説明

プラズマ処理装置

【課題】ウエハ外周部における反応生成物分布とウエハ最外周部への入射イオン分布を高精度に制御でき、エッチング条件に応じたエッチングレートで最適にエッチングを行う。
【解決手段】真空処理室内にプラズマを生成し、生成したプラズマにより前記真空容器内に配置した試料載置電極上に載置された試料にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置において、前記試料載置電極は、その表面外周部に配置したリング状の第1のサセプタ111と該第1のサセプタの外周に配置され放射方向に複数の貫通孔を穿設したリング状の第2のサセプタ112と、前記第2のサセプタを上下方向に駆動する駆動部を備え、第2のサセプタを上下方向に駆動して、試料の表面と第2のサセプタの表面、および第2のサセプタに穿設した貫通孔と第1のサセプタの相対位置を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ処理技術に係り、特に試料に均質な処理を施すことのできるプラズマ処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程においては、一般にプラズマを用いたドライエッチングが行われている。ドライエッチングを行うためのプラズマ処理装置には様々な方式が使用されている。
【0003】
一般のプラズマ処理装置は、真空処理室、これに接続されたガス供給装置、前記真空処理室内の圧力を所望の値に維持する真空排気系、被処理材であるウエハを載置する電極、真空処理室内にプラズマを発生させるためのプラズマ発生手段などから構成されている。
【0004】
プラズマ発生手段により、シャワープレート等から真空処理室内に供給された処理ガスをプラズマ状態とすることで、ウエハ載置用電極に保持されたウエハのエッチング処理が行われる。
【0005】
近年では、半導体デバイスの集積度の向上に伴い、加工精度の向上が要求されるとともに、エッチングレートの面内均一性あるいはエッチング形状におけるCD値(Critical Dimension)のウエハ面内の均一性等の向上が要求される。また、被エッチング材料も単層膜から多層膜に変化し、各層毎あるいは各膜の処理中にエッチング条件を変化させる多段ステップのエッチングが多用されるようになった。また、エッチング工程におけるスループット向上、あるいは難エッチング材料の処理を目的として、イオン引き込み用の高周波電力(RFバイアス)は高い領域を使用することも多くなってきた(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−247584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
エッチング処理の面内均一性は、プラズマ密度分布、ラジカル密度分布、ガス流れ分布、ウエハ面内温度分布、反応生成物の分布、および入射イオンの分布の影響を受けやすい。
【0008】
ウエハ面内エッチングレートの均一性悪化の多くはウエハのミドル部(ウエハ半径の約2分の1の位置)の部分からウエハ端までの領域で発生している。特にRFバイアスが200ワット以上のエッチング条件では、ウエハ外周部上に形成されるイオンシースと、さらにウエハ載置電極の外周に位置するリング状の部材上部に形成されるイオンシースとの間に段差が形成され、両者の境界上のイオンシースには傾斜が形成される。
【0009】
このイオンシース界面の傾斜構造により、ウエハ最外周部(最外周領域:実施例では、ウエハ端からウエハ半径の約10分の1内側に至るまでのリング状の領域、12インチのウエハではウエハ端から約10ミリメートル内周に至るまでのリング状の領域)では、入射するイオンが集中、増加してウエハ最外周部のエッチングレートが上昇する。
【0010】
また、エッチングに伴って発生した反応生成物の滞留により、ウエハのミドル部から外周部(実施例では、ウエハ端からウエハ半径の約10分の1内側に入った部分)でエッチングレートが低下する。この両者の影響を受けるため、ウエハの中心部に対して、ミドル部からウエハ端までのエッチングレート増加、減少幅は大きくなり、エッチングレートの面内均一性は著しく悪化する。
【0011】
ところで、従来のプラズマ処理装置によるエッチングでは、ウエハ外周部で均一な加工をするために、ウエハ載置電極の外周部を温度制御するものが知られている。しかし、外周部の温度分布を変化させても、ウエハの外周部においてはウエハ載置電極とウエハ間での熱伝達が低く、外周部のエッチングレートの制御に十分に対応することができない。
【0012】
また、ウエハ載置用電極の外側に、サセプタと呼ばれる絶縁性のリング、あるいはスリーブ状の部品を設置し、その高さを最適にすることによってエッチングレートを均一化するものがある。しかしサセプタ高さが高いと反応生成物の排気が抑制されて反応生成物が滞留して外周部のエッチングレートが低下する。また、サセプタ高さが低いとウエハ最外周部への入射イオン量が増加しエッチングレートが増加するため、両者の問題点には同時に対応できない。
【0013】
