説明

プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置

【課題】プロセスカートリッジ3を画像形成装置本体1Aに装着するときに接点部材が引っ掛かり変形を引き起こすなどのトラブルの可能性を低減させスムーズに装着することが可能とする。これにより、プロセスカートリッジの有する電気接点と画像形成装置本体に設けられた電気接点との接続の信頼性を向上させる。また、接点構成の部品点数の削減及びコストダウンを図る。
【解決手段】感光体シャッタ10を開かせる為に設けられた当接部10a・23aに接点部材15a・70を配置することにより、感光体シャッタバネ15が感光体シャッタ10を保護位置に向けて付勢する力によってカートリッ3ジの接点部材15aと装置本体1Aの接点部材70の接触圧を得る。感光体シャッタバネ15や帯電ローラ押圧バネ72を給電経路や接点部として活用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセスカートリッジ、及び前記プロセスカートリッジを用いて画像を形成する電子写真画像形成装置に関するものである。ここで、電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成プロセスを用いて、記録媒体に画像を形成するものである。そして、電子写真画像形成装置の例としては、例えば電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えばレーザビームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。また、記録媒体としては、電子写真画像形成装置により画像が形成されるものであって、例えば、紙、樹脂シート等が含まれる。
【背景技術】
【0002】
プリンタ等の電子写真画像形成装置は、像担持体である一様に帯電させた電子写真感光体(以下、感光体と記す)に選択的な露光をして潜像を形成し、この潜像をトナーで顕像化すると共に、該トナー像を被記録材(記録媒体)に転写して画像形成を行う。このような装置にあっては、各部材のメンテナンスは専門のサービスマンが行い、使用者(ユーザ)には不便を伴うことがあった。そこで、前記感光体と、これに作用するプロセス手段を一体構造にまとめてカートリッジ化する。プロセス手段は、例えば帯電器、現像器、クリーニング部等である。そして、使用者が前記カートリッジ(プロセスカートリッジ)を電子写真画像形成装置の装置本体に装填することによって、トナー(現像剤)の補給や寿命に達した感光体等の部品を交換可能とし、メンテナンスを容易にしたものが実用化されている。ここで、装置本体とは電子写真画像形成装置からプロセスカートリッジを除いた画像形成装置部分である。プロセスカートリッジ(以下、カートリッジと記す)は、プロセス手段としての、帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも一つと感光体とを一体的にカートリッジ化して、電子写真画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着されるものである。従って、カートリッジとは、プロセス手段としての現像手段と感光体を一体的にカートリッジ化して、装置本体に取り外し可能に装着されるものも含まれる。また、カートリッジとは、プロセス手段としての、帯電手段、現像手段またはクリーニング手段と、感光体とを一体的にカートリッジ化して、装置本体に取り外し可能に装着されるものも含まれる。
【0003】
このようなカートリッジにあっては、カートリッジを装置本体より取り出した際に、感光体の表面に不用意に触れて、傷、汚れ等が付かないように、また光を遮断する為に、保護カバーが設けられている。前記保護カバーは、カートリッジを装置本体に装填した際には、装置本体に設けられたガイド等により感光体を露出する位置に開く。また、プカートリッジを装置本体から取り出した際には、感光体を保護する位置に閉じるよう構成されている。また、このようなカートリッジにあっては、カートリッジ内のトナーの残量を検知する検知手段が設けられているものがある。使用者がトナーの残量を知ることが出来る為、カートリッジ交換の時期の目安とできるものである。さらに、このようなカートリッジにあっては、記憶手段を内蔵し、この記憶手段にさまざまな情報を登録し利用することで、装置本体あるいはカートリッジのメンテナンスを容易にしたり、画質を向上させたりすることを可能としているものが実用化されている。
【0004】
