説明

プラズマディスプレイ装置及びその表示方法

【課題】表示負荷率に応じて変化するサスティンパルス数に適した階調数を選択することができるプラズマディスプレイ装置を提供することを課題とする。
【解決手段】1フィールドが輝度の重み付けされた複数のサブフィールドからなり、各サブフィールドの点灯を制御することにより映像を階調表現するプラズマディスプレイ装置であって、入力映像信号の表示負荷率を演算する負荷率演算部(114)と、前記表示負荷率に応じて1フィールドの総サスティンパルス数を変更制御するとともに、表現できる階調数を変更制御する変更制御部(115,116)と、を有し、前記変更制御部により変更制御される複数の階調数のうちの最小階調数と最大階調数の比は少なくとも2倍であって、前記変更制御部により前記階調数を変更した場合においても、前記1フィールドを構成する前記複数のサブフィールド数は一定であることを特徴とするプラズマディスプレイ装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイ装置及びその表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマディスプレイ装置は、電力一定制御を行っているため、表示負荷率に応じて発光可能なサスティンパルス数は決められてしまう。また、プラズマディスプレイ装置の実階調数は全サブフィールドの重みの合計で決まり、これは表示負荷率には依存しない。そのため、表示負荷率の小さい映像つまり暗い映像では総サスティンパルス数が多くなるので、1階調当たりの発光サスティンパルス数は多くなる。一方、表示負荷率の大きい映像つまり明るい映像では総サスティンパルス数が少なくなるので、1階調当たりの発光サスティンパルス数が少ない。特に最小重みのサブフィールドは誤差拡散処理ビットに使われるため、映像シーンに依存して誤差拡散ビットの輝度が変化するため、フリッカとして認識されてしまう。また、表示負荷率の小さい暗い映像では、低階調値部の表現力が不十分であった。これは、明るい映像と比較して暗い映像ほど階調値間の輝度差が大きいためである。
【0003】
下記の特許文献1は、映像データの平均輝度レベル(APL)に応じて1フィールドのピーク輝度を変化させている。しかし、投入電力量を制御したり、ピーク輝度を向上させるために各サブフィールドの表示負荷率に応じてサスティンパルス数を制御したり、またプラズマディスプレイパネルや回路部品等の熱を一定温度以下に保つためにサスティンパルス数を減少させる制御等を行うと、APLとサスティンパルス数とは必ずしも一致しない。このため、階調数と投入可能なサスティンパルス数との間に無視できない差が生じる可能性がある。例えば、階調数に対してサスティンパルス数が多すぎる場合、最小サブフィールドに割り当てられるサスティンパルス数が一定値とならないため、低階調値部で拡散エラー及びフリッカ(最小サブフィールドの輝度が変動することにより発生)が生じる。例えば、階調数が256の場合、投入可能なサスティンパルス数が1000発なら最小サブフィールドに割り当てられるサスティンパルス数は4発であり、投入可能なサスティンパルス数768発なら最小サブフィールドに割り当てられるサスティンパルス数は3発である。映像によって投入可能なサスティンパルス数は変動し、これに伴い最小サブフィールドに割り当てられるサスティンパルス数も変動する。逆に階調数に対してサスティンパルス数が少なすぎる場合は、各サブフィールドに割り当てられるサスティンパルス数の比がサブフィールド配列で示される輝度比と異なり、階調の不足した画像となる。特に重みが小さいサブフィールドで発生し、映像の低階調値部で等高線状のノイズが発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−29704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、表示負荷率に応じて変化するサスティンパルス数に適した階調数を選択することができるプラズマディスプレイ装置及びその表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一観点によれば、1フィールドが輝度の重み付けされた複数のサブフィールドからなり、各サブフィールドの点灯を制御することにより映像を階調表現するプラズマディスプレイ装置であって、入力映像信号の表示負荷率を演算する負荷率演算部と、前記表示負荷率に応じて1フィールドの総サスティンパルス数を変更制御するとともに、表現できる階調数を変更制御する変更制御部と、を有し、前記変更制御部により変更制御される複数の階調数のうちの最小階調数と最大階調数の比は少なくとも2倍であって、前記変更制御部により前記階調数を変更した場合においても、前記1フィールドを構成する前記複数のサブフィールド数は一定であることを特徴とするプラズマディスプレイ装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
