説明

プロジェクター

【課題】2板式のプロジェクターにおいて時分割駆動される液晶パネルの焼きつきを防止する。
【解決手段】プロジェクター1は、R色の光を発光するR色光源11とB色の光を発光するB色光源13と、G色の光を発光するG色光源21と、R色光源11及びB色光源13の光が入射し、R色の画像信号VrとB色の画像信号Vbとが供給される第1液晶パネル100と、G色光源21の光が入射し、G色の画像信号Vgが供給される第2液晶パネル200を備える。奇数フレームの第2単位期間と偶数フレームの第1単位期間とでは、データ信号の極性を反転させ、偶数フレームの2単位期間と奇数フレームの第1単位期間とでは、データ信号の極性を反転させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つのライトバルブを備えたプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大画面をスクリーンに表示する投射型表示装置としてプロジェクターが普及している。プロジェクターには、R色、B色、及びG色の各々に対応する光源及び液晶パネルを備えるものがある。さらに、G色光源に対応する液晶パネルと、R色光源とB色光源とを時分割に発光させ、これらに対応する液晶パネルとを備えた2板式のプロジェクターが知られている(特許文献1参照)。
2板式のプロジェクターは、液晶パネル数を減らすことができるといった利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−123344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、液晶パネルにおいて各画素の透過率は、液晶に印加電圧に応じて変化するが、直流電圧を液晶に印加すると、いわゆる焼きつきが発生し、画像を書き換えても元の画像が残るといった問題がある。このため、液晶パネルの駆動は液晶に印加する電圧を所定周期で反転させる交流駆動が一般的である。
上述した先行技術文献には、1フレームの期間にR色の画像とB色の画像とを時分割で液晶パネルに書き込む点が示されているが、どのようにして交流駆動を実現するかについては開示がない。一方、液晶テレビなどでは、動きによる残像を低減するために1フレーム中に2回画像を書き込む倍速駆動が知られている。この場合には、1フレームの前半で液晶パネルに書き込む電圧と後半に液晶パネルに書き込む電圧との極性を反転させればよい。
しかしながら、1フレームの期間にR色の画像とB色の画像とを時分割で液晶パネルに書き込む場合、R色の画像とB色の画像には相関性が無いので、液晶テレビの倍速駆動の技術を適用しても交流駆動は実現できず、焼きつきが発生するといった問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、2板式のプロジェクターにおいて、焼きつきによる残像を低減することなどを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題を解決するために、本発明に係るプロジェクターは、第1色の光を発光する第1色の光源と、第2色の光を発光する第2色の光源と、第3色の光を発光する第3色の光源と、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応して設けられ、前記データ線を介して供給されるデータ信号が供給される画素電極と共通電極との間の電圧に応じて透過率が制御される複数の画素とを備え、前記第1色の光源からの光と前記第2色の光源からの光が入射する第1液晶パネルと、前記第1液晶パネルを駆動する第1駆動手段と、透過率が制御される複数の画素に前記第3色の光源の光が入射する第2液晶パネルと、前記第2液晶パネルを駆動する第2駆動手段と、前記第1液晶パネルを透過した光と前記第2液晶パネルを透過した光とを合成して出力する光学手段と、前記第1色の光源及び前記第2色の光源の発光を制御する発光制御手段と、1画面の画像を表示する1フレームは、前記第1液晶パネルを時分割で駆動する単位である第1単位期間と第2単位期間に分割され、前記第1単位期間の一部又は全部において前記第1色の各画素の輝度を示す第1色の画像信号を前記第1駆動手段に供給し、前記第2単位期間の一部又は全部において前記第2色の各画素の輝度を示す第2色の画像信号を前記第1駆動手段に供給する画像制御手段とを備え、前記第1駆動手段は、前記第1色の画像信号又は前記第2色の画像信号に基づいて前記データ信号を前記複数のデータ線に出力し、奇数フレームの前記第1単位期間と偶数フレームの前記第1単位期間とでは前記共通電極の電位を基準として前記データ信号の極性を反転させ、奇数フレームの前記第2単位期間と偶数フレームの前記第2単位期間とでは前記共通電極の電位を基準として前記データ信号の極性を反転させることを特徴とする。
【0006】
この発明によれば、1フレームを第1単位期間と第2単位期間に分割し、第1液晶パネルでは、第1単位期間において第1色の画像を表示し、第2単位期間において第2色の画像を表示する時分割駆動が行われる。この場合に、第1単位期間では第1色のデータ信号が第1液晶パネルの各画素に書き込まれるが、この書き込みにおいて、奇数フレームと偶数フレームで共通電極の電位を基準としてデータ信号の極性が反転される。一方、第2単位期間では第2色のデータ信号が第1液晶パネルの各画素に書き込まれるが、この書き込みにおいて、奇数フレームと偶数フレームで共通電極の電位を基準としてデータ信号の極性が反転される。すなわち、第1色と第2色のデータ信号を時分割で書き込む場合に、同一色のデータ信号の極性を反転させるので、液晶を交流駆動することができ、第1液晶パネルの焼きつきを防止することができる。
【0007】