上記のようなカートリッジ方式にあっては、カートリッジを装置本体に装着して画像形成する際に、帯電器や現像器などにバイアス電圧を印加したり、感光体を電気的にアースしたりする必要がある。そのためにカートリッジに帯電器や現像器、感光体などと電気的に接続された導電性部材からなる接点部材を設ける。そして、カートリッジを装置本体に装着したときに前記接点部材が装置本体側の電源やアースと接続された電気接点と接触するように構成しているのが一般的である。また、トナーの残量検知手段や記憶手段についても、これらの手段を機能させるために装置本体側の制御基板と電気的に接続させる必要があるため、一般的に、同様に接点部を構成している。尚、記憶手段へのアクセスに関してはアンテナ方式により非接触でアクセスするものが実用化されている。非接触でアクセスする場合はもちろん電気的に接続する必要は無いが接触式の場合は接点構成が必要となる。このような方式にあっては、良好な画質を得るためにまた各手段を確実に機能させるために、カートリッジを装置本体に装着した状態で、カートリッジの有する電気接点と装置本体に設けられた電気接点とを確実に電気的に接続しなければならない。そのため、接点部材のどちらかにバネ性を持たせることにより接点間の接触圧(接点圧)を獲得することで確実な接続を実現する構成が実用化されている。しかしながら接点部材にバネ性を持たせると接点部材自体は不安定となり、カートリッジの装着時に引っかかり変形などのトラブルが発生するリスクが高まってしまう。そこで、接点部材の形状やガイド部材の工夫によりこのリスクを低減させる構成が提案・実用化されている。特許文献1には、バネ性を持たせた接点部材が引っ掛かり変形してしまうなどのトラブル発生リスクを低減し、プロセスカートリッジのスムーズな着脱を実現させている接点構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−44057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記のようなプロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置を更に発展させたものである。その目的とするところは、次のようなプロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置を提供するものである。即ち、プロセスカートリッジを装置本体に装着するときに、接点部材が引っ掛かり変形を引き起こすなどのトラブルの可能性を低減させ、スムーズに装着することができる。また、プロセスカートリッジを装置本体に装着した状態で、プロセスカートリッジの有する電気接点と装置本体に設けられた電気接点とを電気的により確実に接続することができる。また、他の目的は、プロセスカートリッジ内の要素とプロセスカートリッジの有する電気接点との電気的な接続経路を形成する部材の部品点数の削減を行い、コストダウンを実現したプロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明に係るプロセスカートリッジの代表的な構成は、電子写真画像形成装置の装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、電子写真感光体と、前記電子写真感光体に作用するプロセス手段と、前記電子写真感光体を保護する保護位置と露出する露出位置とに移動可能であって、第1の弾性手段によって前記保護位置に向けて付勢されており、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に前記装置本体の本体側電気接点が配置された本体側当接部と当接することにより前記露出位置で止まるようにシャッタ側当接部が設けられた保護シャッタと、前記プロセス手段と電気的に接続されたカートリッジ側電気接点と、を有し、前記カートリッジ側電気接点が前記シャッタ側当接部に配置されていることを特徴とする。
【0008】
また、上記目的を達成するため本発明に係る電子写真画像形成装置の代表的な構成は、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置であって、電子写真画像形成装置の装置本体に配設され、上記のプロセスカートリッジを装着可能な装着手段と、前記記録媒体を搬送する搬送手段と、本体側電気接点と、本体側当接部と、を有し、前記本体側当接部には前記本体側電気接点を配置することにより、前記本体側電気接点と前記カートリッジ側電気接点の電気的接続に際して、前記保護シャッタが前記保護位置に向けて付勢される力によって接点間の接触圧を得ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、接点間の接触圧をシャッタ部材が保護位置に向けて付勢される付勢力によって得ることができ、どちらか一方の接点部材にバネ性を持たせる必要が無い。そのため、接点部材が引っ掛かり変形を引き起こすことなどトラブルの可能性を低減させ、スムーズに装着することが可能となる。ひいては、プロセスカートリッジの有する電気接点と装置本体に設けられた電気接点とをより高い信頼性で確実に接続することが可能となる。また、接点圧を得たり、電気的な接続経路を形成したりする為に専用部材を使用するのではなく、元々のプロセスカートリッジの構成部材を利用することにより、部品点数の削減及びコストダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1における画像形成装置の概略構成図である。
