説明

ブロードキャスト媒体の受信器において番組選択を制御する方法

本発明は、例えば、テレビジョン又はラジオといったブロードキャスト媒体の受信器(6)において番組選択を制御する方法に係る。所定の基準に応じて、お気に入りの番組のリスト(7)は管理され、ブロードキャスト媒体の他のユーザによる番組評価に関する情報が、その管理の際に、考慮に入れられる。例えば、現在のブロードキャストの観客又は視聴者の数が、リストへの可能な取り込みのために考慮に入れられる。本発明の方法では、ユーザがリストを検索する際に、リストの上端又は下端を越えると、リストは、所定基準に応じて自動的に拡張される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロードキャスト媒体の受信器において番組選択を制御する方法に係わり、この方法では、お気に入りの番組のリストは、所定基準に応じて管理される。更に、本発明は、所定基準に応じてお気に入りの番組のリストを管理する処理ユニットを有するブロードキャスト媒体用の受信器に係る。
【背景技術】
【0002】
例えば、テレビジョン又はラジオといったブロードキャスト媒体は、決められた時間計画に従ってブロードキャストを伝送し、事前に決められているのではなくある程度任意の数のユーザがそれらのブロードキャストを受信可能である点を特徴とする。一般的に、ブロードキャストは、ブロードキャスト媒体の様々なチャネル上で並列に伝送される。チャネルブロードキャストは、以下「番組」と称する。
【0003】
例えば、テレビジョン又はラジオといった受信装置により受信可能な番組を管理し、また、ユーザが便利な方法で番組を選択することを可能にするために、様々な方法が開発されてきた。例えば、(完全な)番組概観の数字で分類されるチャネルリストでの管理は、長いこと知られている。しかし、このようなリストは静的であり、一連の番組は通常、明白なユーザ動作によってのみ変更可能である。これは、例えば、1つのリストの番組は、番組プロバイダによりまとめられることが可能であるか、又は、リストはコンピュータ上で完全に編集可能である衛星受信器に対して更に開発された方法についても言えることである。
【0004】
更に、特に、RDSシステムを有するカーラジオといったラジオ受信器は、瞬間的に最良の受信率を有する6つの局のリストが決定され局キーが割当てられる、自動検索チューニングを使用する。更に、RDSでは、音楽の趣味に応じた番組選択も可能である。このために、ラジオ送信器は、対応するチャネル上で、ポップか、クラシック音楽か、カントリー等が再生されているか否かに関する情報を供給する。しかし、このような分類は、瞬間的に送信されるコンテンツを考慮にいれず、従って、特に、「多目的の」ラジオ送信器には不適切である。
【0005】
お気に入りの番組のリストが自動的に管理される方法は、WO01/91458A2から公知である。この番組のリストは、特に、所定のユーザ嗜好に応じたリストへの番組のエントリ及びリストからの番組の除去を有する。所定のユーザ嗜好は、所与の番組にユーザが費やす時間を考慮することにより、自動的に決定することも可能である。しかし、いずれにせよ、リストへの番組のエントリは、ユーザが対応する嗜好を明白に又はユーザの行動により事前に特定していることを前提としている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明は、ブロードキャスト媒体の受信器において番組選択を制御する方法と、ユーザにとって快適であり、全ての潜在的に関心を引く番組を考慮に入れる柔軟性のある番組選択の可能性を与える適切に適応された受信器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1に記載する方法、請求項6に記載する方法、及び請求項9に記載する受信器により達成される。有利な実施例は、従属項に記載する。
【0008】
本発明では、少なくとも1つのブロードキャスト媒体の受信器において番組選択を制御する方法は、所定基準に応じて管理されるお気に入りの番組のリストに基づいている。このリストを管理するために、新しい番組のエントリが取り入れられ、及び/又は、番組が除去される。この方法は、所定基準の少なくとも一部は、ブロードキャスト媒体の他のユーザによる番組評価に関する情報に基づいていることを特徴とする。
