説明

プラズマディスプレイパネル及びその駆動方法

【課題】放電セルのアドレシングに要する時間及び電力を減少させる。
【解決手段】放電空間を挟んで相互に所定の距離だけ離隔されて対向配置される背面基板110及び前面基板120と,背面基板と前面基板との間に設けられて放電空間を区画する複数の隔壁113と,隔壁間に少なくとも一つ形成される放電セル114のそれぞれに対応するように配設される少なくとも1対の第1維持電極121a及び第2維持電極121bと,放電セルのそれぞれに対応するように配設されて放電セル内に電子eを放出して放電セルをアドレシングすると同時に,対をなす第1維持電極と第2維持電極との間に維持放電を発生させる電子放出源130と,放電セルの内側に塗布される蛍光体層115と,を含むようにした。電子放出源130は,ベース電極131と,エミッタ電極133と,電子加速層132とを含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,プラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)は,電極間に印加される電圧によってプラズマ放電が起き,この放電過程で発生する紫外線(UV)が蛍光体を励起させて可視光が発散されることにより,画像を形成する装置である。かかるPDPは,放電形式によって直流型(DC type)と交流型(AC type)とに分類されることができる。直流型PDPは,全ての電極が放電空間に露出されて設けられる構造を有し,上記電極間で電荷の移動が直接的に行われる。一方,交流型PDPは,少なくとも1つの電極が誘電体層に埋め込まれて(覆われて)設けられる構造を有し,上記電極間で直接的に電荷が移動するのではなく,放電空間に形成される壁電荷によって放電が行われる。
【0003】
また,PDPは,電極の配置構造に応じて,対向放電型と面放電型とに分類されることができる。対向放電型PDPは,一対の維持電極がそれぞれ前面基板と背面基板とに配置された構造を有し,放電が基板に垂直な方向に起こる。一方,面放電型PDPは,一対の維持電極が同じ基板上に配置された構造を有し,放電が基板に平行な方向に起こる(例えば,非特許文献1参照。)。対向放電型PDPは,発光効率が高いといった長所を有するものの,プラズマにより蛍光体層が容易に劣化されてしまうといった短所を有する。従って,最近は,面放電型のPDPが主流をなしている。
【0004】
図1及び図2には,従来の一般的な面放電型PDPが図示されている。図1は,従来のPDPの分離斜視図である。図2は,PDPの内部構造を示す断面図であるが,理解をより容易にするために,前面基板が90゜回転された状態を図示している。
【0005】
図1及び図2を参照すると,従来のPDPは,相互に所定の距離だけ離隔されて対向配置される背面基板(下部基板)10と前面基板(上部基板)20とを備える。背面基板10と前面基板20との間の空間は,プラズマ放電が起きる放電空間になる。
【0006】
背面基板10の上面(放電空間側の面)には,複数のアドレス電極11が形成されており,このアドレス電極11は,第1誘電体層12により覆われる。第1誘電体層12の上面には,上記放電空間を区画して放電セル14を形成し,該放電セル14間の電気的及び光学的な干渉を防止する複数の隔壁13が相互に所定の距離だけ離隔されて形成される。放電セル14の内部には,一般的にネオン(Ne)ガスとキセノン(Xe)ガスとが混合された放電ガスが充填される。そして,放電セル14の内壁をなす第1誘電体層12の上面及び隔壁13の側面には,蛍光体層15が所定の厚さに塗布される。
【0007】
前面基板20は,可視光が透過可能な透明基板であり,主にガラスからなることができる。かかる前面基板20は,隔壁13が形成された背面基板10と結合される。前面基板20の下面(放電空間側の面)には,アドレス電極11と直交する方向に維持電極21a,21bが対をなして形成される。維持電極21a,21bは,可視光が透過できるように,主にITO(Indium Tin Oxide)のような透明な導電性材料からなる。そして,維持電極21a,21bのライン抵抗を減らすために,維持電極21a,21bのそれぞれの下面には,金属材質からなるバス電極22a,22bが維持電極21a,21bより狭い幅を有して形成される。かかる維持電極21a,21bとバス電極22a,22bは,透明な第2誘電体層23により覆われる。第2誘電体層23の下面には,保護膜24が形成される。保護膜24は,プラズマ粒子のスパッタリングによる第2誘電体層23の損傷を防止し,かつ二次電子を放出して放電電圧を下げる役割を果たし,一般的に,酸化マグネシウム(MgO)からなる。
【0008】
以上のような構成を有するPDPの駆動は,アドレス放電のための駆動と維持放電のための駆動とに大別されることができる。アドレス放電は,アドレス電極11と,維持電極21aまたは維持電極21bのいずれか1つとの間で発生し,このとき,第2誘電体層23上に壁電荷が形成される。そして,維持放電は,壁電荷が形成された放電セル14,すなわちアドレス放電を発生させることにより壁電荷が形成されてアドレシングされた放電セル14に位置する維持電極21a,21b間で発生する。この維持放電時に,放電ガスから発生する紫外線(UV)により該放電セル14の蛍光体層15が励起されて可視光が発散される。そして,上記可視光は,前面基板20を介して出射されつつ,ユーザが認識できる画像を形成する。
【0009】
【特許文献1】米国特許第6,744,218号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし,上記のようなアドレス放電による壁電荷を利用してアドレシングを行う方法は,かかるアドレシングのために不要な時間及び不要な電力が浪費されるという問題があった。このような問題を解決するために,アドレシングを誘導するパルスを短くする一方で維持放電の期間を延ばす方法がある。しかし,かかる方法によれば,例えば十分な壁電荷が形成されないなどの理由により放電が不安定になったり,また,放電電圧を高くしなければならないという短所を有する。