【図2】(a)は装置本体の前面側に配置してあるカートリッジドアを開けた様子を示す斜視図、(b)はカートリッジの装着ガイド部付近を示す斜視図である。
【図3】装置本体に対するカートリッジの挿入過程図である。
【図4】装置本体に対するカートリッジの挿入過程図である。
【図5】装置本体に対するカートリッジの挿入過程図である。
【図6】(a)と(b)はそれぞれカートリッジの部分的斜視図である。
【図7】(a)と(b)はそれぞれカートリッジの部分的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係るプロセスカートリッジ(CRG)及び電子写真画像形成装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
[実施例1]
(1)電子写真画像形成装置例の全体的な概略構成:図1は本実施例の電子写真画像形成装置1の概略構成図である。この画像形成装置1は転写式電子写真プロセスを利用した、プロセスカートリッジ着脱方式のレーザビームプリンタである。この画像形成装置1は、パーソナルコンピュータ・イメージリーダー等の外部ホスト装置200から画像形成装置側のコントローラ部(制御手段)100に入力する電気的画像信号に基づいて記録媒体(記録メディア)としてのシート状の記録材Sに画像形成を行う。コントローラ部100はCPU(演算部)・ROM(記憶手段)などを含み、ホスト装置200や画像形成装置1の操作部(不図示)との間で各種の電気的な情報の授受をする。また、コントローラ部100は画像形成装置1の画像形成動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。この画像形成装置1は、表面に静電潜像を担持する像担持体としての電子写真感光体(以下、感光体と記す)7を有する。及び、この感光体7に作用するプロセス手段としての、帯電手段4、画像露光手段2、現像手段5、転写手段51、クリーニング手段6を有する。感光体7は画像形成開始信号に基づいて矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される。帯電手段4は感光体7の表面を所定の極性・電位に一様に帯電する手段であり、本実施例では帯電ローラを用いている。帯電ローラ4は導電性弾性ローラであり、感光体7に対してほぼ並行に配列され、かつ所定の押圧力で当接されていて、感光体7の回転に従動して回転する。画像露光装置2は感光体7の表面に静電潜像を形成する手段であり、本実施例ではレーザスキャナを用いている。スキャナ2はホスト装置200からコントローラ部100に入力する電気的画像情報に対応して変調したレーザ光Lを出力して感光体7の帯電処理面を走査露光する。感光体7の露光した部位の表面電位は感光体の光導電特性により電位減衰する。これにより、感光体7の面には暗部電位と明部電位の静電コントラストにより走査露光パターンに対応した静電潜像が形成される。現像手段4は、現像剤収納容器8に現像剤(トナー)が収容されていて、現像剤を担持して感光体7に供給する現像剤担持体を有し、感光体面に形成された静電潜像を現像剤像(以下、トナー像と記す)として可視像化する装置である。本実施例の現像装置5は、現像剤担持体として回転駆動される現像ローラ5aを有する。また、現像ローラ5aの表面に均一なトナー層(現像剤層)を形成する現像ブレード5bを有する。転写手段51は感光体面に形成されたトナー像を記録材Sに転写する手段であり、本実施例では転写ローラを用いている。転写ローラ51は導電性弾性ローラであり、感光体7に対してほぼ並行に配列され、かつ所定の押圧力で当接されていて、感光体7の回転に従動して回転する、あるいは感光体7の回転に順方向に感光体7の速度とほぼ同じ速度で回転駆動される。一方、所定の制御タイミングで給送ローラ53が駆動されて、記録材積載板52に積載されている記録材Sが給送ローラ53と分離パッド54によって1枚ずつ分離されながら給送される。そして、その記録材Sは中間ローラ55と搬送動ローラ56によって感光体7と転写ローラ51との圧接部である転写ニップ部に導入され、転写ニップ部で挟持搬送される。転写ローラ51には、記録材Sが転写ニップ部を通過している間、トナーの帯電極性とは逆極性で所定電位の転写バイアスが印加される。これにより、記録材Sは転写ニップ部を挟持搬送されていく過程で、感光体7上のトナー像が記録材Sの面に順次に静電転写される。記録材Sは転写ニップ部を通過すると感光体7の面から分離されて定着装置57に導入され、内部に熱源をもつ定着部材と加圧ローラとの圧接部である定着ニップ部で挟持搬送される。記録材Sは定着ニップ部を挟持搬送されていく過程で加熱加圧されて、未定着のトナー像が固着像として記録材上に定着される。定着装置57を出た記録材Sは中間排出ローラ58を経て画像形成物として排出ローラ59によって機外に排出される。ここで、給送ローラ53から排出ローラ59に至る記録材搬送経路が記録媒体を搬送する搬送手段である。また、転写ニップ部にて記録材Sが分離された後の感光体7の表面はクリーニング手段6により転写残りトナー等の付着残留物が除去されて、繰り返して画像形成に供される。本実施例においてクリーニング手段6は転写後の感光体表面に残留するトナーをクリーニングする装置である。本実施例におけるクリーニング装置は、クリーニング部材としてクリーニングブレードを用いている。感光体表面の付着残留物はクリーニングブレードにより掻き取られて廃トナー収納容器9に収納される。
