説明

プレビュー画像生成装置、プレビュー画像生成方法及びプレビュー画像生成プログラム

【課題】三次元インクジェットプリンタで印刷する場合に、任意の方向から見た印刷画像の状態を確認する。
【解決手段】プレビュー装置30は、画像を印刷するメディアMの形状情報を取得するメディア形状取得部31と、描画アプリケーションで作成された画像の二次元画像データを取得する画像データ取得部32と、メディアMに印刷する画像の印刷範囲を特定する印刷範囲特定部33と、二次元画像データをメディアMの印刷範囲に対応付けて、メディアMの表面形状に対応した三次元画像データを生成する三次元画像データ生成部34と、三次元画像データ生成部34で生成した三次元画像データを所定方向から見たプレビュー画像を生成するプレビュー画像生成部35と、プレビュー画像をディスプレイに表示させるプレビュー画像表示部36と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元インクジェットプリンタで三次元形状のメディアに画像を印刷する場合におけるプレビュー画像を生成するプレビュー画像生成装置、プレビュー画像生成方法及びプレビュー画像生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、三次元形状のメディアに対しても印刷を行いたいとの要求から、特許文献1に記載された三次元インクジェットプリンタが考えられてきた。そして、このような三次元インクジェットプリンタを用いてメディアに画像を印刷するためには、本来、メディアの形状に合わせた三次元の画像データを準備する必要がある。しかしながら、三次元の画像データを準備するのは極めて困難であるため、一般に、二次元の画像データを用いて印刷を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−008110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、三次元インクジェットプリンタで画像を印刷するメディアは三次元形状であるため、メディアの形状や印刷画像の大きさなどが変わると、見る方向によっては印刷画像に許容できない歪が生ずる場合がある。
【0005】
しかしながら、メディア正面から見た印刷画像を予想するのは容易であるが、あらゆる方向からメディアを見た場合の印刷画像を予想するのは極めて困難である。そこで、従来は、実際に試し印刷を行いメディアに印刷された印刷画像の状態を確認するという作業を何度も繰り返していた。このため、試し印刷による三次元インクジェットプリンタのランニングコストが高くなり、しかも、試し印刷のために多くのメディアが無駄になってしまうという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、三次元インクジェットプリンタで印刷する場合に、任意の方向から見た印刷画像の状態を確認することができるプレビュー画像生成装置、プレビュー画像生成方法及びプレビュー画像生成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るプレビュー画像生成装置は、三次元インクジェットプリンタで三次元形状のメディアに画像を印刷する場合におけるプレビュー画像を生成するプレビュー画像生成装置であって、メディアの形状情報を取得するメディア形状取得手段と、メディアに印刷する画像の画像データを取得する画像データ取得手段と、メディアにおける画像の印刷範囲を特定する印刷範囲特定手段と、印刷範囲特定手段で特定した印刷範囲の三次元座標に画像データ取得手段で取得した二次元画像データを対応付けた三次元画像データを生成する三次元画像データ生成手段と、三次元画像データ生成手段で生成した三次元画像データを所定方向から見た二次元画像に変換してプレビュー画像を生成するプレビュー画像生成手段と、を有する。
【0008】
本発明に係るプレビュー画像生成装置によれば、メディアにおける画像の印刷範囲を特定すると、この特定した印刷範囲に画像データを対応付けて三次元画像データを生成し、その後、この三次元画像データを所定方向から見た二次元画像に変換してプレビュー画像を生成するため、メディアに画像を印刷する前に、任意の方向から見た印刷画像の状態を確認することができる。これにより、印刷者は、印刷画像の歪みなどを確認しながら画像の印刷範囲を調整することで、試し印刷を行う必要が無くなり、試し印刷を行うことによるインクジェットプリンタやメディアのコスト増加を削減することができる。
