説明

プロセスガス流から凝固性ガス成分を除去するため低温液体を使用するシステム及び方法

凝固性ガスをプロセスガス流から低温液体との直接的接触によって除去するシステム及び方法が開示される。プロセスガス流は、少なくとも低温液体によって凍結されるガスを含み、プロセスガス流の1種類又は2種類以上の他のガスは、気体状態のままである。プロセスガス流は、水を含む場合があり、かかるプロセスガス流は、低温液体とは異なる組成を有する。低温液体とプロセスガス流の接触は、200psia未満、オプションとして100psia未満、50psia未満又はそれどころか30psia未満の圧力状態で行われ、凝固ガスを、低温液体を含むスラリとして接触組立体から除去するのが良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ガス(気体)流を処理して選択されたガス成分の凍結によって選択されたガス成分をガス流から除去するシステム及び方法、特にガス流を低温液体に直接接触させることによって凝固性のガス、例えば温室ガスを除去するシステム及び方法が提供される。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2010年2月3日に出願された米国特許仮出願第61/300,952号(発明の名称(SYSTEMS AND METHODS FOR USING COLD LIQID TO REMOVE SOLIDIFIABLE GAS COMPONENTS FROM PROCESS GAS STREAMS)及び2010年12月21日に出願された米国特許仮出願第61/425,558号(発明の名称:SYSTEMS AND METHODS FOR USING COLD LIQUID TO REMOVE SOLIDIFIABLE GAS COMPONENTS FROM PROCESS GAS STREAMS)の優先権主張出願であり、これら米国特許仮出願を参照により引用し、これらの記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
工業的燃焼プロセスを含む工業プロセスは、種々のガス流を生じさせ、これらガス流の多くは、最終的には、環境に排出される。これらガス流は、例えばこれらガス流を環境に排出する前に、プロセスガス流から除去されることが望ましい場合のある温室ガス又は他のガス状成分を含む場合がある。かかる温室ガスの非限定的な例は、二酸化炭素であり、かかるガス流の非限定的な例は、バーナ又は他の燃焼ユニットからの煙道ガス流である。二酸化炭素を含む煙道ガス流及び他のガス流は、種々の工業プロセス、例えば発電、加熱及び水蒸気発生によって生じる場合がある。かかる多くのプロセスは、大気圧又は大気圧に近い圧力状態で実施されると共に空気発火され、その結果、大気圧又はほぼ大気圧状態にあると共に燃焼を支えるために用いられた空気流からの窒素ガスで極めて希釈された煙道ガス流が生じる。
【0004】
従来、種々のプロセス、例えば煙道ガス流をアミン又はアンモニアで処理するステップ、二酸化炭素を固体吸収剤で吸収するステップ及び物理的溶剤を用いて二酸化炭素を除去するステップを含むプロセスによって二酸化炭素を煙道ガス流から除去する場合がある。かかる従来プロセスの例示は、ディー・アーロン(D. Aaron )及びシー・ソーリス(C. Tsouris ),「セパレーション・オブ・カーボンジオキシド・フロム・フルー・ガス(Separation of CO2from Flue Gas)」,セパレーション・サイエンス・アンド・テクノロジー(Separation Science and Technology),2005年,40,321−48に開示されている。二酸化炭素を天然ガスから除去するプロセスの別の例は、ガス流のジュール‐トムソン膨張を利用して環流蒸留塔の使用によりガス流を冷却する。このプロセスは、「コントロール・フリーズ・ゾーン(Control Freeze Zone)」プロセスと呼ばれる場合があり、このプロセスは、米国特許第4,533,372号明細書、同第5,062,270号明細書、同第5,120,338号明細書、同第5,956,971号明細書及び同第6,053,007号明細書に開示されており、これら米国特許を参照により引用し、これらの開示内容を本明細書の一部とする。さらに別のプロセスが米国特許第7,073,348号明細書に開示されており、この米国特許明細書は、二酸化炭素含有ガス流を凍結温度と溶融温度との間でサイクル動作される表面上でこれらに沿って流すことを開示しており、この米国特許を参照により引用し、その開示内容を本明細書の一部とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,533,372号明細書
【特許文献2】米国特許第5,062,270号明細書
【特許文献3】米国特許第5,120,338号明細書
【特許文献4】米国特許第5,956,971号明細書
【特許文献5】米国特許第6,053,007号明細書
【特許文献6】米国特許第7,073,348号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】ディー・アーロン(D. Aaron )及びシー・ソーリス(C. Tsouris ),「セパレーション・オブ・カーボンジオキシド・フロム・フルー・ガス(Separation of CO2 from Flue Gas)」,セパレーション・サイエンス・アンド・テクノロジー(Separation Science and Technology),2005年,40,321−48
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらプロセスは、効果的ではあるが、典型的には高いエネルギー又は溶剤に関する要件又は要求を有し、効果的に稼働するには高い圧力を必要とする場合がある。例えば、石炭燃焼発電プラントの場合、アミン処理プロセスを用いて煙道ガスから二酸化炭素を除去することは、正味の発電量を約30%減少させると見積もられている。かかる従来プロセスの中には、氷の生成に起因したシステムの閉塞を生じさせないようにするためにガス流が乾燥状態(即ち、水のない状態)になり又は実質的に乾燥状態になるように煙道ガス流又は他のガス流の予備処理を更に必要とするプロセスがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、1種類又は2種類以上の凝固性のガス成分をプロセスガス流から低温液体との直接的接触により除去するシステム及び方法に関する。プロセスガス流は、例えば接触組立体内で低温液体との直接的接触によって凍結され又は違ったやり方で凝固される少なくとも1種類のガス成分を含み、プロセスガス流の1種類又は2種類以上の他のガス成分は、気体状態のままである。プロセスガス流は、水を含む場合があり、低温液体は、プロセスガス流と異なる組成を有する。少なくとも1種類の凝固したガス成分を生じさせるよう低温液体をプロセスガス流に接触させることは、200psia未満、オプションとして100psia未満、50psia又はそれどころか35psia未満又は30psia未満の圧力状態で実施されるのが良く、凝固したガス成分を、低温液体を含むスラリとして接触組立体から除去することができる。1つ又は2つ以上の実施形態では、ガス‐低温液体接触は、2つ又は3つ以上の段において向流方式で実施されるのが良い。固体の少なくとも一部分を、生成されたスラリから機械的に除去することができ、除去は、少なくとも1つの組をなす隣り合う段相互間で行われる。オプションとして、液‐固スラリを濃縮してスラリ中の低温液体の量を減少させることによりスラリ中の凝固ガス成分の濃度を増大させるのが良い。オプションとして、液体ポンプ又は他の液体加圧機構体を用いてスラリの圧力を増大させるのが良く、凝固ガス成分を低温液体から選択的に除去することができる。スラリを加圧する適当な方法の非限定的な例は、固体を密閉容器内で加熱することである。スラリが2種類又は3種類以上の凝固ガス成分を含む場合、凝固ガス成分を例えばスラリの加熱により低温液体から別々に且つ/或いは順次除去することができる。固体を溶融させ又は蒸発させて分離し、それにより出口流を形成することができる。本明細書で説明するように、出口流は、種々の機構体及び/又は種々の手法により処分することができ、かかる手法としては、出口流を地下地層中に送り込むことが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に従って凝固性ガス成分を低温液体との直接的接触によってガス流から除去するシステムの略図である。
【図2】本発明に従って凝固性ガス成分を低温液体との直接的接触によってガス流から除去するシステムの別の略図である。
【図3】本発明に従って凝固性ガス成分を低温液体との直接的接触によってガス流から除去するシステムの別の略図である。
【図4】本発明に従って凝固性ガス成分を低温液体との直接的接触によってガス流から除去するシステムの別の略図である。
【図5】本発明に従って凝固性ガス成分を低温液体との直接的接触によってガス流から除去するシステムの別の略図である。
【図6】本発明に従って凝固性ガス成分を低温液体との直接的接触によってガス流から除去する方法を示す流れ図である。
【図7】本発明に従って凝固性ガス成分を低温液体との直接的接触によってガス流から除去する方法を示す別の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
説明を単純にすると共に分かりやすくするために、図面に示されている要素は、必ずしも縮尺通りには描かれていない。例えば、要素のうちの幾つかの寸法は、分かりやすくするために他の要素に対して誇張されている場合がある。さらに、適当であると考えられる場合、幾つかの参照符号は、対応の又は類似の要素を示すために(しかしながら、必ずしも同一の要素を示すものではない)同一図面において且つ図面全体にわたって繰り返し用いられる。
【0011】
本発明は、凝固性のガス成分を低温液体で凝固させることにより凝固性ガス成分をガス流から除去するシステム及び方法に関する。本明細書において詳細に説明するように、かかるシステム及び方法は、凝固性ガス成分を含むガス流を低温液体に直接接触させて凝固性ガス成分を凍結させ又は違ったやり方で凝固させることができる。凝固性ガス成分は、低温液体とのこの直接的接触により、凍結し又は違ったやり方で凝固し、それによりガス流から凍結した(凝固した)凝固性ガス成分が除去される。その代わり、凍結(凝固)凝固性ガス成分は、低温液体との混合物を形成し又は低温液体を含むスラリを形成する。しかる後、システム及び方法は、凍結(凝固)凝固性ガス成分を低温液体から分離することができる。分離された成分は、次に、例えば加熱により液体又は蒸気に変換されるのが良く、それにより処分又は別途使用のための流れが生じる。
【0012】
本明細書で用いられる「プロセスガス流」という用語は、一般に、プロセスガス流が反応体流であるか、生成物流であるか、中間(又は反応中間)流であるか排気(ガス)流であるか排気流であるかとは無関係に、工業又は商業施設に存在する任意のガス流を意味する。かかる工業及び/又は商業施設の非限定的な例としては、精油所、発電プラント、焼却炉、溶解炉、化学プラント、天然ガス処理装置等が挙げられる。1種類又は2種類以上の凝固性ガス成分を本発明のシステム及び/又は方法を用いて除去することができるプロセスガス流の非限定的な例としては、煙道ガス流及び燃焼排気流が挙げられるが、これらには限定されない。プロセスガス流の追加の非限定的な例は、例えば本発明のシステム及び/又は方法に除去することができる二酸化炭素及び/又は硫化水素を含む場合のある天然ガス流である。追加的に又は代替的に、1種類又は2種類の凝固性ガス成分を本発明のシステム及び/又は方法を用いて除去することができるプロセスガス流としては、ガス流の大部分が1種類又は2種類の凝固性ガス成分を低温液体との直接的接触によりプロセスガス流から除去する温度及び圧力において気相の流れのままである流れが挙げられるが、これらには限定されない。
【0013】
1種類又は2種類以上の凝固性ガス成分を本発明のシステム及び/又は方法により除去することができるプロセスガス流との関連において、本明細書で用いられる(成分)という用語は、プロセスガス流中に存在する明確な化学成分を意味している。本発明のシステム及び/又は方法を用いてプロセスガス流から除去することができる凝固性ガス成分の非限定的な例としては、二酸化炭素(CO2)、水(H2O)、硫化水素(H2S)、二酸化硫黄(SO2)、硫化カルボニル(COS)及びNOx化合物(例えば、NO或いはNO2)が挙げられる。プロセスガス流のこれら成分は、追加的に又は代替的に、本明細書において、プロセスガス流の気相化合物、凝固性気相化合物及び凝固性ガス成分と呼ばれる場合がある。
【0014】
本明細書で用いられる「凍結」という用語は、化合物、例えばプロセスガス流からの化合物の気相から固相への相変化を生じさせることを広義に意味するようになっている。したがって、「凍結」は、化合物が先ず最初に気相から液相変化し、しかる後、固相に相変化することを含む場合がある。追加的に又は代替的に、「凍結」は、化合物の昇華、沈殿、凝固又は違ったやり方での気相から固相への相変化を含む場合がある。一例として、大気圧又はほぼ大気圧の圧力状態では、水、硫化水素及び硫化カルボニルは、気相から液相に移行し、次に固相に移行する。これとは対照的に、5.2気圧(73.5psi)の三重点圧力未満の圧力状態では、二酸化炭素は、その三重点未満の圧力状態では気相から固相に昇華する傾向がある。本発明のシステム及び/又は方法を用いたプロセスガスの1種類又は2種類以上の化合物の状態又は相のこの変化は、化合物の化学的組成の変化が生じない化合物の状態の変化を意味している。したがって、プロセスガス流の1種類又は2種類以上の凝固性ガス成分の凝固は、成分を化学的に反応させて1種類又は2種類以上の種々の化合物を生じさせることを意味しているわけではない。
【0015】
ガス流、例えばプロセスガス流から凝固性のガス成分を除去するシステムの非限定的な例の略図が図1に示されている。図1では、システムは、全体として、参照符号10で示され、かかるシステムは、例えばプロセスガス流源22からのプロセスガス流20を有する。システム10を追加的に又は代替的に1種類又は2種類の凝固性ガス成分をガス流、例えばプロセスガス流20から低温液体との直接的組成によって除去する機器10及び/又は装置10として説明する場合がある。システム10は、接触組立体40を更に有し、この接触組立体内において、プロセスガス流を低温液体36に直接接触させてプロセスガス流中に存在する少なくとも1種類の凝固性ガス成分24を凍結させる(又は、違ったやり方で凝固させる)。本発明のシステム10及び/又は方法全てにとって必要ではないが、低温液体を例えばプロセスガス流との直接的接触のために低温液体供給源32から低温液体流30として接触組立体に送るのが良い。低温液体供給源32は、これが設けられている場合、追加的に又は代替的に、本明細書において、低温液体源32と呼ばれる場合がある。また、低温液体及びプロセスガス流のうちの1つ又は2つ以上が低温液体及びプロセスガス流の他方を直接的接触のために接触組立体に送っているとき、接触組立体内に存在しても良いことは、本発明の開示の範囲内にある。