【0013】
(2)プロセスカートリッジ:本実施例の画像形成装置1においては、感光体7と、プロセス手段である帯電ローラ4・現像装置5・クリーニング装置6とをプロセスカートリッジ3として一体的にカートリッジ化している。そして、このプロセスカートリッジ(以下、カートリッジと記す)3を画像形成装置1の装置本体1Aに取り外し可能(着脱可能)に装着する構成である。カートリッジ3は、現像ローラ5aの近傍にアンテナ状のトナー残量検知手段(現像剤残量検知手段)30を備えている。コントローラ部100は、このトナー残量検知手段30と現像ローラ5aとの間の静電容量を測定することでカートリッジ3内(現像装置5内)のトナーの残量を検知する構成である。さらに、カートリッジ3はその上部に記憶手段31を備えている。この記憶手段31は、プリント基板上に、RAMやROMなどのメモリチップが設けられているものである。記憶手段31が記憶する情報とは、そのカートリッジ3のロット番号、感光体7の回転数、帯電手段の帯電時間、トナーの残量などである。コントローラ部100は、この記憶手段31と各種情報の授受(読み取り・書き込み)をする。そして、コントローラ部100は、例えば、記憶手段31に記憶されているこれらの情報を元に装置本体1Aに装着されているカートリッジ3の交換時期を判断し、表示部(不図示)にその旨の表示を行うなどして、情報を利用するものである。図1はカートリッジ3が装置本体1Aに対して所定に装着されている状態を示している。画像形成装置1はこの状態において画像形成動作が可能である。カートリッジ3には感光体7のカートリッジ枠体からの外部露出面を覆って保護するための保護シャッツタとしての感光体シャッタ(以下、シャッタと記す)10が設けられている。シャッタ10は、カートリッジ3が装置本体1Aから取り出されている状態では、感光体7を保護する保護位置となるように、軸部10dに設けたねじりコイルバネ(弾性手段:第1の弾性手段)15によって付勢されている。これにより、使用者が、カートリッジ3の取り扱い時に感光体7に簡単に触れてしまうことを防いでいる。一方、シャッタ10は、後述するように、装置本体1Aにカートリッジ3を装着する動作に連動して、軸部10dを中心に回転して感光体7を露出する露出位置(図1の位置)に開く、移動可能な構成となっている。即ち、シャッタ10は、感光体7を保護する保護位置と露出する露出位置とに移動可能であって、第1の弾性手段によって保護位置に向けて付勢されている。
【0014】
(3)カートリッジの装着:次に、装置本体1Aに対するカートリッジ3の装着について説明する。図2の(a)は装置本体1Aの前面側に配置してあるカートリッジドア61を開けた様子を示す斜視図、(b)はカートリッジ3の装着ガイド部付近を示す斜視図である。装置本体1Aに対するカートリッジ3の装着は、ドア61を開いて、装置本体1Aの前面側の開口部1Bを開放することでなされる。ドア61を開くと、開口部1Bが開放されて装置本体1A内のカートリッジ装着部1Cが見える。使用者はカートリッジ3を持ち、カートリッジ3を開口部1Bから装着部1Cに挿入する操作をする。装着部1Cの左右両側の側板62には、カートリッジ3を装着するための複数のガイド部21〜24、及びスキャナ2を支持するスキャナ台60にガイド部25が設けられている。上記のガイド部21〜25が装置本体1Aに配設され、カートリッジ3を装着可能な装着手段である。ここで、左右とは、画像形成装置1を正面側から見て左右である。本実施例の画像形成装置1及びカートリッジ3においては、右側が駆動側であり、左側が非駆動側である。一方、カートリッジ3の左右両側の側面には、装着のための姿勢ガイド部11、及び位置ガイド部12が突設されている。これより装着の一連の動作について図3〜図5を用いて説明する。図3の(a)が装着開始の状態であり、続いて図3の(b)、図4の(a)、図4の(b)、図5の(a)と装着動作が進んでいく。図5の(b)において装着完了となる。そして、図5の(b)において開き状態のドア61を閉じ込むことで図1と同様の状態となる。即ち、画像形成装置1は画像形成動作が可能な状態になる。まず、図3の(a)において、位置ガイド部12をガイド部21に係合させながら、カートリッジ3を装置本体1A内へと押し込んでいく。図4の(a)の位置では、姿勢ガイド部11がガイド部22に係合しながら進んでいく。図5の(a)の位置まで進むと、姿勢ガイド部11はガイド部23の上部と係合して進んでいく。最後に図5の(b)で装着完了となる。この位置にて、カートリッジ3の駆動側に感光体7と同軸上に設けられたカップリング17(図2の(b))が装置本体1Aの駆動側の駆動カップリング50(図2の(a))と係合する。画像形成時に駆動カップリング50からカップリング17を介して感光体7に駆動力が伝えられると、その駆動力で発生する回転モーメントによって姿勢ガイド部11がガイド部23に当接し、カートリッジ3の姿勢が決められる。
