説明

プリエンファシス自動調整システム及びその調整方法並びにエンファシス設定信号発生回路

【課題】スルーホールでの減衰に対する最適なエンファシスの付与等を図る。
【解決手段】受信回路16の終端を解除した状態で、送信回路12からステップ信号を信号伝送路14を介して受信回路16へ送信する。その反射信号の信号レベルと第1の参照電圧源18dの第1の参照電圧Vref1とを比較する。反射信号の信号レベルが第1の参照電圧Vref1未満の容量性反射区間内の比較結果に基づいて該容量性反射区間内の区間検出信号を反射波検出回路18eから出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プリエンファシス自動調整システム及びその調整方法並びにエンファシス設定信号発生回路に関し、詳しくは信号伝送路に不整合部位があっても送信信号への最適なプリエンファシスの付与に有効なプリエンファシス自動調整システム及びその調整方法並びにそのエンファシス設定信号発生回路に関する。
【背景技術】
【0002】
信号伝送システムにおいては、その中にプリエンファシス自動調整手段を従来から採用している。このプリエンファシス自動調整手段は、信号伝送システムの送信回路から信号伝送路を介して受信回路へ伝送される信号が信号伝送路での減衰の影響を除いて受信回路での信号の正常な受信を保証するための手段である。その一例として、図7に示す構成のものがある。
【0003】
図7に示すプリエンファシス自動調整システム(以下、公知のシステムという)は、プリエンファシス自動調整に際して、ランダムパターン101で発生されるランダムパターンの信号をセレクタ103、送信回路105、そして信号伝送路107を介して受信回路109へ送信する。
そのランダムパターンの信号を受信する受信回路109では、そのVeye判定部111でランダムパターンの信号と参照電位発生部113の参照電位とを比較して電圧方向のアイ開口の値(Veye)を把握する。この把握は、サンプリングクロック制御部115から出力されるサンプリングクロックによって行うが、そのサンプリングクロック制御部115は、受信アイ開口の中央でのVeyeとなるようにサンプリングクロックのタイミング制御が行われる。
【0004】
上述のようにして把握されたVeyeが所望のVeyeより小さいならば、調整制御部117から判定結果を自動調整制御部119へ転送する。自動調整制御部119は、プリエンファシス強度調整信号を送信回路105へ送信する。送信回路105において、送信信号に付与されるプリエンファシスを所定値だけ変更する。
このフィードバック制御は、上述のVeyeが最大となるまで繰り返して行われる。
上述したプリエンファシス自動調整当初においては図8のようなアイ開口の状態であった信号受信状態は、プリエンファシス調整が最適となる、すなわち、プリエンファシス調整が完了すると、アイ開口の状態は、図9のようになる。
【0005】
また、プリエンファシス自動調整手段の例としは、特許文献1に開示されるものがある。
この特許文献1には、送信回路から送信したテスト信号を受信回路で反射させ、その反射されて来た信号を送信回路で有効に活用して所期の目的であるプリエンファシス自動調整を達成しようとするプリエンファシス自動調整手段が開示されている。
このプリエンファシス自動調整手段は、次のように構成されている。プリエンファシス自動調整に際して、送信側からの制御により受信回路の受信端の開放を行う。この状態において、送信回路からステップパルスのテスト信号を信号伝送線路を介して受信回路へ送信する。そのテスト信号は、受信回路で反射されて送信回路へ戻る。
【0006】
その反射信号の電位と予め設定されている比較電位とを比較回路で比較して電位差を測定する。この電位差を受け取るコントローラは、高周波減衰の大小を判断する。大きいならば、コントローラは、出力強度調整用回路に制御信号を送り、高周波減衰の大きさに応じた送信信号の高周波成分を強調する、つまり、送信信号にプリエンファシスを付与する。
【特許文献1】特開2004−112059号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の公知のシステムは、送信回路にも、また、受信回路にも、プリエンファシス自動調整を行うのに必要な回路を設けなければならず、送信回路及び受信回路を構成するのに必要な回路面積の増大が避けられない。
このような物理的構成に加えて、受信回路において受信したランダムパターン信号のアイ開口が落ち着いてから、Veyeを測定し、プリエンファシス強度調整信号(エンファシス強弱指示信号)を送信側へ送り返す。そして、プリエンファシス強度調整信号対応のエンファシスをランダムパターン信号に付与して受信回路へ送信し、そのランダムパターン信号についてのVeyeを測定して付与されたエンファシスの適否を判定するという手順を繰り返えさなければ最適なプリエンファシス自動調整を施行し得ないという技術的制限が不可避的な欠点として存在する。
この欠点は、調整完了までの時間の増大を招くばかりでなく、調整手順の複雑化となっている。
