説明

プリンタ

【課題】搬送及び印刷途中に開閉部が開かれたことを正しく検出する。
【解決手段】カバー部材103には、被印刷用紙53を検知可能な光学センサである用紙検出センサ35が配置されている。被印刷用紙53が挿入口104に挿入されて印刷が指示された場合、プリンタ1は、印刷データ、及び被印刷用紙53のサイズに応じた用紙長Lを取得し、搬送及び印刷を開始する。印刷を行っている間、用紙検出センサ35による検出結果を監視し、被印刷用紙53の搬送量の計数、及びカバー部材103の開閉の有無の判定を行う。それにより、搬送量の計数結果、及び開閉の有無の判定結果を反映した印刷制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被印刷用紙に対し所望の印刷を行うプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリンタにおいては、操作者によって投入された被印刷用紙が搬送手段によって搬送され、その搬送の間に印字手段(サーマルヘッド等)によって所望の印刷が行われる。この搬送制御及び印刷制御を実行するための被印刷用紙の位置決め等のために、被印刷用紙をセンサによって検出する手法が既に知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記従来技術では、プリンタ本体に開閉可能な開閉部(カバー)を設けるとともに、用紙ガイドに、被印刷用紙の有無を光学的に検出するための光学センサが設けられる。光学センサは、投光可能な投光手段と、受光した光量に対応した出力を行う受光手段と、を備えている。そして、操作者が開閉部を閉塞すると、開閉部の押圧力により被印刷用紙の搬送経路が光学センサの近傍へ押さえ込まれ、投光手段からの光が被印刷用紙で反射して受光手段で受光される。これにより、光学センサは「用紙有り」との検出を行う。操作者が開閉部を開放すると、上記の押圧力が解除されて被印刷用紙の搬送経路が光学センサの近傍から離脱し、受光手段での受光量が減少する。これにより、用紙検出センサは「用紙無し」との検出を行う。この従来技術では、このようにして、光学センサが、用紙の有無のみならず開閉部の開閉をも検出可能とし、開閉部の開閉検出専用のセンサを不要としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−46321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、プリンタにおいては、投入された被印刷用紙の搬送及び印刷が開始された後、印刷が終了したら、搬送手段によって被印刷用紙は筐体本体の外部へと排出される。したがって、上記従来技術のように、被印刷用紙を光学的に検出する場合、被印刷用紙の投入後排出されるまでの間は、当該投入された被印刷用紙によって投光手段からの光が反射されるので、受光手段の受光量が増大する。しかしながら、被印刷用紙が排出される前に受光手段の受光量が減少する場合が考えられる。その1つとしては、何らかの原因により筐体本体の開閉部が開いた場合である。開いた開閉部により投光手段からの光が外部へ漏れたり、開閉部の開閉動作により、被印刷用紙で反射され受光手段へ向かうはずの光の方向が変わることで、受光量が減少する。
【0006】
一方、上記従来技術では明確には記載されていないが、前述のように搬送及び印刷を開始する際、被印刷用紙の搬送方向寸法が事前に分かっている場合には、搬送手段の搬送量が被印刷用紙の搬送方向寸法に達するタイミングの後は光学センサの検出を行わず、当該タイミングまでの間のみ光学センサの検出を行うことが一般的である。しかしながら、搬送手段と被印刷用紙との摩擦やスリップ等の発生により、上記タイミングよりも前(すなわち見かけ上の搬送及び印刷途中において)、実際の被印刷用紙の搬送が終了し排出される場合がある。この場合には、見かけ上は搬送途中であることから光学センサの検出は続行されており、その検出続行状態で被印刷用紙の後端部が通過した後、被印刷用紙による反射がなくなることから、(上記のように見かけ上は搬送及び印刷途中であるにもかかわらず)、受光量が減少する。
【0007】
上記従来技術では、上記のような摩擦やスリップによる、見かけ上の搬送及び印刷途中での受光量の減少については特に配慮されていない。したがって、実際は開閉部が閉じたまま無事に搬送及び印刷が終わっているにもかかわらず、開閉部が開いたものとして誤検出するおそれがあった。
【0008】
本発明の目的は、搬送及び印刷途中に開閉部が開かれたことを正しく検出できる、プリンタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、第1の発明は、筐体本体と、前記筐体本体に対し開閉可能に設けられた開閉部と、前記筐体本体の内部に設けられ、被印刷用紙を搬送する搬送手段と、前記被印刷用紙の搬送方向寸法情報を取得する情報取得手段と、前記筐体本体の内部に設けられ、前記搬送手段により搬送される前記被印刷用紙に対し、印刷するための印刷データに対応した印刷を行うサーマルヘッドと、前記被印刷用紙の前記搬送手段による搬送経路に向かって投光可能な投光手段、及び、受光した光量に対応した検出電圧値を出力可能であって前記開閉部に設けられた受光手段、を備え、前記開閉部が閉じられた状態において前記投光手段により投光され前記被印刷用紙に反射した光を前記受光手段により受光した場合の光量が、開閉部が開けられた状態において受光手段が受光する光量よりも大きくなるように構成された光学センサと、前記搬送手段が搬送を開始してからの当該搬送手段による搬送量を算出する搬送量算出手段と、前記被印刷用紙の搬送と前記被印刷用紙への印刷との開始後、前記受光手段の前記検出電圧値と減光判定用の所定のしきい値との比較に基づき減光を判定する減光判定手段と、前記減光判定手段により減光と判定されたとき、その時点で前記搬送量算出手段により算出された前記搬送量が、搬送量判定用の所定のしきい値未満であるか否かを判定する搬送量判定手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
本願第1発明のプリンタは、筐体本体と、これに対し開閉可能な開閉部とを有する。筐体本体内には、被印刷用紙の搬送を行う搬送手段と、印刷データに対応した印刷を行うサーマルヘッドとが設けられている。また、投光手段と受光手段とを備えた光学センサが設けられている。操作者が被印刷用紙を搬送経路へと投入すると、搬送手段による被印刷用紙の搬送とサーマルヘッドによる被印刷用紙への印刷とが開始される。
【0011】
このようにして搬送及び印刷を開始した後、上記印刷データに対応した印刷が終了したら、搬送手段により被印刷用紙は筐体本体より外部へと排出される。光学センサは、開閉部が閉じられた状態で投光手段により投光され被印刷用紙で反射した光を受光手段が受光したときの光量が、開閉部が開けられた状態で受光したときの光量よりも大きくなるように構成されている。したがって、被印刷用紙の投入後排出されるまでの間は、当該投入された被印刷用紙による上記光の反射によって受光手段の受光量が増大する。しかしながら、被印刷用紙が排出される前に受光手段の受光量が減少する場合が考えられる。その1つとしては、何らかの原因により筐体本体の開閉部が開いた場合である。開いた開閉部により投光手段からの光が外部へ漏れたり、開閉部の開閉動作により受光手段への光の方向が変わることで、受光量が減少する。また、前述のように搬送及び印刷を開始する際、被印刷用紙の搬送方向寸法が事前に分かっている場合には、搬送手段の搬送量が被印刷用紙の搬送方向寸法に達するタイミングの後は光学センサの検出を行わず当該タイミングまでの間のみ光学センサの検出を行うことが一般的である。しかしながら、搬送手段と被印刷用紙との摩擦やスリップ等の発生により、上記タイミングよりも前に実際の被印刷用紙の搬送が終了し排出される場合がある。この場合には、光学センサの検出が続行されている状態で被印刷用紙の後端部が通過した後、被印刷用紙による反射がなくなることから、受光量が減少する。
