説明

プログラム、情報記憶媒体及びコンテンツ提供装置

【課題】 ユーザ(プレーヤ)に所望する情動をより確実に感じてもらえるコンテンツの提供を実現する。
【解決手段】 携帯ゲーム装置は、プレイが開始されるとコンテンツ提示前に、質疑応答処理を実行してプレーヤの属性情報を取得するとともにパーソナリティ判定用の質問をしてパーソナリティタイプの判定を行い、今回及び過去のプレーヤ類型判定に係る質疑応答への回答操作入力に基づいて、プレーヤ類型を絞り込んで判定していく。一方、提示用のコンテンツは予め多数用意されており、それぞれについて各パーソナリティタイプに対してある情動反応の誘発し易さの観点から相性値が設定されている。携帯ゲーム装置は、プレーヤの属性との適合度が高く、且つパーソナリティタイプと相性の良いコンテンツを選択して提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報記憶媒体及びコンテンツ提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
幾つかの質問に答えることによって性格を診断する方法があるのは良く知られるところであり、ビデオゲームの一部にもその性格診断を利用する技術も知られるところである。
例えば、ゲーム過程でプレーヤの性格診断を行い類型化し、性格診断の結果に基づいて相手キャラクタの会話内容等を類型化した性格に応じた内容に動的に変更するものがある(例えば、特許文献1参照)。また、性格診断の結果に基づいてプレーヤキャラクタの台詞を類型化した性格に応じた内容に変化させるものも知られている(例えば、特許文献2参照)。これらによれば、プレーヤの性格に適した台詞がゲーム中で使用されること等によって、プレーヤがゲームキャラクタへの感情移入する度合いを高めてゲームへより没入しやすくする効果を得ることができる。この結果、ゲームストーリが進むにつれてプレーヤが泣いたり笑ったり、時に義憤を感じたりと言った様々な情動をより堪能することができるようになる。
【特許文献1】特開平11−76608号公報
【特許文献2】特開2001−212378号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
さて、ゲームソフトに限らず映画ソフトや書籍を購入する際、ユーザはそのコンテンツによって泣いたり笑ったり恐怖したりと言った情動が誘発されることをある程度想定・期待する。事実、ユーザの情動誘発を目的としたコンテンツ製品の広告には「感動の・・・」と言った言葉が必ずと言って良いほど用いられている。
ところが、ユーザのパーソナリティ(多様な局面における自身の価値観や行動パターン・性格タイプを包含する意)が多数存在するために、同じコンテンツの提示を受けても誘発される情動が異なったりその度合いが異なったりすることが多い。そのため、感動して泣くことを期待してあるゲームソフトや映画ソフトと言ったコンテンツを購入しても、ユーザが思ったほど感動できなくて失望すると言った事態が少なからず起こる。コンテンツがオムニバス形式であったとしても、オムニバスに含まれる作品全てがユーザのパーソナリティと相性が良いケースは少なく、例えば5つの小作品のうち1つには感動できた(制作サイドが意図・所望する情動反応を得られた)が、その他はそうでもないと言ったことが起こる。これは、ユーザが感動によって心の癒しを得ようと言う期待に応えられないばかりでなく、コンテンツの提示(プレイ、鑑賞、リーディング、リスニング)に要した時間を無駄にしたことになる。
【0004】
本発明はこうした事情を鑑みて成されたものであり、その目的とするところはユーザ(プレーヤ)に所望する情動をより確実に感じてもらえるコンテンツの提供を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決する第1の発明は、コンピュータを、プレーヤに回答操作入力を求める質疑応答形式の処理を実行し、前記回答操作入力に基づいて、予め定められた複数種類のプレーヤ類型のうちプレーヤに適合するプレーヤ類型を判定するプレーヤ類型判定処理手段(例えば、図1の第1液晶ディスプレイ1406、第2液晶ディスプレイ1408、タッチパネル1407、1409、メモリカード1440、制御ユニット1450、図9の制御部100、プレーヤ類型判定部102、図23のステップS6、ステップS12)、
前記判定されたプレーヤ類型に基づいて、前記各プレーヤ類型毎の相性度が定められた複数のコンテンツの中からコンテンツを選択するコンテンツ選択手段(例えば、図1の制御ユニット1450、メモリカード1440、図9の制御部100、コンテンツ選択部104、図23のステップS14)、
前記選択されたコンテンツをプレーヤに提供するコンテンツ提供手段(例えば、図1の第1液晶ディスプレイ1406、第2液晶ディスプレイ1408、スピーカ1410、図9の制御部100、画像表示部210、音出力部220、図23のステップS18)、
前記プレーヤ類型判定処理手段と、前記コンテンツ選択手段と、前記コンテンツ提供手段とを一連に繰り返し実行させる進行制御手段(例えば、図1の制御ユニット1450、メモリカード1440、図9の制御部100)、として機能させるとともに、
前記プレーヤ類型判定処理手段が、今回及び過去の前記回答操作入力に基づいて、プレーヤに適合するプレーヤ類型を絞り込んで判定していくように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0006】
また、第27の発明は、プレーヤに回答操作入力を求める質疑応答形式の処理を実行し、前記回答操作入力に基づいて、予め定められた複数種類のプレーヤ類型のうちプレーヤに適合するプレーヤ類型を判定するプレーヤ類型判定処理手段と、前記判定されたプレーヤ類型に基づいて、前記各プレーヤ類型毎の相性度が定められた複数のコンテンツの中からコンテンツを選択するコンテンツ選択手段と、前記選択されたコンテンツをプレーヤに提供するコンテンツ提供手段と、前記プレーヤ類型判定処理手段と、前記コンテンツ選択手段と、前記コンテンツ提供手段とを一連に繰り返し実行させる進行制御手段と、を備えるとともに、前記プレーヤ類型判定処理手段は、今回及び過去の前記回答操作入力に基づいて、プレーヤに適合するプレーヤ類型を絞り込んで判定していくことを特徴とするコンテンツ提供装置である。
【0007】
プレーヤ類型とは、予め定められたプレーヤの特徴に基づく分類である。分類は、例えば性格や血液型、年齢、性別、職業、生年月日から導かれる西洋占星術の星座、人種、食品の嗜好、身体の強靱度、所定経験の有無など適宜設定可能である。また、コンテンツとは、画像・動画・音楽・文章などのソフトウェアであり単独又は複数の組み合わせであっても良い。
第1及び第27の発明によれば、プレーヤに質疑応答してプレーヤの類型を判定し、プレーヤ類型との相性度が定められた複数のコンテンツの中から判定した類型に基づいて適当なコンテンツを選択し提示することを繰り返し実行することができる。例えば、コンテンツがゲームであればゲームを実行し、映画であれば映像とともに音声を出力し、文章であれば画面にテキストを表示してプレーヤに提示することができる。加えて、今回及び過去のプレーヤ類型判定に係る質疑応答への回答操作入力に基づいて、プレーヤ類型を絞り込んで判定していくことができる。よって、よりプレーヤ類型と相性の良いコンテンツを提示して、プレーヤ(ユーザ)に所望する情動をより確実に感じてもらうことができる。
【0008】
プレーヤ類型の判定に関しては、前記プレーヤ類型判定処理手段が、ダミー質問を含む複数の質問の中から今回質問する所定数の質問を選択して出力し、該出力した質問のうちのダミー質問を除く質問に対するプレーヤの回答操作入力に基づいてプレーヤに適合するプレーヤ類型を判定する構成とするとより好適である(第2の発明)。
すなわち、ダミー質問を適当に織り交ぜて質疑応答をすることによって、正規の質問の内容を覚えられて意図的な回答がされてしまうことを未然に防ぎ、類型判定の精度を維持することができる。
【0009】
更に、前記プレーヤ類型判定処理手段が、前記進行制御手段により繰り返し実行される度に新たな質問を出力し、この新たな質問及び従前の質問のうちの前記ダミー質問を除く質問に対するプレーヤの回答操作入力に基づいてプレーヤに適合するプレーヤ類型を判定する構成とすることもできる(第3の発明)。
この場合、更にプレイを繰り返す毎に新たな質問が出力されてプレーヤの類型判定が進行する構成とすることができる。プレーヤに対していかにも性格診断のようなものを受けていると言った印象を与えるのを抑制することができるので、プレーヤがコンテンツ提示前に緊張したり構えたりしてコンテンツ提示に伴う情動反応の誘発に影響を与える事態を予防できる。
【0010】
また更には、プレーヤの操作入力に基づいてゲームプレイの基準時間を設定する基準時間設定手段として前記コンピュータを更に機能させ、前記プレーヤ類型判定処理手段が、前記設定された基準時間に応じて前記出力する質問の数を変更するように構成すると更に好適である(第4の発明)。
この場合、基準時間の長さに応じてプレーヤ類型の判定処理に要する質問数を変えることができる。例えば、プレーヤが望むゲームプレイの基準時間がある基準値より短い場合に、一度の質疑応答のタイミングでより多くの判定用の質問を多く出す構成としたり、ダミー質問の割合を低くする構成とすることで、初回のゲームプレイからプレーヤ類型の決定に至る時間を短縮し、より短時間でプレーヤ類型に相性の良いコンテンツを選択的に提示可能な状態とすることができる。よってプレーヤ毎に異なる余暇時間の長短・頻度に適したプレイ形態を実現できる。
あるいは、一度の質疑応答のタイミングで複数の質問を出す構成とした場合には、質問数を減らしてゲームプレイの所要時間を短くするように配慮する構成としても良い。
【0011】
更に好適には、第1〜第4の何れかの発明のプログラムであって、前記コンテンツが、提供所要時間の長短に応じた分類がなされており、プレーヤの操作入力に基づいてゲームプレイの基準時間を設定する基準時間設定手段として前記コンピュータを更に機能させ、前記コンテンツ選択手段が、前記設定された基準時間に応じた提供所要時間のコンテンツを選択するように前記コンピュータを機能させると良い(第5の発明)。
この場合、第1〜第4の発明の何れかと同様の効果を奏するとともに、プレーヤが希望する時間に近い所要時間でプレイを終わらせることができる。よって、より一層プレーヤ毎に異なる余暇時間の長短に適したプレイ形態を実現できる。
【0012】
また、前記プレーヤ類型には、プレーヤの現在及び/又は過去の事実関係に関する類型である事実関係類型と、プレーヤの個性に関する類型である個性類型とが少なくとも含まれ、前記プレーヤ類型判定処理手段が、プレーヤに適合する前記事実関係類型及び前記個性類型を判定することで、プレーヤに適合するプレーヤ類型を判定するように前記コンピュータを機能させる構成とすると更に好適である(第6の発明)。
プレーヤの現在及び/又は過去の事実関係とは、一例としては家族構成や所定事項の経験の有無が挙げられる。例えば、『親の気持ちは子を持った経験のある者にしか分らない』に例えられるように、プレーヤの個性とは別に環境要因や経験要因によっても情動反応を示す対象が変化したり反応の程度が変化するものである。よって、プレーヤ類型に事実関係類型と個性類型とを含めることで、所望する情動反応誘発の観点から見たよりプレーヤ類型と相性の良いコンテンツとをより的確に選択することができるようになる。
【0013】
コンテンツの選択過程については、前記プレーヤ類型判定処理手段が、前記プレーヤ類型に対するプレーヤの適合度を算出することで、プレーヤに適合するプレーヤ類型を判定し、前記コンテンツ選択手段が、前記各プレーヤ類型それぞれに対する前記算出された適合度と前記コンテンツの相性度との相関値を、前記複数のコンテンツそれぞれについて算出する相関算出手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図9の制御部100、コンテンツ選択部104、図26のステップS94、S96)を有し、該算出された相関値に基づいてコンテンツを選択するように前記コンピュータを機能させる構成とするとより好適である(第7の発明)。
プレーヤ類型の判定は、必ずしも一回の質問で何れかの類型が確定するわけではなく、幾つかの質問を経る毎に何れかの類型の適合度(確度)が徐々に高まってゆく。コンテンツの選択過程において各プレーヤ類型に対するプレーヤの適合度に応じてコンテンツの相性度との相関値を求め、この相関値に基づいてコンテンツを選択することで、プレーヤ類型が確定されていない状態においてもその時々に応じたレベルで常に相性の良いコンテンツを選択することができる。
【0014】
更に、前記コンテンツ選択手段が、前記相関算出手段により算出された相関値が所与の閾値条件を満たすコンテンツの中から、プレーヤに提供するコンテンツを選択するように前記コンピュータを機能させるとともに、前記閾値条件を可変する閾値条件可変手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図9の制御部100、閾値条件可変部108、図23のステップS20〜S28、図26のステップS106)として前記コンピュータを機能させるとより効果的である(第8の発明)。
すなわち、コンテンツ選択の条件を可変することで、選択されるコンテンツの母集団が備えるプレーヤ類型との相性の良さを変更することができる。例えば、所望する情動反応が得られやすいことを重点とする母集団としたり、情動反応の得られやすさをやや緩くしてもコンテンツのバリエーションを増やした母集団としたり、と言った調整が可能になる。よって、コンテンツの選択にある程度の目的を持たせることができるようになる。
【0015】
具体的には、前記閾値条件可変手段が、今回提供されるコンテンツの前記コンテンツ選択手段による選択の前に、現在のプレーヤの情況の操作入力を求める質疑応答形式の処理を実行して、前記情況の操作入力に基づいて前記閾値条件を可変する今回条件可変手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図9の制御部100、今回条件可変部110、図26のステップS106)を有するように前記コンピュータを機能させると良い(第9の発明)。
プレーヤの状況とは、プレーヤの心理状態や肉体的な疲労度、その日の睡眠時間など心身のストレス状態を左右する内容が該当する。プレーヤの状況に応じてコンテンツ選択の閾値条件を可変することで、疲れている時にはより相性が高くて所望する情動反応が得られやすい母集団からコンテンツを選択し、元気な時には相性をやや低くしてもよりバリエーション豊かな母集団からコンテンツを選択して情動反応が誘発される内容に幅を持たせるように仕向けると言った対応が可能になる。
【0016】
更に好適には、前記閾値条件可変手段が、前記コンテンツ提供手段により提供されたコンテンツに対する感想の操作入力を求める質疑応答形式の処理を実行して、前記感想の操作入力に基づいて、次回提供するコンテンツを選択する際の前記閾値条件を可変する次回条件可変手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図9の制御部100、次回条件可変部112、図23のステップS20〜S28)を有するように前記コンピュータを機能させると良い(第10の発明)。
設計思想によるが、例えば、今回提示したコンテンツの感想が所望する情動反応が得られた肯定的な回答である場合、今回の反応でより心がほぐれたことにより情動反応がより誘発されやすくなったと判断する。そして、次回のコンテンツ選択に適用される閾値条件を広く又は緩くして、相性をやや低くしてもよりバリエーション豊かな中からコンテンツを選択して情動反応が誘発される内容に幅を持たせるように仕向けると言った対応が可能になる。反対に否定的な反応が有った場合には、次回適用される閾値条件を狭く又は厳しくして、次回こそは確実に情動反応を誘発できるように相性度の高い母集団からコンテンツを選抜するようにすることもできる。
【0017】
また更には、前記コンテンツ提供手段が、プレーヤの進行指示操作入力に従って、前記選択されたコンテンツを順次提供していく処理を実行するように前記コンピュータを機能させ、前記コンテンツ提供手段によりコンテンツが提供されている際の前記進行指示操作入力に基づいて、当該コンテンツに対するプレーヤの反応を分析する反応分析手段(例えば、図9の制御部100、情動反応分析部130、図31のステップS236、図54のステップS242)として前記コンピュータを機能させ、前記閾値条件可変手段が、前記反応分析手段の分析結果に基づいて次回提供するコンテンツを選択する際の前記閾値条件を可変する反応結果反映手段(例えば、図9の制御部100、閾値条件可変部108、図32のステップS320〜S324、図54のステップS270〜S276)を有するように前記コンピュータを機能させるとより好適である(第11の発明)。
【0018】
コンテンツ提示中に於けるプレーヤの反応を分析することで目的通りプレーヤに情動反応を誘発させることができているかどうかを推測することができる。そして、その分析結果に基づいて次回のコンテンツ選択時に適用される閾値条件を可変することで実際の反応をフィードバックしてより情動反応を得やすいコンテンツ選択を実現したり、今回のコンテンツ提示で誘発された情動反応による効果をふまえ、次回以降のコンテンツ選択において情動反応が誘発される内容に幅を持たせて心を豊かにするように仕向ける、と言った対応をより精度良く実現することができるようになる。
【0019】
また、前記コンテンツ提供手段が、プレーヤの進行指示操作入力に従って、前記選択されたコンテンツを順次提供していく処理を実行するように前記コンピュータを機能させ、前記コンテンツ提供手段によりコンテンツが提供されている際の前記進行指示操作入力に基づいて、当該コンテンツに対するプレーヤの反応を分析する反応分析手段として前記コンピュータを機能させ、前記プレーヤ類型判定手段が、前記反応分析手段の分析結果を更に加味してプレーヤ類型を判定するように前記コンピュータを機能させるとしても良い(第12の発明)。
例えば、コンテンツ提示中のプレーヤの反応が現時点におけるプレーヤ類型判定の傾向に否定的であれば、パーソナリティ判定の決定木の分岐点を遡って質問を変えてやり直す、或いは決定木そのものを変更する、パーソナリティの適合度(確度)を変更すると言った処理を実行して、プレーヤ類型判定の精度をより高めることができる。
【0020】
反応分析の方法としては、前記コンテンツ提供手段が、前記進行指示操作入力がなされる毎に、コンテンツを順次提供していき、前記反応分析手段が、前記進行指示操作入力の入力間隔に基づいてプレーヤの反応を分析するように前記コンピュータを機能させるとしても良い(第13の発明)。
更には、前記コンテンツ提供手段が、前記進行指示操作入力を受け付ける受付タイミング期間をコンテンツの提供途中に設け、コンテンツの提供が該受付タイミングに至った際にコンテンツの提供を一時中断し、該受付タイミング時に前記進行指示操作入力がなされることでコンテンツの提供を継続し、前記反応分析手段が、前記受付タイミング期間以外における前記進行指示操作入力の有無、及び/又は、前記受付タイミング期間の開始から前記進行指示操作入力がなされるまでの時間、に基づいてプレーヤの反応を分析するように前記コンピュータを機能させる構成としても良い(第14の発明)。
【0021】
また、反応分析の方法はボタンスイッチの操作などに限らない。
前記コンピュータは、マイクを備えており、前記反応分析手段が、更に、前記マイクに入力された音声に基づいてプレーヤの反応を分析するように前記コンピュータを機能させる構成としても良い(第15の発明)。
なお、この時、前記進行指示操作入力が前記マイクへの音声入力(例えば「次へ」と音声入力する。)であってもよい(第16の発明)。その場合には、半ば強制的に音声入力させることが可能となる。
【0022】
或いは、前記コンピュータは、加速度センサ及び/又はジャイロセンサでなる検知器を内蔵したコントローラを備えており、前記反応分析手段が、更に、前記検知器の検知結果に基づいてプレーヤの反応を分析するように前記コンピュータを機能させる構成としても良い(第17の発明)。
