プロセスカートリッジ
【課題】感光ドラムから駆動力を受けて回転する回転体が感光ドラムに対して均等な力で付勢させることが可能なプロセスカートリッジの提供。
【解決手段】クリーニングギヤ70の両端部にて当接する固定部32A,32Bによってドラムギヤ68とクリーニングギヤ70の間の軸間距離を固定させ、クリーニングギヤ70と連結されたクリーニングローラ41の感光ドラム5に対する付勢力が不均一になることを防止する。さらに、クリーニングギヤ70とクリーニングローラ41とをオルダム軸継手60で連結している。これにより、クリーニングローラ自身のもつ公差の影響でクリーニングローラ41の回転に偏心が生じても、オルダム軸継手60がそのずれを吸収する。したがってクリーニングローラ41に対して特別に固定壁等を当接させなくても、クリーニングローラ41の感光ドラム5に対する付勢力を安定させることができる。
【解決手段】クリーニングギヤ70の両端部にて当接する固定部32A,32Bによってドラムギヤ68とクリーニングギヤ70の間の軸間距離を固定させ、クリーニングギヤ70と連結されたクリーニングローラ41の感光ドラム5に対する付勢力が不均一になることを防止する。さらに、クリーニングギヤ70とクリーニングローラ41とをオルダム軸継手60で連結している。これにより、クリーニングローラ自身のもつ公差の影響でクリーニングローラ41の回転に偏心が生じても、オルダム軸継手60がそのずれを吸収する。したがってクリーニングローラ41に対して特別に固定壁等を当接させなくても、クリーニングローラ41の感光ドラム5に対する付勢力を安定させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に装着されるプロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を適用した画像形成装置の一例としてのレーザプリンタに対して着脱可能に構成されたプロセスカートリッジにおいて、感光ドラムの周面上に付着した残留トナーなどの異物を除去するためのクリーニングローラを備えたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
このクリーニングローラは、その一端部にクリーニングギヤが設けられている。一方、感光ドラムの一端部にはドラムギヤを設けられている。このクリーニングギヤとドラムギヤとが噛合され、さらにドラムギヤに入力される駆動力がクリーニングギヤに伝達される。これによって、クリーニングローラの回転が達成される。また、クリーニングローラは、例えばばねなどの付勢部材によって感光ドラムの表面に付勢されている。このときクリーニングローラは、感光ドラムの周面の移動方向と同じ方向に移動するように回転し、感光ドラム周面上の異物を回収する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−109319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の構成では、以下のような現象が生じることがある。すなわち、図8(a)に示すように、ドラムギヤ168とクリーニングギヤ170とが噛合された構成においては、環境の変化や、クリーニングローラ141自身のもつ公差などが要因でドラムギヤ168とクリーニングギヤ170の間の距離が変化することがある。すると、クリーニングローラ141の回転が不安定になる。
【0006】
クリーニングローラ141の回転が不安定になると、クリーニングローラ141の感光ドラム105に向けて付勢する力(矢印方向)が、クリーニングローラ141の軸線方向(図の左右方向)にわたって均一でなくなる。すると、感光ドラム105上の付着物が良好に回収されなくなる恐れがある。
【0007】
そこで、クリーニングギヤ170とドラムギヤ168の間の距離を安定させる構成として、図8(b)に示すように固定壁132Aを図示しないフレームに形成してクリーニングギヤ170の軸心部174に当接させることが考えられる。これによって、クリーニングギヤ170の移動を規制して一定の位置に固定することができる。
【0008】
しかしながら、クリーニングギヤ170に固定壁132Aを当接させた場合、クリーニングローラ141の軸線方向における固定壁132Aが当接している側と当接していない側とでクリーニングローラ141が感光ドラム105を付勢する付勢力に差がでてしまう。したがって、感光ドラム105上の付着物を良好に回収することは困難である。
【0009】
また、図8(c)に示すように、固定壁132Aをクリーニングギヤ170の軸心部174に当接させ、さらにクリーニングローラ141を挟んで固定壁132Aの反対側にもう一つの固定壁132Bを当接させることが考えられる。この場合は、クリーニングロー
ラ141が感光ドラム105を付勢する付勢力の差は軸線方向において生じにくくなる。
【0010】
しかし、クリーニングローラ141の径がもつ公差が要因となり、固定壁132A,132Bがクリーニングギヤ170もしくはクリーニングローラ141に当接するときと当接しないときが生じる。したがって、クリーニングローラ141を感光ドラム105へ常に均等な付勢力で付勢させることは困難である。
【0011】
なお、上記の問題点は感光ドラムとクリーニングローラとの関係に限らず、転写ローラや帯電ローラ等、感光ドラムから駆動力を受けて回転する回転体と感光ドラムとの関係においても同様である。
【0012】
以上の問題点に鑑み、本発明は感光ドラムから駆動力を受けて回転する回転体を感光ドラムに対して均等な力で付勢させることが可能なプロセスカートリッジの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するため、本発明に係るプロセスカートリッジは、表面に現像剤像が形成される感光ドラムを備え、画像形成装置に対して装着可能に構成されたプロセスカートリッジであって、前記感光ドラムの表面に接触する回転体と、前記回転体を保持するフレームと、前記感光ドラムの軸方向一端側に設けられ、画像形成装置本体から駆動力を受ける第一ギヤと、前記第一ギヤと噛合するギヤ本体部と、当該ギヤ本体部の両端に形成された軸心部とを有する第二ギヤと、前記回転体と前記軸心部とを連結するオルダム軸継手と、前記第二ギヤの前記軸心部に当接し、前記第一ギヤと前記第二ギヤとの軸間距離を固定する固定部を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、前記固定部は、第二ギヤが前記第一ギヤから回転駆動力を入力された方向へ移動することを規制する規制面を備えていてもよい。
【0015】
また、前記固定部は、前記回転体を保持するフレームに形成され、前記第二ギヤの前記軸心部両端に当接するようにしてもよい。
【0016】
また、前記感光ドラムの軸方向一端側には、前記感光ドラムを回転可能に保持する第一保持部と、前記第二ギヤの前記軸心部を回転可能に保持する第二保持部とを有する保持部材が設けられるようにしてもよい。
【0017】
また、前記保持部材を位置決めする板金を前記軸方向端部に有するようにしてもよい。
【0018】
また、回転体は、前記感光ドラムの周面上の付着物を清掃するクリーニングローラであってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るプロセスカートリッジによれば、回転体自身のもつ公差の影響で回転体の回転に偏心が生じても、オルダム軸継手がそのずれを吸収する。したがって回転体の感光ドラムに対する付勢力を安定させることができる。このとき、回転体に対して直接的に固定壁等を当接させる必要がない。さらに、第二ギヤの軸心部に固定部を当接させることによって第一ギヤと第二ギヤの間の軸間距離を固定するので、第二ギヤと連結された回転体の感光ドラムに対する付勢力が不均一になることを防止できる。
【0020】
また、固定部が、第二ギヤが第一ギヤから回転駆動力を入力された方向へ移動することを規制する規制面を備えていれば、第一ギヤから受ける駆動力によって第二ギヤが移動す
ることを防ぐことができる。
【0021】
また、固定部が回転部を保持するためのフレームに形成され、第二ギヤの軸心部両端に当接するようにすれば、より安定して第一ギヤと第二ギヤとの軸間距離を安定させることが可能となる。
【0022】