【0011】
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的とするところは,放電セルをアドレシングするための時間及び電力を減少させることのできるプラズマディスプレイパネル及びその駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,放電空間を挟んで相互に所定の距離だけ離隔されて対向配置される背面基板及び前面基板と,上記背面基板と上記前面基板との間に設けられて上記放電空間を区画する複数の隔壁と,上記隔壁間に少なくとも一つ形成される放電セルのそれぞれに対応するように配設される少なくとも1対の第1維持電極及び第2維持電極と,上記放電セルのそれぞれに対応するように配設されて,上記放電セル内に電子を放出して上記放電セルをアドレシングすると同時に,上記対をなす第1維持電極と第2維持電極との間に維持放電を発生させる電子放出源と,上記放電セルの内側に塗布される蛍光体層と,を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネルが提供される。
【0013】
このような本発明にかかるプラズマディスプレイパネルによれば,電子放出源から電子を放出させることにより,放電セルをアドレシングすると同時に該放電セルに維持放電を発生させることができる。すなわち,従来のPDPのように放電セルにアドレス放電を発生させてアドレシングを行う過程を有さないため,アドレシングのために余分な時間及び電力が浪費されることがない。また,放電セルに壁電荷を形成してアドレシングを行う従来のPDPのように放電が不安定になる恐れもなく,また,放電電圧を高くせずとも安定的な放電を発生させることができる。
【0014】
このとき,上記第1維持電極及び上記第2維持電極は,上記前面基板の上記放電セル側に一方向に延びて配設され,上記電子放出源は,上記背面基板の上記放電セル側に上記第1維持電極及び上記第2維持電極が延びる方向と直交する方向に延びて配設されることができる。かかる構成によれば,上記放電セルの底部に配設された電子放出源から放電セル内に電子が放出されると,上記前面基板に設けられた第1維持電極と第2維持電極との間で放電が発生する。ここで,上記電子放出源は,相互に離隔されてその間に所定の電圧が印加されるベース電極及びエミッタ電極と,上記ベース電極と上記エミッタ電極との間に設けられ,上記ベース電極から放出された電子を加速させて上記エミッタ電極を介して上記放電セル内に放出させる電子加速層とを含んで構成されるのがよい。
【0015】
あるいは,上記第1維持電極及び上記第2維持電極は,上記前面基板の上記放電セル側に一方向に延びて配設され,上記電子放出源は,上記前面基板と上記隔壁との間に上記第1維持電極及び上記第2維持電極が延びる方向と直交する方向に延びて配設されることができる。かかる構成によれば,上記放電セルの側部を形成する隔壁と上記前面基板との間に配設された電子放出源から放電セル内に電子が放出されると,上記前面基板に設けられた第1維持電極と第2維持電極との間で放電が発生する。ここで,上記電子放出源は,相互に離隔されてその間に所定の電圧が印加されるベース電極及びエミッタ電極と,上記ベース電極と上記エミッタ電極との間に設けられ,上記ベース電極から放出された電子を加速させて上記エミッタ電極を介して上記放電セル内に放出させる電子加速層とを含んで構成されるのがよい。
【0016】
あるいは,上記第1維持電極及び上記第2維持電極は,上記放電セルを挟むように一方向に延びて上記前面基板と上記隔壁との間にそれぞれ配設され,上記電子放出源は,上記背面基板の上記放電セル側に上記第1維持電極及び上記第2維持電極が延びる方向と直交する方向に延びて配設されることができる。かかる構成によれば,上記放電セルの底部に配設された電子放出源から放電セル内に電子が放出されると,上記放電セルの一側を形成する隔壁と上記前面基板との間に配設された第1維持電極と,上記放電セルの他側を形成する隔壁と上記前面基板との間に配設された第2維持電極との間で放電が発生する。ここで,上記電子放出源は,相互に離隔されてその間に所定の電圧が印加されるベース電極及びエミッタ電極と,上記ベース電極と上記エミッタ電極との間に設けられ,上記ベース電極から放出された電子を加速させて上記エミッタ電極を介して上記放電セル内に放出させる電子加速層とを含んで構成されるのがよい。
【0017】
あるいは,上記電子放出源は,上記背面基板に上記放電セルと連通するように形成されるチャンバと,上記チャンバの内壁に形成されるベース電極と,上記背面基板の上記放電セル側の面に形成されるエミッタ電極とを含んで構成されることができる。かかる構成によれば,上記チャンバ内のベース電極と上記背面基板上のエミッタ電極との間に所定の電圧が印加されると,上記チャンバ内で電子が生成される。上記電子放出源のチャンバは放電セルと連通しているため,かかる電子放出源で生成された電子は放電セルの底部から放電セル内に放出され,その結果,該放電セルに対応する第1維持電極と第2維持電極との間で放電が発生する。このとき,上記エミッタ電極には,上記ベース電極と上記エミッタ電極との間に印加される電圧によって生成される電子が,上記チャンバから上記放電セル内に放出されるように貫通孔が形成されるのがよい。
【0018】
また,上記エミッタ電極の上記背面基板側には,電子加速層がさらに設けられるのがよい。かかる電子加速層は,上記チャンバ内で生成された電子を加速させて上記放電セル内に放出させることができる。このとき,上記電子加速層は,酸化された多孔性シリコンまたは炭素ナノチューブからなるように構成されるのがよい。更に,上記酸化された多孔性シリコンは,酸化された多孔性ポリシリコンまたは酸化された多孔性非晶質シリコンであることができる。
