プロセスカートリッジ分解方法
【解決課題】 プロセスカートリッジを構成する2つの筐体を連結する結合部材であって、脱落するのを確実に防止した構造の結合ピンを、帯電ロール等の機能部材を傷つけることなく、分解可能とするプロセスカートリッジ解体方法を提供する事を課題とする。
【解決手段】露光用開口部から超音波振動した刃をもつ切削手段を挿入し、結合ピンの規制部材を切削除去することにより、アクセス可能となった、結合ピンにピン押出し冶具を露光用開口部から挿入し、所定の圧力で結合ピンを押圧し、筐体外側に結合ピンを押出す工程を構成する事で、課題を解決した。
【解決手段】露光用開口部から超音波振動した刃をもつ切削手段を挿入し、結合ピンの規制部材を切削除去することにより、アクセス可能となった、結合ピンにピン押出し冶具を露光用開口部から挿入し、所定の圧力で結合ピンを押圧し、筐体外側に結合ピンを押出す工程を構成する事で、課題を解決した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機またはファクシミリなどの画像形成装置の着脱可能なプロセスカートリッジの分解方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真技術を用いた画像形成装置においては、電子写真感光体(像坦持体)及び電子写真感光体に作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化してカートリッジを画像形成装置に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。
このようなプロセスカートリッジにおいては、たとえば少なくとも電子写真感光体を支持する第1筐体と、少なくとも現像装置を支持する第2筐体を回転可能に、結合ピンで結合することが行われている。
そして、輸送時、落下時の振動衝撃による前記結合ピンの脱落を防止する目的で、筐体内側には、結合ピンの移動を規制する部材を設け、更には、筐体外側には、ユーザーが結合ピンを誤って抜かないようにキャップ部材を溶着等の手段により、固着し、結合ピンの脱落防止を完全なものとしている。
(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−22250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したように、結合ピンが、最終的には、外側から封止されると共に、筐体内側にも移動規制部材を設ける事により、脱落防止という観点では、良好となったが、リサイクル時に結合ピンを第1筐体及び第2筐体より脱離させにくくなってしまい、リサイクルの効率が悪くなるという問題を有していた。
特に、内側に設けられた規制部材は、第1筐体及び第2筐体の内部にあり、当該規制部品へのアクセスが困難であると共に、近傍に再使用可能な機能部材が存在しているため、前記機能部材を傷つける事なく当該規制部品を除去する事が非常に困難なものとなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の第1の特徴とするところは、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、像坦持体と、現像装置と、少なくとも前記像坦持体を支持する第1筐体と、少なくとも前記現像装置を支持する第2筐体と、前記第1筐体と第2筐体を互いに回動自在に連結する結合部材と、前記結合部材が軸方向の少なくとも一方に移動するのを規制する規制部材と、を有するプロセスカートリッジ分解方法において、前記規制部材を除去する工程と前記結合部材を抜き取る工程とからなることを特徴とするものである。
これにより、トナー使用後に、プロセスカートリッジを破棄することなく、
分解することが可能となり、リサイクルが容易に行えるようになる。
【0006】
好ましくは、前記規制部材の除去工程においては、前記プロセスカートリッジの像担持体への露光用開口部から除去手段を挿入し、除去することとする。
これにより、前記第1筐体と第2筐体の一部を破壊する事なく、規制部材にアクセスすることができ、除去手段により、除去することが可能となり、分解時に抜き取りが必要な結合部材に容易にアクセスできるようになる。
【0007】
好ましくは、規制部材除去手段は、刃に振動を与えた切削手段であることとする。このようにすることによって、規制部材除去のために、刃自体を大きく動かすことがないので、規制部材の近傍にある、感光体、現像ロールに傷を付けることなく、規制部材の除去が可能となる。
【0008】
本発明の第2の特徴とするところは、前記第1筐体と第2筐体の内側部分に前記規制部材を設け、その外側部分には、結合部材を封止する封止手段を有するプロセスカートリッジの分解において、前記規制部材を除去する工程と前記封止手段を除去する工程と前記結合部材の抜き取る工程からなることを特徴とするものである。このようにすることによって、筐体外側に、ユーザーが結合ピンを誤って抜かないようにキャップ部材等の封止手段を設けている場合であっても、規制部材を除去し、封止手段を除去することで、結合部材が抜き取る事が可能となり、トナー使用後に、プロセスカートリッジを破棄することなく、リサイクルが容易に行えるようになる。
【0009】
更に、好ましくは、前記プロセスカートリッジの分解方法は、前記規制部材を除去する工程、前記封止手段を除去する工程後に、前記結合部材を規制部材側から押出す工程と押出された結合部材を前記カートリッジ外側から抜き取る工程からなることとする。このようにすることによって、筐体外側に、ユーザーが結合ピンを誤って抜かないようにキャップ部材等の封止手段を設けている場合であっても、封止手段を除去し、規制部材を除去することで、筐体内側から、結合部材を押出し、押出された結合部材を前記カートリッジ外側から抜き取ることで、容易にプロセスカートリッジを分解でき、リサイクルが容易に行えるようになる。
【0010】
その際、好ましくは、上述したものと同様に、規制部材除去手段は、刃に振動を与えた切削手段であることとする。このようにすることによって、規制部材除去のために、刃自体を大きく動かすことがないので、規制部材の近傍にある、感光体、現像ロールに傷を付けることなく、規制部材の除去が可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、プロセスカートリッジを構成する2つの筐体を連結する脱落するのを確実に防止可能とした結合部材を他の機能部材を傷つけることなく、分解可能とするプロセスカートリッジ解体方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図2はこの発明の実施の形態1に係るプロセスカートリッジを適用した画像形成装置としての電子写真方式のプリンタを示す概略構成図である。