また、感光ドラムと第二ギヤの軸心部を同一の保持部材によって保持することで、感光ドラムに保持される第一ギヤと第二ギヤとの間の軸間距離をより正確に保ち、軸方向において均一な力で感光ドラムと回転体とを接触させることができる。
【0023】
また、保持部材を板金に対して位置決めすることによって、感光ドラムおよび回転体を精度良く保持することができる。
【0024】
また、回転体が、前記感光ドラムの周面上の付着物を清掃するクリーニングローラであれば、クリーニングローラが感光ドラムに付勢するときの付勢力を軸線方向において均一にすることができるので、感光ドラム上の付着物を良好に清掃することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】プリンタの一実施形態を示す側断面図である。
【図2】感光体ユニットの要部断面図である。
【図3】感光体ユニットを上側から見たときの要部断面図である。
【図4】感光体ユニットにおける感光ドラムおよびクリーニングローラを支持する軸受部材を示した側断面図である。
【図5】図3における感光体ユニットの一端側を拡大した拡大図である。
【図6】オルダム軸継手を分解して示した斜視図である。
【図7】図5のC−C断面図である。
【図8】感光ドラムおよびクリーニングローラの駆動伝達機構に関する参考図である。
【図9(a)】第二の実施形態に係る感光体ユニットを表した図面であって、感光体ユニットの側面図である。
【図9(b)】第二の実施形態に係る感光体ユニットを表した図面であって、感光体ユニットの正面図である。
【図9(c)】第二の実施形態に係る感光体ユニットを表した図面であって、(a)のA−A断面を表している。
【図10】第一ドラムベアリングの斜視図である。
【図11】感光体ユニットの斜視図であって、感光ドラムの一端側(第一ドラムベアリング側)を表した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第一の実施形態)
[プリンタの概略構成]
本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、方向について言及する場合には、図示した方向矢印を参照する(他の図についても同様)。プリンタ1は、タンデム型のカラーレーザプリンタである。プリンタ1は、本体ケーシング2を備えている。本体ケーシング2の前面には、フロントカバー3が開閉可能に設けられている。
【0027】
本体ケーシング2内には、本発明のプロセスカートリッジの一例としてのタンデム型感光体ユニット4が備えられている。タンデム型感光体ユニット4は、フロントカバー3が開かれた状態で、本体ケーシング2の前面に形成される着脱口を介して、本体ケーシング2の内部に対して着脱自在である。
【0028】
タンデム型感光体ユニット4には、4つの感光ドラム5が、回転自在な状態で、前後方向に沿って並列配置されている。各感光ドラム5には、スコロトロン型の帯電器6および現像ローラ7が対向配置されている。
【0029】
タンデム型感光体ユニット4は、その外郭をなすユニットフレーム20と、上述した感光ドラム5を1つずつ備える4つの感光体ユニット21と、上述した4つの現像カートリッジ8とを備えている。
【0030】
ユニットフレーム20は、上下方向から見て前後に長手の略矩形をなす枠体形状であり、上下の両方へ向けて開放されている。4つの感光体ユニット21は、ほぼ等しい間隔を隔てて、ユニットフレーム20によって支持されている。各感光体ユニット21は、各色の現像カートリッジ8のいずれかに対応している。
【0031】
各感光ドラム5には、現像ローラ7を保持し、各色のトナー(現像剤)を収容する現像カートリッジ8が上から隣接配置されている。現像カートリッジ8は、感光ドラム5と同様に4つ設けられ、前後方向に沿って並列配置された状態で、タンデム型感光体ユニット4に対して着脱可能に装着されている。
【0032】
各現像カートリッジ8は、本体ケーシング2からタンデム型感光体ユニット4がスライド移動された状態において、ユニットフレーム20に対して上方から着脱される。各現像カートリッジ8において、現像ローラ7の外周面(表面)には、各色に対応したトナーが担持される。現像ローラ7の表面は、対応する感光ドラム5の外周面(表面)に対して前上側から接触している。
【0033】
各感光ドラム5の外周面は、帯電器6によって一様に帯電された後、本体ケーシング2の上部に設けられたスキャナユニット9から出射されたレーザビーム(図1の図示破線矢印参照)によって露光される。これにより、各感光ドラム5の外周面には、画像データに基づく静電潜像が形成される。各感光ドラム5の静電潜像は、各感光ドラム5に対応する現像ローラ7の外周面に担持されるトナーによって可視像化され、各感光ドラム5の外周面には、各色のトナー像(現像剤像)が形成される。
【0034】
本体ケーシング2の底部には、用紙Sを収容する給紙カセット10が配置されている。給紙カセット10に収容されている用紙Sは、各種ローラにより、ベルト11の上面に搬送され、さらにベルト11の走行により、ベルト11と各感光ドラム5との間を順次後側へ通過する。そして、感光ドラム5の外周面上のトナー像は、用紙Sと対向(接触)したときに、転写ローラ12に印加された転写バイアスによって、用紙Sに転写される。なお、用紙Sに転写されずに感光ドラム5の表面に付着したトナーは、感光ドラム5に付勢されながら配置された本発明の回転体の一例としてのクリーニングローラ41に回収される。
【0035】
ベルト11に対して用紙Sの搬送方向における下流側には、定着器13が設けられている。トナー像が転写された用紙Sは、定着器13によってトナー像を用紙Sに定着される。トナー像が定着した用紙Sは、各種ローラにより、本体ケーシング2の上面の排紙トレイ14に排出される。
【0036】
図2に示すように、各感光体ユニット21は、1つの感光ドラム5と、この感光ドラム5に対して後上側から対向配置されるサブユニット19とを備えている。そして、サブユニット19は、フレーム35と、帯電器6と、クリーニングローラ41とを備えている。フレーム35は、帯電器6とクリーニングローラ41とを保持している。
【0037】
[クリーニングローラと感光ドラムの駆動機構]
次に、クリーニングローラ41と感光ドラム5の駆動機構について説明する。図3に示すように、感光ドラム5は、円筒形状であって、その軸方向一端側の周面上に本発明の第一ギヤの一例としてのドラムギヤ68を備えている。ドラムギヤ68は、その外周面にギヤ歯を有している。
【0038】
感光ドラム5は、本体ケーシング2に備えられた図示しない駆動入力部から回転駆動力を入力され、図2における矢印方向(反時計回り)に回転する。駆動入力部は、ドラムギヤ68に噛合して駆動力を入力するギヤ機構や、感光ドラム5の軸心方向から感光ドラム5に接続して回転駆動力を入力するカップリング機構など、公知の駆動機構をとりうる。
【0039】
フレーム35は、一対の軸受部材50および一対のコイルばね52を保持している。また、フレーム35におけるドラムギヤ68側端部には、フレーム35においてリブ状に形成された第一固定部32A,第二固定部32Bが形成されている。
【0040】
図4に示すように、一対の軸受部材50は、ともにその中心軸が感光ドラム5の軸方向(幅方向)と平行に延びる略円筒形状をなしている。軸受部材50は、その後ろ側に突出する凸部62を有し、凸部62に長手状のコイルばね52が外嵌されている。コイルばね52は、その一端をフレーム35に取り付けられ、他端を軸受部材50の凸部62に外嵌される。これによって、軸受部材50は、コイルばね52から付勢力を受ける。
【0041】
このように構成された軸受部材50によって、クリーニングローラ41は、その両端部を保持される(図3参照)。クリーニングローラ41は、フレーム35に対して保持されつつ、感光ドラム5方向に付勢される。このとき、クリーニングローラ41が付勢される方向は、クリーニングローラ41と感光ドラム5の軸心同士を結ぶ線O1と同一方向である。
【0042】
クリーニングローラ41は、円筒状の部材であって、軸部42と、軸部42の両端部を除く外周面に被覆された発砲体(例えばスポンジ)とから構成される。クリーニングローラ41は、感光ドラム5の軸心方向と平行方向に延び、スポンジ部分が感光ドラム5表面に接触するように配置されている。また、クリーニングローラ41におけるドラムギヤ68側の端部は、オルダム継手60を介して本発明の第二ギヤの一例としてのクリーニングギヤ70と連結されている。
【0043】
