説明

プログラム、情報記憶媒体及び近似線判定処理装置

【課題】手書き画像に対する画像認識処理等に有効な、手書き画像の線分による近似方法を提案すること。
【解決手段】近似線分認識処理では、先ず基準ベクトルBV1と対象ベクトルTV1との成す角度θ1及び基準ベクトルBV1と線分S1−S2との成す角度θ3が計算される。そして、角度θ1が所定角度θA未満且つ角度θ3が所定角度θB未満である場合には、基準ベクトルBV1と次の対象ベクトルTV2との成す角度θ2及び基準ベクトルBV1と線分S2−S3との成す角度θ4が計算される。そして、角度θ2が所定角度θA以上或いは角度θ4が所定角度θB以上であった場合には、対象ベクトルTV1を構成する始点O1と標本点S2とを結ぶ線分が一本の近似線分L1として認識される。以下、このような手順が繰り返されることにより、手書き線が複数の近似線分で近似される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報記憶媒体及び近似線判定処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、手書き入力された文字や図形等の画像(以下、「手書き画像」と呼ぶ。)がどのような種類の画像であるのかを特定・識別する画像認識に関する研究が盛んに行われており、工学、医学などの分野において広く利用されている。
【0003】
特に最近では、画像認識の技術を応用し、タッチペン等のツールにより手書き入力された手書き画像を用いてゲームを進行させるゲーム装置が考案されている。このようなゲーム装置の中には、プレーヤにより手書き入力された手書き画像の種類を特定・識別した上で、当該画像を表示画面中で適宜変形・移動させる等の工夫を施し、娯楽性を高めたものが存在する(例えば、特許文献1。)。
【特許文献1】特開2002−282541号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示すゲーム装置等で用いられている従来の画像認識においては、手書き画像の種類を特定・識別するために、当該手書き画像と予め記憶されている手本の画像との類似度を判別する必要があり、手書き画像のデータと手本の画像のデータとの相関の大きさを計算するなどの手法が用いられるのが一般的であった。しかし、これには膨大な量の計算を必要とし、類似度の判別基準となる手本の画像が1枚であったとしても、計算量が膨大なものになってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、手書き画像に対する画像認識処理等に有効な、手書き画像の線分による近似方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するための第1の発明は、
操作入力に従って位置変化される指示位置の軌跡を、複数の線分から成る折れ線で近似する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記指示位置の現在位置を所定時間間隔で標本化することで標本位置を取得していく標本位置取得手段(例えば、図4のステップA7)、
前記標本位置取得手段により順次取得される標本位置間の相対角度の差に基づいて、順次取得される標本位置の中から端点とする標本位置を認定していく端点認定手段(例えば、図4のステップA9〜A17)、
前記認定された端点を順に結んで得られる複数の線分から成る折れ線を前記指示位置の軌跡の近似線として判定する近似線判定手段(例えば、図4のステップA13)、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0007】
この第1の発明によれば、操作入力に従って位置変化される指示位置の現在位置を所定時間間隔で標本化することにより、標本位置を取得することができる。また、当該取得した標本位置間の相対角度の差に基づいて線分の端点となる標本位置を認定し、当該認定した端点を結んで得られる複数の線分からなる折れ線を、近似線として判定することができる。従って、曲線の手書き画像を折れ線でもって近似できるため、この近似した折れ線を用いれば、画像認識等の処理を簡単に行うことができるようになる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明のプログラムであって、
前記所定時間間隔を可変する標本化時間間隔可変手段(例えば、図3の出題データ;調整条件)として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0009】
この第2の発明によれば、所定時間間隔を可変することができる。従って、所定時間間隔を短くすることにより、比較的長さの短い線分で近似されるようになり、より緻密な近似ができるといった作用効果を奏する。
【0010】
第3の発明は、第2の発明のプログラムであって、
前記端点認定手段が、所定の基準位置と前記標本位置取得手段により順次取得される標本位置それぞれとを結ぶ線の相対角度の差が、所定の近似角度条件を満たさなくなった標本位置の直前の標本位置を端点として認定し、当該端点とした位置を新たな基準位置として、次に端点とする標本位置を認定していく(例えば、図4のステップA9、A11;No、A17)ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0011】
この第3の発明によれば、所定の基準位置と標本位置それぞれとを結ぶ線の相対角度の差が、所定の近似角度条件を満たさなくなった標本位置の直前の標本位置を端点として認定すると共に、当該端点を新たな基準位置として、次に端点とする標本位置を認定していくことができる。
【0012】
第4の発明は、第3の発明のプログラムであって、
前記近似角度条件を可変する近似角度条件可変手段(例えば、図3の出題データ;調整条件)として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0013】
この第4の発明によれば、近似角度条件を可変することができる。従って、近似角度条件を小さくすることにより、比較的数の多い線分で近似されるようになり、より緻密な近似ができるといった作用効果を奏する。
【0014】
第5の発明は、第2〜第4の何れか一の発明のプログラムであって、
