説明

ブーム式作業車及び手持式コントローラ

【課題】 ブームが走行機体の左外方と右外方のどちらに展張している場合でも、運転席から前記ブームを目視しながら、該ブーム関連の制御を楽に行うことができるブーム式作業車を提供する。
【解決手段】 走行機体3の後部にその左外方Lと右外方Rへ向けて展張方向を切り換え可能なブーム9を備えるとともに、前記走行機体3の前記ブーム9より前方位置Fに運転席2を備えているブーム式作業車1であって、前記運転席2から後方位置にある展張状態の前記ブーム9を目視する運転者Dによって制御操作される操作部材53,54,55を有する位置変更可能な操作部50を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブーム式作業車に関し、詳しくは、走行機体の後部にその左外方と右外方へ向けて展張方向を切り換え可能なブームを備えるとともに、前記走行機体の前記ブームより前方位置に運転席を備えているブーム式作業車に関するものである。本発明はまた、前記ブーム式作業車において、前記ブームを制御するための操作部として用いて好適な、手持式コントローラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
前記の如きブーム式作業車の一例として、いわゆる片ブーム式の、農用ブームスプレーヤが知られている(特許文献1参照)。該片ブーム式スプレーヤによれば、ブームを走行機体の後部で左右のいずれか一外方へと展張して、圃場を走行しながら、前記ブームの長さ方向に沿って所定間隔で下向きに配設された多数の噴霧ノズルによって、作物に対して薬液等の片側広幅散布を行うことができる。この場合、運転者は、ステアリングハンドル等による前記走行機体の運転操作と並行して、自分の右斜め後方又は左斜め後方に位置することになる前記ブームと、圃場の作物や障害物等と、の相対位置の変化に常に気を配り、前記ブームが作物等に接触しそうな場合には、その前に、前記運転席の近傍の所定の位置に配設された操作レバー等の操作部材により、前記ブームの退避制御を行う必要がある。
【0003】
ところで、前記片ブーム式スプレーヤにおいては、前記ブームを、前記走行機体の左外方への展張位置と、右外方への展張位置と、に切り換え(振り替え)可能とされている。このため、第一に、散布作業現場の地形に応じて、前記ブームの展張方向を、散布し易い方向へと左右に適宜に変更することができる。第二に、前進運転で到達した畝の終端部で、前記ブームの展張方向をそれまでとは左右逆方向へと切り換え、同じ経路を後進運転で戻りながら、左右逆側の作物への散布を行うこともできる。このような散布方法をとれば、畝の終端部に前記走行機体の方向転換用の枕地を設けておく必要がなくなるので、有効作付け面積を広くとることができる等の利点がある。
【特許文献1】実公昭63−27805号公報(特に、第3図参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記ブームの展張方向を切り換えると、前進時であっても後進時であっても、運転者にとっては、後方の前記ブームを目視するための首又は体のひねりの方向が左右逆向きになってしまう。よって、前記操作部材を前記運転席の左側に配設しても右側に配設しても、少なくとも前記ブームの展張方向のいずれかで、前記操作部材の操作がきわめてし難くなるという問題がある。この問題は、前記走行機体の運転自体も難しくなる後進走行の場合に、特に顕著となる。
【0005】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、ブームが走行機体の左外方と右外方のどちらに展張している場合でも、運転席から前記ブームを目視しながら、該ブーム関連の制御を楽に行うことができる、ブーム式作業車を提供しようとするものである。
【0006】
本発明はまた、前記ブーム式作業車のブーム操作部として用いて好適な、手持式コントローラを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係るブーム式作業車は、走行機体の後部にその左外方と右外方へ向けて展張方向を切り換え可能なブームを備えるとともに、前記走行機体の前記ブームより前方位置に運転席を備えているブーム式作業車であって、前記運転席から後方位置にある展張状態の前記ブームを目視する運転者によって制御操作される操作部材を有する位置変更可能な操作部を備えたことを特徴とするものである(請求項1)。
【0008】
前記ブーム式作業車によれば、運転者は、前記ブームが前記走行機体の左外方へ向けて展張している場合と右外方へ向けて展張している場合のそれぞれについて、前記位置変更可能な操作部を、前記運転席から後方位置にある前記ブームを目視しながら制御し易い位置へと移動させて、前記操作部材の操作を行うことができる。よって、前記ブームが左右いずれの方向へ展張している場合でも、前記操作部材の操作がし易くなる。