【0016】
上述したように、プロセスガス流20は、少なくとも1種類の凝固性のガス成分24を含み、この少なくとも1種類の凝固性ガス成分は、凝固性ガス成分が接触組立体40内の低温液体36と接触組立体内の動作条件で接触したときに凍結し、凝固し又は違ったやり方で気相から固相に相変化する凍結点を有する。本明細書に用いられる「動作条件」という用語は、少なくとも、特定された流れ、装置、組立体等の温度及び圧力を意味している。凝固性ガス成分を接触組立体40内の低温液体36との直接的接触により凍結し又は違ったやり方で凝固させる温度及び圧力との関係において、温度及び圧力は、それぞれ、接触温度及び接触圧力と呼ばれる場合がある。
【0017】
プロセスガス流20は、凝固性成分24を低温液体との直接接触により接触組立体内で凍結させる動作条件において気相のままである1種類又は2種類以上の他のガス又は気相成分26を更に含む。したがって、プロセスガス流20のこれら他の気相成分26を、少なくとも接触組立体内に存在する動作条件との関連において、非凝固性ガス成分及び/又は非凝固性ガス26と呼ぶことができる。さらに、これら他の気相成分をプロセスガス流の非凝固性ガス成分と称する場合、これら他の成分を他の温度及び/又は圧力で凍結させることができず又は違ったやり方で凝固させることができないということが必要とされるわけではない。これとは異なり、かかる記載は、これら他の気相成分が接触組立体内の接触温度よりも低い凍結点を有することを意味している。
【0018】
プロセスガス流の凝固性及び非凝固性成分24,26をまとめて、プロセスガス流の成分又は気相成分28と称する場合がある。本発明のシステム10及び/又は方法の全てにとって必要ではないが、1種類又は2種類以上の凝固性成分24は、代表的には、各々、幾つかの実施形態では、ひとまとまりで、プロセスガス流の全体的組成の少数成分を形成する。プロセスガス流20が2種類又は3種類以上の凝固性ガス成分を含む場合があること及びこれら2種類又は3種類以上の凝固性ガス成分が互いに異なる組成及び互いに異なる凍結点及び/又は沸点を有しても良いことは、本発明の開示の範囲内にある。
【0019】
多くのプロセスガス流20、例えば煙道ガス流であり又はこれら煙道ガス流を含む多くのプロセスガス流中においては、窒素ガス(N2)は、プロセスガス流の多数成分を形成し、かかる窒素ガスを接触組立体40の動作条件において非凝固性ガス成分26であるものとして説明する場合がある。本明細書で用いられる「多数」及び「少数」という表現は、流れ、例えばプロセスガス流20中の成分又は成分の群の割合を意味している。流れの大部分又は多数成分は、ガス流中に存在する最も高い割合の成分又は成分の群を意味している。この最も高い割合は、対応の流れの少なくとも50%を形成し又はこれとは違ったやり方で表す場合が多いが、そうである必要はない。流れの僅かな部分又は少数成分は、多数成分又は成分の多数群を含む1種類又は2種類以上の成分未満の量で存在する成分又は成分の群を意味している。したがって、流れの少数成分は、流れの50%未満を形成し又は違ったやり方で表し、又、かかる少数成分は、流れの25%未満を示す場合がある。本明細書における別段の指定がなければ、これら割合は、モル百分率、即ちmol%である。
【0020】
上述したように、プロセスガス流20中に存在する場合があると共に接触組立体内の低温液体36との直接的接触によって除去できる凝固性のガス成分24の非限定的な例としては、二酸化炭素(CO2)、水(H2O)、硫化水素(H2S)、二酸化硫黄(SO2)、メルカプタン(RSH)及び硫化カルボニル(COS)が挙げられる。プロセスガス流20は、凝固性ガス成分24として水を含んでも良いことは、本発明の開示の範囲内にある。ただし、それほど水を含んでいない(即ち、質量に基づき約200ppm(parts per million)以下の水を含む)プロセスガス流20も又、脱水状態又は乾燥状態において、本発明の開示の範囲内にある。本発明の多くのプロセスガス流20は、凝固性ガス成分24として二酸化炭素を含み、幾つかのかかるシステム10及び/又は方法では、二酸化炭素は、プロセスガス流中に存在する凝固性ガス成分の大多数を占める。しかしながら、本発明の全てのシステム10及び/又は方法を用いて二酸化炭素を接触組立体40内で低温液体36との直接的接触により凍結させることにより二酸化炭素をプロセスガス流から除去することが必要であるというわけではない。
【0021】
一例を挙げると(非限定的に)、プロセスガス流20中に存在する場合のある(しかしながら、そうである必要のない)ガス成分28の非限定的な例示のリストの凍結点及び沸点が表1に示されている。
【0022】
【表1】

【0023】
本発明の全てのシステム10及び/又は方法の限定を行うわけではないが、以下の説明において、プロセスガス流20を、多数非凝固性ガス成分26として窒素ガス及び最も多数の又は多数凝固性ガス成分として二酸化炭素を含む凝固性ガス成分24並びに少数凝固性ガス成分として水、硫化水素、二酸化硫黄及び硫化カルボニルのうちの1つ又は2つ以上を含む煙道ガス流と称する場合がある。しかしながら、本明細書において開示したシステム及び方法を煙道ガス流以外のプロセスガス流に利用することができること及び凝固性ガス成分が二酸化炭素以外のガス流の成分又は二酸化炭素に加えたガス流の成分であっても良いことは、本発明の開示の範囲内にある。
【0024】
低温液体36は、接触温度及び接触圧力状態では、即ち、プロセスガス流を低温液体に直接接触させてプロセスガス流の少なくとも1種類の凝固性ガス成分を凍結させる温度及び圧力では液体、即ち、液相であるべきである。別の言い方で表現すると、低温液体36は、低温液体をプロセスガス流に接触させる温度よりも低く且つ/或いは対応の低温液体流30を接触組立体40に送る温度よりも低い凍結点を有する1種類又は2種類以上の成分を有しても良く、追加的に又は代替的にかかる1種類又は2種類以上の成分から成っていても良い。低温液体36及び低温液体流30(存在する場合)を、かくして、1種類又は2種類以上の液体成分34を含むものとして又はかかる1種類又は2種類以上の液体成分34から形成されるものとして説明される場合がある。低温液体流30及び低温液体36は、プロセスガス流20とは異なる全体的組成を有し、プロセスガス流中に存在していない少なくとも1種類の成分を含む。低温液体流30及び低温液体36は、プロセスガス流中に存在する成分(又は化合物)のうちのどれも含まなくても良いことは、本発明の範囲に含まれるが、これは、本発明の全てのシステム10及び/又は方法にとって必要条件ではない。
【0025】
接触組立体40への送り出しに先立って、低温液体36及びオプションとしての低温液体流30は、プロセスガス流を接触させる前に、−80℃未満、−100℃未満、−120℃未満、−140℃未満、−90℃〜−110℃、−110℃〜−130℃及び/又は−120℃〜−140℃の非限定的な例示の温度まで冷却されるのが良い。本発明の全てのシステム10及び/又は方法にとって必要ではないが、低温液体36は、プロセスガス流20中に存在する凝固性ガス成分24の低い溶解度を有するよう選択されるのが良く且つ周囲条件(即ち、20℃の温度及び1気圧(atm)(14.7psi)の圧力状態)では液体(即ち、液相)であるよう選択されるのが良い。少し異なった言い方で表現すると、低温液体36は、プロセスガス流から除去されることが望ましい少なくとも1種類の凝固性ガス成分34が低温液体中で低い溶解度を選択されるのが良い。非限定的な一例として、「低い溶解度」は、接触組立体の動作条件において低温液体中で10mol%以下、接触組立体の動作条件において低温液体中で5mol%以下又は更には接触組立体の動作条件において低温液体中で1mol%以下の溶解度を意味する場合がある。
【0026】
低温液体36の適当な液体成分又は組成物34の非限定的な例としては、非酸化炭化水素、例えば、流動イソアルカン、イソアルケン、これらの混合物、アルコール及びアルコール混合物が挙げられる。幾つかの実施形態では、混合物は、結果的に共融又はほぼ共融凍結点を有することになる組成物を含む場合がある。適当なイソアルカンの非限定的な例としては、軽質流動イソアルカン、例えばイソペンタン、イソヘキサン及びこれらの混合物が挙げられる。特定の非限定的な例として、3‐メチルペンタンの凍結点は、−163℃であり、1‐ヘキセンの凍結点は、−140℃であり、58重量%エタノールと42重量%メタノールの混合物の凍結点は、−140℃である。
【0027】
上述したように、接触組立体40内において、プロセスガス流20を低温液体36に直接接触させてプロセスガス流の凝固性ガス成分24のうちの少なくとも1種類を凍結させる。したがって、1種類又は2種類以上の凝固性ガス成分24を低温液体との接触によって凍結させた場合又は違ったやり方で凝固させた場合、凍結ガス24′、凝固ガス24′及び/又は凝固ガス成分24′と呼ぶ場合がある。凍結ガス24′を追加的に又は代替的に、プロセスガス流の凍結ガス成分24′及び/又はプロセスガス流の凝固ガス成分24′と呼ぶ場合がある。本明細書において、これら凍結ガス24′と記載した場合、これは、2種類又は3種類以上の互いに異なる凍結凝固性ガス成分の存在を必要とするものとして又はこれを排除するものとして解されてはならない。これとは異なり、凍結ガス24′は、一般に、接触組立体40内の低温液体36との直接的接触により凍結した1種類又は2種類以上の凝固性ガス成分24を意味する場合がある。
【0028】
接触組立体40は、少なくとも1つの容器、チャンバ及び/又は他の適当な接触構造体42を提供し、この中において、プロセスガス流20を接触組立体に送り、そして低温液体36に直接接触させてプロセスガス流の1種類又は2種類以上の凝固性ガス成分24を凍結させ又は違ったやり方で凝固させる。適当な接触構造体42の非限定的な例としては、1つ又は2つ以上のスプレー塔、気泡塔、気泡接触器、タンク又はプロセスガス流を低温液体に直接接触させる他の適当な容器が挙げられる。このようにプロセスガス流を低温液体に直接接触させると、低温液体とプロセスガス流との間で高い熱伝達率が得られ、即ち、間接的熱交換方法及び/又は装置を利用してプロセスガス流を低温液体で冷却する場合よりも高い熱伝達率が得られる。
【0029】
この接触は、任意適当なやり方及び/又はプロセスで達成でき、この接触は、液体とプロセスガス流の並流及び/又は向流接触を含む場合がある。本発明の幾つかのシステム10及び/又は方法では、プロセスガス流を低温液体の液滴又は個々の液滴に接触させるものとして説明する場合がある。かかる実施形態では、接触組立体は、例えば低温液体流30として接触組立体に送られた場合、これら液滴を低温液体から形成するよう構成され又は違ったやり方で構造化されるのが良い。低温液体の液滴とのプロセスガス流の直接的接触は、本発明のシステム10及び/又は方法に利用された場合、接触組立体及び/又は接触構造体の壁、流体入口及び/又は流体出口からの固体、即ち凝固ガス24′の形成を可能にする。例えば、これにより、望ましくない固形物の生成及び/又は堆積に起因したシステムのファウリング又は他の非動作化の恐れが減少する場合がある。
【0030】
低温液体36は、代表的には、低温液体を低温ガス流に直接接触させたときにプロセスガス流20の1種類又は2種類以上の凝固性ガス成分24を凝固させるのに適当な温度及び圧力状態で接触組立体40内に存在すると共に/或いはこれに送られる。上述したように、この温度の結果として、プロセスガス流の1種類又は2種類以上の非凝固性ガス成分26が気相のままであり又は気体成分としての状態のままである間、1種類又は2種類以上の凝固性ガス成分の凍結又は他の凝固が生じる。本発明の全てのシステム10及び/又は方法にとって必要ではないが、プロセスガス流20及び低温液体36は、相互の直接的接触時に比較的低い圧力状態にあるのが良く、プロセスガス流20(及び存在している場合には低温液体流30)をこれ又かかる比較的低い圧力状態で接触組立体に送るのが良い。換言すると、プロセスガス流の凝固性ガス成分24の凍結は、接触組立体40内でのスロットリング、ジュール‐トムソン膨張又は類似の圧力駆動プロセスを必要としないで起こることは、本発明の開示の範囲内にある。非限定的な例として、プロセスガス流と低温液体は、互いに接触しても良く、オプションとして、200psia未満、150psia未満、100psia未満、50psia未満、30psia未満又は更には20psia未満の圧力状態で接触組立体に送っても良い。幾つかの実施形態では、ガス流を接触組立体に送る前に圧縮しても良いが、一般的には、エネルギーの使用量を減少させるよう圧縮の必要性を最小限に抑えることが好ましい(必要であるというわけではない)。追加的に又は代替的に、プロセスガス流、低温液体及び低温液体流(存在する場合)を接触組立体に送って周囲圧力又はほぼ周囲圧力状態で且つ/或いは接触組立体内の圧力又はこれに近い圧力で互いに接触させることは、本発明の開示の範囲内にある。圧力との関連において、「〜圧力状態で又はこれに近い圧力状態で」という表現は、対応の基準圧力から20psia以内又は更には10psia又は5psia以内の圧力を含むことを意味している。
【0031】
図1では、接触組立体40は、接触組立体がただ1つの段又は接触構造体を含むことが本発明の範囲に含まれることを図式的に表すよう実線で概略的に示されている。図1では、接触組立体40は又、接触組立体が複数個の段又は接触構造体を含むことが本発明の範囲に含まれることを図式的に表すよう破線で示されている。接触組立体の段又は接触構造体は、低温液体及びプロセスガス流を例えば接触組立体の異なる状態又は接触構造体内で低温液体とプロセスガス流の接触に先立って、かかる接触と同時に且つ/或いは又はかかる接触後に互いに直接接触させる接触組立体の別個の構造体又はゾーンを意味している。接触組立体が複数個の段又は接触構造体を含む場合、これら段又は接触構造体を本発明の範囲から逸脱することなく直列に又は並列に動作させることができる。
【0032】
少なくとも1種類の凝固性成分24が接触組立体40内で除去されたプロセスガス流を処理済みガス流50と称する場合があり、かかるプロセスガス流は、プロセスガス流の非凝固性ガス成分26の全てではない場合であっても少なくとも大部分を含む。したがって、処理済みガス流50を追加的に又は代替的に減少した又はプロセスガス流よりも低い濃度の凝固性ガス成分24を有するものとして説明する場合がある。必要条件ではないが、処理済みガス流50には低温液体との直接接触により凍結された凝固性ガス成分が含まれていないのが良く又は実質的に含まれていないのが良いことは、本発明の開示の範囲内にある。かかる処理済みガス流50を追加的に又は代替的に、低温液体との直接的接触によりプロセスガス流から除去した凝固性ガス成分のうちの任意のものを含んでいないものとして説明する場合がある。図1に概略的に示されているように、処理済みガス流50を例えば処分、ガス抜き、貯蔵又は使用のために接触組立体から取り出すことができる。本発明の幾つかのシステム10及び/又は方法では、処理済みガス流を、オプションとして、ガス流が接触組立体40内に存在し又はこれを接触組立体40から排出する低い温度に起因して、先ず最初にガス流を冷却又は熱交換流として用いた後、環境に逃がすのが良い。
