説明

プレゼンス送信方法、映像表示装置および映像表示システム

【課題】通話相手先に着信の応対に時間がかかることを把握させて、相手先に不在と誤った判断をさせることを防止すること。
【解決手段】実施形態のプレゼンス送信方法は、ネットワークを介した通話の相手先装置への発信および前記相手先装置からの着信を制御し、ユーザの現在の状況を示すプレゼンスを、前記ネットワークを介して送信し、所定の機能を実行し、前記所定の機能のうち、着信の応対に時間を要する特定機能を実行する場合に、通話切替えに時間を要する状況である旨の前記プレゼンスを前記ネットワークを介して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、プレゼンス送信方法、映像表示装置および映像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、放送受信装置等の端末に、通話機能を装備する装置が普及し始めている。このような通話機能は、放送受信装置同士や携帯端末、情報処理装置などと通話することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−118801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来技術では、相手から着信があった場合でも、端末装置の状態により直ちに通話機能に切り換えられず着信に対して応答できない場合がある。このような場合において、発信先では、通話相手が不在であると誤って判断して通話をやめてしまう場合があり、円滑な通話を実現することが困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のプレゼンス送信方法は、ネットワークを介した通話の相手先装置への発信および前記相手先装置からの着信を制御し、ユーザの現在の状況を示すプレゼンスを、前記ネットワークを介して送信し、所定の機能を実行し、前記所定の機能のうち、着信の応対に時間を要する特定機能を実行する場合に、通話切替えに時間を要する状況である旨の前記プレゼンスを、前記ネットワークを介して送信する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、実施の形態1の映像表示装置と同映像表示装置に組み込まれる通信装置の一例を示す図である。
【図2】図2は、映像表示装置で表示される通信機能の画面の一例を示す図である。
【図3】図3は、実施の形態1のアプリケーション部の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、実施の形態1のプレゼンス送信処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は、実施の形態1の情報処理装置における表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、表示部に表示された通話機能の画面の一例を示す説明図である。
【図8】図8は、実施の形態2のアプリケーション部の機能的構成を示すブロック図である。
【図9】図9は、実施の形態2のプレゼンス送信処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施の形態を適用する映像表示装置と同映像表示装置に組み込まれる通信装置の一例を示す。なお、以下に説明する要素や構成あるいは機能は、ハードウエアで実現するものであってもよいし、マイクロコンピュータ(処理装置、CPU)等、を用いてソフトウエアで実現するものであってもよい。
【0008】
図1が示す映像表示装置1は、例えばテレビジョン放送を受信して音声(オーディオ)及び映像(ビデオ)を再生するテレビジョン受信装置(以下TV装置と称する)を含む。
【0009】
TV装置(映像表示装置)1は、少なくともデジタル放送の番組すなわちコンテンツを受信し、再生できる。なお、TV装置1は、インターネット(ネットワーク)網100を通じて供給されるコンテンツの受信が可能である。また、TV装置1は、インターネット網100を通じて接続される任意の接続相手先との間で、IP(Internet Protocol)を用いる音声(オーディオを含む)及び動画(ビデオ)による通信が可能なIP電話の利用が可能である。
【0010】
TV装置1において、コンテンツ(番組)を受信するチューナ部11が受信したコンテンツは、分離(Demux)部12により、映像(ビデオ)データと音声(オーディオ)データとに分離される。
【0011】
分離部12が分離した映像(ビデオ)データは、映像(ビデオ)処理ブロック21の映像(ビデオ)デコーダ22によりデコードされ、デジタル映像(ビデオ)信号として出力される。
