説明

プラズマディスプレイパネル,プラズマディスプレイパネルの製造方法,平板ランプ,平板ランプの製造方法

【課題】 酸化された多孔性シリコンを利用したプラズマディスプレイパネル及び平板ランプを提供する。
【解決手段】 互いに対向するように配置される下部パネル及び上部パネルと,下部パネルに形成される複数のアドレス電極と,上部パネルに形成される複数の保持電極と,上部パネルに保持電極に対応して形成される複数の酸化された多孔性シリコン層とを備えるプラズマディスプレイパネルである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,プラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)及び平板ランプに係り,詳細には酸化された多孔性シリコン(Oxidized porous silicon)を利用して電子放出特性を向上させることができるPDP及び平板ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
PDPは,電気的放電を利用して画像を形成する装置であり,輝度や視野角などの表示性能にすぐれ,その使用が日増しに増大している。かかるPDPは,電極に印加される直流または交流電圧によって電極間でガス放電が起こり,この放電過程で発生する紫外線の放射によって蛍光体が励起され,可視光を発散する。
【0003】
PDPは,その放電形式により,直流型(DC type)と交流型(AC type)とに分類される。直流型PDPは,あらゆる電極が放電空間に露出される構造であり,対応電極間に電荷の移動が直接的になされる。交流型PDPは,少なくとも1つの電極が誘電体層に巻かれ,対応する電極間に直接的な電荷の移動がなされない代わりに,壁電荷によって放電が行われる。
【0004】
また,PDPは,電極の配置構造により,対向放電型と面放電型とに分類される。対向放電型PDPは,対をなす2つの維持電極が,それぞれ上部基板と下部基板とに配置されている構造であり,放電が基板に垂直の方向に起こる。面放電型PDPは,対をなす2つの維持電極が,同じ基板上に配置されている構造であり,放電が基板に平行方向に起こる。
【0005】
対向放電型PDPは,発光効率は高い一方,プラズマにより蛍光体層が容易に劣化されるという短所があり,最近では,面放電型PDPが主流をなしている。
【0006】
図1には,従来の一般的な面放電型PDPが図示されている。そして,図2A及び図2Bには,図1に図示されたPDPを横方向及び縦方向に切断した断面が図示されている。図1,図2A及び図2Bを参照すれば,従来のPDPは,一定間隔で相互対面する上部基板20と下部基板10とを備える。上部基板20と下部基板10との間の空間は,プラズマ放電が起きる放電空間になる。
【0007】
下部基板10の上面には,複数のアドレス電極11がストライプ状に配列されており,このアドレス電極11は,第1誘電体層12により埋め込まれている。第1誘電体層12の上面には,放電空間を区画して放電セル14を形成し,この放電セル14間の電気的,光学的干渉を防止する複数の隔壁13が互いに所定間隔をおいて形成されている。そして,放電セル14の内面には,それぞれ赤色(R),緑色(G),青色(B)の蛍光体層15が所定厚さで塗布されており,放電セル14の内部には,放電ガスが充填されている。
【0008】
上部基板20は,可視光が透過できる透明基板であり,主にガラスからなり,隔壁13の形成された下部基板10に結合される。上部基板20の下面には,アドレス電極11と直交するストライプ状の維持電極21a,21bが対をなして形成されている。維持電極21a,21bは可視光が透過可能なように,主にITO(Indium Tin Oxide)のような透明な導電性材料からなる。そして,維持電極21a,21bのライン抵抗を減らすために,維持電極21a,21bそれぞれの下面には,金属材質からなるバス電極22a,22bが維持電極21a,21bより狭幅に形成されている。かかる維持電極21a,21bとバス電極22a,22bは,透明な第2誘電体層23により埋め込まれている。第2誘電体層23の下面には,酸化マグネシウム(MgO)からなる保護膜24が形成されている。
【0009】
上記のような構造のPDPで,保護膜24は,プラズマ粒子のスパッタリングによる第2誘電体層23の損傷を防止し,二次電子を放出して放電電圧を下げる役割を果たす。しかし,MgOからなる保護膜は,二次電子放出係数が低いために,放電空間内で十分な電子放出効果を出すのには限界がある。
【0010】
かかる問題点を解決するためのPDPとして,図3には,特許文献1に開示されたPDPの断面が図示されている。
【0011】
図3を参照すれば,上部基板40と下部基板30とが互いに対向するように配置され,その間に放電空間を形成する。上部基板40と下部基板30との間には,放電空間を区画して放電セル34を形成する複数の隔壁33が設けられる。下部基板30の上面には,アドレス電極31が形成され,アドレス電極31は,下部基板30の上面に形成される第1誘電体層32によって埋め込まれている。そして,上部基板40の下面には,維持電極41が形成され,維持電極41は,上部基板40の下面に形成される第2誘電体層43によって埋め込まれている。第2誘電体層43の下面には,保護膜44とカーボンナノチューブ(CNT:Carbon Nano Tube)45とが順次に積層された二次電子増幅構造体が形成される。
【0012】
【特許文献1】米国特許第6,346,775号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
このようなPDPでは,二次電子増幅構造体によって効率及び輝度が向上し,放電電圧が降下するという長所はあるが,放電中にCNT 45が破壊されるという可能性がある。そして,PDPでは,放電空間の内部が低真空状態に保持されるが,かかる低真空状態では,CNT 45の電子放出特性が良好ではないという問題点がある。
【0014】
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的とするところは,酸化された多孔性シリコンを利用して電子放出特性を向上させることができるPDP及び平板ランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,互いに対向するように配置される下部パネル及び上部パネルと,下部パネルに形成される複数のアドレス電極と,上部パネルに形成される複数の保持電極と,上部パネルに保持電極に対応して形成される複数の酸化された多孔性シリコン層とを備えるプラズマディスプレイプレイパネルが提供される。
【0016】
酸化された多孔性シリコン層は,酸化された多孔性ポリシリコン層または酸化された多孔性非晶質シリコン層であってもよい。
【0017】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,互いに対向するように配置され,その間に放電空間を形成する下部基板及び上部基板と,下部基板の上面に形成される複数のアドレス電極と,アドレス電極を埋め込むように下部基板の上面に形成される第1誘電体層と,上部基板の下面にアドレス電極と交差する方向に形成される複数の保持電極と,保持電極を埋め込むように上部基板の下面に形成される第2誘電体層と,第2誘電体層の下部に形成される酸化された多孔性シリコン層と,下部基板と上部基板との間に設けられ,放電空間を区画して放電セルを形成する複数の隔壁と,放電セルの内壁に形成される蛍光体層とを備えるプラズマディスプレイパネルが提供される。
【0018】
ここで,酸化された多孔性シリコン層は,第2誘電体層の下部全面に形成されるか,または保持電極に対応する位置に保持電極と同幅に形成可能である。酸化された多孔性シリコン層の上面には,ベース電極が形成可能である。保持電極の下面には,バス電極がさらに形成可能である。第2誘電体層及び酸化された多孔性シリコン層の下面には,保護膜が形成可能である。