表示負荷率に応じて適切な総サスティンパルス数を決めることができ、かつ総サスティンパルス数に応じて適切な階調数を選択することができる。表示負荷率が大きいときのフリッカを防止し、表示負荷率が小さいときの低階調値部の表現力不足を防止することができる。また、階調数に対して総サスティンパルス数が多すぎるときのフリッカを防止し、階調数に対して総サスティンパルス数が少なすぎるときの階調不足によるノイズを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態によるプラズマディスプレイ装置の構成例を示す図である。
【図2】図2(A)〜(C)は表示セルの断面構成例を示す図である。
【図3】映像の1フィールドの構成例を示す図である。
【図4】6個の階調数の各サブフィールドの重み付けを示す図である。
【図5】512階調のサブフィールドの選択パターンと出力階調値との関係を示す図である。
【図6】448階調のサブフィールドの選択パターンと出力階調値との関係を示す図である。
【図7】384階調のサブフィールドの選択パターンと出力階調値との関係を示す図である。
【図8】320階調のサブフィールドの選択パターンと出力階調値との関係を示す図である。
【図9】256階調のサブフィールドの選択パターンと出力階調値との関係を示す図である。
【図10】192階調のサブフィールドの選択パターンと出力階調値との関係を示す図である。
【図11】表示負荷率と総サスティンパルス数の関係を示すグラフである。
【図12】非線形ゲイン制御処理部の処理を説明するためのグラフである。
【図13】非線形ゲイン制御処理部及び誤差拡散処理部の構成例を示す図である。
【図14】誤差拡散処理部が誤差拡散により階調値を生成する例を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施形態によるプラズマディスプレイ装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態によるプラズマディスプレイ装置の構成例を示す図である。アドレス制御部121は、アドレス電極A1,A2,・・・に所定の電圧を供給する。以下、アドレス電極A1,A2,・・・の各々を又はそれらの総称を、アドレス電極Ajといい、jは添え字を意味する。
【0010】
Y電極制御部123は、Y電極Y1,Y2,・・・に所定の電圧を供給する。以下、Y電極Y1,Y2,・・・の各々を又はそれらの総称を、Y電極Yiといい、iは添え字を意味する。
【0011】
X電極制御部122は、X電極X1,X2,・・・に所定の電圧を供給する。以下、X電極X1,X2,・・・の各々を又はそれらの総称を、X電極Xiといい、iは添え字を意味する。
【0012】
表示領域124では、Y電極Yi及びX電極Xiが水平方向に並列に延びる行を形成し、アドレス電極Ajが垂直方向に延びる列を形成する。Y電極Yi及びX電極Xiは、垂直方向に交互に配置される。
【0013】
Y電極Yi及びアドレス電極Ajは、i行j列の2次元行列を形成する。表示セルCijは、Y電極Yi及びアドレス電極Ajの交点並びにそれに対応して隣接するX電極Xiにより形成される。この表示セルCijが画素に対応し、表示領域124は2次元画像を表示することができる。表示セルCij内のX電極Xi及びY電極Yiは、その間に空間を有し、容量性負荷を構成する。
【0014】
図2(A)は、図1の表示セルCijの断面構成例を示す図である。X電極Xi及びY電極Yiは、前面ガラス基板211上に形成されている。その上には、放電空間217に対し絶縁するための誘電体層212が被着されるとともに、更にその上にMgO(酸化マグネシウム)保護膜213が被着されている。
【0015】
一方、アドレス電極Ajは、前面ガラス基板211と対向して配置された背面ガラス基板214上に形成され、その上には誘電体層215が被着され、更にその上に蛍光体が被着されている。MgO保護膜213と誘電体層215との間の放電空間217には、Ne+Xeペニングガス等が封入されている。
【0016】
図2(B)は、交流駆動型プラズマディスプレイのパネル容量Cpを説明するための図である。容量Caは、X電極XiとY電極Yiとの間の放電空間217の容量である。容量Cbは、X電極XiとY電極Yiとの間の誘電体層212の容量である。容量Ccは、X電極XiとY電極Yiとの間の前面ガラス基板211の容量である。これらの容量Ca,Cb,Ccの合計によって、電極Xi及びYi間のパネル容量Cpが決まる。
【0017】
図2(C)は、交流駆動型プラズマディスプレイの発光を説明するための図である。リブ216の内面には、赤、青、緑色の蛍光体218がストライプ状に各色毎に配列、塗付されており、X電極Xi及びY電極Yiの間の放電によって蛍光体218を励起して光221が生成されるようになっている。
【0018】
図3は、映像の1フィールドFDの構成例を示す図である。映像は、例えば60フィールド/秒で形成される。1フィールドFDは、第1のサブフィールドSF1、第2のサブフィールドSF2、・・・、第nのサブフィールドSFnにより形成される。このnは、例えば10であり、階調ビット数に相当する。サブフィールドSF1,SF2等の各々を又はそれらの総称を、以下、サブフィールドSFという。
【0019】