【0008】
また、上述した特許文献1に記載するプリエンファシス自動調整手段は、上記公知のシステムの欠点をほぼ解消し得るが、その解決対象は、信号伝送線路に不整合部位を有しない理想的な信号伝送線路、例えば、スルーホールがない信号伝送路107bが回路基板107aに形成され(図10)、ステップ信号を受信回路で全反射される(図11)場合を前提としているため、なお、改良の余地が残されている。
【0009】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、信号伝送路の不整合部位で生ずる減衰の相殺に有効な送信信号へのプリエンファシスの付与を達成し得るプリエンファシス自動調整システム及びその調整方法並びにそのエンファシス設定信号発生回路を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、送信装置から信号伝送路を介して送信されたプリエンファシス調整用信号が受信装置で反射されて前記送信装置へ戻った前記プリエンファシス調整用信号に基づいて、前記送信装置から前記受信装置へ送信される送信信号に対して付与される所定のエンファシスを調整するプリエンファシス自動調整システムに係り、前記受信装置から戻る前記プリエンファシス調整用信号に前記信号伝送路の不整合部位で与えられる減衰の度合いを検出する検出手段と、該検出手段から検出される減衰の度合いに基づいて前記送信信号に付与されるエンファシスを調整する調整手段とを前記送信装置に備えることを特徴としている。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のプリエンファシス自動調整システムに係り、前記プリエンファシス調整用信号は、ステップ信号であることを特徴としている。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のプリエンファシス自動調整システムに係り、不整合部位は、容量性反射部位又は誘導性反射部位であることを特徴としている。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のプリエンファシス自動調整システムに係り、前記容量性反射部位は、前記信号伝送路のスルーホールであることを特徴としている。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1、2、3又は4記載のプリエンファシス自動調整システムに係り、前記検出手段は、予め設定される参照電圧を出力する参照電圧源と、前記送信装置と前記信号伝送路との接続箇所と前記参照電圧源とに接続され、前記参照電圧と前記接続個所から入力される前記プリエンファシス調整用信号とを比較する比較回路とを含んで構成されることを特徴としている。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項5記載のプリエンファシス自動調整システムに係り、前記参照電圧源は、予め設定される第1の参照電圧を出力する第1の参照電圧源と、前記第1の参照電圧とは異なる予め設定される第2の参照電圧を出力する第2の参照電圧源と、前記第1の参照電圧と前記接続個所から入力される前記プリエンファシス調整用信号とを比較する第1の比較回路と、前記第2の参照電圧と前記接続個所から入力される前記プリエンファシス調整用信号とを比較する第2の比較回路とを含んで構成されることを特徴としている。
【0016】
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか一に記載のプリエンファシス自動調整システムに係り、前記調整手段は、予め取得されている複数の減衰の度合い対応のエンファシス設定値の中から検出された減衰の度合い対応のエンファシス設定値を得て調整を行うことを特徴としている。
【0017】
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか一に記載のプリエンファシス自動調整システムに係り、前記プリエンファシス調整用信号は、前記送信装置から前記信号伝送路を介して前記受信装置へ終端解除信号を送信して前記受信装置の終端を解除した後に送信されることを特徴としている。
【0018】
請求項9記載の発明は、送信装置から信号伝送路を介して送信されたプリエンファシス調整用信号が受信装置で反射されて前記送信装置へ戻った前記プリエンファシス調整用信号に基づいて、前記送信装置から前記受信装置へ送信される送信信号に対して付与される所定のエンファシスを調整するプリエンファシス自動調整方法に係り、前記受信装置から戻る前記プリエンファシス調整用信号に前記信号伝送路の不整合部位で与えられる減衰の度合いを検出し、検出される前記減衰の度合いに基づいて前記送信信号に付与されるエンファシスを調整することを特徴としている。
【0019】
請求項10記載の発明は、請求項9記載のプリエンファシス自動調整方法に係り、前記プリエンファシス調整用信号は、ステップ信号であることを特徴としている。
【0020】