【0015】
(4)シャッタの開閉動作及び本体側電気接点とカートリッジ側電気接点:次に、シャッタ10の開閉動作及び本体側電気接点とカートリッジ側電気接点の接触について説明する。シャッタ10は、図2の(b)に示すようにシャッタ10を支持するアーム部10c、開閉中心となる軸部10d、開閉するための第1の開閉突起10a(シャッタ側当接部)及び第2の開閉突起10bで構成されている。第1の開閉突起10aは、姿勢ガイド部11、位置ガイド部12と同様にカートリッジ3の側面から突出している。また、第2の開閉突起10bはカートリッジ3の上部から突出している。ねじりコイルバネ15は、導電性の材料(導電性の材質)でできており、図6の(a)及び図7に示すように、その一端が第1の開閉突起10aの、本体ガイド部23との当接側まで延長された接点部(カートリッジ側電気接点)15aが設けられている。また図2の(a)に示すように導電性の材料である板金でできた本体側電気接点70が本体ガイド部23の一部(本体側当接部)23aに設けられている。一方、帯電ローラ4の支持部の構成は、図6に示すように、導電性の樹脂で形成された軸受け71が帯電ローラ4の芯金の一端を回転可能に支持しており、この軸受け71を押圧するコイルバネ(第2の弾性手段)72が設けられている。そして、帯電ローラ4は前記コイルバネ72の弾性力によって感光体7の周面に押圧されている。帯電ローラ4は感光体7に従動回転する。ここで、前記コイルバネ72は導電性の材料でできていて、図6の(a)及び(b)、図7の(b)に示すように、一端72aが開口73を通って外部まで延長されており、図7の(a)に示すように、外部にてねじりコイルバネ15と接触がなされている。即ち、ねじりコイルバネ15の接点部15aから帯電ローラ4まではねじりコイルバネ15、コイルバネ72、及び、軸受け71を経由して電気的に接続されている状態である。ここで、第1の弾性手段としてのねじりコイルバネ15と第2の弾性手段としてのコイルバネ72は一体で形成される形態にすることもできる。
【0016】
次に、シャッタ10の開閉動作及び帯電ローラ4と装置本体1Aの電源(不図示)とを電気的に接続するための本体側電気接点70とカートリッジ側電気接点15aの接触構成について図3〜図5を用いて説明する。カートリッジ挿入動作初期の図3の(a)の状態では、第1の開閉突起10a及び第2の開閉突起10bは何処にも当接していないのでシャッタ10は閉じたままである。次に図3の(b)において、第2の開閉突起10bが先にガイド部25に当接することによりシャッタ10が開いた状態になる。ガイド部25は、第2の開閉突起10bが当接する位置に設けられている(図2の(a))。第2の開閉突起10bがガイド部25に当接している間は、第1の開閉突起10aは、ガイド部23に接近するが当接はしない。次に図4の(a)においては、第2の開閉突起10bがガイド部25から離脱する。よってシャッタ10は前述のねじりコイルバネ15の付勢力で矢印X方向に閉じようとするが、このとき第1の開閉突起10aがガイド部23と当接するので、シャッタ10が開いた状態を維持することができる。次に図4の(b)以降は、第1の開閉突起10aがガイド部23と当接したまま進んでいく。図5の(a)に示す装着完了直前では、シャッタ10がさらに開いて上方へ退避しはじめる。これは装着完了の図5の(b)において、感光体7と転写ローラ51の間を通り抜けたあとの記録材が使用環境によっては多少湾曲し、シャッタ10に印字面が接触してしまうのを防ぐために退避させるのである。装着完了の図5の(b)においては、ねじりコイルバネ15の第1の開閉突起10aの本体ガイド部23との当接側まで延長された接点部位15aと、本体ガイド部23の本体側当接部23aに設けられた本体側電気接点70が当接している状態となる。このように装着完了の図5の(b)の状態において、装置本体1A及びカートリッジ3の電気接点70・15a同士が当接することでシャッタ10が開いた状態で維持されている。これは、即ちねじりコイルバネ15によるシャッタ10を保護位置に向けて付勢する力に抗って、第1の開閉突起10aの当接部に設けられたカートリッジ側電気接点15aと本体ガイド部23側の当接部に設けられた本体側電気接点70が当接しているからである。言い換えると、前記ねじりコイルバネ15のバネ力によって前記両電気接点15a・70は接触して電気的接続をしていることになる。このように、ねじりコイルバネ15の接点部15aが本体側電源と電気的に接続されている接点70と当接することによって受けた帯電電圧は、前記ねじりコイルバネ15、コイルバネ72、及び、軸受け71を経由して帯電ローラ4へ印加される。また、カートリッジ3の装置本体1Aからの取り外しは上記とは逆となる。即ち、ドア61を開けて開口部1Bを開放し、装着部1Cの装着手段21〜25に装着されているカートリッジ3を抜き外す。このカートリッジ3の抜き外し移動過程においてねじりコイルバネ15のバネ力によってシャッタ10が閉じ方向に移動して感光体7を保護する保護位置に移動する。