【0013】
図2において、1はプリンタの本体を示すものであり、このプリンタ本体1の内部には、外部から入力される画像情報に対して所定の画像処理を施す画像処理部2と、当該画像処理部2によって所定の画像処理が施された画像情報に基づいて画像を出力する画像出力部3とが配設されている。上記プリンタ本体1内の画像処理部2には、図示しないパーソナルコンピュータ等のホストコンピュータ、あるいは電話回線やLAN等の通信回線を介して送られてくる画像情報や、図示しない画像読取装置によって読み取られた画像情報などが入力されるようになっている。
【0014】
上記プリンタ本体1内の画像出力部3には、画像処理部2によって所定の画像処理が施された画像情報に基づいて画像露光を行う露光装置4が配置されており、この露光装置4では、画像情報に応じて光ビームLBによる走査露光が行なわれる。
【0015】
上記露光装置4では、図示しない半導体レーザーから光ビームLBが画像情報の階調データに応じて出射される。この半導体レーザーから出射された光ビームLBは、回転多面鏡5によって偏向走査され、反射ミラー6、7を介して静電潜像担持体としての感光体ドラム8上に走査される。
【0016】
上記露光装置4によって光ビーム光LBが走査露光される感光体ドラム8としては、例えば、有機系の光導電性物質を用いた負帯電性の感光体が使用され、当該感光体ドラム8は、図示しない駆動手段によって矢印方向に沿って所定の速度で回転駆動されるようになっている。この感光体ドラム8の表面は、図2に示すように、予め帯電手段としての帯電ロール9によって所定の電位に一様に帯電された後、画像情報に応じて光ビームLBが走査露光されることによって静電潜像が形成される。上記感光体ドラム8上に形成された静電潜像は、現像手段としての現像装置10の現像ロール11によって現像され、トナー像となる。
【0017】
上記感光体ドラム8上に形成されたトナー像は、当該感光体ドラム8に接触するように配置された転写ロール12によって記録媒体としての記録用紙13上に転写されるとともに、このトナー像が転写された記録用紙13は、針状電極からなる分離帯電器14により除電されて感光体ドラム8から分離される。この針状電極からなる分離帯電器14には、AC電圧、又はDC電圧を重畳したAC電圧が印加されるようになっている。上記記録用紙13は、図2に示すように、プリンタ本体1内の下部に配置された用紙カセット15から、フィ
ードロール16によって1枚ずつ分離された状態で給紙される。この給紙された記録用紙13は、レジストロール17によって感光体ドラム8の表面まで、所定のタイミングで搬送される。
【0018】
また、上記感光体ドラム8上からトナー像が転写された記録用紙13は、上述したように、針状電極からなる分離帯電器14により除電されて感光体ドラム8の表面から分離された後、トランスポートシュート21を介して定着ユニット22へ搬送される。上記感光体ドラム8の表面から分離された記録用紙13は、定着ユニット22の加熱ロール23及び加圧ロール24によって熱及び圧力でトナー像が、当該記録用紙13上に定着された後、排出ロール25によってプリンタ本体1の上部に設けられた排出トレイ26上に排出されて、画像形成工程が終了する。
【0019】
このように構成されるプリンタでは、図2に示すように、メンテナンス性の向上等のため、感光体ドラム8、及びその周辺の現像装置10やクリーニング装置28等が、プロセスカートリッジ30として一体的にユニット化されており、このプロセスカートリッジ30は、プリンタ本体1に対して一体的に着脱可能となっている。上記プロセスカートリッジ30は、一部が排出トレイ26を兼ねた上部カバーを開くことによって、プリンタ本体1の上方に引き上げることが可能となっており、プリンタ本体1に対して着脱可能に装着されている。さらに、上記プロセスカートリッジ30は、感光体ドラム8の劣化時期や、現像装置10内の現像剤が消費される時期がほぼ同じ時期となるように設定されており、感光体ドラム8が磨耗して劣化した場合や、現像装置10内の現像剤が消費された場合に、感光体ドラム8や現像装置10を個々に新しいものと交換するのではなく、プロセスカートリッジ30全体として、感光体ドラム8や現像装置10等をプリンタ本体1から一体的に脱着して新しいものと交換することにより、メンテナンス性を向上することが可能となっている。
【0020】
近年では、環境保護の要請から、交換されたプロセスカートリッジを分解、清掃し、再使用可能な部品を再利用するリサイクルが盛んに行われている。ところで、実施の形態では、プロセスカートリッジが、少なくとも感光体ドラムが取り付けられる第1筐体と、少なくとも現像手段が取り付けられる第2筐体と、前記第1筐体と第2筐体を互いに回動自在に連結する結合部材とを備えるように構成されている。
【0021】
すなわち、この実施の形態では、図3に示すように、プロセスカートリッジ30が、感光体ドラム8と帯電ロール9とクリーニング装置28を備えた第1筐体31と、現像装置10を備えた第2筐体32と、前記第1筐体31と第2筐体32を互いに回動自在に連結する結合部材33とを備えるように構成されている。上記第1筐体31及び第2筐体32は、例えば、エンジニアプラスチック等の合成樹脂によって一体成形される。
【0022】
上記第1筐体31の上部には、図3乃至図5、及び図6に示すように、プロセスカートリッジ30全体を把持して着脱や移動等の操作を行うための把手34が設けられている。また、上記第1筐体31には、図3に示すように、その幅方向の一端部に感光体ドラム8が回転自在に装着されており、この感光体ドラム8の上部には、クリーニングブレード27及びフィルムシール29を備えたクリーニング装置28が一体的に設けられている。上記第1筐体31の感光体ドラム8の上部に位置する空間35は、クリーニングブレード27によって回収されたトナーを収容するトナー収容室となっている。さらに、上記第1筐体31には、図3に示すように、感光体ドラム8の背面側に、当該感光体ドラム8の表面を所定の電位に一様に帯電する帯電ロール9が一体的に装着されている。この帯電ロール9は、ベアリング36によって回転自在に軸支されているとともに、コイル状のスプリング37によって感光体ドラム8の表面に圧接されており、当該感光体ドラム8に従動回転するように取り付けられている。
【0023】