また、ウエハ外周部における反応生成物の量を制御するために、ウエハ外周部の排気を下方で調整するものなどが知られている。しかし、処理室下方から排気を行う場合、ウエハ外周部でのガス流線は下方を向くことになる。このため、バルクプラズマとイオンシース間でトラップされた異物が下向きのベクトルによりウエハ外周部に再付着し、あるいは排気しきれない反応生成物が処理室下方に堆積し、巻き上げられ易くなる等の問題が発生する。
【0014】
さらにサセプタの高さとウエハ端からサセプタ内径までの距離は固定されるため、ウエハ端からサセプタの内壁までの空間に滞留する反応生成物、特にその滞留領域を制御することができない。
【0015】
本発明はこれらの問題点に鑑みてなされたもので、ウエハ外周部における反応生成物およびウエハ最外周部における入射イオン量を制御することができるプラズマ処理装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は上記課題を解決するため、次のような手段を採用した。
【0017】
真空処理室内にプラズマを生成し、生成したプラズマにより前記真空容器内に配置した試料載置電極上に載置された試料にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置において、前記試料載置電極は、その表面外周部に配置したリング状の第1のサセプタと該第1のサセプタの外周に配置され放射方向に複数の貫通孔を穿設したリング状の第2のサセプタと、前記第2のサセプタを上下方向に駆動する駆動部を備え、第2のサセプタを上下方向に駆動して、試料の表面と第2のサセプタの表面、および第2のサセプタに穿設した貫通孔と第1のサセプタの相対位置を調整する。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、以上の構成を備えるため、ウエハの外周部(ミドル−外周部)における反応生成物およびウエハ最外周部における入射イオン量を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態に係るマイクロ波ECRエッチング装置を説明する図である。
【図2】第二サセプタを説明する図である。
【図3−1】第二および第三サセプタを説明する図である。
【図3−2】第二および第三サセプタを説明する図である。
【図3−3】第二および第三サセプタを説明する図である。
【図3−4】第二および第三サセプタを説明する図である。
【図4】エッチングレート分布を説明する図である。
【図5】第二および第三サセプタの高さ調整方法を説明する図である。
【図6】プラズマ処理方法を説明する図である。
【図7】第2の実施形態に係るマイクロ波ECRエッチング装置を説明する図である。
【図8】第3の実施形態に係るマイクロ波ECRエッチング装置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態に係るマイクロ波ECR(Electron Cyclotron Resonance)エッチング装置を説明する図である。図に示すように、上部が開放された真空容器101の上部に、真空容器101内にエッチングガスを封入するための誘電体窓103(例えば石英製)を設置することにより処理室104を形成する。また、真空容器101には真空排気口110を介して真空排気装置(図示省略)が接続されている。
【0021】
プラズマを生成するための電力を処理室104に伝送するため、誘電体窓103の上方には電磁波を伝送する導波管105が設けられる。電磁波発生用電源106で生成された電磁波は発振導波管105を介して処理室104に入力される。電磁波の周波数は特に限定されないが、本実施形態では2.45GHzのマイクロ波を使用する。処理室104の外周部には、磁場を形成する磁場発生コイル107が設けてあり、電磁波発生用電源106より発振された電力は、磁場発生コイル107により形成された磁場との相互作用により、処理室104内に高密度プラズマを生成する。
【0022】
また、誘電体窓103に対向して真空容器101の下方にはウエハ載置用電極108が設けられる。ウエハ載置用電極108は電極表面が溶射膜(図示省略)で被覆されており、高周波フィルター122を介して直流電源123が接続されている。さらに、ウエハ載置用電極108には、マッチング回路120を介して高周波電源121が接続される。
【0023】
処理室104内に搬送されたウエハ109は、直流電源123から印加される直流電圧による静電気力でウエハ載置用電極108上に吸着される。
【0024】
エッチングガスは、マスフローコントロ−ラ(図示省略)、誘電体窓103と石英シャワープレート102との間に設けた間隙を通過して、石英シャワープレート102のガス孔より処理室104に導入される。
【0025】
真空容器101内を所定の圧力とし、処理室104内にプラズマを発生させ、高周波電源121からウエハ載置用電極108に高周波電力(RFバイアス)を印加することにより、プラズマ中のイオンをウエハ109に引き込み、ウエハ109をエッチング処理する。エッチングガスおよびエッチングにより発生した反応生成物は真空容器101の下部110に備えた排気ポンプを介して排気される。
【0026】
次に、本実施形態における載置用電極108周辺のサセプタの構造を図1、図2および図3により説明する。
【0027】
