プレゼンス情報収集配信システム、ネットワークシステム及びプレゼンス情報収集配信プログラム
【課題】 リアルタイムなウォッチャー(プレゼンス情報収集側)の状態に応じたプレゼンス情報を、プレゼンティティ(プレゼンス情報提供側)からウォッチャーに通知することができるプレゼンス情報収集配信システムを提供する。
【解決手段】 本発明のプレゼンス情報収集配信システムは、プレゼンス情報提供端末からプレゼンス情報を受信する手段と、プレゼンス情報収集端末の状態に関する情報を受信する手段と、プレゼンス情報収集端末の状態に応じて受信したプレゼンス情報を加工する手段と、加工したプレゼンス情報をプレゼンス情報収集端末に向に送信する手段とを有することを特徴とする。
【解決手段】 本発明のプレゼンス情報収集配信システムは、プレゼンス情報提供端末からプレゼンス情報を受信する手段と、プレゼンス情報収集端末の状態に関する情報を受信する手段と、プレゼンス情報収集端末の状態に応じて受信したプレゼンス情報を加工する手段と、加工したプレゼンス情報をプレゼンス情報収集端末に向に送信する手段とを有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレゼンス情報収集配信システム、ネットワークシステム及びプレゼンス情報収集配信プログラムに関し、例えば、SIP(Session Initiation Protocol)を利用したプレゼンス情報収集配信システムに適用し得る。
【背景技術】
【0002】
ユーザの状態(電話中、離席中等)をリアルタイムに相手に伝えるコミュニケーションサービスとして「プレゼンスサービス」というサービスが存在する。昨今のプレゼンスサービスは、旧来のオンライン/オフライン程度の状態だけでなく、様々な状態等を通知できるにようになってきている。それに伴い、ロケーションの状況(ユーザの居場所)や、ユーザが使用する端末の種類などによって、ユーザが受け取りたい情報を制限するなど、ユーザの状態に応じて最適な情報通知を実施する要望がある。
【0003】
プレゼンス情報を提供するプレゼンティティ側の端末から、プレゼンス情報を購読(収集)するウォッチャー側の端末に通知する情報を制限する方法として、SIP(Session Initiation Protocol)を利用したシステムがある。例えば、Presence Authorization rule(非特許文献4参照)に基づいてプレゼンス情報のウォッチャーに対する開示ポリシーを管理・制御してウォッチャーに送信する情報を制限することも考えられる。また、ウォッチャー側からプレゼンティティ側へのSUBSCRIBE時(情報通知の予約時)に設定したイベント通知フィルタ(Event Notification filtering、非特許文献3参照)の内容に基づいて、不要なプレゼンス情報の更新通知をフィルタリングし、ウォッチャー側で必要な情報のみを通知することも考えられる。
【0004】
しかし、上述の方式では、ウォッチャーからのSUBSCRIBE時(情報通知の予約時)に設定したイベント通知フィルタや、プレゼンス情報のウォッチャーに対する開示ポリシーで一意に送信される情報が決まり、ウォッチャーの状況に応じた送信はできない。ウォッチャー側の状態が変わった場合に、ウォッチャーから再度イベント通知フィルタを設定したSUBSCRIBEを送信することも考えられるが、ウォッチャーが複数のプレゼンティティについてプレゼンス情報購読をしている場合に、そのたびにネットワーク上に大量のトラフィックが発生するという問題がある。また、プレゼンスサーバ及びクライアント端末への負荷も大きくなるという問題もある。さらに、ウォッチャー側においてイベント通知フィルタの機能を具備していることが前提になる。
【0005】
また、ウォッチャー側からの情報に基づいて、プレゼンティティ側で送信するプレゼンス情報の内容を制御するシステムとしては、特許文献1及び特許文献2に示すものが提案されている。特許文献2に記載されているシステムは、ウォッチャー側の状態をプレゼンティティ側の条件(ポリシー)に基づいて通知し、プレゼンティティ側ではウォッチャー側の状態により通知する情報の制限を実施するものである。特許文献1に記載されているシステムは、あらかじめ登録されている条件(ポリシー)によって、プレゼンティティ側からウォッチャー側に通知する情報の制限を実施するものである。
【特許文献1】特開2005−044134号公報
【特許文献2】特開2006−277243号公報
【非特許文献1】IETF RFC3265
【非特許文献2】IETF RFC3261
【非特許文献3】IETF RFC4660
【非特許文献4】IETF,「Presence Authorization Rules」,[Online],INTERNET,[2007年9月11日検索],<URL:http://www.ietf.org/internet-drafts/draft-ietf-simple-presence-rules-10.txt>
【非特許文献5】IETF RFC3856
【非特許文献6】IETF RFC3857
【非特許文献7】IETF RFC3903
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2で述べられる手段は、ウォッチャーの状態をプレゼンティティ側の条件(ポリシー)に基づいて、通知する方式であり、ウォッチャー側のポリシーの適用まで考慮されていない。また、特許文献2のシステムは、端末(クライアント端末)上での実現をベースに記載されており、サーバ(SIPを用いたプレゼンスサーバ)上において、具体的にどのようなフレームワーク(構成)でウォッチャーの情報をプレゼンティティに通知するかが明確でなく、特に、複数プレゼンスサーバの構成で実現することが考慮されていない。
【0007】
また、特許文献1も最適な通知方法手段として提案されているが、あらかじめ登録されているポリシー(条件)によって実施することが前提になっているため、リアルタイムなウォッチャーの状態を、プレゼンティティ側に通知することは考慮されていない。
【0008】
そのため、リアルタイムなウォッチャーの状態に応じたプレゼンス情報を、プレゼンティティからウォッチャーに通知することができるプレゼンス情報収集配信システム、ネットワークシステム及びプレゼンス情報収集配信プログラムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の本発明のプレゼンス情報収集配信システムは、(1)プレゼンス情報を提供するプレゼンス情報提供端末から、上記プレゼンス情報提供端末に係るプレゼンス情報を受信する提供側プレゼンス情報受信手段と、(2)プレゼンス情報を収集するプレゼンス情報収集端末から、上記プレゼンス情報収集端末の状態に関する情報を受信する収集側状態情報受信手段と、(3)上記プレゼンス情報収集端末の状態に応じて、上記提供側プレゼンス情報受信手段が受信したプレゼンス情報を加工するプレゼンス情報加工手段と、(4)上記プレゼンス情報加工手段により加工されたプレゼンス情報を、上記プレゼンス情報収集端末に送信する提供側プレゼンス情報送信手段とを有することを特徴とする。
【0010】
第2の本発明のネットワークシステムは、(1)プレゼンス情報を提供するプレゼンス情報提供端末と、プレゼンス情報を収集するプレゼンス情報収集端末と、上記プレゼンス情報提供端末からプレゼンス情報を受信し、受信したプレゼンス情報を上記プレゼンス情報収集端末に向けて送信するプレゼンス情報収集配信システムとを有するネットワークシステムにおいて、(1)上記プレゼンス情報収集配信システムとして、第1の本発明のプレゼンス情報収集配信システムを適用したことを特徴とするネットワークシステム。
【0011】
第3の本発明のプレゼンス情報収集配信プログラムは、コンピュータを、(1)プレゼンス情報を提供するプレゼンス情報提供端末から、上記プレゼンス情報提供端末に係るプレゼンス情報を受信する提供側プレゼンス情報受信手段と、(2)プレゼンス情報を収集するプレゼンス情報収集端末から、上記プレゼンス情報収集端末の状態に関する情報を受信する収集側状態情報受信手段と、(3)上記プレゼンス情報収集端末の状態に応じて、上記提供側プレゼンス情報受信手段が受信したプレゼンス情報を加工するプレゼンス情報加工手段と、(4)上記プレゼンス情報加工手段により加工されたプレゼンス情報を、上記プレゼンス情報収集端末に送信する提供側プレゼンス情報送信手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
リアルタイムなウォッチャー(プレゼンス情報収集側)の状態に応じたプレゼンス情報を、プレゼンティティ(プレゼンス情報提供側)からウォッチャーに通知することができるプレゼンス情報収集配信システムを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(A)主たる実施形態
以下、本発明によるプレゼンス情報収集配信システム、ネットワークシステム及びプレゼンス情報収集配信プログラムの一実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0014】
(A−1)実施形態の構成
図2は、ネットワークシステム1の全体構成について示したブロック図である。
【0015】
ネットワークシステム1は、プレゼンスサーバ10、端末20、IP網30を有する。ネットワークシステム1では、プレゼンスサーバ10、端末20が、IP網30に接続して通信しているものとする。また、ここでは、ネットワークシステム1は、3台のプレゼンスサーバ10(10−1、10−2、10−3)と、3台の端末20(20−1、20−2、20−3)とを有しているものとするが、プレゼンスサーバ10及び端末20の数は限定されないものである。また、端末20−1は、プレゼンティティ(プレゼンス情報提供者)が使用する端末であり、端末20−2、20−3は、ウォッチャー(プレゼンス情報収集(購読)者)が使用する端末であるものとする。
【0016】
プレゼンスサーバ10−1〜10−3は、はプレゼンティティが使用する端末20からプレゼンティティの状態などの情報を有するプレゼンス情報を収集し、所定のウォッチャーが使用する端末20に対して、プレゼンス情報をリアルタイムに通知するものである。ここでは、プレゼンスサーバ10−1は、端末20−1(プレゼンティティ端末)からプレゼンス情報を収集して、プレゼンスサーバ10−2を経由して端末20−2(ウォッチャー端末)に収集したプレゼンス情報を通知するものとする。
【0017】
また、プレゼンスサーバ10は、端末20とSIP又はXCAP(XML Configuration Access Protocol、IETF RFC4825参照)にて接続し、他のプレゼンスサーバ10とはSIPにて接続しても良い。
【0018】
図1は、プレゼンスサーバ10−1〜10−3の内部構成について示したブロック図である。なお、図1は、例としてプレゼンスサーバ10−1の内部構成について示しているが、他のプレゼンスサーバ10も同様の構成である。
【0019】
各プレゼンスサーバ10−1〜10−3は、プレゼンス情報処理部11、SIP信号処理部12、仮想ウォッチャー処理部13、ポリシー制御部14、XCAP/HTTP処理部15、プレゼンス情報管理部16、ユーザ情報管理部17、ポリシー情報管理部18を有している。
【0020】
なお、この実施形態のプレゼンス情報収集配信システムは、少なくともプレゼンスサーバ10−1、10−2を、サブシステムとして有しているものとする。図1及び図2においては、プレゼンスサーバ10−1、プレゼンスサーバ10−2はそれぞれ別の装置として記載されているが、1つの装置として構築しても良いし、3以上の装置により分散処理し得るようにしたものであっても良く、その分散処理の方式は限定されないものである。また、この実施形態のプレゼンス情報収集配信システムは、パソコンなどの情報処理装置(1台に限定されず、複数台を分散処理し得るようにしたものであっても良い。)上に、実施形態のプレゼンス情報収集配信プログラム(固定データを含む)をインストールすることにより構築されるものであるが、機能的には図1及び図2のように表すことができる。