【0019】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,互いに対向するように配置され,その間に放電空間を形成する下部基板及び上部基板と,下部基板の上面に形成される複数のアドレス電極と,アドレス電極を埋め込むように,下部基板の上面に形成される第1誘電体層と,上部基板の下面にアドレス電極と交差する方向に形成される複数の保持電極と,保持電極の下面に形成される複数の酸化された多孔性シリコン層と,上部基板の下面に形成され,酸化された多孔性シリコン層の下面を露出させる第2誘電体層と,下部基板と上部基板との間に設けられ,放電空間を区画して放電セルを形成する複数の隔壁と,放電セルの内壁に形成される蛍光体層とを備えるプラズマディスプレイパネルが提供される。
【0020】
保持電極と酸化された多孔性シリコン層との間には,バス電極がさらに形成されうる。このとき,バス電極は,保持電極の縁に沿って,保持電極より狭幅に形成されることが望ましく,酸化された多孔性シリコン層は,バス電極と同幅に形成可能である。
【0021】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,基板の上面に複数の保持電極を形成し,保持電極を埋め込むように誘電体層を形成するステップと,誘電体層の上面に複数のベース電極を保持電極と平行方向に形成するステップと,誘電体層の上面にベース電極を埋め込むようにシリコン層を形成するステップと,ベース電極の上部に位置したシリコン層を多孔性シリコン層に変化させるステップと,多孔性シリコン層を酸化させるステップと,誘電体層上に残っているシリコン層を除去するステップとを含むプラズマディスプレイの製造方法が提供される。
【0022】
ベース電極は,誘電体層の上面にベース電極物質を蒸着し,それをパターニングすることによりさらに形成可能である。誘電体層の上面及び酸化された多孔性シリコン層の上面に保護膜を形成するステップがさらに含まれうる。そして,保持電極の上面に,バス電極を形成するステップがさらに含まれうる。
【0023】
シリコン層は,ポリシリコン層または非晶質シリコン層であり,プラズマ化学気相蒸着(PECVD:Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法により形成可能である。多孔性シリコン層は,ベース電極の上部に位置したシリコン層がフッ化水素(HF)とエタノールとが混合された溶液により,正極酸化処理されて形成可能である。酸化された多孔性シリコン層は,多孔性シリコン層が電気化学的酸化法により酸化されて形成可能である。
【0024】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,基板の上面に複数の保持電極を形成し,保持電極の上面にバス電極を形成するステップと,保持電極及びバス電極を埋め込むように基板の上面に誘電体層を形成するステップと,誘電体層をエッチングし,バス電極の上面を露出させるトレンチを形成するステップと,バス電極の上面にシリコン層を形成するステップと,シリコン層を多孔性シリコン層に変化させるステップと,多孔性シリコン層を酸化させるステップとを含むプラズマディスプレイの製造方法が提供される。
【0025】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,本発明のさらに他の具現例によるPDPの製造方法は,基板の上面に複数の保持電極を形成し,保持電極を埋め込むように誘電体層を形成するステップと,誘電体層をエッチングし,保持電極の上面を露出させるトレンチを形成するステップと,保持電極の上面にシリコン層を形成するステップと,シリコン層を多孔性シリコン層に変化させるステップと,多孔性シリコン層を酸化させるステップとを含むプラズマディスプレイの製造方法が提供される。
【0026】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,互いに対向するように配置され,その間に放電空間を形成する下部基板及び上部基板と,下部基板の上面に形成される複数の第1電極と,第1電極を埋め込むように下部基板の上面に形成される第1誘電体層と,上部基板の下面に第1電極と交差する方向に形成される複数の第2電極と,第2電極を埋め込むように上部基板の下面に形成される第2誘電体層と,第1誘電体層の上部と第2誘電体層の下部のうち少なくとも1層に第1電極または第2電極に対応して形成される複数の酸化された多孔性シリコン層と,下部基板と上部基板との間に設けられ,放電空間を区画して放電セルを形成する複数の隔壁と,放電セルの内壁に形成される蛍光体層とを備えるプラズマディスプレイが提供される。
【0027】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,互いに対向するように配置され,その間に放電空間を形成する下部基板及び上部基板と,下部基板の上面に形成される複数の第1電極と,上部基板の下面に第1電極と交差する方向に形成される複数の第2電極と,第1及び第2電極のうちいずれか一方の電極表面に形成される複数の酸化された多孔性シリコン層と,下部基板と上部基板との間に設けられ,放電空間を区画して放電セルを形成する複数の隔壁と,放電セルの内壁に形成される蛍光体層とを備えるプラズマディスプレイパネルが提供される。
【0028】
ここで,第1及び第2電極のうち酸化された多孔性シリコン層が形成される電極は,カソード電極であってもよい。
【0029】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,互いに対向するように配置される下部パネル及び上部パネルと,下部パネルと上部パネルのうち少なくとも一方のパネルに形成される複数の放電電極と,放電電極が形成されたパネルに放電電極に対応して形成される複数の酸化された多孔性シリコン層とを備える平板パネルが提供される。
【0030】
ここで,酸化された多孔性シリコン層の一面には,ベース電極が形成可能である。酸化された多孔性シリコン層は,酸化された多孔性ポリシリコン層または酸化された多孔性非晶質シリコン層になりうる。
【0031】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,互いに対向するように配置され,その間に放電空間を形成する下部基板及び上部基板と,下部基板と上部基板のうち少なくとも一方の基板外面に形成される複数の放電電極と,放電電極が形成された基板内面側に放電電極に対応して放電電極と平行方向に形成される複数の酸化された多孔性シリコン層と,下部基板と上部基板との間に設けられる複数のスペーサと,放電空間の内壁に形成される蛍光体層とを備える平板ランプが提供される。
【0032】
ここで,放電電極が形成された基板内面と酸化された多孔性シリコン層との間には,複数のベース電極が形成可能である。このとき,ベース電極は,酸化された多孔性シリコン層と同幅に形成される。
【0033】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,基板の下面に複数の放電電極を形成し,基板の上面に複数のベース電極を形成するステップと,基板の上面にベース電極を埋め込むようにシリコン層を形成するステップと,ベース電極の上部に位置したシリコン層を多孔性シリコン層に変化させるステップと,多孔性シリコン層を酸化させるステップと,基板上に残っているシリコン層を除去するステップとを含む平板ランプの製造方法が提供される。
【0034】
ベース電極は,基板の上面にベース電極物質を蒸着し,それをパターニングすることにより形成可能である。
【0035】
シリコン層は,ポリシリコン層または非晶質シリコン層であり,PECVD法により形成可能である。多孔性シリコン層は,ベース電極の上部に位置したシリコン層がHFとエタノールとが混合された溶液により,正極酸化処理されて形成可能である。酸化された多孔性シリコン層は,多孔性シリコン層が電気化学的酸化法によって酸化されて形成可能である。
【発明の効果】
【0036】
以上説明したように本発明によれば,第一に,パネルに低真空状態でも電子放出特性にすぐれる酸化された多孔性シリコン層を形成することにより,PDP及び平板ランプの輝度と効率とを向上させることができる。第二に,PDP及び平板ランプの放電電圧を下げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0038】