なお、この時、前記進行指示操作入力が、前記コントローラの位置及び/又は姿勢を変化させる所定の動作操作入力(例えば「コントローラ」を傾ける操作)であってもよい(第18の発明)。その場合には、半ば強制的に動作操作入力をさせることが可能となる。
或いはまた、前記進行指示操作入力は、ボタン押下操作入力であり、前記コンテンツ提供手段が、ボタン押下操作入力がなされている間にコンテンツの提供を継続し、前記反応分析手段が、ボタン押下操作入力の継続時間、断続間隔、断続回数及び中断時間のうち少なくとも1つに基づいてプレーヤの反応を分析するように前記コンピュータを機能させる構成としても良い(第19の発明)。
これらの構成の場合、反応分析をより多面的に実現するとともに分析精度を高めることができる。
【0023】
次に、コンテンツの提示方法については、前記コンピュータは、上下2つの表示装置を備えており、前記コンテンツは、喜怒哀楽等の情動反応のうち所定の情動反応を誘発するために予め用意されたコンテンツであって、1つのコンテンツが前記表示装置それぞれに表示される表示用のソフトウェア群でなり、前記コンテンツ提供手段が、前記コンテンツ選択手段により選択されたコンテンツのソフトウェア群に従った表示を、前記上下2つの表示装置に交互に行うように前記コンピュータを機能させるとするとより好適である(第20の発明)。
特にコンテンツ提示によって「泣き」を誘発する場合には、眼球の上下運動を誘発することで涙が出易い状態となるので「泣き」をより効果的に誘発することが可能になる。
【0024】
更に、前記コンテンツ提供手段が、前記プレーヤ類型判定処理手段により判定されたプレーヤ類型に基づき、前記選択されたコンテンツのソフトウェア群に従った表示画像の色調補正及び/又は前記交互表示時のトランジション処理の変更を行うように前記コンピュータを機能させると、所望する情動反応を誘発しやすくなるのでより好適である(第21の発明)。
【0025】
また更に、前記コンテンツには、表示用コンテンツと音声用コンテンツとの2種類があり、前記コンテンツ選択手段が、プレーヤに提供するコンテンツとして前記2種類のコンテンツそれぞれについて選択し、前記コンテンツ提供手段が、前記選択された表示用コンテンツを提供する表示用コンテンツ提供手段と、前記選択された音声用コンテンツを提供する音声用コンテンツ提供手段とを有するように前記コンピュータを機能させると、より一層所望する情動反応を誘発し易くなるので好適である(第22の発明)。
【0026】
また、前記音声用コンテンツが、当該音声のジャンルや音律等による複数の音声種別に予め分類されており、前記コンテンツ選択手段が、プレーヤに提供する音声用コンテンツの音声種別を選択し、該選択した音声種別に属する音声用コンテンツの中から所定の演算を用いて音声用コンテンツを選択するように前記コンピュータを機能させる構成とすることで、音声の提示に伴う情動反応の誘発性をより一層高めることで効果を高めることができる(第23の発明)。
【0027】
更に付け加えるならば、前記音声用コンテンツ提供手段が、前記プレーヤ類型判定処理手段により判定されたプレーヤ類型に基づき、出力される音の特性を変更するフィルタリング処理を施して音声用コンテンツを出力するように前記コンピュータを機能させる構成とするとより好適である(第24の発明)。
これによって、更に音声の提示に伴う情動反応の誘発性を高めることができる。
【0028】
選択するコンテンツの元情報は、プログラムと同時に提供される形態としても良いし、前記コンテンツ選択手段が、前記コンテンツを多数記憶するデータベース又はサーバシステムにアクセスして、前記コンテンツを選択するように前記コンピュータを機能させる構成とすることができる(第25の発明)。
この場合、コンテンツの内容を随時追加更新することが可能になるので、飽きのこないコンテンツ提供を実現することができる。
【0029】
第26の発明は、第1〜第25の何れかの発明のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。ここで言う「情報記憶媒体」とは、例えば磁気ディスクや光学ディスク、ICメモリなどを含む。第26の発明によれば、第1〜第25の発明の何れかのプログラムをコンピュータに読み取らせて実行させることによって、コンピュータに第1〜第25の発明の何れかと同様の効果を発揮させることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、プレーヤに質疑応答してプレーヤの類型を判定し、プレーヤ類型との相性度が定められた複数のコンテンツの中から判定した類型に基づいて適当なコンテンツを選択し提示することを繰り返し実行することができる。例えば、コンテンツがゲームであればゲームを実行し、映画であれば映像とともに音声を出力し、文章であれば画面にテキストを表示してプレーヤに提示することができる。加えて、今回及び過去のプレーヤ類型判定に係る質疑応答への回答操作入力に基づいて、プレーヤ類型を絞り込んで判定していくことができる。よって、よりプレーヤ類型と相性の良いコンテンツを提示して、プレーヤ(ユーザ)に所望する情動をより確実に感じてもらうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
〔第1実施形態〕
次に、本発明を適用した第1実施形態として、携帯ゲーム装置でプレーヤの類型を判定するとともに、判定した類型に応じて「泣く」という情動反応が得られ易いコンテンツを選択・提供する例を挙げて説明する。
尚、本実施形態では携帯ゲーム装置でプレイする形態に限らず、コンテンツの再生装置でコンテンツの選択と再生をする形態であっても良い。
【0032】
[ゲーム装置の構成]
図1は、携帯ゲーム装置の構成例を説明する構成図である。本実施形態における携帯ゲーム装置1400は、プレーヤがゲーム操作を入力するための方向入力キー1402およびボタンスイッチ1404と、第1液晶ディスプレイ1406と、第2液晶ディスプレイ1408と、スピーカ1410と、無線通信モジュール1412と、制御ユニット1450とを、ヒンジ1414で開閉自在なフリップフロップ型の装置本体1401と一体に備えている。更に、第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408の表面には、スタイラスペン1416などで触れることによって表示範囲内の任意位置を入力することのできるタッチパネル1407、1409が装着されている。
【0033】
また、装置本体1401には、コンピュータ読み出し可能な情報記憶媒体であるメモリカード1440の読取装置1418が備えられている。メモリカード1440には、携帯ゲーム装置1400の制御ユニット1450が各種演算処理を実行するために必要なプログラムや各種設定データ、並びに提示するコンテンツに係るデータが記憶されている。
その他、図示しない内臓バッテリーや電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0034】
制御ユニット1450は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)及びDSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ICメモリ、液晶ディスプレイのドライバ回路、音出力用のアンプ回路などを備える。そして、読取装置1418により読み出されたメモリカード1440に格納されているプログラムやデータに基づいて、制御ユニット1450は、種々の演算処理を実行する。そして、方向入力キー1412やボタンスイッチ1404、タッチパネル1407及び1409からの操作入力に応じて装置各部を制御する。
【0035】
また、携帯ゲーム装置1400は、マイクロフォン1420と、3軸加速度センサ1422とを備える。
マイクロフォン1420は、プレイ中にプレーヤが立てる音や声を集音し、集音した音の信号を制御ユニット1450へ出力する。同図のように一体型のマイクロフォンに限らず、外部マイクロフォンを接続可能な接続端子を備える構成としても良い。
3軸加速度センサ1422は、携帯ゲーム装置1400の姿勢変化や位置変化を検出するために垂直交差するX軸・Y軸・Z軸の3軸方向の加速度を検出し、検出信号を制御ユニット1450へ出力する。尚、加速度センサの代わり、又は更なる機能追加としてジャイロセンサを備える構成としても良い。或いは地磁気を基準として位置や姿勢変化を検出するならば磁気センサによって置き換えることもできる。
【0036】
尚、本実施形態では、携帯ゲーム装置1400は必要なプログラムや各種設定データ、並びにコンテンツに係るデータをメモリカード1440から読み出す構成であるが、無線通信モジュール1412を介して、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)と言った通信回線1に接続して外部の装置からデータ通信によって取得する構成としても良い。
【0037】
図2は、本実施形態で実現されるプレーヤの類型判定とコンテンツ提示との関連を示す概念図である。本実施形態の携帯ゲーム装置1400は、大きくわけて、プレーヤの類型判定に係る処理2と、判定されたプレーヤ類型に応じてより「泣きやすい」コンテンツの選択に係る処理4と、選択されたコンテンツの提示・出力に係る処理6と、提示されたコンテンツへのプレーヤの感想を次回以降のコンテンツ選択へフィードバックする処理8とを行う。
【0038】
プレーヤの類型の判定は、コンテンツ提示の前段階として実施される。具体的には、例えば図3に示すようなパーソナリティ判定に用いる質問と、それらの質問を分岐点に対応づけた図4に示すようなパーソナリティ判定の決定木を予め用意する。質問の内容及び決定木は、公知の性格診断テストの技術を利用することで実現できる。但し、本実施形態におけるパーソナリティ判定は、既存の性格判定よりも多様な局面におけるプレーヤの価値観や行動パターンの判定を重視した内容とする意味で単なる性格判定とは異なる。そして、コンテンツの提示前に質疑応答形式のパーソナリティ判定テストを実行し、本実施形態では最終的に7つのパーソナリティタイプ(PS1〜PS7)に分類する(図5参照)。
【0039】
また、携帯ゲーム装置1400は、パーソナリティ判定テストとともにプレーヤ属性に係る情報として未婚/既婚、子供の有無、ペットの飼育経験の有無と言った所定事項を質疑応答形式で取得する。これらパーソナリティタイプ及びプレーヤ属性に係る情報が、本実施形態におけるプレーヤの特性値となる。
【0040】
また、携帯ゲーム装置1400はプレーヤにコンテンツを提示するためのデータをメモリカード1440から読み出す、或いは通信回線1を介して外部装置とデータ通信することにより(具体的には、コンテンツを多数記憶するデータベース又はサーバシステムにアクセスして)取得する。
コンテンツは、予め多数(例えば、数百程度)用意されている。一つのコンテンツは、映像、テキスト、音声などによって構成されており、プレーヤによる進行操作の入力によって提示が進行する形式である。そして各コンテンツは、予め物語の内容から見たシナリオ分類と、登場するキャラクタや物などの登場アイテムのアイテム分類とでラベリングされている。ここで、「アイテム」とは、当該コンテンツのストーリや登場人物等を客観的な事象・事柄・事物で表した事項・項目の意味である。
【0041】
例えば、図6は本実施形態におけるシナリオ分類の例を示す図である。同図に示すように、情動反応誘導の観点から見た物語のテーマとキーワードとでSC1〜SC10の10種に分類されている。また、図7は本実施形態におけるアイテム分類の例を示す図である。同図に示すように、物語に登場する人物や事物、人間関係、病気や事故と言ったシチュエーションを要素としてIT1〜IT8の8種に分類されている。
【0042】
また、携帯ゲーム装置1400は、プレーヤのパーソナリティタイプや属性と言った特性値、シナリオ分類、登場アイテムとの相関情報をメモリカード1440から読み出す、或いは通信回線1を介して外部装置とデータ通信することで取得する構成とすることができる。
【0043】
なお、この相関情報は、プレーヤのパーソナリティや属性と言った特性値、シナリオ分類、登場アイテムとの相関関係について、「泣く」と言う情動反応の観点から実際に行った事前調査によって得られた統計的に有為性のある情報である。
この相関情報に関する事前調査は次のような調査である。例えば無作為抽出された統計的母数として十分に多数の被験者を対象として、パーソナリティ判定テストを実行してパーソナリティタイプを求めるとともに各種の属性に係る情報を入手する。そして各被験者にコンテンツ例を提示して、「泣く」と言う観点から評価をしてもらい、被験者のパーソナリティタイプ、被験者のプレーヤ属性、提示したコンテンツのシナリオ分類、登場アイテムの間での相関を取ることで得られる。例えば、図8は本実施形態における相関情報の元になるパーソナリティタイプと泣きやすいシナリオ及びアイテムとの関連性を説明するための図である。例えば、パーソナリティタイプ「PS1」では、「結果がすぐわかるようなシナリオで泣きやすい傾向」が事前調査によって得られる。本実施形態ではこの泣きやすい傾向を各パーソナリティタイプ別に対応するコンテンツの相性として指数化し、この指数に基づく所定の選択基準でコンテンツを選択する。
【0044】
コンテンツの提示においては、選択されたコンテンツの映像やテキストが第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408で表示され、スピーカ1410からそのBGMや効果音(SE)が放音される。プレーヤは、映像やテキストを見つつ、音声を聞いてコンテンツを楽しむ。そして、コンテンツの提示が終了したならば、プレーヤは提示されたコンテンツの感想を入力する。感想は、特定の情動反応が得られた度合いとして入力する。本実施形態では、「泣く」情動反応を目的としてコンテンツを提示するので「泣けた」〜「面白くない(全く泣けない)」まで肯定から否定までを指数化した度合いで入力される。
【0045】
感想が入力されると、本実施形態の携帯ゲーム装置1400は感想入力結果をコンテンツの選択基準にフィードバックする処理を実行する。
フィードバックの仕方は、次回以降のコンテンツの選択に対する設計思想によって適宜設定する。例えば、とにかく泣きやすいコンテンツを提示することを主眼とする設計思想に基づくならば、肯定的な感想が入力された場合には選択基準をより厳しくしてパーソナリティタイプとコンテンツの相関のより高いものが選択されるようにフィードバックし、否定的な感想入力が為されたならば事前調査に基づく相関とはズレている可能性を考慮して選択基準を緩やかにすることができる。
また別の考え方としては、今回泣くことができたので選択されるコンテンツの幅を増やしてより心を柔軟にすることを狙う設計思想に基づくならば、肯定的な感想が入力されたならば選択基準を緩やかにしてコンテンツの選択幅を増やす。反対に、否定的な感想が入力された場合には、選択基準を厳しくして先ずは泣かせる可能性を高め、泣くことによる心のコリを解きほぐすことを優先するようにしても良い。
【0046】
[機能ブロックの説明]
図9は、本実施形態における携帯ゲーム装置1400の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。同図に示すように本実施形態では、制御部100とバス240で信号送受可能に接続された操作入力部200、位置・姿勢変化検出部202、音検出部204、画像表示部210、音出力部220、通信部230、記憶部300の各部を備える。
【0047】
制御部100は、マイクロプロセッサやICメモリ、各種ドライバ回路などによって実現され、携帯ゲーム装置1400の動作を制御する。本実施形態では図1の制御ユニット1450がこれに該当する。そして本実施形態の制御部100は、プレーヤ類型判定部102と、コンテンツ選択部104と、コンテンツ提示制御部120と、進行制御部128と、情動反応分析部130とを備える。
【0048】
プレーヤ類型判定部102は、プレーヤ(ユーザ)に回答操作入力を求めるパーソナリティ判定用の質疑応答形式の処理を実行し、今回及び過去の質疑に対するプレーヤによって為された回答操作入力に基づいて、予め定められた7つのパーソナリティタイプのうちプレーヤに適合するパーソナリティタイプを判定する機能を有する。また、プレーヤ属性に関する情報を取得するためにプレーヤに入力を要求する種々の処理を実行する。
パーソナリティ判定に係わる処理では、公知の性格診断テストなどと同様に、プレーヤが複数の質問に答える必要がある。本実施形態ではプレイをガイドする仮想キャラクタを画面に登場させ、コンテンツ提示前に1つのパーソナリティ判定用の質問に答えるように質疑応答形式の処理が実行される。これによって、性格診断テストのようなものを受けているあからさまな印象をプレーヤに与えないようにして、プレーヤとコンテンツを提供する側との間の親密度が高まり易くし、ひいてはプレーヤに未然に心構えを生じさせることによる情動反応の誘発への悪影響を抑制するように考慮されている。
【0049】
コンテンツ選択部104は、予め用意されている複数のコンテンツの中から、プレーヤ類型判定部102による類型判定結果に応じて所望する情動反応(本実施形態では「泣くこと」)を誘発させるコンテンツを選択する。そして、本実施形態のコンテンツ選択部104は相関算出部106と閾値条件可変部108とを含む。
【0050】
相関算出部106は、コンテンツ毎にプレーヤの泣きやすさに相当する相性値を算出する。コンテンツ選択部104は、相関算出部106で算出された相性値が所定の閾値条件を満たすコンテンツを抽出して母集団を形成し、その母集団の中から今回提示するコンテンツを選択する。
【0051】
閾値条件可変部108は、今回条件可変部110と、次回条件可変部112と、反応結果反映部114とを含み、閾値条件をコンテンツの提示を受けたプレーヤの反応やコンテンツ提示前のプレーヤの心的・身体的状態に応じて閾値条件を可変する。
【0052】
今回条件可変部110は、コンテンツ提示前のプレーヤの心的・身体的状態に関する質問応答形式の処理を実行し、プレーヤの心身がポジティブな状態に該当すると判定される場合にはより多くのコンテンツの中から今回提示するコンテンツが選ばれるように閾値条件を変更する。反対にプレーヤの心身がネガティブな状態に該当すると判定される場合には、より相性の高いつまりより高い確率でユーザに所望の情動反応を誘発させるコンテンツを選択するように閾値条件を変更する。
【0053】
次回条件可変部112は、提示されたコンテンツに対するプレーヤの反応に応じて次回以降のコンテンツ選択に適用される閾値条件を可変する。
より具体的には、感想の操作入力を求める質疑応答形式の処理を実行する。そして、コンテンツの提示によって所望する情動反応が得られたと判断される場合には、今回所望する情動反応が得られているのでコンテンツとの相性がそれほど高くなくとも情動反応が得られやすくなっていると判断し、より多くのコンテンツの中からコンテンツが選択できるように閾値条件を変更する。反対に所望する情動反応が得られなかったと判断される場合には所望の情動反応が得られやすくするようにより相性の高いコンテンツの中から選択されるように閾値条件を変更する。また、同様に後述する情動反応分析部130によって、コンテンツ提示中に所望する情動反応が誘発されたと判断された場合には、同様に次回に適用される閾値条件を変更する。
【0054】
コンテンツ提示制御部120は、画像出力制御部122と、音出力制御部124とを備え、コンテンツの提示・出力に係る制御を実行する。
具体的には、画像出力制御部122は、例えばGPUなどの画像処理用マイクロプロセッサや、液晶ディスプレイなどの画像表示装置のドライバ回路、生成された画像の各ピクセルの色や輝度などの情報を一時的に記憶するICメモリなどによって実現される。そして画像表示装置210にコンテンツの映像やテキストを表示させるための画像の生成やトランジェント処理、画像合成処理やエフェクト処理を実行する。
音出力制御部124は、DSPや、音の高さやテンポを変更するフィルタ回路、アンプ回路などによって実現され、音出力装置220にコンテンツの音声を出力するための音声信号の生成、音声信号のフィルタ処理などを実行する。
