説明

プラズマディスプレイ装置及びその駆動方法

【課題】無効電力を効率的に低減することができるプラズマディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】1フィールドが複数のサブフィールドからなり、各サブフィールドの点灯又は非点灯を選択することにより映像を階調表現するプラズマディスプレイ装置にて、入力映像信号に係るサブフィールド毎の表示率を検出し、検出された表示率が設定された閾値以下であると判定された場合には、そのサブフィールドにおけるプラズマディスプレイパネルの駆動波形の出力を停止させるようにして、点灯するセルがないサブフィールドに加え、点灯するセル数が所定のセル数以下のサブフィールドにおいても非点灯化し、効率的に無効電力を低減できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイ装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマディスプレイ装置においては、コントラストの向上及び消費電力の低減を図るために、1フィールド中または1サブフィールド中の画像ビット情報が全く存在しない場合、駆動パルスを停止させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、特許文献1ではプラズマディスプレイパネルの全ての有効画像領域について、1フィールド中に所定階調以上の画像信号があるか否かを判定し、所定階調よりも小さい画像信号のみである場合には、そのフィールドにおいて駆動パルスを停止させ、コントラストを向上する方法及び消費電力を低減する方法が提案されている。
【0003】
また、1フィールドの中で最後に表示セルに発光を生じさせるサブフィールドを検出し、それ以降のサブフィールドでは駆動パルスを停止させ、無効電力を低減する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開平10−171403号公報
【特許文献2】特開2006−84625号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の手法では、通常の画像表示時において、1フィールド中または1サブフィールド中の画像ビット情報が全く存在しないフィールドやサブフィールドの頻度は非常に低く、すなわち駆動パルスが停止される頻度は低く、消費電力の低減効果は小さかった。例えば、従来の手法ではサブフィールドの表示率が1%で点灯させるべきセルがほとんどないような場合であっても駆動パルスは停止されないので、点灯しない残りのセルで消費される電力は発光に寄与しない無効電力となる。
【0006】
本発明の目的は、消費電力を低減することができるプラズマディスプレイ装置及びその駆動方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によれば、1フレームの映像が複数のサブフィールドにより表示され、前記複数のサブフィールドのうち少なくとも1つはサステインパルスを印加し、セルを点灯させるプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、前記サブフィールドにて点灯するセルの比率である表示率が閾値以下となる場合に前記サブフィールドでの少なくとも一部のサステインパルスの印加を停止させることを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
表示率が閾値以下のサブフィールドにおいても駆動波形の出力を停止することにより、消費電力を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について説明する。
まず、図1、2、16、17を用いて、本発明の基本的な概念である表示率が閾値以下であるサブフィールドの駆動波形の出力を停止させる方法を説明する。次に、図3、図4を用いて、駆動波形の停止に関する具体例を説明する。さらに、図5〜7を用いて、サブフィールドごとの閾値の設定を説明する。
【0011】
図1は、第1の実施形態におけるプラズマディスプレイ装置の構成例を示すブロック図である。第1の実施形態におけるプラズマディスプレイ装置は、アドレス電極駆動回路111、維持電極駆動回路112、走査電極駆動回路113、プラズマディスプレイパネル114及び制御回路115を有する。
【0012】
プラズマディスプレイパネル114では、Y電極Yi及びX電極Xiが水平方向に並列に延びる行を形成し、アドレス電極Ajが垂直方向に延びる列を形成する。Y電極Yi及びX電極Xiは、垂直方向に交互に配置される。
【0013】
Y電極Yi及びアドレス電極Ajは、i行j列の2次元行列を形成する。表示セルCijは、Y電極Yi及びアドレス電極Ajの交点並びにそれに対応して隣接するX電極Xiにより形成される。この表示セルCijが、例えば赤色、緑色、青色のサブピクセルに対応し、これら3色のサブピクセルで1画素が構成される。プラズマディスプレイパネル114は2次元配列された複数の画素の点灯により2次元画像を表示することができる。
【0014】
アドレス電極駆動回路111は、プラズマディスプレイパネル114に形成されたアドレス電極A1、A2、・・・に所定の電圧を供給する。以下、アドレス電極A1、A2、・・・の各々を又はそれらの総称を、アドレス電極Ajといい、jは添え字を意味する。
【0015】
維持電極駆動回路112は、プラズマディスプレイパネル114に形成されたX電極(維持電極)X1、X2、・・・に所定の電圧を供給する。以下、X電極X1、X2、・・・の各々を又はそれらの総称を、X電極Xiといい、iは添え字を意味する。
【0016】
走査電極駆動回路113は、プラズマディスプレイパネル114に形成されたY電極(走査電極)Y1、Y2、・・・に所定の電圧を供給する。以下、Y電極Y1、Y2、・・・の各々を又はそれらの総称を、Y電極Yiといい、iは添え字を意味する。
【0017】
維持電極駆動回路112と走査電極駆動回路113とを共通の回路で構成して、X電極Xi及びY電極Yiに電圧を供給してもよい。
【0018】
アドレス電極駆動回路111、維持電極駆動回路112及び走査電極駆動回路113は制御回路115により制御される。制御回路115の詳細は後述する。
【0019】
図2は、図1のアドレス電極駆動回路111、維持電極駆動回路112、走査電極駆動回路113からプラズマディスプレイパネル114の有する各電極にそれぞれ印加される駆動波形の一例を示す図である。映像は、図2に示すフィールドFk−1、Fk、Fk+1等のような時系列の複数のフィールド(フレーム)F(添え字は表示順位を示す。)で構成される。画像表示においては、各画素単位での2値の点灯制御によって階調再現を行うため、各フィールド(フレーム)Fを例えば8個のサブフィールドSF1、SF2、SF3、SF4、SF5、SF6、SF7、SF8に分割する。サブフィールドSF1〜SF8は、輝度の相対比率が例えばおよそ1:2:4:8:12:16:22:30となるように重み付けされ、各サブフィールドSF1〜SF8の維持放電回数が設定される。即ち、輝度の重み付けの大きいサブフィールドほど、サステインパルスが多く印加されることになる。
【0020】
各サブフィールドSF1〜SF8にそれぞれ割り当てられるサブフィールド期間TSFは、リセット期間TR、アドレス期間TA、及びサステイン(維持放電)期間TSにより構成される。リセット期間TRでは、表示セルCijの初期化を行う。リセット期間TRにおいては、Y電極Yiに正極性の鈍波(正の傾斜を持つ波形)Pr1を一斉に印加して壁電荷を形成し、続いて負極性の鈍波(負の傾斜を持つ波形)Pr2を一斉に印加して表示セルCijの壁電荷量を調整する。
【0021】
アドレス期間TAでは、アドレス電極Aj及びY電極Yi間の放電、並びにそれに伴うX電極Xi及びY電極Yi間の放電により、映像データに応じた各表示セルCijの発光又は非発光を選択することができる。具体的には、Y電極Y1、Y2、Y3、・・・等に順次スキャンパルスPyを印加し、そのスキャンパルスPyに対応してアドレス電極AjにアドレスパルスPaを印加することにより、アドレス電極Aj及びY電極Yi間に放電が生じる。この放電により、X電極Xi及びY電極Yiに壁電荷が形成され、所望の表示セルCijの発光又は非発光を選択することができる。