前記端点認定手段が、所定の基準位置と前記標本位置取得手段により当該基準位置の次に取得された標本位置とを結ぶ線と、前記標本位置取得手段により取得された最新の標本位置と当該最新の標本位置の直前に取得された標本位置とを結ぶ線との成す角が、所定の角度条件を満たさない場合に、当該最新の標本位置の直前に取得された標本位置を端点として認定し、当該端点とした新たな位置を新たな基準位置とする(例えば、図4のステップA10、A12;No、A17)ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0015】
この第5の発明によれば、所定の基準位置とこの基準位置の次に取得された標本位置とを結ぶ線と、最新の標本位置とこの最新の標本位置の直前に取得された標本位置とを結ぶ線との成す角が、所定の角度条件を満たさない場合に、当該最新の標本位置の直前に取得された標本位置を端点として認定し、当該端点とした新たな位置を新たな基準位置とすることができる。
【0016】
第6の発明は、第5の発明のプログラムであって、
前記角度条件を可変する角度条件可変手段として前記コンピュータを機能させる(例えば、図3の出題データ;調整条件)ためのプログラムである。
【0017】
この第6の発明によれば、角度条件を可変することができる。従って、角度条件を小さくすることにより、比較的数の多い線分で近似されるようになり、より緻密な近似ができるといった作用効果を奏する。
【0018】
第7の発明は、第1〜第6の何れか一の発明のプログラムであって、
前記近似線判定手段が、
前記認定された端点を順に結ぶことで線分を得る線分取得手段(例えば、図4のステップA15)と、
前記線分取得手段により取得された線分のうち、線分の端点同士が所定の近似距離範囲内にあって、且つ、当該線分同士の成す角度が所定の近似角度範囲内にある線分同士を1つの線分に合成する線分合成手段(例えば、図5のステップB7;Yes→B9;Yes→B11)と、
を有し、前記線分合成手段により合成された線分と、当該合成の対象となった線分以外の前記線分取得手段により取得された線分とから成る折れ線を近似線として判定する(例えば、図5のステップB15)ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0019】
この第7の発明によれば、近似線の判定において、認定された端点を結ぶことで得られる線分のうち、線分の端点同士が所定の近似距離範囲内にあって、当該線分同士の成す角度が所定の近似角度範囲にある線分同士を1つの線分に合成し、当該合成された線分と、それ以外の線分とからなる折れ線を、近似線として判定することができる。
【0020】
第8の発明は、第7の発明のプログラムであって、
前記近似距離範囲及び前記近似角度範囲を可変する合成条件可変手段(例えば、図3の出題データ;調整条件)として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0021】
この第8の発明によれば、近似距離範囲と近似角度範囲とを可変することができる。従って、例えば近似距離範囲及び近似角度範囲それぞれを小さく設定すると、線分を合成する際の合成条件が厳しくなるため、結果として数の多い線分で近似されるようになり、より緻密な近似ができるといった作用効果を奏することになる。
【0022】
第9の発明は、第1〜第8の何れか一の発明のプログラムを記憶するコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体(例えば、図6のゲームカセット1210)である。
【0023】
この第9の発明によれば、第1〜第8の何れかの発明と同様の作用効果を奏する情報記憶媒体を実現することができる。
【0024】
第10の発明は、
操作入力に従って位置変化される指示位置の軌跡を、複数の線分から成る折れ線で近似する処理を実行する近似線判定処理装置であって、
前記指示位置の現在位置を所定時間間隔で標本化することで標本位置を取得していく標本位置取得手段(例えば、図7の処理部20;図4のステップA7)と、
前記標本位置取得手段により順次取得される標本位置間の相対角度の差に基づいて、順次取得される標本位置の中から端点とする標本位置を認定していく端点認定手段(例えば、図7の処理部20;図4のステップA9〜A17)と、
前記認定された端点を順に結んで得られる複数の線分から成る折れ線を前記指示位置の軌跡の近似線として判定する近似線判定手段(例えば、図7の処理部20;図4のステップA13)と、
を備えることを特徴とする近似線判定処理装置である。
【0025】
この第10の発明によれば、第1の発明と同様の作用効果を奏する近似線判定処理装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、標本化により取得された標本位置間の相対角度の差に基づいて線分の端点となる標本位置を認定し、当該認定した端点を結んで得られる複数の線分からなる折れ線を、近似線として判定することができる。従って、曲線の手書き画像を折れ線でもって近似できるため、この近似した折れ線を用いれば、画像認識等の処理を簡単に行うことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
〔原理〕
以下、図1〜図3を参照して、本実施形態における手書き画像の近似原理について説明する。
手書き画像の近似は、ユーザにより手書き入力された線(以下、「手書き線」と呼ぶ。)を、折れ線となる複数の線分で近似することにより行われる。また、近似された線分(以下、「近似線分」と呼ぶ。)同士が所定の条件を満たす場合には、当該近似線分同士を一本の近似線分に合成する。
【0028】
先ず、図1を用いて手書き線を近似線分で近似する原理について説明する。
尚、タップイン操作とは、タッチパネルにタッチペンを当接させる操作のことを指し、スライド操作とは、タップイン操作の後、当接状態を維持したままでタッチペンを移動させる摺動操作のことを指す。また、タップアウト操作とは、タッチペンをタッチパネルから離す操作のことを指す。
【0029】
図1(a)に示すように、先ずユーザのタッチペンによるタップイン操作に従って、タップイン操作がなされた位置(以下、「タップイン位置」と呼ぶ。)が始点O1として設定される。その後、ユーザによるタッチペンのスライド操作に従って手書き線が描画され、所定のサンプリング時間が経過したときに、当該手書き線上に一の標本点S1が設定される。そして、始点O1から始まり当該標本点S1を終点とするベクトルが基準ベクトルBV1として設定される。
【0030】
次に、ユーザのスライド操作に従って手書き線が順次描画され、再度所定のサンプリング時間が経過すると、当該手書き線上に新たな標本点S2が設定される。そして、始点O1から始まり当該標本点S2を終点とするベクトルが対象ベクトルTV1として設定される。
【0031】
対象ベクトルTV1が設定されると、基準ベクトルBV1と当該対象ベクトルTV1との成す角度θ1が計算され、また、基準ベクトルBV1と線分S1−S2との成す角度θ3が計算される。そして、角度θ1が所定角度θA(例えば20°)未満且つ角度θ3が所定角度θB(例えば75°。θA<θB。)未満であるか否かが判定される。但し、所定角度θAは比較的小さい角度であり、所定角度θBは比較的大きい角度であるものとする。
【0032】
今、θ1がθA未満且つθ3がθB未満であったと仮定すると、再度所定のサンプリング時間が経過したときに、ユーザのスライド操作に従って順次描画される手書き線上に、新たな標本点S3が設定される。
【0033】
その後、始点O1から始まり当該標本点S3を終点とする対象ベクトルTV2が設定され、基準ベクトルBV1と当該対象ベクトルTV2との成す角度θ2が計算され、また、基準ベクトルBV1と線分S2−S3との成す角度θ4が計算される。そして、角度θ2が所定角度θA未満であり且つ角度θ4が所定角度θB未満であるか否かが判定される。
【0034】
今、θ2がθA以上或いはθ4がθB以上であったと仮定すると、始点O1から標本点S2までの手書き線の部分が一本の近似線分L1として近似・認識され、始点O1から標本点S2までの手書き線の部分が消去されて、当該近似線分L1が描画される。
【0035】
そして、図1(b)に示すように近似線分L1が描画されると、標本点S2が始点として再設定され、同様の手順が繰り返される。つまり、標本点S2を始点として、次の標本点S3を終点とするベクトルが基準ベクトルBV2、更に次の標本点S4を終点とするベクトルが対象ベクトルTV3として設定される。その後、基準ベクトルBV2と対象ベクトルTV3との成す角度が計算され、また、基準ベクトルBV2と線分S3−S4との成す角度が計算される。そして、前者が所定角度θA未満且つ後者が所定角度θB未満であるか否かが判定され、この条件が満たされた場合には何も行われない。一方、この条件が満たされなかった場合には、標本点S2からS3までの手書き線の部分が近似線分BV2として近似・認識され、手書き線の部分が消去されて当該近似線分が描画された後に、始点が標本点S3に再設定される。
【0036】
次に、図2を用いて近似線分を合成する原理について説明する。
ここでは、図2(a)に示すように、端点E1及びE2を持つ近似線分L2と、端点E3及びE4を持つ近似線分L3とが、図のような位置関係で存在する場合を考える。尚、端点とは一本の近似線分の端の2点のことを指し、始点及び終点のことである。
【0037】
先ず、近似線分L2の端点とL3の端点間の距離が各々計算され、当該計算された距離が所定距離D以下である端点が存在するか否かが判定される。また、近似線分L2とL3との成す角度が計算され、当該計算された角度が所定角度α以下であるか否かが判定される。
【0038】
今、近似線分L2の端点E2と、近似線分L3の端点E3との距離d1が所定距離D以下であり、近似線分L2とL3との成す角度a1が所定角度α以下であったと仮定すると、近似線分L2とL3とは図2(b)に示すように、新たな一本の近似線分L4として合成される。つまり、上記2つの判定条件が具備された場合に限り、二本の近似線分は一本の近似線分に合成される。
【0039】
以上、手書き画像を複数の線分(折れ線)で近似する原理について説明した。次に、この原理を利用した画像認識処理の一例について説明する。但し、簡単のため、手書き画像が、ある1つの出題画像として認識され得るかどうかの処理とし、出題画像を図形として説明する。
【0040】
先ず、その画像認識処理で用いられる出題データについて説明する。
図3は、出題データの構成を示したものである。出題データには題目と、適合条件と、調整条件とが対応付けられて記憶されている。
【0041】
題目とは、出題図形の名称のことである。適合条件とは、手書き図形を近似した折れ線の図形が題目の図形に適合するか否かを判定するための条件であり、例えば題目が「三角形」である場合には、近似線分で構成された折れ線の図形が、「近似線分が3本で、隣接する近似線分の最近接位置にある端点間の距離が3ドット以下」の条件を具備する場合に限り、三角形であると判定される。
【0042】
調整条件とは、図1で説明した手書き線の近似原理における所定のサンプリング時間及び所定角度θA、θBの値と、図2で説明した近似線分の合成原理における所定角度α及び所定距離Dの値とが条件として設定されたものである。例えば、題目が「三角形」である場合には、手書き線の近似原理において手書き線上に標本点が設定されるサンプリング時間間隔が「0.5秒」であり、基準ベクトルと対象ベクトルとの成す角度の閾値となる所定角度θAが「20°」、基準ベクトルと、最新の標本点とこの最新の標本点の直前の標本点とを結ぶ線分との成す角度の閾値となる所定角度θBが「75°」である。また、近似線分の合成原理において近似線分が合成される条件は、二本の近似線分の成す角度が所定角度αの「20°」以下であり、端点の距離が所定距離Dの「5ドット」以下になることである。尚、これら調整条件の各値は図3に示した各値に限られるわけではなく、適宜変更が可能である。
【0043】
〔処理の流れ〕
次に、図4及び図5を参照して具体的な処理の流れについて説明する。
まず、手書き画像を近似線分で近似する処理(以下、「近似線分認識処理」と呼ぶ。)の流れについて説明する。
【0044】
図4は近似線分認識処理の流れを示すフローチャートである。
近似線分認識処理では、先ずユーザのタップイン位置が初期の始点として設定され(ステップA1)、ユーザのスライド操作に従って基準ベクトルが設定される(ステップA3)。そして、スライド操作に従って手書き線が描画されていくが(ステップA5)、所定のサンプリング時間経過時に、手書き線上に新たな標本点が設定される(ステップA7)。
【0045】
次に、ステップA3において設定された基準ベクトルと、始点から始まり当該標本点を終点とする対象ベクトルとの成す角度が計算され、当該角度が第1角度とされる(ステップA9)。また、基準ベクトルと、当該標本点及びその直前の標本点間を結ぶ線分との成す角度が計算され、当該角度が第2角度とされる(ステップA10)。
【0046】
