説明

プロジェクタ複合機サーバ、クライアント・プロジェクタ複合機サーバ・システムおよびその使用方法

【課題】移動可能で会議を効率的に進行できるプロジェクタ複合機を提供すること。
【解決手段】本体2には移動のためのキャスター1が設けられると共に、当該本体2の上側に昇降部3が設けられ、この昇降部3は一端側で上下動するロッド5により昇降可能に支持され、前記本体2内にはプリンタ103が設けられ、前記昇降部3には、スキャナ102が設けられかつその読み取り面は昇降部3の上面に位置し、さらに、プロジェクタ101が設けられかつ投射レンズ4は昇降部の前記ロッド5による支持側に位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、オフィス内で移動自在なプロジェクタ、プリンタ、スキャナの複合機サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスにおいて会議を催すとき、複数の担当者が会議室に集合すると共に、必要となる資料やパーソナルコンピュータ、プロジェクタその他の機材を持ち込むことが多い。通常、会議室では、パーソナルコンピュータとプロジェクタを用いてプレゼンテーションをおこない、これに加えてその資料を出席者に配布することが多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、会議室に必要な機材を持ち込むのは面倒である。たとえば、プロジェクタを個別に持ち込むのは、煩わしい作業であり、特に担当者の席と会議室の距離が長いときは、それだけで疲れてしまう。さらに、プロジェクタが大型のものであれば、重量も相当あり、持ち運びが大変である。また、配布資料を予め印刷しておかなければならないため、事前準備も必要となる。また、会議室でプリンタを用いるとなれば、プリンタを設置するときに用紙の排紙方向に配慮しなければならない。すなわち、排紙方向に物がないようにするべきである。さらに、会議により用いる資料は様々であり、その管理が煩わしい。
【0004】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、移動可能で会議を効率的に進行できるようにすることを第1の目的とする。また、この発明は、排紙をスムーズにおこなえるようにすることを第2の目的とする。また、この発明は、資料等を一元管理できるようにすることを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、この発明にかかるプロジェクタ複合機サーバは、プロジェクタ、プリンタおよびスキャナを有し、移動のためのキャスターが本体の下側に設けられ、さらに、プロジェクタの投影にかかる画像データ、スキャナにより読み取られた画像データおよび印刷にかかる印刷データの少なくともいずれかをデータベースとして記憶し、当該データをクライアントに提供するデータベースサーバと、クライアントにネットワーク接続可能なネットワーク接続手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
画像データ等をデータベースに蓄積して、クライアントに提供することで、会議の内容についてのデータベースに保存されている情報を自分のパーソナルコンピュータに保存したい場合、データベースに蓄積されている画像データをプロジェクタにより投射したい場合等に有用である。また、本体にキャスターを設けることで本体を自在に移動することができる。このため、プロジェクタ、プリンタおよびスキャナを様々な場所で使用できるので、各機器を持ち運ぶ手間がかからない。また、各機能を連係して会議等に効果的に用いることができる。
【0007】
また、この発明にかかるプロジェクタ複合機サーバは、上記発明において、さらに、プロジェクタおよびスキャナの少なくともいずれかは前記本体に対して上下動する昇降部に設けられていることを特徴とする。
【0008】
プロジェクタは投影のために適切な高さが必要であり、スキャナは使用しやすい高さが必要である。一方、プロジェクタおよびスキャナが使用に必要な高さを保つと持ち運び上不便である。そこで、これらを昇降部に設けて上下動するようにし、運搬および使用しやすいようにした。
【0009】
また、この発明にかかるプロジェクタ複合機サーバは、上記発明において、前記本体には当該本体の上側に昇降部が設けられ、前記昇降部は、本体の一端側に設けられ、かつ上下動する支持部材により昇降可能に支持され、前記本体内にはプリンタが設けられ、前記昇降部には、スキャナが設けられかつその読み取り面は昇降部の上面に位置するとともに、さらに、プロジェクタが設けられかつ投射レンズは昇降部を支持する前記支持部材側に位置することを特徴とする。
【0010】
昇降部を一端で支持することで、本体を机の下に入れたときに前記昇降部を机の上に位置させることができる。この昇降部には、スキャナとプロジェクタが設けられており、スキャナは机上に位置するほうが使い勝手がよく、プロジェクタは投影に適する高さになる。昇降部を支持する支持部材側に投射レンズを配置すれば、本体を机下に入れたときに、投射レンズが机と反対側を向く(すなわち、机の中心から外側に向く)ことになるので、スクリーンに投射しやすい。
【0011】
また、この発明にかかるプロジェクタ複合機サーバは、上記発明において、前記本体には当該本体の上側に机部が設けられ、前記本体内にはプリンタが設けられ、前記机部には、スキャナが設けられかつその読み取り面は机部の上面に位置し、さらに、プロジェクタが設けられかつ投射レンズは机部の端部に位置することを特徴とする。
【0012】
すなわち、本体の上部に机を設けることで、このプロジェクタ複合機のみで場所を問わず小会議を開催できる。
【0013】
また、この発明にかかるプロジェクタ複合機サーバは、上記発明において、プロジェクタで表示する画像データおよびスキャナで取得した画像データの少なくともいずれかを記憶する記憶部を有することを特徴とする。
【0014】
このように画像データを記憶しておけば、後でその画像を直に見ることができる。たとえば前回の会議を復習する場合等に便利である。
【0015】
また、この発明にかかるプロジェクタ複合機サーバは、上記発明において、前記記憶部には、可搬記憶媒体が含まれることを特徴とする。
【0016】
可搬記憶媒体により内部のデータを移動すれば、出張先や別建物等にあるプロジェクタ複合機を用いて自分の会議内容等を継続実施できる。
【0017】
また、この発明にかかるプロジェクタ複合機サーバは、上記発明において、さらに、前記スキャナにより読み取られた画像をプロジェクタにより表示することを特徴とする。
【0018】
すなわち、オーバーヘッドプロジェクタのような使用をすることができる。たとえば用紙に手書きで所望の内容を記載して、それをスキャンし、プロジェクタで投影する。
【0019】
また、この発明にかかるプロジェクタ複合機サーバは、上記発明において、さらに、前記スキャナにより読み取られた画像をプリンタにより印刷することを特徴とする。
【0020】
すなわち、会議室等においてコピー機として機能するので、資料配布等に極めて便利である。
【0021】
