説明

プロセスカートリッジ、及び、現像カートリッジ

【課題】電子写真画像形成装置に用いられ、カートリッジ支持部材から取り外す際に、各々別々に取り外すことができ、かつ、取り外しの順番を規定されないプロセスカートリッジ、及び、現像カートリッジを提供する。
【解決手段】ドラムカートリッジDRKは、プロセス手段として、帯電ローラ(帯電手段)2とクリーニングブレード(クリーニング手段)3とを有している。また、現像カートリッジDVKは、ドラム1に粉体現像剤を供給し、ドラム1に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像する現像ローラ(現像手段)4aと、前記現像剤を収容する現像剤収容容器(現像剤収容部)と、を有している。カートリッジDRK・DVKは、装置100の使用者自身によって本体100Aに各々別々に取り外し可能に装着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセスカートリッジと現像カートリッジを取り外し可能に装着した状態で、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジ、及び、現像カートリッジに関する。
【0002】
電子写真画像形成装置とは、電子写真感光体を用いて、これに電子写真画像形成プロセスを適用して静電潜像を形成し、記録媒体に画像を形成するものである。例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(LEDプリンタ、レーザービームプリンタなど)、電子写真ファクシミリ装置、及び、電子写真ワードプロセッサーが含まれる。また、それ等の機能を兼ね備える複合機、ワークステーション等の出力機器として用いられる、モノカラー若しくはフルカラーの電子写真画像形成装置が含まれる。
【0003】
また、記録媒体とは、電子写真画像形成装置によって画像が形成されるものであって、例えば、用紙、OHPシート等が含まれる。尚、プロセスカートリッジ及び現像カートリッジは、電子写真画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着されて、記録媒体に画像を形成する画像形成プロセスに寄与するものである。
【0004】
ここで、前記プロセスカートリッジとは、プロセス手段としての、帯電手段、及び/又はクリーニング手段と電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化して、前記装置本体に取り外し可能に装着するものである。ここで前記プロセスカートリッジ及び現像カートリッジは、画像形成装置の使用者自身によって装置本体に対する着脱を行うことができる。そのため、装置本体のメンテナンスを容易に行うことができる。尚、前記プロセス手段は、前記電子写真感光体ドラムに作用するものである。
【0005】
また、現像カートリッジとは、現像ローラを有し、前記現像ローラによって、前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像するのに用いられる現像剤(トナー)を収納しており、前記本体に取り外し可能に装着されるものである。
【背景技術】
【0006】
近年、ランニングコストが安く、メンテナンスが容易なカートリッジタイプの電子写真画像形成装置が知られている。前記画像形成装置では、電子写真感光体(以下、感光体と記す)、現像剤(以下、トナーと記す)などの消耗品の交換を可能にして、ランニングコストを安くしている。
【0007】
感光体、トナーなどの消耗品の交換を可能にして、ランニングコストを低くすること、を満足するための従来技術として特許文献1に開示されているものがある。これは、感光体を有する感光体ユニットと、トナーを収容する現像ユニットと、をホルダ部材に装着した状態で、前記ホルダ部材を画像形成装置の装置本体から引き出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3592522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1で開示されている電子画像形成装置では、引出体から像担持体ユニットを取り外す際には、位置決め支持軸を取り外さなければならない。また、引出体から現像装置を取り外す際には、現像装置の中心軸からノブを取り外さなければならない。ここで、位置決め支持軸は、引出体の前側板に形成された孔、ユニットホルダの側板に形成された孔、及び、像担持体の手前側のフランジ部材に形成された中心孔に挿入しているものである。
【0010】
また、ノブは、軸受を介して、引出体の前側板に回転自在に支持され、前側板よりも手前側の中心軸端部に取り外し可能に取り付けられているものである。そこで、引出体から像担持体ユニット及び現像装置を取り外すに際して、前述した位置決め支持軸及びノブを取り外さなくてはならない。従って、手間がかかることが考えられる。
【0011】
本発明の目的は、電子写真画像形成装置に用いられ、カートリッジ支持部材から取り外す取り外し操作性を向上させたプロセスカートリッジ、及び、現像カートリッジを提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は電子写真画像形成装置に用いられ、カートリッジ支持部材から取り外す際に、各々別々に取り外すことができ、かつ、取り外しの順番を規定されないプロセスカートリッジ、及び、現像カートリッジを提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、電子写真画像形成装置に用いられ、カートリッジ支持部材から取り外す際に、各々別々に取り外すことができ、かつ、どちらを先にしても取り外すことを可能としたプロセスカートリッジ、及び、現像カートリッジを提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、電子写真画像形成装置に用いられ、使用者自身でもって、カートリッジ支持部材から各々別々に取り外すことができるプロセスカートリッジ、及び、現像カートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するための本発明に係るプロセスカートリッジの代表的な構成は、
電子写真感光体ドラムと、前記電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段とを有して、電子写真画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着されるプロセスカートリッジと、
前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像剤を用いて現像するための現像ローラと、前記現像剤を収容する現像剤収容部とを有して、前記装置本体に取り外し可能に装着される現像カートリッジと、
少なくとも一対の前記プロセスカートリッジと前記現像カートリッジとを支持して、前記装置本体の内側に位置する内側位置であって、前記一対の前記プロセスカートリッジと前記現像カートリッジとを画像形成位置に位置させる前記内側位置と、前記装置本体の外側に位置する外側位置であって、前記プロセスカートリッジと前記現像カートリッジの着脱を行う前記外側位置と、の間を移動するカートリッジ支持部材と、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記現像カートリッジを前記装置本体に位置決めするための、前記装置本体に設けられた第一本体側現像カートリッジ位置決め部と、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記現像カートリッジの有する第一被位置決め部を前記第一本体側現像カートリッジ位置決め部に押圧するための、かつ、前記現像カートリッジに前記現像ローラが前記電子写真感光体ドラムを押圧する方向に回転する回転モーメントを付与する、前記装置本体に設けられた本体側現像カートリッジ押圧部材と、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記現像カートリッジを前記装置本体に位置決めするための、前記第一本体側現像カートリッジ位置決め部に位置決めされる第一現像カートリッジ側被位置決め部と、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記第一現像カートリッジ側被位置決め部を前記第一本体側現像カートリッジ位置決め部に押圧するための、かつ、前記現像カートリッジに、前記現像ローラが前記電子写真感光体ドラムを押圧する方向に回転する回転モーメントを付与するための押圧力を前記本体側現像カートリッジ押圧部材から受ける現像カートリッジ側被押圧部と、
前記プロセスカートリッジを前記装置本体に位置決めするための、前記装置本体に設けられた第一本体側プロセスカートリッジ位置決め部と、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記装置本体に設けられた本体側プロセスカートリッジ押圧部材と、
を有する電子写真画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着される前記プロセスカートリッジであって、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記プロセスカートリッジが前記本体側プロセスカートリッジ押圧部材によって押圧されることによって、前記第一本体側プロセスカートリッジ位置決め部に押圧される第一プロセスカートリッジ側被位置決め部と、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記プロセスカートリッジが前記装置本体から前記電子写真感光体ドラムを回転させる回転力を受けた際に、前記プロセスカートリッジの有する第二プロセスカートリッジ側被位置決め部の移動を規制することによって、前記プロセスカートリッジが前記第一プロセスカートリッジ側被位置決め部を中心にして回転するのを規制するための、前記装置本体に設けられた第二本体側プロセスカートリッジ位置決め部と、
を有し、前記カートリッジ支持部材に前記現像カートリッジとは各々別々に取り付ける、及び、前記カートリッジ支持部材から取り外すことを可能に構成していることを特徴とする。
また、上記目的を達成するための本発明に係る現像カートリッジの代表的な構成は、
電子写真感光体ドラムと、前記電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段とを有して、電子写真画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着されるプロセスカートリッジと、
前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像剤を用いて現像するための現像ローラと、前記現像剤を収容する現像剤収容部とを有して、前記装置本体に取り外し可能に装着される現像カートリッジと、
少なくとも一対の前記プロセスカートリッジと前記現像カートリッジとを支持して、前記装置本体の内側に位置する内側位置であって、前記一対の前記プロセスカートリッジと前記現像カートリッジとを画像形成位置に位置させる前記内側位置と、前記装置本体の外側に位置する外側位置であって、前記プロセスカートリッジと前記現像カートリッジの着脱を行う前記外側位置と、の間を移動するカートリッジ支持部材と、
前記プロセスカートリッジを前記装置本体に位置決めするための、前記装置本体に設けられた第一本体側プロセスカートリッジ位置決め部と、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記プロセスカートリッジの有する第一プロセスカートリッジ側被位置決め部を前記第一本体側プロセスカートリッジ位置決め部に押圧するための、前記装置本体に設けられた本体側プロセスカートリッジ押圧部材と、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記プロセスカートリッジが前記本体側プロセスカートリッジ押圧部材によって押圧されることによって、前記第一本体側プロセスカートリッジ位置決め部に押圧される第一プロセスカートリッジ側被位置決め部と、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記プロセスカートリッジが前記装置本体から前記電子写真感光体ドラムを回転させる回転力を受けた際に、前記プロセスカートリッジの有する第二プロセスカートリッジ側被位置決め部の移動を規制することによって、前記プロセスカートリッジが前記第一プロセスカートリッジ側被位置決め部を中心にして回転するのを規制するための、前記装置本体に設けられた第二本体側プロセスカートリッジ位置決め部と、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記現像カートリッジを前記装置本体に位置決めするための、前記装置本体に設けられた第一本体側現像カートリッジ位置決め部と、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記現像カートリッジの有する第一被位置決め部を前記第一本体側現像カートリッジ位置決め部に押圧するための、かつ、前記現像カートリッジに前記現像ローラが前記電子写真感光体ドラムを押圧する方向に回転する回転モーメントを付与する、前記装置本体に設けられた本体側現像カートリッジ押圧部材と、
を有する電子写真画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着される前記現像カートリッジであって、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記現像カートリッジを前記装置本体に位置決めするための、前記第一本体側現像カートリッジ位置決め部に位置決めされる第一現像カートリッジ側被位置決め部と、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記第一現像カートリッジ側被位置決め部を前記第一本体側現像カートリッジ位置決め部に押圧するための、かつ、前記現像カートリッジに、前記現像ローラが前記電子写真感光体ドラムを押圧する方向に回転する回転モーメントを付与するための押圧力を前記本体側現像カートリッジ押圧部材から受ける現像カートリッジ側被押圧部と、