【0012】
本願第1発明では、上記に対応し、被印刷用紙の搬送及び印刷の開始後、受光手段の検出電圧値と減光判定用の所定のしきい値との比較に基づき減光判定手段が受光量が減少し減光したことを判定する。そして減光と判定された場合には、搬送量判定手段が、その時点での搬送量が搬送量判定用の所定のしきい値未満であるかどうかを判定する。
【0013】
これにより、上記搬送量判定用の所定のしきい値を例えば被印刷用紙の搬送方向寸法とほぼ同等に設定しておくことで、搬送量判定手段の判定が満たされず搬送量が当該しきい値に達している場合には、上記被印刷用紙の摩擦やスリップ等の発生であるとみなすことができる。そして、搬送量判定手段の判定が満たされて搬送量が当該しきい値に達していない場合のみを、開閉部を開く動作が搬送及び印刷途中に行われたものである、と正確に認識することができる。したがって、上記摩擦やスリップ等が発生したときに開閉部が開かれたと誤検出するのを防止して、搬送及び印刷途中に開閉部が開かれたことを正しく検出することができる。
【0014】
第2発明は、上記第1発明において、前記搬送量判定手段により前記搬送量が前記搬送量判定用の所定のしきい値未満であると判定された場合に、前記搬送手段による搬送、及び、前記サーマルヘッドによる印刷、を停止する停止制御手段、
を有することを特徴とする。
【0015】
これにより、搬送及び印刷途中に開閉部が開かれた場合には、搬送及び印刷を確実に停止し、不適切な状態のまま印刷を続行する無駄を回避することができる。
【0016】
第3発明は、上記第1又は第2発明において、前記搬送手段による搬送及び前記サーマルヘッドによる前記印刷が行われていない状態で、前記受光手段の前記検出電圧値が投入判定用の所定のしきい値に到達したか否かに基づき前記被印刷用紙の投入を判定する、投入判定手段と、前記投入判定手段により前記被印刷用紙の投入が判定された場合に、前記被印刷用紙の搬送と前記被印刷用紙への印刷とを開始するよう、前記搬送手段及び前記サーマルヘッドを制御する、開始制御手段と、を有し、前記搬送量算出手段は、前記開始制御手段の制御により前記搬送手段が搬送を開始してからの当該搬送手段による搬送量を算出し、前記減光判定手段は、前記開始制御手段による前記被印刷用紙の搬送と前記被印刷用紙への印刷との開始後、前記受光手段の前記検出電圧値が前記減光判定用の所定のしきい値未満となったかどうかを判定することを特徴とする。
【0017】
本願第3発明のプリンタは、投入判定手段と開始制御手段とを有している。また、光学センサは、光量が多いほど高い検出電圧値を出力する受光手段を備えた、いわゆる反射型のセンサである。操作者が被印刷用紙を搬送経路へと投入すると、投入された被印刷用紙によって投光手段からの光が反射され、受光手段の受光量が増大し、投入判定用の所定のしきい値に到達する。これにより、投入判定手段によって被印刷用紙が投入されたと判定され、開始制御手段の制御により、搬送手段による被印刷用紙の搬送とサーマルヘッドによる被印刷用紙への印刷とが開始される。その後、受光量が上記減光判定用の所定のしきい値未満となることで、減光判定手段の判定が満たされ、搬送量判定手段が上述した搬送量の判定を行う。
【0018】
このように、本願第3発明のプリンタにおいては、反射型のセンサを用いて円滑かつ確実に、被印刷用紙の投入判定、搬送・印刷開始制御、減光判定を行う。そして、それらの判定結果と搬送量の判定結果とに基づき、搬送及び印刷途中に開閉部が開かれたことを正しく検出することができる。
【0019】
第4発明は、上記第1乃至第3発明のいずれかにおいて、前記搬送量判定手段により前記搬送量が前記搬送量判定用の所定のしきい値未満であると判定された場合に、開閉部が開かれたことを表すエラー表示を行う表示手段を有することを特徴とする。
【0020】
これにより、搬送及び印刷途中での開閉部が開かれたことを認識し搬送及び印刷を停止したことを、操作者に確実に認識させることができる。
【0021】
第5発明は、上記第1乃至第4発明のいずれかにおいて、前記印刷データを取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段により取得され前記サーマルヘッドの印刷に係わる前記印刷データを、印刷の途中終了に対応した所定の復帰指示を契機に保存する、保存処理手段と、前記復帰指示を契機に、前記被印刷用紙の搬送を再開するよう、前記搬送手段を制御する、再開制御手段と、を有することを特徴とする。
【0022】
一般に、プリンタでは、サーマルヘッドにより印刷が実行されたら当該印刷に用いた印刷データは消去する場合が多い。本願第5発明では、上記のように印刷が途中で終了したときには、当該印刷データを保存処理手段が保存しておく。これにより、上記のように印刷が途中で終了した状態の被印刷用紙を排紙した後、再び被印刷用紙を投入しての印刷時に、前回印刷を中断した内容と同じ内容の印刷を再実行することが可能となる。また、搬送及び印刷途中で搬送及び印刷を停止したとき、所定の復帰指示を契機として搬送手段による搬送が再開される。これにより、印刷が途中で終了した状態の被印刷用紙を再び搬送し、筐体本体の外部に排紙することができる。
【0023】
第6発明は、上記第5発明において、前記再開制御手段の制御により搬送が再開された前記被印刷用紙が前記筐体本体から排出された後、別の被印刷用紙の投入により前記投入判定手段により別の被印刷用紙の投入が判定された場合には、前記開始制御手段は、前記被印刷用紙の搬送を開始するよう前記搬送手段を制御するとともに、前記保存処理手段により保存された前記印刷データを用いて前記被印刷用紙への印刷を行うように、前記サーマルヘッドを制御することを特徴とする。
【0024】
これにより、印刷が途中で終了したときと同じ印刷データを用いて、当該中断した内容と同じ内容の印刷を、再度容易かつ確実に実行することができる。
【0025】
第7発明は、上記第5又は第6発明において、前記停止制御手段により前記搬送手段による搬送、及び、前記サーマルヘッドによる印刷、が停止した状態で、前記受光手段の前記検出電圧値が所定のしきい値に到達したか否かに基づき前記開閉部の閉じ状態への復帰を判定する復帰判定手段を有し、前記再開制御手段は、前記復帰判定手段による前記開閉部の閉じ状態への復帰が判定されたことに対応する前記復帰指示に基づき、前記被印刷用紙の搬送を再開するよう、前記搬送手段を制御することを特徴とする。
【0026】
これにより、搬送及び印刷途中で搬送及び印刷を停止したとき、操作者が開閉部を閉じ状態に戻すことで、印刷が途中で終了した状態の被印刷用紙を再び搬送し、筐体本体の外部に排紙することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、搬送及び印刷途中に開閉部が開かれたことを正しく検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施の形態である携帯型プリンタの外観構成を表す斜視図である。
【図2】携帯型プリンタの内部構造を表す図1中I−I断面による側断面図である。
【図3】携帯型プリンタの内部構造を表す、前方側斜め上方向から見た分解斜視図である。
【図4】携帯型プリンタの機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図5】用紙検出センサの回路構成図である。