【0009】
この場合、上記印刷範囲特定手段は、印刷範囲として、少なくともメディアに対する画像の配置及び大きさを特定することが好ましい。このプレビュー画像生成装置によれば、印刷範囲として少なくとも画像の配置及び画像の大きさを特定することで、画像の配置や大きさに起因する印刷画像の歪み度合いを確認することができるため、より適切に画像データの印刷範囲を調節することができる。
【0010】
本発明に係るプレビュー画像生成方法は、三次元インクジェットプリンタで三次元形状のメディアに画像を印刷する場合におけるプレビュー画像を生成するプレビュー画像生成方法であって、メディアの形状情報を取得するメディア形状取得ステップと、メディアに印刷する画像の画像データを取得する画像データ取得ステップと、メディアにおける画像の印刷範囲を特定する印刷範囲特定ステップと、印刷範囲特定ステップで特定した印刷範囲の三次元座標に画像データ取得ステップで取得した二次元画像データを対応付けた三次元画像データを生成する三次元画像データ生成ステップと、三次元画像データ生成ステップで生成した三次元画像データを所定方向から見た二次元画像に変換してプレビュー画像を生成するプレビュー画像生成ステップと、を有する。
【0011】
本発明に係るプレビュー画像生成方法によれば、メディアにおける画像の印刷範囲を特定すると、この特定した印刷範囲に画像データを対応付けて三次元画像データを生成し、その後、この三次元画像データを所定方向から見た二次元画像に変換してプレビュー画像を生成するため、メディアに画像を印刷する前に、任意の方向から見た印刷画像の状態を確認することができる。これにより、印刷者は、印刷画像の歪みなどを確認しながら画像の印刷範囲を調整することで、試し印刷を行う必要が無くなり、試し印刷を行うことによるインクジェットプリンタやメディアのコスト増加を削減することができる。
【0012】
本発明に係るプレビュー画像生成プログラムは、三次元インクジェットプリンタで三次元形状のメディアに画像を印刷する場合におけるプレビュー画像を生成するプレビュー画像生成プログラムであって、メディアの形状情報を取得するメディア形状取得ステップと、メディアに印刷する画像の画像データを取得する画像データ取得ステップと、メディアにおける画像の印刷範囲を特定する印刷範囲特定ステップと、印刷範囲特定ステップで特定した印刷範囲の三次元座標に画像データ取得ステップで取得した二次元画像データを対応付けた三次元画像データを生成する三次元画像データ生成ステップと、三次元画像データ生成ステップで生成した三次元画像データを所定方向から見た二次元画像に変換してプレビュー画像を生成するプレビュー画像生成ステップと、をコンピュータに機能させる。
【0013】
本発明に係るプレビュー画像生成プログラムによれば、メディアにおける画像の印刷範囲を特定すると、この特定した印刷範囲に画像データを対応付けて三次元画像データを生成し、その後、この三次元画像データを所定方向から見た二次元画像に変換してプレビュー画像を生成するため、メディアに画像を印刷する前に、任意の方向から見た印刷画像の状態を確認することができる。これにより、印刷者は、印刷画像の歪みなどを確認しながら画像の印刷範囲を調整することで、試し印刷を行う必要が無くなり、試し印刷を行うことによるインクジェットプリンタやメディアのコスト増加を削減することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、三次元インクジェットプリンタで印刷する場合に、任意の方向から見た印刷画像の状態を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係るプレビュー画像生成装置を適用した印刷システムを示した図である。
【図2】メディアの形状情報を説明するための図であり、(a)は、球状のメディア、(b)は、角丸四角柱のメディア、(c)は、コップ状のメディアを示している。
【図3】球状のメディアに印刷する場合における二次元画像データの対応付けを説明するための図であり、(a)は、メディアの正面から見た図、(b)は、メディアの側面から見た図である。
【図4】角丸四角柱のメディアに印刷する場合における二次元画像データの対応付けを説明するための図であり、(a)は、メディアの正面から見た図、(b)は、メディアの斜め上方から見た図である。
【図5】コップ状のメディアに印刷する場合における二次元画像データの対応付けを説明するための図であり、(a)は、メディアの正面から見た図、(b)は、メディアの側面から見た図である。
