説明

プラスチックレンズの製造方法及び同離型方法

【課題】成形されたプラスチックレンズをモールドから離型させる際にひび割れが生じにくいプラスチックレンズの製造方法及び同離型方法を提供すること。
【解決手段】凸型モールド2と凹型モールド3と粘着テープ4とからなるレンズ成形ユニット1のキャビティ内に液状のモノマーを充填する。モノマーが硬化してメニスカス形状のプラスチックレンズ10が成形された段階でこのプラスチックレンズ10を取り出すためにバイス15によって離型を行う。そのためバイス15固定面23と可動面24に両モールドの180度対向する外周端面をそれぞれ配向させる。この時。可動面24に形成された突起体25を粘着テープ5の上からレンズ外周端面に当接させるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液状の硬化型プラスチック材料をレンズ成形ユニットのキャビティ内に充填し、硬化させてプラスチックレンズを得るプラスチックレンズの製造方法及び同離型方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からプラスチックレンズを製造する手段の1つとして、レンズ成形ユニットを用意しそのキャビティ(空間)内に主として熱硬化型のプラスチック材料を充填し、所定の加熱履歴で加熱処理を施して硬化させ、その後成形されたプラスチックレンズを取り出すようにした製造方法がある。
レンズ成形ユニットは一般的に凸型モールド及び凹型モールドをリング状のガスケットあるいは粘着テープを用いて内部にキャビティが形成されるように所定間隔離間させて配置させている。そして、ガスケットを使用している場合にはその注入口から、粘着テープを使用している場合には一部に充填用のチューブを突き刺して調整したプラスチック材料(一般にモノマーと呼称する)を充填するようにしている。プラスチック材料が充填されたレンズ成形ユニットは加熱炉のような加熱雰囲気中に数時間〜数十時間静置されてプラスチック材料の硬化処理が行われる。このような従来の製造方法の一例として特許文献1を示す。
【0003】
このようなレンズ成形ユニットを使用して得られるプラスチックレンズはレンズ成形ユニットを構成する凸型モールド及び凹型モールドとしっかりと密着している。そのためモールドからプラスチックレンズを引き離す(離型させる)ためにレンズ成形ユニットをプレス装置にセットし、プレスしてプラスチックレンズを撓ませるようにしている。離型の手順は次のように行われている。
A.ガスケット式レンズ成形ユニット
イ)ガスケットを取り外す
ロ)プレス装置の押圧面間にユニットを配置する
ハ)レンズ部分を押圧して撓ませてモールドと離型させる
ニ)モールドを取り外す
B.粘着テープ式レンズ成形ユニット
イ)粘着テープを取り外す
ロ)プレス装置の押圧面間にユニットを配置する
ハ)レンズ部分を押圧して撓ませてモールドと離型させる
ニ)モールドを取り外す
【特許文献1】特開平8−244048号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記離型作業においては従来から成形されたプラスチックレンズのひび割れ(貫:カン)が問題となっていた。基本的に成形されたプラスチックレンズは離型時に縁の周囲に若干の欠けが発生するものとして数mmの余剰部分を予定しており、離型した後のモールドからの取り出し(脱型)後に欠けた部分を含む周縁を研削してワンサイズ小さくしたものを製品として扱う。しかし、単なる欠けではなくしばしばひび割れがレンズの比較的内部方向にまで侵入する場合があった。このようなひび割れは深く侵入している場合にはレンズ周縁を研削しても残ってしまうためそのようなレンズの商品価値はなくなってしまう。そのため、従来よりこのようなひび割れの発生を防止する方法が求められてきた。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、成形されたプラスチックレンズをモールドから離型させる際にひび割れが生じにくいプラスチックレンズの製造方法及び同離型方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明では、レンズの凹面側を形成するための第1のレンズ成形面を備えた凸型モールドとレンズの凸面側を形成するための第2のレンズ成形面を備えた凹型モールドとを同両レンズ成形面が対面するように所定間隔離間させて配置し、同両モールドの外周端面に跨がるように粘着テープを巻回することで内部にキャビティを形成したレンズ成形ユニットを用意し、同キャビティ内に液状の硬化型プラスチック材料を充填し、所定時間経過後に同プラスチック材料が硬化してプラスチックレンズが成形されると同レンズ成形ユニットをプレス装置にセットして対向配置された第1及び第2の押圧面によってプレス処理をすることで同プラスチックレンズを同両モールドから離型させ、次いで同粘着テープを剥がすとともに同両モールドを取り外してプラスチックレンズを得るようにしたプラスチックレンズの製造方法であって、前記プレス装置の第1及び第2の押圧面のうち少なくとも一方の押圧面に突起部を形成する一方で前記レンズ成形ユニットをプラスチックレンズが成形された段階で前記両モールドの180度対向する外周端面をそれぞれ同両押圧面に配向させるとともに、同両押圧面の接近に伴って前記突起部を前記粘着テープを間に介してレンズ外周端面に当接させるようにプレス処理を行い同プラスチックレンズを同両モールドから離型させ、次いで同粘着テープを剥がすとともに同両モールドを取り外してプラスチックレンズを得るようにしたことをその要旨とする。
また、請求項2の発明では請求項1に記載の発明の構成に加え、前記粘着テープを剥がしてから前記両モールドを取り外す前に前記突起部をレンズ外周端面に当接させて再度プレス処理を行うようにしたことをその要旨とする。
また、請求項3の発明では請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記突起部は前記第2の押圧面のみに形成され、前記レンズ成形ユニットは同突起部と前記第1の押圧面によってそれぞれ前記粘着テープを間に介したレンズ外周端面と同粘着テープを間に介した前記両モールド外周端面との間をプレスされることをその要旨とする。
【0006】
また、請求項4の発明では、レンズの凹面側を形成するための第1のレンズ成形面を備えた凸型モールドとレンズの凸面側を形成するための第2のレンズ成形面を備えた凹型モールドとを同両レンズ成形面が対面するように所定間隔離間させて配置し、同両モールドの外周端面に跨がるように粘着テープを巻回することで内部にキャビティを形成したレンズ成形ユニットを用意し、同キャビティ内に液状の硬化型プラスチック材料を充填し、所定時間経過後に同プラスチック材料が硬化してプラスチックレンズが成形されると同レンズ成形ユニットをプレス装置にセットして対向配置された第1及び第2の押圧面によってプレス処理をすることで同プラスチックレンズを同両モールドから離型させるようにしたプラスチックレンズの離型方法であって、前記プレス装置の第1及び第2の押圧面のうち少なくとも一方の押圧面に突起部を形成する一方で前記レンズ成形ユニットをプラスチックレンズが成形された段階で前記両モールドの180度対向する外周端面をそれぞれ同両押圧面に対面させるように配向させるとともに、同両押圧面の接近に伴って前記突起部を前記粘着テープを間に介してレンズ外周端面に当接させるようにプレス処理を行い同プラスチックレンズを同両モールドから離型させるようにしたことをその要旨とする。
また、請求項5の発明では請求項4に記載の発明の構成に加え、前記突起部は前記第2の押圧面のみに形成され、前記レンズ成形ユニットは同突起部と前記第1の押圧面によってそれぞれ前記粘着テープを間に介したレンズ外周端面と同粘着テープを間に介した前記両モールド外周端面との間をプレスされることをその要旨とする。
【0007】
このような構成においては、まず用意されたレンズ成形ユニットのキャビティ内に液状の硬化型プラスチック材料を充填する。充填したプラスチック材料が硬化してメニスカス形状のプラスチックレンズが成形された段階でこのプラスチックレンズを取り出すためにプレス装置によって離型を行うこととなる。そのためプレス装置の第1及び第2の押圧面に両モールドの180度対向する外周端面をそれぞれ配向させる。この時。少なくとも一方の押圧面に形成された突起部を粘着テープの上からレンズ外周端面に当接させるようにする。他方の押圧面についてはこのような突起部があってもなくても構わない。他方の押圧面に突起部がある場合には同様に突起部を粘着テープの上からレンズ外周端面に当接させるようにし、突起部がなければモールドの外周端面に当接させるようにする。そして両押圧面を相対的に接近させてプラスチックレンズをプレスして同レンズを撓ませるようにする。
この時、プラスチックレンズが主として撓む一方で同レンズの表裏面位置に配置されたモールドはあまり撓まず原形が保持されることから両者の界面(接合面)がずれてプラスチックレンズをモールドから離間させることができるわけである。しかし、ここで両モールドは粘着テープによって規制されているためプラスチックレンズと両モールドとが一気に引き剥がされて大きく離間するということはない。もしこのような規制がなければモールドに密着しているプラスチックレンズは所定の応力に達するまでは大きく変形はせず、その所定の応力に達した段階で一気にモールドから引き剥がされて撓むこととなってしまう。そのため過剰なヒズミが集中的に発生してこれが特に厚みの薄いレンズの凹側外周部分に破断を生じさせる原因となっていると想定される。
