プリンタシステム及びその制御方法
【課題】本発明は、プリンタシステムを構成する装置の無駄な電力消費を低減し、装置の短寿命化を防止すると共に、電源容量の最適化を図ることができるプリンタシステムを提供する。
【解決手段】プリンタシステムを構成する各装置の電源がONされると、各装置内のスレーブコントローラが自装置の動作準備時間をそれぞれ算出し、算出した動作準備時間をマスタコントローラに送信する。マスタコントローラがスレーブコントローラから受信した動作準備時間に基づいて各スレーブコントローラの起動開始時間(起動タイミング)を決定し、決定された各起動開始時間の経過後に各スレーブコントローラに対して動作開始を要求(指示)する。各スレーブコントローラが受信した動作開始要求に応じて準備動作を開始する。
【解決手段】プリンタシステムを構成する各装置の電源がONされると、各装置内のスレーブコントローラが自装置の動作準備時間をそれぞれ算出し、算出した動作準備時間をマスタコントローラに送信する。マスタコントローラがスレーブコントローラから受信した動作準備時間に基づいて各スレーブコントローラの起動開始時間(起動タイミング)を決定し、決定された各起動開始時間の経過後に各スレーブコントローラに対して動作開始を要求(指示)する。各スレーブコントローラが受信した動作開始要求に応じて準備動作を開始する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式のプリンタ等の画像形成装置と、該画像形成装置に通信手段を介して接続されたフィニッシャ等の複数のシート処理装置とを含むプリンタシステム及びその制御方法に関する。より具体的には、動作開始時にプリンタシステム内の装置を順次起動するにあたり、該起動順序を決定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタシステムは、例えば、図1に示すように、シートに画像形成を行うプリンタ10と、該プリンタ10に各種シートを給送する複数の給紙デッキ装置(第1の給紙装置11、第2の給紙装置12)と、該プリンタ10から排出されたシートを積載するスタッカ装置13と、該スタッカ装置13から排出されたシートにステイプル処理を行うステイプル装置14とで構成される。図1のプリンタシステム1を構成する各装置は、コントローラ(コントローラ50〜54)を備え、各コントローラがネットワーク5を介して互いに通信可能に接続されている。
【0003】
このようなプリンタシステムの制御方式として、複数のコントローラのうち任意の一つがマスタコントローラとなり、他のコントローラがスレーブコントローラとして集中管理されるマスタ・スレーブ方式が従来知られている。マスタコントローラとスレーブコントローラは所定のプロトコルにより通信可能であるため、該プロトコルに準拠した通信手段を備える装置の追加や変更が容易にできる。例えば、図2に示すように、ステイプル装置14を糊付け装置15に変更したプリンタシステム2を構築することも容易である。
【0004】
ところで上述したようなプリンタシステムを構成する各装置には、モータなど多数の負荷が使用されているため、例えばプリンタジョブ開始時に複数の負荷を同時に起動すると、起動時に必要な大電流に対して電源容量が不足するという問題が発生する。そこで各負荷の起動タイミングを所定時間経過毎にずらして順次起動する方法が従来知られている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2000−289883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、装置の起動順序は従来から固定されていたため、図1のプリンタシステム1を図2のプリンタシステム2に変更した場合であっても起動順序を柔軟に変更する方法がないという問題がある。例えば、プリンタシステム1では、ステイプル装置14が起動完了するまでの準備時間を20秒、スタッカ装置13の準備時間を10秒とすると、ステイプル装置14が起動してから10秒後にスタッカ装置13の準備動作を開始すると効率がよい。一方、プリンタシステム2では、糊付け装置15が起動するまでに60秒間を要すると、スタッカ装置13が50秒間空回転することになる。このように固定的な起動順序と起動タイミングの場合、結果的に電力を無駄に消費し、装置の寿命を短くするおそれがある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、プリンタシステムを構成する装置の無駄な電力消費を低減し、装置の短寿命化を防止すると共に、電源容量の最適化を図ることができるプリンタシステム及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載のプリンタシステムは、画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムにおいて、前記主装置は、前記少なくとも2つの従装置から当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を受信する受信手段と、前記受信した動作準備時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するために、請求項7記載のプリンタシステムは、画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムにおいて、前記主装置は、前記少なくとも2つの従装置に当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を要求する要求手段と、前記少なくとも2つの従装置から前記動作準備時間を受信する受信手段と、前記受信した動作準備時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するために、請求項12記載のプリンタシステムは、画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムにおいて、前記少なくとも2つの従装置は、当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を算出する算出手段と、前記算出された動作準備時間を前記主装置に送信する送信手段とを備え、前記主装置は、前記少なくとも2つの従装置から受信した動作準備時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示手段を備えることを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するために、請求項13記載のプリンタシステムは、画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムにおいて、前記主装置は、前記少なくとも2つの従装置に動作開始を指示する指示手段と、前記少なくとも2つの従装置から準備動作完了を示す応答を受信する受信手段と、前記少なくとも2つの従装置に対して前記動作開始の指示から前記応答までの時間を計測する時間計測手段と、前記計測された時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するために、請求項14記載の制御方法は、画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムの制御方法において、前記主装置が前記少なくとも2つの従装置から当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を受信する受信工程と、前記主装置が前記受信した動作準備時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示工程とを備えることを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するために、請求項15記載の制御方法は、画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムの制御方法において、前記主装置が前記少なくとも2つの従装置に当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を要求する要求工程と、前記少なくとも2つの従装置から前記動作準備時間を受信する受信工程と、前記受信した動作準備時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示工程とを備えることを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するために、請求項16記載の制御方法は、画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムの制御方法において、前記少なくとも2つの従装置が当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を算出する算出工程と、前記算出された動作準備時間を前記主装置に送信する送信工程と、前記主装置が前記少なくとも2つの従装置から受信した動作準備時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示工程とを備えることを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するために、請求項17記載の制御方法は、画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムの制御方法において、前記主装置が前記少なくとも2つの従装置に動作開始を指示する指示工程と、前記少なくとも2つの従装置から準備動作完了を示す応答を受信する受信工程と、前記少なくとも2つの従装置に対して前記動作開始の指示から前記応答までの時間を計測する時間計測工程と、前記計測された時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示工程とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、主装置が少なくとも2つの従装置から当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を受信し、受信した動作準備時間に基づいて少なくとも2つの従装置に動作開始を指示する。これにより、プリンタシステムを構成する装置の無駄な電力消費を低減し、装置の短寿命化を防止すると共に、電源容量の最適化を図ることができる。
【0016】
また、本発明によれば、主装置が少なくとも2つの従装置に当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を要求し、少なくとも2つの従装置から動作準備時間を受信し、受信した動作準備時間に基づいて少なくとも2つの従装置に動作開始を指示する。これにより、プリンタシステムを構成する装置の無駄な電力消費を低減し、装置の短寿命化を防止すると共に、電源容量の最適化を図ることができる。
【0017】
また、本発明によれば、少なくとも2つの従装置が当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を算出し、算出された動作準備時間を主装置に送信する。主装置が少なくとも2つの従装置から受信した動作準備時間に基づいて少なくとも2つの従装置に動作開始を指示する。これにより、プリンタシステムを構成する装置の無駄な電力消費を低減し、装置の短寿命化を防止すると共に、電源容量の最適化を図ることができる。また、プリンタシステムを構成する装置が追加又は変更された場合であっても容易に対応することができる。
【0018】
また、本発明によれば、主装置が少なくとも2つの従装置に動作開始を指示し、少なくとも2つの従装置から準備動作完了を示す応答を受信し、動作開始の指示から応答までの時間を計測し、計測された時間に基づいて少なくとも2つの従装置に動作開始を指示する。これにより、プリンタシステムを構成する装置の無駄な電力消費を低減し、装置の短寿命化を防止すると共に、電源容量の最適化を図ることができる。また、プリンタシステムを構成する装置が追加又は変更された場合であっても容易に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るプリンタシステムの構成例を示すブロック図であり、図2は、図1のプリンタシステム1の構成を一部変更した構成例を示すブロック図である。
【0021】
図1において、プリンタシステム1は、シートに画像形成を行うプリンタ10(画像形成装置)と、該プリンタ10に各種シートを給送する複数の給紙デッキ装置(第1の給紙装置11、第2の給紙装置12)と、該プリンタ10から排出されたシートを積載するスタッカ装置13と、シート排出機構を備えるスタッカ装置13から排出されたシートにステイプル処理を行うステイプル装置14とで構成される。
【0022】
一方、図2に示すプリンタシステム2は、図1のプリンタシステム1を構成するステイプル装置14が糊付け装置15に変更されている。
【0023】
プリンタシステム1を構成する各装置と糊付け装置15は、それぞれ装置自体を制御する制御手段としてコントローラ(コントローラ50〜55)を備え、各コントローラがネットワーク5を介して互いに接続されている。各コントローラは通信手段を備え、例えば、CAN(Controller Area Network)、ARCNET(Attached Resource Computer NETwork)、Ethernet(登録商標)等のプロトコルにより通信を行う。なお、プロトコルは、これらに限定されるものではない。
【0024】
複数のコントローラのうちのいずれか一つがマスタコントローラとして振る舞い、その他のコントローラがスレーブコントローラとして振舞う。
【0025】
本実施の形態では、プリンタ10内のコントローラ50をマスタコントローラとし、第1の給紙装置11内のコントローラ51、第2の給紙装置12内のコントローラ52、スタッカ装置13内のコントローラ53、ステイプル装置14内のコントローラ54、及び糊付け装置15内のコントローラ55をスレーブコントローラとした場合について説明する。なお、いずれのコントローラをマスタコントローラとするかは予め固定されていてもよく、また動的に変更するようにしてもよい。
【0026】
図3は、図1のプリンタシステムのマスタコントローラと複数のスレーブコントローラとの間の通信の一例を示すシーケンスチャートである。なお、図3ではプリンタシステム1におけるステイプル装置14を使用しない場合について説明する。