また、上記第1筐体には、図3に示すように、プロセスカートリッジ30の着脱時や保管時等に、感光体ドラム8が露光されるのを防止するシャッター部材40が開閉自在に設けられている。このシャッター部材40は、プロセスカートリッジ30をプリンタ本体1に装着した状態では、図2に示すように、第1筐体31の上方に退避するようになっている。
【0024】
一方、上記第2筐体32には、図3に示すように、現像装置10が装着されている。この現像装置10は、第2筐体32そのものからなる筐体を備えており、この第2筐体32は、大きく分けて、現像剤担持体としての現像ロール11が設けられた現像槽41と、この現像槽41の後方に連設された現像剤貯蔵槽42とから構成されている。なお、上記現像剤貯蔵槽42の背面側は、第2筐体32と一体的に形成しても良いが、図示の例では、現像剤貯蔵槽42の背面側がリアカバー43として別部材によって形成されている。
【0025】
上記第2筐体32の現像槽41には、感光体ドラム8側の端部に、現像ロール11が回転可能に配設されており、この現像ロール11は、既知の如く、所定の位置に所定の極性の磁極が着磁され、固定状態に配置された図示しないマグネットロールと、このマグネットロールの外周に矢印方向に沿って回転可能配置された図示しない現像スリーブとから構成されている。
【0026】
また、上記現像ロール11の斜め下方には、必要に応じて、当該現像ロール11に現像剤を攪拌しつつ供給する板状ないし棒状に形成された図示しない現像部アジテータを、回転可能に配設しても良い。さらに、上記現像ロール11の外周には、当該現像ロール11の外周に図示しないマグネットロールの磁力によって吸着された一成分磁性現像剤(トナー)を、摩擦帯電によって所定の極性に帯電するとともに、当該一成分磁性現像剤(トナー)の薄層を形成するための帯電部材としての帯電ブレード44が設けられている。この帯電ブレード44は、全体を合成樹脂等によって形成しても良いが、図示例のように、金属等からなる板バネ部材45と、この板バネ部材45の先端部に接着等の手段により固着された合成樹脂等からなる摩擦帯電部材46とから構成しても良い。上記帯電ブレード44の基端部は、第2筐体32に固着されているとともに、その先端部は、現像ロール11の表面に所定の圧力で圧接されている。
【0027】
さらに、上記の如く構成される現像槽41と、この現像槽41の後方に連設された現像剤貯蔵槽42との間には、図3に示すように、当該現像剤貯蔵槽42から現像槽41側へ供給される現像剤の量を規制する開口部47が設けられており、この開口部47には、必要に応じて、その長手方向に沿って所定の間隔をおいて、当該開口部47を仕切る図示しないリブが複数本設けられる。
【0028】
また、上記現像剤貯蔵槽42は、例えば、磁性一成分のトナーからなる現像剤49を所定量だけ貯蔵可能なように大きく構成されており、この現像剤貯蔵槽42の現像剤貯蔵率、つまり現像剤貯蔵槽42の体積に占める現像剤の割合は、例えば、50〜70%に設定されている。さらに、上記現像剤貯蔵槽42の内部には、当該現像剤貯蔵槽42の内部に貯蔵された現像剤49を攪拌しつつ、現像槽41側へと搬送する現像剤攪拌搬送部材としてのアジテータ50が、回転可能に設けられている。このアジテータ50は、現像装置10の背面側に配設されたギア等を介して、感光体ドラム8等を駆動する図示しない駆動モーターによって、所定のタミングで回転駆動されるようになっている。
【0029】
上記の如く所定の部材が装着された第1筐体31及び第2筐体32は、その幅方向の中央部より端側に、互いに対向するよう上下方向に突設された連結部51、52を備えており、これら第1筐体31及び第2筐体32の連結部51、52に挿通された結合部材としての結合ピン33によって、互いに回動自在に連結されている。さらに、上記第1筐体31及び第2筐体32には、これら第1筐体31及び第2筐体32が回動する際の支点となる結合ピン33に対して、感光体ドラム8の反対側に位置する対向部分に、圧縮されたコイルスプリング60が介在されており、このコイルスプリング60及び図4の引張りコイルスプリング70によって、第1筐体31及び第2筐体32は、感光体ドラム8と現像ロール11とが互いに圧接するように付勢されている。また、上記現像ロール11の両端には、例えば、感光体ドラム8と現像ロール11との表面間距離(DRS)を、所定の値に均一に保持するための合成樹脂製のキャップが設けられている。上記第1筐体と第2筐体32との間には、図3に示すように、互いに連結された状態で、感光体ドラム8に光ビームLBからなる画像露光を施すための所定の間隙Gが設定されている。なお、図3中、61、62は、コイルスプリング60の両端を保持するための凹所及び凸部をそれぞれ示している。
【0030】
上記第1筐体31には、図7乃至図9に示すように、その長手方向の両端部に連結部51がそれぞれ設けられており、これらの連結部51、51は、当該第1の筐体31の長手方向両端部に位置する側壁53、54の内側に形成されている。
【0031】
また、この実施の形態では、前記結合部材が、プロセスカートリッジの長手方向の両端部にそれぞれ設けられ、前記第1筐体又は第2筐体の内部側には、規制部材を配置し、その外部側は、結合部材の脱落を防止するように封止されるように構成されている。
【0032】
この実施の形態では、前記規制部材が、第1筐体又は第2筐体に設けられた凹部に軽圧入されるように構成されている。
【0033】
この実施の形態では、図7乃至図9、特に図8及び図9に示すように、結合ピン33が軸方向の内側(筐体の内側)に移動するのを規制する規制部材として、熱可塑性を有する合成樹脂製からなる樹脂ブロック65が、第1筐体31に着脱可能に設けられている。
【0034】
また、上記第1筐体31には、図8及び図9に示すように、樹脂ブロック65を軽圧入するための凹部66、66が、連結部材51b、51bの内側に設けられている。この凹部66、66は、例えば、補強用のリブ39や連結部材51b、51bと一体的に形成される。
【0035】
さらに、上記第1筐体31には、図10に示すように、必要に応じて、両側壁53、54の外面に合成樹脂製のキャップ部材68が、溶着等の手段によって固着されて封止され、結合ピン33の脱落を防止するようになっている。
【0036】
以上の構成にて、この実施の形態に係るプロセスカートリッジを適用したプリンタでは、次のようにして、プロセスカートリッジを構成する2つの筐体を連結する結合部材としての結合ピンが脱落するのを確実に防止可能となっている。
【0037】
上記プリンタでは、画像形成プロセスを実行する部材がプロセスカートリッジ30として一体的に構成されており、このプロセスカートリッジ30は、プリンタ本体1に対して着脱可能となっている。