そして、第1角度が所定角度θA未満であるか否かが判定され(ステップA11)、所定角度θA未満であったと判定された場合には(ステップA11;Yes)、第2角度が所定角度θB未満であるか否かが判定される(ステップA12)。但し、ステップA7における所定のサンプリング時間と、ステップA11における所定角度θA及びステップA12における所定角度θBとは、図3に示して説明したような調整条件等に応じて適宜変更可能である。
【0047】
ステップA12において、第2角度が所定角度θB未満であったと判定された場合には(ステップA12;Yes)、ステップA5へと処理が戻される。また、ステップA11において、第1角度が所定角度θA未満ではなかったと判定された場合(ステップA11;No)、又はステップA12において、第2角度が所定角度θB未満ではなかったと判定された場合には(ステップA12;No)、始点から当該直前の標本点までの手書き線の部分が、始点と当該直前の標本点とを結ぶ線分で近似・認識され、この線分が近似線分とされる(ステップA13)。
【0048】
次に、始点から当該直前の標本点までの手書き線の部分を非表示にして、ステップA13において認識された近似線分が描画され(ステップA15)、当該直前の標本点が新たに始点として再設定される(ステップA17)。そして、近似線分が複数存在するか否かが判定され(ステップA19)、複数存在すると判定された場合には(ステップA19;Yes)、近似線分合成処理が行われ(ステップA21)、複数存在しないと判定された場合には(ステップA19;No)、ユーザのタップアウト操作がなされたか否かが判定される(ステップA23)。
【0049】
ステップA23において、タップアウト操作がなされなかったと判定された場合には(ステップA23;No)、ステップA3へと処理が戻され、なされたと判定された場合には(ステップA23;Yes)、始点とタップアウトされた点とを結ぶ線分が近似線分とされる(ステップA25)。そして、この線分に対して近似線分合成処理が行われた後(ステップA27)、近似線分認識処理は終了となる。
【0050】
次に、近似線分を合成するための近似線分合成処理の流れについて説明する。
図5は近似線分合成処理の流れを示すフローチャートである。
近似線分合成処理では、先ず新たな近似線分以外の一の近似線分が選択され(ステップB1)、当該選択された一の近似線分の端点と、新たな近似線分の端点との距離が各々計測される(ステップB3)。また、当該選択された一の近似線分と、新たな近似線分との成す角度が計測される(ステップB5)。
【0051】
次に、ステップB3において計測された距離が所定距離以下となる端点があるか否かが判定され(ステップB7)、あったと判定された場合には(ステップB7;Yes)、ステップB5において計測された角度が所定角度以下であるか否かが判定される(ステップB9)。但し、所定距離と所定角度とは適宜変更可能である。
【0052】
ステップB9において、計測された角度が所定角度以下であったと判定された場合には(ステップB9;Yes)、ステップB1において選択された一の近似線分と、新たな近似線分とが合成され(ステップB11)、合成された近似線分が再描画される(ステップB13)。
【0053】
その後、合成された近似線分が新たな近似線分であるものとして認識され(ステップB15)、全近似線分について処理が終了したか否かが判定される(ステップB17)。そして、処理が終了していないと判定された場合には(ステップB17;No)、ステップB1へと処理が戻され、終了したと判定された場合には(ステップB17;Yes)、近似線分合成処理は終了となる。
【0054】
また、ステップB7において、計測された距離が所定距離以下になる端点がなかったと判定された場合(ステップB7;No)、又はステップB9において、計測された角度が所定角度以下ではなかったと判定された場合には(ステップB9;No)、ステップB17へと処理が移行される。
【0055】
以上、近似線分認識処理と近似線分合成処理について説明したが、これらの処理は、当該処理に係るプログラムを実行するコンピュータ等によって実行され得る。
【0056】
〔実施例〕
以下、図6〜図12を参照して、近似線判定処理装置としての機能を備えた携帯型のゲーム装置に本発明を適用した場合の実施例について詳細に説明する。
【0057】
まず、構成を説明する。
図6は、携帯型のゲーム装置1200の概観図である。同図が示すように、ゲーム装置1200は、操作キー群1202と、タッチパネル1204aと表示装置1204bとが一体的に構成されたタッチスクリーン1204と、ディスプレイ1206と、ゲームカセットリーダ1208と、ゲームカセットリーダ1208に着脱自在に装着され、ゲームプログラム、ゲームデータ等のゲームを行うためのゲーム情報を格納したゲームカセット1210と、タッチペン1212とを備えて構成されている。プレーヤは、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成されるディスプレイ1206に映し出されるゲーム画像を見ながら、操作キー群1202及びタッチペン1212を操作することによりゲームを楽しむことができる。
【0058】
図7は、ゲーム装置1200の内部構成を示すブロック図である。同図が示すように、ゲーム装置1200は、操作部10と、処理部20と、表示部30と、タッチパネル40と、記憶部50とを備えて構成されている。
【0059】
操作部10は、ゲームの種類、内容に応じた各種操作を行うことができるように構成されており、プレーヤの操作に応じた操作信号を処理部20に出力する。操作部10はゲームコントローラ、ジョイスティック、押下ボタン、キーボード、マウス、専用コントローラ等により実現されるが、本実施例では、操作部10は図6の操作キー群1202に対応する。
【0060】
処理部20は、ゲーム装置1200全体の制御、各機能部への指示、ゲームの進行処理、画像処理、音声処理等の各種処理を実行する。この処理部20の機能は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)、またはASIC(ゲートアレイ等)等のハードウェアや、所与のプログラムにより実現することができる。また、処理部20は、本実施例を実現するための主な機能部として、ゲーム演算部201と、画像生成部203とを備え、記憶部50に記憶されたゲームプログラム501に従って処理を実行する。
【0061】
ゲーム演算部201は、操作部10及びタッチパネル40からの操作入力に応じて、ゲームの進行を行う機能部であり、ゲームプログラム501が備える近似線分認識プログラム501aに従って手書き線の近似を行う近似線分認識部201aと、近似線分合成プログラム501bに従って近似線分の合成を行う近似線分合成部201bとを備えている。