【図6】被印刷用紙の検出を概念的に表す説明図である。
【図7】CPUによる制御手順を表すフローチャートである。
【図8】CPUによる制御手順を表すフローチャートである。
【図9】CPUによる制御手順を表すフローチャートである。
【図10】センサ読取処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【図11】用紙検出センサの他の例を表す回路構成図である。
【図12】エラーメッセージ表示時に印刷を継続する変形例における、CPUによる制御手順を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、本発明を携帯型のプリンタに適用した場合の実施形態である。
【0030】
図1、図2、及び図3を用いて、本実施形態の携帯型プリンタ1の外観構成及び内部構造について説明する。以下では、図1中左下方向を前方、右上方向を後方、左上方向を左方、右下方向を右方として説明する。また、以下の説明において各部品について前後左右上下の各方向をいうときは、当該各部品が携帯型プリンタ1に取り付けられた状態での各方向に対応させて説明する。
【0031】
図1〜図3において、携帯型プリンタ1は、例えばPC端末や携帯電話等の外部機器2(後述の図4参照)より有線通信あるいは無線通信を介して受信した印刷データを、種々の被印刷用紙53に印刷する。この携帯型プリンタ1は、樹脂材料で構成された、装置外郭の筐体本体を構成する略直方体形状のハウジング100と、シャーシ組立体50とを組み付けることによって、概略組み立てられる。
【0032】
ハウジング100は、装置外郭上部を構成するトップカバー101と、装置外郭下部を構成するアンダーカバー102と、トップカバー101の上面前方側に開閉可能に設けられた開閉部としてのカバー部材103(開閉カバー)とを備えている。
【0033】
ハウジング100内には、搬送手段としてのプラテンローラ111と、サーマルヘッドの一種であるサーマルラインヘッド112とが設けられている。サーマルラインヘッド112は、後方側端部に軸部材113を備えた放熱板114上に設けられており、この放熱板114はサイドシャーシ部材130L,130Rにより軸部材113を中心に回動可能に支持されている。また、アンダーカバー102の内表面に設けられたメインシャーシ部材150には、上記サーマルラインヘッド112を支持する放熱板114をプラテンローラ111側に回動付勢する複数のコイルバネ115が設けられている。これにより、サーマルラインヘッド112は上記プラテンローラ111に圧接可能となっている。
【0034】
ハウジング100の後方側には、略棒状の充電式電池10を収容するバッテリ収納室105が設けられており、このバッテリ収納室105にはバッテリ室カバー170が着脱可能に設けられている。当該バッテリ室カバー170を取り外した状態では、上記バッテリ収納室105がハウジング100の背面部分に開口する。
【0035】
シャーシ組立体50は、アンダーカバー102の内表面に設けられた、シャーシ組立体50の底部を構成するメインシャーシ部材150と、このメインシャーシ部材150の長手方向両側端部より立設される一対の上記サイドシャーシ部材130L,130Rとを備えている。サイドシャーシ部材130L,130Rは、軸孔131にプラテンローラ111の軸部材111aを挿通することにより、プラテンローラ111を回転可能に支持している。プラテンローラ111は、駆動モータ11により回転駆動されることで被印刷用紙53を搬送する。
【0036】
左側のサイドシャーシ部材130Lには、プラテンローラ111を駆動する上記駆動モータ11と、この駆動モータ11の駆動力をプラテンローラ111の上記軸部材111aに伝達する、複数のギアからなるギア機構132が設けられている。
【0037】
また、サイドシャーシ部材130L,130Rの上部には、ビーム部材140が架け渡され、ネジにより固定されている。そして、挿入口104から挿入された被印刷用紙53をプラテンローラ111とサーマルラインヘッド112との圧接部Pに案内するガイド部材120が、ハウジング100を構成するトップカバー101、アンダーカバー102、及びカバー部材103とは分離された別体として構成されており、上記ビーム部材140に固定されることによって、サイドシャーシ部材130L,130Rに設けられている。
【0038】
ガイド部材120は、その上部に、シャーシ組立体50への組み付け時に略水平となる水平面121と、この水平面121から装置内部側に向けて傾斜した傾斜面122とを有している。これら水平面121及び傾斜面122上には、被印刷用紙53の案内方向に沿って形成された複数の突条部材123が、長手方向に並列して設けられている。
【0039】
上記構成において、印刷時には、カバー部材103を閉じた状態でトップカバー101とカバー部材103との間に形成された挿入口104に上記被印刷用紙53が挿入される。挿入された被印刷用紙53は、挿入口104の下方に設けられたガイド部材120により、後述するプラテンローラ111とサーマルラインヘッド112との圧接部Pに案内される。プラテンローラ111は所定の圧接力で被印刷用紙53に接触し、被印刷用紙53を搬送する。この搬送される被印刷用紙53に対し、サーマルラインヘッド112が所望の印刷を行う。印刷完了後に、被印刷用紙53は、カバー部材103とアンダーカバー102との間に形成された排出口107より排出される。このとき、被印刷用紙53の搬送方向上流側の挿入口104と圧接部Pとの間の搬送経路(詳細には、カバー部材103の裏面)に、用紙検出センサ35(図1及び図3参照)が設けられている。この用紙検出センサ35の検出結果に基づきプラテンローラ111による搬送制御と、サーマルラインヘッド112による印刷制御が行われる(詳細は後述)。なお、紙詰まり等が生じた場合には、カバー部材103を開放することで、サーマルラインヘッド112からプラテンローラ111がリリースされ、容易に被印刷用紙53を引き出すことが可能となる。
【0040】
次に、図4を用いて、携帯型プリンタ1の制御系について説明する。
【0041】
図4において、携帯型プリンタ1は、CPU12を有している。CPU12は、SDRAM13の一時記憶機能を利用しつつROM14に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行い、それによって携帯型プリンタ1全体の制御を行う。ROM14には、印字駆動制御プログラム等、制御上必要な各種のプログラムが格納されている。
【0042】
また、CPU12は、携帯型プリンタ1の電源のオン・オフ処理を行う電源回路15と、プラテンローラ111を駆動する駆動モータ11の駆動制御を行うモータ駆動回路16と、サーマルラインヘッド112の駆動制御を行うサーマルヘッド制御回路17とに接続されている。
【0043】
またCPU12は、上記用紙検出センサ35と、用紙送り操作を行うためのフィードキー40(図1及び図3も参照)と、電源のオン・オフ操作を行うための電源キー30(図1及び図3も参照)とに接続されている。CPU12は、用紙検出センサ35の検出結果に基づき、挿入口104に被印刷用紙53が挿入されているか否かを検出するとともに、カバー部材103の開閉状態に関する検出も併せて行うことができる(詳細は後述)。
【0044】