【0033】
接触組立体40内でプロセスガス流から除去される凍結ガス24′は、接触組立体内に動いて低温液体36と少なくとも当初混合される。凍結(凝固)ガスと低温液体36のこの混合物を本明細書においてはスラリ38と呼ぶ場合がある。というのは、これは、液体成分と固体成分との混合物だからである。固体(即ち、低温液体と混合された凍結ガス24′)の相対濃度は、本発明の範囲内で様々であって良い。生じた固体、即ち、凍結ガス24′が低温液体と混合されるので、適当な液体運搬装置及び/又は技術を利用してスラリを圧送し又は違ったやり方で運搬することによって固体を接触組立体内且つ/或いは接触組立体から運搬することができる。追加的に又は代替的に、凍結ガスをスラリ38内に存在している状態で、低温液体と共に運搬することができ、かくして、主として固体を運搬するために設計された装置及び/又は技術が不要である。
【0034】
しかる後、凍結ガスを低温液体から分離して除去流60を生じさせるのが良く、しかる後、かかる除去流を環境に逃がすことができ、使用することができ、貯蔵すること等ができる。除去ガス流に関する使用の非限定的な例として、除去ガス流を地下又は地中領域中に隔離すること及び例えば油を地下又は地中領域から回収するために油回収プロセスを助けることが挙げられる。低温液体36からの凍結ガス24′のこの分離は、本明細書において詳細に説明するように種々のプロセスにより達成でき、かかるプロセスとしては、物理的分離プロセス及び凍結ガスが再び気相(即ち、再び凝固性ガス24又は凝固性ガス成分24になる)温度まで凍結ガスを加熱する分離プロセスが挙げられる。追加的に又は代替的に、低温液体中の凍結ガスの濃度を低温液体36からの凍結ガスのかかる分離に先立って且つ/或いは接触組立体からの凍結ガス及び低温液体の少なくとも一部分のスラリの除去に先立って増大させても良い。非限定的な一例として、低温液体のうちの幾分かをスラリから除去してスラリ中の凍結ガスの相対濃度を増大させるようにしても良い。スラリから除去された液体を再利用してガス流の接触のために用いられる初期低温液体を生じさせても良い。スラリから分離された液体を処理済みガス流の少なくとも一部分との熱交換によって冷却しても良い。
【0035】
凍結ガス24′を接触組立体40内で低温液体から分離し、これを例えば図1に概略的に示されている除去流60として接触組立体から取り出すのが良い。上述したように除去ガス流60を接触組立体からの取り出し時に除去流60の成分の温度及び/又は圧力に応じて、凍結ガス24′及び/又は凝固性ガス24から形成することができる。除去流60全体を気相成分、例えば凝固性ガス成分24′で作られている場合、除去流60を除去ガス流60と呼ぶ場合がある。追加的に又は代替的に、これら凍結ガス及び接触組立体内に存在している低温液体36の少なくとも一部分をスラリ流70として接触組立体から取り出すことができ、かかるスラリ流は、混合相流70とも呼ぶ場合がある。しかる後、凍結ガスをこれ又図1に概略的に示されているように例えば除去流60を形成するようスラリ流70から除去することができる。本明細書において詳細に説明するように、除去流は、凝固性ガス成分24を気相、液相及び/又は固相で含むことができる。1つ又は2つ以上の除去流60は、その成分の1つ又は複数の相とは無関係に、プロセスガス流20から除去した1種類又は2種類以上の凝固性ガス成分を含む。
【0036】
図1に示されているように、液体ポンプ72を用いてスラリ流70の圧力を増大させることができ、その結果、除去ガス流の圧力を増大させることができ、この場合、これを行うのに圧縮機が不要である。したがって、除去ガス流60がプロセスガス流20の圧力よりも高い圧力を有する場合のあることは、本発明の範囲に含まれ、除去ガス流60のこの圧力(又はこの増大した圧力)は、除去ガス流を圧縮するための圧縮機を利用しないで得られる。本発明の全てのシステム10及び/又は方法にとって必要ではないが、分離組立体又は分離ユニット76を用いると、凍結ガス24′及び/又は凝固性ガス成分24からの低温液体のこの分離が可能である(その気体状態又は液体状態に応じて)。分離組立体がスラリの加熱によって凍結ガスを低温液体から分離して凍結(凝固)ガスを気相に戻す場合、分離組立体をガス分離器76及び/又はガス分離組立体と呼ぶ場合がある。凍結ガスの除去後に存在する低温液体は、図1では、結果としての又は残留低温液体流74として示されており、かかる低温液体を処分し、再循環させ、再冷却して(例えば、プロセスガス流との接触により加温されることによる)再利用し、他の目的のために使用すること等が可能である。結果としての低温液体流は、低温液体供給源32に戻される場合、再利用流74及び/又は低温液体再利用流74と呼ぶ場合がある。
【0037】
1種類又は2種類以上の凝固性ガス又は凝固性ガス成分24をプロセスガス流20から除去するシステム10の追加の非限定的な例が図2に概略的に示されている。図2のシステム10は、低温液体供給源32がシステムの一コンポーネントとして、即ち、低温液体流30を接触組立体40に送る元としての源として積極的に示されている点を除き、図1のシステムとほぼ同じである。低温液体流30は、まとまって低温液体36を形成する1種類又は2種類以上の液体成分34を含む。低温液体流30は、プロセスガス流からの1種類又は2種類以上の凝固性成分24を凍結させるための温度及び圧力の状態で接触組立体に送られ、かかる温度及び圧力としては、上述したように、凝固性ガス成分の凍結(又は昇華)点よりも低い温度及び相対的に低い接触圧力が挙げられ、これらの非限定的な例について本明細書において説明する。
【0038】
図2に示されている低温液体供給源32の非限定的な例が所与の量の低温液体36を収容した低温液体リザーバ132を有するものとして概略的に示されている。他の低温液体供給源32を図2のシステム10に利用することができると共に/或いは図2に示された低温液体供給源32を本発明の他のシステム10及び/又は方法に用いることができるということは、本発明の開示の範囲内にある。図2に示されているように、低温液体リザーバは、接触組立体40と流体連通状態にあり、低温液体供給源は、適当な送り出し機構体134、例えば液体ポンプ136の使用によって低温液体流30を接触組立体に送ることができる。追加的に又は代替的に、低温液体リザーバ132を低温液体36を駆動し又は推進してこれが低温液体流30として低温液体リザーバから接触組立体に流れるようにするのに適した圧力に維持しても良いことは、本発明の開示の範囲内にある。
【0039】
また、図2の低温液体供給源32内には冷却組立体138が示されており、この冷却組立体は、低温液体リザーバ132内の低温液体36を適当な温度、例えば、凍結ガス流の1種類又は2種類以上の凝固性ガス成分を凍結させるのに適した接触温度に又はこれに近い温度に(即ち、適当な接触温度に、又は適当な接触温度を5℃、10℃、20℃下回る温度に)維持する。冷却組立体138は、冷却作用を低温液体リザーバ132内の低温液体に及ぼす冷凍機構体又は他の適当な機構体若しくは装置を含むのが良い。従って、冷却組立体138を追加的に又は代替的に冷凍機構体又は冷凍組立体と呼ぶ場合がある。
【0040】
冷却組立体138は、低温液体の所望の冷却(又は再冷却)、例えばより低温のガス流との熱交換及びガス又は他の冷媒の膨張及び/又は相変化を行うのに適した任意の機構体又はプロセスを利用することができる。非限定的な一例として、冷媒を膨張させて低温液体を適当な温度、例えば、所望の接触温度又はこれよりも低い温度に冷却するのに適した温度まで冷媒を冷却するのが良い。適当な冷媒の非限定的な例として、メタン、エタン、プロパン及びこれらの混合物が挙げられるが、他の冷媒を用いても良い。
【0041】
低温液体のこの冷却を行うのに任意適当な熱交換構造体及び/又は機構体を利用することができる。図2では、冷却導管140が低温液体リザーバと冷却組立体との間に液体導管又はループとなるものとして示されているが、これは、本発明の全ての低温液体供給源にとって必要条件ではない。冷凍面上に固体が生じる恐れがある場合、例えば、再利用された低温液体中の溶解ガスが低温液体の再冷却時に凍結する(即ち、凝固する)場合、掻き落とし型熱交換器が適当な熱交換構造の非限定的な一例である。非限定的な追加のオプションとしての例として、熱交換構造体は、被膜、表面研磨、振動機構体及び/又は冷凍面上における固体の生成を減少させると共に/或いはこのようにして生じた固体を浸食するための低温液体の旋回を利用するのが良い。処理済みガス流50をオプションとして用いて冷媒を冷却する(膨張に先立って)と共に/或いは低温液体再利用流を冷却しても良い(処理済みガス流が低温液体再利用流よりも温度が低い場合)ことは、本発明の開示の範囲内にある。追加的に又は代替的に、低温液体を一段と冷却させる前に、冷凍面上における固体生成の恐れを抑えるのが良い。非限定的な一例としては、処理済みガスの一部分を低温流に接触させ、それにより、もしそのように構成していなければ冷凍面上の固体の生成を生じさせる恐れのある凝固性ガス成分の一部分を低温流から除去する。
【0042】
図2の例示のシステム10では、プロセスガス流20は、ガス送り出し機構体150によってプロセスガス流源22から接触組立体40に送られるものとして示されている。本発明の全てのシステム10にとって必要ではないが、本明細書で説明するように、プロセスガス流を比較的低い圧力、例えば周囲圧力又はこれに近い圧力で接触組立体に送ることは、本発明の開示の範囲内にある。かかる構成では、ガス送り出し機構体150は、プロセスガス流を高い圧力で接触組立体に送るべき場合に必要とされる場合がある圧縮機又はこれに類似した構造体とは対照的に、ファン又はブロワ152を含み又はファン又はブロワ152であるのが良い。
【0043】
また、図2には、オプションとしての水除去組立体160が示されており、この水除去組立体は、接触組立体40へのプロセスガス流の送り出しに先立って、プロセスガス流20から水を除去するよう構成されている。本明細書で用いられる流れの一成分の「除去」は、この成分の濃度を減少させることを含むが、流れからのこの成分の完全な除去を必要とするわけではない。したがって、水除去組立体160は、設けられている場合、プロセスガス流中の水の濃度を減少させるよう構成されており、かかる水除去組立体は、水をプロセスガス流から完全に除去するのが良い(しかしながら、そのようにすることが必要とされているわけではない)。水除去組立体160を利用する場合、プロセスガス流20を水除去組立体により水をプロセスガス流から除去する前に水和され又は加湿されたプロセスガス流と呼ぶ場合がある。追加的に又は代替的に、水除去組立体により水をプロセスガス流から除去した後においてはプロセスガス流を脱水され又は除湿されたプロセスガス流と呼ぶ場合がある。
【0044】
水除去組立体160は、水をプロセスガス流から除去するのに適した任意の構造体を含むと共に/或いは任意適当なプロセスを利用することができる。非限定的な一例として、水除去組立体160は、水をプロセスガス流から除去する乾燥剤又は他の吸収剤床又は吸収材料162を含むのが良い。非限定的な別の例として、水除去組立体160は、プロセスガス流中に液体として存在する水を除去する液‐気分離器又はウォーターノックアウト164を含むのが良い。水除去組立体160は、オプションとして、プロセスガス流を接触組立体40に送る前に、例えば熱交換によりプロセスガス流の温度を減少させる凝縮器又は他の予備冷却組立体166を有するのが良く又はこれと組み合わせ状態で用いられるのが良い。プロセスガス流のこの冷却により、プロセスガス流から液体としての水を凝縮させることができる。プロセスガス流から除去された水を液体水流168として水除去組立体から除去するのが良い。
【0045】
図2では、プロセスガス流20からの低温液体36と凝固ガス24′のスラリ38(液‐固混合物)がスラリ流70として接触組立体40から取り出されている状態で示されている。スラリ流70は、例えばスラリ流を接触組立体の一領域から取り出すことにより接触組立体内に残っている低温液体中に存在する高い濃度の凝固ガス24′を有するのが良く、かかる一領域は、他の領域よりも多くの凝固ガス24′を含んでいる。図2は又、本発明のシステム10がオプションとして、低温液体36をスラリ流から除去することによりスラリ流中の凝固ガス24′の濃度を増大させる固‐液分離器180を有するのが良いことを示している。図示のように、固‐液分離器180により除去された低温液体は、結果としての液体流74を形成し、これを本明細書において説明するようにシステム10内で利用し、再利用し、他の目的のために利用し、処分すること等を行うことができる。スラリ流70をスラリ流から低温液体が除去されると共に/或いは固‐液分離器180によりスラリ流で凝固ガスの濃度を増大させる濃縮スラリ流70′と呼ぶ場合がある。適当な固‐液分離器180の非限定的な例としては、1つ又は2つ以上の非機械的又は機械的分離方法、例えば遠心分離機、フィルタ、静止型遠心分離機又は沈降タンクが挙げられる。低温液体としてのイソヘキサン及び凍結ガス24′としての水及び二酸化炭素に用いられる静止型遠心分離との関連において、低温イソヘキサンは、凝固ガスからの低温液体の相当な部分の適当な除去を可能にするために固体二酸化炭素及び水(氷)の密度とは十分異なる密度を有する。静止型遠心分離の使用の代替手段として、他の利用可能な固‐液分離方法は、ケーク放出方式のバッチ濾過、ケーク放出方式の連続濾過、バッチ式遠心沈降及び連続遠心沈降を含む。フィルタを利用した固‐液分離は、利用される場合、プレス、例えばプレスローラ又はスクリュを用いて又は用いないで実施可能である。幾つかの実施形態では、フィルタは、焼結金属フィルタから成るのが良い。加うるに、固‐液分離システムは、機械的可動スクレーパを有するのが良い。
【0046】
システム10は、スラリ流70の圧力を増大させるポンプ72又は他の適当な機構体を更に有するのが良く、かかるスラリ流70は、上述したように、凍結ガス24′を含む液体流である。図2では、ポンプ(設けられる場合)は、液体分離器(設けられている場合)の下流側に配置されるのが良い。本明細書で用いられる「上流側」及び「下流側」という用語は、対応の流れの方向に対する対応の成分又は要素の相対位置を意味している。かくして、スラリ流70との関連において、図2の液体分離器180は、これが接触組立体からスラリ流を受け入れるので、接触組立体の下流側に示されており、分離組立体76は、スラリ流が液体分離器から分離組立体に流れるので、液体分離器180の下流側に位置している。
【0047】
図2では、分離組立体76は、スラリ流70(又は、場合によっては濃縮スラリ流70′)を受け入れてこのスラリ流を結果としての低温液体流74及び少なくとも1つの除去流60に分離するものとして示されている。上述したように、除去流60は、凝固性ガス成分24を固相、液相及び/又は気相の状態で含んでいる場合がある。したがって、分離組立体76内で生じる特定の除去流60中に存在する凝固性ガス成分の相に応じて、分離組立体を気‐液分離器、液‐液分離器及び/又は固‐液分離器と呼ぶ場合がある。上述したように、結果としての低温液体流74は、例えば低温液体36をガス分離器から低温液体供給源32、例えばその低温液体リザーバ132に戻し又は再利用する再利用流を形成することができる。低温液体流74を低温液体供給源に推進するために1つ又は2つ以上の液体ポンプ又は他の適当な推進機構体を利用することができる。