また、この発明にかかるプロジェクタ複合機サーバは、上記発明において、さらに、前記プロジェクタにより表示している画像がプリンタにより印刷することを特徴とする。
【0022】
このようにすれば、プロジェクタで表示している画像をほしい場合、その場で印刷して入手できる。
【0023】
また、この発明にかかるプロジェクタ複合機サーバは、上記発明において、前記本体には、他の電子機器に電力を供給するための電源が内蔵されていることを特徴とする。
【0024】
電源を内蔵して他の電子機器に電力を供給するようにすれば、何処でも場所を問わず会議を開催できる。
【0025】
また、この発明にかかるプロジェクタ複合機サーバは、上記発明において、前記本体のプロジェクタの投射側に第1の排紙口を有し、前記投射側の反対側に第2の排紙口を有するとともに、第1の排紙口および第2の排紙口を選択できることを特徴とする。
【0026】
この発明では、第1の排紙口および第2の排紙口の一方を選択できるので、用紙を取りやすい方を選択できる。たとえば、プロジェクタを使用しているときは、第1の排紙口を使うと投射の邪魔になるので、そのときは第2の排紙口を選択して投射側と反対側から用紙を取ればよい。また、本体にキャスターを設けることで本体を自在に移動することができる。このため、プロジェクタ、プリンタおよびスキャナを様々な場所で使用できるので、各機器を持ち運ぶ手間がかからない。また、各機能を連係して会議等に効果的に用いることができる。
【0027】
また、この発明にかかるプロジェクタ複合機サーバは、上記発明において、前記本体には、当該本体の上側に昇降部が設けられ、当該昇降部は、本体の一端側に設けられかつ上下動する支持部材により昇降可能に支持され、前記本体内にはプリンタが設けられ、前記昇降部には、スキャナが設けられかつその読み取り面は昇降部の上面に位置するとともに、さらに、プロジェクタが設けられかつ投射レンズは昇降部を支持する前記支持部材側に位置し、かつ前記本体のプロジェクタの投射レンズ側に第1の排紙口を有し、前記投射側の反対側に第2の排紙口を有するとともに、第1の排紙口および第2の排紙口の切り替えをおこなうことを特徴とする。
【0028】
昇降部を一端で支持することで、本体を机の下に入れたときに前記昇降部を机の上に位置させることができる。この昇降部には、スキャナとプロジェクタが設けられており、スキャナは机上に位置するほうが使い勝手がよく、プロジェクタは投影に適する高さになる。昇降部を支持する支持部材側に投射レンズを配置すれば、本体を机下に入れたときに、投射レンズが机と反対側を向く(すなわち、机の中心から外側に向く)ことになるので、スクリーンに投射しやすい。また、机の下に本体を入れたとき、投射側と反対側は机の下に位置するので、第2の排紙口から排紙すると用紙を取り難い。そこで、第1の排紙口から用紙を排紙すれば、机と反対側から排紙されるので用紙を取りやすい。一方、プロジェクタを使用しているときは、第1の排紙口を使うと投射の邪魔になるので、そのときは第2の排紙口を選択して投射側と反対側から用紙を取ればよい。
【0029】
たとえば、近接センサや赤外線センサで机が昇降部と本体との間に位置することを検出し、このセンサの出力信号に基づいて排紙口の切り替えをおこなう。これにより、用紙が取りやすくなるように、排紙口を自動的に切り替えることができる。
【0030】
また、この発明にかかるプロジェクタ複合機サーバは、上記発明において、昇降部の下面、本体上面または昇降部と本体との間にセンサを設け、当該センサの出力信号に基づいて前記排紙口の切り替えをおこなうことを特徴とする。
【0031】
また、この発明にかかるプロジェクタ複合機サーバは、上記発明において、さらに、プロキシサーバ機能を有することを特徴とする。
【0032】
また、この発明にかかるクライアント・プロジェクタ複合機サーバ・システムの使用方法は、プロジェクタ、プリンタおよびスキャナを有し、さらに、プロジェクタの投影にかかる画像データ、スキャナにより読み取られた画像データおよび印刷にかかる印刷データの少なくともいずれかをデータベースとして記憶し、当該データをクライアントに提供するデータベースサーバと、クライアントにネットワーク接続可能なネットワーク接続手段と、を有するプロジェクタ複合機サーバと、前記プロジェクタ複合機サーバとネットワーク接続した複数のクライアントコンピュータと、を含んだことを特徴とする。
【0033】
また、この発明にかかるクライアント・プロジェクタ複合機サーバ・システムの使用方法は、プロジェクタ、プリンタおよびスキャナを有し、さらに、プロジェクタの投影にかかる画像データ、スキャナにより読み取られた画像データおよび印刷にかかる印刷データの少なくともいずれかをデータベースとして記憶し、当該データをクライアントに提供するデータベースサーバと、クライアントにネットワーク接続可能なネットワーク接続手段と、を有するプロジェクタ複合機サーバに対して、クライアントコンピュータから所望のデータを検索要求する工程と、前記プロジェクタ複合機サーバのデータベースを検索する工程と、検索結果をクライアントコンピュータに送信する工程と、検索した画像データを前記プロジェクタ複合機サーバのプロジェクタにより投影する工程と、を含んだことを特徴とする。
【0034】
また、この発明にかかるクライアント・プロジェクタ複合機サーバ・システムの使用方法は、プロジェクタ、プリンタおよびスキャナを有し、さらに、プロジェクタの投影にかかる画像データ、スキャナにより読み取られた画像データおよび印刷にかかる印刷データの少なくともいずれかをデータベースとして記憶し、当該データをクライアントに提供するデータベースサーバと、クライアントにネットワーク接続可能なネットワーク接続手段と、を有するプロジェクタ複合機サーバに対して、クライアントコンピュータから所望のデータを検索要求する工程と、前記プロジェクタ複合機サーバのデータベースを検索する工程と、検索結果をクライアントコンピュータに送信する工程と、検索した画像データを前記プロジェクタ複合機サーバのプリンタにより印刷する工程と、を含んだことを特徴とする。
【0035】
また、この発明にかかるクライアント・プロジェクタ複合機サーバ・システムの使用方法は、上記発明において、さらに、プロジェクタの投影にかかる画像データ、スキャナにより読み取られた画像データおよび印刷にかかる印刷データの少なくともいずれかをデータベースとして格納する工程を含んだことを特徴とする。
【0036】
また、この発明にかかるクライアント・プロジェクタ複合機サーバ・システムの使用方法は、プロジェクタ、プリンタおよびスキャナを有し、さらに、プロジェクタの投影にかかる画像データ、スキャナにより読み取られた画像データおよび印刷にかかる印刷データの少なくともいずれかをデータベースとして記憶し、当該データをクライアントに提供するデータベースサーバと、クライアントにネットワーク接続可能なネットワーク接続手段と、を有するプロジェクタ複合機サーバに対して、クライアントコンピュータから画像データを送信する工程と、前記画像データを前記データベースに格納する工程と、前記画像データをプロジェクタにより投影する工程と、別のクライアントコンピュータに前記画像データを送信する工程と、を含んだことを特徴とする。