【0038】
そして、上記プロセスカートリッジ30は、図3に示すように、感光体ドラム8と帯電ロール9とクリーニング装置28を備えた第1の筐体31と、現像装置10を備えた第2の筐体31と、前記第1の筐体31と第2の筐体32を互いに回動自在に連結する結合部材としての結合ピン33とを備えるように構成されており、当該第1筐体31及び第2筐体32は、圧縮コイルスプリング60及び引張りコイルスプリング70によって、感光体ドラム8と現像ロール11とが互いに圧接する方向に付勢されている。
【0039】
そして、上記プロセスカートリッジ30は、図3に示すように、所定の部材が組み付けられた状態で、第1筐体31の凹部66に、図10に示すように、樹脂ブロック65を圧入して配置するとともに、第1の筐体31と第2の筐体32とを、両者の連結部51、連結部52の位置を互いに合わせたセットし、当該連結部51及び連結部52の挿通孔55、58に結合部材としての結合ピン33を、図6に示すように、第1の筐体31の両側面から挿入することによって組み立てるようになっている。
【0040】
この状態では、プロセスカートリッジ30に対して、輸送時等の振動や不用意な落下等による衝撃が作用しても、プロセスカートリッジ30の第1の筐体31と第2の筐体32とを結合する結合ピン33は、図8及び図9に示すように、第1の筐体31に設けられた樹脂ブロック65によって、軸方向の内側への移動が規制されるため、プロセスカートリッジ30の筐体31、32から結合ピン33が脱落するのを確実に防止することができる。
【0041】
また、上記結合ピン33の軸方向外側への移動は、図12に示すように、第1筐体に必要に応じて、両側壁53、54の外面に合成樹脂製のキャップ部材68を、溶着等の手段によって固着して封止することにより、確実に防止することができる。
【0042】
次に、上記構成プロセスカートリッジ30の解体方法の一実施形態の工程を、図を用いて説明する。
リサイクル時などに使用済プロセスカートリッジ30を分解するには、結合ピンを第1筐体31より抜き出す必要がある。
その際には、まず、図1に示すように使用済プロセスカートリッジを、作業台ジグ100に載置した後、露光装置の走査光ビームの光路にあたる、露光用開口部101から図11に示す切削手段103を矢印方向に挿入し、前記結合ピンの規制部材65を切削除去する。
その際、切削手段には、先端部の刃に振動を与えて切削する、いわゆる超音波カッターを先にもった切削装置により、規制部材65を削除する。
【0043】
前記切削手段103は、先端部の刃にセラミック振動子により、超音波を与え、先端の刃部に4万Hzの振動を与える事ことができる。これにより、被切削部である規制部材に接触させて、軽く移動させることで、規制部材を削除する事が出来、規制部材近傍の機能部材である帯電ロール9や感光体ドラム8に傷を付けることなく容易に除去することができる。
次に、筐体外側に、合成樹脂製のキャップ部材68の封止手段がある場合は、前記超音波カッター又は、エンドミル等の切削手段により、封止手段を除去する。
次に、前記規制部材を削除し、結合ピン33にアクセスできるようになった状態にて、ピン押出し冶具を前記露光用開口部から挿入し、所定の圧力で結合ピン33を押圧し、筐体外側に結合ピン33を押出す。
そして最後に、筐体外側から、筐体から出た結合ピン33を、グリップ冶具で掴み、引き抜くことにより結合ピン33全体が第1筐体37及び第2筐体39より脱離し、これにより第1筐体37と第2筐体39を分離させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施形態に係るプロセスカートリッジの正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るプロセスカートリッジを適用した画像形成装置としてのプリンタを示す構成図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るプロセスカートリッジを示す断面図である
【図4】同プロセスカートリッジを示す側面図である。
【図5】同プロセスカートリッジを示す側面図である。
【図6】図同プロセスカートリッジを示す外観斜視図である。
【図7】同プロセスカートリッジの第1筐体を示す外観斜視図である。
【図8】同プロセスカートリッジの第1筐体を示す要部外観斜視図ある。
【図9】同プロセスカートリッジの第1筐体を示す要部外観斜視図ある。
【図10】合体ピンの封止状態を示す断面図
【図11】同プロセスカートリッジの阻止部材除去工程説明である。
【符号の説明】
【0045】
30 プロセスカートリッジ
33 結合ピン
65 規制部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機またはファクシミリなどの画像形成装置の着脱可能なプロセスカートリッジの分解方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真技術を用いた画像形成装置においては、電子写真感光体(像坦持体)及び電子写真感光体に作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化してカートリッジを画像形成装置に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。
このようなプロセスカートリッジにおいては、たとえば少なくとも電子写真感光体を支持する第1筐体と、少なくとも現像装置を支持する第2筐体を回転可能に、結合ピンで結合することが行われている。
そして、輸送時、落下時の振動衝撃による前記結合ピンの脱落を防止する目的で、筐体内側には、結合ピンの移動を規制する部材を設け、更には、筐体外側には、ユーザーが結合ピンを誤って抜かないようにキャップ部材を溶着等の手段により、固着し、結合ピンの脱落防止を完全なものとしている。
(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−22250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したように、結合ピンが、最終的には、外側から封止されると共に、筐体内側にも移動規制部材を設ける事により、脱落防止という観点では、良好となったが、リサイクル時に結合ピンを第1筐体及び第2筐体より脱離させにくくなってしまい、リサイクルの効率が悪くなるという問題を有していた。