各サブフィールドSFは、リセット期間Tr、アドレス期間Ta及びサスティン(維持放電)期間Tsにより構成される。リセット期間Trでは、表示セルの初期化を行う。アドレス期間Taでは、アドレス電極Aj及びY電極Yi間のアドレス放電により各表示セルの発光又は非発光を選択することができる。サスティン期間Tsでは、選択された表示セルのX電極Xi及びY電極Yi間でサスティン放電を行い、発光を行う。各サブフィールドSFでは、X電極Xi及びY電極Yi間のサスティンパルスによる発光回数(サスティン期間Tsの長さ)が異なる。これにより、階調値を決めることができる。
【0020】
図4は、6個の階調数の各サブフィールドSF1〜SF10の重み付けを示す図である。本実施形態では、1フィールドの総サスティンパルス数に応じて、6個の階調数の中の1つの階調数を選択する。選択可能な階調数は、6個に限定されないが、6個の場合を例に説明する。1フィールドは、例えば10個のサブフィールドからなる。各サブフィールドSF1〜SF10は、重み付けされたサスティンパルス数を有する。これらの6個の階調数は、例えば512階調、448階調、384階調、320階調、256階調、192階調であり、サブフィールド数が10個で同じであり、かつ各サブフィールドSF1〜SF10の重み付けが異なる。
【0021】
各サブフィールドSF1〜SF10を選択することにより映像を階調表現することができる。例えば、サブフィールドSF1を選択表示すれば階調値が1になり、サブフィールドSF2を選択表示すれば階調値が2になり、サブフィールドSF1及びSF2を選択表示すれば階調値が3になる。
【0022】
全サブフィールドSF1〜SF10の重みの合計が階調数になる。選択可能な6個の階調数において、各階調数の最も重みの小さいサブフィールドSF1(及びサブフィールドSF2〜SF4)は他の階調数の最も重みの小さいサブフィールドSF1(及びサブフィールドSF2〜SF4)と重みが同じであり、各階調数の最も重みの大きいサブフィールドSF10(及びサブフィールドSF9〜SF7)は他の階調数の最も重みの大きいサブフィールドSF10(及びサブフィールドSF9〜SF7)と重みが異なる。
【0023】
図5は512階調のサブフィールドSF1〜SF10(サブフィールド番号1〜10)の選択パターンと出力階調値との関係を示し、図6は448階調のサブフィールドSF1〜SF10の選択パターンと出力階調値との関係を示し、図7は384階調のサブフィールドSF1〜SF10の選択パターンと出力階調値との関係を示し、図8は320階調のサブフィールドSF1〜SF10の選択パターンと出力階調値との関係を示し、図9は256階調のサブフィールドSF1〜SF10の選択パターンと出力階調値との関係を示し、図10は192階調のサブフィールドSF1〜SF10の選択パターンと出力階調値との関係を示す。
【0024】
図5〜図10の6個の階調数において、すべて、同じ選択パターンCMを含んでいる。選択パターンCMとして、192階調の出力階調値43、44、45、46、47と、256階調の出力階調値49、50、51、56、57と、320階調の出力階調値57、58、59、66、67と、384階調の出力階調値61、62、63、74、75と、448階調の出力階調値61、62、63、78、79と、512階調の出力階調値61、62、63、80、81が同一選択パターンである。
【0025】
つまり、選択可能な6個の階調数において、最も少ない階調数である192階調の各階調値を表現するためのサブフィールドの選択パターンは、すべて、他の階調数(512階調、448階調、384階調、320階調及び256階調)の各階調値を表現するためのサブフィールドの選択パターンに含まれる。
【0026】
また、この例では192階調から階調数が増える場合に選択パターン「0000111111」と選択パターン「0001011010」の間に、別の選択パターンを挿入する。挿入した選択パターンは、すべて第7のサブフィールドSF7が選択されているパターンである。
【0027】
すなわち、最も少ない階調数である192階調の各階調値を昇順に並べたとき、特定のサブフィールド(例えばサブフィールドSF7)が初めて選択される階調値とその前の階調値との間に、別のサブフィールドの選択パターンを挿入することにより、他の階調数(512階調、448階調、384階調、320階調及び256階調)の各階調値を表現するためのサブフィールドの選択パターンが構成される。
【0028】
図5〜図10の6個の階調数毎にすべてのサブフィールド選択パターンをメモリに格納する必要はない。最大階調数である512階調のサブフィールド選択パターンは、その他の階調数である448階調、384階調、320階調、256階調、192階調の全サブフィールド選択パターンを含む。したがって、メモリには、最大階調数である512階調のサブフィールド選択パターンを記憶し、その他の階調数については最大階調数のサブフィールド選択パターンのうちで使用しないサブフィールド選択パターンがどれであるのかを記憶するようにすればよい。これにより、メモリに記憶させる容量を少なくすることができる。
【0029】
図1の構成を説明する。逆ガンマ変換処理部101は、デジタル形式の映像信号を入力し、逆ガンマ変換する。1垂直走査期間(1V)遅延部102は、逆ガンマ変換された映像信号を1垂直走査期間遅延させる。ゲイン制御部103は、1V遅延部102の出力信号をゲイン制御し、階調ステップ変換処理部104に出力する。