【0027】
図3において、不図示の電源スイッチや操作パネル等から各装置に電源が投入されると(電源ON)、スレーブコントローラ51,52,53は自装置が動作準備完了するまでの動作準備時間の算出を開始する。動作準備時間は各装置内の負荷構成に基づいて算出される。例えば、多段トレイを有するフィニッシャ装置(不図示)では動作準備時間としてトレイ移動に約10秒かかる。一方、糊付け装置15では糊の溶融に約60秒かかる場合がある。スレーブコントローラ51〜53は動作準備時間の算出が完了すると、マスタコントローラ50に対して算出した動作準備時間を動作準備時間応答として送信する。
【0028】
マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ51〜53からそれぞれ動作準備時間応答を受信すると、受信した動作準備時間のうち最も長い動作準備時間から逆算し、スレーブコントローラに動作開始のタイミングを指示するためのタイミングテーブルを生成し、マスタコントローラ50内の不図示のRAMに格納する。生成されたタイミングテーブルの一例を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
表1において、SeqIDはマスタコントローラ50がスレーブコントローラ51〜53に動作開始要求を送信する順番を示すIDであり、装置IDはネットワーク5に接続された複数のコントローラを一意に識別するためのIDである。例えば、スレーブコントローラ51(装置ID:51)の動作準備時間が60秒、スレーブコントローラ52(装置ID:52)の動作準備時間が20秒、スレーブコントローラ53(装置ID:53)の動作準備時間が10秒であった場合、最も動作準備時間の長いスレーブコントローラ51の動作準備時間を基準とし、すべての装置が60秒後に起動完了するようにタイミングテーブルが生成される。すなわち、マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ52の起動開始時間(起動タイミング)を基準となるスレーブコントローラ51の起動開始時間から40秒後とし、スレーブコントローラ53の起動タイミングを50秒後と決定する。なお、マスタコントローラ50自身(装置ID:50)を起動する必要がある場合は、マスタコントローラ50自身の動作準備時間を算出し、タイミングテーブルに組み入れてもよい。
【0031】
マスタコントローラ50はタイミングテーブルを生成すると、スレーブコントローラ51〜53に対して該タイミングテーブルに基づいて時間差をつけて動作開始要求を順次送信する。すなわち、マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ51に動作開始要求を送信してから40秒後にスレーブコントローラ52に動作開始要求を送信し、更に10秒後(スレーブコントローラ51に動作開始要求を送信してから50秒後)にスレーブコントローラ53に動作開始要求を送信する。
【0032】
スレーブコントローラ51〜53は、マスタコントローラ50から動作開始要求を受信すると自装置の準備動作を開始する。スレーブコントローラ51〜53は準備動作が完了(起動完了)すると、動作開始応答をマスタコントローラ50に対して送信する。プリンタシステム全体の起動完了のタイミングは、動作準備時間の最も長いコントローラ(本実施の形態ではスレーブコントローラ51)の起動完了タイミングに合わされ、各装置の起動が完了する。
【0033】
図4は、図3におけるマスタコントローラ50のステートチャートである。
【0034】
図4において、マスタコントローラ50は、電源がONされると動作準備時間応答待ち状態(S1)に遷移する(A1)。そして、スレーブコントローラ51〜53から動作準備時間応答(動作準備時間)を受信すると、動作準備中状態(S2)に遷移する(A2)。
【0035】
動作準備中状態(S2)では、マスタコントローラ50は受信した動作準備時間に基づいてタイミングテーブルを生成し、該タイミングテーブル上の先頭にある装置(表1では装置ID51である第1の給紙装置11)から順次動作開始要求を送信する(A3)。
【0036】
次に、マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ51〜53から動作開始応答を受信したときは、動作中状態(S3)に遷移する(A4)。動作中状態(S3)では、マスタコントローラ50は停止要求を受信次第、スレーブコントローラ51〜53の動作を停止させた後、待機中状態(S4)に遷移する(A5)。
【0037】
図5は、図4における動作準備時間応答受信(A2)時の処理を示すフローチャートである。本処理は、不図示のROM等から読み出されたプログラムに基づいてマスタコントローラ50により実行される。
【0038】
図5において、マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ51〜53からそれぞれ動作準備時間応答として動作準備時間を受信するまで待ち(ステップS20)、受信したときは(ステップS20でYES)、受信した動作準備時間と当該動作準備時間に対応する装置の装置IDをマスタコントローラ50内の不図示のRAMに記憶する(ステップS21)。すべてのスレーブコントローラ51〜53から動作準備時間を受信するまで繰り返し、受信が完了したときは(ステップS22でYES)、本処理を終了する。
【0039】
図6は、図4における動作開始要求送信(A3)時の処理を示すフローチャートである。本処理は、不図示のROM等から読み出されたプログラムに基づいてマスタコントローラ50により実行される。
【0040】
図6において、マスタコントローラ50は、上述した動作準備時間受信(A2)でスレーブコントローラ51〜53から受信した動作準備時間に基づきタイミングテーブル生成処理を実行する(ステップS30)。次に、タイミングテーブルを参照するための変数SeqIDの値とタイマカウント値をそれぞれ「0」にして初期化し、タイマのカウントをスタートさせる(ステップS31)。
【0041】
次に、ステップS30で生成されたタイミングテーブルから変数SeqIDの値と一致するタイミングデータ(起動開始時間)を読み出し(リード)し(ステップS32)、タイマカウント値が該タイミングデータをオーバー(タイミングデータ<タイマカウント値)するまで待つ(ステップS33)。
【0042】
タイマカウント値がタイミングデータをオーバーしたときは(ステップS33でYES)、該タイミングデータに対応する装置IDのスレーブコントローラに対して動作開始要求を送信する(ステップS34)。
【0043】
次に、タイミングテーブルに次のタイミングデータがないときは(ステップS35でYES)、本処理を終了する一方、タイミングテーブルに次のタイミングデータがあるときは(ステップS35でNO)、変数SeqIDの値を1増加させ(ステップS36)、ステップS32に戻る。なお、変数SeqIDの値が「0」であるときは、ステップS32〜S35をスルーしてステップS36へ進む。
【0044】
図7は、図6におけるタイミングテーブル生成処理(S30)の詳細を示すフローチャートである。
【0045】
図7において、マスタコントローラ50は、動作準備時間受信(A2)で受信したスレーブコントローラ51〜53の動作準備時間のうちの最大値を求める(ステップS300)。次に、ステップS300で求めた最大値とスレーブコントローラ51〜53の動作準備時間との差分をそれぞれ求めてテーブル化する(ステップS301)。ここで求めた時間が各スレーブコントローラの起動開始時間(起動タイミング)となる。そして、起動タイミングを昇順にソートしてSeqIDを順に振り(ステップS302)、リターンする。
【0046】
図8は、図3におけるスレーブコントローラ51のステートチャートである。なお、スレーブコントローラ51〜53は、いずれも同一の動作を実行することからスレーブコントローラ51について説明する。
【0047】
図8において、スレーブコントローラ51は、電源がONされると動作開始要求待ち状態(S21)に遷移する(A20)。動作開始要求待ち状態(S21)では、まず自装置の動作準備時間を算出し、マスタコントローラ50に対して動作準備時間応答を送信する(A21)。
【0048】
次に、スレーブコントローラ51は、マスタコントローラ50から動作開始要求を受信すると動作を開始し、動作準備中状態(S22)に遷移する(A22)。次に、自装置の動作準備が完了次第、マスタコントローラ50に対して動作開始応答を送信し、動作中状態(S23)に遷移する(A23)。動作中状態(S23)では、マスタコントローラ50からの停止要求を受信次第、自装置を停止し、待機中状態(S20)に遷移する(A24)。
【0049】
次に、図2のプリンタシステム2における糊付け装置16のスレーブコントローラにおける処理について説明する。
【0050】
図9は、図8における動作準備応答送信(A21)時の処理のフローチャートである。本処理は、不図示のROM等から読み出されたプログラムに基づいてスレーブコントローラ55により実行される。
【0051】
図9において、スレーブコントローラ55は、電源がONされて動作開始要求待ち状態(S21)に遷移すると、糊を溶融させるヒータの温度を検知し(ステップS210)、ヒータ温度が所定の温度に到達するまでのヒータ温度上昇時間を算出する(ステップS211)。
【0052】
次に、モータや駆動部のホームポジション出しなどの起動時間を算出し(ステップS212)、ステップS211で算出したヒータ温度上昇時間とステップS212で算出した駆動部の起動時間のうち最も長いものを選択し(ステップS213)、動作準備時間応答をマスタコントローラ50に送信する(ステップS214)。なお、動作準備時間算出の方法はここに示したもの以外でもよく、装置が起動を完了するまでの時間をマスタコントローラ50に通知することができればよい。
【0053】
上記第1の実施の形態によれば、プリンタシステムを構成する各装置の電源がONされると、各装置内のスレーブコントローラが自装置の動作準備時間をそれぞれ算出し、算出した動作準備時間をマスタコントローラに送信する。マスタコントローラがスレーブコントローラから受信した動作準備時間に基づいて各スレーブコントローラの起動開始時間(起動タイミング)を決定し、決定された各起動開始時間の経過後に各スレーブコントローラに対して動作開始を要求(指示)する。各スレーブコントローラが受信した動作開始要求に応じて準備動作を開始する。これにより、電源ON時の無駄な電力消費を低減し、装置の短寿命化を防止すると共に、電源容量の最適化を図ることができる。また、プリンタシステムを構成する装置が追加又は変更された場合であっても上記効果を奏することができる。
【0054】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係るプリンタシステムついて説明する。本第2の実施の形態に係るプリンタシステムは、上記第1の実施の形態に係るプリンタシステムと構成が同じであり、同符号の構成要素に関する説明を省略し、異なる点のみを説明する。
【0055】
図10は、本発明の第2の実施の形態に係るプリンタシステムのマスタコントローラと複数のスレーブコントローラとの間の通信の一例を示すシーケンスチャートである。
【0056】
プリンタ10において、不図示の電源スイッチや操作パネルから電源投入やジョブスタート要求がマスタコントローラ50に指示されると、マスタコントローラ50は各スレーブコントローラ51〜53に対して動作準備時間要求を送信する。
【0057】
スレーブコントローラ51〜53は、マスタコントローラ50から動作準備時間要求を受信すると、自装置が動作準備完了するまでの動作準備時間の算出を開始する。動作準備時間は、上記第1の実施の形態と同様に、各装置内の負荷構成に基づいて算出される。スレーブコントローラ51〜53は動作準備時間の算出が完了すると、マスタコントローラ50に対して算出した動作準備時間を動作準備時間応答として送信する。
【0058】
マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ51〜53からそれぞれ動作準備時間応答を受信すると、受信した動作準備時間のうち最も長い動作準備時間から逆算し、上述した表1に示すような、スレーブコントローラに動作開始のタイミングを指示するためのタイミングテーブルを生成し、マスタコントローラ50内の不図示のRAMに格納する。
【0059】
マスタコントローラ50はタイミングテーブルを生成すると、スレーブコントローラ51〜53に対して該タイミングテーブルに基づいて時間差をつけて動作開始要求を順次送信する。すなわち、マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ51に動作開始要求を送信してから40秒後にスレーブコントローラ52に動作開始要求を送信し、更に10秒後(スレーブコントローラ51に動作開始要求を送信してから50秒後)にスレーブコントローラ53に動作開始要求を送信する。
【0060】
スレーブコントローラ51〜53は、マスタコントローラ50から動作開始要求を受信すると自装置の準備動作を開始する。スレーブコントローラ51〜53は準備動作が完了(起動完了)すると、動作開始応答をマスタコントローラ50に対して送信する。プリンタシステム全体の起動完了のタイミングは、動作準備時間の最も長いコントローラ(本実施の形態ではスレーブコントローラ51)の起動完了タイミングに合わされ、各装置の起動が完了する。
【0061】
図11は、図10におけるマスタコントローラ50のステートチャートである。
【0062】
図11において、マスタコントローラ50は、待機中状態(S10)でジョブスタート要求(開始要求)を受信すると動作準備時間応答待ち状態(S11)に遷移する(A10)。動作準備時間応答待ち状態(S11)では、まずスレーブコントローラ51〜53に対して動作準備時間要求を送信する(A11)。そして、スレーブコントローラ51〜53から動作準備時間応答(動作準備時間)を受信したときは、動作準備中状態(S2)に遷移する(A2)。
【0063】
動作準備中状態(S2)では、マスタコントローラ50は受信した動作準備時間に基づいてタイミングテーブルを生成し、該タイミングテーブル上の先頭にある装置(表1では装置ID51である第1の給紙装置11)から順次動作開始要求を送信する(A3)。
【0064】