【0048】
また、図2に概略的に示されているようにこのシステムは、例えば2つ又は3つ以上の除去流60を生じさせるために2つ又は3つ以上の分離組立体76を有するのが良い。追加的に又は代替的に、分離組立体をこれがスラリ流70中の凝固ガス24′として分離組立体に送られた凝固性ガス成分24を含む1つ又は2つ以上の除去流60を選択的に生じさせるよう構成されているものとして説明する場合がある。これらガスの除去は、任意適当なプロセスにより実施でき、非限定的な一例は、スラリを凝固ガスが気体状態に戻る温度まで加熱することであり、気体状態を本明細書では気相とも呼ぶ。スラリのこの加熱は、例えば選択的に2種類又は3種類以上の凝固ガスが順次気相に戻り、それにより全てではない場合であっても主として、プロセスガス流から除去され、しかる後スラリから除去される凝固性ガス成分のうちの1種類をそれぞれ含む別々の結果としてのガス流を提供するよう1つ又は2つ以上のステップ又は段で実施されるのが良い。非限定的な一例として、スラリが低温液体36、固体二酸化炭素及び固体としての水(即ち、氷)を含む場合、スラリを二酸化炭素が気相に戻り、他方水が固相のままである温度まで加熱することにより、低温液体及びスラリ中で混合される固体のままである水から二酸化炭素の選択的な分離(除去流60として)が可能になる。14.7psiaの圧力状態でのかかる温度の非限定的な一例は、少なくとも−78.5℃且つ100℃未満の温度である。スラリを水が気相に戻る温度(即ち、1atmの圧力状態で少なくとも100℃の温度)まで更に加熱すると、低温液体からの水の分離(別の除去流60として)が可能である。
【0049】
本発明の幾つかのシステム10及び/又は方法では、凝固性ガス成分のうちの1種類又は2種類以上をスラリ70中に存在する固相から液相に加熱するのが良く、液相は、低温液体中で溶解可能であっても良く、そうでなくても良い。スラリを一段と加熱すると、その結果として、凝固性ガス成分が気相に戻る場合があり、それによりスラリの低温液体から分離される。追加的に又は代替的に、分離組立体76は、液相の凝固性ガス成分を低温液体から除去する液‐液分離器を含むのが良い。上述の説明の流れから理解されるべきこととして、低温液体36の温度は、本発明の範囲内において、例えば特定のシステム10の構成及び/又は低温液体の温度が測定されるシステム内の場所に応じて様々であって良い。
【0050】
図1と同様、接触組立体40は、接触組立体がただ1つの段又は接触構造体を含むことが本発明の範囲に含まれること又は接触組立体が複数個の段又は接触構造体を含んでも良いことを図式的に表すために図2に実線及び破線で概略的に示されている。同様に、図2は又、システム10がただ1つの低温液体供給源(及び/又は単一の低温液体及び/又は単一の低温液体リザーバ)及び/又は単一の分離組立体を有することが本発明の範囲に含まれること又はシステム10がオプションとして、複数個の低温液体供給源(及び/又は複数の低温液体及び/又は複数個の低温液体リザーバ、冷却組立体等)及び/又は複数個の分離組立体を有しても良いことを図式的に表すよう低温液体供給源32及び分離組立体76を実線及び破線で概略的に示している。
【0051】
次の非限定的な一例として、本発明のシステム10及び/又は方法は、水を含む場合のある1種類又は2種類以上の凝固性ガス成分をプロセスガス流から除去する第1の低温液体及び二酸化炭素を含む場合のある1種類又は2種類以上の他の凝固性ガス成分をプロセスガス流から除去する第2の低温液体を利用することができる。かかる構成により、異なる接触温度に維持される低温液体の使用及び/又はプロセスガス流の元の凝固性ガス成分のうちの1種類又は2種類以上が所望の又は許容可能であるといったレベルよりも優れた溶解度を有する低温液体の使用が可能になる場合がある(但し、この凝固性ガス成分がプロセスガス流と低温液体の接触に先立って他の低温液体との直接的接触によってプロセスガス流から除去されることを条件とする)。
【0052】
図3〜図5は、本発明に従って1種類又は2種類以上の凝固性ガス成分をプロセスガス流から低温液体との直接的接触により除去するシステム10の追加の非限定的な例を提供している。上述の図1及び図2並びにこれから説明する図3〜図5を含む本発明の図は、これらが本発明の種々の観点を協調して示すよう提供されているので縮尺通りには描かれていない。図中、同一の参照符号は、図面の種々の図にわたり、同一又は対応の、しかしながら必ずしも同一ではない要素を示している。したがって、同じ符号で示された要素が2つ又は3つ以上の図に示されている場合、かかる図の各々においてこれら要素について説明しない場合があるが、先の説明は、別段の指定がなければ当てはまることは、本発明の開示の範囲内にある。同様に、例示の数値、組成、これらの変形例等を含む同一番号で示された要素が本発明の2つ又は3つ以上の部分に関すると共に/或いは2つ又は3つ以上の図と関連して説明される場合、これら例示の数値、組成、これらの変形例等は、これが記載されるたびに説明を繰り返さない場合であっても当てはまることは、本発明の開示の範囲内にある。
【0053】
図3では、接触組立体40は、少なくとも3つの段又は接触ユニット41を含むものとして示されており、図3のシステム10は、追加的に又は代替的に、少なくとも3つの接触組立体40を有するものとして説明できることは、本発明の開示の範囲内にある。注目されるように、幾つかの実施形態では、接触組立体を単一装置に組み込むことができる。さらに、蒸留塔又は充填床式接触器の周知の技術分野と同様、理論的平衡段の数は、物理的接触組立体の数よりも多くても良く少なくても良い。図3では、少なくとも第4の接触組立体及び/又は接触ユニットは、本発明がかかる3つの構造体にのみ限定されることはなく、これとは異なり、4つ以上(2つ以下)のかかる構造体を有しても良いことを図式的に示すために破線で概略的に示されている。図3は又、2つの段又は分離ユニット77を含む分離組立体76を示しており、図3のシステム10が追加的に又は代替的に2つの分離組立体76を有するものとして説明できることは、本発明の開示の範囲内にある。
【0054】
図3には、水除去組立体160がプロセスガス流を例えば水が液体である温度(即ち、1〜99℃)に冷却する予備冷却組立体166を含むものとして示されている。本発明の全てのシステム10及び/又は方法にとって必要ではないが、予備冷却組立体166は、設けられている場合、プロセスガス流を水の凍結点の近くであるが、これよりも高い温度に冷却することができる。かかる温度又は温度範囲の非限定的な例示としては、1℃、2℃、5℃、1〜10℃、5〜30℃及び2〜20℃が挙げられるが、他の温度又は温度範囲を利用することができる。追加的に又は代替的にウォーターノックアウト164と呼ぶ場合のある液‐気分離器164が凝縮水をプロセスガス流から液体水流168として除去し、ファン152の形態をしたガス送り出し機構体150が除湿プロセスガス流を接触組立体に送るために利用される。1つ又は2つ以上の実施形態では、ウォーターノックアウト164から出たプロセスガス流は、水の凍結点よりも高い温度でのプロセスガス流の水飽和点に等しい濃度で水を含む。本明細書において説明するよう、水除去組立体160は、システム10のオプションとしてのコンポーネントであり、プロセスガス流20が少なくとも0.5〜1mol%、少なくとも1〜5mol%以上の水を含んでも良いことは、本発明の開示の範囲内にある。
【0055】
図3に示されている適当な接触組立体40の例では、接触組立体は、上述したように各々を接触組立体と呼ぶ場合のある少なくとも3つの接触段41を含むものとして示されている。図3の場合と同様、接触は、向流方式で且つ少なくとも1つの組をなす隣り合う段相互間での生成スラリ固形物の少なくとも一部分の機械的除去が行われる状態で実施されるのが良い。図3に示された段又は接触組立体は、各々、低温液体36とプロセスガス流20の気相成分28を互いに直接的に接触させる接触構造体42を含む。接触組立体からのスラリ流70を固‐液分離器180に通して濃縮スラリ流71を生じさせる。図示のように、固‐液分離器の各々からの濃縮スラリ流を例えば濃縮スラリ流を受け入れてこれらを混合スラリ流70′の状態に組み合わせるミキサ、マニホルド又は類似の構造体200で混合する。変形例として、スラリ流70を固‐液濃縮機に流れる前に混合しても良い。
【0056】
図3に示された例では、各段又は接触組立体は、直列に流体結合されており、その結果、低温液体供給源32からの低温液体流は、接触段の各々に順次送られると共にプロセスガス流20の気相部分が接触段の各々に順次送られるようになっている。同様に、固‐液濃縮機からの結果としての低温液体流74を次の(下流側の)流体結合接触段のための低温液体流として利用することができ、最終結果としての低温液体流74は、再利用流として低温液体供給源に再循環される。概略的に示されているように、低温液体を液滴として接触組立体内のプロセスガス流中に吹き込むと共に/或いは違ったやり方で小出しするのが良く、適当な接触構造体42の非限定的な例は、1つ又は2つ以上のスプレー塔である。
【0057】
低温液体とプロセスガスのこの順次接触は、任意適当な順序及び/又はやり方であって良く、向流接触方式が非限定的な一例である。さらに、接触段への液体及び/又はガスの流れは、直列ではなく並列に且つ/或いは並列と直列の両方で実施可能であることは本発明の開示の範囲内にある。
【0058】
図3では、濃縮スラリ流の圧力を液体ポンプ72で増大させ、1対の分離組立体76を利用して2つの互いに異なる除去流60、例えば主として二酸化炭素を含み又はそれどころか全て二酸化炭素である流れ60′及び主として水を含み又はそれどころか全てが水である流れ60″を生じさせる。上述したように、除去流60は、気相流であり、これを除去ガス流60と呼ぶ場合があるが、これは、本発明の全てのシステム10及び/又は方法にとって必要条件ではない。図示のように、分離組立体76は、この分離組立体に送られるスラリ流(濃縮スラリ流)の部分を加熱するために用いられる熱源210を含み、それにより、例えば、凍結ガス24′のうちの1種類又は2種類以上が気相に戻ると共に/或いはもはや固相ではないようにする。適当な熱源210の非源的な例としては、バーナ、燃焼ユニット、加熱器、抵抗加熱器、スラリとの熱的連絡状態にある加熱流体流等が挙げられる。
【0059】
図3では、低温液体供給源32は、冷媒との熱交換、例えば冷却剤ループ又は冷却剤回路140内での熱交換により低温液体リザーバ132内の低温液体36の温度を減少させる冷却又は冷凍組立体138を有する。また、図3に示されているように、接触組立体40内で凝固しなかったプロセスガス流20の部分(即ち、非凝固性ガス成分26)を含む処理済みガス流50は、例えば冷媒との熱交換によって冷媒を冷却するために冷却組立体138によって利用される。
【0060】
図4は、各々が冷却組立体138を含む場合のある別々の低温液体供給源32から別々の低温液体流30として送られる2つの低温液体36を有するシステム10の非限定的な例を提供している。図示のように、接触組立体40は、主要(又は上流側)接触組立体220及び補助(又は下流側)接触組立体222を含むものとして示されている。これら接触組立体の各々は、図1〜図3の先の説明に類似した2つ又は3つ以上の接触段を含むのが良い。しかしながら、図4に示されている例では、主要接触組立体は、プロセスガス流20を受け入れ、このプロセスガス流を低温液体供給源からの低温流体に直接接触させ、この低温液体及び低温液体供給源は、補助接触組立体内においてプロセスガス流を直接接触させるために用いられる低温液体及び低温液体供給源とは異なっている。したがって、低温液体及び低温液体供給源(及びこれらの成分)を主要又は上流側低温液体及び低温液体供給源と呼ぶ場合があり、低温液体及び低温液体供給源(及びこれらの成分)を補助又は下流側低温液体及び低温液体供給源と呼ぶ場合がある。「主要」及び「補助」という用語は、接触組立体(又は低温液体又は低温液体供給源)のうちの一方が他方と比較して大型であり、重要であり又は好ましいということを必要とするものではなく或いは、排除するものではなく、これとは異なり、単に、互いに異なる要素を説明上区別することを意図している。
【0061】
2種類又は3種類以上の低温液体を別々に利用して凝固性ガス成分をプロセスガス流20から除去するよう構成された例えば図4に示されているシステム10では、低温液体は、互いに異なる組成及び互いに異なる接触温度のうちの少なくとも1つを有する。互いに異なる組成を有する低温液体を利用することができる非限定的な例示の状況は、プロセスガス流の凝固性ガス成分のうちの1つが低温液体のうちの1つの中で溶解可能であり、これと反応し、これから除去するのが困難であり又はこれと接触するのが望ましくない場合である。この例を引き続き説明すると、水は、本発明のシステム10及び/又は方法において低温液体36として使用するのに適した多くのアルコール中で溶けるが、水は、本発明のシステム10及び/又は方法において低温液体36として用いるのに適した多くの炭化水素中では溶けない。したがって、図4のシステム10は、水を凍結ガス24′としてプロセスガス流から除去するのに適した接触温度を有する1種類又は2種類以上の炭化水素を主要低温液体として利用するのが良く、1種類又は2種類以上の他の凝固性ガス成分(例えば、少なくとも二酸化炭素)を凍結ガス24′としてプロセスガス流から除去するのに適した接触温度を有する1種類又は2種類以上のアルコールを補助低温液体として利用するのが良い。
【0062】
互いに異なる接触温度を有する低温液体を利用することができる状況の非限定的な一例は、互いに異なる低温液体(又は同種の低温液体)を例えば互いに異なる低温液体リザーバ132内に互いに異なる接触温度で維持することが望ましい(経済的に、熱力学的に等)場合である(これは、低温液体の全てを単一の低温液体リザーバ内に同一温度で維持しなければならない場合とは対照的である)。
【0063】
図5は、低温液体をプロセスガス流に液滴として吹き付け又は違ったやり方で小出しするのではなく、プロセスガス流を低温液体中で泡立たせる接触組立体40の一例を提供している。単一段を有する単一接触組立体40として示されているが、気泡塔又はこれに類似した接触構造体、例えば図5に示されている構造体を利用したシステム10は、かかる接触構造体の2つ又は3つ以上の段を利用しても良いことは、本発明の開示の範囲にある。また、システム10が異なるタイプの接触組立体及び/又は接触構造体を用いるのが良いことも本発明の開示の範囲にある。
【0064】
図5では、ガス送り出し機構体150は、ファンとは異なり圧縮機153であるものとして示されている。というのは、接触組立体がプロセスガス流を低温液体中で泡立たせる場合、プロセスガス流を従来型ファンが提供する圧力よりも僅かに高い圧力で接触組立体に送ることが望ましい場合があるからである。非限定的な一例として、圧縮機153は、プロセスガス流を少なくとも30〜50psiaの圧力で接触組立体に送るよう構成されているのが良い。