上述したプロジェクターにおいて、前記発光制御手段は、 前記第1単位期間の前半において、前記第1液晶パネルに1画面の前記第1色のデータ信号の書き込みが終了するまでは、前記第1色の光源及び前記第2色の光源が非発光となるように制御し、前記書き込みが終了した後の前記第1単位期間の後半において、前記第1色の光源が発光し且つ前記第2色の光源が非発光となるように制御し、前記第2単位期間の前半において、前記第1液晶パネルに1画面の前記第2色のデータ信号の書き込みが終了するまでは、前記第1色の光源及び前記第2色の光源が非発光となるように制御し、前記書き込みが終了した後の前記第2単位期間の後半において、前記第2色の光源が発光し且つ前記第2色の光源が非発光となるように制御することが好ましい。
【0008】
この発明によれば、現在のフレームの第1単位期間と直前のフレームの第2単位期間では、第1液晶パネルで表示する色が相違するので、第1単位期間の前半では画素で保持しているデータ信号とは異なる色のデータ信号が書き込まれる。そのような期間では、第1色の光源と第2色の光源とがいずれも非発光となるように制御するので、混色を防止することができる。
【0009】
次に、本発明に係るプロジェクターは、第1色の光を発光する第1色の光源と、第2色の光を発光する第2色の光源と、第3色の光を発光する第3色の光源と、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応して設けられ、前記データ線を介して供給されるデータ信号が供給される画素電極と共通電極との間の電圧に応じて透過率が制御される複数の画素とを備え、前記第1色の光源からの光と前記第2色の光源からの光が入射する第1液晶パネルと、前記第1液晶パネルを駆動する第1駆動手段と、透過率が制御される複数の画素に前記第3色の光源の光が入射する第2液晶パネルと、前記第2液晶パネルを駆動する第2駆動手段と、前記第1液晶パネルを透過した光と前記第2液晶パネルを透過した光とを合成して出力する光学手段と、前記第1色の光源及び前記第2色の光源の発光を制御する発光制御手段と、1画面の画像を表示する1フレームは、前記第1液晶パネルを時分割で駆動する単位である第1単位期間と第2単位期間に分割され、奇数フレームの前記第1単位期間の一部又は全部において前記第1色の各画素の輝度を示す第1色の画像信号を前記第1駆動手段に供給し、奇数フレームの前記第2単位期間の一部又は全部において前記第2色の各画素の輝度を示す第2色の画像信号を前記第1駆動手段に供給し、偶数フレームの前記第1単位期間の一部又は全部において前記第1色の画像信号を前記第1駆動手段に供給し、偶数フレームの前記第2単位期間の一部又は全部において前記第1色の画像信号を前記第1駆動手段に供給する画像制御手段とを備え、前記第1駆動手段は、前記第1色の画像信号又は前記第2色の画像信号に基づいて前記データ信号を前記複数のデータ線に出力し、奇数フレームの前記第2単位期間と偶数フレームの前記第1単位期間とでは、前記共通電極の電位を基準として前記データ信号の極性を反転させ、偶数フレームの前記第2単位期間と奇数フレームの前記第1単位期間とでは、前記共通電極の電位を基準として前記データ信号の極性を反転させる、ことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、1フレームを第1単位期間と第2単位期間に分割し、奇数フレームの第2単位期間と偶数フレームの第1単位期間に第2色を割り当て、偶数フレームの第2単位期間と奇数フレームの第1単位期間に第1色を割り当て第1液晶パネルを時分割で駆動する。この場合に、奇数フレームの第2単位期間及び偶数フレームの第1単位期間では、第2色のデータ信号が第1液晶パネルの各画素に書き込まれるが、この書き込みにおいて、奇数フレームと偶数フレームで共通電極の電位を基準としてデータ信号の極性が反転される。一方、偶数フレームの第2単位期間及び奇数フレームの第1単位期間では、第1色のデータ信号が第1液晶パネルの各画素に書き込まれるが、この書き込みにおいて、奇数フレームと偶数フレームで共通電極の電位を基準としてデータ信号の極性が反転される。すなわち、第1色と第2色のデータ信号を時分割で書き込む場合に、同一色のデータ信号の極性を反転させるので、液晶を交流駆動することができ、第1液晶パネルの焼きつきを防止することができる。
【0011】
上述したプロジェクターにおいて、前記発光制御手段は、奇数フレームの前記第2単位期間の前半において、前記第1液晶パネルに1画面の前記第2色のデータ信号の書き込みが終了するまでは、前記第1色の光源及び前記第2色の光源が非発光となるように制御し、前記書き込みが終了した後の前記第2単位期間の後半から前記偶数フレームの前記第1単位期間が終了するまでは、前記第2色の光源が発光し且つ前記第1色の光源が非発光となるように制御し、偶数フレームの前記第2単位期間の前半において、前記第1液晶パネルに1画面の前記第1色のデータ信号の書き込みが終了するまでは、前記第1色の光源及び前記第2色の光源が非発光となるように制御し、前記書き込みが終了した後の前記第2単位期間の後半から前記奇数フレームの前記第1単位期間が終了するまでは、前記第1色の光源が発光し且つ前記第2色の光源が非発光となるように制御することが好ましい。
【0012】
この発明によれば、奇数フレームの第2単位期間の前半において、第2色のデータ信号の書き込みが終了した後から偶数フレームの第1単位期間が終了する期間に、第2色の光源が発光するように制御し、偶数フレームの第2単位期間の前半において、第1色のデータ信号の書き込みが終了した後から奇数フレームの第1単位期間が終了する期間に、第1色の光源が発光するように制御する。すなわち、連続する単位期間で同一色のデータ信号を各画素に書き込むので、混色を回避するために第1色の光源及び第2色の光源を非発光とする期間を短くできる。このため、第1色の光源と第2色の光源との発光期間を長くすることができ、プロジェクターで表示する画像の輝度を向上させることができる。
【0013】