図5に示すように、クリーニングギヤ70は、その外周面にギヤ歯を有する円筒形状のギヤ本体部72と、ギヤ本体部72と回転軸線を同一にしてギヤ本体部72の両側面から延びるように形成された円筒形状の軸心部74とを有している。軸心部74の外径は、ギヤ本体部72の外径よりも小さい。ギヤ本体部72は、ドラムギヤ68と噛合されることによって感光ドラム5から回転駆動力を伝達される。
【0044】
図6に示すように、オルダム軸継手60は、継手部材66と、クリーニングローラ41の軸部42の端部から突出するローラ側凸部62と、クリーニングギヤ70の軸心部74の一端から突出するように形成されたギヤ側凸部64とから構成される。継手部材66は、その両側面においてローラ側凸部62およびギヤ側凸部64と連結されている。
【0045】
具体的には、継手部材66には、その両面においてそれぞれ互いに直交関係にある溝部65,67が形成されている。そして、溝部65,67に対してそれぞれローラ側凸部62およびギヤ側凸部64が嵌合する。各凸部62,64は、溝部65,67に嵌った状態で溝部65,67に沿ってスライド移動可能である。これによって、クリーニングローラ
41とクリーニングギヤ70とが、継手部材66を介して連結される。このとき、クリーニングローラ41とクリーニングギヤ70の軸心は、互いに平行関係になるように連結される。
【0046】
図7に示すように、第一固定部32A,第二固定部32Bは、クリーニングギヤ70の軸心部74の軸心方向と直交するように延びている。この第一固定部32A,第二固定部32Bは、フレーム35の一端側、すなわちドラムギヤ68側に形成され、他端側には形成されていない。第一固定部32A,第二固定部32Bは、クリーニングギヤ70のギヤ本体部72を挟むようにして両軸心部74の周面に当接する。
【0047】
第一固定部32Aは、平面で構成される固定面31と、固定面31から垂直方向に延びる規制面33とからなる。第一固定部32Aは、クリーニングギヤ70の軸心部74と二箇所で接している。
【0048】
固定面31は、クリーニングローラ41を挟んで感光ドラム5の反対側でクリーニングギヤ70を受けるようにして配置されている。具体的には、固定面31は、クリーニングローラ41(クリーニングギヤ70)と感光ドラム5の軸心同士を結ぶ線O1と交差するように延びている。固定面31がクリーニングギヤ70の軸心部74と当接することによって、ドラムギヤ68とクリーニングギヤ70の間の軸間距離Lが変化しないように、クリーニングギヤ70の移動が規制される。
【0049】
また、規制面33は、固定面31と同様に、主に平面で構成されている。規制面33は、クリーニングギヤ70の軸心部74と当接する。これによってクリーニングギヤ70がドラムギヤ68の駆動力を受けて移動することが規制される。具体的には、クリーニングギヤ70は、ドラムギヤ68とのかみ合わせにより両者の接線方向O2に対して所定の角度(本実施例では20度)傾いた方向(圧力角方向O3)に圧力を受ける。
【0050】
一方、規制面33は、クリーニングギヤ70がドラムギヤ68から受ける圧力の方向O3に対して垂直方向に延び、クリーニングギヤ70の軸心部74と当接している。これによって、規制面33は、クリーニングギヤ70が圧力を受けた方向に移動しないように、クリーニングギヤ70の軸心部74の位置を規制している。
【0051】
第二固定部32Bは、クリーニングギヤ70のギヤ本体部72を挟んで第一固定部32Aの反対側でクリーニングギヤ70の軸心部74に当接している。それ以外の構成は、第一固定部32Aと同様である。
【0052】
以上のように構成された感光体ユニット21では、以下のような作用効果を有する。すなわち、固定部32A,32Bは、クリーニングギヤ70の両端部に設けられた軸心部74に当接する。したがって、ドラムギヤ68とクリーニングギヤ70との間の軸間距離が固定される。これによって、クリーニングギヤ70に連結されたクリーニングローラ41が感光ドラム5を付勢するときに、その付勢力が不均一になることを防止できる。
【0053】
さらに、本実施例では、クリーニングギヤ70とクリーニングローラ41とがオルダム軸継手60で連結されている。これにより、クリーニングローラ41自身のもつ公差の影響でクリーニングローラ41の回転に偏心が生じても、オルダム軸継手60がそのずれを吸収する。したがって、クリーニングローラ41の感光ドラム5に対する付勢力を安定させることができる。このとき、クリーニングローラ41に対して直接的に固定壁等を当接させる必要がない。
【0054】
また、第一固定部32A,第二固定部32Bは、規制面33を有する。規制面33は、
ドラムギヤ68から入力される回転駆動力の入力方向への移動を規制している。したがって、規制面33は、クリーニングギヤ70がドラムギヤ68から受ける駆動力によって移動することを防ぎ、クリーニングギヤ70とドラムギヤ68との位置関係をより一層安定させることができる。
【0055】
(第二の実施形態)
次に、本発明に関する他の実施形態について説明する。なお、第二の実施形態の説明において、第一の実施形態で説明した事項と重複する事項については第一の実施形態と同じ符号を付し、詳細な説明を割愛する。本実施形態において先の実施形態と異なる点は、図9(a)に示すような、感光ドラム5を支持するためのドラムベアリング210と、金属の側板220A,220Bを有する点である。
【0056】
タンデム型感光体ユニット104は、その外郭をなすユニットフレーム20内に、上述した4つの感光体ユニット21と、上述した4つの現像カートリッジ8とを備えている。また、タンデム型感光体ユニット104は、図9(a)(b)に示すように、感光ドラム5の軸方向両端に、一対の第一側板220A,第二側板220Bが設けられている。さらに、タンデム型感光体ユニット104は、各感光体ユニット21を各側板220に保持するための、第一ドラムベアリング210A、および第二ドラムベアリング210Bを備えている。このうち、第一ドラムベアリング210Aは、本発明の保持部材の一例としての役割を果たすものである。第一ドラムベアリング210Aおよび第二ドラムベアリング210Bは、各感光ドラムに対して一対ずつ設けられている。
【0057】
図9(c)に示すように、第一ドラムベアリング210Aは、樹脂材料から形成され、円筒状に形成された本発明の第一保持部の一例としての第一円筒部201と、第一円筒部201の一方側に形成された円板状の第一鍔部202と、本発明の第二保持部の一例としての第二円筒部203と、第二鍔部204とを備えている。また、第二ドラムベアリング210Bは、樹脂材料から形成され、円筒状に形成された第一円筒部201と、第一円筒部201の一方側に形成された円板状の第一鍔部202とを備えている。
【0058】
より詳しくは、第一円筒部201は、側板220に形成されたドラム保持孔221(後述)の内周面とほぼ同じ外径を有し、感光ドラム5の端部のフランジ部38の外周面とほぼ同じ内径を有している。第一鍔部202は、第一円筒部201よりも大きな外径を有している。
【0059】
また、図10に示すように、第一ドラムベアリング210Aは、第一円筒部201に隣り合う位置に、クリーニングギヤ70を保持するための第二円筒部203が設けられている。第二円筒部203は、第一円筒部201よりも小径であって、第一円筒部201と同一方向に沿って延びている。第二円筒部203は、クリーニングギヤ70の軸心部74の外形とほぼ同じ内径を有している。第二円筒部203の一方側には、第二円筒部203の外周よりも大きな外周を有する第二鍔部204が形成されている。第一鍔部202と第二鍔部204とは、同一平板上にて連続的に形成されている。
【0060】
さらに、第一鍔部202は、第一側板220Aに係止するための爪部205を有している。爪部205は、第一円筒部201を径方向に挟むようして対をなして配置されている。爪部205は、第一鍔部202の縁部から径方向に延出し、さらにそこから第一円筒部201の延びる方向、すなわち感光ドラム5の軸方向に向かって屈曲している。爪部205は、屈曲部で第一側板220Aの縁部を挟み込むことで、ドラムベアリング210A,210Bを第一側板220Aに係止する。なお、各爪部205は、感光体ユニット21の上下方向に対向するように配置されている。より詳しくは、各爪部205は、第一円筒部201および第二円筒部203が隣接する方向に対し略直交方向に交差するように対向し
ている(図9(a)参照)。