ところが、本発明では上記のように構成しているため厚みの薄いレンズの凹側外周部分に急激に過剰なヒズミが発生することがなくなりひび割れが入りにくくなる。このようなプレス処理をした後、両押圧面を相対的に離間させ、粘着テープを剥がすとともにモールドを取り外す。
【0008】
但し、粘着テープを介在させた1回のプレスだけでは完全に離間がされてない場合が多い。そのため、粘着テープを剥がしてかた再度プレス装置でプレスをすることが好ましい。この際のプレス処理はすでに粘着テープが剥がされているため少なくとも一方の押圧面に形成された突起部は直接レンズ外周端面に当接させることとなる。そして、そして両押圧面を相対的に接近させてプラスチックレンズをプレスして同レンズを撓ませるようにする。すると概ね1回目のプレスでプラスチックレンズはモールドから離型させられているため、この2回目のプレスによって確実に離型されることとなる。
ここに「液状の硬化型プラスチック材料」は熱硬化性プラスチック材料でもUV硬化型でも熱可塑性プラスチック材料でもいずれをも含む概念である。
【発明の効果】
【0009】
上記各請求項の発明では、成型されたプラスチックレンズをモールドから離型させる際に両モールドは粘着テープによって規制されているためプラスチックレンズが両モールドから一気に引き剥がされて大きく変形するということはなく、そのためプラスチックレンズの凹側外周部分に急激に過剰なヒズミが発生するということがなくなり、その結果プラスチックレンズにひび割れが入りにくくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の具体的なプラスチックレンズの製造方法(離型方法)について図面に基づいて説明する。
まず、製造に使用されるレンズ成形ユニット1について説明する。
図1及び図2に示すように、レンズ成形ユニット1は凸型モールド2、凹型モールド3及び粘着テープ4から構成されている。両モールド2,3は耐熱ガラス製とされている。凸型モールド2の表面は成形されるプラスチックレンズの裏面(眼球側)を成形するための所定の曲面で構成された第1のレンズ成形面5とされており、凹型モールド3の裏面は成形されるプラスチックレンズの前面(物体側)を成形するための所定の曲面で構成された第2のレンズ成形面6とされている。粘着テープ4は片面全面にシリコーン性粘着剤からなる粘着層4aが形成された二伸延伸させたポリエチレンテレフタレート製の幅広の可撓性のあるテープとされている。
凸型モールド2と凹型モールド3は第1のレンズ成形面5と第2のレンズ成形面6を正対させた状態で若干離間して配置され、両モールド2,3の外周端面7に跨がるように粘着テープ4が巻回されている。粘着テープ4が巻回された状態でレンズ成形ユニット1内部にはキャビティ8が形成される。
【0011】
このように構成されたレンズ成形ユニット1のキャビティ8内に図示しない注入ノズルを粘着テープ4の側面に突き立てて内部に調整したモノマーを充填し、加熱炉のような加熱雰囲気中で定法に従った加熱履歴でモノマーの加熱硬化処理を行う。本実施例ではモノマーとして例えばキシリレンジイソシアネート50重量部、ペンタエリスリト−ルテトラキス(3−メルカプトプロピオネ−ト)50重量部の合計100重量部に対して、触媒としてジブチルチンジクロライド0.03重量部を配合した均一溶液を真空下で十分脱気したものを使用するものとする。
図3に示すようにモノマーが硬化することによってレンズ成形ユニット1の内部にはプラスチックレンズ10が成形されることとなる。プラスチックレンズ10は耐熱ガラス製の両モールド2,3に比べて弾性率が小さい(つまりプラスチックレンズ10のほうが撓みやすい)。成形完了段階でプラスチックレンズ10のレンズの表裏面はそれぞれ両モールド2,3の第1及び第2のレンズ成形面5,6と密着し、外周端面11で粘着テープ4に密着する。
【0012】
次に、このようにプラスチックレンズ10が成形されたレンズ成形ユニット1からプラスチックレンズ10を離型させ取り出す(脱型)一連の離型作業について説明する。
図6に示すように、プレス装置としてのバイス15はワーク(ここではレンズ成形ユニット1)を挟むための固定壁部16と可動壁部17を備えている。可動壁部17の背面には雌ねじを兼ねた軸受け18によって軸支されたねじ棒20の先端が連結されている。ねじ棒20の基端にはハンドル21が装着されている。固定壁部16の内面側が第1の押圧面としての固定面23とされ可動壁部17の内面が第2の押圧面としての可動面24とされている。可動面24には横長に形成された突起体25が配設されている。