【0021】
また、この実施形態の情報収集配信システム、及び、ネットワークシステム1は、例えば、IETFで検討されているSIP/SIMPLE(SIP for Instant Messaging and Presence Leveraging Extensions)のフレームワークを利用して構築しても良い。IETF SIP/SIMPLEにおけるプレゼンスサービスに関するフレームワークとしては、例えば、IETF RFC3265(非特許文献1参照)に示されるように、SUBSCRIBE/NOTIFYメソッドを利用してプレゼンス情報の登録とプレゼンス情報の通知を実現するものが挙げられる。例えば、プレゼンスサーバ10同士の間、及び、プレゼンスサーバ10と端末20の間の、プレゼンス情報の登録とプレゼンス情報の通知について、SUBSCRIBE/NOTIFYメソッドを用いても良い。
【0022】
プレゼンス情報処理部11は、プレゼンス関連情報の制御をするものである。SIP信号処理部12は、SIPの信号により、他のプレゼンスサーバ10や端末20とのデータ送受信制御をするものである。
【0023】
ポリシー制御部14は、ポリシー情報管理部18に記憶されたポリシー情報に基づいてプレゼンス通知のポリシー制御をするものである。ポリシー情報管理部18は、ポリシー制御部14において適用されるポリシー情報を管理するものである。ポリシー情報管理部18に記憶されるポリシー情報は、プレゼンティティ又はウォッチャー(の端末20)から受信した情報に基づいて、各プレゼンティティ又はウォッチャー(の端末20)ごとに設定しても良い。又、ポリシー情報管理部18に記憶されるポリシー情報は、予め登録されているものを適用するようにしても良い。ポリシー制御部14の具体的な機能及び、ポリシー情報管理部18に記憶される情報の詳細については後述する。
【0024】
仮想ウォッチャー処理部13は、ポリシー制御部14と連携しプレゼンスサーバのハンドリングによりウォッチャー(端末20−2)に適切なプレゼンス情報通知を実現するものであり、ウォッチャー情報記憶部13aを有している。仮想ウォッチャー処理部13は、ウォッチャーに関する情報をウォッチャー情報記憶部13aに記憶し、記憶された情報に基づいてプレゼンス情報の収集及び通知を行う。仮想ウォッチャー処理部13の具体的な機能及び、ウォッチャー情報記憶部13aに記憶される情報については後述する。
【0025】
ユーザ情報管理部17は、加入者情報や位置情報等を管理するものである。プレゼンス情報管理部16は、各ユーザのプレゼンス情報を管理するものである。XCAP/HTTP処理部15は、XCAP又はHTTPを用いて、端末20からプレゼンスポリシー情報の受信など実施するものである。
【0026】
次に、プレゼンティティ側のプレゼンスサーバ10−1における、仮想ウォッチャー処理部13、ポリシー制御部14における具体的な処理、及び、ウォッチャー情報記憶部13a、ポリシー情報管理部18において管理される情報の詳細について説明する。
【0027】
図3は、プレゼンスサーバ10が、プレゼンティティのプレゼンスサーバとして動作する場合に、仮想ウォッチャー処理部13において生成され、ウォッチャー情報記憶部13aに記憶されるウォッチャーリスト300の例について示した説明図である。
【0028】
ウォッチャーリスト300は、プレゼンティティ(端末20−1)について、現在情報購読をしているウォッチャーの情報を示すものであり、ウォッチャー側のプレゼンスサーバ10−2からの購読要求受信時に生成されるものである。例えば、プレゼンスサーバ10−1において、ウォッチャー側のプレゼンスサーバ10−2から、プレゼンティティ(端末20−1)について購読要求があった際に、プレゼンスサーバ10−1内の仮想ウォッチャー処理部13において、プレゼンティティにごとに生成される。又、仮想ウォッチャー処理部13では、プレゼンティティごとに仮想ウォッチャーが生成(起動)される。仮想ウォッチャーは、対応するプレゼンティティのウォッチャーリスト300の内容を管理するとともに、ウォッチャーの状態に応じたプレゼンス情報を生成して、ウォッチャー側のプレゼンスサーバ10−2に通知するなどの機能を担っている。
【0029】
ウォッチャーリスト300は、情報配信先ユーザID301、送信アドレス302、ウォッチャー状態303の情報を有している。
【0030】
情報配信先ユーザID301(仮想ウォッチャーID)は、ウォッチャー側のプレゼンスサーバ10−2において、当該プレゼンティティのプレゼンス情報を購読している仮想ウォッチャーを識別するための情報を示している。ウォッチャー側のプレゼンスサーバ10−2における仮想ウォッチャーの詳細については後述する。
【0031】
送信アドレス302は、ウォッチャーの端末20を識別するための情報であり、例えばここでは、IPアドレス、ドメイン名などが入力されるものとする。
【0032】
ウォッチャー状態303は、ウォッチャーの状態を示しており、ここでは、例えば、状態1、状態2、状態3の3つのステータスで示されるものとする。状態1は、当該ウォッチャーがログインしているオンライン状態か、ログオフしているオフライン状態かを示すものである。状態2は、当該ウォッチャーが、現在仕事中であるか、仕事中ではなくプライベートな状態であるかを示している。状態3は、当該ウォッチャーの現在のロケーション(居場所)について示している。ロケーションの表示は、ロケーションの名称(例えば、「蕨」や「自宅」など)としても良いし、座標情報(例えば、緯度経度情報)などにより示しても良く、ロケーションを認識できる情報であれば、その形式は限定されないものである。
【0033】
図5は、プレゼンスサーバ10が、プレゼンティティのプレゼンスサーバとして動作する場合に、ポリシー制御部14において適用される、通知ポリシーテーブル500の例について示した説明図である。
【0034】
通知ポリシーテーブル500は、ウォッチャーに通知するプレゼンティティのプレゼンス情報のポリシーについて定義したテーブルであり、プレゼンティティ(端末20−1)からのポリシー登録時に、ポリシー情報管理部18に設定されるものである。通知ポリシーテーブル500は、ポリシーID501、通知ポリシー502の情報を有している。ポリシーID501は、ポリシーを識別するためのIDである。
【0035】
通知ポリシー502は、ウォッチャーに通知するプレゼンティティの情報を示している。ここでは、ウォッチャーに通知するプレゼンス情報としては、状態1(オンライン/オフライン)、状態2(仕事/プライベート)、状態3(ロケーション情報)の項目があり、通知ポリシー502において、どのような組み合わせの情報を送信するかが定義されるものとする。例えば、ポリシーID501が「2」の、「通知ポリシー502では、状態1(オンライン/オフライン)、状態2(仕事/プライベート)を通知」となっているので、このポリシーが適用されたウォッチャーには、状態1、状態2の情報は通知されるが、状態3(ロケーション情報)については通知されないことになる。
【0036】
図4は、プレゼンスサーバ10が、プレゼンティティ側のプレゼンスサーバとして動作する場合に、ポリシー制御部14において適用される通知条件テーブル400の例について示した説明図である。
【0037】
通知条件テーブル400は、ウォッチャーがどのような条件(状態)の場合に、通知ポリシーテーブル500(図5参照)のどのポリシーを適用するかについて定義したテーブルであり、プレゼンティティ(端末20−1)からのポリシー登録時に、ポリシー情報管理部18に設定されるものである。通知条件テーブル400は、条件NO401、条件402、適用ポリシー403の情報を有している。
【0038】
条件NO401は、条件を識別する情報を示している。
【0039】
条件402は、ウォッチャーの状態を示しており、ウォッチャーリスト300のウォッチャー状態303(図3参照)に対応するものである。適用ポリシー403は、ウォッチャーが、条件402の条件に一致する状態の場合に適用する通知ポリシーテーブル500のポリシーID501(図5参照)を示すものである。例えば、条件NO401が「2」の条件402においては、条件402:「ウォッチャーの状態2=プライベート」、適用ポリシー403:「2」となっているので、ウォッチャーリスト300においてウォッチャー状態303の状態2が「プライベート」となっているウォッチャーについては、通知ポリシーテーブル500のポリシーID501が「2」の通知ポリシー502が適用され、状態1(オンライン/オフライン)、状態2(仕事/プライベート)のみが通知されることになる。
【0040】
プレゼンティティ側のプレゼンスサーバ10−1において、仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)は、ポリシー制御部14に、上述のウォッチャーリスト300(図3参照)の情報を通知し、ポリシー制御部14にて、通知条件テーブル400(図4参照)、通知ポリシーテーブル500(図5参照)、により通知条件を決定して、仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)へ応答する。応答を受信した仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)は、ポリシー制御部14から通知された通知ポリシーに従ったプレゼンス情報を生成して、送信先(ウォッチャー側のプレゼンスサーバ10−2)に送信する。
【0041】
次に、ウォッチャー側のプレゼンスサーバ10−2における、仮想ウォッチャー処理部13、ポリシー制御部14の詳細について説明する。
【0042】
図6は、プレゼンスサーバ10が、ウォッチャーのプレゼンスサーバとして動作する場合に、仮想ウォッチャー処理部13において生成され、ウォッチャー情報記憶部13aに記憶されるウォッチャー情報管理テーブル600の例について示した説明図である。
【0043】
ウォッチャー情報管理テーブル600は、当該プレゼンスサーバ10が収容している各ウォッチャーの状態、及び、現在プレゼンス情報を購読しているプレゼンティティの情報を管理するものである。ウォッチャー情報管理テーブル600の情報は、ウォッチャー(端末20−2)からの購読要求受信時に、仮想ウォッチャー処理部13において生成される。例えば、プレゼンスサーバ10−2において、ウォッチャー(端末20−2)から、プレゼンティティ(端末20−1)について購読要求があった際に、プレゼンスサーバ10−2内の仮想ウォッチャー処理部13において、プレゼンティティにごとに生成される。又、仮想ウォッチャー処理部13では、ウォッチャーごとに仮想ウォッチャーが生成(起動)される。仮想ウォッチャーは、対応するウォッチャーのウォッチャー情報管理テーブル600の内容を管理するとともに、ウォッチャーの状態に応じたプレゼンス情報を生成して、ウォッチャー(端末20−2)に通知するなどの機能を担っている。
【0044】
ウォッチャー情報管理テーブル600は、情報配信先ユーザID601、仮想ウォッチャーID602、ウォッチャー状態603、プレゼンティティID604の情報を有している。情報配信先ユーザID601は、ウォッチャーのユーザIDを示すものである。仮想ウォッチャーID602は、当該ウォッチャーに対応する仮想ウォッチャーを識別するための情報である。
【0045】