【0022】
サステイン期間TSでは、映像データに応じて選択された表示セルCijのX電極Xi及びY電極Yi間でサステイン放電(維持放電)を行い、発光を行う。サステイン期間TSは、前処理期間TSP、サステインループ期間SLP、及び後処理期間TSSを有する。サステインループ期間SLPにおいては、X電極Xi及びY電極Yiに交互にサステインパルス(維持放電パルス)Psを印加する。
【0023】
また、前処理期間TSP及び後処理期間TSSにおいては、サステインループ期間SLPにおけるサステインパルスPsとは異なる電荷調整等を行うためのサステインパルスをX電極Xi及び/又はY電極Yiに印加する。図2に示す例では、前処理期間TSPにおいて、通常のサステインパルスPsよりも高い電圧で時間も幾分長いサステインパルスPsy1(前処理パルス)をY電極Yiに印加し、通常のサステインパルスPsよりも時間が幾分長いサステインパルスPsx(前処理パルス)をX電極Xiに印加する。また、図2に示す例では、後処理期間TSSにおいて、通常のサステインパルスPsよりも時間が幾分長いサステインパルスPsy2(後処理パルス)をY電極Yiに印加する。
【0024】
サステイン期間TSにおいて、X電極Xi及びY電極YiにサステインパルスPs(Psx、Psy1、Psy2)を印加する毎に、アドレス期間TAにおいて壁電荷が形成された表示セルで放電が生じ、表示セルが発光する。
【0025】
なお、図2に示した駆動波形は一例であって、これに限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、リセット期間を有さない駆動波形や、サステイン期間を有さない駆動波形を印加することも可能である。また、各フィールドを構成するサブフィールド数も8個に限らず、サブフィールド数は任意である。また、フィールドを構成する各サブフィールドに対する重み付け(輝度の相対比率)も上述した例に限定されるものではなく、任意であるが、本発明の各実施形態においては、下位のサブフィールドよりも上位のサブフィールドの重みは大きいものとする。例えば1つのフィールドが8個のサブフィールドSF1〜SF8で構成され、最下位のサブフィールドをSF1、最上位のサブフィールドをSF8とすると、SF1<SF2<SF3<SF4<SF5<SF6<SF7<SF8の関係を満たすように各サブフィールドは重み付けされているものとする。また、印加されるサステインパルス数はSF1<SF2<SF3<SF4<SF5<SF6<SF7<SF8の関係を満たし、上位のサブフィールドほど印加されるサステインパルス数が多いものとする。
【0026】
このようにして図1のプラズマディスプレイパネル114は、1フィールド(1フレーム)が輝度の重み付けされた複数のサブフィールドからなる映像を、その複数のサブフィールドの点灯又は非点灯を選択することにより映像を階調表現することにより表示する。
【0027】
ここで、図1のプラズマディスプレイパネルに供給する電圧を制御する制御回路115の動作を説明する。制御回路115は逆ガンマ変換部10、非線形ゲイン変換部20、誤差拡散処理部30、サブフィールドデータ格納部40、サブフィールド毎表示率検出部50、サステインパルス数設定部60、サブフィールド毎表示率判定部70、駆動パルス停止部80、制御信号生成部90、非線形パラメータ決定部100から構成される。
【0028】
逆ガンマ変換部10は、デジタル形式の映像信号(映像データ)S1が入力され、逆ガンマ変換を行う。
【0029】
非線形ゲイン変換部20は、映像信号の階調に対応してどのサブフィールドを点灯させるかを決定するために、逆ガンマ変換部10で逆ガンマ変換された映像信号をサブフィールドの点灯パターンに応じて非線形変換を行う。例えば、入力された映像信号の輝度の重みが8であって、サブフィールドの点灯パターンでは7と11の重みを持つ輝度は表示できるがその間は表示できない場合、輝度の重みを7と11のうち映像信号の輝度の重みである8に近い7に変換する。つまり、映像信号のデータをサブフィールド変換できるデータに変換する。入力映像信号の階調レベルと変換後の階調レベルとの誤差については次に説明する誤差拡散処理部30により処理がなされる。
【0030】
誤差拡散処理部30は、非線形ゲイン変換部20で非線形変換された映像信号を入力し、変換された映像信号が誤差を有する場合には、その誤差を空間的又は時間的に拡散し、擬似的に階調表現を行うための映像信号を出力する。
【0031】
サブフィールドデータ格納部40は、誤差拡散処理部30から出力された映像信号が入力されると、映像信号をサブフィールドごとの点灯・非点灯を表したデータに変換して格納しアドレス電極駆動回路111とサブフィールド毎表示率検出部50に送る。例えば、輝度の重みが7の映像信号が入力された場合、サブフィールドSF1〜SF3を点灯とし、サブフィールドSF4〜SF8を非点灯とするデータに変換する。アドレス電極駆動回路111は、サブフィールドデータ格納部40から送られたサブフィールドの映像データに応じて、各画素について点灯させるサブフィールドを選択するためのアドレス電極Ajの電圧即ちアドレス電圧を生成する。
【0032】
サブフィールド毎表示率検出部50は、サブフィールドデータ格納部40で生成されたサブフィールドの映像データを基に、サブフィールド毎の表示率を演算する。ここで、サブフィールドの表示率とは、あるサブフィールドにおいて1画面を構成するセル数に対する点灯するセル数の比率をいう。あるサブフィールドにおいて、点灯するセル数が多くなると、それに比例して表示率は上昇する。また、セルが配置されている1画面の面積に対するあるサブフィールドにおいて点灯するセルの面積の比率を表示率とすることもできる。以上より、サブフィールド毎表示率検出部50は、プラズマディスプレイパネル114における表示率をサブフィールド毎に検出する。
【0033】
サステインパルス数設定部60は、サブフィールド毎表示率検出部50で検出した表示率が入力され、電力制御を行うために1フィールドの総サステインパルス数を演算する。電力制御は入力映像の平均階調レベルの最大階調レベルに対する比率である1フレームの表示負荷率に基づいて行われる。また、表示負荷率はサブフィールドの表示率に重みをかけて加重平均して算出してもよい。例えば、1フィールドの表示負荷率が大きいときには、1フィールドの総サステインパルス数を少なくするように演算し、電力制御を行う。また、サステインパルス数設定部60は、非線形パラメータ決定部100で選択されたサブフィールド配列に応じて、その総サステインパルス数を各サブフィールドの重みの比になるように分割する。
【0034】
サブフィールド毎表示率判定部70は、サブフィールド毎表示率検出部50にて得られたサブフィールド毎の表示率が入力され、各サブフィールドについて表示率が設定されている閾値以下であるか否かを判定する。なお、表示率の閾値は0より大きい値であり、その設定については後述する。
【0035】
駆動パルス停止部80は、サブフィールド毎表示率判定部70での判定結果に応じて、プラズマディスプレイパネル114の駆動波形(駆動パルス)の出力を停止させるための命令を制御信号生成部90に出力する。具体的には、駆動パルス停止部80は、サブフィールド毎表示率判定部70において表示率が閾値以下であると判定された場合に、そのサブフィールドにおける駆動波形の出力を停止させるよう制御信号生成部90に命令を与える。
【0036】
制御信号生成部90は、表示のための制御信号を生成する。アドレス電極駆動回路111、維持電極駆動回路112及び走査電極駆動回路113は、その制御信号に応じて、アドレス電極Ai、X電極Xi及びY電極Yiに印加する電圧を生成する。制御信号生成部90は、例えばサステインパルス数設定部60の出力に従って、制御信号(サステインパルス制御信号)を生成する。制御信号は各駆動回路が動作するタイミングを制御する信号である。例えば、図17において、制御信号生成部90により生成された制御信号は各スイッチをON、OFFするタイミングを制御し、図2におけるY電極Yiにおける駆動波形を生成する。