特に、内側に設けられた規制部材は、第1筐体及び第2筐体の内部にあり、当該規制部品へのアクセスが困難であると共に、近傍に再使用可能な機能部材が存在しているため、前記機能部材を傷つける事なく当該規制部品を除去する事が非常に困難なものとなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の第1の特徴とするところは、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、像坦持体と、現像装置と、少なくとも前記像坦持体を支持する第1筐体と、少なくとも前記現像装置を支持する第2筐体と、前記第1筐体と第2筐体を互いに回動自在に連結する結合部材と、前記結合部材が軸方向の少なくとも一方に移動するのを規制する規制部材と、を有するプロセスカートリッジ分解方法において、前記規制部材を除去する工程と前記結合部材を抜き取る工程とからなることを特徴とするものである。
これにより、トナー使用後に、プロセスカートリッジを破棄することなく、
分解することが可能となり、リサイクルが容易に行えるようになる。
【0006】
好ましくは、前記規制部材の除去工程においては、前記プロセスカートリッジの像担持体への露光用開口部から除去手段を挿入し、除去することとする。
これにより、前記第1筐体と第2筐体の一部を破壊する事なく、規制部材にアクセスすることができ、除去手段により、除去することが可能となり、分解時に抜き取りが必要な結合部材に容易にアクセスできるようになる。
【0007】
好ましくは、規制部材除去手段は、刃に振動を与えた切削手段であることとする。このようにすることによって、規制部材除去のために、刃自体を大きく動かすことがないので、規制部材の近傍にある、感光体、現像ロールに傷を付けることなく、規制部材の除去が可能となる。
【0008】
本発明の第2の特徴とするところは、前記第1筐体と第2筐体の内側部分に前記規制部材を設け、その外側部分には、結合部材を封止する封止手段を有するプロセスカートリッジの分解において、前記規制部材を除去する工程と前記封止手段を除去する工程と前記結合部材の抜き取る工程からなることを特徴とするものである。このようにすることによって、筐体外側に、ユーザーが結合ピンを誤って抜かないようにキャップ部材等の封止手段を設けている場合であっても、規制部材を除去し、封止手段を除去することで、結合部材が抜き取る事が可能となり、トナー使用後に、プロセスカートリッジを破棄することなく、リサイクルが容易に行えるようになる。
【0009】
更に、好ましくは、前記プロセスカートリッジの分解方法は、前記規制部材を除去する工程、前記封止手段を除去する工程後に、前記結合部材を規制部材側から押出す工程と押出された結合部材を前記カートリッジ外側から抜き取る工程からなることとする。このようにすることによって、筐体外側に、ユーザーが結合ピンを誤って抜かないようにキャップ部材等の封止手段を設けている場合であっても、封止手段を除去し、規制部材を除去することで、筐体内側から、結合部材を押出し、押出された結合部材を前記カートリッジ外側から抜き取ることで、容易にプロセスカートリッジを分解でき、リサイクルが容易に行えるようになる。
【0010】
その際、好ましくは、上述したものと同様に、規制部材除去手段は、刃に振動を与えた切削手段であることとする。このようにすることによって、規制部材除去のために、刃自体を大きく動かすことがないので、規制部材の近傍にある、感光体、現像ロールに傷を付けることなく、規制部材の除去が可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、プロセスカートリッジを構成する2つの筐体を連結する脱落するのを確実に防止可能とした結合部材を他の機能部材を傷つけることなく、分解可能とするプロセスカートリッジ解体方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図2はこの発明の実施の形態1に係るプロセスカートリッジを適用した画像形成装置としての電子写真方式のプリンタを示す概略構成図である。
【0013】
図2において、1はプリンタの本体を示すものであり、このプリンタ本体1の内部には、外部から入力される画像情報に対して所定の画像処理を施す画像処理部2と、当該画像処理部2によって所定の画像処理が施された画像情報に基づいて画像を出力する画像出力部3とが配設されている。上記プリンタ本体1内の画像処理部2には、図示しないパーソナルコンピュータ等のホストコンピュータ、あるいは電話回線やLAN等の通信回線を介して送られてくる画像情報や、図示しない画像読取装置によって読み取られた画像情報などが入力されるようになっている。
【0014】
上記プリンタ本体1内の画像出力部3には、画像処理部2によって所定の画像処理が施された画像情報に基づいて画像露光を行う露光装置4が配置されており、この露光装置4では、画像情報に応じて光ビームLBによる走査露光が行なわれる。
【0015】
上記露光装置4では、図示しない半導体レーザーから光ビームLBが画像情報の階調データに応じて出射される。この半導体レーザーから出射された光ビームLBは、回転多面鏡5によって偏向走査され、反射ミラー6、7を介して静電潜像担持体としての感光体ドラム8上に走査される。
【0016】
上記露光装置4によって光ビーム光LBが走査露光される感光体ドラム8としては、例えば、有機系の光導電性物質を用いた負帯電性の感光体が使用され、当該感光体ドラム8は、図示しない駆動手段によって矢印方向に沿って所定の速度で回転駆動されるようになっている。この感光体ドラム8の表面は、図2に示すように、予め帯電手段としての帯電ロール9によって所定の電位に一様に帯電された後、画像情報に応じて光ビームLBが走査露光されることによって静電潜像が形成される。上記感光体ドラム8上に形成された静電潜像は、現像手段としての現像装置10の現像ロール11によって現像され、トナー像となる。
【0017】
上記感光体ドラム8上に形成されたトナー像は、当該感光体ドラム8に接触するように配置された転写ロール12によって記録媒体としての記録用紙13上に転写されるとともに、このトナー像が転写された記録用紙13は、針状電極からなる分離帯電器14により除電されて感光体ドラム8から分離される。この針状電極からなる分離帯電器14には、AC電圧、又はDC電圧を重畳したAC電圧が印加されるようになっている。上記記録用紙13は、図2に示すように、プリンタ本体1内の下部に配置された用紙カセット15から、フィ
ードロール16によって1枚ずつ分離された状態で給紙される。この給紙された記録用紙13は、レジストロール17によって感光体ドラム8の表面まで、所定のタイミングで搬送される。