ウォッチャー状態603は、ウォッチャーの状態を示しており、ここでは例えば、状態1、状態2、状態3、状態4の4つのステータスで示されるものとする。状態1、状態2、状態3については、上述のウォッチャーリスト300と同様のものであるので説明を省略する。状態4は、ウォッチャーが現在使用している端末の情報を示す端末条件である。例えば、情報配信先ユーザID601が「aaa」のウォッチャー状態603は、状態4が「携帯」となっているので、当該ウォッチャーは携帯電話を用いてログインしていることを示している。
【0046】
プレゼンティティID604は、当該ウォッチャーが現在プレゼンス情報購読をしているプレゼンティティの一覧を示している。
【0047】
図8は、プレゼンスサーバ10が、ウォッチャー側のプレゼンスサーバとして動作する場合に、ポリシー制御部14において適用される通知ポリシーテーブル800の例について示した説明図である。
【0048】
通知ポリシーテーブル800は、ウォッチャーに送信するプレゼンティティの情報のポリシーについて定義したテーブルであり、ウォッチャー(端末20−2)のポリシー登録時に、ポリシー情報管理部18に設定されるものである。通知ポリシーテーブル800は、ポリシーID801、通知ポリシー802の情報を有している。ポリシーID801、通知ポリシー802は、上述の通知ポリシーテーブル500におけるポリシーID501、通知ポリシー502と同様の内容であるので詳しい説明を省略する。
【0049】
図7は、プレゼンスサーバ10が、ウォッチャー側のプレゼンスサーバとして動作する場合に、ポリシー制御部14において適用される通知条件テーブル700の例について示した説明図である。
【0050】
通知条件テーブル700は、ウォッチャーがどのような条件(状態)の場合に、通知ポリシーテーブル800(図8参照)のどのポリシーを適用するかについて定義したテーブルであり、ウォッチャー(端末20−2)のポリシー登録時に、ポリシー情報管理部18に設定されるものである。通知条件テーブル700は、条件NO701、条件702、適用ポリシー703の情報を有している。
【0051】
条件NO701は、条件を識別する情報を示している。条件702は、ウォッチャーの状態を示しており、ウォッチャー情報管理テーブル600のウォッチャー状態603(図6参照)に対応するものである。適用ポリシー703は、ウォッチャーが、条件702の条件に一致する状態の場合に適用する、通知ポリシーテーブル800のポリシーID801(図8参照)を示すものである。ポリシーの適用方法については上述の通知条件テーブル400、通知ポリシーテーブル500と同様であるので詳しい説明を省略する。
【0052】
ウォッチャー側のプレゼンスサーバ10−2において、仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)は、ポリシー制御部14に、上述のウォッチャー情報管理テーブル600(図6参照)を通知し、ポリシー制御部14にて、通知条件テーブル700(図7参照)、通知ポリシーテーブル800(図8参照)により通知条件を決定して、仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)へ応答する。応答を受信した、仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)は、ポリシー制御部14から通知された通知ポリシーに従った情報を生成して、送信先(ウォッチャー(端末20−2))に送信する。
【0053】
(A−2)実施形態の動作
次に、以上のような構成を有するこの実施形態のネットワークシステム1におけるプレゼンス情報収集配信の動作を説明する。
【0054】
図9は、ネットワークシステム1における、プレゼンス情報収集配信に関する動作について示した説明図である。
【0055】
ここでは、プレゼンティティのユーザが端末20−1をしており、ウォッチャーのユーザは端末20−2を使用してログインしているものとする。
【0056】
まず、プレゼンティティ(端末20−1)の状態通知が、プレゼンスサーバ10−1にされ(S101)、ウォッチャー(端末20−2)の状態通知がプレゼンスサーバ10−2にされたものとする(S102)。
【0057】
そして、ウォッチャー(端末20−2)からプレゼンティティ(端末20−1)に対する購読要求が、プレゼンスサーバ10−2へ送信されたものとする(S103)。
【0058】
プレゼンティティ(端末20−1)に対する購読要求を受信すると、プレゼンスサーバ10−2の仮想ウォッチャー処理部13では、ウォッチャー(端末20−2)に対応する仮想ウォッチャーが生成され、ウォッチャー情報管理テーブル600の情報が生成される(S104)。
【0059】
そして、プレゼンスサーバ10−2内の仮想ウォッチャー処理部13により、ウォッチャー(端末20−2)が購読要求したプレゼンティティ(端末20−1)を収容するプレゼンスサーバ10−1に購読要求が送信される(S105)。
【0060】
プレゼンスサーバ10−2から購読要求を受信すると、プレゼンスサーバ10−1の仮想ウォッチャー処理部13では、プレゼンティティ(端末20−1)に対応する仮想ウォッチャーが生成され、ウォッチャーリスト300が生成される(S106)。
【0061】
そして、プレゼンスサーバ10−1の仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)では、購読要求をしたウォッチャー(端末20−2)の状態を逐次管理するために、プレゼンスサーバ10−2へウォッチャー(端末20−2)の状態(プレゼンス情報)について購読要求が実施される。そして、プレゼンスサーバ10−2の仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)では、ウォッチャー(端末20−2)の状態(プレゼンス情報)が収集され、プレゼンスサーバ10−1の仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)に通知される。ウォッチャー(端末20−2)の状態(プレゼンス情報)が通知されると、プレゼンスサーバ10−1の仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)では、通知された状態(プレゼンス情報)がウォッチャーリスト300に反映される(S107)。
【0062】
ウォッチャー(端末20−2)の状態(プレゼンス情報)を受信すると、プレゼンスサーバ10−1の仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)及びポリシー制御部14では、ウォッチャーリスト300の内容と、通知条件テーブル400の内容と、通知ポリシーテーブル500の内容とに基づいて、通知内容が決定され、ウォッチャー(端末20−2)に通知するプレゼンス情報が生成される(S108)。
【0063】
次に、プレゼンスサーバ10−1の仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)により、上述のステップS108において生成されたプレゼンス情報が、プレゼンスサーバ10−2に通知される(S109)。
【0064】
プレゼンティティ(端末20−1)のプレゼンス情報を受信すると、プレゼンスサーバ10−2の仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)及びポリシー制御部14では、ウォッチャー情報管理テーブル600の内容と、通知条件テーブル700の内容と、通知ポリシーテーブル800の内容とに基づいて通知内容が決定され、ウォッチャー(端末20−2)に送信するプレゼンス情報が生成される(S110)。
【0065】
次に、プレゼンスサーバ10−2の仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)により、上述のステップS110においてにおいて生成されたプレゼンス情報が、プレゼンスサーバ10−2に通知される(S111)。
【0066】
ウォッチャー(端末20−2)の状態が変更されると、上述のステップS102と同様の状態通知がウォッチャー(端末20−2)からプレゼンスサーバ10−2に送信され、その内容がプレゼンスサーバ10−2の仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)によりウォッチャー情報管理テーブル600に反映される。その後、プレゼンスサーバ10−1の仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)にウォッチャー(端末20−2)の状態(プレゼンス情報)が通知され、プレゼンスサーバ10−1の仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)によりウォッチャーリスト300の情報が更新される。
【0067】
プレゼンティティ(端末20−1)の状態が変更されると、上述のステップS101と同様の状態通知が送信され、以降上述のステップS108〜S111と同様の処理により動作する。
【0068】
図10及び図11は、上述の図9に示す動作をSIP/SIMPLEベース(SCRIBE/NOTIFYメソッドを利用)で表現したシーケンス図である。
【0069】
まず、事前準備として、プレゼンティティ(端末20−1)から、プレゼンスサーバ10−1へ、端末登録(REGISTER)、状態通知(PUBLISH)、ポリシー情報が通知(XCAP PUT)される。そして、プレゼンスサーバ10−1のポリシー情報管理部18において、通知されたポリシー情報が、通知条件テーブル400、通知ポリシーテーブル500に設定される(S201)。ステップS201は上述のステップS101に対応する動作である。
【0070】
そして、ウォッチャー(端末20−2)から、プレゼンスサーバ10−2へも同様に、端末登録(REGISTER)、状態通知(PUBLISH)、ポリシー情報が設定(XCAP PUT)される。そして、プレゼンスサーバ10−2のポリシー情報管理部18において、通知されたポリシー情報が、通知条件テーブル700、通知ポリシーテーブル800に設定される(S202)。ステップS202は上述のステップS102に対応する動作である。
【0071】
次に、ウォッチャー(端末20−2)からプレゼンスサーバ10−2に、プレゼンティティ(端末20−1)のプレゼンス情報について購読要求(SUBSCRIBE)が通知されると、プレゼンスサーバ10−2の仮想ウォッチャー処理部13では、ウォッチャー情報管理テーブル600が生成され、ウォッチャー(端末20−2)に対応する仮想ウォッチャーが生成される。そして、プレゼンスサーバ10−2から、プレゼンスサーバ10−1に、プレゼンティティ(端末20−1)のプレゼンス情報について購読要求(SUBSCRIBE)が通知される(S203)。ステップS203は上述のステップS103〜S105に対応する動作である。
【0072】
プレゼンスサーバ10−2から、プレゼンスサーバ10−1に、購読要求(SUBSCRIBE)が通知されると、プレゼンスサーバ10−1の仮想ウォッチャー処理部13では、ウォッチャーリスト300が生成され、プレゼンティティ(端末20−1)に対応する仮想ウォッチャーが生成される。そして、プレゼンスサーバ10−1から、プレゼンスサーバ10−2に、ウォッチャー(端末20−2)のプレゼンス情報について購読要求(SUBSCRIBE)が通知される(S204)。
【0073】
プレゼンスサーバ10−1から購読要求(SUBSCRIBE)が通知されると、プレゼンスサーバ10−2では、ウォッチャー情報管理テーブル600のウォッチャー(端末20−2)の状態に関する情報が参照され、プレゼンスサーバ10−1に状態通知(NOTIFY)される。そして、プレゼンスサーバ10−1の仮想ウォッチャー処理部13では、通知された情報に基づいて、ウォッチャーリスト300の内容が更新される(S205)。ステップS204、S205は上述のステップS106、S107に対応する動作である。