【0061】
各側板220A,220Bは、金属板のプレス加工により作製され、4つの感光ドラム5の並び方向に延びる略細長矩形板状に形成されている。第一側板220Aおよび第二側板220Bは、感光ドラム5の軸方向において感光ドラム5を挟むようにして対向配置される。
【0062】
図9(c)に示すように、第一側板220Aおよび第二側板220Bには、第一ドラムベアリング210Aまたは第二ドラムベアリング210Bを挿通および保持するための円形のドラム保持孔221が形成されている。ドラム保持孔221は、各側板220A,220Bにおける感光ドラム5の並び方向において、互いに一定間隔を空けて形成されている。
【0063】
また、ドラムギヤ68を有する側の感光ドラム5を保持する第一側板220Aには、第一ドラムベアリング210Aおよびクリーニングギヤ70を挿通可能に貫通された貫通孔222が形成されている。さらに、第一側板220A,第二側板220Bの縁部には、先述した第一ドラムベアリング210A、第二ドラムベアリング210Bに形成された爪部205を受け入れるために形成された溝部223が設けられている(図11も参照)。
【0064】
上記のように構成されたタンデム型感光体ユニット104において、図11に示すように、感光体ドラム5は、両側板220A,220Bに挟まれるように配置され、軸方向両端のフランジ部38を第一側板220A,第二側板220Bの各ドラム保持孔221に挿通されている。クリーニングローラ41の両端に設けられた軸受部材5がコイルばね52によって感光ドラム5へ付勢されている。
【0065】
オルダム軸継手60を介してクリーニングローラ41の一端側に連結されたクリーニングギヤ70は、オルダム軸継手60と連結された側の軸心部74をフレーム35の第二固定部32Bに当接させている。さらに、オルダム軸継手60と連結された側と反対側の軸心部74は、クリーニングローラ41の軸方向外側に延び、フレーム35および貫通孔222を貫通して第一側板220Aの外へ露出している(図9(c)参照)。
【0066】
第一側板220Aのドラム保持孔221に挿通された感光ドラム5のドラムギヤ68側のフランジ部38には、第一ドラムベアリング210Aが組み付けられている。具体的には、第一ドラムベアリング210Aの第一円筒部201は、ドラム保持孔221からドラム軸方向外部へ露出したフランジ部38の外周面とドラム保持孔221との間に軽圧入されている(図9(c)も参照)。フランジ部38は、第一円筒部201を貫通し、第一鍔部202から外側に露出している。
【0067】
また、第一ドラムベアリング210Aが側板220に対して支持された状態において、貫通孔222を貫通して第一側板220Aの外へ端部を露出させている軸心部74は、第二円筒部203に保持される。具体的には、第一ドラムベアリング210Aは、軸心部74を第二円筒部203に対し回転可能に保持することで、クリーニングギヤ70を保持している。つまり、感光ドラム5のフランジ部38は、第一ドラムベアリング210Aの第一円筒部201によって回転可能に保持される一方で、クリーニングギヤ70の軸心部74は第一ドラムベアリング210Aの第二円筒部203に回転可能に保持されているので、ドラムギヤ68とクリーニングギヤ70との間の距離は、一定に保たれる。
【0068】
そして、図11に示すように、第一鍔部202から径方向外側に延びる爪部205が第一側板220Aの縁部に食い込むことで、感光体ユニット21は第一側板220Aに対し位置決めされる。これにより、第一ドラムベアリング210Aが第一側板220Aに対し
て回転不能に支持されるとともに、フランジ部38が第一ドラムベアリング210Aに対して回転可能に支持される。
【0069】
第二ドラムベアリング210Bの第一円筒部201は、ドラムギヤ68とは反対側の第二側板220Bのドラム保持孔221に挿通されたフランジ部38の外周面とドラム保持孔221との間に軽圧入される。より具体的には、まず第二ドラムベアリング210Bがフランジ部38に軽圧入される。そして、第二側板220Bのドラム保持孔221に第二ドラムベアリング210Bの端部が軽圧入される。第二ドラムベアリング210Bの爪部205は、側板220に係止される。これによって、感光ドラム5のフランジ部38が第二側板220Bに保持される。
【0070】
なお、感光ドラム5を保持した各側板220A,220Bは、外側から図示しないネジによってユニットフレーム20と螺着される。
【0071】
このように、ドラムベアリング210A,210Bが感光ドラム5の両端に軽圧入され、かつドラムベアリング210A,210Bが各側板220A,220Bに軽圧入されることによって、感光ドラム5が第一側板220A,第二側板220Bに対し保持される。このとき、第一ドラムベアリング210Aはドラムギヤ68側のフランジ部38とともにクリーニングギヤ70の軸心部74も一体的に保持するので、ドラムギヤ68とクリーニングギヤ70との間の軸間距離は正確に保たれ、軸方向にわたって均一な力で感光ドラム5とクリーニングローラ41とを接触させることができる。
【0072】
また、ドラムベアリング210A,210Bを金属の側板220A,220Bに対して位置決めすることによって、感光ドラム5およびクリーニングローラ41を精度良く保持することができる。
【0073】
なお、本実施形態では、回転体としてクリーニングローラを例示して本発明を説明したが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。例えば、感光ドラムに対向配置された転写ローラや帯電ローラなどの駆動機構に対して本発明を適用しても良い。
【0074】
また、本実施例では、フレーム35は、帯電器6とクリーニングローラ41とを保持するものとして構成されているが、帯電器6とクリーニングローラ41とは、それぞれ別のフレームに保持されるように構成されていても良い。すなわち、それぞれがユニット化されていても良い。たとえば、クリーニングローラ41は、クリーニングユニットとして軸受部材50およびコイルばね52とともにフレーム35に一体的に保持されるようにしても良い。
【0075】
また、本発明に係るプロセスカートリッジとしてタンデム型の感光体ユニットを例示したが、例えばモノクロプリンタおいて現像カートリッジが着脱可能に構成された感光体カートリッジに対して本発明を適用するなど、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 プリンタ
2 本体ケーシング
4 タンデム型感光体ユニット
5 感光ドラム
21 感光体ユニット
32A,32B 固定部
33 規制面
35 フレーム
41 クリーニングローラ
60 オルダム軸継手
68 ドラムギヤ
70 クリーニングギヤ
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に装着されるプロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を適用した画像形成装置の一例としてのレーザプリンタに対して着脱可能に構成されたプロセスカートリッジにおいて、感光ドラムの周面上に付着した残留トナーなどの異物を除去するためのクリーニングローラを備えたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
このクリーニングローラは、その一端部にクリーニングギヤが設けられている。一方、感光ドラムの一端部にはドラムギヤを設けられている。このクリーニングギヤとドラムギヤとが噛合され、さらにドラムギヤに入力される駆動力がクリーニングギヤに伝達される。これによって、クリーニングローラの回転が達成される。また、クリーニングローラは、例えばばねなどの付勢部材によって感光ドラムの表面に付勢されている。このときクリーニングローラは、感光ドラムの周面の移動方向と同じ方向に移動するように回転し、感光ドラム周面上の異物を回収する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−109319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の構成では、以下のような現象が生じることがある。すなわち、図8(a)に示すように、ドラムギヤ168とクリーニングギヤ170とが噛合された構成においては、環境の変化や、クリーニングローラ141自身のもつ公差などが要因でドラムギヤ168とクリーニングギヤ170の間の距離が変化することがある。すると、クリーニングローラ141の回転が不安定になる。