【0009】
お気に入りの番組のリストを管理する既知の方法は、主観的な選択基準に関して当該ユーザの明示的及び/又は暗示的な入力に依存するが、上述した方法は、当該ユーザによる入力を必要としない主観的な基準に応じた番組リストの柔軟且つ自動の管理を提供する。これを達成するために、ブロードキャスト媒体の他のユーザから(明示的に又は暗示的に)得られる番組評価が使用される。「他のユーザ」とは、本発明の方法が実施される受信器を使用していないユーザのことである。本発明の方法は、ブロードキャスト媒体により伝送される番組は、大勢のユーザによって同時に消費されるというブロードキャスト媒体の特徴を利用している。
【0010】
本発明の方法が基づいている他のユーザによる番組評価は、例えば、関心の番組に関する評価ノートの(遠隔)問い合わせから得られる。例えば、テレビ番組の視聴者は電話がかけられて現在の番組を評価するよう求められ得るか、又は、視聴者自身が電話、電子メール、ファックス、SMS等により番組評価を提供し得る。このようにして得られた評価ノートは、中央に集められ、本発明の範囲内のユーザに利用可能にされる。別の好適で広く使用される番組評価の方法は、現在の番組に対する観客又は視聴者の数を考慮に入れることである。高い観客又は視聴者の数は、現在の番組は、多くのユーザにとって恐らく面白いであろうことを示す。まさにこの点が、提案する本発明の方法が、所定のユーザ嗜好にしか基づかない既知の方法よりも優れる点である。例えば、所定の嗜好に従う場合、ユーザは、スポーツ又はサッカーに関心はないとする。しかし、このユーザは、例外的に、ワールドチャンピオンシップ決勝戦といった特に重要なサッカーの試合には関心を持ち得る。観客又は視聴者の数を考慮に入れることにより、当該の番組が、ユーザの介入なく、また、ユーザの実際の嗜好に反して番組リストに入れられることが可能であり、それにより、ユーザは、この番組に気が付き、その番組を見損ねることがない。
【0011】
他のユーザによる番組評価に依存する基準に加えて、更なる所定基準を、お気に入りの番組のリストを管理するために考慮に入れることが可能である。特に、この更なる所定基準は、以下に関する情報に基づき得る。
−例えば、現在選択される番組の1つが関心を引き得るので番組プロバイダにより提供されるサービスを有する番組プロバイダ。
−例えば、特定の情報又は娯楽ブロードキャストをリストに入力することができるよう当該の番組のコンテンツの解説。
−番組プロバイダによる番組の(静的又は動的)評価。この情報は、番組プロバイダが、複数の番組を並列で提供し、従って、異なるように評価される場合に特に貴重である。
−例えば、お気に入りの俳優、スポーツクラブ、ブロードキャストタイプ、音楽指向等を入力することによる明示的に予め決定されるユーザ嗜好。
−暗示的に得られる又は観察されるユーザ嗜好。
−リストにおける番組の位置。この情報は、「ザッピング」という方法により段階的に検索されるリストに対して特に重要であり、現在選択される番組から遠いリストにおける番組は、削除されることが好適である。
−番組が最後に選択されてから経過した時間。経過した時間が長い場合は、当該番組はほとんど気に入られなかったことを示し、従って、リストから削除されると予想される。
−所与の番組にユーザが費やす時間。当該番組に費やす時間が長い場合は、その番組が多いに気に入られたことを示す。
−リストに番組が入力されてから経過した時間。この時間と、上述した番組が最後に選択されてから経過した時間及び/又は所与の番組に費やす時間とが、組合わせられて評価されることが好適である。特に、ある番組がリストにある時間と、その番組にユーザが費やす時間の割合を計算することができ、この割合の値が大きい場合、この番組はほとんど気に入られなかったことを示す。
【0012】
本発明の更なる実施例では、リストを管理するために使用される基準は、適宜適合され又は重み付けされる。特に、ある基準は、その基準に基づいてリストに入力された番組がユーザにより気に入られた場合、即ち、選択及び使用された基準がユーザの挙動により支持される場合、より大きい重みが与えられる。様々な基準の重み付けは、極端な場合では、「ゼロ」の重みの割当てを有し得、これは、対応する基準の削除に事実上相当する。
【0013】