図4は,本発明の第1実施形態によるプラズマディスプレイの分離斜視図であり,図5は,図4に図示されたPDPの一部断面図である。
【0039】
図4及び図5を参照すれば,本発明の実施形態によるPDPは,互いに対向するように配置される下部パネル及び上部パネルを備える。ここで,下部パネルと上部パネルとの間には,プラズマ放電が起きる放電空間が形成される。そして,下部パネルと上部パネルとの間には,放電空間を区画して放電セル114を形成し,放電セル114間の電気的,光学的干渉を防止する複数の隔壁113が設けられる。放電セル114の内部には,放電時に紫外線を発生させる放電ガスが充填されているが,かかる放電ガスとしては,一般的にネオン(Ne)ガスとキセノン(Xe)ガスとが混合されたガスが使われる。また,放電セル114の内壁には,それぞれR,G,Bの蛍光体層115が所定厚さに塗布され,かかる蛍光体層115は,放電によって発生した紫外線によって励起され,所定色相の可視光を発生させる。
【0040】
下部パネルは,下部基板110と,下部基板110の上面に形成される複数のアドレス電極111と,アドレス電極111を埋め込むように下部基板110の上面に形成される第1誘電体層112とを含む。
【0041】
下部基板110としては,一般的にガラス基板が使われる。下部基板110の上面には,複数のアドレス電極111が互いに平行に形成される。そして,アドレス電極111は,第1誘電体層112によって埋め込まれている。
【0042】
隔壁113は,第1誘電体層112の上面に,アドレス電極111と平行方向に互いに所定間隔をおいて形成される。一方,隔壁113は,アドレス電極111と直交する方向に形成され,またマトリックス状に形成されもする。蛍光体層115は,第1誘電体層112の上面及び隔壁113の側面に所定厚さに形成される。
【0043】
上部パネルは,下部基板110と一定間隔離隔されて配置される上部基板120と,上部基板120の下面に形成される複数の第1及び第2保持電極121a,121bと,第1及び第2保持電極121a,121bを埋め込むように上部基板120の下面に形成される第2誘電体層123と,第1及び第2保持電極121a,121bの下部に形成される複数の第1及び第2酸化された多孔性シリコン層126a,126bとを含む。
【0044】
上部基板120としては,一般的に可視光が透過可能なガラス基板が使われる。上部基板120の下面には,第1及び第2保持電極121a,121bが放電セル114ごとに対をなし,アドレス電極111と交差する方向に互いに平行に形成される。第1及び第2保持電極121a,121bは,主にITOのような透明な導電性材料からなる。そして,第1及び第2保持電極121a,121bそれぞれの下面には,第1及び第2保持電極121a,121bのライン抵抗を減らすために,第1及び第2バス電極122a,122bが形成される。第1及び第2バス電極122a,122bは,第1及び第2保持電極121a,121bの縁に沿って第1及び第2保持電極121a,121bの幅より狭幅に形成される。ここで,第1及び第2バス電極122a,122bは,Al,Agのような金属材質からなることが望ましい。第1及び第2保持電極121a,121bと第1及び第2バス電極122a,122bは,透明な材質の第2誘電体層123によって埋め込まれている。
【0045】
第2誘電体層123の下面には,複数の第1及び第2ベース電極125a,125bが第1及び第2保持電極121a,121bに対応して形成される。ここで,第1及び第2ベース電極125a,125bは,第1及び第2保持電極121a,121bと平行方向に形成される。第1及び第2ベース電極125a,125bは,ITO,AlまたはAgからなりうる。かかる第1及び第2ベース電極125a,125bは,その下面に第1及び第2酸化された多孔性シリコン層126a,126bを形成するための電極である。
【0046】
第1及び第2ベース電極125a,125bの下面には,それぞれ第1及び第2酸化された多孔性シリコン層126a,126bが形成される。ここで,酸化された多孔性シリコン層126a,126bは,酸化された多孔性ポリシリコン層または酸化された多孔性非晶質シリコン層(Oxidized porous amorphous silicon)になりうる。第1及び第2酸化された多孔性シリコン層126a,126bは,第1及び第2ベース電極125a,125bと同幅に形成される。かかる第1及び第2酸化された多孔性シリコン層126a,126bは,電子放出を増幅させる役割を果たす。
【0047】
第2誘電体層123の下面には,保護膜124が形成可能である。保護膜124は,プラズマ粒子のスパッタリングによる第2誘電体層123の損傷を防止し,二次電子を放出して放電電圧を下げる役割を果たす。ここで,保護膜124は,MgOからなることが望ましい。一方,保護膜124は,第1及び第2酸化された多孔性シリコン層126a,126bの下面にも形成可能である。
【0048】
のような構造のPDPで,放電のために第1及び第2保持電極121a,121bに,それぞれ,例えば1,000V及び0Vの電圧が印加されれば,放電セル114の内部では,第1保持電極121aから第2保持電極121bに向かう電界が形成される。かかる電界の形成により,第2ベース電極125bから第2酸化された多孔性シリコン層126bに電子が流入し,このように流入された電子は,第2酸化された多孔性シリコン層126bを通過しつつ加速され,放電セル114内部に放出される。一方,第1及び第2保持電極121a,121bに,それぞれ,例えば0V及び1,000Vの電圧が印加されば,第1酸化された多孔性シリコン層126aから加速された電子が放出される。
このように,PDPの上部パネルに酸化された多孔性シリコン層126a,126bを形成すれば,電子放出特性が向上されて輝度及び効率が向上する。
【0049】
図6は,本発明の第2実施形態によるPDPの一部断面図である。図6を参照すれば,下部パネルと上部パネルとが互いに対向するように配置され,その間に放電空間を形成し,かかる放電空間は,隔壁(図示せず)によって区画され,放電セル214を形成する。そして,放電セル214の内壁には,蛍光体層が形成される。
【0050】
下部パネルは,下部基板210と,下部基板210の上面に縦に平行に形成される複数のアドレス電極211と,アドレス電極211を埋め込むように下部基板210の上面に形成される第1誘電体層212とを含む。
【0051】
上部パネルは,上部基板220と,上部基板220の下面に形成される第1及び第2保持電極221a,221bと,第1及び第2保持電極221a,221bの下面に形成される第1及び第2バス電極222a,222bと,第1及び第2バス電極222a,222bの下面に形成される第1及び第2酸化された多孔性シリコン層226a,226bとを含む。
【0052】
第1及び第2保持電極221a,221bは,アドレス電極211と交差する方向に互いに平行に形成される。かかる第1及び第2保持電極221a,221bは,ITOのような透明な導電性材料からなる。そして,第1及び第2保持電極221a,221bそれぞれの下面には,第1及び第2保持電極221a,221bのライン抵抗を減らすために,第1及び第2バス電極222a,222bが形成される。また,第1及び第2バス電極222a,222bは,その下面に第1及び第2酸化された多孔性シリコン層226a,226bを形成するための電極の役割も果たす。第1及び第2バス電極222a,222bは,第1及び第2保持電極221a,221bの縁に沿って,第1及び第2保持電極221a,221bの幅より狭幅に形成される。ここで,第1及び第2バス電極222a,222bは,Al,Agのような金属材質からなることが望ましい。
【0053】
第1及び第2バス電極222a,222bの下面には,第1及び第2酸化された多孔性シリコン層226a,226bが形成される。ここで,酸化された多孔性シリコン層226a,226bは,酸化された多孔性ポリシリコン層または酸化された多孔性非晶質シリコン層になりうる。第1及び第2酸化された多孔性シリコン層226a,226bは,第1及び第2バス電極222a,222bに沿って第1及び第2バス電極222a,222bと同幅に形成される。
【0054】