【0017】
以上のようにプロセス手段である帯電手段3の給電部を構成することにより、感光体7の保護部材であるシャッタ10を保護位置に向けて付勢する力によって装置本体側及びカートリッジ側の両電気接点70・15aの接触圧を得ることができる。そのため、電気接点の一方にバネ性を持たせて不安定な状態とする必要が無い。これにより、カートリッジ装着時に電気接点部材が変形するなどのトラブル発生の可能性を効果的に低減することができ、電気接点構成の信頼性を向上させることができる。また、電気接点圧の獲得や電気的な接続経路の確保など接点構成に無くてはならない機能をシャッタ部材やシャッタを保護位置に向けて付勢するバネ部材、帯電ローラを感光体に押圧するバネ部材など元々カートリッジの構成要素である部材を利用して実現できる。その為、接点部を構成する新たな部材を追加する必要が無く、部品点数の削減やコストダウンを実現できる。
【0018】
上記カートリッジ3の構成をまとめると次のとおりである。本体側電気接点70を有する電子写真画像形成装置1の装置本体1Aに着脱可能なプロセスカートリッジである。カートリッジ3は、電子写真感光体7と、感光体7に作用するプロセス手段を有する。また、カートリッジ3は、感光体7を保護する保護位置と露出する露出位置とに移動可能であって、第1の弾性手段15によって保護位置に向けて付勢されている保護シャッタ10を有する。シャッタ10は、カートリッジが装置本体1Aに装着された際に装置本体の本体側当接部23aと当接することにより露出位置で止まるようにシャッタ側当接部10aが設けられている。また、カートリッジ3は、プロセス手段と電気的に接続されたカートリッジ側電気接点15aを有している。そして、カートリッジ側電気接点15aがシャッタ側当接部10aに配置されている。第1の弾性手段15は導電性の材質でできており、カートリッジ側電気接点15aとプロセス手段との電気的な接続経路として利用される。第1の弾性手段15はその一部がシャッタ側当接部10aに位置するように配置され、本体側電気接点70との接点を構成する。プロセス手段は、感光体7の表面を帯電させる帯電手段4である。帯電手段4は導電性の軸受け71に支持され、軸受けを押圧する第2の弾性手段72によって感光体7へ押圧される構成であり、第2の弾性手段72が第1の弾性手段15と電気的に接続し、帯電手段4への電圧印加の経路として利用される。
【0019】
また、上記画像形成装置1の構成をまとめると次のとおりである。記録媒体Sに画像を形成する電子写真画像形成装置である。電子写真画像形成装置1は、装置本体1Aに配設され、カートリッジ3を装着可能な装着手段21〜25と、記録媒体Sを搬送する搬送手段と、本体側電気接点70と、本体側当接部23aと、を有する。そして、本体側当接部23aには本体側電気接点70を配置することにより、本体側電気接点70とカートリッジ側電気接点15aの電気的接続に際して、シャッタ10が保護位置に向けて付勢される力によって接点間の接触圧を得る。
【0020】
[他の実施例]
1)前述の実施例1では、ねじりコイルバネ15をプロセス手段への給電経路及び本体側電気接点70に対するカートリッジ側電気接点15aとして活用する構成とした。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、シャッタ10の第1の開閉突起10aに板金で作成した円筒部材を被せて本体側電気接点70に対するカートリッジ側電気接点部材とする。そして、この円筒状接点部材と、帯電ローラ4を感光体7に押圧しているコイルバネ72を導線など変形可能な導電性部材で電気的に接続する構成としても良い。実施例1に比べ接点部材及び給電経路のために部材を追加することになり部品点数の削減やコストダウンの効果は期待できなくなる。しかし、シャッタ10を保護位置に向けて付勢する力によって装置本体1A側及びカートリッジ3側の両電気接点間の接触圧を得ることができ電気接点の一方にバネ性を持たせるなどする必要は無い。その為、電気接点構成の信頼性を向上させる効果は得ることができる。
【0021】
2)また、前述の実施例1では、プロセス手段である帯電手段4に給電するための電気接点構成とした。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、別のプロセス手段である現像手段や現像ブレードに給電するための接点構成としても良い。また、感光体やトナー残量検知手段30、記憶手段31などに対する接点構成としても良い。また、非磁性一成分トナーを用いた現像器など、現像ローラにトナーを供給する為のトナー供給ローラを設けた構成においては、このトナー供給ローラに給電するための接点構成としても良い。即ち、カートリッジ3において、カートリッジ側電気接点15aに電気的に接続されたプロセス手段は、実施例1の帯電手段4に限られず、電子写真感光体7、現像剤の残量を検知する現像剤残量検知手段30、情報を記憶する記憶手段31でもよい。また、プロセス手段は、現像ローラ5aや現像ブレード5b、トナー供給ローラなどであってもよい。