本発明の1つの好適な更なる実施例では、ユーザは、制御入力を介してリストを段階的に検索する。一般的に、ユーザは、自由に操作可能な2つのキーを有し、それにより、ユーザは、リストにおける現在の位置を、リストにおいて1つ上又は1つ下に動かすことが可能である。このようなリストにおける番組の段階的な検索は、「ザッピング」と称する。
【0014】
本発明は更に、少なくとも1つのブロードキャスト媒体の受信器における番組選択を制御する方法に係り、この方法では、お気に入りの番組のリストは、所定基準に応じて管理され、制御入力は、ユーザが、リストを段階的に検索することを可能にする。
【0015】
上述したように、段階的な検索は、リストにおける現在の番組の選択の位置が、1つ上又は1つに下に動かされることを意味する。この方法は、リストを検索している際に、リストの限界が越えられたときに、新しい番組がリストに追加されることを特徴とする。本発明の方法は、他のユーザによる番組評価が考慮に入れられる上述した方法と組合わせられることが好適である。
【0016】
公知のお気に入りの番組のリストを管理する方法では、段階的な検索は、循環的、即ち、リストの上端又は下端に到達すると、ユーザの入力は、このリストを越えて検索したいことを示し、選択は、リストの反対の端(下端又は上端)にジャンプする。これとは対照的に、自動的に所定基準が評価されることが好適である本発明の方法では、新しい番組のリストが追加される。このようにすると、ユーザは、リストを通常通りブラウズすること以外、特別な動作又は入力を行う必要なくユーザの番組リストをある程度拡張することが可能である。
【0017】
お気に入りの番組のリストを段階的に検索する場合、時間的に制限された否定的な基準を満たす番組は、リストにおける現在の選択位置からある距離に位置付けられることが好適であり、この距離は、否定的な基準の残りの継続時間に対応する。このような否定的な基準は、番組に挿入され、また、ユーザが省略したいコマーシャルブロックであり得る。提案する方法では、対応する番組は、リストにおいて再位置決めされる、即ち、コマーシャルブロックの継続時間が長い程、現在選択される番組(選択位置)から遠くに動かされる。このようにして、番組をザッピングする際に、否定的な基準が取り除かれるまでは、即ち、コマーシャルのブロックが終了するまでは、恐らくコマーシャルを有する番組に到達しないことが達成される。
【0018】
本発明の方法の更なる実施例では、リストからユーザにより選択された新しい番組についての情報が、供給される。特に、例えば、コマーシャルブロックにより中断された基本のブロードキャストに関する短い情報が、そのコマーシャルの間に与えられることが可能である。
【0019】
本発明は更に、少なくとも1つのブロードキャスト媒体の受信器に係り、この受信器は、所定基準に応じてお気に入りの番組のリストを自動的に管理する処理ユニットを有する。受信器は、処理ユニットは、ブロードキャスト媒体の他のユーザによる番組評価に関する情報信号のための入力を有し、所定基準の少なくとも一部は、その情報信号に基づいていることを特徴とする。このような受信器を用いて、上述した方法を実施することが可能であり、その利点が達成されることが可能である。受信器は更に、上述した方法を実行可能であるように更に実施され得る。
【0020】
上述した方法又は受信器のブロードキャスト媒体は、特に、テレビジョン又はラジオであり得る。これらの媒体は、非常に多数の並列番組を特徴とし、ユーザにとって、番組を管理及び選択するためのインテリジェントなサポートが特に重要である。本発明の方法及び受信器は、特に、例えば、インターネットラジオ又は地上ラジオの番組の共通リストを管理するよう様々なブロードキャスト媒体と組合わされて同時に使用され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明のこれらの及び他の面を、以下に説明する実施例を参照しながら明らかにし且つ説明する。
【0022】
図1に示す受信器6は、(衛星)アンテナ1に結合し、そのアンテナから受信器は、番組ブロードキャスト2と追加情報3を受信する。更に、受信器は、例えば、インターネットラジオを受信するようインターネット10に結合されてもよい。出力において、受信器6は、現在選択された番組が表示可能な表示スクリーン5といったディスプレイに接続される。アンテナ1、受信器6、及び表示スクリーン5を有するシステムは、特に、テレビジョン又はラジオといったブロードキャスト媒体を受信する可能性を与える。このような媒体の特徴は、数百もの番組をしばしば様々なチャネル上で並列受信可能である点である。