を有し、前記カートリッジ支持部材に前記プロセスカートリッジとは各々別々に取り付ける、及び、前記カートリッジ支持部材から取り外すことを可能に構成していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、カートリッジ支持部材から、プロセスカートリッジ、及び、現像カートリッジを取り外す取り外し操作性を向上させることができた。
【0017】
本発明によれば、カートリッジ支持部材から、プロセスカートリッジ、及び、現像カートリッジを取り外す際に、各々別々に取り外すことができ、かつ、取り外しの順番を規定されない。
【0018】
本発明によれば、カートリッジ支持部材から、プロセスカートリッジ、及び、現像カートリッジを取り外す際に、各々別々に取り外すことができ、かつ、どちらを先にしても取り外すことができる。
【0019】
本発明によれば、使用者自身でもって、カートリッジ支持部材から、プロセスカートリッジ、及び、現像カートリッジを各々別々に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(a)は実施例1における画像形成装置の外観斜視図、(b)はその画像形成装置の縦断左側面
【図2】(a)は前面ドアを開いた状態の画像形成装置の外観斜視図、(b)は前面ドアを開いた状態の画像形成装置の縦断左側面
【図3】(a)トレイを引き出した状態の画像形成装置の外観斜視図、(b)はトレイを引出した状態の画像形成装置の縦断左側面図
【図4】(a)は現像カートリッジ、ドラムカートリッジをトレイから取り外した画像形成装置の縦断左側面図、(b)は前ドアとトレイ保持部材の連動機構を示す斜視図
【図5】(a)・(b)・(c)は前面ドアの開閉とトレイ保持部材との連動状態を説明する図
【図6】(a)はトレイ保持部材の移動をガイドするカイド穴部分の拡大図、(b)はトレイ移動規制手段としてのピンとU溝部分の拡大図
【図7】(a)はドラムカートリッジの外観斜視図、(b)は現像カートリッジの外観斜視図
【図8】(a)は現像カートリッジとドラムカートリッジを組み合わせた状態での外観斜視図、(b)はトレイの外観斜視図
【図9】(a)はトレイに現像カートリッジとドラムカートリッジを装着した状態での外観斜視図、(b)はトレイを挿入した状態でのカートリッジ周囲のインターフェイス部を示す斜視図
【図10】(a)はトレイを引き出した状態でのカートリッジ周囲のインターフェイス部を示す斜視図、(b)は現像カートリッジとドラムカートリッジを位置決めするステー構成を示す斜視図
【図11】トレイを挿入した状態で現像カートリッジとドラムカートリッジが装置本体に位置決めされている状態を示す斜視図
【図12】トレイ保持部材の移動に連動して解除するカートリッジ周囲のインターフェイス部を説明する斜視図
【図13】現像カートリッジの押圧を解除する機構を示す斜視図
【図14】現像カートリッジを押圧した状態と解除した状態の詳細を示す斜視図
【図15】現像カートリッジを押圧した状態と解除した状態に切り替える駆動機構を示す側面斜視図
【図16】(a)は現像カートリッジを押圧した状態と解除した状態に切り替える駆動機構を示す底面斜視図、(b)は現像カートリッジの押圧が解除された状態で、現像ローラをドラムから離間するための機構を備えた現像カートリッジの斜視図
【図17】(a)は現像カートリッジの押圧状態を示す斜視図、(b)は押圧が解除された状態を示す斜視図
【図18】(a)は現像カートリッジの押圧により現像ローラがドラムに当接している状態時の断面図、(b)は現像カートリッジの押圧解除により現像ローラがドラムから離間されている状態時の断面図
【図19】(a)と(b)はドラムカートリッジ、現像カートリッジのどちらが先でもトレイに装着することができることを示す図面、(C)はその斜視図
【発明を実施するための形態】
【0021】
[実施例1]
(電子写真画像形成装置の全体構成)
本実施例における電子写真画像形成装置100として、フルカラーのレーザープリンタを例に挙げて説明する。以下の説明において、電子写真画像形成装置100(以下、画像形成装置又は装置と記す)に関して、前側(正面側)とはドア(開閉部材)31を設けた側である。後側とはそれとは反対側である。前後方向とは、後側から前側に向かう方向(前方向)と、その反対の方向(後方向)である。左右とは画像形成装置100を前側から見て左又は右である。左右方向とは、右から左に向かう方向(左方向)と、その反対の方向(右方向)である。
【0022】
また、装置本体100Aとは、ドラムカートリッジ(プロセスカートリッジ)DRと現像カートリッジDVとを除いた画像形成装置部分である。ドラムカートリッジ(プロセスカートリッジ)DRは、回転可能な電子写真感光体ドラム(以下、ドラムと記す)1と、ドラム1に作用するプロセス手段であって、現像手段を除く少なくとも1つのプロセス手段と、を有している。
【0023】
本実施例では、カートリッジDRは、プロセス手段として、帯電ローラ(帯電手段)2とクリーニングブレード(クリーニング手段)3とを有している。また、現像カートリッジDVは、ドラム1に粉体現像剤を供給し、ドラム1に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像する現像ローラ(現像手段)と、前記現像剤を収容する現像剤収容容器(現像剤収容部)と、を有している。カートリッジDR・DVは、装置100の使用者自身によって本体100Aに取り外し可能に装着される。また、本実施例の装置100においては、右側が駆動側であり、左側が非駆動側である。
【0024】
図1の(a)は本実施例の装置100の外観斜視図、(b)は装置100の縦断左側面図である。装置100は載置台・机・床等のほぼ水平な設置面Fに載置されている。水平方向とはこの設置面Fに平行な方向である。装置100は、電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザープリンタである。即ち、パソコン・イメージリーダ・相手方ファクシミリ装置等の外部ホスト装置300から制御回路部(制御手段:CPU)200に入力する電気的画像信号に基づいて用紙(記録媒体)Pに対する画像形成を行う。
【0025】
ホスト装置300と回路部200はラン(LAN)接続されている。回路部200は、ホスト装置300や操作部(不図示)との間で各種の電気的情報の授受を行う、かつ、装置100の画像形成動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。従って、以下に説明する画像形成動作は回路部200によって制御される。
【0026】
本体100Aの内部には、後側から前側にかけて、4つのドラムカートリッジDRと現像カートリッジDVが並設されている。即ち、第1乃至第4のドラムカートリッジ(プロセスカートリッジ)DR(DRY・DRM・DRC・DRK)と、第1乃至第4の現像カートリッジDV(DVY・DVM・DVC・DVK)がほぼ水平方向に並設されている。即ち、本実施例の装置100はインライン構成(タンデム型)である。
【0027】
第1のドラムカートリッジDRYと第1の現像カートリッジDVYとが一対でイエロー画像形成部を構成する。第2のドラムカートリッジDRMと第2の現像カートリッジDVMとが一対でマゼンタ画像形成部を構成する。第3のドラムカートリッジDRCと第3の現像カートリッジDVCとが一対でシアン画像形成部を構成する。第4のドラムカートリッジDRKと第4の現像カートリッジDVKとが一対でブラック画像形成部を構成する。
【0028】
各ドラムカートリッジDRは互いに同様の構成のものである。本実施例においては、各カートリッジDRは、それぞれ、回転可能なドラム1を有する。また、ドラム1に作用するプロセス手段としての、帯電ローラ2(帯電手段)及びクリーニングブレード3(クリーニング手段)を有する。
【0029】
ドラム1と帯電ローラ2とクリーニングブレード3aがドラムカートリッジ枠体5に一体的に組み付けられている。帯電ローラはドラム1に接触して、ドラム1を帯電する。ブレード3aは、ドラム1に残留するトナーを除去するものである。尚、ドラムカートリッジDRは、帯電ローラ2とクリーニングブレード3の少なくともいずれか一方を有すればよい。各カートリッジDVは、対応するカートリッジDRのドラム1に粉体トナーを供給する現像ローラ4aと、粉体トナーを収容する現像剤収容容器(現像剤収容部)4と、を有する。
【0030】
各カートリッジDVは、容器3に収容した粉体現像剤(以下、トナーと記す)の色が異なるだけで、互いに同様の構成である。第1のカートリッジDVYは、容器4内にイエロー(Y)色のトナーを収容しており、第1のカートリッジDRYのドラム1面にY色トナー像(現像剤画像)を形成する。第2のカートリッジDVMは、容器4内にマゼンタ(M)色のトナーを収容しており、第2のカートリッジDRMのドラム1面にM色トナー像を形成する。
【0031】
第3のカートリッジDVCは、容器4内にシアン(C)のトナーを収容しており、第3のカートリッジDRCのドラム1面にC色トナー像を形成する。第4のカートリッジDVKは、容器4内にブラック(K)のトナーを収容しており、第4のカートリッジDRKのドラム1面にK色トナー像を形成する。
【0032】
本体100Aに装着された第1乃至第4のカートリッジDR及び第1乃至第4のカートリッジDVの上方には、レーザースキャナユニット(画像露光手段)11が設けられている。ユニット11は、ホスト装置300から回路部200に入力する各色の画像情報に対応して変調したレーザー光Lを出力する。そして、現像カートリッジ枠体401(図8の(a))の上面に設けた露光開口6を通して、各カートリッジDRのドラム1面を走査露光する。これによって、各ドラムに画像情報に応じた静電潜像が形成される。
【0033】
本体100Aに装着された第1乃至第4のカートリッジDR及び第1乃至第4のカートリッジDVの下方部には、中間転写ベルトユニット12が設けられている。ユニット12は、誘電体製で可撓性を有するエンドレスベルト(中間転写体)13を有する。また、ベルト13を懸回して循環移動させる駆動ローラ14・ターンローラ15・テンションローラ16を有する。ローラ14・ローラ16は本体100Aの内部の後側に設けてある。ローラ15は本体100Aの内部の前側に設けてある。各ドラム1は、その下面が、ベルト13の上面に接している。
【0034】
ベルト13の内側には、ベルト13を介してドラム1に対向させて4個の一次転写ローラ17を設けている。駆動ローラ14には、ベルト13を介して二次転写ローラ22が当接している。ユニット12の下方部には、給送ユニット18を設けている。ユニット18は、カセット19、給送ローラ20、分離ローラ21等を有する。カセット19は装置100の前側から出し入れ自由である(フロントローデング)。
【0035】
図1の(a)において、19aはカセットトレイ19の前面に設けられている取手部である。本体100Aの内部であって後側の上部には、定着装置23と、排出ローラ対24が設けられている。本体100Aの上面はトレイ25である。トレイ25は、画像形成後の用紙Pを受ける。定着装置23は定着フィルムアセンブリ23aと加圧ローラ23bを有する。ローラ対24はローラ24aと排紙コロ24bである。
【0036】
装置100がフルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである(図1(b)参照)。第1乃至第4の各ドラムカートリッジDRのドラム1が反時計方向(矢示方向)に所定の制御タイミングで回転駆動される。ベルト13は、時計方向(ドラムの回転方向と順方向、矢示方向)にドラム1の速度に対応した速度で回転駆動される。ユニット11も駆動される。この駆動に同期して、各カートリッジDRにおいてそれぞれ所定の制御タイミングで帯電ローラ2がドラム1の表面を所定の極性・電位に一様に帯電する。
【0037】
ユニット11は各カートリッジDRのドラム1の表面を所定の制御タイミングにて各色の画像信号に応じてレーザー光Lで走査露光する。これにより、ドラム1の表面に対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。前記静電潜像は、対応するカートリッジDVが有する現像ローラ4aによりトナー像(現像剤画像)として現像される。これによって、カートリッジDRYのドラム1にはフルカラー画像のイエロー成分に対応するY色トナー像が形成される。そして、そのトナー像がベルト13上に一次転写される。
【0038】
同様に、カートリッジDRMのドラム1にはM色トナー像が形成され、カートリッジDRCのドラム1にはC色トナー像が形成され、また、カートリッジDRKのドラム1にはK色トナー像が形成される。そして、前記トナー像が、ベルト13上に順次転写される(一次転写)。即ち、Y色、M色、C色、K色のトナー像が、ベルト13上に重畳されて一次転写される。尚、前記一次転写は、一次転写バイアスが一次転写ローラ17に印加されることによりなされる。
【0039】
かくして、ベルト13上にY色+M色+C色+K色の4色フルカラーの未定着トナー像が形成される。ベルト13にトナー像を転写した後に、ドラム1面に残留した転写残トナーはブレード3により除去される。一方、所定の制御タイミングでローラ20が駆動される。これにより、ローラ20と分離ローラ21との協働で、カセット19上に積載されている用紙Pが1枚給送される。
【0040】
そして、給送された用紙Pは、二次転写ローラ22とベルト13とのニップ部(二次転写ニップ部)に導入される。用紙Pが前記ニップ部を搬送されていく過程で、転写ローラ22には二次転写バイアスが印加される。これによって、ベルト13上の4色重畳のトナー像が用紙Pの面に一括して二次転写される。用紙Pはベルト13の面から分離されて定着装置23へ導入され、定着ニップ部で加熱・加圧される。これにより、各色のトナー像が用紙Pに定着される。そして用紙Pは、定着装置23を通過して、フルカラー画像形成物としてローラ対24によってトレイ25上に排出される。
【0041】
(カートリッジ交換方式)