請求項11記載の発明は、請求項9又は10記載のプリエンファシス自動調整方法に係り、不整合部位は、容量性反射部位又は誘導性反射部位であることを特徴としている。
【0021】
請求項12記載の発明は、請求項11記載のプリエンファシス自動調整方法に係り、前記容量性反射部位は、前記信号伝送路のスルーホールであることを特徴としている。
【0022】
請求項13記載の発明は、請求項9、10、11又は12記載のプリエンファシス自動調整方法に係り、前記減衰の度合いの検出は、予め設定される参照電圧と、前記送信装置の側で受信される前記プリエンファシス調整用信号とに基づいて行うことを特徴としている。
【0023】
請求項14記載の発明は、請求項9、10、11又は12記載のプリエンファシス自動調整方法に係り、前記減衰の度合いの検出は、予め設定される第1の参照電圧と前記送信装置の側で受信される前記プリエンファシス調整用信号とに基づいて行った第1の結果と、前記第1の参照電圧とは異なる予め設定される第2の参照電圧と前記送信装置の側で受信される前記プリエンファシス調整用信号とに基づいて行った第2の結果とに基づいて行うことを特徴としている。
【0024】
請求項15記載の発明は、請求項9乃至14のいずれか一に記載のプリエンファシス自動調整方法に係り、前記エンファシスの調整は、予め取得されている複数の減衰の度合い対応のエンファシス設定値の中から検出された減衰の度合い対応のエンファシス設定値を得て行うことを特徴としている。
【0025】
請求項16記載の発明は、請求項9乃至15のいずれか一に記載のプリエンファシス自動調整方法に係り、前記プリエンファシス調整用信号は、前記送信装置から前記信号伝送路を介して前記受信装置へ終端解除信号を送信して前記受信装置の終端を解除した後に送信されることを特徴としている。
【0026】
請求項17記載の発明は、送信装置と不整合部位を有する信号伝送路との接続箇所に接続され、受信装置で反射されて前記接続個所から入力されるプリエンファシス調整用信号に応答して前記送信装置から送信される送信信号に対して付与される所定のエンファシス量を調整するためのエンファシス設定信号発生回路に係り、前記プリエンファシス調整用信号に前記不整合部位で与えられる減衰の度合いに対して予め設定される参照電圧を出力する参照電圧源と、該参照電圧源及び前記接続個所に接続され、前記参照電圧と前記接続個所から入力される前記プリエンファシス調整用信号とを比較する比較回路と、該比較回路の出力に基づいて前記減衰対応のエンファシス設定信号を出力する出力回路とを備えることを特徴としている。
【0027】
請求項18記載の発明は、請求項17記載のエンファシス設定信号発生回路に係り、前記プリエンファシス調整用信号は、ステップ信号であることを特徴としている。
【0028】
請求項19記載の発明は、請求項17又は18記載のエンファシス設定信号発生回路に係り、不整合部位は、容量性反射部位又は誘導性反射部位であることを特徴としている。
【0029】
請求項20記載の発明は、請求項17、18又は19記載のエンファシス設定信号発生回路に係り、前記容量性反射部位は、前記信号伝送路のスルーホールであることを特徴としている。
【0030】
請求項21記載の発明は、請求項17、18、19又は20記載のエンファシス設定信号発生回路に係り、前記参照電圧源は、予め設定される第1の参照電圧を出力する第1の参照電圧源と、前記第1の参照電圧とは異なる予め設定される第2の参照電圧を出力する第2の参照電圧源とからなり、前記比較回路は、前記第1の参照電圧と前記接続個所から入力される前記プリエンファシス調整用信号とを比較する第1の比較回路と、前記第2の参照電圧と前記接続個所から入力される前記プリエンファシス調整用信号とを比較する第2の比較回路とからなり、前記出力回路は、前記第1の比較回路及び前記第2の比較回路の出力に基づいて前記減衰対応のエンファシス設定信号を出力する回路であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0031】
この発明によれば、送信装置から受信装置へ送信されたプリエンファシス調整用信号が受信装置で反射され、そして送信装置へ戻るプリエンファシス調整用信号に信号伝送路の不整合部位で与えられる減衰の度合いを検出し、その減衰の度合いに基づいて送信信号に付与されるエンファシスを調整するようにしているので、不整合部位で与えられる減衰に対する最適なエンファシスを極めて短時間で得ることが可能になる。その調整手順の大幅な簡略化も得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
この発明は、送信装置から受信装置へプリエンファシス調整用信号を送信すること、その信号を受信装置で反射させること、送信装置へ戻るプリエンファシス調整用信号に信号伝送路の不整合部位で与えられる減衰の度合いを検出すること、そしてその減衰の度合いに基づいて送信信号に付与されるエンファシスを調整することを含んで構成される。
【実施例1】
【0033】