【0009】
好適な実施の一形態として、第一の操作部材を有する位置固定式の操作部を備え、該位置固定式の操作部は、左右いずれか一外方へ展張している前記ブームを前記運転者が前記運転席から目視しながら前記第一の操作部材を操作し易い位置に固定的に配設され、前記位置変更可能な操作部の前記操作部材は、前記第一の操作部材と同一の制御機能を備えた第二の操作部材とされたものとすることもできる(請求項2)。
【0010】
前記実施の一形態において、運転者は、前記ブームが前記一外方へと展張している場合には、それを前記運転席から目視しながら操作し易い位置にある、前記位置固定式の操作部の前記第一の操作部材によって、前記ブーム等の制御を行うことができる。逆に、前記ブームが前記一外方とは逆方向へと展張している場合には、前記位置変更可能な操作部の前記第二の操作部材によって、前記ブーム等の制御を行うことができる。よって、前記ブームが左右いずれの方向へ展張している場合でも、該ブーム等の制御がし易くなる。
【0011】
好適な実施の一形態として、前記位置固定式の操作部には、前記ブームを制御するために必要な全ての操作部材が配設され、前記位置変更可能な操作部には、前記全ての操作部材の内、特定の操作部材と同一の制御機能を備えた操作部材のみが配設されたものとすることもできる(請求項3)。このようにすれば、前記位置固定式の操作部と前記位置変更可能な操作部とで、機能上重複する操作部材の数を少なくすることができるので、集約的な構成となるとともに、コスト上も節約的となり、好適である。また、前記位置変更可能な操作部の操作部材の配設数が、前記位置固定式の操作部の操作部材の配設数より少なくなるので、前記位置変更可能な操作部を可及的にコンパクト化することが可能となり、その取扱性が良好となる等の利点もある。
【0012】
好適な実施の一形態として、前記第二の操作部材が、前記ブームの先端部側を上下に揺動せしめるための操作部材であるものとすることもできる(請求項4)。このようにすれば、前記ブームの障害物等への衝突を最も合理的な方法で避けることができて、一層好適である。
【0013】
好適な実施の一形態として、前記位置変更可能な操作部からの制御指令が、前記位置固定式の操作部から延び出している有線式の制御指令伝達系を介して伝達されるように、前記位置変更可能な操作部と前記位置固定式の操作部とが配線で連結されたものとすることもできる(請求項5)。このようにすれば、前記位置固定式の操作部から発せられる制御指令も、前記位置変更可能な操作部から発せられる制御指令も、その制御先へと配線を通じて伝達されるので、無線式のものと比べて制御指令伝達の信頼性が高くなり、一層好適である。また、前記位置変更可能な操作部から発せられる制御指令が、前記位置固定式の操作部から延び出している有線式制御指令伝達系を介して確実に制御先へと伝達されるので、制御系が簡素化できるとともに、前記位置変更可能な操作部の落下や紛失も防止でき、一層好適である。
【0014】
好適な実施の一形態として、前記位置変更可能な操作部が、前記運転者が片手で握るのに適した太さの棒状の把持部を備え、前記位置変更可能な操作部の前記操作部材が、前記把持部を握った手の指で操作可能な位置に配設されているものとすることもできる(請求項6)。このようにすれば、前記位置変更可能な操作部を片手で保持しやすく、且つ、片手保持の状態での前記操作部材の操作も容易となり、尚一層好適である。
【0015】
次に、本発明に係る手持式コントローラは、走行機体の後部にその左外方と右外方へ向けて展張方向を切り換え可能なブームを備えるとともに、前記走行機体の前記ブームより前方位置に運転席を備えているブーム式作業車の手持式コントローラであって、前記運転席から展張状態の前記ブームを目視する運転者によって制御操作される操作部材を備えたものである(請求項7)。
【0016】
本発明によれば、運転者は、前記ブームが前記走行機体の左外方へ向けて展張している場合と右外方へ向けて展張している場合のそれぞれについて、前記手持式コントローラを、前記運転席から前記ブームを目視しながら制御し易い位置へと移動させて、前記操作部材の操作を行うことができる。よって、前記ブームが左右いずれの方向へ展張している場合でも、前記操作部材の操作がし易くなる。
【0017】
前記手持式コントローラの好適な実施の一形態として、前記操作部材が、前記運転席の近傍の位置固定式の操作部に配設された第一の操作部材と同一の制御機能を有する第二の操作部材とされたものとすることもできる(請求項8)。この場合、運転者は、前記ブームの展張方向に応じて、前記位置固定式の操作部と前記手持式コントローラの内の、操作し易いいずれか一方に配設された前記操作部材を用いて、前記運転席から前記ブーム等の制御を行うことができる。よって、前記ブームが左右いずれの方向へ展張している場合でも、該ブーム等の制御操作がし易くなる。
【0018】