上部基板220の下面には,透明な材質の第2誘電体層223が第1及び第2酸化された多孔性シリコン層226a,226bの下面を露出させるように形成される。第2誘電体層223の下面には,保護膜224が形成可能である。ここで,保護膜224は,MgOからなることが望ましい。保護膜224は,第1及び第2酸化された多孔性シリコン層226a,226bの下面にも形成可能である。
【0055】
一方,本実施形態では,保持電極221a,221bと酸化された多孔性シリコン層226a,226bとの間に,バス電極222a,222bが形成されずに,酸化された多孔性シリコン層226a,226bが保持電極221a,221bの下面に直接形成されもする。この場合,酸化された多孔性シリコン層226a,226bは,保持電極221a,221bと同幅に形成される。そして,第2誘電体層223は,酸化された多孔性シリコン層226a,226bの下面を露出させるように,上部基板220の下面に形成される。
【0056】
上記のような構造のPDPで,酸化された多孔性シリコン層226a,226bから加速された電子が放出される過程は,前述した実施形態と類似しているので,これについての詳細な説明は省略する。
【0057】
以下では,本発明の実施形態によるPDPの製造方法について説明する。図7A〜図7Gは図4に図示されたPDPの上部パネルを製造する方法を説明するための図面である。図7A〜図7Gで,基板及び誘電体層は,それぞれ図4に図示された上部基板及び第2誘電体層を表す。
【0058】
まず,図7Aを参照すれば,基板120の上面に,ITOのような透明な導電性材料を蒸着した後,これをパターニングして複数の第1及び第2保持電極121a,121bを形成する。そして,第1及び第2保持電極121a,121bの上面に,Al,Agのような金属物質を蒸着した後,これをパターニングして複数の第1及び第2バス電極122a,122bを形成する。ここで,第1及び第2バス電極122a,122bは,第1及び第2保持電極121a,121bの縁に沿って,第1及び第2保持電極121a,121bより狭幅に形成される。次に,基板120の上面に,保持電極121a,121b及びバス電極122a,122bを埋め込むように誘電体層123を形成する。
【0059】
次に,図7Bを参照すれば,誘電体層123の上面に,ITO,Al,Agのようなベース電極物質125を所定厚さに蒸着する。そして,ベース電極物質125を所定形態にパターニングすれば,図7Cに図示されているように,第1及び第2保持電極121a,121bの上部に,第1及び第2ベース電極125a,125bが形成される。
次に,図7Dを参照すれば,誘電体層123の上面に第1及び第2ベース電極125a,125bを埋め込むようにシリコン層127を形成する。ここで,シリコン層127は,ポリシリコン層または非晶質シリコン層になりうる。シリコン層127は,ほぼ400℃以下の温度でPECVD法により所定厚さに形成可能である。
【0060】
次に,図7Eを参照すれば,第1及び第2ベース電極125a,125bの上部に位置したシリコン層127を多孔性シリコン層に変化させる。具体的に,多孔性シリコン層は,第1及び第2ベース電極125a,125bに所定の電流密度を印加した状態で,HFとエタノールとを混合した溶液でシリコン層を正極酸化処理することにより形成可能である。次に,多孔性シリコン層を電気化学的酸化法により酸化させる。具体的には,多孔性シリコン層を硫酸水溶液に入れた状態で,多孔性シリコン層に所定の電流密度を印加すれば,多孔性シリコン層は,酸化された多孔性シリコン層126a,126bに変わる。
【0061】
次に,図7Fを参照すれば,誘電体層123上に残っているシリコン層127を除去する。最後に,図7Gを参照すれば,誘電体層123の上面及び酸化された多孔性シリコン層126a,126bの上面に,MgOからなる保護膜124を形成する。一方,保護膜124は,誘電体層123の上面にだけ形成されもする。の工程を介して製造された上部パネルと,アドレス電極が形成された下部パネルとを結合することによりPDPが完成される。
【0062】
図8A〜図8Eは,図6に図示されたPDPの上部パネルを製造する方法を説明するための図面である。図8A〜図8Eで,基板及び誘電体層は,それぞれ図6に図示された上部基板及び第2誘電体層を表す。
【0063】
まず,図8Aを参照すれば,基板220上に,第1及び第2保持電極221a,221bを形成し,第1及び第2保持電極221a,221bの上面に,第1及び第2バス電極222a,222bを形成する。そして,基板220の上面に,保持電極221a,221b及びバス電極222a,222bを埋め込むように誘電体層223を形成する。
【0064】
次に,図8Bを参照すれば,誘電体層223をエッチングし,第1及び第2バス電極222a,222bの上面を露出させるトレンチ230を形成する。次に,図8Cを参照すれば,第1及び第2バス電極222a,222bの上面に,シリコン層227を形成する。ここで,シリコン層227は,ポリシリコン層または非晶質シリコン層になりうる。シリコン層227は,ほぼ400℃以下の温度でPECVD法により所定厚さに形成可能である。
【0065】
次に,図8Dを参照すれば,第1及び第2バス電極222a,222bの上面に形成されたシリコン層227を多孔性シリコン層に変化させる。具体的に,多孔性シリコン層は,第1及び第2バス電極222a,222bに所定の電流密度を印加した状態で,HFとエタノールとを混合した溶液でシリコン層227を正極酸化処理することにより形成可能である。次に,多孔性シリコン層を電気化学的酸化法によって酸化させる。具体的には,多孔性シリコン層を硫酸水溶液に入れた状態で,多孔性シリコン層に所定の電流密度を印加すれば,多孔性シリコン層は,酸化された多孔性シリコン層226a,226bに変わる。
【0066】
最後に,図8Eを参照すれば,誘電体層223の上面及び酸化された多孔性シリコン層226a,226bの上面に,MgOからなる保護膜224を形成する。一方,保護膜224は,誘電体層223の上面にだけ形成されもする。
【0067】
一方,酸化された多孔性シリコン層226a,226bが保持電極221a,221bの下面に直接形成される上部パネルを製造する場合には,の工程で,バス電極222a,222bを形成するステップが省略される。その場合,誘電体層223が保持電極221a,221bの上面を露出させるようにエッチングされ,保持電極221a,221bの上面には,シリコン層227が形成される。そして,シリコン層227は,前述のように,酸化された多孔性シリコン層226a,226bに変化する。
【0068】
図9は,本発明の第3実施形態によるPDPの一部断面図である。図9を参照すれば,下部基板410と上部基板420とが互いに一定の間隔をおいて対向するように設けられ,その間に放電空間を形成する。そして,下部基板410と上部基板420との間には,放電空間を区画して放電セル414を形成する複数の隔壁(図示せず)が設けられ,放電セル414の内壁には,蛍光体層415が形成される。
【0069】
下部基板410の上面には,複数のアドレス電極411が形成され,かかるアドレス電極411は,第1誘電体層412によって埋め込まれている。上部基板420の下面には,複数の第1及び第2保持電極421a,421bが,アドレス電極411と交差する方向に形成され,第1及び第2保持電極421a,421bの下面には,それぞれ第1及び第2バス電極422a,422bが形成される。第1及び第2保持電極421a,421bと第1及び第2バス電極422a,422bは,第2誘電体層423によって埋め込まれている。
【0070】
第2誘電体層423の下面全体には,ベース電極425が形成される。ここで,ベース電極425は,その下面に酸化された多孔性シリコン層426を形成するための電極である。ベース電極425は,ITO,AlまたはAgからなりうる。そして,ベース電極425の下面全体には,酸化された多孔性シリコン層426が形成される。ここで,酸化された多孔性シリコン層426は,酸化された多孔性ポリシリコン層または酸化された多孔性非晶質シリコン層になりうる。ここで,酸化された多孔性シリコン層426は,電子放出を増幅させる役割だけでなく,保護膜の機能も果たす。
【0071】