図1は、この発明の実施例1であるプリエンファシス自動調整システムの電気的構成を示す図、図2は、図1の信号伝送路としてスルーホールがある信号配線を示す図、図3は、図2に示す信号伝送路の受信端で反射が生じたときの反射信号の波形を示す図、図4は、図1の信号伝送路がスルーホールがある信号配線である場合の図1に示すプリエンファシス自動調整システムの動作を説明する図、また、図5は、図1の信号伝送路がスルーホールがある信号配線である場合の信号減衰特性を示す図である。
この実施例のプリエンファシス自動調整システム10は、信号配線にスルーホールがある場合でも最適なプリエンファシスを設定し得る回路に係り、自動調整制御部11と、送信回路12と、信号伝送路14と、受信回路16と、反射波検出回路18と、エンファシス調整設定回路20とから構成されている。
【0034】
自動調整制御部11は、自動調整開始信号を信号線11aを介して受信回路16へ送信するほか、エンファシス調整設定回路20からのエンファシス設定信号に応答して自動調整開始信号の送信を停止するように構成されている。
送信回路12は、出力バツファ12a、ステップ信号発生部12s及びセレクタ12tを有して構成される。送信回路12は、送信信号を信号伝送路14に送出するほか、ステップ信号発生部12sのステップ信号をセレクタ12t、出力バッフア12aを介して送出し得るように構成されている。出力バツファ12aは、エンファシス設定値に応じたエンファシスを送信信号に付与する機能を有する。
信号伝送路14は、図2に示すように、配線基板14aの一面側14bに形成された信号配線14cが、配線基板14aの信号層乗り換え用スルーホール14dを介して配線基板14aの他面側14eに形成された信号配線14fに接続されて形成される例である。スルーホール14dは、伝送される信号に対して容量性反射を呈する伝送路部位である。
【0035】
受信回路16は、終端回路16aが設けられており、その終端回路16aは、スイッチ16bと終端抵抗16cとからなり、スイッチ16bは、自動調整制御部11から送信されて来る自動調整開始信号によって開閉されるように構成されている。信号伝送路14に入力バッファ16dが接続されている。
【0036】
反射波検出回路18は、第1の反射波検出回路18aと、第2の反射波検出回路18bと、サンプリングクロック回路18cとからなる。
【0037】
第1の反射波検出回路18aは、第1の比較回路18dと、第1の区間検出回路18eとからなる。第1の比較回路18dは、第1の参照電圧Vref1を出力する第1の参照電圧源18fの出力と、出力バッファ12aと信号伝送路14との接続個所12bとに接続され、その出力は第1の区間検出回路18eに接続されている。
第1の参照電圧Vref1は、反射波信号の低い信号レベルを検出するために予め設定される参照電圧である。
第1の区間検出回路18eは、第1の比較回路18dの信号とサンプリングクロック回路18cからのサンプリングクロックに応答して第1の比較回路18dの信号が第1の参照電圧Vref1未満のとき、高レベルの信号(図4の18d出力)を出力する一方、第1の比較回路18dの信号が第1の参照電圧Vref1を超えているとき、低レベルの信号(図4の18d出力)を出力するように構成されている。第1の区間検出回路18eが、高レベルとなっている時間期間の信号を第1の区間検出信号という。
第1の区間検出回路18eの出力は、エンファシス調整設定回路20の第1の区間検出信号入力に接続されている。
【0038】
第2の反射波検出回路18bは、第2の比較回路18gと、第3の比較回路18hと、第2の区間検出回路18iとからなる。第2の比較回路18gは、第2の参照電圧Vref2を出力する第2の参照電圧源18jの出力と上述の接続個所12bとに接続され、その出力は第2の区間検出回路18iの一方の入力に接続されている。第3の比較回路18hは、第3の参照電圧Vref3を出力する第3の参照電圧源18kの出力と上記接続個所12bとに接続され、その出力は第2の区間検出回路18iの他方の入力に接続されている。
【0039】
第2の参照電圧Vref2は、反射波信号に対して所定の低位側信号レベルを検出するために予め設定される参照電圧であり、第3の参照電圧Vref3は、反射波信号に対して所定の高位側信号レベルを検出するために予め設定される参照電圧である。
第2の区間検出回路18iは、第2の比較回路18g及び第3の比較回路18hの出力信号レベル(図4の18g出力、18h出力)とサンプリングクロック回路18cからのサンプリングクロックに応答して上記2つの出力信号レベルについての排他的論理和出力を出力するように構成される。反射波信号が上記第2の参照電圧Vref2と、第3の参照電圧Vref3との間に存在するときに第2の区間検出回路18iから出力される信号(図4の区間検出(EX−OR))を第2の区間検出信号という。
第2の区間検出回路18iの出力は、エンファシス調整設定回路20の第2の区間検出信号入力に接続されている。
【0040】