【0018】
また、上記感光体ドラム8上からトナー像が転写された記録用紙13は、上述したように、針状電極からなる分離帯電器14により除電されて感光体ドラム8の表面から分離された後、トランスポートシュート21を介して定着ユニット22へ搬送される。上記感光体ドラム8の表面から分離された記録用紙13は、定着ユニット22の加熱ロール23及び加圧ロール24によって熱及び圧力でトナー像が、当該記録用紙13上に定着された後、排出ロール25によってプリンタ本体1の上部に設けられた排出トレイ26上に排出されて、画像形成工程が終了する。
【0019】
このように構成されるプリンタでは、図2に示すように、メンテナンス性の向上等のため、感光体ドラム8、及びその周辺の現像装置10やクリーニング装置28等が、プロセスカートリッジ30として一体的にユニット化されており、このプロセスカートリッジ30は、プリンタ本体1に対して一体的に着脱可能となっている。上記プロセスカートリッジ30は、一部が排出トレイ26を兼ねた上部カバーを開くことによって、プリンタ本体1の上方に引き上げることが可能となっており、プリンタ本体1に対して着脱可能に装着されている。さらに、上記プロセスカートリッジ30は、感光体ドラム8の劣化時期や、現像装置10内の現像剤が消費される時期がほぼ同じ時期となるように設定されており、感光体ドラム8が磨耗して劣化した場合や、現像装置10内の現像剤が消費された場合に、感光体ドラム8や現像装置10を個々に新しいものと交換するのではなく、プロセスカートリッジ30全体として、感光体ドラム8や現像装置10等をプリンタ本体1から一体的に脱着して新しいものと交換することにより、メンテナンス性を向上することが可能となっている。
【0020】
近年では、環境保護の要請から、交換されたプロセスカートリッジを分解、清掃し、再使用可能な部品を再利用するリサイクルが盛んに行われている。ところで、実施の形態では、プロセスカートリッジが、少なくとも感光体ドラムが取り付けられる第1筐体と、少なくとも現像手段が取り付けられる第2筐体と、前記第1筐体と第2筐体を互いに回動自在に連結する結合部材とを備えるように構成されている。
【0021】
すなわち、この実施の形態では、図3に示すように、プロセスカートリッジ30が、感光体ドラム8と帯電ロール9とクリーニング装置28を備えた第1筐体31と、現像装置10を備えた第2筐体32と、前記第1筐体31と第2筐体32を互いに回動自在に連結する結合部材33とを備えるように構成されている。上記第1筐体31及び第2筐体32は、例えば、エンジニアプラスチック等の合成樹脂によって一体成形される。
【0022】
上記第1筐体31の上部には、図3乃至図5、及び図6に示すように、プロセスカートリッジ30全体を把持して着脱や移動等の操作を行うための把手34が設けられている。また、上記第1筐体31には、図3に示すように、その幅方向の一端部に感光体ドラム8が回転自在に装着されており、この感光体ドラム8の上部には、クリーニングブレード27及びフィルムシール29を備えたクリーニング装置28が一体的に設けられている。上記第1筐体31の感光体ドラム8の上部に位置する空間35は、クリーニングブレード27によって回収されたトナーを収容するトナー収容室となっている。さらに、上記第1筐体31には、図3に示すように、感光体ドラム8の背面側に、当該感光体ドラム8の表面を所定の電位に一様に帯電する帯電ロール9が一体的に装着されている。この帯電ロール9は、ベアリング36によって回転自在に軸支されているとともに、コイル状のスプリング37によって感光体ドラム8の表面に圧接されており、当該感光体ドラム8に従動回転するように取り付けられている。
【0023】
また、上記第1筐体には、図3に示すように、プロセスカートリッジ30の着脱時や保管時等に、感光体ドラム8が露光されるのを防止するシャッター部材40が開閉自在に設けられている。このシャッター部材40は、プロセスカートリッジ30をプリンタ本体1に装着した状態では、図2に示すように、第1筐体31の上方に退避するようになっている。
【0024】
一方、上記第2筐体32には、図3に示すように、現像装置10が装着されている。この現像装置10は、第2筐体32そのものからなる筐体を備えており、この第2筐体32は、大きく分けて、現像剤担持体としての現像ロール11が設けられた現像槽41と、この現像槽41の後方に連設された現像剤貯蔵槽42とから構成されている。なお、上記現像剤貯蔵槽42の背面側は、第2筐体32と一体的に形成しても良いが、図示の例では、現像剤貯蔵槽42の背面側がリアカバー43として別部材によって形成されている。
【0025】
上記第2筐体32の現像槽41には、感光体ドラム8側の端部に、現像ロール11が回転可能に配設されており、この現像ロール11は、既知の如く、所定の位置に所定の極性の磁極が着磁され、固定状態に配置された図示しないマグネットロールと、このマグネットロールの外周に矢印方向に沿って回転可能配置された図示しない現像スリーブとから構成されている。
【0026】
また、上記現像ロール11の斜め下方には、必要に応じて、当該現像ロール11に現像剤を攪拌しつつ供給する板状ないし棒状に形成された図示しない現像部アジテータを、回転可能に配設しても良い。さらに、上記現像ロール11の外周には、当該現像ロール11の外周に図示しないマグネットロールの磁力によって吸着された一成分磁性現像剤(トナー)を、摩擦帯電によって所定の極性に帯電するとともに、当該一成分磁性現像剤(トナー)の薄層を形成するための帯電部材としての帯電ブレード44が設けられている。この帯電ブレード44は、全体を合成樹脂等によって形成しても良いが、図示例のように、金属等からなる板バネ部材45と、この板バネ部材45の先端部に接着等の手段により固着された合成樹脂等からなる摩擦帯電部材46とから構成しても良い。上記帯電ブレード44の基端部は、第2筐体32に固着されているとともに、その先端部は、現像ロール11の表面に所定の圧力で圧接されている。
【0027】
さらに、上記の如く構成される現像槽41と、この現像槽41の後方に連設された現像剤貯蔵槽42との間には、図3に示すように、当該現像剤貯蔵槽42から現像槽41側へ供給される現像剤の量を規制する開口部47が設けられており、この開口部47には、必要に応じて、その長手方向に沿って所定の間隔をおいて、当該開口部47を仕切る図示しないリブが複数本設けられる。
【0028】