好適な実施の一形態として、前記第二の操作部材からの制御指令が、前記位置固定式の操作部から延び出している有線式の制御指令伝達系を介して伝達されるように、前記位置固定式の操作部に配線で連結可能とされたものとすることもできる(請求項9)。このようにすれば、前記手持式コントローラからの制御指令の伝達が、前記位置固定式の操作部から延び出している有線式制御指令伝達系を利用して行われるので、制御系が簡素化できる等、一層好適である。
【0019】
前記手持式コントローラの好適な実施の一形態として、片手で握るのに適した太さの棒状の把持部を備え、前記操作部材が、前記把持部を握った手の指で操作可能な位置に配設されたものとすることもできる(請求項10)。このようにすれば、前記手持式コントローラを片手で保持しやすく、且つ、片手保持の状態での前記操作部材の操作も容易となり、尚一層好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0021】
図1は、本発明の好適な実施の一形態に係るブーム式作業車としての、ブームスプレーヤの平面図、図2は、図1のブームスプレーヤの後面図、図3は、第一及び第二の操作部の斜視図である。
【0022】
図1に示すように、本実施の形態に係るブームスプレーヤ1は、いわゆる片ブーム式の農用のスプレーヤであり、運転席2を有する乗用トラクタ等の走行機体3の後部に、三点式等のヒッチ4を介して直装された散布装置5を備えている。該散布装置5は、前記ヒッチ4に連結されたマウントフレーム6と、該マウントフレーム6に載荷された散布液タンク7と、同じく前記マウントフレーム6に取り付けられたブーム装置8と、を備えている。該ブーム装置8を構成する、それ自体周知の構成の伸縮自在なブーム9(最大伸長10〜17m程度)の下面には、その長さ方向に沿って所定間隔で多数の噴霧ノズル10が配設されている。
【0023】
前記タンク7内の散布液は、前記走行機体3に搭載された、例えば、走行駆動源としての内燃エンジン11によって駆動される高圧プランジャ式等の散布用ポンプ12によって、図示しないホース等の配管系を介して前記多数の噴霧ノズル10へ向けて圧送され、該多数の噴霧ノズル10から地面の作物等へ向けて噴霧される。前記ブームスプレーヤ1によれば、片側散布式の前記ブーム9を、前記走行機体3の左右いずれか一外方L−Rへ長く延ばして走行しながら、前記多数の噴霧ノズル10によって、一度に広幅の片側散布作業を行うことができる。
【0024】
前記ブーム装置8は、前記ブーム9の位置制御又は姿勢制御を行うための機構として、図1に示すように、ブーム開閉機構13と、ブーム旋回機構14と、ブーム伸縮機構15と、を備え、さらに、図2に示すように、ブーム昇降機構16と、ブーム上下揺動機構17と、を備えている。これらの機構13〜17は、図1に示すように、前記運転席2の運転者Dが操作し易い位置(例えば、右横)に固定的に配設された位置固定式の操作部としての制御ボックス18で、遠隔制御することができる。
【0025】
前記各機構13〜17は、ブームスプレーヤの分野においてそれ自体周知のものであるが、以下、それぞれについて簡単に説明する。
【0026】
図1に示すように、前記ブーム開閉機構13は、前記ブーム9を、前記走行機体3の左右の一外方L−Rへ延びた展張位置O(O)と、前記走行機体3の左右の一側面(例えば右側面)に沿って延びる収納位置Cと、の間で変位自在にせしめるための機構である。前記ブーム開閉機構13は、前記ブーム9を前記走行機体3側に水平回動自在に枢支せしめるブーム開閉枢支軸19と、該ブーム開閉枢支軸19を中心として前記ブーム9を前記走行機体3の前後方向F−Bに沿って開閉駆動せしめるブーム開閉駆動アクチュエータ20と、を備えている。
【0027】
本実施の形態では、前記ブーム9の基端部9aを支持する前後揺動縦フレーム21が、前記ブーム開閉枢支軸19によって、前記走行機体3側の左右旋回フレーム22の先端部22aに相対回動自在に支持されている。前記左右旋回フレーム22と、前記前後揺動縦フレーム21と、の間には、前記ブーム開閉駆動用アクチュエータ20が架設されている。該ブーム開閉駆動アクチュエータ20としては、例えば、油圧式等の適当な形式の直線動アクチュエータを用いることができる。前記ブーム開閉駆動アクチュエータ20が伸縮作動すると、前記ブーム開閉枢支軸19を中心として、前記ブーム9が、前記走行機体3の左右一側外方(図1の例では、前記走行機体3の右外方)へ展張した右側散布位置O(展張位置O)と、前記走行機体3の左右の一側面(図1の例では、前記走行機体3の右側面)に沿って延びた非散布作業時の収納位置Cと、の間を水平に回動する。前記ブーム開閉駆動アクチュエータ20は、図3に示すように、前記制御ボックス18に操作部材として配設されたブーム開閉操作レバー23の(図3で見て左右方向への)揺動操作により、前記運転席から遠隔的に制御することができる。
【0028】