ウエハ載置用電極108の周りに誘電体製(例えば石英製、アルミナ製、イットリア製等)でリング状の第一サセプタ111を設ける。また、第一サセプタ111の外側の、第一サセプタ111と同心となる位置に、誘電体製の(例えば石英製、アルミナ製、イットリア製等)第二サセプタ112を設け、さらにその外側に第一サセプタ111と同心とする位置に誘電体製(例えば石英製、アルミナ製、イットリア製等)の第三サセプタ113を設ける。
【0028】
第一サセプタ111はプラズマから載置用電極108を保護するのために、載置用電極108の外周を取り囲む状態で設置されている。第一サセプタ111はその上面がウエハ109の下面に対し同一平面となるか、あるいはウエハ下面が僅かに高い位置に設置されている。エッチング処理時には、ウエハ109は載置用電極108に微小な隙間を持った状態で、ウエハ109の外周端が数mm、図3、図8のように第一サセプタ111上にオーバーハングした状態になるように載置されている。
【0029】
本実施形態では、第一サセプタ111のリング幅は3mmである。第一サセプタ111のリング幅が細いとウエハ109と第二サセプタ112がウエハに近づきすぎる。この場合には、第二サセプタの開口114による排気や電界の乱れが生じる。また、異物の付着などの影響をうける。
【0030】
反対に第一サセプタ111のリング幅が10mmより大きすぎると、ウエハ109と可動する第二サセプタ112との距離が長くなり、第二サセプタ112によるウエハ外周部エッチングレート等の制御効果が小さくなる。このため、第一サセプタ111のリング幅は2mmから10mmの幅とする。また、第一サセプタ111上面にはウエハ109のずれ防止のために、数か所のウエハ位置合わせ用の突起物124(図3−1参照)が設けられている。
【0031】
図2(a)は、本実施形態の第二サセプタ112および第二サセプタ開口114を示した斜視図である。なお、前記第三サセプタ113は、第二サセプタ112と同じ高さであり、内径および外径が異なっている。第二サセプタ112には内側から外側へ反応生成物を排気をするために開口(貫通孔)114が設けている。第二サセプタ開口114は、反応生成物の排気によるガス流線をウエハ112に対して概略平行を保つため、内側から外側に貫通した開口であり、第二サセプタ112が上昇し開口114が第一サセプタ111の上面より上方に現れ、かつ第三サセプタ113の内壁面によって塞がれていないとき反応生成物を排気する流路として機能する。
【0032】
本実施形態では、第二サセプタ112のリング幅は10mmでリング高さは10mmである。第二サセプタ112のリング幅は反応生成物の排気によるガス流線をウエハ面と平行に保ち、反応生成物の滞留領域125の位置を制御するという理由と、ウエハ109と第三サセプタ113との距離を考慮し、第二サセプタ112のリング幅は約2mmから30mmとする。
【0033】
第三サセプタ113にも内側から外側への反応生成物の排気をするために開口115が設けてある。第三サセプタ開口115も反応生成物の排気によるガス流線をウエハ112面に対して概略平行を保つため内側から外側に貫通した開口であり、第三サセプタ113が上昇し開口115が第一サセプタ111の上面、あるいは第二サセプタの上面に現れ、かつ開口115が第二サセプタの外周壁面に塞がれていないときは、反応生成物を排気する流路として機能する。
【0034】
本実施形態では第三サセプタ113のリング幅は20mmでリング高さは10mmである。第三サセプタ113のリング幅も反応生成物のガス流線を概略平行に保つため約10mm以上の幅とする。
【0035】
また第二サセプタ112と第三サセプタ113のリング幅の和は、開口114,115から反応生成物を排気する流路のコンダクタンス、第二サセプタ112と第三サセプタ113上に形成されるイオンシース界面の形状を考慮し、約10mmから60mmとする。
【0036】
本実施形態では第二サセプタ開口114および第三サセプタ開口115のいずれも開口面をウエハ109の中心に向け、上記サセプタの内側から外側に貫通する開口を設けている。これによって開口114,115からのガス流線を概略平行に保つことができ、反応生成物が滞留しない、効率の良い反応生成物排気を実施できる。
【0037】
なお、上記開口115による流路が開口115全周からのガス流線を概略平行に保つことができれば、必ずしも開口115が第三サセプタの内側から外側に貫通する必要はなく、途中に十分な流路となる空間を設け湾曲させても構わない。
【0038】
本実施形態では、第二サセプタの開口114、および第三サセプタ開口115はともに、高さ1mm、幅5mmの四角形とし、一重で周方向に均一な分布で、第二サセプタ112および第三サセプタ113の下面から8mm(上面から2mm)の位置に開口(114、115)の中心が来るように配置している。
【0039】
なお、上記サセプタの開口(114、115)の形状は第二サセプタ112および第三サセプタ113の上方、ウエハ109外周部の上方に形成されるイオンシース、あるいは電界に影響を与ず、開口部周辺に異常放電を起こさない形状であれば、四角形、楕円形、スリット状でも可能である。
【0040】
