説明

ブロードバンドアクセスネットワーク容量管理

ブロードバンドアクセスネットワーク20は、複数のアクセスノード22−28および少なくとも1つのエッジノード32を含む。エッジノード32に関連する少なくとも1つのリンク34に関連する全帯域幅は、独立して制御される部分に分割される。一例における中央リソースデータベース40は、全帯域幅の部分を複数のアクセスノード22−28に排他的に割り当てる。フロー受け入れは、各アクセスノードで排他的に割り当てられた帯域幅の現在の使用に基づいてアクセスノード22−28で制御される。開示された例では、各アクセスノードに排他的に割り当てられた全帯域幅の量は、定期的ベースで、または使用必要条件に応じて変更されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、通信に関する。より具体的には、本発明は、通信ネットワークのリソースを管理することに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な通信ネットワークが知られている。ブロードバンドアクセスネットワークは、イーサネット(登録商標)ベースのネットワークを含む。典型的な構成は、顧客機器が接続されることができるアクセスノード(例えば、DSLAM)を含む。アグリゲーションネットワークノードは、アクセスノードとエッジノードとの間のインターフェースを提供する。アグリゲーションネットワークノードは、通常、データをアクセスノードからエッジノードにアグリゲートする多くの相互接続されたノードを含む。
【0003】
イーサネット(登録商標)ベースのネットワークの使用を管理するには大きな課題がある。個々のフローにクオリティオブサービスを提供することは、これまで大きな課題であった。この目的のために現在認識されている典型的な技法は、ディフサーブタイプ法を含むが、これらは、相対的なクオリティオブサービスを提供するだけである。保証されたクオリティオブサービスは、経路予約法(例えば、MPLS、RSVP)を使用して提供されることができる。知られている技法を使用する保証されたクオリティオブサービスは、たいていの状況で非常に複雑である。
【0004】
そのようなネットワークを管理する一般的な手法は、各パイプが別々のクラスのサービスをサポートするように、様々なリンク上の全帯域幅をパイプに分割することを含む。パケットまたはトラフィックをスケジュールすることは、各ノードでの入力が予め設定された限度より低い場合、各パイプがある決まったクオリティオブサービスを保証されるように、各ノードが厳格な優先順位スケジューリングを使用することを含む。しかし、この手法は、問題がないわけではない。
【0005】
例えば、アクセスノードのうちの1つを介した特定のエッジノードへの接続の要求に対応する量で帯域幅を割り当てるために、中央リソースシステムが使用されることができる。中央リソースシステムは、エッジノードへの起こり得る接続のために利用可能であるよりも多くの帯域幅を必要とする要求を拒絶する機能を確かに有する。しかし、ユーザが中央リソースシステムに要求することなしにパケットを送信し始めることが可能である。これは、結果として、対応する帯域幅を使い尽くす量のトラフィックをすでに搬送しているリンクに輻輳を生じさせる。そのようなリンクの輻輳は、結果として、全ての既存のフロー、および中央リソースシステムから帯域幅の割当を要求せずにユーザによって開始されたフローのより低い帯域幅を生じさせる。当然、そのような構成がうまく機能するためには、中央リソースシステムが常に要求されなければならず、接続は、中央リソースシステムによって許可された後でだけ、使用されなければならないということになる。
【0006】
たとえ前述の中央リソースシステムがネットワーク内の帯域幅の使用に対する制御を維持することを常に要求されることを保証することが可能であっても、新規接続をセットアップするための処理電力必要条件および遅延時間はかなりの欠点になる。多くのアクセスネットワークは、多数の(例えば、何十万もの)顧客を有し、接続数が非常に多い。したがって、前述の技法は、効率のよい処理しやすい手法を提供しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
より良いリソース管理およびクオリティオブサービス制御の必要がある。本発明は、これらの必要に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に従って通信する方法は、複数のアクセスノードおよび少なくとも1つのエッジノードを有し、少なくとも1つのエッジノードへの少なくとも1つのリンクに関連する全帯域幅を有するネットワークで有用である。
【0009】
例示的方法は、全帯域幅の少なくとも1つの部分を複数のアクセスノードのうちの少なくとも1つに排他的に割り当てることを含む。少なくとも1つのアクセスノードにおけるフローは、そのアクセスノードにおける許可されたフローの総計した帯域幅が、全帯域幅の排他的に割り当てられた部分以下の場合だけ許可される。
【0010】
一例は、全帯域幅をアクセスノードの数に等しい数の等しい部分に分割することを含む。次いで、それらの等しい部分のそれぞれが、それぞれアクセスノードのうちの1つに割り当てられる。