【0037】
また、この発明にかかるクライアント・プロジェクタ複合機サーバ・システムの使用方法は、プロジェクタ、プリンタおよびスキャナを有し、さらに、プロジェクタの投影にかかる画像データ、スキャナにより読み取られた画像データおよび印刷にかかる印刷データの少なくともいずれかをデータベースとして記憶し、当該データをクライアントに提供するデータベースサーバと、クライアントにネットワーク接続可能なネットワーク接続手段と、を有するプロジェクタ複合機サーバに対して、クライアントコンピュータから画像データを送信する工程と、前記画像データをデータベースに格納する工程と、前記画像データをプリンタにより印刷する工程と、別のクライアントコンピュータに前記画像データを送信する工程と、を含んだことを特徴とする。
【0038】
また、この発明にかかるクライアント・プロジェクタ複合機サーバ・システムの使用方法は、プロジェクタ、プリンタおよびスキャナを有し、さらに、プロジェクタの投影にかかる画像データ、スキャナにより読み取られた画像データおよび印刷にかかる印刷データの少なくともいずれかをデータベースとして記憶し、当該データをクライアントに提供するデータベースサーバと、クライアントにネットワーク接続可能なネットワーク接続手段と、を有するプロジェクタ複合機サーバの前記スキャナにより画像を読み取る工程と、読み取られた画像データを前記データベースに格納する工程と、前記画像データをプロジェクタにより投影する工程と、別のクライアントコンピュータに前記画像データを送信する工程と、を含んだことを特徴とする。
【0039】
また、この発明にかかるクライアント・プロジェクタ複合機サーバ・システムの使用方法は、プロジェクタ、プリンタおよびスキャナを有し、さらに、プロジェクタの投影にかかる画像データ、スキャナにより読み取られた画像データおよび印刷にかかる印刷データの少なくともいずれかをデータベースとして記憶し、当該データをクライアントに提供するデータベースサーバと、クライアントにネットワーク接続可能なネットワーク接続手段と、を有するプロジェクタ複合機サーバの前記スキャナにより画像を読み取る工程と、読み取られた画像データをデータベースに格納する工程と、前記画像データをプリンタにより印刷する工程と、別のクライアントコンピュータに前記画像データを送信する工程と、を含んだことを特徴とする。
【0040】
また、この発明にかかるクライアント・プロジェクタ複合機サーバ・システムの使用方法は、プロジェクタ、プリンタおよびスキャナを有し、さらに、プロジェクタの投影にかかる画像データ、スキャナにより読み取られた画像データおよび印刷にかかる印刷データの少なくともいずれかをデータベースとして記憶し、当該データをクライアントに提供するデータベースサーバと、クライアントにネットワーク接続可能なネットワーク接続手段と、を有するプロジェクタ複合機サーバを用いて、書類の出力と、出力した前記書類に加えた追加部分を含む書類の入力と、を繰り返すことで、書類を最終的に完成させることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施例の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的同一のものが含まれる。
【実施例1】
【0042】
図1−1〜図1−3および図2−1、図2−2は、この発明の実施例1にかかるプロジェクタ複合機を示す説明図である。図3および図4は、このプロジェクタ複合機の使用状態を示す説明図である。このプロジェクタ複合機100は、キャスター1により移動可能な本体2を有すると共に、プロジェクタ101、スキャナ102、プリンタ103の3つの機能を有する。プリンタ103は本体2に内蔵され、プロジェクタ101およびスキャナ102は昇降部3に内蔵されている。
【0043】
プロジェクタ101およびスキャナ102を設けた昇降部3は、図2−2に示すように、机Tの高さよりも高い位置まで上げることができる。この上下動機構は、本体2の正面(プロジェクタ101の投射レンズ4の位置する面)に2本のロッド5が垂直に設けられ、このロッド5が本体2に設けた昇降用シリンダーの軸となり、自動的にあるいは手動により上下動する。なお、このロッド5等が昇降部3の支持部材となる。
【0044】
スキャナ102およびプロジェクタ101を設けた昇降部3は、当該ロッド5の上端に設けられるので、当該ロッド5の上移動と共に上昇する。一方、本体2自体の高さは、平均的な机Tの高さよりも低い。このため、本体2を机Tの下に位置させると共にその昇降部3を机Tの上に位置させることができる。換言すれば、机Tの天板が前記本体2と昇降部3との間に入り込むようになる。
【0045】
また、昇降部3の正面側、換言すれば前記支持部材であるロッド5を設けた側には、プロジェクタ101の投射レンズ4が設けられている。プロジェクタ101の光学系やライトバルブ等は当該昇降部3内に設けられている。また、昇降部3の上面には、スキャナ102のカバー6が開閉自在に設けられており、さらにスキャナ操作のためのボタン7が複数設けられている。前記昇降部3が机Tの上に位置していることで、机Tの上においてスキャナ102およびプロジェクタ101を使用できる。
【0046】
このように、本体2が机Tの下に入り、かつ、操作の必要性があるスキャナ102および物に隠れないようにすべきであるプロジェクタ101の投射レンズ4とが机上に位置するようにすれば、会議室や机上のスペースを占有しない上(特に、プリンタによる占有)、スキャナ102の操作をおこないやすい。
【0047】
また、本体2の下部には、2つのキャスター1が付いており、図3に示すように、引出し式のハンドル8により本体2自体を傾けて当該キャスター1により支持し、持ち運ぶことができる。なお、キャスター1の数は2個に限定されない。たとえば、3個以上のキャスター1を設けて、傾けなくても移動できるようにしてもよい。また、キャスター1の一つ以上を駆動輪にして自走できるようにしてもよい。
【0048】
図5は、プロジェクタ複合機のプリンタ構造の一部を示す説明図である。このプロジェクタ複合機100はプリンタ103を含み、その本体2内に印刷ヘッド等を有するプリント部10と、用紙の供給をおこなう給紙トレイ11と、排紙方向を制御する制御部12とを有し、このプリント部10から送られてきた用紙を2つの排紙パスに送る。プリント部10の出口には排紙方向を選択するフラップ13が設けられている。
【0049】
フラップ13の下方には、本体2の投射側に設けた排紙トレイ14に至る第1排紙パス15が設けられている。また、フラップ13の上方には、本体2の投射側と反対側に設けた排紙口16に至る第2排紙パス17が設けられている。第1排紙パス15および第2排紙パス17は、ガイド部18と排紙ローラ19を組み合わせて構成されている。また、投射側の排紙トレイ14には開閉可能な蓋20が設けられている。
【0050】
この排紙方向の選択は、自動的におこなうかあるいは手動でおこなう。このプロジェクタ複合機100が机の下に位置していない場合、投射方向と反対側の排紙口16から排紙する。すなわち、机の下に位置していない場合であって、画像をスクリーンに投影しているとき、投射側の排紙トレイ14に排紙すると画像投影の邪魔になる。このため、投射側の反対側から排紙するのが好ましい。このとき、制御部12はフラップ13を駆動して、用紙P1を第2排紙パス17に導き排紙口16から排紙する。