次に、マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ51〜53から動作開始応答を受信したときは、動作中状態(S3)に遷移する(A4)。動作中状態(S3)では、マスタコントローラ50は停止要求を受信次第、スレーブコントローラ51〜53の動作を停止させた後、待機中状態(S10)に遷移する(A5)。
【0065】
図12は、図10におけるスレーブコントローラ51のステートチャートである。なお、スレーブコントローラ51〜53は、いずれも同一の動作を実行することからスレーブコントローラ51について説明する。
【0066】
図12において、スレーブコントローラ51は、待機中状態(S24)でマスタコントローラ50からの動作準備時間要求を受信すると、動作開始要求待ち状態(S21)に遷移する(A25)。動作開始要求待ち状態(S21)では、まず自装置の動作準備時間を算出し、マスタコントローラ50に対して動作準備時間応答を送信する(A21)。
【0067】
次に、スレーブコントローラ51は、マスタコントローラ50から動作開始要求を受信すると動作を開始し、動作準備中状態(S22)に遷移する(A22)。次に、自装置の動作準備が完了次第、マスタコントローラ50に対して動作開始応答を送信し、動作中状態(S23)に遷移する(A23)。動作中状態(S27)ではマスタコントローラ50からの停止要求を受信次第、自装置を停止し、待機中状態(S24)に遷移する(A24)。
【0068】
上記第2の実施の形態によれば、ジョブスタート要求がマスタコントローラに指示されると、マスタコントローラが各スレーブコントローラに動作準備時間要求を送信する。各スレーブコントローラがマスタコントローラからの動作準備時間要求に応じて自装置の動作準備時間を算出し、算出した動作準備時間をマスタコントローラに送信する。マスタコントローラがスレーブコントローラから受信した動作準備時間に基づいて各スレーブコントローラの起動開始時間(起動タイミング)を決定し、決定された各起動時間の経過後に各スレーブコントローラに対して動作開始を要求(指示)する。各スレーブコントローラが受信した動作開始要求に応じて準備動作を開始する。これにより、ジョブスタート時の無駄な電力消費を低減し、装置の短寿命化を防止すると共に、電源容量の最適化を図ることができる。また、プリンタシステムを構成する装置が追加又は変更された場合であっても上記効果を奏することができる。
【0069】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係るプリンタシステムついて説明する。本第3の実施の形態に係るプリンタシステムは、上記第1の実施の形態に係るプリンタシステムと構成が同じであり、同符号の構成要素に関する説明を省略し、異なる点のみを説明する。
【0070】
図13は、本発明の第3の実施の形態に係るプリンタシステムのマスタコントローラと複数のスレーブコントローラとの間の通信の一例を示すシーケンスチャートである。
【0071】
プリンタ10において、不図示の電源スイッチや操作パネルから電源投入やジョブスタート要求がマスタコントローラ50に指示されると、マスタコントローラ50は各スレーブコントローラ51〜53に対して動作準備時間要求を送信する。
【0072】
スレーブコントローラ51〜53は、マスタコントローラ50から動作準備時間要求を受信すると、自装置が動作準備完了するまでの動作準備時間の算出を開始する。動作準備時間は、上記第1の実施の形態と同様に、各装置内の負荷構成に基づいて算出される。スレーブコントローラ51〜53は動作準備時間の算出が完了すると、マスタコントローラ50に対して算出した動作準備時間を動作準備時間応答として送信する。
【0073】
マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ51〜53からそれぞれ動作準備時間応答を受信すると、受信した動作準備時間のうち最も長い動作準備時間から逆算し、スレーブコントローラに動作開始のタイミングを指示するためのタイミングテーブルを生成し、マスタコントローラ50内の不図示のRAMに格納する。生成されたタイミングテーブルの一例を表2に示す。
【0074】
【表2】
【0075】
表2において、装置IDはネットワーク5に接続された複数のコントローラを一意に識別するためのIDである。例えば、スレーブコントローラ51(装置ID:51)の動作準備時間が60秒、スレーブコントローラ52(装置ID:52)の動作準備時間が20秒、スレーブコントローラ53(装置ID:53)の動作準備時間が10秒であった場合、最も動作準備時間の長いスレーブコントローラ51の動作準備時間を基準とし、すべての装置が60秒後に起動完了するようにタイミングテーブルが生成される。すなわち、マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ52の起動開始時間(起動タイミング)を基準となるスレーブコントローラ51の起動開始時間から40秒後とし、スレーブコントローラ53の起動タイミングを50秒後と決定する。なお、マスタコントローラ50自身(装置ID:50)を起動する必要がある場合は、マスタコントローラ50自身の動作準備時間を算出し、タイミングテーブルに組み入れてもよい。
【0076】
マスタコントローラ50は、生成したタイミングテーブルに基づいて、起動開始時間を各装置の動作開始タイミングを指示するタイミングデータとして動作開始要求に付加し、各動作開始要求を各スレーブコントローラ51〜53に対して一括して送信する。
【0077】
スレーブコントローラ51〜53は、マスタコントローラ50から動作開始要求を受信した後、該動作開始要求に付加されたタイミングデータに基づいてタイマをスタートさせ、該タイマがタイミングデータにより指示された起動開始時間になり次第、準備動作を開始する。すなわち、スレーブコントローラ51は動作開始要求を受信した後直ちに準備動作を開始する。スレーブコントローラ52は動作開始要求を受信してから40秒後に準備動作を開始する。スレーブコントローラ53は動作開始要求を受信してから50秒後に準備動作を開始する。
【0078】
次に、スレーブコントローラ51〜53は準備動作が完了(起動完了)すると、動作開始応答をマスタコントローラ50に対して送信する。プリンタシステム全体の起動完了のタイミングは、動作準備時間の最も長いコントローラ(本実施の形態ではスレーブコントローラ51)の起動完了タイミングに合わされ、各装置の起動が完了する。
【0079】
図14は、図13におけるマスタコントローラ50のステートチャートである。
【0080】
図14において、マスタコントローラ50は、待機中状態(S10)でジョブスタート要求(開始要求)を受信すると動作準備時間応答待ち状態(S11)に遷移する(A10)。動作準備時間応答待ち状態では、まずスレーブコントローラ51〜53に対して動作準備時間要求を送信する(A11)。そして、スレーブコントローラ51〜53から動作準備時間応答(動作準備時間)を受信したときは、動作準備中状態(S12)に遷移する(A2)。
【0081】
動作準備中状態(S2)では、マスタコントローラ50は受信した動作準備時間に基づいてタイミングテーブルを生成し、該タイミングテーブルに基づくタイミングデータを動作開始要求に付加してスレーブコントローラ51〜53に送信する(A6)。
【0082】
次に、マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ51〜53から動作開始応答を受信したときは、動作中状態(S3)に遷移する(A4)。動作中状態(S3)では、マスタコントローラ50は停止要求を受信次第、スレーブコントローラ51〜53の動作を停止させた後、待機中状態(S10)に遷移する(A5)。
【0083】
図15は、図14における動作開始要求送信(A6)時の処理を示すフローチャートである。本処理は、不図示のROM等から読み出されたプログラムに基づいてマスタコントローラ50により実行される。
【0084】
図15において、マスタコントローラ50は、上述した動作準備時間受信(A2)でスレーブコントローラ51〜53から受信した動作準備時間に基づきタイミングテーブル生成処理を実行する(ステップS60)。次に、装置IDに対応する各スレーブコントローラに対してタイミングデータを付加した動作開始要求を送信して(ステップS61)、本処理を終了する。
【0085】
図16は、図15におけるタイミングテーブル生成処理(ステップS60)の詳細を示すフローチャートである。
【0086】
図16において、マスタコントローラ50は、動作準備時間受信(A2)で受信したスレーブコントローラ51〜53の動作準備時間のうちの最大値を求める(ステップS600)。次に、ステップS600で求めた最大値とスレーブコントローラ51〜53の動作準備時間との差分をそれぞれ求めてテーブル化する(ステップS601)。ここで求めた時間が各スレーブコントローラの起動開始時間(起動タイミング)となる。
【0087】
図17は、図13におけるスレーブコントローラ51のステートチャートである。なお、スレーブコントローラ51〜53は、いずれも同一の動作を実行することからスレーブコントローラ51について説明する。
【0088】
図17において、スレーブコントローラ51は、待機中状態(S24)でマスタコントローラ50から動作準備時間要求を受信すると動作開始要求待ち状態(S25)に遷移する(A25)。動作開始要求待ち状態(S25)では、まず自装置の動作準備時間を算出し、マスタコントローラ50に対して動作準備時間応答を送信する(A21)。
【0089】
次に、スレーブコントローラ51は、マスタコントローラ50からの動作開始要求を受信すると、動作開始要求に付加されたタイミングデータをタイマにセットし、動作準備中状態(S26)に遷移する(A26)。A26でセットしたタイマがタイムアップしたときは動作準備を開始する(A27)。自装置の動作準備が完了次第、マスタコントローラ50に対して動作開始応答を送信し、動作中状態(S23)に遷移する(A23)。動作中状態(S27)では、マスタコントローラ50からの停止要求を受信次第、自装置を停止し、待機中状態(S24)に遷移する(A24)。
【0090】
図18は、図17における動作開始要求受信(A26)時の処理を示すフローチャートである。本処理は、不図示のROM等から読み出されたプログラムに基づいてスレーブコントローラ51により実行される。なお、他のスレーブコントローラ52〜55についても同様に処理が行われる。
【0091】
図18において、スレーブコントローラ51は、マスタコントローラ50から受信した動作開始要求に付加されたタイミングデータをタイマにセットし(ステップS260)、タイマをスタートさせ(ステップS261)、本処理を終了する。
【0092】
上記第3の実施の形態によれば、ジョブスタート要求がマスタコントローラに指示されると、マスタコントローラが各スレーブコントローラに動作準備時間要求を送信する。各スレーブコントローラがマスタコントローラからの動作準備時間要求に応じて自装置の動作準備時間を算出し、算出した動作準備時間をマスタコントローラに送信する。マスタコントローラがスレーブコントローラから受信した動作準備時間に基づいて各スレーブコントローラの起動開始時間(起動タイミング)を決定し、該起動開始時間をタイミングデータとして動作開始要求に付加して各スレーブコントローラに対して送信する。各スレーブコントローラが受信した動作開始要求に付加されたタイミングデータに基づいて準備動作を開始する。これにより、ジョブスタート時の無駄な電力消費を低減し、装置の短寿命化を防止すると共に、電源容量の最適化を図ることができる。また、プリンタシステムを構成する装置が追加又は変更された場合であっても容易に対応することができる。
【0093】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態に係るプリンタシステムついて説明する。本第4の実施の形態に係るプリンタシステムは、上記第1の実施の形態に係るプリンタシステムと構成が同じであり、同符号の構成要素に関する説明を省略し、異なる点のみを説明する。
【0094】
本第4の実施の形態では、マスタコントローラ50とスレーブコントローラ51〜53との間で動作準備時間をやりとりする代わりに、マスタコントローラ50がスレーブコントローラ51〜53の動作準備時間を計測して、動作開始要求のタイミングを変更するものである。
【0095】
プリンタ10において、不図示の電源スイッチや操作パネルから電源投入やジョブスタート要求がマスタコントローラ50に指示されると、マスタコントローラ50は各スレーブコントローラ51〜53に対して動作開始要求を送信し、同時にタイマをスタートさせて各装置の動作準備に要した時間(動作準備時間)を計測する。
【0096】
スレーブコントローラ51〜53は、マスタコントローラ50から動作開始要求を受信すると自装置の準備動作を開始する。スレーブコントローラ51〜53は準備動作が完了(起動完了)すると、動作開始応答をマスタコントローラ50に対して送信する。
【0097】
マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ51〜53から動作開始応答を受信すると、タイマにより動作準備に要した動作準備時間をそれぞれ記録する。そして、動作準備時間のうち最も長い動作準備時間から逆算して、スレーブコントローラに動作開始のタイミングを指示するためのタイミングテーブルを生成し、マスタコントローラ50内の不図示のRAMに格納する。生成されたタイミングテーブルの一例を表3に示す。
【0098】
【表3】
【0099】
表3において、SeqIDはマスタコントローラ50がスレーブコントローラ51〜53に動作開始要求を送信する順番を示すIDであり、装置IDはネットワーク5に接続された複数のコントローラを一意に識別するためのIDである。例えば、スレーブコントローラ51(装置ID:51)の動作準備時間60秒、スレーブコントローラ52(装置ID:52)の動作準備時間が20秒、スレーブコントローラ53(装置ID:53)の動作準備時間が10秒であった場合、最も動作準備時間の長いスレーブコントローラ51の動作準備時間を基準とし、すべての装置が60秒後に起動完了するようにタイミングテーブルが生成される。すなわち、マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ52の起動開始時間(起動タイミング)を基準となるスレーブコントローラ51の起動開始時間から40秒後とし、スレーブコントローラ53の起動タイミングを50秒後と決定する。なお、マスタコントローラ50自身(装置ID:50)を起動する必要がある場合は、マスタコントローラ50自身の動作準備時間を算出し、タイミングテーブルに組み入れてもよい。