【0055】
進行制御部128は、プレーヤ類型判定部102による類型判定に係る処理と、コンテンツ選択部104によるコンテンツの選択に係る処理と、コンテンツ提示制御部120によるコンテンツ出力制御に係る処理とを一連に実行するように制御する。
【0056】
情動反応分析部130は、コンテンツ提示中にプレーヤが、所望する情動反応(=製作サイドが狙っていた情動反応。本実施形態では「泣くこと」。)を示したか否かを分析・判定する処理を実行する。具体的には、本実施形態ではスタイラスペン1416による第2液晶ディスプレイ1408へのタッチ、又は特定のプッシュボタンスイッチ1404の押下による進行操作入力がされている間、自動的に本のページをめくるように自動的にコンテンツの映像や音声が順次出力され、進行操作入力が途絶えるとコンテンツの提示が中断される。そこで、情動反応分析部130は、進行操作入力の断続時間長さを計時し、所定基準時間以上の断続が発生した場合に所望する情動反応が誘発され(具体的にはプレーヤが泣いていることによって)連続的な進行操作入力が中断されたと判断する。
【0057】
操作入力部200は、例えば、十字キーや、ボタンスイッチ、ジョイスティック、マウス、キーボード、タッチパネル、加速度センサ、傾斜センサなどによって実現され、ユーザによる各種操作を受けて操作入力信号を制御部100に出力する。本実施形態では、図1の方向入力キー1402、ボタンスイッチ1404、タッチパネル1407及び1409がこれに該当する。
【0058】
位置・姿勢変化検出部202は、例えば3軸加速度センサやジャイロ、距離センサ、傾斜センサ、地磁気検出センサなどによって実現され、携帯ゲーム装置1400と外部環境との相対姿勢や相対位置の変化を検出し、検出信号を制御部100へ出力する。
音検出部204は、例えばマイクロフォンなどによって実現され、プレイ中のプレーヤの立てる音や外部環境音を検出し、検出信号を制御部100へ出力する。
【0059】
画像表示部210は、例えばLCDやELD、PDPと言ったフラットパネルディスプレイ、電子インクディスプレイ、CRTなどの画像表示装置、及びドライバ回路などによって実現され、制御部100で生成された画像を表示出力する。本実施形態では、図1の第1液晶ディスプレイ1406に該当する第1画像表示部212と、図1の第2液晶ディスプレイ1408に該当する第2画像表示部214とを備える。
【0060】
音出力部220は、スピーカや骨伝導素子などによって実現され、制御部100で生成された音信号に従って放音や音伝導出力する。本実施形態では、図1のスピーカ1410がこれに該当する。
【0061】
通信部230は、モデム、ターミナルアダプタ、光回路終端装置、無線通信機などによって実現され、有線或いは無線によってインターネットやLANなどの通信回線と接続して外部装置とデータ通信する。本実施形態では、図1の無線通信モジュール1412がこれに該当する。
【0062】
記憶部300は、ICメモリや磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブなどコンピュータ読み出し可能な情報記憶媒体、その読み出し/書き込み装置などによって実現される。本実施形態では、図1の制御ユニット1450に実装されたROMなどのICメモリ並びにメモリカード1440がこれに該当する。
また、本実施形態では、記憶部300はシステムプログラム302とアプリケーションプログラム304を記憶している。制御部100がアプリケーションプログラム304を読み出して実行することによって、プレーヤ類型判定部102やコンテンツ選択部104、コンテンツ提示制御部120の一部機能、進行制御部128、情動反応分析部130の機能を実現できる。
【0063】
また、記憶部300はプレーヤ毎の情報管理ファイルとしてユーザ登録データ310を記憶する。
図10は、ユーザ登録データ310のデータ構成例を示す図である。同図に示すように、ユーザ登録データ310は、ユーザ名312と、ユーザ属性情報314と、パーソナリティタイプ情報326と、次回適用相性値範囲334と、プレイ履歴情報336とを格納する。
ユーザ属性情報314は、プレーヤ属性に相当する情報、つまり登録ユーザの家族構成や所定事項の経験の有無等の現在及び/又は過去の事実関係に関する情報を格納する。本実施形態では、性別316、年齢318を含む。また、ペット飼育経験フラグ320、子供有無フラグ322、既婚フラグ324を含んでおり、それぞれペット飼育経験がある場合、子供を持った経験がある場合、結婚経験がある場合にそれぞれ「1」が格納されてフラグが立てられる。
【0064】
パーソナリティタイプ情報326は、現在該当するパーソナリティ判定の決定木の分岐点位置を示す決定木分岐点番号328と、各パーソナリティタイプ330毎の適合度である確度332とを含む。
本実施形態では、1回のコンテンツ提示の前段階としてパーソナリティ判定テストの質問が少なくとも一つ質疑応答され、何度かの質疑応答を経ることで最終的なパーソナリティタイプが判定される。決定木分岐点番号328は、パーソナリティ判定過程の現在位置を記憶することになる。よって、パーソナリティタイプ330毎の確度332は、当該パーソナリティタイプである確率に相当し、最大値「1」〜最小値「0」の範囲の値が格納される。
【0065】
次回適用相性値範囲334は、コンテンツ選択の閾値条件を格納する。本実施形態では、初期設定値としてコンテンツ毎の相性値の最大から相性値の全幅の25%内を選択範囲とする範囲が設定され、コンテンツの提示を繰り返す毎に制御部100の閾値条件可変部108によって範囲の拡大/縮小がなされる。
【0066】
プレイ履歴情報336は、総プレイ回数338とコンテンツ提示履歴340とを含んでいる。コンテンツ提示履歴340は、例えば図11に示すように、コンテンツを提示した提示日時341と、コンテンツの識別情報であるコンテンツ番号342と、コンテンツジャンル343と、コンテンツの感想情報344と、反応箇所情報345と、秘密ノート情報346とを対応づけて格納する。
【0067】
感想情報344は、コンテンツ提示後にユーザが選択した感想に係る情報を格納する。本実施形態では「泣く」情動反応を誘発するためにコンテンツを提示することを目的とするので「泣けた」〜「面白くない(つまり泣けない)」までを5段階評価で感想入力できるようになっている。
反応箇所情報345は、コンテンツを見たユーザが情動反応を示したと判断された箇所を特定する情報が格納される。本実施形態ではコンテンツは予め定められたタイムラインに従って映像・テキスト・音声が出力される形式であり、言わば自動ページめくり機能付電子ブック形式の如く提示される。よって、反応箇所情報345には例えばタイムライン上のタイムカウンタが格納される。その他、コンテンツのデータ形式や制御形式に応じてフレーム番号や、シーン番号などを格納する構成としても良い。
秘密ノート情報346は、プレーヤが任意に書き込める日記や備忘録に該当するテキスト情報を格納する。
【0068】
図9において、記憶部300はまた、プレーヤ類型判定に係る情報として予めパーソナリティ判定用質問データ350と、ダミー質問データ356と、分岐条件TBL(テーブル)360とを記憶している。
【0069】
パーソナリティ判定用質問データ350は、パーソナリティ判定用の質問内容を格納する。具体的には、例えば図12に示すように、パーソナリティ判定用の決定木(図4参照)の分岐点番号を格納する決定木分岐点番号352と対応づけてその分岐点で出される質問の内容を定義する質問データ354を格納している。
【0070】
ダミー質問データ356は、例えば図13に示すように、パーソナリティ判定用質問データ350の質問に適当に紛れ込ませて質疑される質問を設定する。この質問は、目的とするパーソナリティ判定には何ら影響を及ぼさない内容が設定されており、パーソナリティ判定に係る質疑内容があからさまにならないように、また質問内容が覚えられてしまわないように多数設定されている。
【0071】
分岐条件TBL(テーブル)360は、例えば図14に示すように、決定木分岐点番号362と対応づけて、分岐条件364と、当該分岐条件を満たす場合の分岐先番号366と、分岐先の分岐点における各パーソナリティタイプ別確度値368とが格納されている。つまり、分岐条件TBL360はパーソナリティ判定用決定木を定義しているとも言える。
【0072】
また図9において、記憶部300はコンテンツ選択に係る情報として予めコンテンツ基礎パラメータ値TBL370と、シナリオ重み付け係数TBL390と、アイテム重み付け係数TBL400と、コンテンツデータ410とを記憶している。また、実際にコンテンツ選択に係る処理を実行する際には、コンテンツ選択部104がコンテンツ相性値算出TBL440を生成しながら選択を行う。
【0073】
コンテンツ基礎パラメータ値TBL370は、例えば図15に示すように、コンテンツの識別情報であるコンテンツ番号372と対応付けて、属性フラグ374と、シナリオ分類376と、アイテム分類378と、作品レベル380と、コンテンツジャンル382と、所要時間383とを格納する。
属性フラグ374は、対応するコンテンツの内容がプレーヤ属性(ユーザ属性)と同じ観点から見て分類された結果がフラグで示されている。本実施形態ではコンテンツの内容が結婚に関する話である場合には結婚フラグに「1」が格納されフラグが立てられる。同様に、コンテンツに子供に関する話である場合には子供フラグに「1」が格納され、ペットに関する話である場合にはペットフラグに「1」が格納されている。
作品レベル380は、対応するコンテンツの一つの作品としての出来不出来を示す値を格納する。作品レベル380は予めコンテンツの評価に慣れた部外者(例えば評論家など)によって決定される。
【0074】
シナリオ重み付け係数TBL390は、パーソナリティタイプとシナリオ分類との間で所望する情動反応(本実施形態では「泣く」と言う反応)を誘発する相性を示す係数を格納する。
例えば図16に示すように、適用条件392毎に一つのテーブルデータが形成される。記憶部300には、異なる適用条件392毎に複数のシナリオ重み付け係数TBL390が記憶されている。そして、一のシナリオ重み付け係数TBL390は、パーソナリティタイプ394毎にシナリオ分類396との対応関係で相性の度合いを示す値を最大「1」〜最小「0」の間で格納する。例えば同図の例では、パーソナリティタイプ394「PS2」に対応するシナリオ分類396「SC3」の値が「1.0」に設定され、「SC1」及び「SC2」は「0.5」に設定されている。従って、「SC3」のシナリオ分類が設定されたコンテンツは、適用条件392に合致するプレーヤに対して、「SC1」「SC2」よりもより所望する情動反応を誘発させ易い傾向にあることになる。
【0075】
同様に、アイテム重み付け係数TBL400は、パーソナリティタイプとアイテム分類との間で所望する情動反応を誘発する相性を示す係数を格納する。
例えば図17に示すように、適用条件402毎に一つのテーブルデータが形成される。記憶部300には、異なる適用条件402毎に複数のアイテム重み付け係数TBL400が記憶されている。そして、一のアイテム重み付け係数TBL400は、パーソナリティタイプ404毎にアイテム分類406との対応関係で相性の度合いを示す値を最大「1」〜最小「0」の間で格納する。
【0076】
コンテンツデータ410は、コンテンツ毎に予め用意されその内容を定義する。
例えば図18は、コンテンツデータ410のデータ構成例を示す図である。同図に示すように、コンテンツデータ410は、コンテンツの識別情報に相当するコンテンツ番号412と、コンテンツジャンル414と、シーケンスデータ416と、表示データライブラリ426と、音声データライブラリ428とを含む。
【0077】
シーケンスデータ416は、コンテンツの内容をどのような順番でどのように出力するかを定義したデータである。本実施形態ではプレーヤが所定の進行操作入力をしている間、自動的に本のページをめくるようにしてコンテンツが自動的に先に進む構成となっている。よって、シーケンスデータ416には、提示開始からのタイムカウンタ又はフレーム番号など時間経過が示されるタイムライン418と、このタイムラインに対応づけて表示データID420と、当該表示画像の表示先422と、音声データID424とが格納されている。同図の例では、最初にファイル名「PICT_001」の画像が、第1ディスプレイ、つまり第1液晶ディスプレイ1406に表示され、同時にファイル名「BGM_001」がスピーカ1410から出力されるように設定されている。そして、開始後所定時間になると第2液晶ディスプレイ1408に「TEXT_001」が表示され・・・と言った具合にコンテンツが提示されてゆく。
【0078】
表示データID420に設定される内容は、表示データライブラリ426に格納されている。例えば、図19に示すような画像その物でも良いし、図20に示すようにテキスト表示用のテキストデータであっても良い。或いは、表示する画像を3DCG(3次元コンピュータグラフィックス)で生成する場合にはオブジェクトデータや光源、仮想カメラの設定情報などとしても良い。
同様に、音声データID424に設定される内容は、音声データライブラリ428に格納されている。
【0079】
コンテンツ相性値算出TBL440は、コンテンツ選択に際して、各コンテンツの提示によってプレーヤに対して所望する情動反応を誘発する度合いつまり相性値を算出するために利用される一時データ格納用のテーブルである。
例えば、図21に示すように、コンテンツ番号442に対応づけて、属性合致度444と、パーソナリティタイプ別基礎ストレスレベル446と、ストレスレベル448と、作品レベル450と、属性合致度指数452と、ストレスレベル指数454と、作品レベル指数456と、相性値458とを格納する。
【0080】
属性合致度444は、ユーザ属性の各項目とコンテンツの属性とのマッチ度を格納する。具体的には、図22の式で求められ、ユーザ登録情報310のユーザ属性情報314に格納されているプレーヤの属性に適合するほど高い値が算出・設定される。
【0081】
パーソナリティタイプ別基礎ストレスレベル446は、対応するコンテンツ毎のパーソナリティタイプに対して所望の情動反応を誘発する度合い・基礎的な相性を示す値を格納する。
具体的には、各コンテンツについてコンテンツ基礎パラメータ値TBL370を参照して当該コンテンツに設定されているシナリオ分類376とアイテム分類378を取得する。そして、現時点に於けるユーザ登録データ310のユーザ属性情報314が適用条件に適合するシナリオ重み付け係数TBL390及びアイテム重み付け係数TBL400を参照して、全てのパーソナリティタイプ毎に当該コンテンツのシナリオ分類376に対応するコンテンツ重み付け係数Wsと、当該コンテンツのアイテム分類378に対応するアイテム重み付け係数Wiの積を算出し、これを当該コンテンツとパーソナリティタイプとの組み合わせに適用される基礎ストレスレベルとする。つまり、情動反応というストレスが誘発され得る予測の程度と言える。
【0082】
ストレスレベル448は、現時点に於けるプレーヤのパーソナリティタイプの確度分布に応じてパーソナリティタイプ別基礎ストレスレベル446を重み付けした値を格納する。
作品レベル450は、コンテンツ基礎パラメータ値TBL370の作品レベル380で設定されている値を格納する。
属性合致度指数452は、属性合致度444を最大値「1」最小値「−1」平均値「0」となるように標準化して得られる値を格納する。同様に、ストレスレベル指数454はストレスレベル448の標準化によって得られる値、作品レベル指数456は作品レベル450の標準化によって得られる値を格納する。
そして、相性値458は、これら属性合致度指数452とストレスレベル指数454と作品レベル指数456との合計値を格納する。
【0083】
図9において、本実施形態の記憶部300は、その他にプレイガイド表示用データ460と、今回適用相性値範囲462と、コンテンツ再選択回数464と、次回適用相性値変更回数466と、進行操作時間間隔カウンタ468などを随時記憶する。
【0084】
プレイガイド表示用データ460は、プレイガイドを画像表示部210で表示させるための各種データを格納している。本実施形態では、「泣ける」コンテンツを提供する“バー”にユーザが訪れると言う設定でプレイするものとし、プレイガイド役としてバーテンのキャラクタを表示する。よって、プレイガイド表示用データ460には、バーテンキャラクタの表示用データ、バーテンキャラクタの会話用のテキストや音声データ、背景画像データなどが格納されている。
【0085】
今回適用相性値範囲462は、今回のコンテンツ選択に適用される閾値条件を格納する。
コンテンツ再選択回数464は、コンテンツ選択処理時に選択の禁則に該当してコンテンツの再選択を行った回数を格納する。当該回数を所定の基準値と比較することによって禁則に触れない他のコンテンツを選択できない状態に陥り、処理が無限ループすることを回避するのに用いられる。
【0086】
次回適用相性値範囲変更回数466は、閾値条件可変部108によって次回のコンテンツ選択時に適用される閾値条件が変更された回数を格納する。当該回数を所定基準値と比較することによって当該閾値条件の変更に制限をかけるのに用いられる。
進行操作時間間隔カウンタ468は、プレーヤによるコンテンツ提示の進行操作入力の入力時間から情動反応の有無や程度を予測するための計時カウント値を格納する。本実施形態では、所定のプッシュボタン1404を押し続ける、又はスタイラスペン1416で第2液晶ディスプレイ1408をタッチし続けると自動的にコンテンツ提示を進行する構成であるので、進行操作時間間隔カウンタ468はプッシュボタン1404又はスタイラスペン1416によるタッチ操作によるコンテンツ提示の進行操作入力が途絶したタイミングでリセットした後、カウントアップがスタートされ、再び進行操作入力が検知されるとカウントが停められる。
【0087】
[処理の流れの説明]
次に、本実施形態における処理の流れについて説明する。
図23は、本実施形態における主たる処理の流れを説明するためのフローチャートである。同図に示すように、制御部100は先ずユーザの新規登録又は登録済みユーザのエントリーを要求する画面を表示する(ステップS2)。例えば図34(a)に示すように、第1液晶ディスプレイ1406に表示する画面W1では、新規登録選択用のボタン表示10と、登録済みユーザのユーザ名を入力する入力欄12を表示する。
【0088】
ボタン表示10がタッチされて新規登録が選択された場合(ステップS4のYES)、制御部100はユーザ登録に係る第1質疑応答処理を実行する(ステップS6)。
【0089】
図24は、本実施形態における第1質疑応答処理の流れを説明するためのフローチャートである。第1質疑応答処理では先ず、制御部100は新規のユーザ登録データ310を生成する(ステップS50)。次いで、ユーザ名・性別・年齢の入力画面を表示する(ステップS52)。例えば、図34(a)の入力画面W2のように、第2液晶ディスプレイ1408に名前入力欄14と、性別選択用プルダウンメニュー16と、年齢選択用プルダウンメニュー18とを表示する。名前入力欄14をタッチした場合には、画面内に仮想キーボードを表示し、スタイラスペン1416によるタッチ位置に応じてテキストを入力する所謂ソフトウェアキーボードによる入力を実行する。
そして、制御部100は入力画面W2で入力されたユーザ名・性別・年齢を先に生成したユーザ登録データ310に格納する(ステップS54)。
【0090】
次に制御部100は、プレイガイド表示用データ460を参照して、プレイガイド役のバーテンキャラクタ及び入力画面を表示し、質疑応答形式でユーザ属性に関する情報の入力を促す(ステップS56)。例えば、図34(b)の画面W3のように、バーカウンターの向こうからバーテンキャラクタBTが話しかけているかのような画面を第1液晶ディスプレイ1406に表示するとともに、入力画面W4のように第2液晶ディスプレイ1408にバーテンキャラクタBTの台詞20と、ユーザ属性にかかる質問22及びその回答を入力するプルダウンメニュー24を表示する。