【0011】
一例は、複数のアクセスノードのうちの少なくとも1つに排他的に割り当てられた全帯域幅の部分を変更することを含む。一例では、この変更は、1つのノードが別のノードから何らかの未使用の帯域幅を要求することができるアクセスノード間の通信に基づいて生じる。他の例では、中央リソースデータベースが、未使用の帯域幅を少なくとも1つのアクセスノードから、より多くの帯域幅を必要とする別のアクセスノードに再割当する。
【0012】
一例では、中央リソースデータベースは、各アクセスノードがそれに排他的に割り当てられた全帯域幅の1つの部分を有するように、全帯域幅の部分の割当をアクセスノードに定期的に再分配する。
【0013】
1つのアクセスノードに排他的に割り当てられた全帯域幅の部分を超えるいかなる新規のフローをも受け入れることを拒絶することによって、クオリティオブサービスが維持されることができる。同時に、排他的割当法は、新規フローごとに中央リソースシステムに対して行われる要求を必要とする他の技法に関連する処理および時間のかかる必要条件を排除する。アクセスノードにおいて新規フローの受け入れを管理することは、より効率のよい手法を提供する。
【0014】
本発明の様々な特徴および利点は、以下の詳細な説明から当業者には明らかになるであろう。詳細な説明を伴う諸図面が以下のように簡単に説明されることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、アクセスネットワーク内のクオリティオブサービス制御を提供することを容易にする一意のリソース管理手法を提供する。開示された例は、ネットワークのリソースを独立した部分に分割し、それらの部分を顧客により近いネットワークノードに分配するという原理に基づく。この手法は、中央リソースシステムに違った形で関連する処理必要条件および時間遅延を最少化し、ネットワーク内のクオリティオブサービスレベルに状況が違えば干渉するであろう輻輳を排除する。
【0016】
図1は、例示的通信ネットワーク20を概略的に示す。この例では、ネットワークは、ブロードバンドアクセスネットワークであり、イーサネット(登録商標)ベースである。複数のアクセスノード22、24、26および28が、それぞれが望み通りにネットワーク20へのアクセスを取得することができるように顧客の機器またはユーザの機器に接続されることができる。アグリゲーションネットワーク30は、アクセスノード22−28と少なくとも1つのエッジノード32との間の接続またはリンクを確立する複数のアグリゲーションノードを含む。図示されている例では、エッジノード32に関連する少なくとも1つのリンク34がある。
【0017】
例示的ネットワークは、エッジノード32との通信のために利用可能な全帯域幅を有する。説明のために、リンク34の帯域幅は、エッジノード32との通信のために利用可能な全帯域幅とみなされる。
【0018】
中央リソースデータベース40は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せを備える。中央リソースデータベース40は、ネットワークリソースの割当を管理する。この例では、42で概略的に示されているように、中央リソースデータベース40は、少なくともリンク34に基づいて利用可能な全帯域幅に関する情報を取得する。中央リソースデータベース40は、全帯域幅を取り、それを相互に独立して処理される部分または一部に分割する。
【0019】
例えば、リンク34は10GBの全帯域幅を有し、中央リソースデータベース40がその10GBを独立した部分に分割する。一例では、中央リソースデータベース40は、全帯域幅(例えば、10GB)を、中央リソースデータベース40の制御下にあるアクセスノードの数(例えば、4)に対応する数の部分を有する等しいサイズの部分に分割する。この例では、全帯域幅が10GBで、アクセスノード22−28が4つなので、中央リソースデータベース40は、全帯域幅をそれぞれが2.5GBを有する4つの部分に分割する。次いで、中央リソースデータベース40は、1つの部分をアクセスノード22−28のそれぞれに排他的に割り当てる。
【0020】
全帯域幅の排他的に割り当てられた部分は、それが割り当てられたアクセスノードによって使用されることができるだけである。この例での各アクセスノード22−28は、現在アクセスノードにあるフローによって必要とされる総計した帯域幅が、そのアクセスノードのために排他的に割り当てられた帯域幅を超えない場合に、新規フローを許可するだけである。これは、例えば、リンク34で輻輳を生じさせるであろういかなるフローをも防止することによって、ネットワーク20でクオリティオブサービスを提供する。
【0021】
全帯域幅を独立して制御される部分でアクセスノード22−28に排他的に割り当てることは、新規フローのための帯域幅の要求を処理する仕事を中央リソースデータベース40から除去する。これは、新規フロー受け入れのための高い処理必要条件を排除する。各アクセスノードが、高い処理機能を必要とすることなく、それに排他的に割り当てられた全帯域幅の割り当てられた部分を管理することができる。