【0074】
次に、プレゼンスサーバ10−1では、仮想ウォッチャー処理部13及びポリシー制御部14により、ウォッチャーリスト300、通知条件テーブル400の情報に基づいて、通知ポリシーテーブル500のいずれかのポリシーが決定され、決定されたポリシーに基づいたプレゼンス情報が生成される。すなわち、ウォッチャー(端末20−2)の状態に応じて決定したポリシーに基づいて、プレゼンスサーバ10−2へ通知されるプレゼンティティ(端末20−1)のプレゼンス情報が生成される。そして、生成されたプレゼンス情報が、プレゼンスサーバ10−1からプレゼンスサーバ10−2へ通知(NOTIFY)される。プレゼンスサーバ10−1からプレゼンティティ(端末20−1)のプレゼンス情報が通知されると、プレゼンスサーバ10−2では、仮想ウォッチャー処理部13及びポリシー制御部14により、ウォッチャー情報管理テーブル600、通知条件テーブル700の情報に基づいて、通知ポリシーテーブル800のいずれかのポリシーが決定され、決定されたポリシーに基づいたプレゼンス情報が生成される。そして、生成されたプレゼンス情報が、プレゼンスサーバ10−2からウォッチャー(端末20−2)へ通知(NOTIFY)される(S206)。ステップS206は、上述のS108〜S111に対応する動作である。
【0075】
次に、ウォッチャー(端末20−2)の状態が変化した場合の動作について説明する。ウォッチャー(端末20−2)の状態が変化すると、プレゼンスサーバ10−2へ状態通知(PUBLISH)がされる。状態通知(PUBLISH)がされるとプレゼンスサーバ10−2では、通知された情報に基づいて、ウォッチャー情報管理テーブル600の情報が更新される。そして、プレゼンスサーバ10−2から、プレゼンスサーバ10−1に、ウォッチャー(端末20−2)に関する状態通知(NOTIFY)がされる。ウォッチャー(端末20−2)に関する状態通知(NOTIFY)がされると、プレゼンスサーバ10−1では、通知された情報に基づいて、ウォッチャーリスト300の内容が更新される(S207)。
【0076】
次に、プレゼンティティ(端末20−1)の状態が変化した場合の動作について説明する。プレゼンティティ(端末20−1)の状態が変化すると、プレゼンスサーバ10−1へ状態通知(PUBLISH)がされる。そして、状態通知(PUBLISH)がされるとプレゼンスサーバ10−1では、上述のステップS206と同様の動作によりウォッチャー(端末20−2)に通知するためのプレゼンス情報が再度生成され、プレゼンスサーバ10−2状態通知(NOTIFY)される。そして、プレゼンスサーバ10−2においても同様に、ウォッチャー(端末20−2)に通知するためのプレゼンス情報が再度生成され、ウォッチャー(端末20−2)に状態通知(NOTIFY)される。ただし、プレゼンスサーバ10−2で、通知ポリシーテーブル800のうち適用されるポリシーが「通知しない」というものであった場合などは、プレゼンスサーバ10−2からウォッチャー(端末20−2)にプレゼンス情報は通知(NOTIFY)されない場合がある。
【0077】
(A−3)実施形態の効果
この実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0078】
この実施形態では、プレゼンティティ側のプレゼンスサーバ10−1、及びウォッチャー側のプレゼンスサーバ10−2双方で、仮想ウォッチャー処理及びそれぞれの通知ポリシー情報を管理することで、プレゼンティティ側から、ウォッチャーの状態に応じた、情報通知を実現することができる。また、ウォッチャー側での受信ポリシーも考慮した形でウォッチャーはプレゼンティティ情報を受信することができる。
【0079】
また、上述の図10及び図11に示すように、この実施形態のネットワークシステム(プレゼンス情報収集配信システム)は、IETF SIPMPLEベースのフレームワークから逸脱することなく、構築することができる。これにより、SIP/SIMPLEベースのフレームワークを利用してネットワークシステム(プレゼンス情報収集配信システム)を実現することができる。
【0080】
また、この実施形態では、イベント通知フィルタ技術(IETF RFC4660、非特許文献3参照)を使用しないので、ネットワークに流れるトラフィックを低減できるとともに、プレゼンティティ側の端末20−1への処理負荷も低減することができる。
【0081】
(B)他の実施形態
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
【0082】
(B−1)上記の実施形態で規定しているプレゼンスサーバ間の通信は、SIPに限定されないものである。例えば、単にプレゼンス情報や、各種命令(購読要求など)の情報を有するデータファイルをHTTPなどにより交換しても良い。
【0083】
(B−2)上記の実施形態においては、プレゼンティティ側のプレゼンスサーバ10−1と、ウォッチャー側のプレゼンスサーバ10−2の双方において、仮想ウォッチャー処理部13、ポリシー制御部14などを備えて、プレゼンティティ(端末20−1)に係るプレゼンス情報を、ウォッチャー(端末20−2)の状態に応じて加工しているが、プレゼンティティ側のプレゼンスサーバ10−1のみにおいて、プレゼンス情報を加工するようにしても良い。また、ウォッチャー側のプレゼンスサーバ10−2のみにおいて、プレゼンス情報を加工するようにしても良い。
【0084】
(B−3)上記の実施形態において、プレゼンスサーバ10は、ウォッチャー側プレゼンスサーバとして必要な構成のみ有していても良い。例えば、プレゼンスサーバ10が、プレゼンティティの端末のみを収容し、ウォッチャー情報管理テーブル600、通知条件テーブル700、通知ポリシーテーブル800に係る処理を行わないようにしても良い。
【0085】
また、プレゼンスサーバ10は、ウォッチャー側プレゼンスサーバとして必要な構成のみ有していても良い。例えば、プレゼンスサーバ10が、ウォッチャーの端末のみを収容し、ウォッチャーリスト300、通知条件テーブル400、通知ポリシーテーブル500に係る処理を行わないようにしても良い。
【0086】
(B−4)上記の実施形態において、ネットワークシステム1に、呼制御サーバを別途配置してIP網に接続させ、各装置(システム)間の通信について呼制御する構成としても良い。
【0087】
(B−5)上記の実施形態においてウォッチャーリスト300、通知条件テーブル400、通知ポリシーテーブル500、ウォッチャー情報管理テーブル600、通知条件テーブル700、通知ポリシーテーブル800は、各項目の情報が記憶されていれば、上述の図3〜図8に示すようなテーブルの構成に限定されないものである。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】実施形態に係るプレゼンスサーバの内部構成について説明したブロック図である。
【図2】実施形態に係る、ネットワークシステムの全体構成について説明したブロック図である。
【図3】実施形態に係る、プレゼンスサーバにおいて生成されるウォッチャーリストの例について示した説明図である。
【図4】実施形態に係るプレゼンスサーバが、プレゼンティティ側のプレゼンスサーバとして動作する場合に適用される通知条件テーブルの例について説明した説明図である。
【図5】実施形態に係るプレゼンスサーバが、プレゼンティティ側のプレゼンスサーバとして動作する場合に適用される通知ポリシーテーブルの例について説明した説明図である。
【図6】実施形態に係る、プレゼンスサーバにおいて生成されるウォッチャー情報管理テーブルの例について示した説明図である。
【図7】実施形態に係るプレゼンスサーバが、ウォッチャー側のプレゼンスサーバとして動作する場合に適用される通知条件テーブルの例について説明した説明図である。
【図8】実施形態に係るプレゼンスサーバが、ウォッチャー側のプレゼンスサーバとして動作する場合に適用される通知ポリシーテーブルの例について説明した説明図である。
【図9】実施形態に係るネットワークシステム(プレゼンス情報収集配信システム)の動作について示した説明図である。
【図10】実施形態に係るネットワークシステム(プレゼンス情報収集配信システム)の動作をSIP/SIMPLEベースで示したシーケンス図の前半部分である。
【図11】実施形態に係るネットワークシステム(プレゼンス情報収集配信システム)の動作をSIP/SIMPLEベースで示したシーケンス図の後半部分である。
【符号の説明】
【0089】
1…ネットワークシステム、10、10−1〜10−3…プレゼンスサーバ、20、20−1〜20−3…端末、30…IP網、11…プレゼンス情報処理部、12…SIP信号処理部、13…仮想ウォッチャー処理部、13a…ウォッチャー情報記憶部、14…ポリシー制御部、15…XCAP/HTTP処理部、16…プレゼンス情報管理部、17…ユーザ情報管理部、18…ポリシー情報管理部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレゼンス情報収集配信システム、ネットワークシステム及びプレゼンス情報収集配信プログラムに関し、例えば、SIP(Session Initiation Protocol)を利用したプレゼンス情報収集配信システムに適用し得る。
【背景技術】
【0002】
ユーザの状態(電話中、離席中等)をリアルタイムに相手に伝えるコミュニケーションサービスとして「プレゼンスサービス」というサービスが存在する。昨今のプレゼンスサービスは、旧来のオンライン/オフライン程度の状態だけでなく、様々な状態等を通知できるにようになってきている。それに伴い、ロケーションの状況(ユーザの居場所)や、ユーザが使用する端末の種類などによって、ユーザが受け取りたい情報を制限するなど、ユーザの状態に応じて最適な情報通知を実施する要望がある。
【0003】
プレゼンス情報を提供するプレゼンティティ側の端末から、プレゼンス情報を購読(収集)するウォッチャー側の端末に通知する情報を制限する方法として、SIP(Session Initiation Protocol)を利用したシステムがある。例えば、Presence Authorization rule(非特許文献4参照)に基づいてプレゼンス情報のウォッチャーに対する開示ポリシーを管理・制御してウォッチャーに送信する情報を制限することも考えられる。また、ウォッチャー側からプレゼンティティ側へのSUBSCRIBE時(情報通知の予約時)に設定したイベント通知フィルタ(Event Notification filtering、非特許文献3参照)の内容に基づいて、不要なプレゼンス情報の更新通知をフィルタリングし、ウォッチャー側で必要な情報のみを通知することも考えられる。
【0004】
しかし、上述の方式では、ウォッチャーからのSUBSCRIBE時(情報通知の予約時)に設定したイベント通知フィルタや、プレゼンス情報のウォッチャーに対する開示ポリシーで一意に送信される情報が決まり、ウォッチャーの状況に応じた送信はできない。ウォッチャー側の状態が変わった場合に、ウォッチャーから再度イベント通知フィルタを設定したSUBSCRIBEを送信することも考えられるが、ウォッチャーが複数のプレゼンティティについてプレゼンス情報購読をしている場合に、そのたびにネットワーク上に大量のトラフィックが発生するという問題がある。また、プレゼンスサーバ及びクライアント端末への負荷も大きくなるという問題もある。さらに、ウォッチャー側においてイベント通知フィルタの機能を具備していることが前提になる。
【0005】