そして、制御部100は入力画面W4で入力された結果をユーザ登録データ310のユーザ属性情報314に格納し、パーソナリティタイプ情報326を初期化する(ステップS58)。パーソナリティタイプ情報326の初期化では、決定木分岐番号328に「DV1」を格納し、各パーソナリティタイプ330の確度332を全て所定値、例えば「0.143」に設定する。そして、第1質疑応答処理を終了する。
【0091】
図23のフローチャートに戻って、制御部100はプレイガイド役のバーテンキャラクタを画面表示して(ステップS10)、第2質疑応答処理を実行する(ステップS12)。
【0092】
図25は、本実施形態における第2質疑応答処理の流れを説明するためのフローチャートである。第2質疑応答処理では先ず、制御部100は新規登録されたユーザ又は入力画面W2で登録済みのユーザ名を入力してエントリーしたプレーヤのユーザ登録データ310を読み出して、パーソナリティタイプ情報326を参照する(ステップS60)。そして、何れかのパーソナリティタイプの確度332が基準値(例えば、「0.9」)以上で在るか否かつまりパーソナリティタイプの診断結果がほぼ確実であるか否かを判定する(ステップS62)。
何れかの確度値332が基準値未満の場合(ステップS62のNO)、制御部100はパーソナリティ判定用の正規の質問をするかダミー質問をするかを、例えば乱数を発生させ、その乱数が所定の基準を満たすか否かを判定するなどしてランダムに決定する(ステップS64)。
【0093】
その結果、ダミー質問を採用しないと決定した場合には(ステップS66のNO)、
パーソナリティ判定用質問データ350を参照し、現在の決定木分岐番号328に対応する質問データ354を抽出して(ステップS68)、バーテンキャラクタが抽出した質問をするように画面表示制御する(ステップS70)。例えば、図34(c)のように、第1液晶ディスプレイ1406にはバーテンキャラクタBTの画像W5を表示し、第2液晶ディスプレイ1408にはバーテンの台詞26と、パーソナリティ判定用の質問28と、質問への応答入力部29とを表示する画面W6を表示する。本実施形態では、パーソナリティ判定用の質問へは合致度を5段階で答える形式をとる。よって、応答入力部29では同図のように5段階の入力位置を表示し、スタイラスペン1416によるタッチ位置から入力結果を判定する。
【0094】
次に制御部100は、分岐条件TBL360の現在のユーザ登録データ310の決定木分岐点番号328に格納されている分岐点番号に対応する分岐条件364を参照して、画面W6で入力された質問への回答入力に応じて、分岐先番号366、パーソナリティタイプ別確度値368を読み出す(ステップS72)。そして、ユーザ登録データ310の決定木分岐点番号328を、読み出した分岐先番号366の設定に変更し、各パーソナリティタイプの確度332を、読み出したパーソナリティタイプ別確度値368の値に変更し(ステップS74)、第2質疑応答処理を終了する。
【0095】
一方、ステップS62において、確度332の何れかの値が基準値以上に達している場合(ステップS62のYES)、及びステップS64のランダム決定処理においてダミー質問を採用すると決定した場合(ステップS66のYES)、制御部100はダミー質問データ356を参照して、何れか一つの質問をランダムに選択して(ステップS76)、ステップS70と同様に選択したダミー質問をバーテンキャラクタがユーザに質問するように画面表示制御する(ステップS78)。ダミー質問は、パーソナリティ判定に何ら影響を及ぼさない内容に設定されているので、回答の入力結果如何に係わらず、パーソナリティタイプ情報326の変更は行わずに、そのまま第2質疑応答処理を終了する。
【0096】
図23のフローチャートに戻って、制御部100は次にコンテンツ選択処理を実行する(ステップS14)。
図26は、本実施形態におけるコンテンツ選択処理の流れを説明するためのフローチャートである。コンテンツ選択処理では、制御部100は先ずコンテンツ基礎パラメータ値TBL370を参照して(ステップS90)、各コンテンツについて図22の算出式に従って属性合致度の値を算出し、コンテンツ相性値算出TBL440の属性合致度444に格納する(ステップS92)。
【0097】
次に、制御部100は基礎ストレスレベル算出処理を実行する(ステップS94)。
図27は、本実施形態における基礎ストレスレベル算出処理の流れを説明するためのフローチャートである。基礎ストレスレベル算出処理は、プレーヤの性別や年齢に基づいて、同じような事実類型を持つ人が各コンテンツに対して示す情動反応の程度の予測基準値を求める処理である。
基礎ストレスレベル算出処理では先ず、制御部100は記憶部300に予め記憶されている複数のシナリオ重み付け係数TBL390及びアイテム重み付け係数TBL400の中から、現在のユーザ属性情報314に登録されている属性が適用条件392,402に該当するシナリオ重み付け係数TBL390及びアイテム重み付け係数TBL400を選択する(ステップS130)。そして、全コンテンツについてループAの処理を実行する(ステップS132〜S146)。
【0098】
ループAの処理では、制御部100はコンテンツ基礎パラメータ値TBL370から処理対象のコンテンツのシナリオ分類376及びアイテム分類378を読み出す(ステップS134)。そして、全パーソナリティタイプについてループBの処理を実行する(ステップSS136〜S144)。
ループBでは、ステップS130で選択したシナリオ重み付け係数TBL390を参照して、処理対象のパーソナリティタイプに対応するステップS134で読み出したシナリオ分類に設定された係数Wsを読み出し(ステップS138)、ステップS130で選択したアイテム重み付け係数TBL400を参照して、処理対象のパーソナリティタイプに対応するステップS134で読み出したアイテム分類に設定された係数Wiを読み出す(ステップS140)。そして、読み出した係数Wsと係数Wiとの積を算出し、これを処理対象コンテンツに対する処理対象パーソナリティタイプの人が所望する情動反応を示す相性の基礎値、すなわち基礎ストレスレベルとして、コンテンツ相性値算出TBL440のパーソナリティタイプ別基礎ストレスレベル446の該当記憶領域に格納する(ステップS142)。
全パーソナリティタイプについてループBを実行すると、処理対象コンテンツのパーソナリティタイプ別基礎ストレスレベル446が求まったことになるので、次のコンテンツを処理対象としてループAの処理を実行し、基礎ストレスレベル算出処理を終了する。
【0099】
図26のフローチャートに戻って、制御部100は次にストレスレベル算出処理を実行する(ステップS96)。ストレスレベル算出処理は、先に算出した基礎ストレスレベルに基づいて、現時点におけるプレーヤのパーソナリティタイプの確からしさ(適合度)に基づいて各コンテンツに対する所望する情動反応を誘発する見込み値を求める処理である。
【0100】
図28は、本実施形態におけるストレスレベル算出処理の流れを説明するためのフローチャートである。ストレスレベル算出処理では、制御部100は全コンテンツについてループCの処理を実行する(ステップS160〜S172)。
ループCではユーザ登録データ310のパーソナリティタイプ情報326を参照して、何れかのパーソナリティタイプの確度332が、パーソナリティ判定が確定したと判断できる所定の基準値以上であるか否かを判定する(ステップS162)。何れの確度332も基準値に満たない場合(ステップS162のNO)、制御部100はプレーヤ履歴情報336の総プレイ回数338を参照する。そして、総プレイ回数が「1」の場合(ステップS166の「1」)、制御部100はパーソナリティタイプ毎に現時点における確度332とコンテンツ相性値算出TBL440に処理対象コンテンツに対応づけて格納されているパーソナリティタイプ別基礎ストレスレベル446との積を求める。そして、コンテンツ毎に求めた積の平均値を算出し、これを処理対象コンテンツのストレスレベルとしてコンテンツ相性値算出TBL440のストレスレベル448に格納し(ステップS168)、処理対象コンテンツに対するループCの処理を終了する。
【0101】
総プレイ回数が2回以上の場合には(ステップS166の「2」以上)、制御部100はパーソナリティタイプ毎に現時点における確度332とコンテンツ相性値算出TBL440に処理対象コンテンツに対応づけて格納されているパーソナリティタイプ別基礎ストレスレベル446との積を求める。そして、コンテンツ毎に求めた積の和を算出し、これを処理対象コンテンツのストレスレベルとしてコンテンツ相性値算出TBL440のストレスレベル448に格納し(ステップS170)、処理対象コンテンツに対するループCの処理を終了する。
【0102】
一方、ステップS162において何れかの確度332が基準値に達している場合には(ステップS162のYES)、制御部100はコンテンツ相性値算出TBL440において処理対象コンテンツに対応づけて格納されているパーソナリティタイプ別基礎ストレスレベル446であって、確度332が基準値以上になっているパーソナリティタイプに対応するパーソナリティタイプ別基礎ストレスレベル446の値を、処理対象コンテンツのストレスレベルとしてコンテンツ相性値算出TBL440のストレスレベル448に格納し(ステップS164)、処理対象コンテンツに対するループCの処理を終了する。
そして、全てのコンテンツについてループCの処理を実行したならば、ストレスレベル算出処理を終了する。
【0103】
図26のフローチャートに戻って、制御部100は次にコンテンツ相性値算出TBL440の現在の属性合致度444、ストレスレベル448、作品レベル450をそれぞれ標準化する(ステップS98)。ここで言う標準化とは、最大「1」最小「−1」平均「0」とする標準化である。標準化された値は、それぞれコンテンツ相性値算出TBL440の属性合致度指数452、ストレスレベル指数454、作品レベル指数456に格納される。
【0104】
次に、制御部100は全てのコンテンツについて、属性合致度指数452とストレスレベル指数454と作品レベル指数456との合計を求め、合計値をそのコンテンツがユーザに所望の情動反応を誘発する期待値としてコンテンツ相性値算出TBL440の相性値458に格納する(ステップS100)。
そして、総プレイ回数338が「1」の場合(ステップS102のYES)、制御部100はコンテンツ相性値算出TBL440において相性値458が最大となるコンテンツを一つ選択して(ステップS104)、コンテンツ選択処理を終了する。一方、総プレイ回数338が「2」以上である場合には(ステップS104の「2」以上)、第3質疑応答処理を実行して(ステップS106)、コンテンツ選択処理を終了する。
【0105】
第3質疑応答処理は、ユーザの現在の心身状態に関する質疑応答を実行して、心身状態に応じてコンテンツの選択基準を可変する処理である。
図29は、本実施形態における第3質疑応答処理の流れを説明するためのフローチャートである。同図に示すように、第3質疑応答処理では先ず、制御部100はバーテンキャラクタBTが今日の心身状態を尋ねる画面を表示制御するとともに(ステップS190)、心身状態を「ネガティブ(疲れている)=1」〜「ポジティブ(元気)=5」の間の5段階評価で回答入力する入力画面を表示制御する(ステップS192)。
例えば、図35(a)に示すように、第1液晶ディスプレイ1406に画面W7のようにお客に話しかけるバーテンキャラクタBTの画像を表示制御するとともに、第2液晶ディスプレイ1408に入力画面W8のように心身状態を尋ねる質問30と、心身状態をネガティブな状態からポジティブな状態まで5段階評価で入力する入力欄32を表示制御する。プレーヤは入力欄32で該当する位置をスタイラスペン1416によるタッチで入力する。
【0106】
次に制御部100は、ユーザ登録データ310の次回適用相性値範囲334を参照してこれを今回適用相性値範囲462に格納して今回適用相性値範囲を次回適用相性値範囲と同じくする(ステップS194)。
そして、心身状態への回答入力がネガティブと判断される場合には(ステップS196の「2」以下)、心身が疲れていて特に「泣く」と言った細やかな情動反応を起こし難い状態にあると判断して、今回適用相性値範囲462を所定幅小さく変更し、コンテンツ選択の閾値基準を厳しくする(ステップS198)。
反対に、回答入力がポジティブと判断される場合には(ステップS196の「4」以上)、心身に余裕があって物事を好意的にとらえることができると判断して、今回適用相性値範囲462を所定幅大きく変更し、コンテンツ選択の閾値条件を緩くする(ステップS200)。
心身状態を尋ねる質問への回答入力が特にネガティブでもポジティブでもない所謂普通レベルであると判断される場合には(ステップS196の「3」)、今回適用相性値範囲462は変更せずに次回適用相性値範囲334に格納されている設定をコピーしたままとする。
【0107】
次に、制御部100はコンテンツ再選択回数464に「0」を格納してリセットし(ステップS204)、今回適用相性値範囲462の範囲内に相性値が合致するコンテンツを抽出して何れかのコンテンツを選択する(ステップS206)。
図30は、本実施形態における相性値を利用したコンテンツ選択方法の概念を説明するための図である。但し、横軸のコンテンツ数を限定して表示しているが、実際には全コンテンツを対象とする。
コンテンツ選択に際しては、制御部100は、コンテンツ相性値算出TBL440における各コンテンツの相性値458を参照する。そして、全相性値の最大と最小値を抽出し、最大値〜最小値までの相性値最大幅Lを求める。本実施形態では、今回適用相性値範囲462(及び次回適用相性値範囲334)は、最大相性値からの範囲で規定する。同図の例では、初期設定状態の相性値最大幅Lの25%が今回適用相性値範囲として示されている。制御部100は、この今回適用相性値範囲462の設定範囲内に相性値458が合致するコンテンツを選択候補の母集団要素として抽出する。そして、抽出した母集団の中から乱数を利用したランダム抽選によって所定数(本実施形態では一つ)のコンテンツを選択する。尚、選択候補から最終的なコンテンツを選択する方法は、ランダム抽選に限らず、選択候補コンテンツの相性値の平均値に相性値が最も近いコンテンツを選択するなどとしても良い。
【0108】
コンテンツを選択したならば、制御部100は選択したコンテンツが所定の選択禁則に該当するか否かを判定する。具体的には、ユーザ登録データ310のコンテンツ提示履歴340(図11)を参照して、ステップS206で選択されたコンテンツが提示済か否かを判定する(ステップS208)。すでに提示されたことがある場合には(ステップS208のYES)、記憶部300のコンテンツ再選択回数464を「1」加算する(ステップS218)。そして、加算されたコンテンツ再選択回数464の値が所定の上限回数(例えば「10」)に達していなければ(ステップS220のNO)、ステップS206に戻ってコンテンツの選択をやり直す。コンテンツ再選択回数464の値が所定の上限回数に達していれば予め用意されているコンテンツを提示し尽くしており、再提示やむなしと判断して再選択は行わずにコンテンツ選択処理を終了する。
【0109】
ステップS206で選択されたコンテンツが未提示であったとしても(ステップS208のNO)、コンテンツ基礎パラメータ値TBL370のコンテンツジャンル382とコンテンツ提示履歴340とを参照して、今回選択されたコンテンツのジャンルと前回提示されたコンテンツのジャンルとを比較する。そして、両者のコンテンツジャンルが同じ場合には(ステップS210のYES)、制御部100は選択されたコンテンツが提示済であった場合と同様にコンテンツの再選択を行う(ステップS218〜S220)。
一方、両者のコンテンツジャンルが異なる場合には(ステップS210のNO)、制御部100は今回選択されたコンテンツを決定してコンテンツ選択処理を終了する。
尚、コンテンツ選択の禁止則にかかる処理は、ステップS208とステップS210の条件判定に限るものではなく適宜設定可能である。例えば、コンテンツ基礎パラメータ値TBL440に映画等の年齢制限コードと同様の情報を予め設定しておけば、コンテンツの選択時にレイティングシステムと同様の機能を実現することもできる。
【0110】
コンテンツ選択処理を終了したならば図23のフローチャートに戻って、制御部100は次にバーテンキャラクタBTによってコンテンツの提示案内の画像を表示制御する(ステップS16)。例えば、図35(b)に示すように、第1液晶ディスプレイ1406に画面W9のようなお客に話しかけるバーテンキャラクタBTの画像を表示制御するとともに、第2液晶ディスプレイ1408に画面W10のように、これからコンテンツを提示する旨述べる台詞34と、コンテンツ提示中にコンテンツを進行させるための進行操作入力についての説明36とを表示する。本実施形態では、所定のボタンスイッチ1404を押し続ける、またはスタイラスペン1416でタッチパネル1407,1409をタッチし続けるとコンテンツが提供され続け、ボタンスイッチ1404から指を放す或いはタッチを中断するとコンテンツの提示が一時停止するように制御されるので、同図では説明36でその旨表示されている。
【0111】
次に制御部100は、コンテンツ提示処理を実行する(ステップS18)。提示案内の画像表示から所定時間後に自動的にコンテンツ提示処理を実行するとしても良いし、所定の開始操作入力を要求するとしても良い。コンテンツが提示されると例えば図35(c)のように第1液晶ディスプレイ1406と第2液晶ディスプレイ1408の両方を用いてコンテンツの映像が表示される。
【0112】
図31は、本実施形態におけるコンテンツ提示処理の流れを説明するためのフローチャートである。コンテンツ提示処理では先ず、制御部100はコンテンツ提示履歴情報340を新規登録する(ステップS230)。ここでは、提示日時341と、コンテンツ番号342と、コンテンツジャンル343とを登録し、他のパラメータは「0」などを格納して初期化する。
【0113】
次に、制御部100はコンテンツ提示の初期化作業として、今回適用相性値範囲変更回数466に「0」を格納し、進行操作時間間隔カウンタ468をリセットする(ステップS232)。そして、コンテンツ選択処理で選択されたコンテンツのコンテンツデータ410を参照して、シーケンスデータに従ってコンテンツの映像の表示制御及び音声の出力制御をスタートし(ステップS234)、情動反応分析反映処理を実行する(ステップS236)。
【0114】
図32は、本実施形態における情動反応分析反映処理の流れを説明するためのフローチャートである。情動反応分析反映処理は、コンテンツ提示中にユーザが所望する情動反応を示しているか否かを判定し、判定結果に基づいて次回に適用される閾値条件(次回適用相性値範囲)を変更し情動反応結果を反映する為の処理である。
本実施形態では所定のボタンスイッチ1404を押し続ける、又はスタイラスペン1416によるタッチパネルへのタッチ操作をし続けることによってコンテンツ提示が自動進行する。従って、制御部100はコンテンツの提示を開始したならば、制御部100は進行操作入力の有無を監視する。そして、進行操作入力がされていなければ(ステップS310のNO)、進行操作時間間隔カウンタ468を用いた計時をスタートさせる(ステップS312)。一方、進行操作入力が為されている場合には(ステップS310のYES)、制御部110は進行操作時間間隔カウンタ468を用いた計時を停止する(ステップS314)。つまり、進行操作時間間隔カウンタ468は、進行操作入力の途絶時間をカウントする。
【0115】
次に制御部100は、進行操作時間間隔カウンタ468のカウント値と所定の途絶基準値(例えば、10秒相当)と比較する。カウント値が途絶基準値に達していれば(ステップS316のYES)、「泣く」などの情動反応によって進行操作入力が続けられなくなって途絶したと判断して、進行操作入力の途絶時点(現在のタイムラインのカウンタ値より途絶基準値時間相当前)のタイムラインのカウント値(タイムカウンタ)をコンテンツ提示履歴340の反応箇所情報345に格納する(ステップS318)。