エンファシス調整設定回路20は、第1の区間検出回路18e及び第2の区間検出回路18iからの各区間検出信号を受信して各区間検出信号対応のエンファシス設定値を含むエンファシス設定信号を生成するように構成されている。その出力は、送信回路12の出力バツファ12aに接続されている。エンファシス設定信号は、自動調整制御部11へ供給されて自動調整開始信号を表す低レベル“0”を高レベル“1”に戻すのに用いられる。
エンファシス設定値は、予め、信号伝送路の評価基板を用いて上述の各区間検出信号に対して設定されるべき値を取得してエンファシス調整設定回路20に保持される。
【0041】
次に、図1乃至図5を参照して、この実施例の動作について説明する。
送信回路12から通常の送信信号を受信回路16へ送信するのに先立って、先ず、自動調整制御部11から信号線11aを介してセレクタ11t及び受信回路16へ自動調整開始信号を送信する。この信号によってセレクタ11tがステップ信号発生部11sを出力バッファ12a側へ切り換える一方、受信回路16のスイッチ16bを開放して所定の終端状態を解除する。
終端が解除された状態の受信回路16へ、ステップ信号(図1のS)(プリエンファシス調整用信号)が信号伝送路14を介して受信回路16へ送信される。信号伝送路14の信号配線14c、スルーホール14d、信号配線14fで減衰されて受信されるステップ信号(図1のa)は、受信回路16で全反射され、受信ステップ信号と同じ波形の信号(図1のb)が送信回路12側へ戻される。
【0042】
送信回路12へ反射されて戻される信号は、そのときにも、信号伝送路14の信号配線14c、スルーホール14d、信号配線14fで減衰され、接続箇所12bに到達するときにはさらに減衰される。その減衰の様子を図3に示す。図3に示すように、反射信号(反射波)の中に、スルーホール14dでの容量性反射(図3及び図4のS1)と、受信回路16での全反射(図3及び図4のS2)とが現れる。
【0043】
この反射信号(図1のc)は、接続箇所12bから反射波検出回路18に入力される。その反射信号中の容量性反射(スルーホール)での減衰成分は、第1の反射波検出回路18aで検出される。その検出態様は、次の通りである。
反射信号(図1のc)の信号レベルと第1の参照電圧源18dの第1の参照電圧Vref1とが比較される。反射信号の信号レベルが第1の参照電圧Vref1を超える容量性反射区間(図3、図4)前後においては第1の比較回路18dから低レベルの信号(図4の18d出力L)が出力される。
これに対して、容量性反射区間においては図3に示すように減衰量が増大して信号レベルが落ち込む。これを周波数で表すと、f=1/t(秒)となり、この周波数前後の信号減衰量にはグラフで表すと図5のようなピーク(共振点)が現れる。
このような減衰が反射信号に与えられるから、上記容量性反射区間については、反射信号の信号レベルが第1の参照電圧Vref1未満になり、第1の比較回路18dから高レベルの信号(図4の18d出力H)が出力されるので、第1の反射波検出回路18eから第1の区間検出信号が出力され、該信号は、エンファシス調整設定回路20へ転送される。
【0044】
上述のスルーホールでの減衰が検出された後に、接続箇所12bから反射波検出回路18に入力される反射信号(図1のc)の信号配線14c、14fでの減衰成分が、第2の反射波検出回路18bで検出される。その検出態様は、次の通りである。
第2の反射波検出回路18bの第2の比較回路18gにおいて、反射信号(図1のc)の信号レベルと第2の参照電圧源18jの第2の参照電圧Vref2とが比較される。反射信号の信号レベルが第2の参照電圧Vref2未満のときは第2の比較回路18gから低レベルの信号(図4の18g出力L)が出力され、反射信号の信号レベルが第2の参照電圧Vref2を超えると第2の比較回路18gから高レベルの信号(図4の18g出力H)が出力される。
第2の比較回路18gの動作と同様の動作が、第3の比較回路18hで生ずる。すなわち、反射信号(図1のc)の信号レベルと第3の参照電圧源18kの第3の参照電圧Vref3とが比較される。反射信号の信号レベルが第3の参照電圧Vref3未満のときは第3の比較回路18hから低レベルの信号(図4の18h出力L)が出力され、反射信号の信号レベルが第3の参照電圧Vref3を超えると第3の比較回路18hから高レベルの信号(図4の18h出力H)が出力される。
したがって、第2の反射波検出回路18iからは、両出力信号の排他的論理和で表される第2の区間検出信号が出力され、該信号は、エンファシス調整設定回路20へ転送される。
【0045】
エンファシス調整設定回路20は、第1の反射波検出回路18e及び第2の反射波検出回路18iから出力される各区間検出信号に応答してこれら各区間検出信号対応のエンファシス設定信号を送信回路12の出力バツファ12aに転送し、送信回路12から送信される送信信号にエンファシス設定信号対応のエンファシスを付与するのに用いられる。エンファシス設定信号は、また、自動調整制御部11へ供給されて自動調整開始信号の送信解除にも用いられる。
【0046】