また、上記現像剤貯蔵槽42は、例えば、磁性一成分のトナーからなる現像剤49を所定量だけ貯蔵可能なように大きく構成されており、この現像剤貯蔵槽42の現像剤貯蔵率、つまり現像剤貯蔵槽42の体積に占める現像剤の割合は、例えば、50〜70%に設定されている。さらに、上記現像剤貯蔵槽42の内部には、当該現像剤貯蔵槽42の内部に貯蔵された現像剤49を攪拌しつつ、現像槽41側へと搬送する現像剤攪拌搬送部材としてのアジテータ50が、回転可能に設けられている。このアジテータ50は、現像装置10の背面側に配設されたギア等を介して、感光体ドラム8等を駆動する図示しない駆動モーターによって、所定のタミングで回転駆動されるようになっている。
【0029】
上記の如く所定の部材が装着された第1筐体31及び第2筐体32は、その幅方向の中央部より端側に、互いに対向するよう上下方向に突設された連結部51、52を備えており、これら第1筐体31及び第2筐体32の連結部51、52に挿通された結合部材としての結合ピン33によって、互いに回動自在に連結されている。さらに、上記第1筐体31及び第2筐体32には、これら第1筐体31及び第2筐体32が回動する際の支点となる結合ピン33に対して、感光体ドラム8の反対側に位置する対向部分に、圧縮されたコイルスプリング60が介在されており、このコイルスプリング60及び図4の引張りコイルスプリング70によって、第1筐体31及び第2筐体32は、感光体ドラム8と現像ロール11とが互いに圧接するように付勢されている。また、上記現像ロール11の両端には、例えば、感光体ドラム8と現像ロール11との表面間距離(DRS)を、所定の値に均一に保持するための合成樹脂製のキャップが設けられている。上記第1筐体と第2筐体32との間には、図3に示すように、互いに連結された状態で、感光体ドラム8に光ビームLBからなる画像露光を施すための所定の間隙Gが設定されている。なお、図3中、61、62は、コイルスプリング60の両端を保持するための凹所及び凸部をそれぞれ示している。
【0030】
上記第1筐体31には、図7乃至図9に示すように、その長手方向の両端部に連結部51がそれぞれ設けられており、これらの連結部51、51は、当該第1の筐体31の長手方向両端部に位置する側壁53、54の内側に形成されている。
【0031】
また、この実施の形態では、前記結合部材が、プロセスカートリッジの長手方向の両端部にそれぞれ設けられ、前記第1筐体又は第2筐体の内部側には、規制部材を配置し、その外部側は、結合部材の脱落を防止するように封止されるように構成されている。
【0032】
この実施の形態では、前記規制部材が、第1筐体又は第2筐体に設けられた凹部に軽圧入されるように構成されている。
【0033】
この実施の形態では、図7乃至図9、特に図8及び図9に示すように、結合ピン33が軸方向の内側(筐体の内側)に移動するのを規制する規制部材として、熱可塑性を有する合成樹脂製からなる樹脂ブロック65が、第1筐体31に着脱可能に設けられている。
【0034】
また、上記第1筐体31には、図8及び図9に示すように、樹脂ブロック65を軽圧入するための凹部66、66が、連結部材51b、51bの内側に設けられている。この凹部66、66は、例えば、補強用のリブ39や連結部材51b、51bと一体的に形成される。
【0035】
さらに、上記第1筐体31には、図10に示すように、必要に応じて、両側壁53、54の外面に合成樹脂製のキャップ部材68が、溶着等の手段によって固着されて封止され、結合ピン33の脱落を防止するようになっている。
【0036】
以上の構成にて、この実施の形態に係るプロセスカートリッジを適用したプリンタでは、次のようにして、プロセスカートリッジを構成する2つの筐体を連結する結合部材としての結合ピンが脱落するのを確実に防止可能となっている。
【0037】
上記プリンタでは、画像形成プロセスを実行する部材がプロセスカートリッジ30として一体的に構成されており、このプロセスカートリッジ30は、プリンタ本体1に対して着脱可能となっている。
【0038】
そして、上記プロセスカートリッジ30は、図3に示すように、感光体ドラム8と帯電ロール9とクリーニング装置28を備えた第1の筐体31と、現像装置10を備えた第2の筐体31と、前記第1の筐体31と第2の筐体32を互いに回動自在に連結する結合部材としての結合ピン33とを備えるように構成されており、当該第1筐体31及び第2筐体32は、圧縮コイルスプリング60及び引張りコイルスプリング70によって、感光体ドラム8と現像ロール11とが互いに圧接する方向に付勢されている。
【0039】
そして、上記プロセスカートリッジ30は、図3に示すように、所定の部材が組み付けられた状態で、第1筐体31の凹部66に、図10に示すように、樹脂ブロック65を圧入して配置するとともに、第1の筐体31と第2の筐体32とを、両者の連結部51、連結部52の位置を互いに合わせたセットし、当該連結部51及び連結部52の挿通孔55、58に結合部材としての結合ピン33を、図6に示すように、第1の筐体31の両側面から挿入することによって組み立てるようになっている。
【0040】
この状態では、プロセスカートリッジ30に対して、輸送時等の振動や不用意な落下等による衝撃が作用しても、プロセスカートリッジ30の第1の筐体31と第2の筐体32とを結合する結合ピン33は、図8及び図9に示すように、第1の筐体31に設けられた樹脂ブロック65によって、軸方向の内側への移動が規制されるため、プロセスカートリッジ30の筐体31、32から結合ピン33が脱落するのを確実に防止することができる。
【0041】
また、上記結合ピン33の軸方向外側への移動は、図12に示すように、第1筐体に必要に応じて、両側壁53、54の外面に合成樹脂製のキャップ部材68を、溶着等の手段によって固着して封止することにより、確実に防止することができる。
【0042】
次に、上記構成プロセスカートリッジ30の解体方法の一実施形態の工程を、図を用いて説明する。
リサイクル時などに使用済プロセスカートリッジ30を分解するには、結合ピンを第1筐体31より抜き出す必要がある。
その際には、まず、図1に示すように使用済プロセスカートリッジを、作業台ジグ100に載置した後、露光装置の走査光ビームの光路にあたる、露光用開口部101から図11に示す切削手段103を矢印方向に挿入し、前記結合ピンの規制部材65を切削除去する。
その際、切削手段には、先端部の刃に振動を与えて切削する、いわゆる超音波カッターを先にもった切削装置により、規制部材65を削除する。
【0043】
前記切削手段103は、先端部の刃にセラミック振動子により、超音波を与え、先端の刃部に4万Hzの振動を与える事ことができる。これにより、被切削部である規制部材に接触させて、軽く移動させることで、規制部材を削除する事が出来、規制部材近傍の機能部材である帯電ロール9や感光体ドラム8に傷を付けることなく容易に除去することができる。