【0037】
なお、制御信号生成部90は、駆動パルス停止部80から駆動波形の出力を停止させる命令を受けた場合には、制御信号を各駆動回路に送ることによりそのサブフィールドにおいてプラズマディスプレイ114に対する駆動波形の出力を停止させる制御を行う。駆動波形の出力を停止させる制御は各電極の電位をグランドレベルまたは任意の電位に固定するか、各電極への電圧の供給を遮断することにより行われる。駆動波形の出力を停止させた場合、例えば、図2のサステイン期間TSにおいてX電極Xi及びY電極Yiの電位がグランドレベルまたは任意の電位に固定される。また、図2のアドレス期間TAにおいて、アドレス電極Ai及びY電極Yiへの電圧の供給が遮断され、ハイインピーダンス状態になる。この場合、Y電極駆動回路の回路構成を示した図17を用いて制御信号生成部90の動作を説明すると、制御信号生成部90は、例えば図17においてスイッチSW2、SW6、SW10をONにする制御信号を送り、Y電極Yiをグランドレベルの電位にするか、スイッチSW1、SW2、SW6をOFFにする制御信号を送り、Y電極Yiへの接続を遮断してハイインピーダンス状態にすることによりY電極Yiの駆動波形の出力を停止させる。
【0038】
図16に本実施形態の処理を示したフローチャートを示す。図16における処理は図1の制御回路115の各ブロックによってなされる。本実施形態では、ステップS101で表示信号(映像信号)のデータが入力されると、ステップS103で映像信号をサブフィールドデータに変換するために非線形ゲイン処理がなされる。ステップS104では映像信号の非線形ゲイン処理によって生じた誤差を拡散するための誤差拡散処理がなされる。即ち、ステップS103とステップS104とで映像信号がサブフィールド点灯パターンに対応したサブフィールドデータに変換される処理(ステップS102)がなされる。ステップS105ではサブフィールドごとの表示率が検出される処理がなされ、ステップS106ではサブフィールドごとに表示率が閾値以上か判定する処理がなされる。表示率が閾値以下と判定されたサブフィールドに対して、ステップS108では駆動波形の出力を停止する処理がなされる。また、表示率が閾値以上と判定されたサブフィールドがあった場合には、出力を停止するサブフィールドの映像データの欠落による画質の劣化を防ぐために、ステップS107でサブフィールドの点灯パターンを切り替える処理を行ってもよい。
【0039】
図3は、本実施形態におけるサブフィールドの表示率と図1に示す制御回路115によって制御された駆動パルスの出力状態の関係を示す図である。Rはリセット期間、Aはアドレス期間、Sはサステイン期間を示し、出力状態における“○”は駆動波形の出力が行われており、“×”は駆動波形の出力が行われていないことを示している。
【0040】
図3において、各サブフィールドにおける表示率の閾値が5%に設定されている場合、表示率が4%であるサブフィールドSF2、表示率が0%であるサブフィールドSF8は非点灯化される。これにより、サブフィールドSF2、SF8におけるプラズマディスプレイ114のアドレス期間及びサステイン期間の駆動波形の出力を停止して映像の表示に寄与しない無駄な消費電力(無効電力)を低減することができる。
【0041】
以上説明したように本実施形態ではサブフィールドの表示率が閾値以下の場合、駆動波形を停止させることにより、ほとんどのセルが非点灯である場合において、映像の表示に寄与しない無効電力を低減させ、消費電力を低減できる。一方、駆動波形を停止させない場合は、ほとんどのセルが非点灯であったとしても例えば、スキャンパルスやサステインパルスは毎回全ラインに印加され、電力は消費される。従って、本実施形態は消費電力低減に有効である。
【0042】
次に、駆動波形の停止形態について説明する。図4は、表示率が閾値以下であると判定され駆動波形の出力を停止させる場合を一例として示している。
【0043】
図4(A)に示す駆動波形を通常動作時の駆動波形とする。図4において、TRAは、すべての表示セルの初期化を行う全セルリセット期間であり、TROは、前のサブフィールドで点灯した表示セル(オンセル)だけの初期化を行うオンセルリセット期間である。また、TAはアドレス期間、TSはサステイン期間であり、サステイン期間TSは、前処理期間TSP、サステインループ期間SLP、及び後処理期間TSSを有している。
【0044】
図4(B)は、駆動波形の出力の停止対象であるサブフィールド中の期間の中で全セルリセット期間における駆動波形の出力は停止させず、オンセルリセット期間における駆動波形を停止させる場合を示している。これは全セルリセットに係る駆動波形の出力を停止させると、プラズマディスプレイパネル114における黒レベルが変動するので、それを防止するために全セルリセット期間での駆動波形の出力は停止させていない。
【0045】
なお、駆動波形の出力の停止対象であるサブフィールドが全セルリセットを行うよう設定されたサブフィールドであっても、フィールド内の他のサブフィールドにおいて全セルリセットが実行可能であれば、駆動波形の出力の停止対象であるサブフィールドにおいては全セルリセット期間を含むすべての期間で駆動波形の出力を停止させ、他のサブフィールドで全セルリセットを実行するようにしても良い。例えば、サブフィールドSF1が全セルリセットを行うよう設定されたサブフィールドであり、駆動波形の出力の停止対象がサブフィールドSF1、SF2の場合には、サブフィールドSF1、SF2における駆動波形の出力を完全に停止して、サブフィールドSF3等で全セルリセットを行うようにしても良い。
【0046】
また、映像が完全な黒(1フィールドにわたってすべてのセルが非点灯)であれば、全セルリセットに係る駆動波形の出力も含めて停止させるようにしても良い。
【0047】
図4(C)は、駆動波形の出力の停止対象であるサブフィールドにおいて、サステイン期間TSでは駆動波形の出力を停止させ、それ以外の期間(リセット期間TRA、TRO、及びアドレス期間TA)では駆動波形の出力を停止させない場合を示している。プラズマディスプレイ装置では、サステインパルスを印加するサステイン期間TSに多大な電力が消費されるので、図4(C)に示すようにサステイン期間TSのみ駆動波形の出力を停止することでも高い無効電力の低減効果を得ることができる。
【0048】
図4(D)は、駆動波形の出力の停止対象であるサブフィールドにおいて、サステイン期間TS中のサステインループ期間SLPだけ駆動波形の出力を停止させた場合を示している。サステイン期間TS中の前処理期間TSPや後処理期間TSSは電荷調整が行われる期間でもあり、この期間TSP、TSSにおいても駆動波形の出力を停止させると次のサブフィールド等に影響を及ぼすおそれがある。したがって、駆動マージンの点からも図4(D)に示すように前処理期間TSPや後処理期間TSSにおいては駆動波形の出力を行うことが好ましく、さらには次のサブフィールドに影響を及ぼさないために少なくとも後処理期間TSSにおいては駆動波形の出力を行うことが好ましい。
【0049】
プラズマディスプレイ装置における駆動波形の出力を停止する場合には、設定等に応じて図4(B)〜(D)に示した何れかの停止方法で駆動波形の出力が停止される。なお、図4に示した例は一例であり、これに限定されるものではない。また、図4においては、Y電極Yiに印加される駆動波形のみを図示しているが、X電極Xi及びアドレス電極Ajにおいても駆動波形の出力が停止される期間において基準電位(例えば、グランドレベル)とすれば良い。
【0050】