また、ウォッチャー側からの情報に基づいて、プレゼンティティ側で送信するプレゼンス情報の内容を制御するシステムとしては、特許文献1及び特許文献2に示すものが提案されている。特許文献2に記載されているシステムは、ウォッチャー側の状態をプレゼンティティ側の条件(ポリシー)に基づいて通知し、プレゼンティティ側ではウォッチャー側の状態により通知する情報の制限を実施するものである。特許文献1に記載されているシステムは、あらかじめ登録されている条件(ポリシー)によって、プレゼンティティ側からウォッチャー側に通知する情報の制限を実施するものである。
【特許文献1】特開2005−044134号公報
【特許文献2】特開2006−277243号公報
【非特許文献1】IETF RFC3265
【非特許文献2】IETF RFC3261
【非特許文献3】IETF RFC4660
【非特許文献4】IETF,「Presence Authorization Rules」,[Online],INTERNET,[2007年9月11日検索],<URL:http://www.ietf.org/internet-drafts/draft-ietf-simple-presence-rules-10.txt>
【非特許文献5】IETF RFC3856
【非特許文献6】IETF RFC3857
【非特許文献7】IETF RFC3903
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2で述べられる手段は、ウォッチャーの状態をプレゼンティティ側の条件(ポリシー)に基づいて、通知する方式であり、ウォッチャー側のポリシーの適用まで考慮されていない。また、特許文献2のシステムは、端末(クライアント端末)上での実現をベースに記載されており、サーバ(SIPを用いたプレゼンスサーバ)上において、具体的にどのようなフレームワーク(構成)でウォッチャーの情報をプレゼンティティに通知するかが明確でなく、特に、複数プレゼンスサーバの構成で実現することが考慮されていない。
【0007】
また、特許文献1も最適な通知方法手段として提案されているが、あらかじめ登録されているポリシー(条件)によって実施することが前提になっているため、リアルタイムなウォッチャーの状態を、プレゼンティティ側に通知することは考慮されていない。
【0008】
そのため、リアルタイムなウォッチャーの状態に応じたプレゼンス情報を、プレゼンティティからウォッチャーに通知することができるプレゼンス情報収集配信システム、ネットワークシステム及びプレゼンス情報収集配信プログラムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の本発明のプレゼンス情報収集配信システムは、(1)プレゼンス情報を提供するプレゼンス情報提供端末から、上記プレゼンス情報提供端末に係るプレゼンス情報を受信する提供側プレゼンス情報受信手段と、(2)プレゼンス情報を収集するプレゼンス情報収集端末から、上記プレゼンス情報収集端末の状態に関する情報を受信する収集側状態情報受信手段と、(3)上記プレゼンス情報収集端末の状態に応じて、上記提供側プレゼンス情報受信手段が受信したプレゼンス情報を加工するプレゼンス情報加工手段と、(4)上記プレゼンス情報加工手段により加工されたプレゼンス情報を、上記プレゼンス情報収集端末に送信する提供側プレゼンス情報送信手段とを有することを特徴とする。
【0010】
第2の本発明のネットワークシステムは、(1)プレゼンス情報を提供するプレゼンス情報提供端末と、プレゼンス情報を収集するプレゼンス情報収集端末と、上記プレゼンス情報提供端末からプレゼンス情報を受信し、受信したプレゼンス情報を上記プレゼンス情報収集端末に向けて送信するプレゼンス情報収集配信システムとを有するネットワークシステムにおいて、(1)上記プレゼンス情報収集配信システムとして、第1の本発明のプレゼンス情報収集配信システムを適用したことを特徴とするネットワークシステム。
【0011】
第3の本発明のプレゼンス情報収集配信プログラムは、コンピュータを、(1)プレゼンス情報を提供するプレゼンス情報提供端末から、上記プレゼンス情報提供端末に係るプレゼンス情報を受信する提供側プレゼンス情報受信手段と、(2)プレゼンス情報を収集するプレゼンス情報収集端末から、上記プレゼンス情報収集端末の状態に関する情報を受信する収集側状態情報受信手段と、(3)上記プレゼンス情報収集端末の状態に応じて、上記提供側プレゼンス情報受信手段が受信したプレゼンス情報を加工するプレゼンス情報加工手段と、(4)上記プレゼンス情報加工手段により加工されたプレゼンス情報を、上記プレゼンス情報収集端末に送信する提供側プレゼンス情報送信手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
リアルタイムなウォッチャー(プレゼンス情報収集側)の状態に応じたプレゼンス情報を、プレゼンティティ(プレゼンス情報提供側)からウォッチャーに通知することができるプレゼンス情報収集配信システムを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(A)主たる実施形態
以下、本発明によるプレゼンス情報収集配信システム、ネットワークシステム及びプレゼンス情報収集配信プログラムの一実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0014】
(A−1)実施形態の構成
図2は、ネットワークシステム1の全体構成について示したブロック図である。
【0015】
ネットワークシステム1は、プレゼンスサーバ10、端末20、IP網30を有する。ネットワークシステム1では、プレゼンスサーバ10、端末20が、IP網30に接続して通信しているものとする。また、ここでは、ネットワークシステム1は、3台のプレゼンスサーバ10(10−1、10−2、10−3)と、3台の端末20(20−1、20−2、20−3)とを有しているものとするが、プレゼンスサーバ10及び端末20の数は限定されないものである。また、端末20−1は、プレゼンティティ(プレゼンス情報提供者)が使用する端末であり、端末20−2、20−3は、ウォッチャー(プレゼンス情報収集(購読)者)が使用する端末であるものとする。
【0016】
プレゼンスサーバ10−1〜10−3は、はプレゼンティティが使用する端末20からプレゼンティティの状態などの情報を有するプレゼンス情報を収集し、所定のウォッチャーが使用する端末20に対して、プレゼンス情報をリアルタイムに通知するものである。ここでは、プレゼンスサーバ10−1は、端末20−1(プレゼンティティ端末)からプレゼンス情報を収集して、プレゼンスサーバ10−2を経由して端末20−2(ウォッチャー端末)に収集したプレゼンス情報を通知するものとする。
【0017】
また、プレゼンスサーバ10は、端末20とSIP又はXCAP(XML Configuration Access Protocol、IETF RFC4825参照)にて接続し、他のプレゼンスサーバ10とはSIPにて接続しても良い。
【0018】
図1は、プレゼンスサーバ10−1〜10−3の内部構成について示したブロック図である。なお、図1は、例としてプレゼンスサーバ10−1の内部構成について示しているが、他のプレゼンスサーバ10も同様の構成である。
【0019】
各プレゼンスサーバ10−1〜10−3は、プレゼンス情報処理部11、SIP信号処理部12、仮想ウォッチャー処理部13、ポリシー制御部14、XCAP/HTTP処理部15、プレゼンス情報管理部16、ユーザ情報管理部17、ポリシー情報管理部18を有している。
【0020】
なお、この実施形態のプレゼンス情報収集配信システムは、少なくともプレゼンスサーバ10−1、10−2を、サブシステムとして有しているものとする。図1及び図2においては、プレゼンスサーバ10−1、プレゼンスサーバ10−2はそれぞれ別の装置として記載されているが、1つの装置として構築しても良いし、3以上の装置により分散処理し得るようにしたものであっても良く、その分散処理の方式は限定されないものである。また、この実施形態のプレゼンス情報収集配信システムは、パソコンなどの情報処理装置(1台に限定されず、複数台を分散処理し得るようにしたものであっても良い。)上に、実施形態のプレゼンス情報収集配信プログラム(固定データを含む)をインストールすることにより構築されるものであるが、機能的には図1及び図2のように表すことができる。
【0021】
また、この実施形態の情報収集配信システム、及び、ネットワークシステム1は、例えば、IETFで検討されているSIP/SIMPLE(SIP for Instant Messaging and Presence Leveraging Extensions)のフレームワークを利用して構築しても良い。IETF SIP/SIMPLEにおけるプレゼンスサービスに関するフレームワークとしては、例えば、IETF RFC3265(非特許文献1参照)に示されるように、SUBSCRIBE/NOTIFYメソッドを利用してプレゼンス情報の登録とプレゼンス情報の通知を実現するものが挙げられる。例えば、プレゼンスサーバ10同士の間、及び、プレゼンスサーバ10と端末20の間の、プレゼンス情報の登録とプレゼンス情報の通知について、SUBSCRIBE/NOTIFYメソッドを用いても良い。
【0022】
プレゼンス情報処理部11は、プレゼンス関連情報の制御をするものである。SIP信号処理部12は、SIPの信号により、他のプレゼンスサーバ10や端末20とのデータ送受信制御をするものである。
【0023】
ポリシー制御部14は、ポリシー情報管理部18に記憶されたポリシー情報に基づいてプレゼンス通知のポリシー制御をするものである。ポリシー情報管理部18は、ポリシー制御部14において適用されるポリシー情報を管理するものである。ポリシー情報管理部18に記憶されるポリシー情報は、プレゼンティティ又はウォッチャー(の端末20)から受信した情報に基づいて、各プレゼンティティ又はウォッチャー(の端末20)ごとに設定しても良い。又、ポリシー情報管理部18に記憶されるポリシー情報は、予め登録されているものを適用するようにしても良い。ポリシー制御部14の具体的な機能及び、ポリシー情報管理部18に記憶される情報の詳細については後述する。
【0024】
仮想ウォッチャー処理部13は、ポリシー制御部14と連携しプレゼンスサーバのハンドリングによりウォッチャー(端末20−2)に適切なプレゼンス情報通知を実現するものであり、ウォッチャー情報記憶部13aを有している。仮想ウォッチャー処理部13は、ウォッチャーに関する情報をウォッチャー情報記憶部13aに記憶し、記憶された情報に基づいてプレゼンス情報の収集及び通知を行う。仮想ウォッチャー処理部13の具体的な機能及び、ウォッチャー情報記憶部13aに記憶される情報については後述する。
【0025】
ユーザ情報管理部17は、加入者情報や位置情報等を管理するものである。プレゼンス情報管理部16は、各ユーザのプレゼンス情報を管理するものである。XCAP/HTTP処理部15は、XCAP又はHTTPを用いて、端末20からプレゼンスポリシー情報の受信など実施するものである。
【0026】
次に、プレゼンティティ側のプレゼンスサーバ10−1における、仮想ウォッチャー処理部13、ポリシー制御部14における具体的な処理、及び、ウォッチャー情報記憶部13a、ポリシー情報管理部18において管理される情報の詳細について説明する。
【0027】
図3は、プレゼンスサーバ10が、プレゼンティティのプレゼンスサーバとして動作する場合に、仮想ウォッチャー処理部13において生成され、ウォッチャー情報記憶部13aに記憶されるウォッチャーリスト300の例について示した説明図である。
【0028】