【0022】
一例示的手法が、図2の流れ図50に要約されている。この例では、中央リソースデータベース40が、52で全帯域幅を判定する。次いで、全帯域幅が、54で、独立して制御可能なユニットまたは部分に分割される。56でのプロセスは、全帯域幅の少なくとも1つの部分をアクセスノード22−28などの複数のアクセスノードのそれぞれに排他的に割り当てることを含む。
【0023】
一例では、割当が、58で概略的に示されているように、比例ベースで生じる。これは、全帯域幅が、等しいサイズの部分に、または部分間の何らかの予め決められた比例関係で様々なサイズの部分に分割される前述の例と同様であろう。例えば、いくつかのアクセスノードがより高い使用率の履歴を有する可能性があり、したがって、それほど忙しくない他のアクセスノードよりそのようなアクセスノードにより多くの排他的に割り当てられる帯域幅を提供することが有用である。そのような情報が利用可能な諸例では、中央リソースデータベースがそのような比例割当を行うように構成されてもよい。
【0024】
他の例示的技法は、60で概略的に示されているように、使用ベースである。この例では、中央リソースデータベース40が、各アクセスノードにおける現在の使用に関する情報を判定し、対応する量で全帯域幅を割り当てる。一例は、全帯域幅の現在の割当の前に、アクセスノードのうちのいずれかにおける未使用の帯域幅の量を考慮することを含む。他の例は、各アクセスノードでネットワーク20へのアクセスを待っているフローの数を考慮することを含む。
【0025】
図2の例は、62で、現在の帯域幅割当のいずれかを調整するかどうかを判定するためのプロセスを含む。一例が、中央リソースデータベース40が現在の帯域幅割当に対して何らかの調整をすることが有用であるかまたは必要とされるかどうかを判定する64で、概略的に示されている。66で概略的に示されている他の例は、アクセスノード22−28間の通信に基づいて行われる判定を含む。この例では、ある1つのアクセスノードが、例えばその1つのアクセスノードがその容量に達したので、何らかの未使用の帯域幅を要求するために別のアクセスノードと通信することができる。アクセスノードのうちの1つに利用可能な未使用の帯域幅がある場合、これは割当を調整するかどうかの判定の一部として使用されることができる。
【0026】
図2の例は、68での割当の自動調整を含む。70で概略的に示されているように、これは使用ベースでもよい。これは、アクセスノードのうちの1つまたは複数が未使用の帯域幅容量を有し、一方、アクセスノードのうちの1つまたは複数が、そのアクセスノードで現在待機しているコールを受け入れるためにより多くの帯域幅を必要とする状況を含むであろう。使用ベースでの再割当は、アクセスノード間の通信、または中央リソースデータベース40を介した通信に基づいて生じる可能性がある。アクセスノードが帯域幅を直接相互に再割当することができる諸例では、中央リソースデータベース40は、中央リソースデータベース40が現在の割当に関する情報を更新しているように、そのような再割当の表示を受信する。中央リソースデータベース40が全ての割当を管理する諸例では、中央リソースデータベース40は、1つのアクセスノードにある未使用の帯域幅がそのアクセスノードから効果的に取られ、次いで、別のアクセスノードに排他的に割り当てられることができるように、再割当に関係するアクセスノードと通信する。
【0027】
図2の例は、72で、何らかの予め決められたスケジュールに基づく別の自動調整法を含む。例えば、全帯域幅をアクセスノードに定期的に再割当し、全帯域幅をアクセスノードに再分配してシステムバランスを維持し、1つのアクセスノードが、例えば、それが全帯域幅のより高い割当を受信した後は、残り全てのアクセスノードより高い優先順位を本質的に有することを防止することは有用であり得る。
【0028】
説明のためにリンク34が使用されるが、上記で説明された制御手法では、ネットワーク30内のいずれの1つまたは複数のリンクが使用されてもよい。利用可能な帯域幅の部分をネットワーク内のアクセスノードのうちの少なくともいくつかに排他的に割り当てることは、ネットワークリソースのその部分を対応するアクセスノードでだけ利用可能にする。次いで、フロー受け入れ制御が、クオリティオブサービスを保証するためにそのアクセスノードで遂行されることができる。中央リソースシステムに、利用可能なリソースの個々のユニットへの分割および送信を調整させるのではなく、開示された例は、(例えば、顧客またはユーザにより近い)アクセスノードで利用可能なリソースのユニットまたは部分の分配を遂行する。
【0029】
例示された例は、全帯域幅の割当を管理する中央リソースデータベース40を含む。他の諸例は、例示的中央リソースデータベースの機能を実行するために組み込まれた機能を有するアクセスノードを含む。一例では、各アクセスノードは、利用可能なリソースの1つの部分を、例えば、予め設定された限度または現在の使用統計値に基づいて、それ自体に排他的に割り当てる。本開示の利益を受ける当業者は、その特定の状況の必要を満たすために、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの適切な組合せを使用して、本発明の実施形態による手法をどのように実行するか理解するであろう。