【0019】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,放電空間を挟んで相互に所定の距離だけ離隔されて対向配置される背面基板及び前面基板と,上記背面基板と上記前面基板との間に設けられて上記放電空間を区画する複数の隔壁と,上記隔壁間に少なくとも一つ形成される放電セルのそれぞれに対応するように配設される少なくとも1対の第1維持電極及び第2維持電極と,上記放電セルのそれぞれに対応するように配設されて電子を放出可能な電子放出源と,上記放電セルの内側に塗布される蛍光体層と,を含むプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって;上記対をなす第1維持電極と上記第2維持電極との間に所定の電圧が印加された状態で,所定の放電セルに対応する上記電子放出源から上記放電セルに対して電子放出パルスを印加することにより,上記放電セル内に電子を放出して上記放電セルをアドレシングすると同時に,上記第1維持電極と上記第2維持電極との間に維持放電を発生させること,を特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法が提供される。
【0020】
このような本発明にかかるプラズマディスプレイパネルの駆動方法によれば,電子放出源から電子を放出させることにより,放電セルをアドレシングすると同時に該放電セルに維持放電を発生させることができる。すなわち,従来のPDPのように放電セルにアドレス放電を発生させてアドレシングを行う過程を有さないため,アドレシングのために余分な時間及び電力が浪費されることがない。また,放電セルに壁電荷を形成してアドレシングを行う従来のPDPのように放電が不安定になる恐れもなく,また,放電電圧を高くせずとも安定的な放電を発生させることができる。
【0021】
このとき,上記対をなす第1維持電極と上記第2維持電極との間に印加される上記所定の電圧は,上記放電セル内に電子放出パルスが印加されていないときに維持放電が起こり得る電圧よりも低い電圧であるのがよい。第1維持電極と第2維持電極との間に印加される所定の電圧を上記のような電圧とすることにより,電子放出源から放電セルの内部に電子が放出されると,放電電圧は低くなり,その結果,第1維持電極と第2維持電極との間で維持放電を発生させることができる。
【0022】
また,上記少なくとも1対の第1維持電極と第2維持電極との間には,所定の電圧が各対ごとに順次に印加されるのがよい。したがって,ある1対の第1維持電極と第2維持電極との間に所定の電圧が印加されているとき,当該第1維持電極及び第2維持電極と対応する少なくとも1つの放電セルのうち,上記電子放出源に電子放出パルスが印加された放電セルに対してアドレシング及び維持放電を行うことができる。
【0023】
このとき,上記放電セルから発生する可視光の輝度は,上記電子放出パルスの印加時間によって調節されることができる。あるいは,上記放電セルから発生する可視光の輝度は,上記電子放出パルスの振幅によって調節されることもできる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば,放電セルの内部に電子を放出させる電子放出源を設け,かかる電子放出源から放電セル内に電子を放出させて放電セルがアドレシングされるようにしたことにより,アドレシング及び維持放電を同時に行うことができるプラズマディスプレイパネル及びその駆動方法を提供できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0026】
先ず,本発明の第1の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)について説明する。図3は,第1の実施の形態によるPDPの内部構造を示す断面図であるが,理解をより容易にするために,前面基板が90゜回転された状態を図示している。
【0027】
図3を参照すると,第1の実施の形態にかかるPDPは,背面基板(下部基板)110と前面基板(上部基板)120とが相互に所定の距離だけ離隔されて対向配置された構造を有し,上記2つの基板間の空間がプラズマ放電が起きる放電空間となる。背面基板110及び前面基板120は,透明なガラスからなることができる。また,背面基板110と前面基板120との間には,背面基板110と前面基板120との間の上記放電空間を区画する複数の隔壁113が相互に所定の距離だけ離隔されて設けられる。隔壁113は,上記区画された放電空間間の電気的及び光学的なクロストークを防止することができる。隔壁113によって区画された上記放電空間には,少なくとも一つの放電セル114を定義することができる。放電セル114には,プラズマ放電時に紫外線(UV)を発生させる放電ガスが充填される。上記放電ガスとしては,例えば,ネオン(Ne)ガスとキセノン(Xe)ガスとが混合された放電ガスなどを用いることができる。そして,放電セル114の内側には,それぞれ赤色(R),緑色(G),青色(B)の蛍光体層115が塗布される。すなわち,蛍光体層115は,放電セル114の内壁を形成する隔壁113や,放電セル114の底面(背面基板110側の面)に塗布されることができる。かかる蛍光体層115は,放電によって発生したUVによって励起されて,所定の色相の可視光を発生させることができる。
【0028】
前面基板120の下面(放電セル114側)には,放電セル114に対応して第1維持電極121a及び第2維持電極121bが対をなして互いに平行に形成される。ここで,第1維持電極121a及び第2維持電極121bは,それぞれ表示電極及び走査電極と呼ばれる場合もある。かかる第1維持電極121a及び第2維持電極121bは,例えばITO(Indium Tin Oxide)のような透明な導電性材料からなることができる。
【0029】