【0100】
この結果、マスタコントローラ50は、次の動作開始以降、スレーブコントローラ51〜53に対して該タイミングテーブルに基づいて時間差をつけて動作開始要求を順次送信する。すなわち、マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ51に動作開始要求を送信してから40秒後にスレーブコントローラ52に動作開始要求を送信し、更に10秒後(スレーブコントローラ51に動作開始要求を送信してから50秒後)にスレーブコントローラ53に動作開始要求を送信する。
【0101】
スレーブコントローラ51〜53は、マスタコントローラ50から動作開始要求を受信すると自装置の準備動作を開始する。スレーブコントローラ51〜53は準備動作が完了(起動完了)すると、動作開始応答をマスタコントローラ50に対して送信する。プリンタシステム全体の起動完了のタイミングは、動作準備時間の最も長いコントローラ(本実施の形態ではスレーブコントローラ51)の起動完了タイミングに合わされ、各装置の起動が完了する。
【0102】
上記第4の実施の形態によれば、ジョブスタート要求がマスタコントローラに指示されると、マスタコントローラが各スレーブコントローラに動作開始要求を送信すると同時に各装置の動作準備時間を計測する。各スレーブコントローラが動作開始要求を受信すると自装置の準備動作を開始して動作開始応答をマスタコントローラに送信する。マスタコントローラ50が受信した動作開始応答から動作準備時間を記録し、該動作準備時間に基づいて各スレーブコントローラの起動開始時間(起動タイミング)を決定し、次回の動作開始時には当該起動タイミングを利用して動作開始要求(指示)を行う。これにより、ジョブスタート時の無駄な電力消費を低減し、装置の短寿命化を防止すると共に、電源容量の最適化を図ることができる。また、プリンタシステムを構成する装置が追加又は変更された場合であっても容易に対応することができる。
【0103】
また、マスタコントローラが各スレーブコントローラに動作開始要求を送信し、該動作開始要求に応じてスレーブコントローラから受信した動作開始応答から動作準備時間を計測するので、プリンタシステム内に動作準備時間を応答できないスレーブコントローラがあったとしても、上記効果を奏することが可能となる。
【0104】
また、本発明の目的は、上述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に供給することによっても達成される。その場合、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行する。該記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0105】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク等を用いることができる。また、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD±R、DVD−RAM、DVD±RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。また、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0106】
コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した各実施の形態の機能が実現されるだけではない。すなわち、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0107】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。そして、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0108】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した各実施の形態の機能が実現されるだけではない。すなわち、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した各実施の形態の機能が実現される場合も、本発明に含まれることは云うまでもない。
【0109】
この場合、上記プログラムは、該プログラムを記憶した記憶媒体から直接、又はインターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続された不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることにより供給される。
【0110】
また、本発明は電子写真方式のプリンタに限定されるものではなく、インクジェット方式、熱転写方式、感熱方式、静電方式、放電破壊方式など各種印刷方式に適用することができる。また、上述したプリンタシステムにおけるプリンタ10は、シート処理装置や他の機能装置を接続することが可能な複合機やファクシミリ装置等であってもよい。
【0111】
更に、上述したプリンタシステムは、コンピュータと該コンピュータに接続されたプリンタやスキャナ等の周辺機器で構成されたシステムであってもよいことは云うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るプリンタシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のプリンタシステムの構成を一部変更した構成例を示すブロック図である。
【図3】図1のプリンタシステムのマスタコントローラと複数のスレーブコントローラとの間の通信の一例を示すシーケンスチャートである。
【図4】図3におけるマスタコントローラ50のステートチャートである。
【図5】図4における動作準備時間応答受信時の処理を示すフローチャートである。
【図6】図4における動作開始要求送信(A3)時の処理を示すフローチャートである。
【図7】図6におけるタイミングテーブル生成処理(S30)の詳細を示すフローチャートである。
【図8】図3におけるスレーブコントローラ51のステートチャートである。
【図9】図8における動作準備応答送信時の処理のフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係るプリンタシステムのマスタコントローラと複数のスレーブコントローラとの間の通信の一例を示すシーケンスチャートである。
【図11】図10におけるマスタコントローラのステートチャートである。
【図12】図10におけるスレーブコントローラのステートチャートである。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係るプリンタシステムのマスタコントローラと複数のスレーブコントローラとの間の通信の一例を示すシーケンスチャートである。
【図14】図13におけるマスタコントローラのステートチャートである。
【図15】図14における動作開始要求送信時の処理を示しフローチャートである。
【図16】図15におけるタイミングテーブル生成処理の詳細を示すフローチャートである。
【図17】図13におけるスレーブコントローラのステートチャートである。
【図18】図17における動作開始要求受信時の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0113】
1,2 プリンタシステム
10 プリンタ
11 第1の給紙装置
12 第2の給紙装置
13 スタッカ装置
14 ステイプル装置
15 糊付け装置
50 コントローラ(マスタコントローラ)
51,52,53,54,55 コントローラ(スレーブコントローラ)
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式のプリンタ等の画像形成装置と、該画像形成装置に通信手段を介して接続されたフィニッシャ等の複数のシート処理装置とを含むプリンタシステム及びその制御方法に関する。より具体的には、動作開始時にプリンタシステム内の装置を順次起動するにあたり、該起動順序を決定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタシステムは、例えば、図1に示すように、シートに画像形成を行うプリンタ10と、該プリンタ10に各種シートを給送する複数の給紙デッキ装置(第1の給紙装置11、第2の給紙装置12)と、該プリンタ10から排出されたシートを積載するスタッカ装置13と、該スタッカ装置13から排出されたシートにステイプル処理を行うステイプル装置14とで構成される。図1のプリンタシステム1を構成する各装置は、コントローラ(コントローラ50〜54)を備え、各コントローラがネットワーク5を介して互いに通信可能に接続されている。
【0003】
このようなプリンタシステムの制御方式として、複数のコントローラのうち任意の一つがマスタコントローラとなり、他のコントローラがスレーブコントローラとして集中管理されるマスタ・スレーブ方式が従来知られている。マスタコントローラとスレーブコントローラは所定のプロトコルにより通信可能であるため、該プロトコルに準拠した通信手段を備える装置の追加や変更が容易にできる。例えば、図2に示すように、ステイプル装置14を糊付け装置15に変更したプリンタシステム2を構築することも容易である。
【0004】
ところで上述したようなプリンタシステムを構成する各装置には、モータなど多数の負荷が使用されているため、例えばプリンタジョブ開始時に複数の負荷を同時に起動すると、起動時に必要な大電流に対して電源容量が不足するという問題が発生する。そこで各負荷の起動タイミングを所定時間経過毎にずらして順次起動する方法が従来知られている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2000−289883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、装置の起動順序は従来から固定されていたため、図1のプリンタシステム1を図2のプリンタシステム2に変更した場合であっても起動順序を柔軟に変更する方法がないという問題がある。例えば、プリンタシステム1では、ステイプル装置14が起動完了するまでの準備時間を20秒、スタッカ装置13の準備時間を10秒とすると、ステイプル装置14が起動してから10秒後にスタッカ装置13の準備動作を開始すると効率がよい。一方、プリンタシステム2では、糊付け装置15が起動するまでに60秒間を要すると、スタッカ装置13が50秒間空回転することになる。このように固定的な起動順序と起動タイミングの場合、結果的に電力を無駄に消費し、装置の寿命を短くするおそれがある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、プリンタシステムを構成する装置の無駄な電力消費を低減し、装置の短寿命化を防止すると共に、電源容量の最適化を図ることができるプリンタシステム及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載のプリンタシステムは、画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムにおいて、前記主装置は、前記少なくとも2つの従装置から当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を受信する受信手段と、前記受信した動作準備時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するために、請求項7記載のプリンタシステムは、画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムにおいて、前記主装置は、前記少なくとも2つの従装置に当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を要求する要求手段と、前記少なくとも2つの従装置から前記動作準備時間を受信する受信手段と、前記受信した動作準備時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するために、請求項12記載のプリンタシステムは、画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムにおいて、前記少なくとも2つの従装置は、当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を算出する算出手段と、前記算出された動作準備時間を前記主装置に送信する送信手段とを備え、前記主装置は、前記少なくとも2つの従装置から受信した動作準備時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示手段を備えることを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するために、請求項13記載のプリンタシステムは、画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムにおいて、前記主装置は、前記少なくとも2つの従装置に動作開始を指示する指示手段と、前記少なくとも2つの従装置から準備動作完了を示す応答を受信する受信手段と、前記少なくとも2つの従装置に対して前記動作開始の指示から前記応答までの時間を計測する時間計測手段と、前記計測された時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するために、請求項14記載の制御方法は、画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムの制御方法において、前記主装置が前記少なくとも2つの従装置から当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を受信する受信工程と、前記主装置が前記受信した動作準備時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示工程とを備えることを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するために、請求項15記載の制御方法は、画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムの制御方法において、前記主装置が前記少なくとも2つの従装置に当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を要求する要求工程と、前記少なくとも2つの従装置から前記動作準備時間を受信する受信工程と、前記受信した動作準備時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示工程とを備えることを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するために、請求項16記載の制御方法は、画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムの制御方法において、前記少なくとも2つの従装置が当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を算出する算出工程と、前記算出された動作準備時間を前記主装置に送信する送信工程と、前記主装置が前記少なくとも2つの従装置から受信した動作準備時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示工程とを備えることを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するために、請求項17記載の制御方法は、画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムの制御方法において、前記主装置が前記少なくとも2つの従装置に動作開始を指示する指示工程と、前記少なくとも2つの従装置から準備動作完了を示す応答を受信する受信工程と、前記少なくとも2つの従装置に対して前記動作開始の指示から前記応答までの時間を計測する時間計測工程と、前記計測された時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示工程とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、主装置が少なくとも2つの従装置から当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を受信し、受信した動作準備時間に基づいて少なくとも2つの従装置に動作開始を指示する。これにより、プリンタシステムを構成する装置の無駄な電力消費を低減し、装置の短寿命化を防止すると共に、電源容量の最適化を図ることができる。
【0016】
また、本発明によれば、主装置が少なくとも2つの従装置に当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を要求し、少なくとも2つの従装置から動作準備時間を受信し、受信した動作準備時間に基づいて少なくとも2つの従装置に動作開始を指示する。これにより、プリンタシステムを構成する装置の無駄な電力消費を低減し、装置の短寿命化を防止すると共に、電源容量の最適化を図ることができる。
【0017】
また、本発明によれば、少なくとも2つの従装置が当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を算出し、算出された動作準備時間を主装置に送信する。主装置が少なくとも2つの従装置から受信した動作準備時間に基づいて少なくとも2つの従装置に動作開始を指示する。これにより、プリンタシステムを構成する装置の無駄な電力消費を低減し、装置の短寿命化を防止すると共に、電源容量の最適化を図ることができる。また、プリンタシステムを構成する装置が追加又は変更された場合であっても容易に対応することができる。
【0018】
また、本発明によれば、主装置が少なくとも2つの従装置に動作開始を指示し、少なくとも2つの従装置から準備動作完了を示す応答を受信し、動作開始の指示から応答までの時間を計測し、計測された時間に基づいて少なくとも2つの従装置に動作開始を指示する。これにより、プリンタシステムを構成する装置の無駄な電力消費を低減し、装置の短寿命化を防止すると共に、電源容量の最適化を図ることができる。また、プリンタシステムを構成する装置が追加又は変更された場合であっても容易に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るプリンタシステムの構成例を示すブロック図であり、図2は、図1のプリンタシステム1の構成を一部変更した構成例を示すブロック図である。
【0021】
図1において、プリンタシステム1は、シートに画像形成を行うプリンタ10(画像形成装置)と、該プリンタ10に各種シートを給送する複数の給紙デッキ装置(第1の給紙装置11、第2の給紙装置12)と、該プリンタ10から排出されたシートを積載するスタッカ装置13と、シート排出機構を備えるスタッカ装置13から排出されたシートにステイプル処理を行うステイプル装置14とで構成される。
【0022】
一方、図2に示すプリンタシステム2は、図1のプリンタシステム1を構成するステイプル装置14が糊付け装置15に変更されている。
【0023】
プリンタシステム1を構成する各装置と糊付け装置15は、それぞれ装置自体を制御する制御手段としてコントローラ(コントローラ50〜55)を備え、各コントローラがネットワーク5を介して互いに接続されている。各コントローラは通信手段を備え、例えば、CAN(Controller Area Network)、ARCNET(Attached Resource Computer NETwork)、Ethernet(登録商標)等のプロトコルにより通信を行う。なお、プロトコルは、これらに限定されるものではない。
【0024】
複数のコントローラのうちのいずれか一つがマスタコントローラとして振る舞い、その他のコントローラがスレーブコントローラとして振舞う。
【0025】
本実施の形態では、プリンタ10内のコントローラ50をマスタコントローラとし、第1の給紙装置11内のコントローラ51、第2の給紙装置12内のコントローラ52、スタッカ装置13内のコントローラ53、ステイプル装置14内のコントローラ54、及び糊付け装置15内のコントローラ55をスレーブコントローラとした場合について説明する。なお、いずれのコントローラをマスタコントローラとするかは予め固定されていてもよく、また動的に変更するようにしてもよい。
【0026】
図3は、図1のプリンタシステムのマスタコントローラと複数のスレーブコントローラとの間の通信の一例を示すシーケンスチャートである。なお、図3ではプリンタシステム1におけるステイプル装置14を使用しない場合について説明する。
【0027】
図3において、不図示の電源スイッチや操作パネル等から各装置に電源が投入されると(電源ON)、スレーブコントローラ51,52,53は自装置が動作準備完了するまでの動作準備時間の算出を開始する。動作準備時間は各装置内の負荷構成に基づいて算出される。例えば、多段トレイを有するフィニッシャ装置(不図示)では動作準備時間としてトレイ移動に約10秒かかる。一方、糊付け装置15では糊の溶融に約60秒かかる場合がある。スレーブコントローラ51〜53は動作準備時間の算出が完了すると、マスタコントローラ50に対して算出した動作準備時間を動作準備時間応答として送信する。
【0028】
マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ51〜53からそれぞれ動作準備時間応答を受信すると、受信した動作準備時間のうち最も長い動作準備時間から逆算し、スレーブコントローラに動作開始のタイミングを指示するためのタイミングテーブルを生成し、マスタコントローラ50内の不図示のRAMに格納する。生成されたタイミングテーブルの一例を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
表1において、SeqIDはマスタコントローラ50がスレーブコントローラ51〜53に動作開始要求を送信する順番を示すIDであり、装置IDはネットワーク5に接続された複数のコントローラを一意に識別するためのIDである。例えば、スレーブコントローラ51(装置ID:51)の動作準備時間が60秒、スレーブコントローラ52(装置ID:52)の動作準備時間が20秒、スレーブコントローラ53(装置ID:53)の動作準備時間が10秒であった場合、最も動作準備時間の長いスレーブコントローラ51の動作準備時間を基準とし、すべての装置が60秒後に起動完了するようにタイミングテーブルが生成される。すなわち、マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ52の起動開始時間(起動タイミング)を基準となるスレーブコントローラ51の起動開始時間から40秒後とし、スレーブコントローラ53の起動タイミングを50秒後と決定する。なお、マスタコントローラ50自身(装置ID:50)を起動する必要がある場合は、マスタコントローラ50自身の動作準備時間を算出し、タイミングテーブルに組み入れてもよい。
【0031】
マスタコントローラ50はタイミングテーブルを生成すると、スレーブコントローラ51〜53に対して該タイミングテーブルに基づいて時間差をつけて動作開始要求を順次送信する。すなわち、マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ51に動作開始要求を送信してから40秒後にスレーブコントローラ52に動作開始要求を送信し、更に10秒後(スレーブコントローラ51に動作開始要求を送信してから50秒後)にスレーブコントローラ53に動作開始要求を送信する。
【0032】
スレーブコントローラ51〜53は、マスタコントローラ50から動作開始要求を受信すると自装置の準備動作を開始する。スレーブコントローラ51〜53は準備動作が完了(起動完了)すると、動作開始応答をマスタコントローラ50に対して送信する。プリンタシステム全体の起動完了のタイミングは、動作準備時間の最も長いコントローラ(本実施の形態ではスレーブコントローラ51)の起動完了タイミングに合わされ、各装置の起動が完了する。
【0033】
図4は、図3におけるマスタコントローラ50のステートチャートである。
【0034】
図4において、マスタコントローラ50は、電源がONされると動作準備時間応答待ち状態(S1)に遷移する(A1)。そして、スレーブコントローラ51〜53から動作準備時間応答(動作準備時間)を受信すると、動作準備中状態(S2)に遷移する(A2)。
【0035】
動作準備中状態(S2)では、マスタコントローラ50は受信した動作準備時間に基づいてタイミングテーブルを生成し、該タイミングテーブル上の先頭にある装置(表1では装置ID51である第1の給紙装置11)から順次動作開始要求を送信する(A3)。
【0036】
次に、マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ51〜53から動作開始応答を受信したときは、動作中状態(S3)に遷移する(A4)。動作中状態(S3)では、マスタコントローラ50は停止要求を受信次第、スレーブコントローラ51〜53の動作を停止させた後、待機中状態(S4)に遷移する(A5)。
【0037】
図5は、図4における動作準備時間応答受信(A2)時の処理を示すフローチャートである。本処理は、不図示のROM等から読み出されたプログラムに基づいてマスタコントローラ50により実行される。
【0038】
図5において、マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ51〜53からそれぞれ動作準備時間応答として動作準備時間を受信するまで待ち(ステップS20)、受信したときは(ステップS20でYES)、受信した動作準備時間と当該動作準備時間に対応する装置の装置IDをマスタコントローラ50内の不図示のRAMに記憶する(ステップS21)。すべてのスレーブコントローラ51〜53から動作準備時間を受信するまで繰り返し、受信が完了したときは(ステップS22でYES)、本処理を終了する。
【0039】
図6は、図4における動作開始要求送信(A3)時の処理を示すフローチャートである。本処理は、不図示のROM等から読み出されたプログラムに基づいてマスタコントローラ50により実行される。
【0040】
図6において、マスタコントローラ50は、上述した動作準備時間受信(A2)でスレーブコントローラ51〜53から受信した動作準備時間に基づきタイミングテーブル生成処理を実行する(ステップS30)。次に、タイミングテーブルを参照するための変数SeqIDの値とタイマカウント値をそれぞれ「0」にして初期化し、タイマのカウントをスタートさせる(ステップS31)。
【0041】
次に、ステップS30で生成されたタイミングテーブルから変数SeqIDの値と一致するタイミングデータ(起動開始時間)を読み出し(リード)し(ステップS32)、タイマカウント値が該タイミングデータをオーバー(タイミングデータ<タイマカウント値)するまで待つ(ステップS33)。
【0042】
タイマカウント値がタイミングデータをオーバーしたときは(ステップS33でYES)、該タイミングデータに対応する装置IDのスレーブコントローラに対して動作開始要求を送信する(ステップS34)。
【0043】
次に、タイミングテーブルに次のタイミングデータがないときは(ステップS35でYES)、本処理を終了する一方、タイミングテーブルに次のタイミングデータがあるときは(ステップS35でNO)、変数SeqIDの値を1増加させ(ステップS36)、ステップS32に戻る。なお、変数SeqIDの値が「0」であるときは、ステップS32〜S35をスルーしてステップS36へ進む。
【0044】
図7は、図6におけるタイミングテーブル生成処理(S30)の詳細を示すフローチャートである。
【0045】
図7において、マスタコントローラ50は、動作準備時間受信(A2)で受信したスレーブコントローラ51〜53の動作準備時間のうちの最大値を求める(ステップS300)。次に、ステップS300で求めた最大値とスレーブコントローラ51〜53の動作準備時間との差分をそれぞれ求めてテーブル化する(ステップS301)。ここで求めた時間が各スレーブコントローラの起動開始時間(起動タイミング)となる。そして、起動タイミングを昇順にソートしてSeqIDを順に振り(ステップS302)、リターンする。
【0046】
図8は、図3におけるスレーブコントローラ51のステートチャートである。なお、スレーブコントローラ51〜53は、いずれも同一の動作を実行することからスレーブコントローラ51について説明する。
【0047】