尚、本実施形態では進行操作時間の断続時間によって、情動反応が誘発されていることを分析・予測する構成としているが、断続時間の長さに限らず断続間隔、断続回数に基づいて分析・予測する構成としても良い。例えば、所定の時間条件を満たす(例えば1秒未満の)断続間隔が所定基準回数(例えば3回)連続して検出された場合には、進行操作の入力を続けたいが泣いて手先が震えて安定してタッチを続けられない状態にあると判断する構成とすることもできる。
【0116】
次いで制御部100は、次回適用相性範囲変更回数466が所定の変更可能上限に達しているか否かを判定する。
そして、変更可能上限に達していなければ(ステップS320のNO)、進行操作入力を途絶させるほど情動反応があった、つまりはパーソナリティタイプの診断が正しく機能しており情動反応が予測通り誘発されていると判断して、また今回泣いているので次回以降はもっと心が洗われた状態となっていてより情動反応を示しやすいと判断して、ユーザ登録データ310の次回適用相性値範囲334を所定幅だけ拡大変更し(ステップS322)、次回適用相性値範囲変更回数466を「1」加算し(ステップS324)、情動反応分析反映処理を終了する。
【0117】
但し、次回適用相性値範囲334を適切な範囲に収めるために、次回適用相性値範囲変更回数466が変更可能上限に達している場合には(ステップS320のYES)、次回適用相性値範囲334の拡大は行わずに情動反応分析反映処理を終了する。また、ステップS316において進行操作入力の途絶がなかったと判定された場合(ステップS316のNO)も同様である。
このように進行操作時間間隔カウンタ468及びそれに係るステップS310〜S324の処理は、コンテンツ選択の閾値条件の次回条件可変機能を果たす。この処理によって例えば、次回はより広い相性値の範囲内からコンテンツが選択され得るようにして、より感動の幅を広げより多面的にユーザの心を揺り動かして心をきれいにできるようにフィードバックするといったことが実現される。
【0118】
情動反応分析反映処理を終了したならば、図31のフローチャートに戻って、進行操作入力が有る場合(ステップS246のYES)、制御部100は次いでコンテンツデータ410のシーケンスデータ416(図18)を参照して、コンテンツが終了したか否かを判定する(ステップS248)。
コンテンツが提示途中であれば(ステップS248のNO)、シーケンスデータ416に従って次の画像・映像を第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408に表示させるとともに(ステップS250)、コンテンツの音声をスピーカ1410から音出力させるように制御する(ステップS252)。そして、ステップS234に戻る。
【0119】
さて、本実施形態ではより泣きやすくするために、コンテンツの提示順番が工夫されている。図36〜図37は、本実施形態におけるコンテンツの提示例を示す画面図である。図中上段が第1液晶ディスプレイ1406の画面、図中下段が第2液晶ディスプレイ1408の画面に相当し、(a)、(b)、(c)・・・(f)の順に時間経過している。本実施形態では、基本的に第1液晶ディスプレイ1406に映像、第2液晶ディスプレイ1408にテキストを表示するように、また表示順番が画面W50〜画面W55・・・の順に表示制御が行われるようにコンテンツが作成されている。
具体的には、第1液晶ディスプレイ1406に画面W50を表示した後、数秒経過してから第2液晶ディスプレイ1408に画面W51が表示される。そして、画面W51が表示されて数秒経過してから第1液晶ディスプレイ1406に画面W52が表示される、と言った具合に上下の画像表示位置に交互に新しい画像やテキストを表示するようにコンテンツが作成されている。これによって、プレーヤは上から下、下から上と言った具合に目を上下に動かすこととなり、眼球周りの組織を刺激してより涙を流しやすい、泣きやすい状態を作り出す効果が得られる。
【0120】
さて、図31のフローチャートにおいて、コンテンツが終了したと判定した場合には(ステップS248のYES)、制御部100は次回適用相性値範囲変更回数466が「0」で有るか否か、つまり今回のコンテンツ提示において一度でも泣いたと思われる反応が有ったか否かを判定する(ステップS254)。そして、次回適用相性値範囲変更回数466が「0」の場合(ステップS254のYES)、制御部100は今回所望する情動反応を得られなかったので、次回はより相性値の高い中から提示するコンテンツを選択して情動反応が得られ易くなるように、次回適用相性値範囲334を所定量縮小し(ステップS256)、コンテンツ提示処理を終了する。
【0121】
図23のフローチャートに戻って、制御部100は次にバーテンキャラクタBTが提示したコンテンツの感想を尋ねる画面表示と、感想を入力する入力画面とを表示制御する(ステップS20)。
例えば、図38(a)に示すように、第1液晶ディスプレイ1406には画面W11のようにバーテンキャラクタBTが感想を尋ねる様子を表示制御し、第2液晶ディスプレイ1408には入力画面W12のようにバーテンキャラクタBTの台詞40と、入力する感想の入力選択肢42とを表示制御する。本実施形態の例では「泣けた」「泣きそうになった」「普通」「面白くない」の4段階の入力選択肢が表示され、プレーヤは何れかをスタイラスペン1416によりタッチ操作することで入力する。
【0122】
入力画面W12における感想の入力結果が所望する情動反応の誘発に肯定的とされる所定基準を満たす場合、具体的には本実施形態では「泣けた」又は「泣きそうになった」が入力された場合(ステップS22のYES)、制御部100は、プレーヤは今回泣いたので心に余裕が生まれ次回以降はパーソナリティタイプとの相性値がやや低くても所望する情動反応を得やすくなっていると判断する。そしてユーザ登録データ310の次回適用相性値範囲334を、所定の上限範囲を超えないようにして所定割合だけ拡大し、コンテンツ選択の際により多くの選択肢の中からコンテンツが選ばれるようにする(ステップS24)。
【0123】
入力画面W12における感想の入力結果が所望する情動反応の誘発に否定的とされる所定基準を満たす場合、具体的には本実施形態では「面白くない」が入力された場合には(ステップS22のNO→ステップS26のYES)、制御部100は次回適用相性値範囲334を所定の下限範囲を超えて小さくならないようにして所定割合だけ縮小し、次回のコンテンツ選択の際にはより相性値が高くより泣きやすいコンテンツを選択するようにする(ステップS28)。
感想結果の入力が肯定的でも否定的でもない場合、具体的には「普通」が入力された場合には(ステップS26のNO)、制御部100は次回適用相性値範囲334を特に変更はしない。
【0124】
次に、制御部100はバーテンキャラクタBTが今日の出来事の記入(本実施形態では秘密ノートの記入と呼ぶ。)を勧める画面表示と入力画面の表示制御を実行する(ステップS30)。例えば図38(b)に示すように、第1液晶ディスプレイ1406には画面W13のようにバーテンキャラクタBTの画像を表示制御し、第2液晶ディスプレイ1408には入力画面W14を表示制御する。入力画面W14には、秘密ノートの記入を勧めるバーテンキャラクタBTの台詞44と、選択肢表示46とを表示制御する。プレーヤはスタイラスペン1416によるタッチ操作で何れかの選択肢表示46の位置をタッチして選択入力する。
【0125】
入力画面W14で「書きます」が選択入力されたならば(ステップS32のYES)、制御部100は公知のテキスト入力制御を実行する(ステップS34)。例えば第2液晶ディスプレイ1408にソフトウェアキーボードを表示制御して、スタイラスペン1416によるタッチ位置に応じて入力されたテキストを判定し、記憶部300に入力テキストを一時記憶し、第1液晶ディスプレイ1406に入力されたテキストを表示する。そして、所定の入力終了操作で入力を終了する。
【0126】
次に、制御部100はユーザ登録データ310のコンテンツ提示履歴情報340を更新する(ステップS36)。この時、ステップS32においてテキスト入力制御が実行されている場合には、秘密ノート情報346に入力されたテキスト情報を格納する。
【0127】
次いで、制御部100はバーテンキャラクタBTがプレイを終了するかを尋ねる画面表示と入力画面の表示制御をする(ステップS38)。例えば、図38(c)に示すように、第1液晶ディスプレイ1406には画面W15のようにバーテンキャラクタBTを表示させて、第2液晶ディスプレイ1408には入力画面W16のようにバーテンキャラクタBTの台詞48と、プレイ終了か継続かの選択肢表示50とを表示するように制御する。プレーヤはスタイラスペン1416によるタッチ操作で何れかの選択肢表示50の位置をタッチして選択入力する。
【0128】
選択肢表示50で継続に相当する位置がタッチされた場合には(ステップS50のNO)、制御部100はステップS10に移行して、第2質疑応答処理以下の処理を繰り返す。一方、選択肢表示50で終了に相当する位置がタッチされた場合、つまり本実施形態では「帰ります」の選択肢表示の位置がタッチされた場合(ステップS50のYES)、制御部100は一連の処理を終了する。
【0129】
さて、2回目以降のプレイにおいてはプレーヤのユーザ登録は済んでいる。従って、ステップS4において、登録済みユーザのユーザ名を入力する入力欄12(図34(a)参照)の表示位置がスタイラスペン1416によってタッチされたのを検出すると(ステップS4のNO)、制御部100は登録済ユーザのエントリー処理を実行する(ステップS42)。例えば、図39(a)に示すように、第2液晶ディスプレイ1408に公知の手書き入力欄52又はソフトウェアキーボードを表示した入力画面W18を表示制御してテキスト入力を可能にする。そして、公知技術と同様にして入力欄12に入力されたユーザ名とユーザ登録データ310との照合等を実行し、登録済ユーザに合致すれば該当するユーザ登録データ310を読み出す。
【0130】
次に、制御部100はバーテンキャラクタBTがプレイ履歴を見るか尋ねる画面表示と入力画面の表示制御を行う(ステップS44)。例えば、図39(b)に示すように、第1液晶ディスプレイ1406にバーテンキャラクタBTの画面W19を表示し、第2液晶ディスプレイ1408にバーテンキャラクタBTの台詞54と、コンテンツを楽しむか(「お勧めの話を楽しむ」)、プレイ履歴を見るか(「秘密のノートを見たい」)の選択肢表示56を表示した入力画面W20を表示制御する。プレーヤはスタイラスペン1416によるタッチ操作で何れかの選択肢表示56の位置をタッチして選択入力する。
【0131】
入力画面W20で「秘密のノートを見たい」の選択肢表示56が入力された場合、制御部100はプレイ履歴を参照すると判断して(ステップS46のYES)、ユーザ登録データ310のプレイ履歴情報336のコンテンツ提示履歴340を参照してプレイ履歴参照処理を実行する(ステップS48)。
【0132】
図33は、本実施形態におけるプレイ履歴参照処理の流れを説明するためのフローチャートである。プレイ履歴参照処理では、制御部100は先ず履歴表示する日付を指定するための入力画面を表示制御する。(ステップS280)。例えば、図39(c)に示すように、日付指定のためのカレンダー58と、プレイ履歴参照形態を選択する選択肢表示60とを含む入力画面W21を第1液晶ディスプレイ1406に表示制御する。カレンダー58では、秘密ノート情報346にテキストが格納されている日付を選択可能に強調表示する。同図の例では、10月18日及び20日がこれに相当する。プレーヤはカレンダー58の何れかの強調表示された日付位置をスタイラスペン1416によるタッチ操作で選択する。
【0133】
次いで、制御部100はカレンダー58でタッチされた日付をユーザによって選択されたと判定して、選択日付を記憶部300に一時的に記憶するとともに、選択された日付を更に異なる形態で強調表示する(ステップS282)。同図では、10月20日が選択された状態にあり、10月18日の日付とは異なる強調表示がされている。
【0134】
制御部100は更にコンテンツ提示履歴340を参照して、選択された日付に対応する参照選択肢60を第1液晶ディスプレイ1406に追加表示する(ステップS284)。
具体的には、選択された日付に対応する反応箇所情報345にタイムカウンタが格納されている場合、つまりその日に提示されたコンテンツで所望する情動反応が誘発された履歴が有る場合は、図40の入力画面W23に示すように参照選択肢60として情動反応を示した場面を部分的に再生することのできる「リプレイ」の選択肢を含めて表示する。同様に、選択された日付に対応する秘密ノート情報346にテキストデータが格納されている場合には、秘密ノートの記載があったと判断して、秘密ノートの記載を表示できる「ノート表示」の選択肢を参照選択肢60に含めて表示する。プレーヤは何れかの参照選択肢60の表示位置をスタイラスペン1416によってタッチして選択入力する。
【0135】
参照選択肢60の「リプレイ」が選択された場合には、(ステップS286の「リプレイ」)、制御部100はステップS282で選択・強調表示された日付に対応するコンテンツ番号342と反応箇所情報345とを参照して、反応箇所情報345に格納されているタイムカウンタを挟んで前後所定カウント数の分だけ、コンテンツ番号342に格納されているコンテンツを部分提示処理する(ステップS288)。
一方、参照選択肢60の「ノート表示」が選択された場合には(ステップS286の「ノート表示」)、制御部100は選択・強調表示された日付に対応する秘密ノード情報346を参照して、格納されているテキストデータに基づいて、図40に示すように、第2液晶ディスプレイ1408にテキスト表示する(ステップS290)。
また、参照選択肢60の「しまう」が選択された場合には(ステップS286の「しまう」)、制御部100はプレイ履歴参照処理を終了する。
そして、図23のフローチャートに戻って、プレイ履歴参照処理を終了したならば制御部100はステップS10に移行する。
【0136】
[効果の説明]
次に、本実施形態を用いた実証試験の結果について述べる。試験では、泣けることを意図したコンテンツを3タイプ用意した。
コンテンツAは、誰もが泣けることを意図したシナリオ分類とアイテム分類とを備える。コンテンツBは、ペット飼育経験者が泣けることを意図したシナリオ分類とアイテム分類とを備える。コンテンツCは、育児経験者が泣けることを意図したシナリオ分類とアイテム分類とを備える。実際にコンテンツの提示を受けて泣けたかどうかは、公知の生理・情動反応の計測によって判定する。
【0137】
一つの実験では有意の多数の被験者に対してそれぞれ次の手順で実施した。
(1)電極及びプローブを被験者に装着。
(2)POMS(Profile of Mood States)による気分プロフィール検査。
(3)アミラーゼによるストレス値測定。
(4)コンテンツの提示とともに皮膚電位水準及び脳機能計測
(5)アミラーゼによるストレス値測定
(6)POMSによる気分プロフィール検査。
(7)内省報告調査
POMSは、緊張・抑鬱・怒り・疲労・混乱・活気の心的因子を同時に測定する公知のテストであり、被験者の一時的な気分や感情の状態を測定する。アミラーゼは、唾液中の消化酵素の一種であり、ストレスマーカとして利用できることが知られている。
【0138】
第1の実証試験では、事前に被験者に心的ストレスを与えた後にコンテンツを提示して、コンテンツ提示前後の生理・情動反応の比較を行った。
図41は「緊張・不安」「混乱」の心的因子に着目してコンテンツ別の変化率を示したグラフである。同図に示すように、コンテンツ提示前後のPOMS検査の結果からは、「緊張・不安」「混乱」の改善が見られた。被験者の自覚的には「泣いてスッキリ」と言う気分によく対応するものと解釈される。
また、図42はコンテンツ提示前後のアミラーゼ活性の変化率をコンテンツ別に示したグラフである。図42で示したように、何れのコンテンツにおいても気分プロフィールの改善が見られたが、生理指標の観点からみると「誰でも泣ける」ことを意図したコンテンツAにおける減少率が最も高く、「ペットの飼育経験者が泣ける」「育児経験者が泣ける」ことをそれぞれ意図したコンテンツB及びコンテンツCでは個人差が見られ、トータルではコンテンツAほどの減少率には至らなかった。
【0139】
図43及び図44は、コンテンツB及びコンテンツCの提示中に於ける一被験者の皮膚電位活動の皮膚電位水準(SPL)の時間変化を示すグラフである。
皮膚電位活動(Skin Potential Activity : SPA)は、精神性発汗現象を電気的に測定した指標(皮膚電気活動)の一つであって、緊張したときに「手に汗握る」に例えられる精神性発汗現象を皮膚電位として測定したものである。皮膚電位活動は、交感神経の緊張や覚醒水準の高さを反映する。その直流成分を特に皮膚電位水準(Skin Potential Level : SPL)と言い、電位が低いほど覚醒水準が高いとされる。
図43に示すように、コンテンツBの提示中のSPLでは破線で囲まれたストーリの暗転部に対応して顕著な変動が見られた。また図44に示すように、コンテンツCの提示中のSLPでも破線で囲まれた「夫の病気発覚」や「妊娠の発覚(子供の存在)」と言ったアイテムやプレーヤ属性(ユーザ属性)との相関性の高い場面で顕著な変動が見られた。これらは、「泣ける」ポイントにおいて情動反応が誘発されていることを示した結果と解釈できる。
【0140】
以上、本実施形態によれば、プレーヤ属性(ユーザ属性)に係る情報を質疑応答形式で取得し、また質疑応答形式のパーソナリティ判定テストを実施することでプレーヤのパーソナリティタイプを判定することで、プレーヤを予め定められた類型の何れかに特定することができる。そして、プレーヤ属性(ユーザ属性)及びプレーヤのパーソナリティタイプに応じて所望する情動反応を誘発するコンテンツを提供することができる。そして、本実施形態では情動反応として「泣き」を誘発するように設定されているので、プレーヤに泣く機会を提供して「泣く」ことによる心のストレスの解放を促す癒し効果を得ることができる。
【0141】
また、本実施形態では、今回のコンテンツ選択の際に供される閾値条件(今回適用相性値範囲)を、プレーヤのその日の心身状態に応じて可変できる。心身に強いストレスが掛かっている状態では閾値条件をより厳しく変更して、プレーヤ類型と相性の高いコンテンツ、つまり泣きやすいコンテンツを選択するようにして、1プレイでより確実な癒し効果を得られるようにできる。また、心身のストレスが軽微な場合には閾値条件を緩やかに変更して、相性重視にこだわらずに、所望する情動反応が得られる範囲内でより多様なコンテンツの中から選択するようにして、プレーヤにより心の潤いを与えることができるようにもなる。
【0142】
また、コンテンツ提示中はコンテンツの進行操作入力に基づいて、情動反応が誘発されたか否かを分析し、次回のコンテンツ選択時に適用される閾値条件(次回適用相性値範囲)を可変することができる。よって、今回所望する情動反応が得られたならば、閾値条件を緩く変更して、プレーヤに所望する情動反応が得られる範囲内でより多様なコンテンツの中から選択するようにして、より心の潤いを与えることができるようになる。反対に今回所望する情動反応が得られていないならば、閾値条件をより厳しく変更して、プレーヤ類型と相性の高いコンテンツを選択するようにして、次のプレイでより確実に癒し効果を得られるようにできる。また、同様の効果はコンテンツ提示後の感想の入力結果に基づく次回のコンテンツ選択時に適用される閾値条件の変更に係る処理でも発揮される。
【0143】
尚、本実施形態では、1回のプレイでパーソナリティ判定用又はダミー質問が一つ出される構成となっているがこれに限らない。
例えば、プレイ開始当初(例えば、ステップS10)にバーテンキャラクタがプレーヤにプレイ所要時間の希望を尋ねる画像を表示させるとともにその回答入力画面を表示制御し、回答されたプレイ所要時間を記憶部300に記憶させる。そして、回答されたプレイ所要時間が基準値(例えば、10分未満)の場合には、プレーヤはより速やかなパーソナリティ判定及びコンテンツ提示を望んでいると判断して、第2質疑応答処理を2回実行するなどして、一回のプレイで複数のパーソナリティ判定に係る質問が出力される構成とすることもできる。この場合、プレーヤの余暇時間の程度に応じたプレイ進行を実現できる。あるいは、現在提供可能なコンテンツの再生時間と基準時間との差が所定基準値より大きい場合に、ダミー質問の混入割合を増すようにしてゲームプレイ全体の所要時間を延ばす構成とすることもできる。