【0030】
サスティンパルス数予測部110は、ゲイン制御部111、誤差拡散処理部112、サブフィールド変換処理部113、サブフィールド毎表示負荷率計測部114及び第1のサスティンパルス数演算処理部115を有し、サスティンパルス数を予測する。
【0031】
ゲイン制御部111は、逆γ変換処理部101の出力信号をゲイン制御し、誤差拡散処理部112に出力する。誤差拡散処理部112は、映像信号が上記の6個の階調数のうちで最小の階調数(192階調)になるように誤差拡散処理を行う。すなわち、入力映像信号の階調数を最小の階調数に変換した際に小数部の誤差が生じたときには、その小数部の誤差を空間的に隣接する画素に拡散させる。サブフィールド変換処理部113は、図10の最小階調数(192階調)の選択パターンに応じて、サブフィールド変換を行い、各サブフィールドの選択パターンを決定する。
【0032】
サブフィールド毎表示負荷率計測部114は、サブフィールド毎の表示負荷率を演算する。表示負荷率は、発光する画素数及びその発光する画素の階調値を基に検出される。例えば、1フィールド画像の全画素が最大階調値で表示されている場合は表示負荷率が100%である。また、1フィールド画像の全画素が最大階調値の1/2で表示されている場合は表示率が50%である。また、1フィールド画像の半分(50%)の画素のみが最大階調値で表示されているような場合にも、表示率が50%である。
【0033】
第1のサスティンパルス数演算処理部115は、表示負荷率に応じて電力一定制御及び負荷補正処理による1フィールドの総サスティンパルス数を演算する。電力一定制御は、図11に示すように、1フィールドの表示負荷率に応じて1フィールドの総サスティンパルス数が制御される。表示負荷率にかかわらず、1フィールドの総サスティンパルス数を一定にすると、表示負荷率が大きいほど電力が大きくなってしまい、熱量が増加してしまう。そのため、1フィールドの表示負荷率が大きいときには、1フィールドの総サスティンパルス数を少なくするように演算し、電力一定制御を行う。
【0034】
上記の負荷補正処理を説明する。各サブフィールの実効的な表示の明るさは、サスティン放電による輝度とサスティンパルス数(サスティン放電期間)によって決定される。各サブフィールドのサスティンパルス数は所定の重みの比率であり、各サブフィールドの表示負荷率が同一ならばサスティン放電による輝度も同一であり、表示の明るさはサスティンパルス数の比率と同じ比率となる。しかし、各サブフィールドの表示負荷率が異なると、サスティン放電による輝度がサブフィールド毎に異なることになり、各サブフィールドによる表示の明るさは所定の比率にならない。このようなことが起きると、サブフィールドを組み合わせて表示する階調値が正確に表示されなくなる。はなはだしい場合には、階調値間で明るさの逆転が生じてしまうという問題がある。これを解決するために各サブフィールドの表示負荷率に応じて各サブフィールドのサスティンパルス数を補正する。第1のサスティンパルス数演算処理部115は、その補正後の1フィールドの総サスティンパルス数を演算する。
【0035】
階調数選択部116は、第1のサスティンパルス数演算処理部115で演算された総サスティンパルス数に応じて、全サブフィールドの重みの合計である階調数を選択する。例えば、上記の6個の階調数の中から最適なものを1つ選択する。総サスティンパルス数が多いほど、多い階調数を選択する。総サスティンパルス数を階調数で割ったものが階調ステップになるが、階調ステップが一定値であることが好ましい。
【0036】
階調数選択部116は、演算した総サスティンパルス数を所定の階調ステップ数で割った値である階調数が、選択可能な複数の階調数の間にあるときには、上記割った値である階調数の前後のいずれかの選択可能な階調数を選択する。その際、上記前後のいずれかの選択可能な階調数のうち、前回に選択した階調数に比べて、重みの小さいサブフィールドのサスティンパルス数が近い方を選択する。
【0037】
階調ステップ変換処理部104は、ゲイン制御部103が出力する映像信号を、上記選択された階調数に変換する。具体的には、入力映像信号のダイナミックレンジを上記選択された階調数で等ステップに分割して階調数変換する。例えば、256階調の信号を512階調に変換する場合は、256÷512の演算を行う。この場合は、256÷512=0.5なので、映像信号は0.5階調のステップ幅で後段の非線形ゲイン制御処理部105に出力される。
【0038】
非線形ゲイン制御処理部105及び誤差拡散処理部106は、上記のゲイン制御部111及び誤差拡散処理部112と同様に、階調数変換による小数部の誤差を空間的に拡散させると同時に、動画擬似輪郭防止処理を行う。特定の階調値のサブフィールド選択パターンは、隣接する画素のサブフィールドパターンとあいまって、人間の目には動画の際に大きな階調値の擬似輪郭が存在するかのように見えてしまう。この現象が動画擬似輪郭である。この動画擬似輪郭を防止するために、特定の階調値を使用しないようにその特定の階調値は他の階調値に置き換えて誤差拡散処理を行う。
【0039】