また、開口の個数、開口を配置する高さや周方向分布は、可動する第二サセプタ112あるいは第三サセプタ113が上昇した際の反応性生物の排気、滞留量を考慮して、例えば前記開口を上下方向に複数配置してもよく、第二サセプタ112、第三サセプタ113のそれぞれにおいて開口114、115の上下方向の高さ位置や開口寸法は異なってもよい。
【0041】
本実施形態では、第二サセプタ112、第三サセプタ113はそれぞれひとつの部材で構成し、開口(114もしくは115)部を設けた構造としたが、二つ以上の部材によって構成されていてもかまわない。
【0042】
さらに可動する第二サセプタ112と第三サセプタ113を構成する各部品間や、第二サセプタ112と第三サセプタ113との間には隙間を設けてもよい。なぜならエッチング処理圧力と開口内の圧力の差は小さく、図3−1に示すような開口119の内部に存在する反応生成物が前記隙間に流入することは少ないからである。
【0043】
第二サセプタ112と第三サセプタ113の下部にはそれぞれのサセプタを上下に駆動する駆動機構を備える。この駆動機構は駆動部116および117と支持棒118から構成されている。第二サセプタ112および第三サセプタ113は、ウエハ124とサセプタの境界上に形成されるイオンシースの形状に影響をあたえるだけの可動範囲がが必要なため、共に最大5mmのストロークを持つ。
【0044】
第二サセプタ112と第三サセプタ113を上下に駆動することにより、サセプタ112内径上端の位置は、ウエハ109端下面を基準として、水平から仰角80度の角度まで調整することができる。
【0045】
なお、第二サセプタ112と第三サセプタ113の最大ストロークは、ウエハの搬送やコイル107により形成された磁場との相互作用による生成された高密度プラズマ領域に悪影響を与えないことを考慮し、最大10mmのストロークとする。
【0046】
図3−1は第二サセプタ112と第三サセプタ113をともに最も低い位置(図3−2)から5mm上昇させたときの概略図を示し、図3−2に第二サセプタ112と第三サセプタ113が共に最も低い位置(0mm)にあるときの概略図を示す。
【0047】
本実施形態では第二サセプタ112と第三サセプタ113が共に最も低い位置にあるとき(図3−2)には、第二サセプタ112および第三サセプタ113の上面は第一サセプタ111の上面、およびウエハ109の下面と概略一致している。この場合はエッチングにより生じた反応生成物は滞留することなく排気される。
【0048】
図3−1に示すように、第三サセプタ113が第二サセプタ112と同じ高さに上昇した場合、図2(b)に示すように第二サセプタの開口114と第三サセプタの開口115の位置が重なり、最大の開口119が得られるが、第二サセプタ112と第三サセプタ113の表面の相対的な高さがずれるに従って、二つの開口の重なる面積119が減少し、第二サセプタと第三サセプタの表面の相対的な高さが1mm以上ずれた時には開口119がなくなる。すなわち第二サセプタ112と第三サセプタ113の表面の高さの相対的な位置関係によりサセプタ排気開口119が調整できるようなる。
【0049】
上記の開口119を制御するためには、第二サセプタ112、第三サセプタ113の表面高さ位置の細かい制御が必要である。そのため本実施形態では第二および第三サセプタの高さを調節する駆動部116および117はモータで駆動するものとした。
【0050】
第二サセプタ112および第三サセプタ113の高さの高精度な調整は不可能ではあるが駆動部116および117の駆動方式として圧縮空気、あるいはバネを用いることができる。
【0051】
また、本実施形態において、載置用電極108周辺部において移動可能なサセプタの個数を第二サセプタ112と第三サセプタ113の2個としたが、3個以上とすることができる。複数の移動可能なサセプタ機構を設けることにより、ウエハ外周周辺部でのイオンシースの形状126と反応生成物の滞留領域125をさらに細かく制御できる。そのため高精度にウエハ面内のエッチングレートを制御することが可能となる。
【0052】
なお、移動可能なサセプタを第二サセプタ112のみとした場合は、反応生成物の排気する開口119は第一サセプタ111の上面から上方に現れた第二サセプタ112の開口114で決まる。このため、第二サセプタ112高さの調整のみでは、ウエハ外周部における反応生成物とウエハ最外周部への入射イオンの両方をそれぞれ独立に制御にすること、および反応生成物の滞留領域125を内側あるいは外側に制御することができない。しかし、ウエハ外周部の反応生成物の排気とウエハ最外周部への入射イオンを制御することは可能である。
【0053】
次に、図4(a)および図4(b)は本実施形態のプラズマ処理装置を用いて得られるエッチングレート分布を示す図である。被エッチング材料をシリコン窒化膜とした場合RFバイアスは約50ワットないし500ワットが好ましい。図4では約200ワットとした。
【0054】
曲線301は、図3−2に示すように第二サセプタ112と第三サセプタ113の高さを最も低い位置、すなわちウエハ109下面の高さと同じ高さにした場合のエッチングレート面内分布である。
【0055】
ウエハ端からウエハ半径の約10分の1の距離だけ内側の位置をウエハ外周部とし、ウエハ端から前記ウエハ外周部までの領域を最外周部とする。またウエハの中心からウエハ半径の2分の1の距離にある位置をミドル部とする。
【0056】