【0144】
〔第2実施形態〕
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。本実施形態は基本的には第1実施形態と同様の構成を有するが、(1)ユーザがコンテンツ提示の所要時間を設定できる、(2)コンテンツを構成する音声には予め複数種のカテゴリが設定されており、プレーヤ類型に対応したカテゴリから提示する音声を選択する、(3)コンテンツ提示時に再生される音声に対してプレーヤ類型に応じたフィルタ処理を実行する、(4)コンテンツ提示時の映像に対してプレーヤ類型に応じたトランジッション処理やフィルタ処理を実行する、の4点の特徴を有する。尚、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付与して説明は省略するものとする。
【0145】
図45は、本実施形態におけるコンテンツデータ410Bのデータ構成例を示す図である。本実施形態のシーケンスデータ416では、音声データID424に再生対象候補となる音声データを複数格納するフォルダの識別情報が定義可能になっている。同図の例では、「SFLD_001」「SFLD_002」がそれに当たる。そして、これらの設定に対応するフォルダは音声データライブラリ428Bに含まれている。
【0146】
音声データライブラリ428Bには、複数の音声データを格納する複数の主フォルダ430(SFLD_001、SFLD_002・・・)と、効果音などの音声データ432(SE_001、SE_002・・・)とが含まれている。
一つの主フォルダ430には、音声のジャンルや音律などでカテゴリ分類された複数のサブフォルダ431(カテゴリα、カテゴリβ・・・)を含み、各サブフォルダ431には複数の音データが格納されている。本実施形態では全ての主フォルダ430に含まれるサブフォルダ431のカテゴリ分類は共通であるが、異なるカテゴリ分類を含む構成としても良いのは勿論である。
そして、これらのカテゴリ分類は、何れも第1実施形態において前提とした事前調査と同様の調査を経てプレーヤ類型に特定の情動反応誘発の観点から相関が取られており、音カテゴリ選択TBL434として記憶部300に記憶されている。
【0147】
図46は、本実施形態における音カテゴリ選択TBL434のデータ構成例を示す図である。同図に示すように、音カテゴリ選択TBL434は、パーソナリティタイプ436毎に所望する情動反応を誘発するのに適当な選択カテゴリ438が対応付けて格納されている。
【0148】
図47は、本実施形態において記憶部300に追加記憶されているフィルタTBL480のデータ構成例を示す図である。フィルタTBL480は、プレーヤ類型に応じてコンテンツの映像及び音声に適用するフィルタ処理の設定を定義する。
具体的には、パーソナリティタイプ482に対応付けて音声に適用するフィルタ処理設定として音高変更設定484と、テンポ変更設定486とを対応付けて格納している。また、映像に適用するフィルタ処理設定として画面の切り換え時に適用される映像効果を設定するトランジッション設定488と、色調変更設定489とを対応付けて格納している。これらのフィルタ処理の設定は、何れも第1実施形態で前提とした事前調査と同様の調査に基づいて得られたパーソナリティタイプ482毎に所望する情動反応を誘発し易くする相性に基づいて設定されている。
【0149】
例えば、パーソナリティタイプ「PS1」では音の高さ(音程)を少し高く、またテンポを僅かに速くすると同じ音楽であっても所望する情動反応(例えば「泣き」)を誘発しやすい傾向にあり、反対にパーソナリティ「PS2」では音程とテンポを僅かに下げると所望する情動反応を誘発しやすい傾向に有ることになる。また、パーソナリティタイプ「PS1」では画面切り換えの際にオーバラップを用いる場合、また色調を僅かにぼかしを入れてソフトにした場合には同じ映像であっても所望する情動反応を誘発しやすい傾向にあり、パーソナリティタイプ「PS2」では短時間でフェードアウト(F/O)→黒画面→フェードイン(F/I)の連続を用いる場合、また色調をセピアカラーにした場合に所望する情動反応を誘発しやすい傾向に有ることになる。そして、本実施形態における制御部100の音出力制御124(図9参照)は、音フィルタTBL480で設定されている音高変更やテンポ変更を実現するための公知の音変換フィルタ機能を備えるものとする。
【0150】
図48は、本実施形態における第3質疑応答処理(第3質疑応答処理B)の流れを説明するためのフローチャートである。基本的には第1実施形態における第3質疑応答処理と同様であるが、ステップS196〜S200におけるプレーヤの心身状態に関する回答入力に基づく今回適用相性値範囲の変更処理の後、制御部100は第1液晶ディスプレイ1406にバーテンキャラクタBTがコンテンツ提供の希望所要時間を尋ねる画面を表示制御し、また第2液晶ディスプレイ1408に希望所要時間を入力する入力画面を表示制御する(ステップS202)。第2液晶ディスプレイ1408の入力画面で入力された結果は、希望所要時間として記憶部300に一時的に記憶される。
【0151】
制御部100は続いて第1実施形態と同様にステップS204以降、今回提示するコンテンツの具体的な選択処理を実行する。但し、本実施形態ではコンテンツの選択禁則に希望所要時間を超過しないことを含むので、コンテンツ基礎パラメータ値TBL370の所要時間383を参照して、ステップS206で選択されたコンテンツの所要時間が希望所要時間未満であるか否かを判定する(ステップS216)。そして、希望所要時間を超過する場合には(ステップS216のNO)、ステップS218〜S220へ移行する。
この結果、本実施形態によればユーザが希望する時間内でコンテンツの提示を終了することができる。換言するとユーザが認めた余暇時間に合わせて適当なコンテンツを提示することができる。
【0152】
図49は、本実施形態におけるコンテンツ提示処理(コンテンツ提示処理B)の流れを説明するためのフローチャートである。基本的には第1実施形態と同様に処理を実行するが、本実施形態ではコンテンツの映像及び音声に現時点において最も確度の高いユーザのパーソナリティタイプに合ったフィルタ処理を行う。
具体的には、コンテンツが終了していなければ(ステップS248のNO)、制御部100は提示対象となっているコンテンツのコンテンツデータ310Bを参照して、表示するべき画像(映像)を生成し、現時点におけるパーソナリティタイプ情報326の確度332(図10参照)を参照して最も確度の高いパーソナリティタイプ330を判定する。そして、フィルタTBL480を参照して判定したパーソナリティタイプに対応する色調変更設定489の設定に従って先に生成した画像の色調を変更し、色調変更した画像へトランジッション設定486の設定に従った画面切り換え方法で画面切り換え処理する(ステップS260)。
【0153】
次に、制御部100はシーケンスデータ416を参照し、再生対象とされる音声データが変更、且つ再生対象に音フォルダが設定されている場合(ステップS262のYES)、音カテゴリ選択TBL434から現時点において最も確度の高いパーソナリティタイプに対応する選択カテゴリ438の設定を参照し、参照したカテゴリのサブフォルダ431に格納されている複数の音声データの中から再生するものを一つランダム選択する(ステップS264)。
そして更に、フィルタTBL480を参照して、現時点において最も確度の高いパーソナリティタイプに対応する音高変更設定484に従って再生する音声の音の高さ(音程)を変更処理し、音程が変更された音声をテンポ変更設定486で設定されたテンポへ再生速度変更処理を実行して音出力する(ステップS266)。
尚、ステップS260及びS266で実行される各種フィルタ処理は適宜公知の画像処理や公知の音変換処理を用いることで実現できる。
【0154】
よって本実施形態によれば、コンテンツそのものに加えてコンテンツの画像・映像の切り換え処理や画像の色調などをプレーヤ類型に応じてより一層所望する情動反応を誘発するように後処理した上で表示させることができる。また、コンテンツの音声についても同様にプレーヤ類型に応じたフィルタ処理を施して出力することで、より情動反応を誘発し易くすることができる。
【0155】
〔第3実施形態〕
次に、本発明を適用した第3実施形態について説明する。本実施形態は、基本的には第2実施形態と同様の構成を有するが、コンテンツの進行操作入力方法が異なる。また、コンテンツ提示中におけるユーザの情動反応の分析手法が異なっている。
尚、本実施形態では第1及び第2実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付与して説明は省略するものとする。
【0156】
では先ず、コンテンツの進行操作入力方法について述べる。
図50は、本実施形態におけるコンテンツの画面構成と制御側の進行操作入力の受付タイミングとの関係を示す概念図であって、第1及び第2液晶ディスプレイへの表示画像例を表示順に縦配置した図である。同図に示すように、本実施形態のコンテンツも、第1実施形態と同様に予め設定された画面や映像の区切りを順次表示して進行する(PICT_001→TEXT_001→PICT_002→TEXT_002→・・・)。提示進行の一区切りの単位を便宜上本明細書では「カット」と呼ぶこととするが、提示単位は映像業界用語でいうところの「カット」に限るものではなく「シーン」であっても良いのは勿論である。
【0157】
さて本実施形態では、一のカットを表示完了(提示完了)した後、進行操作入力の受付タイミングが開始され、制御部100は進行操作入力の有無を監視する。つまり、所定のボタンスイッチ1404の押下、又はスタイラスペン1416によるタッチ操作の有無の判定を開始する。そして、受付タイミング中に進行操作入力が有ったと判定したならば、制御部100はコンテンツが終了するまで次のカットの提示処理つまり表示制御を実行する構成となっている。
【0158】
また、本実施形態のコンテンツで、1カットの提示完了に要する提示所要時間は概ね同じとなるように設定されている。これを標準カットと呼ぶ。しかし、その一方で本実施形態では標準カットよりも意図的に長く(例えば、2倍以上に)設定された特別カットが、所望する情動反応を誘発させる想定箇所(例えば、泣き所・笑い所)に設定されている。この特別カットは、提示所要時間分全てを見切るのが情動を誘発するために必要な画面・映像であるが、当該カットの提示開始から数秒を見ればその内容を理解できる演出が施されている。
【0159】
具体的には、例えば図51(a)に示すように、第1液晶ディスプレイ1406と第2液晶ディスプレイ1408を二つで一つの画面と見立てて、上下の一方から他方へカメラがパンするかのような画面が挙げられる。図51(b)に示すように、第1液晶ディスプレイ1406と第2液晶ディスプレイ1408それぞれに異なる被写体が相反する方向からフレームインするような画面や、二つで一つの画面と見立てて構成された一枚の感動的なイメージシーンであっても良い。
【0160】
こうした特別カットは、所望する情動反応を示しているプレーヤ、或いは情動反応を示しつつあるプレーヤ(具体的には、泣いている、泣きそうになっているプレーヤ)は提示所要時間分全てを見切る傾向が強い。その背景にあるのは、感動する良い作品なのであるからあまさず十分楽しみたいという感情である。従って、コンテンツ提示時間中の進行操作入力のタイミングに着目すれば、提示所要時間の長短(特別カット/標準カット)に係わらず進行操作入力の受付タイミングで進行操作入力がなされる、或いは感動のあまりにその進行操作入力すら忘れる・遅れると言った結果を生む。
反対に、コンテンツになんら感動する気配が無く所望する情動反応を示していないプレーヤにとってみれば、内容が一瞥で分かるので演出に付き合うよりも先を急いだ方が良いと感じられ、提示所要時間内途中の受付タイミング外であっても進行操作入力をしてしまう傾向が強い。
【0161】
また、本実施形態では公知の音声認識技術を用いた音声入力による進行操作入力も可能である。具体的には、制御部100はマイクロフォン1420からの音響信号を周波数成分分析する機能を有する。また、記憶部300には、所定の言語発音パターン(例えば「次」)が発音されたことを音声認識するための辞書データを予め記憶している。そして、マイクロフォン1420から出力された音声信号の周波数成分の特徴量が、辞書データのそれと合致する場合には、制御部100は進行操作入力が成されたと判定する。
【0162】
次に、情動反応の分析手法について説明する。
本実施形態における情動反応分析の手法としては、(1)プレイ中にプレーヤがたてる音や外部環境音に基づく第1分析手法、(2)携帯ゲーム装置1400の姿勢変化や位置変化に基づく第2分析手法、(3)コンテンツを進行操作入力が検出された都度、順次進行する構成として進行操作入力の入力間隔に基づく第3分析手法、を併用する。第1分析手法は、公知の音響分析や音声分析技術によって実現される。
尚、これら第1〜第3分析手法及び第1実施形態におけるコンテンツを操作入力が為されている間、自動的に進行する構成として進行操作入力の断続時間等に基づく分析手法は相互に代替可能であり、これらの内の単独又は複数を組み合わせることで情動反応分析処理を実現できる。
【0163】
図52は、本実施形態における機能構成の例を示す機能ブロック図である。
本実施形態では情動反応分析用の第1分析手法を実現するために、制御部100が音響分析処理を実行する音響分析部132を含むとともに、記憶部300が音響基準パターンTBL470を記憶している。
音響基準パターンTBL470は、マイクロフォン1420で検出された音の周波数分布パターンと比較する基準パターン(音響モデルに相当)を格納する。本実施形態では、所望する情動反応として「泣き」を誘発することを目的としているので、音響基準パターンTBL470には人が泣いていることによって生じる音、具体的には例えば、進行操作入力する所定言語パターンを泣いた状態で発音したもの、泣き声、嗚咽、鼻水をすする音等を判定するための基準パターンが多数記憶されている。
音響分析部132は、音検出部104で検出・出力された音響信号をスペクトル分解処理して検出した音の周波数成分の分布情報や、特定音響パターンの出現パターン(例えば、泣き声や嗚咽、笑い声に見られる抑揚や特定音響パターンの繰り返し)を抽出する。そして、音響基準パターンTBL470に格納されている基準パターンと抽出した分布情報や出現パターンなどを比較して、ユーザが所望する情動反応を示しているか否かを判定する。
【0164】
また、本実施形態では前述の第2分析手法を実現するために、位置姿勢変化基準パターンTBL472を記憶する。位置姿勢変化基準パターンTBL472は、所望する情報反応を示している人間が保持している状態において携帯ゲーム装置1400に作用する姿勢変化や位置変化の基準パターンを格納している。例えば泣いている際の手指の振動パターン等を格納している。
【0165】
図53は、本実施形態におけるコンテンツ提示処理(コンテンツ提示処理C)の処理の流れを説明するためのフローチャートである。本実施形態では、選択されたコンテンツの提示がスタートしたならば(ステップS234)、制御部100は第1情動反応分析処理(ステップS238)、第2情動反応分析処理(ステップS240)、第3情動反応分析処理(ステップS242)を実行する。
【0166】
図54は、本実施形態における第1情動反応分析処理の流れについて説明するためのフローチャートである。第1情動反応処理では先ず、マイクロフォン1420から出力される音響信号を周波数成分分析して、分析結果を記憶部300に一時的に記憶する(ステップS340)。そして、分析結果が所定時間分蓄積したならば(ステップS342のYES)、蓄積された分析結果から周波数分布パターンを生成して音響基本パターンTBL470に格納されている基準パターンと比較・照合する(ステップS344)。そして、比較照合の結果、類似性が高く合致すると判定できる場合には(ステップS346のYES)、制御部100は所望する情動反応を示していると判断する。つまり、音響分析によって泣き声や嗚咽、泣きによる鼻水のすすり音などの発生を判定し、該当した場合にはプレーヤが、所望する情動反応(=製作サイド狙っていた情動反応)を示していると判断する。そして、記憶部300に設定された情動反応発生フラグを立てる(ステップS348)。
【0167】
図55は、本実施形態における第2情動反応分析処理の流れについて説明するためのフローチャートである。第2情動反応分析処理では、制御部100は先ず3軸加速度センサ1422から出力される加速度検出信号から3軸の加速度値を算出し記憶部300に一時的に記憶する(ステップS360)。そして、加速度値を所定時間分蓄積したならば(ステップS362のYES)、蓄積された加速度値から所定時間の範囲における携帯ゲーム装置1400の位置姿勢変化の特徴量を算出する(ステップS364)。特徴量としては、位置や姿勢の振れ量・振れの出現時間間隔、所定時間半以内における持続時間と言ったパラメータを利用することができる。
【0168】
そして、位置姿勢変化基準パターンTBL472に格納されている特徴量の基本パターンと比較し、合致している基本パターンが有れば(ステップS366のYES)、制御部100はプレーヤが、製作サイドが誘発させたいと所望していた情動反応を示していると判断する。
具体的には、例えば泣いているにも係らずあるモノを一定の姿勢を保って保持し続けたときに見られる姿勢や位置のズレにみられる振れ量や振れの出現時間間隔とその持続時間が基本パターンに合致すれば、制御部100はプレーヤが泣いていると判断する。逆に、振れ量が小さく小刻みに出現するが連続時間が所定基準より短い場合には移動中の車内での使用等外部環境の振動要因によるものと判断する。また、基準より大きい振れ量が単発的に出現する場合は、ユーザが姿勢を変えて生じた位置や姿勢の変化であると判断する。そして、記憶部300に情動反応発生フラグを立てる(ステップS368)。
尚、各判定における基準振幅や基準時間は例えば、大人と子供、年配者と若年者と言ったように想定されるユーザ層に応じて適宜設定すると良い。
【0169】
図56は、本実施形態における第3情動反応分析処理の流れを説明するためのフローチャートである。第3情動反応分析処理では、制御部100は先ずコンテンツデータ410B(図45)を参照して、現在提示中のカットの提示所要時間が標準カットよりも意図的に長尺に設定された特別カットであるか否かを判定する(ステップS390)。具体的には、シーケンスデータ416を参照して、今回提示するカットが設定されているタイムライン418から提示所要時間を算出し所定の基準値と比較するとしても良いし、表示データライブラリ426において該当する表示データに特定のフラグを予め設定しておき、このフラグを参照することで判定するとしても良い。
【0170】
特別なカットであり、且つ当該カットが提示途中である場合(ステップS390のYES)、制御部100は受付タイミング外ではあるが進行操作入力の有無を監視する。そして、進行操作入力が有ったならば(ステップS392のYES)、プレーヤは現在提示過程にあるカットを時間をかけて見るまでもなくストーリを先に進めたがった、つまり感動の程度が低く所望する情動反応を示していないと判断し、記憶部300に否定反応フラグを立て(ステップS394)、第3情動反応分析処理を終了する。
【0171】
一方、現在提示中のカットが標準カット、且つ該カットが提示終了している場合(ステップS390のYES)、制御部100は受付タイミングを開始して進行操作入力の有無を監視する。そして、進行操作時間間隔カウンタ468が計時スタートされていなければ(ステップS398のNO)、進行操作時間間隔カウンタ468をリセットの後スタートさせる(ステップS400)。