【0062】
画像生成部203は、ASIC等により実現されるものであり、各種ゲーム画像の生成、近似線分の描画等を行う。
【0063】
表示部30は、処理部20から入力される信号に基づいて各種ゲーム画像を表示するものであり、図6に示す表示装置1204b、ディスプレイ1206に対応する。
【0064】
タッチパネル40は、表示部に感圧式や静電式の透明センサを取り付ける等して構成されており、タッチペン1212によりタップイン操作、スライド操作、タップアウト操作等の各種操作を行うことにより、選択された座標信号を処理部20に出力する。尚、このタッチパネル40は、図6のタッチパネル1204aに対応する。
【0065】
記憶部50は、処理部20によって読み出され、ゲーム処理(図8参照)として実行されるゲームプログラム501と、ゲームデータ503とを備えている。また、ゲームプログラム501は、近似線分認識処理(図4参照)として実行される近似線分認識プログラム501aと、近似線分合成処理(図5参照)として実行される近似線分合成プログラム501bとをサブルーチンとして備え、ゲームデータ503は、出題データ503aを備えている。この記憶部50の機能は、CD−ROMやDVD−ROM、ゲームカセット、ICカード、MO、FD、ハードディスク、メモリ等により実現できるものであり、本実施例では、図6のゲームカセット1210に対応する。
【0066】
ゲーム処理とは、プレーヤにより手書き入力された手書き線を近似線分認識処理により近似線分で近似し、合否判定ボタンが押下された場合に、当該近似線分で構成される図形が題目の図形に適合するか否かを図形適否判定処理により判定し、当該判定結果に基づいて所定のメッセージを表示する処理である。このゲーム処理については詳細に後述する。
【0067】
近似線分認識処理(図4参照)及び近似線分合成処理(図5参照)については、前述した通りであるので説明を省略する。但し、両処理における「ユーザ」は、本実施例では「プレーヤ」に読み替えるものとする。
【0068】
図形適否判定処理とは、記憶部50に記憶されたゲームデータ503が備える出題データ503aの適合条件を参照し、近似線分で構成される図形が題目の図形に適合するか否かを判定する処理である。そして、題目の図形に適合したと判定した場合には、当該近似線分で構成される図形は適格であると判定する。尚、出題データ503aについては、図3で説明した出題データと同一であるので説明を省略する。
【0069】
次に動作を説明する。
図8は、処理部20によりゲームプログラム501が読み出されて実行されることによりゲーム装置1200において実行されるゲーム処理の流れを示すフローチャートである。
【0070】
先ず、処理部20は、プレーヤ操作に従って題目を表示部30に選択・表示させ(ステップC1)、プレーヤによるタッチパネルのタップ操作がなされたか否かを判定する(ステップC3)。そして、タップ操作がなされなかったと判定した場合には(ステップC3;No)、処理部20はそのまま待機し、なされたと判定した場合には(ステップC3;Yes)、近似線分認識プログラム501aを読み出して実行することで近似線分認識処理を行う(ステップC5)。
【0071】
その後、処理部20は、プレーヤによりタップイン操作がなされたか否かを判定し(ステップC7)、なされなかったと判定した場合には(ステップC7;No)、そのまま待機し、なされたと判定した場合には(ステップC7;Yes)、プレーヤにより合否判定ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップC9)。
【0072】
ステップC9において、合否判定ボタンが押下されなかったと判定した場合には(ステップC9;No)、ステップC5に戻り、押下されたと判定した場合には(ステップC9;Yes)、処理部20は、図形適否判定処理を行う(ステップC11)。
【0073】
次に、処理部20は、近似線分で構成される図形が適格であったか否かを判定し(ステップC13)、適格であったと判定した場合には(ステップC13;Yes)、合格のメッセージを表示部30に表示させ(ステップC15)、適格ではなかったと判定した場合には(ステップC13;No)、不合格のメッセージを表示部30に表示させる(ステップC17)。
【0074】
そして、処理部20は、ゲームが終了であるか否かを判定し(ステップC19)、終了ではないと判定した場合には(ステップC19;No)、ステップC1に戻り、終了であると判定した場合には(ステップC19;Yes)、ゲーム処理を終了する。
【0075】
次に、これまでの処理について、表示画面例とプレーヤ操作を参照しつつ、具体的に説明する。尚、図9〜図12において、(a)はディスプレイ1206に表示される表示画面例、(b)はタッチスクリーン1204におけるプレーヤ操作例及びタッチスクリーン1204の表示画面例を示すものとする。
【0076】
図9は、プレーヤにより手書き入力された手書き線と、近似線分によるその近似結果の一例を示したものである。
図9(a)に示す表示画面W10上部には、プレーヤにより選択された題目を表示する題目表示ボックスTB10が表示され、ここでは題目として「三角形」が選択・表示されている(図8のステップC1)。また、図9(b)に示すように、タッチスクリーン1204上で、プレーヤによりタッチペン1212を用いて手書き線が手書き入力されたことで、当該手書き線が描画画面DW10にそのままの形で描画・表示されている(図8のステップC5;図4のステップA5)。また、その右方には、手書き線が三本の近似線分で近似され、当該三本の近似線分で構成される図形が判定画面JW10内に表示されている(図8のステップC5;図4のステップA15)。尚、タッチスクリーン1204の表示画面右下部には、合否判定ボタンJB10が表示されており、プレーヤがこの合否判定ボタンJB10をタッチペン1212でタップ操作することにより、図形適否判定が行われ、判定結果が判定画面内に表示される。
【0077】
図10は、図9の判定画面JW10内に表示された近似線分で構成される図形が題目の図形か否かを判定する図形適否判定処理による判定結果の画面例を示したものである。