図8において、スレーブコントローラ51は、電源がONされると動作開始要求待ち状態(S21)に遷移する(A20)。動作開始要求待ち状態(S21)では、まず自装置の動作準備時間を算出し、マスタコントローラ50に対して動作準備時間応答を送信する(A21)。
【0048】
次に、スレーブコントローラ51は、マスタコントローラ50から動作開始要求を受信すると動作を開始し、動作準備中状態(S22)に遷移する(A22)。次に、自装置の動作準備が完了次第、マスタコントローラ50に対して動作開始応答を送信し、動作中状態(S23)に遷移する(A23)。動作中状態(S23)では、マスタコントローラ50からの停止要求を受信次第、自装置を停止し、待機中状態(S20)に遷移する(A24)。
【0049】
次に、図2のプリンタシステム2における糊付け装置16のスレーブコントローラにおける処理について説明する。
【0050】
図9は、図8における動作準備応答送信(A21)時の処理のフローチャートである。本処理は、不図示のROM等から読み出されたプログラムに基づいてスレーブコントローラ55により実行される。
【0051】
図9において、スレーブコントローラ55は、電源がONされて動作開始要求待ち状態(S21)に遷移すると、糊を溶融させるヒータの温度を検知し(ステップS210)、ヒータ温度が所定の温度に到達するまでのヒータ温度上昇時間を算出する(ステップS211)。
【0052】
次に、モータや駆動部のホームポジション出しなどの起動時間を算出し(ステップS212)、ステップS211で算出したヒータ温度上昇時間とステップS212で算出した駆動部の起動時間のうち最も長いものを選択し(ステップS213)、動作準備時間応答をマスタコントローラ50に送信する(ステップS214)。なお、動作準備時間算出の方法はここに示したもの以外でもよく、装置が起動を完了するまでの時間をマスタコントローラ50に通知することができればよい。
【0053】
上記第1の実施の形態によれば、プリンタシステムを構成する各装置の電源がONされると、各装置内のスレーブコントローラが自装置の動作準備時間をそれぞれ算出し、算出した動作準備時間をマスタコントローラに送信する。マスタコントローラがスレーブコントローラから受信した動作準備時間に基づいて各スレーブコントローラの起動開始時間(起動タイミング)を決定し、決定された各起動開始時間の経過後に各スレーブコントローラに対して動作開始を要求(指示)する。各スレーブコントローラが受信した動作開始要求に応じて準備動作を開始する。これにより、電源ON時の無駄な電力消費を低減し、装置の短寿命化を防止すると共に、電源容量の最適化を図ることができる。また、プリンタシステムを構成する装置が追加又は変更された場合であっても上記効果を奏することができる。
【0054】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係るプリンタシステムついて説明する。本第2の実施の形態に係るプリンタシステムは、上記第1の実施の形態に係るプリンタシステムと構成が同じであり、同符号の構成要素に関する説明を省略し、異なる点のみを説明する。
【0055】
図10は、本発明の第2の実施の形態に係るプリンタシステムのマスタコントローラと複数のスレーブコントローラとの間の通信の一例を示すシーケンスチャートである。
【0056】
プリンタ10において、不図示の電源スイッチや操作パネルから電源投入やジョブスタート要求がマスタコントローラ50に指示されると、マスタコントローラ50は各スレーブコントローラ51〜53に対して動作準備時間要求を送信する。
【0057】
スレーブコントローラ51〜53は、マスタコントローラ50から動作準備時間要求を受信すると、自装置が動作準備完了するまでの動作準備時間の算出を開始する。動作準備時間は、上記第1の実施の形態と同様に、各装置内の負荷構成に基づいて算出される。スレーブコントローラ51〜53は動作準備時間の算出が完了すると、マスタコントローラ50に対して算出した動作準備時間を動作準備時間応答として送信する。
【0058】
マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ51〜53からそれぞれ動作準備時間応答を受信すると、受信した動作準備時間のうち最も長い動作準備時間から逆算し、上述した表1に示すような、スレーブコントローラに動作開始のタイミングを指示するためのタイミングテーブルを生成し、マスタコントローラ50内の不図示のRAMに格納する。
【0059】
マスタコントローラ50はタイミングテーブルを生成すると、スレーブコントローラ51〜53に対して該タイミングテーブルに基づいて時間差をつけて動作開始要求を順次送信する。すなわち、マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ51に動作開始要求を送信してから40秒後にスレーブコントローラ52に動作開始要求を送信し、更に10秒後(スレーブコントローラ51に動作開始要求を送信してから50秒後)にスレーブコントローラ53に動作開始要求を送信する。
【0060】
スレーブコントローラ51〜53は、マスタコントローラ50から動作開始要求を受信すると自装置の準備動作を開始する。スレーブコントローラ51〜53は準備動作が完了(起動完了)すると、動作開始応答をマスタコントローラ50に対して送信する。プリンタシステム全体の起動完了のタイミングは、動作準備時間の最も長いコントローラ(本実施の形態ではスレーブコントローラ51)の起動完了タイミングに合わされ、各装置の起動が完了する。
【0061】
図11は、図10におけるマスタコントローラ50のステートチャートである。
【0062】
図11において、マスタコントローラ50は、待機中状態(S10)でジョブスタート要求(開始要求)を受信すると動作準備時間応答待ち状態(S11)に遷移する(A10)。動作準備時間応答待ち状態(S11)では、まずスレーブコントローラ51〜53に対して動作準備時間要求を送信する(A11)。そして、スレーブコントローラ51〜53から動作準備時間応答(動作準備時間)を受信したときは、動作準備中状態(S2)に遷移する(A2)。
【0063】
動作準備中状態(S2)では、マスタコントローラ50は受信した動作準備時間に基づいてタイミングテーブルを生成し、該タイミングテーブル上の先頭にある装置(表1では装置ID51である第1の給紙装置11)から順次動作開始要求を送信する(A3)。
【0064】
次に、マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ51〜53から動作開始応答を受信したときは、動作中状態(S3)に遷移する(A4)。動作中状態(S3)では、マスタコントローラ50は停止要求を受信次第、スレーブコントローラ51〜53の動作を停止させた後、待機中状態(S10)に遷移する(A5)。
【0065】
図12は、図10におけるスレーブコントローラ51のステートチャートである。なお、スレーブコントローラ51〜53は、いずれも同一の動作を実行することからスレーブコントローラ51について説明する。
【0066】
図12において、スレーブコントローラ51は、待機中状態(S24)でマスタコントローラ50からの動作準備時間要求を受信すると、動作開始要求待ち状態(S21)に遷移する(A25)。動作開始要求待ち状態(S21)では、まず自装置の動作準備時間を算出し、マスタコントローラ50に対して動作準備時間応答を送信する(A21)。
【0067】
次に、スレーブコントローラ51は、マスタコントローラ50から動作開始要求を受信すると動作を開始し、動作準備中状態(S22)に遷移する(A22)。次に、自装置の動作準備が完了次第、マスタコントローラ50に対して動作開始応答を送信し、動作中状態(S23)に遷移する(A23)。動作中状態(S27)ではマスタコントローラ50からの停止要求を受信次第、自装置を停止し、待機中状態(S24)に遷移する(A24)。
【0068】
上記第2の実施の形態によれば、ジョブスタート要求がマスタコントローラに指示されると、マスタコントローラが各スレーブコントローラに動作準備時間要求を送信する。各スレーブコントローラがマスタコントローラからの動作準備時間要求に応じて自装置の動作準備時間を算出し、算出した動作準備時間をマスタコントローラに送信する。マスタコントローラがスレーブコントローラから受信した動作準備時間に基づいて各スレーブコントローラの起動開始時間(起動タイミング)を決定し、決定された各起動時間の経過後に各スレーブコントローラに対して動作開始を要求(指示)する。各スレーブコントローラが受信した動作開始要求に応じて準備動作を開始する。これにより、ジョブスタート時の無駄な電力消費を低減し、装置の短寿命化を防止すると共に、電源容量の最適化を図ることができる。また、プリンタシステムを構成する装置が追加又は変更された場合であっても上記効果を奏することができる。
【0069】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係るプリンタシステムついて説明する。本第3の実施の形態に係るプリンタシステムは、上記第1の実施の形態に係るプリンタシステムと構成が同じであり、同符号の構成要素に関する説明を省略し、異なる点のみを説明する。
【0070】
図13は、本発明の第3の実施の形態に係るプリンタシステムのマスタコントローラと複数のスレーブコントローラとの間の通信の一例を示すシーケンスチャートである。
【0071】
プリンタ10において、不図示の電源スイッチや操作パネルから電源投入やジョブスタート要求がマスタコントローラ50に指示されると、マスタコントローラ50は各スレーブコントローラ51〜53に対して動作準備時間要求を送信する。
【0072】
スレーブコントローラ51〜53は、マスタコントローラ50から動作準備時間要求を受信すると、自装置が動作準備完了するまでの動作準備時間の算出を開始する。動作準備時間は、上記第1の実施の形態と同様に、各装置内の負荷構成に基づいて算出される。スレーブコントローラ51〜53は動作準備時間の算出が完了すると、マスタコントローラ50に対して算出した動作準備時間を動作準備時間応答として送信する。
【0073】
マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ51〜53からそれぞれ動作準備時間応答を受信すると、受信した動作準備時間のうち最も長い動作準備時間から逆算し、スレーブコントローラに動作開始のタイミングを指示するためのタイミングテーブルを生成し、マスタコントローラ50内の不図示のRAMに格納する。生成されたタイミングテーブルの一例を表2に示す。
【0074】
【表2】
【0075】
表2において、装置IDはネットワーク5に接続された複数のコントローラを一意に識別するためのIDである。例えば、スレーブコントローラ51(装置ID:51)の動作準備時間が60秒、スレーブコントローラ52(装置ID:52)の動作準備時間が20秒、スレーブコントローラ53(装置ID:53)の動作準備時間が10秒であった場合、最も動作準備時間の長いスレーブコントローラ51の動作準備時間を基準とし、すべての装置が60秒後に起動完了するようにタイミングテーブルが生成される。すなわち、マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ52の起動開始時間(起動タイミング)を基準となるスレーブコントローラ51の起動開始時間から40秒後とし、スレーブコントローラ53の起動タイミングを50秒後と決定する。なお、マスタコントローラ50自身(装置ID:50)を起動する必要がある場合は、マスタコントローラ50自身の動作準備時間を算出し、タイミングテーブルに組み入れてもよい。
【0076】
マスタコントローラ50は、生成したタイミングテーブルに基づいて、起動開始時間を各装置の動作開始タイミングを指示するタイミングデータとして動作開始要求に付加し、各動作開始要求を各スレーブコントローラ51〜53に対して一括して送信する。
【0077】
スレーブコントローラ51〜53は、マスタコントローラ50から動作開始要求を受信した後、該動作開始要求に付加されたタイミングデータに基づいてタイマをスタートさせ、該タイマがタイミングデータにより指示された起動開始時間になり次第、準備動作を開始する。すなわち、スレーブコントローラ51は動作開始要求を受信した後直ちに準備動作を開始する。スレーブコントローラ52は動作開始要求を受信してから40秒後に準備動作を開始する。スレーブコントローラ53は動作開始要求を受信してから50秒後に準備動作を開始する。
【0078】
次に、スレーブコントローラ51〜53は準備動作が完了(起動完了)すると、動作開始応答をマスタコントローラ50に対して送信する。プリンタシステム全体の起動完了のタイミングは、動作準備時間の最も長いコントローラ(本実施の形態ではスレーブコントローラ51)の起動完了タイミングに合わされ、各装置の起動が完了する。
【0079】
図14は、図13におけるマスタコントローラ50のステートチャートである。
【0080】
図14において、マスタコントローラ50は、待機中状態(S10)でジョブスタート要求(開始要求)を受信すると動作準備時間応答待ち状態(S11)に遷移する(A10)。動作準備時間応答待ち状態では、まずスレーブコントローラ51〜53に対して動作準備時間要求を送信する(A11)。そして、スレーブコントローラ51〜53から動作準備時間応答(動作準備時間)を受信したときは、動作準備中状態(S12)に遷移する(A2)。
【0081】
動作準備中状態(S2)では、マスタコントローラ50は受信した動作準備時間に基づいてタイミングテーブルを生成し、該タイミングテーブルに基づくタイミングデータを動作開始要求に付加してスレーブコントローラ51〜53に送信する(A6)。
【0082】
次に、マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ51〜53から動作開始応答を受信したときは、動作中状態(S3)に遷移する(A4)。動作中状態(S3)では、マスタコントローラ50は停止要求を受信次第、スレーブコントローラ51〜53の動作を停止させた後、待機中状態(S10)に遷移する(A5)。
【0083】
図15は、図14における動作開始要求送信(A6)時の処理を示すフローチャートである。本処理は、不図示のROM等から読み出されたプログラムに基づいてマスタコントローラ50により実行される。
【0084】