【図6】プレビュー装置の処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明に係るプレビュー画像生成装置、プレビュー画像生成方法及びプレビュー画像生成プログラムの好適な実施形態について詳細に説明する。本実施形態は、本発明を三次元インクジェットプリンタで画像を印刷する印刷システムに適用したものである。この印刷システムは、三次元形状のメディアに印刷させたい画像を二次元画像データとして描画すると、この二次元画像をメディアに投影したごとく、メディアの正面から見た場合に、又はメディアを回転させて見た場合に、印刷画像が歪むこと無くそのままの状態で見えるように、この二次元画像データを三次元画像データに変換する。そして、三次元画像データの各画素をメディアの各印刷位置に一対一で対応付けて、三次元インクジェットプリンタでメディアに画像を印刷するものである。本実施形態は、このような印刷システムにおいて、二次元画像データを三次元画像データに変換する際に、又は、二次元画像データを三次元画像データに変換した後に、メディアの所定の印刷範囲に画像を印刷した場合のプレビュー画像として表示するものである。なお、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
【0017】
図1は、本実施形態に係るプレビュー装置を適用した印刷システムを示した図である。
【0018】
図1に示すように、印刷システム1は、インクジェットヘッド11からインクを吐出して三次元形状のメディアMに画像を印刷する三次元インクジェットプリンタ10と、この三次元インクジェットプリンタ10で印刷する画像を作成するパソコン20とにより構成されている。
【0019】
三次元インクジェットプリンタ10は、例えば、本件出願人が先に出願した特願2008−304228号公報に記載したものであり、インクを吐出するインクジェットヘッド11とメディアMとを三次元空間において相対的に移動させながら、インクジェットヘッドからインクを吐出させることで、三次元形状のメディアMに画像を印刷するものである。
【0020】
パソコン20は、三次元インクジェットプリンタ10によりメディアMに印刷させる画像を作成するものである。このため、パソコン20には、画像などを作成する描画アプリケーション(不図示)がインストールされている。そして、このパソコン20には、メディアMに画像を印刷する前に、描画アプリケーションで作成した画像をメディアMに印刷した状態を示すプレビュー画像を生成して表示するプレビュー装置30が搭載されている。なお、本実施形態では、描画アプリケーションとプレビュー装置30とを別物として説明するが、描画アプリケーションの一機能として、プレビュー装置30が組み込まれていてもよい。
【0021】
プレビュー装置30は、プレビュー画像を生成して表示するものであり、例えば、CPU、ROM、RAMを含むコンピュータを主体として構成されている。そして、プレビュー装置30は、メディア形状取得部31、画像データ取得部32、印刷範囲特定部33、三次元画像データ生成部34、プレビュー画像生成部35及びプレビュー画像表示部36として機能する。なお、これらの各機能は、プレビュー装置30が、CPUやRAM上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませ、CPUの制御のもとで動作させることで実現される。
【0022】
メディア形状取得部31は、画像を印刷するメディアMの形状情報(表面形状)を取得するものである。すなわち、メディアMは、三次元形状である球状、角丸四角柱状、コップ状(円錐台形状)などに形成されているため、メディア形状取得部31は、これらのメディアMの形状を示す形状情報を取得する。
【0023】
図2は、メディアの形状情報を説明するための図であり、図2(a)は、球状のメディア、図2(b)は、角丸四角柱のメディア、図2(c)は、コップ状のメディアを示している。図2(a)に示すように、メディアMが球状の場合は、(1)メディアMが球状であることを示す情報と、(2)半径Rとが、メディアMの形状情報となる。図2(b)に示すように、メディアMが角丸四角柱の場合は、(1)メディアMが角丸四角柱であることを示す情報と、(2)メディアMの奥行きdと、(3)断面の縦幅hと、(4)断面の横幅wと、(5)四隅の曲率半径r〜rとが、メディアMの形状情報となる。図2(c)に示すように、メディアMがコップ状の場合は、(1)メディアMがコップ状であることを示す情報と、(2)メディアMの高さhと、(3)メディアMの上底半径Rと、(4)メディアMの下底半径Rとが、メディアMの形状情報となる。なお、本実施形態では、コップ状のメディアは、下底の径よりも上底の径の方が大きいものとして説明する。