以上では,酸化された多孔性シリコンが交流型面放電構造のPDPに適用されている場合が説明されたが,酸化された多孔性シリコンは,交流型対向放電構造のPDPにも適用可能である。
【0072】
図10は,本発明の第4実施形態によるPDPの一部断面図である。図10を参照すれば,下部基板510と上部基板520とが互いに一定の間隔をおいて対向するように設けられ,その間に放電空間を形成する。そして,下部基板510と上部基板520との間には,放電空間を区画して放電セル514を形成する複数の隔壁(図示せず)が設けられ,放電セル514の内壁には,蛍光体層(図示せず)が形成される。
【0073】
下部基板510の上面及び上部基板520の下面には,それぞれ放電セル514の内部に放電を起こすための複数の第1電極521a及び第2電極521bが対で形成される。ここで,第1電極521aと第2電極521bは,互いに直交する方向に形成される。そして,下部基板510の上面には,第1電極521aを覆うように第1誘電体層512が形成され,上部基板520の下面には,第2電極521bを覆うように第2誘電体層523が形成される。
【0074】
第1誘電体層512の上面には,複数の第1ベース電極525aが第1電極521aに対応して形成される。ここで,第1ベース電極525aは,第1電極521aに平行方向に形成される。そして,第2誘電体層523の下面には,複数の第2ベース電極525bが第2電極521bに対応して形成される。ここで,第2ベース電極525bは,第2電極521bに平行方向に形成される。第1及び第2ベース電極525a,525bは,ITO,AlまたはAgからなりうる。
【0075】
第1ベース電極525aの上面及び第2ベース電極525bの下面には,それぞれ第1及び第2酸化された多孔性シリコン層526a,526bが形成される。ここで,酸化された多孔性シリコン層526a,526bは,酸化された多孔性ポリシリコン層または酸化された多孔性非晶質シリコン層になりうる。第1及び第2酸化された多孔性シリコン層526a,526bは,第1及び第2ベース電極525a,525bと同幅に形成される。一方,第1誘電体層512及び第2誘電体層523の表面には,MgOからなる保護膜(図示せず)がさらに形成可能である。
【0076】
上記のような構造のPDPで,第1電極521aと第2電極521bとの間に,所定の交流電圧が印加されれば,加速された電子が第1及び第2酸化された多孔性シリコン層526a,526bから交互に放出され,パネルの輝度及び効率が向上されうる。
一方,酸化された多孔性シリコンは,直流型PDPにも適用可能である。
【0077】
図11は,本発明の第5実施形態によるPDPの一部断面図である。図11を参照すれば,下部基板610と上部基板620とが互いに一定の間隔をおいて対向するように設けられ,その間に放電空間を形成する。そして,下部基板610と上部基板620との間には,放電空間を区画して放電セル614を形成する複数の隔壁(図示せず)が設けられ,放電セル614の内壁には,蛍光体層(図示せず)が形成される。
【0078】
下部基板610の上面には,複数の第1電極621aが形成される。ここで,第1電極621aは,カソード電極になる。そして,第1電極621aの上面には,酸化された多孔性シリコン層626が形成される。ここで,酸化された多孔性シリコン層626は,酸化された多孔性ポリシリコン層または酸化された多孔性非晶質シリコン層になりうる。そして,上部基板620の下面には,複数の第2電極621bが第1電極621aに直交する方向に形成される。ここで,第2電極621bは,アノード電極になる。
【0079】
のような構造のPDPで,カソード電極の第1電極621aとアノード電極の第2電極621bとの間に所定の電圧が印加されれば,第1電極621aから酸化された多孔性シリコン層626に電子が流入し,このように流入された電子は,酸化された多孔性シリコン層626を通過しつつ加速され,放電セル614内部に放出される。
【0080】
以上では,第1電極621aがカソード電極になり,第2電極621bがアノード電極になる場合を説明したが,第1電極621aがアノード電極になり,第2電極621bがカソード電極になる場合も適用可能である。その場合には,酸化された多孔性シリコン層626が第2電極621bの下面に形成される。
【0081】
一方,上記の電子放出特性を向上させる酸化された多孔性シリコンは,LCD(Liquid Crystal Display)のバックライトとして主に利用される平板ランプにも適用可能である。図12は,本発明の実施形態による平板ランプの断面を図示した図面である。
【0082】
図12を参照すれば,本発明の実施形態による平板ランプは,互いに対向するように配置され,その間に放電空間を形成する下部パネル及び上部パネルを備える。下部パネル及び上部パネルの間には,複数のスペーサ313が設けられ,かかるスペーサ313により,放電空間は,複数の放電セル314に区画される。放電セル314の内部には,主にNeガスとXeガスとが混合された放電ガスが充填され,放電セル314の内壁には,蛍光体層315が形成される。
【0083】
下部パネルは,下部基板310と,下部基板310の下面に形成される複数の第1及び第2放電電極311a,311b,下部基板310の上面に形成される複数の第1及び第2ベース電極335a,335b,及び第1及び第2ベース電極335a,335bの上面に形成される複数の第1及び第2酸化された多孔性シリコン層336a,336bを含む。
【0084】
下部基板310としては,一般的にガラス基板が使われる。第1及び第2放電電極311a,311bは,下部基板310の下面に所定間隔をおいて互いに平行に形成される。かかる第1及び第2放電電極311a,311bは,ITO,Al,Agのような導電性材料からなりうる。第1及び第2ベース電極335a,335bは,下部基板310の上面に,第1及び第2放電電極311a,311bに対応して形成される。そして,第1及び第2ベース電極335a,335bは,第1及び第2放電電極311a,311bに平行方向に形成される。かかる第1及び第2ベース電極335a,335bは,その上面に第1及び第2酸化された多孔性シリコン層336a,336bを形成するための電極である。第1及び第2ベース電極335a,335bは,ITO,Al,Agのような導電性材料からなりうる。
【0085】
第1及び第2酸化された多孔性シリコン層336a,336bは,第1及び第2ベース電極335a,335bと同幅に形成される。ここで,酸化された多孔性シリコン層336a,336bは,酸化された多孔性ポリシリコン層または酸化された多孔性非晶質シリコン層になりうる。かかる第1及び第2酸化された多孔性シリコン層336a,336bは,電子放出を増幅させる役割を果たす。
【0086】
上部パネルは,下部基板310と一定間隔離隔されて配置される上部基板320と,上部基板320の上面に形成される複数の第3及び第4放電電極321a,321bと,上部基板320の下面に形成される複数の第3及び第4ベース電極325a,325bと,第3及び第4ベース電極325a,325bの下面に形成される複数の第3及び第4酸化された多孔性シリコン層326a,326bとを含む。
【0087】
上部基板320としては,一般的にガラス基板が使われる。第3及び第4放電電極321a,321bは,所定間隔をおいて第1及び第2放電電極311a,311bと平行方向に形成される。第3及び第4放電電極321a,321bは,ITOのような透明な導電性材料からなることが望ましい。一方,第3及び第4放電電極321a,321bは,Al,Agのような導電性材料からなることも可能である。第3及び第4ベース電極325a,325bは,上部基板320の下面に,第3及び第4放電電極321a,321bに対応して第3及び第4放電電極321a,321bに平行方向に形成される。かかる第3及び第4ベース電極325a,325bは,その下面に,第3及び第4酸化された多孔性シリコン層326a,326bを形成するための電極である。第3及び第4ベース電極325a,325bは,ITOのような透明な導電性材料からなることが望ましい。一方,第3及び第4ベース電極325a,325bは,Al,Agのような導電性材料からなることも可能である。
【0088】