【0065】
図5は又、別個の液体リザーバ内の低温液体を冷却するのではなく、接触組立体又はその段を冷却するよう設計された冷却組立体138の一例を提供している。図示のように、冷却組立体は、冷媒を収容したジャケット又はシェル230を含む。符号232で示されているように、接触組立体40は、接触組立体内に蓄積した凍結ガス24′を除去する固体除去構造体、例えば、回転スクレーパを含むのが良い。
【0066】
1種類又は2種類以上の凝固性ガス又は凝固性ガス成分24をプロセスガス流20から低温液体36との直接的接触により除去するプロセス又は方法の非限定的な例が図6の流れ図に示されている。図6には、プロセスガス流20が示されており、このプロセスガス流は、気相成分又はガス28を含み、かかる気相成分又はガスは、少なくとも1種類の凝固性ガス成分24及び少なくとも1種類の非凝固性ガス成分26を含む。符号300で示されているように、プロセスガス流20をプロセスガス源又はプロセスガス供給源22から得ることができ、かかるプロセスガス流は、燃焼プロセスからの煙道ガス及び/又は他の排気流であっても良く又はこれらを含んでも良い。符号302では、プロセスガス流をオプションとして予備冷却し、この予備冷却は、水を凝縮させると共に/或いは水をプロセスガス流から除去するステップを含むのが良い。符号304では、プロセスガス流を低温液体36に直接接触させてプロセスガス流中に存在する凝固性ガス成分を凝固させる。上述したように、この接触は、プロセスガス流を低温液体に直接接触させるよう構成された接触組立体内で起こるのが良い。これ又上述したように、追加的に又は代替的に凍結ガス及び/又は固体と呼ぶ場合のある凝縮ガス成分は、凍結ガスを低温液体と混合したときに低温液体を含むスラリを形成する。さらに説明したように、この接触は、接触温度及び接触圧力で起こるのが良く、これらの非限定的な例については本明細書において説明した。
【0067】
符号306で示されているように、低温液体を低温液体流30として低温液体供給源32から送り出すのが良く、例えば、低温液体供給源32内では、低温液体は、プロセスガス流に直接接触させたときにプロセスガス流の凝固性ガス成分のうちの1種類又は2種類以上を凝固させるのに適した温度状態であるよう冷凍され又は違ったやり方で冷却されている。
【0068】
符号308では、低温液体及び凍結ガスを含むスラリ流70を低温液体とプロセスガス流を直接接触させる接触組立体又は他のチャンバ若しくは装置から引き出すのが良い。符号310で示されているように、接触ステップとスラリ除去ステップを例えば異なる接触組立体、接触組立体の異なる段等で繰り返し実施するのが良く、この接触は、直列又は順次方式で且つ/或いは向流方式で行われるのが良い。プロセスガス流の非凝固性ガス成分26を含む処理済みガス流50と呼ばれる場合のあるプロセスガス流の残りの部分(非凝固部分)を、低温液体とプロセスガス流を互いに直接的に接触させた接触組立体又は他のチャンバ若しくは装置から除去するのが良い。これは、図6に符号312で示されており、しかる後、処理済みガス流を環境に逃がし、利用し、貯蔵すること等するのが良い。
【0069】
スラリ流中の凍結ガスの濃縮は、符号320で示されているように、スラリ流中の凍結ガスの濃縮度を増大させることによって行われるのが良い。凍結ガスのこの濃縮は、種々の機構体により達成でき、その非限定的な例は、スラリ流から低温液体のうちの幾分か(しかしながら、全てではない)を除去することによる。除去した低温液体を符号322で示されているように例えば低温液体供給源に再循環させると共に/或いは再び利用してこれをプロセスガス流に接触させることができる。再利用低温液体を符号324で示されているように冷凍し又は違ったやり方で冷凍して例えば再利用低温液体をプロセスガス流に直接接触させたときにプロセスガス流から1種類又は2種類以上の凝固性ガス成分を凝固させるのに適した温度まで冷却する。上述したように、この冷却では、オプションとして、処理済みガス流を熱交換流として利用するのが良く、この冷却は、所望の冷却作用をもたらすよう冷媒及び/又は冷凍プロセスを利用するステップを含むのが良い。
【0070】
濃縮されると濃縮スラリ流と呼ばれる場合のあるスラリ流を符号326で示されているように例えば液体ポンプで加圧するのが良い。凍結ガスを符号328で示されているようにスラリ流から除去して少なくとも1つの除去流60を形成するのが良い。凍結ガスを低温液体から除去する非限定的な一例としての機構は、凍結ガスがもはや固相ではない温度へのスラリ流(濃縮スラリ流)の加熱を含む。この加熱により、スラリ流(濃縮スラリ流)を凍結ガスが気相に戻る温度に加熱するが、これは、本発明の全てのシステム及び方法にとって必要条件であるというわけではない。符号330で示されているように、スラリからの凝固性ガス成分の除去を繰り返し実施し、それにより例えば2種類又は3種類以上の凝固性ガス成分をスラリから順次且つ別々に除去するのが良い。スラリ流(濃縮スラリ流)から除去される凝固性ガス成分を利用し、処分し、環境に逃がし、貯蔵する等することができる。残りの低温液体を本明細書において説明するように再利用するのが良い。
【0071】
1種類又は2種類以上の凝固性ガス又は凝固性ガス成分24をプロセスガス流20から低温液体36との直接的接触によって除去するプロセス又は方法の追加の非限定的な例が図7の流れ図に示されている。図7は、図示の方法がプロセスガス流を第1の低温液体及び第2の低温液体に接触させるステップを含む点を除き、図6とほぼ同じであり、これら接触ステップは、それぞれ、符号304,404で示されており、第2の低温液体供給源は、符号406で示されている。上述したように、第1の低温液体と第2の低温液体は、互いに同一の又は異なる組成及び/又は互いに同一の又は異なる温度を有することができる。図示のように、プロセスガス流を第1の低温液体に接触した後に生じる処理済みガス流を符号312で示されているように除去し、しかる後、符号404で示されているように第2の低温液体に直接接触させる。しかる後、この方法は、図6と関連して上述した方法と同様に進むのが良く、対応の且つ類似の除去ステップ、繰り返し(接触)ステップ、濃縮ステップ、加圧ステップ、分離ステップ、繰り返し(分離)ステップ、再利用又は再循環ステップ及び冷却ステップがそれぞれ408,410,420,426,428,430,422,424で示されている。符号412では、プロセスガス流からの非凝固性ガス成分26を含む処理済みガス流50を除去し、しかる後、処理済みガス流を環境に逃がし、利用し、貯蔵する等することができる。
【0072】
図6及び図7では、1種類又は2種類以上の凝固性ガス成分をプロセスガス流から低温液体との直接的接触によって除去するシステム10の非限定的な例と関連して上述した種々の流体、流れ、動作条件等が参照される。適当な数値、組成、動作条件、変形例等の上述の非限定的な例は、図6及び図7と関連して再び説明されない場合であっても利用できることは、本発明の開示の範囲内にある。また、本明細書において説明すると共に/或いは図示した方法を本明細書において説明すると共に/或いは図示したシステム10を用いて実施し又は具体化できる(しかしながら、そのようにすることが必要であるというわけではない)ことは、本発明の開示の範囲内にある。追加的に又は代替的に、本明細書において説明すると共に/或いは図示したシステム10は、本明細書において説明すると共に/或いは図示した方法を実施するために利用できる(しかしながら、そのようにすることが必要であるというわけではない)ことは、本発明の開示の範囲にある。
【0073】
本発明のシステム10及び方法の例をシミュレートし又は熱力学的にモデル化して465HP(電気)0.35メガワット)を発生させる石炭燃焼発電プラントからの煙道ガス流の形態をしたプロセスガス流から二酸化炭素を除去するこれらの有効性について評価した。モデル化されたプロセス(煙道)ガス流は、1日当たり100万標準立方フィート(MMSCFD)(1立方フィートは、0.0283m3)の流量を有していた。脱水後、プロセスガス流は、80.7mol%の窒素ガス、14.5mol%の二酸化炭素、3.8mol%の酸素ガス、0.6mol%の水、0.4mol%の一酸化炭素の組成を有すると共に2.2℃の温度、16psiaの圧力及び15,940kg/時の質量流量を有していた。3‐メチルペンタンを低温液体として利用し、再利用低温液体を利用する6段向流接触組立体をモデル化した。低温液体を−130℃の温度で低温液体リザーバ内に維持し、−123℃の接触温度で接触組立体の第1段に送り出した。第2段から第6段までの接触温度は、それぞれ、−100℃、−95℃、−92℃、−85℃、−59℃であった。再利用低温液体は、99.6mol%の3‐メチルペンタン、0.2mol%の二酸化炭素、0.2mol%の窒素ガスの組成を有すると共に21,924kg/時の流量を有していた。メタン、エタン、プロパンの50‐30‐15mol%混合物を低温液体供給源に関し、冷却組立体のための冷媒として利用し、約1.37kgの冷却剤を処理した入口プロセス(煙道)ガスの1kgについて再利用した。3‐メチルペンタン中の二酸化炭素の溶解度は、ジャーナル・オブ・ケミカル・アンド・エンジニアリング・データ(J. Chem. Eng. Data),1971年,16(4),412−4に基づいていた。
【0074】
シミュレーションにより得られた使用済みガス流は、94.9mol%の窒素ガス、0.2mol%の二酸化炭素、4.4mol%の酸素ガス、0.0mol%の水及び0.5mol%の一酸化炭素の組成を有すると共に12,575kg/時の流量を有していた。したがって、モデル化された例は、二酸化炭素の大部分がプロセスガス流から除去されたことを実証している。モデル化された例では、処理済みガス流中に存在する二酸化炭素の量は0.2mol%に過ぎず、これは、二酸化炭素の約99%の除去に相当している。モデル化されたシステム10は、主として低温液体を−130℃で低温液体リザーバ内に維持するための冷却組立体に起因して、動作するのに90馬力(HP)の動力を利用したが、これは、発電プラントによる正味の発電量の20%未満に相当している。
【0075】
本明細書において、方法について非限定的な例のうちの幾つかを流れ図又はフローチャートと関連して説明すると共に/或いは提供したが、かかる図では、これら方法は、一連のブロック又はステップとして示されると共に説明されている。添付の形で具体的に説明していなければ、ブロックの順序は、流れ図の図示の順序とは異なっていても良く、かかる順序としては、ブロック(又はステップ)のうちの2つ又は3つ以上が異なる順序及び/又は同時に起こっても良いことは、本発明の開示の範囲にある。ブロック又はステップを論理として実施しても良く、これは又、ブロック又はステップを論理として実施するものとして説明できることは、本発明の開示の範囲内にある。幾つかのブロック又はステップは、機能的に均等な回路又は他の論理装置によって実施される表現及び/又は行為を表す場合がある。図示のブロックは、コンピュータ、プロセッサ及び/又は他の論理装置が行為に応動し、行為を実行し、状態を変化させ、出力又は表示を発生させると共に/或いは決定を下すようにする実行可能な命令を表す場合があるが、そうであることが必要とされているわけではない。
【0076】
第1の要素と第2の要素との間に置かれている本明細書で用いられる「及び/又は(原文明細書では“and/or”で表現されている)」という用語は、(1)第1の要素、(2)第2の要素及び(3)第1の要素及び第2の要素のうちの1つを意味している。「及び/又は」でリストされた多数の要素は、同じように解されるべきであり、即ち、要素のうちの「1つ又は2つ以上」も又、上述のように結合される。他の要素は、具体的に特定した要素に関連しているにせよ関連していないにせよいずれにせよ、オプションとして「及び/又は」という語句により具体的に特定される要素以外に存在していても良い。かくして、非限定的な例として、「A及び/又はB」という記載は、例えば、原文明細書において“comprising”(翻訳文では、「〜を有する」としている場合が多い)のような非限定的用語と関連して用いられる場合、一実施形態では、Aのみ(オプションとして、B以外の要素を含む)、別の実施形態では、Bのみ(オプションとして、A以外の要素を含む)、更に別の実施形態では、AとBの両方(オプションとして、他の要素を含む)を意味する場合がある。これら要素は、構成要素、行為、構造、ステップ、動作、数値等を有する場合がある。
【0077】
1つ又は2つ以上の要素のリストと関連して本明細書で用いられる「少なくとも1つ」という語句は、要素のリスト中の任意の1つ又は2つ以上の要素から選択された少なくとも1つの要素を意味するものと理解されるべきであるが、必ずしも、要素のリスト中に具体的に表示された各要素及び全ての要素のうちの少なくとも1つを含むわけではなく、しかも、要素のリスト中の要素の任意の組み合わせを排除するものでもない。また、この定義により可能なことは、要素は、オプションとして、具体的に特定された要素に関連するにせよ関連しないにせよいずれにせよ、「1つ」という語句が指し示す要素のリスト中に具体的に指定された要素以外に存在しても良い。かくして、非限定的な例として、「A及びBのうちの少なくとも一方」(又は、均等表現として、「A又はBのうちの少なくとも1つ」又は均等例として「A及び/又はBのうちの少なくとも一方」)は、一実施形態では、少なくとも1つ(オプションとして2つ以上を含む)Aを含み、Bが存在しない(且つオプションとして、B以外の要素を含む)ことを意味し、別の実施形態では、少なくとも1つ(オプションとして2つ以上を含む)Bを含み、Aが存在しない(且つオプションとして、B以外の要素を含む)ことを意味し、更に別の実施形態では、少なくとも1つ(オプションとして2つ以上を含む)Aを含むと共に少なくとも1つ(オプションとして2つ以上を含む)Bを含む(且つオプションとして、他の要素を含む)ことを意味する場合がある。換言すると、「少なくとも1つ」、「1つ又は2つ以上」及び「及び/又は」という語句は、非限定的表現であり、これらは、働きにおいて、連言的であると同時に選言的である。例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも1つ」、「A、B又はCのうちの少なくとも1つ」、「A、B及びCのうちの少なくとも1つ又は2つ以上」、「A、B又はCのうちの1つ又は2つ以上」及び「A、B及び/又はC」という表現は、Aだけ、Bだけ、Cだけ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、A、B及びCの全て、及びオプションとして、少なくとも1つの他の要素との組み合わせた上述のうちの任意のものを意味する場合がある。
【0078】
本明細書において参照により引用した特許文献及び非特許文献のうちの任意のものは、或る特定の仕方で用語を定め、又は本発明の非参照組み込み部分又は他の引用した文献のうちの任意のものと一致していない場合、本発明の非組み込み部分が優先されるべきであり、本明細書における用語又は組み込み内容は、用語が特定されると共に/或いは組み込み開示内容が元々存在している文献に対して優先するに過ぎないものとする。