非線形ゲイン制御処理部105は、上記選択された階調数に適したゲイン処理を行い、入力映像信号と出力信号の線形性を維持すると同時に、動画擬似輪郭が発生し易い階調値について誤差拡散処理して新しい階調値を生成する非線形ゲイン処理を行う。誤差拡散処理部106は、非線形ゲイン制御処理部105の出力信号に対して誤差拡散処理を行うことにより、動画擬似輪郭を低減させることができる。非線形ゲイン制御処理部105及び誤差拡散処理部106の詳細は、後に図12〜図14を参照しながら説明する。
【0040】
線形性補償処理部107は、選択された階調数に対応するサブフィールドの選択パターンに応じて、階調値をサブフィールド選択パターンに変換する。サブフィールド変換処理部108は、線形性補償処理部107の出力信号をサブフィールド変換処理し、サブフィールドデータに変換する。アドレス制御部121は、サブフィールドデータに応じて、各画素について点灯させるサブフィールドを選択するためのアドレス電極Ajの電圧を生成する。
【0041】
第2のサスティンパルス数演算処理部117は、第1のサスティンパルス数演算処理部115で演算された総サスティンパルス数を必要に応じて補正し、総サスティンパルス数を出力する。その補正は、熱を一定温度以下に保つため又は外部操作により電力を低減させるために総サスティンパルス数を減少させる補正である。
【0042】
サスティンパルス信号生成部118は、その総サスティンパルス数を上記選択した階調数のサブフィールドの重みの比になるように分割し、表示のためのサスティンパルス信号を生成する。X電極制御部122及びY電極制御部123は、そのサスティンパルス信号に応じて、X電極Xi及びY電極Yiの電圧を生成する。アドレス電極Ajにより選択された表示セルは、X電極Xi及びY電極Yi間でサスティン放電して発光する。
【0043】
図13は、非線形ゲイン制御処理部105及び誤差拡散処理部106の構成例を示す図である。非線形ゲイン制御処理部105は、ルックアップテーブルで構成され、動画擬似輪郭防止のために図12に示す非線形ゲイン制御を行う。非線形ゲイン制御前の特性1201では、入力信号G1がサブフィールド選択パターン(以下、選択パターンという)P1により輝度L1を表示し、入力信号G2が選択パターンP2により輝度L2を表示し、入力信号G3が選択パターンP3により輝度L3を表示し、入力信号G4が点灯パターンP4により輝度L4を表示する。このとき、選択パターンP1及びP2が発光重心を大きく変動する選択パターンである場合、動画擬似輪郭が発生する。動画擬似輪郭を低減するためには、動画擬似輪郭を発生する選択パターンの間で拡散処理を行えばよい。そこで、動きの大きさを考慮して、選択パターンP2及びP3を使用しないで、輝度L2及びL3は輝度L1及びL4の拡散によって表示する。これを実現するために、非線形ゲイン制御処理部105は、特性1202に示すように、入力信号G1を選択パターンP1に変換し、入力信号G2をP1+α、入力信号G3をP1+β、入力信号G4をP4に変換する。ここで、0<α<β<1とする。
【0044】
誤差拡散処理部106は、拡散フィルタ1301及び加算部1302を有する。加算部1302は、非線形ゲイン制御処理部105の出力信号及び拡散フィルタ1301の出力信号を加算し、出力する。その出力は、整数部S1311及び小数部S1312を有する。整数部S1311は、線形性補償処理部107に出力される。拡散フィルタ1301は、小数部S1312をフィルタリングすることにより、小数部の誤差を空間的に拡散することができる。その結果、選択パターンP1は輝度L1を表示し、選択パターンP1+αは輝度L2を表示し、選択パターンP1+βは輝度L3を表示し、選択パターンP4は輝度L4を表示する。
【0045】
図14は、誤差拡散処理部106が誤差拡散により階調値を生成する例を示す図である。例えば、512階調において、図5の選択パターンを基に図14の選択パターンに修正する。512階調等の多い階調数のサブフィールド選択パターンにおいて、より大きいサブフィールド(例えば第7のサブフィールドSF7)が初めて点灯する階調値の前後の階調値を、拡散処理により表現する例を示す。階調値63の選択パターンに対し、階調値70の選択パターンは今まで非点灯だった重いサブフィールドSF7が点灯するため、動画擬似輪郭が発生し易い。そのため、上記2つの階調値間に、階調値64、65、66、67、68、69の6個の階調値ARを挿入し、これらの階調値を、階調値63の選択パターンと階調値70の選択パターンとで誤差拡散処理して表示する。すなわち、階調値64〜69は、階調値63又は70に置き換えられ、その差分は空間的に拡散される。
【0046】
誤差拡散処理部106は、階調数変換後の階調値において、特定の階調値を使用しないように特定の階調値を他の階調値に置き換えて誤差拡散処理する。上記特定の階調値は、階調値を昇順に並べたときに特定のサブフィールド(例えば第7のサブフィールドSF7)が初めて選択される階調値(例えば図5の階調値64)を含む。また、高階調値側ほど上記特定の階調値が多く、低階調値側ほど上記特定の階調値がない又は上記特定の階調値が少ない。
【0047】
(第2の実施形態)