そして、受付タイミング中に進行操作入力を検知し、且つ進行操作時間間隔カウンタ468のカウント値が所定の基準値(例えば、15秒程度)を超過している場合(ステップS402のYES)、ユーザが所望する情動反応を示しているあまりに進行操作入力の入力が一時的に途絶えていると判断して、記憶部300に情動反応発生フラグを立て(ステップS404)、進行操作時間間隔カウンタ468のカウントを停止して第3情動反応分析処理を終了する。
【0172】
図53のフローチャートにもどって、制御部100は次に現在提示対象のカットの提示が完了しているか否かを判定する(ステップS244)。提示が未完の場合(ステップS244のNO)、制御部100は第2実施形態のステップS260〜S266と同様の処理を実行する。つまり、提示対象の画像と音声を対象としてパーソナリティタイプに対応したフィルタ処理を施して画像表示出力或いは音出力処理する(ステップS257)。
【0173】
一方、提示が完了している場合(ステップS244のYES)、制御部100は進行操作入力されたか否かを判定する。カットの提示が完了し、且つ進行操作入力された場合には(ステップS246のYES)、更に現在提示中のコンテンツが終了したか否かを判定する(ステップS248)。
コンテンツが終了していない場合(ステップS248のNO)、制御部100はコンテンツデータ410Bを参照して次に提示するカットとその音声を選択し(ステップS253)、選択したカットと音声を対象にして第2実施形態と同様にしてパーソナリティタイプに対応したフィルタ処理をして出力処理する(ステップS257)。そして、ステップS238に移行する。
【0174】
一方、コンテンツに提示すべき次のカットが無い場合にはコンテンツが終了したと判断して(ステップS248のYES)、制御部100は記憶部300に記憶されている情動反応発生フラグ及び否定反応フラグの値を参照する。
情動反応発生フラグが「0」の場合、又は否定反応フラグが「1」の場合、(ステップS270のYES)、前者は第1〜第3情動反応分析処理においてユーザが今回のコンテンツ提示で全く泣いた形跡がないと分析されたことを意味するので、次回のコンテンツ提示ではより高い確率で泣けるコンテンツを選択できるように、次回適用相性値範囲334(図10参照)を所定量だけ縮小するように変更する(ステップS272)。また、後者の場合は所望する情動反応が示されないばかりか、否定的な反応がされていると判断して、同様に次回適用相性値範囲334を所定量だけ縮小するように変更する。
【0175】
一方、情動反応発生フラグが「1」で有る場合(ステップS274)、制御部100は今回のコンテンツ提示で泣いてもらえたと判断して、次回は多少相性値が下がっても良いのでより広い選択範囲からコンテンツを選択できるように、次回適用相性値範囲334を所定量だけ拡大するように変更し(ステップS276)、コンテンツ提示処理Cを終了する。
【0176】
以上、本実施形態によればコンテンツ提示中における情動反応をより多角的に分析し、次回に適用されるコンテンツ選択の閾値条件へのフィードバック精度を高めることができる。
【0177】
〔第4実施形態〕
次に、本発明を適用した第4実施形態について説明する。本実施形態は、基本的に第3実施形態と同様の構成を有するが、情動反応分析の結果をプレーヤ類型の判定にフィードバックする構成を有する点を特徴とする。尚、第1〜第3実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付与して説明は省略するものとする。
【0178】
図57は、本実施形態における機能ブロックの構成例の一部を示す部分機能ブロック図であって、記憶部300を示している。
本実施形態では、情動反応分析結果をプレーヤ類型の判定にフィードバックするために、パーソナリティ判定用の決定木に関する情報が複数セット用意されている。この複数の決定木は、分岐構造が必ずしも同じではないが、診断結果として行き着くパーソナリティタイプは同じとなるように設定されている。
【0179】
複数の決定木をそれぞれ利用可能にするために、本実施形態における記憶部300には複数のパーソナリティ判定用質問データ350−1、350−2・・・350−n(nは自然数)が記憶されている。一のパーソナリティ判定質問データ350−nは、パーソナリティ判定用の一セットの質問集として完成されているが、異なるセット間を比較すると質問の内容が異なっている。また、記憶部300にはパーソナリティ判定用質問データ350−nに一対一に対応する複数の分岐条件TBL360−1、360−2・・・360−n(nは自然数)が記憶されている。
【0180】
また、図58に示すように、本実施形態におけるユーザ登録データ310Dは、基本的にはユーザ登録データ310と同様の構成を有するが、現在どのパーソナリティ判定用の決定木を適用しているかを示す適用決定木識別情報327をパーソナリティタイプ情報326に含んでいる。この適用決定木識別情報327には、パーソナリティ判定用質問データ350−n及び分岐条件TBL360−nと一対一に対応する識別情報が格納される。
【0181】
図59は、本実施形態におけるコンテンツ提示処理(コンテンツ提示処理D)の流れを説明するためのフローチャートである。基本的には第3実施形態のコンテンツ提示処理Cと同様の流れを有するが、コンテンツ提示処理の終了前に情動反応分析結果フィードバック処理を実行する(ステップS278)。
【0182】
図60は、本実施形態における情動反応分析結果フィードバック処理の流れを説明するためのフローチャートである。情動反応分析結果フィードバック処理では先ず、制御部100は情動反応発生フラグと否定反応フラグを参照する。前者が「0」で且つ後者が「1」である場合(ステップS420のYES)、つまり提示したコンテンツに全く情動が反応もせずむしろ特別カットを飛ばすほど否定的な反応であったと判断された場合、制御部100はユーザ登録データ310Dのパーソナリティタイプ情報326の決定木分岐点番号328と、適用決定木識別情報327とを参照する。そして、適用決定木識別情報327の示す決定木において決定木分岐点番号328の示す分岐点の位置が該決定木の末端近くの分岐点に該当するか否かを判定する(ステップS422)。具体的な判定基準は決定木の構造によるが、例えば、現在位置する分岐点の先の少なくとも一方の分岐先に他の分岐点がパーソナリティを決定する末端である場合にはその末端の分岐点に該当すると判断しても良い。或いは、分岐回数が基準値を超えていれば末端の分岐点と判断するとしても良い。
【0183】
末端の分岐点に該当すると判定した場合には(ステップS422のYES)、制御部100はパーソナリティ判定の結果が芳しくないと判断する。そこで、現在適用されている決定木を別の決定木に変更して、次回プレイでは別の決定木に基づくパーソナリティ判定を実行できるようにする。具体的には、適用決定木識別情報327を異なる決定木の識別情報に変更し(ステップS424)、決定木分岐点番号328と各パーソナリティタイプに対応する確度332を初期化して(ステップS426)、情動反応分析結果フィードバック処理を終了する。
【0184】
この結果、情動反応分析の分析結果を加味したプレーヤ類型の判定を実現できる。具体的には、パーソナリティタイプの判定とコンテンツ提示中におけるプレーヤの実際の反応とがミスマッチ(不適合)である場合に、今までのパーソナリティ判定に固執せず別のアプローチから再度パーソナリティ判定を行うことでユーザメリットを確保することができる。
【0185】
尚、本実施形態の情動反応分析結果フィードバック処理では決定木そのものを変更する構成としたがこれに限らず、例えばパーソナリティ判定のプロセスを過去の状態に戻って別の質問でやり直す構成とすることもできる。
例えば図61のパーソナリティ判定用質問データ350Eのように、一つの決定木分岐点番号352に複数の質問データ(第1質問データ354−1〜第m質問データ354−m:mは自然数)を用意しておく。同一の決定木分岐点番号352に対応する質問は、言葉の表現の仕方やシチュエーションなどが異なってもパーソナリティ判定に於ける意義は同じものである。
【0186】
また、ユーザ登録データ310Dには、決定木分岐点番号328に代えて、分岐履歴情報329を格納する。分岐履歴情報329は、例えば図62に示すように、分岐点履歴329aと質問データ識別329bとを対応づけて格納する。この質問データ識別329bには「第1質問データ」〜「第m質問データ」の何れかの識別子が格納される。制御部100は、次回の第2質疑応答処理(図25参照)のステップS68において、分岐履歴情報329の最新の分岐履歴329aに対応する質問データ識別329bに格納されている識別子と同識別子の質問データをパーソナリティ判定用質問データ350Eより読み出す。
【0187】
図63は、情動反応分析結果フィードバック処理の変形例(情動反応分析結果フィードバック処理E)の流れを説明するためのフローチャートである。同図に示すように、情動反応発生フラグが「0」又は否定反応フラグが「1」の場合(ステップS440のYES)、制御部100が分岐履歴情報329の最新の分岐点履歴329a及び質問データ識別329bを削除変更する(ステップS442)。そして、変更後の分岐履歴情報329の最新履歴に対応する質問データ識別329bを現在格納されている識別とは異なる識別に変更して(ステップS444)。情動反応分析結果フィードバック処理を終了する。
すると、次回の第2質疑応答処理では、分岐点が一つ前の位置に戻ることになり、ステップS444において変更された質問データ識別329bと同識別子の質問データが質疑されることになる。結果、分岐点を一つ前に戻るとともにパーソナリティ判定の意義としては同じであるが異なる表現の質問が改めて質疑されることで、別のアプローチで再度パーソナリティ判定する機会を作ることができる。
尚、ここでは分岐点を一つ前に戻るとしたがこれに限らず、決定木の構造に応じて適宜戻る数を設定することができ、また、分岐点それぞれの毎に戻り先の分岐点を設定することとしてもよい。
【0188】
また別のフィードバックの方法としては、情動反応分析の結果、コンテンツ提示中に所望する情動反応が示されたと判定した場合には、現在のパーソナリティタイプ別の確度332の最大値と最小値との差を大きくするように変更することで実現しても良い。
【0189】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した第1〜第4実施形態について説明したが、本発明の適用形態がこれらに限定されるものではない。
例えば、携帯ゲーム装置を用いる構成を例に挙げたが、家庭用ゲーム装置や業務用のゲーム装置やパソコン、携帯電話機などを代わりに用いることとしてもよい。
【0190】
例えば、パーソナリティ判定用質問データ350、ダミー質問データ356、分岐条件TBL360、コンテンツ基礎パラメータ値TBL370、シナリオ重み付け係数TBL390、アイテム重み付け係数TBL400、コンテンツデータ410を記憶するサーバをコンテンツ提供事業者が用意する。そして、上述した実施形態に代表される携帯ゲーム装置や携帯電話機等のプレーヤ端末が、通信回線1を介してサーバに接続して、コンテンツ等の各種のデータを取得する構成としてもよい。すなわち、サーバは、コンテンツの提供に必要な各種のデータを記憶するデータベースの機能を有し、プレーヤ端末がサーバにアクセスして、コンテンツを取得する構成となる。このシステム構成により、コンテンツ提供事業者側は、コンテンツを随時更新・追加することが可能となる。
【0191】
また、コンテンツの提示を進行させる操作入力として、スタイラスペン1416による第2液晶ディスプレイ1408へのタッチ、又は特定のプッシュボタンスイッチ1404の押下の操作としたが、次のようにしてもよい。すなわち、マイクロフォン1420に対する所定音声(例えば「次へ」といった音声)が入力されたか否かを入力音声から判定する。そして、所定音声が入力されたことを検知してコンテンツの提示を進行させる。この場合、プレーヤはコンテンツの続きを提示させるために携帯ゲーム装置1400に対して音声を入力することとなる。このため、第3実施形態における第1情動反応分析処理に必要な「プレーヤの音声」を確実に取得できる。また、携帯ゲーム装置1400の位置及び/又は姿勢を変化させる所定の動作操作入力(例えば左右端部を反対方向に周期的に上下動させる等)としてもよい。その場合には、第3実施形態における第2情動反応分析処理に必要な「携帯ゲーム装置1400の姿勢変化や位置変化」を確実に取得できる。さらに、上述した実施形態を、マイクロフォンや位置・姿勢変化検出部を内蔵したコントローラを備えた家庭用ゲーム装置に適用するのであれば、そのコントローラに内蔵されたマイクロフォンに対する音声入力でコンテンツの提示進行を行うとしてもよいし、コントローラを傾ける等の操作でコンテンツの提示進行を行うとしてもよい。
【0192】
また、所望する情動反応の例として「泣き」を例にあげて説明してきたが、これに限らず「笑い」「(ジャンルを問わずに単なる)感動」などその他の心の動きを誘発することをコンテンツ提示の目的としても良いことは勿論である。
【0193】
また、コンテンツとしては、テキストや静止画のみならず、アニメーションや映画といった動画等であってもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0194】
【図1】携帯ゲーム装置の構成例を示す構成図。
【図2】第1実施形態で実現されるプレーヤの類型判定とコンテンツ提示との関連を示す概念図。
【図3】パーソナリティ判定テスト用の質問例を示す図。
【図4】パーソナリティ判定用の決定木の例を示す図。
【図5】パーソナリティのタイプの例を示す図。
【図6】シナリオ分類の例を示す図。
【図7】アイテム分類の例を示す図。
【図8】パーソナリティタイプと泣きやすいシナリオ及びアイテムとの関連性を説明するための図。
【図9】第1実施形態における携帯ゲーム装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図。
【図10】ユーザ登録データのデータ構成例を示す図。
【図11】コンテンツ提示履歴のデータ構成例を示す図。
【図12】パーソナリティ判定用質問データのデータ構成例を示す図。
【図13】ダミー質問データのデータ構成例を示す図。
【図14】分岐条件TBLのデータ構成例を示す図。
【図15】コンテンツ基礎パラメータ値TBLのデータ構成例を示す図。
【図16】シナリオ重み付け係数TBLのデータ構成例を示す図。
【図17】アイテム重み付け係数TBLのデータ構成例を示す図。
【図18】コンテンツデータのデータ構成例を示す図。
【図19】表示データライブラリに格納されている画像の例を示す図。
【図20】表示データライブラリに格納されている表示用テキストデータの例を示す図。
【図21】コンテンツ相性値算出TBLのデータ構成例を示す図。
【図22】属性合致度の算出式の一例を説明するための図。
【図23】第1実施形態における主たる処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図24】第1実施形態における第1質疑応答処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図25】第1実施形態における第2質疑応答処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図26】第1実施形態におけるコンテンツ選択処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図27】第1実施形態における基礎ストレスレベル算出処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図28】第1実施形態におけるストレスレベル算出処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図29】第1実施形態における第3質疑応答処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図30】相性値を利用したコンテンツ選択方法の概念を説明するための図。
【図31】第1実施形態におけるコンテンツ提示処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図32】第1実施形態における情動反応分析反映処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図33】第1実施形態におけるプレイ履歴参照処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図34】画面表示例を示す図。
【図35】画面表示例を示す図。
【図36】コンテンツの提示例を示す画面図。
【図37】コンテンツの提示例を示す画面図。
【図38】画面表示例を示す図。
【図39】画面表示例を示す図。
【図40】画面表示例を示す図。
【図41】「緊張・不安」「混乱」の心的因子に着目してコンテンツ別の変化率を示したグラフ。
【図42】コンテンツ提示前後のアミラーゼ活性の変化率をコンテンツ別に示したグラフ。
【図43】コンテンツBの提示中に於ける一被験者の皮膚電位活動の皮膚電位水準(SPL)の時間変化を示すグラフ。
【図44】コンテンツCの提示中に於ける一被験者の皮膚電位活動の皮膚電位水準(SPL)の時間変化を示すグラフ。
【図45】第2実施形態におけるコンテンツデータのデータ構成例を示す図。
【図46】音カテゴリ選択TBL434のデータ構成例を示す図。
【図47】フィルタTBL480のデータ構成例を示す図。
【図48】第2実施形態における第3質疑応答処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図49】第2実施形態におけるコンテンツ提示処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図50】第3実施形態におけるコンテンツの画面構成と制御側の進行操作入力の受付タイミングとの関係を示す概念図。
【図51】特別カットの表示例を示す図。
【図52】第3実施形態における機能構成の例を示す機能ブロック図。
【図53】第3実施形態におけるコンテンツ提示処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図54】第3実施形態における第1情動反応分析処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図55】第3実施形態における第2情動反応分析処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図56】第3実施形態における第3情動反応分析処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図57】第4実施形態における機能ブロックの構成例の一部を示す部分機能ブロック図。
【図58】第4実施形態におけるユーザ登録データのデータ構成例を示す図。
【図59】第4実施形態におけるコンテンツ提示処理(コンテンツ提示処理D)の流れを説明するためのフローチャート。
【図60】第4実施形態における情動反応分析結果フィードバック処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図61】パーソナリティ判定用質問データの変形例のデータ構成例を示す図。
【図62】分岐履歴情報のデータ構成例を示す図。
【図63】情動反応分析結果フィードバック処理の変形例の流れを説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0195】
100 制御部
102 プレーヤ類型判定部
104 コンテンツ選択部
106 相関算出部
108 閾値条件可変部
120 コンテンツ提示制御部
128 進行制御部
130 情動反応分析部
210 画像表示部
212 第1画像表示部
214 第2画像表示部
300 記憶部
304 アプリケーションプログラム
310 ユーザ登録データ
350 パーソナリティ判定用質問データ
360 分岐条件TBL
370 コンテンツ基礎パラメータ値TBL
380 シナリオ重み付け係数TBL
390 アイテム重み付け係数TBL
410 コンテンツデータ
440 コンテンツ相性値算出TBL