背面基板110の上面(放電セル114側の面)には,放電セル114に対応して電子放出源130が第1維持電極121a及び第2維持電極121bと直交するように形成される。第1の実施の形態においては,第1維持電極121a及び第2維持電極121bと電子放出源130とが放電空間を隔てて交差する領域を放電セル114として定義することができる。例えば,隔壁113がストライプ状に形成される場合,隔壁113によって区画された上記放電空間には,複数の放電セル114を定義することができる。そして,電子放出源130は,所定の放電セル114の内部に電子(e)を放出することにより,放電セル114をアドレシングすると同時に,第1維持電極121aと第2維持電極121b間に維持放電を起こす役割を果たす。
【0030】
電子放出源130は,背面基板110の上面(放電セル114側の面)に形成されるベース電極131と,ベース電極131の上面に形成される電子加速層132と,電子加速層132の上面に形成されるエミッタ電極133とを含んで構成されることができる。このとき,ベース電極131及びエミッタ電極133は,それぞれカソード電極及びアノード電極としての役割りを果たすことができる。また,電子加速層132は,ベース電極131とエミッタ電極133との間に印加される所定の電圧によって生成されてベース電極131から流入した電子を加速させてエミッタ電極133を介して放電セル114の内部に放出させることができる。かかる電子加速層132は,酸化された多孔性シリコンまたは炭素ナノチューブ(CNT)から成ることができる。上記酸化された多孔性シリコンは,酸化された多孔性ポリシリコンまたは酸化された多孔性非晶質シリコンであることができる。
【0031】
次に,第1の実施の形態によるプラズマディスプレイパネルの駆動方法について説明する。先ず,上記のような構成を有するPDPに,第1維持電極121aと第2維持電極121bとの間に所定の電圧を印加する。このとき,第1維持電極121aと第2維持電極121bとの間に印加される電圧は,電子放出源130から放電セル114の内部に電子が放出されていない状態において維持放電が起こりうる電圧(例えば,180V)よりも若干低い電圧(例えば,140V)であるのがよい。このような第1維持電極121aと第2維持電極121bとの間に所定の電圧が印加された状態で,電子放出源130から放電セル114の内部に電子が放出される。具体的に,前記電子は,ベース電極131とエミッタ電極133との間に電圧が印加されることにより生成されて,電子加速層132によって加速されて,放電セル114の内部に放出される。このような放電セル114の内部に放出された電子によって放電電圧は低くなり,その結果,第1維持電極121aと第2維持電極121bとの間で維持放電が発生する。以上のように,電子放出源130は,放電セル114の内部に電子を放出することにより,放電セル114をアドレシングすると同時に,第1維持電極121aと第2維持電極121bとの間に維持放電を起こす役割を果たす。
【0032】
次に,本発明の第1の実施の形態にかかるPDPを平面方向から見た場合の構成について説明する。図4は,第1の実施の形態によるPDPの維持電極及び電子放出源の配置を概略的に表した平面図である。図4に示された複数のXは,表示電極としての第1維持電極を表す。Y,Y,…,Yは,n本の走査電極としての第2維持電極を表す。A,A,A,…,Aは,m本の電子放出源を表す。そして,C11,C12,C13,…,C1m,C21,C22,C23,…,C2m,…,Cn1,Cn2,Cn3,…,Cnmは,放電セルを表す。図4では,複数の第1維持電極Xには同一の符号が付されているが,第2維持電極Y,Y,…,Yと対応するようにn本の第1維持電極X,X,…,Xが設けられることができる。
【0033】
ここで,電子放出源A,A,A,…,Aは,該電子放出源Aを構成するベース電極131とエミッタ電極133との間に電圧が印加された場合に,対応する放電セルC内に電子を放出することができる。例えば,ベース電極131の電位(Vb)が負の電位を有し,エミッタ電極133の電位(Ve)が正の電位を有したとすると,両電極間の電位の差により電子放出源Aからは電子が放出される。このように,電子放出源Aを通じて放電セルCに電子放出パルスが印加されたときに,該放電セルCに対応する第2維持電極Yに所定の電圧が印加されていれば,該放電セルCはアドレシングされると同時に維持放電を行う。
【0034】
図5は,第1の実施の形態にかかるPDPの駆動方法を説明する図であり,第1維持電極(走査電極)X,第2維持電極(走査電極)Y,及び電子放出源Aに印加される電圧が示されている。図5の上の図に示されたように,まず,走査電極Yに所定の電圧が印加される。このとき,走査電極Yに印加される電圧は,電子放出源から放電セルの内部に電子が放出されていないときに維持放電が起こりうる電圧よりも若干低い電圧であるのがよい。一方,他の走査電極Y,…,Yには,電圧は印加されない。このような所定の電圧が走査電極Yに印加された状態で,例えば,電子放出源A及びAを通じて放電セルC11及びC13にそれぞれ電子放出パルスが印加されると,放電セルC11及びC13がアドレシングされると同時に,放電セルC11及びC13の内部で維持放電が起こる。
【0035】
次に,走査電極Yに所定の電圧が印加され,他の走査電極Y,Y,…,Yには,電圧が印加されない。ここで,走査電極Yには,前述のように,電子放出源から放電セルの内部に電子が放出されていないときに維持放電が起こりうる電圧よりも若干低い電圧が印加される。かかる状態で,選択された電子放出源から電子を放出することにより,前述したような放電セルのアドレシング及び維持放電が起こる。
【0036】
以上のような放電セルをアドレシング及び維持放電させる過程は,残りの走査電極にそれぞれ所定の電圧が順次印加されて,反復的に行われる。そして,最後に,図5の下の図に示されたように,走査電極Yに所定の電圧が印加され,他の走査電極Y,Y,…,Yn−1には,電圧が印加されない。このように,走査電極Yに所定の電圧が印加された状態で,例えば,電子放出源A,A及びAを通じて放電セルCn1,Cn2及びCn3にそれぞれ電子放出パルスが印加されると,放電セルCn1,Cn2及びCn3がアドレシングされると同時に,放電セルCn1,Cn2及びCn3の内部で維持放電が起こる。