【0024】
画像データ取得部32は、描画アプリケーションで作成された画像の二次元画像データを取得するものである。
【0025】
印刷範囲特定部33は、メディア形状取得部31で取得したメディアMの形状情報と、画像データ取得部32で取得した二次元画像データとに基づいて、画像を印刷するメディアMの印刷範囲を特定するものである。上述したように、本実施形態では、この二次元画像をメディアに投影したごとく、メディアMの正面から見た場合に、又はメディアMを回転させて見た場合に、印刷画像が歪むこと無くそのままの状態で見えるように、二次元の画像をメディアMに投影したように印刷するものである。このため、印刷範囲特定部33は、二次元画像データが歪むことなくそのままの状態で見えるように、画像を印刷するメディアMの印刷範囲を特定する。従って、二次元画像データが正方形である場合は、印刷範囲特定部33により特定される印刷範囲は、メディアMの正面から見た場合に、又はメディアMを回転させて見た場合に、正方形となる。そして、印刷範囲特定部33は、この印刷範囲として、メディアMに対する画像の配置(画像の中心点)及び大きさ(拡大率又は縮小率)を特定する。
【0026】
三次元画像データ生成部34は、画像データ取得部32で取得した二次元画像データを印刷範囲特定部33で特定したメディアMの印刷範囲に対応付けて、メディアMの表面形状に対応した三次元画像データを生成するものである。なお、この対応付けはメディアMの形状によって異なるため、メディアMが球状である場合、メディアMが角丸四角柱である場合、メディアMがコップ状である場合に分けて説明する。
【0027】
図3は、球状のメディアに印刷する場合における二次元画像データの対応付けを説明するための図であり、図3(a)は、メディアの正面から見た図、図3(b)は、メディアの側面から見た図である。なお、図3において、Aは、印刷範囲特定部33により特定された印刷範囲を示しており、Bは、メディアMに印刷しようとする二次元画像データを示している。
【0028】
図3(b)に示すように、メディアMが球状である場合、三次元画像データ生成部34は、二次元画像データBを印刷範囲特定部33により特定された印刷範囲Aの大きさに伸縮させて、二次元画像データBの中心点と印刷範囲特定部33により特定された印刷範囲Aの中心点とが対応するように二次元画像データBを配置する。そして、三次元画像データ生成部34は、メディアMを正面から見た場合の視点方向Dと平行になるように、二次元画像データBの各画素をメディアM表面に投影する。すると、二次元画像データBは、メディアMの表面の印刷範囲Aに投影されて、図3(a)に示すように、メディアMの正面から見た場合に、真正面に配置され、この二次元画像データBが歪むこと無くそのままの状態で見える。そして、メディアMの印刷範囲Aに投影された二次元画像データBの各画素を、メディアMの印刷範囲Aの三次元座標に対応付けることで、三次元画像データを生成する。このため、三次元画像データ生成部34により生成された三次元画像データは、メディアMの正面から見た場合に、画像が歪むこと無く2次元画像データのままの状態となる。
【0029】
図4は、角丸四角柱のメディアに印刷する場合における二次元画像データの対応付けを説明するための図であり、図4(a)は、メディアの正面から見た図、図4(b)は、メディアの斜め上方から見た図である。なお、図4において、Aは、印刷範囲特定部33により特定された印刷範囲を示しており、Bは、メディアMに印刷しようとする二次元画像データを示している。
【0030】
図4(b)に示すように、メディアMが、四角柱の四角が面取りされて隣り合う側面が曲面で接続された角丸四角柱である場合、三次元画像データ生成部34は、二次元画像データBを印刷範囲特定部33により特定された印刷範囲Aの大きさに伸縮させるとともに、この二次元画像データBを、印刷範囲特定部33により特定された印刷範囲Aの印刷開始位置SからメディアMの表面に沿って展開する。すると、二次元画像データBは、図4(a)に示すようにメディアMの正面から見た場合に、真正面に配置され、メディアMを回転させて見た場合に、二次元画像データBが歪むこと無くそのままの状態で見える。そして、メディアMの印刷範囲Aに展開された二次元画像データBの各画素を、メディアMの印刷範囲Aの三次元座標に対応付けることで、三次元画像データを生成する。