各カートリッジDVは、画像形成に使用されるにつれて、容器4に収容されている現像剤が消費される。そして、現像剤が消費された際に、カートリッジを交換する。そこで、例えば、個々のカートリッジDVの現像剤残量を検知する手段(不図示)を具備させる。そして、回路部200において、検知残量値を、予め設定したカートリッジDVの寿命予告や寿命警告のための閾値と比較する。
【0042】
検知残量値が閾値よりも少ない残量値となったカートリッジDVについては、表示部(不図示)に、そのカートリッジDVについての寿命予告あるいは寿命警告を表示する。これにより使用者に、交換用のカートリッジDVの準備を促す、あるいはカートリッジDVの交換を促す。
【0043】
また、各カートリッジDRは、画像形成に使用されるにつれて、それぞれ、除去トナー収容部3aに収容される除去トナー(廃トナー)の量が増加する。収容部3aに収容されるトナーの量が収容可能な量を超えると、カートリッジDRを交換する。そこで、例えば、個々の各カートリッジDRの除去トナー収容量を検知する手段(不図示)を具備させる。そして、制御回路部200において、検知量値を、予め設定したカートリッジDRの寿命予告や寿命警告のための閾値と比較する。
【0044】
検知量値が閾値よりも大きい値となったカートリッジDRについては、表示部(不図示)に、そのカートリッジDRについての寿命予告あるいは寿命警告を表示する。これにより使用者に、交換用のカートリッジDRの準備を促す、あるいはカートリッジDRの交換を促す。
【0045】
本実施例においては、各カートリッジDV・DRの交換は、それらのカートリッジDV、DRを引き出しトレイ(カートリッジ支持部材)35に乗せて行う。これによって、使用者がフロントアクセスによりカートリッジDV、DRを交換することができる。従って、ユーザビリティの向上を実現している。尚、フロントアクセスとは、装置100の前面側からカートリッジの交換操作を行うことができることである。
【0046】
装置100の前面側には開口部30を設けてある。開口部30は、カートリッジDV、DRを支持したトレイ35を通過させるものである。これによって、本体100Aの内部へカートリッジDV、DRを挿入させる、及び、本体100AからカートリッジDV、DVを取り出すことができる。そして、開口部30を閉じる閉鎖位置と、開口部30を開放する開放位置と、の間を移動可能なドア(開閉部材)31を設けている。
【0047】
本実施例においては、ドア31は、ドア31の下方に設けたヒンジ軸32を中心にして、本体100Aに対して開閉可能である。即ち、ドア31は、使用者によって、ヒンジ軸32を中心にして上方に回動して、開口部30を閉じる(図1の(a)・(b))。また、ドア31は、使用者によって、ヒンジ軸32を中心にして、本体100Aの手前側に回動して、開口部30を開放する(図2の(a)・(b))。31aはドア31に設けた取手部である。使用者が取手部31aを把持して、ドア31を開閉する。
【0048】
また、本体100Aの骨格となるメインフレームの左フレーム80Lの内側と右フレーム80Rの内側には対向させて、前後方向を長手とする左右一対のトレイ支持部材(本体側ガイド、移動手段)34L・34Rが設けられている。そして、トレイ支持部材34L・34Rに、枠型部材であるカートリッジトレイ(カートリッジ支持部材、移動部材)35が、前後方向にほぼ水平にスライド移動可能に支持されている。各カートリッジDR・DVは、トレイ35に取り外し可能に支持している。
【0049】
そして、ドア(開閉部材)31の開放に連動して(連動手段は後述)、トレイ支持部材34L・34Rが、図1の(b)に示す位置から前方向かつ上方に所定量移動する。これにより、支持部材34L・34Rは、その前側部が、図2の(a)・(b)に示すように、開口部30から装置本体100Aの外方に所定量突出した位置に引き出される。また、支持部材34L・34Rの移動に連動して、カートリッジDR、DVの本体100Aとの駆動力の接続、解除が行われる。この構成については後述する。
【0050】
また、ドア31の開放に連動して、カートリッジDR、DVの装置本体100Aに対する位置決めが解除される。前記位置決め解除により、カートリッジDRの有するドラム1からカートリッジDVの有する現像ローラ4aが離間した状態になる。また、支持部材34L・34Rの前述した移動により、ドラム1の下面がベルト13から離間する。また、後述するトレイ移動規制手段によるトレイ35の本体100Aに対する移動規制が解除された状態になる。前述した装置100の一連の動作により、トレイ35が支持部材34L・34Rに沿って引き出し方向に移動可能な状態となる。
【0051】
そこで、使用者が、開口部30から露呈している、トレイ先端に設けた取手部35aを掴む。そして、使用者が、トレイ35を、支持部材34L・34Rに沿わせて開口部30から本体100Aの外側の所定の引き出し位置(外側位置)Yまで十分に引き出す(図3の(a)・(b))。矢示aはトレイ35の引き出し移動方向である。これにより、トレイ35に支持されているカートリッジDR、DVの全体が開口部30を通過して本体100Aの外側に露出する。
【0052】
これによって、全カートリッジDR、DVの上面が本体100Aの外側に開放される。このとき、ドラム1の下面はベルト13から離間している。従って、ドラム1の下面とベルト13との擦れは生じない。トレイ35は、所定の外側位置(引き出し位置)Yまで十分量引き出されると、ストッパ部(不図示)によりそれ以上の引き出し移動が規制される。また、トレイ35は、位置Yまで水平に引き出されている状態が支持部材34L・34Rによって維持される。
【0053】
トレイ35は位置Yまで引き出されている状態(図3の(a)・(b))において、個々のカートリッジDV、DRを上方(図4の(a)の矢印c)に取り出し可能に支持している。また、トレイ35は、個々のカートリッジDV・DRを、トレイ35に対して上方から下方(図4の(a)の矢印d)に向かって移動させることによって支持する。
【0054】
また、トレイ35からカートリッジDV・DRを取り出す際には、使用者が、カートリッジDV、DRをトレイ35から上方に持ち上げて抜き外す。この場合、図4の(a)に示すように、対となっているカートリッジDRとカートリッジDVにおいて、カートリッジDRとカートリッジDVは各々の交換軌跡において互いに干渉する部分が無い。
【0055】
前記交換軌跡とは、カートリッジDR・DVがトレイ35に対して着脱する際の、移動軌跡である。即ち、カートリッジDRは、トレイ35に支持された状態で、カートリッジDVと向かい合う側に、ドラム1がその長手方向の全長にわたって、露出するように設けられている。また、ドラム1がドラム1と直交する方向において、カートリッジDVと向かい合う側に突出している(図7(a))。
【0056】
また、カートリッジDVは、トレイ35に支持された状態で、カートリッジDRと向かい合う側に、現像ローラ4aがその長手方向の全長にわたって、露出するように設けられている。また、現像ローラ4aが現像ローラ4aと直交する方向において、カートリッジDRと向かい合う側に突出している(図7(b))。
【0057】
従って、ドラム1と現像ローラ4aとが離れている状態では、カートリッジDR・DVの互いの移動軌跡が干渉することは無い。そのため、カートリッジDV・DRを交換(トレイ35に取り付け、取り外し)する際に、交換順序に規制を受けること無く、かつ、交換する必要のあるカートリッジDV・DRのみを交換することができる。即ち、使用者が、新しいカートリッジDV・DRをトレイ35に対して上方から嵌め入れて載せるときは、外すときと同様に、カートリッジDRとカートリッジDVのどちらからでもトレイ35に載せる(支持させる)ことができる。
【0058】
図19に、カートリッジDR・DVのどちらが先でもトレイ35に装着することができる、又は、トレイ35から取り外すことができる状態を示している。尚、使用者が前述操作を行う際には、使用者は把持部G1・G2(図7(a)(b)、図8(a))又は、把持部600・601(図19)を把持すれば良い。
【0059】
トレイ35が外側位置Yに位置する際に、カートリッジDR・DVをトレイ35に対して上方に各々独立して取り外すことができる。また、カートリッジDR・DVをトレイ35に対して上方から下方に向かって落とし込むことによって、各々独立してトレイ35に取り付けることができる。この際に、カートリッジDR・DVの順序は問わない。
【0060】
トレイ35は、外側位置Yにおいて、カートリッジDR・DVのセットの全てが取り出し容易となる。上記のように引き出したトレイ35に対するカートリッジの交換を終えたら、使用者がトレイ35を支持部材34L・34Rに沿わせて装置本体100Aの内部に、ストッパ部(不図示)に受け止められるまで十分に押し込む。bはトレイ35の押し込み方向である。そして、使用者が、開かれているドア31を閉じる。
【0061】
即ち、トレイ35は、本体100Aの内側に位置する内側位置Xと、本体100Aの外側に位置する外側位置Yと、の間を移動可能である。内側位置Xは、カートリッジDR・DVを潜像形成位置(画像形成位置)に位置させる位置である。外側位置Yは、カートリッジDR・DVの着脱を行う位置である。ドア31の閉じ回動に連動して、支持部材34L・34Rが、図2の(a)・(b)に示す位置から後方向と下方に所定量移動する。これにより、支持部材34L・34Rはその前側部が開口部30から本体100Aの内部に所定量入り込んだ位置に戻される。
【0062】
トレイ支持部材34L・34Rの前述した移動により、トレイ35が潜像形成位置(画像形成位置、内側位置)Xに戻される。ここで、潜像形成位置Xとは、本体100Aの内側であって、カートリッジDR・DVを画像形成を行う画像形成位置に位置させるトレイ35の位置である。そして、トレイ35がトレイ移動規制手段(後述)によって、本体100Aに対して移動が規制された状態になる。
【0063】
また、支持部材34L・34Rの前述した移動に連動して、カートリッジDR、DVに対する位置決め手段(後述)が動作する。これによって、カートリッジDRが本体100Aの内部の所定の位置決め部(後述)に固定された状態に維持される。また、後述するとおり、本体100AとカートリッジDR・DVとの駆動力の伝達が接続される。
【0064】
前述した通り、トレイ35は、カートリッジDRが有するドラム1の軸線方向とは交差する方向に移動可能に設けられている。また、トレイ35は、開口部30を通過してカートリッジDR、DVを装置本体100Aの外側において着脱出来る外側位置Yを取り得る。また、トレイ35は、本体100Aの外側から内側に向かって開口部30を通過して、カートリッジDR・DVを本体100Aの内側であって、且つ、ドラム1に静電潜像を形成する位置に位置させる内側位置(潜像形成位置、画像形成位置)Xを取り得る。
【0065】
ドラム1に静電潜像を形成する位置とは、前記画像形成位置である。本実施例では、内側位置Xで、ドラム1がベルト13に接触している。また、支持部材34L・34Rは、ドア31の開放動作に連動して、トレイ35を外側位置Yに移動する前に、トレイ35を内側位置Xから上方向に移動させる。あるいは、ドア31の閉じ動作に連動して、トレイ35を内側位置Xへ向かって下方向に移動させる。
【0066】
即ち、支持部材34L・34Rは、トレイ35を支持した状態で、トレイ35を外側位置(引き出し位置)Yと内側位置Xとの間で移動させるための第一の位置と、トレイ35を内側位置Xに位置させるための第二の位置とを取り得る。そして、ドア31が閉じるのに連動して(連動機構は後述)、支持部材34L・34Rは、前記第一の位置から前記第二の位置に移動する。内側位置Xとは、トレイ35が本体100Aの内側に位置する位置であって、トレイ35がドア31の内側に位置する位置である。
【0067】
即ち、内側位置Xは、少なくとも一対のカートリッジDR・DVを支持して、本体100Aの内側に位置する位置であって、前記一対のカートリッジDR・DVを画像形成位置に位置させる位置である。
【0068】
(ドア31と支持部材34L・34Rの連動手段、および、トレイ移動規制手段)
ドア31と支持部材34L・34Rの連動手段、および、トレイ移動規制手段について、説明する。図4の(b)は、ドア31とトレイ支持部材34L・34Rの連動手段の斜視図である。ドア31のヒンジ部32(32L・32R)は、本体100Aに対して左右方向に水平に設けられている。そして、ヒンジ部32は、両端部を本体100Aに設けられた軸受け(不図示)に回転可能に支持されている。尚、軸受けはフレーム80L・80R(図2の(a))であっても良い。
【0069】
また、ドア31の両端部には、連結アーム37L・37Rを配設してある。アーム37L・37Rのヒンジ部120L・(120R:不図示)は、本体100Aに対して左右方向に水平に配列され、それぞれ、本体100Aに設けられた軸受け(不図示)に回動可能に支持されている。尚、軸受けはフレーム80L・80Rであっても良い。アーム37L・37Rは軸37a・37bを有している。そして、アーム37Lの軸37aは、支持部材34Lの前側下部に設けた縦長孔34Aに嵌入して係合している。
【0070】
また、軸37bはドア31の左側面部に設けられた溝31Bに嵌入して係合している。また、アーム37Rの軸37aはトレイ支持部材34Rの前側下部に設けた縦長孔34Aに嵌入して係合している。軸37bはドア31の右側面部に設けられた溝31Bに嵌入して係合させている。
【0071】
このように、ドア31と支持部材34L・34Rは、アーム37L・37R、軸37a・37b、縦長孔34A、溝31Bを介して連結している。これにより、ドア31が開閉されると、トレイ支持部材34L・34Rには、前後方向への移動力が作用する。尚、アーム37L・37Rのヒンジ部120L・120Rは、ドア31のヒンジ部32L・32Rと同軸上にあっても良い。さらに、アーム37L・37Rを設けずに、ドア31と支持部材34L・34Rを直接連結しても良い。
【0072】
図5・図6を用いて説明する。支持部材34L・34Rは、前後に間隔を開けて設けた2本のピン軸34cを、本体100Aのメインフレーム80L・80Rのそれぞれに設けたカイド穴36に係合させている。ピン軸34cとカイド穴36の係合により、支持部材34L・34Rは、フレーム80L・80Rに支持される。図5は、支持部材34Lに関して、2本のピン軸34cとカイド穴36を示している。尚、支持部材34Rについては、支持部材34Lと同様であり、図示を省略するけれども、ピン軸34cとカイド穴36は支持部材34Lと対称に構成されている。
