説明

ブレーキシステムの安全装置

【課題】 サイドブレーキの凍結の可能性を報知することのできるブレーキシステムの安全装置を提供する。
【解決手段】 図1において、ブレーキシステムの安全装置100は、車載部110と接続されるアクセサリー電源状態検出手段120と、車外気温を検知する車外温度センサ130と、サイドブレーキ状態検出手段140と、報知信号を合成できる音声合成回路115とを有するものである。これにより、サイドブレーキ凍結の恐れを運転者に報知することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両のサイドブレーキの状態を報知するブレーキシステムの安全装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の自動車用サイドブレーキ警報装置として、サイドブレーキがかけられた状態で車が動いていることを運転者に警告するものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、従来の別の自動車用サイドブレーキかけ忘れ防止装置として、停車後に車速を検出し、ユーザに音声で報知するものが知られている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−58571号公報(第1図)
【特許文献2】特開2007−38931号公報(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の自動車用サイドブレーキ警報装置とサイドブレーキかけ忘れ防止装置は温暖地での使用を想定しているため、寒冷地などで気温が下がりサイドブレーキが氷結し動かなくなる温度でもサイドブレーキを引いて制動するように指示がされる。このため、サイドブレーキが凍結しサイドブレーキの制動解除ができないという問題があった。
【0006】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、車外気温を入手することで、停車時にサイドブレーキがどの状態にあるべきかを報知することのできるブレーキシステムの安全装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のブレーキシステムの安全装置は、車載部と、この車載部と接続するアクセサリー電源の通電状態を検出するアクセサリー電源状態検出手段、前記車両のサイドブレーキの制動状態を検出するサイドブレーキ状態検出手段、車外気温を測定する車外気温センサ、および、運転者に報知すべき情報を報知する報知手段とが接続された構成であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、車両の周囲の気温に応じてサイドブレーキのかけ忘れ、または、氷結を防止する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1におけるブレーキシステムの安全装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態1におけるブレーキシステムの安全装置の動作説明のためのフロー図
【図3】本発明の実施の形態2におけるブレーキシステムの安全装置のブロック図
【図4】本発明の実施の形態2におけるブレーキシステムの安全装置の動作説明のためのフロー図
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1のブレーキシステムの安全装置について、図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態1のブレーキシステムの安全装置のブロック図である。
図1において、ブレーキシステムの安全装置100の構成は、例えば車載用オーディオ機器等の車載部110にアクセサリー電源状態検出手段120と、車外温度センサ130と、サイドブレーキ状態検出手段140と、報知手段160とが接続されている。また、車載部110内は、CPU111に記録媒体112と音声合成回路115とが接続されている。
【0011】
アクセサリー電源状態検出手段120は、アクセサリー電源がONかOFFかを判断する。アクセサリー電源状態検出手段120が電源OFFを検出すると車載部110内のCPUを介してアクセサリー電源状態検出手段120が電源OFFである情報を記録媒体112に記録する。
車外温度センサ130は車外気温を測定し、測定した車外気温は車載部110内のCPUを介して車外気温情報を記録媒体112に記録する。
【0012】
サイドブレーキ状態検出手段140はサイドブレーキの状態を検出する。サイドブレーキの状態とは、サイドブレーキの制動状態であるか否かである。このサイドブレーキの状態を車載部110内のCPUを通してサイドブレーキの制動状態である情報を記録媒体112に記録する。
【0013】
車載機110内のCPU111はアクセサリー電源がOFF、車外気温、および、サイドブレーキが制動中である情報が入力される。また、CPU111は入力された車外気温情報から車外気温が所定値である例えば0度より大きいか否かの判断や、サイドブレーキの状態などでブレーキシステム安全装置100の全体の動作制御等を行う。
【0014】
記録媒体112はアクセサリー電源状態検出手段120で電源がOFFの検出、サイドブレーキの状態、および、車外気温の情報の他にオーディオの再生のプログラムを保存している。
搭乗者に報知が必要になった時、CPU111からの指示で音声合成回路115は報知音声を合成する。
【0015】