第3及び第4酸化された多孔性シリコン層326a,326bは,第3及び第4ベース電極325a,325bと同幅に形成される。ここで,酸化された多孔性シリコン層326a,326bは,酸化された多孔性ポリシリコン層または酸化された多孔性非晶質シリコン層になりうる。かかる第3及び第4酸化された多孔性シリコン層326a,326bは,電子放出を増幅させる役割を果たす。
【0089】
上記のような構造の平板ランプで,第1及び第2放電電極311a,311bに所定の電圧が印加されれば,第1または第2酸化された多孔性シリコン層336a,336bから加速された電子が放電セル314の内部に放出され,第3及び第4放電電極321a,321bに所定の電圧が印加されれば,第3及び第4酸化された多孔性シリコン層326a,326bから加速された電子が放電セル314の内部に放出される。かかる電子放出の増幅効果により,ランプの輝度及び効率が向上する。
【0090】
以上では,一対の放電電極が上部パネルと下部パネルいずれにも形成された面放電型構造の平板ランプが説明されたが,本実施形態はこれに限定されずに,一対の放電電極が上部パネルと下部パネルのうちいずれか一方のパネルにだけ形成された面放電型構造の平板ランプにも適用可能である。また,本実施形態は,一対の放電電極がそれぞれ上部パネルと下部パネルとに形成された対向放電型構造の平板ランプにも適用可能である。
【0091】
以下では,本発明の実施形態による平板ランプの製造方法について説明する。図13A〜図13Eは,図12に図示された平板ランプの下部パネルを製造する方法を説明するための図面である。図13A〜図13Eで,基板は,図12に図示された下部基板を表す。
【0092】
まず,図13Aを参照すれば,基板310の下面に,ITO,Al,Agのような導電性材料を蒸着した後,これをパターニングして第1及び第2放電電極311a,311bを形成する。そして,基板310の上面には,ITO,Al,Agのようなベース電極物質335を所定厚さに蒸着する。次に,ベース電極物質335を所定形態にパターニングすれば,図13Bに図示されているように,第1及び第2ベース電極335a,335bが形成される。
【0093】
次に,図13Cを参照すれば,基板310の上面に,第1及び第2ベース電極335a,335bを埋め込むようにシリコン層337を形成する。ここで,シリコン層127は,ポリシリコン層または非晶質シリコン層になりうる。シリコン層337は,ほぼ400℃以下の温度でPECVD法により所定厚さに形成可能である。
次に,図13Dを参照すれば,第1及び第2ベース電極335a,335bの上部に位置したシリコン層337を多孔性シリコン層に変化させる。具体的に,多孔性シリコン層は,第1及び第2ベース電極335a,335bに所定の電流密度を印加した状態で,HFとエタノールとを混合した溶液でシリコン層337を正極酸化処理することにより形成可能である。次に,多孔性シリコン層を電気化学的酸化法により酸化させる。具体的には,多孔性シリコン層を硫酸水溶液に入れた状態で,多孔性シリコン層に所定の電流密度を印加すれば,多孔性シリコン層は,酸化された多孔性シリコン層336a,336bに変わる。
【0094】
次に,図13Eを参照すれば,基板310上に残っているシリコン層337を除去すれば,平板ランプの下部パネルが完成される。一方,平板ランプの上部パネルも前述した過程と同じ過程を経て完成される。
【0095】
図14A及び図14Bは,それぞれ放電ガスの圧力変化による電圧特性を測定するために,実験対象になった従来の平板ランプと本発明による平板ランプの断面を図示した図面である。本実験は,測定上の便宜のために,対向放電構造の平板ランプを対象に実施された。
【0096】
図14Aを参照すれば,従来の平板ランプでは,下部基板710及び上部基板720の外面に,放電電極711,721が設けられており,下部基板710及び上部基板720の内面には,それぞれシリコンウェーハ731が設けられている。そして,図14Bを参照すれば,本発明による平板ランプでは,下部基板810及び上部基板820の外面に,放電電極811,821が設けられており,下部基板810及び上部基板820の内面には,それぞれ酸化された多孔性シリコン層836が設けられている。図14Bで,参照符号830,835及び837は,それぞれ基板,ベース電極及びシリコン層を表す。
【0097】
図15は,図14A及び図14Bにそれぞれ図示された従来の平板ランプ及び本発明による平板ランプで,放電ガスの圧力変化による電圧特性の測定結果を比較して図示しグラフである。図15を参照すれば,本発明による平板ランプの放電開始電圧Vf及び放電保持電圧Vsは,それぞれ従来の平板ランプの放電開始電圧Vf及び放電保持電圧Vsに比べて低くなっていることが分かる。
【0098】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は,PDP及び平板ランプ関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】従来PDPの分離斜視図である。
【図2A】図1に図示されたPDPの断面図である。
【図2B】図1に図示されたPDPの断面図である。
【図3】従来の他のPDPの断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態によるPDPの分離斜視図である。
【図5】図4に図示されたPDPの一部断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態によるPDPの一部断面図である。
【図7A】図4に図示されたPDPの製造方法を説明するための図面である。
【図7B】図4に図示されたPDPの製造方法を説明するための図面である。
【図7C】図4に図示されたPDPの製造方法を説明するための図面である。
【図7D】図4に図示されたPDPの製造方法を説明するための図面である。
【図7E】図4に図示されたPDPの製造方法を説明するための図面である。
【図7F】図4に図示されたPDPの製造方法を説明するための図面である。
【図7G】図4に図示されたPDPの製造方法を説明するための図面である。
【図8A】図6に図示されたPDPの製造方法を説明するための図面である。
【図8B】図6に図示されたPDPの製造方法を説明するための図面である。
【図8C】図6に図示されたPDPの製造方法を説明するための図面である。
【図8D】図6に図示されたPDPの製造方法を説明するための図面である。
【図8E】図6に図示されたPDPの製造方法を説明するための図面である。
【図9】本発明の第3実施形態によるPDPの一部断面図である。
【図10】本発明の第4実施形態によるPDPの一部断面図である。
【図11】本発明の第5実施形態によるPDPの一部断面図である。
【図12】本発明の実施形態による平板ランプの一部断面図である。
【図13A】図12に図示された平板ランプの製造方法を説明するための図面である。
【図13B】図12に図示された平板ランプの製造方法を説明するための図面である。
【図13C】図12に図示された平板ランプの製造方法を説明するための図面である。
【図13D】図12に図示された平板ランプの製造方法を説明するための図面である。
【図13E】図12に図示された平板ランプの製造方法を説明するための図面である。
【図14A】放電ガスの圧力変化による電圧特性を測定するために実験対象になった従来の平板ランプの断面を図示した図面である。
【図14B】放電ガスの圧力変化による電圧特性を測定するために実験対象になった本発明による平板ランプの断面を図示した図面である。
【図15】図14A及び図14Bにそれぞれ図示された従来の平板ランプ及び本発明による平板ランプで,放電ガスの圧力変化による電圧特性の測定結果を比較して示したグラフである。
【符号の説明】
【0101】
110 下部基板
111 アドレス電極
112 第1誘電体層
113 隔壁
114 放電セル
115 蛍光体層
120 上部基板
121a,121b 第1及び第2保持電極
122a,122b 第1及び第2バス電極
123 第2誘電体層
124 保護膜
125a,125b 第1及び第2ベース電極
126a,126b 第1及び第2酸化された多孔性シリコン層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向するように配置される下部パネル及び上部パネルと;