【0051】
一方、プロジェクタ複合機100が机Tの下に位置している場合(図4の使用状態を参照)、当該反対側の排紙口16から排紙すると、当該排紙口16が机Tの下に位置するため、用紙を取り難い。そこで、プロジェクタ複合機100を机Tの下に位置させたときに、結果的に机Tの外側に向くことになる排紙トレイ14に対して排紙する。このようにすれば、排紙した用紙Pを取りやすい。このとき、制御部12はフラップ13を駆動して、用紙Pを第1排紙パス15に導き排紙トレイ14に排紙する。なお、排紙方向の選択を自動的におこなうには、たとえば昇降部3と本体2との間に赤外線センサ21を設け、この赤外線Rが机Tの天板により遮られたときに、本体2が机Tの下に位置しているものと判断し、排紙方向を第2排紙パス17から第1排紙パス15に切り替える。
【0052】
赤外線Rが遮られていない場合は、排紙方向を第2排紙パス17のままとするかあるいは第1排紙パス15から切り替える。なお、昇降部3の下面または本体2の上面に近接センサを設けて、この近接センサの出力信号に基づいて排紙パスを切り替えてもよい(図示省略)。
【0053】
なお、プロジェクタ複合機100を壁に近接させて投影しているとき、第2排紙パス17からでは用紙を取り難いので、この場合も第1排紙パス15に切り替える。このときは、本体2の投射側と反対側に近接センサ22を設けて前記壁Wを検出し、近接センサ22の出力信号に基づいて前記制御部12が排紙方向を切り替える。
【0054】
図6は、このプロジェクタ複合機のハードウエア構成図である。このプロジェクタ複合機100は、所望の画像をスクリーンに投影するプロジェクタ101と、プロジェクタで投影したい書類等を読み取るスキャナ102と、所望の内容を印刷するプリンタ103と、スキャナ102により読み取った画像やプロジェクタ101で投射する画像等を記憶するハードディスク104と、データのやり取りをする光ディスクドライブ105およびカードリーダ・ライタ106と、制御のための所定プログラムを記憶したROM107と、所定処理をおこなうためのRAM108およびCPU109と、コンピュータ(PC)Pとの接続をおこなうインターフェース110とを備える。光ディスクドライブ105およびカードリーダ・ライタ106のスロットは、本体2の側面に設けられている。
【0055】
図7は、このプロジェクタ複合機を示す機能ブロック図である。このプロジェクタ複合機100は、プロジェクタ101等の各ハードウエア機器を制御する制御部150と、画像データ等を記憶する記憶部151と、この記憶部151に記憶したデータを検索する検索部152とを備えている。記憶部151には、画像データ等がデータベース(DB)153に蓄積されている。このデータベース153は、たとえば顧客、プロジェクト、グループ等の情報に基づきデータを整理記憶している。データベース153に対しては、データベース管理システム(DBMS)154が設けられている。
【0056】
図8−1〜図8−4は、この発明のプロジェクタ複合機の使用状態を示す説明図である。このプロジェクタ複合機100は、ユーザUが会議に使用する際、図8−1に示すように、保管場所からキャスター1を用いて会議室まで移動する。そして、昇降部3を上げ(図8−2)、当該昇降部3が机Tの上に位置するよう、本体2を机Tの下に動かす(図8−3)。昇降部3は、本体正面側にて2本のロッド5で支持されているから、本体2を昇降部3との間に机Tの天板が入り込むようになる。
【0057】
これにより、プロジェクタ101の投射レンズが机側と反対方向に向いて位置し、スキャナ102が机上に位置する。そして、必要に応じて当該プロジェクタ複合機100にパーソナルコンピュータPを接続し、スクリーンSに投影する(図8−4)。
【0058】
このプロジェクタ複合機100では、プリンタ103、スキャナ102、プロジェクタ101は、パーソナルコンピュータPに接続した状態で個々の機能を発揮する。さらに、このプロジェクタ複合機100では、プリンタ103、スキャナ102、プロジェクタ101を相互に組み合わせて機能させることができる。たとえば、ユーザは次のように当該プロジェクタ複合機100を使用できる。
【0059】
ユーザがプロジェクタ機能を用いてプレゼンテーションする場合、基本操作として、パーソナルコンピュータPから画像データを送信し、当該プロジェクタ101により当該画像を投影する。別の方法として、スキャナ102に投影したい書類(印刷物、手書きのどちらでもよい)をセットし、これをスキャナ102によりスキャンする。そして、当該スキャンした画像をプロジェクタ101により表示する。すなわち、当該プロジェクタ複合機100がオーバーヘッドプロジェクタのように機能する。なお、スキャンした画像データは、記憶部151のデータベース153に蓄積される。このため、会議の途中出席者には、既に説明の済んだスライドを印刷して渡すこともできる。
【0060】
また、プロジェクタ101で投影しようとする画像をデータベース153から読み出して投影できる。このとき、ユーザがアクセスできるのは、自分に関係する顧客、プロジェクト、グループに属するデータのみ、あるいは自分のフォルダに属するデータのみである。データベース153へのアクセス権は、ユーザ毎に与えられる。なお、ユーザは、プロジェクタ複合機100にパーソナルコンピュータPを接続しなくても、本体2に設けた液晶表示部(図示省略)を参照しながら、記憶部151から直接データを読み出し、スクリーンに投影することも可能である。
【0061】
次に、ユーザは、プリンタ機能を用いることで会議室にて参加者に資料を配布できる。ユーザは、パーソナルコンピュータPから印刷データを送信して当該プリンタ103により書類を印刷する。また、スキャナ102との組み合わせによりコピー機能を奏することもできる。すなわち、スキャナ102に書類をセットしてスキャンし、このスキャンした画像をプリンタ103により印刷する。なお、スキャンした画像データは、記憶部151に蓄積される。このようにすれば、会議に参加するメンバーに予めプレゼンテーション用の資料を配布しておく必要がなく、プリンタ機能によりその場で配布できる。
【0062】
また、プロジェクタ101により表示した画像をプリンタ103により印刷できる。たとえば、会議中に投影している画像を紙でほしい場合、その場で印刷して配布できる。また、プリントしたい画像を記憶部151から読み出してプリントすることもできる。このとき、ユーザがアクセスできるのは、上記同様、自分に関係する顧客、プロジェクト、グループに属するデータのみ、あるいは自分のフォルダに属するデータのみである。
【0063】
また、データベース153の内容は、光ディスクやカード式のメモリに書き出され、保管されるかあるいは他のプロジェクタ複合機100に移動することができる。すなわち、光ディスク等により一のプロジェクタ複合機100の記憶内容を別のプロジェクタ複合機100に移動すれば、当該別のプロジェクタ複合機100で会議を続行できる。このため、別棟などの離れた場所や出張先で、プロジェクタ複合機100を用いて会議をおこなう場合、光ディスクまたはメモリからデータをそのプロジェクタ複合機100に移すことで会議を継続できる。