【0006】
クリーニングローラ141の回転が不安定になると、クリーニングローラ141の感光ドラム105に向けて付勢する力(矢印方向)が、クリーニングローラ141の軸線方向(図の左右方向)にわたって均一でなくなる。すると、感光ドラム105上の付着物が良好に回収されなくなる恐れがある。
【0007】
そこで、クリーニングギヤ170とドラムギヤ168の間の距離を安定させる構成として、図8(b)に示すように固定壁132Aを図示しないフレームに形成してクリーニングギヤ170の軸心部174に当接させることが考えられる。これによって、クリーニングギヤ170の移動を規制して一定の位置に固定することができる。
【0008】
しかしながら、クリーニングギヤ170に固定壁132Aを当接させた場合、クリーニングローラ141の軸線方向における固定壁132Aが当接している側と当接していない側とでクリーニングローラ141が感光ドラム105を付勢する付勢力に差がでてしまう。したがって、感光ドラム105上の付着物を良好に回収することは困難である。
【0009】
また、図8(c)に示すように、固定壁132Aをクリーニングギヤ170の軸心部174に当接させ、さらにクリーニングローラ141を挟んで固定壁132Aの反対側にもう一つの固定壁132Bを当接させることが考えられる。この場合は、クリーニングロー
ラ141が感光ドラム105を付勢する付勢力の差は軸線方向において生じにくくなる。
【0010】
しかし、クリーニングローラ141の径がもつ公差が要因となり、固定壁132A,132Bがクリーニングギヤ170もしくはクリーニングローラ141に当接するときと当接しないときが生じる。したがって、クリーニングローラ141を感光ドラム105へ常に均等な付勢力で付勢させることは困難である。
【0011】
なお、上記の問題点は感光ドラムとクリーニングローラとの関係に限らず、転写ローラや帯電ローラ等、感光ドラムから駆動力を受けて回転する回転体と感光ドラムとの関係においても同様である。
【0012】
以上の問題点に鑑み、本発明は感光ドラムから駆動力を受けて回転する回転体を感光ドラムに対して均等な力で付勢させることが可能なプロセスカートリッジの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するため、本発明に係るプロセスカートリッジは、表面に現像剤像が形成される感光ドラムを備え、画像形成装置に対して装着可能に構成されたプロセスカートリッジであって、前記感光ドラムの表面に接触する回転体と、前記回転体を保持するフレームと、前記感光ドラムの軸方向一端側に設けられ、画像形成装置本体から駆動力を受ける第一ギヤと、前記第一ギヤと噛合するギヤ本体部と、当該ギヤ本体部の両端に形成された軸心部とを有する第二ギヤと、前記回転体と前記軸心部とを連結するオルダム軸継手と、前記第二ギヤの前記軸心部に当接し、前記第一ギヤと前記第二ギヤとの軸間距離を固定する固定部を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、前記固定部は、第二ギヤが前記第一ギヤから回転駆動力を入力された方向へ移動することを規制する規制面を備えていてもよい。
【0015】
また、前記固定部は、前記回転体を保持するフレームに形成され、前記第二ギヤの前記軸心部両端に当接するようにしてもよい。
【0016】
また、前記感光ドラムの軸方向一端側には、前記感光ドラムを回転可能に保持する第一保持部と、前記第二ギヤの前記軸心部を回転可能に保持する第二保持部とを有する保持部材が設けられるようにしてもよい。
【0017】
また、前記保持部材を位置決めする板金を前記軸方向端部に有するようにしてもよい。
【0018】
また、回転体は、前記感光ドラムの周面上の付着物を清掃するクリーニングローラであってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るプロセスカートリッジによれば、回転体自身のもつ公差の影響で回転体の回転に偏心が生じても、オルダム軸継手がそのずれを吸収する。したがって回転体の感光ドラムに対する付勢力を安定させることができる。このとき、回転体に対して直接的に固定壁等を当接させる必要がない。さらに、第二ギヤの軸心部に固定部を当接させることによって第一ギヤと第二ギヤの間の軸間距離を固定するので、第二ギヤと連結された回転体の感光ドラムに対する付勢力が不均一になることを防止できる。
【0020】
また、固定部が、第二ギヤが第一ギヤから回転駆動力を入力された方向へ移動することを規制する規制面を備えていれば、第一ギヤから受ける駆動力によって第二ギヤが移動す
ることを防ぐことができる。
【0021】
また、固定部が回転部を保持するためのフレームに形成され、第二ギヤの軸心部両端に当接するようにすれば、より安定して第一ギヤと第二ギヤとの軸間距離を安定させることが可能となる。
【0022】
また、感光ドラムと第二ギヤの軸心部を同一の保持部材によって保持することで、感光ドラムに保持される第一ギヤと第二ギヤとの間の軸間距離をより正確に保ち、軸方向において均一な力で感光ドラムと回転体とを接触させることができる。
【0023】
また、保持部材を板金に対して位置決めすることによって、感光ドラムおよび回転体を精度良く保持することができる。
【0024】
また、回転体が、前記感光ドラムの周面上の付着物を清掃するクリーニングローラであれば、クリーニングローラが感光ドラムに付勢するときの付勢力を軸線方向において均一にすることができるので、感光ドラム上の付着物を良好に清掃することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】プリンタの一実施形態を示す側断面図である。
【図2】感光体ユニットの要部断面図である。
【図3】感光体ユニットを上側から見たときの要部断面図である。
【図4】感光体ユニットにおける感光ドラムおよびクリーニングローラを支持する軸受部材を示した側断面図である。
【図5】図3における感光体ユニットの一端側を拡大した拡大図である。
【図6】オルダム軸継手を分解して示した斜視図である。
【図7】図5のC−C断面図である。
【図8】感光ドラムおよびクリーニングローラの駆動伝達機構に関する参考図である。
【図9(a)】第二の実施形態に係る感光体ユニットを表した図面であって、感光体ユニットの側面図である。
【図9(b)】第二の実施形態に係る感光体ユニットを表した図面であって、感光体ユニットの正面図である。
【図9(c)】第二の実施形態に係る感光体ユニットを表した図面であって、(a)のA−A断面を表している。
【図10】第一ドラムベアリングの斜視図である。
【図11】感光体ユニットの斜視図であって、感光ドラムの一端側(第一ドラムベアリング側)を表した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第一の実施形態)
[プリンタの概略構成]
本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、方向について言及する場合には、図示した方向矢印を参照する(他の図についても同様)。プリンタ1は、タンデム型のカラーレーザプリンタである。プリンタ1は、本体ケーシング2を備えている。本体ケーシング2の前面には、フロントカバー3が開閉可能に設けられている。
【0027】
本体ケーシング2内には、本発明のプロセスカートリッジの一例としてのタンデム型感光体ユニット4が備えられている。タンデム型感光体ユニット4は、フロントカバー3が開かれた状態で、本体ケーシング2の前面に形成される着脱口を介して、本体ケーシング2の内部に対して着脱自在である。
【0028】
タンデム型感光体ユニット4には、4つの感光ドラム5が、回転自在な状態で、前後方向に沿って並列配置されている。各感光ドラム5には、スコロトロン型の帯電器6および現像ローラ7が対向配置されている。
【0029】
タンデム型感光体ユニット4は、その外郭をなすユニットフレーム20と、上述した感光ドラム5を1つずつ備える4つの感光体ユニット21と、上述した4つの現像カートリッジ8とを備えている。
【0030】