本発明に係るプロジェクターの制御方法は、第1色の光を発光する第1色の光源と、第2色の光を発光する第2色の光源と、第3色の光を発光する第3色の光源と、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応して設けられ、前記データ線を介して供給されるデータ信号が供給される画素電極と共通電極との間の電圧に応じて透過率が制御される複数の画素とを備え、前記第1色の光源からの光と前記第2色の光源からの光が入射する第1液晶パネルと、透過率が制御される複数の画素に前記第3色の光源の光が入射する第2液晶パネルと、前記第1液晶パネルを透過した光と前記第2液晶パネルを透過した光とを合成して出力する光学手段とを備えたプロジェクターを制御する方法であって、1画面の画像を表示する1フレームは、前記第1液晶パネルを時分割で駆動する単位である第1単位期間と第2単位期間に分割され、前記第1単位期間の一部又は全部において前記第1色の各画素の輝度を示す第1色の前記データ信号を前記第1液晶パネルの各画素に書き込み、前記第2単位期間の一部又は全部において前記第2色の各画素の輝度を示す第2色の前記データ信号を前記第1液晶パネルの各画素に書き込み、奇数フレームの前記第1単位期間と偶数フレームの前記第1単位期間では、前記共通電極の電位を基準として前記データ信号の極性を反転させ、奇数フレームの前記第2単位期間と偶数フレームの前記第2単位期間では、前記共通電極の電位を基準として前記データ信号の極性を反転させる、ことを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、第1単位期間では第1色のデータ信号が第1液晶パネルの各画素に書き込まれるが、この書き込みにおいて、奇数フレームと偶数フレームで共通電極の電位を基準としてデータ信号の極性が反転される。一方、第2単位期間では第2色のデータ信号が第1液晶パネルの各画素に書き込まれるが、この書き込みにおいて、奇数フレームと偶数フレームで共通電極の電位を基準としてデータ信号の極性が反転される。すなわち、第1色と第2色のデータ信号を時分割で書き込む場合に、同一色のデータ信号の極性を反転させるので、液晶を交流駆動することができ、第1液晶パネルの焼きつきを防止することができる。
【0015】
次に、本発明に係るプロジェクターの制御方法は、第1色の光を発光する第1色の光源と、第2色の光を発光する第2色の光源と、第3色の光を発光する第3色の光源と、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応して設けられ、前記データ線を介して供給されるデータ信号が供給される画素電極と共通電極との間の電圧に応じて透過率が制御される複数の画素とを備え、前記第1色の光源からの光と前記第2色の光源からの光が入射する第1液晶パネルと、透過率が制御される複数の画素に前記第3色の光源の光が入射する第2液晶パネルと、前記第1液晶パネルを透過した光と前記第2液晶パネルを透過した光とを合成して出力する光学手段とを備えたプロジェクターを制御する方法であって、1画面の画像を表示する1フレームは、前記第1液晶パネルを時分割で駆動する単位である第1単位期間と第2単位期間に分割され、前記第1単位期間の一部又は全部において前記第1色の各画素の輝度を示す第1色の前記データ信号を前記第1液晶パネルの各画素に書き込み、前記第2単位期間の一部又は全部において前記第2色の各画素の輝度を示す第2色の前記データ信号を前記第1液晶パネルの各画素に書き込み、奇数フレームの前記第1単位期間と偶数フレームの前記第1単位期間では、前記共通電極の電位を基準として前記データ信号の極性を反転させ、奇数フレームの前記第2単位期間と偶数フレームの前記第2単位期間では、前記共通電極の電位を基準として前記データ信号の極性を反転させる、ことを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、奇数フレームの第2単位期間及び偶数フレームの第1単位期間では、第2色のデータ信号が第1液晶パネルの各画素に書き込まれるが、この書き込みにおいて、奇数フレームと偶数フレームで共通電極の電位を基準としてデータ信号の極性が反転される。一方、偶数フレームの第2単位期間及び奇数フレームの第1単位期間では、第1色のデータ信号が第1液晶パネルの各画素に書き込まれるが、この書き込みにおいて、奇数フレームと偶数フレームで共通電極の電位を基準としてデータ信号の極性が反転される。すなわち、第1色と第2色のデータ信号を時分割で書き込む場合に、同一色のデータ信号の極性を反転させるので、液晶を交流駆動することができ、第1液晶パネルの焼きつきを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態に係るプロジェクターの機械的な構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態に係るプロジェクターの電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】第1液晶パネルの電気的な構成を示すブロック図である。
【図4】画素の構成を示す回路図である。
【図5】第1実施形態に係るプロジェクターの動作を示すフローチャートである。
【図6】第2実施形態に係るプロジェクターの動作を示すフローチャートである。
【図7】第3実施形態に係るプロジェクターの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<1.第1実施形態>
<1-1:プロジェクターの構成>
図1は、第1実施形態に係るプロジェクターの機械的な構成を示すブロック図である。この図に示すようにプロジェクター1は、R色(赤色)の光とB色(青色)の光が時分割で入射する第1液晶パネル100、G色(緑色)の光が入射する第2液晶パネル200、第1液晶パネル100を透過した光と第2液晶パネル200を透過した光を合成してスクリーンSに照射する光学系30とを備える。
【0019】