次に、前記ブーム旋回機構14は、図1に示すように、前記ブーム9を、前記走行機体3の右外方Rへ展張した、通常散布位置となる前記右側散布位置Oと、前記走行機体3の左外方Lへ展張した左側散布位置Oと、に水平面内で旋回自在にせしめるための機構である。この機構により、前記運転者Dは、前記走行機体3の進行方向Fに向かって左右いずれの側に散布を行うかを自由に変更することができる。
【0029】
前記ブーム旋回機構14は、前記左右旋回フレーム22を前記走行機体3側に水平面内で旋回自在に枢支せしめるブーム水平旋回枢支軸24と、該ブーム水平旋回枢支軸24を中心として前記ブーム9を左右に旋回駆動せしめるブーム旋回駆動アクチュエータ25と、を備えている。前記旋回フレーム22の基端部22bは、前記ブーム水平旋回枢支軸24によって、前記走行機体3の左右幅の中央位置で、前記マウントフレーム6側の昇降フレーム26に相対回動自在に支持されている。該昇降フレーム26と、前記水平旋回フレーム22と、の間には、前記ブーム旋回駆動アクチュエータ25が架設されている。該ブーム旋回駆動アクチュエータ25としては、例えば、油圧式等の適当な形式の直線動アクチュエータを用いることができる。前記ブーム旋回駆動アクチュエータ25が伸縮作動すると、適宜の多節リンク機構を介して前記ブーム旋回枢支軸24を中心として、前記旋回フレーム22の前記先端部22a側が、前記走行機体3の後方回りで左右方向へと180度旋回する。これに伴い、前記水平旋回フレーム22に支持されている前記ブーム9の展張方向が、前記走行機体3の右外方Rと左外方Lとに切り換わる。前記ブーム旋回駆動アクチュエータ25は、図3に示すように、前記制御ボックス18に操作部材として配設されたブーム旋回操作レバー27の(図3で見て左右方向への)揺動操作により、前記運転席2から遠隔的に制御することができる。
【0030】
次に、前記ブーム伸縮機構15は、図1に示すように、前記ブーム9を伸縮自在とすることにより、該ブーム9による散布幅を調節自在にせしめるための機構である。また、この機構を利用することで、前記ブーム9が障害物に衝突するのを回避することもできる。前記ブーム伸縮機構15により、前記ブーム9の最大伸長時の長さは、例えば、10〜17m程度とすることも可能になる。
【0031】
本実施の形態では、前記ブーム9を、複数(例えば、二本)のブーム部材28,29から形成し、その一方の固定側ブーム部材28に対して、他方の移動側ブーム部材29を相対的に伸縮自在に結合せしめている。そして、前記固定側ブーム部材28の基端部(前記ブーム9の前記基端部)9aにブーム伸縮駆動アクチュエータとして配設された、正逆回転自在な油圧式等のモータ30の正又は逆回転により、図示しないブーム伸縮駆動力伝達部材としてのワイヤを前記ブーム9に沿って往復動せしめ、前記固定側ブーム部材28に沿って前記移動側ブーム部材29が伸縮駆動されるようになっている。前記ブーム伸縮駆動アクチュエータ30は、図3に示すように、前記制御ボックス18に配設された前記ブーム旋回操作レバー27と共通のブーム伸縮操作レバー31の(図3で見て上下方向への)揺動操作により、前記運転席2から遠隔的に制御することができる。
【0032】
なお、図示してはいないが、前記固定側ブーム部材28と前記移動側ブーム部材29との間には、該移動側ブーム部材29に沿って配設された個々の前記噴霧ノズル10からの噴霧が、前記移動側ブーム部材29の伸縮作動に同期して自動的に制御されるように、それ自体周知の構成の、ノズルコック自動開閉装置が配設されており、これにより、前記固定側ブーム部材28の前記噴霧ノズル10と、前記移動側ブーム部材29の前記噴霧ノズル10と、による重複散布部の発生が防止されるようになっている。
【0033】
次に、前記ブーム昇降機構16は、図2に示すように、前記ブーム9の全体を上下動可能とし、該ブーム9による散布地上高を調節自在とせしめるための機構である。本実施の形態では、前記昇降フレーム26の昇降案内部材として、前記散布液タンク7の後方に、前記マウントフレーム6に固着されて上下方向に延びる左右一対の昇降案内レール32,33が配設されている。前記昇降フレーム26には、前記昇降案内レール32,33に離脱不能に嵌合して上下方向に転動する複数のローラ34が回転自在に支持されている。
【0034】
前記左右一対の昇降案内レール32,33側には、油圧式等の直線動式のブーム昇降駆動アクチュエータ35が上下方向に延びるように配設され、該アクチュエータ35の伸縮ロッド36には、動滑車37が回転自在に取着されている。そして、該動滑車37に上から巻き掛けられたワイヤ38の図示しない両端部を、それぞれ、前記昇降案内レール32,33間に架設した横枠39と、前記昇降フレーム26と、に接続している。前記ブーム昇降駆動用アクチュエータ35が伸縮作動すると、前記ワイヤ38を介して前記昇降フレーム26が昇降するので、前記水平旋回フレーム22及び前記ブーム9も一体となって、前記左右一対の昇降案内レール32,33に沿って上下動する。前記ブーム昇降駆動アクチュエータ35は、図3に示すように、前記制御ボックス18に操作部材として配設されたブーム昇降操作レバー40の(図3で見て上下方向への)揺動操作により、前記運転席2から遠隔的に制御することができる。