【0073】
従って、支持部材34L・34Rは、それぞれ、カイド穴36のガイド範囲においてフレーム80L・80Rに対して移動する自由度がある。図6の(a)は1つのカイド穴36の拡大図である。何れのガイド穴36も、前後方向で水平な第1ガイド領域36aと、第1ガイド領域36aのピン軸前進方向に連設した、昇り傾斜の第2ガイド領域36bとを有している。また、第2ガイド領域36bの頂上部に連設した第3ガイド領域36cを有している。ガイド領域36cは、ピン軸34cを受け止めて安定に保持する。
【0074】
ピン軸34c、即ち保持部材34L・34Rは、ドア31の開放に連動して、ガイド領域36aにより水平方向に距離a1移動した後、ガイド領域36bにより斜め上方(水平方向に距離a2、垂直方向に距離b)移動する。そして、最後にガイド領域36cにより水平方向に距離a3移動する。
【0075】
図5の(a)は、ドア31が装置本体100Aの開口部30に対して十分に閉じられている状態を示している。この状態においては、支持部材34L・34Rは、ヒンジ軸32、連結アーム37L・37R、軸37a、縦長孔34bを介して装置本体100Aの内部の後方向へ移動されている。ピン軸34cは、ガイド領域36aの後端部に位置している。そのために、支持部材34L・34Rは、それぞれ、フレーム80L・フレーム80Rに対して所定の下げ位置(前記第二の位置)に維持されている。
【0076】
従って、支持部材34L・34Rに支持しているトレイ35も所定の下げ位置(内側位置X)に支持されている。トレイ35に支持されている各カートリッジDRは、それぞれ長手方向の駆動側の上面部分が押圧部材42(本体側プロセスカートリッジ押圧部材)により弾性的に押圧されている。
【0077】
これにより、各カートリッジDRは、後述するように、駆動側の軸受部60と非駆動側の軸受部60の下面部分(被位置決め部、第一プロセスカートリッジ側被位置決め部)51が、本体100Aのステー部材(内側板)に位置決めされている。即ち、本体100Aのステー部材(内側板)に設けられた本体側位置決め部41(第一本体側プロセスカートリッジ位置決め部41Y2・41M2・41C2・41K2)(図10(b))に位置決めされている。即ち、各カートリッジDRが本体100Aに対して位置決め状態に維持される(固定される)。尚、下面部分51は、枠体DR1の下面に設けられている。
【0078】
そして、下面部分51は、ドラム1の軸線と同軸線上に設けられている(図7(a))。これによって、カートリッジDRをドラム1を中心にして、本体100Aに位置決めすることができる。本体側位置決め部41Y2・41M2・41C2・41K2は、カートリッジDRを本体100Aに位置決めするための、本体100Aに設けられた第一本体側プロセスカートリッジ位置決め部である。
【0079】
また、押圧部材42は、トレイ35が内側位置Xに位置した状態で、カートリッジDRの有する下面部分(第一プロセスカートリッジ側被位置決め部)51を位置決め部41Y2・41M2・41C2・41K2に押圧するために、本体100Aに設けられている。
【0080】
この状態において、ドラム1の下面がベルト13の上面に安定して接している。各カートリッジDVも位置決め手段(後述)により位置決めされた状態に維持されている。即ち、駆動側の軸受部61と非駆動側の軸受部61の下面部分(被位置決め部)404が、本体100Aに位置決めされている。即ち、本体100Aのステー部材(内側板)に設けられた本体側位置決め部41(第一本体側現像カートリッジ位置決め部41Y1・41M1・41C1・41K1)(図10(b))に位置決めされている。尚、下面部分404は、枠体DV1の下面に設けられている。
【0081】
そして、下面部分404は、現像ローラ4aの軸線と同軸線上に設けられている(図7(b))。これによって、カートリッジDVを現像ローラ4aを中心にして、本体100Aに位置決めすることができる。位置決め部41Y1・41M1・41C1・41K141は、トレイ35が内側位置Xに位置した状態で、カートリッジDVを本体100Aに位置決めするための、本体100Aに設けられた第一本体側現像カートリッジ位置決め部である。
【0082】
この状態で、カートリッジDR・DVの駆動入力部(カップリング嵌合部53・54)には、それぞれ、本体100A側の駆動出力部(ドラム駆動カップリング39と現像駆動カップリング40)が嵌入している。トレイ35は、トレイ35の右側に設けた下向きU溝110の下端部(被移動規制部)が、フレーム80Rに設けられたピン(移動規制部材、不動部材)111に嵌入して位置決め(トレイの移動が規制されている)されている(図5(a))。図5の(b)は、ドア31を途中まで開いた状態を示している。
【0083】
図5の(a)に示すドア閉じ状態からドア31が開かれていくと、これに連動して、トレイ支持部材34L・34Rは、本体100Aの内部を前方向に引かれる。これにより、支持部材34L・34Rは、ピン軸34cが、カイド穴36のガイド領域36a(図6の(a))によってガイドされて、先ず水平方向に距離a1だけ前方向に移動する。図5の(b)はこの状態を示している。
【0084】
支持部材34L・34Rの距離a1の移動過程において、カップリング嵌合部(ドラム駆動入力部)53に対するドラム駆動カップリング(ドラム駆動出力部)39が解除される。また、カップリング嵌合部(現像駆動入力部)54に対する現像駆動カップリング(現像駆動出力部)40が解除される。また、カートリッジDRに対する押圧部材による押圧位置決めも解除される。このとき、トレイ35は、トレイ支持部材34L・34Rの上記の動きに追従しないように、フレーム80Rに設けたピン111がトレイ35に設けたU溝110に嵌入しており、位置決めされている。
【0085】
即ち、トレイ35は本体100Aに対して移動規制されている。ドア31の引き続く開き動作に連動して、トレイ支持部材34L・34Rは更に装置本体100Aの内部を前方向に引かれる。これにより、支持部材34L・34Rは、ピン軸34cがカイド穴36のガイド領域36bでガイドされて、斜め上方に移動していく。ここで、図6の(b)に示すように、ピン111のU溝110に対する進入量をeとする。また、支持部材34L・34Rの前述した斜め上方への移動にともなうU溝110の上昇量をfとする。
【0086】
支持部材34L・34Rが斜め上方に移動する際、トレイ35のU溝(被移動規制部)110がピン(移動規制部材)111に係合している間(e>f)は、U溝110は支持部材34L・34Rの垂直方向への移動にのみ追従する。そして、支持部材34L・34Rがある程度持ち上がった状態(e≦f)で、ピン111がU溝110から抜ける。このような構成にすることで、トレイ35に支持されているドラム1の下面がベルト13に接している状態では、トレイ35が水平方向に移動することはない。したがって、ドラム1とベルト13の擦れによって生じる傷、メモリを防止することができる。
【0087】
図5の(c)は、ドア31が十分に開かれた状態を示している。この状態においては、トレイ支持部材34L・34Rはガイド領域36bによる斜め上方への移動を終えて、ピン軸34cが水平のガイド領域36cに位置している。即ち、トレイ支持部材34L・34Rは斜め上方に移動した後に水平方向に移動する。これは、その後、支持部材34L・34Rからトレイ35を引き出してカートリッジDR・DVを交換する際に、カートリッジDR・DVやトレイ支持部材の高さ方向の位置を安定させるためである。かつ、トレイ支持部材が元に戻ろうとする動きを防止するためである。
【0088】
図5の(c)に示す状態においては、ピン111がU溝110から抜け出ており、トレイ35の位置決め状態が解除(トレイ移動規制解除)されている。したがって、トレイ35はトレイ支持部材34L・34Rに対して前後方向に水平にスライド移動させる操作が自由となる。尚、開かれた状態のドア31を閉じた場合の動作は、上記とは反対の動作となる。
【0089】
ここで、溝(被移動規制部)110とピン(移動規制部材)111が、トレイ35が本体100A内の内側位置(装着位置)において、ドラム1とベルト13が接触する方向と交差する方向に移動しないように規制する移動規制手段である。そして、この移動規制手段(溝110・ピン111)によるトレイ35の移動規制は、トレイ支持部材34L・34Rのドラム1とベルト13が接触する方向成分の移動にならって、トレイ35が追従した後、解除される。支持部材34L・34Rは、第1ガイド領域36aに案内されて、ドラム1とベルト13が接触する方向と交差する方向に移動する(第1移動)。
【0090】
そして、支持部材34L・34Rは、その後、第1ガイド領域36aに案内されて、ドラム1とベルト13が接触する方向と、その接触する方向と交差する方向、の2つの方向成分を有する斜め方向に移動する(第2移動)。そして、支持部材34L・34Rは、その後、ドラム1とベルト13が接触する方向と交差する方向に移動する(第3移動)。
【0091】
そして、支持部材34L・34Rは、第1移動において、カートリッジDRの駆動の切断を行い、ドラム1とベルト13が接触する方向成分の移動にならって、トレイ35が追従した後、移動規制手段110・111が解除される。開かれた状態のドア31を閉じた場合の動作は、上記とは逆の動作となる。
【0092】
(ドラムカートリッジDRと現像カートリッジDV)
図7の(a)はドラムカートリッジDRを駆動側(カートリッジ右側)から見た斜視図である。カートリッジDRは、ドラム1の軸線方向を長手方向とする箱型のアセンブリである。ドラム1はドラムカートリッジ枠体5の駆動側の側面部5aの内面と非駆動側(カートリッジ左側)の側面部5bの内面とに設けた軸受部60(図7(a))に回転可能に支持している。駆動側の軸受部60には、カップリング嵌合部(ドラム駆動入力部)53を設けている。帯電ローラ2は、同様に設けた軸受部61(図7(b))に回転可能に支持している。
【0093】
クリーニングブレード3aは、その先端がドラム1に接触するように、枠体5に固定している。側面部5a・5bの外面には、カートリッジDRの長手方向に外方に突出した平板形状の庇部(プロセスカートリッジ側被支持部)56を設けている。即ち、ドラム1の長手方向の一端側と他端側とに庇部56を設けている。
【0094】
庇部56は、カートリッジDRがトレイ35に支持された状態で側面部5a・5bの上方部分に設けられている。また、庇部56は、カートリッジDRがトレイ35に支持された状態で、トレイ35の引き出し方向aに沿って設けられている。庇部(プロセスカートリッジ側被支持部)56は、カートリッジDRをトレイ35に支持するために、カートリッジDRに設けられている。
【0095】
図7の(b)はカートリッジDVを駆動側から見た斜視図である。カートリッジDVは、ドラム1の軸線方向と平行な現像ローラ4aの軸線方向を長手方向とする箱型のアセンブリである。現像ローラ4aは現像カートリッジ枠体401の駆動側側面部401bと非駆動側側面部401cの内面に設けた軸受部61(図7(b))に回転可能に支持されている。駆動側軸受部61には、現像ローラ4aを駆動するためのカップリング嵌合部(現像駆動入力部)54を設けている。
【0096】
枠体401の一部が、現像剤を収容する現像剤収容容器4を構成している。枠体401の天井板部分を短手方向に延長して張り出させて、庇部402を設けている。前記端手方向とは、前記長手方向と直交する方向である。側面部401b・401cの外面には、カートリッジDVの長手方向に外方に突出した平板形状の庇部(現像カートリッジ側被支持部)403を設けている。即ち、現像ローラ4aの長手方向一端側と他端側とに庇部403を設けている。
【0097】
庇部403は、カートリッジDVがトレイ35に支持された状態で側面部401b・401cの上方部分に設けられている。また、庇部403は、カートリッジDVがトレイ35に支持された状態で、トレイ35の引き出し方向aに沿って設けられている。庇部(現像カートリッジ側被支持部)403は、カートリッジDVをトレイ35に支持するために、カートリッジDVに設けられている。
【0098】
図8の(a)は、カートリッジDR・DVを組みにして(対にして)トレイ35に装着した状態の斜視図(トレイ35は不図示)である。カートリッジDR・DVはトレイ35に対する着脱方向(図4の(a)矢示c・d方向、トレイ35に対して垂直方向)に関してお互いに干渉する部分が無い。そのために、カートリッジDR・DVのどちらを先にしてもトレイ35から取り外すことができる。即ち、本実施例においては、カートリッジDR・DVは別々にどちらを先にしても交換することができる。かつ、カートリッジDR・DVを交換するに当たって、ビスや部品を取り外すことが不要である。
【0099】
従って、画像形成装置100の使用者がカートリッジDR・DVを簡単に交換することができる。これにより、使用者が、カートリッジDR・DVの内、交換する必要のあるカートリッジだけを簡単に交換することができる。従って、カートリッジの交換操作性を向上させることができた。即ち、トレイ35が外側位置Yに引き出されると、カートリッジDR・DVは、どちらを先にしても取り外すことができる。
【0100】
カートリッジDRを先に取り出す際には、カートリッジDRを持ち上げるとカートリッジDVが、現像ローラ4aがドラム1から離れる方向に下面部分404を中心にして回転する。よって、ドラム1と現像ローラ4aが接触していたとしても、両者が傷つくことは無い。また、カートリッジDVを先に取り出す際には、カートリッジDVを持ち上げると、現像ローラ4aがドラム1から離れる。よって、両者が傷つくことは無い。
【0101】
また、カートリッジDVがトレイ35に支持されている状態で、カートリッジDRをトレイ35に取り付ける際には、ドラム1が現像ローラ4aと接触すると、カートリッジDVが下面部分404を中心にしてドラム1から離れる方向に回転する。また、カートリッジDRがトレイ35に支持されている状態で、カートリッジDVをトレイ35に取り付ける際には、庇部403をトレイ35に支持する。この状態では、ドラム1と現像ローラ4aは軽く接触しているか、離れている。従って、両者が傷つくことは無い。
【0102】