図に示すように、ウエハ最外周部でエッチングレートが急激に上昇している。これはウエハ上に形成されるイオンシースの厚さは高周波電力(RFバイアス)の増加につれて厚くなるが、絶縁体であるサセプタ上で形成されるイオンシースの厚さはRFバイアスの増加にかかわらずほとんど一定であり、ウエハ上で形成されるイオンシースの厚さより薄い。このため、上記RFバイアスの条件では、図3−2に示すように、ウエハ外周部上方のイオンシース界面126に段差あるいは傾斜構造が現れ、ウエハ109最外周部へ入射するイオンが集中し、入射イオン量が増加したためである。
【0057】
次に、図3−2の状態から、第二サセプタ112だけを1.5mm上昇させ、第三サセプタ113は駆動しない(0mm)ときのエッチングレート面内分布が曲線302である。また、図3−2の状態から第二サセプタ112の高さ4mm上昇させ、第三サセプタ113を2.5mm上昇させたときのエッチングレート面内分布が曲線303である。
【0058】
図4(a)の曲線302と曲線303は、開口112と開口113が貫通していない(開口が閉じた)状態のため、第二サセプタ112高さを上げるほどウエハ最外周部へのイオン量の減少により、最外周部エッチングレートの上昇は抑制されるが、ウエハ外周部の反応生成物は排気されず滞留するため、ウエハミドル部から外周部のエッチングレートは低下している。
【0059】
最外周部エッチングレートの上昇が抑制されたのは、ウエハ端により近いサセプタ(この場合第二サセプタ112)を上昇させるほど、ウエハ109と第二サセプタ112との境界に形成されるイオンシースの傾斜角度が水平に近づく。そのためウエハ最外周部へのイオン入射の集中がおさえられ、最外周部エッチングレートの上昇が抑制されたからである。
【0060】
このように、可動サセプタの高さだけではなく、ウエハ109端下面を基準として上昇する最もウエハ109に近いサセプタ内径上端の仰角を制御することによっても、ウエハ外周部の反応生成物とウエハ最外周部への入射イオンを制御することができる。
【0061】
しかし、第2,第3のサセプタに形成した開口112と開口113は貫通していない(開口が閉じた)状態にあるため、反応生成物の滞留領域がウエハ外周部に近くなり、ウエハのミドル部から外周部のエッチングレートは低下する。
【0062】
図4(b)の曲線304は、反応生成物の滞留が発生する条件、例えば、RFバイアス200W以上でエッチングレートが大きい(200nm/分以上)条件、あるいはエッチング処理圧力が高い(たとえば2Pa以上)条件、あるいは被エッチング材の反応生成物発生量が多い(たとえばポリシリコンエッチング)条件におけるエッチングレート面内分布を示す。また、曲線305は、サセプタ内径、サセプタ高さ、サセプタ周辺部のエッチングガスを変えるなどして反応生成物の滞留を抑制した条件でのエッチングレート面内分布を示す。
【0063】
曲線304で示すように、反応生成物の滞留が大きい場合、ウエハのミドル部から外周部にかけてエッチングレートの低下がみられる。これに対して、反応生成物の滞留を小さくした場合、曲線305に示すようにウエハのミドル部から外周部にかけてのエッチングレートの低下が抑制される。
【0064】
反応生成物の滞留がウエハ外周部のエッチングレートの低下に影響する度合いは、反応生成物の流線を最も変化させる(せき止める形となる)サセプタ(この場合第二サセプタ112)の内径直近で最も大きくなり、ウエハ109の中心側に向かって徐々に小さくなる傾向がある。
【0065】
本実施形態では、たとえば第二サセプタ112の高さが2.5mmであり、開口119が閉じるよう第三サセプタ113を1.5mm上昇させたときのエッチングレートが曲線304となる場合、第二サセプタの高さが2.5mmであり、サセプタの開口から反応生成物を排気できるように、第三サセプタ113の高さを2.5mm(または下降し高さ0mm)とすれば、曲線305のエッチングレート分布のように、反応生成物の滞留を抑制し、ウエハのミドル部から外周部のエッチングレートの低下を抑制することができる。
【0066】
また、別のサセプタ高さ調整例としては、図3−3に示すように第二サセプタ112を最も低い位置に調整し、第三サセプタ113を上昇させてもよい。例えば、第二サセプタ112の高さを0mmとし、第三サセプタ113の高さを4.0mmの高さとしても、反応生成物の排気が可能であり、且つ反応生成物の滞留領域125をウエハ外周からより外側の第三サセプタ113側に遠ざけることができ、ウエハのミドル部から外周部のエッチングレートの低下を抑制できる。よってエッチングレートは曲線305のような分布となる。
【0067】
図4(a)の曲線301と図4(b)の曲線305の比較から、可動する第二サセプタ112と第三サセプタ113の高さと開口119を最適化にすることで、ウエハ外周部の反応生成物とウエハ最外周部への入射イオンを制御でき、エッチングレートの面内均一性を向上することができることが分かる。
【0068】
なお、エッチングレートのウエハ109のミドル部から外周部にかけてのエッチングレート低下と、ウエハ最外周部の急なレートの上昇の程度は、エッチング時に発生する反応生成物の量、高周波電力(RFバイアス)、エッチングガス等のエッチング条件によりさまざま変化する。
【0069】