図15は、本発明の第2の実施形態によるプラズマディスプレイ装置の構成例を示す図である。図15が図1と異なるのは、第2のサスティンパルス数演算処理部117は、演算結果に応じて、最小階調数選択信号S1501を階調数選択部116へ出力することである。階調数選択部116は、最小階調数選択信号S1501を入力すると、最小階調数を選択する。第2のサスティンパルス数演算処理部117は、プラズマディスプレイパネルや回路部品等の熱を一定温度以下に保つためにサスティンパルス数を減少させる制御や、外部操作により電力を低減するなどの、サスティンパルス数を変化させる処理を行うことがある。その場合、サスティンパルス数予測部110で予測したサスティンパルス数と大きく異なる場合があり、画質に影響を及ぼす。これを防ぐために、第2のサスティンパルス数演算処理部117は、サスティンパルス数を大きく変化させる場合は、今回又は次以降のフィールドにおいて階調数を最小階調数に切り替えることによって画質劣化を防ぐ。
【0048】
以上のように、第1及び第2の実施形態によれば、第1の特徴は、最も少ない階調数を用いて入力信号の1フィールド期間の表示負荷率を計測し、所定の演算を行って総サスティンパルス数を算出した結果を用いて階調数を選択している。これにより、表示負荷率に応じて適切な総サスティンパルス数を決めることができ、かつ総サスティンパルス数に応じて適切な階調数を選択することができる。表示負荷率が大きいときのフリッカを防止し、表示負荷率が小さいときの低階調値部の表現力不足を防止することができる。また、階調数に対して総サスティンパルス数が多すぎるときのフリッカを防止し、階調数に対して総サスティンパルス数が少なすぎるときの階調不足によるノイズを防止することができる。
【0049】
第2の特徴は、最も少ない階調数に対応するサブフィールド選択パターンは他の階調数のサブフィールド選択パターンに含まれることであり、サブフィールド選択パターンを記憶するメモリを極力増やさないことである。各平均輝度レベル(APL)毎に選択パターンのルックアップテーブルを有する方法の場合、メモリの大幅な増大を招く。しかし本実施形態では、メモリに記憶するルックアップテーブルは最大階調数分の選択パターンのみであり、階調数の切り替えではルックアップテーブルで使用しない選択パターンのみをメモリに記憶しておくのみで済む。
【0050】
第3の特徴は、階調値が昇順になるようにサブフィールド選択パターンを並べたとき、最も少ない階調数の選択パターンと異なる他の階調数のサブフィールド選択パターンは、最も少ない階調数のサブフィールド選択パターンの中で大きな重みのサブフィールドが連続非選択の後最初に選択される階調値とその一つ前の階調値の間に入ることであり、サブフィールド間の重みの差が増大することによる輝度の段差を解消するとともに動画擬似輪郭の発生を極力低減している。
【0051】
第4の特徴は、多い階調数の選択パターンにおいて、より大きい重みのサブフィールドが初めて選択される階調値の前後の階調値は、拡散処理によって表現することである。これによって上記第3の特徴で低減しきれない動画擬似輪郭をさらに低減している。
【0052】
第5の特徴は、高階調値側ほど拡散処理にて表現する階調値を多くし、低階調値側は拡散処理をしないか、または拡散処理する階調値を少なくすることである。高階調値側ほど拡散処理にて表現する階調値を多くする目的は、上記第4の特徴で述べたように動画擬似輪郭の低減であり、低階調値側は拡散処理をしないか、または拡散処理する階調値を少なくする目的は、低階調値部を高密度の点灯画素で表示することである。全階調値で動画擬似輪郭を低減するために、低階調値側でも拡散処理する階調値を許容している。このため、下位側サブフィールドの重み付けは二進数とは限らない。
【0053】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0054】
本発明の実施形態は、例えば以下のように種々の適用が可能である。
【0055】
(付記1)
1フィールドが重み付けされたサスティンパルス数を有する複数のサブフィールドからなり、各サブフィールドを選択することにより映像を階調表現するプラズマディスプレイ装置であって、
入力映像信号の表示負荷率を演算し、前記表示負荷率に応じて1フィールドの総サスティンパルス数を演算するサスティンパルス数演算部と、
前記演算した総サスティンパルス数に応じて、全サブフィールドの重みの合計である階調数を選択する階調数選択部と
を有するプラズマディスプレイ装置。
(付記2)
さらに、前記入力映像信号のダイナミックレンジを前記選択された階調数で等ステップに分割して階調数変換する階調数変換部を有する付記1記載のプラズマディスプレイ装置。
(付記3)
さらに、前記階調数変換後の階調値が小数部を有するときには誤差拡散処理を行う誤差拡散処理部を有する付記2記載のプラズマディスプレイ装置。
(付記4)
前記サスティンパルス数演算部は、選択可能な複数の階調数のうちの最も少ない階調数を用いて前記表示負荷率を演算する付記1記載のプラズマディスプレイ装置。
(付記5)
前記階調数選択部が選択可能な複数の階調数は、サブフィールド数が同じであり、かつ各サブフィールドの重み付けが異なる付記1記載のプラズマディスプレイ装置。
(付記6)