【0023】
多数の番組供給からの番組の選択においてユーザをサポートするために、受信器6内ではリスト7が管理され、このリストでは、お気に入りの番組が仕分けされ、所与の順序で格納されている。一般的に、ユーザは、番組の現在の選択11を、リストにおける1つ上の位置又は1つ下の位置に段階的に動かすようハンドヘルド遠隔制御ユニット4によって受信器6に信号を送信することができる。このような関心を引く番組を見つけるためにある順番に従ったリスト7の連続的な検索は、「ザッピング」と称する。
【0024】
リスト7の使用は、番組の選択の品質に原則的に依存する。一般的に、このようなリストは、ユーザにより明示的に作成される。更に、処理ユニット9が、例えば、格納されたユーザプロファイル8である所定基準に応じて受信器6においてリスト7を自動的に管理する方法は既知である。更に、既知の方法は、静的であるか、又は、ユーザにより明示的に又は暗示的に利用可能にされた情報を必要とする欠点を有する。
【0025】
本発明では、この欠点を無くすために、リスト7を管理する処理ユニット9は、ブロードキャスト媒体の他のユーザによる番組評価についての情報も更に受信する。このような追加情報3は、アンテナ1から処理ユニット9に、例えば、番組データ2と並列に伝送されることが可能である。同様に、この追加情報は、特に、インターネット10といった他のソースから処理ユニット9に供給されてもよい。以下に説明する一般的な方法は、リスト7を管理する際に得られる。
【0026】
最初は、処理ユニット9により管理されるリスト7は空であり得る。後の段階において、最後に見られた番組が記憶される。ハンドヘルド遠隔制御ユニット4上のザッピングキーを用いて、ユーザは、リスト7を上下に検索可能である。(上端又は下端)に達したときにもう一方の端に循環的にジャンプする従来のリスト7の一般的な挙動とは対照的に、処理ユニット9は、リスト7の端に到達された時は、リスト7に新しい番組を挿入する。このようにして、ユーザは、動作の特別な段階を学習する又は行う必要なくリストをある程度任意に拡張することが可能である。
【0027】
新しい番組を追加する際、処理ユニット9は、ユーザにとっても最も関心があるであろう番組を選択するために所定基準を使用する。リスト7の過剰な長さを回避するために、処理ユニット9は、可能であれば、ユーザに気が付かれることなくリスト7から番組を取り除いてもよい。
【0028】
上述したように、処理ユニット9は、特に、追加情報チャネル3を介するブロードキャスト媒体から、インターネット10から、又は、ユーザプロファイル8を有するメモリからといった様々なソースからリスト7を管理するのに使用する基準のための情報を入手し得る。リスト7に番組を追加する際に考慮に入れられる情報は、例えば、
−ブロードキャスト媒体の他のユーザによる番組の評価に関する情報。このような情報は、特に、追加チャネル3又はインターネット10を介して供給され得る。例えば、それは、他のユーザによる番組のアクティブ評価(「視聴者格付け」)、インタラクティブ投票、及び/又は、番組の現在の観客又は視聴者の数からなり得る。例えば、所与の人のユーザプロファイルが、その人はサッカーには興味がないことを示す場合でも、格別に関心を引くサッカーの試合(例えば、ワールドチャンピオンシップの決勝戦)は、現在の視聴者の数を考慮に入れることにより、また、当該の人がこのサッカーの試合に関心を恐らく持つので、リストに入れられ得る。従って、本発明の特に強い面は、リアルタイムでの観客又は視聴者の数及び対応情報の評価である。
−今見ている番組以外のその提供が関心を引く場合がある番組プロバイダ。
−各番組のコンテンツの番組解説。
−提供された番組又はチャンネルの番組プロバイダにより示される静的又は動的な相互評価。
−ユーザによる明示的な指示(お気に入りの俳優、スポーツクラブ等の名前を入力する)又は例えば、ユーザが番組を見た又は聴いた時間の長さの暗示的な観察により得られるユーザ嗜好8。暗示的な観察は、リスト7におけるザッピング行動の評価を特に有し得る。