ウォッチャーリスト300は、プレゼンティティ(端末20−1)について、現在情報購読をしているウォッチャーの情報を示すものであり、ウォッチャー側のプレゼンスサーバ10−2からの購読要求受信時に生成されるものである。例えば、プレゼンスサーバ10−1において、ウォッチャー側のプレゼンスサーバ10−2から、プレゼンティティ(端末20−1)について購読要求があった際に、プレゼンスサーバ10−1内の仮想ウォッチャー処理部13において、プレゼンティティにごとに生成される。又、仮想ウォッチャー処理部13では、プレゼンティティごとに仮想ウォッチャーが生成(起動)される。仮想ウォッチャーは、対応するプレゼンティティのウォッチャーリスト300の内容を管理するとともに、ウォッチャーの状態に応じたプレゼンス情報を生成して、ウォッチャー側のプレゼンスサーバ10−2に通知するなどの機能を担っている。
【0029】
ウォッチャーリスト300は、情報配信先ユーザID301、送信アドレス302、ウォッチャー状態303の情報を有している。
【0030】
情報配信先ユーザID301(仮想ウォッチャーID)は、ウォッチャー側のプレゼンスサーバ10−2において、当該プレゼンティティのプレゼンス情報を購読している仮想ウォッチャーを識別するための情報を示している。ウォッチャー側のプレゼンスサーバ10−2における仮想ウォッチャーの詳細については後述する。
【0031】
送信アドレス302は、ウォッチャーの端末20を識別するための情報であり、例えばここでは、IPアドレス、ドメイン名などが入力されるものとする。
【0032】
ウォッチャー状態303は、ウォッチャーの状態を示しており、ここでは、例えば、状態1、状態2、状態3の3つのステータスで示されるものとする。状態1は、当該ウォッチャーがログインしているオンライン状態か、ログオフしているオフライン状態かを示すものである。状態2は、当該ウォッチャーが、現在仕事中であるか、仕事中ではなくプライベートな状態であるかを示している。状態3は、当該ウォッチャーの現在のロケーション(居場所)について示している。ロケーションの表示は、ロケーションの名称(例えば、「蕨」や「自宅」など)としても良いし、座標情報(例えば、緯度経度情報)などにより示しても良く、ロケーションを認識できる情報であれば、その形式は限定されないものである。
【0033】
図5は、プレゼンスサーバ10が、プレゼンティティのプレゼンスサーバとして動作する場合に、ポリシー制御部14において適用される、通知ポリシーテーブル500の例について示した説明図である。
【0034】
通知ポリシーテーブル500は、ウォッチャーに通知するプレゼンティティのプレゼンス情報のポリシーについて定義したテーブルであり、プレゼンティティ(端末20−1)からのポリシー登録時に、ポリシー情報管理部18に設定されるものである。通知ポリシーテーブル500は、ポリシーID501、通知ポリシー502の情報を有している。ポリシーID501は、ポリシーを識別するためのIDである。
【0035】
通知ポリシー502は、ウォッチャーに通知するプレゼンティティの情報を示している。ここでは、ウォッチャーに通知するプレゼンス情報としては、状態1(オンライン/オフライン)、状態2(仕事/プライベート)、状態3(ロケーション情報)の項目があり、通知ポリシー502において、どのような組み合わせの情報を送信するかが定義されるものとする。例えば、ポリシーID501が「2」の、「通知ポリシー502では、状態1(オンライン/オフライン)、状態2(仕事/プライベート)を通知」となっているので、このポリシーが適用されたウォッチャーには、状態1、状態2の情報は通知されるが、状態3(ロケーション情報)については通知されないことになる。
【0036】
図4は、プレゼンスサーバ10が、プレゼンティティ側のプレゼンスサーバとして動作する場合に、ポリシー制御部14において適用される通知条件テーブル400の例について示した説明図である。
【0037】
通知条件テーブル400は、ウォッチャーがどのような条件(状態)の場合に、通知ポリシーテーブル500(図5参照)のどのポリシーを適用するかについて定義したテーブルであり、プレゼンティティ(端末20−1)からのポリシー登録時に、ポリシー情報管理部18に設定されるものである。通知条件テーブル400は、条件NO401、条件402、適用ポリシー403の情報を有している。
【0038】
条件NO401は、条件を識別する情報を示している。
【0039】
条件402は、ウォッチャーの状態を示しており、ウォッチャーリスト300のウォッチャー状態303(図3参照)に対応するものである。適用ポリシー403は、ウォッチャーが、条件402の条件に一致する状態の場合に適用する通知ポリシーテーブル500のポリシーID501(図5参照)を示すものである。例えば、条件NO401が「2」の条件402においては、条件402:「ウォッチャーの状態2=プライベート」、適用ポリシー403:「2」となっているので、ウォッチャーリスト300においてウォッチャー状態303の状態2が「プライベート」となっているウォッチャーについては、通知ポリシーテーブル500のポリシーID501が「2」の通知ポリシー502が適用され、状態1(オンライン/オフライン)、状態2(仕事/プライベート)のみが通知されることになる。
【0040】
プレゼンティティ側のプレゼンスサーバ10−1において、仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)は、ポリシー制御部14に、上述のウォッチャーリスト300(図3参照)の情報を通知し、ポリシー制御部14にて、通知条件テーブル400(図4参照)、通知ポリシーテーブル500(図5参照)、により通知条件を決定して、仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)へ応答する。応答を受信した仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)は、ポリシー制御部14から通知された通知ポリシーに従ったプレゼンス情報を生成して、送信先(ウォッチャー側のプレゼンスサーバ10−2)に送信する。
【0041】
次に、ウォッチャー側のプレゼンスサーバ10−2における、仮想ウォッチャー処理部13、ポリシー制御部14の詳細について説明する。
【0042】
図6は、プレゼンスサーバ10が、ウォッチャーのプレゼンスサーバとして動作する場合に、仮想ウォッチャー処理部13において生成され、ウォッチャー情報記憶部13aに記憶されるウォッチャー情報管理テーブル600の例について示した説明図である。
【0043】
ウォッチャー情報管理テーブル600は、当該プレゼンスサーバ10が収容している各ウォッチャーの状態、及び、現在プレゼンス情報を購読しているプレゼンティティの情報を管理するものである。ウォッチャー情報管理テーブル600の情報は、ウォッチャー(端末20−2)からの購読要求受信時に、仮想ウォッチャー処理部13において生成される。例えば、プレゼンスサーバ10−2において、ウォッチャー(端末20−2)から、プレゼンティティ(端末20−1)について購読要求があった際に、プレゼンスサーバ10−2内の仮想ウォッチャー処理部13において、プレゼンティティにごとに生成される。又、仮想ウォッチャー処理部13では、ウォッチャーごとに仮想ウォッチャーが生成(起動)される。仮想ウォッチャーは、対応するウォッチャーのウォッチャー情報管理テーブル600の内容を管理するとともに、ウォッチャーの状態に応じたプレゼンス情報を生成して、ウォッチャー(端末20−2)に通知するなどの機能を担っている。
【0044】
ウォッチャー情報管理テーブル600は、情報配信先ユーザID601、仮想ウォッチャーID602、ウォッチャー状態603、プレゼンティティID604の情報を有している。情報配信先ユーザID601は、ウォッチャーのユーザIDを示すものである。仮想ウォッチャーID602は、当該ウォッチャーに対応する仮想ウォッチャーを識別するための情報である。
【0045】
ウォッチャー状態603は、ウォッチャーの状態を示しており、ここでは例えば、状態1、状態2、状態3、状態4の4つのステータスで示されるものとする。状態1、状態2、状態3については、上述のウォッチャーリスト300と同様のものであるので説明を省略する。状態4は、ウォッチャーが現在使用している端末の情報を示す端末条件である。例えば、情報配信先ユーザID601が「aaa」のウォッチャー状態603は、状態4が「携帯」となっているので、当該ウォッチャーは携帯電話を用いてログインしていることを示している。
【0046】
プレゼンティティID604は、当該ウォッチャーが現在プレゼンス情報購読をしているプレゼンティティの一覧を示している。
【0047】
図8は、プレゼンスサーバ10が、ウォッチャー側のプレゼンスサーバとして動作する場合に、ポリシー制御部14において適用される通知ポリシーテーブル800の例について示した説明図である。
【0048】
通知ポリシーテーブル800は、ウォッチャーに送信するプレゼンティティの情報のポリシーについて定義したテーブルであり、ウォッチャー(端末20−2)のポリシー登録時に、ポリシー情報管理部18に設定されるものである。通知ポリシーテーブル800は、ポリシーID801、通知ポリシー802の情報を有している。ポリシーID801、通知ポリシー802は、上述の通知ポリシーテーブル500におけるポリシーID501、通知ポリシー502と同様の内容であるので詳しい説明を省略する。
【0049】
図7は、プレゼンスサーバ10が、ウォッチャー側のプレゼンスサーバとして動作する場合に、ポリシー制御部14において適用される通知条件テーブル700の例について示した説明図である。
【0050】
通知条件テーブル700は、ウォッチャーがどのような条件(状態)の場合に、通知ポリシーテーブル800(図8参照)のどのポリシーを適用するかについて定義したテーブルであり、ウォッチャー(端末20−2)のポリシー登録時に、ポリシー情報管理部18に設定されるものである。通知条件テーブル700は、条件NO701、条件702、適用ポリシー703の情報を有している。
【0051】
条件NO701は、条件を識別する情報を示している。条件702は、ウォッチャーの状態を示しており、ウォッチャー情報管理テーブル600のウォッチャー状態603(図6参照)に対応するものである。適用ポリシー703は、ウォッチャーが、条件702の条件に一致する状態の場合に適用する、通知ポリシーテーブル800のポリシーID801(図8参照)を示すものである。ポリシーの適用方法については上述の通知条件テーブル400、通知ポリシーテーブル500と同様であるので詳しい説明を省略する。
【0052】
ウォッチャー側のプレゼンスサーバ10−2において、仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)は、ポリシー制御部14に、上述のウォッチャー情報管理テーブル600(図6参照)を通知し、ポリシー制御部14にて、通知条件テーブル700(図7参照)、通知ポリシーテーブル800(図8参照)により通知条件を決定して、仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)へ応答する。応答を受信した、仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)は、ポリシー制御部14から通知された通知ポリシーに従った情報を生成して、送信先(ウォッチャー(端末20−2))に送信する。
【0053】
(A−2)実施形態の動作
次に、以上のような構成を有するこの実施形態のネットワークシステム1におけるプレゼンス情報収集配信の動作を説明する。
【0054】
図9は、ネットワークシステム1における、プレゼンス情報収集配信に関する動作について示した説明図である。
【0055】
ここでは、プレゼンティティのユーザが端末20−1をしており、ウォッチャーのユーザは端末20−2を使用してログインしているものとする。
【0056】