R色光源11はR色の光を発光する。フィールドレンズ12はR色光源11からの光を平行光に変換してダイクロイックプリズム15に導く。一方、B色光源13はB色の光を発光する。フィールドレンズ14はB色光源13からの光を平行光に変換してダイクロイックプリズム15に導く。R色光源11及びB色光源13は、例えば、LEDによって構成することができる。ダイクロイックプリズム15は、R色の光を透過すると共にB色の光を反射して得た光を第1液晶パネル100に照射する。第1液晶パネル100は、R色の光とB色の光との切り換えに同期して、R色の輝度とB色の輝度とに応じた透過率となるように光変調が制御される。
【0020】
また、G色光源21はG色の光を発光する。フィールドレンズ22はG色光源21からの光を平行光に変換して第2液晶パネル200に照射する。第2液晶パネル200は、G色の輝度に応じた透過率となるように光変調が制御される。
【0021】
光学系30において、ダイクロイックプリズム31には、第1液晶パネル100を透過した光と第2液晶パネル200を透過した光とが入射し、これらの光を合成した光を投射レンズ32に出力する。投射レンズ32は、合成された光をスクリーンSに投射する。
【0022】
図2は、実施形態に係るプロジェクターの電気的な構成を示すブロック図である。プロジェクター1には、外部から、R色の輝度を示す画像データDr、B色の輝度を示す画像データDb、及びG色の輝度を示す画像データDgが供給される。画像処理回路40は画像データDr,Db,Dgにガンマ補正などの画像処理を施して制御回路50に出力する。
【0023】
制御回路50は、プロジェクター1の全体を制御する制御中枢として機能する。具体的には、制御回路50は、光源駆動回路60に対して各光源を制御する光源制御信号LCを供給すると共に、第1液晶パネル100及び第2液晶パネル200に制御信号と画像信号とを供給する。
【0024】
第1液晶パネル100に供給される第1画像信号V1は、R色の画像信号VrとB色の画像信号Vbとが時分割多重された信号であり、第2液晶パネル200に供給される第2画像信号V2はG色の画像信号Vgである。また、第1液晶パネル100及び第2液晶パネル200の焼きつきを防止するため、制御回路50は画像信号Vr、Vb、及びVgの電圧を、後述する共通電極108に供給される共通電位LCcomを基準として(図4参照)、所定の規則に従って反転する。共通電位LCcomを基準として、高電位を正極性、低電位を負極性としたとき、制御回路50は、第1画像信号V1(Vr,Vb)の極性を指定する第1極性信号Z1と第2画像信号V2(Vg)の極性を指定する第2極性信号Z2を内部で生成し(図5参照)、これに基づいて画像信号の極性を制御する。
【0025】
第1液晶パネル100に形成された走査線駆動回路とデータ線駆動回路は、第1液晶パネル100を駆動する第1駆動回路として機能し、第2液晶パネル200に形成された走査線駆動回路とデータ線駆動回路は第2駆動回路として機能する。なお、第1駆動回路及び第2駆動回路は、第1液晶パネル100及び第2液晶パネル200の外部に設けてもよい。
【0026】
光源駆動回路60は、光源制御信号LCに基づいてR色光源11、B色光源13、及びG色光源21を制御する発光制御信号Lr、Lb、及びLgを生成する。R色光源11、B色光源13、及びG色光源21は各発光制御信号Lb、Lr、及びLgのレベルに応じた輝度で発光する。この例では、発光制御信号Lb、Lr及びLgはハイレベルとローレベルの2値であり、発光制御信号がハイレベルの期間、各光源は発光(点灯)し、発光制御信号がローレベルの期間、各光源は非発光(消灯)となる。
【0027】
図3に第1液晶パネル100の電気的な構成を示す。なお、第2液晶パネル200も同様に構成されている。第1液晶パネル100には、複数本の走査線112が行方向(X方向)に延接される一方、複数本のデータ線114が図において列方向(Y方向)に延設されている。そして、これらの走査線112とデータ線114との交差の各々に対応するように画素110がそれぞれ設けられている。
本実施形態では、走査線112の本数(行数)がn本であり、データ線114の本数(列数)が、m本ある。走査線駆動回路120は、n本の走査線112を順次選択して走査信号Y1〜Ynを走査線112に供給する。データ線駆動回路130は供給される第1画像信号V1を線順次のデータ信号Vd1〜Vdmに変換してデータ線114に供給する。
【0028】
次に、画素110について説明する。図3に示されるように、画素110においては、nチャネル型のTFT116のソースがデータ線114に接続されるとともに、ドレインが画素電極118に接続される一方、ゲートが走査線112に接続されている。また、画素電極118に対向するように共通電極108が全画素に対して共通に設けられるとともに、一定の共通電位LCcomに維持される。そして、これらの画素電極118と共通電極108との間に液晶層105が挟持されている。このため、画素毎に、画素電極118、共通電極108および液晶層105からなる液晶容量が構成されることになる。
また、液晶容量において電荷をリークしにくくさせるために、蓄積容量109が画素毎に形成されている。この蓄積容量109の一端は、画素電極118に接続される一方、その他端は、全画素にわたって共通接地されている。なお、画素110におけるTFT116は、走査線駆動回路120やデータ線駆動回路130の構成素子と共通の製造プロセスで形成されている。
また、液晶層105に印加する電圧を交流駆動するため、共通電位LCcomを基準として画素電極118の電圧の極性が所定周期で反転するようにデータ信号Vd1〜Vdmが供給される。
【0029】
<1-2:プロジェクターの動作>
次に、プロジェクターの動作について説明する。1画面の画像を表示する1フレームは、第1液晶パネル100を時分割で駆動する単位である複数の単位期間に分割されている。本実施形態では1フレームを第1単位期間Taと第2単位期間Tbに分割するものとする。
また、第1単位期間Taは第1期間T1と第2期間T2とで構成され、第2単位期間Tbは第3期間T3と第4期間T4とで構成される。
制御回路50は、第1液晶パネル100に、図5に示すように第1単位期間TaでB色を表示すると共に第2単位期間TbでR色を表示するように制御する。
【0030】