報知が必要な条件とは、アクセサリー電源がOFFであり、車外気温が0度未満で、サイドブレーキが制動中の場合、音声合成回路115で、例えば「サイドブレーキが凍結の可能性があります」などの報知音声を合成する。なお、報知音声はビープ音などの警告音をでもよい。
【0016】
また、アクセサリー電源がOFFであり、車外気温が0度以上で、サイドブレーキが制動していない場合、サイドブレーキの凍結の可能性が少なく、サイドブレーキかけ忘れ防止のために、例えば「サイドブレーキがかかっていません」と報知音声を合成する。
【0017】
報知手段160はスピーカ161〜164から報知音声を報知する。報知するときは報知手段160全てで報知してもよく、また一部の報知手段161などで報知してもよい。

この場合、運転席に近い報知手段だけで報知すると運転者だけに報知音声等が聞こえ、他の同乗者に聞こえにくくする効果がある。
以上のように構成されたブレーキシステムの安全装置100について、以下にその動作を説明する。
図2は本発明の実施の形態1におけるブレーキシステムの安全装置100における動作説明のためのフロー図である。
【0018】
図2に示すように、まず、アクセサリー電源状態検出手段120がアクセサリー電源への電源供給がOFFになったことを検出し、車載部110のCPUを介してアクセサリー電源がOFFである情報を記録媒体112に記録する(S1)。
次に、車外温度センサ130で車外気温を測定し車外気温情報をCPU111を介して記録媒体112に記録する(S2)。
【0019】
次に、サイドブレーキ状態検出手段140からサイドブレーキの制動状態を検出し、サイドブレーキの制動情報をCPU111を介して記録媒体112に記録する(S3)。
【0020】
次に、車載部110で車外気温が0℃以上であるか否かを判断する(S4)。この際、車外気温が0度未満の場合(S4、NO)であればサイドブレーキを制動状態にしていない旨を判断する(S7)。
次に、車載部110がサイドブレーキが制動中であると判断した場合は(S7、NO)、
【0021】
CPU111からの指示で音声合成回路115で報知音声を合成し、報知手段160から報知音声で運転者に報知する(S8)。この報知音声は、例えば「サイドブレーキが凍結の可能性があります」などである。運転者に報知した後、車載部110内のCPU111をスリープモードへ移行させ、車載部110の電源OFF処理を行う(S9)。
また、ステップ4に戻って、車載110が車外気温が0度以上の場合(S4、YES)であればサイドブレーキが制動中であるか否を判断する(S5)。
次に、車載部110がサイドブレーキが制動中でないと判断した場合は(S5、NO)、
【0022】
CPU111からの指示で音声合成回路115で音声合成報知音声を合成し、報知手段160から報知音声で運転者に知らせる(S6)。この報知音声は、例えば「サイドブレーキがかかっていません」などである。運転者に報知した後、車載部110内のCPU111をスリープモードへ移行させ、車載部110の電源OFF処理を行う(S9)。
【0023】
以上のように、本実施の形態によれば、アクセサリー電源OFF、車外温度センサ130からに車外気温情報、および、サイドブレーキ状態検出手段140からのサイドブレーキの制動状態の情報により、サイドブレーキが凍結する可能性がある場合は運転者にサイドブレーキが凍結する可能性がある旨を報知することができ、また、サイドブレーキが凍結する可能性がない場合はサイドブレーキのかけ忘れ防止の報知をすることができる。
【0024】
なお、本実施形態では報知する車外気温が0度を判断基準にしているが、車載によって車外温度センサ130は0度ではなく、所望応じて温度が任意に設定できるようにすることができる。
【0025】
さらに、報知手段に関しては、表示部(図示なし)で文字や図面で報知してもよいし、音声と表示部を組み合わせで報知すると、運転者により確実に報知することができる。
(実施の形態2)
【0026】
以下、本発明の実施の形態2のブレーキシステムの安全装置200について、図面を用いて説明する。なお、本実施の形態2で用いる図面と実施の形態1で用いた図面と同様の構成については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図3は本発明の実施の形態2におけるブレーキシステムの安全装置200のブロック図である。
図3において、実施の形態1の図1と異なる点は車載部210のCPUに地域座標検出
手段220と、天気予報入手手段230とを接続する点である。
【0027】
この地域座標検出手段220は、例えば、ナビゲーション装置のGPS等からなり、現在、車両がいる場所の座標を検出する。車両の現在位置座標を検出するものである。
車両の現在位置座標を取得すると車載部210内のCPUを介して記録媒体212に記録する。
【0028】
また、天気予報入手手段230は、車両を駐車した場所での天気予報データから予報気温を入手するものである。天気予報データとは駐車した場所で駐車後の気温の予報気温である。天気予報データを取得すると車載部210内のCPUを介して記録媒体212に記録する。
以上のように構成されたブレーキシステムの安全装置200について、以下にその動作を説明する。
図4は本発明の実施の形態2におけるブレーキシステムの安全装置200の動作説明のためのフロー図である。
【0029】
図4に示すように、アクセサリー電源状態検出手段120がアクセサリー電源への電源供給がOFFになったことを検出し、車載部210のCPUを介して、アクセサリー電源がOFFである情報を記録媒体212に記録する(S1)。
次に、地域座標検出手段220で現在位置を測定し、現在の車両の現在位置座標をCPU211を介して、記録媒体212に記録する。