このように、この実施例によれば、プリエンファシス自動調整において、受信回路の終端を解除した後、送信回路からスルーホールを有する信号伝送路を介してステップ信号を送信し、受信回路からの反射波の傾き(鈍り度合い)からスルーホールでの減衰分と全反射した信号の減衰分とを算出してこれらの減衰分に基づいたエンファシス調整設定値を得るようにしたので、スルーホールで生ずる反射(容量性反射)に対する最適なエンファシスを送信信号に付与することが可能になる。
これにより、調整時間の短縮、回路規模の縮小、調整手順の簡素化を達成することができる。
【実施例2】
【0047】
図6は、この発明の実施例2であるプリエンファシス自動調整システムの電気的構成を示す図である。
この実施例の構成が、実施例1のそれと大きく異なる点は、スルーホールでの反射波の検出に2つの参照電圧を用いるようにした点である。
すなわち、この実施例のプリエンファシス自動調整システム10Aは、図6に示すように、実施例1の第1の反射波検出回路を次のように構成したことにその特徴部分がある。
この実施例での第1の反射波検出回路18Aは、第1の比較回路18dと、第4の比較回路18lと、第3の区間検出回路18nとからなる。第3の区間検出回路18nは、エンファシス調整設定回路20aに接続されている。
第1の比較回路18dは、第1の参照電圧Vref1を出力する第1の参照電圧源18fの出力と上記した接続個所12bとに接続され、その出力は第3の区間検出回路18nの第1の区間検出入力に接続されている。
第1の参照電圧Vref1は、反射波信号の低い第1の信号レベルを検出するために予め設定される参照電圧である。
【0048】
第4の比較回路18lは、第4の参照電圧Vref4を出力する第4の参照電圧源18mの出力と上記した接続個所12bとに接続され、その出力は第3の区間検出回路18nの第2の区間検出入力に接続されている。
第4の参照電圧Vref4は、上記第1の信号レベルより高い信号レベルを検出するために予め設定される参照電圧である。
【0049】
第3の区間検出回路18nは、第1の比較回路18dと第4の比較回路18mの出力信号レベルとサンプリングクロック回路18cからのサンプリングクロックに応答して上記2つの出力信号レベルについての排他的論理和出力を出力するように構成される。反射波信号が上記第1の参照電圧Vref1と、第4の参照電圧Vref4との間に存在するときに第3の区間検出回路18nから出力される信号は、実施例1と同様の第1の区間検出信号である。
第3の区間検出回路18nの出力は、エンファシス調整設定回路20aの第2の区間検出信号入力に接続されている。
【0050】
エンファシス調整設定回路20aは、第3の区間検出回路18n及び第2の区間検出回路18iからの各区間検出信号を受信して各区間検出信号対応のエンファシス設定値を含むエンファシス設定信号を生成するように構成されている。その出力は、送信回路12の出力バツファ12aに接続されている。
エンファシス設定値は、実施例1と同様にして,予め、取得されてエンファシス調整設定回路20aに保持される。
【0051】
次に、図6を参照して、この実施例の動作を説明する。
この実施例の動作は、第1の区間検出信号の発生態様に実施例1と次のような差違があるだけで、その他の動作は同じである。
この実施例の第1の区間検出信号は、第3の反射波検出回路18Aから次のようにして出力される。すなわち、反射信号(図6のc)の信号レベルと第1の参照電圧源18fの第1の参照電圧Vref1とが第1の比較回路18において比較される。反射信号の信号レベルが第1の参照電圧Vref1未満のときは第1の比較回路18dから低レベルの信号が出力され、反射信号の信号レベルが第1の参照電圧Vref1を超えると第1の比較回路18dから高レベルの信号が出力される。
【0052】
そして、反射信号(図1のc)の信号レベルと第4の参照電圧源18mの第4の参照電圧Vref4とが第4の比較回路18lにおいて比較される。反射信号の信号レベルが第4の参照電圧Vref4未満のときは第4の比較回路18lから低レベルの信号が出力され、反射信号の信号レベルが第4の参照電圧Vref4を超えると第4の比較回路18lから高レベルの信号が出力される。
第1の比較回路18dの出力信号と第4の比較回路18lの信号との排他的論理和を取る第3の反射波検出回路18nから第1の区間検出信号が出力され、該信号は、エンファシス調整設定回路20aへ転送される。
【0053】
上述の第1の区間検出信号と第2の区間検出回路18bからの第2の区間検出信号とを受信したエンファシス調整設定回路20aは、実施例1と同様に、これら両区間検出信号に応答して両区間検出信号対応のエンファシス設定信号を送信回路12の出力バツファ12a及び自動調整制御部11へ転送する。そのエンファシス設定信号は、自動調整開始信号の送信解除及び送信回路12から送信される送信信号へのエンファシスの付与に用いられる。
【0054】
このように、この実施例においても、スルーホールを有する信号伝送路におけるスルーホールで生ずる反射に対する最適なエンファシスを送信信号に付与することが可能になる等の効果が得られる。
【0055】