【0037】
上記のように,第1の実施の形態にかかるPDPの駆動方法によれば,維持放電に先立って放電セルにアドレス放電を発生させてアドレシングを行うのではなく,放電セルをアドレシングすると同時に該放電セルが維持放電されるので,従来のPDPのようにアドレシングのために余分な時間及び電力が浪費されることがない。また,電子放出源から電子を放出させることにより放電セルをアドレシングすることができるので,放電セルに壁電荷を形成してアドレシングを行う従来のPDPのように放電が不安定になる恐れもない。また,放電電圧を高くせずとも安定的な放電を発生させることができる。
【0038】
ここで,前述したような過程において,各放電セルから発生する可視光の輝度は,電子放出パルスの印加時間または電子放出パルスの振幅を変化させることによって調節可能である。したがって,輝度を調節して階調表示を行うことができる。
【0039】
次に,本発明の第2の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルについて説明する。図6は,第2の実施の形態によるPDPの内部構造を示す断面図であるが,理解をより容易にするために,前面基板が90゜回転された状態を図示している。
【0040】
図6を参照すると,第2の実施の形態にかかるPDPは,背面基板210と前面基板220とが相互に所定の距離だけ離隔されて対向配置される。また,背面基板210と前面基板220との間には,背面基板210と前面基板220との間の上記放電空間を区画する隔壁213が設けられる。隔壁213によって区画された上記放電空間には,少なくとも一つの放電セル214を定義することができる。そして,放電セル214の内部には,放電ガスが充填される。また,放電セル214の内壁を含む内側には,蛍光体層215が塗布される。前面基板220の下面(放電セル214側の面)には,放電セル214に対応して第1維持電極(表示電極)221a及び第2維持電極(走査電極)221bが対をなして互いに平行に形成される。
【0041】
前面基板220と隔壁213との間には,電子放出源230が第1維持電極221a及び第2維持電極221bと直交するように形成される。かかる電子放出源230は,前述のように,放電セル214の内部に電子を放出することにより,放電セル214をアドレシングすると同時に第1維持電極221aと第2維持電極221bとの間に維持放電を起こす役割を果たす。上記のように,電子放出源230は前面基板220と隔壁213との間に設けられるので,電子(e)は放電セル214の側部から放電セル214内に放出されることになる。このとき,ある放電セル214が,該放電セル214を区画する複数の隔壁213をその周囲に有する場合,上記複数の隔壁213の少なくとも1つと前面基板220との間に電子放出源230を設けることができる。
【0042】
このような電子放出源230は,隔壁213上に相互に離隔されて設けられるベース電極231及びエミッタ電極233と,ベース電極231とエミッタ電極233との間に設けられる電子加速層232とを含んで構成されることができる。より具体的には,隔壁213上には,放電セル214と隣接する側から順にベース電極231,電子加速層232,及びエミッタ電極233が設けられる。すなわち,電子放出源230は,隔壁213と前面基板220との間に,放電セル214の内部に電子を放出できる方向に設けられる。従って,隔壁213が2つの放電セル214を区画するように設けられている場合,該隔壁213上には,上記隔壁213を隔てて隣接する2つの放電セル214のそれぞれに対応するように2つの電子放出源230が,互いに異なる方向に電子を放出するように配設されることができる。
【0043】
このとき,ベース電極231及びエミッタ電極233は,それぞれカソード電極及びアノード電極としての役割りを果たすことができる。電子加速層232は,ベース電極231とエミッタ電極233との間に印加される電圧によって生成されてベース電極231から放出される電子を加速させてエミッタ電極233を介して放電セル214の内部に放出させることができる。かかる電子加速層232は,酸化された多孔性シリコンまたは炭素ナノチューブ(CNT)から成ることができる。ここで,上記酸化された多孔性シリコンは,酸化された多孔性ポリシリコンまたは酸化された多孔性非晶質シリコンであってもよい。
【0044】
以上のような構成を有する第2の実施の形態によるPDPは,前述した第1の実施の形態によるPDPと同様に駆動されるため,第2の実施の形態によるPDPの駆動についての詳細な説明は省略する。
【0045】
次に,本発明の第3の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルについて説明する。図7は,第3の実施の形態によるPDPの内部構造を示す断面図である。
【0046】
図7を参照すると,第3の実施の形態にかかるPDPは,背面基板310と前面基板320とが相互に所定の距離だけ離隔されて対向配置される。また,背面基板310と前面基板320との間には,背面基板310と前面基板320との間の空間を区画する隔壁313が設けられる。隔壁313によって区画された上記放電空間には,少なくとも一つの放電セル314を定義することができる。そして,放電セル314の内部には,放電ガスが充填される。また,放電セル314の内壁を含む内側には,蛍光体層315が塗布される。
【0047】
前面基板320と隣接する隔壁313との間には,それぞれ第1維持電極(表示電極)321a及び第2維持電極(走査電極)321bが対をなして互いに対向するように形成される。すなわち,第1維持電極321a及び第2維持電極321bは,ある放電セル214に対しては,該放電セル214を区画するいずれかの隔壁213上に第1維持電極321aが設けられ,他のいずれかの隔壁213上に第2維持電極321bが設けられつつ,放電セル214を挟んで対向配置される。
【0048】