【0031】
図5は、コップ状のメディアに印刷する場合における二次元画像データの対応付けを説明するための図であり、図5(a)は、メディアの正面から見た図、図5(b)は、メディアの側面から見た図である。なお、図5において、Aは、印刷範囲特定部33により特定された印刷範囲を示しており、Bは、メディアMに印刷しようとする二次元画像データを示している。
【0032】
図5(b)に示すように、メディアMがコップ状である場合、三次元画像データ生成部34は、二次元画像データBを印刷範囲特定部33により特定された印刷範囲Aの大きさに伸縮させて、二次元画像データBの上辺の中間点(又は、二次元画像データBの中心点)と印刷範囲特定部33により特定された印刷範囲Aの上辺の中間点(又は、印刷範囲Aの中心点)とが対応するように二次元画像データBを配置する。そして、三次元画像データ生成部34は、メディアMを正面から見た場合の視点方向Dと平行になるように、二次元画像データBの各画素をメディアM表面に投影する。なお、視点方向Dは、印刷範囲Aの上辺の中間点Cを通りメディアMの中心軸Eに垂直な直線Fに平行な方向となる。すると、二次元画像データBは、メディアMの表面の印刷範囲Aに投影されて、図5(a)に示すように、メディアMの正面から見た場合に、真正面に配置され、この二次元画像データBが歪むこと無くそのままの状態で見える。そして、メディアMの印刷範囲Aに投影された二次元画像データBの各画素を、メディアMの印刷範囲Aの三次元座標に対応付けることで、三次元画像データを生成する。このため、三次元画像データ生成部34により生成された三次元画像データは、メディアMの正面から見た場合に、画像が歪むこと無く2次元画像データのままの状態となる。
【0033】
プレビュー画像生成部35は、三次元画像データ生成部34で生成した三次元画像データを所定方向から見たプレビュー画像を生成するものである。すなわち、プレビュー画像生成部35は、三次元画像データ生成部34で生成した三次元画像データを所定方向から見た二次元座標に変換して、描画アプリケーションで作成した画像をメディアMに印刷した状態を示すプレビュー画像を生成するものである。
【0034】
なお、プレビュー画像生成部35は、二次元座標に変換された画像にメディアM形状を重ね合わせたものをプレビュー画像として生成してもよい。
【0035】
プレビュー画像表示部36は、プレビュー画像生成部35で生成されたプレビュー画像を、パソコン20のディスプレイ(不図示)に表示させるものである。
【0036】
次に、図6を参照して、本実施形態に係るプレビュー装置30の動作について説明する。図6は、プレビュー装置の処理動作を示すフローチャートである。なお、以下に説明するプレビュー装置30の処理動作は、プレビュー装置30において、CPUなどで構成される処理部(不図示)が、ROMなどの記憶装置に記録されたプログラムに従い、メディア形状取得部31、画像データ取得部32、印刷範囲特定部33、三次元画像データ生成部34、プレビュー画像生成部35、プレビュー画像表示部36などの機能を統括管理することで、以下の処理が行われる。
【0037】
まず、プレビュー装置30は、メディア形状取得部31により、メディアMの形状情報を取得する(ステップS1)。このとき、メディアMが球状である場合は、メディアMの形状情報として、(1)メディアMが球状であることを示す情報と、(2)半径Rとを取得する。メディアMが角丸四角柱の場合は、メディアMの形状情報として、(1)メディアMが角丸四角柱であることを示す情報と、(2)メディアMの奥行きdと、(3)断面の縦幅hと、(4)断面の横幅wと、(5)四隅の曲率半径r〜rとを取得する。メディアMがコップ状の場合は、メディアMの形状情報として、(1)メディアMがコップ状であることを示す情報と、(2)メディアMの高さhと、(3)メディアMの上底半径Rと、(4)メディアMの下底半径Rとを取得する。
【0038】
次に、プレビュー装置30は、画像データ取得部32により、描画アプリケーションなどで作成された画像の二次元画像データを取得する(ステップS2)。
【0039】
次に、プレビュー装置30は、印刷範囲特定部33により、メディア形状取得部31で取得したメディアMの形状情報と、画像データ取得部32で取得した二次元画像データとに基づいて、メディアMを正面から見た場合におけるメディアMの印刷範囲を仮決めする(ステップS3)。このとき、印刷範囲特定部33は、メディアMの正面から見た場合に、又はメディアMを回転させて見た場合に、二次元画像データが歪むことなくそのままの状態で見えるように、画像の印刷範囲を仮決めする。そして、プレビュー装置30は、印刷範囲として、メディアMに対する画像の配置(画像の中心点)及び大きさ(拡大率又は縮小率)を特定する。