図10(b)に示すように、タッチスクリーン1204上で、合否判定ボタンJB10がタッチペン1212を用いてタップ操作されたことで、図形適否判定処理が実行されて、図10(a)に示すように判定画面JW12内に「合格」のメッセージが表示されている(図8のステップC15)。これは、三本の近似線分で構成される図形が、出題データ503aの題目「三角形」の適合条件を具備し、当該近似線分で構成される図形が三角形に適合すると判定されたためである(図8のステップC11、C13;Yes)。
【0078】
図11は、プレーヤにより手書き入力された別の手書き線と、近似線分によるその近似結果の一例を示したものである。
ここでは、図11(b)に示すように、タッチスクリーン1204上で、プレーヤによりタッチペン1212を用いて手書き線が手書き入力されたことで、当該手書き線が描画画面DW14内に表示されている(図8のステップC5;図4のステップA5)。また、その右方には、手書き線が近似線分で近似され、当該近似線分で構成される図形が判定画面JW14内に表示されている(図8のステップC5;図4のステップA15)。但し、ここでは手書き線が途中で一箇所途切れているために、近似線分で構成される図形も一部線分が途切れ、結果的に四本の近似線分で構成されている。
【0079】
図12は、図11に示した近似線分で構成される図形の図形適否判定処理による判定結果の一例を示したものである。
図12(b)に示すように、タッチスクリーン1204上で、合否判定ボタンがタッチペン1212を用いてタップ操作されたことで、図形適否判定処理が実行され、図12(a)に示すように判定画面JW16内に「不合格」のメッセージが表示されている(図8のステップC17)。これは、四本の近似線分で構成される図形が、出題データ503aの題目「三角形」の適合条件を具備せず、当該近似線分で構成される図形は三角形には適合しないと判定されたためである(図8のステップC11、C13;No)。
【0080】
以上の通りに、本実施例によれば、選択・表示した題目に従ってプレーヤにより手書き入力された手書き線を近似線分で近似し、当該近似線分で構成される図形が題目の図形に適合するか否かを判定することができる。
【0081】
〔変形例〕
以上説明したゲーム処理により実現されるゲームは、近似線分認識処理により近似線分で近似された図形が題目の図形に適合するか否かが判定されるゲームであった。しかし、近似線分認識処理を適用したゲームはこのようなものに限定されるわけではない。例えば、近似線分で構成される図形を組み合わせて別の画像を作成するといった、お絵描き的なゲームを実現することも可能である。以下、図13〜図18を参照して、このようなゲームを実現するゲーム処理について説明する。
【0082】
まず、構成を説明する。
図13は、変形例におけるゲーム装置1200が図7の記憶部50の代わりに備える記憶部52の構成を示す図である。記憶部52は、処理部20によって読み出され、第2ゲーム処理(図15参照)として実行される第2ゲームプログラム521と、第2ゲームデータ523とを備えている。また、第2ゲームプログラム521は、近似線分認識処理(図4参照)として実行される近似線分認識プログラム501aと、近似線分合成処理(図5参照)として実行される近似線分合成プログラム501bとをサブルーチンとして備え、第2ゲームデータ523は、第2出題データ523aを備えている。
【0083】
第2ゲーム処理とは、選択・表示した小問に従ってプレーヤにより手書き入力された手書き線を、近似線分認識処理により近似線分で近似し、近似線分で構成される図形を順次合成することで、新たな画像を生成・表示する処理である。この第2ゲーム処理については詳細に後述する。
【0084】
図14は、第2出題データ523aのデータ構成を示す図であり、同図が示すように第2出題データ523aには、種々のゲームの題目(例えば、「変形福笑いゲーム」)が記憶され、複数の小問と、当該小問を表示する順序とが対応付けて記憶されている。また、それぞれの小問には、サンプリング時間、角度、距離からなる調整条件が対応付けて記憶されている。尚、この調整条件の意味は、図3で説明した出題データにおける調整条件と同一であるので、説明を省略する。
【0085】
次に動作を説明する。
図15は、処理部20により第2ゲームプログラム521が読み出されて実行されることによりゲーム装置1200において実行される第2ゲーム処理の流れを示すフローチャートである。
【0086】
先ず、処理部20は、プレーヤ操作に従って題目を表示部30に選択・表示させ(ステップD1)、小問の表示順序に従って小問を選択、表示する(ステップD3)。そして、プレーヤによるタッチパネルへのタップ操作がなされたか否かを判定し(ステップD5)、タップ操作がなされなかったと判定した場合には(ステップD5;No)、そのまま待機し、なされたと判定した場合には(ステップD5;Yes)、処理部20は、近似線分認識プログラム501aを読み出して実行することで近似線分認識処理を行う(ステップD7)。
【0087】
その後、処理部20は、プレーヤによりタップイン操作がなされたか否かを判定し(ステップD9)、なされなかったと判定した場合には(ステップD9;No)、そのまま待機し、なされたと判定した場合には(ステップD9;Yes)、プレーヤによりNEXTボタンが押下されたか否かを判定する(ステップD11)。
【0088】
ステップD11において、NEXTボタンが押下されなかったと判定した場合には(ステップD11;No)、ステップD7へ戻り、押下されたと判定した場合には(ステップD11;Yes)、処理部20は、近似線分に基づいて、当該小問に応じた大きさで、当該小問に応じた位置にパーツを配置する(ステップD13)。ここで、パーツとは、各小問において、近似線分により近似された図形のことを指す。
【0089】
そして、処理部20は、全ての順序についての処理が終了したか否かを判定し(ステップD15)、終了していないと判定した場合には(ステップD15;No)、ステップD3へと戻り、終了したと判定した場合には(ステップD15;Yes)、完成演出を行って(ステップD17)、第2ゲーム処理を終了する。
【0090】
次に、これまでの処理について、表示画面例とプレーヤ操作を参照しつつ、具体的に説明する。図16及び図17において、(a)はディスプレイ1206に表示される表示画面例、(b)はタッチスクリーン1204におけるプレーヤ操作例及びタッチスクリーン1204の表示画面例を示すものとする。
【0091】
図16は、プレーヤにより手書き入力された手書き線と、近似線分によるその近似結果の一例を示したものである。