そして,背面基板310の上面には,放電セル314に対応して電子放出源330が,第1維持電極321a及び第2維持電極321bと直交するように形成される。図7においては,第1維持電極321a及び第2維持電極321bは,紙面の手前から奥の方向へ延び,電子放出源330は図の左右方向に延びて形成される。また,図7の背面基板310を90°異なる方向から見た場合,背面基板310,すなわち放電セル314の底面には蛍光体層315が塗布されていてもよい。,この場合,上記蛍光体層315の間に複数の電子放出源330が相互に離隔されて配置された構造を有することができる。ここで,電子放出源330は,放電セル314の内部に電子を放出することにより,放電セル314をアドレシングすると同時に,第1維持電極321aと第2維持電極321bとの間に維持放電を起こす役割を果たす。
【0049】
かかる電子放出源330は,背面基板310の上面(放電セル314側の面)に形成されるベース電極331と,ベース電極331の上面に形成される電子加速層332と,電子加速層332の上面に形成されるエミッタ電極333とを含んで構成されることができる。このとき,ベース電極331及びエミッタ電極333は,それぞれカソード電極及びアノード電極としての役割りを果たすことができる。また,電子加速層332は,ベース電極331とエミッタ電極333との間に印加される所定の電圧によって生成されてベース電極331から放出される電子を加速させてエミッタ電極333を介して放電セル314の内部に放出させることができる。かかる電子加速層332は,酸化された多孔性シリコンまたは炭素ナノチューブ(CNT)から成ることができる。ここで,上記酸化された多孔性シリコンは,酸化された多孔性ポリシリコンまたは酸化された多孔性非晶質シリコンであってもよい。
【0050】
以上のような構成を有する第3の実施の形態によるPDPは,前述した第1の実施の形態によるPDPと同様に駆動されるため,第3の実施の形態によるPDPの駆動についての詳細な説明は省略する。
【0051】
次に,本発明の第4の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルについて説明する。図8は,第4の実施の形態によるPDPの内部構造を示す断面図であるが,理解をより容易にするために,前面基板が90゜回転された状態を図示している。
【0052】
図8を参照すると,第4の実施の形態にかかるPDPは,背面基板410と前面基板420とが相互に所定の距離だけ離隔されて対向配置される。また,背面基板410と前面基板420との間には,背面基板410と前面基板420との間の空間を区画する隔壁413が設けられる。隔壁413によって区画された上記放電空間には,少なくとも一つの放電セル414を定義することができる。そして,放電セル414の内部には,放電ガスが充填される。また,放電セル414の内壁を含む内側には,蛍光体層415が塗布される。前面基板420の下面(放電セル414側の面)には,放電セル414に対応して第1維持電極(表示電極)421a及び第2維持電極(走査電極)421bが対をなして互いに平行に形成される。
【0053】
放電セル414の下部には,放電セル414の内部に電子を放出させる電子放出源430が第1維持電極421a及び第2維持電極421bと直交するように設けられる。ここで,電子放出源430は,前述のように,放電セル414の内部に電子を放出することにより,放電セル414をアドレシングすると同時に,第1維持電極421a及び第2維持電極421b間に維持放電を起こす役割を果たす。
【0054】
電子放出源430は,背面基板410に放電セル414と連通するように形成されるチャンバ434と,チャンバ434の内壁を覆うように形成されるベース電極431と,背面基板410の上面(放電セル414側の面)に形成されるエミッタ電極433とを含んで構成されることができる。このとき,ベース電極431及びエミッタ電極433は,それぞれカソード電極及びアノード電極としての役割りを果たすことができる。一方,エミッタ電極433には,チャンバ434から放電セル414の内部に電子が放出されるように,放電セル414とチャンバ434とを連結する貫通孔が形成される。このとき,チャンバ434は,第1維持電極421a及び第2維持電極421bと直交する方向に延びて形成されるのがよい。すなわち,チャンバ434は,第1維持電極421a及び第2維持電極421bと直交する方向に隣接する複数の放電セル414の下部に渡って延びて形成されることができる。よって,チャンバ434は,背面基板410に相互に離隔されてストライプ状に形成されることができる。また,ベース電極431もチャンバ434の内壁に沿って第1維持電極421a及び第2維持電極421bと直交する方向に延びて形成されるのがよい。このとき,各チャンバ434にそれぞれ設けられる2本のベース電極431は,その端部において相互に連結されるのがよい。
【0055】
上記のような構造の電子放出源430で,ベース電極431とエミッタ電極433との間に所定の電圧を印加すると,チャンバ434内のベース電極431から電子が生成され,このように生成された電子は,ベース電極431とエミッタ電極433との間に形成された電界により,チャンバ434からエミッタ電極433の貫通孔を介して放電セル414の内部に放出される。このように,放電セル414の内部に放出された電子は,放電セル414をアドレシングすると同時に,第1維持電極421a及び第2維持電極421b間に維持放電を発生させる。
【0056】
以上のような構成を有する第4の実施の形態によるPDPは,前述した第1の実施の形態によるPDPと同様に駆動されるため,第4の実施の形態によるPDPの駆動についての詳細な説明は省略する。
【0057】
次に,本発明の第5の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルについて説明する。図8は,第5の実施の形態によるPDPの内部構造を示す断面図であるが,理解をより容易にするために,前面基板が90゜回転された状態を図示している。第5の実施の形態によるPDPの構成は,図8に図示された第4の実施の形態と類似しているので,以下では,第4の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0058】