ユニットフレーム20は、上下方向から見て前後に長手の略矩形をなす枠体形状であり、上下の両方へ向けて開放されている。4つの感光体ユニット21は、ほぼ等しい間隔を隔てて、ユニットフレーム20によって支持されている。各感光体ユニット21は、各色の現像カートリッジ8のいずれかに対応している。
【0031】
各感光ドラム5には、現像ローラ7を保持し、各色のトナー(現像剤)を収容する現像カートリッジ8が上から隣接配置されている。現像カートリッジ8は、感光ドラム5と同様に4つ設けられ、前後方向に沿って並列配置された状態で、タンデム型感光体ユニット4に対して着脱可能に装着されている。
【0032】
各現像カートリッジ8は、本体ケーシング2からタンデム型感光体ユニット4がスライド移動された状態において、ユニットフレーム20に対して上方から着脱される。各現像カートリッジ8において、現像ローラ7の外周面(表面)には、各色に対応したトナーが担持される。現像ローラ7の表面は、対応する感光ドラム5の外周面(表面)に対して前上側から接触している。
【0033】
各感光ドラム5の外周面は、帯電器6によって一様に帯電された後、本体ケーシング2の上部に設けられたスキャナユニット9から出射されたレーザビーム(図1の図示破線矢印参照)によって露光される。これにより、各感光ドラム5の外周面には、画像データに基づく静電潜像が形成される。各感光ドラム5の静電潜像は、各感光ドラム5に対応する現像ローラ7の外周面に担持されるトナーによって可視像化され、各感光ドラム5の外周面には、各色のトナー像(現像剤像)が形成される。
【0034】
本体ケーシング2の底部には、用紙Sを収容する給紙カセット10が配置されている。給紙カセット10に収容されている用紙Sは、各種ローラにより、ベルト11の上面に搬送され、さらにベルト11の走行により、ベルト11と各感光ドラム5との間を順次後側へ通過する。そして、感光ドラム5の外周面上のトナー像は、用紙Sと対向(接触)したときに、転写ローラ12に印加された転写バイアスによって、用紙Sに転写される。なお、用紙Sに転写されずに感光ドラム5の表面に付着したトナーは、感光ドラム5に付勢されながら配置された本発明の回転体の一例としてのクリーニングローラ41に回収される。
【0035】
ベルト11に対して用紙Sの搬送方向における下流側には、定着器13が設けられている。トナー像が転写された用紙Sは、定着器13によってトナー像を用紙Sに定着される。トナー像が定着した用紙Sは、各種ローラにより、本体ケーシング2の上面の排紙トレイ14に排出される。
【0036】
図2に示すように、各感光体ユニット21は、1つの感光ドラム5と、この感光ドラム5に対して後上側から対向配置されるサブユニット19とを備えている。そして、サブユニット19は、フレーム35と、帯電器6と、クリーニングローラ41とを備えている。フレーム35は、帯電器6とクリーニングローラ41とを保持している。
【0037】
[クリーニングローラと感光ドラムの駆動機構]
次に、クリーニングローラ41と感光ドラム5の駆動機構について説明する。図3に示すように、感光ドラム5は、円筒形状であって、その軸方向一端側の周面上に本発明の第一ギヤの一例としてのドラムギヤ68を備えている。ドラムギヤ68は、その外周面にギヤ歯を有している。
【0038】
感光ドラム5は、本体ケーシング2に備えられた図示しない駆動入力部から回転駆動力を入力され、図2における矢印方向(反時計回り)に回転する。駆動入力部は、ドラムギヤ68に噛合して駆動力を入力するギヤ機構や、感光ドラム5の軸心方向から感光ドラム5に接続して回転駆動力を入力するカップリング機構など、公知の駆動機構をとりうる。
【0039】
フレーム35は、一対の軸受部材50および一対のコイルばね52を保持している。また、フレーム35におけるドラムギヤ68側端部には、フレーム35においてリブ状に形成された第一固定部32A,第二固定部32Bが形成されている。
【0040】
図4に示すように、一対の軸受部材50は、ともにその中心軸が感光ドラム5の軸方向(幅方向)と平行に延びる略円筒形状をなしている。軸受部材50は、その後ろ側に突出する凸部62を有し、凸部62に長手状のコイルばね52が外嵌されている。コイルばね52は、その一端をフレーム35に取り付けられ、他端を軸受部材50の凸部62に外嵌される。これによって、軸受部材50は、コイルばね52から付勢力を受ける。
【0041】
このように構成された軸受部材50によって、クリーニングローラ41は、その両端部を保持される(図3参照)。クリーニングローラ41は、フレーム35に対して保持されつつ、感光ドラム5方向に付勢される。このとき、クリーニングローラ41が付勢される方向は、クリーニングローラ41と感光ドラム5の軸心同士を結ぶ線O1と同一方向である。
【0042】
クリーニングローラ41は、円筒状の部材であって、軸部42と、軸部42の両端部を除く外周面に被覆された発砲体(例えばスポンジ)とから構成される。クリーニングローラ41は、感光ドラム5の軸心方向と平行方向に延び、スポンジ部分が感光ドラム5表面に接触するように配置されている。また、クリーニングローラ41におけるドラムギヤ68側の端部は、オルダム継手60を介して本発明の第二ギヤの一例としてのクリーニングギヤ70と連結されている。
【0043】
図5に示すように、クリーニングギヤ70は、その外周面にギヤ歯を有する円筒形状のギヤ本体部72と、ギヤ本体部72と回転軸線を同一にしてギヤ本体部72の両側面から延びるように形成された円筒形状の軸心部74とを有している。軸心部74の外径は、ギヤ本体部72の外径よりも小さい。ギヤ本体部72は、ドラムギヤ68と噛合されることによって感光ドラム5から回転駆動力を伝達される。
【0044】
図6に示すように、オルダム軸継手60は、継手部材66と、クリーニングローラ41の軸部42の端部から突出するローラ側凸部62と、クリーニングギヤ70の軸心部74の一端から突出するように形成されたギヤ側凸部64とから構成される。継手部材66は、その両側面においてローラ側凸部62およびギヤ側凸部64と連結されている。
【0045】
具体的には、継手部材66には、その両面においてそれぞれ互いに直交関係にある溝部65,67が形成されている。そして、溝部65,67に対してそれぞれローラ側凸部62およびギヤ側凸部64が嵌合する。各凸部62,64は、溝部65,67に嵌った状態で溝部65,67に沿ってスライド移動可能である。これによって、クリーニングローラ
41とクリーニングギヤ70とが、継手部材66を介して連結される。このとき、クリーニングローラ41とクリーニングギヤ70の軸心は、互いに平行関係になるように連結される。
【0046】
図7に示すように、第一固定部32A,第二固定部32Bは、クリーニングギヤ70の軸心部74の軸心方向と直交するように延びている。この第一固定部32A,第二固定部32Bは、フレーム35の一端側、すなわちドラムギヤ68側に形成され、他端側には形成されていない。第一固定部32A,第二固定部32Bは、クリーニングギヤ70のギヤ本体部72を挟むようにして両軸心部74の周面に当接する。
【0047】
第一固定部32Aは、平面で構成される固定面31と、固定面31から垂直方向に延びる規制面33とからなる。第一固定部32Aは、クリーニングギヤ70の軸心部74と二箇所で接している。
【0048】
固定面31は、クリーニングローラ41を挟んで感光ドラム5の反対側でクリーニングギヤ70を受けるようにして配置されている。具体的には、固定面31は、クリーニングローラ41(クリーニングギヤ70)と感光ドラム5の軸心同士を結ぶ線O1と交差するように延びている。固定面31がクリーニングギヤ70の軸心部74と当接することによって、ドラムギヤ68とクリーニングギヤ70の間の軸間距離Lが変化しないように、クリーニングギヤ70の移動が規制される。
【0049】
また、規制面33は、固定面31と同様に、主に平面で構成されている。規制面33は、クリーニングギヤ70の軸心部74と当接する。これによってクリーニングギヤ70がドラムギヤ68の駆動力を受けて移動することが規制される。具体的には、クリーニングギヤ70は、ドラムギヤ68とのかみ合わせにより両者の接線方向O2に対して所定の角度(本実施例では20度)傾いた方向(圧力角方向O3)に圧力を受ける。
【0050】
一方、規制面33は、クリーニングギヤ70がドラムギヤ68から受ける圧力の方向O3に対して垂直方向に延び、クリーニングギヤ70の軸心部74と当接している。これによって、規制面33は、クリーニングギヤ70が圧力を受けた方向に移動しないように、クリーニングギヤ70の軸心部74の位置を規制している。