以上、この発明の実施例を、図面を参照して詳述してきたが、この発明の具体的な構成は、これらの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもそれらはこの発明に含まれる。
例えば、スルーホール以外の容量性反射や、誘導性反射部位を有する信号伝送路でもこの発明を実施することができる。
また、ステップ信号をプリエンファシス自動調整に用いる例を示したが、ステップ信号と同等に使用可能な波形の信号でもよい。
また、実施例では、全反射の場合について説明したが、この発明の実施可能なその他の反射形式でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
ここに開示しているプリエンファシス自動調整システム等は、配線基板の例について実施する場合のほか、各種の信号伝送路でも利用し得る。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】この発明の実施例1であるプリエンファシス自動調整システムの電気的構成を示す図である。
【図2】図1の信号伝送路としてスルーホールがある信号配線を示す図である。
【図3】図2に示す伝送路の受信端で反射が生じたときの反射信号の波形を示す図である。
【図4】図1の信号伝送路がスルーホールがある信号配線である場合の図1に示すプリエンファシス自動調整システムの動作を説明する図である。
【図5】図1の信号伝送路がスルーホールがある信号配線である場合の信号減衰特性を示す図である。
【図6】この発明の実施例2であるプリエンファシス自動調整システムの電気的構成を示す図である。
【図7】従来のプリエンファシス自動調整システムの電気的構成を示す図である。
【図8】図7に示すシステムでの調整初期におけるアイ開口を示す図である。
【図9】図7に示すシステムでの調整完了時のアイ開口を示す図である。
【図10】スルーホールがない信号配線を示す図である。
【図11】図10に示す信号配線の受信端で反射が生じたときの反射信号の波形を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
10、10A プリエンファシス自動調整システム
12 送信回路
14 信号伝送路
16 受信回路
18d 第1の比較回路(比較回路)、
18f 第1の参照電圧源(参照電圧源)
18l 第4の比較回路(第2の比較回路)
18m 第4の参照電圧源(第2の参照電圧源)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信装置から信号伝送路を介して送信されたプリエンファシス調整用信号が受信装置で反射されて前記送信装置へ戻った前記プリエンファシス調整用信号に基づいて、前記送信装置から前記受信装置へ送信される送信信号に対して付与される所定のエンファシスを調整するプリエンファシス自動調整システムであって、
前記受信装置から戻る前記プリエンファシス調整用信号に前記信号伝送路の不整合部位で与えられる減衰の度合いを検出する検出手段と、
該検出手段から検出される減衰の度合いに基づいて前記送信信号に付与されるエンファシスを調整する調整手段とを前記送信装置に備えることを特徴とするプリエンファシス自動調整システム。
【請求項2】
前記プリエンファシス調整用信号は、ステップ信号であることを特徴とする請求項1記載のプリエンファシス自動調整システム。
【請求項3】
不整合部位は、容量性反射部位又は誘導性反射部位であることを特徴とする請求項1又は2記載のプリエンファシス自動調整システム。
【請求項4】
前記容量性反射部位は、前記信号伝送路のスルーホールであることを特徴とする請求項3記載のプリエンファシス自動調整システム。
【請求項5】
前記検出手段は、予め設定される参照電圧を出力する参照電圧源と、前記送信装置と前記信号伝送路との接続箇所と前記参照電圧源とに接続され、前記参照電圧と前記接続個所から入力される前記プリエンファシス調整用信号とを比較する比較回路とを含んで構成されることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のプリエンファシス自動調整システム。
【請求項6】
前記参照電圧源は、予め設定される第1の参照電圧を出力する第1の参照電圧源と、前記第1の参照電圧とは異なる予め設定される第2の参照電圧を出力する第2の参照電圧源と、前記第1の参照電圧と前記接続個所から入力される前記プリエンファシス調整用信号とを比較する第1の比較回路と、前記第2の参照電圧と前記接続個所から入力される前記プリエンファシス調整用信号とを比較する第2の比較回路とを含んで構成されることを特徴とする請求項5記載のプリエンファシス自動調整システム。
【請求項7】
前記調整手段は、予め取得されている複数の減衰の度合い対応のエンファシス設定値の中から検出された減衰の度合い対応のエンファシス設定値を得て調整を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載のプリエンファシス自動調整システム。
【請求項8】