【0022】
3)また、前述の実施例1では、カートリッジ3の装着方向において、シャッタ10を前方に開くことで感光体7を露出する構成とした。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、カートリッジ3の装着方向において、シャッタ10を後方に開くことで感光体を露出する構成としても良い。また、前述の実施例1では、シャッタ用ねじりコイルバネ15(第1の弾性手段)と帯電ローラ押圧用のコイルバネ(第2の弾性手段)72は別部材とし、電気的に両部材を接続する構成とした。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばこれらの両部材15・72を一体として1つの部材としても良い。組立性については、帯電ローラ押圧用のコイルバネ15がカートリッジ枠体の外部に出ている開口を若干大きくすることで問題とはならない。これらの部材15・72を一体化することにより電気的に接続する部位を減らすことが出来、接点構成の信頼性をさらに向上させることが出来る。また部品点数を削減できる。
【符号の説明】
【0023】
1・・電子写真画像形成装置、1A・・装置本体、3・・プロセスカートリッジ、4・・帯電手段(プロセス手段)、7・・電子写真感光体、10・・保護シャッタ、10a・・シャッタ側当接部、15・・第1の弾性手段、23a・・本体側当接部、70・・本体側電気接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真画像形成装置の装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、電子写真感光体と、前記電子写真感光体に作用するプロセス手段と、前記電子写真感光体を保護する保護位置と露出する露出位置とに移動可能であって、第1の弾性手段によって前記保護位置に向けて付勢されており、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に前記装置本体の本体側電気接点が配置された本体側当接部と当接することにより前記露出位置で止まるようにシャッタ側当接部が設けられた保護シャッタと、前記プロセス手段と電気的に接続されたカートリッジ側電気接点と、を有し、前記カートリッジ側電気接点が前記シャッタ側当接部に配置されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
前記第1の弾性手段は導電性の材質でできており、前記カートリッジ側電気接点と前記プロセス手段との電気的な接続経路として利用されることを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】
前記第1の弾性手段はその一部が前記シャッタ側当接部に位置するように配置され、前記本体側電気接点に対するカートリッジ側電気接点を構成することを特徴とする請求項2に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項4】
前記プロセス手段は、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項5】
前記帯電手段は導電性の軸受けに支持され、前記軸受けを押圧する第2の弾性手段によって前記電子写真感光体へ押圧される構成であり、前記第2の弾性手段が前記第1の弾性手段と電気的に接続し、前記帯電手段への電圧印加の経路として利用されることを特徴とする請求項4に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項6】
前記第1の弾性手段と前記第2の弾性手段が一体で形成されることを特徴とする請求項5に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項7】
電子写真画像形成装置の装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、電子写真感光体と、前記電子写真感光体を保護する保護位置と露出する露出位置とに移動可能であって、弾性手段によって前記保護位置に向けて付勢されており、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に前記装置本体の本体側電気接点が配置された本体側当接部と当接することにより前記露出位置で止まるようにシャッタ側当接部が設けられた保護シャッタと、前記電子写真感光体と電気的に接続されたカートリッジ側電気接点と、を有し、前記カートリッジ側電気接点が前記シャッタ側当接部に配置されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項8】