【0012】
映像デコーダ22がデコードした映像(ビデオ)データは、映像出力装置を表示可能に処理する映像(ビデオ)処理部23に入力され、後段のディスプレイ24が表示可能に、所定の解像度及び出力方式、例えばインターレース(i)/ノンインターレース(p)等に変換され、ディスプレイ24に供給される。なお、映像(ビデオ)処理部23の出力は、例えば外部モニタ装置あるいは投影装置(プロジェクタ装置)等が接続可能な、出力端25に出力されてもよい。
【0013】
分離部12が分離した音声データは、音声(オーディオ)処理ブロック31の音声(オーディオ)デコーダ32によりデコードされ、デジタル音声(オーディオ)信号として出力される。
【0014】
音声デコーダ32がデコードした音声(オーディオ)信号は、音声出力装置が再生可能に処理する音声(オーディオ)処理部33と、音声(オーディオ)処理部33の出力に、映像(ビデオ)処理部23が出力する映像信号との間の時間的な整合のために、所定時間の遅延を与える(音声(オーディオ)出力を遅延させる)遅延部34を通過し、アナログの音声(オーディオ)出力を得るD−Aコンバータ35に入力される。
【0015】
D−Aコンバータ35からのアナログの音声(オーディオ)出力は、例えばスピーカ36(ラウドスピーカなど)に入力される。なお、D−Aコンバータ35からの出力は、AV(Audio Visual)アンプ等が接続可能な出力端37に、さらに分岐されてもよい。
【0016】
また、遅延部34により所定時間の遅延が与えられた音声(オーディオ)信号は、通信制御部としてのIP電話制御部41にも分岐される。IP電話制御部41は、例えば音声入力部(マイクロフォン)42と音声再生部(イヤホンまたは低出力の音声再生向けスピーカ)43とを含む通信セット44の接続が可能で、音声入力部42からの入力をA−D変換するA−D変換部45と音声再生部への出力をD−A変換するD−A変換部46とを含む。なお、音声再生部への出力をD−A変換するD−A変換部46は、音声(オーディオ)処理ブロック31のD−Aコンバータ35と共用される。
【0017】
IP電話制御部41は、ユーザの顔の画像等を取得するカメラ47及びカメラ映像処理部48を伴うことができる。また、IP電話制御部41は、通信相手先から送信された画像を再生する画像処理部49を伴うことができる。
【0018】
画像処理部49は、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)に代表される静止画や、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)−2,−4(H.264−AVC)に代表される動画を再生できる。なお、動画を再生する画像処理部49は、映像(ビデオ)処理ブロック21の映像(ビデオ)処理部23と共用される。
【0019】
TV装置(映像表示装置)1において、チューナ部11、分離部12、映像(ビデオ)処理ブロック21、音声(オーディオ)処理ブロック31及びIP電話制御部41のそれぞれは、主制御ブロック51により制御され、所定の動作を実行する。
【0020】
主制御ブロック(Main Processing Unit,MPU)51は、例えばCPU(Central Processing Unit,演算装置)あるいはマイクロコンピュータを含む。MPU51は、動作プログラムを保持したROM及びワークメモリとして機能するRAMを少なくとも含むメモリユニット52、インターネット網を通じたIP電話制御部41に対する外部からの着信あるいはIP電話制御部41からの外部への送信を管理する状態管理部53、ディスプレイ24に表示するGUI(Graphical User Interface,グラフィカルユーザインタフェース)の表示及びGUIからのユーザ入力を処理するGUI制御部54及びインターネット網100との間の接続、すなわちインターネット網からのさまざまな情報の取得及びインターネット網100へのユーザからのアクセス等を制御するネットワーク制御部55、等を少なくとも含む。
【0021】
MPU51にはまた、ユーザからの制御入力を受け付ける操作入力部3が接続される。
【0022】
操作入力部3は、例えばチューナ(入力)部11が選択するチャンネルを特定するためのチャンネルキー(ボタン)や電源のオン/オフに用いる電源スイッチあるいはリモートコントローラ5からの指示や制御入力を受け付ける受信部、等を少なくとも含む。また、文字や記号あるいは数字等の入力を可能とするキー操作入力部(キーボード)等、が接続されてもよい。
【0023】
なお、IP電話制御部41は、MPU51のファームウエア、あるいは予め用意されたプログラムに従い動作するIP電話プログラム、例えばSkype社が提供するインターネット電話である「Skype」等、に準じ、通信セット44のマイクロフォン42により取得するユーザの音声をパケット化し、ネットワーク(インターネット網)を介して接続された通信相手先に送信できる。もちろん、カメラ47が用意されている場合、ユーザの映像をパケット化し、音声とともに送信できる。
【0024】
TV装置1により番組(コンテンツ)を視聴中に、インターネット網100を経由してIP通話の着信があった場合、図2に示す視聴中の番組の「映像表示」201中の任意の位置、図2の例は、右上の例、に、GUI制御部54の制御により「着信表示」211が表示される。
【0025】
「着信表示」211は、例えば着信があることを表示する「着信表示」212、送信元すなわち相手先を表示する「相手先表示」213、応答の方法を示す「応答表示<1>」214、「応答表示<2>」215、及び「応答表示<3>」216、等を含む。なお、「応答表示<1>」214は、映像付の着信応答を、「応答表示<2>」215は、音声のみの着信応答を、及び「応答表示<3>」は、応答せず、を、それぞれ示す。従って、視聴者は、例えばリモコン5によるカーソル移動あるいはフォーカスにより、いずれかの応答の方法を選択し、応答または応答せず、を選択できる。
【0026】
また、MPU51のCPU56は、各種アプリケーションを実行する。このアプリケーションのプログラムはROM(不図示)に記憶されており、CPU56によりROMから読み出されて実行される。
【0027】
ここで、TV装置1で動作させる放送受信表示、他のアプリケーション表示中は、Skype等の通話機能の画面は表示されない。また、通話機能において、着信対応方法をユーザが選択でき、アプリケーション実行中に着信があった場合に、直ちに通話が開始される方法と、アプリケーション実行中に着信があった場合、着信がある旨のみを画面に表示し、ユーザがアプリケーションを終了させ、アプリケーションの画面表示も終了させてから通話機能を動作させて、着信対応を行う必要がある方法がある。
後者の着信対応方法をユーザが選択していた場合には次のような問題がある。すなわち、アプリケーションには、通話機能への切替えのためリモコン操作をさほど必要でないアプリケーションと、通話機能への切替えのため多くのリモコン操作を必要とするアプリケーションがある。前者のアプリケーションの実行中は、着信があった場合に比較的はやく応対することができるが、後者のアプリケーションの実行中は、アプリケーション実行中に、相手先から着信があった場合に、多数のリモコン操作等で直ちにSkype等の通話機能を実行することが困難であり、着信の応対に時間を要する。
【0028】
このような着信応対に時間を要するアプリケーションとしては、例えば、通常のTVアプリケーション、ネットワークTVアプリケーション、録画予約アプリケーション、番組表表示アプリケーションなどがある。
【0029】
このため、TV装置1のユーザに対して発信を行った者は、着信の応対が長時間行われないことから、相手先のTV装置1のユーザが不在である等と誤り、通話をやめてしまうおそれがある。このため、本実施の形態では、このような通話機能に切り替えるために着信の応対に時間を要するアプリケーションを実行している場合には、ユーザの現在の状況であるプレゼンスとして、通話開始まで時間を要する旨のプレゼンスを、インターネット網100を介して送信するようにしている。以下、かかる機能について詳細に説明する。
【0030】
なお、CPU56で実行されるアプリケーションのうち、上述した、TVアプリケーション、ネットワークTVアプリケーション、録画予約アプリケーション、番組表表示アプリケーション等の着信の応対に時間を要する特定のアプリケーションを、以下、アプリケーション部と称する。
【0031】
なお、着信応対に時間を要するアプリケーションは、これらに限定されるものではない。また、着信応対に時間を要する原因が、多数のリモコン操作に限定されるものではない。
【0032】
図3は、実施の形態1のアプリケーション部の機能的構成を示すブロック図である。アプリケーション部は、図3に示すように、プレゼンス送信部301と、実行制御部304とを主に備えている。
【0033】
本実施の形態では、メモリユニット52には、ユーザの現在の状況を示すプレゼンスが記憶されている。メモリユニット52には、プレゼンスとして、「オンライン」、「オフライン」、「退席中」等の他、着信の応対に時間を要する旨を示す「着信応対時間要」が記憶されている。また、メモリユニット52は、後述するように、アプリケーション部起動前のユーザのプレゼンスが一時的に保存される。
【0034】