前記下部パネルに形成される複数のアドレス電極と;
前記上部パネルに形成される複数の維持電極と;
前記上部パネルに前記維持電極に対応して形成される複数の酸化された多孔性シリコン層と;
を備えることを特徴とする,プラズマディスプレイパネル。
【請求項2】
前記酸化された多孔性シリコン層は,酸化された多孔性ポリシリコン層または酸化された多孔性非晶質シリコン層であることを特徴とする,請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項3】
前記維持電極の下部には,ベース電極が形成され,前記ベース電極の下面には,前記酸化された多孔性シリコン層が形成されることを特徴とする,請求項1または2のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項4】
前記維持電極の下面には,バス電極がさらに形成されることを特徴とする,請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項5】
互いに対向するように配置され,その間に放電空間を形成する下部基板及び上部基板と;
前記下部基板の上面に形成される複数のアドレス電極と;
前記アドレス電極を埋め込むように前記下部基板の上面に形成される第1誘電体層と;
前記上部基板の下面に前記アドレス電極と交差する方向に形成される複数の維持電極と;
前記維持電極を埋め込むように前記上部基板の下面に形成される第2誘電体層と;
前記第2誘電体層の下部に形成される酸化された多孔性シリコン層と;
前記下部基板と上部基板との間に設けられ,前記放電空間を区画して放電セルを形成する複数の隔壁と;
前記放電セルの内壁に形成される蛍光体層と;
を備えることを特徴とする,プラズマディスプレイパネル。
【請求項6】
前記酸化された多孔性シリコン層は,酸化された多孔性ポリシリコン層または酸化された多孔性非晶質シリコン層であることを特徴とする,請求項5に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項7】
前記酸化された多孔性シリコン層は,前記第2誘電体層の下部全面に形成されることを特徴とする,請求項5または6のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項8】
前記酸化された多孔性シリコン層は,前記維持電極に対応する位置に前記維持電極と同幅に形成されることを特徴とする,請求項5〜7のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項9】
前記酸化された多孔性シリコン層の上面には,ベース電極が形成されることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項10】
前記維持電極の下面には,バス電極がさらに形成されることを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項11】
前記第2誘電体層及び酸化された多孔性シリコン層の下面には,保護膜が形成されることを特徴とする請求項5〜10のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項12】
互いに対向するように配置され,その間に放電空間を形成する下部基板及び上部基板と;
前記下部基板の上面に形成される複数のアドレス電極と;
前記アドレス電極を埋め込むように前記下部基板の上面に形成される第1誘電体層と;
前記上部基板の下面に前記アドレス電極と交差する方向に形成される複数の維持電極と;
前記維持電極の下面に形成される複数の酸化された多孔性シリコン層と;
前記上部基板の下面に形成され,前記酸化された多孔性シリコン層の下面を露出させる第2誘電体層と;
前記下部基板と前記上部基板との間に設けられ,前記放電空間を区画して放電セルを形成する複数の隔壁と;
前記放電セルの内壁に形成される蛍光体層と;
を備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【請求項13】
前記酸化された多孔性シリコン層は,酸化された多孔性ポリシリコン層または酸化された多孔性非晶質シリコン層であることを特徴とする,請求項12に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項14】
前記維持電極と前記酸化された多孔性シリコン層との間には,バス電極がさらに形成されることを特徴とする,請求項12または13のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項15】
前記バス電極は,前記維持電極の縁に沿って前記維持電極より狭幅に形成されることを特徴とする,請求項14に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項16】
前記酸化された多孔性シリコン層は,前記バス電極と同幅に形成されることを特徴とする,請求項15に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項17】
前記第2誘電体層及び酸化された多孔性シリコン層の下面には,保護膜が形成されることを特徴とする請求項12〜16のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項18】
基板の上面に複数の維持電極を形成し,前記維持電極を埋め込むように誘電体層を形成するステップと;
前記誘電体層の上面に複数のベース電極を前記維持電極と平行方向に形成するステップと;
前記誘電体層の上面に前記ベース電極を埋め込むようにシリコン層を形成するステップと;
前記ベース電極の上部に位置した前記シリコン層を多孔性シリコン層に変化させるステップと;
前記多孔性シリコン層を酸化させるステップと;
前記誘電体層上に残っている前記シリコン層を除去するステップと;
を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項19】
前記ベース電極は,前記誘電体層の上面にベース電極物質を蒸着し,それをパターニングすることにより形成されることを特徴とする請求項18に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項20】
前記誘電体層の上面及び前記酸化された多孔性シリコン層の上面に,保護膜を形成するステップをさらに含むことを特徴とする,請求項18または19のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項21】
前記維持電極の上面に,バス電極を形成するステップをさらに含むことを特徴とする,請求項18〜20のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項22】
前記シリコン層は,ポリシリコン層または非晶質シリコン層であり,プラズマ化学気相蒸着法により形成されることを特徴とする,請求項18〜21のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項23】
前記多孔性シリコン層は,前記ベース電極の上部に位置した前記シリコン層がフッ化水素とエタノールとが混合された溶液により,正極酸化処理されて形成されることを特徴とする,請求項18〜22のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項24】
前記酸化された多孔性シリコン層は,前記多孔性シリコン層が電気化学的酸化法により酸化されて形成されることを特徴とする,請求項18〜24のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項25】
基板の上面に複数の維持電極を形成し,前記維持電極の上面にバス電極を形成するステップと;
前記維持電極及びバス電極を埋め込むように前記基板の上面に誘電体層を形成するステップと;
前記誘電体層をエッチングし,前記バス電極の上面を露出させるトレンチを形成するステップと;
前記バス電極の上面にシリコン層を形成するステップと;