【0029】
上述した情報のソースは、特に、ビデオテキスト/テレテキスト、DVB−SI(衛星を介するデジタルビデオブロードキャスティング)、又はデータベース等であり得る。
【0030】
リスト7から番組を除去する際に考慮に入れられる基準又は情報は、好適には、
−最後の番組の選択にユーザが費やした短い時間。
−所与の番組において前に流されていたブロードキャストの終了。
−例えば、視聴者の数の減少といった上述の肯定的な選択情報の変化。
−現在選択されている番組の位置11に対するリスト7におけるある番組の位置(「ザッピング距離」)。この場合、現在の選択11から遠く離れている番組が除去され、選択11の近くの番組はその消滅はユーザを不快にさせる場合があり得るので除去しないようにされることが好適である。
−ある番組がリスト7にあった時間と、その番組が最後に見られた又はそれが全部見られたときからの時間との割合。
−瞬間的に選択した番組11にユーザが費やす時間。ユーザが、番組11を長い時間見た後、一時間後にザッピングを開始すると、古いリスト7は、その間に、完全にキャンセルされる場合もあり得る。
【0031】
上述したシステムの拡張は、特に、処理ユニット9の学習能力であり得る。例えば、ある番組がリスト7に組み込まれた基準や、その番組に寄せられた「関心」を調べることが可能である。結果は、ユーザがその番組を見る頻度及び継続時間、及び/又は、その番組がリストに入れられた時間を特に示し得る。処理ユニットは、この評価に応じて、明らかに良好な番組選択をもたらした基準に、将来において、より多くの重みを与えることが可能である。
【0032】
本発明のシステムの別の実施例では、コマーシャル中断が別個に取り扱われることが可能である。例えば、現在コマーシャルを流している番組は、ユーザが、実際のブロードキャストを時間通りに続けられるようリスト7内に適切に置かれることが可能である。或いは、コマーシャルが現在表示されている番組を選択する際に、実際のブロードキャストの「アペタイザ」として実際のブロードキャストについての短い導入部分が流され、その後にコマーシャルが続けられる。そのような「アペタイザ」の指示は、例えば、ローカルの記憶媒体における対応バッファリングにより実現可能であり、そのバッファリングに対し、番組プロバイダの記憶用の導入部分が、例えば、インターネットを介して提供されなければならない。
【0033】
図2は、ハンドヘルド遠隔制御ユニット4上のキーを操作することにより選択位置を一段階上(「ザッピングアップ」)又は一段階下(「ザッピングダウン」)に動かすことに応答して、処理ユニット9によりリスト7を管理する段階を示すフローチャートである。このフローチャートは、特に、リストの下端又はリストの始まりに到達した時に新しい番組が決定され(「新しいお気に入りを探す」)、リストは、終わり又は始まりに付けられることを示す。
【0034】
以下の擬似プログラムコードのリストは、リスト7を管理するための対応アルゴリズムを記述する。特に、素子xを添付するのにA:=[A,x]を、素子xを除去するのにA:=A/xといった従来のリストスタイルが使用される。
【0035】
【数1】

新しい番組を探すために(“function select_new()”)、候補のリストが生成され、このリストは、リスト7に既にある番組以外、また、可能ならば、更に最近に除去されたn個の番組以外で番組の全リストから得られる。更に、基準のリストがあり、この基準に従って番組が評価され、また、リストは、各基準に対して、この基準に従って番組を評価し、番組に対して数値的スコアを与える評価関数が与えられる。2つの一般的な方法が実現可能である。
a)1つの基準において最高の単一スコアを有する候補が決定され、この候補は、新しいお気に入りとなる。
b)全ての基準を介するスコアから最高の合計値を有する候補が決定される。
【0036】