【0030】
前述の説明は、本来限定ではなく例示である。本発明の本質から必ずしも逸脱するわけではない開示された諸例に対する変形形態および変更形態が、当業者には明らかになり得る。本発明に与えられる法的保護の範囲は、添付の特許請求の範囲を研究することによって判定されることができるだけである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態による有用な通信ネットワークの選択された部分を概略的に例示する図である。
【図2】1つの例示的手法を概略的に要約した流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアクセスノードおよび少なくとも1つのエッジノードを有し、少なくとも1つのエッジノードへの少なくとも1つのリンクに関連する全帯域幅を有するネットワークを使用して通信する方法であって、
全帯域幅の少なくとも1つの部分を複数のアクセスノードのうちの少なくとも1つに排他的に割り当てることと、
許可されたフローが全帯域幅の排他的に割り当てられた部分以下である総計した帯域幅を有するように、複数のアクセスノードのうちの少なくとも1つでフローを許可することとを備える、方法。
【請求項2】
全帯域幅を独立して制御可能な部分に分割することと、
全帯域幅の全てが割り当てられるように、部分を複数のアクセスノードに排他的に割り当てることとを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
全帯域幅を、複数のアクセスノードの数に等しい数の等しい部分に分割することと、
等しい部分のそれぞれを、それぞれ複数のアクセスノードのうちの1つに割り当てることとを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
複数のアクセスノードのうちの少なくとも1つに排他的に割り当てられた全帯域幅の部分を変更することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
予め決められたスケジュールに従って部分を定期的に変更することと、
複数のアクセスノードのうちの少なくとも1つで追加の帯域幅の必要に応じて部分を変更すること、または
複数のアクセスノードのうちの別の1つで追加の帯域幅の必要に応じて部分を変更することとのうちの少なくとも1つを備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
複数のアクセスノードのうちの少なくとも1つから複数のアクセスノードのうちの少なくとも別の1つに全帯域幅の追加の量の要求を伝達することと、
複数のアクセスノードのうちの少なくとも1つに複数のアクセスノードのうちの少なくとも別の1つから全帯域幅の未使用の量を譲り渡すことによって要求に応じることと
を備える、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
複数のアクセスノードのうちのいずれかに現在割り当てられている帯域幅の未使用の量を定期的に譲り渡すことと、
帯域幅の譲り渡された未使用の量を複数のアクセスノードの少なくとも1つに割り当てることとを備える、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
アクセスノードのそれぞれにおける使用量を判定することと、
アクセスノードのそれぞれにおけるそれぞれの使用量に対応するそれぞれの量で全帯域幅を複数のアクセスノードに再分配することとを備える、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
複数のアクセスノードのうちの少なくとも1つで帯域幅の予期される使用を判定することと、
判定された予期される使用に対応する量で全帯域幅の部分を割り当てることとを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
複数のアクセスノードのうちの少なくとも1つで現在要求されているフローに関連する帯域幅の量を判定することと、
判定された量に対応する量で全帯域幅の部分を割り当てることとを備える、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−535901(P2009−535901A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507727(P2009−507727)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/009428
【国際公開番号】WO2007/127113
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(596092698)アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド (965)
【Fターム(参考)】