図18(a)(b)(c)に、ドラムカートリッジDR、現像カートリッジDVのどちらが先でもトレイ35に装着する或いはトレイ35から取り出すことができることを示す。尚、この実施例においては、使用者がカートリッジDR・DVを把持する把持部600・601を、カートリッジDR・DVの上面から上方に突出させた例を示した。しかしながら、把持部は、これに限定されない。例えば、カートリッジDR・DVの上面の短手方向の一端と他端とに、長手方向に沿って設けた凹部でも良い(図7(a)(b)、図8(a))。図7(a)には把持部G1、図7(b)には把持部G2を示す。
【0103】
(トレイ35)
図8の(b)はトレイ35の外観斜視図である。このトレイ35は、前枠35b・後枠35c・左枠35d・右枠35eが結合されている矩形の大枠部35Aを有する。大枠部35A内を3枚の仕切り板35fで前後方向に略等分に4つに仕切っている。後枠35c側から前枠35b側へ順に、第1乃至第4の小枠部35(1)乃至35(4)を構成している。
【0104】
小枠部35(1)乃至35(4)がそれぞれ第1乃至第4の4つカートリッジセットDRY・DVY、DRM・DVM、DRC・DVC、DRK・DVKを支持する支持部である。カートリッジセットDR・DVは、引き出し方向a上流側から下流側に向かって、この順番でトレイ35に支持される。カートリッジDRは、駆動側の側面5aに回転止めボス502が設けられている(図7の(a)、図8の(a))。
【0105】
ボス(第二プロセスカートリッジ側被位置決め部)502は、カートリッジDRがトレイ35に支持された状態で、垂直方向において庇部56よりも下方に位置するように配置されている。ボス502は、カートリッジDRがトレイ35に支持された状態で、庇部56の下方に設けられており、ボス502は、トレイ35に設けられた溝35h(第二支持部材側規制部)に精度良く嵌合するように構成されている。これによって、カートリッジDRは、本体100Aに精度良く位置決めされている。
【0106】
また、小枠部35(1)乃至35(4)の右枠35eには、それぞれ、カートリッジDRのボス502が挿入されるU字溝(溝、第二本体側プロセスカートリッジ位置決め部)35hを設けている。溝35hは、トレイ35の小枠部35ごとに、引き出し方向aと直交する方向の一端に設けられた右枠35eに設けられている。溝35hは、トレイ35が内側位置Xに位置した状態で、カートリッジDRが本体100Aからドラム1を回転させる回転力を受けた際に、カートリッジDRの有するボス(第二プロセスカートリッジ側被位置決め部)502の移動を規制する。
【0107】
これによって、溝(第二本体側プロセスカートリッジ位置決め部)35hは、カートリッジDRが下面部分(第一被位置決め部)51を中心にして回転するのを規制する。尚、カートリッジDRは、ドラム1を回転させる回転力をカップリング39、及び、カップリング嵌合部53を介して本体100Aから受ける。
【0108】
4つの各カートリッジのセットDR・DVは、それぞれ、トレイ35の対応する小枠部35(1)乃至35(4)内に上から挿入される。そして、カートリッジDRの側面部5a・5bに設けられた庇部56と、カートリッジDVの側面部401b・401cに設けられた庇部403の下面がトレイ35の枠35d・35eの上面に受け止められる。即ち、側面部5aに設けられた庇部56の下面が枠35eの上面に支持され、側面部5bに設けられた庇部56の下面が枠35dの上面に支持される。
【0109】
また、側面部401bに設けられた庇部403の下面が枠35eの上面に支持され、側面部401cに設けられた庇部403の下面が枠35dの上面に支持される。これによって、カートリッジDR・DVがトレイ35に乗って支持される。この際に、前述したボス502が溝35h(第二支持部材側規制部)に精度良く嵌合する。
【0110】
溝35hの幅をボス(第二プロセスカートリッジ側被位置決め部)502の径よりも若干大きく構成しているけれども、ボス502と溝35hとの嵌合は、精度良く行われる。この状態を図9の(a)に示す。すなわち、トレイ35は、各カートリッジDR・DVを上方に取り出し可能に支持しており、また、各カートリッジDR・DVを下方に向かって落とし込むことによって支持する。
【0111】
即ち、各カートリッジDR・DVをトレイ35に取り付けるに当たって、使用者が、各カートリッジDR・DVをトレイ35の上方から下方に向かって落とし込む。尚、カートリッジDR・DVを上方に取り出す際には、真上に取り出すのが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0112】
また、カートリッジDR・DVを下方に向かって落とし込む際には、真下に向かって落とし込むのが好ましいが、これに限定されるものではない。この状態で、トレイ35は各カートリッジDR・DVをそれぞれラフに支持している。即ち、各カートリッジDR・DVは、トレイ35に可動状態で支持されている。この構成により、使用者は、各カートリッジDR・DVの交換を容易に行うことができる。
【0113】
トレイ35の枠35d・35eが、トレイ支持部材34L・34Rの内側に、トレイ35の移動方向に沿って設けたガイド溝部34a(図3の(a)、図4の(a)・(b)、図9の(b))に嵌入している。これにより、トレイ35は、トレイ支持部材34L・34R間に支持されるとともに、ガイド溝部34aに沿って、矢示a・b方向(図3)に水平にスライド移動する。
【0114】
前述した通り、トレイ35は、複数個並列して設けられた支持部35(1)乃至35(4)を有する。それらの支持部35にそれぞれカートリッジDR・DVのセットを複数組並列して支持させた状態で、トレイ35は、ドラム1の長手方向と交差する方向へ移動する。そして、トレイ35は、本体100Aの外側に露出させる引き出し位置(外側位置)と、本体100Aの内側においてドラム1に静電潜像を形成できる内側位置Xを取り得る。
【0115】
(カートリッジ位置決めとカップリング部)
前述した通り、トレイ支持部材34L・34Rは、ドア31の開放移動に連動して前方向と上方に所定量移動する。そして、図9の(b)及び図10の(a)は、前記所定量移動する移動に連動して解除する、カートリッジ周囲のインターフェイス部を説明する図である。図9の(b)は、カートリッジDR,DVが取り付けられていない状態で、ドア31が閉まっている状態(図1の(a)・(b))を示す図である。
【0116】
図10の(a)は、ドア31が開かれて(図3の(a)・(b))、トレイ35が本体100Aから引き出された状態を示す図である。図10の(b)は、カートリッジDR・DVを本体100Aに位置決めするステー構成を説明する斜視図である。
【0117】
本体100Aの内部の右側と左側には、それぞれ、位置決め部(位置決め手段)41(41Y・41M・41C・41K)が本体100Aのステー部材81L・81Rに設けられている。即ち、位置決め部41(41Y・41M・41C・41K)は、カートリッジDR・DVの長手方向の一端側と他端側で、且つ、内側位置Xに位置するカートリッジDR・DVの下方に設けられている。尚、41Y2・41M2・41C2・41K2は、カートリッジDRの下面部分51を受ける。また、41Y1・41M1・41C1・41K1は、カートリッジDVの下面部分404を受ける(図10(b))。
【0118】
位置決め部41は、カートリッジDRの駆動側の軸受部60と非駆動側の軸受部60の、及び、カートリッジDVの駆動側の軸受部61と非駆動側の軸受部61の下面部分404を受け止める。下面部分51は、ドラム1と同軸線上に設けられた円弧形状、下面部分404は現像ローラ4aと同軸線上に設けられた円弧形状である。また、位置決め部41は凹部である。そして、位置決め部41は下面部分51・404を3点で位置決めする。従って、カートリッジDRは、ドラム1を中心にして、その長手方向の一端と他端とを本体100Aに対して位置決めされる。
【0119】
また、カートリッジDVは、現像ローラ4aを中心にして、その長手方向の一端と他端とを本体100Aに対して位置決めされる。また、本実施例では、下面部分51を位置決め部41(41Y2・41M2・41C2・41K2)に嵌合させて固定する(位置決めする)ために、カートリッジDRの駆動側上面を押圧する第一押圧部材(位置決め手段)42を設けている。
【0120】
また、下面部分404を位置決め部41(第一本体側現像カートリッジ位置決め部41Y1・41M1・41C1・41K1)に嵌合させて固定する(位置決めする)。そのために、カートリッジDVの駆動側上面(斜面部401a)を押圧する第二押圧部材(位置決め手段、本体側現像カートリッジ押圧部材)410を設けている。
【0121】
押圧部材42には押圧バネ(第一弾性部材)43が、また、押圧部材410には押圧バネ(第二弾性部材、位置決め手段)411が押圧力(弾性力)を発生するために設けられている。尚、押圧部材42、押圧部材410、押圧バネ43、押圧バネ411は、カートリッジDR・DVの長手方向の駆動側一端に設けたが、これらを前記長手方向の両端に設けても良い。即ち、各カートリッジDRの非駆動側上面及び各カートリッジDVの非駆動側上面も押圧する装置構成にすることもできる。尚、これらを駆動側一端に設けることによって、駆動力を伝達する際に発生する振動を効率良く軽減することができる。
【0122】
従って、カートリッジDR・DVの本体100Aに対する位置決めを精度良く行うことができる。尚、カートリッジDRの長手方向は、ドラム1の長手方向と同じである。また、カートリッジDVの長手方向は、現像ローラ4aの長手方向と同じである。
【0123】
図11に、カートリッジDR・DVをトレイ35に装着し、本体100Aに収納した状態を示す。図を簡略化するために、押圧部材42、押圧部材410、押圧バネ43、及び、押圧バネ411はカートリッジDR・DVに対応しているもののみを記載した。トレイ35を本体100Aに収納した状態では、支持部材34Rの上面と、カートリッジDRの庇部56の下面及びカートリッジDVの庇部403の下面は、離れている。カートリッジDRCの上面部(第一被押圧部、プロセスカートリッジ側被押圧部)70が押圧部材42の押圧力(弾性力、矢示e方向)により押圧される。
【0124】
これによって、駆動側の軸受部60と非駆動側の軸受部60の下面部分51が、本体100Aに設けられた位置決め部41Cに押し付けられて嵌合している。即ち、上面部(プロセスカートリッジ側被押圧部)70は、トレイ35が内側位置Xに位置した状態で、下面部分51を位置決め部41Y2・41M2・41C2・41K2に押圧する押圧力を押圧部材42から受ける。また、ボス(被規制部)502がトレイ35に設けられた溝(規制部)35hに嵌合している。これにより、カートリッジDRCが本体100Aに対して位置決めされた状態に維持されている。
【0125】
即ち、カートリッジDRは、押圧部材42の弾性力によって、下面部分51が位置決め部41に押圧されることによって、垂直方向の移動を規制されている。また、ボス502が溝35hに嵌合することによって、下面部分51を中心にして、回転するのを規制されている。従って、カートリッジDRは、本体100Aに対して位置決めされている(固定されている)。この際に、庇部56は、枠35e・35dから僅かに離れるか、若しくは、枠35e・35dに軽く接触している。
【0126】
従って、庇部56が、カートリッジDRの本体100Aに対する位置決めを阻害することはない。尚、軸受部60の下面部分51は、ドラム1、及び、カップリング嵌合部(カップリングギア)53と同心円(同軸線上)の形状である。そのため、溝35hの位置精度によらずに、ドラム1、及び、カップリング嵌合部53は、本体100Aに対して、精度良く位置決めされる。他のカートリッジDRY・DRM・DRKの場合も同様の構成である。
【0127】
前述した、押圧部材42、押圧バネ43、及び、位置決め部41が、トレイ35が内側位置Xに位置している際に、カートリッジDRを本体100Aに位置決めするための位置決め手段である。
【0128】
カートリッジDVCは、枠体401の上面401bであって、対となったカートリッジDRCとは反対側に斜面部(第二被押圧部)401aが設けられている(図11)。斜面部401aは、上面401bから側面401に向かって下方に傾斜している。ここで、側面401はカートリッジDRCの短手方向の一端側であって、対となったカートリッジDRCとは反対側に設けられている。即ち、斜面部(現像カートリッジ側被押圧部)401aは、現像ローラ4aの長手方向と直交する短手方向であって、カートリッジDRが支持されているのとは反対側の一端側に前記長手方向に沿って設けられている。
【0129】
そして、カートリッジDVの上面から前記一端に向かって下降している。ここで、斜面部401aは、トレイ35が内側位置Xに位置した状態で、押圧力を押圧部材(現像カートリッジ側被押圧)42から受ける。即ち、下面部分51を位置決め部41Y1・41M1・41C1・41K1に押圧するための、かつ、カートリッジDVに、現像ローラ4aがドラム1を押圧する方向に回転する回転モーメントを付与するための、押圧力を押圧部材42から受ける。押圧部材(本体側現像カートリッジ押圧部材)410はその斜面部401aに当接してカートリッジDVCに押圧力(弾性力、矢示f方向)を与えている。
【0130】
カートリッジDVCは、押圧部材410による押圧力の鉛直成分により、駆動側の軸受部61と非駆動側の軸受部61の下面部分404が、本体100Aに設けられた位置決め部41Cに押し付けられて嵌合している。また、カートリッジDVCは、前記押圧力の水平成分により、前記嵌合部を回転中心として、カートリッジDRC側に回転する。前記嵌合部とは、下面部分404が位置決め部41Cに嵌合している部分である。これによって、現像ローラ4aがドラム1に長手方向にわたって接触する。本実施例は、所謂接触現像である。
【0131】
前述した通り、押圧部材(本体側現像カートリッジ押圧部材)410は、トレイ35が内側位置Xに位置した状態で位置決め部41を押圧する。即ち、カートリッジDVの有する下面部分(第一現像カートリッジ側被位置決め部)404を位置決め部41Y1・41M1・41C1・41K1に押圧する(前記垂直成分)。かつ、押圧部材410は、カートリッジDVに、現像ローラ4aがドラム1を押圧する方向に回転する回転モーメント(前記水平成分)を付与する。