【0079】
本発明のシステム及び方法の非限定的な例が以下の列挙した段落に与えられている。以下の列記した段落に含まれる本明細書に記載した方法の個々のステップは、追加的に又は代替的に、列挙した行為を実行する「ステップ」と称しても良いことは、本発明の開示の範囲内にある。
【0080】
A.凝固性のガス成分をプロセスガス流から除去する方法であって、前記方法は、
凝固性ガス成分を含むプロセスガス流を接触温度及び接触圧力で低温液体に接触させて前記低温液体及び前記プロセスガス流中の前記凝固性ガス成分の少なくとも一部分を凝固させることにより生じた固体を含む液‐固スラリを形成するステップを有し、前記接触により、前記低温液体との前記接触によって凝固しなかった前記プロセスガス流の一部分を含む処理済みガス流が更に生じ、前記低温液体は、前記プロセスガス流中の前記凝固性ガス成分が固相にオプションとして気相から固相に移行する温度状態にあり、前記低温液体は、前記凝固性ガス成分とは異なる組成を有し、
前記スラリから前記固体の少なくとも一部分を除去するステップを有する、方法。
【0081】
A1.前記凝固性ガス成分は、二酸化炭素、硫化水素、二酸化硫黄又は硫化カルボニルから成る群から選択される、段落A1記載の方法。
【0082】
A2.前記凝固性ガス成分は、二酸化炭素である、段落A又はA1記載の方法。
【0083】
A3.前記凝固性ガス成分は、水ではない、段落A〜A2のうちいずれか一に記載の方法。
【0084】
A4.前記プロセスガス流は、複数種類の凝固性ガス成分を含む、段落A〜A3のうちいずれか一に記載の方法。
【0085】
A5.前記固体は、前記複数種類の凝固性ガス成分のうちの少なくとも2つの凝固相を含む、段落A4記載の方法。
【0086】
A6.前記複数種類の凝固性ガス成分は、二酸化炭素、硫化水素、二酸化硫黄、水又は硫化カルボニルから成る群から選択される、段落A4又はA5記載の方法。
【0087】
A7.前記複数種類の凝固性ガス成分は、二酸化炭素を含む、段落A4〜A6のうちいずれか一に記載の方法。
【0088】
A8.前記複数種類の凝固性ガス成分は、水を含まない、段落A6又はA7記載の方法。
【0089】
A9.前記プロセスガス流は、水を含む、段落A〜A8のうちいずれか一に記載の方法。
【0090】
A10.前記方法は、前記接触に先立って前記プロセスガス流から前記水の少なくとも一部分を除去するステップを有する、段落A9記載の方法。
【0091】
A11.水の除去ステップは、前記プロセスガス流を前記水が凍結する温度まで冷却するステップと、前記液体水を前記プロセスガス流から分離するステップとを含む、段落A10記載の方法。
【0092】
A12.前記水除去ステップは、前記プロセスガス流を前記水が凍結する温度まで冷却するステップと、前記凍結水を前記プロセスガス流から分離するステップとを含む、段落A10記載の方法。
【0093】
A13.前記プロセスガス流は、水を含まない、段落A〜A8のうちいずれか一に記載の方法。
【0094】
A14.前記プロセスガス流は、200psia未満の圧力を有し、オプションとして、プロセスガス流は、100psia未満の圧力を有し、オプションとして、プロセスガス流は、50psia未満の圧力を有し、オプションとして、プロセスガス流は、30psia未満の圧力を有し、オプションとして、プロセスガス流は、100psia未満の圧力を有し、更にオプションとして、プロセスガス流は、20psia未満の圧力を有する、段落A〜A13のうちいずれか一に記載の方法。
【0095】
A15.前記プロセスガス流は、前記接触温度及び前記接触圧力において、気相のままである少なくとも1種類のガス成分を含む、段落A〜A14のうちいずれか一に記載の方法。
【0096】
A16.前記プロセスガス流は、窒素ガスを含み、オプションとして、前記プロセスガス流は、多数成分として窒素ガスを含む、段落A15記載の方法。
【0097】
A17.前記プロセスガス流は、燃焼プロセスからの排気流を含む、段落A〜A16のうちいずれか一に記載の方法。
【0098】
A18.前記プロセスガス流は、煙道ガス流を含み、オプションとして、煙道ガス流である、段落A〜A17のうちいずれか一に記載の方法。
【0099】
A19.前記低温液体は、固体二酸化炭素が前記プロセスガス流から沈殿する温度よりも低い温度を有する、段落A〜A18のうちいずれか一に記載の方法。
【0100】
A20.前記低温液体は、−100°未満の凍結点を有し、オプションとして、前記低温液体は、−120°未満の凍結点を有し、更にオプションとして、前記低温液体は、−140°未満の凍結点を有する、段落A〜A19のうちいずれか一に記載の方法。
【0101】
A21.前記低温液体は、前記接触圧力及び接触温度において10mol%未満の凝固性ガス成分溶解度を有し、オプションとして、前記接触圧力及び接触温度において5mol%未満の凝固性ガス成分溶解度を有し、更にオプションとして、前記接触圧力及び接触温度において2mol%未満の凝固性ガス成分溶解度を有する、段落A〜A20のうちいずれか一に記載の方法。
【0102】
A22.前記低温液体は、前記接触圧力及び接触温度において10mol%未満の二酸化炭素溶解度を有し、オプションとして、前記低温液体は、前記接触圧力及び接触温度において5mol%未満の二酸化炭素溶解度を有し、更にオプションとして、前記低温液体は、前記接触圧力及び接触温度において2mol%未満の二酸化炭素溶解度を有する、段落A〜A21のうちいずれか一に記載の方法。
【0103】
A23.前記低温液体は、イソアルカン、イソアルケン、又はアルコールのうちの少なくとも1つを含む、段落A〜A22のうちいずれか一に記載の方法。
【0104】
A24.前記低温液体は、前記低温液体の多数成分を構成するイソアルカン、イソアルケン又はアルコールのうちの少なくとも1つを含む、段落A23記載の方法。
【0105】
A25.前記低温液体は、前記プロセスガス流とは異なる組成を有する、段落A〜A24のうちいずれか一に記載の方法。
【0106】
A26.前記低温液体は、前記少なくとも1種類の凝固性ガス成分を含まない、段落A〜A25のうちいずれか一に記載の方法。
【0107】
A27.前記低温液体は、二酸化炭素を含まない、段落A〜A26のうちいずれか一に記載の方法。
【0108】
A28.前記低温液体は、20℃の温度及び1気圧の圧力の状態にある液体である、段落A〜A27のうちいずれか一に記載の方法。
【0109】
A29.前記低温液体は、2種類又は3種類以上の成分の混合物を含む、段落A〜A28のうちいずれか一に記載の方法。
【0110】
A30.前記低温液体は、イソヘキサン又はヘキサンを含む、段落A〜A29のうちいずれか一に記載の方法。
【0111】
A31.前記低温液体は、エタノールとメタノールの混合物を含む、段落A〜A30のうちいずれか一に記載の方法。
【0112】
A32.前記接触圧力は、100psia未満であり、オプションとして、前記接触圧力は、50psia未満である、段落A〜A31のうちいずれか一に記載の方法。
【0113】
A33.前記接触温度は、−80℃未満であり、オプションとして、前記接触温度は、−100℃未満であり、更にオプションとして、前記接触温度は、−120℃未満である、段落A〜A32のうちいずれか一に記載の方法。
【0114】
A34.前記接触ステップは、前記プロセスガス流を、前記プロセスガス流中の二酸化炭素を固体として沈殿させるのに十分な温度まで冷却するステップを含む、段落A〜A33のうちいずれか一にのうちいずれか一に記載の方法。
【0115】
A35.前記接触ステップは、前記プロセスガス流を、硫化水素を凍結させるのに十分な温度まで冷却するステップを含む、段落A〜A34のうちいずれか一に記載の方法。
【0116】
A36.前記接触ステップは、前記プロセスガス流を前記低温液体と共にスプレーするステップを含む、段落A〜A35のうちいずれか一に記載の方法。
【0117】
A37.前記接触ステップは、前記プロセスガス流を前記低温液体の液滴と共にスプレーするステップを含む、段落A36記載の方法。
【0118】
A38.前記接触ステップは、前記プロセスガス流を前記低温液体と共にスプレー塔中にスプレーするステップを含む、段落A36又はA37記載の方法。
【0119】
A39.前記接触ステップは、前記プロセスガス流と前記低温液体を向流方式で接触させるステップを含む、段落A〜A38のうちいずれか一に記載の方法。
【0120】
A40.前記接触ステップは、前記プロセスガス流を前記低温液体中に泡立たせるステップを含む、段落A〜A35のうちいずれか一に記載の方法。
【0121】
A41.前記方法は、前記低温液体との前記接触を異なる接触温度で繰り返すステップを含む、段落A〜A40のうちいずれか一に記載の方法。
【0122】
A42.前記低温液体は、第1の低温液体であり、更に、前記方法は、前記第1の低温液体は異なる組成を有する第2の低温液体との接触を繰り返すステップを有する、段落A〜A41のうちいずれか一に記載の方法。
【0123】
A43.前記方法は、第2の低温液体との接触を異なる接触温度で繰り返すステップを有する、段落A〜A42のうちいずれか一に記載の方法。
【0124】
A44.前記除去ステップは、前記スラリを前記固体がもはや固相にない温度まで加熱するステップを含む、段落A〜A43のうちいずれか一に記載の方法。
【0125】
A45.前記除去ステップは、前記スラリを前記固体が液相にある温度まで加熱するステップを含む、段落A44記載の方法。
【0126】
A46.前記除去ステップは、前記スラリを前記固体が気相にある温度まで加熱するステップを含む、段落A44記載の方法。
【0127】
A47.もはや固相にはない前記固体は、固体に変換され、更に、前記方法は、前記変換された固体を前記スラリから分離して出力流を形成するステップを有する、段落A44〜A46のうちいずれか一に記載の方法。
【0128】
A48.前記方法は、前記出力流を処分のために地下地層中に圧送するステップを有する、段落A47記載の方法。
【0129】
A49.前記方法は、前記除去ステップに先立って、前記スラリを加熱するステップを有する、段落A〜A48のうちいずれか一に記載の方法。
【0130】
A50.前記加圧ステップは、前記スラリの圧力を前記接触圧力よりも高い圧力まで増大させるステップを含む、段落A49記載の方法。
【0131】
A51.前記加圧ステップは、液体ポンプを用いて前記スラリの圧力を増大させることを含む、段落A49又はA50記載の方法。
【0132】
A52.前記加圧ステップは、ガス圧縮機を用いて前記スラリの圧力を増大させるステップを含まない、段落A49〜A51のうちいずれか一に記載の方法。
【0133】
A53.前記加圧ステップは、前記固体を密閉容器内で加熱するステップを含む、段落A49〜A51のうちいずれか一に記載の方法。
【0134】
A54.前記方法は、前記除去ステップに先立って、前記スラリ中の前記固体の濃度を高めるステップを有する、段落A〜A53のうちいずれか一に記載の方法。
【0135】
A55.前記除去ステップは、低温液体のうちの幾分かをスラリから除去することによって前記スラリ中の前記固体の濃度を高めるためにフィルタ、遠心分離機、静止型遠心分離機及び/又は沈降タンクのうちの少なくとも1つを利用するステップを含む、段落A54記載の方法。
【0136】
A56.前記方法は、前記除去ステップに先立って、前記低温液体の一部分を前記スラリから取り出して前記低温液体の再利用流を生成するステップを有し、更に、前記方法は、前記再利用流を前記接触温度又はこれよりも低い温度まで冷却するステップを有する、段落A〜A55のうちいずれか一に記載の方法。
【0137】
A57.前記方法は、前記再利用流を、前記低温液体を収容した液体リザーバに送り出すステップを有する、段落A56記載の方法。
【0138】
A58.前記スラリは、前記複数種類の凝固性ガス成分のうちの少なくとも2種類から形成された固体を含み、前記方法は、前記複数種類のガス成分を前記スラリから別々に除去して前記複数種類の凝固性ガス成分のうちの1種類をそれぞれ含む別々の除去流を形成するステップを更に有する、段落A4〜A57のうちいずれか一に記載の方法。
【0139】
A59.前記方法は、前記スラリを2つ又は3つ以上の段で加熱して少なくとも2種類の凝固性ガス成分を含む前記固体の部分を別々に溶解するステップを有する、段落A58記載の方法。
【0140】
A60.前記方法は、前記低温液体を低温液体供給源から前記接触組立体に送り出すステップを有する、段落A〜A59のうちいずれか一に記載の方法。
【0141】
A61.前記方法は、前記スラリ中の前記低温液体を前記液体供給源に再循環させるステップを含む、段落A〜A60のうちいずれか一に記載の方法。
【0142】
A62.前記方法は、前記固体を、オプションとしてガスを形成するために前記固体を加熱した後、地下領域中に注入するステップを有する、段落A〜A61のうちいずれか一に記載の方法。
【0143】
A63.前記方法は、ガスを形成するための前記固体の加熱後、前記固体を用いて炭化水素を地下領域から回収するステップを有する、段落A〜A62のうちいずれか一に記載の方法。
【0144】
A64.前記固体は、前記凝固性ガス成分を十分に冷却して気相から固相にすることによって形成された凍結ガスである、段落A〜A63のうちいずれか一に記載の方法。
【0145】
A65.前記固体は、前記凝固性ガス成分を化学的に反応させることなく又は1種類又は2種類以上の他の化合物を1種類又は複数種類の前記凝固性ガス成分から形成することなく、1種類又は複数種類の前記凝固性ガス成分から形成される、段落A〜A64のうちいずれか一に記載の方法。
【0146】
A66.前記除去により、前記固体を除去した結果としての液体流が生じ、更に、前記方法は、前記結果としての液体を再利用して前記低温液体の少なくとも一部分を形成するステップを有する、段落A〜A65のうちいずれか一に記載の方法。
【0147】
A67.前記方法は、前記結果としての液体流を前記処理されたガス流の少なくとも一部分の熱交換によって冷却するステップを有する、段落A66記載の方法。
【0148】
A68.前記接触ステップは、向流方式で実施される、段落A〜A67のうちいずれか一に記載の方法。
【0149】
A69.前記接触ステップは、2つ又は3つ以上の段で実施される、段落A〜A68のうちいずれか一に記載の方法。
【0150】
A70.前記除去ステップは、機械的に実施され、除去は、少なくとも1つの組をなす隣り合う段相互間で起こる、段落A〜A69のうちいずれか一に記載の方法。
【0151】
A71.前記スラリからの前記固体の少なくとも一部分の前記機械的除去により、濃縮流動性スラリが形成される、段落A〜A70のうちいずれか一に記載の方法。
【0152】
A72.凝固性のガス成分をプロセスガス流から低温液体との直接的接触によって除去して濃度が減少した前記凝固性ガス成分を含む処理済みガス流を形成するための段落A〜A71のうちいずれか一に記載の方法の使用。
【0153】