ここで、駆動パルスを停止する制御について図17を用いて説明する。図17に図1のY駆動回路113の回路図の一例を示す。ここで、Vsはサステインパルスの電圧を印加するための電源である。Vsc、−Vyはスキャンパルスを印加するための電源である。Vwはリセットパルスを印加するための電源である。スイッチSW1〜SW10のON、OFFを制御することにより、Y電極に印加する電圧を制御する。ここで、Y電極にサステインパルス(Vsの電圧)を印加する場合はスイッチSW2、SW6、SW9をONにし、他のスイッチをOFFにする。Y電極をグランドに接続する場合はスイッチSW2、SW6、SW10をONにして、他のスイッチをOFFにする。Y電極をグランド以外の電位に接続する場合は例えば、スイッチSW1、SW6,SW10をONにして他のスイッチをOFFにすることにより、Y電極の電位をVscにすることができる。また、Y電極を遮断してハイインピーダンス状態にする場合は、スイッチSW1、SW2、SW6をOFFにする。アドレス駆動回路111、X駆動回路112についても同様の制御を行い、駆動波形の出力を停止させる。
【0051】
次に、各サブフィールドにおける表示率の閾値の設定について説明する。図5、図6は駆動波形を停止させる基準となる表示率をサブフィールドごとに示した図である。また、図7は入力された映像信号の輝度に対してどのサブフィールドを点灯させるか示した点灯表である。図7では、サブフィールドSF1の輝度の重みが1であり、サブフィールドSF2の輝度の重みが2であり、サブフィールドSF8の輝度の重みが30となっている。つまり、サブフィールドSF8は輝度も重みが最も大きく、印加されるサステインパルス数が最も多い。図7に示す表を用いて、例えば21番目の輝度である43の輝度の重みを表示しようとする場合、サブフィールドSF1〜SF6までを点灯させ、サブフィールド7、8を非点灯とする。ここで、なお、以下に示す表示率の閾値の設定例、点灯表は一例であって、これに限定されるものではなく、様々な設定が可能である。
【0052】
表示率の閾値については、図5に示すように各サブフィールドに対して同じ閾値を設定するようにしても良いし、図6に示すようにサブフィールドに応じて閾値を異ならせるようにしても良い。なお、図5及び図6においては、前述したように各サブフィールドに対する輝度の重み付けは、SF1<SF2<SF3<SF4<SF5<SF6<SF7<SF8の関係を満たすようになされているものとする。同様に印加されるサステインパルス数もSF1<SF2<SF3<SF4<SF5<SF6<SF7<SF8の関係を満たす。また、以下の説明では、重みの大きさ(印加されるサステインパルス数)に従い、サブフィールドSF1を最下位のサブフィールドとし、サブフィールドSF8を最上位のサブフィールドとする。
【0053】
図5には各サブフィールドSF(1〜8)に対して、同じ閾値(図示した例では1.0%)を設定した場合を示す。この場合、各サブフィールドについて、表示率が0.5%の場合は停止動作により駆動パルスが印加されないが、1.5%の場合は駆動パルスが印加される。一般に、サブフィールドの表示率が0%となる頻度は極めて少ない。一方、サブフィールドの表示率の閾値を1%として、駆動波形の出力を停止させる場合(閾値を点灯するセル数と見た場合は点灯するセル数が全セル数約2000000に対して約20000以下の場合)、各サブフィールドの点灯セル数が0〜約20000の場合に駆動波形の出力を停止するので、点灯セル数が0の場合にのみ駆動波形の出力を停止させていた従来の場合よりも駆動波形を停止させる頻度が多くなる。
【0054】
以上より、閾値を例えば1%として設定すれば従来の方法に比べ、駆動波形を停止させる頻度が増加する。なお、画質への影響を考慮して閾値は5%以下とするのが好ましい。ただし、消費電力を画質への影響よりも優先させる場合は、特定のサブフィールドについては閾値を10%程度とすることも可能である。
【0055】
図6(A)は、上位サブフィールドほど表示率の閾値を大きくする例である。図6(A)においては、下位サブフィールド(重みが所定値未満のサブフィールドSF1〜SF4)については表示率の閾値が0.5%に設定され、上位サブフィールド(重みが所定値以上のサブフィールドSF5〜SF8)については表示率の閾値が5.0%に設定されている。すなわち、サブフィールドSF5〜SF8の表示率の閾値は、サブフィールドSF5〜SF8よりもサステインパル数が少ないサブフィールドSF1〜SF4の表示率の閾値よりも大きい値が設定されている。ここではサブフィールドSF4までを下位サブフィールドとしたが、サブフィールドSF1までを下位サブフィールドとしてもサブフィールドSF7までを下位サブフィールドとしてもよい。
【0056】
ここで、プラズマディスプレイ装置においては、サステインパルスをより多く停止させることが無効電力の低減に有効である。したがって、上述のようにサステインパルス数の多い上位サブフィールドほど表示率の閾値を大きくすることにより、より高い頻度で発光に寄与しないサステインパルスを停止でき、無効電力低減効果の向上を図ることができる。また、サステインパルス数の少ない下位のサブフィールドの表示率の閾値を小さくすることにより、輝度の重みの小さい映像データが失われる頻度を少なくし、階調表現を維持することができる。例えば、比較的暗い映像などでは、上位サブフィールドにて点灯するセルが無いもしくは少ないので、低階調を表現できる下位サブフィールドさえ点灯すればよい場合もあり、本方式の適用が好ましい。
【0057】
図6(B)は、上位サブフィールドほど表示率の閾値を小さくする例である。図6(B)においては、下位サブフィールド(サブフィールドSF1〜SF4)については表示率の閾値が1.0%に設定され、上位サブフィールド(サブフィールドSF1〜SF4よりもサステインパル数が多いサブフィールドSF5〜SF8)については表示率の閾値が0.5%に設定されている。すなわち、サブフィールドSF5〜SF8の表示率の閾値は、サブフィールドSF5〜SF8よりもサステインパルス数の少ないサブフィールドSF1〜SF4の表示率の閾値よりも小さい値が設定されている。このように上位サブフィールドほど表示率の閾値を小さくすることにより、輝度の大きい上位サブフィールドの映像データが失われることによる画質劣化を抑制しながらも、無効電力を低減するができる。例えば、比較的明るい映像などでは、上位サブフィールドにて映像を概ね表現でき下位サブフィールドの映像表現への寄与は低い場合もあり、本方式の適用が好ましい。
【0058】
図6(C)は、各サブフィールドに個別に表示率の閾値を設定する例である。このようにサブフィールド毎に表示率の閾値を個別に設定することにより、より無効電力低減と画質に与える影響とのバランスを考慮してより細かく無効電力の低減、及び画質劣化の抑制を図ることができる。即ち、映像表現に寄与する割合の高いサブフィールドの閾値をその他のサブフィールドに比べて低く設定し、映像表現に寄与する割合の低いサブフィールドの閾値をその他のサブフィールドに比べて高く設定することが有効である。従って、図6(C)の例に限らずのサブフィールドSF4〜SF6が映像に寄与する割合が高いのであれば、その閾値を0.5%、その他のサブフィールドの閾値を1.0%としてもよく、サブフィールドSF4〜SF6が映像に寄与する割合が低いのであれば、その閾値を1.0%、その他のサブフィールドの閾値を0.5%としてもよい。
【0059】
図6(D)は、特定のサブフィールドに表示率の閾値を設定する例である。図6(D)においては、最上位のサブフィールドSF8についてのみ表示率の閾値が1.0%に設定されている。最上位のサブフィールドはサステインパルスが最も多く印加されるので、駆動波形を停止させることによる無効電力低減効果は大きい。例えば、階調レベルが0である黒表示と階調レベルが最大階調レベルである白表示の組み合わせで構成された映像信号が入力された場合、全表示領域に対する白表示の領域の比率はサブフィールドSF8の表示率と等しくなる。従って、白表示と黒表示の組み合わせで構成された映像信号が入力された場合、全表示領域に対する白表示の領域の比率が1.0%より大きい場合に駆動波形が停止され、全表示領域に対する白表示の領域の比率が1.0%以下の場合には駆動波形が入力される。一方、駆動波形を停止させる処理を行うサブフィールドが増えると、処理が複雑化し、回路規模が大きくなり、コストが増大する。従って、このように上位側のサブフィールドについてのみ表示率の閾値を設定することで、回路規模を大きくせずに容易な処理で無効電力の低減効果の向上を図ることができる。
【0060】