【0132】
前述した通り、ドア31の閉じ動作に連動して、支持部材は34L・34R及びトレイ支持部材35が斜め奥側に下降すると、カートリッジDVの斜面部401aが押圧部材410によって押圧される位置に達する。よって押圧部材410がカートリッジDVの斜面部401aを押圧する。尚、本実施例によれば、押圧部材410は、カートリッジDRの斜面部401aを常に押圧する押圧位置に位置している。しかしながら、これに限定されずに、押圧部材410は、押圧部材42と同様に、押圧位置と退避位置とをとるようにしても良い。この例を、前述した第2の実施例で説明している。
【0133】
前記押圧力の水平成分を適正化することで、現像ローラ4aは適正な押圧力でもってドラム1に押圧される。また、カートリッジDVCの軸受け部61の下面部分404は、軸受け部61と同心円の形状である。即ち、下面部分404は軸受け部61(現像ローラ4a)と同軸線上である。従って、カートリッジDVCは、現像ローラ4aを中心にして、本体100Aに位置決めされる。また、前記押圧力の水平成分の大小によらず、カップリング嵌合部54は本体100Aに対して精度良く位置決めされる。
【0134】
次に、カートリッジDVの本体100Aに対する位置決めについて説明する。即ち、カートリッジDVは、押圧部材410が斜面部401aを押圧する弾性力の鉛直成分によって、下面部分404が位置決め部41に押圧されている。また、カートリッジDVは、前記弾性力の水平成分により、下面部分404を中心にして、カートリッジDR側(図17(a)の矢示g方向)に回転モーメントが与えられている。
【0135】
尚、ボス(第二現像カートリッジ側被位置決め部)412は溝部(第一支持部材側規制部)35iにゆるく嵌合している。これによって、カートリッジDVが下面部分404を中心にして、回転するのを許容する。ボス(第二現像カートリッジ側被位置決め部)412は、カートリッジDVがトレイ35に支持された状態で、庇部403の下方に設けられている。そして、ボス412は、トレイ35に設けられた溝部(第一支持部材側規制部)35iに緩く嵌合しており、カートリッジDVが、現像ローラ4aがドラム1を押圧する方向に回転するのを許容する。
【0136】
これによって、現像ローラ4aがドラム1に押圧している。この状態で、カートリッジDVは、本体100aに位置決めされる(固定される)。この際に、庇部403は、枠35e・35dから僅かに離れるか、若しくは、枠35e・35dに軽く接触している。従って、庇部403が、カートリッジDVの本体100Aに対する位置決めを阻害することはない。
【0137】
他のカートリッジDVY・DVM・DVKの場合も同様の構成である。前述した通り、押圧部材410、押圧バネ411、位置決め部41が、トレイ35が内側位置Xに位置する際に、カートリッジDVを本体100Aに位置決めするための位置決め手段である。
【0138】
図12の(a)・(b)は、本体100Aに設けられたドラム駆動カップリング(ドラム駆動出力部)39及び現像駆動カップリング(現像駆動出力部)40の拡大図である。図面を簡略化するために、カートリッジDR・DVは不図示としている。押圧部材42は、支軸44を中心に回動可能に本体100Aに設けられている。そして、図12の(a)に示す押圧状態(ドア31−閉じ状態)では、押圧バネ(弾性部材)43のバネ力(弾性力)によって、カートリッジDRの駆動側上面(被押圧部)70をレバー部45で押圧している。
【0139】
図12の(b)に示す押圧解除状態(ドア31−開き状態)では、トレイ支持部材34Rに設けられた押圧部材押し上げ部46によって、レバー部45が押し上げられる。これによって、カートリッジDRへの押圧がトレイ支持部材34Rの動きに連動して解除される。即ち、支持部材34Rの移動に連動して、レバー部45の先端部45aが押し上げ部46によって押し上げられる。これによって、押圧部材42によるカートリッジDRへの押圧が解除される(図12(a)(b))。
【0140】
また、カップリング39をカップリング嵌合部(ドラム駆動入力部)53から解除する。且つ、カップリング40をカップリング嵌合部(現像駆動入力部)54から解除する。そのために、解除レバー48(カートリッジの駆動を切断する駆動切断手段)が、カップリング39に対して回転可能に設けられている。
【0141】
そして、支保持部材34Rの動きに連動して、レバー48に設けられたピン部47が、図12の(a)の位置から(b)の位置に移動する。これによるレバー48の動作によって、(b)の位置にカップリング39・40が後退する。すなわち、カートリッジDR・DVのカップリング嵌合部53・54に対するドカップリング39・40の係合が解除される。
【0142】
図12の(b)に示すように、カップリング39・40と、押圧部材42が支持部材34R・34Lの動きに連動して解除された状態においては、トレイ35は支持部材34L・34Rに沿って自由にスライドできる。したがって、トレイ35はカートリッジを乗せて本体100Aへ収納・引き出しを行うことができる。
【0143】
前述した通り、押圧部材42は、ドア31の閉じ動作に連動して、支持部材は34L・34R及びトレイ支持部材35が斜め奥側に下降する工程で、押し上げ部46がレバー部45の先端部45aから離れる(図12(a))。これによって押圧部材42は、バネ43の弾性力によって押圧位置に位置する。これによって、押圧部材42がカートリッジDRの上部70を押圧する。
【0144】
尚、押圧部材42は、ドア31の開放動作に連動して、支持部材は34L・34R及びトレイ支持部材35が斜め手前側に上昇する工程で、押し上げ部46がレバー部45の先端部45aと接触する(図12(b))。これによって、押圧部材42は、退避位置に位置する。
【0145】
尚、本実施例においては、トレイ35が位置Xにあるとき、各カートリッジDVが位置決め手段410・411・41によって位置決めされた状態を解除する位置決め解除手段は特には設けていない。本実施例においては、トレイ35が引き出されたときには、各カートリッジDVの押圧部材410は、移動するカートリッジDVにより蹴られて支軸44を中心に押圧バネ411を縮めながらトレイ35の引き出し方向(矢示a方向)に順方向に回動する。これにより、各カートリッジDVは押圧部材410の下をくぐって通過していく。
【0146】
反対に、トレイ35が収納方向に移動したときには、カートリッジDVの押圧部材410は、移動するカートリッジDVにより蹴られて支軸44を中心に押圧バネ411を伸ばしながらトレイ35の押し込み移動方向(矢示b方向)に回動する。これにより、各カートリッジDVは各押圧部材410の下をくぐって通過していく。
【0147】
そして、トレイ35が位置Xに最終的に位置した状態においては、カートリッジDVの斜面部401aに対して対応した押圧部材410が押し当った状態になる。これにより、各カートリッジDVが対応の押圧部材(弾性部材)410の押圧力(弾性力)でもって、本体100Aに対して位置決めされた状態に維持される。
【0148】
以上説明したように、本実施例の装置100は、引き出し方式の構成において、カートリッジDR・DVが別々にどちらを先にしても交換することができる。かつ、ビスや部品(位置決め支持軸、ノブ)を取り外さなくてもカートリッジDR・DVを交換することができる。これにより、使用者が、カートリッジDR・DVの内、交換する必要のある方だけを簡単に交換することができる。
【0149】
[実施例2]
本実施例は、上記の実施例1の装置100において、トレイ35が位置Xにあるときに、各カートリッジDVを位置決め手段410・411・41により位置決めした状態を解除する位置決め解除手段500を設けたものである。本実施例では、押圧部材410によるカートリッジDVへの押圧力を解除する手段を有する。
【0150】
これにより、トレイ35を本体100Aに挿入する際に、予め押圧力を解除することができる。従って、使用者がトレイ35を挿入する際に要する操作力を低減し、良好なユーザビリティを得ることができる。さらに、現像ローラ4aがドラム1に長時間、同位相で押圧された場合に発生するクリープ変形による画像不良を防止することができる。
【0151】
図13に、カートリッジDRC・DVCをトレイ35に装着し、本体100Aに収納した状態を示す。カートリッジDRCは押圧部材42により、またカートリッジDVCは押圧部材410により押圧された状態である。図11に示した実施例と異なるのは、本体100Aに設けられた支持板金420に、トレイ35の移動方向に水平にスライド自在に支持された解除レバー421(図14)を設けたことである。
【0152】
図14に、カートリッジDRC・DVC付近の拡大図を示す。図面を簡略化するために、トレイ35、支持部材34R、支持板金420、ステー部材81L・81R、カートリッジDRC・DVCに対応しない押圧部材42・押圧部材410は図示しない。図14の(a)は、図13と同様に、カートリッジDVCが押圧部材410に押圧された状態を示す。駆動源(不図示)からの駆動力をギア426(図15)を介して解除カム423に伝達し、カム423を180度回転させる。
【0153】
これによって、レバー421が図14の(b)で示される位置に水平移動(後方移動)する。これによって、レバー421に設けられた突起部421Eが、押圧レバー410を押圧バネ411の弾性力に抗して回動させる。これにより、レバー410がカートリッジDVC(斜面部401a)から離間して、カートリッジDVCに対する押圧力が解除される。他のカートリッジDVY・DVM・DVKの場合も同様の構成である。
【0154】
図15は、図14のA矢視図であり、カム423を回転させて、レバー421をトレイ35の移動方向に水平移動させる駆動機構501を示す。図15の(a)は、図14の(a)に対応するカートリッジDVCが押圧部材410により押圧された状態を示す図である。図15の(b)は、図14の(b)に対応するカートリッジDVCの押圧部材410による押圧力が解除された状態を示す図である。図16の(a)は、図15の(a)のA矢視図であり、駆動機構501の主要部分を拡大して示す。
【0155】
レバー421のスリット部421A・421Bは、支持板金420の切り起こし部420A・420Bに嵌合している。これにより、レバー421は、板金420に対して前後方向に水平にスライド自在に支持されている。切り起こし部420Aにはフック形状部420A1が設けられている。そして、レバー421に設けられたフック部421Cとの間にコイルバネ(弾性部材)425が連結されている。
【0156】
駆動手段501の主要な構成要素を説明する。駆動手段501は、駆動源(不図示)から駆動力を伝達される駆動ギア426、駆動ギア426から駆動力を伝達される、欠歯部分を有する欠歯ギア427・欠歯ギア428を有する。また、駆動手段501は、ギア427のカム部427Aを、ネジリコイルバネ(弾性部材)429から受ける弾性力により押圧する押圧レバー430、及び、ギア428に設けられた爪部を係合することで、ギア427を1回転制御する電磁ソレノイド431を有する。
【0157】
また、駆動手段501は、ギア427と一体で回転するように係合された駆動ギア432、ギア432により駆動され、軸424を介して、解除カム423(図14)と一体に回転するカムギア433を有する。また、駆動手段501は、レバー421のフラグ部421Cの移動により、遮光される、あるいは、遮光されない位置に配置されたフォトインタラプタ434を有する。
【0158】
図16の(a)を用いて、ソレノイド431とギア427とギア428による1回転制御の動作を説明する。電源入力がONされ、ソレノイド431のフラッパが引かれると、フラッパとギア428の爪部(不図示)との係合が解除される。そして、ギア427とギア428の内部にわたって設けられているコイルバネ(不図示)の押圧力により、ギア428とギア426が噛み合う。ギア428が所定角度駆動回転されるとストッパ部(不図示)と係合する。これによって、ギア427が回転し、駆動ギア432も一体で回転し、カムギア433を駆動回転させる。
【0159】
ギア428が1回転すると、電源入力がOFFされたソレノイド431のフラッパと前記爪部(不図示)が係合し、回転が停止する。また、レバー430により、同じ回転位相にてギア428の回転も停止する。尚、ギア427・428の歯数は等しく、カムギア433の歯数の1/2である。従って、ソレノイド431の電源ON/OFFにより、ギア433は180度回転し、押圧状態と押圧解除状態が切り替えられる。
【0160】
図15の(a)と(b)で示すように、フォトインタラプタ434は、レバー421に設けられたフラグ部421Cにより、押圧状態では遮光、押圧解除状態では遮光されない。従って、フォトインタラプタ434は、押圧状態、押圧解除状態のいずれかを検知できる。
【0161】
位置決め解除手段500による押圧部材410の位置決め状態と位置決め解除状態の切り換え制御は、回路部200が、設定されているプログラムにより自動的に行う。回路部200は、常時(非画像形成時:プリンタ停止)は位置決め解除手段500を、押圧部材410が位置決め解除状態に維持されるように制御し、画像形成時(プリント時:プリンタ稼動時)は押圧部材410、が位置決め状態に保持されるように制御する。
【0162】
本実施例では、押圧部材410によるカートリッジDVへの押圧力を解除する手段を有する。これにより、トレイ35を本体100Aに挿入する際に、予め押圧力を解除することができる。従って、使用者がトレイ35を挿入する際に要する操作力を低減し、良好なユーザビリティを得ることができる。さらに、現像ローラ4aがドラム1によって長時間押圧された場合に発生するクリープ変形を防止することができる。
【0163】
しかしながら、現像ローラ4aの材質によっては、現像ローラ4aがドラム1によって長時間押圧された場合であっても、クリープ変形が発生しない場合がある。従って、解除手段500は必ずしも必要なものではないが、解除手段500を設けることによって、前述した効果を得ることができる。
【0164】
[実施例3]
本実施例3においては、実施例2で示した位置決め解除手段500により、押圧部材410によるカートリッジDVへの押圧力を解除した際に、現像ローラ4aとドラム1を離間する手段を示す。即ち、トレイ35が位置Xに位置する際に、カートリッジDRの有するドラム1とカートリッジDVの有する現像ローラ4aとを離間する方向へ弾性力を付与する弾性力付与部材について説明する。