【0035】
次に、前記ブーム上下揺動機構17は、図2に示すように、前記ブーム9の先端部9b側を上下揺動自在にせしめ、前記走行機体3の走行路面の凹凸等によって、前記ブーム9の前記先端部9b側が作物に衝突するのを防止するための機構である。また、この機構17を利用して、前記ブーム9が障害物に衝突するのを回避することもできる。
【0036】
前記ブーム上下揺動機構17は、前記ブーム9を前記前後揺動縦フレーム21に上下揺動自在に枢支せしめるブーム上下揺動枢支軸41と、該ブーム上下揺動枢支軸41を中心として前記ブーム9を上下揺動駆動せしめるブーム上下揺動駆動アクチュエータ42と、を備えている。
【0037】
本実施の形態では、前記ブーム9の前記基端部9aが、前記ブーム上下揺動枢支軸41によって、前記前後揺動縦フレーム21に相対回動自在に支持されている。該前後揺動縦フレーム21と、前記ブーム9と、の間には、前記ブーム上下揺動駆動アクチュエータ42が架設されている。該ブーム上下揺動駆動アクチュエータ42としては、例えば、油圧式等の適当な形式の直線動アクチュエータを用いることができる。前記ブーム上下揺動駆動アクチュエータ42が伸縮作動すると、前記ブーム上下揺動枢支軸41を中心として、前記ブーム9の前記先端部9b側が上下に揺動する。前記ブーム上下揺動駆動アクチュエータ42は、図3に示すように、前記制御ボックス18に配設された前記ブーム開閉操作レバー23と共通のブーム上下揺動操作レバー43の(図3で見て上下方向への)揺動操作により、前記運転席2から遠隔的に伸縮制御することができる。
【0038】
なお、具体的な配管の図示は省略しているが、前記各機構13〜17において、油圧式とされた場合の前記各アクチュエータ20,25,30,35,42への作動油の供給は、例えば、前記走行機体3に搭載されて前記内燃エンジン11によって駆動される油圧ポンプ44(図1参照)によって行うことができる。
【0039】
次に、図3を参照して、前記各アクチュエータ20,25,30,35,42の操作部について説明する。
【0040】
既に述べたように、前記各アクチュエータ20,25,30,35,42の制御は、位置固定式の操作部である前記制御ボックス18に操作部材として配設された、前記ブーム開閉操作レバー23と、前記ブーム旋回操作レバー27と、前記ブーム伸縮操作レバー31と、前記ブーム昇降操作レバー40と、前記ブーム上下揺動操作レバー43と、を操作することによって、前記運転席2から遠隔的に行うことができる。本実施の形態では、操作レバーの集約化の観点から、前記ブーム開閉操作レバー23と前記ブーム上下揺動操作レバー43とを、互いに直交する方向へ揺動操作される一本の共通レバーとし、同様に、前記ブーム旋回操作レバー27と前記ブーム伸縮操作レバー31とを、互いに直交する方向へ揺動操作される一本の共通レバーとしているが、これに限定される必要はなく、それぞれ別のレバーとして前記制御ボックス18に配設してもよい。
【0041】
該制御ボックス18には、前記ブーム9を制御操作するために必要な全ての前記操作レバー23,27,31,40,43に加え、必要に応じて、他の操作部材も配設することができる。例えば、前記制御ボックス18の制御回路をON−OFFするための操作部材であるメインスイッチ45や、前記散布用ポンプ12を作動させたままの状態で電磁弁等からなる図示しない噴霧制御弁を開閉せしめて前記噴霧ノズル10からの噴霧を制御するための噴霧制御スイッチ46や、前記散布用ポンプ12の吐出圧を制御するための調圧レバー47や、前記ブーム9の前記先端部9bに配設されたパトライト(登録商標)等の注意灯48(図1参照)を点けたり消したりするための注意灯操作レバー49等を配設することができる。前記注意灯48は、前記ブームスプレーヤ1が、前記ブーム9を前記収納位置Cへと折り畳み収納した状態で公道等を走行する場合に、前記ブーム9の前方への張り出しを周囲へ知らしめ、注意を喚起する等の目的で配設されるものである。
【0042】
前記制御ボックス18は、その操作性を考慮して、前記運転席2の近傍の適宜の位置、例えば、該運転席2の左側又は右側等に配設することができる。本実施の形態では、右利きの運転者が多いこと、前記ブーム9を右外方Rへ展張して行う前進右側散布を通常散布とすること、及び、前記ブーム9の収納位置が前記走行機体2の右側であること、等を考慮して、図1に示すように、前記運転席2の右横側に、前記制御ボックス18を固定的に配設している。このため、運転者Dは、後方の前記ブーム9を目視しながら、前記制御ボックス18の前記各操作レバーを、前記運転席2に座ったまま、右手で操作することができる。