またCPU12は、電源キー30又はフィードキー40が押し下げられた場合に、当該押し下げられたキーに対応した処理を実行する。フィードキー40が押し下げられると、CPU12は、上記モータ駆動回路16に制御信号を出力し、駆動モータ11を駆動させてプラテンローラ111を回転させ、被印刷用紙53を所定量搬送するフィード処理を行う。このフィードキー40は、例えば被印刷用紙53の搬送方向途中位置から印刷を開始するために用紙送りをする場合や、搬送方向長さが所定の長さよりも長い被印刷用紙53を用いた場合において印刷終了後に用紙を排出するような場合に、操作される。一方、携帯型プリンタ1の電源オフ状態で電源キー30が押し下げられると、CPU12は、電源回路15に制御信号を出力して電源のオン処理を行い、電源オン状態で電源キー30が押し下げられると、電源回路15に制御信号を出力して電源のオフ処理を行う。
【0045】
またCPU12は、USBインターフェース駆動回路21と、無線通信部22と、赤外線通信部23と、表示手段としての表示装置42とに接続されている。USBインターフェース駆動回路21は、USB端子24(図1も参照)に接続されたUSBケーブル(図示省略)を介して上記外部機器2との間で行われる通信の制御を行う。また無線通信部22は、上記外部機器2との間で行われる赤外線以外の電波による無線通信の制御を行う。また赤外線通信部23は、上記外部機器2との間で行われる赤外線通信の制御を行う。なお、外部機器2は、例えば、CPU2aと、RAM2bと、ROM2cとを備えている。他に、各種通信を行うための複数の通信部、操作者(ユーザ)が各種入力や指示等を行うための操作部、及び表示装置等を備えていてもよい。
【0046】
上記構成の制御系において、携帯型プリンタ1で印刷を行う際には、操作者(ユーザ)は、PC端末や携帯電話等からなる上記外部機器2を用いて、被印刷用紙53に印刷する印刷データの入力及び被印刷用紙53の指定(サイズ等)を行うとともに、印刷開始指示入力を行う。これにより、外部機器2から携帯型プリンタ1に、上記USBケーブル、又は、無線通信若しくは赤外線通信を介して、印刷データや被印刷用紙53の指定内容が送信される。このようにして外部機器2から印刷データが入力された場合、その印刷データが例えばSDRAM13のテキストメモリに記憶される。その記憶された印刷データは再び読み出され、制御回路の変換機能により所定の変換がされることで、ドットパターンデータが生成され、バッファ(図示せず。例えばCPU12又はSDRAM13に設けられる)に記憶される。そして、サーマルラインヘッド112がサーマルヘッド制御回路17を介して駆動され、各発熱素子が1ライン分の印字ドットに対応して選択的に発熱駆動されてバッファに記憶されたドットパターンデータの印刷を行う。また、これと同期して駆動モータ11がモータ駆動回路16を介して被印刷用紙53の搬送制御を行う。
【0047】
以上の基本構成及び動作において、本実施形態の携帯型プリンタ1の最大の特徴は、用紙検出センサ35を用いた被印刷用紙53の検出結果による、その被印刷用紙53に対する搬送制御及び印刷制御にある。特に、当該搬送制御及び印刷制御を行うときに、用紙検出センサ35の検出結果に基づき、搬送・印刷途中でのカバー部材103の開閉検出が大きな特徴である。以下、その詳細を図5〜図11により順を追って説明する。
【0048】
まず、図5を用いて、用紙検出センサ35の回路構成を詳細に説明する。
【0049】
図5において、用紙検出センサ35は、光学的手法を用いた光学センサである。この例では、用紙検出センサ35は、投光器35A(投光手段)及び受光器35B(受光手段)を備えている。投光器35Aは、搬送される被印刷用紙53に向けて投光を行う。受光器35Bは、上記投光器35Aから発せられ、上記被印刷用紙53から反射された反射光を受光し、受光した光量に対応する電圧を出力する。また、用紙検出センサ35は上述した投光器35Aと受光器35Bのほかに、負荷抵抗Rを有している。この例の投光器35Aは発光ダイオードで構成されており、そのアノード端子71が抵抗R1を介して電源(電源電圧Vcc)に接続され、カソード端子72が接地されている。また、この例の受光器35Bはフォトトランジスタで構成されており、そのコレクタ端子73が電源に接続され、エミッタ端子74が検出電圧値Vを出力する出力端子であるとともに抵抗R2を介して接地されている。機構的な配置として、この例では、被印刷用紙53の搬送方向に沿って投光器35A、受光器35Bの順に並んで配置されている。
【0050】
このような構成の用紙検出センサ35において、受光器35Bは、上記投光器35Aが点灯した際の被印刷用紙53を介した反射光Lrを受光し、それらの総受光量に応じたレベルの検出電圧値Vを出力する。この例では、受光器35Bを構成するフォトトランジスタのコレクタ側が電源側に接続されていることにより、上記総受光量が大きくなるほど高いレベルの検出電圧値Vを出力する。なお、これには限られず、光量が多いほど小さい電圧となる構成でもよい(後述の図11の変形例参照)。この電圧値Vは、CPU12に入力される。CPU12は、この電圧値Vと所定のしきい値とを比較し、その大小に応じて種々の判定を行う(詳細は後述)。なお、この電圧値Vは、上記のように受光器35Bでの受光量に一対一に対応していることから、以下適宜、電圧値Vのことを単に「受光量S」と称する。
【0051】
次に図6を用いて、上記用紙検出センサ35による被印刷用紙53の検出を概念的に説明する。
【0052】
図6において、この例は、1枚の被印刷用紙53が搬送される様子を示している。被印刷用紙53としては、複数種類のサイズ、例えばA4サイズの被印刷用紙53Aや、A5サイズの被印刷用紙53B、等を使用することができる。図示するように、用紙検出センサ35は、このようなサイズの違いに係わらず、被印刷用紙53を検出可能な位置に配置されている。
【0053】
被印刷用紙53が搬送されて印刷されるときは、まず、携帯型プリンタ1にロールホルダ(図示せず)がセットされ、ロールホルダに収納された用紙ロール(図示せず)から繰り出された被印刷用紙53が挿入口104に挿入される。挿入直後で被印刷用紙53の先端が用紙検出センサ35の検出範囲に到達していない(用紙検出センサ35よりも搬送方向の上流側に位置している)場合は、投光器35Aからの投光の被印刷用紙53による反射がない。このため、受光器35Bにおける反射光Lrの受光量は非常に低い。そして、被印刷用紙53の先端が用紙検出センサ35の検出範囲に到達すると、投光器35Aからの投光の被印刷用紙53による反射光Lrが受光器35Bで受光され、被印刷用紙53が検出される。被印刷用紙53の検出により、プラテンローラ111が駆動されて被印刷用紙53の搬送(自動フィード)が開始される。被印刷用紙53の排出口107に向かう搬送が開始されると、サーマルラインヘッド112による被印刷用紙53の印刷領域への印刷が開始される。印刷が終了すると、プラテンローラ111の駆動力に基づき、被印刷用紙53は排出口107(図1参照)から排出され、被印刷用紙53の搬送が終了される。
【0054】
次に、上記用紙検出センサ35の検出結果を用いてCPU12により実行される、被印刷用紙53への印刷処理の制御内容を、図7〜図10のフローチャートを用いて説明する。
【0055】
図7において、例えば携帯型プリンタ1の電源がオンにされることにより、このフローが開始される。このフローの開始は、例えばCPU12が、ROM14に格納された印字駆動制御プログラムを読み出して実行することに相当する。
【0056】
まず、ステップS5で、Fpの値が1か否かが判定される。このFpは、エラーの発生により直前の印刷が完了せずに終了したか否かを判定するために用意された変数である。すなわちFpが1である場合は前回の印刷が未完了であることを表し、Fpが0である場合は印刷が完了していることを表している。前回の印刷が完了していた場合、Fp=0であるから判定は満たされず、ステップS10に移る。なお、前回の印刷が未完了で終了していた場合、判定は満たされず、後述のステップS20に移る。
【0057】