まず、プレゼンティティ(端末20−1)の状態通知が、プレゼンスサーバ10−1にされ(S101)、ウォッチャー(端末20−2)の状態通知がプレゼンスサーバ10−2にされたものとする(S102)。
【0057】
そして、ウォッチャー(端末20−2)からプレゼンティティ(端末20−1)に対する購読要求が、プレゼンスサーバ10−2へ送信されたものとする(S103)。
【0058】
プレゼンティティ(端末20−1)に対する購読要求を受信すると、プレゼンスサーバ10−2の仮想ウォッチャー処理部13では、ウォッチャー(端末20−2)に対応する仮想ウォッチャーが生成され、ウォッチャー情報管理テーブル600の情報が生成される(S104)。
【0059】
そして、プレゼンスサーバ10−2内の仮想ウォッチャー処理部13により、ウォッチャー(端末20−2)が購読要求したプレゼンティティ(端末20−1)を収容するプレゼンスサーバ10−1に購読要求が送信される(S105)。
【0060】
プレゼンスサーバ10−2から購読要求を受信すると、プレゼンスサーバ10−1の仮想ウォッチャー処理部13では、プレゼンティティ(端末20−1)に対応する仮想ウォッチャーが生成され、ウォッチャーリスト300が生成される(S106)。
【0061】
そして、プレゼンスサーバ10−1の仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)では、購読要求をしたウォッチャー(端末20−2)の状態を逐次管理するために、プレゼンスサーバ10−2へウォッチャー(端末20−2)の状態(プレゼンス情報)について購読要求が実施される。そして、プレゼンスサーバ10−2の仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)では、ウォッチャー(端末20−2)の状態(プレゼンス情報)が収集され、プレゼンスサーバ10−1の仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)に通知される。ウォッチャー(端末20−2)の状態(プレゼンス情報)が通知されると、プレゼンスサーバ10−1の仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)では、通知された状態(プレゼンス情報)がウォッチャーリスト300に反映される(S107)。
【0062】
ウォッチャー(端末20−2)の状態(プレゼンス情報)を受信すると、プレゼンスサーバ10−1の仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)及びポリシー制御部14では、ウォッチャーリスト300の内容と、通知条件テーブル400の内容と、通知ポリシーテーブル500の内容とに基づいて、通知内容が決定され、ウォッチャー(端末20−2)に通知するプレゼンス情報が生成される(S108)。
【0063】
次に、プレゼンスサーバ10−1の仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)により、上述のステップS108において生成されたプレゼンス情報が、プレゼンスサーバ10−2に通知される(S109)。
【0064】
プレゼンティティ(端末20−1)のプレゼンス情報を受信すると、プレゼンスサーバ10−2の仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)及びポリシー制御部14では、ウォッチャー情報管理テーブル600の内容と、通知条件テーブル700の内容と、通知ポリシーテーブル800の内容とに基づいて通知内容が決定され、ウォッチャー(端末20−2)に送信するプレゼンス情報が生成される(S110)。
【0065】
次に、プレゼンスサーバ10−2の仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)により、上述のステップS110においてにおいて生成されたプレゼンス情報が、プレゼンスサーバ10−2に通知される(S111)。
【0066】
ウォッチャー(端末20−2)の状態が変更されると、上述のステップS102と同様の状態通知がウォッチャー(端末20−2)からプレゼンスサーバ10−2に送信され、その内容がプレゼンスサーバ10−2の仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)によりウォッチャー情報管理テーブル600に反映される。その後、プレゼンスサーバ10−1の仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)にウォッチャー(端末20−2)の状態(プレゼンス情報)が通知され、プレゼンスサーバ10−1の仮想ウォッチャー処理部13(仮想ウォッチャー)によりウォッチャーリスト300の情報が更新される。
【0067】
プレゼンティティ(端末20−1)の状態が変更されると、上述のステップS101と同様の状態通知が送信され、以降上述のステップS108〜S111と同様の処理により動作する。
【0068】
図10及び図11は、上述の図9に示す動作をSIP/SIMPLEベース(SCRIBE/NOTIFYメソッドを利用)で表現したシーケンス図である。
【0069】
まず、事前準備として、プレゼンティティ(端末20−1)から、プレゼンスサーバ10−1へ、端末登録(REGISTER)、状態通知(PUBLISH)、ポリシー情報が通知(XCAP PUT)される。そして、プレゼンスサーバ10−1のポリシー情報管理部18において、通知されたポリシー情報が、通知条件テーブル400、通知ポリシーテーブル500に設定される(S201)。ステップS201は上述のステップS101に対応する動作である。
【0070】
そして、ウォッチャー(端末20−2)から、プレゼンスサーバ10−2へも同様に、端末登録(REGISTER)、状態通知(PUBLISH)、ポリシー情報が設定(XCAP PUT)される。そして、プレゼンスサーバ10−2のポリシー情報管理部18において、通知されたポリシー情報が、通知条件テーブル700、通知ポリシーテーブル800に設定される(S202)。ステップS202は上述のステップS102に対応する動作である。
【0071】
次に、ウォッチャー(端末20−2)からプレゼンスサーバ10−2に、プレゼンティティ(端末20−1)のプレゼンス情報について購読要求(SUBSCRIBE)が通知されると、プレゼンスサーバ10−2の仮想ウォッチャー処理部13では、ウォッチャー情報管理テーブル600が生成され、ウォッチャー(端末20−2)に対応する仮想ウォッチャーが生成される。そして、プレゼンスサーバ10−2から、プレゼンスサーバ10−1に、プレゼンティティ(端末20−1)のプレゼンス情報について購読要求(SUBSCRIBE)が通知される(S203)。ステップS203は上述のステップS103〜S105に対応する動作である。
【0072】
プレゼンスサーバ10−2から、プレゼンスサーバ10−1に、購読要求(SUBSCRIBE)が通知されると、プレゼンスサーバ10−1の仮想ウォッチャー処理部13では、ウォッチャーリスト300が生成され、プレゼンティティ(端末20−1)に対応する仮想ウォッチャーが生成される。そして、プレゼンスサーバ10−1から、プレゼンスサーバ10−2に、ウォッチャー(端末20−2)のプレゼンス情報について購読要求(SUBSCRIBE)が通知される(S204)。
【0073】
プレゼンスサーバ10−1から購読要求(SUBSCRIBE)が通知されると、プレゼンスサーバ10−2では、ウォッチャー情報管理テーブル600のウォッチャー(端末20−2)の状態に関する情報が参照され、プレゼンスサーバ10−1に状態通知(NOTIFY)される。そして、プレゼンスサーバ10−1の仮想ウォッチャー処理部13では、通知された情報に基づいて、ウォッチャーリスト300の内容が更新される(S205)。ステップS204、S205は上述のステップS106、S107に対応する動作である。
【0074】
次に、プレゼンスサーバ10−1では、仮想ウォッチャー処理部13及びポリシー制御部14により、ウォッチャーリスト300、通知条件テーブル400の情報に基づいて、通知ポリシーテーブル500のいずれかのポリシーが決定され、決定されたポリシーに基づいたプレゼンス情報が生成される。すなわち、ウォッチャー(端末20−2)の状態に応じて決定したポリシーに基づいて、プレゼンスサーバ10−2へ通知されるプレゼンティティ(端末20−1)のプレゼンス情報が生成される。そして、生成されたプレゼンス情報が、プレゼンスサーバ10−1からプレゼンスサーバ10−2へ通知(NOTIFY)される。プレゼンスサーバ10−1からプレゼンティティ(端末20−1)のプレゼンス情報が通知されると、プレゼンスサーバ10−2では、仮想ウォッチャー処理部13及びポリシー制御部14により、ウォッチャー情報管理テーブル600、通知条件テーブル700の情報に基づいて、通知ポリシーテーブル800のいずれかのポリシーが決定され、決定されたポリシーに基づいたプレゼンス情報が生成される。そして、生成されたプレゼンス情報が、プレゼンスサーバ10−2からウォッチャー(端末20−2)へ通知(NOTIFY)される(S206)。ステップS206は、上述のS108〜S111に対応する動作である。
【0075】
次に、ウォッチャー(端末20−2)の状態が変化した場合の動作について説明する。ウォッチャー(端末20−2)の状態が変化すると、プレゼンスサーバ10−2へ状態通知(PUBLISH)がされる。状態通知(PUBLISH)がされるとプレゼンスサーバ10−2では、通知された情報に基づいて、ウォッチャー情報管理テーブル600の情報が更新される。そして、プレゼンスサーバ10−2から、プレゼンスサーバ10−1に、ウォッチャー(端末20−2)に関する状態通知(NOTIFY)がされる。ウォッチャー(端末20−2)に関する状態通知(NOTIFY)がされると、プレゼンスサーバ10−1では、通知された情報に基づいて、ウォッチャーリスト300の内容が更新される(S207)。
【0076】
次に、プレゼンティティ(端末20−1)の状態が変化した場合の動作について説明する。プレゼンティティ(端末20−1)の状態が変化すると、プレゼンスサーバ10−1へ状態通知(PUBLISH)がされる。そして、状態通知(PUBLISH)がされるとプレゼンスサーバ10−1では、上述のステップS206と同様の動作によりウォッチャー(端末20−2)に通知するためのプレゼンス情報が再度生成され、プレゼンスサーバ10−2状態通知(NOTIFY)される。そして、プレゼンスサーバ10−2においても同様に、ウォッチャー(端末20−2)に通知するためのプレゼンス情報が再度生成され、ウォッチャー(端末20−2)に状態通知(NOTIFY)される。ただし、プレゼンスサーバ10−2で、通知ポリシーテーブル800のうち適用されるポリシーが「通知しない」というものであった場合などは、プレゼンスサーバ10−2からウォッチャー(端末20−2)にプレゼンス情報は通知(NOTIFY)されない場合がある。
【0077】
(A−3)実施形態の効果
この実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0078】
この実施形態では、プレゼンティティ側のプレゼンスサーバ10−1、及びウォッチャー側のプレゼンスサーバ10−2双方で、仮想ウォッチャー処理及びそれぞれの通知ポリシー情報を管理することで、プレゼンティティ側から、ウォッチャーの状態に応じた、情報通知を実現することができる。また、ウォッチャー側での受信ポリシーも考慮した形でウォッチャーはプレゼンティティ情報を受信することができる。
【0079】