前記シリコン層を多孔性シリコン層に変化させるステップと;
前記多孔性シリコン層を酸化させるステップと;
を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項26】
前記誘電体層の上面及び前記酸化されたシリコン層の上面に,保護膜を形成するステップをさらに含むことを特徴とする,請求項25に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項27】
前記シリコン層は,ポリシリコン層または非晶質シリコン層であり,プラズマ化学気相蒸着法により形成されることを特徴とする,請求項25または26のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項28】
前記多孔性シリコン層は,前記ベース電極の上部に位置した前記シリコン層がフッ化水素とエタノールとが混合された溶液により,正極酸化処理されて形成されることを特徴とする請求項25〜27のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項29】
前記酸化された多孔性シリコン層は,前記多孔性シリコン層が電気化学的酸化法によって酸化されて形成されることを特徴とする請求項25〜28のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項30】
基板の上面に複数の維持電極を形成し,前記維持電極を埋め込むように誘電体層を形成するステップと;
前記誘電体層をエッチングし,前記維持電極の上面を露出させるトレンチを形成するステップと;
前記維持電極の上面にシリコン層を形成するステップと;
前記シリコン層を多孔性シリコン層に変化させるステップと;
前記多孔性シリコン層を酸化させるステップと;
を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項31】
互いに対向するように配置され,その間に放電空間を形成する下部基板及び上部基板と,
前記下部基板の上面に形成される複数の第1電極と;
前記第1電極を埋め込むように前記下部基板の上面に形成される第1誘電体層と;
前記上部基板の下面に前記第1電極と交差する方向に形成される複数の第2電極と;
前記第2電極を埋め込むように前記上部基板の下面に形成される第2誘電体層と;
前記第1誘電体層の上部と前記第2誘電体層の下部のうち少なくとも1層に前記第1電極または第2電極に対応して形成される複数の酸化された多孔性シリコン層と;
前記下部基板と上部基板との間に設けられ,前記放電空間を区画して放電セルを形成する複数の隔壁と;
前記放電セルの内壁に形成される蛍光体層と;
を備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【請求項32】
前記酸化された多孔性シリコン層は,酸化された多孔性ポリシリコン層または酸化された多孔性非晶質シリコン層であることを特徴とする,請求項31に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項33】
前記誘電体層と酸化された多孔性シリコン層との間には,ベース電極が形成されることを特徴とする,請求項31または32のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項34】
互いに対向するように配置され,その間に放電空間を形成する下部基板及び上部基板と;
前記下部基板の上面に形成される複数の第1電極と;
前記上部基板の下面に前記第1電極と交差する方向に形成される複数の第2電極と;
前記第1及び第2電極のうちいずれか一方の電極表面に形成される複数の酸化された多孔性シリコン層と;
前記下部基板と上部基板との間に設けられ,前記放電空間を区画して放電セルを形成する複数の隔壁と;
前記放電セルの内壁に形成される蛍光体層とを備えることを特徴とする,プラズマディスプレイパネル。
【請求項35】
前記第1及び第2電極のうち前記酸化された多孔性シリコン層が形成される電極は,カソード電極であることを特徴とする,請求項34に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項36】
前記酸化された多孔性シリコン層は,酸化された多孔性ポリシリコン層または酸化された多孔性非晶質シリコン層であることを特徴とする,請求項34または35のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項37】
互いに対向するように配置される下部パネル及び上部パネルと;
前記下部パネルと上部パネルのうち少なくとも一方のパネルに形成される複数の放電電極と;
前記放電電極が形成されたパネルに前記放電電極に対応して形成される複数の酸化された多孔性シリコン層と;
を備えることを特徴とする,平板ランプ。
【請求項38】
前記酸化された多孔性シリコン層は,酸化された多孔性ポリシリコン層または酸化された多孔性非晶質シリコン層であることを特徴とする,請求項37に記載の平板ランプ。
【請求項39】
前記酸化された多孔性シリコン層の一面には,ベース電極が形成されることを特徴とする請求項37または38のいずれかに記載の平板ランプ。
【請求項40】
互いに対向するように配置され,その間に放電空間を形成する下部基板及び上部基板と,
前記下部基板と上部基板のうち少なくとも一方の基板外面に形成される複数の放電電極と;
前記放電電極が形成された基板内面側に前記放電電極に対応して前記放電電極と平行方向に形成される複数の酸化された多孔性シリコン層と;
前記下部基板と上部基板との間に設けられる複数のスペーサと;
前記放電空間の内壁に形成される蛍光体層と;
を備えることを特徴とする,平板ランプ。
【請求項41】
前記酸化された多孔性シリコン層は,酸化された多孔性ポリシリコン層または酸化された多孔性非晶質シリコン層であることを特徴とする,請求項40に記載の平板ランプ。
【請求項42】
前記放電電極が形成された基板内面と前記酸化された多孔性シリコン層との間には,複数のベース電極が形成されることを特徴とする,請求項40または41のいずれかに記載の平板ランプ。
【請求項43】
基板の下面に複数の放電電極を形成し,前記基板の上面に複数のベース電極を形成するステップと;
前記基板の上面に前記ベース電極を埋め込むようにシリコン層を形成するステップと;
前記ベース電極の上部に位置した前記シリコン層を多孔性シリコン層に変化させるステップと;
前記多孔性シリコン層を酸化させるステップと;
前記基板上に残っているシリコン層を除去するステップと;
を含むことを特徴とする,平板ランプの製造方法。
【請求項44】
前記ベース電極は,前記基板の上面にベース電極物質を蒸着し,当該ベース電極物質をパターニングすることにより形成されることを特徴とする,請求項43に記載の平板ランプの製造方法。
【請求項45】
前記シリコン層は,ポリシリコン層または非晶質シリコン層であり,プラズマ化学気相蒸着法により形成されることを特徴とする,請求項43または44のいずれかに記載の平板ランプの製造方法。
【請求項46】
前記多孔性シリコン層は,前記ベース電極の上部に位置した前記シリコン層がフッ化水素とエタノールとが混合された溶液により,正極酸化処理されて形成されることを特徴とする,請求項43〜45のいずれかに記載の平板ランプの製造方法。
【請求項47】
前記酸化された多孔性シリコン層は,前記多孔性シリコン層が電気化学的酸化法によって酸化されて形成されることを特徴とする,請求項43〜46のいずれかに記載の平板ランプの製造方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図13E】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−32341(P2006−32341A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−204256(P2005−204256)
【出願日】平成17年7月13日(2005.7.13)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】