各フレームにおいて、第1単位期間Taの第1期間T1では、走査信号Y1〜Ynが順次アクティブとなり、B色の画像信号Vbが線順次のデータ信号Vd1〜Vdmに変換され、第1液晶パネル100の各画素110に書き込まれる。書き込まれた画像信号Vbは第2期間T2において保持される。次に、第2単位期間Tbの第3期間T3では、走査信号Y1〜Ynが順次アクティブとなり、R色の画像信号Vrが線順次のデータ信号Vd1〜Vdmに変換され、第1液晶パネル100の各画素110に書き込まれる。書き込まれた画像信号Vrは第4期間T4において保持される。
【0031】
ここで、第1極性信号Z1は、奇数フレームで正極性を指定するハイレベルとなり、偶数フレームで負極性を指定するローレベルとなる。したがって、第1フレームF1(奇数フレーム)の第1単位期間Taに書き込まれるB色の画像信号Vb1の極性は正極性(+)となり、第2フレーム(偶数フレーム)の第1単位期間Taに書き込まれるB色の画像信号Vb2の極性は負極性(−)となる。また、第1フレームF1(奇数フレーム)の第2単位期間Tbに書き込まれるR色の画像信号Vr1の極性は正極性(+)となり、第2フレーム(偶数フレーム)の第2単位期間Tbに書き込まれるR色の画像信号Vr2の極性は負極性(−)となる。
【0032】
したがって、液晶層105に印加される電圧は、正極性のB色の画像信号Vb1と負極性のB色の画像信号Vb2とで相殺され、正極性のR色の画像信号Vr1と負極性のR色の画像信号Vr2とで相殺される。よって、液晶層105には交流電圧が印加され、焼きつきを防止することが可能となる。
【0033】
次に、発光制御信号Lbは、第2期間T2の開始から時間ΔTだけ遅れてハイレベルとなり、第3期間T3の終了でローレベルとなる。また、発光制御信号Lrは、第3期間T3の開始から時間ΔTだけ遅れてハイレベルとなり、第4期間T4の終了でローレベルとなる。
したがって、第1単位期間Taの前半(第1期間T1)において、第1液晶パネル100に1画面のB色のデータ信号Vdの書き込みが終了するまでは、R色光源11及びB色光源13が非発光となるように制御し、書き込みが終了した後の第1単位期間Taの後半において、B色光源13が発光し及びR色光源11が非発光となるように制御される。
また、第2単位期間Tbの前半(第3期間T3)において、第1液晶パネル100に1画面のR色のデータ信号Vdの書き込みが終了するまでは、R色光源11及びB色光源13が非発光となるように制御し、書き込みが終了した後の第2単位期間Tbの後半において、R色光源11が発光し及びB色光源13が非発光となるように制御される。
【0034】
ところで、第1期間T1の終了時点では、B色の画像信号Vbの書き込みが終了している。B色光源13を第1期間T1の終了時点から時間ΔTだけ遅らせたのは、液晶の応答特性を考慮したからである。液晶の透過率は印加電圧によって変化するが、印加電圧が変化しても直ちに透過率が変化するのではなく、印加電圧の変化から遅れて液晶の透過率が変化する。第1期間T1において、第1液晶パネル100では、直前のフレームの第4期間T4に書き込まれた赤色の画像を青色の画像に書き換えることが行われる。このため、第1期間T1の終了時点では第n行の近傍の画素110については、透過率の変化が印加電圧の変化に追従していない。このため、第2期間T2の開始からB色光源13を発光させると、混色が発生する可能性がある。そこで、本実施形態では時間ΔTだけ遅らせてB色光源13を発光させたのである。なお、この点はR色光源11も同様である。したがって時間ΔTは液晶の応答特性を考慮して定めれば良い。例えば、印加電圧を変化させたとき、液晶の透過率が10%から90%に変換する時間としてもよい。
【0035】
制御回路50は、第1単位期間Taと第2単位期間Tbの各々において、第2液晶パネル200に1画面のG色の画像信号Vgを書き込む。すなわち、1フレームに2回、書き込みが実行される。
【0036】
ここで、第2極性信号Z2は、各フレームの第1単位期間Taで正極性を指定するハイレベルとなり、各フレームの第2単位期間Tbにおいて負極性を指定するローレベルとなる。したがって、各フレームの第1単位期間Taに書き込まれるG色の画像信号Vgの極性は正極性(+)となり、各フレームの第2単位期間Tbに書き込まれるG色の画像信号Vgの極性は負極性(−)となり、液晶層105に印加される電圧は相殺される。よって、液晶層105には交流電圧が印加され、焼きつきを防止することができる。
【0037】
また、発光制御信号Lgは常時ハイレベルとなるから、G色光源21は常時発光する。第2液晶パネル100にはG色の画像しか表示されないので、G色光源21が常時発光しても混色が発生することはない。
【0038】
以上、説明したように第1実施形態によれば、1フレームを第1単位期間Taと第2単位期間Tbとに分割し、第1単位期間TaでB色の画像信号Vbを、第2単位期間TbでR色の画像信号Vrを第1液晶パネル100に供給した。そして、奇数フレームの第1単位期間Taと偶数フレームの第1単位期間Taとで、B色の画像信号Vbの極性を反転することによって、極性が反転されたデータ信号Vdを各画素110に書き込み、液晶層105に交流電圧を印加した。また、奇数フレームの第2単位期間Tbと偶数フレームの第2単位期間Tbとで、R色の画像信号Vrの極性を反転することによって、極性が反転されたデータ信号Vdを各画素110に書き込み、液晶層105に交流電圧を印加した。
これにより、2フレームに亘る同じ色のデータ信号Vd同士で液晶層105に印加される電圧を相殺して、焼きつきを防止することができる。
【0039】
<2.第2実施形態>
第2実施形態に係るプロジェクターは、第1極性信号Z1の反転タイミング、B色の画像信号Vb及びR色の画像信号Vrの極性を除いて、第1実施形態のプロジェクターと同様に構成されている。
【0040】