また、上述の図10及び図11に示すように、この実施形態のネットワークシステム(プレゼンス情報収集配信システム)は、IETF SIPMPLEベースのフレームワークから逸脱することなく、構築することができる。これにより、SIP/SIMPLEベースのフレームワークを利用してネットワークシステム(プレゼンス情報収集配信システム)を実現することができる。
【0080】
また、この実施形態では、イベント通知フィルタ技術(IETF RFC4660、非特許文献3参照)を使用しないので、ネットワークに流れるトラフィックを低減できるとともに、プレゼンティティ側の端末20−1への処理負荷も低減することができる。
【0081】
(B)他の実施形態
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
【0082】
(B−1)上記の実施形態で規定しているプレゼンスサーバ間の通信は、SIPに限定されないものである。例えば、単にプレゼンス情報や、各種命令(購読要求など)の情報を有するデータファイルをHTTPなどにより交換しても良い。
【0083】
(B−2)上記の実施形態においては、プレゼンティティ側のプレゼンスサーバ10−1と、ウォッチャー側のプレゼンスサーバ10−2の双方において、仮想ウォッチャー処理部13、ポリシー制御部14などを備えて、プレゼンティティ(端末20−1)に係るプレゼンス情報を、ウォッチャー(端末20−2)の状態に応じて加工しているが、プレゼンティティ側のプレゼンスサーバ10−1のみにおいて、プレゼンス情報を加工するようにしても良い。また、ウォッチャー側のプレゼンスサーバ10−2のみにおいて、プレゼンス情報を加工するようにしても良い。
【0084】
(B−3)上記の実施形態において、プレゼンスサーバ10は、ウォッチャー側プレゼンスサーバとして必要な構成のみ有していても良い。例えば、プレゼンスサーバ10が、プレゼンティティの端末のみを収容し、ウォッチャー情報管理テーブル600、通知条件テーブル700、通知ポリシーテーブル800に係る処理を行わないようにしても良い。
【0085】
また、プレゼンスサーバ10は、ウォッチャー側プレゼンスサーバとして必要な構成のみ有していても良い。例えば、プレゼンスサーバ10が、ウォッチャーの端末のみを収容し、ウォッチャーリスト300、通知条件テーブル400、通知ポリシーテーブル500に係る処理を行わないようにしても良い。
【0086】
(B−4)上記の実施形態において、ネットワークシステム1に、呼制御サーバを別途配置してIP網に接続させ、各装置(システム)間の通信について呼制御する構成としても良い。
【0087】
(B−5)上記の実施形態においてウォッチャーリスト300、通知条件テーブル400、通知ポリシーテーブル500、ウォッチャー情報管理テーブル600、通知条件テーブル700、通知ポリシーテーブル800は、各項目の情報が記憶されていれば、上述の図3〜図8に示すようなテーブルの構成に限定されないものである。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】実施形態に係るプレゼンスサーバの内部構成について説明したブロック図である。
【図2】実施形態に係る、ネットワークシステムの全体構成について説明したブロック図である。
【図3】実施形態に係る、プレゼンスサーバにおいて生成されるウォッチャーリストの例について示した説明図である。
【図4】実施形態に係るプレゼンスサーバが、プレゼンティティ側のプレゼンスサーバとして動作する場合に適用される通知条件テーブルの例について説明した説明図である。
【図5】実施形態に係るプレゼンスサーバが、プレゼンティティ側のプレゼンスサーバとして動作する場合に適用される通知ポリシーテーブルの例について説明した説明図である。
【図6】実施形態に係る、プレゼンスサーバにおいて生成されるウォッチャー情報管理テーブルの例について示した説明図である。
【図7】実施形態に係るプレゼンスサーバが、ウォッチャー側のプレゼンスサーバとして動作する場合に適用される通知条件テーブルの例について説明した説明図である。
【図8】実施形態に係るプレゼンスサーバが、ウォッチャー側のプレゼンスサーバとして動作する場合に適用される通知ポリシーテーブルの例について説明した説明図である。
【図9】実施形態に係るネットワークシステム(プレゼンス情報収集配信システム)の動作について示した説明図である。
【図10】実施形態に係るネットワークシステム(プレゼンス情報収集配信システム)の動作をSIP/SIMPLEベースで示したシーケンス図の前半部分である。
【図11】実施形態に係るネットワークシステム(プレゼンス情報収集配信システム)の動作をSIP/SIMPLEベースで示したシーケンス図の後半部分である。
【符号の説明】
【0089】
1…ネットワークシステム、10、10−1〜10−3…プレゼンスサーバ、20、20−1〜20−3…端末、30…IP網、11…プレゼンス情報処理部、12…SIP信号処理部、13…仮想ウォッチャー処理部、13a…ウォッチャー情報記憶部、14…ポリシー制御部、15…XCAP/HTTP処理部、16…プレゼンス情報管理部、17…ユーザ情報管理部、18…ポリシー情報管理部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレゼンス情報を提供するプレゼンス情報提供端末から、上記プレゼンス情報提供端末に係るプレゼンス情報を受信する提供側プレゼンス情報受信手段と、
プレゼンス情報を収集するプレゼンス情報収集端末から、上記プレゼンス情報収集端末の状態に関する情報を受信する収集側状態情報受信手段と、
上記プレゼンス情報収集端末の状態に応じて、上記提供側プレゼンス情報受信手段が受信したプレゼンス情報を加工するプレゼンス情報加工手段と、
上記プレゼンス情報加工手段により加工されたプレゼンス情報を、上記プレゼンス情報収集端末に送信する提供側プレゼンス情報送信手段と
を有することを特徴とするプレゼンス情報収集配信システム。
【請求項2】
上記プレゼンス情報提供端末を収容する第1のサブシステムと、上記プレゼンス情報収集端末を収容する第2のサブシステムとを備え、
上記第1のサブシステムは、上記提供側プレゼンス情報受信手段と、上記プレゼンス情報加工手段とを有し、
上記第2のサブシステムは、上記収集側状態情報受信手段と、上記提供側プレゼンス情報送信手段とを有する
ことを特徴とする請求項1に記載のプレゼンス情報収集配信システム。
【請求項3】
上記第2のサブシステムは、
上記プレゼンス情報加工手段により加工されたプレゼンス情報を、さらに加工するプレゼンス情報再加工手段をさらに有し、
上記提供側プレゼンス情報送信手段は、上記プレゼンス情報再加工手段により加工されたプレゼンス情報を、上記プレゼンス情報収集端末に送信する
ことを特徴とする請求項2に記載のプレゼンス情報収集配信システム。
【請求項4】
IETF SIP/SIMPLEのフレームワークを利用して構築されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプレゼンス情報収集配信システム。
【請求項5】
プレゼンス情報を提供するプレゼンス情報提供端末と、プレゼンス情報を収集するプレゼンス情報収集端末と、上記プレゼンス情報提供端末からプレゼンス情報を受信し、受信したプレゼンス情報を上記プレゼンス情報収集端末に送信するプレゼンス情報収集配信システムとを有するネットワークシステムにおいて、
上記プレゼンス情報収集配信システムとして、請求項1〜4のいずれかに記載のプレゼンス情報収集配信システムを適用したことを特徴とするネットワークシステム。
【請求項6】
コンピュータを、
プレゼンス情報を提供するプレゼンス情報提供端末から、上記プレゼンス情報提供端末に係るプレゼンス情報を受信する提供側プレゼンス情報受信手段と、
プレゼンス情報を収集するプレゼンス情報収集端末から、上記プレゼンス情報収集端末の状態に関する情報を受信する収集側状態情報受信手段と、
上記プレゼンス情報収集端末の状態に応じて、上記提供側プレゼンス情報受信手段が受信したプレゼンス情報を加工するプレゼンス情報加工手段と、
上記プレゼンス情報加工手段により加工されたプレゼンス情報を、上記プレゼンス情報収集端末に送信する提供側プレゼンス情報送信手段と
して機能させることを特徴とするプレゼンス情報収集配信プログラム。
【請求項1】
プレゼンス情報を提供するプレゼンス情報提供端末から、上記プレゼンス情報提供端末に係るプレゼンス情報を受信する提供側プレゼンス情報受信手段と、
プレゼンス情報を収集するプレゼンス情報収集端末から、上記プレゼンス情報収集端末の状態に関する情報を受信する収集側状態情報受信手段と、
上記プレゼンス情報収集端末の状態に応じて、上記提供側プレゼンス情報受信手段が受信したプレゼンス情報を加工するプレゼンス情報加工手段と、
上記プレゼンス情報加工手段により加工されたプレゼンス情報を、上記プレゼンス情報収集端末に送信する提供側プレゼンス情報送信手段と
を有することを特徴とするプレゼンス情報収集配信システム。
【請求項2】
上記プレゼンス情報提供端末を収容する第1のサブシステムと、上記プレゼンス情報収集端末を収容する第2のサブシステムとを備え、
上記第1のサブシステムは、上記提供側プレゼンス情報受信手段と、上記プレゼンス情報加工手段とを有し、
上記第2のサブシステムは、上記収集側状態情報受信手段と、上記提供側プレゼンス情報送信手段とを有する
ことを特徴とする請求項1に記載のプレゼンス情報収集配信システム。
【請求項3】
上記第2のサブシステムは、
上記プレゼンス情報加工手段により加工されたプレゼンス情報を、さらに加工するプレゼンス情報再加工手段をさらに有し、
上記提供側プレゼンス情報送信手段は、上記プレゼンス情報再加工手段により加工されたプレゼンス情報を、上記プレゼンス情報収集端末に送信する
ことを特徴とする請求項2に記載のプレゼンス情報収集配信システム。
【請求項4】
IETF SIP/SIMPLEのフレームワークを利用して構築されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプレゼンス情報収集配信システム。
【請求項5】
プレゼンス情報を提供するプレゼンス情報提供端末と、プレゼンス情報を収集するプレゼンス情報収集端末と、上記プレゼンス情報提供端末からプレゼンス情報を受信し、受信したプレゼンス情報を上記プレゼンス情報収集端末に送信するプレゼンス情報収集配信システムとを有するネットワークシステムにおいて、
上記プレゼンス情報収集配信システムとして、請求項1〜4のいずれかに記載のプレゼンス情報収集配信システムを適用したことを特徴とするネットワークシステム。
【請求項6】
コンピュータを、
プレゼンス情報を提供するプレゼンス情報提供端末から、上記プレゼンス情報提供端末に係るプレゼンス情報を受信する提供側プレゼンス情報受信手段と、
プレゼンス情報を収集するプレゼンス情報収集端末から、上記プレゼンス情報収集端末の状態に関する情報を受信する収集側状態情報受信手段と、
上記プレゼンス情報収集端末の状態に応じて、上記提供側プレゼンス情報受信手段が受信したプレゼンス情報を加工するプレゼンス情報加工手段と、
上記プレゼンス情報加工手段により加工されたプレゼンス情報を、上記プレゼンス情報収集端末に送信する提供側プレゼンス情報送信手段と
して機能させることを特徴とするプレゼンス情報収集配信プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−80552(P2009−80552A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−247663(P2007−247663)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
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