【0040】
次に、プレビュー装置30は、三次元画像データ生成部34により、ステップS1で取得したメディアMの形状情報に基づいて、ステップS2で取得した二次元画像データをステップS3で仮決めしたメディアMの印刷範囲に対応付けて、メディアMの表面形状に対応した三次元画像データを生成する(ステップS4)。
【0041】
次に、プレビュー装置30は、プレビュー画像生成部35により、ステップS4で生成した三次元画像データを二次元画像に変換して、描画アプリケーションで作成した画像をメディアMに印刷した状態を示すプレビュー画像を生成する(ステップS5)。
【0042】
次に、プレビュー装置30は、プレビュー画像表示部36により、ステップS5で生成したプレビュー画像をパソコン20のディスプレイに表示する(ステップS6)。これにより、ユーザは、表示されたプレビュー画像を観察することで、メディアMに画像が印刷された場合の印刷画像の状態を確認することができる。
【0043】
次に、プレビュー装置30は、ユーザからの確認指示があるか否かを判定する(ステップS7)。すなわち、ステップS7では、ユーザによりYESキーが押下されると、確認指示があったと判定し、ユーザによりNOキーが押下されると、確認指示がないと判定する。なお、ユーザがYESキーを押下する場合とは、ディスプレイに表示されたプレビュー画像が予想通りの状態になっており、他の視点方向からのプレビュー画像は確認しなくてもよい場合などである。一方、ユーザがNOキーを押下する場合とは、ディスプレイに表示されたプレビュー画像が予想通りの状態になっていない場合や、他の視点方向からのプレビュー画像を確認したい場合や、画像の印刷範囲を再調整したい場合などである。
【0044】
そして、ステップS7において確認指示がないと判定すると(ステップS7:NG)、プレビュー装置30は、ユーザが印刷範囲変更と視点変更の何れを希望しているのかを判定する(ステップS8)。すなわち、ステップS8では、ユーザにより印刷範囲変更のキーが押下されると、ユーザが印刷範囲変更を希望していると判定し、ユーザにより視点変更のキーが押下されると、ユーザが視点変更を希望していると判定する。
【0045】
そして、ステップS8において印刷範囲変更であると判定すると(ステップS8:印刷範囲変更)、プレビュー装置30は、ステップS3に戻って印刷範囲を変更し、再度、上述したステップS3〜ステップS7を繰り返す。
【0046】
一方、ステップS8において視点変更であると判定すると(ステップS8:視点変更)、プレビュー装置30は、プレビュー画像生成部35により、プレビュー画像を表示させたい視点方向を変更する(ステップS9)。そして、プレビュー装置30は、ステップS5に戻り、ステップS4で生成した三次元画像データをステップS9で変更した視点方向(ユーザにより指定された方向)から見た二次元画像に変換して、再度プレビュー画像を生成する。
【0047】
上述したステップS7において確認指示があると判定すると(ステップS7:OK)、印刷範囲特定部33は、ステップS3で仮決めした印刷範囲を特定する(ステップS10)。
【0048】
これにより、プレビュー装置30によるプレビュー処理が終了する。
【0049】
このように、本実施形態に係るプレビュー装置30によれば、メディアにMおける画像の印刷範囲を特定(仮決め)すると、この特定(仮決め)した印刷範囲に二次元画像データを対応付けて三次元画像データを生成し、その後、この三次元画像データを様々な視点方向から見た二次元画像に変換してプレビュー画像を生成するため、メディアMに画像を印刷する前に、任意の方向から見た印刷画像の状態を確認することができる。これにより、印刷者は、印刷画像の歪みなどを確認しながら画像の印刷範囲を調整することで、試し印刷を行う必要が無くなり、試し印刷を行うことによるインクジェットプリンタやメディアのコスト増加を削減することができる。
【0050】
また、本実施形態に係るプレビュー装置30によれば、この印刷範囲として、画像の配置と画像の大きさとを特定することで、画像の配置や大きさに起因する印刷画像の歪み度合いを確認することができるため、より適切に画像データの印刷範囲を調節することができる。