【0051】
第二固定部32Bは、クリーニングギヤ70のギヤ本体部72を挟んで第一固定部32Aの反対側でクリーニングギヤ70の軸心部74に当接している。それ以外の構成は、第一固定部32Aと同様である。
【0052】
以上のように構成された感光体ユニット21では、以下のような作用効果を有する。すなわち、固定部32A,32Bは、クリーニングギヤ70の両端部に設けられた軸心部74に当接する。したがって、ドラムギヤ68とクリーニングギヤ70との間の軸間距離が固定される。これによって、クリーニングギヤ70に連結されたクリーニングローラ41が感光ドラム5を付勢するときに、その付勢力が不均一になることを防止できる。
【0053】
さらに、本実施例では、クリーニングギヤ70とクリーニングローラ41とがオルダム軸継手60で連結されている。これにより、クリーニングローラ41自身のもつ公差の影響でクリーニングローラ41の回転に偏心が生じても、オルダム軸継手60がそのずれを吸収する。したがって、クリーニングローラ41の感光ドラム5に対する付勢力を安定させることができる。このとき、クリーニングローラ41に対して直接的に固定壁等を当接させる必要がない。
【0054】
また、第一固定部32A,第二固定部32Bは、規制面33を有する。規制面33は、
ドラムギヤ68から入力される回転駆動力の入力方向への移動を規制している。したがって、規制面33は、クリーニングギヤ70がドラムギヤ68から受ける駆動力によって移動することを防ぎ、クリーニングギヤ70とドラムギヤ68との位置関係をより一層安定させることができる。
【0055】
(第二の実施形態)
次に、本発明に関する他の実施形態について説明する。なお、第二の実施形態の説明において、第一の実施形態で説明した事項と重複する事項については第一の実施形態と同じ符号を付し、詳細な説明を割愛する。本実施形態において先の実施形態と異なる点は、図9(a)に示すような、感光ドラム5を支持するためのドラムベアリング210と、金属の側板220A,220Bを有する点である。
【0056】
タンデム型感光体ユニット104は、その外郭をなすユニットフレーム20内に、上述した4つの感光体ユニット21と、上述した4つの現像カートリッジ8とを備えている。また、タンデム型感光体ユニット104は、図9(a)(b)に示すように、感光ドラム5の軸方向両端に、一対の第一側板220A,第二側板220Bが設けられている。さらに、タンデム型感光体ユニット104は、各感光体ユニット21を各側板220に保持するための、第一ドラムベアリング210A、および第二ドラムベアリング210Bを備えている。このうち、第一ドラムベアリング210Aは、本発明の保持部材の一例としての役割を果たすものである。第一ドラムベアリング210Aおよび第二ドラムベアリング210Bは、各感光ドラムに対して一対ずつ設けられている。
【0057】
図9(c)に示すように、第一ドラムベアリング210Aは、樹脂材料から形成され、円筒状に形成された本発明の第一保持部の一例としての第一円筒部201と、第一円筒部201の一方側に形成された円板状の第一鍔部202と、本発明の第二保持部の一例としての第二円筒部203と、第二鍔部204とを備えている。また、第二ドラムベアリング210Bは、樹脂材料から形成され、円筒状に形成された第一円筒部201と、第一円筒部201の一方側に形成された円板状の第一鍔部202とを備えている。
【0058】
より詳しくは、第一円筒部201は、側板220に形成されたドラム保持孔221(後述)の内周面とほぼ同じ外径を有し、感光ドラム5の端部のフランジ部38の外周面とほぼ同じ内径を有している。第一鍔部202は、第一円筒部201よりも大きな外径を有している。
【0059】
また、図10に示すように、第一ドラムベアリング210Aは、第一円筒部201に隣り合う位置に、クリーニングギヤ70を保持するための第二円筒部203が設けられている。第二円筒部203は、第一円筒部201よりも小径であって、第一円筒部201と同一方向に沿って延びている。第二円筒部203は、クリーニングギヤ70の軸心部74の外形とほぼ同じ内径を有している。第二円筒部203の一方側には、第二円筒部203の外周よりも大きな外周を有する第二鍔部204が形成されている。第一鍔部202と第二鍔部204とは、同一平板上にて連続的に形成されている。
【0060】
さらに、第一鍔部202は、第一側板220Aに係止するための爪部205を有している。爪部205は、第一円筒部201を径方向に挟むようして対をなして配置されている。爪部205は、第一鍔部202の縁部から径方向に延出し、さらにそこから第一円筒部201の延びる方向、すなわち感光ドラム5の軸方向に向かって屈曲している。爪部205は、屈曲部で第一側板220Aの縁部を挟み込むことで、ドラムベアリング210A,210Bを第一側板220Aに係止する。なお、各爪部205は、感光体ユニット21の上下方向に対向するように配置されている。より詳しくは、各爪部205は、第一円筒部201および第二円筒部203が隣接する方向に対し略直交方向に交差するように対向し
ている(図9(a)参照)。
【0061】
各側板220A,220Bは、金属板のプレス加工により作製され、4つの感光ドラム5の並び方向に延びる略細長矩形板状に形成されている。第一側板220Aおよび第二側板220Bは、感光ドラム5の軸方向において感光ドラム5を挟むようにして対向配置される。
【0062】
図9(c)に示すように、第一側板220Aおよび第二側板220Bには、第一ドラムベアリング210Aまたは第二ドラムベアリング210Bを挿通および保持するための円形のドラム保持孔221が形成されている。ドラム保持孔221は、各側板220A,220Bにおける感光ドラム5の並び方向において、互いに一定間隔を空けて形成されている。
【0063】
また、ドラムギヤ68を有する側の感光ドラム5を保持する第一側板220Aには、第一ドラムベアリング210Aおよびクリーニングギヤ70を挿通可能に貫通された貫通孔222が形成されている。さらに、第一側板220A,第二側板220Bの縁部には、先述した第一ドラムベアリング210A、第二ドラムベアリング210Bに形成された爪部205を受け入れるために形成された溝部223が設けられている(図11も参照)。
【0064】
上記のように構成されたタンデム型感光体ユニット104において、図11に示すように、感光体ドラム5は、両側板220A,220Bに挟まれるように配置され、軸方向両端のフランジ部38を第一側板220A,第二側板220Bの各ドラム保持孔221に挿通されている。クリーニングローラ41の両端に設けられた軸受部材5がコイルばね52によって感光ドラム5へ付勢されている。
【0065】
オルダム軸継手60を介してクリーニングローラ41の一端側に連結されたクリーニングギヤ70は、オルダム軸継手60と連結された側の軸心部74をフレーム35の第二固定部32Bに当接させている。さらに、オルダム軸継手60と連結された側と反対側の軸心部74は、クリーニングローラ41の軸方向外側に延び、フレーム35および貫通孔222を貫通して第一側板220Aの外へ露出している(図9(c)参照)。
【0066】
第一側板220Aのドラム保持孔221に挿通された感光ドラム5のドラムギヤ68側のフランジ部38には、第一ドラムベアリング210Aが組み付けられている。具体的には、第一ドラムベアリング210Aの第一円筒部201は、ドラム保持孔221からドラム軸方向外部へ露出したフランジ部38の外周面とドラム保持孔221との間に軽圧入されている(図9(c)も参照)。フランジ部38は、第一円筒部201を貫通し、第一鍔部202から外側に露出している。
【0067】
また、第一ドラムベアリング210Aが側板220に対して支持された状態において、貫通孔222を貫通して第一側板220Aの外へ端部を露出させている軸心部74は、第二円筒部203に保持される。具体的には、第一ドラムベアリング210Aは、軸心部74を第二円筒部203に対し回転可能に保持することで、クリーニングギヤ70を保持している。つまり、感光ドラム5のフランジ部38は、第一ドラムベアリング210Aの第一円筒部201によって回転可能に保持される一方で、クリーニングギヤ70の軸心部74は第一ドラムベアリング210Aの第二円筒部203に回転可能に保持されているので、ドラムギヤ68とクリーニングギヤ70との間の距離は、一定に保たれる。