図6に第2実施形態に係るプロジェクターのタイミングチャートを示す。第1極性信号Z1は、奇数フレームの第1単位期間Taと偶数フレームの第2単位期間Tbとで正極性を指定するハイレベルとなり、奇数フレームの第2単位期間Tbと偶数フレームの第1単位期間Taとで負極性を指定するローレベルとなる。したがって、第1フレームF1(奇数フレーム)の第1単位期間Taに書き込まれるB色の画像信号Vb1の極性は正極性(+)となり、第2フレーム(偶数フレーム)の第1単位期間Taに書き込まれるB色の画像信号Vb2の極性は負極性(−)となる。また、第1フレームF1(奇数フレーム)の第2単位期間Tbに書き込まれるR色の画像信号Vr1の極性は負極性(−)となり、第2フレーム(偶数フレーム)の第2単位期間Tbに書き込まれるR色の画像信号Vr2の極性は正極性(+)となる。すなわち、奇数フレームの第1単位期間Taと偶数フレームの第1単位期間Tbでは、共通電位LCcomを基準としてデータ信号Vdの極性を反転させ、奇数フレームの第2単位期間Tbと偶数フレームの第2単位期間Tbでは、共通電位LCcomを基準としてデータ信号Vdの極性を反転させる、
【0041】
したがって、液晶層105に印加される電圧は、正極性のB色の画像信号Vb1と負極性のB色の画像信号Vb2とで相殺され、正極性のR色の画像信号Vr1と負極性のR色の画像信号Vr2とで相殺される。よって、液晶層105には交流電圧が印加され、焼きつきを防止することが可能となる。
【0042】
<3.第3実施形態>
第1実施形態及び第2実施形態のプロジェクターでは、各フレームの第1単位期間TaにおいてB色の画像を第1液晶パネル100に表示し、第2単位期間TbにおいてR色の画像を第1液晶パネル100に表示した。これに対して、第3実施形態のプロジェクターでは、第1液晶パネル100において、奇数フレームの第2単位期間Tbと偶数フレームの第1単位期間TaとでR色の画像を表示し、偶数フレームの第2単位期間Tbと奇数フレームの第1単位期間TaとでB色の画像を表示する。
【0043】
第3実施形態に係るプロジェクターは、第1極性信号Z1の反転タイミング、各フレームに割り当てられるB色の画像信号Vb及びR色の画像信号Vrの関係、B色の画像信号Vb及びR色の画像信号Vrの極性、並びに発光制御信号Lr及びLbのタイミングを除いて、第1実施形態に係るプロジェクターと同様に構成されている。
【0044】
図7に第3実施形態に係るプロジェクターのタイミングチャートを示す。この図に示すように奇数フレームの第1単位期間TaにはB色の画像が割り当てられ、その第2単位期間TbにはR色の画像が割り当てられる。また、偶数フレームの第1単位期間TaにはR色の画像が割り当てられ、その第2単位期間TbにはB色の画像が割り当てられる。したがって、フレームを跨いで同じ色が割り当てられる。
【0045】
そして、第1極性信号Z1は各フレームの第1単位期間Taで正極性を指定するハイレベルとなり、第2単位期間Tbで負極性を指定するローレベルとなる。このため、第1フレーム(奇数フレーム)の第2単位期間TbにおけるR色の画像信号Vr1は負極性(−)となり、第2フレーム(偶数フレーム)の第1単位期間TaにおけるR色の画像信号Vr2は正極性(+)となる。また、第2フレーム(偶数フレーム)の第2単位期間TbにおけるB色の画像信号Vb2は負極性(−)となり、第3フレーム(奇数フレーム)の第1単位期間TaにおけるB色の画像信号Vb3は負極性(−)となる。
【0046】
すなわち、奇数フレームの第2単位期間Tbと偶数フレームの第1単位期間Taとでは、共通電位LCcomを基準としてデータ信号Vdの極性を反転させる。これにより、液晶層105に印加される電圧は、負極性のR色の画像信号Vrと正極性のR色の画像信号Vrとで相殺される。また、偶数フレームの第2単位期間Tbと奇数フレームの第1単位期間Taとでは、共通電位LCcomを基準としてデータ信号Vdの極性を反転させる。これにより、液晶層105に印加される電圧は、負極性のB色の画像信号Vbと正極性のB色の画像信号Vbとで相殺される。よって、液晶層105には交流電圧が印加され、焼きつきを防止することが可能となる。
【0047】
次に、第1フレーム(奇数フレーム)の第2単位期間Tbの第3期間T3において、第1液晶パネル100に1画面のR色のデータ信号Vdの書き込みが終了するまでは、R色光源11及びB色光源13が非発光となり、書き込みが終了した後の第2単位期間Tbの後半から第2フレーム(偶数フレーム)の第1単位期間Taが終了するまでは、R色光源11が発光し且つB色光源13が非発光となる。
また、第2フレーム(偶数フレーム)の第2単位期間Tbの第3期間T3において、第1液晶パネル100に1画面のB色のデータ信号Vdの書き込みが終了するまでは、R色光源11及びB色光源13が非発光となり、記書き込みが終了した後の第2単位期間Tbの後半から第3フレーム(奇数フレーム)の第1単位期間Taが終了するまでは、B色光源13が発光し且つR色光源11が非発光となる。
【0048】
より具体的には、第1フレームF1(奇数フレーム)の第2単位期間Tbの後半に位置する第4期間T4の開始から時間ΔTだけ遅れて発光制御信号Lrがハイレベルとなり、第2フレームF2(偶数フレーム)の第1単位期間Taの終了において発光制御信号Lrがローレベルとなる。このため、第1及び第2実施形態と比較して、R色光源11が発光する期間を長くすることができる。
【0049】
また、第2フレームF2(偶数フレーム)の第2単位期間Tbの後半に位置する第4期間T4の開始から時間ΔTだけ遅れて発光制御信号Lbがハイレベルとなり、第3フレームF3(奇数フレーム)の第1単位期間Taの終了において発光制御信号Lbがローレベルとなる。このため、第1及び第2実施形態と比較して、B色光源13が発光する期間を長くすることができる。

【0050】
このように、R色光源11とB色光源13とが発光する期間を長くできるのは、直前のフレームの第2単位期間Tbと現在のフレームの第1単位期間Taにおいて同じ色の画像を割り当てるため、混色を回避するためにR色光源11及びB色光源13が同時に非発光となる期間を短くできるからである。これにより、第3実施形態のプロジェクターは明るい画像を表示することが可能となる。
【0051】