図15において、マスタコントローラ50は、上述した動作準備時間受信(A2)でスレーブコントローラ51〜53から受信した動作準備時間に基づきタイミングテーブル生成処理を実行する(ステップS60)。次に、装置IDに対応する各スレーブコントローラに対してタイミングデータを付加した動作開始要求を送信して(ステップS61)、本処理を終了する。
【0085】
図16は、図15におけるタイミングテーブル生成処理(ステップS60)の詳細を示すフローチャートである。
【0086】
図16において、マスタコントローラ50は、動作準備時間受信(A2)で受信したスレーブコントローラ51〜53の動作準備時間のうちの最大値を求める(ステップS600)。次に、ステップS600で求めた最大値とスレーブコントローラ51〜53の動作準備時間との差分をそれぞれ求めてテーブル化する(ステップS601)。ここで求めた時間が各スレーブコントローラの起動開始時間(起動タイミング)となる。
【0087】
図17は、図13におけるスレーブコントローラ51のステートチャートである。なお、スレーブコントローラ51〜53は、いずれも同一の動作を実行することからスレーブコントローラ51について説明する。
【0088】
図17において、スレーブコントローラ51は、待機中状態(S24)でマスタコントローラ50から動作準備時間要求を受信すると動作開始要求待ち状態(S25)に遷移する(A25)。動作開始要求待ち状態(S25)では、まず自装置の動作準備時間を算出し、マスタコントローラ50に対して動作準備時間応答を送信する(A21)。
【0089】
次に、スレーブコントローラ51は、マスタコントローラ50からの動作開始要求を受信すると、動作開始要求に付加されたタイミングデータをタイマにセットし、動作準備中状態(S26)に遷移する(A26)。A26でセットしたタイマがタイムアップしたときは動作準備を開始する(A27)。自装置の動作準備が完了次第、マスタコントローラ50に対して動作開始応答を送信し、動作中状態(S23)に遷移する(A23)。動作中状態(S27)では、マスタコントローラ50からの停止要求を受信次第、自装置を停止し、待機中状態(S24)に遷移する(A24)。
【0090】
図18は、図17における動作開始要求受信(A26)時の処理を示すフローチャートである。本処理は、不図示のROM等から読み出されたプログラムに基づいてスレーブコントローラ51により実行される。なお、他のスレーブコントローラ52〜55についても同様に処理が行われる。
【0091】
図18において、スレーブコントローラ51は、マスタコントローラ50から受信した動作開始要求に付加されたタイミングデータをタイマにセットし(ステップS260)、タイマをスタートさせ(ステップS261)、本処理を終了する。
【0092】
上記第3の実施の形態によれば、ジョブスタート要求がマスタコントローラに指示されると、マスタコントローラが各スレーブコントローラに動作準備時間要求を送信する。各スレーブコントローラがマスタコントローラからの動作準備時間要求に応じて自装置の動作準備時間を算出し、算出した動作準備時間をマスタコントローラに送信する。マスタコントローラがスレーブコントローラから受信した動作準備時間に基づいて各スレーブコントローラの起動開始時間(起動タイミング)を決定し、該起動開始時間をタイミングデータとして動作開始要求に付加して各スレーブコントローラに対して送信する。各スレーブコントローラが受信した動作開始要求に付加されたタイミングデータに基づいて準備動作を開始する。これにより、ジョブスタート時の無駄な電力消費を低減し、装置の短寿命化を防止すると共に、電源容量の最適化を図ることができる。また、プリンタシステムを構成する装置が追加又は変更された場合であっても容易に対応することができる。
【0093】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態に係るプリンタシステムついて説明する。本第4の実施の形態に係るプリンタシステムは、上記第1の実施の形態に係るプリンタシステムと構成が同じであり、同符号の構成要素に関する説明を省略し、異なる点のみを説明する。
【0094】
本第4の実施の形態では、マスタコントローラ50とスレーブコントローラ51〜53との間で動作準備時間をやりとりする代わりに、マスタコントローラ50がスレーブコントローラ51〜53の動作準備時間を計測して、動作開始要求のタイミングを変更するものである。
【0095】
プリンタ10において、不図示の電源スイッチや操作パネルから電源投入やジョブスタート要求がマスタコントローラ50に指示されると、マスタコントローラ50は各スレーブコントローラ51〜53に対して動作開始要求を送信し、同時にタイマをスタートさせて各装置の動作準備に要した時間(動作準備時間)を計測する。
【0096】
スレーブコントローラ51〜53は、マスタコントローラ50から動作開始要求を受信すると自装置の準備動作を開始する。スレーブコントローラ51〜53は準備動作が完了(起動完了)すると、動作開始応答をマスタコントローラ50に対して送信する。
【0097】
マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ51〜53から動作開始応答を受信すると、タイマにより動作準備に要した動作準備時間をそれぞれ記録する。そして、動作準備時間のうち最も長い動作準備時間から逆算して、スレーブコントローラに動作開始のタイミングを指示するためのタイミングテーブルを生成し、マスタコントローラ50内の不図示のRAMに格納する。生成されたタイミングテーブルの一例を表3に示す。
【0098】
【表3】
【0099】
表3において、SeqIDはマスタコントローラ50がスレーブコントローラ51〜53に動作開始要求を送信する順番を示すIDであり、装置IDはネットワーク5に接続された複数のコントローラを一意に識別するためのIDである。例えば、スレーブコントローラ51(装置ID:51)の動作準備時間60秒、スレーブコントローラ52(装置ID:52)の動作準備時間が20秒、スレーブコントローラ53(装置ID:53)の動作準備時間が10秒であった場合、最も動作準備時間の長いスレーブコントローラ51の動作準備時間を基準とし、すべての装置が60秒後に起動完了するようにタイミングテーブルが生成される。すなわち、マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ52の起動開始時間(起動タイミング)を基準となるスレーブコントローラ51の起動開始時間から40秒後とし、スレーブコントローラ53の起動タイミングを50秒後と決定する。なお、マスタコントローラ50自身(装置ID:50)を起動する必要がある場合は、マスタコントローラ50自身の動作準備時間を算出し、タイミングテーブルに組み入れてもよい。
【0100】
この結果、マスタコントローラ50は、次の動作開始以降、スレーブコントローラ51〜53に対して該タイミングテーブルに基づいて時間差をつけて動作開始要求を順次送信する。すなわち、マスタコントローラ50は、スレーブコントローラ51に動作開始要求を送信してから40秒後にスレーブコントローラ52に動作開始要求を送信し、更に10秒後(スレーブコントローラ51に動作開始要求を送信してから50秒後)にスレーブコントローラ53に動作開始要求を送信する。
【0101】
スレーブコントローラ51〜53は、マスタコントローラ50から動作開始要求を受信すると自装置の準備動作を開始する。スレーブコントローラ51〜53は準備動作が完了(起動完了)すると、動作開始応答をマスタコントローラ50に対して送信する。プリンタシステム全体の起動完了のタイミングは、動作準備時間の最も長いコントローラ(本実施の形態ではスレーブコントローラ51)の起動完了タイミングに合わされ、各装置の起動が完了する。
【0102】
上記第4の実施の形態によれば、ジョブスタート要求がマスタコントローラに指示されると、マスタコントローラが各スレーブコントローラに動作開始要求を送信すると同時に各装置の動作準備時間を計測する。各スレーブコントローラが動作開始要求を受信すると自装置の準備動作を開始して動作開始応答をマスタコントローラに送信する。マスタコントローラ50が受信した動作開始応答から動作準備時間を記録し、該動作準備時間に基づいて各スレーブコントローラの起動開始時間(起動タイミング)を決定し、次回の動作開始時には当該起動タイミングを利用して動作開始要求(指示)を行う。これにより、ジョブスタート時の無駄な電力消費を低減し、装置の短寿命化を防止すると共に、電源容量の最適化を図ることができる。また、プリンタシステムを構成する装置が追加又は変更された場合であっても容易に対応することができる。
【0103】
また、マスタコントローラが各スレーブコントローラに動作開始要求を送信し、該動作開始要求に応じてスレーブコントローラから受信した動作開始応答から動作準備時間を計測するので、プリンタシステム内に動作準備時間を応答できないスレーブコントローラがあったとしても、上記効果を奏することが可能となる。
【0104】
また、本発明の目的は、上述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に供給することによっても達成される。その場合、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行する。該記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0105】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク等を用いることができる。また、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD±R、DVD−RAM、DVD±RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。また、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0106】
コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した各実施の形態の機能が実現されるだけではない。すなわち、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0107】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。そして、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0108】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した各実施の形態の機能が実現されるだけではない。すなわち、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した各実施の形態の機能が実現される場合も、本発明に含まれることは云うまでもない。
【0109】
この場合、上記プログラムは、該プログラムを記憶した記憶媒体から直接、又はインターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続された不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることにより供給される。
【0110】
また、本発明は電子写真方式のプリンタに限定されるものではなく、インクジェット方式、熱転写方式、感熱方式、静電方式、放電破壊方式など各種印刷方式に適用することができる。また、上述したプリンタシステムにおけるプリンタ10は、シート処理装置や他の機能装置を接続することが可能な複合機やファクシミリ装置等であってもよい。
【0111】
更に、上述したプリンタシステムは、コンピュータと該コンピュータに接続されたプリンタやスキャナ等の周辺機器で構成されたシステムであってもよいことは云うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るプリンタシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のプリンタシステムの構成を一部変更した構成例を示すブロック図である。
【図3】図1のプリンタシステムのマスタコントローラと複数のスレーブコントローラとの間の通信の一例を示すシーケンスチャートである。
【図4】図3におけるマスタコントローラ50のステートチャートである。
【図5】図4における動作準備時間応答受信時の処理を示すフローチャートである。
【図6】図4における動作開始要求送信(A3)時の処理を示すフローチャートである。
【図7】図6におけるタイミングテーブル生成処理(S30)の詳細を示すフローチャートである。
【図8】図3におけるスレーブコントローラ51のステートチャートである。
【図9】図8における動作準備応答送信時の処理のフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係るプリンタシステムのマスタコントローラと複数のスレーブコントローラとの間の通信の一例を示すシーケンスチャートである。
【図11】図10におけるマスタコントローラのステートチャートである。
【図12】図10におけるスレーブコントローラのステートチャートである。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係るプリンタシステムのマスタコントローラと複数のスレーブコントローラとの間の通信の一例を示すシーケンスチャートである。
【図14】図13におけるマスタコントローラのステートチャートである。
【図15】図14における動作開始要求送信時の処理を示しフローチャートである。
【図16】図15におけるタイミングテーブル生成処理の詳細を示すフローチャートである。
【図17】図13におけるスレーブコントローラのステートチャートである。
【図18】図17における動作開始要求受信時の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0113】
1,2 プリンタシステム
10 プリンタ
11 第1の給紙装置
12 第2の給紙装置
13 スタッカ装置
14 ステイプル装置
15 糊付け装置
50 コントローラ(マスタコントローラ)
51,52,53,54,55 コントローラ(スレーブコントローラ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムにおいて、
前記主装置は、前記少なくとも2つの従装置から当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を受信する受信手段と、