次に、筐体外側に、合成樹脂製のキャップ部材68の封止手段がある場合は、前記超音波カッター又は、エンドミル等の切削手段により、封止手段を除去する。
次に、前記規制部材を削除し、結合ピン33にアクセスできるようになった状態にて、ピン押出し冶具を前記露光用開口部から挿入し、所定の圧力で結合ピン33を押圧し、筐体外側に結合ピン33を押出す。
そして最後に、筐体外側から、筐体から出た結合ピン33を、グリップ冶具で掴み、引き抜くことにより結合ピン33全体が第1筐体37及び第2筐体39より脱離し、これにより第1筐体37と第2筐体39を分離させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施形態に係るプロセスカートリッジの正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るプロセスカートリッジを適用した画像形成装置としてのプリンタを示す構成図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るプロセスカートリッジを示す断面図である
【図4】同プロセスカートリッジを示す側面図である。
【図5】同プロセスカートリッジを示す側面図である。
【図6】図同プロセスカートリッジを示す外観斜視図である。
【図7】同プロセスカートリッジの第1筐体を示す外観斜視図である。
【図8】同プロセスカートリッジの第1筐体を示す要部外観斜視図ある。
【図9】同プロセスカートリッジの第1筐体を示す要部外観斜視図ある。
【図10】合体ピンの封止状態を示す断面図
【図11】同プロセスカートリッジの阻止部材除去工程説明である。
【符号の説明】
【0045】
30 プロセスカートリッジ
33 結合ピン
65 規制部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジの分解方法であって、像坦持体と、現像装置と、少なくとも前記像坦持体を支持する第1筐体と、少なくとも前記現像装置を支持する第2筐体と、前記第1筐体と第2筐体を互いに回動自在に連結する結合部材と、前記結合部材が軸方向の少なくとも一方に移動するのを規制する規制部材と、を有するプロセスカートリッジの分解に際し、前記規制部材を除去する工程と前記結合部材を抜き取る工程とからなることを特徴とするプロセスカートリッジ分解方法。
【請求項2】
前記プロセスカートリッジには露光用開口部が設けられ、前記規制部材の除去工程において、前記露光用開口部から除去手段を挿入し、前記規制部材を除去することを特徴とする請求項1記載のプロセスカートリッジ分解方法。
【請求項3】
前記除去手段は、刃に振動を与えた切削手段であることを特徴とする請求項2記載のプロセスカートリッジ分解方法。
【請求項4】
前記第1筐体と第2筐体の内側部分に前記規制部材を設け、前記第1筐体と第2筐体の外側部分には、結合部材を封止する封止手段を有するプロセスカートリッジ分解方法において、
前記規制部材を除去する工程と前記封止手段を除去する工程と前記結合部材を抜き取る工程からなることを特徴とするプロセスカートリッジ分解方法。
【請求項5】
前記規制部材を除去する工程及び前記封止手段を除去する工程後に、前記結合部材を規制部材側から押出す工程と押出された結合部材を前記カートリッジ外側から抜き取る工程とを有することを特徴とする請求項4記載のプロセスカートリッジ分解方法。
【請求項6】
前記プロセスカートリッジには露光用開口部が設けられ、前記規制部材の除去工程においては、前記露光用開口部から除去手段を挿入し、前記規制部材を除去することを特徴とする請求項4又は5記載のプロセスカートリッジ分解方法。
【請求項7】
前記除去手段は、刃に振動を与えた切削手段であることを特徴とする請求項4、5又は6いずれか記載のプロセスカートリッジ分解方法。
【請求項1】
画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジの分解方法であって、像坦持体と、現像装置と、少なくとも前記像坦持体を支持する第1筐体と、少なくとも前記現像装置を支持する第2筐体と、前記第1筐体と第2筐体を互いに回動自在に連結する結合部材と、前記結合部材が軸方向の少なくとも一方に移動するのを規制する規制部材と、を有するプロセスカートリッジの分解に際し、前記規制部材を除去する工程と前記結合部材を抜き取る工程とからなることを特徴とするプロセスカートリッジ分解方法。
【請求項2】
前記プロセスカートリッジには露光用開口部が設けられ、前記規制部材の除去工程において、前記露光用開口部から除去手段を挿入し、前記規制部材を除去することを特徴とする請求項1記載のプロセスカートリッジ分解方法。
【請求項3】
前記除去手段は、刃に振動を与えた切削手段であることを特徴とする請求項2記載のプロセスカートリッジ分解方法。
【請求項4】
前記第1筐体と第2筐体の内側部分に前記規制部材を設け、前記第1筐体と第2筐体の外側部分には、結合部材を封止する封止手段を有するプロセスカートリッジ分解方法において、
前記規制部材を除去する工程と前記封止手段を除去する工程と前記結合部材を抜き取る工程からなることを特徴とするプロセスカートリッジ分解方法。
【請求項5】
前記規制部材を除去する工程及び前記封止手段を除去する工程後に、前記結合部材を規制部材側から押出す工程と押出された結合部材を前記カートリッジ外側から抜き取る工程とを有することを特徴とする請求項4記載のプロセスカートリッジ分解方法。
【請求項6】
前記プロセスカートリッジには露光用開口部が設けられ、前記規制部材の除去工程においては、前記露光用開口部から除去手段を挿入し、前記規制部材を除去することを特徴とする請求項4又は5記載のプロセスカートリッジ分解方法。
【請求項7】
前記除去手段は、刃に振動を与えた切削手段であることを特徴とする請求項4、5又は6いずれか記載のプロセスカートリッジ分解方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−127943(P2007−127943A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−322181(P2005−322181)
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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