図9を参照すると,放電セル414の下部には,放電セル414の内部に電子を放出させる電子放出源430′が設けられる。電子放出源430′は,背面基板410に放電セル414と連通するように形成されるチャンバ434と,チャンバ434の内壁をめぐるように形成されるベース電極431と,背面基板410の上面に形成されるエミッタ電極433と,エミッタ電極433と背面基板410との間に形成される電子加速層432とを含んで構成されることができる。このとき,電子加速層432は,ベース電極431とエミッタ電極433との間に印加された所定の電圧によって生成されてチャンバ434内のベース電極431から放出される電子を加速させて放電セル414の内部へと放出させる役割りを果たす。電子加速層432は,酸化された多孔性シリコンまたは炭素ナノチューブ(CNT)から成ることができる。ここで,上記酸化された多孔性シリコンは,酸化された多孔性ポリシリコンまたは酸化された多孔性非晶質シリコンであってもよい。そして,電子放出源430′によって放電セル414の内部に放出された電子は,放電セル414をアドレシングすると同時に,第1維持電極421a及び第2維持電極421b間に維持放電を発生させる。
【0059】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0060】
例えば,図3に示した第1の実施の形態のPDPにおいて,電子放出源130を,図8に示した第4の実施の形態の電子放出源430,または,図9に示した第5の実施の形態の電子放出源430′のように,チャンバを有する電子放出源とすることもできる。同様に,図7に示した第3の実施の形態のPDPにおいて,電子放出源330を,図8に示した第4の実施の形態の電子放出源430,または,図9に示した第5の実施の形態の電子放出源430′のように,チャンバを有する電子放出源とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は,プラズマディスプレイパネル及びその駆動方法に適用可能であり,特に平面表示装置に設けられるプラズマディスプレイパネル及びその駆動方法に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】従来のPDPの分離斜視図である。
【図2】図1に図示されたPDPの内部構造を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態によるPDPの内部構造を示す断面図である。
【図4】図3に図示されたPDPの電極配置を概略的に示す平面図である。
【図5】図3に図示されたPDPの駆動方法を説明する図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態によるPDPの内部構造を示す断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態によるPDPの内部構造を示す断面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態によるPDPの内部構造を示す断面図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態によるPDPの内部構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0063】
10,110,210,310,410 背面基板
13,113,213,313,413 隔壁
14,114,214,314,414 放電セル
15,115,215,315,415 蛍光体層
20,120,220,320,420 前面基板
11 アドレス電極
12 第1誘電体層
21a,21b 維持電極
22a,22b バス電極
23 第2誘電体層
24 保護膜
121a,221a,321a,421a 第1維持電極
121b,221b,321b,421b 第2維持電極
130,230,330,430 電子放出源
131,231,331,431 ベース電極
132,232,332,432 電子加速層
133,233,333,433 エミッタ電極
430′ 電子放出源
434 チャンバ
e 電子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電空間を挟んで相互に所定の距離だけ離隔されて対向配置される背面基板及び前面基板と,
前記背面基板と前記前面基板との間に設けられて前記放電空間を区画する複数の隔壁と,
前記隔壁間に少なくとも一つ形成される放電セルのそれぞれに対応するように配設される少なくとも1対の第1維持電極及び第2維持電極と,
前記放電セルのそれぞれに対応するように配設されて,前記放電セル内に電子を放出して前記放電セルをアドレシングすると同時に,前記対をなす第1維持電極と第2維持電極との間に維持放電を発生させる電子放出源と,
前記放電セルの内側に塗布される蛍光体層と,
を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【請求項2】
前記第1維持電極及び前記第2維持電極は,前記前面基板の前記放電セル側に一方向に延びて配設され,
前記電子放出源は,前記背面基板の前記放電セル側に前記第1維持電極及び前記第2維持電極が延びる方向と直交する方向に延びて配設されることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項3】
前記電子放出源は,
相互に離隔されてその間に所定の電圧が印加されるベース電極及びエミッタ電極と,