<4.変形例>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下の変形が可能である。
(1)上述した各実施形態では、第1単位期間Taの第1期間T1及び第2単位期間の第3期間T3において1画面のデータ信号を各画素書き込み、第2期間T2及び第4期間T4において書き込まれたデータ信号を保持したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2期間T2及び第4期間T4においても1画面のデータ信号を書き込んでもよい。
すなわち、第1単位期間Ta及び第2単位期間Tbの一部又は全部において書き込みを実行してもよい。この場合、上述した各実施形態の第1極性信号Z1に従った極性でデータ信号を書き込めばよい。あるいは、第2期間T2では第1期間T1と反転した極性のデータ信号を書き込み、第4期間T4では第3期間T3と極性が反転したデータ信号を書き込んでもよい。この場合には、極性の反転周期を短くすることができるので、液晶層105の焼きつきを効果的に防止できる。さらに、第1期間T1と第2期間では、同じ画像信号に基づくデータ信号を書き込んでもよい。この場合には、シーンチェンジなどでフレームの相関性がない場合であっても、極性が反転しただけのデータ信号を書き込むことができるので、液晶層105の焼きつきを効果的に防止できる。
【0052】
(2)上述した各実施形態において、G色を表示する第2液晶パネル200では1/2フレームの期間で1画面の画像を書き込めがよいが、第1液晶パネル200では1/4フレームの期間で1画面の画像を書き込む必要がある。そこで、第1液晶パネル100においては2本の走査線112を同時に選択して、垂直解像度を第2液晶パネル200の1/2としてしてもよい。そのように制御しても人の視感度はG色と比較してB色及びR色は高くないので、全体として違和感のないカラー画像を表示することができる。
【0053】
(3)上述した実施形態及び変形例において、時間ΔTはゼロであってもよい。この場合には、R色の画像信号Vrの書き込みが終了すると、R色光源11が直ちに発光し、B色の画像信号Vbの書き込みが終了すると、B色光源13が直ちに発光する。
【符号の説明】
【0054】
1……プロジェクター、11……R色光源、13……B色光源、21……G色光源、30……光学系、50……制御回路、60……光源駆動回路、100……第1液晶パネル、110……画素、112……走査線、120……走査線駆動回路、200……第2液晶パネル、Ta……第1単位期間、Tb……第2単位期間。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1色の光を発光する第1色の光源と、
第2色の光を発光する第2色の光源と、
第3色の光を発光する第3色の光源と、
複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応して設けられ、前記データ線を介して供給されるデータ信号が供給される画素電極と共通電極との間の電圧に応じて透過率が制御される複数の画素とを備え、前記第1色の光源からの光と前記第2色の光源からの光が入射する第1液晶パネルと、
前記第1液晶パネルを駆動する第1駆動手段と、
透過率が制御される複数の画素に前記第3色の光源の光が入射する第2液晶パネルと、
前記第2液晶パネルを駆動する第2駆動手段と、
前記第1液晶パネルを透過した光と前記第2液晶パネルを透過した光とを合成して出力する光学手段と、
前記第1色の光源及び前記第2色の光源の発光を制御する発光制御手段と、
1画面の画像を表示する1フレームは、前記第1液晶パネルを時分割で駆動する単位である第1単位期間と第2単位期間に分割され、前記第1単位期間の一部又は全部において前記第1色の各画素の輝度を示す第1色の画像信号を前記第1駆動手段に供給し、前記第2単位期間の一部又は全部において前記第2色の各画素の輝度を示す第2色の画像信号を前記第1駆動手段に供給する画像制御手段とを備え、
前記第1駆動手段は、
前記第1色の画像信号又は前記第2色の画像信号に基づいて前記データ信号を前記複数のデータ線に出力し、
奇数フレームの前記第1単位期間と偶数フレームの前記第1単位期間とでは前記共通電極の電位を基準として前記データ信号の極性を反転させ、
奇数フレームの前記第2単位期間と偶数フレームの前記第2単位期間とでは前記共通電極の電位を基準として前記データ信号の極性を反転させる、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
前記発光制御手段は、
前記第1単位期間の前半において、前記第1液晶パネルに1画面の前記第1色のデータ信号の書き込みが終了するまでは、前記第1色の光源及び前記第2色の光源が非発光となるように制御し、前記書き込みが終了した後の前記第1単位期間の後半において、前記第1色の光源が発光し且つ前記第2色の光源が非発光となるように制御し、
前記第2単位期間の前半において、前記第1液晶パネルに1画面の前記第2色のデータ信号の書き込みが終了するまでは、前記第1色の光源及び前記第2色の光源が非発光となるように制御し、前記書き込みが終了した後の前記第2単位期間の後半において、前記第2色の光源が発光し且つ前記第2色の光源が非発光となるように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項3】
第1色の光を発光する第1色の光源と、
第2色の光を発光する第2色の光源と、
第3色の光を発光する第3色の光源と、
複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応して設けられ、前記データ線を介して供給されるデータ信号が供給される画素電極と共通電極との間の電圧に応じて透過率が制御される複数の画素とを備え、前記第1色の光源からの光と前記第2色の光源からの光が入射する第1液晶パネルと、
前記第1液晶パネルを駆動する第1駆動手段と、
透過率が制御される複数の画素に前記第3色の光源の光が入射する第2液晶パネルと、