【0064】
以上のプロジェクタ複合機100によれば、容易に移動させることで、場所を選ばず会議やプレゼンテーション等をおこなうことができる。また、プロジェクタ101、プリンタ103、スキャナ102のオールインワン・タイプのため、会議等のたびに各機器を持ち込まなくてもよく、会議等の開催が容易におこなえる。さらに、上記説明したように、このプロジェクタ複合機100は、単なる複合機として個々の機能を奏するのではなく、各機能が相互に組み合わされて、会議に好適な機能を発揮するようになっている。すなわち、このプロジェクタ複合機100が会議のトータルコーディネートをおこなうようになる。
【実施例2】
【0065】
図9は、この発明の実施例2にかかるプロジェクタ複合機を示す説明図である。このプロジェクタ複合機200は、LANにより複数のパーソナルコンピュータPと接続されており、データベースサーバとして機能する点に特徴がある。その他の構成は実施例1のプロジェクタ複合機100と同じであるので説明を省略する。このプロジェクタ複合機200とパーソナルコンピュータPとの接続は、LANケーブル、無線LAN等によりおこなう。さらに、このプロジェクタ複合機200は、インターネットモデムと接続されており、プロキシサーバとして機能する。
【0066】
図10は、データベースの構造例を示す説明図である。このデータベースサーバは、プロジェクタ101により投射する画像データ、印刷した印刷データ、スキャナ102によりスキャンした画像データ等を顧客、プロジェクト、グループ、担当者毎に関係付けられて整理記憶したデータベース153と、このデータベース153を管理運用するデータベース管理システム154とを有する。
【0067】
LANに接続された各クライアントPは、当該データベースサーバへのアクセス権を有する。このとき、各クライアントPがアクセスできるのは、ユーザの関係する顧客、プロジェクト、グループおよび自分のフォルダである。たとえば、このプロジェクタ複合機200では、会議に参加するユーザがそれぞれパーソナルコンピュータPを持ち込み、このプロジェクタ複合機200とネットワーク接続する。これにより、会議の参加者は、会議にかかる顧客、プロジェクト、グループおよび自分のフォルダにアクセスできる。
【0068】
該当するデータベースへのアクセスコードは、会議毎にプロジェクタ複合機200が自動作成して配布するか、議長が参加者に言い伝えるようにすればよい。これにより、関係のない者や既にメンバーから外れた者その他の第三者が勝手にアクセスできなくなり、特に無線LANを用いているときに効果的である。また、このプロジェクタ複合機200は、会議等が、いずれの顧客、プロジェクト等に属するものかを前記ユーザにより入力されたアクセスコードから認識する。これにより、プリンタ103の印刷データやスキャナ102の画像データ等が、該当するプロジェクトやグループ等に関連付けてデータベース153に保存される。
【0069】
各ユーザは、それぞれのクライアントPからデータベース153内にある所望の画像データの検索要求をおこなう。これにより、プロジェクタ複合機200のデータベース1553から当該画像データが検索され、クライアントPに検索結果が送信される。これにより、クライアントPは所望の画像データを取得できる。また、この画像はクライアントPからの要求によりプロジェクタ101で投影できる。さらに、クライアントPからの要求により当該画像を印刷できる。このように、ユーザは、データベース153にアクセスして必要な画像を取得し、それを投影したり印刷したりして会議を効率的に進めることができる。
【0070】
また、当該プロジェクタ複合機200のプロジェクタ101に対して、複数のクライアントPからそれぞれ投影する画像データを送信できる。この場合、プロジェクタ複合機200にIPアドレスを付与し、各クライアントPからWebブラウザにより操作する。
【0071】
図11は、操作画面の一例を示す説明図である。たとえば操作画面201中には、現在表示されている画像内容のモニタ画面202、自分の画像を表示するための表示要求ボタン203、画像の表示順位欄204、表示の割り込みボタン205、データベース153に記憶されているデータの画像表示欄206、次の画像を表示するための次画面ボタン207、マルチ画面にするための画像分割メニュー208等の内容が表示される。
【0072】
ユーザが会議中に自分の画像を表示したい場合、画像表示欄206中で該当する画像を選択し、表示要求ボタン203をクリックして要求を送信する。これにより、表示の順位が表示順位欄204に表示される。順番待ちの画像は、次画面ボタン207を押すことで順次表示される。操作画面201中のモニタ画面202にも投影されている画像が表示される。
【0073】
割り込みで表示したいときは、画像表示欄206中で該当する画像を選択し、割り込みボタン205をクリックして要求を送信する。この要求によれば直ちに画像が表示される。また、画像分割メニュー208により分割数を指定し、マルチ画面により複数のユーザの画像を表示することができる。また、プレゼンテーション・ツールであるパワーポイント(登録商標)等のツールバーの分類に、このプロジェクタ複合機200の操作に関する上記コマンドを表示するようにしてもよい。
【0074】
なお、プロジェクタ複合機200のプリンタ103は、プロジェクタ複合機200に設けたプリンタサーバにより各クライアントPからの印刷要求を受け付け、印刷の処理をおこなう。プロジェクタ複合機200のスキャナ102は、上記同様のWebブラウザ画面により各クライアントPからスキャナ102を使用できる。前記プリンタ103により印刷した印刷データや前記スキャナ102によりスキャンした画像データ等は、記憶部151のデータベース153に蓄積される。画像データは、たとえば現在開催している会議のプロジェクトやグループのファイルに保存される。
【0075】
次に、このプロジェクタ複合機200は、プロジェクタ101、スキャナ102、プリンタ103を複合しているので、下記のような機能を有する。
【0076】
第一に、クライアントPから送信された画像データをプロジェクタ101で投影すると共に、会議出席者のクライアントPに当該画像データを送信する。画像データを取得したユーザはデータの保存や加工等をおこなうことができる。なお、クライアントPへの画像データの送信は、自動的におこなってもよいし、各クライアントPからの要求によりおこなうようにしてもよい(以下同じ)。当該画像データはデータベース153の所定場所に蓄積される(以下同じ)。
【0077】
第二に、クライアントPから送信された画像データをプリンタ103で印刷すると共に、会議出席者のクライアントPに当該画像データを送信する。
【0078】
第三に、クライアントPから送信された画像データをプロジェクタ101で投影し、かつこれをプリンタ103で印刷すると共に、会議出席者のクライアントPに当該画像データを送信する。
【0079】