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
プレーヤに回答操作入力を求める質疑応答形式の処理を実行し、前記回答操作入力に基づいて、予め定められた複数種類のプレーヤ類型のうちプレーヤに適合するプレーヤ類型を判定するプレーヤ類型判定処理手段、
前記判定されたプレーヤ類型に基づいて、前記各プレーヤ類型毎の相性度が定められた複数のコンテンツの中からコンテンツを選択するコンテンツ選択手段、
前記選択されたコンテンツをプレーヤに提供するコンテンツ提供手段、
前記プレーヤ類型判定処理手段と、前記コンテンツ選択手段と、前記コンテンツ提供手段とを一連に繰り返し実行させる進行制御手段、
として機能させるとともに、
前記プレーヤ類型判定処理手段が、今回及び過去の前記回答操作入力に基づいて、プレーヤに適合するプレーヤ類型を絞り込んで判定していくように前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記プレーヤ類型判定処理手段が、ダミー質問を含む複数の質問の中から今回質問する所定数の質問を選択して出力し、該出力した質問のうちのダミー質問を除く質問に対するプレーヤの回答操作入力に基づいてプレーヤに適合するプレーヤ類型を判定する、ように前記コンピュータを機能させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記プレーヤ類型判定処理手段が、前記進行制御手段により繰り返し実行される度に新たな質問を出力し、この新たな質問及び従前の質問のうちの前記ダミー質問を除く質問に対するプレーヤの回答操作入力に基づいてプレーヤに適合するプレーヤ類型を判定する、ように前記コンピュータを機能させるための請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
プレーヤの操作入力に基づいてゲームプレイの基準時間を設定する基準時間設定手段として前記コンピュータを更に機能させ、
前記プレーヤ類型判定処理手段が、前記設定された基準時間に応じて前記出力する質問の数を変更するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項2又は3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記コンテンツは、提供所要時間の長短に応じた分類がなされており、
プレーヤの操作入力に基づいてゲームプレイの基準時間を設定する基準時間設定手段として前記コンピュータを更に機能させ、
前記コンテンツ選択手段が、前記設定された基準時間に応じた提供所要時間のコンテンツを選択するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1〜4の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記プレーヤ類型には、プレーヤの現在及び/又は過去の事実関係に関する類型である事実関係類型と、プレーヤの個性に関する類型である個性類型とが少なくとも含まれ、
前記プレーヤ類型判定処理手段が、プレーヤに適合する前記事実関係類型及び前記個性類型を判定することで、プレーヤに適合するプレーヤ類型を判定する、ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜5の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記プレーヤ類型判定処理手段が、前記プレーヤ類型に対するプレーヤの適合度を算出することで、プレーヤに適合するプレーヤ類型を判定し、
前記コンテンツ選択手段が、前記各プレーヤ類型それぞれに対する前記算出された適合度と前記コンテンツの相性度との相関値を、前記複数のコンテンツそれぞれについて算出する相関算出手段を有し、該算出された相関値に基づいてコンテンツを選択する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜6の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記コンテンツ選択手段が、前記相関算出手段により算出された相関値が所与の閾値条件を満たすコンテンツの中から、プレーヤに提供するコンテンツを選択するように前記コンピュータを機能させるとともに、
前記閾値条件を可変する閾値条件可変手段として前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1〜7の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記閾値条件可変手段が、今回提供されるコンテンツの前記コンテンツ選択手段による選択の前に、現在のプレーヤの情況の操作入力を求める質疑応答形式の処理を実行して、前記情況の操作入力に基づいて前記閾値条件を可変する今回条件可変手段を有するように前記コンピュータを機能させるための請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記閾値条件可変手段が、前記コンテンツ提供手段により提供されたコンテンツに対する感想の操作入力を求める質疑応答形式の処理を実行して、前記感想の操作入力に基づいて、次回提供するコンテンツを選択する際の前記閾値条件を可変する次回条件可変手段を有するように前記コンピュータを機能させるための請求項8又は9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記コンテンツ提供手段が、プレーヤの進行指示操作入力に従って、前記選択されたコンテンツを順次提供していく処理を実行するように前記コンピュータを機能させ、
前記コンテンツ提供手段によりコンテンツが提供されている際の前記進行指示操作入力に基づいて、当該コンテンツに対するプレーヤの反応を分析する反応分析手段として前記コンピュータを機能させ、
前記閾値条件可変手段が、前記反応分析手段の分析結果に基づいて次回提供するコンテンツを選択する際の前記閾値条件を可変する反応結果反映手段を有するように前記コンピュータを機能させるための請求項8〜10の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記コンテンツ提供手段が、プレーヤの進行指示操作入力に従って、前記選択されたコンテンツを順次提供していく処理を実行するように前記コンピュータを機能させ、
前記コンテンツ提供手段によりコンテンツが提供されている際の前記進行指示操作入力に基づいて、当該コンテンツに対するプレーヤの反応を分析する反応分析手段として前記コンピュータを機能させ、
前記プレーヤ類型判定手段が、前記反応分析手段の分析結果を更に加味してプレーヤ類型を判定するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1〜11の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記コンテンツ提供手段が、前記進行指示操作入力がなされる毎に、コンテンツを順次提供していき、
前記反応分析手段が、前記進行指示操作入力の入力間隔に基づいてプレーヤの反応を分析する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項11又は12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記コンテンツ提供手段が、前記進行指示操作入力を受け付ける受付タイミング期間をコンテンツの提供途中に設け、コンテンツの提供が該受付タイミングに至った際にコンテンツの提供を一時中断し、該受付タイミング時に前記進行指示操作入力がなされることでコンテンツの提供を継続し、
前記反応分析手段が、前記受付タイミング期間以外における前記進行指示操作入力の有無、及び/又は、前記受付タイミング期間の開始から前記進行指示操作入力がなされるまでの時間、に基づいてプレーヤの反応を分析する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記コンピュータは、マイクを備えており、
前記反応分析手段が、更に、前記マイクに入力された音声に基づいてプレーヤの反応を分析するように前記コンピュータを機能させるための請求項11〜14の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項16】
前記コンテンツ提供手段が、前記マイクへの所定音声の入力を前記進行指示操作入力として、前記選択されたコンテンツを順次提供していくように前記コンピュータを機能させるための請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
前記コンピュータは、加速度センサ及び/又はジャイロセンサでなる検知器を内蔵したコントローラを備えており、
前記反応分析手段が、更に、前記検知器の検知結果に基づいてプレーヤの反応を分析するように前記コンピュータを機能させるための請求項11〜14の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項18】
前記コンテンツ提供手段が、前記コントローラの位置及び/又は姿勢を変化させる所定の動作操作入力を前記進行指示操作入力として、前記選択されたコンテンツを順次提供していくように前記コンピュータを機能させるための請求項17に記載のプログラム。
【請求項19】
前記進行指示操作入力は、ボタン押下操作入力であり、
前記コンテンツ提供手段が、ボタン押下操作入力がなされている間にコンテンツの提供を継続し、
前記反応分析手段が、ボタン押下操作入力の継続時間、断続間隔、断続回数及び中断時間のうち少なくとも1つに基づいてプレーヤの反応を分析する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項11又は12に記載のプログラム。
【請求項20】
前記コンピュータは、上下2つの表示装置を備えており、
前記コンテンツは、喜怒哀楽等の情動反応のうち所定の情動反応を誘発するために予め用意されたコンテンツであって、1つのコンテンツが前記表示装置それぞれに表示される表示用のソフトウェア群でなり、
前記コンテンツ提供手段が、前記コンテンツ選択手段により選択されたコンテンツのソフトウェア群に従った表示を、前記上下2つの表示装置に交互に行うように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜19の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項21】
前記コンテンツ提供手段が、前記プレーヤ類型判定処理手段により判定されたプレーヤ類型に基づき、前記選択されたコンテンツのソフトウェア群に従った表示画像の色調補正及び/又は前記交互表示時のトランジション処理の変更を行うように前記コンピュータを機能させるための請求項20に記載のプログラム。
【請求項22】
前記コンテンツには、表示用コンテンツと音声用コンテンツとの2種類があり、
前記コンテンツ選択手段が、プレーヤに提供するコンテンツとして前記2種類のコンテンツそれぞれについて選択し、
前記コンテンツ提供手段が、前記選択された表示用コンテンツを提供する表示用コンテンツ提供手段と、前記選択された音声用コンテンツを提供する音声用コンテンツ提供手段とを有する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜21の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項23】
前記音声用コンテンツは、当該音声のジャンルや音律等による複数の音声種別に予め分類されており、
前記コンテンツ選択手段が、プレーヤに提供する音声用コンテンツの音声種別を選択し、該選択した音声種別に属する音声用コンテンツの中から所定の演算を用いて音声用コンテンツを選択するように前記コンピュータを機能させるための請求項22に記載のプログラム。
【請求項24】
前記音声用コンテンツ提供手段が、前記プレーヤ類型判定処理手段により判定されたプレーヤ類型に基づき、出力される音の特性を変更するフィルタリング処理を施して音声用コンテンツを出力するように前記コンピュータを機能させるための請求項22又は23に記載のプログラム。
【請求項25】
前記コンテンツ選択手段が、前記コンテンツを多数記憶するデータベース又はサーバシステムにアクセスして、前記コンテンツを選択するように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜24に記載のプログラム。
【請求項26】
請求項1〜25の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項27】
プレーヤに回答操作入力を求める質疑応答形式の処理を実行し、前記回答操作入力に基づいて、予め定められた複数種類のプレーヤ類型のうちプレーヤに適合するプレーヤ類型を判定するプレーヤ類型判定処理手段と、
前記判定されたプレーヤ類型に基づいて、前記各プレーヤ類型毎の相性度が定められた複数のコンテンツの中からコンテンツを選択するコンテンツ選択手段と、
前記選択されたコンテンツをプレーヤに提供するコンテンツ提供手段と、
前記プレーヤ類型判定処理手段と、前記コンテンツ選択手段と、前記コンテンツ提供手段とを一連に繰り返し実行させる進行制御手段と、
を備えるとともに、
前記プレーヤ類型判定処理手段は、今回及び過去の前記回答操作入力に基づいて、プレーヤに適合するプレーヤ類型を絞り込んで判定していくことを特徴とするコンテンツ提供装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47】
image rotate

【図48】
image rotate

【図49】
image rotate

【図50】
image rotate

【図51】
image rotate

【図52】
image rotate

【図53】
image rotate

【図54】
image rotate

【図55】
image rotate

【図56】
image rotate

【図57】
image rotate

【図58】
image rotate

【図59】
image rotate

【図60】
image rotate

【図61】
image rotate

【図62】
image rotate

【図63】
image rotate


【公開番号】特開2009−178363(P2009−178363A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−20508(P2008−20508)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【出願人】(899000068)学校法人早稲田大学 (602)
【Fターム(参考)】