前記階調数選択部が選択可能な複数の階調数において、各階調数の最も重みの小さいサブフィールドは他の階調数の最も重みの小さいサブフィールドと重みが同じであり、各階調数の最も重みの大きいサブフィールドは他の階調数の最も重みの大きいサブフィールドと重みが異なる付記5記載のプラズマディスプレイ装置。
(付記7)
前記階調数選択部が選択可能な複数の階調数において、最も少ない階調数の各階調値を表現するためのサブフィールドの選択パターンは、すべて、他の階調数の各階調値を表現するためのサブフィールドの選択パターンに含まれる付記1記載のプラズマディスプレイ装置。
(付記8)
前記最も少ない階調数の各階調値を昇順に並べたとき、特定のサブフィールドが初めて選択される階調値とその前の階調値との間に、別のサブフィールドの選択パターンを挿入することにより、前記他の階調数の各階調値を表現するためのサブフィールドの選択パターンが構成される付記7記載のプラズマディスプレイ装置。
(付記9)
さらに、前記階調数変換後の階調値において、特定の階調値を使用しないように前記特定の階調値は他の階調値に置き換えて誤差拡散処理を行う誤差拡散処理部を有することを特徴とする付記1記載のプラズマディスプレイ装置。
(付記10)
前記特定の階調値は、階調値を昇順に並べたときに特定のサブフィールドが初めて選択される階調値を含む付記9記載のプラズマディスプレイ装置。
(付記11)
高階調値側ほど前記特定の階調値が多く、低階調値側ほど前記特定の階調値がない又は前記特定の階調値が少ない付記9記載のプラズマディスプレイ装置。
(付記12)
前記サスティンパルス数演算部は、1フィールドの表示負荷率を演算し、1フィールドの表示負荷率に応じて1フィールドの総サスティンンパルス数を演算する付記1記載のプラズマディスプレイ装置。
(付記13)
前記サスティンパルス数演算部は、前記1フィールドの表示負荷率が大きいときには、1フィールドの総サスティンパルス数を少なくするように演算する付記12記載のプラズマディスプレイ装置。
(付記14)
前記サスティンパルス数演算部は、各サブフィールドの表示負荷率を演算し、各サブフィールドの表示負荷率に応じて1フィールドの総サスティンンパルス数を演算する付記1記載のプラズマディスプレイ装置。
(付記15)
前記階調数選択部は、前記演算した総サスティンパルス数を所定の階調ステップ数で割った値である階調数が、選択可能な複数の階調数の間にあるときには、前記割った値である階調数の前後のいずれかの選択可能な階調数を選択する付記1記載のプラズマディスプレイ装置。
(付記16)
前記階調数選択部は、前記前後のいずれかの選択可能な階調数のうち、前回に選択した階調数に比べて、重みの小さいサブフィールドのサスティンパルス数が近い方を選択する付記15記載のプラズマディスプレイ装置。
(付記17)
さらに、前記演算した総サスティンパルス数を必要に応じて補正し、その総サスティンパルス数を前記選択した階調数のサブフィールドの重みの比になるように分割し、表示のためのサスティンパルス信号を生成する信号生成部を有する付記1記載のプラズマディスプレイ装置。
(付記18)
前記信号生成部は、熱を一定温度以下に保つため又は外部操作により電力を低減させるために総サスティンパルス数を減少させる補正を行う付記17記載のプラズマディスプレイ装置。
(付記19)
前記階調数選択部は、前記信号生成部の補正結果に応じて、最も少ない階調数を選択する付記18記載のプラズマディスプレイ装置。
(付記20)
1フィールドが重み付けされたサスティンパルス数を有する複数のサブフィールドからなり、各サブフィールドを選択することにより映像を階調表現するプラズマディスプレイ装置の制御方法であって、
入力映像信号の表示負荷率を演算し、前記表示負荷率に応じて1フィールドの総サスティンパルス数を演算するサスティンパルス数演算ステップと、
前記演算した総サスティンパルス数に応じて、全サブフィールドの重みの合計である階調数を選択する階調数選択ステップと
を有するプラズマディスプレイ装置の制御方法。
【符号の説明】
【0056】
101 逆ガンマ変換処理部
102 1V遅延部
103 ゲイン制御部
104 階調ステップ変換処理部
105 非線形ゲイン制御処理部
106 誤差拡散処理部
107 線形性補償処理部
108 サブフィールド変換処理部
110 サスティンパルス数予測部
111 ゲイン制御部
112 誤差拡散処理部
113 サブフィールド変換処理部
114 サブフィールド毎表示負荷率計測部
115 第1のサスティンパルス数演算処理部
116 階調数選択部
117 第2のサスティンパルス数演算処理部
118 サスティンパルス信号生成部
121 アドレス制御部
122 X電極制御部
123 Y電極制御部
124 表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1フィールドが輝度の重み付けされた複数のサブフィールドからなり、各サブフィールドの点灯を制御することにより映像を階調表現するプラズマディスプレイ装置であって、
入力映像信号の表示負荷率を演算する負荷率演算部と、
前記表示負荷率に応じて1フィールドの総サスティンパルス数を変更制御するとともに、表現できる階調数を変更制御する変更制御部と、を有し、