前記受信した動作準備時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示手段とを備えることを特徴とするプリンタシステム。
【請求項2】
前記指示手段は、前記受信した動作準備時間から前記従装置に動作を開始させるためのタイミングテーブルを生成するタイミングテーブル生成手段を備えることを特徴とする請求項1記載のプリンタシステム。
【請求項3】
前記指示手段は、前記タイミングテーブルに基づくタイミングで前記従装置に動作開始を指示することを特徴とする請求項2記載のプリンタシステム。
【請求項4】
前記指示手段は、前記タイミングテーブルに基づくタイミングで前記従装置に動作を開始させるためのタイミング情報を前記動作開始の指示に付加することを特徴とする請求項3記載のプリンタシステム。
【請求項5】
前記タイミングテーブル生成手段は、前記受信した動作準備時間の最大値に基づいて前記タイミングテーブルを生成することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のプリンタシステム。
【請求項6】
前記少なくとも2つの従装置は、電源が投入されると自装置が動作準備完了するまでの動作準備時間の算出を開始する算出手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプリンタシステム。
【請求項7】
画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムにおいて、
前記主装置は、前記少なくとも2つの従装置に当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を要求する要求手段と、
前記少なくとも2つの従装置から前記動作準備時間を受信する受信手段と、
前記受信した動作準備時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示手段とを備えることを特徴とするプリンタシステム。
【請求項8】
前記指示手段は、前記受信した動作準備時間から前記従装置に動作を開始させるためのタイミングテーブルを生成するタイミングテーブル生成手段を備えることを特徴とする請求項7記載のプリンタシステム。
【請求項9】
前記指示手段は、前記タイミングテーブルに基づくタイミングで前記従装置に動作開始を指示することを特徴とする請求項8記載のプリンタシステム。
【請求項10】
前記指示手段は、前記タイミングテーブルに基づくタイミングで前記従装置に動作を開始させるためのタイミング情報を前記動作開始の指示に付加することを特徴とする請求項9記載のプリンタシステム。
【請求項11】
前記タイミングテーブル生成手段は、前記受信した動作準備時間の最大値に基づいて前記タイミングテーブルを生成することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載のプリンタシステム。
【請求項12】
画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムにおいて、
前記少なくとも2つの従装置は、当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を算出する算出手段と、
前記算出された動作準備時間を前記主装置に送信する送信手段とを備え、
前記主装置は、前記少なくとも2つの従装置から受信した動作準備時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示手段を備えることを特徴とするプリンタシステム。
【請求項13】
画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムにおいて、
前記主装置は、前記少なくとも2つの従装置に動作開始を指示する指示手段と、
前記少なくとも2つの従装置から準備動作完了を示す応答を受信する受信手段と、
前記少なくとも2つの従装置に対して前記動作開始の指示から前記応答までの時間を計測する時間計測手段と、
前記計測された時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示手段とを備えることを特徴とするプリンタシステム。
【請求項14】
画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムの制御方法において、
前記主装置が前記少なくとも2つの従装置から当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を受信する受信工程と、
前記主装置が前記受信した動作準備時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示工程とを備えることを特徴とする制御方法。
【請求項15】
画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムの制御方法において、
前記主装置が前記少なくとも2つの従装置に当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を要求する要求工程と、
前記少なくとも2つの従装置から前記動作準備時間を受信する受信工程と、
前記受信した動作準備時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示工程とを備えることを特徴とする制御方法。
【請求項16】
画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムの制御方法において、
前記少なくとも2つの従装置が当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を算出する算出工程と、
前記算出された動作準備時間を前記主装置に送信する送信工程と、
前記主装置が前記少なくとも2つの従装置から受信した動作準備時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示工程とを備えることを特徴とする制御方法。
【請求項17】
画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムの制御方法において、
前記主装置が前記少なくとも2つの従装置に動作開始を指示する指示工程と、
前記少なくとも2つの従装置から準備動作完了を示す応答を受信する受信工程と、
前記少なくとも2つの従装置に対して前記動作開始の指示から前記応答までの時間を計測する時間計測工程と、
前記計測された時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示工程とを備えることを特徴とする制御方法。
【請求項1】
画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムにおいて、
前記主装置は、前記少なくとも2つの従装置から当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を受信する受信手段と、
前記受信した動作準備時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示手段とを備えることを特徴とするプリンタシステム。
【請求項2】
前記指示手段は、前記受信した動作準備時間から前記従装置に動作を開始させるためのタイミングテーブルを生成するタイミングテーブル生成手段を備えることを特徴とする請求項1記載のプリンタシステム。
【請求項3】
前記指示手段は、前記タイミングテーブルに基づくタイミングで前記従装置に動作開始を指示することを特徴とする請求項2記載のプリンタシステム。
【請求項4】
前記指示手段は、前記タイミングテーブルに基づくタイミングで前記従装置に動作を開始させるためのタイミング情報を前記動作開始の指示に付加することを特徴とする請求項3記載のプリンタシステム。
【請求項5】
前記タイミングテーブル生成手段は、前記受信した動作準備時間の最大値に基づいて前記タイミングテーブルを生成することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のプリンタシステム。
【請求項6】
前記少なくとも2つの従装置は、電源が投入されると自装置が動作準備完了するまでの動作準備時間の算出を開始する算出手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプリンタシステム。
【請求項7】
画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムにおいて、
前記主装置は、前記少なくとも2つの従装置に当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を要求する要求手段と、
前記少なくとも2つの従装置から前記動作準備時間を受信する受信手段と、
前記受信した動作準備時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示手段とを備えることを特徴とするプリンタシステム。
【請求項8】
前記指示手段は、前記受信した動作準備時間から前記従装置に動作を開始させるためのタイミングテーブルを生成するタイミングテーブル生成手段を備えることを特徴とする請求項7記載のプリンタシステム。
【請求項9】
前記指示手段は、前記タイミングテーブルに基づくタイミングで前記従装置に動作開始を指示することを特徴とする請求項8記載のプリンタシステム。
【請求項10】
前記指示手段は、前記タイミングテーブルに基づくタイミングで前記従装置に動作を開始させるためのタイミング情報を前記動作開始の指示に付加することを特徴とする請求項9記載のプリンタシステム。
【請求項11】
前記タイミングテーブル生成手段は、前記受信した動作準備時間の最大値に基づいて前記タイミングテーブルを生成することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載のプリンタシステム。
【請求項12】
画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムにおいて、
前記少なくとも2つの従装置は、当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を算出する算出手段と、
前記算出された動作準備時間を前記主装置に送信する送信手段とを備え、
前記主装置は、前記少なくとも2つの従装置から受信した動作準備時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示手段を備えることを特徴とするプリンタシステム。
【請求項13】
画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムにおいて、
前記主装置は、前記少なくとも2つの従装置に動作開始を指示する指示手段と、
前記少なくとも2つの従装置から準備動作完了を示す応答を受信する受信手段と、
前記少なくとも2つの従装置に対して前記動作開始の指示から前記応答までの時間を計測する時間計測手段と、
前記計測された時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示手段とを備えることを特徴とするプリンタシステム。
【請求項14】
画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムの制御方法において、
前記主装置が前記少なくとも2つの従装置から当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を受信する受信工程と、
前記主装置が前記受信した動作準備時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示工程とを備えることを特徴とする制御方法。
【請求項15】
画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムの制御方法において、
前記主装置が前記少なくとも2つの従装置に当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を要求する要求工程と、
前記少なくとも2つの従装置から前記動作準備時間を受信する受信工程と、
前記受信した動作準備時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示工程とを備えることを特徴とする制御方法。
【請求項16】
画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムの制御方法において、
前記少なくとも2つの従装置が当該従装置が準備動作を完了するまでの動作準備時間を算出する算出工程と、
前記算出された動作準備時間を前記主装置に送信する送信工程と、
前記主装置が前記少なくとも2つの従装置から受信した動作準備時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示工程とを備えることを特徴とする制御方法。
【請求項17】
画像形成装置を含む主装置と、前記主装置にネットワークを介して通信可能に接続された少なくとも2つの従装置とで構成されるプリンタシステムの制御方法において、
前記主装置が前記少なくとも2つの従装置に動作開始を指示する指示工程と、
前記少なくとも2つの従装置から準備動作完了を示す応答を受信する受信工程と、
前記少なくとも2つの従装置に対して前記動作開始の指示から前記応答までの時間を計測する時間計測工程と、
前記計測された時間に基づいて前記従装置に動作開始を指示する指示工程とを備えることを特徴とする制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−331174(P2007−331174A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−163861(P2006−163861)
【出願日】平成18年6月13日(2006.6.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月13日(2006.6.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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