前記弾性手段は導電性の材質でできており、前記カートリッジ側電気接点と前記電子写真感光体との電気的な接続経路として利用されることを特徴とする請求項7に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項9】
前記弾性手段はその一部が前記シャッタ側当接部に位置するように配置され、前記本体側電気接点に対するカートリッジ側電気接点を構成することを特徴とする請求項8に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項10】
電子写真画像形成装置の装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、電子写真感光体と、前記電子写真感光体を保護する保護位置と露出する露出位置とに移動可能であって、弾性手段によって前記保護位置に向けて付勢されており、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に前記装置本体の本体側電気接点が配置された本体側当接部と当接することにより前記露出位置で止まるようにシャッタ側当接部が設けられた保護シャッタと、前記電子写真感光体に形成される静電潜像を現像剤で現像する現像手段と、前記現像剤の残量を検知する現像剤残量検知手段と、前記現像剤残量検知手段と電気的に接続されたカートリッジ側電気接点と、を有し、前記カートリッジ側電気接点が前記シャッタ側当接部に配置されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項11】
前記弾性手段は導電性の材質でできており、前記カートリッジ側電気接点と前記現像剤残量検知手段との電気的な接続経路として利用されることを特徴とする請求項10に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項12】
前記弾性手段はその一部が前記シャッタ側当接部に位置するように配置され、前記本体側電気接点に対するカートリッジ側電気接点を構成することを特徴とする請求項11に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項13】
電子写真画像形成装置の装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、電子写真感光体と、前記電子写真感光体を保護する保護位置と露出する露出位置とに移動可能であって、弾性手段によって前記保護位置に向けて付勢されており、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に前記装置本体の本体側電気接点が配置された本体側当接部と当接することにより前記露出位置で止まるようにシャッタ側当接部が設けられた保護シャッタと、情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段と電気的に接続されたカートリッジ側電気接点と、を有し、前記カートリッジ側電気接点が前記シャッタ側当接部に配置されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項14】
前記弾性手段は導電性の材質でできており、前記カートリッジ側電気接点と前記記憶手段との電気的な接続経路として利用されることを特徴とする請求項13に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項15】
前記弾性手段はその一部がシャッタ側当接部に位置するように配置され、前記本体側電気接点に対するカートリッジ側電気接点を構成することを特徴とする請求項14に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項16】
記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置であって、電子写真画像形成装置の装置本体に配設され、請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジを装着可能な装着手段と、前記記録媒体を搬送する搬送手段と、本体側電気接点と、本体側当接部と、を有し、前記本体側当接部には前記本体側電気接点を配置することにより、前記本体側電気接点と前記カートリッジ側電気接点の電気的接続に際して、前記保護シャッタが前記保護位置に向けて付勢される力によって接点間の接触圧を得ることを特徴とする電子写真画像形成装置。

【図6】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−22315(P2011−22315A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−166627(P2009−166627)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】