ステップS10では、外部機器2から、被印刷用紙53に対して印刷する印刷データを取得する。例えばこの印刷データには、被印刷用紙53のサイズ指定を含んでいてもよい。このステップS10が、各請求項記載のデータ取得手段として機能する。その後、ステップS15に移り、被印刷用紙53の搬送方向寸法情報である用紙長LをROM14から取得する。この用紙長Lは、用紙サイズ毎に例えば予めROM14に格納されている。このステップS15が、各請求項記載の情報取得手段として機能する。その後、ステップS20に移る。
【0058】
ステップS20では、Fpを0とする。その後、ステップS25に移り、プラテンローラ111による被印刷用紙53の搬送量Dを、D=0に初期化する。この搬送量Dは、例えばパルスモータである駆動モータ11へのパルス数をカウントすることにより求められる。
【0059】
その後、ステップS200に移り、センサ読取処理を実行する。
【0060】
図10は、上記センサ読取処理の詳細手順である。なお、このセンサ読取処理は、上記ステップS200のほかに、後述のステップS210やステップS220でも実行される。
【0061】
図10において、まず、ステップS250で、上記受光器35Bからの受光量Sが取得される。その後、ステップS255で、上記ステップS250において取得された受光量Sが所定のしきい値A以上か否かが判定される。なお、このしきい値Aは、通常の白色の用紙に対して発光されたときの反射により受光器35Bが受光する受光量より小さくなるよう、予め設定されている。したがって、少なくとも、ステップS250において取得された受光量Sがしきい値A以上である場合には、被印刷用紙53が搬送経路に存在している状態である、とみなすことができる。これに対応して、S≧AであってステップS255の判定が満たされて移行するステップS260では、Fs=1とする。一方、S<AであってステップS255の判定が満たされない場合には、ステップS265に移り、Fs=0とされる。
【0062】
なお、ステップS200のセンサ読み取り処理において、上記ステップS250、ステップS255、ステップS260、ステップS265が実行されるときは、しきい値Aは、操作者により被印刷用紙53が投入されたかどうかのために用いられることから、各請求項記載の投入判定用の所定のしきい値に相当する。
【0063】
ステップS260又はステップS265が終了したら、このルーチンを終了する。上記のようにして、Fsには、しきい値Aと受光量Sとの比較結果に応じて、1若しくは0が代入される。したがって、これ以降、Fsの値が0であるか1であるかにより、用紙検出センサ35の受光量Sがしきい値A以上であったか、しきい値A未満であったかを判別可能となっている。上記ステップS200でのセンサ読取処理が実行された後は、図7のステップS30に移る。
【0064】
図7に戻り、ステップS30では、Fs=1であるか否かが判定される。上記ステップS200における用紙検出センサ35の受光量Sがしきい値A以上でありFs=1であった場合、判定は満たされ、ステップS35に移る。上記ステップS200における用紙検出センサ35の受光量Sがしきい値A未満でありFs=0であった場合、判定は満たされず、ステップS200に戻る。この結果、操作者により被印刷用紙53が投入されるまで、ループ待機することとなる。すなわち、上記ステップS30が、各請求項記載の投入判定手段として機能する。
【0065】
ステップS35では、モータ駆動回路16に制御信号が出力され、駆動モータ11によりプラテンローラ111を駆動させる。これにより、挿入口104に挿入されている被印刷用紙53の搬送が開始される。
【0066】
その後、ステップS40で、サーマルヘッド駆動回路17に制御信号が出力されてサーマルラインヘッド112が通電される。これによって、前述のようにしてバッファに記憶されたドットパターンデータが順次被印刷用紙53に印刷される。なお、ステップS35及びステップS40が、各請求項記載の開始制御手段として機能する。
【0067】
そして、図8のステップS45に移り、ステップS25で初期化され後述のステップS55でカウントアップされるこの時点での搬送量Dの値が、被印刷用紙53の上記用紙長Lの値以上となったか否かが判定される。搬送量Dの値が用紙長Lの値以上であった場合、判定は満たされて、印刷は正常に終了したとみなされ後述の図9のステップS115に移る。すなわち、被印刷用紙53の用紙長LがステップS15において事前に取得され分かっているので、プラテンローラ111の搬送量Dが用紙長Lに達するタイミングの後は光学センサ35による検出を行わず、当該タイミングまでの間のみ光学センサ35による検出が行われるのである。ステップS115では、CPU12が、サーマルヘッド駆動回路17に制御信号を出力し、サーマルラインヘッド112の通電を終了させる。これによって、被印刷用紙53への印刷が停止する。ステップS115の後は、後述のステップS105に移る。一方、ステップS45において、搬送量Dの値が用紙長Lの値未満であった場合、ステップS45の判定は満たされず、ステップS210に移る。
【0068】
ステップS210では、図10に示された上記センサ読取処理が再度実行される。すなわち、前述と同様、ステップS250で取得された受光器35Bからの受光量Sが、所定のしきい値A以上か否かがステップS255で判定される。S≧AであればステップS260でFs=1とされ、S<AであればステップS265でFs=0とされる。上記ステップS210でのセンサ読取処理が実行された後は、図8のステップS50に移る。
【0069】
図8に戻り、ステップS50では、Fs=1であるか否かが判定される。上記ステップS210における用紙検出センサ35の受光量Sがしきい値A以上でありFs=1であった場合、ステップS50の判定は満たされ、ステップS55に移る。
【0070】
ステップS55では、搬送量Dのインクリメントを行い、上記ステップS45に戻る。これにより、用紙検出センサ35が被印刷用紙53を検出している間、一定の時間間隔で搬送量Dがカウントアップされる。すなわち、上記ステップS210及びステップS50では、被印刷用紙53の後端部が搬送によって通過して、操作者により投入された被印刷用紙53による光の反射がなくなったかどうかを見極めているのである。この意味で、しきい値Aは、各請求項記載の減光判定用の所定のしきい値に相当しており、ステップS50が、各請求項記載の減光判定手段として機能している。なお、このときのしきい値Aとして、ステップS200と異なる値を使用してもよい。また、上記ステップS50、ステップS55、ステップS45、及びステップS210の繰り返しによる、搬送量Dのカウントアップの結果、ステップS55と前述のステップS25とが、各請求項記載の搬送量算出手段として機能する。
【0071】
一方、上記ステップS210における用紙検出センサ35の受光量Sがしきい値A未満でありFs=0であった場合、ステップS50の判定は満たされず、ステップS60に移る。ステップS60では、搬送量Dの値が所定値(この例では用紙長Lに0.95を乗じた値)以上か否かが判定される。この係数(この例では0.95)は、1に近くかつ1未満である適宜の値が予め固定的に(あるいは適宜に選択可能であってもよい)ROM14等に設定されており、CPU12がROM14等より取得して利用する。
【0072】