前記プリエンファシス調整用信号は、前記送信装置から前記信号伝送路を介して前記受信装置へ終端解除信号を送信して前記受信装置の終端を解除した後に送信されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一に記載のプリエンファシス自動調整システム。
【請求項9】
送信装置から信号伝送路を介して送信されたプリエンファシス調整用信号が受信装置で反射されて前記送信装置へ戻った前記プリエンファシス調整用信号に基づいて、前記送信装置から前記受信装置へ送信される送信信号に対して付与される所定のエンファシスを調整するプリエンファシス自動調整方法であって、
前記受信装置から戻る前記プリエンファシス調整用信号に前記信号伝送路の不整合部位で与えられる減衰の度合いを検出し、
検出される前記減衰の度合いに基づいて前記送信信号に付与されるエンファシスを調整することを特徴とするプリエンファシス自動調整方法。
【請求項10】
前記プリエンファシス調整用信号は、ステップ信号であることを特徴とする請求項9記載のプリエンファシス自動調整方法。
【請求項11】
不整合部位は、容量性反射部位又は誘導性反射部位であることを特徴とする請求項9又は10記載のプリエンファシス自動調整方法。
【請求項12】
前記容量性反射部位は、前記信号伝送路のスルーホールであることを特徴とする請求項11記載のプリエンファシス自動調整方法。
【請求項13】
前記減衰の度合いの検出は、予め設定される参照電圧と、前記送信装置の側で受信される前記プリエンファシス調整用信号とに基づいて行うことを特徴とする請求項9、10、11又は12記載のプリエンファシス自動調整方法。
【請求項14】
前記減衰の度合いの検出は、予め設定される第1の参照電圧と前記送信装置の側で受信される前記プリエンファシス調整用信号とに基づいて行った第1の結果と、前記第1の参照電圧とは異なる予め設定される第2の参照電圧と前記送信装置の側で受信される前記プリエンファシス調整用信号とに基づいて行った第2の結果とに基づいて行うことを特徴とする請求項9、10、11又は12記載のプリエンファシス自動調整方法。
【請求項15】
前記エンファシスの調整は、予め取得されている複数の減衰の度合い対応のエンファシス設定値の中から検出された減衰の度合い対応のエンファシス設定値を得て行うことを特徴とする請求項9乃至14のいずれか一に記載のプリエンファシス自動調整方法。
【請求項16】
前記プリエンファシス調整用信号は、前記送信装置から前記信号伝送路を介して前記受信装置へ終端解除信号を送信して前記受信装置の終端を解除した後に送信されることを特徴とする請求項9乃至15のいずれか一に記載のプリエンファシス自動調整方法。
【請求項17】
送信装置と不整合部位を有する信号伝送路との接続箇所に接続され、受信装置で反射されて前記接続個所から入力されるプリエンファシス調整用信号に応答して前記送信装置から送信される送信信号に対して付与される所定のエンファシス量を調整するためのエンファシス設定信号発生回路であって、
前記プリエンファシス調整用信号に前記不整合部位で与えられる減衰の度合いに対して予め設定される参照電圧を出力する参照電圧源と、
該参照電圧源及び前記接続個所に接続され、前記参照電圧と前記接続個所から入力される前記プリエンファシス調整用信号とを比較する比較回路と、
該比較回路の出力に基づいて前記減衰対応のエンファシス設定信号を出力する出力回路とを備えることを特徴とするエンファシス設定信号発生回路。
【請求項18】
前記プリエンファシス調整用信号は、ステップ信号であることを特徴とする請求項17記載のエンファシス設定信号発生回路。
【請求項19】
不整合部位は、容量性反射部位又は誘導性反射部位であることを特徴とする請求項17又は18記載のエンファシス設定信号発生回路。
【請求項20】
前記容量性反射部位は、前記信号伝送路のスルーホールであることを特徴とする請求項17、18又は19記載のエンファシス設定信号発生回路。
【請求項21】
前記参照電圧源は、予め設定される第1の参照電圧を出力する第1の参照電圧源と、前記第1の参照電圧とは異なる予め設定される第2の参照電圧を出力する第2の参照電圧源とからなり、前記比較回路は、前記第1の参照電圧と前記接続個所から入力される前記プリエンファシス調整用信号とを比較する第1の比較回路と、前記第2の参照電圧と前記接続個所から入力される前記プリエンファシス調整用信号とを比較する第2の比較回路とからなり、前記出力回路は、前記第1の比較回路及び前記第2の比較回路の出力に基づいて前記減衰対応のエンファシス設定信号を出力する回路であることを特徴とする請求項17、18、19又は20記載のエンファシス設定信号発生回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−252696(P2008−252696A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−93509(P2007−93509)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】