【0051】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態において、三次元画像データ生成部34は、二次元画像データが三次元座標に変換された三次元画像データを生成するものとして説明したが、この三次元画像データは、メディアMの印刷範囲Aの三次元座標と二次元画像データBの各画素との対応関係が分かるデータであれば如何なるデータであってもよく、例えば、メディアMの印刷範囲Aの三次元座標に二次元画像データBの各画素が対応付けられたデータのみであってもよい。
【符号の説明】
【0052】
1…印刷システム、10…三次元インクジェットプリンタ、11…インクジェットヘッド、20…パソコン、30…プレビュー装置(プレビュー画像生成装置)、31…メディア形状取得部、32…画像データ取得部、33…印刷範囲特定部、34…三次元画像データ生成部、35…プレビュー画像生成部、36…プレビュー画像表示部、A…印刷範囲、B…二次元画像データ、M…メディア。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元インクジェットプリンタで三次元形状のメディアに画像を印刷する場合におけるプレビュー画像を生成するプレビュー画像生成装置であって、
前記メディアの形状情報を取得するメディア形状取得手段と、
前記メディアに印刷する画像の画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記メディアにおける前記画像の印刷範囲を特定する印刷範囲特定手段と、
前記印刷範囲特定手段で特定した印刷範囲の三次元座標に前記画像データ取得手段で取得した前記二次元画像データを対応付けた三次元画像データを生成する三次元画像データ生成手段と、
前記三次元画像データ生成手段で生成した前記三次元画像データを所定方向から見た二次元画像に変換してプレビュー画像を生成するプレビュー画像生成手段と、
を有する、プレビュー画像生成装置。
【請求項2】
前記印刷範囲特定手段は、前記印刷範囲として、少なくとも前記メディアに対する画像の配置及び大きさを特定する、請求項1に記載のプレビュー画像生成装置。
【請求項3】
三次元インクジェットプリンタで三次元形状のメディアに画像を印刷する場合におけるプレビュー画像を生成するプレビュー画像生成方法であって、
前記メディアの形状情報を取得するメディア形状取得ステップと、
前記メディアに印刷する画像の画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記メディアにおける前記画像の印刷範囲を特定する印刷範囲特定ステップと、
前記印刷範囲特定ステップで特定した印刷範囲の三次元座標に前記画像データ取得ステップで取得した前記二次元画像データを対応付けた三次元画像データを生成する三次元画像データ生成ステップと、
前記三次元画像データ生成ステップで生成した前記三次元画像データを所定方向から見た二次元画像に変換してプレビュー画像を生成するプレビュー画像生成ステップと、
を有する、プレビュー画像生成方法。
【請求項4】
三次元インクジェットプリンタで三次元形状のメディアに画像を印刷する場合におけるプレビュー画像を生成するプレビュー画像生成プログラムであって、
前記メディアの形状情報を取得するメディア形状取得ステップと、
前記メディアに印刷する画像の画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記メディアにおける前記画像の印刷範囲を特定する印刷範囲特定ステップと、
前記印刷範囲特定ステップで特定した印刷範囲の三次元座標に前記画像データ取得ステップで取得した前記二次元画像データを対応付けた三次元画像データを生成する三次元画像データ生成ステップと、
前記三次元画像データ生成ステップで生成した前記三次元画像データを所定方向から見た二次元画像に変換してプレビュー画像を生成するプレビュー画像生成ステップと、
をコンピュータに機能させる、プレビュー画像生成プログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−227781(P2011−227781A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98255(P2010−98255)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【出願人】(000137823)株式会社ミマキエンジニアリング (437)
【Fターム(参考)】