図16(a)に示す表示画面W20上部には、第2出題データ523aに記憶されている順序に従った小問を表示する小問表示ボックスTB20が表示され、ここでは順序が「1」の小問として「輪郭は?」が表示されている(図15のステップD3)。また、図16(b)に示すタッチスクリーン1204上で、プレーヤによりタッチペン1212を用いて輪郭を表す手書き線が手書き入力されたことで、当該手書き線がディスプレイ1206の描画画面DW20に描画・表示されている(図15のステップD7;図4のステップA5)。また、その右方には、近似線分で構成され輪郭を表した図形が、合成結果表示画面CW20に表示されている(図15のステップD7;図4のステップA15)。ここで、合成結果表示画面は、各順序の小問において近似線分で構成された図形が、順次合成された図形として表示される画面である。尚、タッチスクリーン1204の表示画面右下部にはNEXTボタンNB20が表示されており、プレーヤがこのNEXTボタンNB20をタッチペン1212で押下することにより、次の順序の小問に小問が移行される。
【0092】
図17は、プレーヤにより手書き入力された別の手書き線と、近似線分によるその近似結果の一例を示したものである。
図17(a)に示す表示画面W22では、小問表示ボックスTB22に小問として「目の形は?」が表示されている(図15のステップD3)。また、図17(b)に示すタッチスクリーン1204上で、プレーヤによりタッチペン1212を用いて目を表す手書き線が手書き入力されたことで、当該手書き線がディスプレイ1206の描画画面DW22に描画・表示されている(図15のステップD7;図4のステップA5)。また、その右方には、近似線分で構成され目を表した図形が、従前の順序である順序「1」における輪郭を表した図形に加えて合成され、合成結果表示画面CW22に表示されている(図15のステップD7;図4のステップA15)。
【0093】
図18は、完成演出において表示される表示画面の一例を示したものである。
第2出題データ523aの4つの小問全てについて、近似線分で構成される図形が合成されたことで、人の顔を表す1枚の画像が中央部の完成結果表示画面CW24に表示されている(図15のステップ17)。尚、髪の毛についての小問は存在しないが、これは完成演出としておまけで付け加えられたものである。
【0094】
次に、以上の実施例を実現できるハードウェア構成の一例について図19を用いて説明する。同図に示す装置では、CPU1000、ROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006、画像生成IC1008、1010、音生成IC1012、I/Oポート1014、1016、1018がシステムバス1032により相互にデータ入出力可能に接続されている。そして、画像生成IC1008にはメインディスプレイ1020、画像生成IC1010にはサブディスプレイ1022、音生成IC1012にはスピーカ1024が接続され、I/Oポート1014にはタッチパネル1026、I/Oポート1016にはコントロール装置1028、I/Oポート1018には通信装置1030がそれぞれ接続されている。CPU1000、ROM1002、RAM1004、画像生成IC1008、1010、音生成IC1012、I/Oポート1014、1016、1018を備える装置が図7の処理部20に対応する。尚、通信装置1030は、ゲーム装置本体に対して内蔵・外付を問わない。
【0095】
情報記憶媒体1006は、ゲームプログラム、ゲームデータなどが主に格納されるものであり、図6のゲームカセット1210に対応する。
【0096】
コントロール装置1028は、プレーヤがゲーム進行に応じて行う判断の結果をゲーム装置本体に入力するための装置であり、図6の操作キー群1202に対応する。
【0097】
前述した実施例を実現するものがコンピュータシステムである場合には、情報記憶媒体1006は、ゲームプログラム501などを格納する情報記憶媒体としてのCD−ROM、DVD、MO或いはハードディスク等が用いられる。家庭用ゲーム装置で実現する場合には、情報記憶媒体1006は、CD―ROM、DVD、ゲームカセット或いはハードディスク等が用いられる。また、業務用ゲーム装置として実現する場合には、情報記憶媒体1006は、ROMなどのメモリやハードディスクが用いられ、この場合には、ゲームプログラム501などは、ROM1002に格納されていても良い。尚、ゲームプログラム501やゲームデータ503は一つの情報記憶媒体に記憶されている必要はなく、分離が可能であれば、ゲームプログラム501が一の情報記憶媒体に記憶されており、ゲームデータ503が別の情報記憶媒体に記憶されていても良い。
【0098】
情報記憶媒体1006に格納されるプログラム、ROM1002に格納されるシステムプログラム(ゲーム装置の初期化情報など)、タッチパネル1026、コントロール装置1028によって入力される信号などに従って、CPU1000はゲーム装置全体の制御や各種データ処理を行う。RAM1004は、このCPU1000の作業領域などとして用いられる記憶手段であり、情報記憶媒体1006やROM1002の所与の内容、或いはCPU1000の演算結果などが格納される。
【0099】
更に、この種の装置には、画像生成IC1008、1010と音生成IC1012とが設けられており、ゲーム画像やゲーム音の好適な出力が行えるようになっている。画像生成IC1008、1010は、CPU1000の命令によってROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006などから送られる座標値或いは色情報等に基づいてメインディスプレイ1020、サブディスプレイ1022に出力するための画素情報を生成する集積回路である、即ち、図7における画像生成部203の機能は、主にこの画像生成IC1008、1010により実現される。
【0100】
メインディスプレイ1020は図6のディスプレイ1206、サブディスプレイ1022は図6の表示装置1204bにそれぞれ対応し、これらはCRTやLCD、TV、ヘッドマウントディスプレイ、プラズマディスプレイ、プロジェクター等でもよい。また、タッチパネル1026は、図6のタッチパネル1204aに対応する。
【0101】
また、通信装置1030は、ゲーム装置内部で利用される各種情報を外部とやりとりするものであり、他のゲーム装置と接続されてゲームプログラムに応じた所与の情報を送受したり、通信回線を介してゲームプログラムなどの情報を送受することなどに利用される。
【0102】