A73.凝固性のガス成分をプロセスガス流から低温液体との直接的接触によって除去して濃度が減少した前記凝固性ガス成分を含まない処理済みガス流を形成するための段落A〜A71のうちいずれか一に記載の方法の使用。
【0154】
A74.凝固性のガス成分をプロセスガス流から除去するシステムであって、前記システムは、段落A〜A71のうちいずれか一に記載の方法を実施する手段を有する、システム。
【0155】
A75.段落A〜A71のうちのいずれか一に記載の方法によってプロセスガス流から除去されたガス。
【0156】
A76.段落A〜A71のうちのいずれか一に記載の方法によって生じた処理済みガス流。
【0157】
B.低温液体との直接的接触によって凝固性のガス成分をプロセスガス流から除去するシステムであって、
低温液体温度を有する低温液体を含む低温液体供給源を有し、
凍結点を有する凝固性ガス成分及び前記凝固性ガス成分の前記凍結点よりも低い凍結点を有する少なくとも1つの他のガス成分を含むガスを含有したプロセスガスを含むプロセスガス源を有し、
前記低温液体供給源からの低温液体を含む低温ガス流、前記プロセスガス源からのプロセスガスを含むプロセスガス流を受け入れて前記低温液体を接触温度及び接触圧力で前記プロセスガスに直接接触させて液‐固スラリ及び処理済みガス流を生じさせる接触組立体を有し、前記スラリは、前記低温液体及び前記凝固性ガス成分から生じた固体を含み、更に、前記処理済みガス流は、前記少なくとも1つの他のガス成分を含み、
前記固体を前記スラリから除去して前記プロセスガス流から除去された前記凝固性ガス成分を含む除去流を生じさせるようになった分離組立体を有する、システム。
【0158】
B1.前記接触組立体は、前記プロセスガス流を前記低温液体中に泡立たせるよう構成されている、段落B記載のシステム。
【0159】
B2.前記接触組立体は、前記低温液体を前記プロセスガスにスプレーするよう構成されている、段落B又はB1記載のシステム。
【0160】
B3.前記接触組立体は、少なくとも1つのスプレー塔、気泡塔、気泡接触器又はタンクを含む、段落B又はB2記載のシステム。
【0161】
B4.前記接触組立体は、少なくとも1つのスプレー塔を含む、段落B2記載のシステム。
【0162】
B5.77接触組立体は、前記プロセスガス流を前記低温液体に直接接触させる複数個の接触段を含む、段落B〜B4のうちいずれか一に記載のシステム。
【0163】
B6.前記複数個の接触段は、前記低温液体とプロセスガス流を向流方式で接触させるよう構成されている、段落B5記載のシステム。
【0164】
B7.前記複数個の接触段は、前記低温液体とプロセスガス流を直列に接触させるよう構成されている、段落B5又はB6記載のシステム。
【0165】
B8.前記接触組立体は、複数個の接触組立体から成る、段落B〜B7のうちいずれか一に記載のシステム。
【0166】
B9.前記低温液体供給源は、第1の低温液体供給源であり、前記低温液体流は、第1の低温液体流であり、前記低温液体は、第1の低温液体であり、更に、前記システムは、第2の低温液体を含む第2の低温液体流を送り出してこれを前記プロセスガス流に直接接触させるようになった第2の低温液体供給源を有する、段落B8記載のシステム。
【0167】
B10.前記第1の低温液体と前記第2の低温液体は、互いに異なる組成を有する、段落B9記載のシステム。
【0168】
B11.前記第1の低温液体と前記第2の低温液体は、互いに異なる温度を有する、段落B9又はB10記載のシステム。
【0169】
B12.前記複数個の接触組立体は、前記プロセスガス流を前記第1の低温液体に直接接触させる接触組立体を含み、更に、前記複数個の接触組立体は、前記プロセスガス流の少なくとも一部分を前記第2の低温液体に直接接触させる第2の接触組立体を含む、段落B9〜B11のうちいずれか一に記載のシステム。
【0170】
B13.前記分離組立体は、前記スラリを前記固体がもはや固相にない温度まで加熱するようになっている、段落B〜B12のうちいずれか一に記載のシステム。
【0171】
B14.前記分離組立体は、前記スラリを前記凝固性ガス成分の凍結点を超える温度まで加熱するようになっている、段落B〜B13のうちいずれか一に記載のシステム。
【0172】
B15.前記熱源は、抵抗加熱器を含む、段落B14記載のシステム。
【0173】
B16.前記熱源は、バーナを含む、段落B14記載のシステム。
【0174】
B17.前記熱源は、前記スラリと熱的連絡状態にある加熱流体流を含む、段落B14記載のシステム。
【0175】
B18.前記プロセスガスは、複数種類の凝固性ガス成分を含み、前記固体は、前記複数種類の凝固性ガス成分から形成され、更に、前記システムは、複数個の分離組立体を有する、段落B〜B17のうちいずれか一に記載のシステム。
【0176】
B19.各分離組立体は、前記スラリから前記凝固性ガス成分の各々をそれぞれ除去するようなっている、段落B〜B18のうちいずれか一に記載のシステム。
【0177】
B20.各分離組立体は、前記スラリを加熱して凝固性ガス成分を前記スラリから除去するようになっている、段落B18又はB19記載のシステム。
【0178】
B21.前記分離組立体は、前記スラリを種々の温度に加熱するようになっている、段落B18〜B20のうちいずれか一に記載のシステム。
【0179】
B22.前記システムは、前記プロセスガス流から除去するようになった水除去組立体を更に有する、段落B〜B21のうちいずれか一に記載のシステム。
【0180】
B23.前記水除去組立体は、前記プロセスガス流を冷却するよう担っている、段落B22記載のシステム。
【0181】
B24.前記システムは、前記接触組立体からの前記スラリを含むスラリ流を受け取って前記スラリの圧力を増大させる液体ポンプを有する、段落B〜B23のうちいずれか一に記載のシステム。
【0182】
B25.前記液体ポンプは、前記スラリの圧力を前記接触圧力よりも高い圧力まで増大させるよう構成されている、段落B24記載のシステム。
【0183】
B26.前記システムは、前記接触組立体からの前記スラリを含むスラリ流を受け入れて前記スラリ流を濃縮スラリ流及び結果としての低温液体流に分離するようになった固‐液分離器を有し、前記濃縮スラリ流は、前記スラリ流よりも高い濃度の前記固体を含み、更に、前記結果としての低温液体流は、前記スラリ流中に存在する前記低温液体の全てを含んでいない、段落33記載のシステム。
【0184】
B27.前記固‐液分離器は、フィルタ、遠心分離機、静止型遠心分離機及び/又は沈降タンクのうちの少なくとも1つから成る、段落B27記載のシステム。
【0185】
B28.前記固‐液分離器は、前記スラリ流を前記濃縮スラリ流及び前記結果としての低温液体流に分離するためにバッチ動作モード、半バッチ動作モード又は連続動作モードで利用される、段落B26又はB27記載のシステム。
【0186】
B29.前記凝固性ガス成分は、二酸化炭素、硫化水素、二酸化硫黄又は硫化カルボニルから成る群から選択される、段落B〜B28のうちいずれか一に記載のシステム。
【0187】
B30.前記凝縮性ガス成分は、二酸化炭素である、段落B〜B29のうちいずれか一に記載のシステム。
【0188】
B31.前記凝固性ガス成分は、水ではない、段落B〜B30のうちいずれか一に記載のシステム。
【0189】
B32.前記プロセスガス流は、複数種類の凝固性ガス成分を含む、段落B〜B31のうちいずれか一に記載のシステム。
【0190】
B33.前記固体は、前記複数種類の凝固性ガス成分のうちの少なくとも2つの凝固相を含む、段落B32記載のシステム。
【0191】
B34.前記複数種類の凝固性ガス成分は、二酸化炭素、硫化水素、二酸化硫黄、水又は硫化カルボニルから成る群から選択される、段落B32又はB33記載のシステム。
【0192】
B35.前記複数種類の凝固性ガス成分は、二酸化炭素を含む、段落B32〜B34のうちいずれか一に記載のシステム。
【0193】
B36.前記複数種類の凝固性ガス成分は、水を含まない、段落B34又はB35記載のシステム。
【0194】
B37.前記プロセスガス流は、水を含む、段落B〜B35のうちいずれか一に記載のシステム。
【0195】
B38.前記プロセスガス流は、水を含まない、段落B〜B36のうちいずれか一に記載のシステム。
【0196】
B39.前記プロセスガス流は、200psia未満の圧力を有し、オプションとして、プロセスガス流は、100psia未満の圧力を有し、オプションとして、プロセスガス流は、50psia未満の圧力を有し、オプションとして、プロセスガス流は、30psia未満の圧力を有し、オプションとして、プロセスガス流は、100psia未満の圧力を有し、更にオプションとして、プロセスガス流は、20psia未満の圧力を有する、段落B〜B38のうちいずれか一に記載のシステム。
【0197】
B40.前記プロセスガス流は、前記接触温度及び前記接触圧力において、気相のままである少なくとも1種類のガス成分を含む、段落B〜B39のうちいずれか一に記載のシステム。
【0198】
B41.前記プロセスガス流は、窒素ガスを含み、オプションとして、前記プロセスガス流は、多数成分として窒素ガスを含む、段落B40記載のシステム。
【0199】
B42.前記プロセスガス流は、燃焼プロセスからの排気流を含む、段落B〜B42のうちいずれか一に記載のシステム。
【0200】
B43.前記プロセスガス流は、煙道ガス流を含み、オプションとして、煙道ガス流である、段落B〜B42のうちいずれか一に記載のシステム。
【0201】
B44.前記低温液体は、固体二酸化炭素が前記プロセスガス流から沈殿する温度よりも低い温度を有する、段落B〜B43のうちいずれか一に記載のシステム。
【0202】
B45.前記低温液体は、−100°未満の凍結点を有し、オプションとして、前記低温液体は、−120°未満の凍結点を有し、更にオプションとして、前記低温液体は、−140°未満の凍結点を有する、段落B〜B44のうちいずれか一に記載のシステム。
【0203】
B46.前記低温液体は、前記接触圧力及び接触温度において10mol%未満の凝固性ガス成分溶解度を有し、オプションとして、前記接触圧力及び接触温度において5mol%未満の凝固性ガス成分溶解度を有し、更にオプションとして、前記接触圧力及び接触温度において2mol%未満の凝固性ガス成分溶解度を有する、段落B〜B45のうちいずれか一に記載のシステム。
【0204】
B47.前記低温液体は、前記接触圧力及び接触温度において10mol%未満の二酸化炭素溶解度を有し、オプションとして、前記低温液体は、前記接触圧力及び接触温度において5mol%未満の二酸化炭素溶解度を有し、更にオプションとして、前記低温液体は、前記接触圧力及び接触温度において2mol%未満の二酸化炭素溶解度を有する、段落B〜B46のうちいずれか一に記載のシステム。
【0205】
B48.前記低温液体は、イソアルカン、イソアルケン、アルコール又はこれらの混合物を含む、段落B〜B47のうちいずれか一に記載のシステム。
【0206】
B49.前記低温液体は、前記低温液体の多数成分を構成するイソアルカン、イソアルケン又はアルコールのうちの少なくとも1つを含む、段落B48記載のシステム。
【0207】
B50.前記低温液体は、前記プロセスガス流とは異なる組成を有する、段落B〜B49のうちいずれか一に記載のシステム。
【0208】
B51.前記低温液体は、前記少なくとも1種類の凝固性ガス成分を含まない、段落B〜B50のうちいずれか一に記載のシステム。
【0209】
B52.前記低温液体は、二酸化炭素を含まない、段落B〜B51のうちいずれか一に記載のシステム。
【0210】
B53.前記低温液体は、20℃の温度及び1気圧の圧力の状態にある液体である、段落B〜B52のうちいずれか一に記載のシステム。
【0211】
B54.前記接触圧力は、100psia未満であり、オプションとして、前記接触圧力は、50psia未満であり、更にオプションとして、前記接触圧力は、35psia未満である、段落B〜B53のうちいずれか一に記載のシステム。
【0212】
B55.前記接触温度は、−80℃未満であり、オプションとして、前記接触温度は、−100℃未満であり、更にオプションとして、前記接触温度は、−120℃未満である、段落B〜B54のうちいずれか一に記載のシステム。
【0213】
B56.段落A〜A70のうちのいずれか一に記載の方法を利用するよう構成された段落B〜B55のうちいずれか一に記載のシステム。
【0214】
B57.前記プロセスガス流は、水の凍結点よりも高い温度において水飽和率に等しい濃度の状態にある水を含む、段落B〜B55のうちいずれか一に記載のうちいずれか一に記載のシステム。
【0215】
B58.前記接触組立体は、前記低温液体と前記プロセスガスを向流方式で接触させるようになっている、段落B〜B57のうちいずれか一に記載のシステム。
【0216】
B59.前記接触組立体は、2つ又は3つ以上の段を含む、段落B〜B58のうちいずれか一に記載のシステム。
【0217】
B60.前記分離組立体は、固体を前記液‐固スラリから機械的に除去し、除去は、少なくとも1つの組をなす隣り合う段相互間で起こる、段落B〜B59のうちいずれか一に記載のシステム。
【0218】
B61.段落B〜B50のうちいずれか一に記載のシステムによってプロセスガス流から除去されたガス。
【0219】
B62.段落B〜B60のうちいずれか一に記載のシステムによって生じた処理済みガス流。
【0220】
C.凝固性のガス成分をプロセスガス流から除去するシステムであって、
低温液体及びプロセスガス流を提供する手段を有し、前記プロセスガス流は、凍結点を有する凝固性ガス成分及び前記凝固性ガス成分の前記凍結点よりも低い凍結点を有する少なくとも1つの他のガス成分を含み、更に、前記低温液体は、前記プロセスガス流中の前記凝固性ガス成分が固相に移行する温度よりも低い凍結点を有し、前記低温液体は、20℃の温度及び1atmの圧力状態では液化であり、前記低温液体は、前記プロセスガス流とは異なる組成を有し、
前記低温液体を前記プロセスガス流に直接接触させて前記凝固性ガス成分を凝固させて液‐固スラリ及び処理済みガス流を生じさせる手段を有し、前記スラリは、前記低温液体及び前記凝固した凝固性ガス成分を含み、更に、前記処理済みガス流は、前記スラリを生じさせるために凝固しなかった前記プロセスガス流の一部分を含み、
前記凝固した凝固性ガス成分を前記スラリから除去する手段を有する、システム。
【0221】
C1.前記凝固性ガス成分は、二酸化炭素であり、前記他のガス成分は、窒素ガスである、段落C記載のシステム。
【0222】
C2.前記直接接触手段は、少なくとも1つのスプレー塔、気泡塔、気泡接触器又はタンクを含む、段落C又はC1記載のシステム。
【0223】
C3.前記低温液体は、少なくとも1つのイソアルカン、イソアルケン又はアルコールを含む、段落C〜C2のうちいずれか一に記載のシステム。
【0224】
C4.前記直接接触手段は、前記低温液体を前記プロセスガス流に向流方式で接触させる、段落C〜C3のうちいずれか一に記載のシステム。
【0225】
C5.前記直接接触手段は、前記低温液体を前記プロセスガス流に2つ又は3つ以上の段で接触させる、段落C〜C4のうちいずれか一に記載のシステム。
【0226】