このステップS60で使用する上記所定値の意義は、以下の通りである。すなわち、上述したステップS45、ステップS210、ステップS50、ステップS55、ステップS45、・・の繰り返しの間にステップS50の判定が満たされなかったということは、被印刷用紙53が排出される前に受光器35Bの受光量が減少したということである。その原因の1つとしては、何らかの原因により搬送・印刷の途中にカバー部材103が開いた場合が考えられる。開いたカバー部材103により投光器35Aからの光が外部へ漏れたり、カバー部材103の開閉動作により受光器35Bへの光の方向が変わることで、受光量が減少する。そして、もう1つの原因として、以下の場合がある。すなわち前述したように、ステップS45での判定により、プラテンローラ111の搬送量Dが用紙長Lに達するタイミングまでの間のみ光学センサ35による検出が行われるが、プラテンローラ111と被印刷用紙53との摩擦やスリップ等の発生により、上記タイミングよりも前に実際の被印刷用紙53の搬送が終了し排出される場合である。この場合には、見かけ上は搬送・印刷の途中でありステップS45の判定が満たされずステップS210での光学センサ35の検出が続行されている状態で、被印刷用紙53の後端部が通過した後、被印刷用紙53による反射がなくなることから、受光器35Bでの受光量が減少してFs=0となる。上記所定値(この例では0.95L)は、上記の摩擦やスリップ等による実際の搬送と見かけ上の搬送との誤差(この例では5%)を加味しつつ、上記のようにカバー部材103が搬送・印刷途中で開いたのか、それとも単に上記誤差が発生しているだけで実際には正常に印刷が終了しているのか、を見極めるための値である。したがって、このときの上記所定値は、各請求項記載の、搬送量判定用の所定のしきい値に相当している。
【0073】
この時点でのプラテンローラ111の搬送量Dが上記0.95L以上であった場合、ステップS60の判定が満たされる。すなわち、上述した誤差が単に発生しているだけで実際には正常に印刷が終了しているとみなされ、上記図9のステップS115に移る。一方、この時点でのプラテンローラ111の搬送量Dが上記0.95L未満であった場合、ステップS60の判定が満たされず、カバー部材103が搬送・印刷途中で開かれたとみなされ、ステップS65に移る。なお、このステップS60が、搬送量判定手段として機能している。
【0074】
ステップS65では、モータ駆動回路16に制御信号が出力され、駆動モータ11によるプラテンローラ111の駆動を停止する。これにより、被印刷用紙53の搬送が停止する。
【0075】
その後、ステップS70で、サーマルヘッド駆動回路17に制御信号が出力され、サーマルラインヘッド112の通電を終了させる。これによって、被印刷用紙53への印刷が停止する。なお、上記ステップS65及びステップS70が、各請求項記載の停止制御手段として機能する。
【0076】
そして、ステップS75に移り、表示装置42に表示信号が出力され、カバー103が開いたことを表す、エラーメッセージ等を表示させる。これによって、上記エラーの発生が操作者に通知される。その後、ステップS220に移る。
【0077】
ステップS220では、図10に示された上記センサ読取処理が再度実行される。すなわち、前述と同様、ステップS250で取得された受光器35Bからの受光量Sが、所定のしきい値A以上か否かがステップS255で判定される。S≧AであればステップS260でFs=1とされ、S<AであればステップS265でFs=0とされる。上記ステップS220でのセンサ読取処理が実行された後は、図8のステップS80に移る。
【0078】
図8に戻り、ステップS80では、Fs=1であるか否かが判定される。上記ステップS220における用紙検出センサ35の受光量Sがしきい値A以上でありFs=1に戻っていた場合には、判定が満たされる。すなわち、開いていたカバー部材103が操作者によって閉じられ、これによって被印刷用紙53で反射した光が正常に受光器35Bで受光されるようになったとみなされ、図9のステップS85に移る。一方、上記ステップS220における用紙検出センサ35の受光量Sがしきい値A未満でありFs=0であった場合、ステップS80の判定は満たされない。すなわち、カバー部材103は依然として開いた状態のままであるとみなされて、ステップS220に戻ってループ待機する。すなわち、上記ステップS220及びステップS80では、ステップS75でのエラー表示に応じ、開いていたカバー部材103が操作者によって閉じられ、もとの状態に復帰したかどうかを見極めているのである。この意味で、上記ステップS80が、各請求項記載の復帰判定手段として機能する。
【0079】
図9に移り、ステップS85では、モータ駆動回路16に制御信号が出力され、駆動モータ11によるプラテンローラ111の駆動を再開させる。これにより、被印刷用紙53の搬送が再開される。上記ステップS85が、各請求項記載の再開制御手段として機能する。
【0080】
その後、ステップS90で、CPU12が、この時点で取得している印刷データ(上記ステップS10で取得済みの印刷データ)をSDRAM13に保存する。このステップS90が、各請求項記載の保存処理手段として機能する。
【0081】
そして、ステップS100で、Fp=1とする。これによって、次回の印刷時には、ステップS90で保存した印刷データを用いた印刷を実行可能となる(前述のステップS5参照)。その後、ステップS105に移る。
【0082】
ステップS105では、この時点での搬送量Dの値(ステップS85での搬送再開後カウントアップされている値)が、全体長Do値と等しいか否かが判定される。この全体長Doは、用紙長Lに適宜の値(例えば余白寸法)を加えた、被印刷用紙53を完全に装置外へ排出完了するために予め設定された値である。搬送量Dが全体長Doと等しくなっていたら、判定は満たされ、被印刷用紙53は装置外へ排出されたとみなされて、ステップS110に移る。搬送量Dが全体長Doと等しくない場合は、ステップS103に移行する。ステップS103では、搬送量Dのインクリメントを行い、上記ステップS105に戻る。これにより、一定の時間間隔で搬送量Dがカウントアップされる。D=DoとなるまでステップS105の判定が満たされず、被印刷用紙53の搬送を継続したままループ待機する。
【0083】
ステップS110では、モータ駆動回路16に制御信号が出力され、駆動モータ11によるプラテンローラ111の駆動が停止される。これにより、被印刷用紙53の搬送が終了する。その後、このフローを終了する。
【0084】
以上説明したように、本実施形態の携帯型プリンタ1においては、被印刷用紙53の搬送及び印刷の開始後、受光器35Bの検出電圧値V(言い換えれば受光量S、以下同様)が低下したかどうかがステップS50で判定される。そして、この判定が満たされた場合には、ステップS60で、その時点での搬送量Dが所定のしきい値(この例では0.95L)未満であるかどうかを判定する。これにより、ステップS60の判定が満たされ搬送量Dが当該しきい値に達している場合には、被印刷用紙53に対して前述した摩擦やスリップ等の発生が生じているだけであり、実際には印刷は正常に終了しているとみなすことができる。そして、ステップS60での判定が満たされず搬送量Dが上記しきい値に達していない場合のみを、開閉部を開く動作が搬送及び印刷途中に行われたものである、と正確に認識し、ステップS65以降において対応する処理を実行することができる。この結果、上記摩擦やスリップ等が発生したときにカバー部材103が開いたと誤検出するのを防止しつつ、搬送及び印刷途中にカバー部材103が開いたことを正しく検出することができる。
【0085】
また、本実施形態では特に、ステップS60で搬送量Dが0.95L未満であって判定が満たされなかったとき、ステップS65及びステップS70で、搬送と印刷が停止される。これにより、搬送及び印刷途中にカバー部材103が開いた場合には、搬送及び印刷を確実に停止し、不適切な状態のまま印刷を続行する無駄を回避することができる。
【0086】