図6(E)は、特定のサブフィールドに表示率の閾値を設定する図6(D)の変形例である。図6(E)において、最上位のサブフィールドSF8について表示率の閾値が0.5%に設定され、サブフィールドSF7について表示率の閾値が2.0%に設定されている。この場合も、入力映像が白表示と黒表示の組み合わせである場合、全表示領域に対する白表示の領域の比率がサブフィールドSF7、SF8の表示率として駆動波形を停止する制御を行ってもよい。図6(D)と比較すると、サブフィールドSF8の閾値を低く設定して、輝度の最も大きいサブフィールドの情報が欠落することによる画質の劣化を防止しつつ、サブフィールドSF7の閾値を高く設定し、無効電力の低減効果の向上を図っている。このように、映像の特徴に応じて閾値の設定を切り替え、最適化させることも有効である。
【0061】
なお、全サブフィールドが点灯する最大階調レベルのセルと全サブフィールドが非点灯である最小階調レベルのセルのみから構成される映像データが入力された場合、1画面を構成するセル数に対する最大階調レベルのセル数の比率を各サブフィールドの表示率として駆動波形の出力を停止させる制御を行ってもよい。
【0062】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、サブフィールドにおける表示率が設定された閾値以下であると判定された場合には、そのサブフィールドを非点灯化してプラズマディスプレイパネル114の駆動波形の出力を停止することで、無効電力を低減することができる。
【0063】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、映像情報の再構成を行わずに駆動波形の停止を行う例を示してきたが、画質の劣化を防止するため、映像データの再構成を行う例を図7、図8を用いて説明する。図7及び図8に、1フィールドが8個のサブフィールドSF1〜SF8からなり、サブフィールドSF6における駆動波形の出力を停止させる場合の点灯表(サブフィールド点灯パターン)の一例を示す。
【0064】
図7は、サブフィールドSF1〜SF8のすべてで駆動波形の出力を行う(サブフィールドSF6における駆動波形の出力を停止する前に適用される)点灯表であり、図8(A)は、サブフィールドSF6を除くサブフィールドSF1〜SF5、SF7、SF8で駆動波形の出力を行う点灯表である。なお、図7及び図8に示す例では、図示するように各サブフィールドに輝度重みが付けられているものとする。
【0065】
図1におけるサブフィールド毎表示率判定部70での各サブフィールドについての表示率に係る判定の結果、サブフィールドSF6の表示率が閾値以下であると判定された場合、映像データの表示においては、図7に示す点灯表に代えて図8(A)に示す点灯表が用いられる。これにより、本来はサブフィールドSF6で点灯させるべき映像データが誤差拡散等の処理によりサブフィールドSF5、SF7に割り振られる。図7に示す点灯表と比較して図8(A)に示す点灯表では直接出力可能な階調数は少なくなるが、駆動波形の出力を停止して無効電力の低減を図りながらも、誤差拡散処理やディザ処理等により画質劣化を抑制することができる。点灯表を切り替える処理は図1における非線形パラメータ決定部100が切り替えられたサブフィールドの点灯パターンに対応した輝度に入力信号を非線形変換するように非線形ゲイン変換部20に命令を与えることによりなされる。
【0066】
図8(B)に図8(A)に示す点灯表を用いて映像データの再構成を行った場合におけるサブフィールドの表示率と駆動パルスの出力状態の関係を示す。映像データの変換処理を適用して映像データの再構成を行う前は、図7の点灯表を用いて表示を行っており、サブフィールドSF6の表示率は4%である。一方、映像データの変換処理を行った後は、図8(A)の点灯表を用いて表示が行われるため、サブフィールドSF6の映像データがサブフィールドSF5、SF7に振り分けられ、サブフィールドSF5、SF7の表示率が2%増加し、サブフィールドSF6の表示率が0%なっている。サブフィールドの表示率が0%となったサブフィールドSF6、SF8について駆動パルスの出力を停止させ、非点灯化させている。映像データの再構成により、単にサブフィールドSF6を非点灯化する場合と比較して画質劣化を抑制することができ、画質劣化を最小限に抑えつつ無効電力の低減を実現することができる。
【0067】
以上説明したように第2の実施形態によれば、駆動波形の出力を停止するサブフィールドで点灯させるはずであった映像データを上位及び下位のサブフィールドに割り振ることで、サブフィールドを非点灯化したことによる画質劣化を抑制して消費電力を低減することができる。
【0068】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
まず、図9〜14を用いて、条件が変化した場合に各サブフィールドの閾値をどのように変化させるかを説明する。次に、図15を用いて、駆動波形を停止させた場合に次のサブフィールドの駆動波形をどの時点から印加するかを説明する。
【0069】
第3の実施形態におけるプラズマディスプレイ装置は、プラズマディスプレイ装置の動作状態や表示する映像に応じて表示率の閾値を変更できるようにしたものである。
【0070】
図9は、第3の実施形態におけるプラズマディスプレイ装置の構成例を示すブロック図である。図9において、図1に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図9に示すように、第3の実施形態におけるプラズマディスプレイ装置は、図1に示した第1の実施形態におけるプラズマディスプレイ装置に、さらにヒストグラム検出部120及び判定閾値設定部130を有するものである。
【0071】
ヒストグラム検出部120は、逆ガンマ変換部10で逆ガンマ変換された映像信号を基に、映像信号の階調分布に係るヒストグラムをフィールド毎に検出する。
【0072】
判定閾値設定部130は、サブフィールド毎表示率検出部50で検出されたサブフィールド毎の表示率及びヒストグラム検出部120で検出された映像信号の階調分布に係るヒストグラム等に基づいて表示率の閾値を決定する。また、判定閾値設定部130は、決定した表示率の閾値をサブフィールド毎表示率判定部70に供給し設定する。
【0073】
なお、判定閾値設定部130における表示率の閾値の決定は、複数の閾値テーブルのようなものを備え、入力される表示率や階調分布に係るヒストグラム等に応じて選択することにより決定するようにしても良い。また、ソフトウェア等を用いた処理により、入力される表示率や階調分布に係るヒストグラム等に基づいて閾値を決定するようにしても良い。
【0074】
第3の実施形態におけるプラズマディスプレイ装置は、第1の実施形態と同様に、サブフィールドの表示率が設定された閾値以下であると判定された場合には、そのサブフィールドを非点灯化してプラズマディスプレイ114の駆動波形の出力を停止し、無効電力を低減させる。また、非点灯化されたサブフィールドに対応する映像データを隣接する上位/下位のサブフィールドに割り振って、画質劣化を抑制し、画質劣化を最小限に抑えつつ無効電力の低減を実現する。第3の実施形態におけるプラズマディスプレイ装置においては、プラズマディスプレイ装置の動作状態や表示する映像に応じて表示率の閾値を動的に変更可能にし、駆動波形の出力停止に係る制御を動作状態や表示映像等に応じて適切に行い、さらなる無効電力の低減効果の向上を図ることができる。
【0075】
以下に一例として、(a)映像信号の階調分布、(b)映像信号の表示負荷率、(c)隣接するサブフィールドの表示率、(d)プラズマディスプレイ装置の動作状態の各々に応じて表示率の閾値を変更する場合について説明する。なお、以下に説明する例において、標準的な状態のもとでは各サブフィールドの表示率の閾値は、1.0%であるとする。
【0076】
(a)映像信号の階調分布に応じて表示率の閾値を変更する場合