図5は第二サセプタ112と第三サセプタ113を共にウエハ109の厚さ分である0.5mm上昇させ、第二サセプタ112と第三サセプタ113上面がウエハ119上面と同じ高さとしたときを基準位置とし(図3−4に示す)、この位置を基準として、基準位置のときのエッチングレート分布と、好ましい(均一性の良い)エッチングレートを得ることのできる、第二サセプタ112の高さ、第三サセプタ113の高さ、および反応生成物を排気するためのサセプタ開口119の最適な調整の概略をまとめた図である。
【0070】
入射イオンの増加によるウエハ最外周部のエッチングレートにのみ上昇があり、ミドル−外周部は平坦である場合には、図5内の分類5示すように第二サセプタ112を上昇し、第三サセプタは第2サセプタにより形成される開口を閉じるよう調整すればよい。また、外周部の反応生成物の滞留による外周部のエッチングレートにのみ低下がある場合には、図5内の分類1に示すように第三サセプタ113を下降させ、反応生成物の滞留が起こらないように調整すればよい。
【0071】
実際のエッチング処理装置においては、ウエハ109上に複数の材料を堆積させ形成した積層膜をエッチング処理することが多い。各膜の材料によって最適なプラズマ処理条件は異なり、プラズマ処理中のエッチングレートの面内分布は大きく変化する。特にウエハミドルからウエハ端までのエッチングレート分布は、プラズマ処理中の高周波電力(RFバイアス)、面内平均エッチングレート、被エッチング材、処理圧力、エッチングガスのそれぞれの影響に強く受ける。このため、複数の材料を堆積させ形成した積層膜のプラズマ処理では、各膜の材料によって最適なプラズマ処理条件を各ステップ毎に設定して処理を進めるステップエッチングが有効となる。
【0072】
本実施形態では、第二サセプタ112の高さと第三サセプタ113の高さを調整し開口119を調整することで、各ステップ毎にウエハ外周部周辺の反応生成物およびウエハ最外周部周辺へのイオン入射を制御することができる。このため各ステップに対応してウエハ面内のエッチングレート分布を任意に制御することが可能となるため、所望のエッチングレート分布となるよう制御できる。
【0073】
前述のように、ウエハ最外周部周辺へのイオン入射は、第二サセプタ112の表面高さに大きく依存するため、第二サセプタ112の表面高さの調整により、制御できる。
【0074】
なお、第二サセプタ112を固定して、第三サセプタ113の表面高さの調整でも、ウエハ最外周部周辺へのイオン入射を制御できるが、第二サセプタ112より外側のイオンシースを制御することになるため、第二サセプタ112の表面高さの調整よりは、制御性が若干劣る。また、ウエハ109のミドル部から外周部のエッチングレート低下を改善するためには、第二サセプタ112の表面高さがウエハ109の表面以上の高さの場合は、第二サセプタ112の表面高さと第三サセプタ113の表面高さの調整時に、開口112と開口113が貫通している(開口が開いている)状態をつくり出すことが必須である。
【0075】
図5に示す調整方法を用いて、前述の積層膜をステップエッチング処理する場合の一実施形態を図6により説明する。
【0076】
図6は、本発明のプラズマ処理方法の一例を説明するフロー図である。まず、ウエハ載置用電極108にウエハ109を載置する(ステップS401)。次に、処理室104内にエッチングガスを導入する。第二サセプタ112及び第三サセプタ113の表面の高さを制御して、処理室104内に導入されたエッチングガスを所望の処理室内のガス流れ分布または所望の反応生成物流れ分布となるように設定する(ステップS402)。次に、処理室104内にプラズマを発生させ、ウエハ109をエッチング処理する(ステップS404)。
【0077】
ウエハ上の積層膜をエッチング処理する場合、各膜の材料により最適なプラズマ処理条件は異なる。よって各膜に最適なプラズマ処理条件で各ステップを順次進めるステップエッチングの場合、各ステップにおけるプラズマ処理中のウエハ外周の反応生成物、ウエハ最外周部への入射イオンも大きく変化するため、各ステップに対応して高精度にウエハ外周の反応生成物、ウエハ最外周部への入射イオンを制御する必要がある。つまり、次の膜をエッチング処理するために、第二サセプタ112の高さおよび第三サセプタ113の高さを調節しなければならない。次のステップエッチングに移行する場合は、例えばプラズマを停止させ、処理室104内のエッチングガスを排気または維持する(ステップS405,406)。次に再度第二サセプタ112の高さおよび第三サセプタ113の高さを調節し、ウエハ外周部の反応生成物量、ウエハ最外周部への入射イオンが適切になるように設定する。
【0078】
すべてのステップエッチング処理が終了した場合(ステップS404)は、静電吸着用(ウエハ載置用)電極108への直流電圧の印加を停止し(ステップS407)、プラズマを停止し(ステップS408)、エッチングガスを排気する(ステップS409)。最後にウエハ109をウエハ載置用電極108から取り外して処理室外に搬出する(ステップS410)。
【0079】
上述のプラズマ処理方法では、ステップエッチング処理を施す場合、ステップ間でプラズマを停止(ステップS406)していたが、必ずしもステップ間でプラズマを停止させる必要はなく、プラズマ処理を継続したまま第二サセプタ112および第三サセプタ113の高さを変化させてもよい。