前記変更制御部により変更制御される複数の階調数のうちの最小階調数と最大階調数の比は少なくとも2倍であって、
前記変更制御部により前記階調数を変更した場合においても、前記1フィールドを構成する前記複数のサブフィールド数は一定であることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項2】
前記階調数を変更した場合においても、各階調数の最も輝度重みの小さいサブフィールドのサスティンパルス数は実質的に一定であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項3】
前記変更制御部により変更制御される複数の階調数において、各階調数の最も輝度重みの大きいサブフィールドは他の階調数の最も輝度重みの大きいサブフィールドと輝度重みが異なることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項4】
さらに、前記階調数変更後の階調値において、特定の階調値を使用しないように前記特定の階調値は他の階調値に置き換えて誤差拡散処理を行う誤差拡散処理部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項5】
前記変更制御部により変更制御される複数の階調数において、前記最小階調数の各階調値を表現するためのサブフィールドの選択パターンは、他の階調数の各階調値を表現するためのサブフィールドの選択パターンに含まれることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項6】
前記最小階調数の各階調値を昇順に並べたとき、特定のサブフィールドが初めて選択される階調値とその前の階調値との間に、別のサブフィールドの選択パターンを挿入することにより、前記他の階調数の各階調値を表現するためのサブフィールドの選択パターンが構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項7】
1フィールドが輝度の重み付けされた複数のサブフィールドからなり、各サブフィールドの点灯を制御することにより映像を階調表現するプラズマディスプレイ装置の表示方法であって、
入力映像信号の表示負荷率を演算し、
前記表示負荷率に応じて1フィールドの総サスティンパルス数を変更制御するとともに、表現できる階調数を変更制御し、
前記変更制御により変更制御される複数の階調数のうちの最小階調数と最大階調数の比は少なくとも2倍であって、
前記変更制御により前記階調数を変更した場合においても、前記1フィールドを構成する前記複数のサブフィールド数は一定であることを特徴とするプラズマディスプレイ装置の表示方法。
【請求項8】
前記階調数を変更した場合においても、各階調数の最も輝度重みの小さいサブフィールドのサスティンパルス数は実質的に一定であることを特徴とする請求項7に記載のプラズマディスプレイ装置の表示方法。
【請求項9】
前記変更制御により変更制御される複数の階調数において、各階調数の最も輝度重みの大きいサブフィールドは他の階調数の最も輝度重みの大きいサブフィールドと輝度重みが異なることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のプラズマディスプレイ装置の表示方法。
【請求項10】
さらに、前記階調数変更後の階調値において、特定の階調値を使用しないように前記特定の階調値は他の階調値に置き換えて誤差拡散処理を行う誤差拡散処理部を有することを特徴とする請求項7乃至請求項9の何れか一項に記載のプラズマディスプレイ装置の表示方法。
【請求項11】
前記変更制御により変更制御される複数の階調数において、前記最小階調数の各階調値を表現するためのサブフィールドの選択パターンは、他の階調数の各階調値を表現するためのサブフィールドの選択パターンに含まれることを特徴とする請求項7乃至請求項10の何れか一項に記載のプラズマディスプレイ装置の表示方法。
【請求項12】
前記最小階調数の各階調値を昇順に並べたとき、特定のサブフィールドが初めて選択される階調値とその前の階調値との間に、別のサブフィールドの選択パターンを挿入することにより、前記他の階調数の各階調値を表現するためのサブフィールドの選択パターンが構成されることを特徴とする請求項7乃至請求項10の何れか一項に記載のプラズマディスプレイ装置の表示方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2010−181907(P2010−181907A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−94946(P2010−94946)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【分割の表示】特願2007−193586(P2007−193586)の分割
【原出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【出願人】(599132708)日立プラズマディスプレイ株式会社 (328)
【Fターム(参考)】