前記ベース電極と前記エミッタ電極との間に設けられ,前記ベース電極から放出された電子を加速させて前記エミッタ電極を介して前記放電セル内に放出させる電子加速層とを含んで構成されることを特徴とする請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項4】
前記第1維持電極及び前記第2維持電極は,前記前面基板の前記放電セル側に一方向に延びて配設され,
前記電子放出源は,前記前面基板と前記隔壁との間に前記第1維持電極及び前記第2維持電極が延びる方向と直交する方向に延びて配設されることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項5】
前記電子放出源は,
相互に離隔されてその間に所定の電圧が印加されるベース電極及びエミッタ電極と,
前記ベース電極と前記エミッタ電極との間に設けられ,前記ベース電極から放出された電子を加速させて前記エミッタ電極を介して前記放電セル内に放出させる電子加速層とを含んで構成されることを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項6】
前記第1維持電極及び前記第2維持電極は,前記放電セルを挟むように一方向に延びて前記前面基板と前記隔壁との間にそれぞれ配設され,
前記電子放出源は,前記背面基板の前記放電セル側に前記第1維持電極及び前記第2維持電極が延びる方向と直交する方向に延びて配設されることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項7】
前記電子放出源は,
相互に離隔されてその間に所定の電圧が印加されるベース電極及びエミッタ電極と,
前記ベース電極と前記エミッタ電極との間に設けられ,前記ベース電極から放出された電子を加速させて前記エミッタ電極を介して前記放電セル内に放出させる電子加速層とを含んで構成されることを特徴とする請求項6に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項8】
前記電子放出源は,前記背面基板に前記放電セルと連通するように形成されるチャンバと,前記チャンバの内壁に形成されるベース電極と,前記背面基板の前記放電セル側の面に形成されるエミッタ電極とを含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項9】
前記エミッタ電極には,前記ベース電極と前記エミッタ電極との間に印加される電圧によって生成される電子が,前記チャンバから前記放電セル内に放出されるように貫通孔が形成されることを特徴とする請求項8に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項10】
前記エミッタ電極の前記背面基板側には,電子加速層がさらに設けられることを特徴とする請求項9に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項11】
前記電子加速層は,酸化された多孔性シリコンまたは炭素ナノチューブからなることを特徴とする請求項3,請求項5,請求項7,又は請求項10のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項12】
前記酸化された多孔性シリコンは,酸化された多孔性ポリシリコンまたは酸化された多孔性非晶質シリコンであることを特徴とする請求項11項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項13】
放電空間を挟んで相互に所定の距離だけ離隔されて対向配置される背面基板及び前面基板と,前記背面基板と前記前面基板との間に設けられて前記放電空間を区画する複数の隔壁と,前記隔壁間に少なくとも一つ形成される放電セルのそれぞれに対応するように配設される少なくとも1対の第1維持電極及び第2維持電極と,前記放電セルのそれぞれに対応するように配設されて電子を放出可能な電子放出源と,前記放電セルの内側に塗布される蛍光体層と,を含むプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって;
前記対をなす第1維持電極と前記第2維持電極との間に所定の電圧が印加された状態で,所定の放電セルに対応する前記電子放出源から前記放電セルに対して電子放出パルスを印加することにより,前記放電セル内に電子を放出して前記放電セルをアドレシングすると同時に,前記第1維持電極と前記第2維持電極との間に維持放電を発生させること,
を特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項14】
前記対をなす第1維持電極と前記第2維持電極との間に印加される前記所定の電圧は,前記放電セル内に電子放出パルスが印加されていないときに維持放電が起こり得る電圧よりも低い電圧であることを特徴とする請求項13に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項15】
前記少なくとも1対の第1維持電極と第2維持電極との間には,所定の電圧が各対ごとに順次に印加されることを特徴とする請求項に記載13のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項16】
前記放電セルから発生する可視光の輝度は,前記電子放出パルスの印加時間によって調節されることを特徴とする請求項13に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項17】
前記放電セルから発生する可視光の輝度は,前記電子放出パルスの振幅によって調節されることを特徴とする請求項13に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−278339(P2006−278339A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−91829(P2006−91829)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】