また、情報記憶媒体1006は、可搬性・不可搬性を問わないし、ゲーム装置本体に対して内蔵・外付を問わない。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】手書き線の近似原理を示す図。
【図2】近似線分の合成原理を示す図。
【図3】出題データのデータ構成を示す図。
【図4】近似線分認識処理の流れを示すフローチャート。
【図5】近似線分合成処理の流れを示すフローチャート。
【図6】ゲーム装置の概観図。
【図7】ゲーム装置の内部構成を示すブロック図。
【図8】ゲーム処理の流れを示すフローチャート。
【図9】手書き入力された手書き線の近似結果の一例を示す図。
【図10】図形適否判定処理による判定結果の一例を示す図。
【図11】手書き入力された手書き線の近似結果の一例を示す図。
【図12】図形適否判定処理による判定結果の一例を示す図。
【図13】変形例における記憶部のデータ構成を示す図。
【図14】第2出題データのデータ構成を示す図。
【図15】第2ゲーム処理の流れを示すフローチャート。
【図16】手書き入力された手書き線の近似結果の一例を示す図。
【図17】手書き入力された手書き線の近似結果の一例を示す図。
【図18】完成演出の一例を示す図。
【図19】実施例を実現できるハードウェア構成の一例を示す図。
【符号の説明】
【0104】
10 操作部
20 処理部
30 表示部
40 タッチパネル
50 記憶部
1200 ゲーム装置
1202 操作キー群
1204 タッチスクリーン
1204a タッチパネル
1204b 表示装置
1206 ディスプレイ
1208 ゲームカセットリーダ
1210 ゲームカセット
1212 タッチペン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作入力に従って位置変化される指示位置の軌跡を、複数の線分から成る折れ線で近似する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記指示位置の現在位置を所定時間間隔で標本化することで標本位置を取得していく標本位置取得手段、
前記標本位置取得手段により順次取得される標本位置間の相対角度の差に基づいて、順次取得される標本位置の中から端点とする標本位置を認定していく端点認定手段、
前記認定された端点を順に結んで得られる複数の線分から成る折れ線を前記指示位置の軌跡の近似線として判定する近似線判定手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記所定時間間隔を可変する標本化時間間隔可変手段として前記コンピュータを機能させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記端点認定手段が、所定の基準位置と前記標本位置取得手段により順次取得される標本位置それぞれとを結ぶ線の相対角度の差が、所定の近似角度条件を満たさなくなった標本位置の直前の標本位置を端点として認定し、当該端点とした位置を新たな基準位置として、次に端点とする標本位置を認定していくように前記コンピュータを機能させるための請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記近似角度条件を可変する近似角度条件可変手段として前記コンピュータを機能させるための請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記端点認定手段が、所定の基準位置と前記標本位置取得手段により当該基準位置の次に取得された標本位置とを結ぶ線と、前記標本位置取得手段により取得された最新の標本位置と当該最新の標本位置の直前に取得された標本位置とを結ぶ線との成す角が、所定の角度条件を満たさない場合に、当該最新の標本位置の直前に取得された標本位置を端点として認定し、当該端点とした新たな位置を新たな基準位置とするように前記コンピュータを機能させるための請求項2〜4の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記角度条件を可変する角度条件可変手段として前記コンピュータを機能させるための請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記近似線判定手段が、
前記認定された端点を順に結ぶことで線分を得る線分取得手段と、
前記線分取得手段により取得された線分のうち、線分の端点同士が所定の近似距離範囲内にあって、且つ、当該線分同士の成す角度が所定の近似角度範囲内にある線分同士を1つの線分に合成する線分合成手段と、
を有し、前記線分合成手段により合成された線分と、当該合成の対象となった線分以外の前記線分取得手段により取得された線分とから成る折れ線を近似線として判定するように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜6の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記近似距離範囲及び前記近似角度範囲を可変する合成条件可変手段として前記コンピュータを機能させるための請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか一項に記載のプログラムを記憶するコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項10】
操作入力に従って位置変化される指示位置の軌跡を、複数の線分から成る折れ線で近似する処理を実行する近似線判定処理装置であって、
前記指示位置の現在位置を所定時間間隔で標本化することで標本位置を取得していく標本位置取得手段と、
前記標本位置取得手段により順次取得される標本位置間の相対角度の差に基づいて、順次取得される標本位置の中から端点とする標本位置を認定していく端点認定手段と、
前記認定された端点を順に結んで得られる複数の線分から成る折れ線を前記指示位置の軌跡の近似線として判定する近似線判定手段と、
を備えることを特徴とする近似線判定処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2006−139366(P2006−139366A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−326331(P2004−326331)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【出願人】(000134855)株式会社ナムコ (1,157)
【Fターム(参考)】