【0080】
以上説明したように、第二サセプタ112および第三サセプタ113の高さの調整することで、反応生成物の排気および滞留と、ウエハ最外周部への入射イオンの両方を制御可能となる。このためステップエッチングにおける各ステップに対応して高精度にエッチングレート分布を制御でき、積層膜エッチング処理完了時に所望のエッチング形状となるようなプラズマ処理をすることができる。
【0081】
本発明の実施形態によれば、異物のウエハへの付着を抑えつつ、処理ガス種、処理圧力、プラズマ分布、高周波電力(RFバイアス)などの変化に応じて処理室内の反応生成物の量、反応生成物の濃度分布、ウエハ最外周部への入射イオンを制御することができ、これにより、ウエハのミドル部からウエハ端までのエッチングレートの均一性を改善することができる。
【0082】
また、ウエハ上の積層膜をエッチング処理する際、あらかじめ決められた順序に従い、エッチング処理の各ステップを順次、進めていくステップエッチングにおいても、各ステップに応じて、高精度にウエハ外周部の反応生成物とウエハ最外周部への入射イオンを制御することが可能となる。このため各ステップに対応して高精度にエッチングレート分布を制御でき、積層膜を所望のエッチング形状に加工することができる。
【0083】
また、長時間の連続処理によって第二サセプタ112、第三サセプタ113が摩耗し、その高さが減少した場合には、第二サセプタ112および第三サセプタ113の高さを再調整する。たとえば、第二サセプタ112と第三サセプタ113が摩耗した量、第二サセプタ112を余分に上昇させ、開口119による排気を第二サセプタ112と第三サセプタ113の高さ位置により調整する。これで反応生成物の滞留および入射イオンをサセプタの摩耗した量にかかわらず常に一定に調整でき、安定かつ良好なエッチング分布、つまり装置の長期的に安定な性能が実現できる。
【0084】
以上、マイクロ波ECR放電を利用したエッチング装置を例に説明したが、他の放電(有磁場UHF放電、容量結合型放電、誘導結合型放電、マグネトロン放電、表面波励起放電、トランスファー・カップルド放電)を利用したドライエッチング装置においても同様に適用できる。
【0085】
[実施形態2]
第2の実施形態について図7を用いて説明する。本実施形態のプラズマ処理装置では、第三サセプタ113の外周にカバーリング(石英製)127を設けている。このカバーリング127の上面高さはウエハ109の上面より高い位置にあり、またウエハ109の端より、十分な距離(たとえば60mm以上)隔てられている。このため、ウエハ外周部の反応生成物と最外周部への入射イオンには影響をあたえることはない。第二サセプタ112と第三サセプタ113に設けられた開口119から流れ込んだ反応生成物はカバーリング127と第三サセプタ113の間に作られた空間を通過し、処理室内部の排気経路とは別の排気経路129を介して排気される。
【0086】
また、上記カバーリング127の外径と処理室104の内径の差を調整して、第二サセプタ112、第三サセプタ113の上部からカバーリング127の外周を経由するガス流れの処理室内排気経路128のコンダクタンスを大きくとることが可能であり、処理室内排気経路128とサセプタから排気開口119からの排気経路129のバランスを制御することができる。本実施形態によれば、エッチングガスと反応生成物の流れ、および反応生成物の排気や滞留を大きく変化させることができるために、ウエハ面内のエッチングレート分布の制御性を向上することができる。
【0087】
[実施形態3]
第3の実施形態について図8を用いて説明する。本実施形態のプラズマ処理装置では、第三サセプタ113の内径の一部に高さ2mmの突起部130を設け、第三サセプタに1mmの高さの開口114を第三サセプタ上面から下方へ3.5mmの位置に設ける。
【0088】
さらに、第二サセプタ112の外周部に高さ4mmの堀り込み131を設け、第二サセプタ112に高さ1mm大きさの開口114を、第三サセプタ上面から下方1.5mmの位置に設ける。
【0089】
図8(b)に示すように第三サセプタを最も低い位置から上昇した際に、第三サセプタの突起部130と第二サセプタの掘り込み131の下面が接触するまで、つまり第三サセプタが2mm上昇するまでは第三サセプタ113のみが上昇し、その後第二サセプタ112は第三サセプタ113と共に上昇する。
【0090】
第三サセプタ113を5mm上昇させた場合は、図8(a)に示すように第二サセプタ112が3mm上昇するが、その状態では、第二サセプタ開口114と第三サセプタ開口115の位置が一致し、開口119が第一サセプタ111の上方1.5mmに現れ、ウエハ外周部の反応生成物の排気が機能するようにしたものである。
【0091】
本実施形態では、第三サセプタ113の高さ調整(最大のストローク)が小さくても、ウエハ109の下面端から上昇したサセプタ内径上端を見た仰角の調整を大きくすることができる。また、第1の実施形態に比べて一組のサセプタ可動部116および支持棒118でサセプタの高さ、可動するサセプタの内径、サセプタの開口119を制御できる。つまり簡単な構造で外周部の反応生成物とウエハ最外周部への入射イオンを制御し、ウエハ面内のエッチングレート分布を制御することができる。