第四に、手書きまたは印刷物をスキャンした画像データをプロジェクタ101で投影すると共に、会議出席者のクライアントPに当該画像データを送信する。たとえば会議において用紙に手書きで所定内容を書き、それをスキャンし、この画像をプロジェクタ101により投影する。これと共に前記画像データがネットワークを経由して各クライアントPに送られる。
【0080】
第五に、手書きまたは印刷物をスキャンした画像データをプリント(コピー)配布すると共に、会議出席者のクライアントPに当該画像データを送信する。たとえば会議において用紙に手書きで所定内容を書き、それをスキャンし、この画像をプリントして配布する。これと共に印刷にかかる前記画像データがネットワーク経由で各クライアントPに送られる。第六に、手書きまたは印刷物をスキャンした画像データをプロジェクタ101で投影すると共に、プリント(コピー)配布し、会議出席者のクライアントPに当該画像データを送信する。
【0081】
また、このプロジェクタ複合機200は、クライアントPのプロキシサーバとして機能する。オートパイロット機能により会議の議題に関連するWebサイトを予め収集するようにしてもよい。また、以前に閲覧したサイトはキャッシュに保存されており、自動的に上記データベース153に移動することもできる。
【0082】
以上のように、投影された画像データ、スキャンされた画像データ、印刷データは記憶部151にデータベース153として記憶されるため、別のユーザが直ちにその画像データにアクセスできる。このため、会議において即座に出席者の間で情報を共有できるようになり、会議の進行をスムーズにできる。また、会議終了後に資料をまとめたり、データベース153を更新したりする手間が省ける。また、後日の会議で同じ資料を用いるときに便利である。
【実施例3】
【0083】
図12は、この発明の実施例3にかかるプロジェクタ複合機を示す斜視図である。図13−1〜図13−3は、このプロジェクタ複合機の説明図であり、図13−1は側面図、図13−2は上面図、図13−3は斜視図である。このプロジェクタ複合機300は、上記昇降部301が小型の机になっている点に特徴がある。その他の構成は実施例1にかかるプロジェクタ複合機と同様であるからその説明を省略する。
【0084】
同図に示すように、本体2の中央に上下動する軸302が設けられており、この軸302の上端に昇降部301が設けられている。この昇降部301の中央にはスキャナ102が設けられており、昇降部301の端部にはプロジェクタ101の投射レンズ4が設けられている。
【0085】
昇降部301は、たとえば直径80cm〜100cm程度の円形テーブルになっており、このテーブル上に資料を広げて小規模な会議をすることができる。なお、テーブル天板303は、図13−3に示すように、4つの弦部分304で折り畳み可能になっており、プロジェクタ複合機300の移動のときは折り畳んである。
【0086】
また、図12に示したように、机中央にライト305を設けると共に無線の内線電話306を取り付けてもよい。すなわち、このプロジェクタ複合機300は、小規模な会議を場所を選ばず開催することができるので、業務の遂行に非常に役に立つ。また、軸302の上昇量を大きくして、立って机を使用するのに適した高さに変更できる。このようにすれば、椅子を用意しなくても会議ができる。
【0087】
また、このプロジェクタ複合機300は、本体2内部に電源350を有し、本体2に設けたコンセント351により外部機器に電力を供給できる。この電源350には、鉛蓄電池、ニッカド電池、ニッケル水素電池等の二次電池、または燃料電池を用いることができる。特に電源350に燃料電池を用い、排出される水蒸気を会議室の加湿器として用いてもよい。このように、プロジェクタ複合機300からパーソナルコンピュータ等に電力を供給することで、電源コンセントの有無の条件を問わず、どのような場所でも会議ができるようになる。たとえばテラス、カフェ、廊下、ホール等で会議をすることができる。
【実施例4】
【0088】
図14は、この発明のプロジェクタ複合機の使用例を示す説明図である。上記プロジェクタ複合機100は、コンピュータ上で書類(文書)を作成し(ステップ1)、作成した書類Dをプリンタ103により印刷し(出力:ステップ2)、この書類Dに書き込みをおこない(ステップ3)、この書き込みをおこなった書類Dをさらにスキャナ102で読み込み(入力:ステップ4)、この読み込んだ画像に所定の画像処理を施すと共に(ステップ5)、再びその画像をプリンタ103で印刷し(出力:ステップ6)、さらに前記ステップ3以降を繰り返しおこなう。この一連のプロセスをドキュメント・ウェーブと称する。
【0089】
読み込んだ画像に対する画像処理は、たとえば文字認識、ドローイングおよびテキスト入力等によりおこなう。文字認識、ドローイングおよびテキスト入力等のソフトウエアは図6に示すハードディスク104に記憶されており、使用時にはRAM108に適宜展開し、入力された情報をCPU109により処理する。
【0090】
具体例としては、前記文字認識による画像処理は、書類にユーザが記入した文字を所定のルールのもとで解析して文字データに変換し、当該文字を記載した位置にデータ変換した文字を追加する。これにより、書類の記入内容がデータとして加えられ、この書類を印刷することで、更新された内容の書類を配布できる。
【0091】
また、ドローイング機能によれば、読み込んだ画像上に別の内容の図や写真等を入力できる。このため、書類に所望の内容を追加して当該書類を更新できる。更新した書類は、印刷されて配布される。また、テキスト入力機能は、読み込んだ画像上にテキストボックスを加えて、文章を入力できる。文章入力した書類は印刷配布されて再び会議資料となる。
【0092】
なお、読み込んだ画像は、プロジェクタ101により投影できる。また、プロジェクタ複合機100は、図示しないキーボードやマウス等の入力装置を有する。この入力装置により、必要な情報を書類の画像に対して入力する。また、書類Dの入力方法としては、上記スキャナ102による読み取りの他、プロジェクタ101による投影画像をデジタルカメラにより撮影して取り込むようにしてもよい。
【0093】
また、出力方法としての上記印刷の代わりに、プロジェクタ101による投影をおこなってもよい。このとき、プロジェクタ101の画像をホワイトボード上に投影し、当該画像上にマジックで書き込みをおこなってもよい。このホワイトボード上の画像は、デジタルカメラで取り込んでもよい(入力)。
【0094】
また、上記ではスキャナ102等で取得した画像を加工したが、加工することなくそのままプリンタ103で印刷したり、プロジェクタ101で投影したりしてもよい。この場合、上記文字認識、ドローイングおよびテキスト入力等のソフトウエアは不要である。
【0095】
このようにすれば、データをプリンタ103により紙に印刷し、書類の内容をスキャナ102またはデジタルカメラでデータとして取り込み、再びデータを紙に印刷する工程の連続、あるいは、データをプロジェクタ101で投影し、この投影内容をデジタルカメラによりデータとして取り込み、再びデータを投影する工程の連続、またはこれらの組み合わせによって、次第に最終的な書類が完成する。このようにすれば、書類を会議等の傍らでまとめることができるので、書類作成の手間が省ける。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1−1】この発明の実施例1にかかるプロジェクタ複合機を示す説明図。