【0043】
図1に示すように、本実施の形態では、前記ブーム9の制御を、位置固定式の前記制御ボックス18に加えて、位置変更可能な操作部としての手持式コントローラ50により行うこともできるようになっている。これは、前記ブーム9が前記右側散布位置Oに展張している前進右側散布時にも、前記ブーム9が前記左側散布位置Oに展張している後進左側散布時にも、前記走行機体3を運転中の運転者Dが、前記運転席2からその右斜め後方又は左斜め後方の前記ブーム9の前記先端部9b側をきちんと目視しながら、自分にとって操作し易い側の手で、前記ブーム9の制御を容易かつ正確に行うことができるようにするためである。
【0044】
前記手持式コントローラ50と前記制御ボックス18は、前記手持式コントローラ50を前記運転席2の回りで自由に位置変更し得るだけの所定長さを有する酷使に耐える丈夫な配線51で互いに連結されている。そして、前記手持式コントローラ50から発せられる制御指令は、前記制御ボックス18から延び出した配線52による有線式の制御指令伝達系を介して、その制御先へと伝達されるようになっている。このため、無線式のものと比べて、前記制御ボックス18及び前記手持式コントローラ50からの制御指令伝達の信頼性が高くなり、好適である。また、制御系が簡素化できるとともに、前記手持式コントローラ50の落下や紛失等も防止でき、一層好適である。
【0045】
図3に示すように、本実施の形態では、前記手持式コントローラ50には、前記制御ボックス18に配設されている前記ブーム9関連又は散布関連の前記全ての操作部材の内、特定の第一の操作部材と同一の制御機能を備えた第二の操作部材のみが配設されている。本実施の形態では、散布作業中における操作頻度を考慮して、前記特定の第一の操作部材が、前記ブーム伸縮操作レバー31、前記ブーム上下揺動レバー43及び前記噴霧制御スイッチ46とされ、これに対応して、前記第二の操作部材が、ブーム伸縮操作レバー53、ブーム上下揺動操作レバー54及び噴霧制御スイッチ55とされている。
【0046】
本実施の形態において、前記手持式コントローラ50に配設する前記第二の操作部材を前記のように設定したのは、それらの操作部材53,54,55が、散布作業中において、最も頻繁に操作されるものだからである。すなわち、走行散布作業中には、運転者Dは、操向装置としてのステアリングハンドル56による前記走行機体3の運転操作と並行して、自分の右斜め後方又は左斜め後方Bに位置することになる前記ブーム9と、圃場の作物や障害物等と、の相対位置の変化に常に気を配り、走行路面に凹凸があったり、圃場内に杭やスプリンクラー等の障害物があったりして、前記ブーム9が作物等に接触しそうな場合には、その前に、該ブーム9の退避操作を行う必要がある。該ブーム9の具体的な退避動作は、該ブーム9の収縮又は該ブーム9の上方への揺動という形式で行うのが一般的である。
【0047】
また、散布開始時には、前記散布用ポンプ12の始動後、吐出圧が所定値に達した後に、前記噴霧ノズル10から一斉に噴霧が開始されるようにするのが望ましい。さらに、散布作業中に圃場内で何らかの理由により前記走行機体3を急停止させた場合には、散布量の均一性保持の観点から、前記噴霧ノズル10からの噴霧も一斉に停止させるのが望ましい。
【0048】
そこで、これらの操作を行うのに必要な実用上最低限の操作部材、すなわち、前記ブーム伸縮操作レバー53、前記ブーム上下揺動操作レバー54及び前記噴霧制御スイッチ55のみを、前記第二の操作部材として、前記手持式コントローラ50に配設している。したがって、本実施の形態のものには限定されず、必要に応じて、他の機能を有する操作部材もまた、前記手持式コントローラ50に追加することもできる。逆に、前記第二の操作部材の配設数を更に減らして最小限にしようとする場合には、散布作業中における前記ブーム9と作物等との接触を避けるため、前記ブーム伸縮操作レバー53と、前記ブーム上下揺動操作レバー54の、少なくともいずれか、好ましくは、該ブーム上下揺動操作レバー54のみを備えたものとすることもできる。
【0049】
前記手持式コントローラ50は、片手Hで握るのに適した太さの棒状の把持部57を備えている。また、前記手持式コントローラ50においては、前記第二の操作部材としての前記ブーム伸縮操作レバー53、前記ブーム上下揺動操作レバー54及び前記噴霧制御スイッチ55が、前記把持部57を握った手の指hで操作可能な位置に配設されている。このため、前記手持式コントローラ50を片手Hで保持しやすく、且つ、片手保持の状態での前記各操作レバー53,54及び前記噴霧制御スイッチ55の操作も容易となる。
【0050】
なお、図3に示すように、前記手持式コントローラ50に吊下げ用の掛止部58を設けておけば、不使用時に、前記運転席2の近傍の適宜の位置に設けた図示しないフック等に掛止せしめることができるので、取扱性が良好となり、好適である。