【0068】
そして、図11に示すように、第一鍔部202から径方向外側に延びる爪部205が第一側板220Aの縁部に食い込むことで、感光体ユニット21は第一側板220Aに対し位置決めされる。これにより、第一ドラムベアリング210Aが第一側板220Aに対し
て回転不能に支持されるとともに、フランジ部38が第一ドラムベアリング210Aに対して回転可能に支持される。
【0069】
第二ドラムベアリング210Bの第一円筒部201は、ドラムギヤ68とは反対側の第二側板220Bのドラム保持孔221に挿通されたフランジ部38の外周面とドラム保持孔221との間に軽圧入される。より具体的には、まず第二ドラムベアリング210Bがフランジ部38に軽圧入される。そして、第二側板220Bのドラム保持孔221に第二ドラムベアリング210Bの端部が軽圧入される。第二ドラムベアリング210Bの爪部205は、側板220に係止される。これによって、感光ドラム5のフランジ部38が第二側板220Bに保持される。
【0070】
なお、感光ドラム5を保持した各側板220A,220Bは、外側から図示しないネジによってユニットフレーム20と螺着される。
【0071】
このように、ドラムベアリング210A,210Bが感光ドラム5の両端に軽圧入され、かつドラムベアリング210A,210Bが各側板220A,220Bに軽圧入されることによって、感光ドラム5が第一側板220A,第二側板220Bに対し保持される。このとき、第一ドラムベアリング210Aはドラムギヤ68側のフランジ部38とともにクリーニングギヤ70の軸心部74も一体的に保持するので、ドラムギヤ68とクリーニングギヤ70との間の軸間距離は正確に保たれ、軸方向にわたって均一な力で感光ドラム5とクリーニングローラ41とを接触させることができる。
【0072】
また、ドラムベアリング210A,210Bを金属の側板220A,220Bに対して位置決めすることによって、感光ドラム5およびクリーニングローラ41を精度良く保持することができる。
【0073】
なお、本実施形態では、回転体としてクリーニングローラを例示して本発明を説明したが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。例えば、感光ドラムに対向配置された転写ローラや帯電ローラなどの駆動機構に対して本発明を適用しても良い。
【0074】
また、本実施例では、フレーム35は、帯電器6とクリーニングローラ41とを保持するものとして構成されているが、帯電器6とクリーニングローラ41とは、それぞれ別のフレームに保持されるように構成されていても良い。すなわち、それぞれがユニット化されていても良い。たとえば、クリーニングローラ41は、クリーニングユニットとして軸受部材50およびコイルばね52とともにフレーム35に一体的に保持されるようにしても良い。
【0075】
また、本発明に係るプロセスカートリッジとしてタンデム型の感光体ユニットを例示したが、例えばモノクロプリンタおいて現像カートリッジが着脱可能に構成された感光体カートリッジに対して本発明を適用するなど、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 プリンタ
2 本体ケーシング
4 タンデム型感光体ユニット
5 感光ドラム
21 感光体ユニット
32A,32B 固定部
33 規制面
35 フレーム
41 クリーニングローラ
60 オルダム軸継手
68 ドラムギヤ
70 クリーニングギヤ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に現像剤像が形成される感光ドラムを備え、画像形成装置に対して装着可能に構成されたプロセスカートリッジであって、
前記感光ドラムの表面に接触する回転体と、
前記感光ドラムの軸方向一端側に設けられ、画像形成装置本体から駆動力を受ける第一ギヤと、
前記第一ギヤと噛合するギヤ本体部と、当該ギヤ本体部の両端に形成された軸心部とを有する第二ギヤと、
前記回転体と前記軸心部とを連結するオルダム軸継手と、
前記第二ギヤの前記軸心部に当接し、前記第一ギヤと前記第二ギヤとの軸間距離を固定する固定部を備えた
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
前記固定部は、前記第二ギヤが前記第一ギヤから回転駆動力を入力された方向へ移動することを規制する規制面を備えたことを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】
前記固定部は、前記回転体を保持するフレームに形成され、前記第二ギヤの前記軸心部両端に当接することを特徴とする請求項1または2に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項4】
前記感光ドラムの軸方向一端側に設けられ、前記感光ドラムを回転可能に保持する第一保持部と前記第二ギヤの前記軸心部を回転可能に保持する第二保持部とを有する保持部材をさらに備えたことを特徴とする請求項1から3いずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項5】
前記保持部材を位置決めする板金を前記軸方向端部に有することを特徴とする請求項4に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項6】
回転体は、前記感光ドラムの周面上の付着物を清掃するクリーニングローラであることを特徴とする請求項1から5いずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項1】
表面に現像剤像が形成される感光ドラムを備え、画像形成装置に対して装着可能に構成されたプロセスカートリッジであって、
前記感光ドラムの表面に接触する回転体と、
前記感光ドラムの軸方向一端側に設けられ、画像形成装置本体から駆動力を受ける第一ギヤと、
前記第一ギヤと噛合するギヤ本体部と、当該ギヤ本体部の両端に形成された軸心部とを有する第二ギヤと、
前記回転体と前記軸心部とを連結するオルダム軸継手と、
前記第二ギヤの前記軸心部に当接し、前記第一ギヤと前記第二ギヤとの軸間距離を固定する固定部を備えた
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
前記固定部は、前記第二ギヤが前記第一ギヤから回転駆動力を入力された方向へ移動することを規制する規制面を備えたことを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】
前記固定部は、前記回転体を保持するフレームに形成され、前記第二ギヤの前記軸心部両端に当接することを特徴とする請求項1または2に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項4】
前記感光ドラムの軸方向一端側に設けられ、前記感光ドラムを回転可能に保持する第一保持部と前記第二ギヤの前記軸心部を回転可能に保持する第二保持部とを有する保持部材をさらに備えたことを特徴とする請求項1から3いずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項5】
前記保持部材を位置決めする板金を前記軸方向端部に有することを特徴とする請求項4に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項6】
回転体は、前記感光ドラムの周面上の付着物を清掃するクリーニングローラであることを特徴とする請求項1から5いずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図9(c)】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図9(c)】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−95711(P2011−95711A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−103455(P2010−103455)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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