【図1−2】この発明の実施例1にかかるプロジェクタ複合機を示す説明図。
【図1−3】この発明の実施例1にかかるプロジェクタ複合機を示す説明図。
【図2−1】この発明の実施例1にかかるプロジェクタ複合機を示す説明図。
【図2−2】この発明の実施例1にかかるプロジェクタ複合機を示す説明図。
【図3】プロジェクタ複合機の使用状態を示す説明図。
【図4】プロジェクタ複合機の使用状態を示す説明図。
【図5】プロジェクタ複合機のプリンタ構造の一部を示す説明図。
【図6】プロジェクタ複合機のハードウエア構成図。
【図7】プロジェクタ複合機を示す機能ブロック図。
【図8−1】プロジェクタ複合機の使用状態を示す説明図。
【図8−2】プロジェクタ複合機の使用状態を示す説明図。
【図8−3】プロジェクタ複合機の使用状態を示す説明図。
【図8−4】プロジェクタ複合機の使用状態を示す説明図。
【図9】この発明の実施例2にかかるプロジェクタ複合機を示す説明図。
【図10】データベースの構造例を示す説明図。
【図11】操作画面の一例を示す説明図。
【図12】この発明の実施例3にかかるプロジェクタ複合機を示す斜視図。
【図13−1】図12に示したプロジェクタ複合機の側面図。
【図13−2】図12に示したプロジェクタ複合機の上面図。
【図13−3】図12に示したプロジェクタ複合機の斜視図。
【図14】この発明のプロジェクタ複合機の使用例を示す説明図。
【符号の説明】
【0097】
1 キャスター、2 本体、3 昇降部、4 投射レンズ、10 プリント部、11 給紙トレイ、12 制御部、13 フラップ、14 排紙トレイ、15 第1排紙パス、16 排紙口、17 第2排紙パス、100 プロジェクタ複合機、101 プロジェクタ、102 スキャナ、103 プリンタ、151 記憶部、152 検索部、153 データベース


【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクタ、プリンタおよびスキャナを有し、移動のためのキャスターが本体の下側に設けられ、
さらに、プロジェクタの投影にかかる画像データ、スキャナにより読み取られた画像データおよび印刷にかかる印刷データの少なくともいずれかをデータベースとして記憶し、当該データをクライアントに提供するデータベースサーバと、
クライアントにネットワーク接続可能なネットワーク接続手段と、
を備えたことを特徴とするプロジェクタ複合機サーバ。
【請求項2】
さらに、プロジェクタおよびスキャナの少なくともいずれかは前記本体に対して上下動する昇降部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ複合機サーバ。
【請求項3】
前記本体には当該本体の上側に昇降部が設けられ、
前記昇降部は、本体の一端側に設けられ、かつ上下動する支持部材により昇降可能に支持され、
前記本体内にはプリンタが設けられ、
前記昇降部には、スキャナが設けられかつその読み取り面は昇降部の上面に位置するとともに、さらに、プロジェクタが設けられかつ投射レンズは昇降部を支持する前記支持部材側に位置することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ複合機サーバ。
【請求項4】
前記本体には当該本体の上側に机部が設けられ、
前記本体内にはプリンタが設けられ、
前記机部には、スキャナが設けられかつその読み取り面は机部の上面に位置し、さらに、プロジェクタが設けられかつ投射レンズは机部の端部に位置することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ複合機サーバ。
【請求項5】
プロジェクタで表示する画像データおよびスキャナで取得した画像データの少なくともいずれかを記憶する記憶部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のプロジェクタ複合機サーバ。
【請求項6】
前記記憶部には、可搬記憶媒体が含まれることを特徴とする請求項5に記載のプロジェクタ複合機サーバ。
【請求項7】
さらに、前記スキャナにより読み取られた画像をプロジェクタにより表示することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のプロジェクタ複合機サーバ。
【請求項8】
さらに、前記スキャナにより読み取られた画像をプリンタにより印刷することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のプロジェクタ複合機サーバ。
【請求項9】
さらに、前記プロジェクタにより表示している画像をプリンタにより印刷することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載のプロジェクタ複合機サーバ。
【請求項10】
前記本体には、他の電子機器に電力を供給するための電源が内蔵されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載のプロジェクタ複合機サーバ。
【請求項11】
前記本体のプロジェクタの投射側に第1の排紙口を有し、前記投射側の反対側に第2の排紙口を有するとともに、
第1の排紙口および第2の排紙口を選択できることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載のプロジェクタ複合機サーバ。
【請求項12】
前記本体には、当該本体の上側に昇降部が設けられ、当該昇降部は、本体の一端側に設けられかつ上下動する支持部材により昇降可能に支持され、
前記本体内にはプリンタが設けられ、
前記昇降部には、スキャナが設けられかつその読み取り面は昇降部の上面に位置するとともに、さらに、プロジェクタが設けられかつ投射レンズは昇降部を支持する前記支持部材側に位置し、かつ
前記本体のプロジェクタの投射レンズ側に第1の排紙口を有し、前記投射側の反対側に第2の排紙口を有するとともに、
第1の排紙口および第2の排紙口の切り替えをおこなうことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ複合機サーバ。
【請求項13】
昇降部の下面、本体上面または昇降部と本体との間にセンサを設け、当該センサの出力信号に基づいて前記排紙口の切り替えをおこなうことを特徴とする請求項11または12に記載のプロジェクタ複合機サーバ。
【請求項14】
さらに、前記プロジェクタ複合機サーバは、プロキシサーバ機能を有することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載のプロジェクタ複合機サーバ。
【請求項15】
プロジェクタ、プリンタおよびスキャナを有し、さらに、プロジェクタの投影にかかる画像データ、スキャナにより読み取られた画像データおよび印刷にかかる印刷データの少なくともいずれかをデータベースとして記憶し、当該データをクライアントに提供するデータベースサーバと、クライアントにネットワーク接続可能なネットワーク接続手段と、を有するプロジェクタ複合機サーバと、