実行制御部304は、アプリケーション部の実行制御を行う。また、実行制御部304は、アプリケーション部が起動されたときに、アプリケーション部の起動前のプレゼンスを、起動前プレゼンスとしてメモリユニット52に保存する。また、実行制御部304は、アプリケーション部の実行が終了する際に、メモリユニット52に保存された起動前プレゼンスを取得し、現在のプレゼンスとして設定する。
【0035】
プレゼンス送信部301は、アプリケーション部が起動されたときに、メモリユニット52に記憶されているプレゼンスの中から、「着信応対時間要」のプレゼンスを選択し、インターネット網100に送信する。これにより、インターネット網100に接続されるすべての装置の通話機能のプレゼンスの表示において、TV装置1のユーザのプレゼンスに「着信応対時間要」のアイコンが表示されることになる。
【0036】
次に、TV装置1のユーザが通話を行う相手先の装置の詳細について説明する。本実施の形態では、相手先として、PC(Personal Computer)などの情報処理装置を例にあげて説明する。ただし、相手先の装置としては、PC等の情報処理装置に限定されるものではなく、通話機能を有するものであれば、携帯端末やTV装置等いずれの装置にも適用することが可能である。
【0037】
図4は、相手先の情報処理装置400の機能的構成を示すブロック図である。情報処理装置400は、図4に示すように、通信制御部401と、要求部404と、表示制御部402と、表示部403とを主に備えている。ここで、情報処理装置400のハードウェア構成は、CPU、メモリやハードディスクドライブ装置(HDD)等の記憶装置、キーボードやマウス等の入力装置、ディスプレイ装置等の表示部403等を備えた通常のコンピュータの構成である。
【0038】
通信制御部401は、通話の相手先装置への発信および相手先装置からの着信を制御する。また、通信制御部401は、インターネット網100に接続されている機器のユーザのプレゼンスを受信する。さらに、通信制御部401は、インターネット網100に接続されたIP電話サーバ101との通信を制御する。
【0039】
要求部404は、通信制御部401で受信したプレゼンスに対応するアイコンを通信制御部401を介してIP電話サーバ101に要求する。ここで、IP電話サーバ101から送信された、要求したアイコンは、通信制御部401が受信する。
【0040】
表示部403は、例えば、ディスプレイ装置等の表示装置である。表示制御部402は、表示部403に対する各種画面の表示を制御する。本実施の形態では、Skype機能等の通話機能の画面を表示部403に表示するとともに、この通話機能の画面上で、IP電話サーバ101から受信した、「オンライン」、「オフライン」、「退席中」、「着信応対時間要」等のプレゼンスに対応したアイコンを表示する。
【0041】
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかるTV装置1のプレゼンス送信処理について説明する。図5は、本実施の形態のプレゼンス送信処理の手順を示すフローチャートである。図5に示すプレゼンス送信処理は、CPU56によって起動された、着信の応対に時間を要するアプリケーション部が実行する。
【0042】
アプリケーション部が起動されると、まず、アプリケーション部の実行制御部304がアプリケーション部起動前のユーザのプレゼンス(起動前プレゼンス)をメモリユニット52に保存する(ステップS11)。
【0043】
次に、プレゼンス送信部301は、現在のプレゼンスとして、メモリユニット52から「着信応対時間要」のプレゼンスを選択し(ステップS12)、この「着信応対時間要」のプレゼンスをインターネット網100に送信する(ステップS13)。これにより、着信の応対に時間を要するアプリケーションの実行中は、その旨のプレゼンスがインターネット網100に接続されたすべての機器に送信されることになる。
【0044】
そして、実行制御部304は、アプリケーション部の本来の機能を実行し(ステップS14)、ユーザからアプリケーション終了指示の入力待ち状態となる(ステップS15,S15:No)。
【0045】
アプリケーション部の機能実行中に、ユーザからアプリケーション終了指示があった場合には(ステップS15:Yes)、実行制御部304は、メモリユニット52から、一時的に保存されている起動前プレゼンス(アプリケーション部起動前のユーザのプレゼンス)を読み出す(ステップS16)。そして、プレゼンス送信部301は、この起動前プレゼンスをインターネット網100に送信する(ステップS17)。その後、実行制御部304は、アプリケーション終了処理を実行し(ステップS18)、アプリケーション部は終了する。これにより、着信の応対に時間を要するアプリケーションの実行が終了すると、アプリケーション部起動前のプレゼンスがインターネット網100に接続されたすべての機器に送信されることになる。