また、本実施形態では特に、ステップS60で搬送量Dが0.95L未満であって判定が満たされなかったとき、ステップS75でカバー部材103が開いたことを表すエラー表示を行う。これにより、搬送及び印刷途中でのカバー部材103を開く動作を装置側で検出し搬送及び印刷を停止したことを、操作者に確実に認識させることができる。
【0087】
また、本実施形態では特に、上記のようにカバー部材103を開く動作に対応したステップS70での印刷の途中終了を契機に(あるいは、ステップS80での判定が満たされたことや、ステップS85での搬送再開を契機にしてもよい)に、これを実質的な復帰指示として、ステップS90で印刷データを保存する。これにより、上記のように印刷が途中で終了した状態の被印刷用紙53をステップS85〜ステップS110で排紙した後、再び被印刷用紙53を投入しての印刷時に、(ステップS5での判定が満たされてステップS10による印刷データの取得を行わずステップS20へ移行することで)前回印刷を中断した内容と同じ内容の印刷を容易に再実行することができる。
【0088】
また、本実施形態では特に、上記のようにカバー部材103の開く動作に対応したステップS65及びステップS70での搬送及び印刷を停止した状態で、ステップS80での判定が満たされると、ステップS85で被印刷用紙53の搬送を再開する。これにより、搬送及び印刷途中で搬送及び印刷を停止したとき、操作者がカバー部材103を閉じ状態に戻すことで、印刷が途中で終了した状態の被印刷用紙53を再び搬送し、装置外部に排紙することができる。これには以下のような意義がある。上記のように、本実施形態では、カバー部材103を開けることで、サーマルラインヘッド112からプラテンローラ111がリリースされ、容易に被印刷用紙53を引き出すことが可能となる。このため、カバー部材103が開いた場合、被印刷用紙53が印刷を継続させるうえで適切な位置に留まっている可能性は極めて低い。このことから、本実施形態では、エラー通知後の印刷の続行は行わないようにし、印刷を行える状態に復帰した場合に、エラーとして終了させた印刷を再度、行えるようにしている。それにより、意図しない形でエラー終了となった印刷の再実行を容易に行えるようにして、操作者にとっての利便性をより向上させている。
【0089】
また、本実施形態では特に、光学センサ35が、カバー部材103に設けられている。このような場合には、既に上述したように、開閉部材103の開閉動作により受光器35Bへの光の方向が変わり、受光器35Bでの受光量が減少する可能性が高い。したがって、上述の制御内容を実行し、搬送及び印刷途中にカバー部材103が開かれたことを正しく検出することが特に有効である。
【0090】
なお、本発明は、上記実施形態に限られず、技術的思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0091】
(1)受光量大きいほど低電圧値を出力するセンサを用いる場合
上記実施形態においては、用紙検出センサ35の受光器35Bを構成するフォトトランジスタがコレクタ接地されていることにより(上記図5参照)、受光器35Bの受光量が大きいほど高いレベルの検出電圧値Vを出力していた。しかし、これに限られず、上記図5に対応する図11に示すように、受光器35Bのフォトトランジスタをエミッタ接地することで、受光器35Bの受光量が大きいほど低いレベルの検出電圧値Vを出力するようにしてもよい。
【0092】
この場合も、各ステップで用いるときの検出電圧値Vの大小挙動が上述と逆になるだけで、上記同様の手法により、カバー部材103の開く動作の正確な検出を行うことができる。すなわち、例えば、被印刷用紙53の搬送及び印刷の開始後、受光器35Bの検出電圧値Vが増大したかどうかがステップS50で判定される。そして、この判定が満たされた場合には、ステップS60で、その時点での搬送量Dが所定のしきい値(この例では0.95L)未満であるかどうかを判定する。そして、ステップS60での判定が満たされない場合のみを、ステップS65以降において対応する処理を実行する。この結果、上記実施形態と同様、摩擦やスリップ等が発生したときにカバー部材103が開かれたと誤検出するのを防止しつつ、搬送及び印刷途中にカバー部材103が開かれたことを正しく検出することができる。
【0093】
(2)印刷を停止せずエラーメッセージを表示する場合
上記実施形態では、印刷処理中にカバー部材103が開けられたと判定された場合、印刷処理を途中で停止して表示装置42にエラーメッセージ等を表示していた。これに代えて、印刷処理中にカバー部材103が開けられたと判定された場合も印刷処理を途中で停止させることなく、表示装置42にエラーメッセージ等を表示するようにしてもよい。
【0094】
そのような変形例においてCPU12により実行される制御内容を上記図7と、図8と、上記図9に代わる図12を参照して説明する。まず、本変形例では、上記実施形態と同様、図7に示すステップS5、ステップS10、ステップS15、ステップS20、ステップS25、ステップS200、ステップS30、ステップS35、及びステップS40が行われる。ステップS40が終了すると、図8へ移る。
【0095】
図8において、本変形例では、ステップS65、ステップS70、ステップS220、ステップS80の各処理が省略される(実行されない)。すなわち、まずステップS45が実行され、その後、ステップS210、ステップS50、ステップS55、ステップS45・・、が繰り返して実行され、その間にステップS50の判定が満たされなくなると、ステップS60に移る。なお、上記ステップS45において、搬送量Dの値が用紙長Lの値以上でありステップS45の判定が満たされた場合は、図12のステップS405(後述)に移る。
【0096】
ステップS60では、上記実施形態と同様、搬送量Dの値が所定値(この例では用紙長Lに0.95を乗じた値)以上か否かが判定される。プラテンローラ111の搬送量Dが上記0.95L以上であった場合、ステップS60の判定が満たされ、正常に印刷が終了しているとみなされ、図12のステップS405に移る。一方、プラテンローラ111の搬送量Dが上記0.95L未満であった場合、ステップS60の判定が満たされず、カバー部材103が搬送・印刷途中で開かれたとみなされる。この場合、上記実施形態のようなステップS65、ステップS70の処理を行うことなく、ステップS75に移行する。
【0097】
ステップS75では、上記実施形態と同様、表示装置42に表示信号が出力され、カバー103が開かれたことを表すエラーメッセージ等が表示される。これによって、上記エラーの発生が操作者に通知される。ただし、本変形例では、上記のようにステップS65及びステップS70が省略されることから、上記実施形態とは異なり、エラーメッセージが表示されている間も搬送・印刷動作が継続している。その後、図12に移る。
【0098】
図12において、まず、ステップS390において、上記図9のステップS90と同様、CPU12が、この時点で取得している印刷データ(上記ステップS10で取得済みの印刷データ)をSDRAM13に保存する。
【0099】
そして、ステップS400で、上記図9のステップS100と同様、Fp=1とする。これによって、次回の印刷時には、ステップS390で保存した印刷データを用いた印刷を実行可能となる(前述のステップS5参照)。その後、ステップS405に移る。
【0100】
ステップS405では、CPU12が、上記図9のステップS115と同様、サーマルヘッド駆動回路17に制御信号を出力し、サーマルラインヘッド112の通電を終了させる。これによって、被印刷用紙53への印刷が停止する。ステップS405の後は、ステップS410に移る。
【0101】