前記プロジェクタ複合機サーバとネットワーク接続した複数のクライアントコンピュータと、
を含んだことを特徴とするクライアント・プロジェクタ複合機サーバ・システム。
【請求項16】
プロジェクタ、プリンタおよびスキャナを有し、さらに、プロジェクタの投影にかかる画像データ、スキャナにより読み取られた画像データおよび印刷にかかる印刷データの少なくともいずれかをデータベースとして記憶し、当該データをクライアントに提供するデータベースサーバと、クライアントにネットワーク接続可能なネットワーク接続手段と、を有するプロジェクタ複合機サーバに対して、クライアントコンピュータから所望のデータを検索要求する工程と、
前記プロジェクタ複合機サーバのデータベースを検索する工程と、
検索結果をクライアントコンピュータに送信する工程と、
検索した画像データを前記プロジェクタ複合機サーバのプロジェクタにより投影する工程と、
を含んだことを特徴とするクライアント・プロジェクタ複合機サーバ・システムの使用方法。
【請求項17】
プロジェクタ、プリンタおよびスキャナを有し、さらに、プロジェクタの投影にかかる画像データ、スキャナにより読み取られた画像データおよび印刷にかかる印刷データの少なくともいずれかをデータベースとして記憶し、当該データをクライアントに提供するデータベースサーバと、クライアントにネットワーク接続可能なネットワーク接続手段と、を有するプロジェクタ複合機サーバに対して、クライアントコンピュータから所望のデータを検索要求する工程と、
前記プロジェクタ複合機サーバのデータベースを検索する工程と、
検索結果をクライアントコンピュータに送信する工程と、
検索した画像データを前記プロジェクタ複合機サーバのプリンタにより印刷する工程と、
を含んだことを特徴とするクライアント・プロジェクタ複合機サーバ・システムの使用方法。
【請求項18】
さらに、プロジェクタの投影にかかる画像データ、スキャナにより読み取られた画像データおよび印刷にかかる印刷データの少なくともいずれかをデータベースとして格納する工程を含んだことを特徴とする請求項17に記載のクライアント・プロジェクタ複合機サーバ・システムの使用方法。
【請求項19】
プロジェクタ、プリンタおよびスキャナを有し、さらに、プロジェクタの投影にかかる画像データ、スキャナにより読み取られた画像データおよび印刷にかかる印刷データの少なくともいずれかをデータベースとして記憶し、当該データをクライアントに提供するデータベースサーバと、クライアントにネットワーク接続可能なネットワーク接続手段と、を有するプロジェクタ複合機サーバに対して、クライアントコンピュータから画像データを送信する工程と、
前記画像データを前記データベースに格納する工程と、
前記画像データをプロジェクタにより投影する工程と、
別のクライアントコンピュータに前記画像データを送信する工程と、
を含んだことを特徴とするクライアント・プロジェクタ複合機サーバ・システムの使用方法。
【請求項20】
プロジェクタ、プリンタおよびスキャナを有し、さらに、プロジェクタの投影にかかる画像データ、スキャナにより読み取られた画像データおよび印刷にかかる印刷データの少なくともいずれかをデータベースとして記憶し、当該データをクライアントに提供するデータベースサーバと、クライアントにネットワーク接続可能なネットワーク接続手段と、を有するプロジェクタ複合機サーバに対して、クライアントコンピュータから画像データを送信する工程と、
前記画像データをデータベースに格納する工程と、
前記画像データをプリンタにより印刷する工程と、
別のクライアントコンピュータに前記画像データを送信する工程と、
を含んだことを特徴とするクライアント・プロジェクタ複合機サーバ・システムの使用方法。
【請求項21】
プロジェクタ、プリンタおよびスキャナを有し、さらに、プロジェクタの投影にかかる画像データ、スキャナにより読み取られた画像データおよび印刷にかかる印刷データの少なくともいずれかをデータベースとして記憶し、当該データをクライアントに提供するデータベースサーバと、クライアントにネットワーク接続可能なネットワーク接続手段と、を有するプロジェクタ複合機サーバの前記スキャナにより画像を読み取る工程と、
読み取られた画像データを前記データベースに格納する工程と、
前記画像データをプロジェクタにより投影する工程と、
別のクライアントコンピュータに前記画像データを送信する工程と、
を含んだことを特徴とするクライアント・プロジェクタ複合機サーバ・システムの使用方法。
【請求項22】
プロジェクタ、プリンタおよびスキャナを有し、さらに、プロジェクタの投影にかかる画像データ、スキャナにより読み取られた画像データおよび印刷にかかる印刷データの少なくともいずれかをデータベースとして記憶し、当該データをクライアントに提供するデータベースサーバと、クライアントにネットワーク接続可能なネットワーク接続手段と、を有するプロジェクタ複合機サーバの前記スキャナにより画像を読み取る工程と、
読み取られた画像データをデータベースに格納する工程と、
前記画像データをプリンタにより印刷する工程と、
別のクライアントコンピュータに前記画像データを送信する工程と、
を含んだことを特徴とするクライアント・プロジェクタ複合機サーバ・システムの使用方法。
【請求項23】
プロジェクタ、プリンタおよびスキャナを有し、さらに、プロジェクタの投影にかかる画像データ、スキャナにより読み取られた画像データおよび印刷にかかる印刷データの少なくともいずれかをデータベースとして記憶し、当該データをクライアントに提供するデータベースサーバと、クライアントにネットワーク接続可能なネットワーク接続手段と、を有するプロジェクタ複合機サーバを用いて、書類の出力と、出力した前記書類に加えた追加部分を含む書類の入力と、を繰り返すことで、書類を最終的に完成させることを特徴とするクライアント・プロジェクタ複合機サーバ・システムの使用方法。


【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図8−3】
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【図8−4】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13−1】
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【図13−2】
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【図13−3】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−13597(P2006−13597A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−183661(P2004−183661)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】