番組を除去するために(“procedure remove_some()”)、番組を除去するための基準のリストと、それらの基準のそれぞれに対して評価と拒否(veto)関数がある。ある選択された番組に対し、評価関数は、その番組が除去されるべき嗜好の度合いを示し、一方で、拒否関数は、この番組がその基準に基づいて完全に除去されるべきでないか否か(例えば、その番組は瞬間的に見られた番組だからである。このことは、「いつ最後に見られたか」という基準の拒否関数において表示される)を示す。全ての評価関数の合計値が、リストにおける各番組に対して決定される。この合計値が、所定の限界(例えば、リスト7の現在の長さに依存し得る)を越える場合、また、任意の基準による拒否がない場合、その番組は、リスト7から除去される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明による受信器の構成要素を示す図である。
【図2】お気に入りの番組のリストをザッピングする際に行われる方法の段階を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのブロードキャスト媒体の受信器において番組選択を制御する方法であって、
お気に入りの番組のリストは、所定基準に応じて管理され、
前記所定基準の少なくとも一部は、前記ブロードキャスト媒体の他のユーザによる番組評価に関する情報に基づいている方法。
【請求項2】
前記番組評価は、前記他のユーザによる評価ノートの問い合わせ、及び/又は、観客又は視聴者の数から得られる請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記所定基準の少なくとも一部は、番組プロバイダ、番組と共に供給される解説、前記番組プロバイダにより提供される番組の評価、明示的に予め決定されるユーザ嗜好、暗示的に得られるユーザ嗜好、前記リストにおける番組の位置、番組の最後の選択から経過した時間、番組にユーザが費やす時間、及び/又は、前記リストへの番組の挿入から経過した時間に関する情報に基づいている請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記所定基準は、適宜重み付けされる請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
制御入力は、ユーザが前記リストを段階的に検索することを可能にする請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つのブロードキャスト媒体の受信器において番組選択を制御する方法において、
お気に入りの番組のリストは、所定基準に応じて管理され、
制御入力は、ユーザが前記リストを段階的に検索することを可能にする、特に、請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の方法のような方法であって、
前記リストを検索する際に、前記リストの限界が越えられたときに、新しい番組が前記リストに追加される方法。
【請求項7】
時間的に制限された否定的な基準を満たす番組は、前記リストにおける現在の検索位置からある距離に位置付けられ、
前記距離は、前記否定的な基準の残りの継続時間に対応する請求項5又は6記載の方法。
【請求項8】
前記リストから番組が選択されると、番組情報が供給される請求項1乃至7のうちいずれか一項記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つのブロードキャスト媒体の受信器であって、
所定基準に応じてお気に入りの番組のリストを管理する処理ユニットを有し、
前記処理ユニットは、前記ブロードキャスト媒体の他のユーザによる番組評価に関する情報信号のための入力を有し、
前記処理ユニットは、請求項1乃至8のうちいずれか一項記載の方法を実行するよう適応される受信器。
【請求項10】
前記ブロードキャスト媒体は、テレビジョン又はラジオである請求項1乃至8のうちいずれか一項記載の方法、又は、請求項9に記載の受信器。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−503476(P2006−503476A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−544583(P2004−544583)
【出願日】平成15年10月9日(2003.10.9)
【国際出願番号】PCT/IB2003/004486
【国際公開番号】WO2004/036911
【国際公開日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】