ステップS410では、上記図9のステップS105と同様、この時点での搬送量Dの値が、全体長Do値と等しいか否かが判定される。搬送量Dが全体長Doと等しくなっていたら、判定は満たされ、被印刷用紙53は装置外へ排出されたとみなされて、ステップS420に移る。搬送量Dが全体長Doと等しくない場合は、ステップS415に移行する。ステップS415では、搬送量Dのインクリメントを行い、上記ステップS410に戻る。これにより、一定の時間間隔で搬送量Dがカウントアップされる。D=DoとなるまでステップS410の判定が満たされず、被印刷用紙53の搬送を継続したままループ待機する。
【0102】
ステップS420では、上記図9のステップS110と同様、モータ駆動回路16に制御信号が出力され、駆動モータ11によるプラテンローラ111の駆動が停止される。これにより、被印刷用紙53の搬送が終了する。その後、このフローを終了する。
【0103】
(3)その他
なお、以上においては、被印刷用紙53の検出を、光学センサである用紙検出センサ35によって行ったが、必ずしもこれに限られない。すなわち、被印刷用紙53の検出に用いるセンサとして、機械的に被印刷用紙53を検出するタイプのものを採用しても良い。
【0104】
なお、以上において、図4等の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0105】
また、図7、図8、図9、図10、図12等に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0106】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0107】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0108】
1 携帯型プリンタ
103 カバー部材(開閉カバー、開閉部)
104 挿入口
111 プラテンローラ(搬送手段)
112 サーマルラインヘッド(サーマルヘッド)
11 駆動モータ
12 CPU
14 ROM
16 モータ駆動回路
35 用紙検出センサ(光学センサ)
35A 投光器(投光手段)
35B 受光器(受光手段)
53 被印刷用紙
Lr 反射光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体本体と、
前記筐体本体に対し開閉可能に設けられた開閉部と、
前記筐体本体の内部に設けられ、被印刷用紙を搬送する搬送手段と、
前記被印刷用紙の搬送方向寸法情報を取得する情報取得手段と、
前記筐体本体の内部に設けられ、前記搬送手段により搬送される前記被印刷用紙に対し、印刷するための印刷データに対応した印刷を行うサーマルヘッドと、
前記被印刷用紙の前記搬送手段による搬送経路に向かって投光可能な投光手段、及び、受光した光量に対応した検出電圧値を出力可能であって前記開閉部に設けられた受光手段、を備え、前記開閉部が閉じられた状態において前記投光手段により投光され前記被印刷用紙に反射した光を前記受光手段により受光した場合の光量が、開閉部が開けられた状態において受光手段が受光する光量よりも大きくなるように構成された光学センサと、
前記搬送手段が搬送を開始してからの当該搬送手段による搬送量を算出する搬送量算出手段と、
前記被印刷用紙の搬送と前記被印刷用紙への印刷との開始後、前記受光手段の前記検出電圧値と減光判定用の所定のしきい値との比較に基づき減光を判定する減光判定手段と、
前記減光判定手段により減光と判定されたとき、その時点で前記搬送量算出手段により算出された前記搬送量が、搬送量判定用の所定のしきい値未満であるか否かを判定する搬送量判定手段と、
を有することを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
請求項1記載のプリンタにおいて、
前記搬送量判定手段により前記搬送量が前記搬送量判定用の所定のしきい値未満であると判定された場合に、前記搬送手段による搬送、及び、前記サーマルヘッドによる印刷、を停止する停止制御手段、
を有することを特徴とするプリンタ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のプリンタにおいて、
前記搬送手段による搬送及び前記サーマルヘッドによる前記印刷が行われていない状態で、前記受光手段の前記検出電圧値が投入判定用の所定のしきい値に到達したか否かに基づき前記被印刷用紙の投入を判定する、投入判定手段と、
前記投入判定手段により前記被印刷用紙の投入が判定された場合に、前記被印刷用紙の搬送と前記被印刷用紙への印刷とを開始するよう、前記搬送手段及び前記サーマルヘッドを制御する、開始制御手段と、
を有し、
前記搬送量算出手段は、
前記開始制御手段の制御により前記搬送手段が搬送を開始してからの当該搬送手段による搬送量を算出し、
前記減光判定手段は、
前記開始制御手段による前記被印刷用紙の搬送と前記被印刷用紙への印刷との開始後、前記受光手段の前記検出電圧値が前記減光判定用の所定のしきい値未満となったかどうかを判定する
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のプリンタにおいて、
前記搬送量判定手段により前記搬送量が前記搬送量判定用の所定のしきい値未満であると判定された場合に、開閉部が開かれたことを表すエラー表示を行う表示手段を有する
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のプリンタにおいて、
前記印刷データを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段により取得され前記サーマルヘッドの印刷に係わる前記印刷データを、印刷の途中終了に対応した所定の復帰指示を契機に保存する、保存処理手段と、
前記復帰指示を契機に、前記被印刷用紙の搬送を再開するよう、前記搬送手段を制御する、再開制御手段と、
を有する
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項6】
請求項5記載のプリンタにおいて、
前記再開制御手段の制御により搬送が再開された前記被印刷用紙が前記筐体本体から排出された後、別の被印刷用紙の投入により前記投入判定手段により別の被印刷用紙の投入が判定された場合には、前記開始制御手段は、前記被印刷用紙の搬送を開始するよう前記搬送手段を制御するとともに、前記保存処理手段により保存された前記印刷データを用いて前記被印刷用紙への印刷を行うように、前記サーマルヘッドを制御する
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項7】
請求項5又は請求項6記載のプリンタにおいて、
前記停止制御手段により前記搬送手段による搬送、及び、前記サーマルヘッドによる印刷、が停止した状態で、前記受光手段の前記検出電圧値が所定のしきい値に到達したか否かに基づき前記開閉部の閉じ状態への復帰を判定する復帰判定手段を有し、
前記再開制御手段は、
前記復帰判定手段による前記開閉部の閉じ状態への復帰が判定されたことに対応する前記復帰指示に基づき、前記被印刷用紙の搬送を再開するよう、前記搬送手段を制御する
ことを特徴とするプリンタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−96375(P2012−96375A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243361(P2010−243361)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】