】
前記主板(15)の前記保持側面(56)は、前記スラスト手段(7)に面する、ことを特徴とする請求項28から請求項33の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項35】
前記主板(15)は、シンタードスチールから作られる、ことを特徴とする前記請求項の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項36】
前記駆動軸(14)は、モールデッドスチールから作られる、ことを特徴とする前記請求項の何れか1項に記載の装置(2)。
【請求項37】
前記請求項の何れか1項に記載の駐車装置(2)を有するブレーキキャリパ(1)。
【請求項38】
浮動型の前記請求項に記載のブレーキキャリパ(1)。
【請求項39】
請求項37又は請求項38に記載のブレーキキャリパ(1)を有するディスクブレーキ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2010−535316(P2010−535316A)
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518819(P2010−518819)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【国際出願番号】PCT/IT2008/000489
【国際公開番号】WO2009/016674
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(501016696)フレニ・ブレンボ エス・ピー・エー (18)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【国際出願番号】PCT/IT2008/000489
【国際公開番号】WO2009/016674
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(501016696)フレニ・ブレンボ エス・ピー・エー (18)
【Fターム(参考)】
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