【0165】
本実施例によれば、現像するタイミング(画像形成時)のみ、現像ローラ4aをドラム1に接触し、押圧させることができる。即ち、現像する時以外は、現像ローラ4aをドラム1から離間させることができる。これにより、現像ローラ4aとドラム1の磨耗を最小限に抑えることができる。尚、現像ローラ4aとドラム1は、離間しなくても、現像時(画像形成時)よりも軽く接触させるようにしても良い。
【0166】
図16の(b)にカートリッジDVCの駆動側の拡大図を示す。カートリッジDVCの枠体401に回動可能に取り付けられた離間レバー450、離間レバー450を介して、カートリッジDVCをカートリッジDRCから離間させる方向に力(弾性力)を付与するコイルバネ(弾性部材)451が設けられている。レバー450とバネ451が弾性力付与部材である。図16(b)に示すとおり、レバー450は、軸450aに回転可能に支持されている。バネ451は、レバー450を枠体DV1の外側に向かって付勢している。
【0167】
そして、カートリッジDR・DVがトレイ35に支持された状態で、レバー450は枠体DR1を、現像ローラ4aがドラム1から離れる方向に常に押圧している。従って、ドラム1と現像ローラ4aは離れている。しかしながら、カートリッジDVは、押圧部材410によって、画像形成時は、より大きな押圧力でもって付勢されている。従って、現像ローラ4aは、ドラム1に押圧している。押圧部材410による押圧力が解除されると、レバー450の押圧力により、現像ローラ4aはドラム1から離れる(図17)。
【0168】
図17の(a)・(b)に、それぞれ、カートリッジDVCに対して押圧部材410により押圧力が付与されている状態と、押圧力が解除された状態を示す。図18の(a)は、図17の(a)の押圧状態において、カートリッジDVCの押圧により現像ローラ4aがドラム1に当接している状態を示す断面図である。図18の(b)は、図17の(b)の押圧解除状態において、現像カートリッジDVCの押圧解除により現像ローラ4aがドラム1から離間している状態を示す断面図である。
【0169】
本実施例では、ステー部材80L・81Rに軸受け部材452L・452Rを取り付けている(図17)。本実施例の場合には、位置決め部41の形状は、軸受け部材452L・452Rの外側形状に沿う形状である。
【0170】
本実施例によれば、ドラム1から現像ローラ4aが離間する離間動作を行う際に、カートリッジDVCの下面部分404が、本体100Aに設けられた位置決め部41C(図10(b))と摺擦する。これによって、下面部分404が磨耗して動作が不安定になることを防止できる。尚、他のカートリッジDVY・DVM・DVKの場合も構成は同様である。但し、軸受け部材452L・452Rを設けることは必須ではなく、下面部分404と位置決め部41の材質を適宜選択すれば良い。
【0171】
前述した構成によって、カートリッジDR・DVを装着したトレイ35が、本体100Aに収納された状態において、押圧部材410によりカートリッジDVが押圧されていない状態では、現像ローラ4aとドラム1は離間する。また、押圧された状態では、現像ローラ4aとドラム1は、適正な押圧力で押圧される。即ち、現像するタイミングのみ現像ローラ4aを感光ドラム1に接触、押圧させ、それ以外は、現像ローラ4aを感光ドラム1から離間させることができる。
【0172】
これにより、現像ローラ4aとドラム1の磨耗を最小限に抑えることができる。尚、前記弾性力付与部材は必ずしも必要なものではないが、前記弾性力付与部材を設けることによって、前述した効果を得ることができる。
【0173】
(カートリッジDR・DVの内側位置Xに対する位置決め)
前述した通り、カートリッジDR・DVの本体100aに対する位置決めは次の通り行われる。
【0174】
外側位置Yに位置するトレイ35に対して、使用者がカートリッジDR・DVを上方から落とし込む(図4(a))。カートリッジDRをトレイ35に落とし込む際には、ボス502が溝35hに嵌るように、且つ、庇部56が支持部材34R・34Lに支持されるようにする。これによって、カートリッジDRをトレイ35にラフに支持させる(図7(a)、図9(a))。ボス502は、カートリッジDRの駆動側一端部に設けられている(図8(a)、図11)。
【0175】
これによって、ドラム1を回転させる回転力を受けた際に、カートリッジDRが回転しようとするのを効率良く規制することができる。但し、ボス502は、カートリッジDRの長手方向(ドラム1の長手方向)の両端に設けても良い。また、カートリッジDVをトレイ35に落とし込む際には、ボス412が溝35iに嵌るように、且つ、庇部403が支持部材34R・34Lに支持されるようにする。これによって、カートリッジDVをトレイ35にラフに支持させる(図7(a)、図9(a))。
【0176】
ボス412は、カートリッジDVの駆動側一端部に設けられている(図8(a)、図11)。尚、カートリッジDVが押圧部材410によって押圧力を受けた際に、溝35iは、カートリッジDVが回転しようとするのを許容するようにボス412と係合している(図12、図14、図17、図18)。
【0177】
但し、ボス412は、カートリッジDVの長手方向(現像ローラ4aの長手方向)の両端に設けても良い。この際に、本実施例によれば、どちらのカートリッジDR・DVを先にしても、トレイ35に装着することができる。また、どちらのカートリッジDR・DVを先にしても、トレイ35から取り外すこともできる。
【0178】
因みに、図19(a)は、カートリッジDRを先にトレイ35に取り付け、後から、カートリッジDVをトレイ35に取り付ける場合、又は、カートリッジDVをカートリッジDRに先だってトレイ35から取り外す場合を図示している。図19(b)は、カートリッジDVを先にトレイ35に取り付け、後から、カートリッジDRをトレイ35に取り付ける場合、又は、カートリッジDRをカートリッジDVに先だってトレイ35から取り出す場合を図示している。
【0179】
尚、カートリッジDR・DVが正しい位置に装着されるように、トレイ35にイエロー色、マゼンタ色、シアン色、及び、ブラック色に応じた色を目印に付けても良い。使用者が、この目印と一致した位置にカートリッジDR・DVを装着すれば良い。
【0180】
次に、使用者がトレイ35を本体100a内に押し込む。次いで、使用者がドア31を閉じる。前述した通り、押圧部材42は、ドア31の閉じ動作に連動して、支持部材は34L・34R及びトレイ支持部材35が斜め奥側に下降する工程で、押し上げ部46がレバー部45の先端部45aから離れる。
【0181】
これによって押圧部材42は、バネ43の弾性力によって押圧位置に位置する(図12(a))。これによって、押圧部材42がカートリッジDRの上部70を押圧する。尚、押圧部材42は、ドア31の開放動作に連動して、支持部材は34L・34R及びトレイ支持部材35が斜め手前側に上昇する工程で、押し上げ部46がレバー部45の先端部45aと接触する。これによって、押圧部材42は、退避位置に位置する(図12(b))。
【0182】
また、押圧部材410は、ドア31の閉じ動作に連動して、支持部材は34L・34R及びトレイ支持部材35が斜め奥側に下降すると、カートリッジDVの斜面部401aが押圧部材410によって押圧される位置に達する。よって押圧部材410がカートリッジDVの斜面部401aを押圧する。尚、前述した第1の実施例によれば、押圧部材410は、カートリッジDRの斜面部401aを常に押圧する押圧位置に位置している。しかしながら、これに限定されずに、押圧部材410は、押圧部材42と同様に、押圧位置と退避位置とをとるようにしても良い。この例を、前述した第2の実施例で説明している。
【0183】
次に、カートリッジDRの本体100aに対する位置決めについて説明する。カートリッジDRは、押圧部材42によって上面70が押圧されると、下面部分51が本体側位置決め部41Y2・41M2・41C2・41K2に押圧する(図11、図12、図14(a)、図17(a))。即ち、各カートリッジDRは、ボス502が溝35hに嵌った状態で、かつ、下面部分51が位置決め部41Y2・41M2・41C2・41K2に押圧された状態で、本体100aに位置決めされる(固定される)(図10(b)、図11)。
【0184】
各カートリッジDRは、ボス502が溝35hにぴったり嵌った状態(但し、遊びは有する)である。そこで、本体100aからドラム1の回転力を受けた際(画像形成を行う際)にも、カートリッジDRは下面部分51を中心にして回転しようとするのを規制される。そこで、カートリッジDRは、画像形成時に本体100aに精度良く位置決めされる。
【0185】
次に、カートリッジDVの本体100aに対する位置決めについて説明する。カートリッジDVは、押圧部材410によって斜面部401aが押圧されると、下面部分404が本体側位置決め部41Y1・41M1・41C1・41K1に押圧する(図11、図12、図14(a)、図17(a))。即ち、各カートリッジDVは、次の状態で本体100aに位置決めされる。
【0186】
即ち、ボス412が溝35iにゆるく嵌った状態で、かつ、下面部分404が位置決め部41Y1・41M1・41C1・41K1に押圧された状態で、及び、現像ローラ4aがドラム1に押圧した状態で、本体100aに位置決めされる(図18(a))。
【0187】
この際に、カートリッジDVは、押圧部材410によって斜面部401aが押圧されることによって、バネ(弾性力付与部材)451の弾性力に抗して、下面部分404を中心にしてカートリッジDR側に回転する。そして、カートリッジDVは、現像ローラ4aがドラム1を押圧した状態で、本体100aに位置決めされる(図10(b)、図11)。これは、ボス412が溝35iにゆるく嵌っており、カートリッジDVが下面部分404を中心にしてカートリッジDR側に回転することを許容するためである。
【0188】
また、押圧部材410が斜面部401aを押圧することによって、垂直成分の押圧力と水平成分の押圧力が生じるからである。カートリッジDVは、前記垂直成分の押圧力によって、下面部分404が位置決め部41Y1・41M1・41C1・41K1に押圧され、かつ、前記水平成分の押圧力によって、下面部分404を中心にしてカートリッジDR側に回転する。そこで、画像形成時に本体100aに精度良く位置決めされる。
【0189】
尚、第一プロセスカートリッジ側被位置決め部(下面部分51)、及び、第一現像カートリッジ側被位置決め部(下面部分404)は、カートリッジDR・DVの長手方向において、枠体DR1・DR2の一端と他端の下面に設けた例を示した(図7、図8(a))。しかしながら、本実施例はこれ限定されない。例えば、前記被位置決め部は、枠体DR1・DR2の下面に設けなくても良い。しかしながら、下面に設けることによって、カートリッジDR・DVの構成をコンパクトにすることができる。尚、第一プロセスカートリッジ側被位置決め部は、ドラム1の軸線と同軸線上に設けることが好ましい。
【0190】
これによって、カートリッジDRをドラム1を中心にして、本体100aに位置決めすることができる。また、第一現像カートリッジ側被位置決め部は、現像ローラ4aの軸線と同軸線上に設けることが好ましい。これによって、カートリッジDVを現像ローラ4aを中心にして、本体100aに位置決めすることができる。また、プロセスカートリッジ側被支持部(庇部56)、及び、現像カートリッジ側被支持部(庇部403)は、平板形状をしました。
【0191】
しかしながら、本実施例はこれ限定されない。例えば、ボスを複数個並べても良い。しかしながら、平板形状にすることによって、カートリッジDR・DVをトレイ35に安定して支持することができる。
【0192】
また、トレイ35が外側位置Yに引き出されると、カートリッジDR・DVは、どちらを先にしても取り外すことができる。カートリッジDRを先に取り出す際には、カートリッジDRを持ち上げるとカートリッジDVが、現像ローラ4aがドラム1から離れる方向に下面部分404を中心にして回転する。よって、ドラム1と現像ローラ4aが接触していたとしても、両者が傷つくことは無い。また、カートリッジDVを先に取り出す際には、カートリッジDVを持ち上げると、現像ローラ4aがドラム1から離れる。よって、両者が傷つくことは無い。カートリッジDR・DVを取り付ける際も同様である。
【0193】
[その他の実施の形態]
1)前述した実施例では、本体100Aの設置面Fに対して水平方向に直線的に移動するトレイ35を説明した。しかしながら、本発明におけるトレイ(カートリッジ支持部材)35は、これに限定されるものではない。例えば、トレイ35は、ドラム1の長手方向と交差する方向で、本体100Aの設置面Fに対して水平方向、或いは、斜め上方、或いは、斜め下方へ直線的に移動可能であっても良い。そしてトレイ35は、引き出し位置(外側位置)Yと内側位置Xとを取り得る。
【0194】
2)トレイ35に支持させるカートリッジDR・DVのセットの数は実施例の4組に限られるものではない。カートリッジDR・DVのセットの組数を2つ或いは3つ若しくは5つ以上とすることもできる。また、実施例ではカートリッジDR・DVのセットを複数組有するカラー電子写真画像形成装置の例を示したが、これに限定されるものではない。本発明はカートリッジDR・DVのセットが1組である単色の電子写真画像形成装置にも適用可能である。
【0195】
3)ドラム1とベルト13との接離は、カートリッジDR・DVを支持したトレイ35に対して中間転写ベルトユニット12を移動させて行う方式にすることもできる。或いは、ベルトユニット12とトレイ35の両者を移動させて行う方式にすることもできる。
【0196】
4)実施例の画像形成装置において、中間転写ベルトユニット12を用紙(記録媒体)Pを保持して搬送する記録媒体搬送転写ベルトユニットにすることもできる。また、前述した実施例において、トレイ35は、カートリッジDRの有するドラム1の長手方向、及び、カートリッジDVの有する現像ローラ4aの長手方向が引き出し方向aと直交する方向に、カートリッジDR、DVを複数組並列して支持する。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。
【0197】