【0092】
以上説明したように、本実施形態によれば、載置用電極の周辺に設けられたサセプタに内周から外周へ貫通する開口を設け、さらに該サセプタを上下方向に駆動する駆動機構を設ける。前記駆動機構によりサセプタ高さを調整することで、ウエハ外周部の反応生成物とウエハ最外周部への入射イオンを制御することができる。
【0093】
また、サセプタの高さ位置を高精度に制御することによって、ウエハ外周部における反応生成物分布とウエハ最外周部への入射イオン分布を高精度に制御でき、エッチング条件に応じたエッチングレートで最適にエッチングを行うことにより、反応生成物分布を制御し、かつウエハ最外周部への入射イオンを制御することができる。
【符号の説明】
【0094】
101 真空容器
102 シャワープレート
103 誘電体窓
104 処理室
105 導波管
106 電磁波発生用電源
107 磁場発生コイル
108 ウエハ載置用電極
109 ウエハ
110 真空排気口
111 第一サセプタ
112 第二サセプタ
113 第三サセプタ
114 第二サセプタ開口
115 第三サセプタ開口
116 第二サセプタ駆動部
117 第三サセプタ駆動部
118 支持棒
119 開口
120 マッチング回路
121 高周波電源
122 高周波フィルター
123 直流電源
124 突起物
125 滞留領域
126 イオンシース界面
127 カバーリング
128 処理室内排気経路
129 サセプタ排気経路
130 第三サセプタ突起
131 第三サセプタ掘り込み、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空処理室内にプラズマを生成し、生成したプラズマにより前記真空容器内に配置した試料載置電極上に載置された試料にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置において、
前記試料載置電極は、その表面外周部に配置したリング状の第1のサセプタと該第1のサセプタの外周に配置され放射方向に複数の貫通孔を穿設したリング状の第2のサセプタと、
前記第2のサセプタを上下方向に駆動する駆動部を備え、
第2のサセプタを上下方向に駆動して、試料の表面と第2のサセプタの表面、および第2のサセプタに穿設した貫通孔と第1のサセプタの相対位置を調整することを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項2】
真空処理室内にプラズマを生成し、生成したプラズマにより前記真空容器内に配置した試料載置電極上に載置された試料にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置において、
前記試料載置電極は、その表面外周部に配置したリング状の第1のサセプタ、該第1のサセプタの外周に配置され放射方向に複数の貫通孔を穿設したリング状の第2のサセプタおよび該第2のサセプタの外周に配置され放射方向に複数の貫通孔を穿設したリング状の第3のサセプタと、
前記第2および第3のサセプタをそれぞれ上下方向に独立して駆動する駆動部を備え、
第2および第3のサセプタを上下方向に駆動して、試料の表面と第2および第3のサセプタの表面、および第2、第3のサセプタに穿設した貫通孔と第1のサセプタの相対位置を調整することを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項3】
請求項2記載のプラズマ処理装置において、
前記第2のサセプタに穿設した貫通孔と第3のサセプタに穿設した貫通孔は、放射方向に連続する位置に穿設されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項4】
真空処理室内にプラズマを生成し、生成したプラズマにより前記真空容器内に配置した試料載置電極上に載置された試料にプラズマ処理を施すプラズマ処理方法において、
前記試料載置電極は、その表面外周部に配置したリング状の第1のサセプタ、該第1のサセプタの外周に配置され放射方向に複数の貫通孔を穿設したリング状の第2のサセプタおよび該第2のサセプタの外周に配置され放射方向に複数の貫通孔を穿設したリング状の第3のサセプタと、
前記第2および第3のサセプタをそれぞれ上下方向に独立して駆動する駆動部を備え、
第2および第3のサセプタを上下方向に駆動して、試料の表面と第2および第3のサセプタの表面、および第2、第3のサセプタに穿設した貫通孔と第1のサセプタの相対位置を調整して、試料のミドル部ないし外周部に滞留する反応生成物および試料最外周部に入射するイオンの量を調整することを特徴とするプラズマ処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図3−4】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−222235(P2012−222235A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88310(P2011−88310)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】