【0051】
前記ブームスプレーヤ1は、次のようにして使用することができる。
【0052】
図1に示すように、前記ブーム9を前記右側散布位置Oに展張して行う通常(前進片)散布の場合には、運転者Dは、左手での前記ステアリングハンドル56による前記走行機体3の前進方向Fへの運転操作と並行して、前記運転席2から右斜め後方R−Bの前記ブーム9を目視しながら、前記運転席2の右側に配設されている前記制御ボックス18の前記操作部材、特に、前記ブーム伸縮操作レバー31又は前記ブーム上下揺動操作レバ43ーを右手で操作して、前記ブーム9の制御を行う。この場合、前記運転者Dは、前記ブーム9を目視するために、前記制御ボックス18を操作する手(右手)の方向へと自分の首及び体をひねることになるので、比較的楽な姿勢で、前記ブーム9の前記先端部9b付近の目視及び該ブーム9の制御を行うことができる。
【0053】
逆に、前記ブーム9を前記左側散布位置Oに展張して後進片散布を行う場合には、運転者Dは、右手での前記ステアリングハンドル56による前記走行機体3の後進方向Bへの運転操作と並行して、前記運転席2から左斜め後方L−Bの前記ブーム9を目視しながら、前記手持式コントローラ50を、自分が持ちやすい方の片手(例えば、左手)で把持して、該手持式コントローラ50の前記ブーム伸縮操作レバー53又は前記ブーム上下揺動操作レバー54によって、前記ブーム9の制御を行う。この場合、前記運転者Dは、前記制御ボックス18を操作するには、前記通常散布の場合とは異なり、首と体を左右互いに逆方向へとひねることになってしまうが、前記手持式コントローラ50の場合には、自分で操作し易い位置に任意に移動させて前記第二の操作部材53,54,55を操作することができるので、前記通常散布の場合と同様に、比較的楽な姿勢で、前記ブーム9の前記先端部9b付近の目視及び該ブーム9の制御を行うことができる。
【0054】
前記ブームスプレーヤ1による作用効果は、前記走行機体3の前進F運転時にも奏されることは勿論であるが、特に、前進F運転時より前記走行機体3の運転自体が難しくなる後進B運転時に顕著となる。すなわち、前記ブームスプレーヤ1を用いた散布方法として、前記ブーム9を前記右側散布位置Oに展張して前進F運転で散布し、その畝の終端部で、前記ブーム9を前記左側散布位置Oへと切り換え、同じ経路を後進B運転で戻りながら、左右逆側の散布を行う方法がある。この散布方法をとれば、畝の終端部に前記走行機体3の方向転換用の枕地を設けておく必要がなくなるので、有効作付け面積を広くとることができる等の利点がある。前記ブームスプレーヤ1によれば、前記ブーム9を前記左側散布位置Oに展張した状態で、前記走行機体3を後進Bさせる場合にも、前記ブーム9を楽な姿勢で正確に制御することが可能となるので、前記走行機体3の後進B運転にも十分な注意を払うことができ、特に好適となる。
【0055】
なお、前記運転者Dは、自分の好みに応じて、左側散布の場合にも、右側散布の場合にも、持ち易い前記手持式コントローラ50を利用して、前記ブーム9関連の制御を行うことができることは勿論である。
【0056】
また、変形例として、前記制御ボックス18から前記手持式コントローラ50の前記第二の操作部材53,54,55と重複する機能を有する前記第一の操作部材31,43,46を省略して、常に前記手持式コントローラ50の前記第二の操作部材53,54,55によって、前記ブーム9関連の制御が行われるようにせしめることもできる。この場合、前記手持式コントローラ50には、そのコンパクト化又は取扱性向上等の観点から、前記運転席2で前記ブーム9を目視しながら操作すべき操作部材のみが配設され、前記制御ボックス18には、前記ブーム9関連又は散布関連の全ての操作部材の内、前記手持式コントローラ50に配設されている操作部材とは別の機能を有する操作部材のみが配設されることになる。
【0057】
なお、前記配線51を前記制御ボックス18内に自動巻き込み式のものとし、前記手持式コントローラ50を前記制御ボックス18に嵌め込み保持自在とせしめると、一層好適である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の好適な実施の一形態に係るブーム式作業車としての、ブームスプレーヤの平面図である。
【図2】図1のブームスプレーヤの後面図である。
【図3】第一の操作部としての制御ボックス及び第二の操作部としての手持式コントローラの斜視図である。
【符号の説明】
【0059】
1 ブーム式作業車(片ブームスプレーヤ)
2 運転席
3 走行機体
9 ブーム
9b ブームの先端部
18 位置固定式の操作部(制御ボックス)
23 操作部材(ブーム開閉操作レバー)
27 操作部材(ブーム旋回操作レバー)
31 第一の操作部材(ブーム伸縮操作レバー)
40 操作部材(ブーム旋回操作レバー)