【0046】
次に、TV装置1のプレゼンスを受信した相手先の情報処理装置400で実行される表示処理について説明する。図6は、実施の形態1の情報処理装置における表示処理の手順を示すフローチャートである。
【0047】
発信元のTV装置1では、上述したステップS13,S17でTV装置1のユーザのプレゼンスを送信するので、情報処理装置400の通信制御部401は、このプレゼンスを受信する(ステップS21)。
【0048】
そして、要求部404は、受信したプレゼンスに対応したアイコンを、IP電話サーバ101に要求する(ステップS22)。そして、通信制御部401は、IP電話サーバ101からのアイコンの受信待ち状態となる(ステップS23、S23:No)。
【0049】
IP電話サーバ101から、要求したプレゼンスに対応したアイコンを受信した場合には(ステップS23:Yes)、表示制御部402は、発信元のユーザのTV装置1のユーザのプレゼンスのアイコンを表示部403の通話機能の画面に表示する(ステップS24)。
【0050】
図7は、表示部403に表示された通話機能の画面の一例を示す説明図である。図7の例では、ユーザ「XYZ」のプレゼンスとしては「オンライン」のアイコン702が表示されている。このため、情報処理装置400のユーザは、ユーザ「XYZ」に発信した場合には、直ちに通話を開始することができると把握できる。
【0051】
しかし、図7の例では、ユーザ「AAA」のプレゼンスとしては、「オンライン−着信応対時間要」のアイコン701が表示されている。このため、情報処理装置400のユーザはオンラインであるが、ユーザ「AAA」に発信した場合には、通話機能に直ちに切り替えることができず、着信の応対に時間を要すると把握することができる。このため、情報処理装置400のユーザは、しばらく時間が経過して、ユーザ「AAA」の「オンライン−着信応対時間要」のプレゼンスが「オンライン」に変更されてから発信するか、あるいは発信して、しばらく応答しない場合でも、すぐに切断せずに少しの時間待機するような措置をとることが可能となる。
【0052】
このように本実施の形態では、TV装置1において着信の応対に時間を要するアプリケーションを実行している場合、着信の応対に時間を要する旨のプレゼンスが相手先のすべての装置に表示されるので、TV装置1のユーザに発信しようとするユーザに対して、着信の応対に時間がかかることを把握させて、不在と誤った判断を行うことを防止することができる。これにより、本実施の形態によれば、円滑な通話を行うことができる。
【0053】
なお、本実施の形態では、プレゼンスをオンラインと着信対応時間要の二つを「オンライン−着信応対時間要」として一つのアイコンで表示しているが、「オンライン」のプレゼンスのアイコンとは別個に、「着信応対時間要」のプレゼンスのアイコンを表示するように構成してもよい。
【0054】
また、本実施の形態では、プレゼンスのアイコンを文字表示としているが、イメージのアイコンを表示するように構成してもよい。
【0055】
(実施の形態2)
実施の形態1では、着信の応対に時間を要するアプリケーションを実行している場合、着信応対時間要のプレゼンスを相手先のすべての装置に表示していたが、アプリケーションの中の各機能には、通話機能への切替えのためリモコン操作等をさほど必要でない機能と、通話機能への切替えのため多くのリモコン操作を必要とする機能を含んでいる場合がある。前者の機能では、着信があった場合に比較的はやく応対することできるが、後者の機能の場合には、着信の応対に時間を要する。
【0056】
このため、実施の形態2では、アプリケーション部の起動後にアプリケーション内の機能のうち、着信の応対に時間を要する機能を実行する場合に、着信応対時間要のプレゼンスを相手先のすべての装置に表示する。
【0057】
図8は、実施の形態2のアプリケーション部の機能的構成を示すブロック図である。アプリケーション部は、図8に示すように、複数の機能部A、機能部B、機能部C等を備えている。
【0058】
図8の例では、機能部Aおよび機能部Cが、着信があった場合でもリモコン操作等により直ちに通話機能への切替えができ,着信の応対に時間を要さない機能である。また、機能部Bは、着信があった場合にリモコン操作が多い等により直ちに通話機能への切替えが困難で、着信の応対に時間を要する特定機能である。このような着信の応対に時間を要する機能としては、例えば、TVアプリケーションにおける設定機能や、録画アプリケーションにおける番組表表示機能などが該当するが、これらに限定されるものではない。
【0059】
本実施の形態において、メモリユニット52には、実施の形態1と同様であり、プレゼンスとして、「オンライン」、「オフライン」、「退席中」、「着信応対時間要」が記憶されている。