映像信号の階調分布が高階調側で発生頻度が高くなるような分布、すなわち高階調側に映像データが集中している場合(図10(A))には、低階調側の情報を欠落させても、それによる画質劣化は表示される映像においては目立たない。一方、映像信号の階調分布が低階調側で発生頻度が高くなるような分布、すなわち低階調側に映像データが集中している場合(図11(A))には、低階調側の情報を欠落させると、それによる画質劣化は表示される映像においては目立つ。図10(B)、図11(B)にそれぞれ、通常の階調分布(高階調側にも低階調側にも映像データが集中していない階調分布)における各サブフィールドの表示率の閾値(図5)と比較した各サブフィールドの表示率の閾値を示す。
【0077】
そこで、図10(A)に示すように、例えば映像信号の階調分布が最大階調の70%の階調以上の階調に50%以上の頻度で分布している場合には、図10(B)に示すように、下位サブフィールド(輝度重みが小さいサブフィールド)SF1,SF2,SF3の表示率の閾値を映像信号の階調分布が最大階調の70%の階調以上の階調に50%未満の頻度で分布している場合の閾値(図5)よりも大きくする。一方、図11(A)に示すように、映像信号の階調分布が最大階調の30%の階調以下の階調に50%以上の頻度で分布している場合には、図11(B)に示すように、下位サブフィールド(輝度重みが小さいサブフィールド)SF1,SF2,SF3の表示率の閾値を映像信号の階調分布が最大階調の30%の階調以下に階調に50%未満の頻度で分布している場合の閾値(図5)よりも小さくする。ここでは下位サブフィールドをサブフィールドSF1,SF2,SF3としたが、サブフィールドSF1のみとしてもよいし、サブフィールドSF1〜SF7としてもよい。
【0078】
このように映像信号の階調分布に応じて表示率の閾値を設定することにより、映像に応じて、画質劣化を抑制しつつ適切に駆動波形の出力を停止させることができ、無効電力を低減させることができる。
【0079】
(b)映像信号の表示負荷率に応じて表示率の閾値を変更する場合
映像信号の表示負荷率とは1フィールドの表示負荷率のことである。ここで、図12(A)に示す表示負荷率が20%のときの表示率の閾値を基準のものとする。映像信号の表示負荷率が高い映像では、特に下位側のサブフィールド(輝度重みが小さいサブフィールド)を非点灯としても目立ちにくいため、例えば映像信号の表示負荷率が60%である場合には映像信号の表示負荷率が20%である場合よりも、図12(B)に示すように下位サブフィールド(SF1,SF2,SF3)の表示率の閾値を大きくする。これにより、駆動波形の出力が停止される確率を高め、画質劣化を抑制しつつ、無効電力の低減効果を向上させることができる。
【0080】
(c)隣接するサブフィールドの表示率に応じて表示率の閾値を変更する場合
ある特定のサブフィールドに対して、それに隣接するサブフィールドでの表示率が高く、その特定のサブフィールドでの表示率が低い場合には、両側の表示率が高いため、その間にある特定のサブフィールドが非点灯化されても目立ちにくい。そこで、図13(B)に示すように、隣接する両側のサブフィールドの表示率がともに90%のサブフィールド(図示した例ではサブフィールドSF1、SF3)であるサブフィールドSF2の表示率の閾値を図13(A)の場合(隣接する両側のサブフィールドの表示率がともに50%の場合)よりも大きくする。これにより、隣接する両側のサブフィールドの表示率がともに高いサブフィールドにおいて駆動波形の出力が停止される確率を高め、画質劣化を抑制しつつ、無効電力の低減効果を向上させることができる。
【0081】
(d)プラズマディスプレイ装置の動作状態(電力設定)に応じて表示率の閾値を変更する場合
プラズマディスプレイ装置の設定が通常動作状態よりも消費電力を少なくさせる設定である低消費電力モードで動作している場合には、画質劣化よりも無効電力の低減による消費電力の削減を優先し、図14(B)に示すように、サブフィールドの表示率の閾値を図14(A)に示す通常動作状態における場合よりも大きくする。これにより、フィールド中のすべてのサブフィールドにおいて駆動波形の出力が停止される確率を高め、無効電力の低減効果を向上させることができる。
【0082】
プラズマディスプレイ装置の動作状態(電力設定)だけでなく、外光を検出して表示率の閾値を変更してもよい。室内が明るい場合は外光のパネルの反射などにより、映像が見えにくくなるので、画質の劣化を抑制する必要がある。一方、室内が暗い場合は、映像のコントラストが高くなるので、駆動波形を停止させても視聴者への影響は少ない。従って、例えば外光値が大きく、室内が明るい場合は、表示率の閾値を検出された外光値が小さく室内が暗い場合よりも低くする。これにより、室内が明るい場合において画質劣化を抑制しつつ、室内が暗い場合において画質の劣化を視聴者に認識されずに無効電力の低減効果を向上させることができる。
【0083】
なお、上述した説明では、個々の要因に応じて表示率の閾値を変更する場合についてそれぞれ説明したが、これらを適宜組み合わせ、複数の要因に応じて表示率の閾値を変更するようにしても良く、極め細やかな制御による無効電力の低減効果のさらなる向上が期待できる。
【0084】
以上説明したように第3の実施形態によれば、サブフィールドの表示率が設定された閾値以下であると判定された場合には、そのサブフィールドを非点灯化して駆動波形の出力を停止することで、無効電力を低減することができる。また、駆動波形の出力が停止されるサブフィールドで点灯させるはずであった映像データを上位及び下位のサブフィールドに割り振ることで、サブフィールドを非点灯化したことによる画質劣化を抑制することができる。また、プラズマディスプレイ装置の動作状態や表示する映像に応じて表示率の閾値を変更可能にしたことにより、動作状態や表示映像等に応じ駆動波形の出力停止に係る制御を適切に行い、無効電力の低減効果を向上させることができる。
【0085】
なお、上述した各実施形態において、プラズマディスプレイパネル114の駆動波形の出力を停止させる場合、すぐに次のサブフィールドの駆動波形を出力する方法と停止した部分について休止期間を設ける方法とがある。例えば、リセット期間、アドレス期間、サステイン期間の駆動パルスを停止させ、休止期間を設けない場合、そのサブフィールドがなくなることになる。即ち、サブフィールドSF6のすべての駆動パルスを停止させる場合、サブフィールドSF5の直後にサブフィールドSF7が続く。この場合、1フィールドの時間を短縮することができるが、サブフィールドの発光重心がずれる。例えば、図15(A)に示す通常時の駆動波形における駆動パルス停止対象部分を、図15(B)に示すように削除すると、次のサブフィールド以降のサブフィールドにおいて時間的な発光位置がずれてフリッカが発生するおそれがある。そこで、上述した各実施形態においては、図15(A)に示した駆動パルス停止対象部分の出力を停止させる場合に、図15(C)に示すように休止期間を設け、駆動波形の出力を停止するか否かにかかわらず、次のサブフィールドが同じタイミングで開始されるようにする。これにより、時間的な発光位置のずれによるフリッカの発生を防止し、画質劣化を抑制することができる。
【0086】
なお、図4(B)、(D)の駆動波形の出力停止の例はサブフィールドの表示率が閾値以下で駆動波形を停止させる場合だけでなく、表示率が0の場合にのみ駆動波形を停止させる場合に適用してもよい。この点は特許文献1、特許文献2には開示がなく、停止する駆動波形の対象を様々に設定することで、画質への影響を抑える本発明の効果が得られる。
【0087】
これまで説明してきた実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。また、前記実施形態を組み合わせることにより本発明を実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】第1の実施形態におけるプラズマディスプレイ装置の構成例を示す図である。
【図2】第1の実施形態におけるプラズマディスプレイ装置の駆動波形(通常時)の一例を示す図である。
【図3】第1の実施形態におけるプラズマディスプレイ装置の動作例を説明するための図である。
【図4】第1の実施形態におけるプラズマディスプレイ装置の駆動波形の一例を示す図である。