作業者はレンズ成形ユニット1を固定面23と可動面24の間に両モールド2,3の外周端面7が配向するように配置しハンドル21を操作して、可動壁部17を固定壁部16方向に接近させていく。そして、図6の仮想線のようにレンズ成形ユニット1の一端を固定面23に当接させた状態でレンズ成形ユニット1の他端側のプラスチックレンズ10の外周端面11に突起体25を食い込ませていく(突起体25は両モールド2,3の外周端面7には当接しない)。
突起体25の食い込みに伴ってプラスチックレンズ10は凹部方向に撓むため両モールド2,3との界面がずれて離型されることとなる。しかし、両モールド2,3は粘着テープ4によって規制されているためプラスチックレンズ10と両モールド2,3とが一気に引き剥がされて大きく変形するということはない。そのため厚みの薄い同レンズの凹側外周部分に急激に過剰なヒズミが発生することがなくなりひび割れが入りにくくなる。
次いでハンドル21を操作して可動壁部17を固定壁部16から離間する方向に移動させ固定面23と可動面24の間からレンズ成形ユニット1を一旦取り外す。これで1回目のプレス処理が完了する。
【0013】
この1回目のプレス処理が完了した段階では両モールド2,3が粘着テープ4によって規制されているため、プラスチックレンズ10は両モールド2,3から離間されるものの、完全に脱型できるほどにきれいに離型されていない場合がある。そのため、図5に示すようにこの段階で粘着テープ4を剥がし、図7に示すように再度固定面16と可動面17の間にレンズ成形ユニット1を配置して上記と同様に再度プレス処理を行う(2回目のプレス処理)。この二段階のプレス処理によってプラスチックレンズ10は両モールド2,3から確実に離間されることとなり、作業者はプラスチックレンズ10を両モールド2,3から脱型させてプラスチックレンズ10を得る。尚、実際のプレス処理においてはプラスチックレンズ10を撓ませている時間はごく短時間である。
【0014】
このように構成することにより本実施例では次のような効果が奏される。
(1)レンズ成形ユニット1は粘着テープ4の上からプラスチックレンズ10をプレスしてプラスチックレンズ10を撓ませるようにしているため、プラスチックレンズ10の撓みにも関わらず両モールド2,3は大きくプラスチックレンズ10から離間することはなくプラスチックレンズ10の凹側外周部分に急激に過剰なヒズミが集中することがないため粘着テープ4を剥がしてからプラスチックレンズ10を撓ませていた従来の方法に比べて格段にひび割れが入りにくくなる。そのためプラスチックレンズ10の歩留まりが向上する。
(2)格別特殊な操作や従来にはないジグを使用するわけではないため、製造コストが上がってしまうこともない。
(3)1回目のプレス処理では突起体25でプラスチックレンズ10を撓ませる際に粘着テープ4を介するため粘着テープ4が一種のクッションになって一気にプレス力がかからないため、プラスチックレンズ10によりひび割れが入りにくくなる。
(4)突起体25は一方の面(実施例では可動面24側)のみに形成するようにしているため、他方側の面(つまり実施例では固定面23)には略面一の両モールド2,3とプラスチックレンズ10の外周端面7,11を当接させるだけでよいため、作業効率が向上する。
【0015】
尚、この発明は、次のように変更して具体化することも可能である。
・上記実施例ではバイス15を使用して離型作業を行ったが、他の方式のプレス装置を使用することも自由である。
・上記実施例では可動面24側に突起体25を設ける構成であったが、突起体25は固定面23側に設けるようにしてもよい。また、固定面23側と可動面24側の両方に配設するようにしてもよい。
・突起体25の形状は適宜変更可能である。
・モノマー材料は上記調整したものに限定されるわけではない。例えばジエチレングリコールアリルカーボネート(CR−39)等をモノマー材料として使用することも可能である。
・その他、本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例に使用するレンズ成形ユニットの斜視図。
【図2】同じレンズ成形ユニットの正面図。
【図3】同じレンズ成形ユニットの縦断面図。
【図4】図3におけるプラスチックレンズが成形されている状態のレンズ成形ユニットの縦断面図。
【図5】同じレンズ成形ユニットの粘着テープを剥がしている状態を説明する斜視図。
【図6】バイスによって同じレンズ成形ユニットからプラスチックレンズを離型させている状態を説明する説明図。
【図7】同じくプラスチックレンズを離型させている状態を説明する説明図。
【符号の説明】
【0017】