【0060】
着信応対に時間を要する機能部Bは、図8に示すように、プレゼンス送信部801と、実行制御部804とを主に備えている。
【0061】
実行制御部804は、機能部Bの実行制御を行う。また、実行制御部804は、機能部B(特定機能)が起動されたときに、機能部Bの起動前のプレゼンスを、起動前プレゼンスとしてメモリユニット52に保存する。また、実行制御部804は、機能部Bの実行が終了する際に、メモリユニット52に保存された起動前プレゼンスを取得し、現在のプレゼンスとして設定する。
【0062】
プレゼンス送信部801は、機能部Bが起動されたときに、メモリユニット52に記憶されているプレゼンスの中から、「着信応対時間要」のプレゼンスを選択し、インターネット網100に送信する。これにより、インターネット網100に接続されるすべての装置の通話機能のプレゼンスの表示において、TV装置1のユーザのプレゼンスに「着信応対時間要」のアイコンが表示されることになる。
【0063】
なお、TV装置1のユーザが通話を行う相手先の情報処理装置400の機能、構成については実施の形態1と同様である。
【0064】
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかるTV装置1のプレゼンス送信処理について説明する。図9は、本実施の形態のプレゼンス送信処理の手順を示すフローチャートである。
【0065】
アプリケーション部が起動されると、まず、アプリケーション部の機能部が実行される(ステップS31)。そして、ユーザから、着信応対に時間を要する機能部の実行指示があった場合(ステップS32:Yes)、機能部Bが起動される。この機能部Bでは、実行制御部804が機能部B起動前のユーザのプレゼンス(起動前プレゼンス)をメモリユニット52に保存する(ステップS33)。
【0066】
次に、機能部Bのプレゼンス送信部801は、現在のプレゼンスとして、メモリユニット52から「着信応対時間要」のプレゼンスを選択し(ステップS34)、この「着信応対時間要」のプレゼンスをインターネット網100に送信する(ステップS35)。これにより、着信の応対に時間を要する機能部Bの実行中は、その旨のプレゼンスがインターネット網100に接続されたすべての機器に送信されることになる。
【0067】
そして、機能部Bの実行制御部804は、機能部Bの本来の機能を実行し(ステップS36)、ユーザから機能部Bの終了指示の入力待ち状態となる(ステップS37,S37:No)。
【0068】
機能部Bの実行中に、ユーザから、他の機能部の実行指示、すなわち機能部Bの終了指示があった場合には(ステップS37:Yes)、実行制御部804は、メモリユニット52から、一時的に保存されている起動前プレゼンス(機能部B起動前のユーザのプレゼンス)を読み出す(ステップS38)。そして、プレゼンス送信部801は、この起動前プレゼンスをインターネット網100に送信する(ステップS39)。その後、実行制御部804は、ユーザから指定された他の機能部を実行する(ステップS40)。これにより、着信の応対に時間を要する機能部Bの実行が終了すると、機能部Bの起動前のプレゼンスがインターネット網100に接続されたすべての機器に送信されることになる。
【0069】
情報処理装置400側におけるプレゼンスに対応するアイコンの表示処理は、実施の形態1と同様に行われる。
【0070】
このように本実施の形態では、アプリケーションの中の機能のうち、着信の応対に時間を要する機能を実行する場合に、着信応対時間要のプレゼンスを相手先のすべての装置に表示するので、TV装置1のユーザに発信しようとするユーザに対して、着信の応対に時間がかかることを把握させて、不在と誤った判断を行うことを防止することができる。これにより、本実施の形態によれば、円滑な通話を行うことができる。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0072】
3 操作入力部
5 リモコン
11 チューナ部
12 分離部
21 映像処理ブロック
22 映像デコーダ
23 映像処理部
31 音声処理ブロック
32 音声デコーダ
33 音声処理部
34 遅延部
35 D−Aコンバータ
36 スピーカ
41 IP電話制御部
42 マイクロフォン
43 イヤホン
44 通信セット
45 A−Dコンバータ
47 カメラ
51 主制御ブロック
52 メモリユニット
53 状態管理部
54 GUI制御部
55 ネットワーク制御部
100 インターネット網
101 IP電話サーバ
301,801 プレゼンス送信部
304,804 実行制御部
400 情報処理装置
401 通信制御部
402 表示制御部
403 表示部