【図5】第1の実施形態における表示率の閾値の設定例を示す図である。
【図6】第1の実施形態における表示率の閾値の他の設定例を示す図である。
【図7】第1の実施形態、第2の実施形態におけるプラズマディスプレイ装置の点灯表の一例を示す図である。
【図8】第2の実施形態におけるプラズマディスプレイ装置の点灯表の一例と動作例を示す図である。
【図9】第3の実施形態におけるプラズマディスプレイ装置の構成例を示す図である。
【図10】第3の実施形態における映像信号の階調分布に応じた表示率の閾値の設定例を示す図である。
【図11】第3の実施形態における映像信号の階調分布に応じた表示率の閾値の他の設定例を示す図である。
【図12】第3の実施形態における表示負荷率に応じた表示率の閾値の設定例を示す図である。
【図13】第3の実施形態における隣接するサブフィールドの表示率に応じた表示率の閾値の設定例を示す図である。
【図14】第3の実施形態における動作状態に応じた表示率の閾値の設定例を示す図である。
【図15】各実施形態における駆動波形の出力停止時の駆動波形例を示す図である。
【図16】各実施形態における動作のフローチャートを表した図である。
【図17】各実施形態における駆動回路の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
10 逆ガンマ変換部
20 非線形ゲイン変換部
30 誤差拡散処理部
40 サブフィールドデータ格納部
50 サブフィールド毎表示率検出部
60 サステインパルス数設定部
70 サブフィールド毎表示率判定部
80 駆動パルス停止部
90 制御信号生成部
100 非線形パラメータ決定部
111 アドレス電極駆動回路
112 維持電極駆動回路
113 走査電極駆動回路
114 プラズマディスプレイパネル
115 制御回路
120 ヒストグラム検出部
130 判定閾値設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1フレームの映像が複数のサブフィールドにより表示され、前記複数のサブフィールドのうち少なくとも1つのサブフィールドにサステインパルスを印加し、セルを点灯させるプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、
前記サブフィールドにて点灯するセルの比率である表示率が閾値以下となる場合に前記サブフィールドにおいて少なくとも一部のサステインパルスの印加を停止させることを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項2】
請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、
第1のサブフィールドにおける閾値は前記第1のサブフィールドよりもサステインパルス数の少ない第2のサブフィールドの閾値よりも高いことを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項3】
請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、
第1のサブフィールドにおける閾値は前記第1のサブフィールドよりもサステインパルス数の多い第2のサブフィールドの閾値よりも高いことを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項4】
請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、
1フレームの映像における平均階調の最大階調に対する比率である表示負荷率が第1の比率である場合の前記閾値を前記表示負荷率が第1の比率よりも低い第2の比率である場合の前記閾値よりも高くすることを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項5】
請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、
1フレームの映像における平均階調の最大階調に対する比率である表示負荷率が先のフレームに比べて増加した場合、前記複数のサブフィールドのうち一部のサブフィールドの前記閾値を前記表示負荷率が増加する前よりも高くすることを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項6】
請求項5に記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、
前記閾値を高くする前記一部のサブフィールドは他のサブフィールドよりもサステインパルス数が少ないことを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項7】
請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、
1フレームの映像の階調分布が先のフレームに比べて変化した場合に前記閾値が先のフレームで設定された閾値から変化することを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項8】
請求項7に記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、
入力映像データの階調分布が最大階調の70%以上の階調に50%以上の頻度で分布する第1の階調分布である場合は、最大階調の70%以上の階調に50%未満の頻度で分布する第2の階調分布である場合よりも少なくとも1つのサブフィールドにおいて前記閾値を高くすることを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項9】
請求項7に記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、
入力映像データの階調分布が最大階調の30%以下の階調に50%以上の頻度で分布する第1の階調分布である場合は、最大階調の30%以下の階調に50%未満の頻度で分布する第2の階調分布である場合よりも少なくとも1つのサブフィールドにおいて前記閾値を低くすることを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項10】
請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、
第1の設定と前記第1の設定よりも前記プラズマディスプレイ装置の消費電力を少なくさせる設定である第2の設定とがある場合、前記第1の設定における前記閾値よりも前記第2の設定における閾値を高くすることを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか1項に記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、
前記セルへ供給される電圧を固定または遮断することにより、少なくとも一部のサステインパルスの印加を停止させることを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項12】
1フレームの映像が複数のサブフィールドにより表示され、前記複数のサブフィールドのうち少なくとも1つはセルの初期化を行うリセット期間と発光させるセルの選択を行うアドレス期間と前記アドレス期間にて選択されたセルの発光を行うサステイン期間とから構成されるプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、
入力映像が黒表示であるセルの領域と白表示であるセルの領域の組み合わせである場合、前記複数のサブフィールドのうちサステインパルス数が最も多い第1のサブフィールドでは、前記白表示の領域の全表示領域に対する比率が第1の比率である場合にサステインパルスが印加されず、前記白表示の領域の全表示領域に対する比率が第1の比率よりも高い第2の比率である場合にサステインパルスが印加されることを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項13】