例えば、トレイ35は、カートリッジDRの有するドラム1の長手方向、及び、カートリッジDVの有する現像ローラ4aの長手方向が引き出し方向aと平行となる方向に、カートリッジDR、DVを複数組並列して支持しても良い。
【0198】
即ち、本発明は、各カートリッジDR、DVが、トレイ35の引き出し方向aに対して、その長手方向が沿う方向(平行な方向)にトレイ5に支持されている場合であっても、適用可能である。また、本発明によれば、引き出し方向aにおいて最下流側に位置するカートリッジ対DVK、DRKをトレイ35に対して着脱する際には、トレイ35全体が装置本体100Aの外側に位置していなくても良い。このような場合であっても、トレイ35はカートリッジDV、DRが内側位置Xに位置する場合よりも外側方向に向かって引き出されている。
【0199】
したがって、カートリッジDV、DRは内側位置Xに位置する場合よりも、装置本体100Aの手前側に引き出されているので、使用者がカートリッジDV、DRの交換を行い易い。
【0200】
また、本発明は、トレイ35が直線的に移動する場合のみならず、回動する場合であっても含まれる。なぜならば、トレイ35に対する着脱操作性が向上するからである。また、前述した実施例では、押圧部材410の押圧力によって、現像ローラ4aとドラム1が接触した構成を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、現像ローラ4aにの一端と他端とに設けたスペーサ(不図示)を介して、現像ローラ4aをドラム1に押圧しても良い。この場合には、現像ローラ4aはドラム1と間隔をあけた状態で、ドラム1に押圧される。
【0201】
前述した実施例によれば、トレイ35から、カートリッジDV・DRを取り外す取り外し操作性を向上させることができた。また、トレイ35から、カートリッジDV・DRを取り外す際に、各々別々に取り外すことができ、かつ、取り外しの順番を規定されない。また、トレイ35から、カートリッジDV・DRを取り外す際に、各々別々に取り外すことができ、かつ、どちらを先にしても取り外すことができる。
【0202】
また、装置100の使用者自身でもって、トレイ35から、カートリッジDV・DRを各々別々に取り外すことができる。また、前述した実施例によれば、トレイ35に、カートリッジDV・DRを取り付ける際にも同様な効果が得られる。
【0203】
前述した実施例によれば、前述した効果を得る画像形成装置100を提供することができた。また、前述した実施例によれば、前述した効果を得るカートリッジDR・DVを提供することができた。
【符号の説明】
【0204】
100・・電子写真画像形成装置、100A・・装置本体、DR(DRY・DRM・DRC・DRK)・・ドラムカートリッジ(プロセスカートリッジ)、DV(DVY・DVM・DVC・DVK)・・現像カートリッジ、P・・用紙(記録媒体)、1・・電子写真感光体ドラム、4a・・現像ローラ(現像手段)、4・・現像剤収容容器、12・・中間転写ベルトユニット、22・・二次転写ローラ、30・・開口部、31・・ドア(開閉部材)、34L・34R・・トレイ支持部材(移動部材)、35・・トレイ(カートリッジ支持部材)、80L・80R・・メインフレーム、42・・ドラムカートリッジ押圧部材、410・・現像カートリッジ押圧部材、51・・ドラムカートリッジ位置決め部(ドラムカートリッジ被位置決め部)、404・・現像カートリッジ位置決め部(現像カートリッジ被位置決め部)、421・・解除レバー、450・・離間レバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真感光体ドラムと、前記電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段とを有して、電子写真画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着されるプロセスカートリッジと、
前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像剤を用いて現像するための現像ローラと、前記現像剤を収容する現像剤収容部とを有して、前記装置本体に取り外し可能に装着される現像カートリッジと、
少なくとも一対の前記プロセスカートリッジと前記現像カートリッジとを支持して、前記装置本体の内側に位置する内側位置であって、前記一対の前記プロセスカートリッジと前記現像カートリッジとを画像形成位置に位置させる前記内側位置と、前記装置本体の外側に位置する外側位置であって、前記プロセスカートリッジと前記現像カートリッジの着脱を行う前記外側位置と、の間を移動するカートリッジ支持部材と、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記現像カートリッジを前記装置本体に位置決めするための、前記装置本体に設けられた第一本体側現像カートリッジ位置決め部と、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記現像カートリッジの有する第一被位置決め部を前記第一本体側現像カートリッジ位置決め部に押圧するための、かつ、前記現像カートリッジに前記現像ローラが前記電子写真感光体ドラムを押圧する方向に回転する回転モーメントを付与する、前記装置本体に設けられた本体側現像カートリッジ押圧部材と、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記現像カートリッジを前記装置本体に位置決めするための、前記第一本体側現像カートリッジ位置決め部に位置決めされる第一現像カートリッジ側被位置決め部と、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記第一現像カートリッジ側被位置決め部を前記第一本体側現像カートリッジ位置決め部に押圧するための、かつ、前記現像カートリッジに、前記現像ローラが前記電子写真感光体ドラムを押圧する方向に回転する回転モーメントを付与するための押圧力を前記本体側現像カートリッジ押圧部材から受ける現像カートリッジ側被押圧部と、
前記プロセスカートリッジを前記装置本体に位置決めするための、前記装置本体に設けられた第一本体側プロセスカートリッジ位置決め部と、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記装置本体に設けられた本体側プロセスカートリッジ押圧部材と、
を有する電子写真画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着される前記プロセスカートリッジであって、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記プロセスカートリッジが前記本体側プロセスカートリッジ押圧部材によって押圧されることによって、前記第一本体側プロセスカートリッジ位置決め部に押圧される第一プロセスカートリッジ側被位置決め部と、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記プロセスカートリッジが前記装置本体から前記電子写真感光体ドラムを回転させる回転力を受けた際に、前記プロセスカートリッジの有する第二プロセスカートリッジ側被位置決め部の移動を規制することによって、前記プロセスカートリッジが前記第一プロセスカートリッジ側被位置決め部を中心にして回転するのを規制するための、前記装置本体に設けられた第二本体側プロセスカートリッジ位置決め部と、
を有し、前記カートリッジ支持部材に前記現像カートリッジとは各々別々に取り付ける、及び、前記カートリッジ支持部材から取り外すことを可能に構成していることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
前記第二プロセスカートリッジ側被位置決め部は、前記プロセスカートリッジが前記カートリッジ支持部材に支持された状態で、前記プロセスカートリッジを前記カートリッジ支持部材に支持するための、プロセスカートリッジに設けられたプロセスカートリッジ側被支持部の下方に設けられており、前記第二プロセスカートリッジ側被位置決め部は前記カートリッジ支持部材に設けられた第二支持部材側規制部に嵌合するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】
電子写真感光体ドラムと、前記電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段とを有して、電子写真画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着されるプロセスカートリッジと、
前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像剤を用いて現像するための現像ローラと、前記現像剤を収容する現像剤収容部とを有して、前記装置本体に取り外し可能に装着される現像カートリッジと、
少なくとも一対の前記プロセスカートリッジと前記現像カートリッジとを支持して、前記装置本体の内側に位置する内側位置であって、前記一対の前記プロセスカートリッジと前記現像カートリッジとを画像形成位置に位置させる前記内側位置と、前記装置本体の外側に位置する外側位置であって、前記プロセスカートリッジと前記現像カートリッジの着脱を行う前記外側位置と、の間を移動するカートリッジ支持部材と、
前記プロセスカートリッジを前記装置本体に位置決めするための、前記装置本体に設けられた第一本体側プロセスカートリッジ位置決め部と、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記プロセスカートリッジの有する第一プロセスカートリッジ側被位置決め部を前記第一本体側プロセスカートリッジ位置決め部に押圧するための、前記装置本体に設けられた本体側プロセスカートリッジ押圧部材と、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記プロセスカートリッジが前記本体側プロセスカートリッジ押圧部材によって押圧されることによって、前記第一本体側プロセスカートリッジ位置決め部に押圧される第一プロセスカートリッジ側被位置決め部と、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記プロセスカートリッジが前記装置本体から前記電子写真感光体ドラムを回転させる回転力を受けた際に、前記プロセスカートリッジの有する第二プロセスカートリッジ側被位置決め部の移動を規制することによって、前記プロセスカートリッジが前記第一プロセスカートリッジ側被位置決め部を中心にして回転するのを規制するための、前記装置本体に設けられた第二本体側プロセスカートリッジ位置決め部と、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記現像カートリッジを前記装置本体に位置決めするための、前記装置本体に設けられた第一本体側現像カートリッジ位置決め部と、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記現像カートリッジの有する第一被位置決め部を前記第一本体側現像カートリッジ位置決め部に押圧するための、かつ、前記現像カートリッジに前記現像ローラが前記電子写真感光体ドラムを押圧する方向に回転する回転モーメントを付与する、前記装置本体に設けられた本体側現像カートリッジ押圧部材と、
を有する電子写真画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着される前記現像カートリッジであって、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記現像カートリッジを前記装置本体に位置決めするための、前記第一本体側現像カートリッジ位置決め部に位置決めされる第一現像カートリッジ側被位置決め部と、
前記カートリッジ支持部材が前記内側位置に位置した状態で、前記第一現像カートリッジ側被位置決め部を前記第一本体側現像カートリッジ位置決め部に押圧するための、かつ、前記現像カートリッジに、前記現像ローラが前記電子写真感光体ドラムを押圧する方向に回転する回転モーメントを付与するための押圧力を前記本体側現像カートリッジ押圧部材から受ける現像カートリッジ側被押圧部と、
を有し、前記カートリッジ支持部材に前記プロセスカートリッジとは各々別々に取り付ける、及び、前記カートリッジ支持部材から取り外すことを可能に構成していることを特徴とする現像カートリッジ。
【請求項4】
前記現像カートリッジは、前記本体側現像カートリッジ押圧部材によって押圧される、前記現像ローラの長手方向と直交する短手方向であって、前記プロセスカートリッジが支持されているのとは反対側の一端側に前記長手方向に沿って設けられた、前記現像カートリッジの上面から前記一端に向かって下降する斜面を有することを特徴とする請求項3に記載の現像カートリッジ。
【請求項5】
前記現像カートリッジは、前記現像カートリッジが前記カートリッジ支持部材に支持された状態で、前記現像カートリッジを前記カートリッジ支持部材に支持するための、前記現像カートリッジに設けられている現像カートリッジ側被支持部の下方に設けられた第二現像カートリッジ側被位置決め部を有し、前記第二現像カートリッジ側被位置決め部は前記カートリッジ支持部材に設けられた第一支持部材側規制部に緩く嵌合しており、前記現像カートリッジが、前記現像ローラが前記電子写真感光体ドラムを押圧する方向に回転するのを許容するよう構成されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の現像カートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−154395(P2011−154395A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83582(P2011−83582)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【分割の表示】特願2010−255787(P2010−255787)の分割
【原出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】