404 要求部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレゼンス送信方法であって、
ネットワークを介した通話の相手先装置への発信および前記相手先装置からの着信を制御する通信制御ステップと、
ユーザの現在の状況を示すプレゼンスを、記ネットワークを介して送信する送信ステップと、
所定の機能を実行する実行制御ステップと、を含み、
前記送信ステップは、前記所定の機能のうち、着信の応対に時間を要する特定機能を実行する場合に、通話切替えに時間を要する状況である旨の前記プレゼンスを、前記ネットワークを介して送信する、
プレゼンス送信方法。
【請求項2】
前記実行制御ステップは、前記所定の機能であるアプリケーションの実行を制御し、
前記送信ステップは、前記アプリケーションのうち、前記特定機能としての特定アプリケーションを実行する場合に、通話切替えに時間を要する状況である旨の前記プレゼンスを、前記ネットワークを介して送信する、
請求項1に記載のプレゼンス送信方法。
【請求項3】
前記実行制御ステップは、前記アプリケーション内の前記所定の機能を実行し、
前記送信ステップは、前記アプリケーション内の前記所定の機能のうち、前記アプリケーション内の前記特定機能を実行する場合に、通話切替えに時間を要する状況である旨の前記プレゼンスを、前記ネットワークを介して送信する、
請求項1に記載のプレゼンス送信方法。
【請求項4】
前記実行制御ステップは、前記特定機能を起動する際に、前記特定機能の起動前のプレゼンスを、起動前プレゼンスとして記憶部に保存し、前記特定機能の実行が終了する際に、前記記憶部に保存された前記起動前プレゼンスを取得し、
前記送信ステップは、さらに、前記特定機能の実行を終了する際に、前記起動前プレゼンスを、前記ネットワークを介して送信する、
請求項1に記載のプレゼンス送信方法。
【請求項5】
映像表示装置であって、
ネットワークを介した通話の相手先装置への発信および前記相手先装置からの着信を制御する通信制御部と、
ユーザの現在の状況を示すプレゼンスを、前記ネットワークを介して送信する送信部と、
所定の機能を実行する実行制御部と、を備え、
前記送信部は、前記所定の機能のうち、着信の応対に時間を要する特定機能を実行する場合に、通話切替えに時間を要する状況である旨の前記プレゼンスを、前記ネットワークを介して送信する、
映像表示装置。
【請求項6】
前記実行制御部は、前記所定の機能であるアプリケーションの実行を制御し、
前記送信部は、前記アプリケーションのうち、前記特定機能としての特定アプリケーションを実行する場合に、通話切替えに時間を要する状況である旨の前記プレゼンスを、前記ネットワークを介して送信する、
請求項5に記載の映像表示装置。
【請求項7】
前記実行制御部は、前記アプリケーション内の前記所定の機能を実行し、
前記送信部は、前記アプリケーション内の前記所定の機能のうち、前記アプリケーション内の前記特定機能を実行する場合に、通話切替えに時間を要する状況である旨の前記プレゼンスを、前記ネットワークを介して送信する、
請求項5に記載の映像表示装置。
【請求項8】
記憶部をさらに備え、
前記実行制御部は、前記特定機能を起動する際に、前記特定機能の起動前のプレゼンスを、起動前プレゼンスとして前記記憶部に保存し、前記特定機能の実行が終了する際に、前記記憶部に保存された前記起動前プレゼンスを取得し、
前記送信部は、さらに、前記特定機能の実行を終了する際に、前記起動前プレゼンスを、前記ネットワークを介して送信する、
請求項5に記載の映像表示装置。
【請求項9】
映像表示装置と、前記映像表示装置にネットワークで接続された情報処理装置とを備えた映像表示システムであって、
前記映像表示装置は、
前記ネットワークを介した通話の相手先である前記情報処理装置への発信および前記情報処理装置からの着信を制御する通信制御部と、
ユーザの現在の状況を示すプレゼンスを、前記ネットワークを介して送信する送信部と、
所定の機能を実行する実行制御部と、を備え、
前記送信部は、前記所定の機能のうち、着信の応対に時間を要する特定機能を実行する場合に、通話切替えが困難である状況である旨を示す前記プレゼンスを前記ネットワークを介して送信し、
前記情報処理装置は、
前記プレゼンスを受信する受信部と、
前記プレゼンスに応じたアイコンを表示する表示部と、
を備えた、映像表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−138795(P2012−138795A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290288(P2010−290288)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】