請求項12に記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、
前記第1のサブフィールド以外のサブフィールドでは前記白表示の領域の全表示領域に対する比率にかかわらずサステインパルスが印加されることを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項14】
請求項12に記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、
前記複数のサブフィールドのうちサステインパルス数が2番目に多い第2のサブフィールドでは前記白表示の領域の全表示領域に対する比率が前記第2の比率である場合にサステインパルスが印加されず、前記白表示の領域の全表示領域に対する比率が前記第2の比率よりも高い第3の比率である場合にサステインパルスが印加されることを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項15】
請求項14に記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、
前記第1のサブフィールドと前記第2のサブフィールド以外のサブフィールドでは前記白表示の領域の全表示領域に対する比率にかかわらずサステインパルスが印加されることを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項16】
請求項12〜15の何れか1項に記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、
前記第1のサブフィールドでは前記白表示の領域の全表示領域に対する比率が前記第1の比率である場合、サステインパルスの一部が印加されないことを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項17】
アドレス電極と前記アドレス電極に交差する維持電極及び走査電極とから構成されるプラズマディスプレイパネルと、
前記アドレス電極に駆動電圧を供給する第1の駆動回路と、
前記維持電極に駆動電圧を供給する第2の駆動回路と、
前記走査電極に駆動電圧を供給する第3の駆動回路と、
前記第1の駆動回路、前記第2の駆動回路および前記第3の駆動回路の少なくとも1つを制御する制御回路とを備えるプラズマディスプレイ装置であって、
前記制御回路は、入力信号をサブフィールド変換した場合における1画面を構成するセルに対するサブフィールドにおいて点灯するセルの比率である表示率が閾値以下の場合、前記サブフィールドにおいて前記プラズマディスプレイパネルに供給する駆動電圧を所定期間において固定または遮断するように前記第1の駆動回路、前記第2の駆動回路および前記第3の駆動回路の少なくとも1つを制御することを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項18】
請求項17に記載のプラズマディスプレイ装置であって、
前記制御回路は前記複数のセルを点灯させるサステイン期間において前記駆動電圧を固定または遮断するように前記第1の駆動回路、前記第2の駆動回路および前記第3の駆動回路の少なくとも1つを制御することを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項19】
請求項18に記載のプラズマディスプレイ装置であって、
前記制御回路は前記サステイン期間のうち、電荷調整が行われる前処理期間と後処理期間を除いたサステインループ期間において少なくとも前記駆動電圧を固定または遮断するように前記第1の駆動回路、前記第2の駆動回路および前記第3の駆動回路の少なくとも1つを制御することを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項20】
請求項17〜19の何れか1項に記載のプラズマディスプレイ装置であって、
前記制御回路は点灯させるセルの選択を行うアドレス期間において前記駆動電圧を固定または遮断するように前記第1の駆動回路、前記第2の駆動回路および前記第3の駆動回路の少なくとも1つを制御することを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項21】
請求項17〜20の何れか1項に記載のプラズマディスプレイ装置であって、
前記制御回路は点灯したセルの初期化を行うオンセルリセット期間において前記駆動電圧を固定または遮断するように前記第1の駆動回路、前記第2の駆動回路および前記第3の駆動回路の少なくとも1つを制御することを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項22】
請求項21に記載のプラズマディスプレイ装置であって、
前記制御回路は1画面を構成するセルの初期化を行う全セルリセット期間において前記駆動電圧を固定または遮断するように前記第1の駆動回路、前記第2の駆動回路および前記第3の駆動回路の少なくとも1つを制御することを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項23】
請求項17〜22の何れか1項に記載のプラズマディスプレイ装置であって、
前記制御回路は前記表示率が閾値以下であるサブフィールドで表示される映像データを他のサブフィールドで表示させるように前記第1の駆動回路、前記第2の駆動回路および前記第3の駆動回路の少なくとも1つを制御することを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項24】
請求項17〜23の何れか1項に記載のプラズマディスプレイ装置であって、
前記制御回路は入力された映像信号の階調レベルとセルに表示される階調レベルとの誤差を他のセルに拡散する誤差拡散処理を行うことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項25】
請求項17〜24の何れか1項に記載のプラズマディスプレイ装置であって、
前記制御回路は次のサブフィールドで電圧を供給するまでの間、休止期間を設けるように前記第1の駆動回路、前記第2の駆動回路および前記第3の駆動回路の少なくとも1つを制御することを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項26】
請求項25に記載のプラズマディスプレイ装置であって、
前記制御回路は、前記サブフィールドの表示率が閾値以下の場合は、前記サブフィールドの表示率が閾値よりも大きい場合と後続するサブフィールドの開始のタイミングが変わらないように前記第1の駆動回路、前記第2の駆動回路および前記第3の駆動回路の少なくとも1つを制御することを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項27】
請求項17〜26の何れか1項に記載のプラズマディスプレイ装置であって、
前記制御回路は前記プラズマディスプレイパネルに供給する駆動電圧をサステイン期間のうち電荷調整を行う前処理期間と後処理期間を除いたサステインループ期間において前記駆動電圧を固定または遮断するように前記第1の駆動回路、前記第2の駆動回路および前記第3の駆動回路の少なくとも1つを制御することを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項28】
請求項17〜27の何れか1項に記載のプラズマディスプレイ装置であって、
前記第2の駆動回路は前記第3の駆動回路と共通であることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2010−113246(P2010−113246A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−287040(P2008−287040)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【出願人】(599132708)日立プラズマディスプレイ株式会社 (328)
【Fターム(参考)】