43 第一の操作部材(ブーム上下揺動操作レバー)
46 第一の操作部材(噴霧制御スイッチ)
50 位置変更可能な操作部(手持式コントローラ)
51 配線
53 第二の操作部材(ブーム伸縮操作レバー)
54 第二の操作部材(ブーム上下揺動操作レバー)
55 第二の操作部材(噴霧制御スイッチ)
57 把持部
D 運転者
L 左外方
R 右外方
F 前方位置(前進方向)
B 後方位置(後進方向)
H 片手(運転者の手)
h 手の指

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体(3)の後部にその左外方(L)と右外方(R)へ向けて展張方向を切り換え可能なブーム(9)を備えるとともに、前記走行機体(3)の前記ブーム(9)より前方位置(F)に運転席(2)を備えているブーム式作業車(1)であって、前記運転席(2)から後方位置(B)にある展張状態の前記ブーム(9)を目視する運転者(D)によって制御操作される操作部材(53,54,55)を有する位置変更可能な操作部(50)を備えている、ブーム式作業車。
【請求項2】
第一の操作部材(31,43,46)を有する位置固定式の操作部(18)を備え、該位置固定式の操作部(18)は、左右いずれか一外方(L−R)へ展張している前記ブーム(9)を前記運転者(D)が前記運転席(2)から目視しながら前記第一の操作部材(31,43,46)を操作し易い位置に固定的に配設され、前記位置変更可能な操作部(50)の前記操作部材は、前記第一の操作部材(31,43,46)と同一の制御機能を備えた第二の操作部材(53,54,55)とされている、請求項1に記載のブーム式作業車。
【請求項3】
前記位置固定式の操作部(18)には、前記ブーム(9)を制御するために必要な全ての操作部材(23,27,31,40,43)が配設され、前記位置変更可能な操作部(50)には、前記全ての操作部材(23,27,31,40,43)の内、特定の操作部材(31,43)と同一の制御機能を備えた操作部材(53,54)のみが配設されている、請求項2に記載のブーム式作業車。
【請求項4】
前記第二の操作部材が、前記ブーム(9)の先端部(9b)側を上下に揺動せしめるための操作部材(54)である、請求項2又は3に記載のブーム式作業車。
【請求項5】
前記位置変更可能な操作部(50)からの制御指令が、前記位置固定式の操作部(18)から延び出している有線式の制御指令伝達系を介して伝達されるように、前記位置変更可能な操作部(50)と前記位置固定式の操作部(18)とが配線(51)で連結されている、請求項2,3又は4に記載のブーム式作業車。
【請求項6】
前記位置変更可能な操作部(50)が、前記運転者(D)が片手(H)で握るのに適した太さの棒状の把持部(57)を備え、前記位置変更可能な操作部(50)の前記操作部材(53,54,55)が、前記把持部(57)を握った手の指(h)で操作可能な位置に配設されている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のブーム式作業車。
【請求項7】
走行機体(3)の後部にその左外方(L)と右外方(R)へ向けて展張方向を切り換え可能なブーム(9)を備えるとともに、前記走行機体(3)の前記ブーム(9)より前方位置(F)に運転席(2)を備えているブーム式作業車(1)の手持式コントローラ(50)であって、前記運転席(2)から展張状態の前記ブーム(9)を目視する運転者(D)によって制御操作される操作部材(53,54,55)を備えている、手持式コントローラ。
【請求項8】
前記操作部材が、前記運転席(2)の近傍の位置固定式の操作部(18)に配設された第一の操作部材(31,43,46)と同一の制御機能を有する第二の操作部材(53,54,55)とされている、請求項7に記載の手持式コントローラ。
【請求項9】
前記第二の操作部材(53,54)からの制御指令が、前記位置固定式の操作部(18)から延び出している有線式の制御指令伝達系を介して伝達されるように、前記位置固定式の操作部(18)に配線(51)で連結可能とされている、請求項8に記載の手持式コントローラ。
【請求項10】
片手(H)で握るのに適した太さの棒状の把持部(57)を備え、前記操作部材(53,54,55)が、前記把持部(57)を握った手の指(h)で操作可能な位置に配設されている、請求項7,8又は9に記載の手持式コントローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−187237(P2006−187237A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−1503(P2005−1503)
【出願日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(000141990)株式会社共立 (110)
【Fターム(参考)】