【0030】
次に、天気予報入手手段230で車両を駐車した場所での天気予報データから予想気温を入手し、今後の予想気温をCPU211を介して、記録媒体212に記録する(S12)。
次に、車外温度センサ130で車外気温を測定し、車外気温情報をCPU211を介して、記録媒体212に記録する(S13)。
【0031】
次に、サイドブレーキ状態検出手段140からサイドブレーキの状態を検出し、サイドブレーキの情報をCPU211を介して、記録媒体212に記録する(S14)。
【0032】
次に、車載部210で車外気温が0℃以上であるか否かを判断する(S15)。この際、車外気温が0度未満の場合(S15、NO)であればサイドブレーキを制動状態にしていない旨を判断する(S19)。
【0033】
また、ステップ15に戻って、車外気温が0度以上の場合(S15、YES)、天気予報入手手段230からの情報で、今後の気温が0度未満になる予報が出る(S16、NO)とサイドブレーキの制動を判断する(S19)。
【0034】
次に、車載機210がサイドブレーキの制動していない場合は(S19、NO)、CPU211からの指示により音声合成回路216で音声合成報知音声を合成し、報知手段270から報知音声で運転者に報知する(S20)。報知音声は、例えば「サイドブレーキが凍結の可能性があります」などである。運転者に報知した後、車載部210内のCPU211をスリープモードへ移行させ、車載部210の電源OFF処理を行う(S21)。
【0035】
また、ステップ16に戻って、天気予報入手手段230からの情報で、今後の気温が0度未満になる予報が出ていない場合(S16、YES)はサイドブレーキが制動中かを判断する(S17)。車載部210がサイドブレーキが制動中でないと判断した場合は(S17、NO)、CPU211からの指示で音声合成回路216で音声合成報知回路を合成し、
【0036】
報知手段270から報知音声で運転者に知らせる(S18)。この報知音声は、例えば「サイドブレーキがかかっていません」などである。運転者に報知した後、車載部210内のCPU211をスリープモードへ移行させ、車載部210の電源OFF処理を行う(S21)。運転者に報知した後、車載部210内のCPU211をスリープモードへ移行させ、車載部210の電源OFF処理を行う(S21)。
【0037】
以上のように、本実施の形態によれば、地域座標検出手段220から現在位置情報、天気予報入手手段230で現在位置の今後の気温の予報、車外温度センサ130の車外温度情報とサイドブレーキ状態検出手段140からのサイドブレーキの制動情報により、駐車時の気温が0度以上であっても、駐車後の天候の変化による気温を考慮することで、サイドブレーキが凍結する可能性がある場合は、運転者にサイドブレーキの凍結の可能性を報知することができサイドブレーキ凍結を防ぐことができる。また、サイドブレーキが凍結する可能性がない時にサイドブレーキを制動していないで駐車する場合は、サイドブレーキの引き忘れ防止の報知をすることができる。
【0038】
なお、以上の実施形態では報知する車外気温が0度を判断基準にしているが、車載によって車外温度センサ130は0度ではなく、所望に応じて温度が任意に設定できるようにしてもよい。
【0039】
さらに、報知手段に関しては、表示部(図示なし)で文字や図面で報知して良い、また、音声と表示部を組み合わせで報知すると、運転者により確実に報知することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明のブレーキシステムの安全装置は、サイドブレーキの氷結の予防というブレーキシステムの安全装置等として有用である。
【符号の説明】
【0041】
100 ブレーキシステムの安全装置
110 車載部
120 アクセサリー電源状態検出手段
130 車外温度センサ
140 サイドブレーキ状態検出手段
160 報知手段
200 ブレーキシステムの安全装置
210 車載部
220 地域座標検出手段
230 天気予報入手手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載部と、この車載部と接続するアクセサリー電源の通電状態を検出するアクセサリー電源状態検出手段、サイドブレーキの制動状態を検出するサイドブレーキ状態検出手段、車外気温を測定する車外気温センサ、および、運転者に報知すべき情報を報知する報知手段を備え、
前記車載部は、前記アクセサリー電源状態検出手段で前記アクセサリー電源への通電状態がOFF、かつ、前記サイドブレーキ状態検出手段でサイドブレーキの制動状態、かつ、前記車外気温センサで車外気温を測定してサイドブレーキが凍結する温度未満であると判断したとき、前記報知手段により運転者に報知することを特徴とするブレーキシステムの安全装置。
【請求項2】
車載部と、車外気温を測定する車外気温センサ、車両の現在位置情報を取得する地域座標検出手段、車両の現在位置の天気情報を取得する天気予報入手手段をさらに備え、
前記地域座標検出手段より車両の現在位置情報、かつ、前記車外気温センサで車外気温を測定してサイドブレーキが凍結する温度以上、かつ、前記天気予報入手手段より車両の現在位置の車外気温が駐車後にサイドブレーキが凍結する温度になると判断すると前記報知手段により運転者に報知することを特徴とする請求項1記載のブレーキシステムの安全装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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