前記第2液晶パネルを駆動する第2駆動手段と、
前記第1液晶パネルを透過した光と前記第2液晶パネルを透過した光とを合成して出力する光学手段と、
前記第1色の光源及び前記第2色の光源の発光を制御する発光制御手段と、
1画面の画像を表示する1フレームは、前記第1液晶パネルを時分割で駆動する単位である第1単位期間と第2単位期間に分割され、奇数フレームの前記第1単位期間の一部又は全部において前記第1色の各画素の輝度を示す第1色の画像信号を前記第1駆動手段に供給し、奇数フレームの前記第2単位期間の一部又は全部において前記第2色の各画素の輝度を示す第2色の画像信号を前記第1駆動手段に供給し、偶数フレームの前記第1単位期間の一部又は全部において前記第2色の画像信号を前記第1駆動手段に供給し、偶数フレームの前記第2単位期間の一部又は全部において前記第1色の画像信号を前記第1駆動手段に供給する画像制御手段とを備え、
前記第1駆動手段は、
前記第1色の画像信号又は前記第2色の画像信号に基づいて前記データ信号を前記複数のデータ線に出力し、
奇数フレームの前記第2単位期間と偶数フレームの前記第1単位期間とでは、前記共通電極の電位を基準として前記データ信号の極性を反転させ、
偶数フレームの前記第2単位期間と奇数フレームの前記第1単位期間とでは、前記共通電極の電位を基準として前記データ信号の極性を反転させる、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項4】
前記発光制御手段は、
奇数フレームの前記第2単位期間の前半において、前記第1液晶パネルに1画面の前記第2色のデータ信号の書き込みが終了するまでは、前記第1色の光源及び前記第2色の光源が非発光となるように制御し、前記書き込みが終了した後の前記第2単位期間の後半から前記偶数フレームの前記第1単位期間が終了するまでは、前記第2色の光源が発光し且つ前記第1色の光源が非発光となるように制御し、
偶数フレームの前記第2単位期間の前半において、前記第1液晶パネルに1画面の前記第1色のデータ信号の書き込みが終了するまでは、前記第1色の光源及び前記第2色の光源が非発光となるように制御し、前記書き込みが終了した後の前記第2単位期間の後半から前記奇数フレームの前記第1単位期間が終了するまでは、前記第1色の光源が発光し且つ前記第2色の光源が非発光となるように制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載のプロジェクター。
【請求項5】
第1色の光を発光する第1色の光源と、第2色の光を発光する第2色の光源と、第3色の光を発光する第3色の光源と、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応して設けられ、前記データ線を介して供給されるデータ信号が供給される画素電極と共通電極との間の電圧に応じて透過率が制御される複数の画素とを備え、前記第1色の光源からの光と前記第2色の光源からの光が入射する第1液晶パネルと、透過率が制御される複数の画素に前記第3色の光源の光が入射する第2液晶パネルと、前記第1液晶パネルを透過した光と前記第2液晶パネルを透過した光とを合成して出力する光学手段とを備えたプロジェクターの制御方法であって、
1画面の画像を表示する1フレームは、前記第1液晶パネルを時分割で駆動する単位である第1単位期間と第2単位期間に分割され、
前記第1単位期間の一部又は全部において前記第1色の各画素の輝度を示す第1色の前記データ信号を前記第1液晶パネルの各画素に書き込み、
前記第2単位期間の一部又は全部において前記第2色の各画素の輝度を示す第2色の前記データ信号を前記第1液晶パネルの各画素に書き込み、
奇数フレームの前記第1単位期間と偶数フレームの前記第1単位期間では、前記共通電極の電位を基準として前記データ信号の極性を反転させ、
奇数フレームの前記第2単位期間と偶数フレームの前記第2単位期間では、前記共通電極の電位を基準として前記データ信号の極性を反転させる、
ことを特徴とするプロジェクターの制御方法。
【請求項6】
第1色の光を発光する第1色の光源と、第2色の光を発光する第2色の光源と、第3色の光を発光する第3色の光源と、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応して設けられ、前記データ線を介して供給されるデータ信号が供給される画素電極と共通電極との間の電圧に応じて透過率が制御される複数の画素とを備え、前記第1色の光源からの光と前記第2色の光源からの光が入射する第1液晶パネルと、透過率が制御される複数の画素に前記第3色の光源の光が入射する第2液晶パネルと、前記第1液晶パネルを透過した光と前記第2液晶パネルを透過した光とを合成して出力する光学手段とを備えたプロジェクターの制御方法であって、
1画面の画像を表示する1フレームは、前記第1液晶パネルを時分割で駆動する単位である第1単位期間と第2単位期間に分割され、
前記第1単位期間の一部又は全部において前記第1色の各画素の輝度を示す第1色の前記データ信号を前記第1液晶パネルの各画素に書き込み、
前記第2単位期間の一部又は全部において前記第2色の各画素の輝度を示す第2色の前記データ信号を前記第1液晶パネルの各画素に書き込み、
奇数フレームの前記第1単位期間と偶数フレームの前記第1単位期間では、前記共通電極の電位を基準として前記データ信号の極性を反転させ、
奇数フレームの前記第2単位期間と偶数フレームの前記第2単位期間では、前記共通電極の電位を基準として前記データ信号の極性を反転させる、
ことを特徴とするプロジェクターの制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−41158(P2013−41158A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178531(P2011−178531)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】