C6.前記除去手段は、前記凝固した凝固性ガス成分を少なくとも1つの組をなす隣り合う段相互間で機械的に除去する、段落C〜C5のうちいずれか一に記載のシステム。
【産業上の利用可能性】
【0227】
本明細書において開示したシステム及び方法は、少なくとも油及びガス並びにガス処理業界に利用できる。
【0228】
上述した開示は、独立した有用性を有する多くの別々の発明を含むと考えられる。これら発明の各々をその好ましい形態で開示したが、本明細書において開示すると共に図示した本発明の特定の実施形態は、多くの変形例が可能なので、限定された意味で解されるべきではない。本発明の内容は、本明細書において開示した種々の要素、特徴、機能及び/又は性質の全ての新規且つ非自明的なコンビネーション及びサブコンビネーションを含む。同様に、原文特許請求の範囲において、“a ”(翻訳文では明示して訳していない場合が多い)又は“a first”(翻訳文では「第1の」としている場合がある)を冠詞とする要素又はその均等例が記載されている場合、かかる特許請求の範囲は、2つ又は3つ以上のかかる要素を必要とせず又は排除することもなく、1つ又は2つ以上のかかる要素の組み込みを含むものと理解されるべきである。
【0229】
特許請求の範囲は、特に、開示した発明のうちの1つに関すると共に新規且つ非自明的である或る特定のコンビネーション及びサブコンビネーションを具体的に指摘していると考えられる。特徴、機能、要素及び/又は特性の他のコンビネーション及びサブコンビネーションで具体化される発明は、この又は関連の出願における現特許請求の範囲の補正又は新特許請求の範囲の提出により特許請求の範囲に記載できる。かかる補正クレーム又は新クレームは、これらが別の発明に関するにせよ同一発明に関するにせよ、保護範囲が原特許請求の範囲に対して異なるにせよ広いにせよ狭いにせよ同一であるにせよ、いずれにせよ、本明細書において開示した発明の内容に含まれるものと解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凝固性のガス成分をプロセスガス流から除去する方法であって、前記方法は、
(a)凝固性ガス成分を含むプロセスガス流を接触温度及び接触圧力で低温液体に接触させて前記低温液体及び前記プロセスガス流中の前記凝固性ガス成分の少なくとも一部分を凝固させることにより生じた固体を含む液‐固スラリを形成するステップを有し、
前記接触により、前記低温液体との前記接触によって凝固しなかった前記プロセスガス流の一部分を含む処理済みガス流が更に生じ、
前記低温液体は、前記プロセスガス流中の前記凝固性ガス成分が固相に移行する温度状態にあり、
前記低温液体は、前記凝固性ガス成分とは異なる組成を有し、
前記プロセスガス流は、前記接触温度及び前記接触圧力では気相のままである少なくとも1種類のガス成分を含み、
(b)前記スラリから前記固体の少なくとも一部分を除去するステップを有する、方法。
【請求項2】
前記凝固性ガス成分は、二酸化炭素、硫化水素、二酸化硫黄又は硫化カルボニルから成る群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記凝固性ガス成分は、二酸化炭素である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記プロセスガス流は、複数種類の凝固性ガス成分を含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記プロセスガス流は、水の凍結点よりも高い温度における水飽和率に等しい濃度の水を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、前記接触に先立って前記プロセスガス流から前記水の少なくとも一部分を除去するステップを有する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記プロセスガス流は、燃焼プロセスからの排気流を含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記低温液体は、固体二酸化炭素が前記プロセスガス流から沈殿する温度よりも低い温度を有する、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記低温液体は、前記接触圧力及び接触温度において10mol/%未満の凝固性ガス成分溶解度を有する、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記低温液体は、前記プロセスガス流とは異なる組成を有する、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記低温液体は、20℃の温度及び1気圧の圧力状態では液体であり、更に、前記低温液体は、−100℃未満の凍結点を有する、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記低温液体は、イソアルカン、イソアルケン、アルコール又はこれらの組み合わせを含む、請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記低温液体は、2種類又は3種類以上の成分の混合物を含む、請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記低温液体は、イソヘキサン、イソヘキセン又はこれらの組み合わせを含む、請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記低温液体は、エタノール、メタノール又はこれらの組み合わせを含む、請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記接触圧力は、100psia未満であり、更に、前記接触温度は、−80℃未満である、請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記接触は、前記プロセスガス流を前記低温液体に吹き付けるステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項18】
前記接触は、前記プロセスガス流を前記低温液体中で泡立たせるステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項19】
前記方法は、異なる接触温度で前記低温液体との前記接触を繰り返すステップを有する、請求項1記載の方法。
【請求項20】
前記低温液体は第1の低温液体であり、前記方法は、更に、前記第1の低温液体とは異なる組成を有する第2の低温液体との前記接触を繰り返すステップを有する、請求項1記載の方法。
【請求項21】
前記方法は、異なる接触温度での第2の低温液体との前記接触を繰り返すステップを有する、請求項1記載の方法。
【請求項22】
前記除去は、前記スラリを前記固体の少なくとも一部分がもはや固相ではない温度まで加熱するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項23】
前記除去に先立って、前記方法は、前記スラリを前記接触圧力よりも高い温度まで加圧するステップを有する、請求項1記載の方法。
【請求項24】
前記加圧は、前記固体を密閉容器内で加熱することにより達成される、請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記除去に先立って、前記低温液体の一部分を前記スラリから除去することにより前記スラリ中の前記固体の濃度を増大させるステップを有する、請求項1記載の方法。
【請求項26】
もはや固相の状態ではない前記固体は、変換固体であり、前記方法は、前記変換固体の少なくとも一部分を分離して出口流を形成するステップを有する、請求項22記載の方法。
【請求項27】
前記出口流は、処分のために地下地層中に圧送される、請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記除去により、前記固体が除去された結果としての液体流が生じ、前記方法は、前記結果としての液体を再利用して前記低温液体の少なくとも一部分を形成するステップを有する、請求項1記載の方法。
【請求項29】
前記方法は、前記処理済みガス流の少なくとも一部分との熱交換により前記結果としての液体流を冷却するステップを有する、請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記接触ステップは、向流方式で実施される、請求項1記載の方法。
【請求項31】
前記接触ステップは、2つ又は3つ以上の段で実施される、請求項1記載の方法。
【請求項32】
前記除去ステップは、機械的に実施され、前記除去は、少なくとも1つの組をなす隣り合う段相互間で生じる、請求項1記載の方法。
【請求項33】
低温液体との直接的接触によって凝固性のガス成分をプロセスガス流から除去するシステムであって、
低温液体温度を有する低温液体を含む低温液体供給源を有し、
凍結点を有する凝固性ガス成分及び前記凝固性ガス成分の前記凍結点よりも低い凍結点を有する少なくとも1つの他のガス成分を含むガスを含有したプロセスガスを含むプロセスガス源を有し、
前記低温液体供給源からの低温液体を含む低温ガス流、前記プロセスガス源からのプロセスガスを含むプロセスガス流を受け入れて前記低温液体を接触温度及び接触圧力で前記プロセスガスに直接接触させて液‐固スラリ及び処理済みガス流を生じさせる接触組立体を有し、前記スラリは、前記低温液体及び前記凝固性ガス成分から生じた固体を含み、更に、前記処理済みガス流は、前記少なくとも1つの他のガス成分を含み、
前記固体を前記スラリから除去して前記プロセスガス流から除去された前記凝固性ガス成分を含む除去流を生じさせるようになった分離組立体を有する、システム。
【請求項34】
前記接触組立体は、前記プロセスガス流を前記低温液体に直接接触させる複数個の接触段を含む、請求項33記載のシステム。
【請求項35】
前記接触組立体は、複数個の接触組立体を有し、前記低温液体供給源は、第1の低温液体供給源であり、前記低温液体流は、第1の低温液体流であり、前記低温液体は、第1の低温液体であり、更に、前記システムは、第2の低温液体を含む第2の低温液体流を送り出してこれを前記プロセスガス流に直接接触させるようになった第2の低温液体供給源を有する、請求項33記載のシステム。
【請求項36】
前記第1の低温液体及び前記第2の低温液体は、互いに異なる組成及び互いに異なる温度のうちの少なくとも一方を有する、請求項35記載のシステム。
【請求項37】
前記分離組立体は、前記スラリを前記凝固性ガス成分の前記凍結点よりも高い温度まで加熱するようになった熱源を含む、請求項33記載のシステム。
【請求項38】
前記システムは、前記接触組立体からの前記スラリを含むスラリ流を受け入れて前記スラリ流を濃縮スラリ流及び結果としての低温液体流に分離するようになった固‐液分離器を有し、前記濃縮スラリ流は、前記スラリ流よりも高い濃度の前記固体を含み、更に、前記結果としての低温液体流は、前記スラリ流中に存在する前記低温液体の全てを含んでいない、請求項33記載のシステム。
【請求項39】
前記固‐液分離器は、フィルタを含む、請求項38記載のシステム。
【請求項40】
前記固‐液分離器は、機械的可動スクレーパを含む、請求項33記載のシステム。
【請求項41】
前記固‐液分離器は、バッチ動作モード、半バッチ動作モード又は連続動作モードで利用されて前記スラリ流を前記濃縮スラリ流及び前記結果としての低温液体流に分離する、請求項38記載のシステム。
【請求項42】
前記凝固性ガス成分は、二酸化炭素、硫化水素、二酸化硫黄又は硫化カルボニルから成る群から選択される、請求項33記載のシステム。
【請求項43】
前記凝固性ガス成分は、水ではない、請求項33記載のシステム。
【請求項44】
前記接触圧力は、100psia未満であり、前記接触温度は、−80℃未満である、請求項33記載のシステム。
【請求項45】
前記接触圧力は、35psia未満である、請求項44記載のシステム。
【請求項46】
前記低温液体は、−100℃未満の凍結点を有し、更に、前記低温液体は、20℃の温度及び1atmの圧力では液体である、請求項33記載のシステム。
【請求項47】
前記低温液体は、前記接触圧力及び前記接触温度においては10mol%未満の凝固性ガス成分溶解度を有する、請求項33記載のシステム。
【請求項48】
前記低温液体は、前記プロセスガス流とは異なる組成を有する、請求項33記載のシステム。
【請求項49】
凝固性のガス成分をプロセスガス流から除去するシステムであって、
低温液体及びプロセスガス流を提供する手段を有し、前記プロセスガス流は、凍結点を有する凝固性ガス成分及び前記凝固性ガス成分の前記凍結点よりも低い凍結点を有する少なくとも1つの他のガス成分を含み、更に、前記低温液体は、前記プロセスガス流中の前記凝固性ガス成分が固相に移行する温度よりも低い凍結点を有し、前記低温液体は、20℃の温度及び1atmの圧力状態では液体であり、前記低温液体は、前記プロセスガス流とは異なる組成を有し、
前記低温液体を前記プロセスガス流に直接接触させて前記凝固性ガス成分を凝固させて液‐固スラリ及び処理済みガス流を生じさせる手段を有し、前記スラリは、前記低温液体及び前記凝固した凝固性ガス成分を含み、更に、前記処理済みガス流は、前記スラリを生じさせるために凝固しなかった前記プロセスガス流の一部分を含み、
前記凝固した凝固性ガス成分を前記スラリから除去する手段を有する、システム。
【請求項50】
前記凝固性ガス成分は、二酸化炭素であり、前記他のガス成分は、窒素ガスである、請求項49記載のシステム。
【請求項51】
前記直接接触手段は、少なくとも1つのスプレー塔、気泡塔、気泡接触器、タンク又はこれらの組み合わせを含む、請求項49記載のシステム。
【請求項52】
前記直接接触手段は、少なくとも1つのスプレー塔を含む、請求項49記載のシステム。
【請求項53】
前記低温液体は、少なくとも1つのイソアルカン、イソアルケン、アルコール又はこれらの組み合わせを含む、請求項49記載のシステム。
【請求項54】
前記直接接触手段は、前記低温液体を前記プロセスガス流に向流方式で接触させる、請求項49記載のシステム。
【請求項55】
前記直接接触手段は、前記低温液体を前記プロセスガス流に2つ又は3つ以上の段で接触させる、請求項49記載のシステム。
【請求項56】
前記除去手段は、前記凝固した凝固性ガス成分を少なくとも1つの組をなす隣り合う段相互間で機械的に除去する、請求項49記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−518716(P2013−518716A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551981(P2012−551981)
【出願日】平成23年1月5日(2011.1.5)
【国際出願番号】PCT/US2011/020247
【国際公開番号】WO2011/097043
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(500450727)エクソンモービル アップストリーム リサーチ カンパニー (46)
【Fターム(参考)】