1…レンズ成形ユニット、2…凸型モールド、3…凹型モールド、4…粘着テープ、5…第1のレンズ成形面、6…第2のレンズ成形面、8…キャビティ、10…プラスチックレンズ、15…プレス装置としてのバイス、23…第1の押圧面としての固定面、24…第2の押圧面としての可動面、25…突起部としての突起体、M…熱硬化性プラスチック材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズの凹面側を形成するための第1のレンズ成形面を備えた凸型モールドとレンズの凸面側を形成するための第2のレンズ成形面を備えた凹型モールドとを同両レンズ成形面が対面するように所定間隔離間させて配置し、同両モールドの外周端面に跨がるように粘着テープを巻回することで内部にキャビティを形成したレンズ成形ユニットを用意し、同キャビティ内に液状の硬化型プラスチック材料を充填し、所定時間経過後に同プラスチック材料が硬化してプラスチックレンズが成形されると同レンズ成形ユニットをプレス装置にセットして対向配置された第1及び第2の押圧面によってプレス処理をすることで同プラスチックレンズを同両モールドから離型させ、次いで同粘着テープを剥がすとともに同両モールドを取り外してプラスチックレンズを得るようにしたプラスチックレンズの製造方法であって、
前記プレス装置の第1及び第2の押圧面のうち少なくとも一方の押圧面に突起部を形成する一方で前記レンズ成形ユニットをプラスチックレンズが成形された段階で前記両モールドの180度対向する外周端面をそれぞれ同両押圧面に配向させるとともに、同両押圧面の接近に伴って前記突起部を前記粘着テープを間に介してレンズ外周端面に当接させるようにプレス処理を行い同プラスチックレンズを同両モールドから離型させ、次いで同粘着テープを剥がすとともに同両モールドを取り外してプラスチックレンズを得るようにしたことを特徴とするプラスチックレンズの製造方法。
【請求項2】
前記粘着テープを剥がしてから前記両モールドを取り外す前に前記突起部をレンズ外周端面に当接させて再度プレス処理を行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載のプラスチックレンズの製造方法。
【請求項3】
前記突起部は前記第2の押圧面のみに形成され、前記レンズ成形ユニットは同突起部と前記第1の押圧面によってそれぞれ前記粘着テープを間に介したレンズ外周端面と同粘着テープを間に介した前記両モールド外周端面との間をプレスされることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラスチックレンズの製造方法。
【請求項4】
レンズの凹面側を形成するための第1のレンズ成形面を備えた凸型モールドとレンズの凸面側を形成するための第2のレンズ成形面を備えた凹型モールドとを同両レンズ成形面が対面するように所定間隔離間させて配置し、同両モールドの外周端面に跨がるように粘着テープを巻回することで内部にキャビティを形成したレンズ成形ユニットを用意し、同キャビティ内に液状の硬化型プラスチック材料を充填し、所定時間経過後に同プラスチック材料が硬化してプラスチックレンズが成形されると同レンズ成形ユニットをプレス装置にセットして対向配置された第1及び第2の押圧面によってプレス処理をすることで同プラスチックレンズを同両モールドから離型させるようにしたプラスチックレンズの離型方法であって、
前記プレス装置の第1及び第2の押圧面のうち少なくとも一方の押圧面に突起部を形成する一方で前記レンズ成形ユニットをプラスチックレンズが成形された段階で前記両モールドの180度対向する外周端面をそれぞれ同両押圧面に配向させるとともに、同両押圧面の接近に伴って前記突起部を前記粘着テープを間に介してレンズ外周端面に当接させるようにプレス処理を行い同プラスチックレンズを同両モールドから離型させるようにしたことを特徴とするプラスチックレンズの離型方法。
【請求項5】
前記突起部は前記第2の押圧面のみに形成され、前記レンズ成形ユニットは同突起部と前記第1の押圧面によってそれぞれ前記粘着テープを間に介したレンズ外周端面と同粘着テープを間に介した前記両モールド外周端面との間をプレスされることを特徴とする請求項4に記載のプラスチックレンズの離型方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−265070(P2008−265070A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−108845(P2007−108845)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(000219738)東海光学株式会社 (112)
【Fターム(参考)】